Twilioが現場作業員向けの無料の1対1動画ツールキットと新しいIoTプラットフォームを発表

米国時間9月30日、Twilioは毎年恒例のSignalカンファレンスを開催した。いつものように同社はこのイベントを利用して、多数の新製品や新機能を発表した。大部分の内容は、特にウェブやモバイル開発者にとっては画期的な新機能は披露されなかった。Twilioのコアサービスは、何と言ってもウェブサービスAPIを利用して電話の発着信やテキストメッセージの送受信などを実現する機能だ。本日の発表は、Twilioのプロダクトエコシステム全体のエッジ部分を強化する内容だった。

少なくともほとんどの開発者の視点での最も興味深いローンチは、おそらく「TwilioのVideo Web RTC Go」の一般公開だろう。この無料のビデオサービスを利用すれば、ウェブやモバイルアプリケーションに1対1のビデオチャットを追加することができる。

Twilioによると、これは無料トライアルではなく、Twilioのリレーを経由して月25GBの帯域幅、つまり約10万人ぶんの参加者に制限されているという。ロギングや診断機能も利用できる。フリーミアムモデルだが始める際にはさまざまな制限がある。帯域がもっと必要な場合は、もちろん有料プランアップグレードすることも可能だ。

Twilioのプラットフォームおよび開発者エクスペリエンス担当シニアディレクターのQuinton Wall(クイントン・ウォール)氏は「Twilio Video WebRTC Goは無料サービスで、開発者がが遠隔学習などのために1対1のビデオ接続を構築するための無料サービスです。クライアントは、新型コロナウイルスの感染蔓延によって加速した新しいユースケースに必要なものをすべて相談できます」と語り。そして「私たちが本当にやりたかったことは、すべての障壁を取り除き、WebRTCの上に構築するために必要なすべてのツールを提供する無料の層、そして永遠に無料の層を作ることです」と続けた。

オリンパスデジタルカメラ(画像クレジット:オリンパス)

2つ目の大きな発表は、Twilioの最新IoTサービスであるMicrovisor IoTプラットフォームの提供が開始された点だ。Twilioは今年初めにIoTハードウェアとソフトウェアのスペシャリストであるElectric Impを買収(未訳記事)しており、IoTへの取り組みを開始した当初は、Electric ImpのSuper SIM(世界174カ国344のネットワークに接続できるSIM)製品(未訳記事)によるセルラー接続からスタートしていた。Microvisor IoTプラットフォームの背後にある考え方は、組み込み開発者がコネクテッドデバイスを構築するために必要なすべてのツールと、それらをアップデートして安全に保つためのライフサイクル管理ツールを提供することだ。

Twilio IoTのGMであるEvan Cummack(エバン・カマック)氏は「TwilioがIoT市場を深く掘り下げていくと、各社の多くのプロジェクトが失敗に終わっていることがわかりました」と語る。「顧客の状況を個別に調べたところ、多くの失敗の原因が見えてきました。エンドユーザーが何を求めているのか、エンドユーザーの体験、価値やビジネスモデルなど、根本的な判断ミスが原因であることもありますが、多くの場合は技術的な問題であったり、技術的な課題があまりにも急峻であったためにROI(投資利益率)の方程式が崩れてしまったことが原因でした。必要な技術的努力を正当化するために十分な価値を提供できなかったのです」と説明する。

Electric Impの買収によって、Twilioはフルスタックプラットフォームを手に入れた。しかし、カマック氏が指摘するように、ほとんどの企業はこれらのプラットフォームを購入しない。その代わりに、ゼロからソリューションを構築しようとしている。Twilioの仮説では「これらのデバイス用のネイティブコードを書けるようにしたいと考えているため、そうしているのだ」という。これをフルスタックプラットフォームの利便性と組み合わせるのは難しい。

画像クレジット:Twilio

そこでTwilioチームが考え出したソリューションは、この新しいソフトウェアプラットフォームとArmの最近のハードウェア技術革新であるArm TrustZone Technology(Armサイト)を組み合わせたものだ。ArmのTrustZoneハードウェア分離機能をコアに据えることで、Microvisorプラットフォームは最新のCortex Mベースのプロセッサを使用するデバイス上でのみ動作する。その見返りとしてユーザーは、リモートデバッグ機能に加えて、セキュアなブート機能、無線でのファームウェアアップデート、デバイスに接続するためのセキュアなトンネルを得ることができる。

これは開発者が、音声、SMS、Super SIM、TaskRouterなどを介したワイヤレス接続など、Twilioを利用したすべてのエクスペリエンスからデータを集約するのに役立つ新しいAPIとなる。これは、ユーザーがこれらのチャネルがどのように利用されているかをよりよく理解できるようにすることを目的としたもので、請求書を理解するためのものではなく、ビジネスが顧客とどのようにやり取りしているかを分析するツールを構築するためのものだ。

画像クレジット:Twilio

そして最後にTwilio Frontlineだ。これは開発者向けの製品ではないが、顧客とコミュニケーションを取る必要があるかもしれないフロントラインワーカー(エッセンシャルワーカー)のためのReact Nativeベースのアプリとなる。

外で待っている顧客と話をする必要がある店舗の従業員のことを考えてみてほしい。このアプリはチャットに特化しており、SMS、WhatsApp、ウェブベースおよびアプリ内チャットクライアントをサポートしている。Frontlineは、既存の企業認証やCRMシステムと統合することも可能だ。

画像クレジット:Robert Alexander/Getty Images / Getty Images

カテゴリー:IoT
タグ:TwilioWeb RTC 

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(翻訳:TechCrunch Japan)

TwilioのビデオプレーヤーがZocdocの遠隔医療サービスに採用

電話やメッセージの発着信サービスを展開するTwilioのビデオプレーヤーが、Zocdocが米国時間5月13日から顧客向けにローンチする新しいビデオコンサルサービスのバックボーンとして採用されることが明らかになった。両社は声明で発表した。

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が米国のヘルスケア業界に影響を与える中、より多くのサービス提供者が医療相談を遠隔地から行うようになり、全世代の消費者がバーチャルケアに移行することを奨励している。

Zoomなどのほかの動画サービスと同様に、Twilioの動画サービスの利用は急増している。同社によると、ピーク時の同時参加者数は850%以上、1日の動画視聴時間は500%以上の増加という。また、ヘルスケア分野の顧客は同プラットフォームの帯域幅を90%増加させたという。

「Zocdocの新しい遠隔医療ソリューションは、医療従事者と患者がバーチャルケアを最も必要としている時代にビデオ訪問を利用しやすくします」とTwilioでヘルスケアサービス部門のグローバルヘッドを務めるSusan Collins(スーザン・コリンズ)氏は声明で述べている。「Twilio Programmable Videoのソフトウェアの俊敏性とクラウドのスケール性により、Zocdocは数週間でリモート訪問を利用できるようになった。我々は、顧客と医療従事者がヘルスケアプロバイダーにサービスを提供し、医療を必要とする人々に治療を提供し続けられることを誇りに思う」。

Twilioは、パンデミック期間中における新規顧客への売り込みの一環として、ヘルスケアや教育、非営利団体を対象に、6月30日までに登録した場合に限り3カ月間の無料サービスを提供する。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Twilioが電話越しの支払いを簡単にする

例えば航空券を変更するために、あるいは期限ギリギリの請求書への支払いをするために、電話越しに支払いをしようとすると、まるで時代遅れの手続きのように感じられる。担当者に向かってクレジットカード番号を読み上げ、続けて有効期限とセキュリティコードを伝える。このプロセスの中で、いくつかの数字を間違えて、プロセスをやり直すこともしばしば起きる。Twilioはこれを、もっと簡単にしたいと考えている。同社は本日(米国時間10月17日)、このプロセスから面倒とセキュリティ上の懸念を取り去ることを目的とした新しいプロダクト”Pay”を発表した。

PCI準拠のTwilio Payは、企業が自動音声応答システムやコンタクトセンターの係員を通して、簡単に支払いを受け取ることを可能にする。そして、これはすべて、クレジットカードのデータを係員に伝える必要なく行われるのだ。その代わりに、係員や電話応答システムが、支払いプロセスを起動することができる。そのプロセスはPayによって処理され、利用者に番号を安全に入力させる。そしてクレジットカードのデータはトークン化され、安全に処理される。人間のエージェントが見るのは、すべての支払いが処理されたことだけだ。

Twilioは成功したトランザクション1件につき、0.10ドルの請求を行う。

開発者にとっては、この機能を既存の仮想コールセンターや音声応答システムに追加するためには、数行のコードを追加すれば良い。Payはまた、Twilloのドラッグアンドドロップ式ローコード環境である、Twilio Studioに統合される。当然のことながら、急速に成長しているというTwilioのFlexコンタクトセンターソリューションでは、すぐに使用することができる。

Stripeは、Twilioが最初に協業したペイメント処理業者だが、プラットフォームは他社にも公開されている。

Twilio Payは現在パブリックベータ版で、2019年前半に一般公開される予定である。これは、米国およびいくつかの国際マーケットで利用可能になる。その国際的なアベイラビリティは、主にTwilioのパートナーがサポートしている市場に依存する。

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(翻訳:sako)

画像クレジット: Chainarong Prasertthai / Getty Images

TwilioがメールのAPIを提供しているSendGridを$2Bで買収、オムニチャネルサービスの充実のためか

今や至るところで使われている通信プラットホームTwilioが今日(米国時間10/15)、メールのAPIを提供しているSendGridを、約20億ドルの株式取引で買収する、と発表した。これはTwilioのこれまでで最大の買収だが、どちらも業務の中心がデベロッパーにとって使いやすい通信プラットホーム(主にAPIの提供)の構築である、という点では共通している。

Twilioの協同ファウンダーJeff Lawsonが、今日の発表声明で述べている: “両社は同じビジョンと、ビジネスモデルと、同じ価値を共有している。デベロッパー向け通信プラットホームの二つのトップ企業がこうやって合体することは、一生に一度の機会であり、これにより、顧客のエンゲージメントの変革を志向しているすべての企業にとって、迷いなく選べるプラットホームが作られることになる”。

SendGridはTwilioの完全子会社になり、その普通株はTwilioの株式に変換される。両社は買収の完了を2019年の前半と見ており、それまでに当局の承認も得られると思われる。

Twilioの現在のフォーカスはオムニチャネルの通信にあり、言うまでもなくメールはその重要な要素のひとつだ。すでに同社は音声やビデオ、チャットなどでは豊富なサービスを提供しているが、これまではなぜか、メールが欠けていた。今回の買収で同社はいきなり、この分野の専門技術をデベロッパーに提供できることになり、サービスの種類が拡大される。

SendGridは、2017年に上場した。そのときの株価は、16ドルだった。今日では、買収の発表の前の時点で31ドル弱だったが、当然ながら発表と同時に急上昇した。それでも先月の36.5ドルより低いが、ご存知のように今株式市場は全体的に軟調である。

この発表は、Twilioの例年のデベロッパーカンファレンス(10/17-18)の直前に行われた。そのときには、SendGridについて詳しい話が聞けるのではないか。

本誌も今Twilioに詳しい情報を求めているので、何か得られ次第この記事をアップデートしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

TwilioがLINEのサポートを追加

開発者がアプリケーションに組み込むことのできる、コミュニケーションプラットフォームを提供するTwilioは、本日(米国時間4月24日)Twilio ChannelsにLINEサポートを追加したことを発表した。これによって、Twilio開発者たちは、現在毎月1億6800万人のアクティブユーザー(そのほとんどは日本、タイ、台湾、インドネシアに居住している)を持つ、このサービスのユーザーにアクセスできるようになる。Twilio ChannelsにおけるLINEサポートは、現在ベータ版だが、試してみたいすべての開発者が利用できる。

今回の追加で、メッセージの送受信を可能にするTwilio Channelsは、Facebook Messengerから、Slack、WeChat、Kik、そして新しいRCSテキストメッセージング規格に至る、最も一般的なメッセージングプラットフォームの多くをサポートすることになる。このリストに欠けている有名どころにはWhatsAppとSnapChatがあるが、この両者にはTwilioを簡単に統合できるAPIが存在していない。

当然ながら、このLINEサポートは、同社のドラッグ&ドロップアプリビルダーであるTwilio Studioと、最近発表されたTwilioのコンタクトセンターソリューションであるFlexの中でもサポートされている。

Twilioの、バイスプレジデント兼メッセージング担当ジェネラルマネージャであるPatrick Malatackは「最も成功した組織は、顧客が好むチャネル上で、シームレスで洗練された体験を提供することが、差別化の手段であるということを認識しています」と語る。「開発者のみなさんに信頼していただいているのは、Twilioを使ってこうした体験を構築する際に、彼らの顧客が好むコミュニケーションチャネルをサポートする1つのAPIを、今もこの先も安心して使い続けることが可能だということです。私たちはTwilioプラットフォームにLINEのサポートを追加することにわくわくしていています。どんなサービスが登場するのかがとても楽しみです」。

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(翻訳:sako)

デベロッパーでなくても誰でも通信機能のあるアプリケーションを容易に作れるTwilio Studio

Twilioはデベロッパーが自分のアプリケーションに通信機能(オーディオ、ビデオ、テキストなど)を容易に組み込めるためのAPIサービスとして長年有名だが、しかし今日(米国時間9/19)同社が非公開プレビューで立ち上げたTwilio Studioは、デベロッパーでない人びとを対象にしている。

あくまでも通信APIのプロバイダーという同社の本来の土俵にしっかりと立ってはいるのだが、しかし今回のプロダクトは、デベロッパーではなく“だれもが”、音声応答システムやメッセージングボット、通知ワークショップなど顧客のエンゲージメントのあるアプリケーションを、Web上のドラッグ&ドロップ方式で作れる。今のところ、ビデオはまだ使えない。なお、Twilioのマーケティング戦略としては、通信〜コミュニケーションを中心とするユースケースにフォーカスしているけれども、作れるアプリケーションの種類はそれだけではない(もっといろんなアプリケーションを作れる)。

Twilio Studioは特定の種類のアプリケーションを作るための、コーディング不要のサービスだが、実はプロのデベロッパーも対象にしている。Twilioのプロダクト担当VP Pat Malatackはこう語る: “これによって、こういうユーザー体験〔==アプリケーション〕を作れる人の数が大幅に増えるけれども、しかしこんなワークフローを今実際に作っている多くの企業の既存の技術者にとっても、すごく便利なんだ”。

というかTwilio Studioには、同社のサーバーレスプラットホームTwilio Functionsが組み込まれている。StudioでTwilioの既存のAPIのほとんどにGUIでアクセスできるけれども、ドラッグ&ドロップのインタフェイスでは、コードを直接書くことに比べると柔軟性が失われがちだ。しかし機能の呼び出し形式が単純なサーバーレス方式のおかげで、デベロッパーが仕事をした後でも、誰もが容易にアプリケーションに変更を加えることができる*。〔*: サーバーレスでは、アプリケーション側が‘呼び出す’というより、むしろアプリケーションはAPI側がイベント(ここでは主に通信イベント)発生時に呼び出すべき機能を‘指定して’おくだけ。なので、ノンデベロッパープログラミングでも柔軟性が維持される。〕

Twilio Studioの料金は、アプリケーションの利用量がベースだ。やや制限のある無料プランでも、作れるフローの数に制限はないが、プロダクション向けに機能の完備した“Plus”では、月額99ドル+顧客のエンゲージメント一回につき0.5セントだ。今後登場するエンタープライズプランでは、もっと大規模な実装が可能になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

‘サーバーレス’のブームに乗り遅れなかったTwilio Functionsはデベロッパーがサーバーのことを忘れて通信アプリケーションを書ける

デベロッパーに通信APIを提供しているTwilioが今日(米国時間5/25)、Twilio Functionsというものを立ち上げて、世に言う“サーバーレス”プラットホームの仲間入りをした。FunctionsもAPIの一種だが、これを使うとデベロッパーは、サーバーの運用とかインフラストラクチャの管理、スケーラビリティなど低レベルの問題をすべて忘れて、自分のイベント駆動アプリケーションの構築に専念できる。

Twilioの今日の発表声明でプロダクト担当VP Patrick Malatackはこう言っている: “コードは書くことはクリエイティブな仕事だから、たとえばクラウドを利用する通信アプリケーションを作るデベロッパーや企業は、顧客がそれから得る体験に集中すべきであり、サーバーの管理に時間と精力を取られるべきではない。通信の未来を築くのはデベロッパーの創造力であり、Twilio Functionsはそれを支える。これを利用するデベロッパーの仕事ぶりを見るのが、今から待ち遠しい”。

というわけで、インフラのメンテナンスやスケーリングに煩わされることなくデベロッパーは、一連のファンクションを使って自分のコードをTwilioのプラットホーム上で動かせる。たとえばそれは、新たにSMSのメッセージが来るたびに何かをするアプリケーション、だったりするだろう。具体的には、デベロッパーはJavaScriptでコードを書く。するとTwilioはそのコードをNode.jsの標準的な環境で実行する。そのNode.js環境は、Twilioのインフラ上にある。

率直に言って、“サーバーレス”は、ぼくのあまり好きくないバズワードの筆頭だ(“ハイパーコンバージド”と肩を並べるかな)。たしかにそれは、サーバーなどのインフラを抽象化してデベロッパーの念頭から消し去ってしまうけれども、プログラミング上の重要な含意は、それよりむしろ、入ってくるイベントに対応してコードの実行がトリガされる、イベント駆動型のプログラミングである、という点にある。

このイベント駆動モデルのもうひとつの約束は、計算機資源の使用料を、実際に使ったぶんだけ払えばよい、ということにある。たとえばTwilio Functionの場合は、最初の10000リクエストは無料、その後は1リクエストごとに0.0001ドルだ。リクエストに(==イベントに)応じて、静的ファイルをサーブしてもよい。その場合も、最初の10000リクエストは無料、その後は1回につき0.0001ドルだ。

これらすべてを動かすのがTwilio Runtime、そこにはヘルパーライブラリやAPIのキー、構成済みの諸資産、デバッグツールなどがある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

これはエイプリルフールではない:Twilioが20世紀の遺物技術「FAX」にも対応

歴史的には電話よりも発明が先だったと言われるファックスだが、1850年代にイタリアで考案された、この20世紀の遺物ともいえる技術に、21世紀初頭にIPOしたばかりのコミュニケーションプラットフォーム「Twilio」が対応した。

これはエイプリルフールのジョークではない。むしろジョークに思われるのは、2000年頃には「5年後には市場からなくなる」と関係者が考えていたものが、まだまだ日本では現役で元気に使われているという現実だ。

富士ゼロックスグループ関係者によるこのPDF資料によると、2005年の段階でもファックスは年間1100万台の出荷数を誇っていた。その後さらに5年が経過した2010年には74%減となったものの、それでも年間286万台。その後は微減を続けているものの2015年でもまだ年間200万台以上を出荷する市場規模となっている。耐用年数を考えると稼働台数はさらに多いと考えられる。総務省のまとめた2015年の統計によれば、ファックスの世帯保有率は2014年でも41.8%とまだまだ高い。

Twilioを日本で提供しているKDDIウェブコミュニケーションズにれば、特に政府や医療、金融、法務など機密性の高い文書を扱う業務では、依然としてウェブアプリなどを導入するにいたっていないこともある。文書の受信履歴が残り、これが電子メールや文書よりも法的にに有効であるという事情もあるという。

一度慣れたツールを使い続けることは自然なこと。日本国民の年齢の中央値は46.9才だが、例えばアメリカは37.9才、中国は37.1才。世界平均は30.1才、インドは27.6才だ。近年60才以上でもメールやスマホの普及は見られるが、日本でファックスが長く残っているのは、小規模事業者における労働者の高齢化とも関係しているのではないかと個人的には思う。後継者難にあえぐ業界の多くの現場では、10年前と同じ面々が、10年前と同じツールで仕事をしているということなのではないだろうか。タイプライターという段階を経なかった日本でPCの普及が遅れた、ということもあるかもしれない。

理由はどうあれ、Twilioのファックス対応はシステム開発をしている人たちには朗報だろう。ファックスは多くの現場の伝票処理などのワークフローに組み込まれている。ここをシステム化して少しでも自動化することには価値がある。「TwilioプログラマブルFAX」と名付けられた新機能では、1ページ辺り1.5円+通信費(日本の固定電話宛なら5.4円/分)で利用できる。月間100ページまでは通信費のみで利用できる。リリース当初は送信のみだが、今後クラウド受信も可能になるという。

Twilioはクラウド経由のAPIによって公衆電話網に接続し、電話の発呼や着信、音声案内を始めとするサービスを開発できるサービスを提供してきた。ダイヤルトーンによるナビゲーションシステムなんかもネットで使われる一般的な開発言語を使ってできるのがメリットだ。つまりネット側のシステムと電話の両方をネット系開発者はTwilioによって結ぶことができる。それがファックスに対応したのだからシステム開発の幅が広がりそうだ。

あくまでも原理上の発明なので現代のファックスとの技術的連続性は大きくはないけれど、1866年のファックスの原案をみていると、150年が経過してイノベーション(?)が継続していると考えると感慨深いものがあるよね。

TwilioがSuper Networkの機能充実のために効率的なメッセージ配布技術を誇るBeepsendを買収

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Twilioが四半期決算報告で、スウェーデンのSMSメッセージングサービスBeepsend買収した、と発表している。買収の目的は、Twilioのグローバル複数キャリア接続サービス/API、Twilio Super Networkの機能拡充のためだ。

買収の価額等は、公表されていない。

Beepsendの基本コンセプトは、“テキストメッセージはどれも同じではない”だ。そこでSMSメッセージのトラフィックを複数のセグメントに分割し、それらをプライオリティで分類することによって、費用効率を高める。たとえばテキストによるアラートは即対応を要するが、それほど時間条件が厳しくないトラフィックもある。そうやってメッセージの要求タイプを分類できることは、Twilioにとっても通信を効率化し、同社プラットホームの費用効率を上げることにつながる。

6月にTwilioのCEO Jeff Lawsonは、AmazonのAmazon Simple Notification ServiceによるSMSメッセージングは、Twilioが支えている、と発表した。つまりAmazonも、TwilioのメッセージングAPIのユーザーなのだ。

同社のブログ記事で、プロダクト担当のディレクターBenjamin Steinが、BeepsendのチームはTwilioに加わり、Twilioのプラットホーム上で、“SMSメッセージングトラフィックのセグメンテーションやルートモニタリング、アナリティクス”などの機能を強化していく、と述べている。

この買収によってわれわれは、われわれのネットワークリーチの幅と深さの両方を拡大し、顧客のメッセージングニーズにさらに多くのデリバリオプションを提供していく。さらにまた、これによって、グローバルな通信ネットワーク〔Twilio Super Network〕に、さらなる冗長性と強靭な自己回復力が加わる。この買収は、Twilioが毎日のように、顧客のための改良改善を継続していることの、ほんの一例にすぎない。

Beepsendの40名の社員はそのまま残り、会社そのものも従来どおり操業を続ける、とVentureBeatは報じている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

TwilioがWebRTCメディア技術のKurentoを買収、さらにWebRTCのモニタリングサービスVoice Insightsを立ち上げ

SAN FRANCISCO, CA - SEPTEMBER 12:  Founder and CEO of Twilio Jeff Lawson speaks onstage during TechCrunch Disrupt SF 2016 at Pier 48 on September 12, 2016 in San Francisco, California.  (Photo by Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch)

Twilioは今、同社のカンファレンスSignalのヨーロッパバージョンロンドンでやっている。その同社が今日(米国時間9/20) 、6月にIPOに成功して以来初めての買収を発表した。

ちょっと話はややこしいが、しばらく我慢を。Twilioが買収しようとしているのは、WebRTCによるプロプライエタリなメディアプロセシング技術で、それを開発したのは、オープンソースのWebRTCメディアサーバーKurentoを開発したチームだ。Twilioはそのチームを雇い、オープンソースでない技術をすべて買収するが、しかしオープンソースの方のプロジェクトを管理しているスペインのTikal Technologiesは、そのオープンソースプロジェクトとコミュニティの管理を今後も続ける。

Twilioがローンチしたのは2007年だが、買収は今回が二度目だ。最初のAuthyは、二要素認証などセキュリティサービスの企業だった。今日発表された買収は詳細が非公開だが、それほど巨額ではないだろう。

Twilio自身も今後マドリッドにオフィスを開き、Kurento Media Serverの技術を利用して大きなグループによる起呼や、コード変換、録音録画などのメディア処理機能をTwilio Programmable Videoに加えていく。

TwilioのCEOで協同ファウンダーのJeff Lawson(上図)は、今日の発表声明でこう述べている: “TwilioとKurentoのチームは、デベロッパーに強力なプラットホームと簡明なAPIを提供していくという共通のビジョンを共有している。デベロッパーの能力を増し、それによって通信の未来を切り拓いていく、というTwillioのミッションがまた一歩前進することになり、Kurentoを作ったチームの力を借りて弊社のビデオプラットホームをより多機能にしていけることを、大いに喜んでいる。それらを利用してデベロッパーたちが、どんなすばらしいプロジェクトを作るか、それが今から楽しみだ”。

同社によると、今後のKurentoのメンテナンスと改良に関しては、Tikalとも協働していく。

WebRTCのアナリティクス

WebRTC関連でもうひとつ: Twilioは今日、Voice Insightsのローンチを発表した。このサービスを使ってデベロッパーは、WebRTCで通信しているネットワークやデバイスのパフォーマンスをモニタできる。しかもそれだけではなく、得た情報に基づいて、それらへの対応アクションをプログラミングできる。たとえば発呼者の通信量が急に減ったら、そのユーザーに通知を送ってマイクロフォンが突然ミュートになってないか調べてもらう、など。ネットワークの問題はVoice Insightsのダッシュボードでチェックでき、集めたすべてのデータを利用して独自のアナリティクスを構築できる。

この新サービスはまだベータだが、料金は1起呼あたり0.4セントだ。

これによってTwilioは、Callstats.ioなどのスタートアップと競合することになる。同社は最近、300万ドルを調達して、独自のWebRTCモニタリングサービスを強化している。しかしすでにTwillioを使ってWebRTCのアプリケーションを運用しているデベロッパーは、Twilio自身のモニタリングツールを使うのが便利かもしれない。ひとつのダッシュボードで、通信のインフラストラクチャのすべてをモニタできるのだから。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Waiterは、あなたに代ってカスタマーサポートの電話を待ってくれるサービス

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サポート電話で待たされるが好きな人などいないが、担当者が空いた時に電話をかけてくる会社はほとんどない。

その結果私たちは延々と待たされ、挙句の果てに電話をかけていることを忘れてしまい、相手に切られたり時間切れになったりする。いずれの場合も待った時間は無駄になる。

今日のDisrupt SFハッカソンで、 Ang LiJiang Chenは、あなたに代わって電話を待つAI ロボット、Waiterを作った。

しくみはこうだ。

まず、Waiterの専用番号にかけると、カスタマーサービスの番号をダイヤルするよう促される。するとWaiterは、企業とあなたとWaiterの3者通話を設定する。

img_1369ユーザーは、カスタマーサービスに必要な所定の操作(アカウント番号の入力等)を終えたら電話を切ってよい。あとはロボットが相手の出るのを待ち続ける。

その後Waiterは、“hello can you hear me” と何度も呼びかけを続け、担当者の声(hello、how are you 等)を検出したら、少し待ってくれるよう伝えてあなたにダイヤルする。

開発チームはこの “hello can you hear me” プロンプトを、チューリングテストになぞらえている。実際に担当者が出てきた時にだけユーザーを呼び出すために重要な手順だ。単に音を聞いているだけだと、保留音楽や広告に反応してユーザーを呼び出してしまうおそれがある。

システムは主にTwilioの電話会議と音声認識APIを使用して作られている。WaiterはGitHubにある(Pythonで書かれている)ので、誰でも専用バージョンを作れるが、有料版を作って独自にサービスを提供する計画もあるそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

TwilioがAWSとコラボレーション、AWSのSMSメッセージング機能を高度化か

LONDON, ENGLAND - DECEMBER 08:  Co-Founder & CEO at Twilio Inc. Jeff Lawson during TechCrunch Disrupt London 2015 - Day 2 at Copper Box Arena on December 8, 2015 in London, England.  (Photo by John Phillips/Getty Images for TechCrunch) *** Local Caption *** Jeff Lawson

Twilioが今日、AmazonのAWSプラットホームとの新たなコラボレーションを発表した。発表によると同社は、“AWSがそのAmazon Simple Notification Service(SNS)によりSMSメッセージの配信ができるようにする“、とあり、今後SNSのユーザーは、バルクメッセージを送るなど、Twilio体験が提供する便益を享受できる、という。

具体的にはどういうことか? よく分からないので問い合わせてみると、Twilioのスポークスパーソンはこう語った: “関係の具体的な詳細は明かせないが、言えるのは、AmazonのSNSがTwilioのSuper Networkを利用して世界の200あまりの国にSMSを配信できるようになることだ”。

ということは要するに、SNSのメッセージングサービスが今度からは部分的にTwilioのネットワークを利用してメッセージを送信する、ということか。どんなユーザーのどんなメッセージがそういう扱いになるのか。SNSにはすでにSMSをグローバルに送る機能があるので、多くのユーザーにとって重要な変化が直ちにあるとは思えない。

ただしAmazonのSNSには現在、ショートコード(やロングコード)など、いくつかの高度な機能が欠けている。SNSはコードのプールを使ってメッセージングを送出するから、同じ会社からのメッセージでも受信側で番号が違ったりする。Twilioには、これらの高度な機能があるので、今回のコラボレーションによってSNSのSMSがより高度になる、ということかもしれない。

TwilioのCEOで協同ファウンダーのJeff Lawsonは、今日の発表声明でこう述べている: “この最新のコラボレーションによって、コミュニケーションのエコシステムをスケーラブルで効率的なツールで強化し、メッセージの配布における最良のオプションを確実に可利用にする”。…ここにもやはり、詳しい説明はない。

なお、Amazonは上場前のTwilioのシリーズEで投資しているし、TwilioはAWSのクラウドコンピューティングサービスを大々的に利用している。

今、詳細をAmazonに問い合わせているので、情報が得られ次第この記事をアップデートしたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Twilioがアドオンのマーケットプレースを開設…サードパーティ製の有料APIを便利に利用できる

LONDON, ENGLAND - DECEMBER 08:  Co-Founder & CEO at Twilio Inc. Jeff Lawson during TechCrunch Disrupt London 2015 - Day 2 at Copper Box Arena on December 8, 2015 in London, England.  (Photo by John Phillips/Getty Images for TechCrunch) *** Local Caption *** Jeff Lawson

通信APIのプロバイダーTwilioが今日(米国時間5/24)、アドオンのマーケットプレースを立ち上げた。

既製のアドオンに使えるものがあれば、TwilioのAPIを使って自分のアプリやサービスに強力なメッセージング機能を実装したいと思っているデベロッパーは、より容易にその願いを実現できる。

TwilioのCEOで協同ファウンダーのJeff Lawsonは、“Twilioのマーケットプレースはまだ始まったばかり”、と語る。彼によると、Twilioはすでに、デベロッパーが自分のアプリケーションに通信機能を実装するためのビルディングブロックを数多く提供しており、デベロッパーはそれらを、ほかのベンダのAPIと組み合わせることもできる。“しかしマーケットプレースからアドオンを入手できれば、さらに少ないコードでより多くのことができるようになる”。

課金はアドオンを提供しているパートナーたちに代わってTwilioが一括して行い、デベロッパーは彼らのサービスに一度のAPI呼び出しでアクセスできる。今パートナーは18社いて、その中にはIBM Watson, NextCaller, WhitePages Pro, Mobile Commons, Payfoneなどがいる。IBMがWatsonのサービスをサードパーティのプラットホームから提供するのは、これが初めてだ

Lawsonによると、誰もが自由にこのマーケットプレースに自作のアドオンを出品できるが、その前にTwillioが各作品を徹底的に精査する。そしてそのほかの類似サービスと同様に、Twilioが売上の25%を取る。

そして、これらのアドオンの使い方だが、Lawsonによると、当面は3種類の基本的な統合方式がある。まず、“電話番号検知方式”のアドオンは、ボットなど受け取り拒否のリストに載っている番号をチェックできる。また“メッセージ検知方式”のアドオンは、メッセージのテキストを調べて悪い感情などをチェックする。そして三つめの“記録検知方式”は、音声電話を録音して、それに対する感情分析や、テキストへの書き起こしサービスを行う。

これらのアドオンはTwilioのProgrammable SMS, Programmable Voice, そしてTwilio Lookupサービスで利用できる。

同社は今日、登録ユーザー数(デベロッパー数)が100万に達した、と発表した(ただしアクティブユーザーの数は不明)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

デベロッパーが自分のアプリ/アプリケーションのメッセージングの暗号化を数時間で実装できるTwilio/Virgil Securityのパートナーシップ

virgil-twilio

[筆者: Kate Conger]
通信の暗号化を自分でセットアップするのは、かなり難しい。これまで、メール用にPGPをセットアップしたり、オフレコのチャットをPidginで実装したことのある人なら、それが面倒で苦労の多いプロセスであることをご存知だろう。しかし幸いなことに、暗号技術者たちはそれをもっと容易にしようと努力している。そして彼らとのパートナーシップにより、アプリケーション/アプリのデベロッパーは自分のプラットホームに暗号化を、より簡単に組み込めるようになるだろう。今日(米国時間5/3)は、クラウドベースの通信プラットホーム〔通信APIのプロバイダー〕Twilioが、デベロッパーが強力な暗号化を自分のメッセージングサービスに組み込めるために、Virgil Securityとパートナーする、と発表した。

TwilioのAPIを利用すればデベロッパーは自分のアプリケーションにテキストメッセージングや音声通話、音声チャットなどの機能を容易に加えることができるが、それと同じようにVirgil Securityはデベロッパーが、自分のプロダクトにエンドツーエンドの暗号化と暗号鍵の管理機能を加えられるようにする。両社のパートナーシップによってデベロッパーは、自分のチャット機能に暗号化を、ほんの数時間で統合できるようになる。

Virgil SecurityのファウンダーDimtry Dainは曰く、“あらゆるデベロッパーを暗号技術者にしたいんだよ。Twilioはこれまでの努力によって、あらゆるデベロッパーを通信の専門技術者にしてしまった。Virgilはそれと同じことを、セキュリティに関してやってきた”。

悪い人たちや政府機関などによる、セキュリティとプライバシーの侵犯が日常化している今日では、強力に暗号化されたメッセージングアプリへの需要が高まっている。Facebookがオーナーである人気のメッセージングサービスWhatsAppは、エンドツーエンドの暗号化を4月に開始した。同じ月に、Viberもその後を追った。どちらも、暗号化システムの自社開発に数年を要した、と言われている。Twilio-Virgilのパートナーシップにより、スタートアップはほんの数時間で、自分たちのアプリケーション/アプリに暗号化メッセージングの機能を加えられるだろう。

もちろん、Virgil Securityの暗号化プラットホームを数百もの企業が利用するようになれば、同社の主張するセキュリティがますます重要になる。エンドツーエンドの暗号化は、正しく実装されれば、ユーザーのメッセージのコンテンツは、二つの‘エンド’(送信者と受信者)以外の者には解読できなくなる。メッセージングサービスのプロバイダにすら、それは解読できない。そしてこの、セキュリティの重要性があるからこそ、DainはVirgilの暗号化プラットホームをオープンソースにして、誰でもいつでも監査できるようにしているのだ。

Twilioは、同社のクライアントの多くが、同社のIPメッセージングサービスの中で暗号化を実装するものと期待している。Twilioの役員たちによると、とくに最近では医療と金融業界で強力なセキュリティへの需要が増加している、という。どちらも、データのセキュリティを確保することが法的にも要請されている業界だ。

しかしもちろん、Twilioのそのほかの顧客たちも、これからは自分のメッセージングシステムにエンドツーエンドの暗号化を加えることができる。“そのためには、(自分のアプリケーションの)ちょっとした再実装が必要になる”、とTwilioのCarl Olivierは語る。“でもこれは、事後実装できるものの典型だね”。

TwilioはIPメッセージングへの暗号化の導入を重視しているが、今後はIoTデバイスの真正証明という大きな用途があり得る。また今のUberは、運転者から利用客へのテキストメッセージングを暗号化していない。AppleのSMSメッセージングアプリは、デベロッパーが手を加えることができないのだ。

Twilioは、Virgil Securityの暗号化技術をデベロッパーが自分のアプリケーション/アプリに統合するためのチュートリアルを、GitHubから提供している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ソフトウェアエンジニアにもっとも高い給与を払っているユニコーン企業上位20社を一覧

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【抄訳】
先週は全社員の年俸のメジアンがもっとも高いユニコーン20社をご紹介したが、今回はプログラマの報酬がもっとも多いユニコーン20社を調べよう。

CrunchBaseのUnicorn Leaderboardには153社*が載っていて、それらを求職サイトGlassdoorのデータで調べると、ソフトウェアエンジニアにもっとも高い給与を払っている20社が分かる。〔*: 最新(11/24現在)データでは156社。〕

この前の記事では、クラウドベースのビッグデータ企業Clouderaが、(全社員の年俸のメジアンが)もっとも高かった。今回、対象をソフトウェアエンジニア社員に限定すると、年俸のメジアンの最高額はDropboxの14万4573ドル、次位がJawboneの14万1224ドル、三位がClouderaの13万9217ドルだった。

*この記事はCrunchBaseのリストに載っているユニコーン企業のうち、Glassdoorの11月13日現在のデータで15名以上のソフトウェアエンジニアの給与情報のあるものを取り上げた。基本給年額は、正社員の年俸をUSドルで表した額である。

【以下抄訳(社名と金額のみ)】

  1. Dropbox基本給年額のメジアン$144,573
  2. Jawbone基本給年額のメジアン$141,224
  3. Cloudera給与のメジアン$139,217
  4. Medallia 基本給年額のメジアン$138,680
  5. ZScaler基本給年額のメジアン$133,071
  6. Airbnb基本給年額のメジアン$131,612
  7. Uber基本給年額のメジアン$130,000
  8. DocuSign基本給年額のメジアン$129,453
  9. AppDynamics基本給年額のメジアン$128,905
  10. Okta基本給年額のメジアン$127,931
  11. Spotify基本給年額のメジアン$127,695
  12. Tango基本給年額のメジアン$126,348
  13. Gilt Groupe基本給年額のメジアン$124,500
  14. Twilio基本給年額のメジアン$123,749
  15. Pinterest基本給年額のメジアン$121,920
  16. AppNexus基本給年額のメジアン$119,762
  17. Kabam基本給年額のメジアン$115,829
  18. Glassdoor基本給年額のメジアン$115,000 –
  19. Credit Karma基本給年額のメジアン$115,00
  20. ZocDoc基本給年額のメジアン$114,134

SquareとAtlassianもCrunchBaseのユニコーンリストに載っていたが、Squareはその後上場し、Atlassianも上場の計画を発表しているので除外した。どちらも、この記事のリスト(上表)で20位以内に入りうる高給企業だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

アプリケーションのためのコミュニケーションAPI(電話、テキスト)を提供するTwilioからWebRTCによるビデオチャットが

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Twilioは長年、デベロッパが自分のアプリケーションに音声電話テキストメッセージングの機能を持たせるためのAPIを提供してきたが、今日(米国時間4/14)からはそのメニューにビデオチャットが加わる。その新しいTwilio VideoサービスはWebの標準規格の一環であるWebRTC — Twilioはそれをすでに一部のオーディオ機能に使っている — を使っていて、今はベータで利用できる。

TwilioのCEO Jeff Lawsonによると、ビデオはもうかなり前から、SkypeやFaceTimeのようなスタンドアロンの消費者アプリケーションや、ビデオ会議のようなビジネスツールの一部になっていた。今回のTwilioのねらいは、ビデオ通話機能をどんなアプリケーションにも容易に組み込めることだ。事故に遭って、保険会社に電話をしたい場合など、ビデオ機能があれば、口頭で説明するだけでなく、車の被害状況を映像で見せられる。

WebRTCはそもそも、そのためにあるものだが、これまでは主なブラウザがサポートしているだけで(Internet Explorerももうすぐ)、一般的なアプリケーションがスケーラブルにそして効率的に利用するためには、個々のデベロッパにいきなりWebRTCのプログラミングをやらせるというより、それを使いやすい形で提供するプラットホームが必要だった。またWebRTCだけではファイヤーウォールを通らないことが多いので、Twilioや、それと競合するTelefonicaのTokBoxのようなサービスがネットワーク横断の面倒を見る必要があった。

Twilio Videoでデベロッパは、最大4人までのビデオ電話と、無制限のビデオ接続、Twilioのデータセンターを介するレイテンシの低いリレー、そしてiOSとAndroid用のSDKにアクセスできる。

Lawsonによると、同社はこれまで2年がかりでビデオのサポートに取り組んできた。長くかかったのは、“P2Pのビデオ通話は速くないといけない”からだ。ただし、“グローバルに低レイテンシである必要はないけど”。チームは自社のオーディオの実装からWebRTCについて多くを学んだ。それは今年あたり、10億分の通話時間をサポートするだろう。

Twilio Videoの利用はデベロッパにとって、かなりやさしいはずだ。TwilioのAPIを過去に使ったことのある人なら、なおさら。ほんの数行のコードを書くだけでビデオを組み込めるし、ベータでは無料だ。料金は未定だが、Lawsonは、多くの他社のように分単位の課金にはしたくない、と言っている。

Twilio Videoを試してみたいデベロッパはここでベータに登録するとよい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Twilio + ChromeOSでコールセンターから古めかしい電話ハードウェアを一掃

コールセンターを作るのはかなりの大仕事だが、やっと動き出したと思えば、電話関連のハードウェアが時代遅れになっていた、ということも少なくない。長年、電話という物理的なコミュニケーションをハードウェアからソフトウェアに置き換えるためのAPIを提供してきたTwilioが今日(米国時間6/24)、GoogleおよびLiveOpsと提携して、コールセンターのための新しいサービスを立ち上げた。

今日から、LiveOpsは同社のユーザに、ChromebookまたはChromeboxに高品質なヘッドセットとTwilioのVoIPを組み合わせた会員制サービスを提供する。企業向けVoIPサービスTwilio CXがこのシステムの軸となり、コールセンターの日常運用はレガシーのハードウェアをほとんど完全にバイパスすることになる。代わりにユーザはこのサービスの会員になり、そうするとChromebookなどを収めた箱が宅配便で届くから、わずか数分で新入社員のためのセットアップは終わる。そして即、運用を開始できる。

LiveOpsのパッケージによりユーザは、TwilioのWebRTCのクライアントとして7500分/月の電話(VoIP電話)に応答する。これはChrome OSベースのサービスでもあるので、ユーザは社内のChromeデバイスの展開と管理のためにGoogleのサービスにもアクセスする。

TwilioのCEOで協同ファウンダのJeff Lawsonによると、同社はコールセンターが同社の顧客にとっても特別の価値のある分野であることに、気づいている。すでにTwilioのAPIを使って独自のソリューションを構築している大企業の顧客もいるが、社内にそんな技術や知識のない企業顧客にも今後はそんなサービスを提供していきたい。“Twilio CXを使えば、完全なソリューションを新たな資本支出なしでご提供できる”、と彼は語る。

今のところ、上記のようなバンドルを提供しているのはLiveOpsだけだが、そのほかのTwilioパートナーたちも将来は同種のサービスを提供していくことだろう。

 

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


消費者向けVoIPのRebtelがAPI/SDKの無料提供でデベロッパ世界に進出, Twilioらのお株を奪う気だ

【抄訳】

スウェーデンの(より小さな)Skypeと呼ばれることもあるVoIPプロバイダRebtelが今日(米国時間4/24)SDKをリリースしたので、iOSやAndroidのアプリデベロッパはAPIを直接呼び出すことにより、自分のアプリにRebtelのボイスコールを埋め込むことができる。Index VenturesとBenchmarkが投資しているRebtelは、小売企業や消費者に安価に提供しているVoIPサービスですでに利益を上げている。その月間アクティブユーザ数は2200万に達する。

Rebtelが今回無料で提供するAPIは、既存のスタートアップ勢力、TwilioCallfireTelAPIなど、モバイルキャリアから分単位課金の通常電話の顧客を奪いつつある破壊的革新勢力への挑戦でもある。

SDKは12月に非公開ベータで立ち上げられ、TGTHR、Agile Dimension、eXeltior、MobisleAppsなどがテスターとして参加した。そして今日からは、セルフサービス型のプラットホームとして一般公開される。

“今年中には数千のデベロッパとプロジェクトがこのSDKを利用し、彼らのアプリから1000万〜1500万ぐらいのエンドユーザがRebtelのVoIP機能を使う、と想定している”、RebtelのCEO Andreas Bernströmは本誌にそう語った。実際に同社には、世界中から数千のデベロッパからの問い合わせがあるそうだ。その主な国や地域は、インド、中国、ヨーロッパ、そして合衆国だ。これまでは同社の予想は当たっており、たとえば2012年の売上予想8000万ドルに対し実際は7960万ドルだった。2013年は、1億ドルを突破しそうな勢いだという。2〜3年後にはIPOもありうるらしい。

Bernströmの構想は、VoIPのAPIを無料にすることによって、その利用を底辺の…いわゆるロングテールの…デベロッパやアプリに広めることだ。その典型的な例がデートアプリのMaybeで、ここではユーザ同士がお互いによく知り合うためにVoIP機能を提供している。今モバイルのデベロッパは、iOSとAndroid合わせてざっと75万人おり、彼らのアプリの総数は150万に達する、とRebtelの(獲らぬ/獲る狸の)皮算用は計算している。

そして将来の収益化/マネタイゼーションは、アップタイムの保証や陸線電話への接続などより高度なサービスを大口ユーザに対し有料化することによって確保する、という構想だ。そして、これまで消費者向けサービスだけだった同社が、デベロッパレベルのサービスからも収益を確保できるようになる。言い換えるとTwilioなどと並んで、デベロッパたちのあいだでのブランドイメージを、確立し拡大していくことだ。今現在は、デベロッパの世界ではRebtelは無名に等しいが。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


日本のKDDI、boundioを閉鎖してTwilioと提携

2012年4月、KDDIウェブコミュニケーションズ(日本第2位の通信会社KDDIの子会社)は、boundioを立ち上げた。デベロッパーが電話回線を利用してサービス(単純なコールセンター等)を構築するためのサービスで、言うなればあまりすごくないTwilioだった。

1年後、同社はboundioを閉鎖し、これを・・・何とTwilioで置き換えた。

本誌は同社とTwilioの提携を昨年10月に報じたが、それがライバル製品にとって何を意味するのか当時は明確にはわからなかった。今日(米国時間4/16)日本で行われたプレスイベントで、同社はboundioの新規登録を中止し、既存のboundioユーザー全員をTwilioのプラットフォームに移行することを発表した。

私はこの手のB2B関連の提携にはおよそ疎い方なのだが、実際これはTwilioにとってものすごく大きい。理由はこうだ。

  • Josh Constineが昨年10月に指摘したように(またGrouponが中国進出直後に気付いたように)、アジアへの進出は〈難事〉だ。いや、〈本当に〉難しい。ビジネスカルチャーは尊敬と信用に基づいている。製品を翻訳してプレスリリースを出して終り、というわけにはいかない。KDDIのような大物と組むことはTwilioに信用を与え、支社を構える必要すらなくなる。
  • 日本の大企業の殆どはすでにKDDIと取引きがある。Twilioを直接使うためには、これらの大企業が新たな取引先としてTwilioを承認する必要がある。KDDIはすでに必要な関係を築いているので、Twilioは準備の整っている大量の潜在顧客を直ちに引き継ぐことができる。

ちなみにboundioは、通信キャリアの作ったソフトウェアが閉鎖された数多い例の一つにつぎない。

WAC — AT&T、Verizon、China Mobile、Sprint、その他がジョイントで立ち上げた「統一オープンプラットフォーム」 — は、ゲートを出る前につまづいた. Orangeは、先月静かにAPIサービスを打ち切り、TelefonicaのBlueViaのような話はいくらでもある。

デベロッパーは、避けられるのであれば通信キャリアーとは仕事をしたがらないようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)