Apple、3月より欧州地域でのMac Pro販売を停止

Image (1) MacPro_3D_Box_34Whit49c4ea2009c5a-620x465.jpg for post 169301AppleのMac Proは、永らく業界ウォッチャーや評論家の議論の対象となっていた。そしてついにヨーロッパでの販売停止が決まった。但し、これはMac Proの売上げがどうこうというような話ではない。9to5Macによると、既存モデルがヨーロッパで導入された消費家電を対象とする新規格を満たしていないということらしい。

この新規格は3月1日から発効する。規格を満たしていないプロダクトについては、今後販売ができなくなる。但し在庫については適用が除外となっており、まだしばらくの間は流通に流れ、消費者のもとに届けられることとなる。

もちろん、Appleが新たなMac Proを開発すれば、再度ヨーロッパでも販売することができるようになる。Mac Proは昨年にも製品アップデートが行われているが、ほんの小さなものだった。同機種に関してみれば、ラインアップを充実するよりも、サプライチェーン側の都合を押し付けたような感じがするほどだ。ちなみにTim Cookは2013年後半に新しいMac Proをリリースするとしているので、ヨーロッパの人びとはしばらくMac Proが入手できなくなるという可能性があるわけだ。

既存モデルがヨーロッパで販売できなくなったことにより、Appleの製品開発サイクルに変更が加えられるのではないかという見方もある。しかし前四半期におけるMacの売上げは減少しており、このような中でごく一部の人をターゲットとしているMac Proのリリースサイクルを早めるということはないのではなかろうか。規格改訂があったとは言え、Appleにとっての優先度は低いものと思われる。

アップデートLoopの取材に対しApple社も、3月1日からヨーロッパ地域におけるMac Proの販売ができなくなることを確認している。

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(翻訳:Maeda, H)

決算で予想を上回ったAppleの株価が下落し, 下回ったAmazonが上がったのはなぜか?

[筆者: Howard Lindzon]
Screen Shot 2013-01-29 at 10.13.36 PM


編集者注記: Howard LindzonはStockTwitsの協同ファウンダでCEOだ。ここはトレーダーや投資家のためのソーシャルネットワークで、アイデアや情報をリアルタイムで共有し合っている。彼の履歴はここ、Twitter上では@howardlindzonへ。

この質問への答をぼくが持っていたら、人生は最高だ。その答への反応が前もって分かっていたら、最高のそのまた上だね。

AmazonとAppleの決算報告直後の株価が互いに逆方向に動いたのは、予想と見通しの問題だ。ウォール街はAppleに対する予想が高すぎ、Amazonに対しては‘別の’予想を持っていた。ウォール街がAppleに期待したのは、‘粗利率’の伸びだ。Amazonに対しては‘利益額’の伸びを期待しなかった。馬鹿げて聞こえるかもしれないが、Appleの決算報告で利益が低く粗利率が大きかったら、株は急騰したかもしれない。今日のAmazonの決算報告で記録的な利益が発表され、利益率は低下傾向を維持していたら、ウォール街は恐慌になったかもしれない。

市場の言葉は独特だから、一般人には理解しづらい。でもそれが、ウォール街の流儀なのだ。スペイン語も中国語も簡単に学べる言語だったら、今ごろはすべてのアメリカ人がそれらを喋れるだろう。株式市場を動かしている大きな要因は、需要/供給、企業の収益、予想、そしてムードだ。しかし金融メディアは見だしネタを求める。ぼくは25年間、投資や株の売買をやってきたが、結局、生き残るコツは恥ずかしいほど平凡、リスク管理だ。最良中の最良と言われるものは、つねに50%の確率で最悪だ。

AppleとAmazonは、最近の少なくとも10年株を持ってた人にとっては、すばらしい投資先だった。Appleはこのところずっと、ウォール街の醜いアヒルの子だった。Appleに関しては、ムードが冷えていた。あの、世界最大で世界でもっとも稼ぐ企業が今や、海図なき海を航行している。ウォール街は突然、Appleの収益や利益率や成長率を予測する方法を失い、お手上げになった。ましてや、これから1年先のムードなんて闇の中だ。でも、でも、…、彼らはトライするだろう。そして、必ず何らかの予想を立て、スプレッドシートに向かう。

Appleを持ってる人(ぼくも)は現金残高や収益〔の健全さ〕を見て、市場は操作されているかまたは壊れていると宣言する(ぼくはしない)。ウォール街は、今のAppleの利益額を織り込まなくなった。先行き見通しが、良くないのだ。Appleでは成長率が数値で低下率を表せるほどまでに鈍化したが、でもこの大きさの企業ならありえることだ。しかしウォール街は、成長の鈍化とGoogleやSamsungから仕掛けられる競争が、ダメージになることを懸念している。Appleはこれまでウォール街に、とってもたくさんのサプライズを与えてきたから、Appleに関しては(Jobs語の)マジックが規準になってしまった。そのAppleがだるくなった今、彼らは安全な逃げ場を求める。

一方Amazonは、ウォール街のアナリストたちの‘利益(額)’指向からすり抜けることができた。Jeff Bezosは手品のような手口で、ウォール街の目が売上の伸びとマーケットシェアとクラウドと、そして今日の発表の…利益率に行くように仕向けた。Amazonは24.1パーセントの利益率を報告し、そしてそれはウォール街をハッピーにする数字だった。

来四半期は、変わるかもしれない。でもぼくは、AppleとAmazonの粗利率方向に視線を維持するだろう。利益額がまた持て囃されるようになるまでは。…ということだな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、第4世代レティナiPadの128GB版をリリース。Wi-Fiモデルが66800円、Wi-Fi + Cellularが77,800円で2月5日より販売開始

retina-ipad

は本当だった。第4世代iPad(レティナディスプレイ)に128GBモデルが追加されることになったのだ。Wi-FiモデルとWi-Fi + セルラーのモデルが用意される。2月5日よりAppleストア、オンラインストア、ないしリセラーから販売が開始になるのだそうだ。

オフィシャルのプレスリリースによると、販売にいたったのは、企業ユーザー、クリエイティブ関連、病院関係などでの利用者に大容量記憶域を提供する必要があると考えたからだとのこと(訳注:日本版のプレスリリースはこちら)。

AppleのWorldwide Marketing部門SVPであるPhil Schillerは次のように述べている。

「1億2,000万台以上を数えるiPadの累計販売台数から、世界中のお客様がiPadを楽しみ、毎日の仕事、学習、遊びに、これまで使ってきたPCよりもむしろ、iPadを活用すべき多くの理由に気づいているのは明らかです。さらに、2倍のストレージ容量と30万本以上ものiPad専用アプリケーションから選べるという圧倒的なセレクションにより、企業ユーザや、教育関係者、アーティストの方々がビジネスそしてプライベートのあらゆる場面でiPadを使うべきさらに数多くの理由を見出されることでしょう」

AutoCadのVP、プロフェッショナル向けオーディオカンパニーであるWaveMachine LabsのCEO、プロスポーツ分析を行うGlobal Apptitudeなどからの推薦の言葉も掲載している。価格も高価なものとなった中、一般消費者がこのモデルを選ぶことは、さほどないことかもしれない。そうした中、専門分野の顧客を獲得して行きたいという意図の表れで、なかなか良い作戦のように思える。iOSデバイスのストレージ容量をあげることで利幅も大きくなるのであれば、本モデルはなかなかの利益をもたらしてくれることになるかもしれない。

販売サイクルの間で、こうした容量追加モデルを打ち出してくるのは、Appleにとってあまり一般的なことではない。とくにiOSデバイスについてはそうだ。これまではハードウェア的な追加を行う場合には、ほぼ年に1度のアップデートスケジュールに則ってアナウンスを行なっていた。9to5Macが128GB版の情報をリークした際、考えられる理由がいくつもあると述べた。中でも、10月にリリースしたシリーズに再度注目を集めることができる点、また今後6ヵ月は大きなアップデートが予定されていない点から、今回のリリースはAppleにとって良い影響を及ぼすものと考えられるだろう。さらにiPadとiPad miniの違いをアピールする意味もあり、さらにはウルトラブックなどのPCに対抗していく意味もある。ウルトラブックなどのPCもストレージの容量は同じ程度のものだ。そしてあちらは一層高価な値付けとなっている。とくに、今回のリリースで名指しした産業分野ではAppleの人気が高いだけに、優位に戦っていくことができそうだ。

9to5Macの先行ニュースもあったことで、今回のニュースは「驚愕の新事実」というほどのインパクトはないのかもしれない。。9to5macはAppleの生産ライン関連からの情報を入手しやすい立場にあり、ニュースの信憑性も高いからだ。そうはいってもリーク情報が流れ、それがかくも早くAppleにより確認されるというのは、なかなか珍しいことではあった。

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(翻訳:Maeda, H)

[噂]Appleの低価格iPhoneはプラスチック製でiPhone 5とiPod touchのハーフみたい

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最新の噂は、みんなにバカにされても、ものともせず、今年出る二機種のiPhoneを予言している。ひとつはかねてから噂のiPhone 5S、もうひとつは途上国をねらったプラスチック製の低価格製品だ。

いずれも確認はされていないが、iLoungeは、低価格のプラスチック製については確かな情報を得ている、と主張している。その記事によると、前面はiPhone 5で裏面は第五世代iPod touch、全体的な形はiPodクラシックに似ているそうだ。

そのプラスチックモデルは最近のiPhoneよりも曲線的だが、裏面はiPhone 3G/3GSみたいにまるくはないという。むしろiPodクラシックのように、フロントパネルからフラットなバックパネルまでがカーブしている。

携帯電話としての顔はiPhone 5とほとんど同じだが、ただ、ディスプレイはiPod touchのようにやや出ている。さらにiLoungeの記事は、その低価格機も4インチ1136×640のディスプレイでゴリラガラスがカバー、レティナの要件を十分に満たしているそうだ。

ボリュームボタンとバイブレータ/サウンドスイッチは、円形ではなく、以前の梨形に戻っている。

第五世代iPod touchのように台座がある、という噂もある。そこには、ヘッドフォーンポート、底部マイクロフォン、スピーカーなどがiPhone 5と同じ位置に載る。ただしレイアウトは、第五世代iPod touchよりもすっきりしているそうだ。

さらに詳しく知りたい方は、噂の原典へどうぞ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、編集部のオススメにポルノが表示されたVineを、App Storeのオススメから削除

AppleはVineのちょっとしたポルノ問題をまだ見逃がしているが、App Storeはこのビデオ共有アプリを「おすすめ」セクションから外した。

このアプリは木曜日に公開され、金曜日にApp Storeのおすすめセクションに登場した。その後、ソーシャル部門のトップとなり、アプリ全体でも4位に上昇した。

しかし今朝(米国時間1/28)、新しいVineユーザーの多くが驚きとともに目を覚ました。アプリ内の「編集部のオススメ」に “DildoPlay”と題したハードコア・ポルノビデオが掲載されたのだ。その結果、どうやらApp Storeは同アプリをストアのおすすめセクションから削除したようだ。通常Appleに選ばれたアプリは、最低1週間は「おすすめ」と呼ばれるこのユーザーフィルターに置かれるのが普通だ。

しかし、App Storeがこのアプリを編集部のおすすめして紹介した最初のツイートはまだ残っている。

なんと皮肉な。

メディアベースのソーシャルネットワークにヌードやポルノが現れることは予想できるが、その種のコンテンツをオススメするのは一線を越えている。後にTwitterは、ポルノが表示されたのは「人的エラー」であったと説明した。

しかし、本当に注目すべきはAppleがどう対処するかだ。

Appleには厳格な「ポルノ禁止」ルールがあり、その厳しさは他のアプリで証明ずみだ(500pxというアプリは、ヌード写真を簡単に検索できるという理由でストアから追放された)

しかし、Twitterは(Facebookと同じく)Appleと提携してAppleのOSにも統合されている。Vineは、誕生以来ちょっとしたポルノ問題はあるものの、Twitterの宝だ。 おわかりだろう。

現時点でアプリはまだApp Storeで入手可能のようだが、このApp Storeの軽いお仕置きで事態が終息するかどうかは、まだわからない。

アップデート:Vineは、様々な検索ワードをブロックすることによってポルノを排除する手続きを開始したようだ。今は大したことは出来ていないが、まだ始まったばかりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Apple、既存の第4世代iPadに128GBストレージモデルを投入か?

hero_slide1新たなApple製品の噂は、ここしばらく途絶えていた。しかしなかなか信頼性の高い9to5macから、新しいiPadモデルの話が聞こえてきた。新しい機種というのではなく、レティナ搭載の第四世代iPadの新ラインアップ(SKU)であるようだ。9to5Macによるとブラックモデルとホワイトモデルがあり、Wi-FiモデルおよびCellularモデルがあるそうだ。従来モデルのリプレイスではなく、追加ラインアップとして用意されるものだとのこと。

従来のモデルとの差別化がどうなっているのかについて、情報源は明らかにしていないとのこと。しかし128GBモデルであるらしいとの情報が出回っているようだ。これは、開発者に渡っているiOS 6.1のベータ版およびiTunes 11に該当デバイスが存在することによる。尚、本機種が教育機関ないし政府関係のみに提供されるものであるという可能性もあるようだ。教育機関向けにまとめ売り価格の設定もあるそうなのだ。

ちなみに、大容量かモデルについてはAppleにとっても確かにメリットのあるものであると噂されてきた。すなわち128GBモデルの投入により、iPad mini以外のiPadにも人びとの注目を集めることができる。それぞれのモデルに対する需要を掘り起こしていくために、大容量モデルを準備するというのは確かに意味のあることだと言える。また、iPadの新機種は昨年10月に登場したものだ。すなわち過去のiPadリリース間隔を見れば、新モデルが早々に登場するということはなさそうなことだ。そのような時期に128GBモデルを投入すれば、秋に予定されているという話の新モデルまでの間、消費者の注意を惹きつけておくことができるかもしれない。また、128GBモデルの投入は、価格面でも意味のあることだ。新たなモデルを最上位機種と位置づけて、現行のモデルよりも高値で販売することができるようになるわけだ。

9to5MacはAppleの小売チェーンと密な繋がりを保っている。そうしたところから判断するに、今回の噂は現実性の高いものと考えることができる。しかし大容量モデルを追加するということに、どれほどの意味があるかということはまだよくわからない。新モデルのリリースによって、売れ行きが活性化するのかどうか、注目してみたいところだ。

Update:価格についても新情報が9to5Macで流れている。Wi-Fiオンリーモデルが799ドル、Wi-Fi + Cellularモデルが929ドルだとのこと。従来モデルと整合性のある価格設定であると言えよう。

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(翻訳:Maeda, H)

サムスン、2012年のスマートフォン出荷台数は2億1300万台。Appleとノキアの合算を上回る

apple-samsungスマートフォン界での覇権をめぐって、サムスンとAppleの戦いはますます激化している。しかし最新のStrategy Analyticsによる統計データによれば、サムスンが30%のマーケットシェアを獲得し、Appleに対するリードを広げつつあるのだそうだ。

レポートによるとサムスンは2012年に2億1300万台のスマートフォンを出荷したのだそうだ。これは単一メーカーによる年間スマートフォン出荷台数の記録になるのだとのこと。サムスンの前の記録保持者はNokiaで、2010年の1億10万台という記録だった。

サムスンはハイエンド(Galaxy S IIIやGalaxy Note II)からローエンド(Galaxy Y等)までを広く手がけており、それもあって市場に受け入れられているようだ。2012年に関していえば、サムスンはAppleとノキアの販売台数を合算したよりも多くのスマートフォンを売り上げたことになる。

iPhone 5のパーツ発注件数が減少したのは、需要が見込めないからではないか等のに関わらず、Appleの方も順調な成長を続けている。全世界で1億3580万台のスマートフォンを売り上げているのだ。シェアにすると19%ということになる。但し出荷台数の年間増加率は46%を記録したのだが、実のところ2011年の統計でもAppleのマーケットシェアは19%となっていた。

ちなみにサムスンとAppleは、両者で全世界スマートフォンの半分程度にあたる台数を出荷したことになる。

ノキアも必死の努力で3位のポジションを確保した。2012年は3500万台のスマートフォンを出荷している。しかしマーケットシェアで言えば前年の16%から5%に落ち込んでしまっている。Microsoftとの連携あ、Lumiaシリーズの爆発を期待しているところだ。

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(翻訳:Maeda, H)

Kantarレポート:スマートフォンの世界的人気はAndroid(サムスン)。但しアメリカと日本ではiPhoneが絶好調

androidrobotAndroidスマートフォンが、昨年末ホリデーシーズンの覇者となった。Android搭載機種の中でもサムスンが絶好調だ。但し、アメリカおよび日本ではiPhoneがトップということになったらしい。この統計を出しているのはKantar Worldpanel Comtechだ。WPPの一部門で、12週間毎に携帯電話の販売統計を出している。また、MicrosoftのWindows Phone OSは、アメリカおよび中国という巨大市場で苦戦が続いているようだ。ヨーロッパでは普及に向けた多少の兆しも見られるようだが、未だにほとんどのところで一桁パーセントの普及に留まっている。

スマートフォン利用率は各国で増加傾向にあり、従来型フィーチャーフォンを上回りそうになっている場所も増えてきている。Kantarによると、スマートフォンの普及率で言うと調査対象国の中でイギリスが最も高く、61%にのぼるのだそうだ。2番手につけているのはオーストラリアで54%、3位がフランスで46%となっている。以下、次のように続く:イタリアとスペインが双方45%、アメリカが42%、中国が39%、ドイツが38%、そして日本が24%(日本では携帯電話の普及率が高く、スマートフォン以前からずっと使っているという人が多いのだろう)。

各地で好調なスマートフォン市場だが、ここを引っ張るのはAndroidだ。12月23日までの12週間におけるスマートフォン売り上げを見ると、さらにリードは広げそうな様子だ。たとえばスペインでは販売されたスマートフォン中、なんと87%がAndroid端末となっている。また拡大しつつある中国でも4分の3近く(72%)がAndroidという状況になっている(その他のデータは末尾に掲載しておいた)。

Androidの中で見ると、首位のブランドはサムスンだ。Kantar Worldpanelのグローバルコンシューマーインサイト部門のディレクターであるDominic SunneboがTechCrunchに話してくれたところによると、ヨーロッパの5大市場(イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、そしてスペイン)における全携帯電話中でサムスンデバイスが占める割合は43%にのぼるのだそうだ。ちなみにアメリカでは27%、オーストラリアでは32%、そして中国都市部では23%だとのこと。但し日本ではこれが6%にまで落ち込む。9つの市場を合算すると、サムスンの販売台数シェアは27%になるのだそうだ。

Appleの強さが光っているマーケットもある。たとえばアメリカ市場もそのひとつだ。iPhone 5が好調で、iOSがスマートフォン全体の中で51.2%を占める。これは昨年比で6.3%伸びている。また日本はiPhoneとAndroidのギャップが最も大きな市場と言えそうだ。iPhone率は66%で、Androidは32%となっている(日本については昨年途中からデータを取り始めたばかりで、過去のデータと比較することはできない)。

ところでKantarは、Androidも飽和点に近づきつつあると分析している。「飽和点」という言葉には2つの意味があるだろう。つまりひとつはスマートフォン全体にわたっての飽和状態だ。フィーチャーフォンからスマートフォンに買い換える需要は一段落し、これからは購入者が減っていくだろうというもの(メーカー全体にとって悪いニュースだ)。また、Androidに対する「飽き」のようなものを意味するものでもあるだろう。たとえば新しいもの好きな消費者などは「次のターゲット」を探して動き出すこともあるとのこと(シェア拡大を狙っているMicrosoftはこれに賭けたいところだろう)。

但し、Kantarの分析では前者の意味が強いようだ。Sunnebo曰く「2012年末の統計では、スマートフォンに用いられるOSの中で、Androidが勝利していました。しかしこの1年での利用者増加率は確実に落ち込んできています。初めてスマートフォンを購入するという人が減ってきているのです」とのこと。

Windows Phoneについてはどうだろうか。ヨーロッパでそれなりの人気を獲得しているのは、現地におけるノキアのブランド力によるところが大きいのだろう。イタリアでは未だにSymbianユーザーがかなりの数にのぼる。昨年末時点のスマートフォン販売台数のうち、20%をSymbian OS搭載機が占めていた。前年比で5%減少はしたものの、まだこの割合を保っているのだ。そしてノキアが大好きだという人が、自然とLumiaに移行しつつあるということもあるのだろう。ハイスペック機と普及機の双方を用意したのも成功だったようだ。ノキアにとってみれば、もっとはやくSymbianから移行すべきだったということになるのかもしれない。そうすればもう少し多くの利用者を獲得できた可能性もありそうだ。

但し、そうは言ってもヨーロッパの主要マーケット全体で見ると、Windows Phoneの占める割合は5.4%に過ぎない。

さらにMicrosoft(およびノキア)は2大市場における結果が全く出ていないのも心配な点だ。Sunnebo曰く、アメリカと中国においては「全く芽が出ていない状態だ」とのこと。アメリカにおけるWindows Phoneの販売割合は2.6%で、中国(ここでも一時Symbianがトップの人気を集めたことがある)では1%にも満たないようだ。「2013年もMicrosoftは苦戦を続けることになりそうです」とのこと。

Kantarは、スマートフォン率が61%に達したイギリス市場についての詳細もレポートしている。メーカー比較ではサムスンがAppleを僅差でリードしているとのこと。販売数中、サムスンが35%を占め、Appleが32%となっているのだそうだ。ちなみにノキアについては「状況が変わりつつあるようです」とのこと。Windows PhoneとSymbianをあわせても6.2%となっているのだ。昨年同時期には50%以上を占めていたのだった。またRIMも在庫がなかなか売れない苦しみを味わっている。RIM好きもBB10を待っているという状況もあるだろう。しかしBlackBerryの率は、わずか6.4%に留まっている。

kantar worldpanel comtech

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(翻訳:Maeda, H)

AppleのTim Cook:Macとの共食いはiPadにとって「膨大なチャンス」

AppleのCEO Tim Cookは、今日の決算報告会見でMacとiPadの共食い問題の可能性について質問に答えた。当四半期のMac売上が大幅に落ち込んだことから、実にタイムリーな質問だった。彼は、供給不足が売上減を招いていることを強調したが、一般論として共食いについても言及し、そこにはiPadにとって、いくつかの重要な意味でチャンスがあることを指摘した。

CookはAppleが「決して共食いを恐れない」こと、なぜなら自社製品を共食いする方がよその誰かにやられるより常に望ましいからだと再度強調した。しかし次に彼は、もっと広くパソコン市場全般の観点から語った。「iPadに関して言えば、ここにはあらゆるチャンスの源がある。なぜなら、Windows市場はMac市場よりはるかに大きいからだ」とCookは言った。「過去に私は、タブレット市場はある時点でパソコン市場より大きくなると信じていると言ったが、今もそれを信じている」

もう一点彼が念を押したのは、iPhoneが持つと言わてきたいわゆる「ハロー効果」で、これはApple製品を初めて購入した利用者は、他のApple製品を買う傾向があるというものだ。iPadにも、この現象を引き起こす潜在力が十分にある。

「もし誰かが初めてのApple製品としてiPad miniかiPadを買えば、われわれは数年にわたってすばらしい体験を得ることになる。彼らが別のiPad製品を買う確率は極めて高いことを知っているからだ。それが起こることに関してわれれは強い自信を持っている。そしてわれわれはiPadでもそれが起きるという証拠をいくつか見てきたので、共食いは膨大なチャンスだと考えている」

共食いは、Appleが常に受け入れてきたことだ。ただしそれは、取って代わる製品の方が追いやられる製品よりも、はるかに大きい売上を得るのが常だからだ。たとえMacが下り坂だとしても、iPadが輝き続ける限り、Appleと上層部にとってそれが限定的な問題であろういうのは真実だ。


[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

Tim Cook、Appleマップの「継続的改善」を約束

近年のApple史上最もがっかりした事件は、iOS 6の独自マップ採用だった。人々は路頭に迷い、そもそもなぜAppleはiOSからGoogleを排除する決断をしたのかと首をかしげた。その後Googleは独自のiOS版を公開し、すばらしい反響を受けている。

今日の2013年Q1決算報告会見で、Tim Cookはこの製品に対するAppleの立場をこう説明した。「われわれは、当社の極めて高い目標に達するまで改善を続ける」。

全面的な謝罪に致る前、Appleはこれが独自マップのごく初期段階であり、まだ始まったばかりであると、再三口にした。

9月中に、Cookはようやくこの件について謝罪し、こう語った。

お客様へ

Appleは、お客様に最高の体験をお届けする、世界で最高レベルの製品を作ることに取り組み続けています。しかし、先週提供を開始した新しいマップは、自分たちに課したその基準に達することができませんでした。お客様にご迷惑をおかけてしていることに対し、心よりお詫び申し上げます。現在私たちは、マップをより良いものにするために最善を尽くしています。

私たちがマップの提供を始めたのは、iOSの最初のバージョンをリリースした時です。その後、時が経つにつれ、ルート案内、音声の統合、Flyover、ベクターベースの地図といった機能を持つ、より優れたマップをお届けしたいと考えるようになりました。そのためには、新しいバージョンのマップを一から作る必要がありました。

Appleの新しいマップを利用しているiOSデバイスの数はすでに1億台を超えており、その数は毎日増え続けています。新しいマップを搭載したiOSデバイスのユーザーが検索した場所は、わずか一週間あまりで約5億にのぼりました。より多くのお客様にご利用いただくほど、マップはより良いものになります。皆様からお寄せいただいたフィードバックに対し、心よりお礼申し上げます。

私たちがマップの改良に取り組んでいる間、皆様にはApp Storeから「地図マピオン」、「地図 Yahoo!ロコ」などの地図アプリケーションをダウンロードしていただけます。Googleマップのウェブサイトにアクセスして、そのアイコンをホーム画面に作成し、マップを使うこともできます。

Appleは、自分たちの製品を世界で最高のものにすることを常に目指しています。皆様がそのことをAppleに期待していることも、私たちは理解しています。私たちはマップがこの極めて高い水準に達するまで、絶えず努力を続けていきます。

Tim Cook
Apple CEO(最高経営責任者)

[Apple日本語版サイトより]

今日の発言は、上の声明を一部繰り返すものだった。

Cookは、アナリストの質問を受けて現状に触れ、「継続的改善」を約束した。

これまでマップにいくつかの改善を施してきたが、今年を通じてさらに改善を続けていく。われわれは、当社の極めて高い目標に達するまで改善を続ける。

これはもう願うしかない。今でも約束の時間を守りたい人たちはいるのだから。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

決算報告当日Apple株が時間外で10%下落–1578日ぶりの落ち込みだ

Stock-Market-Nasdaq

Appleの2013Q1の決算報告が出たばかりだが、投資家たちは納得しなかったようだ。売上は予想に達せず、一株当たり利益は予想を上回った。Apple株(NASDAQ:AAPL)の日中取引は堅調だったが、時間外で10%以上下落し、時価総額の大きなメルトダウンを惹起した。

Apple株のこれだけ大きな下落は、4年ぶりだ。当時はReutersが、Morgan Stanleyは価額目標を178ドルから115ドルに下げた、と報じた。Apple株は2008年に復調した。

前にも書いたように、このところのAppleは多くの不確実性と不安定性を抱えている。しかしそれでも、時価総額の500億ドル減は大きい。Appleは世界でもっとも取引量/額の大きい企業だから、二桁パーセンテージの落ち込みの結果は巨大だ。

Apple株の落ち込みが明日も続く、という意味ではない。四半期決算の期待外れに対する、短期的な反応だ。Appleの利益は、いまだに131億ドルと大きい。そこに、汚点は何もない。

しかも、今日の決算報告は、蓋を開けてみないと分からない、という面が強かった。アナリストや投資家たちは、事前に妥当な予想を立てられなかった。しかしそれでも、Appleの報告内容はアナリストたちの期待にほぼ沿うものだった。Apple株の大きな不安定性は、今日で終わりを告げるのかもしれない。

とはいえ、今日のメルトダウンはApple株にとって一つの節目だ。これまでは何年も、Steve JobsとTim Cookのもとで、着実に成長を続けた。総資産1960億ドルは、時価総額4840億ドルの半分にも近い。つまりこれまでのApple株は、まだ安すぎると思わせる。では、適正価格はどのあたりか? これから、それが分かってくるだろう。

売上と利益に関しては、Appleの最良の四半期だった。しかし、株主たちの期待は、もっと大きかったのだ。

Screen Shot 2013-01-23 at 11.31.31 PM

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、2013年Q1:iPhoneとiPadが共に売上新記録を達成。それぞれ4780万台と2290万台

先ほどAppleは、昨年12月末締め2013年第1四半期決算を報告し、全般的にハードウェア販売が好調だった。中でもiPhoneは四半期に4780万台を売り、前期比、前年比共に伸び、iPadも2290万台で新記録を達成した。

当期は全期間にわたってiPhone 5が販売された初めての四半期であり、年末商戦も大きく後押しした。今月アナリストらは、需要の鈍化によってiPhone 5の生産が削減されたことを示唆していた。

iPadの販売台数2290万台は、昨期の1400万台から大きく伸びた。前年同期の1540万台からも33%増加した。昨期のiPadは、予測を下回った

Appleはモデル毎の内訳を公表していないが、同四半期の大部分に販売されていたiPad miniが、年末商戦と共に売上増に貢献したと見るのが妥当だろう。またAppleが、改訂版のLightningポート塔載第4世代iPadをミニ版と共に発売したことも忘れてはいけない。

しかしながらiPad miniは、利幅が他の製品と比べて著しく小さいことから、埋め合わせるにはもっと売る必要がある。

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Appleはこの3ヵ月間に、4780万台のiPhone販売した。昨期は2690万台、前年同期は3700万台で、対前年比は23%増だった。

アナリストらは、Appleがその最も強い市場である米国、英国などの先進国で飽和状態になり、そのために生産が削減されたと考えている。

しかし、Appleは次世代iPhoneを2種類作っていると噂されており、その一つは新興国市場向けの廉価版だと言われている。

iPodに関しては、カラフルなiPod製品がAppleの減退気味の事業に、なんとかわずかな生命を吹き込むことに成功した。iPhoneの登場によって、明らかにこの事業は食われているが、それでもAppleは1270万台を売り、昨期を530万台上回ったが、対前年比は18%減だった。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Apple、Macシリーズの問題点

apple-gallery10_1470400b本日流れてきたニュースによると、Macの売上げが前年比21%ダウンとなっているようだ。四半期比較で言っても16%落ちている。2013年Q1の販売台数は410万台ということで、これはなかなかの数字だと思う。しかしそれでも昨年からくらべてかなりの減少ということになっているわけだ。投資家がこれに直ちに反応したことはご存知の通りだ。

最近のMacシリーズが抱える問題といえば、レティナ(MacBook Pro等)とそれ以外に製品ラインが分裂していることではなかろうか。新しいMac Proの様子を見てから出ないとデスクトップは買わないと考えている人も多いし、またレティナ好きの人たちは「iMacを使う意味はなんだろう」などと考えこんでしまっている。レティナ版13インチMacBook Proの登場により、ノートタイプを考えている人には選択肢がある。しかしAirの解像度は以前のままだ。いずれも良いマシンばかりなのだが、消費者は「もっと良いものが出るのではないか」と悩んでしまってもいるようだ。

簡単に言って、現在のMacシリーズは2つに分かれているのだ。綺麗な画面のノート型と、そして拡張性はあるが低解像度のデスクトップ型だ。どちらを選ぶのかはなかなか難しい問題で、そして消費者は購入を躊躇うことになる。

ちなみに、販売台数低下にWindows 8が関係しているという意見には反対だ。確かにWindows 8には面白い面もありそうだ。しかしIT関係者も一般消費者も、それほど大きな関心はないように見える。これからWindows 8搭載PCの価格がこなれてきてから、ようやく購入を考える人が出てくるといった具合だと思う。

Macの販売台数低迷を、何か他のデバイスのせいにするということであれば、それはApple自らのタブレットということになるだろう。ノートパソコンではなくタブレットで十分と考える人も増えているようだ。時代が「ポスト・デスクトップ」であることは間違いないのだろう。しかしタブレットで、デスクトップの売上減を支えきるというのは難しいことだ。Appleは人気のタブレットデバイスを作ることで、むしろ自らのクビを締めているという面もある。

株価というのは、さまざまな要因で変動するものだ。ただ、今回の場合はMacの売上台数についての話が大きな影響を与えたのだろう。少なくともApple的標準からすれば「絶好調」とは言い難いのは事実だ。シンプルな対策を考えるのならば、Macシリーズの整理を行なって、消費者の悩みや疑念を消し去ることではないだろうか。

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(翻訳:Maeda, H)

Appleの2013年Q1決算は悲喜半ば:売上545億ドル17.7%増、利益545億ドル横ばい、1株当たり利益13.81ドル

Appleが2013年第1四半期の決算を発表した。売上545億ドル(前年同期比17.7%増)、純利益131億ドル(横ばい)、1株当たり利益13.81ドルだった。

あらゆる投資家、アナリスト、評論家たちが、クパチーノの会社から何らとんでもない数字が出てくることを期待していた。なにしろ1年前の同四半期にAppleは、驚異の売上463億ドル、純利益130.6億ドルを記録している。今期のAppleに関するウォール街の共通見解は(Bloombergによる)は、1株当たり利益13.55ドル売上549億ドルだった。

「540億ドルを超える売上と、7500万台以上のiOSデバイス販売を1四半期で達成できたことを喜んでいる」とCEOのTim Cookは決算報告書で語った。「イノベーションに焦点を当て世界一の製品を作り続けることによって、われわれは当社の製品パイプラインに強い自信を持っている」

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ご想像の通り、Appleのこの好調な財務実績は、同社のハードウェア事業の急成長と強く結びついている。第1四半期が始まった直後、同社はその製品ラインに大量のアップグレードと新製品を投入した。これ以上ないタイミングだった。iPhone 5を別にしても、iPad miniの発売は(iPodとMacBookの魅力的な改良と共に)、年末商戦が本格化した際にAppleがあなどれない存在になることを意味していた。

Appleの最近のハードウェア販売状況は、関連する業績報告からある程度把握されていた。Verizonの決算報告で、同社が当四半期に販売したiPhone 640万台のうち1/4がiPhone 5だったことが明らかになった。しかしAppleも、ついに具体的数字を公表した。当四半期のiDeviceおよびMacの売上実績については、Jordan CrookとDarrell Etheringtonが詳しく解説しているが、短かく言えばこうだ。AppleはiPodを1270万、iPhoneを4780万台、iPadを2290万台売った。

Appleは過去1年間、全般的に好調な財務実績を残してきたが、同社の株価は少々波乱に満ちている。年初は400ドル前後を漂っていた株価は、やがて急上昇して2012年9月中旬には705ドルまで上り詰め、その後今月初めの500ドル以下まで下り坂を続けてきた。恐らく最近人々の頭の中を巡っていたのは、果たしてAppleがこの十分好調な四半期成績をもって株価を上昇させられるかどうかだった。長期的影響は未だに不明だが、本稿執筆時点で、Apple株は時間外取引で終値から5%以上下げている。

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(翻訳:Nob Takahashi)

実際のところ、Androidは安いけれども出来が悪い

初めてAndroidが出てきた時、私にはヒットの予感があった。初期のOSはいただけなかったが ― G1はSidekickの増強版みたいだった ― 私にはAndroidデバイスが世界を覆いつくすであろうと考える単純な理由があった。それが無料であり、キャリアーはJavaスタックや出来の悪い自家製OSの心配をする必要がなくなるからだ。代わりに彼らは、ほぼ全世界中のAndroid機と同じように動くスマートフォンを売ることができる。それは、あらゆる方面からの競争に面していた業界に対すGoogleからの贈り物だった。

そして計画は成功した。しかし、なぜ「フリー」仮説が通用するのか私はかねがね疑問だった。

今日(米国時間1/23)、GizmodoのSam Biddleは、なぜそこまでAndroidが人気なのかを調べたすばらしいレポートを発表した。その電話機は安価であらゆる地域のユーザーに広く受け入れられている。一方iPhone(黒いメタルと豪華なガラスの風貌)はよくて299ドル、キャリアー契約なしなら500ドルはする。Motorola Atrix HDなら契約込みで99セントだ。

Biddleがこう書いている。

常に高価で羨望の的の美しく面取りされたiPhoneと、それ以外全てとの違いは明白だ。iPhoneは広く一般に良いと考えられている。それ以上のAndroid機も十分に良いと考えられている。しかし端的に言ってしまえば、価格の割には十分良いということだ。そしてこの特質は、他のどんな新機能よりもGoogleの〈人民のための電話メーカー〉としての役割を保証している。それは民主的ガジェットであり、一方Appleは、その特権的立場を、眼力のありすぎる上部階層の裕福な財布と繋ぐことに成功したにすぎない。

要するに、スマートフォンの普及にかけて、GoogleはOSを誰にでも無料で与えることによって完璧にこなしている。それは本質的に「完全無料」のソフトウェアであり、メーカーは使える確かなOSを、遅くて出来の悪いハードウェアに載せて安く売ることができる。その結果のAndroid(およびSamsung)人気は、上部より下部の階層によって支えられている。

Biddleは記事の中でさらに深く堀下げているが、このiOSとAndroidの極めて重要な差異を覚えておくことは重要であると私は思う。Androidは勝ち続けている。これは紛れもない真実であるが、Androidは市場のローエンドを猛スピードで吸い込むことによって勝ち続けているのである。 根っからのiPhoneボーイである私でさえ欲しくなるような美しい旗艦スマートフォンでも出て来ない限り、Androidは、最高だからではなく、最安値であることによって世界を征服しつつある。しかし、一たびAndroidがその両方の要素をものにすれば、これは要注意だ。RIMとMicrosoftは叩きのめされ、Appleは、その筋金入りのファン層にもかかわらず、いよいよ真の競争に曝されるだろう。酒飲みなら誰でも言うように、この世には良いウィスキーと安いウィスキーがあり、ごく稀に安くて良い酒もある。Googleは、そのスイートスポットを捕える必要がある。そうなったとき市場はいよいよ軌道に乗るだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)

大画面廉価版iPhone 5Sというバカげた噂。しかも複数モデルだって!?


DigiTimes
(Appleサプライチェーン関連ニュースに特化した中国の当たるも八卦ブログ)が伝えた最新の噂によると、Appleは今年、大型廉価版iPhoneを出す〈のではなく〉、新しい4インチモデルを2機種デビューさせるという。

一つはiPhone 5Sと思われるiPhone 5のアップグレード版で、もう一つは、廉価版iPhoneでおそらく陽極酸化アルミニウムの代わりにプラスチックのカバーを使用する。

しかし、これ以上深入りする前に、これは一つの噂を別の噂で塗り替えているだけで、Appleが発表するまでわれわれは新製品について殆ど知らないということをお忘れなく。しかし、少々の憶測は誰も傷つけない。

まず、最初の噂である大型廉価版iPhoneからスタートして、その後われわれが得た最新情へと移ることにしよう。

大型、廉価版iPhone

iphone5smockInfo:

DigiTimesは、この情報をリークした情報筋が完全に間違っているとは言っていない。この大型モデルは開発中らしいが、今年は出てこないということだ。果たして当初の報道のようにこの大型機種が低所得層を狙ったものなのかどうかは不明だ。

賛:

最新データによるとAppleは米国内で市場シェアおよび販売全般共に好調だが、ヨーロッパや新興諸国は依然としてAndroidが支配している。もしこの大型廉価版iPhoneが新興国向けであるとするなら、少なくとも新スマートフォンユーザー獲得というAppleのゴールとは一致してしているはずだ。

Androidメーカーは、Androidの市場シェアが増すにつれ徐々にかつ着実に画面サイズを大きくしているので、Appleとしてはたとえ本来の方針に反していても、大型機種への移行は論理的な選択といえる。iPad miniも、長い間あり得ないと思われてきた。

否:

Appleは、業界で最も利益性の高い会社であり、それは旧機種を新興国のスマートフォン新規導入層に最適な商品として仕立てることに成功してきたからだ。米国では旧機種価格がキャリアー契約込みで100ドルまで値下がりし、市場によっては一部の国でも値下げが行われている。これはAppleのコストを下げる。なぜなら、1年に1回しかiPhoneの製造・販売を行っていないにも関わらず、ある種の低価格モデルを商品ラインに追加できるからだ。

旧世代iPhoneの売上を食うような新機種を作ることは、Appleのスタイルとは思えない。加えて、大画面の電話機を作るコストは大きいので、それを低価格で売ることはAppleの利益率を下げる。

そうそう、Appleが3.5インチ画面を捨てるのにどれだけかかったかを思い出してほしい。近い将来画面サイズに関するこれ以上の譲歩があるとは私には予想できない。

2013年中に4インチiPhoneが2機種

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巷ではAppleが今年、iPhoneを1モデルではなく2モデル出すと噂されている。どちらも4インチのインセル型タッチパネル内蔵画面と言われている。

賛:

長年Appleは、すっきりと整頓された製品ラインで知られてきた。

ごく最近になって、iPad 4がiPad 3から微妙に仕様強化され、iPhone 5の直後にiPad miniが発表された。史上初めて、Appleはその商品群を多少分散化させたが、理由は単にLightningコネクターへの統一であり、製品の機能強化ではない。

iPhoneは、まちがいなくAppleの宝で最も利益率の高い製品であり、最も多様化から遠い存在だ。しかし、iPhone 5の部品を陽極酸化アルミではなくプラスチック製の殻に詰め込んでやや安く売ることはさほど困難ではない。それは、もっともらしく、論理的ですらあるが、私としては期待するものではない。

否:

既に書いたように、AppleはiPodやiPadなどいくつかの製品で多様化を開始しつつあるように見える。しかし、それは必ずしもiPhoneに同じような機種の多様化が〈必要〉であるという意味ではない。

iPhone 4Sは、さほど魅力的な新機能がなかったにもかかわらずiPhone 4よりも売れた。iPhone 5は4Sより売れた。iPhone 5のプロセッサーをアップグレードし、もしかしたらSiriやAppleマップのような驚きと喜びを与える、クールな(しかしめったに使われない)機能を付加して、5Sとして市場に出す以上のことをする理由はあるのだろうか。

もう一つの新iPhoneはプラスチック製のカラフルな筺体

info:

以前の、DigiTimes以外の報道によると、もしAppleが、予想されるiPhone 5Sと共に第2のiPhoneモデルを出すとすれば、iPhone 5の陽極酸化アルミニウムでもiPhone 4/4Sのゴリラガラスでもなく、プラスチック製の筺体を使うという。この報道には矛盾があり、裏面はやはり陽極酸化アルミニウムにプラスチッムまたはゴムのベゼルで作られるという意見と、裏面全体がプラスチックだとする意見がある。カラーバリエーションまであるという可能性もある。

Screen Shot 2013-01-22 at 2.09.48 PM

賛:

私には到底プラスチックiPhoneを支持する気になれない。理由は上と下に挙げた。

しかし、カラフルiPhoneというアイディアは完全には捨て切れない。iPodファミリーとの相性は良さそうだし、iPodタッチが未だに(プラスチックではなく)アルミニウム製であることを思い出してほしい。Appleが黒い羊から「メー」と鳴く羊の群れになった今、カラーバリエーションは理にかなっている。

クローズドなエコシステムとわずか2色のカラーしかない中、形状にせよ外観にせよAppleユーザーに何らかの方法で差別化する方法を与える意味はある。カラーは、デバイスに対するわずかな制御権を消費者に与えつつ、色を選ぶ以上の本質的制御権は与えない最も費用効果の高い方法に思われる。

否:

Apple製品を持つことは一種のステータスシンボルだ。しかしAndroidの主力モデルが機能その他でiPhoneと肩を並べ(時には凌駕し)、どこにでもiPhoneがある今、そのシンボル価値は少々下がり気味だ。AppleのiDevice群にプラスチックがないという明白な特徴は、このレベルのステータスを維持する重要な役割を担っている。

もちろんプラスチックiPhone採用の主目的は消費者にとっての低価格だが、Appleには、製品に対する一切の犠牲も許さない伝統がある。たとえそれがユーザーにとっては意味があっても。

私は次期iPhoneのカラーバリエーション説には同調するが、クパチーノから近い将来プラスチックが出てくること関しては強く疑念を抱いている。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Verizonの2012年Q4報告:スマートフォン販売台数中63%の620万台がiPhone。うち半数がiPhone 5

iPhone-5Verizonの直近四半期の収益報告を行った。それによると、Verizonが取り扱っているスマートフォンの中では、iPhoneがトップセラーであったのだそうだ。Appleのスマートフォン売上げが、Verizonの全スマートフォン売上げ中で63%を占めている。全機種の売上台数は980万で、Appleが620万だったとのこと。Verizon CFOのFran Shammoによれば、この620万のうち、半数が4G対応のもの(すなわちiPhone 5)であったそうだ。

前四半期と比較してみると、iPhoneの売上げはかなり伸びている。これは直近四半期がホリデーシーズンを含むものであったことを考えれば当然のことと言えよう。2012年の第3四半期では、Verizonは全機種販売680万台中、310万台のiPhoneを売り上げている。Appleの占める割合は45%だったことになる。すなわち割合的にも最近の四半期の方が大きくなっており、この伸びを主に支えたのはiPhone 5であるようだ。と、いうのもQ3段階では31%に過ぎなかったiPhone 5が、Q4では50%程度に伸びているのだ。もちろんこれには、登場時期がQ3途中であったことも影響している。

ちなみに、昨年同時期のiPhone 4Sと比較してみるためのデータはない。2011年Q4には420万台のデバイスを売上げ、やはりAppleがかなりの割合を占めていた。しかし当時はiPhone 4Sと、それ以前のモデルを別にカウントしていなかった。したがって売上台数のうち、どれだけが旧機種であったのかがわからないのだ(iPhone 5については、「4G対応」ということで、他の機種と区別して考えることができる)。

いずれにせよアメリカ国内におけるiPhone需要にはまだまだ大きなものがあると言うことができると思う。Verizonの統計を見れば、むしろ拡大しているということすら言えそうだ。iPhone 5用の部品発注を削減しているということが言われている中、なかなか興味深いデータとなっている。

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(翻訳:Maeda, H)