アップルがiOSのApp Storeで発生していたバグを修正

アップルはiOSの新規アプリや利用中のアプリのアップデートをダウンロードできないApp Storeのバグを修正した。このバグはユーザーが「Agree」(同意する)ボタンをタップしても利用規約のダイアログがポップアップし続けるというもので、影響を受けたユーザーの数は不明。

この問題に関してTwitterのApple Supportアカウントにサポートを求めたユーザーは、不満をあらわしていた。

9to5MacAppleInsiderは、ソーシャルメディアに苦情が投稿されていることを引き合いに出してこの問題を報じていた。Apple Supportアカウントは問い合わせてきた顧客に対して公式には対応せず、 詳細をDMで知らせるように呼びかけたり、接続の問題に関するサポート文書を案内するにとどまっていた。

アップルの問題に詳しい情報筋によれば、このバグによる影響を受けたのは世界中のiOSユーザーのごく一部だったようだ。とはいえ、iPhoneのインストールベースなどを考えれば「ごく一部」は相当な数かもしれない。

また9to5Macによれば、このバグはiOSの開発者向けリリースだけでなく、パブリックリリース(iOS 12.2)でも発生していた。

利用規約のポップアップを回避してアプリのダウンロードやアップデートをする方法はなかった。ユーザーがこのループから抜けてiPhoneを使える状態に戻すには「キャンセル」をタップするしかなかった。

TechCrunchは、アップルがこのバグを修正したことを確認した。バグの修正に関して、ユーザーがアップデートをダウンロードするなどの対応をする必要はない。App Storeのバックエンドで問題が解決されている。

画像:TechCrunch

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(翻訳:Kaori Koyama)

アプリの定期購読申し込みをしつこく確認するアップルのiOS

Apple(アップル)は、操作に1ステップを追加して、ユーザーが誤ってiOSアプリのサブスクリプションにサインアップすることを防ぐようにした。これは、ルールに反して定期購読に誘い込む詐欺まがいのアプリへの対策になる。そのために導入したのは、サブスクリプションを確認するダイアログボックスだ。定期購読を申し込む意思があることを確かめるため、操作の最終ステップに表示される。

このiOSの変更は、最初にアプリ開発者David Barnard氏によって発見され、ツイートされた。そしてAppleのニュースサイト、9to5Macによってもレポートされた。

このような新しい確認ダイアログは歓迎すべきもの。自分の意思に反して定期購読を申し込んでしまうユーザーが増えているからだ。特にTouch ID付きのiPhoneが危ない。ホーム画面に戻ろうとしてホームボタンを押すと、Touch IDによる定期購読の確認とみなされてしまうことがある。Touch IDによって定期購読の承認とみなすよう、アプリが作られているのだ。

今回のアップデートの前にも、詐欺まがいの定期購読の問題に対処するため、ここ数ヶ月にわたってAppleはさまざまな対策を施してきた。

特にユーティリティ系のアプリを中心として、かなりの数のデベロッパーが、卑劣なトリックを使って定期購読のユーザーを増やし、年間数千ドル(約数十万円)、場合によっては数百万ドル(約億円)ものお金を荒稼ぎしていた。中には、意図的にユーザーを混乱させるようなデザインを採用したり、わずか数日しかない「無料のお試し」期間で釣ったり、その他誤解を与えるような策略によって、ユーザーを定期購読に引き込むアプリもあった。

こうして多くの消費者がカモにされ、購読料金を払わされることになった。それは怒りに満ちたApp Storeのレビューを大量に生みだした。このような詐欺行為の横行は、定期購読という仕組みそのものに広範囲の悪影響を与えることにもなりかねなかった。Appleが手をこまねいて野放しにしておけば、消費者はどんなアプリの定期購読を申し込むのも警戒するようになっていただろう。

もうしそうなってしまったら大問題だ。今や、定期購読はApp Storeにとって大きなビジネスに成長しているからだ。実際、ある予測によれば、2022年までに757億ドル(8兆3000億円)の市場規模まで成長するものと見込まれている。

そこでAppleは、行儀の悪いアプリの取り締まりに乗り出しつつ、iOSのユーザーが自ら定期購読を管理しやすくなるように対策してきた。

この1月には、デベロッパー向けの新たなガイドラインを提示し、許可されることと許可されないことを明確に定義した。さらに2月には、iOSをアップデートして、ユーザーが定期購読の設定に到達するまでのステップを少なくした。もちろん、素早く簡単にキャンセルできるようにするためだ。

新しいダイアログボックスは、以下のようなメッセージを表示して、有料の定期購読を申し込もうとしていることをユーザーが理解しているかどうか確認する。

「定期購読の確認:少なくとも購読期間が終了する1日前までに、設定によってキャンセルしない限り、定期購読は継続します。」

Appleは、この変更を公式には発表していないが、報告によれば、先週あたりから有効になっているようだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iPhoneを狙う強力なスパイウェアが登場

セキュリティ研究者は、当初Android用に設計された強力な監視アプリが、今やiPhoneユーザーをターゲットにしていることを発見した。

このスパイアプリは、モバイルセキュリティ会社Lookoutの研究者が見つけ出したもの。その開発者は、Appleが発行したエンタープライズ用の証明書を悪用してApp Storeをバイパスし、無警戒な被害者のデバイスに感染させるのだ。

このアプリは、キャリア支援ユーティリティを装っている。いったんインストールされると、密かにユーザーの連絡先リスト、音声録音、写真、ビデオ、その他のデバイス情報、さらにはリアルタイムの位置情報までも入手することができる。遠隔操作によって、デバイス周囲の会話を聞くことさえできるという。誰が標的にされたのかを示すデータはないが、研究者によれば、このマルウェアを供給していたのは、イタリアとトルクメニスタンの携帯電話会社を装う偽サイトだった。

研究者は、以前に発見されたAndroidアプリの開発者との関連を指摘している。そのアプリは、やはりイタリアの監視用アプリメーカー、Connexxa社によるもの。同社のアプリは、イタリアの捜査当局に採用されていることでも知られている。

そのAndroidアプリとは、Exodusという名で、犠牲者となった数百人は、自らそのアプリをインストールしたか、インストールさせられていた。Exodusは多様な機能を持ち、さらに追加のコードを勝手にダウンロードしてスパイ機能を拡張することもできる。それによって、デバイスのrootアクセスを取得し、そのデバイスのほぼすべてのデータにアクセスすることが可能となる。つまり、電子メール、キャリア関連データ、Wi-Fiのパスワード、その他多くのデータが曝されてしまう。これはSecurity Wthout Bordersの見解だ。

普通のiPhoneアプリのように見えるスクリーンショット。それでいて、密かに被害者の個人データやリアルタイムの位置情報などを、スパイウェア企業のサーバーにアップロードしている

どちらのアプリも、バックエンドとして同一のインフラを利用している。ただし、iOS版の方が、いくつか特別なテクニックを使っている。たとえば、証明書のピンニングなどにより、ネットワークトラフィックの解析を困難なものにしている。これをTechCrunchに説明してくれたのは、Lookoutのシニア・スタッフ・セキュリティ・インテリジェンス・エンジニアのAdam Bauer氏だ。

「これは、このソフトウェアの開発に、専門家グループが関与していることの1つの証拠です」と、彼は言う。

Android版はGoogleのアプリストアから直接ダウンロードできようになっていたが、iOS版については広く配布されたわけではない。そうする代わりConnexxaは、Appleが開発者に対して発行したエンタープライズ向けの証明書を使ってアプリに署名した、とBeauer氏は述べている。それによって、この監視アプリのメーカーは、Appleの厳密なApp Storeのチェックを回避したのだ。

Appleは、これはルール違反だとしている。証明書はあくまで社内アプリ用であり、それを外部の一般ユーザーが利用できるよう流出させることを禁止しているからだ。

これは、他の何社かのアプリメーカーと似たような手口を使ったもの。TechCrunchが今年のはじめに発見したように、エンタープライズ用の証明書を悪用して、Appleのアプリストアの精査を回避するモバイルアプリを開発する手法だ。App Storeを通して供給されるすべてのアプリは、Appleによる認証を受けなければならない。でなければ、そもそも動作しない。しかし、FacebookGooleをはじめとする何社かは、自社内でのみ利用可能なエンタープライズ証明書を使って署名したアプリを、外部のユーザーに渡していた。Appleは、これはルール違反であるとして、FacebookとGoogleが使用していたエンタープライズ証明書を無効にすることで、それらのアプリが実行できないようにした。その結果、両社の違法なアプリが利用不可になっただけでなく、同じ証明書で署名されていた他のすべての社内用アプリも動かなくなった。

Facebookは、丸1日の間、Appleが新しい証明書を発行してくれるまで、通常の業務を遂行することができなかった。

AppleがConnexxaに発行した証明書(画像:提供)

しかも、エンタープライズ用の証明書を悪用していたのは、FacebookとGoogleだけではない。TechCrunchの調査では、何十ものポルノとギャンブルのアプリが、App Storeの認可を受けず、エンタープライズ証明書で署名され、Appleが定めたルールを迂回していた。

今回の研究者による調査結果の公開を受けて、AppleはConnexxaのエンタープライズ証明書を無効にし、すでにインストールされていた同社のアプリをすべてオフラインにして実行できなくした。

それによって、どれだけのiPhoneユーザーが影響を受けたのか、研究者には不明だという。

Connexxaは、コメントのリクエストに応えなかった。Appleもコメントを避けた。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iPhoneのいちばんのウリ「プライバシー」を強調するAppleの広告

Apple(アップル)米国内で3月14日から、ゴールデンタイムに新しいスポット広告のオンエアを始めた。プライバシーに焦点を当てたこのCMには会話はない。「Privacy. That’s iPhone」(プライバシー。それがiPhoneです)というシンプルなメッセージが表示されるだけ。

一連のユーモラスな場面は「あなたにもちょっとしたプライバシーが必要なときがある」ということを再認識させる内容。それ以外には、たった1行のテキストがあるだけ。それはAppleが長期的にも短期的にも主張しているプライバシーに関する1つのメッセージと呼応している。「あなたの生活にとってプライバシーが大切なら、あなたの人生が詰まった携帯電話にとっても大切なはず」。

このスポット広告は、米国で木曜の夜からゴールデンタイムに放送され、NCAAのバスケットボールトーナメント、March Madnessまで続く。その後、いくつかの他の国々でも放送されることになっている。

洞穴の中にでも隠れていたのでない限り、Appleがプライバシーを、他社と差別化するための要因と位置付けていることに気づかない人がいるはずはない。数年前からCEOのティム・クック氏は、Appleが自社のプラットフォーム上でのプライバシーに対するユーザーの「権利」をいかに大切に考えているか、それが他の会社とはどのように異なっているのか、ということを、ことあるごとに公に明確にしてきた。Appleがそうした立場を取ることができた背景には、Appleの当事者としてのビジネスが、ユーザーとの、かなり直接的な関係に依存してきたことがある。Apple製のハードウェアを購入したユーザーは、同時にそのサービスを受け入れるように、ますますなっているのだ。

これは、GoogleやFacebookのような他のハイテク大企業のモデルとは対照的だ。そうした会社は、ユーザーとの関係の中に収益化の戦略を実現するためのしかけを忍び込ませている。それはユーザーの個人情報を(ある程度匿名化した形で)扱うアプリケーションとして、広告主にとって魅力的なものに仕立ててある。もちろん、ユーザーにとっても便利なものに見えるはずだ。

とはいえ、倫理的に優位な立場をマーケティング戦略として利用することに落とし穴がないわけではない。Appleは、最近、iPhoneを盗聴器にしてしまうことを可能とするFaceTimeのハデなバグ(すでに修正されている)を発見した。また、Facebookが、App Storeの認証を操作していたことが露見したことは、その時代遅れになったEnterprise Certificateプログラムの見直しが必要となっていることを明らかにした。

今回の「Private Side」のスポット広告の象徴的な画面が、プライバシーとセキュリティの概念をかなり密接に関連付けているのは、非常に興味深いことだった。それらは独立した概念ながら、互いに関連していることは明らかだ。このスポットは、これらが同一であると主張する。セキュリティを無視してプライバシーを守ることが難しいのは当然だ。しかし、一般の人にとってこれら2つの違いはほとんどないようなものだろう。

App Store自体はもちろん、まだGoogleやFacebook製のアプリをホストしている。それらは、その他の何千というアプリと同様、さまざまな形でユーザーの個人データを扱っている。Appleが主張しているは、ユーザーがiPhoneに預けたデータを積極的に保護しているということ。そのために、デバイス上で加工し、最小限のデータだけを収集し、可能な限りユーザーとデータを分離し、さらにデータの扱いをコントロールできる、透明性の高いインターフェイスを可能な範囲でユーザーに提供しているのだ。それはすべて真実だし、競合他社よりも、はるかにまともな取り組みだろう。

それでも、まだやるべきことは残っていると感じられる。Appleは自社のプラットフォーム上で個人データを扱っているので、何が社会規範に則しているのかという判断を下さなければならないからだ。もしAppleが、世界で最も収益性の高いアプリケーション市場に出回っているものの絶対的な裁定者となるつもりなら、その力を利用して、我々のデータによって生計を立てている大企業に対して(そして小さな会社に対しても)、もっと強い態度に出てもよいのではないだろうか。

私がここまで、Apple抱えていた問題について述べたのは、皮肉のつもりではない。それでも、Appleがプライバシーをマーケティングの道具にすることは、傲慢と言えるほど大胆なものだと考えたがる人もいるだろう。私個人としては、状況によってはプライバシーを危険にさらすことがあったとしても、プライバシーを守ろうと組織的に努力している会社と、「プライバシーの侵害をサービスとする」ビジネスを展開することで存続しているような、この業界の他のほとんど会社との間には、かなり大きな違いがあると考えている。

基本的には、プライバシーを前面に出すのはむしろ使命であり、いくらかバグがあったとしても支持できることだと思う。しかし、プライバシーから利益を得るプラットフォームを運営しておきながらそれについて沈黙しているのは、ある意味まやかしようなものだ。

もちろん、そんなことを言うのは、キャッチフレーズとしては長すぎだろうが。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルがVoIPアプリのクローンをApp Storeから削除

米国時間2月26日、私の記事が公開された後、アップルは私が指摘した数多くのアプリを削除した。App Storeで探そうとしてももう見つからない。

App Storeレビューガイドラインはアプリの重複に関して実に明快だ。4.3項によると、同じアプリを複数回App Storeで公開することはスパム行為とみなされ禁止されている。

しかしこのルールはほとんど強制されておらず、それを悪用している会社もある。私は先の記事であるカテゴリーに特に注目した。それはVoIPアプリで、ユーザーは第2の電話番号を与えられそれを使って通話やSMSの送受信ができる

デベロッパーは同じアプリを複数回公開することで、異なる名前、異なるキーワード、異なるカテゴリーを利用できる。そうすることで、誰かがApp Storeで検索したときにさまざまなカテゴリーで発見してもらえる可能性がでてくる。

では昨日私指摘した一連のデベロッパーを見てみよう。これらのアプリが何らかの変更を施されたうえで再登場するのかどうかはまだわからない。

TextMe, Inc.

BinaryPattern and Flexible Numbers LLC

Appverse Inc.

Dingtone Inc.

今回のケースは、アップルがApp Store王国の鍵を握っていることを改めて浮き彫りにした。会社は司法のごとく行動して企業を生かすことも殺すこともできる。

会社によっては自社アプリのクローンを公開し、何年にもわたってその戦略の恩恵にあずかってきている。最大の問題はApp Storeのルールが一貫性を持って強制されていないことだ。

他のカテゴリにもクローンがいっぱい

クローン災害は終息にほど遠い。多くのカテゴリーでこの「App Store最適化」戦略が使われている。

JPEG Labsは近くのウォルグリーン(Walgreens、米国の薬局チェーン)やコンビニエンスストアで写真をプリントするアプリを4種類公開している。いずれも機能は同じだが名前とキーワードが異なっている(しかもこれらのアプリは開いた直後にレビューを要求する)。

Photo Prints: 1 Hour Photos

Print Photos: 1 Hour Prints

Printmatic 1 Hour Photo Print

Same Day Canvas Photo Prints

倒せないなら買収しろ

もうひとつの典型例がMailPix, Inc.だ。同じアプリが複数見つかる。さらにこの会社はApp Storeでの存在を高めるために、徐々にライバルを買収しそのアプリを自社アプリの複製で置き換えている。

MailPixはPhotobucketのプリントアプリを買収し、自社のクローンにすり変えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

次の稼ぎ頭を探すApple

Appleは常に進化し続ける会社だ。実際には、新たな製品カテゴリを発明したことはないのだが、手を付けた製品カテゴリを、より優れた、より賢いものにしてきたように常に思われている。そして、その製品の値段が高くても、人々に欲しい思わせる方法を開拓してきた。今日の(訳注:2019/2/18付)WSJによれば、AppleはiPhoneを収益モデルの中心に置かない未来像を探ろうとしているという。

このような変化は、iPhoneの需要が伸び悩んでいる状況の中、Appleが数年ぶりの収益の低下を報告したことによって引き起こされたもの。変化している中国市場の影響も大きいが、ユーザーのiPhone買い替え周期が長くなっていることも無視できない。そうした中、iPhoneの価格が1000ドル以上にまで上昇したことが、売上減につながった。

15%というiPhoneの売上減少は、もちろんAppleらしい収益報告ではなかったものの、年初に第1四半期の見込みが下がっていることを発表した時点で、すでに予測していたものだろう。もしも、このThe Wall Street Journalの記事が正しければ、すでにAppleは自らを次のフェーズに、おそらくはサービス業を中心とした会社に、移行させるための措置を取ろうとしている。

(参考記事:Apple lowers guidance on Q1 results, cites China trade tensions

そうだとすれば、それは、さまざまなタイプのハードウェアのデザインを再考しながら、その過程で一般的なデザイントレンドを頑固に拒否してきたという、この会社の伝統からの根本的な離脱を意味する。1970年代から1980年代にかけて、Apple Computerという名前だったころ、Steve JobsとSteve Wozniakは、まだほとんどの人がDOSプロンプトで仕事をしていたときに、GUIを備えたコンピュータを作った。

2000年代の初頭には、AppleはiPodという一種のMP3プレーヤーを発売し、iTunesというミュージックストアを開店した。iPhoneを発表する前年の2006年までには、Appleは4200万台以上のiPodと、8億5000万曲の音楽を販売した。衰退しかかった会社を強大な企業に変貌させたのは、まさにこうしたハードウェアとサービスの組み合わせだったのだ。

2007年にAppleがiPhoneを発表したとき、それがiPodの売り上げを減少させることは分かっていたはずだ。もちろん実際にそうなったわけが、それが論理的に進むべき方向だったのだから、何も問題はなかった。2008年にApp Storeを導入すると、もはやiPhoneは単体のハードウェア以上のものになった。それは、新種のハードウェア・サービスモデルであり、会社にとって途方もない富を生み出すものとなった。

iPadは2009年に登場し、その5年後の2014年にはApple Watchも加わった。それぞれ、それなりに健闘はしているものの、iPhoneの成功に匹敵するようなものは何も登場していない。アナリストは、前の四半期で、Appleが7100万台のiPhoneを販売したと推定している。そして、売上が減少したとされているのも、その同じ四半期のことなのだ。どんなものであれ、たった3ヶ月の間に、7100万個ものものを売るのは難しい。しかも減った結果がそれだと言うのだ。

次に来るのは、おそらくエンターテイメントとコンテンツの組み合わせ、そしてAR/VR、自動運転車、人工知能など、先進技術を活用したものになるだろう。そうした領域の中で、Appleがどの方向に進もうとしているのかは定かではない。しかし、最近の採用や買収によって、それらの方向が確かなものだということだけは分かっている。

(参考記事:Sorry that I took so long to upgrade, Apple

長い間、Appleがコンテンツ分野で派手な買収をするのではないかと噂されてきた。Appleの、インターネットソフトウェアおよびサービス担当上級副社長のEddie Cueは、昨年のSouth by Southwestの際、CNNのDylan Byersにインタビューを受けた。 そこでBuyerは、具体的にNetflixやDisneyのような資産を買う気はないのかとCueに尋ねた。それは、そうした大手のコンテンツ制作会社とApple TV組み合わせたらどうか、ということを暗に示していた。

Cueは、それらの2社はApple TVの素晴らしいパートナーである、とは述べたものの、そのような線で何かをコミットするには至らなかった。「一般論ですが、Appleは、その歴史の中で、これまで大規模な買収を行っていません」と、彼はAppleの立場を説明した。Appleとしては、現状でうまくいっているものを買うのではなく、未来がどこにあるのかを理解して、そこに到達するための何かを創り出したいと考えているのだと。

Apple TV自体は、他のデバイスほどの大きな成功を収めていないものの、サービスから得られる収入は着実に伸びている、ということは注目に値する。最新の決算報告によると、Appleは109億ドルのサービス収入を計上している。これは、前年比で19%増だ。それは、同社がその四半期全体として発表した843億ドルに比べれば、まだ小さい割合しか占めていないが、成長していることは間違いない。

それはともかくとして、Appleが他の製品によって、iPhoneで成し遂げたのと同じような成功に近づくことができるかどうか、誰にも分からない。しかしAppleは、その莫大な富にもかかわらず、どんな会社も過去の成功に頼るのは危険であることが分かっている。そこでAppleは先を見据えて、新たな血統を雇い入れ、できるだけiPhoneに依存しない将来を模索している。Grateful Deadがかつて歌ったように、「戻ることはできないし、立ち止まることも許されない。雷は避けられたとしても、稲妻には打たれるだろう」と知っているからだ。Appleはそのような運命を避けたいと望んでいる、そしてその道を切り開くのは、おそらくハードウェア、コンテンツ、そしてサービスの、何か新しい組み合わせだろう。

画像クレジット:Justin Sullivan/Staff/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iOSをアップデートするとApp Storeトップから定期課金を中止できる

Appleは、iOSのアップデートで小さいが重要な変更を加えた。これによってユーザーのサブスクリプション管理がこれまでより簡単になった。Appleは最新のiOS(12.1.4、12.2 ベータ版)で「サブスクリプションの管理」メニューに変更を加えた。

App Storeで自分のプロフィールをタップするとメニューのトップページに「定期利用の管理」(Manage Subscriptions)が表示される。これまでのようにメニューの奥深くを探しまわる必要がない。これは長年待ち望まれていた変更だ。

ますます多くのアプリが売上をサブスクリプションに頼るようになるにつれて、ユーザーがサブスクリプションを簡単に中止できるようにする必要も高まっていた。腹を立てたユーザーがApp Storeに書き込んだレビューを読むと多くのユーザーがどうやってサブスクリプションを中止したらいいか理解していないことが分かる。サブスクリプションを中止するにはデベロッパーにコンタクトする必要があると思っていたユーザーが多い。

しかし、これまでサブスクリプションの中止方法が広く知られていなかったのはユーザーの責任ではない。Appleがサブスクリプション中止のオプションをひどく見つかりにくい位置に埋めておいたことが原因だ。

従来のiOSの場合、設定からiTunes & App Storeをクリック、Apple IDを入力、画面を一番下までスクロールしてやってサブスクリプション管理に行き着くという具合だった

これと比べると、Google Playのサブスクリプション中止オプションはトップレベルにあり、左上隅のハンバーガーアイコンをタップすれすぐ見つかる(定期購入)。サブメニューを開く必要もスクロールする必要もない。

最新のiOSではApp Storeのトップページ右上のユーザー・プロフィールをタップすれば、すぐに「定期利用の管理」がある。スクロールする必要もなくなった。この機能の重要性を考えるとアクセシビリティの改善の意義は大きい。

この変更を最初に発見したのは、MacStoriesの編集局長、Federico Viticciだった。

Sensor Towerの最近のレポートによれば、アメリカのiPhoneユーザーは2018年1年で平均79ドルを支払ったという。これは対前年比36%のアップだった。この金額の大部分はモバイル・ゲームが占めているが、ゲームはますますアプリ内の定期課金に頼るようになっている。

残念ながらどの世界にもルールを守らないものが存在する。サブスクリプション料金を目につきにくいところに隠したり、うっかり押しそうな紛らわしいボタンを設置したり、、無料トライアルといいながら3日目に自動的にサブスクリプションに移動する仕組みにしたり、さまざまな手口でユーザーに誤解させてサブスクリプションを強制しようとするデベロッパーも少なくない。

これに対してAppleもApp Storeのガイドラインを発表してどういう手口は許されないかを明確化した。

しかしルールを制定したらといって、それに実効をもたせることができるとは限らない。ユーザーが必要ないと判断したサブスクリプションを簡単に中止できるようにするのは実効を確保する上で非常に重要だ。

ちなみに、Appleは近く独自のサブスクリプション・サービスを開始するものと見られている。3月に予定されているプレスイベントでこのビデオ・ストリーミング・サービスがお披露目されるかもしれない。

「定期購入の管理」はiOSをアップデートすれば世界中どこでも利用できる。

画像:TechCrunch

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滑川海彦@Facebook Google+

米国のiPhoneユーザーが昨年アプリに使った金額は平均79ドル、前年比36%アップ

Appleがデベロッパーにサブスクリプション(定期購読)ベースのアプリを推奨してきたことが、App Storeの売上に明確な影響を与えている。今週公開予定のSensor Towerの最新レポートによると、2018年に米国のiPhone 1台当たりに生み出された収益は、2017年の58ドルから36%増え79ドルだった。例によって増加の大部分はモバイルゲームによるもので、1台当り金額の半分以上を占めた。しかし、ゲーム以外で大きく伸びたカテゴリーがサブスクリプションベースのアプリだ。

iPhoneユーザーがアプリ内購入および有料アプリのダウンロードに使った金額は、2017年から2018年にかけて21ドル増えた。これは対前年比36%の伸びであり、2016年から2017年にかけて47ドルから58ドルになった23%増より高い伸び率だ。

しかし2018年の数字は、2015~2016年に33ドルから47ドルに増えたときの42%よりもやや低かった。

依然としてiPhone支出にモバイルゲームが占める位置は大きい。2018年に消費者がiPhone 1台あたりに使った金額79ドルのうち、56%近い44ドルがゲームだった。

しかし、この年のゲーム以外のカテゴリーの実績はさらに興味深い。

トップチャートの上位を占めたサブスクリプションベースのアプリは、さらに高い対年度比を記録している。

たとえばエンターテイメント・アプリの端末当たり支払い金額は82%増の8ドルだった。ライフスタイル・アプリも86%増の3.90ドルと大きく伸びた。

トップ5には入っていないが、健康&フィットネス・アプリに使用された金額は平均2.70ドルで2017年の1.60ドルから75%増えた。

トップ5にはほかに音楽およびソーシャルネットワーク・アプリが入り、どちらも22%の伸び率だった。

このデータから、サブスクリプションがiPhoneの消費者支出を増やす極めて大きな役割を担っていることがわかる。

このニュースに先立ち、AppleはiPhoneの売れ行きが鈍化していることを発表しており、売上を伸ばし続けるためにサービス事業を強化する必要に迫られた。これにはApp Storeのサブスクリプションだけでなく、Apple Music、Apple PayやiCloud、App Store検索、AppleCareなども含まれている。

サブスクリプションが普及するにつれ、Appleはシステムの悪用にも目を光らせていく必要がある。

たとえば、最近App Storeで卑劣なアプリがいくつか発見された。それらのアプリは紛らわしいボタンや隠されたテキスト、数日のうちに自動登録されるお試し、などの誤解を誘う策略でユーザーをだまし有料メンバー登録させていた。

後にAppleはこれらのアプリの一部を削除したほか、デベロッパー・ガイドラインを改訂してサブスクリプションの表示、運用を厳しく規定した。

AppleがApp Storeの適切な監視や、定期購読の過剰な利用を防ぐための境界設定を怠ると、ユーザーは新しいアプリのダウンロード自体を敬遠することになりかねない。どのアプリも長期的な料金徴収を目論んでいるとユーザーが考え始めるようならなおさらだ。

ユーザーを1回の支払いから毎月請求される方式へと切り替えさせるために、デベロッパーはもっと賢くならなくてはいけない。サブスクリプションの利点を正しく説明し、価値を高めるための特典も考える必要があるだろう。

しかし短期的には、今もサブスクリプションは、たとえiPhoneの売上が停滞していても、デベロッパーがApp Storeでいい稼ぎを得るための有効な手段に違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleは画面録画コードの使用を明らかにするか、さもなくば止めるよう、デベロッパーに指示

Appleは、アプリのデベロッパーに対して、ユーザーがどのようにiPhoneアプリを使っているかを記録することを可能にする分析コードを削除するか、ユーザーに適切に開示するように指示している。もし従わない場合には、App Storeからの削除も辞さないという。TechCrunchも確認を取った。

Appleの広報担当者は、電子メールで次のように述べた。「ユーザーのプライバシーを守ることは、Appleのエコシステムにおける最重要課題です。当社のApp Store Review Guidelinesは、もしアプリがユーザーの操作を録画、ログ化、あるいはその他の方法で記録する場合には、明示的にユーザーの同意を求め、それを明確かつ視覚的に表示することを要求しています」。

「これらの厳格なプライバシー規約とガイドラインに違反しているデベロッパーには、すでに通知しました。必要なら直ちに行動に移します」と、広報担当者は付け加えた。

この動きは、Expedia、Hollister、Hotels.comといった大企業が、サードパーティの分析ツールを使用して、アプリ内のすべてのタップとスワイプを記録していたことが、TechCrunchによる調査によって明らかになったことを受けたものだ。我々は、テストしたすべてのアプリが、ユーザーに許可を求めておらず、どの会社も、プライバシーポリシーの中で、ユーザーの操作を記録していることに触れていないことを見出した。

機密性の高いデータはマスクされることになっているはずなのに、パスポート番号やクレジットカード番号など、一部のデータは漏洩してしまっていた。

Glassboxは、セッションリプレイ技術に特化した、クロスプラットフォームの分析ツールだ。これにより、企業は自社のアプリに画面録画技術を組み込み、ユーザーがどのようにアプリを操作するかを再生して見ることができるようになる。Glassboxは、その技術にはさまざまな利点があるが、中でもアプリのエラー率を下げるのに役立つ、と主張している。しかし同社は、「Glassboxの画面録画ツールを使用していることをプライバシーポリシーで述べるように強制はしていない」とのことだ。

しかしAppleは、ユーザーの許可なしに、こっそりとデータを収集するようなアプリを、明確に禁止している。

TechCrunchは、アプリデベロッパーに対する聞き取りを木曜日から開始し、Appleから規則に抵触していると通告を受けたかどうかを尋ねた。あるデベロッパーは、AppleがApp Storeのガイドラインを引き合いに出して、アプリのアクティビティを記録するコードを削除するよう告げてきたと明かした。

「あなたのアプリは、分析ソフトウェアを使用して、ユーザーまたはデバイスのデータを収集し、ユーザーの同意なしに第三者に送信しています。ユーザーの操作を録画、ログ化、あるいはその他の方法で記録する場合には、明示的にユーザーの同意を求め、それを明確かつ視覚的に表示しなければなりません」と、Appleは電子メールで指摘している。

Appleは、同じ電子メールで、1日以内にそのコードを削除して、アプリを再提出するようにデベロッパーに求め、さもなければ、そのアプリはApp Storeから削除されるであろう、としている。

Glassboxに、App Storeの削除騒動を認識しているかどうか尋ねたところ、Glassboxの広報担当者は「Appleとのコミュニケーションは、私たちの顧客を通してのものです」とだけ述べた。

Glassboxは、Androidアプリのデベロッパーも利用できる。Googleは、画面録画コードを禁止するつもりがあるかどうか、即座にはコメントしなかった。Google Playも、アプリが密かにデバイスの使用状況を収集することを、明示的に禁止している。「アプリは追跡行為を隠したり、外から見えなくしたり、そのような機能についてユーザーを欺くようなことをしてはならない」と、デベロッパー規則には記されている。もし返答があれば、記事を更新するつもりだ。

これは、アプリの好ましくない動作が指摘された後で、Appleが顧客を保護するために干渉することを迫られた、プライバシーに関する最新の失態となった。

先週、TechCrunchは、AppleがFacebookの「調査用」アプリを禁止したことをお伝えした。それは、ソーシャルメディアの巨人が10代の若者たちに、彼らのすべてのデータと引き換えに、報酬を支払うというものだった。

その前には、Facebookが、Appleが発行したエンタープライズデベロッパー向けの証明書を悪用し、一般ユーザー向けのアプリをビルドしてAppleのApp Storeの外で配布していたことを、TechCrunchが暴いていた。Appleは、Facebookのエンタープライズデベロッパーの証明書を一時的に無効にして、同社の社内用iOSアプリのすべてを、ほぼ丸1日近くオフラインにしたばかりだ。

(関連記事:密かに画面を録画する有名なiPhoneアプリ

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

詐欺まがいのサブスクリプションの排除に舵を切ったApple

Appleは、ユーザーを騙してサブスクリプションに引き込むのは止めろ、というメッセージをデベロッパーに送っている。それは、モバイルアプリのデベロッパー向けガイドラインを更新し、許されることと許されないことの線引を明確に定義したことによるもの。この最近の変更点は、9to5Macによって発見された。この文書の改定のタイミングは、サブスクリプションが消費者にとって何かしら災難のように感じられ始めたことと時機を同じくしている。

サブスクリプションは、すべてのアプリがそのサービスに移行してしまうのではないかと思われるほど、急速に普及した。それは結局のところ、ユーザーにお気に入りのアプリの利用を止めさせることになりかねない。なぜなら、何十ものアプリの支払いがずっと続くのは、大きな金銭的負担となるからだ。しかしもっと喫緊の問題は、サブスクリプションに関するルールの適用が甘いせいで、グレーなアプリデベロッパーの懐を肥やしてきたことだ。

サブスクリプションは、アップストア上の大きなビジネスとなっている。アプリ業界は、無料アプリ内の1回限りの購入や有料ダウンロードから、継続的な収益が得られるモデルへと移行してきた。常にアプリを改良し、新機能をリリースし続けるデベロッパーにとって、サブスクリプションは、そうした仕事を続けるための財政的な支えとなる。それがなければ、常に新規のユーザーを開拓し続けなければならない。

しかし、必ずしもすべてのデベロッパーがフェアに振る舞ってきたわけではない。

TechCrunchが昨年の秋に報告したように、多くの詐欺師たちは、サブスクリプションモデルを悪用し、無料ユーザーにしつこくアップグレードを促し、消費者を騙して継続的な支払いに誘い込んでいる。

アップグレードを促すプロンプトを頻繁にポップアップしたり、そのプロンプトウィンドウを閉じるための「×」を隠したりするアプリがある。また、無料トライアルを謳いながら、非常に短期間、たとえば3日で有料版になってしまうものがある。あるいは、わざと混乱を招くようなデザインを採用し、サブスクリプションのオプトインのボタンが「始める」とか「続ける」のような大きな文字になっているものもある。それでいて、それによりサブスクリプション料金の支払いに同意することになる、と説明する文字は小さく、薄く、読みにくくなっていたり、何らかの方法で隠されていたりする。

Appleのデベロッパーガイドラインは、これまでもサブスクリプションに関して詐欺的な行為を明確に禁止してきたが、現在では可否を具体的に記述している。

9to5Macが見つけたところでは、AppleのヒューマンインターフェースガイドラインApp Storeのドキュメントの改定の結果、サブスクリプションの月額を明記するよう、はっきりと記述された。また、長期間を選ぶと、いくらお得になるかといった情報は、あまり目立たないようにしなければならない。

無料トライアルに関する記述には、トライアルの期間の長さと、トライアル期間が終了したときにかかる料金を明示しなければならなくなった。

こうした新しいドキュメント自体も明瞭な構成となっていて、適切なサブスクリプションのためのサインアップの手順が、スクリーンショット付きで示されている。また、デベロッパーが各自のアプリ用に修正して使えるような、サンプルテキストも含まれている。さらに、ユーザーがApp Store内のサブスクリプションのセクションを探すのではなく、アプリ内で自分のサブスクリプションを管理できるようにすることを、デベロッパーに促している。

今日、多くのユーザーは、いったん有効にしたサブスクリプションを停止する方法を理解してない。 iPhoneの「設定」から、サブスクリプションのセクションにたどり着くには、いくつものステップが必要となる。App Storeからでも、2、3ステップかかる。(しかも分かりにくい。ホームページの右上にある自分のプロフィールアイコンをタップし、次にApple IDをタップしてから、そのページのいちばん下までスクロールする。それに比べると、Google Playでは、左側のハンバーガーメニューを1回タップするだけで、「定期購入」セクションを表示できる。)

すべきことと、すべきでないことを明確に記述したドキュメントの存在は歓迎できるが、現時点での本当の問題は、Appleがそのルールをどの程度まで厳密に適用するか、ということだ。

結局のところ、Appleは以前からサブスクリプションに関する詐欺やごまかしを容認してきたわけではないが、App Storeの、特にユーティリティのカテゴリには、それなりの数のたちの悪いものが巣食っていたというわけだ。

もちろん、Appleとしても、App Store内で、誤解を招くような、あるいは詐欺的なアプリが幅を利かせているというような風評が立つことは望んでいない。しかし、それはそれでAppleに利益をもたらすことになる。

App Annieのレポート、「State of Mobile 2019」によれば、ゲームは依然としてApp Storeでの支払額の大部分を占めているものの、現在ではゲーム以外のアプリも、App Store全体の4分の1を超える(26%)までになった。そして、その数字は2016年から18%も増加している。これは、主にアプリ内サブスクリプションのためなのだ。

重要なのは、サブスクリプションを市場に広めるための適切な方法を会得することだ。しかし、長い目で見たときに、デベロッパーにとってサブスクリプションが、果たして持続可能なモデルになり得るのか、という大きな疑問もある。今日のApp Storeでは、サブスクリプションを一種のゴールドラッシュ的なものととらえる風潮が広まっている。実際、毎月のように転がり込む目先の利益には抗しがたいものがある。

しかし、より多くのデベロッパーがサブスクリプションを採用すれば、消費者は自分にとって本当に価値があるものを最終的に選択しなければならなくなる。Apple Storeに限らず、すでに多くのサブスクリプション料金を支払っているからだ。たとえば、Netflixのようなストリーミングビデオ、Spotifyのようなストリーミングミュージック、YouTube TVのようなストリーミングTV、Ipsyのような定期購入、Amazonプライムのメンバーシップ、Instacartのような食料品の配達、RingやNestのようなスマートホームのサブスクリプション、新聞や雑誌、ニュースレター、などなど。最終的に、自撮りのエディタ、To-Doリスト、天気予報アプリ、といったものに残される取り分はあるのだろうか?

多くの消費者は、これ以上は払えないという段階に達し始めている。新しいものを有効にするために、何かを無効にしなければならない。そうなれば、サブスクリプションアプリのユーザーベースは縮小せざるを得ない。有料のサブスクリプションに留まるのは、コアなユーザーだけ。それほどこだわらないユーザーは、たとえばApple純正の標準アプリや、Googleのような裕福な大企業が提供する無料サービスに戻るだけだ。

Appleは、アプリの実装や設計方法だけでなく、そのアプリにとってサブスクリプションが意味がある場合には、デベロッパーにそれをアドバイスするようにすれば良いだろう。サブスクリプションは、単にアプリを使い続けられるようにするだけでなく、本当の価値を提供すべきだ。また、いつもサブスクリプションを拒否するようなユーザーをアプリにつなぎ留めておくには、1回限りの購入のオプションが有効な場合もあるはずだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

悪名高いAndroid向けマルウェアがiPhoneゲームにも潜入――専門家がGolduck汚染アプリを多数発見

セキュリティー専門家は10種類以上のiPhoneアプリがGolduckマルウェアがインストールされたサーバーと密かに通信していることを発見したという。GolduckはもともとはAndroidを対象としており、根強い人気のあるクラシック・ゲームに潜むマルウェアだった。

Appthorityによって最初に発見されたのは1年以上前になる。 iGoogle Play上のレトロゲームに潜んでおり、インストールされるとデバイスにバックドアを設け、ユーザーが気づかぬうちにサーバーから悪意あるプログラムをダウンロードする。発見されたときには1000万以上のユーザーが被害にあっていると推定された。ハッカーはデバイスにバックドアを通じて最高のユーザー特権で動作するコマンドを送り、SMSメッセージの送信などにより料金を詐取することが可能だ。

専門家はGolduckマルウェアがiPhoneにも危険をもたらしていることを発見しうた。

エンタープライズ向けセキュリティー企業のWanderaによれば、14種類のiPhoneアプリ(すべてレトロ・ゲーム)にGolduckマルウェアをインストールしたサーバーと通信できるコードが含まれているという。

汚染されているアプリは以下のとおりだ。 Commando Metal: Classic Contra, Super Pentron Adventure: Super Hard, Classic Tank vs Super Bomber, Super Adventure of Maritron, Roy Adventure Troll Game, Trap Dungeons: Super Adventure, Bounce Classic Legend, Block Game, Classic Bomber: Super Legend, Brain It On: Stickman Physics, Bomber Game: Classic Bomberman, Classic Brick – Retro Block, The Climber Brick, and Chicken Shoot Galaxy Invaders

Wanderaのプロダクト担当バイスプレジデント、Michael Covingtonは「[Golduckをインストールした]ドメインは当社が昨年公表した警告リストに登録されていた。われわれがiOSデバイスの外部との通信をチェックするとGolduckドメインと通信しているものがあることを発見したために調査を開始した」と述べている。

専門家によれば、これらのマルウェアの悪質性はそれほど高くない。マルウェアを含むサーバーはアプリ右上隅の広告スペースに勝手にアイコンを送り込む程度だという。.ユーザーがアプリを開くとサーバーはどのアイコンのリンクを起動するか指示する。しかしこのときサーバー上のGolduckはデバイスのIPアドレスや位置情報などのデータを抜き取ってしまう。【略】

AppleのApp StoreはGoogleのPlay Storeよりセキュリティーのレベルが高いと見られている。Androidアプリはときおり大規模なマルウェア汚染に見舞われてきた。しかし実のところどのストアのセキュリティーも完全ではない。昨年秋にMac App Storeでユーザーの許可を得ずにブラウズ履歴を収集するアプリが発見されている。また多数のiPhoneアプリが無承諾でユーザーの位置情報を広告主に送信していた。

一般ユーザーにとってマルウェアはネット上の最大の危険となっている。どうしても必要なもの以外ダウンロードしない、また信頼できるプロバイダーのアプリ以外インストールしないなどが防衛策として効果的だ。

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滑川海彦@Facebook Google+

AppleのApp Storeではアプリ内購入をギフトにできるようになる

今週見つかったApp Store Review Guidelinesによると、近い将来、iOSのユーザーはアプリだけでなくアプリ内購入をギフトにできるようだ。デベロッパーはこれからのアプリに、ユーザーが仮想グッズや、あるいはサブスクリプションさえもそのアプリから買って、それをほかの人へのギフトにできるツールを作りこむだろう。

ガイドラインの変わった部分を水曜日(米国時間12/19)に最初に発見したのは、MacRumorsだ。そこには、変更前と後の文言が引用されている:

前: “アプリはアプリ内購入のコンテンツや機能、消費されるアイテムなどを直接にも間接にもほかの人たちへギフトできるようにしてはならない。”

後: “アプリはアプリ内購入の対象となるアイテムをほかの人たちへのギフトにできるようにしてもよい。そのようなギフトの返金は最初の購入者に対してのみ行われ、他のアイテムと交換することはできない。”

デベロッパーから見ると、知りたいのはこの変更がどう実装されるのか、だ。デベロッパーがどう対応すべきか、その詳しい情報はいずれAppleがデベロッパーコミュニティと共有するだろう。

アプリの収益化の方法が近年、有料アプリからアプリ内購入や、より最近ではサブスクリプションへ大きくシフトしているから、この方針変更は理にかなっている。

ゲーマーたちは、アプリ内通貨やそのほかの仮想グッズを、ギフトとして受け取りたいだろう。一方サブスクリプションはとても人気があるから、iOSとAndroidの両方で来年は収益に大きく貢献するだろう。両者を合わせると、アプリストア(iOS+Android)における2019年の消費者支出は1220億ドルを超える、とApp Annieは予想している。

しかしながら、一部のアプリはサブスクリプションという仕組みを悪用して、無料アプリがあるのにそれを使いづらくしたり、無料の試用版が数日後には勝手に有料アカウントになってる、などの被害が報告されている。サブスクリプションのアプリ内ギフト化を広めるためには、悪者たちに対するAppleの適切な対応が必要だ。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleが目を光らせるサードパーティ製スクリーンタイムアプリ

アプリの使用時間を追跡したり、ペアレンタルコントロール機能を実現しているいくつかのサードパーティアプリのデベロッパーは、Appleがこの数週間でアプリの審査を厳しくしているのは偶然ではないと危惧している。Appleは、iOS 12に独自のスクリーンタイムの追跡とペアレンタルコントロール機能を組み込んで発売した。それとほぼ時を同じくして、サードパーティ製のスクリーンタイムアプリに対するAppleの審査は厳しくなり、場合によっては不合格となったり、App Storeから削除されたりしている。

それに該当するデベロッパーは、スクリーンタイムを追跡するために、さまざまな方法を駆使してきた。というのも、そのデータを得るための公式な方法が用意されていないからだ。たとえば、バックグラウンドでの位置情報検出や、VPN、さらにはMDMベースのものがあり、複数の手法が組み合わせて使われることもある。

数人のデベロッパーが、ここ2、3ヶ月の間に集まって、自分たちが抱えている問題について話し合った。しかし、その内容を公表しようという人ばかりではない。結局のところ、Appleを公に批判することに抵抗を感じるデベロッパーは多い。特に彼らのビジネスが危険にさらされているときにはなおさらだ。

しかし、彼らの生きる道が閉ざされたと判断したときに、ブログでこの問題について報告した会社も何社かあった。

たとえば10月には、Muteと呼ばれるデジタルデトックスアプリが、App Storeから削除されたことを公表したが、それは他の多くのスクリーンタイム追跡アプリが警告を受けたのとほぼ同時期だった。

その後、3年間も使われてきたスクリーンタイムアプリのSpaceも、11月になってApp Storeから削除されたことを明かした

それだけではない。名前を出されることを望まない他の何社かも、審査不合格に直面していた。

我々が知り得た範囲でも、何社かのデベロッパーは、App Storeのデベロッパーガイドラインの2.5.4条に違反していると告げられている。これは、マルチタスクで動作するアプリが、バックグラウンドで位置検出などを実行してもよい条件を規定したものだ。細かく言えば、そうしたデベロッパーは、「位置情報機能とは関係ない目的で位置情報のためのバックグラウンドモードを濫用している」と指摘されたのだ。

他に、デベロッパーガイドラインの2.5.1条に違反していると言われたデベロッパーもある。それは、公式のAPIを、承認されていない方法で使ってはならないとするものだ。

さらに他のデベロッパーは、彼らがスクリーンタイムやペアレンタルコントロールを実装している方法は、もはや許可されないとはっきり告げられた。

iOS用のSpace

奇妙なことに、SpaceとMuteが公式ブログで不平を表明した後、彼らはAppleから連絡を受け、彼らのアプリはApp Storeに復活することになった。

Appleの担当者は、彼らがデータのプライバシーをどのように扱っているかを尋ね、位置情報ベースのサービスを必要とするユーザー向けの機能がなければ、そのような手法を採用していることを正当化することはできないと念を押したとされる。

SpaceのCEO、Georgina Powellは、「もちろん、Appleが我々の事業を継続できるようにしてくれたことには、大いに感謝している」と言う。

しかし、それらは個別の案件ではないのだ。サードパーティ製のスクリーンタイムアプリの業界では、何年もの間、何の問題なく動いてきたアプリが、精査の対象となりつつある。

iOS上のMoment

しかし、その一方で、審査を通過するアプリもある。まるでAppleは、個別の案件として判断しているかのようだ。

たとえば、TechCrunchがこれまでの4年間に何度も取り上げ、Apple自身がフィーチャーしたこともあるアプリ、Momentも、Appleから連絡を受けたという情報がある。

AppleはMomentにいくつかの疑問を抱いたものの、彼らの答えはAppleを納得させたのだった。このアプリは、削除されていないし、その危険もない。

このように審査が厳しくなっていく状況について不安を感じているかという質問に対し、Momentのクリエーター、Kevin Holeshは「Appleと話をして、Momentの将来が安泰だと感じた」と答えている。しかし彼は、「この問題が進展するについれて、今後どうなっていくのか、ほとんど静観しているところだ」と付け加えた。

ハードウェアデバイスCircle with Disneyと組み合わせたスクリーンタイムアプリのメーカーも、何も影響はないと言われている。(とはいえ、99ドルで購入したホームネットワークのデバイスが突然機能しなくなった場合の消費者の反感も想像してみよう)

すべてのアプリが締め出されたわけではないとしても、AppleはMDM(モバイルデバイスマネージメント)やVPNを利用して動作するスクリーンタイムアプリを問題視しているように思われる。

たとえば、Kidsloxのデベロッパーは、MDMとVPNの組み合わせによって、スクリーンタイムとペアレンタルコントロールを実装していた。このアプリは、デバイスがVPNに接続している時間を監視することで、スクリーンタイム機能を実現していたが、それはAppleがもはやしてはならないと言っている。

KidsloxのCEO、Viktor Yevpakは、スクリーンタイムのためだけにVPNが必要なのではないと説明する。このアプリは、VPNを通して接続することで、ウェブサイトをブラックリストと照合し、子どもたちが安全にブラウズできるようにする機能も備えている。

「どこかに妥協点が必要だ。でなければ、会社全体を殺してしまうことになる、と言ったんだ」と、Appleのアプリレビュー担当者との会話の内容について、YevpakはTechCrunchに明かした。「このアプリには、30人以上の人間が取り組んできた。それでも止めてしまえというのか」とも言ったと。

Kidsloxという1年の実績のあるアプリのアップデートが何度も拒絶された後、そのデベロッパーは、ついに会社の公式ブログという手段を通して、これはサードパーティ製のスクリーンタイム管理の業界の「計画的破壊」であると、Appleを非難した。

実際に話を聞いた多くの人と同じように、彼もAppleの審査が厳しくなったのは、iOS 12が自らスクリーンタイム機能を装備したのと時を同じくしていると、強く信じている。

Kidsloxは今もApp Storeで入手可能だが、そのアップデートは未だ承認されていない。そろそろ時間切れなので、会社のビジネスの方向転換について話し合っているところだと、Yevpakは明かした。

もちろん、Appleはスクリーンタイムの追跡やペアレンタルコントロールのためにVPNが利用されることは意図しておらず、ましてやエンタープライズ向けのMDM技術が、コンシューマベースのアプリに実装されることは望んでいない。そして、そのようなアプリで、これまでそうした利用方法を許してきたということは、Appleはそのデバイスがコンシューマーにどのように使われるかをコントロールすることをあきらめていたことになる。

しかし、そのポリシーはApp Storeの承認と矛盾したものだった。Appleは、何年もの間、ガイドラインに違反するような方法でMDMを使ったスクリーンタイムアプリを通過させてきたが、そのことにはっきりと気付いていたはずだ。

OurPactのルール設定によって、保護者は特定のアプリをブロックできる

その典型的な例の1つがOurPact(特にOurPact Jr.の方)だ。そのアプリは、MDM技術を使って、保護者が子供にスマホの特定のアプリを使わせるかどうか、テキストメッセージをブロックするか、ウェブをフィルタリングするか、その他さまざまなことを、時間帯の指定も含めてコントロールできるようにする。そのアプリは、保護者用に設計されたものも、子供向けのものも、すでに4年間も使われてきた。OurPactによれば、Appleはもはや、そうした目的のためにMDMを利用することを許してくれなくなったという。

「われわれのチームがAppleに確認したところによれば、iOSの純正スクリーンタイム以外のアプリが、他のアプリとコンテンツへのアクセスを管理することは、Apple製デバイスのエコシステムの中では許されない、ということだ」と、OurPactの親会社であるEturi Corp.のAmir MoussavianはTechCrunchに対して文書で明らかにした。「青少年のスクリーンタイムの管理が必要不可欠なものであると認識され始めた今になって、AppleがiOSのペアレンタルコントロール市場を解体することを選択したことは、返す返すも残念だ。」

同社によれば、子供のデバイス用に設計されたアプリ、OurPact Jr.は、この変更による打撃を受けるという。しかし、保護者用のアプリは動作し続けることができそうだ。

Appleが、これらの「ルール破り」のアプリを許可するという寛容性を見せたことは、ある条件ではMDMの利用が暗黙に認められている、というメッセージを、新たにスクリーンタイムの世界に参入しようとするデベロッパーに対して送ってきた。もちろん、Appleによる契約条項にそう書いてあるわけではない。

ACTIVATE FitnessのデベロッパーAndrew Armorは、何年も前から他の多くのデベロッパーがそうしていたのを見て、iOS用のスクリーンタイム管理のためにMDMを導入することを決断した、とTechCrunchに語った。

「私は、このモバイルアプリの開発に、これまでの蓄えのすべてを注ぎ込んだんだ。このアプリは、家庭向けに、スクリーンタイムの管理と運営のためのより優れた方法を提供し、同時に体を動かすことを促すものになるはずだった」と、そのアプリがApp Storeから拒絶されたことについてArmourは語った。「2年もの間、必死の思いで仕事をしてきたのに、ACTIVATE Fitnessを世に送り出すという、私の起業家としての夢は絶たれてしまった。それもAppleの欠陥のある不公正な審査による拒絶のためだ」と、彼は嘆いた。

Appleは、正式なスクリーンタイム用のAPIを公開したり、MDMやその他の技術を使うにしても、スクリーンタイムアプリ用の例外枠を設けたりすることもできるはずだ。しかし、その代わりに、独自のスクリーンタイム機能を実現し、サードパーティに対しては通告するという決断をした。それは、今やApple自身がiOS上のスクリーンタイムの監視機能をコントロールして、サードパーティ任せにはしたくないという意志の現れのように見える。

結局のところ、この決断は一般のユーザーにとってもメリットがない。なぜならAppleが提供する機能は、ペアレンタルコントロールの方に焦点を合わせたMDMベースの方法が提供する機能に比べて劣っているからだ。たとえば、サードパーティ製のスクリーンタイム機能を利用すれば、保護者は特定のアプリを子供のホーム画面から見えなくしたり、そのアプリが動作する時間帯を制限することもできる。

Appleは、この件に関するコメントを拒否した。

しかしながら、Appleの考え方に精通した情報筋によれば、これはサードパーティのスクリーンタイムアプリを狙い撃ちにした締め付けではないという。そうしたデベロッパーに対する差し止めは、進行中のAppleのアプリ審査プロセスの見直しの結果であり、そうしたアプリが違反していたルールは、何年も前から存在していたことに注意すべきだというのだ。

それも一理あるだろう。Appleは、いつでもそのルールの適用を強化することができる。そうしたルールに違反するアプリを開発することは、けっして素晴らしいアイディアとは言えない。特に、Appleが意図していない方法であることを知りながら、デベロッパーが意図的にそうした技術を濫用しようとする場合にはなおさらだ。

とは言え、サードパーティ製のスクリーンタイムやペアレンタルコントロールアプリをApp Storeから駆逐するという決断は、そうしたアプリを実際に使っていたユーザーへの影響を考えると、後味の悪いものになる。

最近の数ヶ月で、FacebookGoogleなどの大手テック企業は、我々が使っているデバイスやアプリには中毒性があり精神的健康に対して悪影響もあるという認識を新たにした。彼らは、この問題に対処するために、さまざまな解決策を提示してきた。シリコンバレー全体が気付く前に、何年も前からまさにこうした問題に取り組もうとしてきたアプリを、今になってAppleが抑え込もうとしているように見えるのは、あまり良いことではない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Androidユーザー50万人がGoogle Playからマルウェアをダウンロード

50万人以上のAndroidユーザーが、ドライブゲームを装ったマルウェアをダウンロードした——Googleの専用アプリストアでの出来事だ。

ESETのセキュリティー研究者Lukas Stefankoは、13本のゲームアプリ——同じ開発者による——の詳細をツイートした。その時アプリはまだGoogle Playでダウンロード可能だった。うち2本はアプリストアの人気ランキングに入っていたため、いっそう目立っていた、と彼は言った。

Googleが削除するまでに計58万回以上インストールされた。

ダウンロードした人はトラックか車のドライブゲームを期待していた。代わりに手にしたのは開くたびにクラッシュするバグだらけのアプリだった。

実際には、そのアプリは別のドメイン(イスタンブールのアプリ開発者が登録)からデータをダウンロードし、裏でマルウェアをインストールしながらアプリのアイコンを消していた。悪意のアプリが正確に何をするのかはわかっていない。VirusTotalにアップロードされたサンプルを見る限り、このマルウェアが何をするかはマルウェアスキャナーの間でも一致していない。はっきりしているのは、マルウェアに持続性があることだ——Android携帯またはタブレットをスタートさせるたびにアプリは立ち上がり、ネットワークに「フルアクセス」できるため、マルウェア作者はそれを利用して秘密を盗み出す。

本誌はイスタンブール拠点のドメイン所有者Mert Ozekに接触を試みているが、今のところメールへの返信はない。

またしてもこれはGoogleによる恥ずかしいセキュリティー欠陥だ。Googleはアプリとモバイルのセキュリティー対策でAppleに遅れを取っていることで長年批判されている。Appleは壁に囲まれた庭にどのアプリを入れるかに関してはるかに限定的で選り好みが強いと言われている。

GoogleはAndroidのセキュリティーを強化すべく、セキュリティー機能を改善し、きめ細かなアプリ許可制御を導入した。しかし、その後もGoogle Playアプリストアでは詐欺や悪意あるアプリとの戦いが続いており、Androidユーザーにとって最大の脅威の一つとなっている。Googleは昨年だけで70万以上の悪質アプリをアプリストアから削除し、悪意あるアプリがそもそもストアに入り込むのを防ぐために、バックエンドの改善を試みた。

しかし、それでもまだ十分ではないことが明らかだ。

Google広報は本誌の問い合わせに対してすぐにはコメントしなかった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple App Store、Q3売上がGoogle Playを93%上回る

AppleのApp StoreとGoogle Playの売上はこれまでも常に開きがあった。しかし2018年第3四半期、それが大きく広がった——おそらくこれまでで最大だ。Sensor Towerの最新レポートによると、同四半期にApple StoreはGoogle Playより93%多い売上を記録した。これは少なくとも2014年以降では最大の差だ(Sensor TowerがGoogle Playのデータを追跡し始めたのが2014年だった)。

同社によると、2018年Q3に生み出されたモバイルアプリ売上182億ドルのうち、約66%がAppleのApp Storeによるものだった。同社の四半期売上は120億ドルで前年同期の97億ドルから23.3%増えた。

一方同四半期のGoogle Playの売上は62億ドルで、一年前の51億ドルから21.5%伸ばした。

Sensor Towerの両ストアを合わせたトップセールスアプリのランキングを見ると、依然として定期購読が売上増に貢献している。Netflixは非ゲームアプリのトップセールスを3期連続で達成し、両プラットフォーム合わせて推定2.437億ドルを稼いだ。TinderとTencent Videoがそれぞれ2位と3位を守った。

モバイルゲームの利用も売上成長を後押ししており、同四半期の売上は前年比14.9%の138億ドルだった。これは同期の両プラットフォーム全アプリ売上の76%を占め、85億ドルがApp Storeから53億ドルがGoogle Playによる。

しかしながら、アプリのダウンロード数では、Google Playが依然リードしている。これは新興国市場で低価格Android端末が急速に普及したことが理由だとレポートは書いている。両ストア合わせたアプリのインストール数は271億件で2017年Q3の244億件から10.9%アップだった。

最多ダウンロード数アプリのランキングもQ3に大きく動いた。Bytedanceのショートビデオアプリ、TikTokがMusical.lyを吸収したためだ。統合の結果TikTokは、対前期比15%増、対前年比440%増で世界第4位のアプリとなった。

これで同アプリはQ3のアプリダウンロード数でInstagram(第5位)とSnapchat(第10位)の両方を上回り、Bytedanceはソーシャルアプリ市場でより重要なプレーヤーになるための地盤を築いた。

Sensor Towerのレポート全文はここで読むことができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

プライベートなソーシャルネットワークを提供するPath、ついにサービス停止

ふたたび、ソーシャルメディア・プラットフォームにさよならを言う日がやってきた。

今年初めにはKloutがサービスを停止したが、この度はPathが舞台を去ることが明らかとなった。かつてはFacebookのライバルとなるかという話もあったが、ついに閉鎖をアナウンスすることとなった(まだあったのかと驚いた人もいるかもしれない)。

8年間にわたってサービスを提供してきたPathだが、10月18日をもってサービス停止となるとのこと。App StoreおよびGoogle Playからは10月1日をもって削除されるようだ。利用している人は、10月18日までデータのダウンロードができるようになっている(ダウンロードはこちらから)。

Pathを開発したのは、Facebookでプロダクトマネージャーを務めたこともあるDave Morinと、Napster出身のDustin MierauおよびShawn Fanningだ。2010年にモバイル向けソーシャル・ネットワークサービスとして登場した。サービスはビジュアルと本当に親しい人とのつながりを重視して、50人までしか友達登録ができないという仕様になっていた。よりプライベートなつながりを求める人に向けたサービスを実現しようとしていたのだ。ただし、友人数の制限は後に緩められ、さらに撤廃されることにもなった。

ピーク時には1500万のユーザーを抱え、5億ドルの評価にもとずく資金調達などにも成功していた。誕生1ヵ月の頃には、Googleが1億ドルでの買収を狙ったほどだった。最終的にPathはシリコンバレーの大物であるIndex、Kleiner Perking、およびRedpointなどから5500万ドルの資金を集めていた。

FacebookはPathをノックアウトしたが、Pathから頂戴したアイデアもある。

ソーシャルメディアは、15億人のアクティブユーザーを抱えるFacebookの独壇場となっている。優れていると思えば、ライバルであったPathからアイデアを借用することも厭わず、今日の繁栄につなげてきている。

Pathのサービスは打開策を見つけられず、スタッフを失い、そして利用者および収益源(ないしはユーザーデータ)を失っていった。商業施設と利用者をつなぐサービス(Path Talk)に活路を見出そうとしたこともあったが、これもうまくいかなかった。結局はPathおよびPath Talkのサービスは、2015年に価格非公開で韓国のメッセージングおよび接続サービス大手であるKakaoに売却されることとなった。世界第4位の人口を抱え、Pathが400万人の利用者を獲得していたインドネシアでのサービス拡大を狙ってのことだった。ちなみにKakao自体は、東南アジア最大のインターネット関連ビジネスマーケットとなっているインドネシアで、大きな存在感を示すことに成功している。

そのような中でもPathの活路は見出すことができず、結局はPathおよびPath Talkはサービス停止を迎えることとなった。

「多くの方に愛していただいたPathのサービスを停止するのは残念なことです。Pathは2010年に、熱意あるそして優秀なデザイナーやエンジニアが作り上げたサービスです。ここしばらくの間は、なんとかサービスを継続する道を探っていました。テクノロジーおよびデザインの力で人々を幸せにし、有意義なコミュニケーションの場を提供するというミッションをなんとか果たし続けたいと考えていたのです」と、サービス停止のアナウンスには記されている。

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(翻訳:Maeda, H

10月3日以降Apple App Storeのすべてのアプリにプライバシーポリシーが必要とされる

Appleは、ユーザーの個人情報をどのように使っているか、そして、その安全と共有について、ユーザーにちゃんと伝えていないアプリを取り締まろうとしている。AppleがApp Store Connectポータルにポストしたデベロッパー向けの発表によると、まだテスト中のものも含めてすべてのアプリに、2018年10月3日の時点で、プライバシーポリシーがなければならない。

Appleは従来から、ユーザーデータの保護に徹している企業だから、これまでプライバシーポリシーのないアプリがApp Storeに実際にあったことは、Appleの怠慢だったとも言える。しかしヨーロッパの規制GDPRが発効した今となっては、それはきわめて重要な方針発表になった。顧客データの取り扱いについて最終的な責任があるのはアプリのメーカーだが、そんなアプリをホストしているAppleにも、ある程度の責任はある。

今日では、アプリだけでなく、それらのアプリをホストするプラットホームも、アプリの振る舞いについて責任がある、とされる。また、アプリに関するプラットホームの方針から生ずるユーザーデータの悪用に関しても、もちろん責任がある。

たとえばFacebookのCEO Mark Zuckerbergは、Cambridge Analyticaのスキャンダルに関して合衆国上院に呼びだされた。8700万ものFacebookユーザーのデータが、Facebookのアプリを使って不正に取得されたのだ。

したがってAppleの新しい要求は、同社に新たな保護層を与えるものだ。Appleがうっかり見逃してしまったアプリでも、これからは、そのアプリのプライバシーポリシーとその文言により責任を問われる。

Appleは、プライバシーポリシーのリンクやテキストは、デベロッパーがそのアプリの新バージョンを提出するまで変えてはならない、としている。しかし、リンクが変わらなくてもリンク先のWebページの内容は変わるかもしれない、という抜け穴がここにはある気がする。

Appleによると、プライバシーポリシーはApp Store全域のすべてのアプリおよびアプリのアップデートに10月3日の時点で必要であり、TestFlightのテストプラットホームに関しても必要である。

すべてのアプリにプライバシーポリシーがあることと、その内容がユーザー保護の観点から適切であることを、Apple自身が検査するのか、そのへんは明らかでない。もしApple自身が検査と排除の作業をやるのなら、スタッフを増員しないかぎり、アプリの承認プロセスが長引いてしまうだろう。

Appleは、いかがわしいアプリのチェックと排除をこれまでもある程度やっており、最近の例では、Facebookのデータ泥棒的VPNアプリOnavoを、App Storeから排除したe。でも、そのアプリは長年無事だったのであり、App Storeのテキストは、それが集めたデータをFacebookが共有した、と開示している。今ごろになってやっと排除されたことは、ユーザーデータを集めることを主要な機能とするアプリに対して、Appleの姿勢がこれからはより厳しくなることを、意味しているのだろう。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、中国のApp Storeからギャンブルアプリを削除

Appleは中国で違法コンテンツの取締りを行い、「宝くじ」サービスを始めとするギャンブル関連アプリ数万点を削除した。

The Wall Street Journalによると、同社が削除したアプリは2万5000点に上る——この数字を最初に報じたのは国営放送のCCTV [リンク先は中国語]。Appleは削除したアプリの数についてコメントしていないが、行動を起こしたことは認めている。

「ギャンブルアプリは違法であり中国のApp Storeでは許されていない。当社はすでに多数のアプリを削除し、違法ギャンブルアプリApp Storeで配布しようとするデベロッパーを排除した。われわれはこうしたアプリを見つけだしApp Store上に存在させないために最善の努力を尽くしている」と広報担当者がTechCrunchに伝えた。

Appleは150万点以上のアプリを中国で提供している。中国、香港、台湾をあわせた大中華圏はAppleの世界で3番目のビジネス地域であり、最近の四半期に96億ドルを売り上げている。これは総売上の約18%にあたる。

削除措置が行われたのは、Appleがスパム、ギャンブル、ボルノなどの問題防止を怠り、アジアでのビジネス拡大に注力しているとの批判を、複数の国営メディアが報じてから数週間後のことだ。

そうした批判は、これらの問題を現在中国と米国の間で進行中の貿易戦争——その結果Qualcommは440億ドルのNXP買収を断念した——と関連付けているが、おそらく見当違いだろう。中国政府からコンテンツが不適切であるとして非難されているのはAppleだけではない。中国の数多くの有望スタートアップが圧力を受けている。

今年、意欲的なニューメディア企業、ByteDance——ニュースとビデオアプリを運営し、現在25~35億ドルの資金調達を求めて投資家と交渉中——が中国で運用していたパロディーアプリの中止を命じられた。さらに4件のニュースアプリとコンテンツアプリが、権力を冒涜しているとしてApp StoreとGoogle Playから削除された。ByteDanceはこれに呼応して、コンテンツ監視チームを倍増し、コンテンツをチェックする強力なシステムを開発している。

「一連のコンテンツは社会主義の中心的価値と一致しておらず、世論を良い方向に導くものではなかった。過去数年間、われわれはビジネスの拡大に資源を投入し、プラットフォームの監視に十分な対策を講じてこなかった」とファウンダー・CEOのZhang Yimingが、インターネット監視当局をなだめるためとおぼしき声明で語った。

一方Appleは、50件以上のVPNアプリをApp Storeから削除して中国政府にへつらっていることを批判されている。それらのアプリは中国のインターネット検閲システムを回避するために用いることができる。CEO Tim Cookは、中国の法律に則って削除したアプリがいずれ戻ってくると信じていると語ったが、それが起きるシナリオは考えにくい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS App Store、2010年以来のダウンロード数は1700億回、売上は1300億ドル

AppleのApp Storeでは過去10年間に1700億回のダウンロードがあり、消費者の使った金額は1300億ドルを越えている。このデータは、アプリ調査会社のApp Annieが今日(米国時間5/31)公開したもので、App Storeの10周年に因んでこれまでの成長と傾向を振り返っている。ただしこれらの数字は全貌を表すものではない。iOSのApp Storeは2008年7月10日、わずか500本のアプリケーションでスタートしたが、App Annieの設立は2010年だ。このためレポートの歴史的データは2010年7月から2017年12月までが対象だ。

それは、実際の数字はApp Annieが確認できるよりもさらに大きいことを意味している。

iOS App Storeの売上成長は、ダウンロード数の成長を上回り、2015年から2017年の間にほぼ2倍に増えている。

iOSデバイスのオーナーが、アプリにお金を使うのが大好きらしいという意味でもある。

iOS App Storeは全世界ダウンロード数のわずか30%しかシェアを持っていないが、消費者の払った金額の66%を占めているとレポートは言っている。

しかしそれは、iOS対Androidの戦いの全体を表してはいない。なぜならGoogle Playは中国では利用できないからだ。App Annieのデータはこの点では不完全であり、中国のサードパーティーAndroidアプリストアを数えていない。

現在中国は、Google Playがなくてもアプリストア売上の大きな部分を占めている。事実アジア太平洋地域は消費者が使った金額の60%近くを占めている。これは2014年10月にiPhone 6/6 Plusが中学で発売されて以来の傾向だ。

しかし、アプリストアのこれまでの傾向(App Annieのデータがある2010年7月以降)を見ると、わずかな差でアメリカがリードしている。中国が急速に追い上げてはいるがオールタイムのダウンロード数では401億回のアメリカが39.9億回の中国をリードしており、売上金額360億ドルでも中国の277億ドルを上回っている。

iPhoneユーザーはアプリのヘビーユーザーであることもレポートは指摘している。

2017年、いくつかの国では100以上のアプリがインストールされている。オーストラリア、インド、中国、ドイツ、ブラジル、日本、韓国、インドネシア、フランスの各国がそうで、米国、英国、メキシコがそれぞれ平均96、90、89で続いている。

もちろん毎月使っているアプリの数はずっと少ないが、それでも30後半から40前半だとApp Annieは報告している。

レポートはゲームの与えている影響も調査している。2017年のゲームのダウンロード数は全体の31%だが、売上の75%を占めた。アジア太平洋地域はここでも大きな役割を果たしており、ゲームダウンロード数34億回、売上193億ドルだった。

サブスクリプション(定期購読利用)は新しいトレンドだが、アプリスストアの売上にはすでに大きく貢献しており、2017年に106億ドルが消費された。これは主としてNetflix、Pandora、Tencent Videoを始めとするメディアストリーミングアプリによるものだが、出会いアプリのTinderもアプリ売上で世界トップ5に食い込んでいる。

サブスクリプションその他のトレンドの後押しを受け、iOS App Storeの売上は2022年までに2017年から80%増加して757億ドルに伸びるとApp Annieは予測している。

現在アプリストアには200万本のアプリが登録されているが、これまでの合計は450万本に上る。その多くはApple やデベロッパーによって削除されたため、現在残っているアプリはずっと少なくなっている。

グラフを含むレポート全文はここで見ることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

China App StoreからGoogleのDuoやCiscoのWebex TeamsなどのVoIPアプリが消えた

【抄訳】
今週初めに、Appleが中国政府の要求により、いくつかのVoIPアプリをApp Storeから取り去ったことが明らかになった。これらのアプリはVoIPアプリの起呼インタフェイスを提供するAppleの新しいツールセットCallKitを使っていて、それによりデベロッパーはバックエンドの通信部分を自分で書かなくてもすんでいた。中国政府はAppleを介してデベロッパーたちに、China App Storeで売っている彼らのアプリからCallKitを取り除くか、またはアプリケーション全体を取り去るよう求めた。

Appleがデベロッパーに送った通知を最初に見つけたのは9to5Macだ。同サイトはメール上に見つけたそれの、断片を共有した。

そのメールは、中国のMinistry of Industry and Information Technology(MIIT)(工業と情報技術省)が“China App Storeで入手できるアプリにおいてCallKitを不活にするよう要請した”、と述べ、アプリが承認されるためにはこの規制に従う必要がある、とデベロッパーに告げていた。

規制の対象は、China App Storeで配布されるアプリのみだ。

つまりアプリは他の市場で売るのならCallKitを使っていてもよい、ということだろう。

Appleはこの件についてコメントを発表していない。

CallKitに対する反発は、中国でVoIPサービスを開発または利用させないようにするための新たな手段だが、それをアプリを直接禁じずにもっと地味にやろう、というのだ。この分野を中国が弾圧するのは、これが初めてではない。11月にはMicrosoftのSkypeも、AppleとAndroidのアプリストアから取り除かれた

政府は昨年、ユーザーが万里の火壁(Great Firewall)(中国政府のインターネット規制のこと)を迂回するために使うVPNアプリをアプリストアから取り去るよう命じた。これもまた、Appleに下された命令だ。

WhatsAppやFacebookのようなソーシャルメディアアプリもときどきやられているし、The New York TimesやWall Street Journalのような新聞のアプリもブロックされている。

アプリストアに関する情報サービスSensor Towerによると、ニュースで報道される前の週には、CallKitを使っているアプリが2ダース、削除された。

下表は、そのリストだ。削除された日付とアプリの発行者の名前もある:

Sensor Towerによると、ほかのストアから削除されたアプリもあるが、同社はそのデータを持っていない。

また上表は、そのアプリのカテゴリーで上位1500位に入るほど多くダウンロードされたもののみである。そのほかについては、Sensor Towerにもデータを拾えない。でもランク外のアプリはダウンロード数も少ないから、削除のインパクトも小さいだろう。

しかしそれでもなお、このリストにはいくつかのよく知られている名前が並んでいる。CiscoのWebex Teamsや、Googleのビデオ通話アプリDuoなどの名も、そのほかのVoIPオペレーターやプロバイダーたちと一緒に登場している。

以下は、9to5Macが見つけたAppleのメールの全文だ:

【後略】
〔訳注: メール本文(英文)の訳を略します。CallKitに関する中国政府の要請について述べられています。〕

From Apple
5. Legal: Preamble
Guideline 5.0 – Legal

Recently, the Chinese Ministry of Industry and Information Technology (MIIT) requested that CallKit functionality be deactivated in all apps available on the China App Store. During our review, we found that your app currently includes CallKit functionality and has China listed as an available territory in iTunes Connect.

Next Steps

This app cannot be approved with CallKit functionality active in China. Please make the appropriate changes and resubmit this app for review. If you have already ensured that CallKit functionality is not active in China, you may reply to this message in Resolution Center to confirm. Voice over Internet Protocol (VoIP) call functionality continues to be allowed but can no longer take advantage of CallKit’s intuitive look and feel. CallKit can continue to be used in apps outside of China.

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa