翻訳プラットフォームのGengoがIntel Capital等から1200万ドルを調達

Gengoは人気上昇中のオンライン翻訳サービスで、7500名以上の事前審査、評価済みの翻訳者のネットワークを利用して33の言語で質の高い翻訳を提供している。このほど1200万ドルの資金調達ラウンドを完了した。リードしたのはIntel Capitalで、他にIris CapitalInfocommNTT-IP、およびSaudi Telecom Venturesが参加した他Atomicoも再出資した。

本ラウンドに通信会社が複数含まれていることは、「通信会社がGengoの国際的可能性を『理解』していることを示している」とGengoのCEO・ファウンダー、Robert Laingがメールで私に伝えた。

「Gengoチームは、Intel Capitalのリードによってアジア、米国、ヨーロッパ、中東の投資家と仕事ができることを喜んでいる。各社の国際経験や起業家を支援してきた実績に期待している」とLaingが今日の発表資料に書いている。

GengoのCTO・共同ファウンダー、Matthew Romaineもこう付け加えた。「大規模な翻訳における技術的要素は大きいため、歴史あるIntel Capitalと仕事ができることは光栄だ」。

現在Gengoの売上は、日本と米国が約40%ずつを占めている。現在同社は東京に30名、カリフォルニア州サンマテオに9名の従業員がいる。

Laingは同社が急成長を続けていると言う。Gengoでは2013年に入ってこれまでに、2012年全体よりも多くのテキストを翻訳している。成長の理由の一部はもちろん、GoogleのYouTubeとの提携によるものであり、最近の3Play Mediaとの提携と合わせて、YouTubeの2大統合有料翻訳サービスとなっている。

Laingによると、Gengoではビデオの他に、旅行やEコマースサイトからも大量の翻訳依絡があり、多くの「大手Eコマース、オンライントラベル、コミュニティー・ポータル」が現在Gengoを利用しているという。

Gengoでは今回の新ラウンドの資金を、海外展開の加速と、翻訳プラットフォームおよび翻訳プロセス速度の改善に利用する計画だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


ホワイトハウス・サイエンスフェアで表彰された感動的発明3点

[ホワイトハウスが若き学者たちを招待してNCAAチャンピオンみたいに扱っているのは嬉しいね!!!]

アメリカの若き天才の何人かが今日(米国時間4/22)、毎年恒例のホワイトハウス・サイエンスフェアで表彰された。毎春ホワイトハウスでは子供たちを招待し、主に市販の材料から作った生活を一変させる革新的発明を披露する場を提供している。私は毎年この話題を報じているが、才気あふれる子供たちが世界的問題に取り組む姿勢に感動せずにいられない。「大統領の公的な立場で言わせてもらうが、これは本当にクールだ」とオバマ大統領は言った。

本誌では、感動的ですばらしいプロジェクトを3点選んで以下に要約した。

1. 3Dプリンター製、脳波制御義手 – 17歳のEaston LaChappelleは、脳波制御方式による義手を、3Dプリンターで安価に複製した部品を活用して250ドルという低価格で実現した。下のVineのビデオで、若者が製品レベルの脳波検知デバイス、Neuroskyを使ってロボットアームの握手するところを見ることができる。LaChappeleは私に、この義手はまばたきと脳波を使った高度なシステムによって制御されていると説明してくれた。Neuroskyは、さまざまなレベルの精神集中度やまばたきを検知する。例えば両目をまばたきすることで腕を収縮する準備をし、集中度のレベルによって収縮の度合いを調節する。高度なソフトウェアがユーザーの日常行動パターンを学習することによって、昼頃にはランチを食べる、といった特定の時間の動作を容易にしている。

2. がん検出装置 - Googleグローバル・サイエンスフェアの勝者、17歳のBrittany Wengerは、初期がんの検出精度を劇的に高める低価格な手法を発見した。Wengerのプロジェクトは、ヒトの脳のニューラルネットワークをモデルにしたコンピューター処理を利用して、皮膚標本のがん検出精度を99%にまで高め、医師が早期治療によって命を救う手助けをする。ソフトウェアはクラウド上に置かれており、多くの医師がデータを供給するほど精度が高くなる。

「人工知能に出会った時、私はすぐに心を奪われました。翌日家に帰ってプログラミングの本を買い、独学することを決心しました」と彼女は言った。中学1年生以来、この大志ある若き科学者は、主としてウェブと身近にいる先生の助けを借りながら高度な人工知能を独学で習得した。

3. 触知サウンドデバイス – カリフォルニア州の中学2年生、Jonah Kohnは、聴覚障碍者が音楽を楽しむための触知型サウンドデバイスを開発した。音が実際に皮膚の振動を通じて伝わることを、Kohnは自分のエレキギターをかみしめた時に発見した(若さと実験的精神の意味を思い出してほしい)。この発見は、同じ体験が聴覚障碍者に役立つのではないかというヒントをKohnに与えた。「彼らは自分では聞こえなくても歌のメロディーをハミングすることができるんです」とKohnはホワイトハウスで科学ジャーナリストのBill Nyeに言った。彼のプロジェクトに関連した研究によると、聴覚障碍のある被験者の自己採点による音楽品質が93%上昇したという。

多く参加者が、科学に対する驚くべき精神力と打ち込む姿勢を見せた。16歳のJack Andrakaも高精度のがん検知システムを開発したが、大学の研究室を利用させてもらえるまでに99回頼んだという。「君たちが高校で何をやっていたか私は知らない。Jackがやっているのがそれだ。私が高校でやっていたことよりすばらしいことだけは確かだ」と大統領は冗談を言った。

さらにオバマ大統領は、AmeriCorpsとの共同によるテクノロジー業界指導プロジェクト、US2020を発表した。これはCiscoをはじめとする諸企業が2020年までに、従業員の20%が20時間以上を指導や教育に費やすことを誓約するものだ。

悲しみにくれた一週間だった。しかし、われわれが直面する挫折の数だけ次の世代が世界をさらに良くしようと奮闘しているのだと知るのは喜ばしいことだ。

[画像提供:White House]

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(翻訳:Nob Takahashi)


自閉症の人たちがハイテクの仕事で成功

自閉症の人にとって、社会的に孤立して一日中コンピュータの画面を見つめることは、むしろ良い環境かもしれない。アメリカの公共放送NPRのサイトに載ったこの勇気づけられる記事では、アスペルガー症候群で社会適応力に問題を抱える技術者たちが技術的な仕事で成功している。知的障害者を12名雇用しているAlliance Data社の副社長Jim Pierceによると、“たとえばこの子なんか、前にいた健常者よりも3倍も生産性が高い。エラーレートは2%、つまり精度は98%だから、すごいよ”、と言う。

アスペルガー症候群は自閉症の各タイプの中では“高機能な”障害と見なされており、社会的な適応力に問題があっても、技術的な仕事への集中力は高い、と言われている。ダラスの児童医療センターのPatricia Evansドクターによると、“人との関係や対話の少ない技術的な仕事やコンピュータを使うデザインなどは、とても上手にできることがある”、という。

詳しくは、この記事を。

[画像クレジット: nonPerell]

〔訳注: 障害者ではないが、山口県の美祢社会復帰促進センター(“刑務所”はもはや死語)では入所者にJava/JBossを教えて、高い国家試験合格率を誇っている。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


3Dジェスチャー・コントローラーのLeap MotionをGoogle Earthがサポート


Leap Motionのジェスチャー方式コントローラーの発売まであと1ヵ月を切ったが、アプリサポートに関する情報は殆どない。わかっているのは同社がAirspaceアプリストアの品揃えに注力しているという事実だけだ。しかし今日(米国時間4/22)Leap MotionとGoogleは、Google Earth for Leap Motionテクノロジーを発表した。同機能はWindows、MacおよびLinuxのデスクトップ版Google Earth 7.1(本日公開)以降に内蔵される。

Leap Motionにとってこれは有難い初期ユーザーベースだ。Google EarthはGoogleの統計によると10億人以上がダウンロードしている。Googleのお墨付きは、同社のブランド、Chromeブラウザーを始めとする多様なソフトウェアを開発しているという事実、さらにはLeap Motionの潜在ユーザーに、その機能を試すための非常に現実的かつ自然で馴じみのあるアプリが提供されるという意味で極めて重要な意味をもつ。

しかも、その効果を知るために5月中旬まで待つ必要はない。1万人のデベロッパーがすでにLeap Motionコントローラーのハードウェアを持っている。Leap Motionはデベロッパーに対して、使用体験のYouTubeビデオをアップロードして、#LeapIntoというタグを付けるよう推奨している。ビデオは同社がその技術を見せるためにシェアするプレイリストに掲載される。

Leap Motionは、主要小売店やOEMとの提携など発売前からヒットを飛ばしている。中でもHewlet Packardが将来のノートパソコン等のデバイスに、3Dジェスチャーを内蔵させることに合意したニュースはとてつもなく大きい。しかし、こうした喧伝は同製品が発売時に高い期待をもって迎えられることを意味しており、Googleによる支持表明によってその期待はいっそう高まることになる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Smack Attackはハンドルをドラムにして眠気を防止するガジェット―元NASAのエンジニアがKickstarterで資金募集中

車が渋滞にはまりこんだときに音楽を聞きながらハンドルをドラム代わりに叩くのは誰もがやることだが、この体験を少し改善しようと試みる起業家が現れた。

Gregor Hanuschak(元NASAのエンジニア)は現在KickstarterでSmack Attackというプロジェクトへの資金提供を募っている。これは自動車のハンドルに取り付けるガジェットで、ユーザーはこれを叩いてドラム・ソロが楽しめる。

Smack AttackシステムはハンドルカバーとiOSデバイス向けアプリという2つのコンポーネントから成る。ハンドルカバーをBluetoothでiOSデバイスにペアリングしてからリンゴ・スターになったつもりでハンドルの側面に設けられた8個の圧力スイッチを叩く。サンプル音源はいろいろ選択が可能だ。また同乗者がいる場合、アプリを経由してドラムのジャムセッションもできるが、同乗者の腕次第でひどい経験になりそうだ。

アホらしいといえばまったくjアホらしいプロジェクトだが初期のアホらしいプロモ・ビデオ)、Hanuschakは実は交通安全上の重要な問題に取り組んでいるのだ。つまり長時間単調なドライブを続けているうちに襲ってくる眠気だ。手を動かし、ドライバーの注意を集中させることによってこの眠気が追い払えるというのがHanuschakの考えだ。

SmackAttackはドライバーの命を救うガジェットになる可能性があるというわけだが、逆に「ハンドルを楽器にして演奏するということは運転から注意を逸らす危険がある」という懸念も出てくるだろう。いずれにせよ、Hanuschakは今年中にハンドルカバーとアプリのセットをリリースするために現在20万ドルを集めている。価格は149ドルだ。くれぐれも安全運転を。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google Glassの開発環境が明らかに―現状では制限があるものの可能性はすばらしい

先週Googleはとうとうデベロッパー・ガイドその他Glassアプリの開発に必要な文書をリリースした。このMirror APIには完全なAR(拡張現実)アプリの開発を希望していた一部のデベロッパーから失望の声も上がった。しかし現状のままでもデベロッパーは新規、あるいは既存のアプリに今までは不可能だったまったく新しいユーザー体験を提供できるはずだ。

Googleがこのドキュメントを公開して多くのデベロッパーが始めて知ったことの一つは、APIが基本的に伝統的なRESTfulサービスだったことだ。これはつまりGlassに対する操作はすべてクラウドを通さねばならないことを意味する。Glass自身はAndroidで動いているが、現状ではデベロッパーはGlassのハードウェア上で作動するアプリを開発することはできない。開発できるのはウェブアプリだけだ。

Googleがこのような選択をした理由はいくつか考えられる。ひとつにはGlassのバッテリー駆動時間があまり短くならないように配慮したのだろう(Googleでは「ビデオを長時間録画しないかぎり1日もつ」としている)。ウェブアプリであれば、ネコの写真を1秒に1枚送りつけるような振る舞いに及んだ場合、Googleは配信をブロックすることができる。ユーザーの観点からは善悪は決めにくいが、Googleが当面Glass環境にある種のコントロールを及ぼそうとしていることは確かだ。

現在のMirror APIの仕様からすると、スマートフォンならどれでも一般に可能な動作でもGlassでは不可能なものが出てくる。たとえば、上で述べたようにARアプリは開発できない。また音声やビデオをユーザーのモバイル・デバイスからGlassにストリーミングすることも難しい(しかしGlassでもGoogle+のハングアウトは利用可能なはず)。

ウェブアプリであるからには表示はHTMLとCSSを使わねばならない。GoogleはユーザーがカスタムCSSを書くことを好まず、標準テンプレートだけを使わせようとしている。.

しかし全体としてみれば、デベロッパーは昨年Googleが公開したGlassのデモ・ビデオで描かれた機能はすべて実装できそうだ。

Androidデバイスがベースであれば、位置情報利用アプリを開発することも可能だ。ユーザーが画像をサーバに送り、そこでなんらかの処理を行なってからユーザーのGlassに送り返すようなアプリも開発できる。ビデオのアップロードもできる(逆にサーバ側から画像、音声、動画を配信することもできる)。

デベロッパーに(少なくとも現在は)許されていないのは、ユーザーのGlassに広告を表示すること、有料アプリを販売すること(違法なギャンブルアプリも問題外)だ。Glassの当面の市場規模を考えればこうした制限は大きな問題にはならないだろう。おそらくGoogleは将来デベロッパーに対して何らかの有料化を認めるだろうが、Glassプラットフォームに伝統的な広告を表示するのはユーザー体験を大いに損なうだろうから、将来とも許可されないだろう。

Googleは「デベロッパーはGlassが誕生したばかりのプラットフォームであることを強く意識して開発にあたってもらいたい」としている。現にGlassのハードウェアを購入したデベロッパーだけがAPIにアクセスできるのもこうした事情によるものだ。

当面、このAPIFに対してデベロッパーはいろいろな不満のを抱きそうだ。しかしこれは最初の一歩にすぎないことを忘れないyほうしなければならない。Googleは今後もっと強力なAPIをリリースし、また現在のAPIの制限を緩めるはずだ。ネーティブ・アプリが開発できなければデベロッパーが望んでいたようなサービスをすべて提供するのは不可能だ。こうした制限付きではあっても、さまざまな革新的Glassアプリが近く登場することは確実だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Bitcoinのラストマイル問題

Joey DeVillaは、(今も)大好きなブロガーの一人だ。この10年間ほぼ常に興味深い記事を書いており、最近はbitcoinの波に乗り、私の採鉱ガイドにも似た長文の採鉱ハウツー記事を載せた。彼はかなり気合いが入っているが、HPの古い一体型パソコンに採鉱作業をさせたのは明らかなリソースの無駄であり、時間とエネルギーとコンピューターの消耗だった。

あらゆる努力の結果、Joeyが得たのは3.4~4.4セントだった。彼はそこそこトラフィックのあるそのサイトで1日6000ページビューを稼ぎ広告収入が約40ドルあることも書いている。彼はあの記事を書くことで ― 労力はずっと多かっただろうが ― Bitcoinの採掘よりも稼いだことになる。

Bitcoinはインターネット長者の完璧な象徴だ。一見無料(ただしそうではない)で簡単に始められ(ただし維持が困難)、そして最終的には、どこかのひょうきん者がJoeyの記事にコメントしたように、「インターネットでは儲け方を人に教える方が実際に儲けるよりずっと儲かる」の典型例だ。

ではこの通貨はどうなっていくのか。両替商Bitfloorの最近の閉鎖や、ここ数週間における市場の荒れ模様は、Bitcoinの世界にやや影を落としている。度重なるDDOSや、フィッシングの企てによって利用は益々困難でさらに危険になり、平均的パソコン利用者はBitcoinが何かすら殆ど知ることがなく、ちょっとしたポケットマネーと強力なGPUを持つハッカーたちの指定席となっている。

そうなると果たして「現実世界」はBitcoinによる資金移動を気にかけるべきかが問題である。私は、気にかけるべきだと考えるが、理由は多くの人々の提案とは異なる。匿名性は平均的パソコン利用者にとってさほど重要ではないが、もう少しセキュリティーを強化することはできる。PayPalのような既存送金システムは山ほど問題を抱えているが、その大部分は熱心すぎる顧客保護代理人に端を発している。

世界はBitcoinの存在を必要としている。たとえ殆どの人間がそれを使わなくても。この通貨の目標は、旧来の資金移動方法との関係を断ち、人から人へと価値を移動する能力に関する真の自由を人々に与えることだ。田舎の村に住む貧しいおばあさんは、郵便局に行く手間や料金なしに孫から簡単に送金を受けられる。忙しい人々は水銀の如く流動的な口座に資金を預け、いつどこででも手数料いらずで取引きができる。亡命者は金を持ち運ふ代わりにbitcoinを持っていればよい。夢の可能性は、ある意味で、無限だ。

しかし、そこにはラストマイル問題が控えている。マーケティングの小道具としてこの通貨を受け取るいくつかの店以外に、Bitcoinで買い物できる場所はどこにあるのだろうか。Bitcoin ATMはどこ? 空港の両替カウンターはBitcoinを受け取るのか。これらの問題すべてが ― そしてこれらは世界市場において「価値のない」通貨が受け入れられるかどうかに関する本質的問題である ― Bitcoinの一般への普及を妨げている。

Bitcoinの価値は市場がどう言っているかだけで決まり、規制もなく空売りが不可能なため、Bitcoinで資金を保有する危険性は著しく大きい。Bitcoin市場は世界で「最も純粋な」市場ある一方、最も無秩序な市場の一つでもある。 伝統的な株式市場や通貨市場を再現するシステムは作られつつあるが、瞬間的で匿名の資金移動は、リスクテーカー以外の人々に信用を植えつけることができない。

私にはBitcoinの価値がなくなる日を想像できる。その日は早く来るかもしれない。あるいは、否定論者たちの言うことは誤りで、Bitcoinは世界中で通用するようになるかもしれない。いくつかの意味で私は後者が正しいことを望んでいるが、私の中の悲観論者は前者だろうと言う。ともあれ、この新千年紀通貨がスタートを切るところを見るのは大いなる楽しみである。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebook Home、5日間で50万ダウンロードを達成。InstagramのAndroid進出時と比べると見劣り

どうやらFacebook Homeは、5日前の4月16日にGoogle Playでデビューして以来、50万ダウンロードを越えたようだ。同アプリのGoogle Playランキングにこのマイルストンが表示されている他、TwitterでBen Evansが正式に認めた。

Facebook Homeは、スマートフォンのユーザーインターフェースとして特別なアプリではないが、Androidユーザーのスマートフォン体験のど真ん中にFacebookを配置する。Facebook Homeのユーザーはロック画面から直接近況をアップデートしたりニュースフィードを読んだりできるほか、チャットヘッドのおかげで一切割り込まれることなくメッセージをやりとりできる。

要するに、これはFacebookを他のいかなるアプリよりも前面に押し出し、スマートフォンの中心であるランチパッドにするものだ。その期待の高さは、発表イベントでのZuckerbergの熱演ぶりから見てとれたが、発表当日言われていたのは、ユーザーはあまりFacebook Homeに注目していないということだった。

それが真実でなかったことは、公開1日後に10万ダウンロードを達成したことから明らかだ。とはいえこれは爆発的な数字ではない。InstagramがAndroidで公開された時、1日で100万ダウンロードを記録したことを覚えているだろうか。そして6日間で500万ダウンロードを越えたことを。あれが爆発的な数字だ。

もう一つ、Facebookには10億人以上ユーザーがいることを考えれば、50万というのは実際大勢に影響を与えない数値だ。

しかし、Facebookを擁護して言うと、Homeアプリは限られた端末でしか利用できない。Samsung Galaxy S III、Galaxy Note II、HTC One X、HTC One X+、およびFacebook PhoneたるHTC Firstだけだ。

そしてもちろんFacebookは、InstagramがAndroidで成功していることを大いに喜んでいる。たったの10億ドルで買収した後になってみれば。

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(翻訳:Nob Takahashi)


AppleはSiriの音声データを匿名化して最大2年保存する

AppleのiOSデバイス上の音声アシスタントSiriは、情報を捨てずに保存し、それらを、同社がリモートのサーバ上で行っている分析処理の結果をより正確にするために利用している。同社はこれまで、Siriとぼくのやりとりをいつまで保存するのか、それをどのように利用しているのかを明かさなかったが、このほどWired誌がAppleに取材をして、Siriのデータの保存のされ方を突き止めた。

Appleによると、Siriが集めた音声ファイルには識別子としてユーザのアカウントではなく乱数を付ける。それによってデータは匿名化される。メールアドレスなどユーザを識別できる情報は、いっさい付けない。乱数とデータの結びつきは6か月続き、そのあと削除される。音声ファイルそのものは、まだ残る。そして識別子を失った音声ファイルはAppleのサーバ上にさらに最大で18か月残り、Siriの改良や新製品のテストに利用される。ただしユーザがSiriを完全にoffにすると、データも識別子もすべて即座に削除される。

口述型のアプリケーションやサービスをめぐるプライバシーの懸念という問題は、前からある。Siriのための音声認識ソフトウェアを作ったNuanceは、2009年にiPhone用のDragon Dictationをローンチしたとき、プライバシーを心配する人びとに対して自分を擁護しなければならなかった。Nuanceは、そのアプリの会話の書き起こしを同社のサーバに保存して、自社技術の改良に役立てていた。Googleが個人化〜ターゲティングやGoogle Nowの正しい動作のために集めている情報にも、まったく同様の問題がある。

American Civil Liberties Unionの弁護士Nicole Ozerはプライバシー評論家としても有名だが、今回Wired誌にAppleを調べさせたのも彼だ。彼は、Appleが、ユーザの個人データの保存ポリシーを、ユーザに分かりやすい形でどこにも明記していないことを、問題にしている。SiriのFAQにもない。どんな情報をどんな形で保存し利用しているか、それを消費者に正しく伝えることはAppleの義務だ、と彼は主張している。

原則として、アプリやサービスがデータの収集を必要とするときには、個人の情報が内部的にあっちへ行ったりこっちへ来たりを激しく繰り返すことはほぼ間違いない。プライバシーを重視するユーザは、そのような状況に対して用心すべきだ。Siriに関するAppleのポリシーは、ほかと比べてかなりひどいかもしれないが、今回それを明確に具体的に述べてくれたことは、ありがたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


山ほどあるパーソナルアシスタントアプリの中でDonnaの独自性は”ユーザのニーズの先取り”にあり

新しいタイプのモバイルパーソナルアシスタントアプリDonnaについては、この前本誌も取りあげた。でもそれは実際に使ってみないと、記事を読んだだけでは、今や世の中に非常にたくさんあるスマートカレンダーやアシスタントアプリと比べてどこがどう違うのか、なかなか分からないと思う。

そこで今日はデベロッパのIncredible LabsのCEO Kevin Chengを本誌のスタジオにお招きして、Donnaのデモを撮らせていただいた。Donnaのキモは、ユーザがその必要性を自覚する前にヘルプを提供することだ。それが、Donnaが提供する新しいコンセプトであり、またその実装もかなりいい線をいっている。

“ユーザが情報を見つけるのではなくて、アプリが情報をお届けすることが重要なんだ”、とChengは言う。“アシスタントというものは、ご主人自身がいちいち気にすべきことを減らしてあげて、ご主人の神経の負担を軽減してさし上げるのが仕事だ。今は、情報が足りないのではなくて、情報のフィルタが足りないのだ。Donnaは、ユーザが必要とする情報を正しいタイミングでお届けする”。

どうやって? 上のビデオを見ると、Donnaがユーザのニーズに正しく対応して、ユーザの人生を楽にしてくれる仕組みが分かる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


充電時間が従来の1/1000, 蓄電量が30倍の超高性能電池をイリノイ大が開発

イリノイ大学アーバナシャンペーン校の研究者たちが、通常の電池の1/1000の時間で充電でき、携帯電話はもとより、電気自動車用にも使える、という強力な微小電池を作った。研究者集団のリーダーWilliam Kingは、“クレジットカードのように薄い”デバイス用に使える電池を研究していた。

この電池の設計では、正極と負極の表面面積が従来よりも相当大きくなり、放電と充電のレートが上がる。正極(プラス側)の改良は前から行われているが、負極(マイナス側)も改良したのは今回が初めてである。

この電池は寿命も従来電池の30倍、同サイズなら出力電力も大きい。これまでの電池は、ハイパワー(高出力)であるかハイエナジー(高蓄電量)であるかのどちらかだが、この電池は両方の性質を備える。たとえばコンデンサは蓄電が高速で放電も速い。リチウムイオン電池は蓄電量は大きいが、一挙の高出力はできない。出力も蓄電量もともに大きいこの電池では、これら二つの良いところを両方持っている。

“箱型の製品、という制約がなくなる”、とプロジェクトに携わる院生のJames Pikulが言う。“まったく新しい技術であり、既存技術の漸進的改良ではない。エネルギー源に関するパラダイムを一新する。まったく新しい電池利用製品の誕生が期待される”。

論文をちゃんと読みたい人はここへ。ただし、かなり難解だし、ダウンロード料金も高い。

出典: Extremetech

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


IBM、2013年Q1収支:売上234億ドル、1株当たり利益3.00ドル、サービス部門低調で予測を下回る

本日(米国時間4/18)IBMは2013年度第1四半期の収支を発表し、売上234億ドル、1株当たり利益(EPS)は3.00ドルだった。EPSは昨年より8%改善されたが、売上は5%減、為替調整後で3%減だった。横ばいだったソフトウェア売上とサービス売上の減少によって、全体ではアナリスト予測を下回った。

パソコン事業をLenovoに売った2004年以来、IBMはサービス分野に焦点を絞って強力な事業へと育て上げ、それはまるでパソコン市場の継続的〈ソフト化〉を予見したような決断だった。昨年のThe Vergeの報道によると、IBMがハードウェア部門の買い手としてLenovoを選んだ主な理由は、同社が中国政府に取り入るためだったという。それはLenovoにとっても好結果を生んだようで、同社は5期連続で予測を上回った。しかし、好調だったIBMのサービスとソフトウェアは、前年と比べて横ばいあるいは減少だった。

ソフトウェア部門の売上は56億ドルで前年並み、サービス売上は前年から4%減の96億ドルだった。残ったハードウェア事業を担当するシステムおよびテクノロジー部門の売上は31億ドルで、低迷するパソコン市場の影響を受け前年から大きく17%減らした。四半期の非GAAP利益率は46.7%、純利益は3%増の34億ドルだった。

時間外取引での株価の動きはS&P 500社の動向を示す強力な指標であるとアナリスト会社のBespoke Investment Groupが指摘するように、この迫力に欠ける決算に対してどう市場が反応するかは多くの人々の関心の的である。

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(翻訳:Nob Takahashi)


マイクロソフト2013年Q3決算:1株当たり利益0.72ドルは予測以上、売上204.9億ドルは予測に届かず、CFOは退任

Microsoftが2013会計年度第3四半期の収支を発表した。売上は予測をわずかに下回る204.9億ドルだったが、1株当たり利益は0.72ドルで予想を上回った。Windows 8の反響の少なさや 低調の続くパソコン販売にもかかわらず、アナリストの総意は、Microsoftの売上は前年同期の13%増だった。予測数値は、今期売上205.6億ドル、1株当たり利益0.68ドルで、2012年Q3の実績は売上174.1億ドル、1株当たり利益0.60ドルだった。

「クラウドサービスへの大胆な賭けが功を奏し、人々はOffice 365、Windows Azure、Xbox LIVEおよびSkypeといったMicrosoftのサービスを益々選ぶようになった」とMicrosoftのCEO Steve Balmerが発表会見で言った。「まだやるべき仕事はあるが、Windowsデバイスに関する賭けが、長期的にわれわれをよい位置に導いてくれると楽観している」

伝統的に非常に好調な前四半期、同社の実績は、GAAP売上215億ドル、純利益63.8億ドル、希薄化後1株当たり利益0.76ドルだった。

今日の発表の中でMicrosoftは、同社CFO Peter Kleinが在任4年、在籍11年を経て同社を去ることを明らかにした。Microsoftは、同社の財務部門から選出される後任CFOを近く発表する。

Windows 8の発売、低迷するパソコン市場を受け、Windows部門の実績には間違いなく多くの注目が集まっていた。昨期、Microsoftは同グループの売上が対前年比24%増(58.8億ドル)を記録したと報告した。今期、Windows部門の売上は57億ドルと、前年同期比23%増だった。

部門別の四半期実績は以下の通り:

  • Microsoftビジネス部門:売上63.2億ドル、前年比8%増
  • サーバー・ツール部門:売上50.4億ドル、同11%増
  • Online Services Division reported revenue of オンラインサービス部門:8.32億ドル、18%増
  • エンターテイメントおよびデバイス部門:25.3億ドル、56%増

昨四半期、サーバー・ツール部門は売上9%増の51.9億ドルだった。一方ビジネス部門は10%減、オンラインサービス部門とエンターテイメントおよびデバイス部門(Xboxの拠点)はいずれも11%増だった。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Larry PageがGoogle GlassはOSがAndroidだと明言

GoogleのCEO Larry Pageが、今日の決算報告で、同社としては初めてと思われる発表を行った: Google GlassはOSがAndroidだ。Glassのような新製品でどれだけの人がエンゲージメントの増を期待できるか、という質問に対して彼は、“言うまでもなくGlassはAndroidで動いている。Androidは複数の機種にまたがる可搬性がある。そのことが今後も続くと思う”、と答えた。

Google GlassはAndroidだろう、と憶測していた人は多いが、しかし今日までGoogleはそれを公言しなかった。Androidではないノンオープンなシステムだという噂もあったが、今日のPageの発言でAndroidであることがはっきりした(どんなバージョン?)。

GlassがAndroidであることは、やや変えられている部分があるとしても、デベロッパにとっては良いニュースだ。お互い、共通の言語を話せるのだから。たとえばGlassとAndroidスマートフォンとの統合は、わりと簡単にできそうだ。Page自身が“可搬性”と言っているのだから、Androidは今後さらにいろんな製品で使われていくだろう。Googleも開発中、と噂されるスマートウォッチも含めて。

今本誌は、GlassのOSについてGoogleに詳細を問い合わせ中だ。とりわけ、Androidスマートフォンとの連携の可能性について知りたい。情報が入り次第記事をアップデートしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleのラリー・ペイジ:モバイルアプリは検索にとってさほど害ではない。「情報は見つけられたがっている」

Googleの収支報告を検討する会見で、幹部らはモバイルがどう同社のビジネスに影響を与えるかを問われた ― 検索利用一般、およびGoogleの広告売上・利益それぞれについてだ。

CEO Larry Pageはこれに応じて、モバイルアプリの普及がGoogle検索に及ぼす影響について「必ず」聞かれるが、彼はそれに関して「さほど心配していない」と語った。

「われわれはその問題について長い間検討してきた。そもそも検索は、ウェブオーナーやソフトウェア開発者や他のアプリにとって驚くべき存在だ。一般論として、情報は見つけられたがっている、と私は考えている」とPageは言った。

さらに多くの利用場面がモバイルへ移ることは課題ではあるが、Googleはそれを乗り越えるとPageは言う。

モバイルが同社の利益に与える影響について、最高事業責任者のNikesh Aroraは、Googleの現在のクリック単価といった細部に注目することは、一連の質問を考える上で「誤ったやり方」であると指摘する(彼は以前クリック単価について一般論を語ったことがある)。「正しいやり方」は、「みんなが複数の画面を持っているという新しい現実」を理解することだ。この新しい現実下でGoogleは、一日を通じてユーザーに正しい答を提供する必要がある、そしてもしそれに成功すれば「みんなのパイが大きくなるだろう」とAroraは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google Glassを受け取ってきた!―ファースト・インプレッション

Google Glassの開発者向けExplorer版を受け取れることになったというメールが来たことは昨日書いた。次は実際の受け取りだ。指定の受け取り場所はマウンテンビューのGoogle本社、ロサンゼルスとニューヨークの支社だ。もちろん遠隔地のユーザーは配送してもらうこともできるが、そんなのはぜんぜん面白くないだろう。

今日(米国時間4/17)、私はマウンテンビューの本社に出向いてGlassを受け取ってきた。その際に簡単な説明があり、デバイスの調整もしてくれた。なお、念のためにに申し上げておくが、この記事はGoogle Glassのレビューでもテスト・レポートでもない。箱を開ける儀式のビデオも載せてない。スペックについてはこちらを参照。そもそも今回配布されたGoogle Glassは一般ユーザー向けの製品ではないので良いとか悪いとかの評価の対象にはならない。購入者はGlassの将来に可能性を見出し、Googleが挑戦する新しいプラットフォームをより深く知ろうという人々だ。

Glassを新奇なだけのオモチャで、今日の世界に特に必要な存在ではないとみなす人々も存在する。一方で、GlassはGoogleはもちろんユーザー、デベロッパーにとって胸の踊る冒険へのドアだと考えるものもいる。私はどちらかといえばこれを新たな冒険の始まりとみたい。このデバイスがわれわれの日常生活、テクノロジー、ひいては社会全体にどんな影響を与えるのか、現在はまだ皆目予測がつかない状態だ。

セットアップ

私がGoogleキャンパスに着くとGlassチームのメンバーが何人か出迎えてくれた。去年のGoogle I/Oカンファレンスでが2000人のデベロッパーがGlassのExplorer版を予約してからほぼ1年経った。今日は待ちに待った日だ。

箱を開けた後、チームのメンバーが正しく装着する方法を教えてくれた。画像が投影されるスクリーン・ブロックは右目の正面ではなく斜め上に来る。その位置は鼻パッドで簡単に調整できる。次に最近リリースされたMyGlassアプリを利用してGlassとスマートフォンをBluetoothでペアリングさせる。ペアリングがすむまでGlassは事実上なんの動作もできない。

次にユーザーはGoogleアカウント(個人アカウント。ビジネス・アカウントは不可。) でログインする。

なお、この記事のスクリーンショットはMyGlassアプリのスクリーンショット・ツールでキャプチャーされたものだ。このアプリはユーザーが見る画像をすべて記録することができる。ペアリング、ログイン、Wi-Fiまたは携帯ネットワークの選定が終わるといよいよGlassを起動できる。

メガネのツルの部分にあるタッチパッドに指を滑らせるとGoogle Nowカード(起動してる場合)、設定、そしてこれがもっとも重要だが、音声コマンドのリストが次々に表示される。「オーケー、グラス」という魔法の合言葉の後に音声コマンドを付け加えることでさまざまな動作が行われる。

音声コマンドで、Google検索、道案内、メッセージ送信、写真やビデオの撮影と再生などが行える。Glassの上部にはビデオや写真の撮影のためのシャッターボタンがある。音声はイヤホンではなく耳のそばのスピーカーから聞こえるが、うるさくなく明瞭だ。

Glassチームは「投影される画像に正しく焦点を合わせることができるようになるまでに少し時間がかかるかもしれない」注意してくれた。Googleの社員の中には慣れるまでに1週間かかった人もいたそうだ。正直に言って、斜め右上を見るというのはわれわれが普段自然に行う動作ではない。しかし私の場合、ちらりと画面を見てから今まで見ていた対象に視線を戻すことが、慣れるにしたがって素早くできるようになった。

早く慣れるコツは、各機能のスクリーンショットをすべて取って、どこに何が表示されるのかよく覚えておくことだ。

Glassはそういうものではない

まずGlassが本来の目的としていないことについて触れておこう。Glassはスマートフォンの代わりにはならない。逆にスマートフォンとペアリングし、さらに携帯電話網ないしWi-Fiに接続しなければ何の役にも立たない。映画やYouTubeのビデオを見るためのデバイスでもない。もちろんコンピュータを代替することもない。スクリーンが小さいから検索結果もフルには表示できない。しかしそのときそのときに本当に必要な情報を即座に得ることができる。

Glassを数時間使ってみたところでは、情報収集を効率化するだけでなく、われわれに起きている間一日中繰り返しやっていることの一部を非常に便利にできるようにすると思う。ただしアプリがほとんどないので具体的な体験として乏しい。現在、デフォールトで連携しているサードパーティーのサービスはPathだけだ。

毎日繰り返しやっている行動というのは、たとえば時間を調べる動作だ。われわれは何回となく携帯電話を取り出して時間を見たり、メッセージが届いていないかとチェックする。誰かと会話しているとき携帯を取り出す動作というのは「これから先30秒かそこらは相手とコミュケーションする気がない」ことを示すものだ。右目の斜め上にスクリーンを装着しているというのも社会性という観点からは同様に問題があるかもしれないが、少なくとも今やっていることを中断せずにもっと短時間で同じ情報を得ることはできる。

Glassを実際に手にすれば、これほど多様な機能がこれほど小さなパッケージに収められていることにあらためて驚くだろう。Glassをかけて外に出ればしばらくの間好奇の視線を浴びることになるだろうか? そうであっても私には気にはならない。しかしGoogleGlassの社会的反響がどのようなものになるかは大いに気になる。しかしこれは一般ユーザーの手に製品が届くようになってから少なくとも数週間しないと判断できないだろう。

Glassの将来

近い将来、Glassにはどういうことができるようになるだろうか? もちろんこれが一番興味ある点だ。先週われわれが報じたように、投資家はGlassアプリのデベロッパーに投資を始めようとしている。病院での医師から学校の教師まで応用は無数に考えられる。

Glassを鼻の上に載せているだけでGoogle+ハングアウトに参加したり、友だちと会話ができてりすれば便利だ。それもその他の応用も、結局はデベロッパー次第だ。もの珍しいオタク・ガジェットに終わらせず、Glassを一般ユーザーの生活を豊かにするプラットフォームに推し進めることができるかどうかはすべてデベロッパーの熱意と創造力にかかっている。もちろん前途には数多くの困難が現れるだろう。一般ユーザーがどうしても欲しくなるキラーアプリの開発が必要だし、価格も中流アメリカ人に手の届く範囲に下がらねばならない。

いずれにせよ今回のExplorer版の出荷は最初の一歩にすぎない。とりあえずハンズフリーで読める料理レシピ・アプリが欲しい。そういった生活を実際に便利にするアプリを開発をしようとするデベロッパーが多数現れることを強く期待する。もちろんそうしたことが起動に乗るまでにはかなりの時間があかかるだろう―実際、私の犬も私のGlassを不審に思っているようだ。

読者がGlassアプリを開発している、あるいは開発に興味を持っているデベロッパーだったら私にお知らせいただきたい

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Googleの2013年Q1決算は悲喜半ば:売上31%増の140億ドル、純利益は33.5億ドル

Googleの最近2回の収支は、直前に起きた予想外の出来事のために普通以上に注目されたが、今日(米国時間4/18)の会計2013年度Q1決算報告は、かつてのようにほぼ予想通りだった。

この四半期、検索の巨人は売上140億ドル(対前年比31%増)、非GAAP利益1株当たり11.58ドル、純利益33.5億ドルだった。

これは概ね順調な結果と言えるが、予測に対してという意味では悲喜こもごもだ。Bloomberg Businessweekが調査した多数のアナリストの意見は、Googleは売上143億ドル、利益10.70ドル/株との予測だった。Googleは利益では上回ったものの売上ではウォール街の期待に沿えなかった。

収支報告前の日々、多くの評論家たちは株主に対してGoogleのクリック単価(要するにGoogleユーザーが広告をクリックする度に広告主が払う金額)に注目するよう促し、Google株価が下落した週からリバウンドするかどうかはこの一つの指標が決定すると指摘する向きもあった。前回Googleが収支報告した時、平均クリック単価は前年比6%減だった。今回はしかし、対前年同期、対前期共に平均クリック単価は4%減だった。これは広告部門がすべて不調だったという意味ではなく、Googleの有償クリック数は対前年比20%増、対前期比3%増だった。

一方、Googleが2012年8月に買収したMotorola Mobilityに関しては、あまり詳しい話はなかった。前年度の第4四半期、この高く買ったハードウェア会社の売上は15.1億ドル(Googleの連結売上の約11%に相当)だったが、それより数字は下がっている。今回Motorola Mobilityの売上はわずか10.2億ドルだったが、過去数ヵ月間同社の携帯電話の出荷が明らかに減少していたことを踏まえると、想定の範囲内ではある。

それでもGoogleのEric Schmidt会長は先週のD: Dive Into Mobileカンファレンスで、次期スマートフォン製品ラインは「画期的」であると発表し、できる限りMotorolaを盛り立てていた。もう少し詳しい情報があってもよかったと思うが(特に収支発表を控えて)、今のところGoogleとMotorolaのハードウェア計画はベール包まれたままだ。CFOのPatrick Pichetteは前回の収支会見の席上、Motorola Mobilityには12~18ヵ月分の作業を要する製品が残っていることを指摘したが、それで来たるべきMotorola X Phoneの噂が鈍ることはなかった。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Amazon S3は2兆のオブジェクトを保管―昨年6月の1兆から倍増、ピーク時には毎秒110万のリクエストを処理

今日(米国時間4/18)、ニューヨークで開催されたAWSサミットでAmazonは、S3ストレージには2兆以上のオブジェクトが保存されていると発表した昨年6月には1兆、11月には1.3兆だった。前回の数字はre:Inventカンファレンスで発表されたものだ。

Amazonの AWSチーフ・エバンジェリストJeff Barrは今日のブログ記事で、「AWSが保管するオブジェクトが1兆に達するのに6年かかったが、さらに1兆増加するのに1年もかからなかった。また日常的にピーク時には毎秒110万以上のリクエストを処理している」と書いている。

Amazonはこの数字を「われわれの銀河系には4000億の星がある。S3に保管されているオブジェクトの数は銀河系の星の数の5倍だ」と説明した。S3オブジェクトはひとかたまりのデータであり、サイズは1バイトから5テラバイトまでいろいろだ。残念ながらAmazonはS3オブジェクトのサイズの平均については明らかにしなかった。

Amazonは今月に入ってAPIリクエストの処理単価を引き下げるなど値下げ努力を続けている。しかし料金の安さはS3の成功の理由のひとつの要素にすぎない。たまにダウンすることがないわけではないが、AWSは企業が大量のデータをクラウドに保管しようとするとき真っ先に考慮するサービスとなっている。また新機能も次々に追加されており、小さなスタートアップからPinterestDropboxのような急成長サービスまで広くホスティングしている。AWSは2020年ままでに200億ドルのビジネスになると一部のアナリストは予測している

MicrosoftのAzureプラットフォームはじめライバルも挑戦を続けているが、この分野でのAmazonの圧倒的優位はゆらいでいない。Microsoftは最近、AWSの料金引き下げに対応して料金を引き下げると約束した。 Microsoftによれば、現在Azureには20万のユーザーがあり、毎日新たに1000ユーザーが加入しているという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


HTML5のWebSocketでコミュニケーション製品を作るKaazingが$15Mを調達

“ライブWeb”とモバイル通信を提供しているKaazingは、主としてHTML5のWebSocketを使ったプロダクトを開発している。同社はこのほど、1500万ドルの資金を調達して総資本額が3900万ドルになった。今回の新たな投資家は、New Enterprise Associates(NEA)とColumbus Nova Technology Partners、これに既存の投資家たちも参加した。新資金は同社の業容拡大に充てられる、という。

“新たな資本が注入されたことによって業務のグローバルな展開に勢いがつき、弊社の製品であるHTML5のWebSocket規格に基づく企業向けWeb通信プラットホームの市場の、さらなる拡大が期待される”、とKaazingのCEOで協同ファウンダのJonas Jacobiが声明文で述べている。

NEAのパートナーRohini Chakravarthyは上に加えて、“iPadなどのスマートモバイルデバイスが急速にPCに置き換わりつつあり、またクラウドの普及が進んでいる。このような環境変化においては、企業のアプリケーションの現代化が急務となっている。今日までの静的な(スタティックな)Webのアーキテクチャは、高価につき実効性にも乏しく、市場のこの大規模な激変を支えることができない。Kaazingの高度なコミュニケーションプロダクトは、これからのクラウドおよびモバイルのアーキテクチャにとってきわめて重要である。この分野の指導的企業に投資できることは、大きな喜びである”、と述べている。

同社のこの前の資金調達は6月で、1700万ドルを獲得した。そのときKaazingは、WebSocketを使用するリアルタイム通信製品の開発に資金を投じたい、と言った。また昨年同社は、CiscoのベテランJohn Donnellyを営業と企業向け事業開発の強化のためにスカウトした。

同社の本社はカリフォルニア州Mountain Viewにあり、ほかに事業所がニューヨークとロンドンにある。Kaazingのプロダクトとサービスは、Google、Bechtel、Oracle、HSBCなどにおいてリアルタイムWebとモバイル通信を駆動している。創業は2007年で、同社の創業チームはHTML5 WebSocket の規格策定にも貢献した。WebSocketを利用すると、古い二者間リクエスト/リスポンス型の通信を旨とするWebの上で、複数者間の全二重通信が可能となる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Toshiba Kirabookに触ってみた:最高のハードウェアと驚異のディスプレイはWindowsパソコンを救うのか?

【筆者はMichael Seo】
ノートパソコンの出荷台数が7.3%減少すると予測される今年、Windows 8マシンには強力なアドレナリン注射が1本何本かは必要だ。Toshiba Kirabookがまさにそれかもしれない。

KirabookはToshibaが新たに立ち上げた高級Ultrabook製品ラインの第一弾だ。一見して細心の注意を払われてデザインされていることがわかり、それはクパチーノ風味の調和と仕上がりを醸しだしている。Toshibaからこの種の質を感じたのは(あったとしても)かなり久しぶりだ。

それはKirabookがデザインに関して何か新しいものを提供しているという意味ではない。依然としてMacbook Airの陰がそこかしこに見え隠れしているのは、Windows Ultrabook全般に言えることだ。

Kirabookの輪隔はMacbook Airよりもやや小さいが、その中にレティナ品質の2560 x 1440 WQHDタッチスクリーン画面を収めることに成功している。レティナMacbook Pro、あるいはその意味ではChromebook Pixcelとも、並べて比較する機会はなかったが、発売されれば市場で最高のノートパソコンディスプレイの一つになることは間違いない。

このディスプレイは、Kirabookの看板機能であることは言うまでもなく、Toshibaの少々問題のある価格設定を正当化する主な理由でもある。それについては後ほど触れる。

Kirabookの内部には、Core i5 または i7 プロセッサー、RAM 8GB、および256GBのSSDか入っている。さらにKirabookには、Adobe Photoshop ElementとPremiere Elementのフルバージョンが同梱され、2年間の無料サポートはToshibaがApplecareと同等だと言っている。

少なくともスペックではKirabookはその「贅沢」の名に恥じない。しかし、それは同機が贄沢な価格に支えられていることも意味している。

非タッチスクリーン、Core i5のKirabookは1599ドルから。ここからは少々狂気じみてくる。タッチスクリーン付Core i5は1789ドルで、タッチスクリーン、Core i7、Windows Pro版はなんと1999ドルだ。この種のプライシングはPCやAppleの相当製品を驚かせる。

比較のために挙げると、13インチ・レティナMacbook Proは 1499ドルから、但しSSDは128GBと小さい。Lenovo ThinkPad x1 Carbonは1187ドルからで、タッチスクリーン付モデルは1319ドルから。Asus Zenbook Primeはタッチスクリーンおよびレティナに近い品質のディスプレーを装備して、現在の小売価格はAmazonで1253ドルだ。

Toshibaの広報担当者は私に、Kirabookが市場でノートパソコンのベストセラーになることは期待していないと語った。彼らも少々ニッチな製品であることを認識している。少なくともKirabookは、Toshibaが最高級のハードウェアを非常に魅力的な製品として作れること示す公式表明ではある。

Kirabookが価格に見合う価値を持つかどうかについては何とも言えないが、本誌で近々完全レビューをお送りすることを約束する。店頭には5月5日に並ぶ予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)