Appleの新プログラミング言語、Swiftを使って半日くらいでFlappy Birdのクローンが書けた

AppleがiOS向け新プログラミング言語を公開した翌日、あるデベロッパーはこのSwift言語を利用してわずか4時間で大人気のゲーム、“Flappy Birdのクローンを作ってしまった。もっともRedditTechHiveで報じられているところでは休憩や食事の時間も入れれば開発には全部で9時間近くかかったらしい。

開発者のNate MurrayはHacker Newsに「Swiftでのプログラミング経験はまだわずか4時間なので(デモプログラムに)間違いがあれば教えて欲しい」と書いている。

Murrayは以前はインターネットでの情報収集を自動化するサービス提供しているIFTTTでエンジニアでとして働いていたが、現在はプログラミングのオンライン・スクール、Fullstack.ioの共同ファウンダーだ。MurryはSwiftを利用したゲーム・プログラミング講座を開く準備をしているという。

もっともMurrayはこのプログラムをiTunes App Storeに公開するつもりはないと語った。「Flappy Birdのクローンを書くのは新しいゲーム開発フレームワークの入門として最適だ。このゲームは比較的シンプルでありながらプレイして面白いという点で非常にバランスがいい」とMurrayは説明する。

Swiftで書かれたMurrayのFlappy BirdクローンはKotakuのようなゲーム中心のサイトからMashableのようなメインストリームのテクノロジー・ニュースブログまでネットのあちこちで反響を呼んでいる。優秀なプログラマーが新言語を使いこなすスピードの速さにも驚かせれるが、以前の開発言語、Objective-Cに比べて、Swiftに新たに備えられた高度な機能デベロッパーの生産性を大きく向上させるだろうという予測が実証されたかたちだ。

Murrayは実際に使ってみて「新しくiOSアプリの開発に取り組むプログラマーに対してハードルを下げる「というAppleの目標は達成されたと考えている。Murrayによれば、Swiftの大きなメリットの一つはPlaygroundsと呼ばれる機能だという。ここではコードを編集しながら、それが実際にどう動作するかをリアルタイムで見ることができる。

さてSwiftでFlappy Birdクローンを作るのに本当はどのくらい時間がかかったのだろう?

われわれの取材に対して、Murrayは「4時間よりはかかったが9時間まではかかっていない。ログによると空のフォルダーからデモが作動するようになるまで9時間近くかかっているが、その間に食事もしたし、子供を寝かしつけたりしていたのでね」と語った。

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MetalによってモバイルゲームにおけるiOSの優位性がさらに高まる

昨日のWWDCでは2時間のキーノートで大量の発表が行われたが、その中にゲームデベロッパ向けのものが3つあった: SceneKit、SpriteKitの新しいファンクション、そしてiOS上のハイエンドゲームのパフォーマンスを大幅に上げるMetalフレームワークだ。中でもMetalは、AndroidというOSの性格上、Googleには逆立ちしても真似できないものだ。

Metalはデベロッパに、OpenGLよりも“もっとメタル(metal, 金属==ハードウェア)に近い”一連のファンクションを与える。OpenGLはいわばグラフィクスの標準ライブラリとして、iOSだけでなく、MacもAndroidもMicrosoft以外のゲーム機も使ってきた。しかしデベロッパがMetalを利用すると、グラフィクスのハードウェアをダイレクトにコントロールでき、システムのオーバヘッドが少なくなるためパフォーマンスはより高速になる。

ただしMetalは、グラフィクスのパフォーマンスをぎりぎりまで上げたいというデベロッパにしか、あまりメリットはない。しかもゲームのデベロッパたちも今では“ゲームエンジン”をベースに仕事をすることが多く、MetalのようなAPIを直接使って低レベルのグラフィクスコードを毎回一から書くことは、あまりない。だからデベロッパが関心を向けるのは、MetalでもってiOSゲームの、どこがどう変わるのか、という点だ。

実はゲームエンジンの制作者たちはすでに、Metalを利用するエンジンを作り始めている。昨日は、Unity3DのレンダリングのグルAras PranckevičiusがTwitterのツイートで、同社のエンジンにMetalを組み込むことによって“うちの3D APIの最速のポートが出来上がった”、と述べている:

[AppleのMetalで遊ぶのはとっても楽しい。3D APIのこれまでで最速のポートになった。]

iOSデベロッパでスタートアップコンサルタントでもあるNat Brownはブログで、iOSのMetalの性能にはかなわないからAndroidでは新作ゲームが作られなくなる、ということはない、と指摘している。なぜなら、Metalの利用はiOS独自のツールの利用を意味するから、クロスプラットホームな開発を志向するゲームデベロッパは最初から手を出さないだろう、というのだ。

でも、デベロッパではなくゲーマーたちは、いち早く、Metalベースのゲームのグラフィクスの素晴らしさに、気づき始めるだろう:

しかし、Metalに飛びつくきわめて高度なプログラマたちは、ゲームエンジンやフレームワーク、モバイルゲームの95%、いや99%で使われているツールチェーンをメンテしている人たちだ。Unity3DUnreal Engineなど数社がiOSとAndroid両方のモバイルゲームを支配しており、これまでは両プラットホームとも、OpenGL ESの比較的共通のコアをターゲットにしてきた。

そのため、Metalのおかげで大量のデベロッパがiOS国へ移民する、ということはありえないだろう。今ではデベロッパは、APIのレベルではなく、エンジンやフレームワークなどの高級なツールを使って仕事をしている。しかしMetalがiOSのパフォーマンスを高めることによって、ユーザやゲーマーたちの大量人口移動を起こすことはありえる。

Metalフレームワークと同様のものは、ほかのプラットホームにもある。AMDのグラフィクスチップ上のMantleや、MicrosoftのWindowsやXboxプラットホーム上のDirectX 12などだ。ただしAMDもMicrosoftも、これらのフレームワークを核とするエコシステムを完全にコントロールしていないから、状況は複雑であり、特定のハードウェアを対象とする最適化も、それほど徹底できない。

たとえばAMDはとても多様なグラフィクスコアを作っていて、それらが、PCハードウェアのほとんど無限ともいえる構成において利用されている。またDirectXも、CPUやRAM等々の無限の多様性に加えて、グラフィクスチップの多様性にも対応しなければならない(AMD、nVidia、Intel等々)。

つまりこれらのフレームワークは、Appleにできるほどのレベルでは、特定のハードウェア向けの最適化ができない。AnandtechのRyan Smithが、今朝(米国時間6/3
)、こんなことを書いている:

これまでの低レベルAPI、たとえばAMDのMantleやMicrosoftのDirectX 12は、前者は他社のCPUやOSも顧客にしなければならないハードウェアベンダのAPIであり、後者はサードパーティのCPUやGPUに対応しなければならないOSベンダのAPIだ。これらに対して、Appleの羨ましい立場とは、単独かつ自力で、完全に垂直なエコシステムを築けることだ。Appleは、CPUも、SoCの構成も自社製、OSも自社製だ。GPUは他社製だが、これも過去7年間Imagination TechnologiesのPowerVRを独占的に使っていて変える様子もない。

iPhone 5sもiPad AirもiPad miniも、すべて、同じA7のSoCを使っている。今年の機種はA8を共有するだろう。Metalは一連のハードウェアに対して同一の最適化が可能であり、多様なモバイルデバイスの上で同じゲインを稼げる。

Androidハンドセットの多様性にはそれなりのアドバンテージがあるが、多様なメーカーの多様なハードウェアに対して、GoogleがMetalと同レベルの最適化(==特定単一のハードウェア固有の最適化)を図ることはありえない。今後、スマートフォンの進化に対するゲーマーたちの期待が、ますます欲張りになってきたとき、Metalによってゲームの世界がどう変わるか、それが見ものだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iOS 8 SDKではデベロッパがA7ハードウェアのグラフィクス機能に直接アクセス–iPhone/iPadが最新ゲーム機並の迫力に

Appleは今日(米国時間6/2)のiOS 8の立ちあげに併せて、このモバイルオペレーティングシステムのための数々の新しいデベロッパツールをリリースした。その新しいiOS SDKをAppleのCEO Tim Cookは、“App Storeのローンチから今日までで最大のリリース”と呼び、APIの新設や更新が4000以上もあることを誇示した。

中でもとくにデベロッパが気に入ると思われるのは…新言語Swift以外では…、Appleが”Metal”と呼ぶ機能だ。デベロッパが、A7プロセッサのグラフィクスやコンピューティングなどハードウェア機能に直接アクセスできること、そういうライブラリというかAPI集のことを、Metalと総称している。同社によると、Metalを使うことにより、グラフィクスや計算集約的な処理におけるオーバヘッドが減り、マルチスレディングの効率も上がり、iPhoneやiPadにおけるグラフィクスの速さと迫力は最新のゲーム専用機と肩を並べるものになる。これにより、描画のスピードは、iOS 7を1とすると、iOS 8ではその10倍になる。

主に2Dや3Dのカジュアルゲームのデベロッパ向けに、SceneKitが新たに提供され、また既存のSpriteKitには、力場やピクセルごとの物理計算や逆運動の計算が加わる。

今日は大方の予想通り健康アプリがローンチされたが、それに併せてHealthKitというものがローンチされた。これを使うとデベロッパは、自分のアプリとAppleの健康アプリとのあいだで、データを交換できる。

このSDKの大きな目玉には、スマートホームデバイスを作ってそれにiOSと通信をさせたい、というデベロッパのためにフレームワークHomeKitが含まれる。また大量のデータ伝送やデータの保存をクラウドを使ってやりたい、というデベロッパのためには、iCloudの無料のAPI集とも言うべきCloudKitが提供される。なおHomeKitに関する詳細な記事がここにある。

CloudKitでAppleは、クラウドをベースとするバックエンド市場に参入するが、ストレージもAPIも無料という点が、既存のサービスと違う。容量制限は、クラウドストレージ1PB、データベース10TB、一日のデータ伝送量5TBだ。どんなアプリでもサービスでも、またユーザがどれだけ増えても、これだけあればとりあえず十分だろう。

今日の発表でとくに目立った機能が、アプリの拡張機能だ。これによりさまざまなアプリが、ほかのアプリへのインタフェイスを露呈することができる。この機能は、サンドボックスに入れられて安全が図られる。この拡張機能を使って、たとえばメールと写真編集アプリとのあいだで写真をやりとりできるだろう。Safariも、この拡張機能にアクセスできる。AppleのCraig Federighiが今日行ったデモでは、Safariの中からBing Translateを呼び出して翻訳をやらせていた。

ついにサードパーティアプリが通知センターの中で自分独自のウィジェットを定義できるようになった。しかも、対話できるウィジェットもOKだ。

指紋認証システムTouch IDも、そのAPIが提供される。つまりサードパーティのアプリが、Appleの指紋認証を使えるのだ。

iOSの写真機能もそのAPIがデベロッパに公開され、それらはPhotoKitというフレームワーク名で総称される。AppleのPhotosアプリも、もちろんこのAPIを使って構築されているのだ。非破壊的エディットやPhotosのライブラリを/にリード/ライトできる機能、またCamera APIによりフォーカス、ホワイトバランス、露出などのコントロールが、デベロッパの写真撮影アプリの中でできる。

iOS 8のベータとそのSDKは、developer.apple.comで登録したデベロッパが利用できる。

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Appleの自前のクラウドをデベロッパが利用できるためのクラウドAPI集CloudKitが供用開始

ハードウェアの美とソフトウェアのパワーではどこにも負けないAppleだが、MobileMeやiCloud、Siriなどによるクラウドへの進出は、そのAppleにも大きな欠落があったことを世に示した。

今日のWWDCイベントでAppleは、高度な写真ストレージ/シンクアプリiCloud Driveを発表して、クラウドへの進出がますます本気であることを示した。そしてもうひとつ、デベロッパ向けのCloudKitを忘れてはいけない。

CloudKitは、アプリの作者がAppleのiCloudを利用するための、“実質的に無料の”デベロッパフレームワークだ。これによりデベロッパは、自分のモバイルアプリにクラウド利用の部位を容易に含めることができる。それまではこういう簡便なAPIがなかったから、アプリからAppleのクラウドを利用しようとすると苦労が大きすぎて、ついついMicrosoft AzureやGoogle Cloud Platform、Amazon Web Servicesなどサードパーティのクラウドサービスを利用してしまうのだ。

デベロッパはCloudKit APIのいろんな部分を呼ぶ出すことによって、クラウドの認証、検索、通知などの機能を、Appleと競合するサードパーティサービスを利用しなくても、自分のアプリ上に実装できる。

データのストレージも伝送も、無料で利用できる容量が多くのアプリデベロッパにとって十分に大きいと思われる。無料とは言っても、まだ有料の料金体系をAppleは発表していないのだ。

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Apple、iMessageに自己消滅メッセージを追加

今日(米国時間6/2)のWWDCで、 AppleはiOS 8といくつかの新機能を発表した。メッセージングアプリにも新機能が追加され、音声およびビデオメッセージの送信、位置情報の共有などが可能になる。

まず、AppleのiPad、iPhoneおよびiPodマーケティング担当VP、Greg Joswiakは、新しいグループメッセージング機能を紹介した。会話に名前を付けたり、メンバーの追加・削除、通知をオフにすることや、会話から完全に脱退することが可能になる。これでiMessageのグループメッセージングは、Facebook Messenger、Telegram、Whatsapp、Line等と肩を並べることになる。

Appleは、自分の位置情報を友達と共有する「友達を探す」アプリをApp Storeで提供しているが、この機能を直接iMessageに組み込んだようだ。友達と自分居場所を、1時間、1日、あるい永久に共有できる。これで、友達がこちらに向かっているかどうかがわかる。

そして、Joswiakは予想外の機能を2つ披露した。写真、ビデオ、または音声メッセージを、カメラアイコンに指を置いて離すだけで送れるようになった。早くて簡単で、Snapchatと変わらない。もっと驚かされたは、メッセージが数分後に消えるよう設定する機能だ。友達のiPhoneから自分のメッセージが削除される。

Joswiakは、実際の動作を正確には見せることなく、自撮り写真をCraig Federighiに送り、数分後に消滅するとだけ言った。いずれの機能も、iMessageをより魅力的なメッセージングプラットフォームにするものだ。

しかし、iMessageにはまだ大きな欠陥が残っている。iPhoneユーザーしか使えないことだ。Android友達とグループ会話を始めたい時は? iMessageを使っていない人に自己消滅自撮り写真を送りたい時は? iPhoneユーザーがiPhone友達とのシームレスな体験を享受している間にも、マルチプラットフォームのメッセージングプラットフォームは進化を続けている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple、iOS 8をデベロッパー向けに即時公開―一般ユーザー向けリリースはこの秋

今日(米国時間6/2)の午前中のWWDCイベントで、Appleが発表した次期のモバイルOS、iOS 8が一般ユーザー向けにリリースされるのはこの秋となる。

一方デベロッパーは今日からさっそくダウンロードが可能だ。また新しいデスクトップ版OS、OS X Yosemiteも公開された。Appleが一般公開に先立ってOSのベータ版を公開するのはこれが初めてだ。

iOS 8に盛り込まれた数多くの新機能についてはこちらを参照。またiOS 8にアップデート可能なデバイスは下の写真のとおり。

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iOS 8発表―通知、写真、クラウド同期、キーボード、ヘルス・アプリなど重要な新機能が多数

昨年、AppleはiOS史上最大のアップデートを実施した。今年、進化はさらに新たな段階を迎えた。ジョニー・アイブのチームはユーザーからのフィードバックに耳を傾け、機能を深めていく時間が十分にあったはずだ。ついにiOS 8が登場した。

WWDCでの発表は続いており、われわれは現在も取材中だ。この後もWWDC関連記事をアップするのでお読みいただきたい。

AppleはまずiOS 8の概要を説明した。以下、その要点を報告する。

通知センター: 大きな変更があった。通知が対話的になり、下にスワイプするとメッセージにすぐに返事ができるようになった。この機能はロックスクリーンでも有効だ。OS X Mavericksの対話的通知によく似ている。

ダブルタップで「お気に入り」の相手を表示できる。日頃よく連絡を取り合っている相手がすぐに探せる。

iPadのSafariの場合、右上隅のタブ・ボタンをクリックするとタブ表示に切り替わる。 これは今回同時に発表されたOS X Yosemite搭載版と同じだ。

メールを書いているときに、下スワイプする受信トレイにジャンプできる機能が加わった。メールを書きながら関連のメールをチェックできる。終わったら画面下をタップすると編集中のメールに戻れる。

クイック・タイプ:iOS 8では新しいキーボードが搭載された。このキーボードでは初めてキーワード候補が表示されるようになった。これはコンテキスト感知タイプで、ユーザーが以前に入力した単語を自動的に候補として表示する。

しかもこのキーボードは会話の相手が誰であるかをコンテキストとして考慮に入れる。これによって入力される単語の候補を予測する精度がアップしているという(チャットの相手が上司か恋人かで会話の内容も大きく変わる)。

連続性(Continuity): これはiOS 8からOS X YosemiteまでAppleの全ソフトウェア・エコシステムの新たな核ともなるべき機能だ。iPHone、iPad、Macは常にお互いの存在を意識するようになる。ユーザーはどんな作業をしている場合でも、一つのデバイスから別のデバイスにごく簡単に移動できる。

たとえばMacでメールを書いているとしよう。iPhoneの左下隅に小さなアイコンが現れる。ユーザーが上スワイプすると、さきほどまでコンピュータで書いていたメールの下書きが表示され、編集を継続できる。逆にiPhoneからMacにも同様に移動できる。

iMessage: iPhoneで一番よく使われるアプリの一つだろう。これにも改良が加えられた。

グループ・メッセージの場合、Facebookメッセージのようにスレッドに名前を付けられるようになった。またスレッドに新たな相手を追加したり、既存の相手を削除したり、また個別に相手を指定して一時的にメッセージを受け取らないようにすることもできるようになった。

また音声メッセージ機能が追加された。入力窓の右側にある小さなビーコンを左にスワイプすればよい。また通知センターに表示されたメッセージに音声で返信したい場合はiPhoneを耳に当てるだけでよい。

もうひとつ重要な点は、音声、ビデオのメッセージの場合、一定時間後に自動的に削除されるように設定できることだ。

ヘルス(Health): われわれはAppleがヘルス関連の発表をすることを予期していたが、アプリの名前がシンプルに「ヘルス」となるとは思わなかった。このアプリは、iOSを利用したヘルス・アプリをひとまとめに登録し、バックグラウンドで動作させるためのプラットフォームだ。ユーザーはヘルス関連のアプリの操作やデータの閲覧をすべてここから行える。

ヘルス・アプリにはHealthKitと呼ばれるSDKが用意されており、デベロッパーだけでなく、医療機関などもアプリを開発できる。

ファミリー共有:これもiOS 8の重要な新機能だ。ユーザーは家族が所有するすべてのデバイスを同期できる(ただし単一のクレジットカードに関連付けられている必要がある)。ファミリー共有を設定すると、コンテンツ、カレンダー、リマインダー、連絡相手などが全デバイスで自動的に同期するようになる。また家族所有のデバイスの位置を追跡できる。これはよく忘れ物をする子供を持つ親にはありがたい機能だ。

しかしファミリー共有機能でいちばん重要なのは子供がお金を使うのをチェックできることだ。子供の買い物のせいでとんでもない額の料金支払に青くなる心配はもうない。子供がiTunesとAppStoreでなにかを買おうとすると、両親のデバイスに承認を求める通知が行く。

写真:

これまでAppleの写真ギャラリーには最大1000枚までした保存できず、それ以上の写真を保管したければ、Macに移動するしかなかった。今回AppleはiTunesがユーザーの音楽と映画を保管するように、ユーザーの写真とビデオをクラウドに保管し、どのデバイスからでもアクセスできる機能を提供した。

また写真にアクセスできるだけでなく、ビデオと写真に対して驚くほど高度な編集ができるようになった。もちろん編集結果もすべてのデバイスで同期する。

また写真アプリの検索機能を大幅に強化した。また最近撮った写真、最近見た写真が候補として優先的に表示されるようになった。

また写真アプリの全体的なデザインもかなり変化した。写真の余白スペースが広くなったところなども含めてYosemiteに似た印象だ。.

Siri: こちらも大きなバージョンアップがあった。「ヘイ、Siri」と呼びかけるだけで、デバイスに触れることなく起動できる。私はSiriが登場したときからこの機能がサポートされるのを切望していた。またSiriはShazamと連携するようになり、iTunesで買い物をしたり22カ国語でディクテーションができるようになった。

デベロッパー:

今年はデベロッパー向けの新機能も数多く提供された。TouchIDによる認証はすでにサードパーティーのデベロッパーに公開されているが、今回はキーボード・アプリをAppStoreに登録できるようになった。これでSwypeもiOSデバイスについに登場するかもしれない。カメラのAPIも公開されたのでサードパーティー・アプリによってカメラをマニュアルで細かくコントロールできるようになりそうだ。

今回公開されたHomeKitも大変興味深い。HomeKitはApple版のホームオートメーションのプラットフォームだ。デベロッパーはHomekitを利用してモノのインターネット(IoT)をコントロールし、iOSベースのさまざまなホームオートメーション・アプリを開発できる。 Siriと組み合わせると、たとえば「もう寝る!」とiPhoneに呼びかけるだけでエアコンの温度設定を下げ、家中の電気を消すなど、さまざまな就寝準備が一度に命令できるようなるかもしれない。

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バナーに示された「8」の文字。WWDCでのiOS 8リリースは間違いなし!

WWDCが近づいてきた。iOS 8がリリースされるのではないかという噂だが、まだこないのではないかと心配している人も多いことだろう。どうやら心配は無用であるようだ。

会場となるサンフランシスコのMoscone Centerに、イベントを示すバナーが掲げられ始めている。その中に「8」とだけ記されたものがあるのだ。他の何かに「8」などという名前をつけて消費者を混乱させようとしているのでない限り、これはiOS 8のことを示すものだと考えて良いのだと思う。

MacRumorsが(via Jay Yarow on Twitter)不機嫌そうな警備員とともに、準備中のバナー写真を掲載している。

尚、この「8」の背景にあるのは海であるようにみえる。この背景がまた、いろいろと憶測を生んでいる。

海が綺麗だから背景に使っただけだろうという人もいる。しかしそれは、どうもAppleらしくないやり方だと思う。OS XのMavericksがカリフォルニアの海岸を示す名前であることから、OS XとiOSのより密な連携が行えるようになるのではないかという話もある。たとえばiOSとOS X間でのAirdropが実現されているのではないかというようなことだ。

但し、期待し過ぎは禁物だ。情報筋からはiOS 8はちょっとしたアップデートに過ぎないという声も聞こえてきている。iOS 8に投入される機能は、iOS 7の準備段階から用意していたものの、時間の関係で入れることのできなかったものであり、とくに革新的なものはないのだという話もある。Mapsに経路案内が加わる程度のものだという噂もあるのだ。

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(翻訳:Maeda, H


iMacの新モデルがリークか?! 新機種への参照のあったOS X Betaは直ちに公開停止

iMacを購入しようと考えているならば、少々待った方が良いようだ。最新のOS X Mavericksのベータ版に、新しいiMacのモデルを示す記述が発見されたようなのだ。

Appleファンを名乗るPikeによると、リリースされたばかりの開発者向けOS X Mavericksのベータに、新たに3種類のiMacに関する記述がみつかったのだとのこと。

Mac-81E3E92DD6088272.plist / iMac15,1 (IGPU only)
Mac-42FD25EABCABB274.plist / iMac15,n (IGPU/GFX0/Apple display with id 0xAE03)
Mac-FA842E06C61E91C5.plist / iMac15,n (IGPU/GFX0/Apple display with id 0xAE03)

目を引くのは「15.1」および「15.n」の記述だ。これまでのところ、iMacのリストには、14.1、14.2、21.5および27インチモデルのみが記載されていた。こうした「発見」によくわるように、「新モデル」についてのスペックなどはもちろんわからない。

ちなみに、9to5macの記事によると、前掲のリストを含むMavericksのベータ版はすぐに削除されたらしい。リリースと同時に新型iMacの記述が発見されて話題になり、そしてリリース4時間後にはベータ版自体が消されてしまったことになる。

新型iMacの記述が、実際に新たなモデルのリリースを示すものであるのなら、実機は間もなくお披露目されることになるのだろう。AppleはこれまでもWWDCにて新製品の発表を行ってきた。WWDCは5日後に迫っている。

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(翻訳:Maeda, H


Beats、Appleへのハードウェア移管でデザイン会社と訣別

今やApple傘下のBeats Electronicsは、Beatsをポップカルチャーと同義語にしたデザイン会社に別れを告げる。ニュースは、Appleによる30億ドルの買収発表後間もなく、Ammunitionのファウンダー、Robert Brunnerのブログで伝えられた。

Ammunitionは、Beats創設時から一緒だった。かつてMonster Cableの仕事を任されていた同社は、ブランドを象徴するヘッドホンらプレーヤーをデザインした。Beats Studio、Beats Pro、およびBeats PillはいずれもAmmunitionのデザインだ。

新しいビジネスチャンスを作るためにデザインができることの限界に挑戦するスタジオにとって、これ以上説得力ある結果は想像できない。私のBeatsとの旅は、2006年にInterscope Recordsで行われた、Jimmy Iovine、Dr. Dreとの小さなミーティングから始まった。あの最初のミーティングの結果生まれたBeatsのデザインが、カルチャーに与えた驚くべき影響を未だに私は信じられない。世界中で何百万人もの音楽を愛する人たちが、街で誇らしげにBeatsを身につけていると思うと、謙虚な気持ちになる。

Brunnerの説明によると、移管は今後数ヵ月のうちに行われる。

今やAppleには、Beatsの今後のブランド、デザインランゲージ、およびアイデンティティーを支える責任がある。もちろん、Apple自身として、30億ドルの投資を間違いなく有効活用する必要がある。


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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


話題先行の(?)スマートウォッチ。「インフルエンサー」はAppleおよびTim Cook

Appleは、今のところまだスマートウォッチ関連のプロダクトを発表していない。しかし既に、スマートウォッチ業界で2番めの影響力をもつ(influential)企業となっているのだそうだ。ちなみにトップはSamsungだ。

ランキング情報は、Appinionsの「Smart Watch Influencer」によるものだ(訳注:サイトで登録を行えば誰でもレポート全文を見ることができる)。1位となったSamsungはいくつかスマートウォッチを市場に送り出しているし、3位に位置するGoogleも、いくつかのプロダクトに関係している。そのような中で、まだ具体的プロダクトの存在しないAppleが2位になるというのは、すなわち市場からの期待の大きさを示すものとみることができよう。Appleの方がスマートウォッチ関連の質問を受けた際には、「ノー・コメント」と回答するのが常で、これもまた参入を否定するわけではないという意味に、市場には受け取られている。

Samsung、Apple、そしてGoogle以外のトップ10はMotorola、LG、Acer、Pebble、Sony、Intel、そしてMicrosoftとなっている。

この世界にはやくから参入していたPebbleは、影響力という観点からみると、ポジションを低下させているようだ。

さらに、人物毎にみても、NikeのCEOであるMike Parkerと、Misfit WearablesのCEOであるSonny Vuに続いてAppleのTim Cookが3位になっている。

先にも記した通り、Appleはウェアラブルの分野のプロダクトをまだリリースしていない。しかし動きが見て取れないわけでもない。たとえば医療系センターのエクスパートたちを入社させているし、またBurberryのCEOを販売戦略担当に据えたりもしている。さらにNikeのFuelBandのデザイナーも戦力に加えているようだ。

但し、影響力をもち、また有能な人材を採用しているからといって、AppleのiWatchが大成功をおさめるかどうかは、まだわからない。喜び勇んで購入した人が、引き出しに仕舞いこんでオシマイなどということになる可能性も、ないではない。

Editor’s Note: The data used in this report is taken from approximately 25,000 opinions relevant to the smart watch industry between February 10 and May 9, 2014.

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(翻訳:Maeda, H


AppleがLiquidMetal(液状金属)とサファイアガラスを使うモバイル製品製造技術で特許を取得

Appleが今日(米国時間5/27)、LiquidMetalとの独占ライセンス契約を更新した。そしてAppleInsiderによると、同社はこの、プラスチックのように振る舞う相当風変わりな合金を、サファイアガラスなどガラス製のディスプレイと組み合わせて使う技術に対し、特許を認められた。この特許は、ディスプレイをLiquidMetal製のデバイスケースに溶接する技術を記述しているので、未来のiPhone、iPad、そしてiWatchの外殻はLiquidMetal製になるのだろう。

この特許によって、Appleが将来の製品に実際にLiquidMetalを使うんだな、という感触がよりはっきりしてきた。次に出るiPhone 6でサファイアガラスが使われる、という噂は前からある。AppleはGT Advanced Technologiesと協働してサファイアガラスの大量生産プラントを国内に作るつもりだ。ということはもちろん、この素材を将来の製品で使うということ。サファイアガラスはとくに、擦過耐性がきわめて高い。Corning製のゴリラガラスよりも、擦過に対して強いのだ。

LiquidMetalは、iPhone 5など、これまでのiPhoneで使われると噂されていたが、実現はしていない。すでに軍用や医療用では実用化されている素材であり、一部の消費者製品にも使われている。プラスチックよりも強度があり、すり減ったり、腐食したりしない。それでいてプラスチックのような弾性があるので、弾力のあるボールベアリングが作られたりする。消費者電子製品では、製造工程を効率化するとともに、消費者製品の寿命を延伸する。

サプライチェーンからはまだ何の音沙汰も漏れてこないから、次のiPhoneでLiquidMetalが使われることはないだろう。でもAppleがこの技術に本腰であることは、あらためて明らかになったし、しかも特定の(具体的な)素材がからむ特許まで取得している。サファイアガラス+LiquidMetal製品の開発が、着々と進んでいることは、ほぼ確実である。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、WWDC 2014カンファレンスのキーノートをライブ中継―日本時間6月3日午前2時から

今日(米国時間5/27)、Appleは今年のWWDC(Worldwide Developers Conference)のキーノートを太平洋時間で6月2日午前10時〔日本時間で6月3日午前2時〕からライブでストリーミング配信すると発表した。Appleは特別イベントのライブ中継をいつでも行うわけではない。また中継を行う場合でもこれほど早くからそのことを告知するのは今回が初めてだ。その意味でも興味深い展開だ。

Appleは今回のカンファレンスの目玉が何になるのかは発表していない。しかし「エキサイティングな発表がある」と予告している。TechCrunchもこのカンファレンスには出席する予定だ。おそらく、iOS 8、OS X 10.9.3、それにいくつかの新しいハードウェアが発表されると思われる。噂では健康モニタとホームオートメーションの分野での発表があるという。いずれにせよ、重要なニュースが満載のカンファレンスになることは間違いないだろう。

Appleは今回のカンファレンスないしキーノートがデベロッパーを対象としているとは述べなかった(実際、カンファレンスの名称としてもWWDCという頭文字のみを用いている)。 つまり、消費者、一般ユーザー対象のニュースも期待できるということだ。なおストリーミングの再生にはOS Xの場合はSafari 4以降、iOSの場合4.2以降、Windowsの場合はQuickTime 7が必要とされる。

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Apple、WWDCでスマートホーム用プラットフォームを発表か

Appleがスマートホーム分野に本格参入しようとしているとFinancial Timesの最新記事が報じた。同社はiPhone等のiOSデバイスを、スマートホーム機器用プラットフォームに変え、照明やセキュリティーシステム等の〈つながる家電〉を制御可能にしようとしている。プラットフォームはiPhoneに内蔵され、複数のサードパーティーアプリに分散するのではなく、集中制御方式をとると同紙は伝えている。新プラットフォームは来週のWWDCで披露される。

対応機種にはiPhone、iPadだけでなく、Apple TVも含まれると記事は伝えており、Apple TVは今年中に新機種が出るという。これらを組み合わせることにより、例えば部屋に入ると照明が点灯したり、家を離れるとセキュリティーシステムが有効になる等の自動化が可能になる。サードパーティーハードウェアの「Made for iPhone」プログラムと同じく、Dropcam、Next、Philips等のアクセサリーメーカーは、自社のスマートホーム機器がAppleの自動化プラットフォームで動作することの認定を受けることができる。

FT紙はこれをAirPlay、CarPlay、およびiBeaconと比較し、自動化機能の一部に低電力Bluetoothが利用されることを示唆している。また、次期iPhoneのNFC採用を予測するアナリストがいることも指摘しており、NFCはこの種のスマートホームシステムと相性が良い。

Appleがこの分野に参入することは、SmartThings等すでに同様のサービスを提供しているスタートアップにとっては悪いニュースかもしれないが、消費者のスマートホーム機器導入を著しく促進する可能性がある。スマートホーム技術は、Philips、Honeywell等の伝統的家電メーカーの参入にもかかわらず、消費者への普及に関してはまだ初期段階にある。Googleも、すでにモノのインターネットおよびスマートホーム技術に注力する意向を明らかにしていることから、Appleが積極的に領有権を主張することは理にかなっている。

来週のWWDCでは、iOSおよびOS Xの新バージョンが発表されることも予想されており、6月2日月曜日の基調講演では多くの魅力ある発表が行われるだろう。本誌は現地からライブでニュースを届ける予定だ。

Image: Composite with Shutterstock photo

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


iPhoneは今も最高のスマートフォン

ここTechCrunch編集部では、多くのスマートフォンを見る機会があり、その品質の平均的水準の高さは、つい5年前と比較しても実に印象的だ。その間のAndroidの成熟度合にも驚かされる ― しかし、当初圧倒的リードを保っていたライバルiPhoneとの差を縮めるための、Android OEM各社による様々な努力にもかかわらず、今もApple製スマートフォンが最高であることを疑う余地はない。

なぜ今この時期にこの懐しい話題を持ちだすのかって? 主要Androidメーカーの新機種がほぼ出揃ったことが一つ。そして別の要因がある。ガールフレンドがSamsungへの短い旅からiPhoneに戻ってきたこと、そして、父が旅行にカメラを持っていくのをやめ、iPhone 5sだけを使うようになったこと。生涯にわたる写真マニアにとってこれは一大事だ。

iPhoneのカメラは、今もライバルに対する定量化の難しい優位点の一つだ ― スペックで上回っているAndroidカメラは少なくないが、モバイル端末カメラマンの最高傑作は一貫してiPhoneから生まれており、撮影者の不満も最少限だ。

他にも新たなライバルたちに対するiPhoneの優位性として、体験の一貫性(Androidに様々な外観や変更があることは、使う端末によって振舞いが異なることを意味している)、端末の持ち運びやすさ(巨大画面は使っている時は魅力的だが、大部分の時間あなたの電話機はポケットの中にある)、製造品質等がある。そしてiPhone 5sは昨年秋に発売されたにもかかわらず、最新のソフトウェアやウェブテクノロジーを扱う上で性能に何の問題もない。

この意見に多くの反論があることを私は信じているが、乗換えた人たちの中に、心の奥底では私が正しいと秘かに認めている人たちがいることも、同様に信じている。そして今後魅力ある新機種や新機能が出てきても、Appleのスマートフォン技術が、ライバルたちのはるか上を行くであろうことも。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple、App Storeの1位になったマリファナ栽培 ゲームを追放―他の大麻アプリはどうなる?

Appleはアメリカでゲーム部門のトップを占めていたWeed FirmをApp Storeから削除した。このゲームはGrand Theft Autoのマリファナ愛好家版と呼ばれていた。プレイヤーはマリファナ(weed)を栽培して売りさばき、ギャングたちと渡り合いながら、大金を儲けることに努める。

デベロッパーのウェブサイトによればApp Storeからの取り下げはApple側の全く一方的な決定だという。

AppleがこんなゲームにApp Storeのチャートのトップに居座わられたくないという考えた気持ちは分かる。だが、似たようなゲームが多数ある中でWeed Firmだけが狙い撃ちされた理由が、単に有名になってしまったからというだけなら釈然としないものが残る。この点に関してAppleにコメントないし説明を求めているが回答はない。

デベロッパーのManitoba Gamesは自分たちが追放されたことについて、「面白すぎて全ゲーム・カテゴリーでNo. 1になってしまったからだろう。今でもマリファナ栽培ゲームは山ほどApp Storeにある。それに車を壊したり、人を射ったり、鳥を建物にぶつけたりするような違法行為を内容としたゲームも無数に公開されている」と言っている。

いささか負け惜しみのきらいがあるものの、ある程度要点を突いている。

過去にもAppleが違法行為を助長する可能性があるアプリに対して厳しい態度を取ったことがある。たとえばHerb Converterというオンスをグラムに換算するマリファナの売人向けアプリが禁止されている。しかし最近、アメリカでもマリファナは部分的に解禁され、全国いたるところで違法というわけではなくなった。

しかしそれとは別に、Appleはどんな理由であろうと自分が好まないアプリをApp Storeから排除する権限を持っている。App Storeはオープンなウェブではない。単独の運営者であるAppleが自由に規則を設定できる場所なのだ。

しかし、 “weed”というキーワードでApp Storeを検索すると、たくさんのマリファナ関連アプリが見つかる。マリファナがらみのトリビア、マリファナの種類の見分け方、栽培ハンドブック、合法的なマリファナの入手場所をまとめたWeedmapsから今回禁止された“Weed Firmそっくりの栽培、販売ゲームのWeed TycoonWeed Farmerまで数知れずだ。 こうしたゲームは今でもApp Storeに掲載されている。

しかし、Appleの態度は変化しているのかもしれない。別のデベロッパーが今日(米国時間5/21)、Facebookに公開投稿したところによると、彼のマリファナ・ゲームはApp Storeへの登録を拒絶されたという。

上はデベロッパーが公開したそのゲームのスクリーショットだが、マリファナをテーマにしているばかりでなく、警官を豚として描いているのがさすがにAppleの「極めて好ましくない内容」のアプリを禁止する条項に引っかかったのだろう。

子供への悪影響

App Storeのユーザーはどんどん低年齢化しており、バカバカしいゲームも多くなっている。しかしAppleは子どもたちが麻薬の製造や取引についての詳細をApp Storeのゲームで学んでいると非難されたくはないだろう。もちろんWeed Firmはいちばん厳しい年齢制限が適用されていたが、子どもたちのiPhoneに保護を設定することを怠っている両親も多い。

これに先立ってWeed FirmはGoogle Playからも削除されたという。 ただしManitoba Gamesによれば削除された理由は内容ではなくゲームの配給会社にあったという。デベロッパーは「適当な配給会社が見つかればPlay Storeに復帰できる」としている。

これについてGoogleがどう考えているか知りたいものだ。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Appleがソーラーパネルとタッチディスプレイの一体化で特許を取得

Appleが最近取得したパテントは、モバイルデバイスが太陽光発電を利用する未来に向かうための一歩だ。AppleInsiderによると、この特許は、従来のタッチパネル表示装置とソーラーパネルの配列を一体化する技術だ。すなわち、可撓性のあるディスプレイモジュールと太陽光発電装置が一つになるので、スペースを節約でき、デバイスのさらなる小型化という近未来の要請にも対応できる。

同社は、この前にも類似の技術で特許を取得している。しかしその特許では、タッチを感取する面が表示装置でもある、とはなっていない。ただ、タッチ面とソーラー面の同一を記述しているだけなので、用途が限定される。

今回の特許では、ソーラーセルがタッチセンサの部位兼ディスプレイの部位から顔をのぞかせることになるので、そのための(太陽光を通すための)技術が鍵となる。たとえば表示面にピンホールを並べるとか、光ファイバを使って光を導く、といった方法がありえるだろう。

AppleがiPhoneやiPadのソーラー化を真剣に考えているのなら、この特許はそれらのための喫緊の技術になる。しかし今のソーラーセルの性能と、高品質なディスプレイを備えたモバイルデバイスの電源要件を対比させると、完全にソーラー化されたiOSデバイスの登場はまだまだ先の話、とも思える。ただし、電池寿命を延命させるための補助的技術としてなら、もしかして…。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AppleとGoogle、相互の特許訴訟を終結させることで合意―「特許制度改革のために協力」

今日(米国時間5/16)午後、AppleとGoogleは「相互の直接の訴訟をすべて取り下げることで合意した。今後両社は特許制度の改革のために協力」していく」という声明を発表した。

これは両社にとって巨大な方針転換だ。両社はAndroid問題にかぎらず、音楽販売から生産性ツール、クラウドストレージ、モバイル・アプリ・ストアまであらゆる分野で競争している。GigaOmが情報源から聞いたところでは、この合意によっておよそ20件の訴訟が取り下げられるという。

発表された声明は以下のとおり。

AppleとGoogleは両者間で直接お互いを相手方とする現在提訴されている訴訟をすべて取り下げることで合意した。また、AppleとGoogleは一部の分野における特許制度の改革でも協力していくことで合意した。この合意にはクロスライセンス契約は含まれていない。.

この合意は対象が限定されており、依然として両社は互いのコア・ビジネスに打撃を与えるような訴訟を起こし、あるいは続行することが可能だ。たとえばAppleはGoogleと密接に協力している会社、あるいはGoogleの製品を製造している会社を訴えることができる。

そうはいっても、この両巨人間のデタント(緊張緩和)は注目に値する。テクノロジー分野では特許訴訟が日常茶飯事となっている。AppleとSamsungの訴訟は最近、Samsungに何億ドルもの賠償金を課す結果になった。この合意は将来の訴訟を禁じていないので、両社が全面的に和解したとはとても言えない。しかし、両社にとって大きな重荷となっている現在の訴訟を過去のものとすることで争いのレベルを下げようという努力していることは見てとれる。

この合意が司法省の反トラスト政策にどういう影響を与えるか注目だ。

IMAGE BY FLICKR USER Martin Bowling UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED)

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Appleはアプリ内購入のための宣伝コードを認めるのか?不吉な予感が

AppleのApp Storeでは前からデベロッパが宣伝のためのコードを作ることができた。アプリ内購入も、ずっとサポートされている。

でも、アプリ内購入のための宣伝コードはどうか? そいつはちょっとクレージーだ。ユーザの仮想猫に与える仮想キャットフードの試供品を宣伝するコードをユーザに見せたいって? あんた、あたまおかしいんとちゃう?

でも、それも変わるかもしれない。

まだ本格的に展開されていない機能のようだが、Appleはゲームの大手Electronic Artsに対して、最新のレーシングカーゲームReal Racing 3の中の、(通常は2ドルの)ゴールドの無料試供の宣伝コードを許容するようだ。MacRumorsの記事によると、148AppsのJeff Scottが、証拠のスクリーンショットを数枚持ってるらしい。

この話のいちばんおもしろい部分は、ユーザがそのアプリをインストールしていなくても、この宣伝コードを使えることだ。すでにインストールしていれば、そのアプリ内購入がアンロックされる。インストールしていなければ、そのアプリが自動的にインストールされる(下図)。

これの何が重要なのか? 何がって、とっても効果的な宣伝方法だからだよ。誰かに宣伝コードを見せて、“アプリをどうぞ!”と言うのなら、まあふつうだけど、ここでは“アプリをどうぞ!”だけではなくて、アプリ内購入の無料試供品の宣伝を、まるでそのユーザだけの特典のようにもちかける。楽勝の売り方だ。

しかしまずいのは、低額のフリーミアムモデルをその気にさせてしまって、App Storeの上位がすべて、ユーザが勝つか飽きるかするまで彼/彼女のおさいふから小額を盗み続けるこそ泥になってしまうことだ。そんながめつい遊覧船が、先ほど出航してしまった。どうする?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Appleはメッセージ入力中に相手のプロフィール写真を大きく表示する特許を取得していた

AppleInsiderは、Appleがアメリカ特許商標局(USPTO)から新しい特許の承認を受けていたことを見つけ出した。この特許はテキスト・メッセージを入力中に相手を間違えないようにするためのものだ。間違った相手にSMSのメッセージを送信してしまうほど最低な失敗はない。取り返しのつかない惨事を招く場合さえある。

Appleが特許を取ったシステムでは、テキストを入力に送信相手の写真を背景に大きくはっきり表示する。これならどんなにうっかりしていても今、誰に向かって送信しようとしているのか忘れる気づかいはあるまい。

グループ・チャットの場合はグリッドか横スクロールで全員の写真が表示される。さらに最後にメッセージを受けた相手をカラーで、他の相手をグレーアウトするなどのコミュニケーションを助ける機能も追加される。

相手の写真が得られない場合は男女別のシルエットが表示される。これでも多少は自分が送信しようとしている相手の属性を知る助けになる。またこの特許では、APIを通じてサードパーティーもこの機能を利用できるとしている。

テキスト・アプリの場合はDMほど間違いを犯しやすくないが、 それでも間違うことはあるし、その結果も同じくらい壊滅的だ。Appleは従来の可能な限りシンプルなUIという方針をある程度犠牲にしても、機能を優先することにしたようだ。それでもどぎついフルカラーで直接画像を表示するようなやり方は避け、透明性をコントロールするというような繊細なデザインを採用している。Appleの特許の通例で、すぐに実際の製品に採用されることはなさそうだが、Appleがユーザー体験のコアとなるような部分でも日々小さない改良を重ねていることのもうひとつの証拠といえるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+