ついに車(自動車)も3Dプリントで作れる

[筆者: Michael Seo]
urbee

3Dプリントが本格的な普及期を迎え、ほとんどありとあらゆるものをプリントできるようになった。

3Dプリントで作れる物のリストに、もうすぐ車(自動車)が加わる。

Wired誌の記事によると、それはUrbee 2という名前のハイブリッド三輪自動車で、すべてのボディパーツを3Dプリンタで作る。大衆価格の3DプリンタMakerbotForm 1が、われわれの物作りの概念を変えたように、Urbeeは自動車製造のやり方を変えようとしている。

Urbeeを考案したのは、Jim Korと彼の会社Kor Ecologicの連中だ。この会社は3Dプリントで未来の車を作ることだけがミッションである。同社のWebサイトにその壮大なヴィジョンの詳しい説明があるが、以下にその要旨をまとめてみた。

“燃費の最大化を目指す。製造過程、運転、そして廃車リサイクルのすべての段階で環境汚染を最小化する。できるかぎり、地域や国内で入手可能な素材だけを使用する”。

すなわちKorのねらいは、未来の車の軽量化、高エネルギー効率化、そして製造の簡易化だ。

Urbeeの製造工程はすべて、世界初の3Dプリント・オートバイを作ったRedEyeで行われる。Korによると、3Dプリントの良いところは、鋼板では不可能な、特殊なデザインも可能なことだ。複数の部品をあとで組み立てるのではなく、3Dプリンタは単一ボディの全体を一度に作る。だから製造がとっても簡単だ。各モデルのファイルをプリンタにアップロードして2500時間(105日)待つと、必要なプラスチックパーツがすべて完成する。

そう、世界初の3Dプリント・カーは、車体がプラスチック製だ。

路上運転をしても完全に安全だ、とKorは断言する。“レースカー並に安全だ、と社内では言っている”、と彼はWired誌に語っている。“ル・マンの検査に合格することを、目指している”。なお、言うまでもなく、エンジン、駆動部品、シャシーなどはプラスチックの3Dプリントではない。ふつうに、鋼鉄製だ。

グッドラック!、Urbee。形は超大型のマウスみたいだが、3年前に比べると、ずいぶん進歩したよ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、検索結果にカレンダーからの検索内容も表示する機能を追加(フィールドトライアル利用者向け)

gmail_search_field_trialGoogleからのアナウンスによるとGmailおよびGoogle.comでのフィールドトライアルに参加する利用者について、Googleの検索結果ページに、自分のカレンダーからの検索結果なども表示するようにしたのだそうだ。[what is on my calendar today]や[when am i meeting rip]などといった検索ができるようになる。

ちなみに、フィールドトライアル自体はしばらく前から行なっているものだ。検索にパーソナライズしたものも表示したいと考えている人は誰でも参加できるようになっている。

Googleは最近、トライアルの参加者に対して直近のフライト予定やレストランないしホテルの予約情報、イベント情報なども表示するようにしている。これはGmailの受信箱を検索して、OpenTable、Ticketmaster、Eventbriteなどからのメール情報を検索結果に表示していたわけだ。こうした情報の一部は、Google Nowでも利用されているものだ。

Google Search部門のシニア・バイスプレジデントであるAmit Singhalによると、そもそも最も必要な情報というのは公開ウェブの検索からは得られず、メールなどの情報もあわせて検索する必要があることも多いということが、このフィールドトライアルをスタートするきっかけとなったようだ。

こうした機能を一般向けに公開するのではなく、「フィールドトライアル」といった形で出してくるのは当然のことだろう。すなわち、機能の実現にあたってはGmailの受信箱やカレンダーを検索して、それをGoogle.comサイト上に表示するという処理が必要になる。利用者のプライベートな情報を検索して利用するということに不快感を感じる利用者もいるからだ。

ちなみに今回の機能追加も含め、フィールドトライアルは現在アメリカ国内で英語モードで利用している、gmail.comのアドレスを所有している人が対象だ。尚、Google Apps内の情報については今回の追加オプション機能は適用されない。

google_search_field_trial_calendar

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(翻訳:Maeda, H)

現実店舗の「ショールーム」化のリスクは家電以外のあらゆる量販店に及ぶ―Pacedが詳細レポートを発表

Mobile price check

Madrona Ventrue Groupが支援する位置情報分析を専門とするスタートアップ、Placedがいわゆる「ショールーム化」のトレンドが現実店舗に与える影響を詳細に分析したレポートを発表した。このレポートはショールーム化がeコマース企業、特にAmazonに与えるメリットも分析している。ちなみに、MadronaはAmazonに最初期に投資したことで知られている。

Placedの調査はショールーム化について過去最大かつもっとも詳細なものだ。ショールーム化というのは消費者が興味ある商品を手に取ってチェックするためだけに現実店舗に立ち寄り、購入はオンラインですませてしまうという傾向を指す用語だ。昨年、comScoreのU.S. Internetレポートは回答者の35%がショールーム化に相当する行動を取っていると認めた。またショールーム化の傾向は若い層ほど高く、 25-34歳では55%にも上っていた。

今日(米国時間2/27)発表されたPlacedの調査は、今年1月に全米の1万5000人の調査員から得た10億件のデータをベースにしている。comScoreのmobileLensのモニタ・パネルの方が規模は大きいがPlacedのコア・ビジネスは位置情報分析であり、その面で優位に立っている。Placedのモニタ・パネルからの情報や分析ツールはモバイル・アプリのデベロッパーがユーザーの現実世界での振る舞いを理解し、適切なターゲティングを行う上で大いに役立つだろう。

分析結果によれば、ショールーム化によってもっとも影響を受ける可能性がある企業のトップはWalmartとTargetだという。Amazonの顧客のうち、25.2%がWalmartを利用しており、10.7%がTargetを利用している。この順位を下に辿ると、Walgreensm、CVS、BestBuy、Home Depot、Lowe’s、Sam’s Club、Dollar Tree、Costco、GameStop、RiteAid、Kohl’s、PetSmart、RadioShackなどとなる。もちろんAmazonと顧客が重なってだけではショールーム化が進んでいるかどうかは分からない。この点について下で詳しく紹介する。

placed-overlap

女性Walmartがお好みのようだ。利用者の割合が男性より37%多い。Targetはさらに女性に強く 60.5も多い。Best BuyとGameStopは男性優位だ。

male-female chart 1

しかし購入状況をみると、Amazonで過去3ヶ月に100ドル以上購入している顧客は、スーパーマーケットよりもCostco(平均より52%多い)やBJs Wholesale Club(47%多い)、Toys R Us(43%多い)のような大型量販店をよく利用する傾向が見られた。

big spenders

しかしこの調査でもっとも重要な発見は実物店舗への影響の数字だ。Best BuyとTargetはショールーム化の影響を受けるトップで、BestBuyの顧客はショールーム行動を取る率が平均より20%も高く、Targetでは15%高かった。これらのチェーン店が数ヶ月前から「対Amazon価格保証」キャンペーンを開始しているのはおそらく偶然ではないだろう。

しかし影響を受けているのはBest Buyだけではない―Bed, Bath & Beyond、PetSmart、Toy R Us、Searsその他多くの現実店舗がショールーム化によるリスクにさらされている

Walmartも影響を受けているが、ショールーム行動を取る顧客はBest Buyより10%も低いので比較的安全といえる。Targetよりも15%低い。ショールーム行動を取る顧客の割合が高いハイリスク・グループにはPetSmart (位)、Toys R Us(3位)、Best Buy(4位)、Sears(5位)。しかしながら、危険率で1位となったのは、やや意外にもBed, Bath & Beyond〔寝装品、浴室用品〕で、顧客のショールーム行動の割合は平均より27%も高かった。

amazon showroomers

男女比は伝統的なく分のとおりで、男性はBest Buy、The Home Depot〔DIY〕、Lowe’s〔DIY〕の利用が多く、女性はKohl’s〔女性向けアパレル〕、PetSmart〔ペット用品〕、Bed,Bath & Beyond、Marshalls〔アパレル〕、Old Navy〔アパレル〕の利用が多かった。

male vs female chart 2

PlacedはまたAmazon Price Checkアプリを利用しているユーザーの行動を調査している。このアプリは簡単にいえばショールーム行動を容易にするのが目的だ。このアプリのユーザーがもっとも好む現実店舗はT.J.Maxx〔ブランド・ファッション〕だった(注意:これはアプリがこの店舗でもっとも頻繁に使われたことを意味するわけではない。このアプリを利用するユーザーの中でT.J.Maxxがもっとも頻繁に訪問されているということだ)。Costco、OfficeDepot、AT&T Wireless、Toys R Usもこのアプリのユーザーに好まれている。

amazon price check shoppers

レポートにはさらに詳しいデータや分析が掲載されている。全体として大いに興味深い調査だが、欲をいえば、バーコード・スキャン・アプリがどこでどれほど使われているか、また価格チェックアプリの使用がeコマースでの成約率にどれほどの影響を与えるかについても調査、分析が欲しかったところだ。こうした調査は困難だろうが今後の挑戦に期待したい。

一方で、Ipsos MediaCTとIABによる最近の調査は、ショールーム行動は現実店舗での売上増をもたらしているとしている。価格チェックアプリのユーザーは42%がオンラインで購入するが、現実店舗で」購入するユーザーも 30%存在するというのだ。現実店舗の経営者は消費者がこうしたオンラインでの価格チェックを行うことを前提とsちた上で競争力のある価格と対面販売ならではの優れたサービスを提供していくことがもっとも賢明な道だろう。

写真、図版:トップはFourthsource; 他はPlaced

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

KindleのiOSアップデートにユーザーのライブラリを完全に削除するという恐怖のバグ〔アップデート:修正版リリースずみ〕

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昨日(米国時間2/26)、AmazonはKindleのiOSアプリ( iPhone、iPad、iPod touchすべて)をバージョン3.6.1にアップデートした。

いくつかのバグを修正し登録手続きを改良するのが目的だったが、このアップデートには深刻なバグがあったことが判明した。本の虫そろいのユーザーたちの目の前で彼らのAmazonのデジタル・ライブラリーと個人設定が完全に消滅してしまったという。

アップデート: Amazonは以下のような呼びかけを発表した。

今回のアプリのアップデート中にユーザーの登録を削除してまう可能性のある問題が発見されました。この場合、Amazonアカウント名、メールアドレス、パスワードをAmazonCloudに登録してください。Amazonから購入したコンテンツはクラウド上に保管されており、利用できます。Amazonではこの問題を修正したバージョンをAppleに送付しておりますので公開をお待ちください。

アップデート: AppleがAmazonの修正版(3.6.2)を公開した。この最新版は安全と思われる。

iTunesのページに書き込まれた悲鳴の一部。

このアップデートはiPadの私の本を全部削除してしまいました。別名で再登録しなければなりませんでした。一からやり直しです。クラウドには130冊も本を保管しているのです。

さて、ここで注目はAmazonが熱心なKindleファン(まあFireを使わずにiOSデバイスを使っているという点でそれほど熱心なファンとはいえないのかもしれないが)にどう対応するかだ。消えてしまったライブラリの復元について何らかの措置を考えているのだろうか?

幸いなことに、データはクラウドに残っているので、ユーザーが同じコンテンツを二度買わざるを得ないような事態には陥らずにすんだ。しかし映画を25本、テレビ番組を30回分、本を200冊購入していたとすると再ダウンロードはそうとうに苦痛な作業になるだろう。

[via TUAW]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

自分が伸びる場を見つけたFirefox OS: アプリはHTML5, デバイスは途上国低価格機

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ZTEの昨日(米国時間2/25)の記者会見の内容は旧聞ばかりだったが、少なくともこの中国のOEMの初のFirefox OSスマートフォンで遊ぶことはできた。低コストを第一目標とするこのOpenと呼ばれる機種は、ZTEのキャッチフレーズによれば、“冒険好きで新しいものを試したがっている若者たち”がターゲットだそうだが、どこがそうなのか?

Openの3.5インチディスプレイは、好悪両面がある。スワイプやタッチへの反応は速くてスムースだが、小さいからアクションに精度を要する(テキストの正しい場所をタップするときとか)。指の太い人は困るかもしれない。色の再現力はそれほどではないし、視野角も狭いが、まあお値段相当か。

Openの良い点は、まず、かわいいこと。余計な、ごちゃごちゃしたものがない。かどがまるいのも、かわいい。オレンジとブルーのソフトなプラスチックを着ていて、その色はなんとなくFirefoxを強調しているようだ。リアカメラは3.2メガピクセルの固定焦点だから、もちろん感動的な性能ではない。

率直に言ってこのハードウェアは、HPのSlate 7と同様に、派手なニュースになるネタがない。でも、それで当然だろう。この記事の画像からもお分かりと思うが、Openは明らかに途上国向けの製品だ。まずヨーロッパでローンチしてから、この夏にはラテンアメリカへ向かう。乗る馬(キャリア)は、Firefox OSの大スポンサーTelefonicaだ。まだ価格の発表はないが、Mozillaのエンジニアリング事業担当マネージャMichael Treeseによると、部品コストは総額で100ドル未満ぐらい、というから、最終価格も相当安いだろう。

そしてもちろん、気になるのはFirefox OSだ。記者会見で実機を試した時点では、最終リリースではなく、まだキャリアによるテストなどが待っている。でも、Firefoxのブート画面は、なかなかキュートだ。ブートはすぐ終わるから、ユーザがタップしたロック画面を出すのに待たされることはない。

Firefox OS(以下FFOSと略記)はこれまでの数か月で何度も見たから、ぼくにとっては見慣れたインタフェイスだ。ホーム画面をさっとスワイプすると、大量のHTML5アプリが出る。電話、メッセージング、Firefoxブラウザ、カメラの4つは大きな固定アイコンがある。ナビゲートは十分にスムースだが、たぶんハードウェアが非力なせいで、ひっかかる瞬間もある。アプリの立ち上げには、気になる遅さはない。

FFOSユーザにとっては、今からすでにかなりのアプリがある。FacebookとTwitterのFFOS専用アプリ、Pulse、AirBnB、SoundcloudなどなどはHTML5アプリがある。Firefox Marketplaceへ行けば、“数千本”ぐらいのアプリがすでにある。ただしMozillaが念を押して曰く、今のところFFOS機のユーザがアプリやコンテンツを入手できる場所は、ここだけだ。ユーザは主に途上国の人びとと想定されるから、彼らのお金の節約のために、 Mozillaはリアルタイムのネットワーク/トラフィックモニタツールを、同機にプレインストールしている。

あらゆる点から見て、Firefox OSには確かに将来性がある。もちろん、まだ磨き込みは必要だ。機能面で、Androidなどと互角に勝負できるか? それは、まだまだ。Mozillaも、その点は率直に認めている。

TreeseはFirefox OSの機能集合について、“まだ力の差があるが、1年で追いつきたいと考えている”、と述べる。短納期低価格機のプロであるZTEを味方に付けたことは、Mozillaの目標市場を考えると賢明な動きだ。まだ評価用の最終製品はないが、でもこのおちびさんは、価格とマーケティングが適正なら、大ブレークするかもしれない。
★この記事の原文で、スライドを見てください。

〔今週のFirefox OS関連記事:
Telefonica, T-Mobileが採用
Twitterアプリが登場
キャリア決済(通話料と合算)もサポート

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

アニメ版Angry Birds、いよいよ3月16日に公開開始。今後はアプリケーション内アニメ配信も?!

angry birdsかわいくて、ピヨピヨしていて、でも怒っている奴ら。そう、あのAngry Birdsのアニメ版がついにやってくる。

アニメ化についてはRovio自身もずいぶん前から語ってきていた。しかしなかなか詳細が明らかにならずにきていた。秘密のベールに包まれていたアニメ版Angry Birdsは、いよいよ3月16日に第一話が公開されることとなった。

ブログでのアナウンスによると、最初のシリーズはは「Piggy Islandの秘密を明かす全く新しいアニメシリーズ」になる予定なのだそうだ。

アニメ化というのはRovioにとって当然の動きと評価することができよう。人気のAngry Birdsにとことんまで活躍してもらおうという戦略なわけだ。多くのアニメがそうであるように、アニメは別のもの(おもちゃ等)を売るための媒介物として機能する。

ゲームアプリケーションが大ヒットとなってすぐ、Rovioはぬいぐるみの販売も行い始めた。そして昨年のクリスマスにはHasbroにライセンスしてボードゲームもリリースしている。RovioにとってAngry Birdsは稼ぎ頭であり、アニメシリーズにより、さらにAngry Birdsブランドを広げようと考えているわけだ。

「コンテンツそのものをチャンネルとして扱います」とCEOのMikeal Hedはインタビューで述べている。テレビ等の他社チャンネルを使うのではなく、大いに広まったゲームアプリケーションをのものをコンテンツ配布チャンネルとして活用することも考えているようだ。

Angry Birdsアプリケーションの、1月時点での利用者数は2億6000万となっている。ゲーム内に埋め込んでアニメを配布することにすれば、確かにかなりの規模で配信できることとなる。但し、3月16日に公開される「Angry Birds Toons」第一話は、専用のサイトでの公開となるようだ。

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(翻訳:Maeda, H)

GMOがネット選挙解禁に向け新たな取組みを発表 — 電子証明書でなりすましを防ぐ

政権が自民党へ戻り、今年秋の選挙に向けネット選挙解禁の動きが活発になっている。海外の主要国ではすでにネット選挙は行われているし、中には投票までネットでできる国もある。日本ではもちろん初めての取組みなので、現状の法律で規制されている部分が多いことや、ネット選挙に関する諸問題解決のためのノウハウがないことがネックになっている。

そこで、GMOがネット選挙解禁に向けて新たな取組みを発表した。66社のグループ会社、3,152名の社員を抱えるGMOインターネットグループの技術やノウハウを活かし、現在懸念されている問題点のソリューションを提供する。

GMOが解決するのは主に政党、現職議員、候補者への「なりすまし」問題だ。ネット選挙が解禁されると、ホームページやブログ、TwitterやFacebookといったソーシャルメディア、電子メールが使われる。

選挙カーで町中を走り回るよりも、コストも少なく短時間で多くの方にリーチでき、発言内容も簡単にアーカイブできるという点ではネットは素晴らしいが、ご存知の通りこれらのツールは誰でも簡単に利用できてしまう。

Twitterでは公認マークが配布されることで偽造アカウントと区別することはできるが、ホームページやブログ、ましてやメールでなりすましを特定することは難しい。

この問題の解決策が見いだされない限りネット選挙を解禁することは難しい。だが、GMOがなりすまし問題に関しては解決してくれるかもしれない。

GMOインターネットグループのGMOグローバルサインは電子認証サービスを展開しており、ウェブサイトの証明書のシェアは国内で1位だという。そして、この技術を政界にも活用する。

ウェブサイトやメールで自分がやりとりしている相手がどうかを確かめるにはブラウザのアドレスバーにある鍵のアイコンをクリックし、電子証明書を見ることでわかる。

電子証明書は認証局が発行しており、ネット上で身分証明書のような役割をしている。ただ、電子証明書の存在自体を知っているネットユーザーはそれほど多くないだろうし、証明書の見方や内容について理解し、サイトに訪れる際に毎回チェックしている人はほとんど居ないだろう。

また、法人を認証する電子証明書は存在するが政党などを証明するものはなかった。電子証明書を政界用に作成し、視覚的にわかりやすく一般化するため、GMOは証明書をバナー広告のような「サイトシール」としてウェブサイトに組み込めるサービスを開発した。

政党公式サイト、国会議員公式サイト、候補者公式サイトの3種類のシールを用意し、そのシールをクリックするとGMOグローバルサインが認証していることを表示する。メールでも同じように電子メール証明書を用いて送信者の情報を確認する。

シールをサイトに貼っても閲覧者が何を証明するものか認知していなければ、意味がないのでこれからは政党とも協力し認知度の向上を目指さなければならないが、現状ではなりすましに対するベストな解決策なのかもしれない。

サイトにシールを貼るとなると、偽造されたシールが出回る可能性があるなど、懸念事項はゼロではないがセキュリティにもかなり力を入れているようだ。

気になる料金だが、通常の電子証明書は1個につき1年で7万円ほどかかるそうだが、今回のサービスのうち、ウェブサイトの証明書については無料で寄付という形をとるようだ。電子メールの証明書に関しては政党、国会議員、候補者は1年につき840円から2,940円の料金を支払う。

なぜメールだけ利用料を徴収するのかというと政治資金規正法により、会社の資本金や利益によって寄付できる上限が決まっており、電子メールまではカバーできないそうだ。

この法律により、厳密にいうとウェブサイトの証明書等は議員個人へ寄付することができないため、政党のネット窓口とやりとりをすることになるという。

なお、ネット投票が行われているエストニアには個々人にユニークなIDである「国民IDカード」が割り振られていたりするので、日本ではすぐに実現されることはないだろう。

だが、今回のようにネット企業が政界の問題へのソリューションを提供することで徐々に色々な活動が始めることに期待したい。

Adobe、Photoshop Touchのスマートフォン版を公開。タブレット版の全機能を継承


これまでAdobeのモバイルPhotoshop戦略は、重量級の編集に関してはタブレット用のPhotoshop Touchに任せ、iPhone用にはPhotoshop Expressをあてがっていた。しかし、今日(米国時間2/26)同社は、Photoshop TouchのiPhoneおよびAndroid版を正式にリリースし、機能はより強力なタブレットアプリからほぼ全てが受け継がれ、インターフェースは小さい画面向けに最適化された。

スマートフォン用Photoshop Touchは、レイヤー(最高解像度で編集する際は3枚に減らされる)、指による不正確な選択でも図形の正確な部分を選べる人気のスクリブル選択ツールろ持ち、ほかにもフィルター、ペイントストロークの共有等Photoshop Touchにある要素をすべて受け継いでいる。さらに、独自のカメラフィル機能では、デバイスの内蔵カメラを使って作品にレイヤー挿入できる。スマートフォン版のプロジェクトは、タブレットおよびデスクトップ版Photoshopと同期、編集が可能だ。

移植に当たっては、小画面デバイス向けのデザイン変更のためにPhotoshop Touchの機能が損われないよう、多大な注意が払われたことは間違いないが、私はPhotoshop製品マネージャーのStephen Nelsonに、タブレット版とスマートフォン版の違いについて尋ねてみた(両バージョンはユニーバーサルアプリではなく、別々のアプリとして販売される)。

「別アプリにする利点の一つは、両製品をわずかに分化させる自由が得られることだ」と彼は言った。「状況やデバイスに応じて適切な方法で分化させた。既にスマートフォンの小さい画面に合わせるためだけでも変わっている点に気付くだろうが、今後もタブレットとスマートフォンでは若干異なる進化を続けることになるだろう」

Photoshop Touchの価格は4.99ドルで、App Store、Google Playで既に公開されている。対応機種はiPhone 4S以降、第5世代iPhod touch、あるいはAndroid機のIce Cream Sandwich(4.0)以降。もしあなたが、モバイルであれ何であれ、フォトグラファーで強力なフォトエディティング機能を持ち歩きたければ、Photoshop Expressからアップグレードする価値があることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)

タッチが面倒で8にアップしないWin7ユーザ向けにIE10がリリース, CMもタッチを強調

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人を長く待たせたMicrosoftが今日(米国時間2/26)やっと、Internet Explorer 10を全世界のWindows 7ユーザに提供する、と発表した。これまではWindows 8だけだったが、昨年11月にはWindows 7用IE10のプレビューバージョンがローンチした。今日リリースされるのは、公式バージョンである。なお、全世界で7億人以上いるIE9のユーザと、前記プレビューバージョンのユーザに対しては、自動アップデートが始まる。

プレビューバージョンのユーザには自動アップデートがすぐに始まり、そのほかのWin7ユーザには今後数週間〜数か月の内に通知が来る。Microsoftは、アップグレードに伴う問題点の検出と修正をしながら、徐々にIE10の世界展開を図るようだ。

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MicrosoftでInternet ExplorerのゼネラルマネージャをやっているRyan Gavinが先週語ったところによると、Internet Explorerのユーザが10へのアップグレードをためらったり、嫌がったりする理由はまったく見あたらない。Windows 8に先行リリースしたので、テスト履歴もこれまでのIEで最高最良である、と。

Microsoftによると、IE10はIE9の20%以上速く、しかもそれはベンチマークではなく実用テストの結果である。Gavinによると、IE10は”Do Not Track”(トラッキング拒否)がデフォルトでonである。またプライバシーとセキュリティの機能もIE9より充実している。

IE10のWindows 7バージョンはWindows 8バージョンとほとんど同じであり、同じデザイン、同じJavaScript、同じレイアウトエンジンを使用し、ハードウェアアクセラレーションによるSVGやHTML4構文の実装も、Windows 8の場合と同じだ。

デベロッパ向けには、IE10ではIE9に比べ、“現代的なWebスタンダードのサポートが60%増えた”。たとえば、CSS3のTransitionとAnimations、レスポンシブなページレイアウトのサポートを改良(CSS3のGgrid、Positioned Floatなど)、HTML5のForm、WebSocket、HTML5のドラッグ&ドロップ、タッチ方式のWebアプリケーションのためのポインタイベント、など。

IE10のコマーシャルはタッチを強調

MicrosoftはIE10に関してとくに、タッチ対応を強調している。Windows 7が載ってる製品はタッチ画面のが少ないにもかかわらず、同社はテレビコマーシャルでもタッチを主役にしている。またMicrosoftが今日立ち上げたExploreTouch.ieは、広告と、キャンペーンに起用されたBlake Lewisの曲のあるHTML5によるサイトだ。このサイトを作ったのはFantasy Interactive、Clarity ConsultingとIEのチームが賛助した。例によってMicrosoftは、このサイトのメイキングやコードサンプルなど、楽屋裏情報も見せている。

以下が、そのテレビコマーシャルだ:


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Ego! Smartmouseは、個人認証、モーションコントローラーからカメラ、Flashメモリー、加速度センサー、バイブレーションまで内蔵する多機能マウス


新しいKickstarterプロジェクト、Ego! Smartmouseは、コンピューティングに最近のトレンドをいろいろとブレンドし、ハードウェア個人認証や3Dモーションコントロールなど、多くの機能を備えたユニークな入力デバイスだ。Ego!は、従来の意味ではマウスであり、デスクトップやノートパソコンを制御できる他、ファイルストレージでもあり、さまざまなサービスの認証デバイスとしても使用でき、内蔵されたモーション検知機を使ってWiiリモコンのようにゲームのコントロールもできる。

このSmartmouseは、コンパクトなデザインの中にLinuxベースOSを内蔵し、400MHz ARM9プロセッサーと最大8GBのオンボードFlashストレージを持つ。Bluetoothで接続し、ジャイロスコープ、コンパス、光学マウスセンサー、加速度センサー、さらにはVGAカメラ、タッチ式パッド、バイブレーション用モーター、通知用LEDまで備えている。micro USB経由で充電し、プロジェクトの開発者によると、低消費電力技術のおかげでバッテリー寿命は非常に長いとのこと。

英国拠点のデザイン会社、Laura Sapienceが作った Ego! Smartmouseは、エンジニアリングとUIデザインに強い経歴を持つ人々による作品だ。CEOのMatt Modèは工業および自動車工学の経験があり、設立チームには他にも、組み込みセキュリティー、家電、コンピュータービジョン、組み込みシステム等の専門家がいる。

デモにあるように、Ego!はデスクトップでも、ソファからメディアセンターPCを制御するにも、ゲームアプリで3Dコントロールに使うのにも適している。さらには、ブラウザーを開いてメールアカウントにログインするような定型作業を自動化したり、プロジェクターと組み合わせてプレゼンテーションツールとして使うこともできる。内蔵カメラを画面上のQRコードに向けるだけでEgo! を同期することができ(面倒なペアリング手順は不要)、オフィス環境ではパソコン間でファイルを簡単に転送するのにも使用できる。

同チームは£20,000の資金調達を目標としていて、£70で2GBのブラックまたはホワイト版のEgo!を予約注文できる。海外配送費込み。大ストレージ容量の £110(4GB)および£120(8GB)はカラーバリエーションも多い。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Instagram、スタートから28ヵ月でアクティブユーザー数1億人を達成(売却は成功だったのか?!)

Instagram 100 million2人で間借りしつつ始めたサービスが、Facebookに7億1500万ドルで買収されるようなサービスになった。Android版でも人気を集め、プライバシー絡みの騒動も乗り切った。そしてInstagramの月間アクティブ利用者数が1億人を突破したのだそうだ。InstagramはiOS環境での成功の後、サービスを売却することでサービス拡充をはかった。Instagramが何を売り渡したのかについてはいろいろ言われるところもあるが、ともかくサービスが成功をおさめていることについては議論の余地はない様子だ。

困難な時期も振り返りつつ、共同ファウンダーでCEOのKevin SystromがInstagramのこれまでについてブログ記事に書いている。曰く「写真により世界中が繋がり、そして相互理解も進んでいます」とのこと。

今回のブログ記事には記されていないが、Android版をリリースした4月3日の直後に、Instagramは重大な発表を行なっている。そう、Facebookにサービスを売却したのだ。Android版をリリースする頃、InstagramはiOS環境で3000万台にインストールされていた。そしてInstagramとしては、デザイン性を重視したiOS環境の外に出ても成功をおさめることができるかどうか、全くのギャンブルだと考えていたようだ。利用者が減ってしまい、競合他社に打ちのめされてしまう可能性も考えていた。実のところ、Android版は最初の12時間で100万人の新規利用者を獲得したのだが、大失敗になるリスクもあると考えていた。そこにFacebookから10億ドルの買収オファー(現金と株式)があった。従業員13名のビジネスにとっては十分過ぎるものだった。さまざまなリスクのことを考えつつ、Facebookへの売却を決めたのだった。

もしSystromが未来を予見できたのであれば、売却は見送っていただろうか。Androidアプリケーションは大ブレイクし、そしてiPhone版も大いに人気を集め続けた。Facebookの力などなくとも、あるいはFacebookのCameraと競合していったとしても、Instagramの独走は続くこととなったかもしれない。

売却時に比べた利用者数は3倍以上となっている。Instagramの地位が直ちに揺らいでしまうようなことはなさそうに見える。今、売却するとすれば、価格は20億ドルないし30億ドルになるという可能性すらあるのかもしれない。まだInstagramが独立した存在であったならば、誰か数十億ドルの購入資金の調達に動くだろうか。ちなみにInstagramの買収は、FacebookのIPO前のことだった。上場によって大金を手にするのが普通であると考えられていた時期でもあった。

しかしSystromは賭けに乗るよりも、目の前にある成功を掴むという選択を行った(従業員にとっても「成功」を掴み取ることのできる選択だった)。世界最大のソーシャルネットワークと協業することで、サービスの影響力拡大を狙ったわけだ。結局、今でもInstagramはFacebookと独立して動いているところもある。すなわちSystromにとっては一石二鳥ということになったのかもしれない。

Twitterの共同ファウンダーであるEv Williamsは先週「会社を売る3つの理由」という記事(英文)を寄稿してくれている。3つの理由のうち、1つがあれば売却を考えて良いのだそうだ。挙げられているのは、企業価値を大幅に上回る提案が成されたとき、ないし切迫した危機を乗り越えるためであるときといったものだ。また、創業者として手放してしまいたくなったのなら売れば良いとも言っている。Instagramについて見ると、Android版で壊滅的失敗をしてしまう可能性を考えた上での保険的意味、またFacebookそのものから仕掛けられるであろう競争を避ける意味、そしてまたザッカーバーグのように、広い世界を相手にしてみたいというSystrom本人の望みもあった。これを考えれば、1億のアクティブユーザーを抱えることになった10ヵ月後から見ても、売却は成功であったのかもしれない。

1億ユーザーを記念するKevinのブログ記事を転載しておこう(英文ママ)。

Instagram’s first office had few redeeming qualities—and insulation was not one of them. There were only two of us, so we rented desks in a co-working space on a pier over San Francisco Bay. At night, it was common to find us working in winter jackets huddled over our laptops where the air was so cold we could see our breath. It was October 2010 when we launched Instagram, and San Francisco had dealt us a particularly unforgiving and chilly fall.

One night soon after launch, about a half-mile away, Giants Stadium was full of fans cheering on their team in a race for the NLCS against the Philadelphia Phillies. You see, having so little insulation in the office had an unintended consequence of being able to hear the crowd roar every time someone hit a long ball out towards McCovey Cove. Back in the office, we’d lift our heads up from code with every eruption of the fans, wondering who was at bat, what had happened, and whether the ball had made it or not. We never knew, but that wasn’t the point.

While we may only have had a few thousand people around the world using Instagram that night, we had a sense that maybe through Instagram we could tune in to what was happening just a few steps away. With a few quick commands at his terminal, my co-founder Mike’s screen filled with images of the game: the bullpen, dugout, concession stands, cheering fans and a panoramic view from somewhere up high. In a matter of hours, the people in that stadium had recorded moments in time through Instagram and allowed us to tune into an event while we sat a half a mile away, working—winter coats and all.

For the first time, we understood why Instagram was going to be different. We understood the power of images to connect people to what was happening in the world around them. And, although Instagram had a fraction of the user base it does today, that night we saw a preview of what Instagram would enable at a much larger scale down the road.

Now, nearly two and a half years later, over 100 million people use Instagram every month. It’s easy to see this as an accomplishment for a company, but I think the truth is that it’s an accomplishment for our community. Now, more than ever, people are capturing the world in real-time using Instagram—sharing images from the farthest corners of the globe. What we see as a result is a world more connected and understood through photographs.

Of the 100 million people on Instagram, there are stories that awe us: stories like Kathryn Mahoney’s (@nineteenfiftyone). Kathryn is an aid worker for the United Nations in the most remote refugee camp in Southern Sudan. She shares vivid photos of the day-to-day life of the people who live in Yida as well as the struggles and triumphs of the UN’s work there. From thousands of miles away, Kathryn reminds us of the power of images to educate and inspire.

There are love stories that move us, like the story of Cory (@withhearts) and Bethany (@bethanyolson) who began following each other a year and a half ago at the suggestion of a mutual photographer friend. After trading likes on photos, meeting for coffee, and finally joining up for a photowalk, a mutual interest in photography turned into dating. To this day, they still go on photography adventures and explore the world together with Instagram in tow.

And there are inspiring stories of small businesses and artisans. Mission Bicycle (@missionbicycle), a small, independent manufacture in san Francisco, has amassed nearly 50,000 followers as they share the photos from their daily work of making beautiful bicycles by hand. Similarly, Sightglass Coffee (@sightglass) shares photos from their harvesting grounds in El Salvador and Ethiopia to remind us that even a local business has global connections.

Images have the ability to connect people from all backgrounds, languages and cultures. They connect us to aid workers halfway across the world in Sudan, to entrepreneurs in San Francisco and even to events in our own backyards. Instagram, as a tool to inspire and connect, is only as powerful as the community it is made of. For this reason, we feel extremely lucky to have the chance to build this with all of you. So from our team to the hundred million people who call Instagram home, we say thank you. Thank you for sharing your world and inspiring us all to do the same.

Kevin Systrom

Co-founder, Instagram

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(翻訳:Maeda, H)

Chromeブラウザ(とGoogle Docs)のスペルチェッカーが賢くなった

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今日(米国時間2/26)リリースされたChromeバージョン26のベータでは、スペルチェッカーが更新された(ブラウザ内とGoogle Docs)。新たに韓国語とタミール語とアルバニア語がサポートされ、また改良箇所も多い。しかし、いちばん重要な新機能は、Chromeの設定を複数のデバイスでシンクするときに、ユーザのカスタム辞書もシンクできるようになったことだ。だからユーザの名前の綴りとか、一部のスタートアップの名前などが、スペルチェッカーのデフォルトから見ておかしくても、それを新しいChromebookなどの上でうるさく指摘されることはない。

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またスペルチェッカーの”Ask Google for suggestions“(Googleにサジェッションを求める)機能が改良され、ブラウザの辞書だけでなくGoogleのWebサービスも見てスペルを提案するようになった。Googleはこの新機能について、“英語における、文法/同音同綴異義語/文脈感知型のスペルチェックを提供する。それはGoogle検索で今使われている技術と同じものである”、と言っている。今は英語だけだが、ほかの言語ももうすぐ対応するそうだ。

また、これからはスペルチェッカーが、“ ‘Justin Bieber’、 ‘Skrillex’などの固有名詞を理解するので、たとえばDananananaykroydでnをいくつ書くべきか(正解:4つ)思い出せなくても、もう大丈夫”、だそうだ。

WindowsとLinuxとChrome OSのユーザにはChrome v26の安定バージョンがもうすぐ提供される。Macのサポートは、やや遅れるらしい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ネイティブ開発よりHTML5によるクロスプラットホーム開発にデベロッパの心は傾く

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Telerik社のHTML5フレームワークKendo UIの委嘱で行われた調査によると、今ではそれぞれのプラットホーム向けにネイティブなアプリケーションを作るよりも、最初からHTML5でクロスプラットホームな開発を志向するデベロッパの方が多くなっている。同社が全世界5000名のデベロッパを対象に行った2013 Global Developer Survey(2013年グローバルデベロッパ調査)の結果では、全員が2012年にHTML5でアプリケーションを開発した経験があり、その90%が2013年にもそうしたいと答えている。逆に、ネイティブのみを志向するデベロッパは全体の15%であった。

Kendo UIのWeb&モバイル担当VP Todd Anglinによると、調査の目的はデベロッパたちのHTML5への取り組みの現状と、HTML5でどんな種類のアプリケーションが開発されているかを知ることであった。

またこの調査には、もっと大きな視点も含まれており、たとえば、デベロッパが開発したいプラットホームとして、回答者の66%がWindows 8を挙げている(喜べ!Microsoft!)。ChromeOSは47%、率が低いのはBlackberry 10の13%、Tizenの8%となっている。ただし、実際に世に出るアプリケーションがこの比率になるわけではない。回答者は企業のデベロッパが多く、個人的に自由に開発プラットホームを選ぶ、という状況ではなさそうだ。

調査対象となった5000名のデベロッパの、51%が中小企業、スタートアップが29%、大企業が20%となっている。彼らのHTML5への関心は、この調査以前からあったと思われ、そのことが、調査結果に見られるHTML5への好感度にも表れているようだ。

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ネイティブ開発の難度がもっとも高いと感じられているプラットホームは、BlackberryとiOSである(下図)。 Windows 8とWindows Phone 8はもっとも容易という評価になり、Androidは中間だ。Anglinによると、デベロッパはWindowsでもHTML5でアプリケーションを書けるけれども、しかしMicrosoftがきわめて強力なツールセットをデベロッパに提供しているからだ、という。つまり、ツールが充実しているプラットホームだ、ということ。

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HTML5でどんなアプリケーションを開発しているのか? トップは生産性アプリ(OA関連)の54%、次位がユーティリティの38%だ。エンタテイメントやライフスタイル、旅行、ゲームなどは下位である(下図)。

また、回答者たちが答えている現代のもっとも重要なWeb技術は、フォーム、ヴァリデーション(validation,本人性確認)、データベース、柔軟なレイアウト(グリッドやフレックスボックスなど)、となっている。

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〔LOB, line of business …業種別・業務別〕

〔参考: Telerik, Kendo UI関連記事。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

超薄型Xperia Tablet Zは、Sonyの最高傑作タブレットかもしれない


Sonyは奇妙なAndroidタブレットで市場参入に失敗した後、一から出直して違う何かを作るしかなかった。その違う何か、Xperia Tablet Zは、同社の最も平凡なデザインだと言ってもいい。そしてそれは賢明な選択だった。この間違いなく変ではないXperia Tablet Zは、米国での登場に向けて準備中だが、本誌はモバイル・ワールド・コングレス(MWC)会場で、この欲望をそそるほど薄いSonyのタブレットを捕えた。

まず何よりも、もしあなたがミニマリスト的工業デザインのファンならば、大いにこれを気に入るだろう。Sonyの明るい10.1インチ〈リアリティー・ディスプレー〉(1920 x 1200)は間違いなくこのデバイスの顔であり、そこにはSonyロゴと隅の赤外線窓、および見すごしそうな2メガピクセルカメラ以外何もない。ディスプレイはSonyのモバイルBraviaエンジンが駆動していて、これは画面を暗くしないと色がどぎつくなることを意味している。背面は黒いマットの無地で、小さなXperiaロゴと右上隅の8.1メガピクセルカメラだけが見える。さえないと言う人もいるだろうが、「地味」な感じは感触の良さとよく合っている。

Tablet Zはわずか1.09ポンド(494g)で、そのほっそりとしたウェストラインは厚さわずか6.99mmだ。ちなみにiPad miniは、ほんの髪の毛ほど厚い7.22mmだ。重量を極限まで減らすためにSonyはほぼ全面的にプラスチック筺体の採用に踏み切った。そう聞くとちゃちなタブレットの仕様のように感じるかもしれないが、もちろんこのケースにはあてはまらない。非常に軽量であるにもかかわらず、Tablet Zは驚くほど頑丈で高級な手触りだ。端を持ってひねると多少のねじれを感じるので、長い間のうちに何か問題があるかもしれないが、未だ市場にあふれている安っぽいプラスチック製タブレットとは比べものにならない。

Tab Zの防水筺体の中には、4コアSnapdragon S4 Proチップセットおよび2GBのRAMが収められ、私が触っていや殆どの間Tablet Zは遅れを感じさせなかった。モバイル・ワールド・コングレスで数十台ほどのデバイスを一般公開する際、多くの会社はわれわれナードがいじり回しすぎないよう排除しようとする。ここでは違った。私はGoogle Play StoreからQuadrantをダウンロード、インストールして、Tablet Zの実力の片鱗を感じることができた。3回の試行の結果、Tablet Zは7000台前半を維持し最高は7601だった。Nexus 10やAsusのTransformer Pad Infinity TF700は、4000台半ばをさまよっている。

もちろんこれは人工的ベンチマークであり、性能の全体像を表わすものではないが、Xperia Tablet Zがぐうたらでないことは確かだ。

私はたった一つだけ、Xperia Tablet Zに不満がある。SonyがAndroidに被せたカスタムUIだ。古くからの読者ならご存じだろうが私は無垢Androidの支持者であり、Sonyの実装は私に合わなかった。公平を期して言えば、これは他のごちごちゃしたものより軽くて面倒もないので、違う意見もあるだろうが、メニューをたどる際の時々つっかえる感じや、背景画像を設定すると歪む点は問題がある。それでもSonyはこれらを補う気の利いた機能をいくつか追加している。番組案内機能もある万能リモコンアプリや、位置情報付き写真を地球儀に表示する改訂版のギャラリーなどだ。

昨日朝のプレス会見で、Sony Mobileの鈴木国正CEOは、新たな方策として「最先端技術とリソース」をSony Mobileに注ぎ込むことを宣言し、2013年を「ブレークスルーの年」であると自信を持って語った。もちろん実際どうなるかを予言するには早すぎるが、不可能でもない。このXperia Tablet Zは、Sonyにとって稀な(でないことを祈る)原点回帰であり、2013年が同じように吟味されたSony製品であふれることを期待したい。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Google+プラットフォームがメジャー・アップデートしてサードパーティーのサービスにG+アカウントでサインインが可能に―「ソーシャルスパムなし」が自慢

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Googleは先ほど、Google+プラットフォームのメジャー・アップデートリリースした。今回のアップデートの目玉はGoogle+のログインでサードパーティーのサイトへのサインインが可能になったことだ。このGoogle+のアカウントによるサードパーティーへのログイン・サービスは、Googleによれば「現在のGoogleによる認証システムよりはるかに高機能だ。ただし旧バージョンも従来どおり機能する」とのこと。

このサインイン機能を利用するとユーザーはサードパーティーのウェブやモバイルのサイトに新たに登録する際、Googleアカウントが利用でき、さらにGoogle+のプロフィールを持ち込める。つまり新しいユーザー名やパスワードをいちいち用意する必要がない(この点ではFacebook Connectとほぼ同様の機能だ)。

新システムでは従来からGoogleが推奨している2段階認証やOAuth 2.0が利用できる。しかしそれだけではなく、デベロッパーは必要に応じてさらに多くの新機能を利用できる。たとえば、サイトの訪問者がワンクリックでAndroidアプリをインストールできるようにしたり、FitbitのデータやShazamのコンテンツを直接Google+のプロフィールに掲載したり、相手を選んでタイムラインに流して共有できるという。

すでにBanjo、Beautylish、Fancy、Fitbit、Flixster、The Guardian、OpenTable、Shazam、TuneInRadio、USA TodayがGoogleの新しいサインイン/ログイン機能をサポートしている。

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Googleによれば、この新システムにはいくつか重要なメリットがあるという。中心となるのはもちろんサードパーティーへのログイン機能そのものだが、ユーザーから見た場合は現在のGoogleログインと事実上変わらない。昨日、Googleの担当者に取材したところ「メジャー・アップデート後もユーザー体験が変わらないようにすることに特に気を配った」という。

新機能はウェブ、iOS、Androidのすべてをサポートする(もちろんワンクリック・インストールはAndroidのみ)。アップデートが世界の全ユーザーに公開されるにはここ数日かかる見込みだ。

では今回のアップデートで本当に変わったのは何か? それはログインシステムを利用した機能拡張だ。


対話的共有

GoogleはGoogle+に「対話的共有」と呼ばれるボタンを追加した。デベロッパーはこのボタンにさまざまな機能を実装することができる。Googleではデベロッパーの自サイトやモバイル・アプリのの関連ページにジャンプする、プロダクトを購入したりレビューしたりする、音楽を再生する、など100種類以上のアクションを用意している。対話的共有ボタンを使えばGoogle+の投稿にこうした機能が簡単に導入できるようになる。.

選択的共有

Google+チームは以前から「デベロッパーががユーザーのストリームに自動的に投稿を送り込むようなことを許すつもりはない」と言ってきた。「そんなことをするのはスパムに等しい」というのがチームの見解だ。今日のアップデートもその約束に違わず、依然としてユーザーのボタンクリックという積極的行動なしにデベロッパーがユーザーのタイムラインにメッセージを送ることはできない。しかしボタンがクリックされた後はGoogle+のプロフィールのページを自動的に更新できるなど、デベロッパーには自由が増えた。

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Googleチームは私の取材に対し、スパム防止と情報共有の調和に関して次のように説明した。

われわれはアプリや個人が他のユーザーのニュース・ストリームににスパムすることを防止しようと務めてきた。一方、Google+ではサークルを選んで情報を共有できる機能を提供している。そこでわれわれはユーザーがストリーム中で明示的に共有を選択しないかぎり、その情報はユーザー自身のプロフィール・ページのみに表示されるようにした。ユーザーはその後、プロフィール・ページ中から任意の情報を選択してGoogle+上に改めて公開することができる(たとえば今日聞いた音楽の曲名や一日に何歩歩いたかなどの情報)。

ユーザーがサークルや個人を指定して共有した情報はすべてその相手のウェブなりモバイル・アプリなりの通知バーに表示される。Googleによれば、これはメッセージができるだけ正確に意図した相手にのみ表示されるようにするためだという。

これがどう機能するのか例を見てみよう。Fitbitはユーザーが「毎日何歩運動したか」を自動的にプロフィールに表示して共有できるようにする。実際の手順はこうだ。ユーザーはGoogle+アカウントでFitbitにログインする。次にFitbitが提供する情報のうち共有したい種類を選び、次に共有相手のリストないし個人を選ぶ。

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一方、Fancyのようなサービスでは、ログインの際にユーザーがそのAndroidアプリをインストールしていないことを探知した場合、ユーザーにアプリをインストールするか尋ねる。これでデベロッパーはアプリのインストールするを(Googleの表現によれば)魔法のように増やせるのだという。ただし現在のところアプリのワンクリック・インストールは無料のみがサポートされている。

Googleはデベロッパーに新システムへの早期移行を勧めているが、今後も旧システムは機能させる。新システムのリリースにあたたってのパートナーの一つ、OpenTableは私の取材に対して、「Google+を利用したウェブとモバイル・アプリへのサインインへの新システムへの移行はごく短時間ですんだ」と語った。Googleは「新システムの基本的部分の実装には1時間もかからないだろう。対話的共有や選択的共有機能を駆使した複雑なシステムの開発でも2週間程度でできる」という。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

アメリカの将来はソフトウェアに―ザッカーバーグ、ゲイツ、ドーシーたちが子どもたちにプログラミングを勧めるビデオに登場

Code.org先月発足したコンピュータ科学教育の振興を目指す新しいNPOで、ベンチャー投資家のAliHadi Partoviの兄弟によって設立された。Code.orgは世界でももっとも有名かつ成功したプログラマーのオールスターを揃えたビデオを公開した。このビデオで彼らはプログラミングがいかに人生を変えたかを振り返り、プログラミングは知らないものが思うほど難しいものではないと説明している。

上にエンベッドした5分間((9分間のロング・バージョンもある)のビデオの監督はWaiting for Superman〔スーパーマンを待ちわびて〕 やAn Inconvenient Truth〔不都合な真実〕のプロデューサーとして有名なレスリー・チルコットだ。出演者はマーク・ザッカーバーグビル・ゲイツジャック・ドーシードルー・ハウストン〔Dropboxのファウンダー〕、トニー・シェイ〔ザッポスのファウンダー〕、マイアミ・ヒートの選手クリス・ボッシュ(NBAに入る前、ジョージア工科大でコンピュータ科学を専攻していた)、その他そうそうたるメンバーだ。

プログラミングという難しげなテーマにもかかわらず、出演者の人間味があふれる楽しいビデオになっている。

私の電話インタビューに答えて「楽しいビデオにすることがカギだった」とHadi Partoviは語った。このビデオは一般の人々、特に子どもたちや若い層に訴えかけるのが目的だからだという。プログラマーの不足という根深い問題を解決するには草の根からの運動が重要となるというのがHadiらの考えだ。

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大学でプログラミングのコースを選ぶ学生の比率は依然として低い。さらに悪いことに、プログラマーはアメリカでもっとも急速に求人が増加している職種であるにもかかわらず、アメリカの学校ではまったくといってよいほどプログラミングを教えていない。Partoviによればアメリカの学校では10校に9校までがプログラミングを教えておらず、教えている学校もほとんどが選択科目にしていて、卒業に必要な必修単位にしていないという。「木材工芸なみの扱いだ」と。Partoviは言う。

事実、統計によれば(上のグラフ参照。詳細はCode.orgのサイトに)、今後予測されるアメリカにおけるプログラマーの求人数とプログラミング技術を持った卒業生の数の間には非常に大きなギャップが存在する。このことはIT業界の関係者が常日頃痛感しているとおりだ。

100万人の雇用というのは5000億ドルの経済規模だ。 財政の断崖にも匹敵する金額である。Partoviはこう説明する。「これはアメリカ経済にとって非常に大きな問題だ。われわれは高度な技術を持った移民の受け入れを容易にすることで対処しようと努力している。これも重要だが、長期的に本当に重要なのはプログラミングをより多くの人々に教えることだ」”

ではわれわれにもできることはあるだろうか? 第一歩は簡単だ。このビデオを家族、友だち、同僚、知人などできる限り多くの人と共有して見てもらうようにすることだ。

その上でさらにいくつか可能なことがある。読者が教員ならCode.orgを訪問して自分の学校にコンピュータ・プログラミングのコースを設けるよう訴える請願に署名する。自身がコンピュータ・エンジニアであれば、時間を割いて子どもたちにプログラミングを教えるボランティアに加わる。両親であるなら子どもたちにCode.orgのウェブサイトで簡単なプログラミングを学ぶよう勧める。あるいは近所でプログラミングを教える学校を探す。そういったことができるはずだ。

非常に大きな問題だが、Code.orgは解決に向けて正しい方向に一歩を踏み出したようだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

169ドルのHP Slate 7は、まさしくHPらしいAndroidタブレット

HPはタブレット競争に出遅れたが、決して諦めてはいない。169ドルのHP Slate 7は本物だ。HPの勝利は約束されている、たとえライバルより売れなくても。

HPはつい先ほどSlate 7を発表した。この製品に何ら特別なことはない。価格は169ドルで、デュアルコアの低価格タブレットだ。裏面のHPロゴがなければ、ただのジェネリックタブレットだ。そして、それでいいのだ。

現時点でHPは確立された信頼あるブランドであり、革新を起こす必要はない。登場すればいいだけだ。

最近のトラブルの数々にもかかわらず、HPは未だに世界最大のパソコンメーカーだ。同社はこのタイトルを2006年以来持ち続けており、その前の4年間はDellの後を追っていた。Lenovoが近くHPからタイトルを奪取するかもしれないが、それでも未だ価値あるHPのブランドは衰えない。殆どの消費者にとって、HPは以前も未来も確実な買い物だ。

誰もがHPパソコンで問題に遭遇したことがあると言ってもあながち誇張ではない。過去15年間最も多く売ったコンピューターメーカーとして、HPは長年消費者を幻滅させてきた。誰にでもHPホラーストーリーがある。しかしこれにもかかわらず、このブランドは未だに他のどの会社よりも多くのパソコンを売っている。多くの人々が未だにHPパソコンを買っている。

一般消費者にとっては、Asusって誰?

名前の知られたブランドゆえ、消費者はHP製品とのつきあい方を知っている。彼らは無料のバンドルソフトが付いていたり、平均以下のハードウェアであっても、良心的な価格であることを知っている。Asusタブレットとはどうつきあえばよいのだろう。平均的ウォールマート買い物客にとってAsusとは誰だろう。知らない名前だ。

みんなが知っている話だ。何年もリーダー不在を続けた後、HPは消費者市場でもがき苦しんでいる。パソコンの売上は落ちた。HPはモバイル製品を持っていない。人々はプリンターを買わなくなってきている。その結果、AOLのダイアルアップ定額料金と同じように、HP売上のばかばかしいほどの部分はプリンターインクから来ている。

さらに悪いことに、HPのエンタープライズ向けハードウェアとサービスビジネスも落ち込んでいる。それでも、こうした不調にもかかわらず、HPは昨期ウォール街の予想を何とか上回った。

簡単に言えば、HPマシンは減速している、しかし遅くなったHPでさえ、かなりの競争相手なのである。

HPはどこにでもある。HPパソコンはWalmartからBest Buyまで、そしてあらゆるオフィス用品店で売られている。HPが最大のコンピューターメーカーになったのは、彼らが最高のパソコンを作ったからではなく、流通のためだ。

この巨大な流通ネットワークのおかげで、HPは169ドルのAndroidタブレットを苦もなく多くの人々の目に曝すことができる。おそらくHPは、証明済みのノートパソコン戦略に倣って画面やスペックを良くしたアップグレードモデルをわずかに高い価格で売り出すだろう。そのモデル、あるいはモデルファミリーは、容易にSlate 7からのアップセル需要を生み出すだろう。もっといい画面が欲しい? あと30ドル出せばCPUも速くなるよ。

HP Slate 7で、HPはその強みを生かしている。これはHPにとっては日常的製品であり次なる目玉などではない。

タブレットは急速にコモディティー化しつつあるが、バニラ製品を売るのはHPが最も得意とするところだ。今のところ、安物タブレットは安物タブレットでしかない。本誌のChris Velazcoが数分間HP機をさわった限り、それは面白くもないマシンだった。まあしかし、169ドルのタブレットてある。魅力を感じることはないだろうが、その必要もない。

HPはベンチでAmazonとGoogleの高価格レースを徹底的に見てきた。そしてこの低価格タブレット市場が生まれた。HPがプレミアム製品の会社であったことはない。スポンサー付きソフトウェアでコストダウンした面白味のないマシンを船一杯売る
方法をこの会社は知っている。HPが最初の消費者向けタブレットで失敗したのは、なにか特別なことをしようとしたからにすぎない。あれはバニラアイスではなかった。このHP Slate 7は失敗しそうにない。

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(翻訳:Nob Takahashi)

TokBoxのWebRTCによるビデオチャットがFirefoxのNightlyとAuroraに対応

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スペインのTelefónicaが2012年に買収したTokBoxは、ビデオチャットサービスの中では早くからWebRTC(Web Real-Time Communication API)を採用した企業の一つだが、今WebRTCは、プラグインが要らずブラウザ本体の中でビデオやオーディオのリアルタイム通信ができる技術として、標準規格の整備が急がれている。TokBoxは、今年初めにChromeで使えるようになったのに続き、今日(米国時間2/25)はMozillaのFirefoxにも対応した。ただしFirefoxの最終安定バージョンではなく、先進機能をテストしているバージョンであるAuroraとNightlyにおいてだ。そこでFirefoxのデベロッパたちはTokBoxのWebRTCバージョンであるOpenTokプラットホームを利用して、自分のアプリにビデオ通信機能、たとえばビデオチャットなどを実装できることになった。そのチャットは今や、iOSとChromeとFirefoxのユーザ間で可能だ。

WebRTCがFirefoxの先行リリースバージョンに載ったということは、安定リリースバージョンではバージョン21か22あたりでWebRTCがサポートされるのかもしれない(今はバージョン19)。

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TokBoxのCEO Ian Smallの話では、同社がMozillaとの共同作業を開始したのは昨年の11月ごろだ。彼のチームはMozillaによるWebRTCの実装に初期段階からアクセスできることになり、実装の安定化に向けてのMozillaの努力につきあってきた。TokBoxのOpenTokプラットホームは、デベロッパがWebRTCのブラウザごとの実装の違いを気にする必要がなく、またビデオを大量のビューワにブロードキャストしたり、ビデオを録画するなど、ふつうのブラウザネイティブのWebRTCアプリケーションにはないようなサービスも提供している。OpenTokは、同社(TokBox)によれば、7万あまりの企業や団体が使っており、その中にはMajor League Baseball、Ford、Bridgestone、それにリモートプレゼンスを提供するスタートアップDouble Roboticsなどがいる。

Smallによると、“Firefox 21(近未来)とChrome 25(現在)の間で、安定的な相互運用性が得られるようになるだろう”、という。彼によると、WebRTC自身がまだ幼児期であり、ブラウザ内のネイティブバージョンを使って2人の人間のチャットは可能でも、グループチャットや録画は多くの実装がサポートしていない。またWebRTCの標準規格も、それらの機能ははサポートしていない。またTokBoxにおけるSmall自身のWebRTC体験に基づくと、その仕様はGoogleのVP8形式以外のビデオコーデックにも対応すべきだ。そしてまた、アプリケーションがユーザにより多くの帯域を許容できるために、帯域の割り当てをWebRTCの標準規格に(標準機能として)盛り込むべきだ、と彼は語った。

このように、課題や問題はいろいろあるけど、Small曰く、今年の後半はWebRTCがデベロッパ界隈で本格普及期に入る。今やモバイルでもデスクトップでも、主なブラウザがすべて、WebRTCをサポートしているのだから。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

自分で3Dプリンタを持ってない人をMakeXYZのコミュニティが助ける

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仕事のない3Dプリンタは、クリエイティブな人間にとって縁起が悪い。そこでMakeXYZ.comが助っ人になる。このサービスは、ユーザの近くにある3Dプリンタを見つけて、その…3Dプリンタを持ってない…ユーザが抱えるプリントジョブをリクエストする。大昔のリモートバッチジョブみたいに、ユーザがMakeXYZ傘下のメーカーにコンタクトするだけで、目的のアイテムをプリントしてくれる。

プログラマのChad MassoとNathan Toneがこのサイトを開いたのは今年だが、でもすでに、かなりの数の、暇な3Dプリンタが‘会員’になっている。会社があるのは比較的田舎(?)のオースチンだが、すでに利益が出ている。

彼らのWebサイトには、こう書かれている:

私たちは、人と人を結びつけることによって、お近くのメーカーたちやプリントショップで、3Dプリントをしてもらえるようにします。検索はzipコード〔アメリカの郵便番号〕で行います。見つけたらそこへファイルをアップロードし、色や素材などを指定します。プリント結果は、あなたへ送られるか、またはあなたが訪れるまで取り置かれます。高品質な3Dプリントを、早くゲットできます。

“まだ立ち上げから1か月半だけど、550台のプリンタが登録している。売上や受注量は、公表していない”、とToneは語る。“地元でプリントすると、とても安上がりだ。専門の3Dプリントサービスに頼む場合に比べると、うち経由でやれば費用は半分、納期は1/3だ。モデルを作った人とコミュニケーションもできる。匿名のファクトリーよりも、コミュニティの方が断然いいね”。

プリントの費用はモデルの表面積で決まるが、だいたい15ドルぐらいだ。単価は、1立方センチで約25セントだが、もっと高く設定してもよい。MakeXYZが価格の5%を取る。これは、3Dプリントの市場を大衆化し活発にするための、良い方法だと思う。プリンタそのものがまだ高いだけに、普及のためにはこれぐらいの工夫は必要だ。

Screen Shot 2013-02-25 at 2.30.49 PM

Toneによると、このサービスを思いついたのは、フックの付いた軽いスイッチカバーを作りたかったときだ。“ぼくは3Dプリンタを持っていなかったので、CADのファイルをニューヨークのプリントサービスに送った。料金が高くて、しかも品物の到着まで1か月以上もかかった。あまりにもかったるい経験だったので、よし、自分でやんなきゃだめだ!と痛感した。まず、ぼくが住んでるマンションには、Makerbotを持ってる人が一人いた。…。”。

“地域的なプリントサービスは、コミュニティが何よりも重要だ。それにニューヨークの専門ショップに頼むよりは安いし、しかも納期が早いのだ”、とToneは言った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ユーザーが達成感に浸る瞬間に広告を表示するKiipが日本展開を本格的に開始

新しいモバイル広告プラットフォームを構築しているKiipが本日、日本国内でO2O施策を開始することを発表した。Kiipは2010年に当時19歳のBrian Wong氏が創業したスタートアップで、スマートフォン向けに興味深い形で広告を配信している。

Kiipの広告配信システムについては本誌でも何度か取り上げているが、ゲームでステージをクリアしたりレベルが上がるといった何かを達成した瞬間に広告を表示するサービスだ。この瞬間をBrian Wong氏はハッピーモーメントと呼んでいるのだが、ユーザーが達成感に浸っている時に広告を表示してエンゲージメントを高めることを狙っているようだ。

また、Kiipの特徴は単なる宣伝の広告ではなく、ユーザーのメリットが大きい商品などのクーポンが中心になっている。例えば、一番わかりやすい例だとランニングを管理するアプリで、10kmを完走した瞬間に水のクーポンが出る。といったように、実際に使えるものが多い。

このスタートアップが日本でO2O施策を展開する。大手コンビニチェーンのローソンと組み、アチーブメント広告にフライドフーズの「Lチキ」の無料クーポンを採用する。ローソンといえば、LINEでもいち早くアカウントを開設しスタンプで自社のキャラクターを流行らせるなど、新しい施策には積極的に取り組んでいる印象が強い。

ローソンがなぜKiipを活用するのか、それはこの広告システムの高いCTRが魅力的だからだろう。Kiipと提携しているCGMマーケティングの杉崎健史氏によると、日本では第一事例として共通ポイントのPonta(ポンタ)がKiipを利用したそうだが、この時のCTRはなんと12%にもなったという。

普通のバナー広告のCTRが0.12パーセントほどだというので、約100倍の数字だ。この数字は何かを達成した瞬間に表示される広告のポップアップをタップした割合で、そこからクーポンをもらうためにメールアドレスを入力したユーザーはそのうちの2%、最終的にクーポンを使ったユーザーは5%となっている。

共通ポイントのPontaの広告でコンバージョンがこれだけ高いので、コンビニで簡単にチキンをもらえるとなると、ローソンの広告はもっと高い数字が見込めるかもしれない。

Kiipの広告はアプリ提供者側にとって、他の広告システムよりもユーザーの邪魔にならないし、収益も高い。だが、懸念事項として広告が表示され、メールアドレスを入力し、クーポンをもらうためにメールボックスを見るという行動によりゲームプレイを中断させることになる。とくにステージクリアをした瞬間というのはキリが良いので、離脱率が高くなってしまうかもしれないと考える方も居るだろう。

でも心配はいらないようだ。Kiipを利用してゲーム達成時の広告を導入したアプリは現在約700存在するが、これらのうち68パーセントのアプリが利用時間を伸ばし、31パーセントがより頻繁にアプリを起動され、30パーセントが利用日数の拡大に成功したという。

アプリそのものに飽きてしまっても、そのアプリで遊べば何かクーポンがもらえるかもしれないという気持ちが芽生えるのかもしれない。

Kiipではユーザーが逃げてしまわないように、広告はすぐ消せたり、アドレス入力のシーンでは広告をクリッカブルにしないなど、細かい配慮もしているそうだ。

今後の展開としてはローソンとの施策をはじめ、ドラッグストアや他のコンビニでもO2O施策を開始する予定だ。

現状では広告主の数が少ないため、ゲームと広告に関連性が無いものが多い点が気になるが規模が大きくなるにつれて改善されるのだろう。

なお、Kiipはデジタルガレージなどから資金を調達しており、日本国内ではデジタルガレージの子会社であるCGMマーケティングとともに展開していく。