有力オンライン語学サイト、DuolingoがKleiner Perkinsから2000万ドル調達―グループ機能追加へ

人気のオンライン語学プラットフォーム、Duolingoは、今日(米国時間2/18)、シリーズCのラウンドで2000万ドルの資金をKleiner Perkins Caufield & Byersから調達したことを発表した。私の取材に対してDuolingoのファウンダー、Luis von Ahnは「この資金を利用してわれわれは語学学習市場のリーダーとなるべく引き続き努力していく」と語った。

これまでDuolingoは2011年にUnion Square VenturesがリードしたシリーズA、2012年にNEAがリードしたシリーズB(1500万ドル)の2回のラウンドを実施している。Duolingoへの投資家にはTim Ferrisや俳優、ベンチャーキャピタリストのアシュトン・クッチャーなどが含まれる。今回のラウンドにはこれら既存の投資家も参加した。

Von Ahnが語ったところによれば、Duolingoには現在2500万の登録ユーザー、1250万のアクティブ・ユーザーがいる。昨年末のアクティブ・ユーザーは1000万人だった。

この数字が正しいなら、現在Duolingoで外国語を学んでいるユーザーはアメリカの公立学校で外国語を学んでいる生徒より数が多いことになる。Von Ahnはこの急成長の一因はAppleがDuolingoをiPhone App of the Yearに選定したことにあると述べた。Appleの「今年のアプリ」に教育ジャンルから選ばれたのはDuolingoが最初だ。

今回の資金調達に伴い、Kleinerのパートナー、Bing GordonがDuolingoの取締役会にオブザーバーとして参加する。

同社の社員は現在、34人だが、資金調達によって新規採用を行い、近く50人になるという。

またDuolingoは近く、グループ学習機能をリリースする。これによって学校の教師はクラスでの授業にDuolingoを利用しやすくなる(多数の生徒の進歩を把握できるようになる)。多くの大企業では社員の語学研修にRosetta Stoneなどのツールを使っているが、Duolingoはグループ機能を武器にこの分野にも積極的に進出していくという。

Von AhnはDuolingoの創立以前にOCRで読み取れなかった文字をクラウドソースで人間に判定させるreCAPTCHAを開発しGoogleに売却するという成功を収めている。

Duolingoも同様のクラウドソース原理に基づいたサービスだ。教師役のユーザーは生徒役のユーザーに外国語を教えながら、その過程で有料の顧客のために翻訳を行うことになる。

昨年、同社はCNNやBuzzFeedと提携し、記事のスペイン語、ポルトガル語、フランス語への翻訳をスタートさせた。CNN、BuzzFeedは契約を更新して翻訳が続けられている。

こうした大企業との契約は現在大きな収入源となっているが、von Ahnはこの2ヶ月ぐらいの間にセルフサービスの翻訳サービスもスタートさせる予定だと語った。

ただしDuolingoは今のところ損益分岐点に到達するための期限を特に決めていない。voh Ahhは「売上があるのはいいことだが、当面はユーザーベースの拡大に最大限の努力を払うつもりだ。オンライン語学学習のデファクト・スタンダードになることがわれわれの目標だ」という。またvon Ahnは「今まで広告には1ドルたりとも使っていない。当面、広告に金を出すことはないだろう」と語った。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Chrome OS機からWindowsアプリケーション/デスクトップに容易にアクセスできる環境をGoogleとVMwareが提供

GoogleとVMwareが今日(米国時間2/1)、企業のChromebookユーザが、これまで使ってきたWindowsアプリケーションやWindowsデスクトップに容易にアクセスできるための技術を共同開発中した、と発表した。VMwareがクラウドからDaaS(Desktop as a Service)として提供するHorizonをChromebookユーザが利用して、従来からのWindows体験に接続できるのだ。なおHorizonは、VMwareのプロトコルHTML5 Blastを使用している。

Chrome OSからWindowsマシンへのリモートアクセスは、Googleが提供しているRemote Desktopで前からできるし、サードパーティ製の類似サービスもいくつかある。ただしそれらは、リモートアクセスに企業が求めるセキュリティが、あまり強力ではない。両社の今日の発表によると、Chrome OSデバイスを配備している企業がこのところ増えているが、そのような企業がこれからは、企業向けに本当にふさわしいソリューションを利用できるようになる。

またGoogleによると、VMwareのHorizonはChromebookのために最適化されているDaaSであり、“顧客はあちこちのデスクトップ環境をクラウドサービスとして一点集中型で管理できる”。これまでこのサービスは、VMWareのパートナー企業が有料会員制のクラウドやハイブリッド展開で使っているだけだった。

VMwareによると、ユーザはこのサービスを利用して自分たちのWindowsアプリケーションやデータやデスクトップに、Chromebook上のWebアプリケーションカタログからアクセスできる。近いうちにChromebookユーザ(とそのITアドミン)は、このサービスをChrome Web Storeからインストールすることもできる。

GoogleはこのところChromebookなどのChrome OSデバイスにいよいよ本気だから、それらからユーザがふつうに、レガシーのWindows環境にアクセスできることにも、本気で取り組まざるをえない。Googleは今日の発表声明の中で、“Windows XPのサポート終了が迫っているので、DaaS環境を利用する形でのChromebookの採用がますます増えると思われる。この環境について前から言われていたセキュリティの不備やアプリケーションの互換性の問題、マイグレーションコストの問題などは、過去のものになるだろう”、と言っている。

今日の発表の目的は言うまでもなくマーケティングだが、今動いているWindows XPにはセキュリティの問題がある。しかしGoogleは、当面のXP代替だけでなく、もっと大きな市場もねらっている。それは、Chrome OSが、これまでのすべてのデスクトップオペレーティングシステムに取って代わることだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleの大規模データベースCloud SQLサービス、ついに正式公開―SLA、暗号化、サポートを提供

Googleは2年半ものプレビュー期間を経て、 完全な機能を備えた大規模MySQLデータベース・サービスCloud SQLをとうとう正式公開した

正式公開されたGoogleの企業向けサービスの常としてCloud SQLにも99.95%の稼働率を保証するSLAが提供される。Googleは20%のアクセス失敗が1分以上続いた場合ダウンタイムと認めるという。これはなかなか気前のよい基準だ。

さらにCloud SQLに格納されるユーザーデータは自動的に暗号化される(ただしバックアップの暗号化は依然として「近日公開」となっている)。 Googleのデータセンター間のCloudSQLトラフィックも暗号化され、ユーザーとの間のトラフィックにはSSLが利用できる

デフォールトの最小インスタンスでも500GBのデータが扱える(従来は250GBだった)、Googleによれば、このデータは複数のゾーンに複製され、追加料金なしに自動的にバックアップが取られる。ただしCloudSQLのバーチャルマシンは最小構成の場合0.125GBのRAMしか割り当てられないので、これで500GBのデータが処理できるかどうかはユーザーが判断しなければならない。

Cloud SQLの料金体系は次のようなものだ。まずストレージとネットワーク・アクセスのコストを別にしたオンデマンドのバーチャルマシンは1時間あたり0.025ドルだ。多くのユーザーが利用開始にあたって選択すると予想される最小パッケージは1日あたり0.36ドルでRAMが0.125GB、 ストレージが0.5GB、I/Oが20万回提供される。ハイエンドのインスタンスとなると、たとえば、16GBのRAM、10GBのストレージ、3200万回のI/Oで1日あたり46.84ドルとなる。

Amazonの類似したサービス、RDS for SQL Serverの料金はオンデマンドのマシン1台について1時間あたり0.024ドルだ。

Cloud SQLの他に、NoSQLデータベースをクラウドで利用したいデベロッパーのためにGoogleは巨大データセット用のBigQueryデータベースとGoogle Cloud Datastore(こちらはまだプレビュー版)を提供している。Cloud Datastoreは2013年のGoogle I/Oで発表された。Cloud SQLの例にならうなら、こちらのプレビュー期間はまだしばらく続きそうだ。

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動画制作に特化したクラウドソーシング「Viibar」、グロービスなどから3億円調達

Viibarの上坂優太社長

動画制作に特化したクラウドソーシング「Viibar(ビーバー)」を運営するViibarは5日、グロービス・キャピタル・パートナーズとグリーベンチャーズに対して総額3億円の第三者割当増資を実施した。日本でも徐々に動画コンテンツのニーズが高まりつつあるが、Viibarは市場価格の半分以下のコストでの動画制作を実現することで、この市場でのシェア獲得を狙っている。

動画制作は発注先や予算の相場がわからなかったり、多重な下請け構造でコストが高く付いてしまうこともある。オフラインでの度重なる打ち合わせや素材の受け渡しは、クライアントとクリエイター双方にとって煩雑なものだ。Viibarの上坂優太社長は、「こうした動画制作業界の構造的問題を改善すべく、クライアントと国内外の優秀なクリエイターをマッチングするプラットフォームを立ち上げた」と語る。

発注の流れとしてはまず、クライアントが動画の目的や盛り込む要素、予算などを入力して仮払い決済を行う。その後は自動的に企画案のコンペが開催され、プロジェクトリーダーとなるクリエイターが絵コンテを投稿する。クライアントはその内容やクリエイターの過去の実績を見て発注先を選定する。なお、クリエイターはViibarに過去の作品を送り、審査に通過した人だけが登録できる。

選定されたプロジェクトリーダーは、Viibarに登録するシナリオライターやカメラマン、編集者、サウンドクリエイターなどを集めてチームを編成する。制作進行はプロジェクトリーダーとクライアントがオンラインでやりとりする。動画のアップロードやダウンロード、プレビュー、修正指示など制作に関するすべての作業はViibar上で完結するため、オフラインでの作業と比べて時間も金額も削減できるのだという。

動画はアニメと実写に対応し、予算に応じて30万円〜、60万円〜、100万円〜のプランが選べる。過去にはヤフーや楽天、ミクシイなどの大手もViibarで1分程度のプロモーション動画を制作している。

絵コンテ提案画面

Viibarの強みは、動画制作の各分野のプロフェッショナルを多数抱えていることだと、上坂氏は語る。ひと口に動画制作と言っても、監督や脚本家、カメラマン、エディター、音楽家、ナレーター……とプレイヤーはさまざま。「クラウドソーシングでこれだけのクリエイターを抱えているのはViibarだけ」。

Viibarは2013年4月に設立したスタートアップ。現在29歳の上坂氏は大学卒業後、映像制作会社で企画・制作を担当。その後、インターネットでのコンテンツ商流を学ぶために楽天に入社し、楽天市場のマーケティング戦略立案などを手がけてきた。現在のビジネスモデルは楽天のTVCMを担当した際の問題意識から生まれたものだという。創業当初は「イケてるクリエイターに個別にアプローチしていた」が、現在は「数百人規模」に拡大。年内に数千人規模に増やし、クリエイターが創造性を最大限発揮できるプラットフォームを構築したいと話している。


Herokuが大型高速アプリケーション向けの新しいdynoタイプを提供開始

Salesforceが2010年に買収したクラウドプラットホーム*Herokuが今日(米国時間2/3)、RAM容量が通常の12倍、CPUパワーが40倍という、新種のdyno(ダイノ)をローンチしたdynoはHeroku独特の用語で、アプリケーションがその中で動くコンテナのことだ。いちばんベーシックなやつで、料金が1時間5セントだ。〔*: 最初はRubyデベロッパのためのクラウド上のフレームワーク、今は言語も多様化。〕

正確にはこのたび、Heroku XLファミリーと呼ばれる特別の、ほかのHerokuインフラストラクチャから隔離されたマシン群上のサービスをローンチし、その上のダイノタイプが上記なのだ。このハイパフォーマンスdynoは通常のdynoのようにマルチテナントでなく、したがってCPUをほかのアプリケーションと共用しない。アプリケーションは高速化し、レスポンスタイムが良くなり、高品質なサービスを顧客に提供できる、という。

最近のHeroku上には、毎秒のリクエスト数が10000を超えるような大型アプリがある。たとえば新語辞典Urban Dictionaryやおもしろい見出しのニュースを集めているUpworthyは、Herokuがホストしている。全体でHerokuは、毎日50億リクエストにサーブし、毎秒では約60000、ピーク時には90000に達する。今度のハイパフォーマンスdynoは、言うまでもなく、このような大型アプリが使うのに適している。

Heroku XLパッケージの提供と並行して今回のアップデートでは、アプリケーションのリソース使用量などがリアルタイムで分かるランタイムメトリクス(計測値)の提供が始まる。

Herokuの物理的なインフラはAmazonのAWSであり、今回のハイパフォーマンスdynoはEC2のc1.xlargeインスタンスを使用する。Amazonからの課金が1時間58セントに対し、Herokuの料金は80セントだ。新しいタイプのdynoは、従来のdynoとは別のインフラを使用するが、dynoのサイズ変更などはこれまでと同じやり方でできる。

Amazon自身が新しい大型のインスタンスを継続的に展開しているから、Herokuも今後はdynoのタイプの多様化がさらに進み、ユーザの選択肢の幅を広げるかもしれない。今現在は、dynoのタイプは今回の新しいのを含めて3種類だ。

画像クレジット: BoostinChick (CCライセンス Flickrより)
CC…Creative Commons

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クラウドストレージサービスを完全暗号化で使えるnCrypted Cloudのサービス

DropboxやGoogle Driveなど、広く使われているファイル共有サービスを企業が利用するときには、万が一ハッカーにやられたときの、ファイルの盗難や改竄が心配になる。そこでこのたび登場したnCrypted Cloudは、あらゆる場所で、あらゆるものを暗号化すると同時に、誰がいつどのファイルにアクセスしたかという完全な記録(audit trail, 監査証跡, 追跡記録, オーディットトレイル)をつける。

このnCryptedサービス経由でDropboxやGoogle Drive、SkyDrive、Boxなどを利用すると、ファイルは暗号化されてから保存される。すでに保存されているファイルを暗号化することもできる。ベテランの起業家Nicholas Stamosと暗号技術の名人Igor Odnovorovが創ったnCryptedは、すでにMicrosoftやCisco、Reveal Imaging、Broadcomなどから計300万ドルのシード資金を獲得している。今は、早くもシリーズAを模索しているところだ。

Stamosはこう説明する: “nCrypted Cloudは、その実装にPCSモデルを採用しているので、企業のIT部門はクラウド上で共有されるデータの保護責任をエンドユーザに委譲できる。しかし責任には説明責任も伴うからnCrypted Cloudは、どんなネットワーク、どんなデバイス、どんなクラウドストレージサービスにおいても、、データの利用やアクセスに関する監査記録をつけ、ユーザのアクティビティを一望にできるようにしている”。

“これまでユーザが生成した監査イベントは累計で1億を超えている。また、弊社が暗号化したファイルの数は1000万を超えている。大企業の顧客が多いが、セキュリティ上の理由から、その名を明かすことはできない”。

小企業や個人も、このサービスを利用できる。そのレベルの利用プランは無料である。大企業向けの有料プランについてはここをお読みいただきたい。Stamosいわく、このアプリケーションはあくまでも各個人の説明責任が主であり、トップダウンの上意下達形のツールではない:

“わが社のサービスによって企業のIT部門は初めて、データの所在や移動に関する総合的な姿見(すがたみ)を入手したことになる。企業の外部や、企業のものではないデバイスに関しても、ファイルの所在・移動をチェックできるのだ。しかもオーディエットトレイルにより、異状を早期に発見修復できる。弊社が採用している説明責任を核とするモデルは、これこそが唯一の、スケーラビリティのあるモデルであり、われわれの一般社会の原理原則でもある(一点・上部管理型はスケールしない)。分かりやすい例が、各州が採用している65mphのスピード制限だ。でもそれは、車に対する速度制限ではない。なぜなら、車が時速何mphで走るかは、ドライバー自身の説明責任に属するからだ。その方が、道路上の車の流れも良い。弊社のサービスでも、個々のエンドユーザは迅速に効率的にファイルアクセスやファイルの移動・保存ができ、しかもそれと同時に、データの保護という企業の要件も満たされる。nCrypted Cloudは、この相(あい)対立する二項の均衡を実現している”。

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海外のエンジニアチームに日本語でアプリ開発を依頼できる「セカイラボ」

世界中のエンジニアチームに仕事を発注できるサービス「セカイラボ」が2月3日にローンチした。国内のIT人材不足が指摘される中、中国やベトナムなど費用対効果の高い地域のエンジニアチームに対して、日本語で大規模な開発を依頼できるのが特徴。運営するのは音楽配信サービスやゲーム開発を手がけるモンスター・ラボのグループ会社で、シンガポールに本拠を置くSekai Lab。サービス開始1カ月で8カ国、1000人、200チームの受注体制を整えたいという。

情報処理推進機構(IPA)の「IT人材白書2013」(PDF)によれば、新規事業の開発を担当する人材が不足していると答えた企業は実に9割以上。最近ではネット上で発注者と受注者を結ぶクラウドソーシングでもエンジニアと仕事をやりとりすることがあるが、Sekai Lab代表取締役COOの大熊一慶氏は、「クラウドソーシングの仕事の8割は受発注者が1対1でやりとりをする50万円以下のプロジェクト。中規模以上の案件を依頼することは難しい」と指摘する。

そこでSekai Labは、中国やアジアをはじめとする8カ国のエンジニアのチームに対して、日本語だけで大規模な開発を安価に発注できるプラットフォームを構築。サイト上では「Webサービス」や「iPhoneアプリ」といったジャンル、「iOS」や「Unity」といったスキル、キーワードで最適なエンジニアチームを率いるリーダーを検索し、パートナーシップを組むことができる。

検索対象となるチームには必ず日本語が話せる人材がいるため、開発のやりとりも日本語で対応可能。エンジニアチームは当初、日本と海外に開発拠点がある企業が対象だが、今後は海外のみに拠点を構える企業も集めていく。Sekai Labは、プラットフォームを用意するだけでなく、企画や設計、検証など海外開発でトラブルになりがちな部分をサポートする。

発注者のメインターゲットはウェブサービスの新規事業を手がける大手企業。発注料金としては、日本で1人月70〜80万円くらいの費用が、ベトナムだと18万円、ミャンマーだと10万円程度に抑えられるのだという。Sekai Labはエンジニアチームに対して、受注金額の9〜12%を手数料として受け取る。「開発の全範囲で手厚くサポートするため、クラウドソーシングサービスの手数料と比べて価格は高めに設定している」(大熊氏)。発注企業の手数料は無料。

システム開発や運用管理を海外事業者に委託するオフショア開発は、人件費が高い日本では安価な労働力を大量に得られるのがメリットだ。その反面、大熊氏は「言われたものを作るだけで、クリエイティブなサービスを作るイメージがない」と指摘する。Sekai Labの親会社であるモンスター・ラボは、ウェブサービスの新規事業を企画から提案・受注したり、実際に海外で開発してきたノウハウや実績が強みといい、「安かろう悪かろうのイメージがあるオフショア開発を再定義したい」と大熊氏は意気込んでいる。


AmazonがEC2の報告ツールをローンチ…使用状況, 料金などを視覚化

Amazon Web Servicesのユーザは今日から、クラウドコンピューティングプラットホームEC2の報告ツールを使える。EC2の通常インスタンスや予約インスタンスが今どのように使われているのか、料金はどれぐらいになっているか、などが、簡単に分かる。

Amazonはこれまで、そのクラウドコンピューティングプラットホームのパワーを、New Relicみたいに美麗なグラフや使用状況リポートの背後に隠すことを、あまりしてこなかった。しかし最近では、徐々にユーザの要望に応えるようになってきた。今月初めにはBilling Console(課金情報コンソール)をローンチして、ユーザが利用しているAmazonのサービス全域にわたるクラウドコンピューティングの費用を、ユーザ専用のダッシュボード上で、AWSらしくないきれいなグラフなどで見せるようにした。

今日のアップデートは、サービス全域ではなくEC2だけが対象だ。Amazonによると、今度ローンチした使用状況報告機能は、“インスタンスの使われ方や利用パターンに関する情報をユーザに提示して、EC2の使い方の最適化を図っていただく”、というものだ。

この新たなツールで使用状況が分かるのは、EC2の通常のインスタンス(レギュラーインスタンス)と予約インスタンス(リザーブドインスタンス)の両方だ。報告内容は、タイムフレームや可利用性ゾーン、インスタンスタイプ、購入オプション、タグ、プラットホームなどで分類できる。予約インスタンスに関しては、使用状況と累積料金、オンデマンドのインスタンスを使った場合との費用比較、などが表示される。

費用(料金)や使用状況に関する現状データをユーザに親切に見せる、という点では、最近のAWSはCloudabilityや、RightScaleのCloud Analyticsなどに近くなった。これらの専門ツールは、AWSだけでなく利用しているすべてのクラウドについて現状を見せてくれるが、とにかくAWSがこういう報告ツールを提供して、ユーザの声に耳を傾けるようになったのは、とても良いことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


専門知識いらずのクラウド会計「マネーフォワード」正式版、価格優位でシェアトップ狙う

専門知識がなくても確定申告や会計処理を可能にするクラウド型会計ソフトといえば、2012年のTechCrunch Tokyo(TC Tokyo)でデビューを果たし、翌年3月にローンチした「freee」がある。その対抗馬と目されるのが2013年のTC Tokyoでお披露目となった「マネーフォワード 確定申告」および「マネーフォワード For BUSINESS」だ。1月27日に正式版サービスを開始した。料金プランは個人版で無料プランを用意したり、法人版ではfreeeを意識して安めに設定し、一気にシェアトップを狙う考えだ。

トップ画面のイメージ図

マネーフォワード 確定申告/マネーフォワード For BUSINESSは、確定申告や会計・経理業務を可能な限り自動化するクラウド型会計ソフト。銀行やクレジットカードなど1400以上の金融機関から入出金データを自動取得したり、学習機能で仕訳のルールを作成したり、仕訳データをもとにキャッシュフロー計算書や決算・税務申告関連のレポートを作成するなど、手入力の手間が大幅に省けるという。クラウド型サービスであるため、会計ソフトが少ないMacやiPadなど端末を選ばず、ブラウザー経由で使用できるのも特徴だ。

仕訳画面のイメージ図

料金プランは個人向けのマネーフォワード 確定申告が、基本機能無料のフリーミアムモデル。無料版は仕訳登録数が月間15件まで、仕訳の精度を高めるための学習ルールを登録できるのが月間5件までという制限がある。月額800円のプレミアムプランに加入すれば、これらの制限がなくなるとともに、帳簿データを他社ソフトの形式でエクスポートしたり、同時に閲覧・編集するユーザーを最大3名まで招待する機能なども利用できる。法人会計向けのマネーフォワード For BUSINESS(法人会計)は45日間無料で利用可能で、その後は月額1800円。

マネーフォワードは2013年11月にベータ版を公開(関連記事:マネーフォワードがクラウド会計に参入、専門知識不要の自動入力サービス)。正式版開始に伴い、青色申告・白色申告用の申告書の作成、家族や社員、税理士などと共同でデータを閲覧・編集するためのユーザー招待機能、「弥生」「会計王」「勘定奉行」など他社会計ソフトのデータのインポート機能などを追加した。また、領収書やレシートをスマートフォンで撮影し、データを自動で取り込む無料アプリも公開。レシートを読み取るアプリは数多くあるが、形式が複数ある領収書を読み取れるアプリは日本初だという。

実はベータ版公開時、料金プランはfreeeと同じで個人向けが980円、法人向けが1980円と発表していたが、正式版のリリースにあたって価格を下げたかたちだ。以前、マネーフォワードの辻庸介CEOにインタビューした際には「競合との価格競争は避けたい」と漏らしていたが、なぜ価格を下げたのか。

改めて聞いてみたところ、「今年中にクラウド会計ソフトのナンバーワンシェアを取る意気込みの表れ。今後もお金のプラットフォームになるための機能やサービスを追加する予定で、お金を払ってGmailも使えばカレンダーも使うGoogle Apps for businessのような存在になりたい。そのためには(値段を下げてでも)使ってもらわなければ」と話している。

マネーフォワードの辻庸介社長


Microsoft Azureがストレージを値下げ, Amazonの値下げに追随

今週の初めにAmazon Web Servicesは、そのクラウドストレージサービスS3を値下げし、今日(米国時間1/24)はMicrosoftがそれに続いて、同社のクラウドストレージサービスを値下げしている

ローカルな冗長ストレージはAzureとAmazonで料金が同じになり、Azure Storageのトランザクション料金は、同じくAmazonと歩調を合わせて50%カットされた。さらにMicrosoftのLocally Redundant Disks/Page Blobs Storageは28%値下げされた。

昨年4月にMicrosoftは、AWSのどんな値下げにも合わせていくと言ったから、今日の値下げ発表は意外ではない。Microsoftによると、Azureのストレージの値下げは完全にグローバルだから、リージョンによってはAmazonよりも安くなるそうだ。

Microsoftは今日の発表声明の中で、料金はもちろんユーザにとって重要だけれども、同社は“信頼性とスケーラビリティの点でもベストを”提供する、と言っている。具体的には、同社の冗長ストレージオプションではデータが400マイル離れた別のデータセンターで複製されるから事故や災害に強い。またAzureのユーザは仮想マシンのストレージを永続性のストレージとして確保するが、AWSではEBS上のストレージが特別料金になる。したがってこの種のストレージに依存する顧客にとっては、Azureの方が安上がりである、と。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


クラウド上の開発と展開を容易化迅速化するアプリケーションコンテナ技術Dockerが$15Mを調達

【抄訳】

スケールアップからスケールアウトへの移行というトレンドと、プラットホーム中心型を否定するアプリケーション中心型の文化が今、Dockerとその軽量オープンソースの“コンテナ”技術にとって、追い風になっている。アプリケーションコンテナがあることによってデベロッパは、自分のコードを迅速にクラウドへ持ち込むことができるのだ。

追い風の顕著な現れとして今日同社は、Greylock PartnersのリードによりシリーズBで1500万ドルを調達した。Insight Venture Partnersの小額参加のほかに、既存の投資家Benchmark CapitalTrinity Venturesもこの投資ラウンドに参加した。また、個人としては、前回のラウンドにも参加したYahoo!の協同ファウンダJerry Yangも加わった。

Dockerは今回の資金を、Docker環境の可利用性の拡大と、オープンソース技術と対をなす商用サービスの開発、および成長が続いているコミュニティのサポートに充てる予定だ。

その技術がたどった道は、ITが企業のインフラを管理していた初期の時代にVMwareがたどった道と似ている。そのインフラとは当時の最新技術によるデータセンターであり、それを企業のソフトウェアを動かすために最適化する必要があった。そんな課題を抱えたIT管理者たちにとって、ハイパーバイザとサーバ環境の上で複数の仮想マシンを動かせるVMwareは、なくてはならないツールになった。VMwareはその優れた仕事ぶりと、エンドユーザにインパクトを与えない管理手法が賛美され、そしてIT管理者たちは、そのインフラストラクチャを効率的に管理することができた。

初期のVMwareとの類似、およびDockerが今得ている高い評価が、投資家にとって魅力的なのだ、とGreylockのゼネラルパートナーJerry Chenは言う。彼は8月にGreylockに加わったばかりであり、今回の投資はGreylockにおける彼の初めての仕事なのだ。

Chenは今日の電話インタビューで、こう言った: “VMwareからは、摩擦ができるかぎり生じないことの重要性を学んだ。Dockerにも、その素質がある”。

さらにDockerは、スクラッチからのスケールが可能だ。それにより、パブリックなサーバやプライベートなサーバの上で複数のアプリケーションに対応できるようになる、とChenは言う。それに、スケールアウトは数秒で行われ、アプリケーションはどこにでも移動できる。しかも再構成の手間はいっさい不要だ。

Chen曰く、“Dockerは高速アップデート(rapid updates)にうってつけの技術だ”。

Dockerが今直面している課題は、デベロッパやDevOpsの仕事を効率化する機能集合を抱えたその技術を、もっと使いやすいものにすることだ。DockerはDevOpsたちに
代わって、Docker環境を使って継続的にアップデートされるアプリケーションの管理とオーケストレーションに配慮しなければならない。たとえばDockerは、デベロッパが自分のコンテナを保存するためのパブリックなレジストリとプライベートなレジストリの両方を作ってやるべきだ。また企業内でDockerによるコンテナが増えていけば、それらを管理しオーケストレーションするためのツールも必要になる。…こういった使用環境の整備が、これからの課題だ。

そして今、急速に成長中のコミュニティがある。Dockerは今、世界でもっとも急速に成長しているオープンソースプロジェクトの一つだ。GitHubではDockerに9000以上のスターが集まり、フォークの数は1320を超えている。このように、多様化しつつ成長するコミュニティを管理するためには、製品開発に投ずるのと変わらないぐらいの規模の、投資が必要なはずだ。

Red HatがDockerを導入したのも、コミュニティのおかげだ。同社は今Dockerを、同社のPaaS環境OpenShiftに統合しようとしている。Google Compute Engineも、最近Dockerを採用した。eBay、Yandexなど、ほかにも多くの企業が、プロダクション環境でDockerを利用している〔参考記事(1)(2)〕。

【中略】

Dockerと本当に等価なものは存在しない。代替製品は存在するが、しかしLinux上のコンテナとしては、Dockerが圧倒的に広く使われている。いちばん深いところでは、VMwareなどの仮想化技術と市場を争うことになるだろう。でも現状では、それはない。Cloud Foundryには独自のLinuxコンテナがあるが、それに対してDockerは、いかにしてプラットホームとしての充実を図っていけるだろうか。コンテナはパズルの一部だ。それは確かに基盤ではあるが、しかしツールのデベロッパたちはこの機会に乗じて、Dockerのエコシステムに参加しつつDockerと競合する技術を開発するかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon、S3料金を最大22%、EBSを最大50%値下げ―新しいEC2インスタンス・タイプを提供

このところAmazonはほとんど毎月のようにAmazon Web Services (AWS)はサービスの値下げを行っている。今週はS3EBS値下げされた。これに加えてSSDベースの一般的用途のM3インスタンスが2種類、新たに提供された。

新インスタンスはミディアムとラージの2サイズで、料金は0.113ドルからスタートする。 M3は以前のM1を置き換えた高速なインスタンスだ。AWSがM3をリリースしたのは昨年だが、今回ミディアムとラージというインスタンスが新設された。Amazonによれば、CPUパワー、RAM、ネットワーク能力が適切にバランスされ、広い範囲のアプリケーションの実行に向いているということだ。

デフォールトの設定では、ミディアムは4GBのSSDストレージ、3.75GiBのRAM、1基のバーチャルCPUからなる。つまりCPUやメモリーに大きな負荷がかかるようなアプリケーションの実行には向いていない。ラージ・インスタンスは32GBのSSDストレージ、7GiBのRAM、2基のバーチャルCPUで構成される(下の表参照)。

これらの新しいインスタンスはAWS GovCloud以外のすべてのAWSリージョンで利用可能だ。

非常に巨大なストレージ容量を必要とするS3ユーザーに対し、Amazonはクラウドストレージの料金を劇的に値下げした。5000TB以上のユーザーについては22%の値下げとなる。それ以外のユーザーの場合はそれ以下の率だが、1TB以下でも11%の値下げだ(下の表を参照)。新料金は2月1日から適用される。

Elastic Block Storageでもストレージ容量、I/Oリクエス回数とも大幅な料金引き下げが行われた。 一部のリージョンでは最大50%の値下げになっている。こちらも2月1日からの適用。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Dropbox、2.5億から4億ドルの巨額資金調達―エンタープライズ市場でライバルを先制攻撃へ

Dropboxは100億ドルの会社評価額で2.5億ドルから4億ドルの資金調達を行ったもようだ。Wall Street JournalRe / codeの記事によれば、 その理由として考えられるのは、Dropboxは昨年ビジネス向けにプロダクトを全面的に作り直しており、今年はこれを売っていく必要があるかという点だ。情報源によれば、Dropboxは現在の過熱気味のベンチャーキャピタル市場とDropboxへの高い関心から最大限有利な資金調達を試みたのだという。

調達した資金は他のテクノロジー企業からトップクラスの人材をスカウトしたり有力スタートアップを買収するのにも役立つ。しかし現在のDropboxにとってもっとも重要なのはBox、Google Drive、Microsoft SkyDrive、Amazon WorkSpacesといった強力なライバルに大企業ユーザーをさらわれる前に先制攻撃してシェアを確保することだ。

Dropboxの急成長

Dropboxは当初個人ユーザー向けの手軽なクラウド・バックアップ・ツールとしてスタートした。「あなたのファイルをどこにでも」がそのキャッチフレーズだった。AK-47を構えた恐竜がサメにまたがり、その背中にハゲワシが止まっているイラストがマスコットだった。Dropboxはサンフランシスコの本社ロビーにわざわざそのTレックスの像を作って飾っていた。この時期のDropboxには企業向けにセキュリティやスケーラビリティーを真剣に売り込むつもりがあったようには見えない。

しかしユーザーにギガバイト単位で無料のストレージを提供する戦略が功を奏し、Dropboxは口コミでテクノロジーに強い個人ユーザーの圧倒的な支持を得るようになった。2012年12月にはユーザーが1億人を突破、その1年後には2億人となった。また明るい社風が幸いしてGoogleのPythonの父であるGoogleのGuido Van RossumFacebookのベテラン・デザイナー、Soleio Cuervo、Rasmus Anderssonなどのビッグネームのスカウトにも成功した。

しかしわれわれは1年前に企業ユーザーから 「Dropboxはにはビジネス利用に必要なアクセス管理やセキュリティ機能がない」という声を聞いていた。つまり社員の誰がどのファイルにアクセスし、ダウンロードしたのかなどを確実にモニタする機能などがまだ欠けていた。.

そこで1年前からDropboxはサービスのアーキテクチャをビジネス利用に耐えるように全面的にアップグレードするという野心的な試みに乗り出した。これはユーザーが同一アカウント内から新しいエンタープライズ向けサービスと従来の個人向けサービスの双方にアクセスできるようにすることを目的としていた。.

2013年11月に共同ファウンダー、CEOのDrew Houstonが新しいDropbox For Businessを発表した。Houstonはここで業務用ファイルとプライベートなファイルの双方に同一アカウントでアクセスできる点や強力なアクセス管理と共有管理機能をアピールした。また社員が辞めたり異動した場合にその社員がアクセスできるすべてのデバイスからファイルを一括削除できる機能も追加された。

このDropbox For Businessは今年前半には一般公開されるという。個人ユーザーには圧倒的な人気を誇るDropboxだが、何千人ものアカウントを必要とする大企業に1人年額175ドルで新サービスを売り込むのは大事業だ。大量のセールス部隊が必要になるだろうし、当然大量の資金が必要になる。

ベンチャーキャピタル市場は過熱状態

Dropboxにとって幸運なことに、PinterestUberの億単位の巨額資金調達をみてもわかるように現在の資金調達の環境はきわめて良いFacebookの株価が復調し、Twitterの大型上場が成功したことも資金市場を過熱させている。一方、Dropboxの内情に詳しい情報源によると、同社はエンタープライズ向けクラウドサービスのライバル、Boxの急成長に極めて警戒を強めており、「鉄は熱いうちに打て」とばかりにこのチャンスを生かして最大限の資金調達を試みたのだという。

Wall Street JournalのDouglas MacMillanRe / code’sの Liz GannesによればDropboxはBlackRockがリードし、既存投資家が参加したラウンドで2億5000万ドルの調達を完了したという。さらにDropboxは大手ミューチュアル・ファンドのFidelityとT.Rowe Pricemayから追加の1億ドルから1.5億ドルを引き出す可能性がある。

この一連の資金調達の結果、Dropbox の調達総額は5億700万ドルから6億57 00万ドルとなる。

金を稼ぐには金を使わねばならぬ

潤沢な資金の確保に成功した後、緊急に必要なのはセールス能力の拡充だ。

これには実績あるセールス担当幹部のスカウトが近道だ。すでに2012年にSalesforceの営業部隊を10年にわたって率いてきたKevin Eganをスカウトしている。また最近ではビジネスソフトの有力ベンダーなどサードパーティーとの提携を強めるためにビジネス開発チームを強化し、Facebookのモバイル提携の責任者、Henri Moissinac、Spotifyの提携業務担当幹部、Tom Hsiehを採用している。

また今回の資金は将軍を雇うだけでなく大量の歩兵を雇うためにも必要だった。Dropboxは2013年に200人から500人へと拡大した。今後はさらに拡大の速度を速めるだろう。

しかしエンタープライズ市場で成功するためには、前述のように、まずBoxとそのカリスマ的リーダー、Aaron Levieと戦わねばならない。Boxのビジネスユーザーはまだ20万社にとどまっているものの、Boxはセキュリティとアクセス管理の面でエンタープライズ・ユーザーから高く評価されている。それがBoxがProcter & Gamble、Nationwide Insurance, LinkedIn, MTVなどのビッグネームとの契約に成功した理由だ。Dropbox(上)とBox(下)のホームページを眺めただけでも両者がどのようなユーザーを主たるターゲットにしているか想像がつくだろう。

DropboxはまたGoogle Driveとも競争しなければならない。Googleは他のエンタープライズ向けサービスとの緊密な統合を約束できるという強みがある。またMicrosoft’s Officeを中心に業務が組み立てられている場合、SkyDriveはには優位性がある。Amazon WorkSpacesはAmazon Web Services(AWS)をバックにしている。Dropboxのような独立のサービスにとってはいずれも手強いライバルだ。

また先週起きたようなシステムダウンを防がなければはビジネスユーザーを遠ざけることになる。

DropboxのCEO、Drew Houston

DropboxはMailboxの買収を買収したが、同時にもっと小さいチームEndorseSnapjoySoldなども傘下に収めてきた。数億ドルの資金を得た以上、M&Aでも積極的な動きが予想される。Dropboxが現在のサービスの穴(たとえば複数ユーザーのリアルタイム共同作業)を企業買収で素早く埋めることができればユーザーにとっての魅力が増すだろう。

昨年われわれはDropboxが2014年に上場すると予測した。しかし上場は時間のかかるわずらわしい手続きであり、共同ファウンダーのHoustonとFerdowsiがニューヨーク証券取引所で取引開始の鐘を鳴らすときに株式市場の情勢がどうなっているかも分からない。Dropboxが現在できるだけ多額の資金を集めているのは賢明な戦略といえる。

[I画像:Ariel Zambelich/WiredJDLasica]

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スマートフォンから会社のITシステムをモニタできるPC Monitor; Raspberry Pi, Zendesk, PagerDutyをサポート

PC Monitorは単純なアイデアから生まれたアイルランドのスタートアップだ: リモートでコンピュータをシャットダウンするのがなぜ難しいのか? ファウンダでCEOのMarius Mihalecが、この疑問を抱いたのは2011年だ。彼が作りたかったのは現代的で拡張性のあるサービスだったから、リモートデスクトップのようなソフトウェアでPCにアクセスするだけではだめだ。むしろ彼が望んだのは、ユーザフレンドリなモバイルアプリがデスクトップを抽象化してしまうような、クラウドからのソリューションだった。

最初は単純なアイデアだったが、いざ作り始めてみると欲が出てきて、最終的にはデスクトップやサーバやクラウド上のアプリケーションなども対象とする、本格的なITモニタリングソリューションになってしまった。そして今では200を超える企業が顧客となり、その中にはDell、Louis Vuitton、Northwestern University、Condé Nast、British Columbia Institute of Technology(ブリティッシュコロンビア工科大学(カナダ))なども含まれている。

Mihalecによると、PC Monitorを使えば、ITのアドミンがPCやルータやそのほかのIT資産を手早く診断して、リモートでリブートできる。またそれらのマシンからの通知を受けとることもできる。APIを公開しているので、いろんなマシンやサーバなどを監視するためのプラットホームとしても利用できる。とくにアラートに関しては、New Relicなみに強力だ、とMihalecは自負している。

柔軟な拡張性があるので、PC Monitorは今ではRaspberry Piもネイティブでサポートする(これまでのPC、Macs、Linuxマシン、.NET、そしてJavaのアプリケーションに加えて)。同社の標準APIを使えば、Raspberry Piのオーナーはこのサービスを利用して、現実世界と、Piに接続されたハードウェアと、そして自分のモバイルデバイス…これらを橋渡しすることができるのだ。

今日(米国時間1/16)リリースされたアップデートの一環として、PC MonitorはPagerDutyを統合してSMSと電話による通知を作り、ZenDeskがPC Monitorの通知基準に基づいてチケットを作る。このサービスはさらに、VMWareをサポートして、ユーザが仮想マシンやホストをリモートでチェックできるようにした。

“企業のITはイノベーションと縁のないものと思われがちだが、PC Monitorには最新の機能を盛り込んで、びっくりするようなプロダクト体験を提供したい”、とMihalecは言う。“最近加えた新しい機能によって、顧客企業への真剣なコミットメントを維持し、世界中のITアドミニストレータたちに他に比べるもののない体験をお届けできるだろう”。

PC Monitorは、モニタする対象が5つ未満で単一のアドミンアカウントなら無料だ。そしてマシンが1台増えるたびに、月額1ドルが課金される。モバイルアプリはiOS、Android、Windows Phone用がそれぞれあり、またMetroをサポートしたWindowsデスクトップアプリケーションもある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Adobe、 Creative Cloudをメジャー・バージョンアップしてPhotoshopで3Dプリントをサポート―新たに30日無料試用できる

今日(米国時間1/16)、Adobeは定期購読ベースのCreative Cloudのメジャー・アップデートをリリースした。 さまざまな新機能が追加された中でも、目玉となるのはPhotoshopでの3Dプリントのサポートだ。

その他の主要なアップデートとしてはPhotoshopでは写真の歪みの補正、Illustratorではフリーハンドで直線や曲線が描きやすくなった新しいペンシル・ツールなどがある。また InDesignではEPUBのサポートが改良された。またフォントツールのTypekitではフォントがどんなデスクトップアプリからもアクセスできるようになると同時にPDFファイルや印刷用ファイルにフォントを含めることが可能になった。

このアップデートを機に、Adobeはすべての30日間試用の期限をリセットした。つまり2012年の5月のローンチ以降、この30日間無料試用に登録したユーザーは今後さらに30日の無料試用ができる。

今回のアップデートが極めて広範囲で大幅なものになったため、Adobeでは以前のバージョンを試用したユーザーにも再度、最新版を体験してもらいということのようだ。

Photoshopで3Dプリント

しかしなんといっても今回のアップデートで最大の注目はPhotoshopが3Dプリントをサポートするようになったことだろう。

ただし、Photoshopでは簡単な3Dモデルを作ることはできるが、このアプリケーションの本来の目的がそこにないことは明らかだ。この点についてはAdobe自身もはっきり認めており、モデリング自体はサードパーティのツールを利用し、そのデータをPhotoshopにインポートするようユーザーに勧めている。つまりユーザーは3Dモデルにテクスチャーを追加したり、Phontoshopお得意の細部の精細な仕上げを行うのにこのアプリを利用することになる。

Adobeによれば、新しいPhotoshopは3Dモデリングと3D出力の中間段階を処理するのに最適な環境を提供するという。PhotoshopはOBJ、STL、3DS、Collada、KMZなどほとんどあらゆる3Dフォーマットをインポートして3D出力することが可能だ。これには3Dプリント時に必要とされる枠組み、支柱などの付加も含まれる。また3D出力にあたって障害となるような点も事前に発見してくれるので、ユーザーは出力の失敗で時間と材料を無駄にせずにすむ。

またAdobeは3Dプリンタの大手、MakerBotと提携し、Photoshopから同社の3Dプリンタにネーティブで出力できるようになった。また3D出力サービスのShapewaysとも同様の提携をしている。Shaspewaysの場合はPhotoshopから色彩、素材などに応じた詳細な仕上げリプレビューができるだけでなく出力料金の概算も行われる。しかもこうした3Dプリント処理がほとんどワンクリックの容易さで実行されるという。

MakerBot以外にもAdobeは他の主要なデスクトップ3Dプリンタをサポートしており、またAdobeがまだサポートしていない場合でもユーザーが自身でデバイスプロファイルを作成することが可能だ。

Adobeには現在3Dモデリング・ツールはないが、今後Photoshopの機能ないし独自のアプリとして3Dモデリングが提供されるようになるかもしれない。

パースペクティブ・ワープ

3Dプリントに加えてPhotoshopには2013年5月にMAXカンファレンスでデモされたパーステペクティブ・ワープと呼ばれる新機能が加えられた。

この機能は今週Adobeのデザイン・エバンジェリストのTerry Whiteがプレスカンファレンスでデモをしたが、 異なるアングルで撮影された写真を合成するのに非常に有効だ。Photoshopには従来から多数のワープ・ツールが存在するが、どれもパーステペクティブを操作すると直線が曲線に歪んでしまうという問題があった。

Adobeではこの機能は主に既存の写真のレンズ歪みの補正や複数の写真の合成に使われるものと想定しているが、野心的なデザイナーはきっと何か斬新な利用法を考え出すことだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、モバイル版Chromeのデータ圧縮機能を公式にリリース―データ量を最大50%節減

今日、Googleはモバイル版Chromeブラウザのデータ圧縮のオプション機能を正式にリリースしたことを発表した。この機能はユーザーのスマートフォンやタブレットへのデータ転送量を大きく削減するものだ。処理のスピードアップ、データ料金の節約に寄与することが期待されている。

同時に、モバイル版Chromeブラウザのアップデートではこれ以外にもiOS版へのGoogle翻訳、Android版へのお気に入りのウェブサイトへのショートカットなど、いくつかの新機能が追加され、バグ修正が行われている。

しかしやはりデータ圧縮機能が今回のリリースの目玉になるようだ。これが有効化されると同時にChromeのセーフ・ブラウジングテクノロジーによって悪意あるウェブページからも保護される。Googleによると、この機能は今後数日かけてiTunes App StoreとGoogle Playストアに順次公開されるという。

GoogleはAndroid版でデータ圧縮機能のテストをAndroid 昨年3月からChrome Beta for Androidを通じて開始していた。その後、昨年の秋にはテストはiOSにも拡張された。

データ圧縮機能は簡単にいえばGoogleプロキシーだ。ウェブページへのリクエストと応答をGoogleのサーバを経由させ、そこでPageSpeedライブラリーによる圧縮が行われる。その一方、ブラウザとGoogleのサーバとの接続はSPDYプロトコルによってさらに最適化される。

多くのユーザーはこうしたバックエンド処理の詳細に興味がないかもしれないが、ここでGoogleが達成したとしている成果には注目すべきものがある。Googleによれば、ユーザーがChromeのデータ圧縮/最適化オプションをオンにすると、Android版でもiOS版でも、最大で50%もデータ量を削減できるという。前に述べたように、PageSpeedライブラリーを利用して画像ファイルをJPEGやPNGからGoogleのWebPフォーマットに変換するだけでも大きな効果がある。というのはウェブページでは平均してデータ転送量の60%が画像だからだ。

モバイル・データの圧縮はもちろん新しいアイディアというわけではない。たとえばモバイル版Operaブラウザのターボ・モードやAmazon Silkも似たようなメカニズムを採用している。また昨年10月にFacebookが買収したモバイルデータ分析企業のOnavoはデータ転送の最適化を図るアプリ(Onavo Extendを一般ユーザー向けに提供している。つまり一定のデータプラン契約で最大のコンテンツを提供しようとするサービスに注力しているのはGoogleだけではないということだ。ことにGoogleの場合、ユーザーが長くウェブ上に留まればそれだけ売上が増える。

Chromeのデータ圧縮とプライバシー

ここでひとつ注意しておかねばならないのはプライバシーの観点だ。機能を有効にするには設定メニューのアプリケーションから「帯域幅の管理(Bandwidth management)」、「データ量の削減(Reduce data usage)」を選ぶ。その際ユーザーはHTTPトラフィックがGoogleのプロキシー・サーバを経由することに同意しなければならない(圧縮機能はHTTPSを利用するトラフィックやシークレットモードが有効になっている場合は無効になる)。

プライバシー問題に神経質な一部のユーザーは懸念を抱くかもしれないが、Googleが以前に説明したところによれば、リクエストがGoogleのサーバを経由する際にウェブページのコンテンツは一時キャッシュされるが恒久的には記録されないという。また、さらに重要な点だが、Googleによればそれ以外のログはGoogleのアカウントに関連づけられ、6ヶ月以内に完全に削除されるという。これらの詳細については昨年11月にアップデートされたChromeのプライバシー・ホワイトペーパーで説明されている。しかし今後なんらかの変更があるかどうか念のため注意して見守っていきたい。

その他の改良

上で述べたように今回のアップデートではいくつか興味ある改良が加えられている。iOS版Chromeでは新たにGoogle 翻訳がサポートされた(Android版では追加ずみ)。この機能はウェブページをユーザーの言語に翻訳して表示する。

一方でAndroidユーザーはメニューのオプションに「ホーム画面に追加」というオプションが新設され、お気に入りのウェブページをホーム画面に簡単にセーブできるようになった。またGoogleが今回のリリースを解説したブログ記事で述べているところによると、一部のウェブサイトではフルスクリーン表示がサポートされる。

新機能を利用するにはChromeにアップデートを適用するか、新たにインストールする必要がある。

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Google Cloud Platform–Cloud Storage上でHadoopを簡単に使えるためのコネクタを提供開始

かねてからGoogle Cloud StorageはHadoopに対応しており、デベロッパはデータをここに置くことによって、分散コンピューティングによる高度なデータ分析ができる。そして今日(米国時間1/14)Googleは、新たなコネクタをリリースして、Google Cloud Platform上でのHadoopの利用が、より容易にできるようにした。

クラスタやファシステムの管理をそのGoogle Cloud Storage connector for Hadoop(HadoopのためのGoogle Cloud Storageコネクタ)がデベロッパに代わって行うので、デベロッパは物理レベルの面倒な管理業務から解放され、データの処理に専念できる。

Googleが2003年に開発したGoogle File Systemは、今ではHadoopの土台だ。HadoopはApache Software Foundation(通称Apache)が管理するオープンソースの分散コンピューティング環境で、データをサーバのクラスタ上に分割分散して分散処理によるデータ分析を行う。今ではHadoopのまわりに、多様なソフトウェアやサービスから成るエコシステムが形成され、ClouderaやHortonworksなど多くの企業がそれを支えている。

Google Connector for Hadoopは、Googleの最新のクラウドストレージシステムColossusを使用する。また、シンプルなコネクタライブラリを使用して、Hadoopに直接Google Cloud Storageへアクセスさせ、データ処理を行わせる。

Googleは、このコネクタの利点をいくつか挙げている。HadoopのクラスタをGoogle Cloud Storageが一か所で管理するので、デベロッパはHadoopの使用をすぐに開始できる。Google本体のスケーラビリティを利用するので、可利用性がつねに高い。データのコピーを持つ必要がないので経費節約になる…つまり、バックアップ用にコピーを作るなどは、Google Cloud Storage自身が勝手にやってくれる。

今やHadoopは、ビッグデータ分析の分野における主流派だ。先月の記事でも書いたように、Hadoopは、Twitterなど、毎日ペタバイトのオーダーでデータを処理するインターネット企業にとって欠かせない技術だ。また一般企業でも、処理する情報量の爆発的な増大とともに、やはりHadoopを利用せざるをえなくなっている。

しかしHadoopを本格的かつ有効に利用するためには複雑な技術課題が多く、高度な経験知識をもった技術者を何人も必要とする。そこで今回のGoogle Cloud Storage Connector for Hadoop(Hadoop用のGoogle Cloud Storageのコネクタ)のようないわば‘仮想技術者’がいろいろ登場することによって、Hadoopを誰もが気軽に使えるものに、していく必要があるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


「経費節減ちゃいまっせ」吉本がクラウドソーシングでチラシ作り、クラウドワークスと提携

クラウドワークスとよしもとクリエイティブ・エージェンシーは13日、若手クリエイターの発掘を目指すクラウドソーシングサービス「クリコン」を開始した。吉本といえば「ケチでギャラが安い」と言われることもあるけれど、経費節減のためではなく、新しい時代のコンテンツ開発体制を作るのが狙いという。まずは吉本に所属する芸人のライブチラシや番組ロゴなどの制作を発注し、今後はメディアと連動したクリエイター発掘も行う。

クリコンでは、全国9つの劇場で年間1万回以上開催される吉本所属お笑い芸人のライブのチラシ・ポスターの制作、番組ロゴやウェブサイト制作、映像編集、ネーミング&キャッチコピーなどを募集する。具体的には、よしもと幕張イオンモール劇場での定期イベント「爆ハリ」のロゴ作成(5万円)や、お笑いトリオ「ジューシーズ」単独ライブのポスター作成(3万円)などがある。一般の企業や団体も仕事を発注できる。

クラウドワークスは、クラウドソーシングのシステムを提供するとともに、サービス運営をサポートする。クラウドワークスによれば、吉本にとって今回の協業は経費節減のためではないと強調しているけれど、クラウドソーシングを使うことで従来よりもデザインや制作にかかるコストは抑えられそうだ。「スキルはあるがコネがない」という若手のクリエイターにとっても、コンペで仕事を受注できるのはとてもありがたい話だろう。


HTML5のCanvasで実装したMicrosoft Office互換ドキュメントツールTeamLabは優れもの

オンラインドキュメントエディタのGoogle DocsやZoho Docsなどはかなり前から、これでやっとあなたはMicrosoft Officeをご自分のデスクトップから根絶できる、と約束していた。しかし複雑なドキュメントの編集やMicrosoftのファイルフォーマットとの完全な互換性という点では、Webベースのエディタはまだまだ不十分と言わざるをえない。その有利な差別化要因は言うまでもなく、クラウドによるドキュメントの共有とコラボレーションだが、Microsoftも最近そのことに気づき、Office 365と、それに付随するWebベースのドキュメントビューワやエディタにそんな機能を盛り込んできた。

そういう局面に登場してきたのが、ロシア生まれで無料でクラウドベースのOfficeスイートTeamLab Personalだ。それは実装にHTML5のCanvas成分を使用し(参考情報)、同社の主張では、GoogleのオンラインコラボレーションとMicrosoft Wordの高品質な文書形式の良いとこ取りをした製品だ。下のビデオはやや宣伝臭が強いが、本当にこのとおりなら、あなたはオンラインのMicrosoft Office 365すら‘根絶’できるだろう。

TeamLabのPersonal版では、テキストとスプレッドシートとプレゼンテーションの編集ができる。機能的にはWordとExcelとPowerPointのそっくりさんで、それプラス、オンラインの共同編集とコメントの機能がある。HTML5のCanvasで実装するという果敢な試みによって、同社によれば他社の既存のオンラインワープロにない機能を提供できた、という。

それらはまず、表示されるドキュメントのスタイル、段落、記号、行間などなどが、OSやブラウザによって違わない、同じであること。インポートしたドキュメントに関しても同じ。印刷結果も同じだ。そして表の処理や行間、ノンブル、本文とヘッダのスタイルなどで選択肢が多いこと。複数ページのレポートでもドキュメントのスタンダードを維持できること。複数の言語をサポートし、ヒエログリフも使えること。などなどだ。

TeamLab PersonalにはFacebookやGoogleのアカウントからサインインし、クラウドストレージはGoogle Drive、Dropbox、SkyDrive、Boxなど自分にアカウントのあるものを使える。一つ選べば、そこがユーザのワークスペースになる。無料バージョンを提供できるのも、こういったサードパーティのストレージサービスとの連携(一種のアフィリエイト)があるためのようだ。

上のビデオでおもしろいのは、TeamLabのドキュメント処理能力はどの面においてもGoogleやMicrosoftより優れているのだが、しかし三つとも仕事は完璧ではない。だから、勝負はむしろこれからなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


データ分析SaaSで農業経営を助けるVitalFieldsが€500Kを調達

クラウドからWebアプリケーションやモバイルアプリ経由で農業の経営管理サービスを提供しているエストニアのVitalFieldsが、二度目の資金調達として50万ユーロを獲得した。

このラウンドを仕切った同社の最初からの投資家SmartCapは、Estonian Development FundのVC部門で、新たな投資家としてはTMT Investmentsが参加した。以前からの投資者であるWiser Financial AdvisorsとArvi Tavastも参加した。そのほか、Skypeの最初の技術者の一人であるAhti HeinlaとAndres Kullもこの投資に加わった。VitalFieldsは2012年後半に25万ユーロを調達したので、これで資金調達総額は75万ユーロになる。

同社は2011年のGarage48のハッカソンでローンチし、アクセラレータStartup Wise Guysの“卒業生”でもある。本誌が最初にVitalFieldsを取り上げたときは、農業のための早期警戒システムと紹介した。たとえば同社のサービスが提供する情報により農家は、作物の病虫害や生育異状、気候変動などについて早めに知ることができ、また年間の作付け計画や備蓄管理、費用/利益計画などのための参考情報を得ることもできる。

同社は、従来の紙(印刷物、帳簿など)や高価で往々にして硬直的な専用ソフトウェアに代わるITのSaaS革命を、農業に持ち込んだサービスだ。そのためVitalFieldsは、データの取得や処理加工、分析などの過程の多くを自動化しており、とくに小地域ピンポイント的な天候や病虫害に関する予報には力を入れている。これをすべて人手でやったら、安価なSaaSサービスは成り立たない。

VitalFieldsの現在の顧客数は、全世界で1500の農家/農場だ。今回新たに得た資金により、ヨーロッパのいくつかの未開拓国にサービスを展開していく。またデータ分析の範囲を拡大し精度を高めるための投資も行う。それはたとえば、機械学習のアルゴリズムによる、類似農家同士の比較などだ。同社のサービスは、前にも書いたように、これまでは非科学的な勘や地域社会の伝統的な言い伝え、などに頼っていた小規模農家の経営近代化に大きく貢献するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))