ブロックチェーンでゲーム内アイテムを管理するHorizonが5.1億円を調達

オンラインゲームのプレイヤーがゲーム内でアイテムをゲットしたとき、そのアイテムの保有者は誰だろう? プレイヤー? それともゲームを作った会社?

ほとんどの場合、その答えはおそらく後者だろう。アイテムはプレイヤーのデジタル目録に入るだろうが、会社はアイテムを取り上げたり、プレイヤーが売ったり誰かにあげたりするのを阻止したりすることができる。

Horizon Blockchain Gamesは、まず自社のタイトルから、ゲームにおける所有権の問題に取り組んでいる。これを実現するために、同社は追加で500万ドル(約5億1000万円)を調達した。

Horizonは2つの事業に並行して取り組んでいる。ひとつ目は「Arcadeum」というイーサリアムベースのプラットフォームを構築してゲーム内のアイテムを扱うことだ。アイテムのインスタンスを取得したら、そのアイテムを実証できるかたちでプレイヤー間で交換、販売、贈与できるようにする。プレイヤーが所有したアイテムはそのプレイヤーのもので、使用、交換、販売をすることができる。Horizonが取り上げることはできない。ゆくゆくはこのプラットフォームをほかのデベロッパーが利用できるように公開する計画だ。

もうひとつは、自社でのゲーム開発だ。「SkyWeaver」というデジタルトレーディングカードゲームは、同社を成長させるものであるのと同時にプラットフォームの見本でもある。

SkyWeaverはファンタジー系のトレーディングカードゲームで、Blizzardの「Hearthstone」に似ているといえばわかりやすいだろう。Windows、macOS、Linux、iOS、Android版があり、無料でプレイできる。

SkyWeaverのプレイヤーは購入、取得、交換で得たカードでバトルをする。現在は約500種類のカードがあり、それぞれのカードに「銀」と「金」がある。

ゲーム内のカードはすべて、基本の「銀」を2ドル(約205円)で購入できる。同社によれば、数ドルあれば誰もが最も強いと思われるカードを獲得できるようにしており、フィールドを公平にしているという。一方、「金」カードは、見た目だけが違うもので能力や使い勝手に変わりはないが、戦って手に入れるか、オープンなマーケットでほかのプレイヤーから購入する必要がある。「銀」のカードは常に2ドル(約205円)で買えるが、「金」カードの価値はレア度や需要によって激しく変化する。

SkyWeaverのカードは、ブロックチェーンを利用したプレイヤーのArcadeumウォレットに保管される。ただしシンプルにするために、ブロックチェーンの複雑な部分は表面的には見えない。プレイヤーが自分で扱いたいと思えば、カードをイーサリアムベースの別のウォレットに送ることができる。

SkyWeaverは2019年7月ごろからプライベートベータが運用されている。HorizonのチーフアーキテクトのPeter Kieltyka(ピーター・キルティカ)氏はTechCrunchに対して、このゲームのプレイヤーは現在1万2000人ほどで、ウェイトリストには9万2000人が登録されていると語った。

Horizonは2019年のシードラウンドで375万ドル(約3億8000万円)を調達した。同社は今回の調達を、最初のラウンドの拡張と位置づけている。今回のラウンドは前回も投資したInitialized Capitalが主導し、Golden Ventures、DCG、Polychain、CMT Digital、Regah Ventures、ConsenSysも支援した。

Horizonは、SkyWeaverのパブリックベータを2020年後半に公開する予定だとしている。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

ゲームの人工音声をより「人間らしく」するSonanticが約2.8億円を調達

ゲームやそのほかのエンターテインメントの人工音声を「人間らしく」するイギリスのスタートアップであるSonanticが、230万ユーロ(約2億7680万円)の資金を調達した。

EQT Venturesがこのラウンドをリードし、前からの投資家であるEntrepreneur First(EF)とAME Cloud Ventures、そしてHorizons VenturesのBart Swanson(
バート・スワンソン)氏が参加した。なお、Twitchの共同創業者Kevin Lee(
ケビン・リー)氏も、初期の投資家の1人だ。

2018年にCEOのZeena Qureshi(ジーナ・クレシ)氏とCTOのJohn Flynn(
ジョン・フリン)氏は、ロンドンで行われたEFのインキュベーター事業に参加して同社を創業した。以前はSpeak Aiという社名だったSonanticは、世界のゲームとエンターテインメントの音声技術に革新をもたらしたいと考えている。同社は開発した人工音声技術を、ゲームスタジオがオンデマンドで使える「表情豊かでリアルな演技音声」と呼んでいる。すでにAAA(トリプルエー)のゲームスタジオ10社あまりとの研究開発パートナーシップを進めている。

Sonanticが解決する問題について尋ねると、クレシ氏は次のように答えている。「ゲームに会話を入れる工程は時間がかかり、高価で労働集約的な作業だ。この工程はキャスティング、スタジオの予約、契約、スケジューリング、編集、監督などなど、大量の調整作業を要する。音声つきのビデオゲームは、頻繁に変わるゲームデザインに付き合わされて1本のゲームが完成するまでに10年かかることもある。そのたびにゲームデベロッパーは、同じような繰り返し作業を強いられる。しかも途中で予算オーバーになったり、ゲームのリリースが遅れたりすることもある」

こういった問題を解決するためにSonanticは、クレシ氏が「オンデマンドで動的な演技音声」と呼ぶ技術を提供する。この技術は、キャラクターに求められる性別や個性、アクセントの特徴、声色、感情などに基づいて正しいタイプの声を作り出す。同社の人間の声に近いテキスト音声変換システムはAPIで提供され、ユーザーはGUIのツールで合成声優を編集し、変化させ、まるで人間の俳優に行うように監督(演技指導)する。

そのためにSonanticは、俳優たちといっしょに彼らの声を合成し、その際の演技指導も行う。「さらにその声のデジタルバージョンを提供することで、彼らの受動的収入源になり、俳優たちの助けにもなる」とSonanticのCEOは説明する。

経費を下げ、すぐに利用可能な音声モデルを用意していることで、Sonaticはゲームスタジオが短期間で繰り返しの作業が安価でできるようにしている。同社のSaaSとAPIによりいろんな音声演技を作って試すことも簡単で、ストーリーの細かい変更や編集、そして監督も楽にできるようになる。

一方でSonanticは怒り、悲しみ、喜びなどさまざまな感情のこもった音声を作り出す同社の技術をいずれ一般公開したいと考えている。同社によるとそれは、本当に有能な本物の俳優や声優にしかできない技能だそうだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Appleが中国で4年放置されていたApp Storeの抜け穴をやっと封鎖

こんにちは。TechCrunch中国まとめニュースにようこそ。これは中国の技術情勢を伝える最新情報と、それが世界中の人々にとって何を意味するのかをお伝えするダイジェストだ。今週、Appleは競争の激化に直面する中国国内における、コンプライアンスの強化を告げる大きな動きをみせた。しかし投資家たちは、この際どい問題に対する同社の中国内におけるアプローチに不満を示している。

ウイルスゲームが削除された

致命的なウイルスを、世界全体に感染させることを目標としたシミュレーションゲームの「Plague Inc.」は、先週中国のiOS App Storeから削除された。1月下旬にCOVID-19新型コロナウイルスが流行して以来、中国のユーザーたちは、この8年前から存在していたゲームを数多くダウンロードしていた。おそらくは流行を理解するための代替手段を模索していたのだろう。

市場調査会社App Annieのデータによれば、このタイトルは、年初の28位から上昇して、1月下旬から2月のほぼ全期間を通して中国で最もダウンロードされたアプリだ。

ゲームを制作した英国のNdemic Creationsは、声明の中で「状況(AppleのApp StoreからのPlague Inc.の削除)は、完全に私たちの手の届かないところにある」と述べている。中国政府が発表した削除に対する不透明な理由は、このゲームには「中国のサイバースペース管理局(同国のインターネット監視組織)によって違法だとされているコンテンツが含まれている」というものだ。

この出来事は中国内外で多くの注目を集めている。Plague Inc.のプレイが厄介なものになる可能性があると考えた北京政府の圧力に、Appleが屈したのだと推測する者もいる。1つの問題点は、そのチュートリアルの中で中国がデフォルトの感染開始国として扱われているということだ(実際のゲームでは世界中のどんな場所からでも感染を開始させることができる)。2018年に出された報告によれば、Plague Inc.は中国での配布の公式許可を実際に申請したものの、その「社会的に不適切な」コンテンツのため に却下されている。

またNiko PartnersのゲームアナリストであるDaniel Ahmad(ダニエル・アーマド)氏のように、プレイヤーが「フェイクニュース」を生成できるようになった12月のアップデートが、健康危機の中でアドバイスを求める人たちをミスリードする可能性があると、中国政府が判断したのかもしれないと指摘する声もある。

アーマド氏はまた、今回の禁止は、現在中国で進行している無許可のモバイルゲームの取り締まりにリンクされているかもしれないと示唆している。特にPlague Inc.の禁止は、Appleが先週行った中国のアプリストア内のすべてのゲームは、7月からはISBN番号の形式で 政府の承認を得る必要があるという発表と同時に行われた。この新しい規制プロセスが何を伴うのかについての詳細は、ほとんど明らかにされていない。また開発者たちには、現在公開されている公式には承認されていないゲームが削除されるのかどうかも知らされていない。

Appleの投資家たちは、同社が中国内でアプリを取り下げたことに満足していない。株主の40%はAppleが人権へのコミットメントを維持し、北京政府のアプリ検閲要求にどのように対応するかをより透明化すべきだとする提案を支持している

Appleの対応の遅れ

とはいえ、ゲームの許諾要求は新しい話ではない。実際、Appleは長年存在していた規制の抜け穴を、やっと塞ごうとしているのだ。中国政府は2016年の段階で、PCとモバイルの両方のビデオゲームに対して、中国内での流通の前にISBN番号を申請しなければならないと規定していた。数カ月のうちに、中国内の技術大手企業が運営している各社のAndroidストアたちは、違法ゲームを排除するために迅速な対応を行った。なお公式のGoogle Playストアは中国では利用できない。

しかし、Appleはコンテンツが厳しく監視されている世界最大のゲーム市場の中で、許諾されていないタイトルたちをなんとか維持し続けてきた。Appleには、そうするための多くのインセンティブがあるのだ。中国でのiPhoneのシェアの低下にもかかわらず(公平を期すなら、Huawei以外のすべての中国の携帯電話メーカーが、最近は市場シェアの低下に苦しんでいる)、中国におけるiOSアプリ、特にゲームはAppleにとって重要な収益源のままだ。

そのため、Appleにとって中国で公開するアプリのハードルをクリアすることは、最大の関心事なのだ。意志あるところに道あり。2016年以前は、中国でのゲーム公開の手間は比較的少ないものだった。同年に行われた規制変更に従って、Appleは各ゲームに対して政府からの許諾証明を要求し始めたが、そのポリシーを強制的には適用しなかった。地元メディアは、デベロッパーが適当に作成したISBN番号を使うか、最初に海外のiOS App Storeで公開しその後中国に切り替えることでルールを回避できると報道していた。

この疑わしいやり口は看過されなかった。2018年8月には、中国の国営メディアが、App Store承認に対するAppleのお粗末な見過ごしを激しく非難した。

ゲームに対する審査を強化したとしても、必要とされる許可を得るための資金と運営資源が豊富な中国の大手ゲーム会社には、ほとんど影響がないだろう。むしろ、彼らの挑戦は、北京政府のイデオロギーガイドラインに沿ったコンテンツを工夫することであり、その例はTencentによるPUBGの愛国的修正に見ることができる。

だが最悪の打撃は、App Storeの抜け穴を利用して、名前やロゴ、キャラクターを変えて偽装しながら大量にリリースされるいわゆる「ソックパペット(马甲包、靴下人形)ゲーム」を制作しているような、小規模の独立したスタジオや会社が受けることになるだろう。彼らはそうした工夫をすることで、より多くの流通を実現し収益を得ることができていたのだが、そうしたソックパペットたちが当局の厳しい審査を通過できる可能性はほとんどない。ある中国のゲームブログが予想しているように、この動きは不正行為を終わらせる可能性がある。

原文へ
(翻訳:sako)

GDC 2020が中止(もしくは夏に延期)になった

サンフランシスコのGame Developers Conference(ゲームデベロッパーカンファレンス、GDC)を企画した連中はこれまで慌ただしい日々を過ごしていたに違いないと思うが、米国時間2月28日になってそのチームは、3月に予定されているそのイベントの中止を正式に決めたと発表した。彼らのブログ記事には、できれば夏の終わりごろへスケジュールを繰り延べたいとある。

このところ、このイベントの有力企業スポンサーのほとんどすべてが、新型コロナウイルスをめぐる不安により社員をイベントに送らないと発表した。MicrosoftやUnity、Epic、Amazon、Facebook、Sonyなどはすべて不参加を決めた。GDCの声明はウイルスに触れていない。

GDCの主催企業は、カンファレンスと展示会の前売り券を買った人には全額返済すると言っているが、2020年のGDCが消えてなくなるのではなく、夏の終わりごろにずらしたい、とブログで書いている。曰く「パートナーといっしょに詳細を詰めて、数週間後に我々の計画に関する情報をシェアしたい」そうだ。

GDCは、新型コロナウイルス騒動で中止に追い込まれたテクノロジーカンファレンスの、最新例にすぎない。2月28日にはFacebookが、F8カンファレンスの生出演(オフライン)の部分を中止すると発表したし、さらにその前には、バルセロナで行われる予定だったMobile World Congress(MWC)の中止を、主催団体GSMAが発表した

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

「Zombs Royale」のEnd Gameが約3億2000万円調達

End Game InteractiveのCEOであるYang C. Liu(ヤン・C・リュウ)氏は、彼と共同創業者であるLuke Zbihlyj(ルーク・ズビリジ)氏が現在何をしているのかについて、あっけらかんと次のように語る。「私たちはただゲームを開発しているところです。正直なところ、私たちは何をしているのか、わかっていないのです」

この無計画宣言にもかかわらず、End Gameは名のある投資家グループから300万ドル(約3億2000万円)のシード資金を調達した。今回のラウンドはゲームに注力するMakers Fundが主導し、「Clash of Clans」の開発元であるSupercell、UnityのCEOであるDavid Helgason(デビッド・ヘルガソン)氏、TwitchのCOOであるKevin Lin(ケビン・リン)氏、TwitchのVPであるHubert Thieblot(ヒューバート・シーブロット)氏、Main Street AdvisorsのDanny Epstien(ダニー・エプスタイン)氏、そしてScooter Braunの音楽エグゼクティブであるAlexandre Cohen(アレキサンダー・コーエン)氏が参加している。

リュウ氏の話によれば、彼とズビリジ氏が最初に始めたのは、既存のゲームに関連するウェブサイトの制作だった、たとえばPokemon GOのポケモンを探すためのサイトPokéVisionなどがその例だ。しかし、彼らはSlither.ioのようなブラウザベースのシンプルなマルチプレイヤーゲームの成功に触発されて、独自のゲームを開発。最初はZombs.ioを、次にSpinz.ioそしてZombs Royaleを開発した。

End Gameによれば、タイトルを合わせると1億6千万人以上のプレーヤーを獲得し、1日で100万人がプレーしているという。特にZombs Royaleは大ヒット作のようだ。このバトルロワイヤルゲーム(1つのマップで最大100人のプレイヤーが対戦できる)は、2018年に最もGoogle検索されたゲームの1つだった。

リュウ氏は、こうしたチームによる成功が、彼らをゲーム開発に集中させるようになったのだと述べる。「私たちは、みんながただ使うだけの製品を作りたいのだろうか? それともみんなが学校に行ったり、仕事に行ったり、夢を見てしまうようなゲームを作りたいのだろうか?」

End Gameの創業者たち

Zombs Royaleは4週間足らずで開発されたとされるゲームだが、リュウ氏によれば、2018年初めに最初のローンチを行って以降、チームはゲームの保守とスケールアップの対応に大部分の時間を使ったのだという。そして2019年は新しいチームづくりと、次のゲームであるFate Arenaの開発に費やされた。このゲームは近日中にPC、モバイル、その他のプラットフォーム上で発売される予定になっている新しい「オートチェス」ジャンルのタイトルだ。

リュウ氏によれば、シンプルな2Dアートを用いたこれまでのEnd Gameの製品とは異なり(「Zombs RoyaleとSpinzで、私はアートを担当しましたが、それらはひどいできでした」と彼は語った)、Fate Arenaは「3Dで高精度のアートスタイル」を採用しているということだ。

しかし、同社のゲームがこれまでのような素朴なものではないように見え始めたとしても、依然として目標は迅速な開発と反復だ。リュウ氏はこのシードラウンドの資金を、他のクロスプラットフォーム、マルチプレイヤーゲームを開発するための「たくさんの試行錯誤」に注ぎ込みたいと語る。

「私たちは迅速な実験を行えることに誇りを持っています」と彼はいう。そして重要な点は「噛み砕ける以上には、齧り取らないことです」と付け加えた。 「私たちは、(ゲームを)最初からスケールアップできるように設計しています。とはいえ、最低限でも100個のクエストを作らなければならない『World of Warcraft(非常に大規模なオンラインゲーム)』のようになる必要はありません。私たちは、より大きな何かへと拡大することができる、小さな出発点を持つゲームに焦点を当てています」

Supercell Developer Relationsの責任者であるJaakko Harlas(ジャッコ・ハラス)氏も、資金調達の発表時の声明で同様の点を指摘していた。

多くの企業は、自分たちがどれほどすばやく動いているかをすぐに口にします。ですが、End Gameのようなチームに出会うことで、無駄のない迅速な動きが何を意味しているのかを、本当に理解するのです。ヤン、ルークそしてチームは、自分たちに娯楽を生み出す真の才能があることをすでに証明しています。私たちは、次の大ヒットゲームを目指す彼らをサポートすることを楽しみにしています。

関連記事:This new venture fund has more than $180 million to invest in interactive entertainment startups

画像クレジット: End Game Interactive

原文へ
(翻訳:sako)

新型コロナの影響でアマゾンもGDC 2020への出展を取り止め

GDC(Game Developers Conference)のトップスポンサーによる、サンフランシスコのゲームカンファレンスへの参加の辞退が続いている。Amazon(アマゾン)は米国時間2月28日、同イベントに出展しないことを発表した。

アマゾンはアップデートの中で、カンファレンスで詳細を発表する予定だったニュースを共有するための「グローバルオンラインイベント」を実施することを明らかにした。

Amazon Game Techは、2020年のGDCのダイヤモンドパートナーであり、同カンファレンスのスポンサーが「GDCの成功に不可欠な役割を果たす」ことを示す名称だと、同社のウェブサイトには記されている。現時点で正式に撤退していないパートナーはIntel(インテル)とNvidia、Google(グーグル)だけだ。

Facebook(フェイスブック)、ソニー、Microsoft(マイクロソフト)、Unity、Epic Gamesは 「COVID-19(新型コロナウイルス)」 の感染拡大をめぐる懸念から、同カンファレンスに参加しない。そして今、Amazonが撤退企業に加わった。

TechCrunchは、イベントへの参加を表明している他のスポンサーにコンタクトをとっている。

@beccahalstedtが指摘しているように、赤いスペースの企業は正式に撤退した。

今後、GoogleやAmazon、Intel、Nvidiaが撤退するとしても、驚かないだろう。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

マイクロソフトがGDCの出展取りやめ、コロナウイルス影響を懸念

XboxのメーカーであるMicrosoft(マイクロソフト)は米国時間2月27日、サンフランシスコで開催される「Game Developers Conference」(GDC)に今年は出展しないと発表し、コロナウイルスの蔓延に関する懸念を強調した。

同社はGame Stack Blogで次のような声明を伝えている。

細心の注意のもと、世界保健機関のガイダンスを綿密に検討した後、サンフランシスコで開催されるGame Developers Conference  2020への参加を取りやめるという困難な決定を下した。

Microsoftは同カンファレンスで物理的な出展を行うのではなく、オンラインのみのイベントを今週開催すると伝えている。

Microsoftは、3月16〜20日に開催される同カンファレンスから撤退する最新の企業であり、Facebook(フェイスブック)やUnity、ソニーなども参加を見合わせている。Epic Gamesも27日に、同イベントから撤退すると発表した。

今週初め、サンフランシスコ市の当局は非常事態を宣言した。新型コロナウイルス(COVID-19)のアウトブレイクはすでにいくつかの大規模な業界会議に影響を及ぼしている。Facebookは27日の朝、F8カンファレンスを中止すると発表した。このような大手企業がGDCから撤退することで、イベント自体がキャンセルされたGSMAのMobile World Congressと同じような運命をたどることになるのかどうか、非常に気がかりだ。

TechCrunchはGDCの関係者にコメントを求めている。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

オンラインゲームプラットフォームのRobloxがAndreessen Horowitzから165億円調達、評価額4400億円に

オンラインゲームのプラットフォームであるRoblox(ロブロックス)は、Z世代を中心に月あたり1億1500万人のプレイヤーが集う場だが、米国時間2月26日にAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)のLate Stage Ventureファンド率いる1億5000万ドル(約165億円)のシリーズG投資を獲得したことを発表した。同社はまた、最大3億5000万ドル(約385億円)の普通株と優先株の株式公開買い付けを開始すると話している。

同社は以前、長期的な可能性を信じて、株主と従業員に定期的な売り出しを行い流動性を提供した。またCFOのMichael Guthrie(マイケル・ガスリー)氏によれば、Robloxのキャッシュフローはポジティブだとのこと。

このシリーズG投資には、新規の投資会社としてテマセクとテンセント・ホールディングスのほか、これまでの投資会社Altos Ventures、Meritech Capital、Tiger Global Managementが参加している。

今回の投資は、このゲーミングプラットフォームの急成長期と重なることとなった。2019年には、訪問者数がMinecraft(マインクラフト)を超えて1億人となった。200万アクティブユーザーを擁する開発者コミュニティーは、1億1000万ドル(約120億円)の収益を上げた。2018年の収益は7000万ドル(約77億円)強、2017年は4000万ドル(約44億円)強だった。

以来、Robloxは開発者事業への投資をさらに増やし、よりリアルな3D体験が得られる新しいツールとマーケットプレイスを立ち上げた。そこでは、クリエイターは自分が開発したアセットやツールなどを他人に売ることができる。

Robloxは、App Storeに似た、それを利用してゲームが構築できるプラットフォームを提供している。人気の高いゲームは多くが無料だが、ゲーム内アイテムをRobuxとう仮想キャッシュでプレイヤーに買ってもらうことで利益を得ることができる。最大クラスのゲームとなると、月平均のプレイヤー数が1000万人に上るものもある。訪問者数が10億人を超えるゲームは10本以上を数える。

Robloxのプレイヤーは、単にゲームのゴールやタスクのコンプリートを目指しているだけではない。ゲーム環境の中で、友だちとオンラインでつながり遊んでいるのだ。週間のアクティブユーザーの半数は、友だちと遊ぶためにRobloxを訪れている。さらに、Robloxユーザーの半数は毎月自分のアバターを変更している。

この数カ月間、Robloxはそのプラットフォームを米国外に広げてきた。中でも注目すべきは中国だ。昨年、Robloxはテンセントとの戦略的提携を行い、プラットフォームとコーディングカリキュラムを中国で展開することを決めた。中国語に対応するばかりか、コーダーキャンプも開催する。現在Robloxには、200を超える国々のプレイヤーと開発者がいると同社は話している。

去年の時点でRobloxの評価額は25億ドル(約2750億円)あり、コムスコアによると、そのプラットフォームでは9歳から12歳の米国の子どもたちのおよそ半数が遊んでいたという。今もその数値は維持されている。しかもそのユーザーベースは、13歳以上が40%と若年層に傾いている。

ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、現在のRobloxの評価額は40億ドル(約4400億円)となっている。同社はコメントを控えているが、TechCrunchはそれが本当であると強く信じている。

Robloxによると、現在のユーザーベースは1カ月に延べ15億時間をそのサービス上で費やしているという。プラットフォーム間で行き来が可能なため、パソコンからスマートフォンへ移動してプレイを続けるユーザーも多い。これはオンラインゲームの新しいトレンドだ。フォートナイトやPUBGといったゲームが人気を集めている一因でもある。

「私たちは、Robloxの長期ビジョンを強く信じており、次なる変曲点に突入する彼らを支援することに自信を持っています」と、Andreessen Horowitzの無限責任パートナーを務めるDavid George(デイビッド・ジョージ)氏は、今回の投資に関連して話していた。「Robloxは、強力なトラクションと、会社を前進させ、長年にわたり業界を押し上げる、有機的で成長率の高いビジネスモデルを併せ持った、非常に珍しいプラットフォーム企業のひとつです」と彼は言い添えた。

Robloxは、新しく調達した資金を使って海外進出を含めた成長を継続させ、さらなる開発用ツールとエコシステムを構築し、エンジニアリングの人材とインフラに投資する計画を立てている。

「私たちは、人々が集まり、創造し、学び、楽しむための安全な公共の場を作り上げるというビジョンに忠実に従っていきます。これまで世界のクリエイターコミュニティーとともに築いてきたものを振り返ると、まさに感無量です」とRobloxの共同創設者でCEOのDavid Baszucki(デイビッド・バスズキー)氏は声明の中で述べている。「将来に向かっては、私たちは、クリエイターとプレイヤーを未来のメタバースへと導く最先端のツールとテクノロジーの構築に、今まで以上にしっかりと関与してまいります」。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

上上下下左右左右BA、コナミコマンドの生みの親・橋本和久氏が逝去

上上下下左右左右BA、そしてスタート!ご存知だろうか?コンピュータゲームの最初期に生まれ、コナミコマンドとして知られるようになった世界でいちばん有名な隠しコマンドだ。その生みの親である橋本和久氏が亡くなったとコナミからTwitter経由で報告があった。数えてみるとコナミコマンドが誕生してからすでに34年たっている。

橋本氏は8ビットゲーム機時代を代表する傑作であるグラウディウスを開発したコナミのプログラマーだ。横スクロールのシューティングゲームだが、攻略が非常に難しかった。実際、テストで繰り返しプレイしなければならい開発者本人にとっても難しかった。そこで橋本氏はアーケード版をファミコンに移植する際に、テスト作業を楽にするちょっとしたバックドアを作った。

これが橋本氏がコナミコマンドを作った理由だ。このコマンドはプレイヤーが生き延びる可能性を大きく高めてくれる。しかし偶然入力されるようなキーシークエンスは避けねばならない。そこで橋本氏は上上下下左右左右BAを選んだ。隠しコマンドが入力されるのはゲームの開始時点ないしポーズ中なのでスタートが後続する場合が多い。

コナミコマンドが公開版に入り込んだのは偶然のなせる技だった。隠しコマンドはファミコンへの移植が完了したら削除されるはずだったが、どうしたことか開発チームはそれを忘れてしまった。80年代のコンピュータゲームではこういうことはよく起きていた。しかもグラウディウスは途方もなく難しかったので隠しコマンドはゲームのプレイヤー全員にあっという間に広まった。

80年代後半から90年代にかけて育った多くの子供たちはコナミコマンドを暗記してしまった。コマンドの効果はゲームによって異なっており、コマンドそのものにもいくつかのバリエーションがあったが、ゲームの難易度を大きく下げる点は共通していた。たとえば伝説的な、そして今見ても感心するファミコンゲームの魂斗羅では隠しコマンドで主人公に30回の復活のチャンスが与えられた。ほとんどのプレイヤーにとって30回はミッションを完了するために必要な最低限の生命だった。

ほかの会社のデベロッパーもジョーク、あるいは本気でコナミコマンドを使うようになり、バリエーションは世代を超えてゲームの世界に生き続けた。もっともグラウディウスIIIでは、近道をしようとする人間に対する警告か、このコマンドを入力するとプレイヤーの宇宙船が自爆してしまうようになった。

ともあれコナミコマンドはギーク文化の象徴の1つとなった。私自身、コナミコマンドをプリントしたTシャツを持っていたくらいだ。そういう名前のバンドもあった。テレビ番組でも映画でも登場人物が80年代の子供たちならコナミコマンドが登場した。それと名指されず、また正確なシークエンスではなくても、なんらかの近道、バックドアの意味で使われることも多かった。橋本氏は、当時それと知らぬままに、インターネットミームのもっとも偉大な原型を作ったといえる。

というのも冒頭で述べたように、開発したゲームが本人にとってさえ難しすぎたからだった。当時は有力デベロッパーのゲーム開発チームでもせいぜい10人から20人くらいのメンバーしかいなかった。一人のプログラマーがゲームをすっかり変えることができた。テスト用のバックドアは一般公開に先立って開発チームだけでなく協力、提携企業にも広く行き渡っていた。

橋本氏のコンピュータゲームの世界への貢献は偶然が作用した。しかしそのことはコナミコマンドの価値を減ずるものではない。成り立ちの背景がどうであれ、橋本氏は長く残る偉大な業績を残したといえるだろう。

画像:Konami

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

ゲーム業界に注力する投資会社Bitkraftが2号ファンドを立ち上げ、ゲーマーで元GS副社長も参加

eスポーツ、ビデオゲーム、そしてそれらを支えるイノベーションたちは、現在テクノロジーの世界の文化的および商業的構造の中心を占めている。

投資会社Bitkraft Esports Venturesにとって、こうした関心の高まりは、コンソールとコントローラーの世界を遥かに超越する可能性を持つ、娯楽の変革や技術の開発を行うビジネスへの投資を行う、巨大なチャンスであることを意味している。

投資家たちも徐々に、その流れに一緒に乗ろうとしている。同社の計画に精通する筋からの情報によれば、2017年に4000万ドル(約45億円)の1号ファンドを立ち上げた同社は、およそ1億4000万ドル(約157億円)の新しいファンドをほどなく立ち上げる予定だ。

Bitkraftは、広報担当者を通して、2019年中にはeスポーツとデジタルエンターテインメント関連で25の投資案件に5000万ドル(約56億円)を投資したことを認めた。そのうち21件は同社が主導したものである。

Bitkraftの今回のはるかに大きい新ファンドの立ち上げは、同社の関心がゲームやeスポーツをはるかに超える技術やサービス(もちろん出発点は似たような場所だが)を網羅し始めたために行われている。

新しい資本プールの立ち上げに加えて、同社はまた、ゴールドマンサックスの投資銀行部門の元副社長であり、2003年にはBlizzardのDiablo II PCゲームの第1位にランキングされたeスポーツプレーヤーでもあるMoritz Baier-Lentz(モリッツ・ベア=レンツ)氏を新しいパートナーとして迎えた。

ゴールドマン在職中、ベア=レンツ氏は、Dellによる670億ドル(約7兆5000億円)でのEMCの買収や、IBMによる340億ドル(約3兆8000億円)でのRedHatの買収に取り組んでいた。

ベンチャーキャピタル、特にゲームの場合には、数字はそこまで大きくはならないものの、投資家たちがその可能性を認識するにつれて、ゲーム業界周辺ではますます大きなベットが行われるようになっている。Esports Observerによれば、2019年にeスポーツ業界に行われた投資は約20億ドル(約2200億円)で、その前年である2018年に投資された45億ドル(約5000億円)という驚くべき数字に比べれば半分にも満たなかった。

Bessemer Venture PartnersのEthan Kurzweil(イーサン・カーツワイル)氏は、2018年に TechCrunchに対して次のように語っている。

「ゲームは現在、米国で最大のエンターテインメント形態の1つで、年間1000億ドル(約11兆円)以上が支出されていて、これはテレビなどの他の主要なメディアを上回っています。ゲームはソーシャルネットワークの新しい形態で、『ゲームに勝つ』という構図以外でも、友人や家族と時間を過ごすことができるのです」

1000億ドル(約11兆円)以上という数字は、特にeスポーツ投資の定義が補助領域やより広い分野へと広がる中では、成長しているカテゴリーとして決して見劣りするものではない。

Bitkraftにとって、それは「インターネットとゲームの中で生まれたが、それ以上の適用範囲を持っている」投資を意味している、とベア=レンツ氏は言う。「私たちがより広いレベルで本当に見ていること、そしてチームとしての勝負所として考えているのは、合成現実(synthetic reality)の出現なのです。(その場所こそが)将来性と成長、そして私たちの投資家へのリターンを期待している場所なのです」。

Bitkraftの新しいパートナーであるモリッツ・ベア=レンツ氏

ベア=レンツ氏は、この合成現実を物理的世界とデジタル世界のほぼシームレスな融合と呼んでいる。これには、仮想現実と拡張現実を可能にするテクノロジーと、それらの周りに構築されるゲームや、没入型のあるいはインタラクティブなストーリーが含まれている。

BITKRAFT Esports Venturesの創業ジェネラルパートナーであるJens Hilgers(イエンス・ヒルガース)氏は声明で「モリッツには私たちの文化、情熱、そして野望を共有してもらっています。そして世界で最も優れた投資会社の1つから、とてつもない投資経験を持ち込んでもらえました」と述べている。また「さらには、彼は真のコアゲーマーであり、多様なBITKRAFTチームに最適な人物なのです。ニューヨークにおける彼の存在によって、私たちはまた、ゲームとeスポーツのための今日最もエキサイティングで発展している都市の1つで、地理的拡大を行うこともできるのです」と述べている。

ゴールドマン在職中に、ベア=レンツ氏は、同社のグローバルeスポーツとゲーム関連事業開発を手助けしていた。彼は頻繁に、個人顧客や大企業からのeスポーツ現象に投資する方法についての問い合わせを受け続けていた。

興味深いことに、eスポーツに焦点を当てた投資会社として、Bitkraftが投資しない分野の1つはeスポーツチームそのものだ。その代わりに彼らは、ゲームを可能にするすべてのものに焦点を当てている。「私たちはより幅広いアプローチを取っています。そして健全なeスポーツ業界のバックボーンで成功するものに投資しています」とベア=レンツ氏は述べている。

さまざまなゲーム開発スタジオへの、多数の投資に加えて、同社はインタラクティブオーディオ環境を作成するSpatial、ゲーム用に最適化されたプライベート高速ネットワークを開発するNetwork Next、そして触覚技術開発のLofeltも支援している。

「ゲームは技術革新の推進力で、ゲームが人間と機械のより良い相互作用を可能にしてくれるのです」と、ベア=レンツ氏は語る。「私たちは、ゲームとゲームコンテンツを、合成現実のより広い波の原動力と考えています。それはゲーム、スポーツ、そしてインタラクティブメディアに及びます。(しかし)私たちはそれをただエンターテインメントとしてだけ見ているのではありません。そこには、私たちが物理的世界とデジタル世界を超越したときに開かれる、経済的および社会的利益があるのです。私はそれを、インターネットの進化だと考えています」

トップ画像クレジット: Mark J. Terrill / AP

原文へ
(翻訳:sako)

Amazonのゲームストリーミング「Twitch」視聴者は2021年に4000万人超との予測

米国時間2月20日に公表されたeMarketerの最新の予測によると、Amazonが提供するゲーマー向けストリーミングサービスのTwitchは、来年には月間アクティブ視聴者が4000万人を超える見込みだという。2023年には4700万人に達すると予測されている。eMarketerは、現時点で月に1回以上視聴する米国内の人数は3750万人と推計している。

Twitchは公式サイトで、月間アクティブクリエイターは300万人以上、視聴者は1日平均1500万人以上と発表している。しかし同社は分単位の視聴時間や同時視聴者数を重視して、規模と成長を表現している。

Twitchは米国で新規視聴者を増やしているが、今回発表された予測ではYouTube、MicrosoftのMixer、Facebook Gamingなどの競合が厳しくなった影響で成長が鈍化しているとされる。このことは先月発表された別のレポートでも裏付けられている。それによればTwitchから人気ストリーマーが流出し、2019年第4四半期にはこのことが視聴時間やストリーミング配信時間に影響を与え始めているという。

流出によってTwitchがナンバー1の座を明け渡したわけではないが、主要な数値を見ると成長のスピードは落ち始めている。

例えば昨年、トップストリーマーのTyler “Ninja” Blevins(タイラー「ニンジャ」ブレヴィンス)とMichael “Shroud” Grzesiek(マイケル「シュラウド」グゼシェック)がTwitchからMixerへ流出した。Jack “CouRage” Dunlop(ジャック「カーリッジ」ダンロップ)はYouTubeに、Jeremy “Disguised Toast” Wang(ジェレミー「ディスガイズド・トースト」ワン)とGonzalo “ZeRo” Barrios(ゴンザロ「ゼロ」バリオス)はFacebook Gamingに流出した。人気ユーチューバーDavid Dobrik(デイヴィット・ドブリック)のビデオに登場するチーム「Vlog Squad」のメンバーの1人、Corinna Kopf(コリナ・コップ)も12月末にTwitchからFacebookに移籍した

流出は2020年第1四半期も続き、Ronda Rousey(ロンダ・ラウジー)が2月はじめにFacebook Gamingと独占契約を交わした

このように流出が続いているにもかかわらず、eMarketerは2020年にTwitchが米国で前年比14.3%増と2桁成長を見せると予測している。ただし、2018年から2019年の成長が23.5%増だったのと比べると、成長の度合いは少ない。そして今後は成長の鈍化が続き、2023年には6.3%増にまで低下すると予測している。

eMarketerのレポートでは、ライバル各社が人気ストリーマーに好条件で移籍を働きかけているが、Twitchは流出を防ぐ必要があると強調している。またゲーム以外に広げていくための投資を続ける可能性もある。2019年はゲーム以外のトラフィックが相当多く視聴されたからだ。例えばStreamElementsによると、Twitchの「雑談」カテゴリーは、12月にはあらゆるゲームを上回って最も多く視聴され、1月も第2位だった。

eMarketerの予測アナリストのPeter Vahle(ピーター・ヴァール)氏は「(Twitchの)プラットフォームはライブストリーミングビデオ、そしてストリーマーと視聴者の交流を意図して作られている。こうした特徴は、ゲーム以外のコンテンツクリエイターにとって間違いなく興味をひかれるものだ」と指摘する。

調査会社がTwitchを定期的に見ている人数を推計したのは初めてだ。これは、Twitchが大きく成長しているという判断に基づくものだろう。

ヴァール氏は次のように述べている。「Twitchは大きくなりすぎて、インターネットの巨大企業にとって無視できない存在になった。Facebook、Google、Microsoftなどの巨大プラットフォームが、人気ストリーマーやeスポーツのリーグとの大型契約をめぐって争っている。魅力のある選択肢が増えてきた今となっては、Twitchはストリーマー、そして視聴者と広告主が自社のプラットフォームを使い続けてくれるように働きかけていく必要があるだろう」。

Twitchが視聴者数を増やす方策がもうひとつ考えられる。eMarketerのレポートでは触れられていないが、親会社であるAmazonとの協業だ。

AmazonのFire TV責任者、Marc Whitten(マーク・ウィッテン)氏は1月にTechCrunchに対し、Fire TVの2020年の計画に関する話の中で「Fire TVでのTwitchの視聴は、2019年にこれまでで最大の成長を見せた」と語った。

AmazonはTwitchとFire TVをさらに効果的に統合する方法を検討している。Fire TVのホームページにライブコンテンツが統合され、Twitchはライブストリーミングサービスだ。Fire TVの月間ユーザーは今や4000万人を超え、Amazonはちょっと方針を変えれば多くの視聴者を簡単にTwitchに送り込めるだろう。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

高速ロード機能で発展途上市場でのカジュアルなオンラインゲームの普及を目指すグーグルのGameSnacksプロジェクト

GameSnacks(ゲームスナック)と呼ばれる新しいプロジェクトが、米国時間2月13日よりGoogleの社内インキュベーターであるArea 120から提供が開始される。これは、開発途上市場のユーザーに高速ロード可能で、カジュアルなオンラインゲームを提供することを目的としている。何十億 もの人々が、モバイルデバイスを介してオンラインアクセスを行っている。しかし、それらは多くの場合、メモリの少ないデバイスに高価なデータプランが組み合わさったもので、ネットワーク接続の信頼性低さに苦労させられている。ゲームはこうした制約に対して最適化されてはいないため、ゲームにアクセスすることが多くの人にとって難しくなっている。

現在、モバイルウェブサイトの訪問者の 半数以上が、読み込みに3秒以上かかるとページを離れてしまうというのに、メモリの少ないデバイスや2Gまたは3Gネットワークでは、通常のウェブゲームの読み込みはさらに遅い。3倍4倍どころかさらに長くかかる可能性もある。

GameSnacksのアイデアは、最初にロードされるHTMLページのサイズを縮小し、スクリプト、画像、音楽などの追加のアセットを圧縮し、それらが必要になるまでロード遅らせることで、ウェブゲームのロード時間とパフォーマンスを高速化することだ。

GameSnacksによれば、こうすることで、500 Kbps程度の遅いネットワーク接続でもゲームを数秒でロードできるようになるという。

例えば、TowerというGameSnacksタイトルは、3G接続を介した内蔵メモリー1GBのデバイス上で、わずか数秒でプレイできるようになる。これまでは同じデバイス上での、典型的なウェブゲームの場合には、12秒程度かかっていたと同社は主張している。

さらに、GameSnacksのゲームは、プレイ時間数分程度のシンプルでカジュアルなゲームだ。例えば、行列に並んでいるとき、バス停で待っているとき、病院の待合室で待っているときなどの、ちょっとした手持ち無沙汰の時間を埋めることを目的としているということだ。また、各ゲームは自明なルールを持つようにデザインされているため、説明なしで遊ぶことができる。

モバイルが主要なプラットフォームではあるものの、GameSnacksのゲームは、キーボードとマウスを備えたデスクトップコンピューターを含む、あらゆるウェブ対応デバイスからアクセスできる。モバイル版では、iOSとAndroidの両方がサポートされている。

開始にあたりGameSnacksは、GoGamesサービスを通じてエコシステムに新しいゲームをもたらしている東南アジアの主要テクノロジープラットフォームであるGojekと提携している。当初、このパートナーシップは、東南アジアの他の場所に拡大する前に、インドネシアのユーザーにゲームを配信することに焦点を合わせていた。

現在、GameSnacksはFamobi、Inlogic Games、Black Moon Design、Geek Games、そしてEnclave Gamesなどの開発企業と協力している。自社のタイトルが、GameSnacksカタログに掲載される意味があると考えるHTML5ゲーム開発者には、手を伸ばしてみることをお勧めしたい。

GameSnacksのビジネスモデルには最終的に、他の開発者がGameSnacksのゲームを自分のアプリに埋め込むことを可能にする、別のパートナーシップが含まれている。

Ani Mohan(アニ・モーハン)氏とNeel Rao(ニール・ラオ)氏によって始められたGameSnacksは、GoogleのArea 120の中で働く6人のチームだ。なおArena 120とは、ソーシャルネットワーキング動画広告教育移動ビジネスその他を含む、Google社内のさまざまな実験的アイデアの拠点だ。

原文へ

(翻訳:sako)

ゲームストリーミングサービス「Project xCloud」のiOSプレビューをマイクロソフトが公開

昨年、Microsoft(マイクロソフト)はProject xCloudのプレビュー版を公開した。ゲームを、ゲームコンソール、PC、モバイルなどさまざま画面に送り込む意欲的なゲームストリーミングサービスだ。しかし、これまで同サービスのモバイル版はAndroidでしか利用できなかった。米国時間2月12日、同社はProject xCloudプレビューをiOSデバイスにも提供を開始する。Apple(アップル)のベータ版配布プラットフォームであるTestFlightプログラムを通じて利用する。

これまでマイクロソフトはiOS版のxCloudを内部でテストしてきたが、外部には公開していなかった。残念ながら今回のiOSテストには制限がある。アップルのTestFlightはいつもそうだが、新しいビルドのテスターは1万人に制限される。

これでは需要を満たしそうにないことはマイクロソフトも認めており、招待状は先着順に配布されると説明している。ただしこの制約を回避するために、マイクロソフトは公開ベータ期間中に早期のテスターの一部を外して新規テスターの席を確保しようとしている。

「iOS TestFlightプレビューに参加を許可された人も、期間中ずっと参加できるとは限らない」と同社がブログで説明している。「前述のように座席数には限りがあり、テストの目的を達成するために参加者を最大限活かせるように入れ替えていく。またこれは、最初の割当から外れた人でも、後にプレビューに参加できる可能性がある問いを意味でもある。

iOSプレビューはゲームも「Halo: The Master Chief Collection」の1種類だけに制限されている。またこのテストには、現在Android版のテストに入っているXbox Console Streamingのプレビューは含まれていない。

テストに参加するには、Xboxゲーマータグに関連付けられたマイクロソフトアカウント、iPhone またはiPadとiOS 13.0以降、Bluetooth v. 4.0、Bluetooth対応Xbox Once Wirelessコントローラー、Wi-Fiまたは10Mbpsダウンロード対応のモバイルデータ通信が必要だ。スマートフォンベースのゲームではオプションで、PowerA MOGA Mobile Gaming Clip for Xboxなどのサードパーティー製コントローラーマウントを利用できる。

コンソールクォリティーのゲームをスマートフォンに移植する動向は、同社のゲーム戦略を象徴している。マイクロソフトは、ゲームコンソールを売れる数には限りがあるが、スマートフォンはいくらでもあることを知っている。加えて、今の人たちはゲームを自宅の大型テレビだけではなく、ありとあらゆるスクリーンでプレイしたがる。そしてモバイル端末が唯一のスクリーンという人もいる。

一方で、クロスプラットフォームゲーミングは、Fortnite、Minecraft、Robolox、PUBGなどのおかげでますます人気が高まっている。こうしたゲームはモバイル体験が専用機に負けないことを証明した。

プロジェクトxCloudはの目的は、デベロッパーがどこででも動くゲームを作りやすくすることにある。これは容易な仕事ではなく、そのために同社は複数のXbox Oneコンソールだけでなく、それをサポートするのに必要な基盤のさまざまな要素を取り扱うカスタマイズ可能なシステムを構築する必要がある。さらに、ゲームをコンソール並のスピードで遅延なく配信する技術も確保しなくてはならない。さもないとモバイルユーザーは二流の体験を強いられることになる。

TestFlightに参加するの方法の説明はプロジェクトページを参照してほしい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

NvidiaがクラウドゲームサービスGeForce Nowを月額5ドルでスタート

Nvidia(エヌビディア)は、長かったベータをやっと終えたクラウドゲームサービスであるGeForce Nowをついにローンチする。GoogleのStadiaと違ってGeForce Nowでは、ゲームを自社で作って提供しない。ユーザーはこのサービスからSteamやEpic、Battle.netなどの自分のアカウントに接続して自分のゲームを楽しむ。だからそれは、Shadowなどに似ている。

でもGeForce Nowは無料ではない。顧客は近くにあるデータセンターのゲーム用PCを借りるのだ。その借り賃は時間制限のないFoundersエディションで月額5ドル。でも同社によると、料金はそのうち上げるそうだ。

無料のアカウントでこのサービスを試すこともできる。あまりにも多くの人がこのサービスに接続していると、ゲームを立ち上げるまで待たされることもある。1時間という時間制限ありのアカウントもあり、また自分があまり強力なハードウェアを使用できないこともある。

GeForce Nowへはウェブからではなく専用アプリケーションでアクセスする。macOSとWindows、Androidデバイス、それにNvidia Shield TVなど用のアプリケーションがあるから、まずそれをダウンロードする。GeForce Nowは、レイテンシーを少なくするために指定のデータセンターの近くからしかアクセスできない。同社のデータセンターは、米国に9つ、ヨーロッパに5つ、韓国に1つ、そして日本に2つある。

Nvidiaは、ゲームを1つ1つこのプラットホーム向けに最適化している。だから自分が持ってるゲームが、このサービスでプレイできるゲームのリストにまだ載ってないこともある。この記事では制限ばかり挙げてしまったが、でもそれがゲームの未来かもしれない。

背後では、レイトレーシングをサポートするNvidiaのグラフィクスカードが使われている。でも、それ以上の情報はない。最初は無料アカウントで試してみて、接続のスピードや安定性を確認すべきだろう。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Tencentが約162億円でノルウェーのゲーム会社Funcom買収へ

売上高で世界最大のビデオ・オンラインゲーム会社の1つTencent(テンセント)は1月22日、その地位をさらに確たるものにするための動きに出た。ビデオゲームConan Exiles(Conanシリーズも)、Dune、その他28タイトルの制作を手掛けたFuncom(ファンコム)の完全買収提案だ。このディールが承認されれば、ノルウェー・オスロ拠点のFuncomの買収額は1億4800万ドル(約162億円)となり、同社は次世代のゲームをめぐる長期的戦略につぎ込む資金を手に入れることになる。

Funcomはオスロ証券取引所に上場していて、取締役会はすでに買収提案受け入れを推奨している。これにより、同社の株価は17クローネ(約206円)となり、前日(1月21日)の終値から27%上昇した。

このニュースはいくぶん興味深いタイミングで発表された。Tencentは大衆市場向けのゲーム売上高でソニーMicrosoft(マイクロソフト)、任天堂としのぎを削っている。しかし今週初め、大ヒットしているソーシャルメディアアプリTikTokを展開しているByteDance(バイトダンス)がゲーム市場参入の準備をしているとの報道があった。

もしこの通りになれば、2社の敵対関係は別のレベルへといく。Tencentはまた、特に自社のメッセージアプリのWeChatを通じてソーシャルメディア業界にもかなりの関心を持っている。多くの消費者が複数のアプリを利用するだろうが、実際にそうなったとき、1つのアプリで金を使うというのは他のアプリでの支出を制約することを意味する。ByteDanceは現在、Tencentのゲームに関係するソーシャルアプリに掲載するコンテンツから収益をあげている。この2社は(当然だが)、部分的にはゲームコンテンツに関連する不当競争をめぐり中国の法廷で争っている。

Tencentはいまや世界最大のビデオゲーム会社の1社だ。直近の四半期決算(昨年11月に発表した第3四半期)で同社は、オンラインゲームの売上高は286億元(約4500億円)で、そのうち243億元(約3830億円)はスマホゲームによるものだったと発表した。

買収と経営支配は同社のゲーム分野における成長戦略の鍵を握る。これまでの大きな案件としては、Tencentは2016年にフィンランドのSupercellの過半数株取得に86億ドル(約9400億円)払った。Tencentはまた、Riot Games、Epic、Ubisoft、Paradox、Frontier、Miniclipなど数多くのゲーム会社にも投資している。そうして投資を受けたゲーム会社も買収を行なっている。ちょうど今月初め、Miniclipがイスラエルのllyon Gamesを1億ドル(約109億円)で買収したことが報じられた(TechCrunchも情報筋に確認した)。Funcomのケースのように、Tencentの投資の一部は少数株だ。大きな視点で見ると、そうした企業はTencentにとって潜在的に買収対象となる。

Funcomに話を戻すと、TencentはFuncomに出資している。KGJ Capital買収という2度目のディールで2019年9月にFuncomの株式の29%を取得した。KGJ CapitalはそれまでFuncomの最大株主だった。

「Tencentは信頼できる長期的投資家として、そしてオンラインゲームでのオペレーション能力で名を馳せている」とFuncomのCEO、Rui Casais(ルイ・カザイス)氏は話した。「Tencentがもたらす識見、経験、知識は我々にとってかなりの価値があり、緊密に連携して引き続き素晴らしいゲームを制作し、またFuncomの輝かしい未来を構築することを楽しみにしている」。

今から考えてみると、この発言はわずか数カ月後にくる買収に向けた基礎準備と両社の関係を示していた。

「我々は最大の株主であるTencentと素晴らしい関係を築いていて、Tencentのチームの一部になることにとても興奮している」とカザイス氏は声明文で述べた。「今後も世界中の人がプレイする素晴らしいゲームの開発を続ける。またTencentのサポートによりFuncomが次なるレベルにいくと確信している。Tencentはゲーム分野におけるリーダーとして幅広い知識を持ち、運用レバレッジや見識をFuncomにもたらすだろう」。

背景には、Funcomが長期的戦略に沿って業務を推進するためには、さならる投資が必要と判断したことがある。買収受け入れを提案する前に出した声明文によると、同社はGaaSビジネスモデルを活用しながら「Open World Survival部門」の構築を続け、2年以内の提供が予定されている野心的なDuneプロジェクトを開発中だ。

「これらにさらに注力するには他のイニシアチブのリソース投入を必要とする。他のイニシアチブを代表するものとしては、当初2020年中のリリースが予定されていた共同制作のシューターゲームがある。このゲームは、その後競争の激化と内部の遅れによる外部からのプレッシャーにより余儀なくされたスコープの変更で大きな影響を受けた」。もし戦略通りに物事が運べば、「Funcomは現在の事業活動であげている売上高を補うためにさらなる資金調達を必要とすることになる」と取締役会は書いている。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

「フォートナイト」が米国の高校と大学の公式スポーツに

世界中で大人気のゲーム「フォートナイト」が、ロサンゼルスを拠点とするスタートアップPlayVS(プレイバーサス)の働きにより、米国の高校と大学に公式スポーツとして導入される。

PlayVSはEpic Games(エピック・ゲームズ)と提携し、リーグ戦形式の対戦を、大学生や高校生を対象に設定した。またこれにより、PlayVSは大学の市場に参入することとなった。

PlayVSは、昔ながらのバスケットボールやフットボールと同等に、eスポーツを高校に導入してもらうという使命のもと2018年4月に創設された。全米州立高校協会と手を組むことで、高校(または父兄、生徒自身)はプレイヤー1人につき64ドル(約7000円)を支払うことでリーグに参加し、一般的なスポーツと同じように他校と試合ができるようになる。

だが、PlayVSの提携相手は、全米州立高校協会(全米大学体育協会の高校版)だけではない。ゲームパブリッシャーそのものとも提携をしている。それがPlayVSを一歩前進させた一助になったと、創設者のDelane Parnell(ディレイン・パーネル)氏は言う。

ほかの企業は、ゲームを軸に有料の対戦リーグを設定しているが、パブリッシャーと直接提携するという形は皆無ではないが非常に希だ。そうしたスタートアップは、ゲームの知的財産権を持つパブリッシャーの一存で潰されてしまう恐れがある。

PlayVSは、世界でもっとも人気の高いゲームのメーカーであるEpic Gamesとの提携を果たした初めての企業だ。またこうしたパブリッシャーとの提携により、PlayVSは、学校や団体の伝手をほとんど必要としない形でその経験を商品化できる。プレイヤーは、ただPlayVSにサインインして、予定されている試合に参加するだけでいい。そしてPlayVSは、その試合から吸い上げた数値データや見識を、プレイヤー、コーチ、ファン、さらには人材スカウト担当者に提供できる。

PlayVSにとって、大学という世界は新しい挑戦になる。高校に拡大したお陰で全米州立高校協会は急速に発展的な成長を遂げた。創設以来、1万3000校を超える高校がPlayVSを通じてeスポーツ代表チームを待機リストに登録している。これは、全国の高校の68%にあたる。PlayVSは、比較対象として、フットボールクラブのある高校は、全米で1万4000校を少し超える程度だと話していた。

全米州立高校協会は全米大学体育協会とつながりがあるものの、公式な提携という形はとっていない。そのためPlayVSは、各大学を個別に訪ねて彼らの技術を売り込まなければならないのだ。だが幸いにも、彼らは世界で一番人気のあるゲームを武器にできる。しかも今は、多くの大学がeスポーツによる奨学金やeスポーツ課程の開講を検討している好機だ。

PlayVSが銀行に相当額の現金を預けていたとしても、それが障害になることはないだろう。設立以来、同社は9600万ドル(約105億円)を調達している。

その他のPlayVSのゲームタイトルとは異なり、フォートナイトの第1シーズンは、登録ユーザーなら無料で参加できる。これはEpic Gamesとの提携による恩恵だ。第1シーズンの登録締め切りは、高校は2月17日、大学は2月24日となっている。シーズンの公式スタートは3月2日を予定している。

参加形式はデュオ。団体は2人1組のチームをいくらでも登録できる。トップになったチームはプレイオフに招待され、5月のチャンピオンシップ出場をかけて戦うことができる。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

スマホAR対戦アプリのGraffityがプレシリーズAラウンドで1億円を資金調達

AR対戦アプリ開発のGraffity(グラフィティ)は1月20日、プレシリーズAラウンドで総額約1億円の資金調達を実施したことを明らかにした。引受先はディープコア、East Venturesと複数の個人投資家で、J-Kiss方式での調達となる。

Graffityメンバーと投資家。写真前列中央がGraffity代表取締役の森本俊亨氏

高校体育で採用されたスマホARゲーム「HoloBreak」

Graffityは、2017年8月の創業。2017年11月に3000万円の資金調達を発表している同社は、これまでに空間に落書きできるAR SNSアプリ「Graffity」AR対戦ゲーム「ペチャバト」といった、スマートフォンで遊べるtoC向けのARアプリを提供してきた。

現在同社は、ARシューティングバトル「HoloBreak(ホロブレイク)」を手がけている。HoloBreakは仮説実証フェーズにあり、一部教育機関やアミューズメント施設に提供しながら、検証・開発を進めている最中だ。

HoloBreakは、スマホで画面の向こう(画面の先の見知らぬ誰か、という比喩的な意味ではなく、リアルに画面の目の前)にいる相手と撃ち合う対戦ゲームだ。どういうゲームか、というのは動画を見てもらえると、よりわかりやすいかもしれない。

同社から以前リリースされたペチャバトも、対戦相手のスマホを的として、雪合戦のように「弾」をタップして投げ合い、当たると得点できるゲームだった。ペチャバトが4人対戦でHPを削り合う、勝ち残りバトルロワイヤル形式だったのに対して、HoloBreakはチーム戦で得点を重ねていくゲームになった。

また、HoloBreakではアメリカンフットボールのように攻守の役割があり、使う武器が選択できるなど、戦略を立てて挑むことになるため、思考力・判断力とチームワークが要求され、よりスポーツ性の高いゲームに仕上がっている。

その先端技術とスポーツ性が評価され、HoloBreakは、2019年11月には筑波大学附属高校の体育選択科目に採択された。同校の体育選択科目では生徒が授業内容を提案する方針になっており、ペチャバトのユーザーだった生徒の発案で、HoloBreakが取り上げられることになったそうだ。

Graffity代表取締役の森本俊亨氏は「バットやボールといった道具不要で、スマホさえあれば体を動かして遊べるARゲームを作っていく」と話している。ARスポーツでよく名前が挙がる対戦ゲームの「HADO」の場合は、フィールドが設置された施設で遊ぶことが前提となっている。スマホだけでも遊べるHoloBreakは「その点が、ちょっと違っている」と森本氏は説明する。

「Graffityが目指すのは、ARを軸に人と人とのつながりを変えていくこと。ARプロダクトのゲーム性を生かして、新しいコミュニケーションを作りたい」という森本氏。競合として見ているのは、同じスマートフォンで遊べて、画面と可処分時間を取り合う可能性があるソーシャルゲームだ。

「スマホARはARバトルという形で最も広まるだろう」

HoloBreakはこれまでに、教育機関2カ所、エンタメ施設2カ所に提供されている。森本氏によれば「いずれも満足度は高い」ということだ。高評価を踏まえ、今回の資金調達により、HoloBreakをスマホアプリとして広く公開できるように開発を進めていくという。2020年秋には日本のアプリストアでリリース予定で、その後、海外にも展開を図る。

森本氏は「スマホARは、ARバトルという形で最も広まるだろう」と話す。「『AR×バトル』は世界でもまだ確立されていない市場。多くのARアプリは『ARならではの体験』ではなく、使われ続けるものではないが、ARバトルは『ARならではの体験』をうまく生かし、日常に浸透するプロダクトになる可能性が高いため、ARアプリの本命になると考えている」として、「そのARバトルの領域で、No.1を取りたい」と語る。

そのためにも、まずはHoloBreakのようなARシューティングバトルゲームを国内外にリリースし、教育機関やテーマパークなどにも導入していきたいという森本氏。またHADOのようにeスポーツ化も考えているとのことで、いずれは大会を開けるようにしたいとのことだ。「HoloBreakで実績を作れたら、キャラクターなどのIP保有者と組んで、別タイトル展開も狙っていきたい」とも話している。

「ARを軸に人と人とのつながりを作りたい、というのがミッションに『ARで、リアルを遊べ。』を掲げる我々の目指すところ。これからも、人と人とのコミュニケーションを大切にしていく」(森本氏)

マネタイズについては、基本的にアプリ内課金を中心としていくというGraffity。BtoCで創業しながらも、技術を核にBtoB事業へピボットしていくスタートアップも多い中、森本氏は「当面、BtoCでがんばっていく」と話していた。

Graffity代表取締役 森本俊亨氏

ソニー・インタラクティブは2020年もE3に不参加

ソニー・インタラクティブ・エンタテインメント(Sony Interactive Entertainment、SIE)は今年もE3に参加せず、GamesIndustry.bizによると、その代わりに「世界中の何百もの消費者イベントに参加する」そうだ。同社は、今年のホリデーシーズンにPlayStation 5を出す準備をしているはずだが、昨年は初めてこのショウを欠席した。それまでの20年間同社は、最大の出展企業の1つだった。

同社のスポークスパーソンがGamesIndustry.biz誌に語っているところによると、SIEは「E3の主催団体であるESAをとても尊敬しているが、E3 2020のビジョンはSIEが今年志向しているものにふさわしい場所ではない。代わりに、世界中の何百もの消費者イベントに参加して、それをSIEの2020年のグローバルなイベント戦略にしたい」という。

TechCrunch記者のDevin Coldeweyが昨年書いていたように、任天堂はE3でもう何年も公式の記者会見をやっていないが、展示はやっているし、そのブースでは来場者にゲームをプレイできたり、ライブのストリーミングを放映していた。ソニーも昨年欠席するまではE3を利用して新しいゲーム機や大作のゲームを紹介していたが、でも大きなニュースの発表などでは、ほかのイベントの方にソニーが求める柔軟性があったようだ。

TechCrunchは現在、SIEと、E3の主催団体ESAに詳細を問い合わせている。

関連記事: PlayStation 5は2020年のホリデーシーズンに発売

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

任天堂がポケモン・ ソード・シールドのDL版エキスパンションパス発売開始

「ポケットモンスター ソード・シールド」のクリアが目前だと思っているなら甘い。さらなる挑戦が追加されるからだ。

任天堂はソード・シールドのゲームのダウンロード版を1つのみならず2つ開発していることを発表した。このエキスパンションは、6月に配信される「鎧の孤島」(The Isle of Armo)と今秋に配信される「冠の雪原」(The Crown Tundra)だ。米国時間1月9日に発売が開始されたエキスパンションパスには両者が含まれ、価格は30ドル(日本では2980円)だ。購入者はゲームがリリースされ次第ダウンロード可能となる。

任天堂がダウンロードでコンテンツを配信するのはこれが初めてではないが、同社の看板プロダクトの1つであるポケモンでは間違いなく最初の試みだ。ソード・シールドはSwitchゲームでもベストセラーであることを考えれば、任天堂がダウンロード化に踏み切ったのは納得できる。

ではこのエキスパンションの中身はどんなものなのか?各ダウンロードパックには新しいストーリーと世界が含まれ、キャラクターも新しくなっている。もちろん新ポケモンも登場する。任天堂も開発しているGameFreak も内容について詳しいことは発表していないが、 まったく新しいポケット・モンスターが多数登場するはずだと示唆している。また数は不明だが既存のタイトル中のポケモンの一部はエキスパンション中に移行できるという。

エキスパンションの第1弾がリリースされるのは半年先だが、任天堂ではポケモン・チャンネルを通じてイメージ・イラストやアニメ原画を多数含むビデオを公開している。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

PlayStation 5が2020年のホリデーシーズンに発売

ソニーにはまだ、CESでの記者会見に1つや2つのサプライズを用意する力がある。そのひとつが、PlayStation 5が2020年のホリデーシーズンに登場するという発表だ。

次世代コンソールについての詳細な話はなかったが、基本的な機能として、ソニーだから当然3Dオーディオを搭載し、触覚的でアダプティブなトリガーや超高速SDD、ハードウェアによるレイトレーシング、そしてブルーレイ(物理メディア)に対応する。

[^ロゴは新しくない。グラフィクスのクオリティーに対する反省もない。]

発表の1カ月近く前には、PS5に対抗するXbox Series Xが発表された。発売時期はほぼ同じだから、2020年の年末には、また激しいコンソール戦争が勃発するだろう。

発売まで1年を切っているにも関わらず、PS5とXbox Series Xの両方とも、わからないことが多すぎる。CESよりもクレージーなE3やGamescomなどの数カ月後に行われるゲーム専門のカンファレンスを待つことにしよう。

CES 2020 coverage - TechCrunch

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa