家庭内音楽ストリーミングLANスピーカーのSonosが音楽業界の変化に適応するため社員をレイオフ

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今鳴らしている音楽を家中のどの部屋でも聞ける、というWiFi/EthernetスピーカーLANを主製品とするSonosが、CEOのブログ記事によると、音楽業界の変化に対応して有料ストリーミングサービスと音声コントロールにその業態を絞り込むために、社員をレイオフする、と言っている。

CEOのJohn MacFarlaneらがSonosを創業したのは2002年だったが、今日のブログ記事によると、“将来的には有料ストリーミングと音声コントロールが音楽産業で重要な役割を担うと思われるので、今後の数十年間、それらの分野のイノベーションに注力して、持続可能で利益の出る企業経営に専念したい。とくにこれまでの数週間が、Sonosの全員にとって厳しかった。われわれは結束の固い仲間だから、別れを言うことはきわめて苦痛だ。でも、この変化を敢行することはSonosの未来にとって正しい、と私には分かっている”、ということなのだ。

Sonosが作っているのはワイヤレスのサウンドシステムで、それをApple Music, Spotify, SoundCloudなどメジャーな音楽ストリーミングサービスにアクセスするアプリに接続する。Sonosの製品は、複数のスピーカーを接続でき、簡単に使えるので人気になった。しかし今やワイヤレスのホームオーディオは、SamsungGoogleなどの大手テクノロジー企業との競合に直面している。

MacFarlaneはブログ記事で、こう述べている: “Sonosは今、ストリーミング音楽が、現在と未来において消費の支配的な形式である、という自分たちの長年の確信に、倍賭けしようとしている”。しかしそれに加えて彼は、Amazon Echoのような音声コントロール製品をますます多くの消費者が採用していくから、それもまた同社の将来において重要な役割を持つ、と言っている。

“Alexa/Echoは音声コントロールの力を家庭で見せつけた最初のプロダクトだ。それが消費者間で人気になることによって、業界全体のイノベーションが加速される。今日目新しいものが、明日はスタンダードになる”、とMacFarlaneは書いている。“これに関してもSonosは長期的な視点を持ち、音声対応の音楽体験を家庭に持ち込む最良の方法を開拓する。音声は、我が社にとって大きなチャンスなので、それを素晴らしい方法で市場化するために投資をしていく”、のだそうだ。

レイオフの詳細を問い合わせると、こんなメールが来た:

“多くの高成長企業がそうであるように、Sonosもその労働力人口を絶えず評価して、われわれを次の大きな成長に導くことのできる技能と才能の確保に努めている。

ストリーミングへの遷移が加速している今は、我が社の機会もかつてなかったほどに大きい。我が社は今、家庭へすばらしい“音楽はでっかい音で聴こう(listen-out-loud)”体験を継続的にお届けできるための、絶好の位置につけている。そして、未来においても”。

…だとさ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AmazonがBoeing 767輸送機を20機リースして配送をスピードアップ

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Amazonのロジスティクスが、でっかい一歩で前進。北米地区の配送用にBoeing 767の一群をリースしたのだ。航空貨物輸送企業のAir Transport Services Group (ATSG)によると、Amazonは同社の航空機20機を5〜7年リースすることに合意した。

この発表は、Amazonが自社の輸送機を運用したがっている、という昨年晩くの報道を確認する。それによりフルフィルメント業務をFedEx, USPS, UPSなどのサードパーティのロジスティクスプロバイダから自己のコントロール下へ移して、経費を節約し、さらに可能性としては配送の大幅な遅れを防ぐ

ATSGによると、合意の詳細はSECに提出する文書で公表する。Seattle Timesの12月の記事によると、専用輸送機Boeing 767Fの月額リース料金は約60〜70万ドル、旅客機を改装した機では30万ドル強だ。Amazonの配送コストは2014年に87億ドル、2013年から31%増加しているが、航空機を自前で持てばかなりの節約が期待される。

Viceの記事によると、AmazonはすでにATSGとパイロット事業を行っている。それは、航空貨物を、ATSGの本社のあるオハイオ州ウィルミントンから、ペンシルベニア州アレンタウンやフロリダ州タンパ、カリフォルニア州オークランド、およびカナダのオンタリオの空港へ運ぶ、という内容だった。

合衆国におけるAmazonのロジスティクス自前化努力としてはほかにも、自社保有トレーラートラックの隊列ドローンによる配送の実験などがある。

Amazonも今や、ほかのeコマース企業や、Instacartのようなオンデマンド企業との競争圧力が大きいから、Amazon PrimeやAmazon Freshなどのサービスを通じて、お客さんに極端に早い配送を約束することが必須の要件になっている。

同社は、国際的ロジスティクスでも忙しい。1月には同社の中国の子会社が、他企業のための海上貨物輸送の免許を獲得した。これで、同社のプラットホームを利用している中国の商業者が合衆国へパッケージを送るのが、容易になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Showcase Gigが三井住友カードと資本業務提携、渋谷にはカフェも開設

「THE LOCAL」

モバイル決済やオムニチャネル領域のサービス提供するShowcase Gigは3月8日、三井住友カードとの資本業務提携を発表した。両社は今後、モバイル決済ソリューションやO2Oなどの領域で協業を進める。またこれとあわせて本日3月10日、Showcase Gigのソリューションを導入したカフェを東京・渋谷にオープンした。資本提携による調達額・出資比率は非公開。ただし億単位の資金を調達したとみられる。

2社は3月より実店舗向けセルフオーダーシステム 「O:der by Self(オーダー バイ セルフ)」を共同で提供するほか、Showcase Gigがこれまで提供して来たモバイルウォレットサービス「O:der(オーダー)」に関する包括的な協業を進めているという。

O:derは、導入店舗のユーザーがアプリ上で事前に商品を注文・決済し、受取時間に店舗でQRコードを見せるだけで商品を受け取ることができるという、事前注文・事前決済を実現するセルフオーダーシステムだ。スタンプカード機能なども提供している。

O:der by SelfではO:derアプリからの事前注文・決済に加えて、O:der導入店舗に専用のセルフ注文・決済端末を設置する。これによって、O:derのアプリをインストールしていない来店者であっても、注文とクレジットカード決済を自身で完結できるという。

このO:der by Self導入の第1弾として、Good CoffeeとShowcase Gigは本日、キャッシュレス/デジタル コーヒースタンド「THE LOCAL」を東京・青山にオープンしている。

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SMX West 2016-App IndexingとApple検索。

今回の記事は、それぞれ別のセッションからのピックアップとなります。前半はGoogleのマリヤさんによるプレゼンテーションで、App Indexingの概要をまとめてくれています。後半は、MobileDevHQ社のイアンさんによるプレゼンテーションで、Apple検索についてのデータなどを披露しています。SEOにおいても無視できない領域であるため、この辺りもしっかり押さえておきたいところです。– SEO Japan

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Moderator:Barry Schwartz(News Editor, Search Engine Land, RustyBrick, @rustybrick)
Speakers:Mariya Moeva(Webmaster Trends Analyst, Google)

多くの時間がスマホで過ごされている、多くのアプリが落とされているが、アクティブなアプリは少ない。今日はApp Indexingの実装におけるメリットを中心にお話しする。

リッチスニペットと検索画面
検索結果画面のリッチスニペットで目立つことができ、インプレッションの増加が期待できる。また、検索結果からアプリへの直接向かうリンクを設置できる。大きめのロゴと一緒に表示。

サジェストに表示される
クエリとコンテンツに関連性があれば、サジェスト表示される。

ディープリンク(Now on Tap)
スマートフォンのあらゆる場所からアプリへのディープリンクを張ることができる。チャットの会話中にお店の話題が出て、そこからアプリへ導く、ということも。

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インストールカード
アプリを探していると強く思われるクエリには、カードとして表示される。

ストリーミング
検索結果画面から直接アプリのトライアルができる。(注:米国で一部のパートナーのみ)

アプリファーストコンテンツ
Webコンテンツでクエリとマッチしないものがあれば、アプリのコンテンツが検索結果に表示されるように。(アプリ内のみのコンテンツも表示)

AliExpressの場合
検索でのインプレッションが80-90%増加。また、関連性のある検索におけるクリック率が、30-40%増加した。また、すでにアプリをインストールしているロイヤルカスタマーは、コンバージョン率が高まった。

サーチコンソール
インデックスされているアプリのページ数を確認。クリック数やインプレッションも。Webサイトのように。また、インストールボタンのクリック数も。どのくらいインストールボタンが表示され、どのくらいインストールされたか、など。Webサイトと同様、サーチコンソールでアプリを認証しましょう。

Fetch as Google
Googleから見たアプリの表示を確認。

フィードバックは?
App Indexingについてのハングアウト(オフィスアワー)を開催している。また、リリースノートも公開している。

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まとめ

  • アプリのコンテンツを検索結果に組み込む
  • サーチコンソールを使用してROIを確認
  • 実装方法などの資料はこちら

Q&A

スパム対策
偽のレビューやダウンロードなどのスパムとGoogle Playは戦っている。ただし、App Indexingを用いたスパム例は多く見かけない。

Android Studio
App Indexingを実装した際、不備があれば指摘してくれる。

コンテンツミスマッチ
App Indexinの実装のエラーでコンテンツミスマッチが多い。

アプリストアSEO
アプリストアは全く別のもの。説明文、スクリーンショット、プレビューなどを良くすること。

MariyaさんがTwitterを再開!
アカウントはこちら

Appleは次の検索のキングとなるのか?

Ian Sefferman(CEO, MobileDevHQ, @iseff)

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iOSの3つの検索

  • iOS SpotLight(一般的な目的)
  • iOS ユニバーサルリンク(Webをアプリへマッピング)
  • Google App Indexing(アプリをGoogleへインデックス)

AppleはGoogleのテクノロジーをうまく使っている。

SpotLight
自身のスマートフォン内のデータなど、パーソナルな検索。例えばGettという、タクシーサービスのアプリの場合。一回使って、その後SpotLightでGettと検索すると、複数のGettが表示。過去に行った場所の記録が表示される。

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普及率
SpotLightの普及率は伸びている。カテゴリごとでは、生産的なアプリ(ドキュメントの共有や修正のアプリなど)や旅行系などが多い。ゲームや画像などはテキストのインデックスが難しいので適していない。アプリストアのTOPチャートの35%がスポットライト。

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ユニバーサルリンク
次世代のディープリンク。アプリをインストールしていれば、Webではなく、アプリに行く。

カテゴリごとのデータ
フード、ライフスタイル、ショッピングなどが多い。画像、ソーシャル、スポーツなどは低い。アプリストアのTOPチャートの27%がユニバーサルリンク。

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ローンチ後のエンゲージメント
ローンチ後着実に伸びている。青色のバーは、ユニバーサルリンク経由のアプリを開いた数。

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SpotLightの測定
下記のコードを追加することで、SpotLight検索経由からアプリを開いた数を測定できる。

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ユニバーサルリンクの測定
下記のパラメータを追加することで、ユニバーサルリンクのリファラを測定できる。

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App Indexingはまだ公式に公開されてから、1年半ほど経ちましたが、着々と進化しているイメージがあります。今後も検索とアプリの融合は進んでいくと思われます。また、Appleに関しても、検索に力を入れている気配が伺えます。Googleとはプロダクトに対する哲学がかなり異なるため、今後の進化が気になりますね。どちらかと言えば、ざっくりとした内容のセッションではありましたが、こうした情報を契機により深い学習をするのも良いのではないでしょうか?– SEO Japan

Oculusがソーシャル機能を追加、VRは友達と交流できるパーソナルな体験に

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もしOculusが普及したのなら、仮想現実空間は離れた場所にいる友人が集まって楽しむ、次のメジャーなソーシャルスペースへと成長するかもしれない。

明日からGear VRプラットフォーム上のユーザーは自身のプロフィールを作って、ユーザー名から友人を検索し、仮想空間で交流することができるようになる。

Oculusはブログ投稿でSocial Triviaの開発を発表した(これはAltspaceVRの施策にとても良く似ている)。Social Triviaは友人のアバターとソーシャルスペースで話したり、トリビアバトルで遊んだりできるものだ。Oculus Socialでは、ユーザーはVRのチャットルームを作ることができ、友人とVimeoやTwitchの動画を一緒に鑑賞することができる。

Facebook(Oculusの親会社)のCEO、Mark ZuckerbergはVRにソーシャル機能の搭載を進めていること、そして仮想空間上での交流の可能性について数週間前にその詳細を話したばかりだ。

「近々、私たちはあたかも目の前に相手がいるかのような体験を得たり、それを共有したりする力を誰もが使える世界となるでしょう」とZuckerbergは、先月開催されたSamsung Galaxy UnpackedのイベントでVRヘッドセットを装着したオーディエンスに語った。

このローンチに伴ない、Oculusはこのソーシャル機能を活用できる新たなマルチプレーヤーゲームも発表している。

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Herobound: GladiatorsはマルチプレーヤーのアドベンチャーゲームでOculus Storeから入手できる。最大4人のチームを組んで、バトルフィールド広場でゴブリンやデーモンを倒すゲームだ。チームメンバーと協力して戦うために、リアルタイムのボイスチャットで戦略について話すことも可能だ。

今月の後半に予定されているOculus Riftのローンチにこれらの機能がどのように関連するかについては言及されなかったが、これらの交流機能がOculusのハイエンドとモバイルVRユーザーの両方で意味があることは間違いないだろう。

Samsungは最新の契約で、Gear VRをより多くの人の手に届けることを目指している。モバイルVRヘッドセットを利用する既存ユーザーをつなげるためにもVRでのソーシャルな体験の重要性が増している。

また、Oculus Storeから利用できるコンテンツの量が増えるほど、5つ星での評価システム以外のユーザーレビューが必要になってくるのは明白だ。Oculusは今日、記述式のユーザーレビューを導入した。他のユーザー向けのフィードバックを残すのに有効な方法というだけでなく、開発者にとってコンシューマーがVRに何を求めているかを知る機会となるだろう。

Oculusは、今月の終盤にも「画期的なソーシャルなVRゲームやアプリをより簡単に制作するため」の開発ツールをリリースする予定だとしている。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

まだ名前のない次期バージョンAndroid Nのサプライズ・プレビューをGoogleが敢行、目的はデベロッパーフィードバック

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Googleが今日(米国時間3/9)予告なく、Android Nのデベロッパープレビュー発表した。しかも、デベロッパーや冒険家にとって便利なことに、そのプレビューはネットからのアップデート(over-the-air update)として入手できる。

予想ではGoogleは、5月に行われる同社のデベロッパーカンファレンスI/OまではAndroid Nの話をしないはずだった。でも同社は、まったく違うやり方を選んだ。

GoogleのAndroid担当SVP Hiroshi Lockheimerが、なんと、GoogleのブログではなくMediumの自分のアカウントに今日、デベロッパーからのフィードバックを早めに得たいのでプレビューの早期リリースを決めた、と書いている。デバイスのメーカーへのリリースは、今年の夏を予定している。Googleの現在のプランではプレビューを5回行い、本番リリースは2016Q3になる。

Lockheimerはこう書いている: “Android, N,の次のリリースには、デベロッパーのための大きな変化がいくつかあることに、気づかれるだろう。リリースがこれまでになく早いこと、より簡単に試せること、そしてフィードバックの方法が拡張されたこと。これらの変化によって、みなさまのお声の聞き漏らしや反映漏らしがなくなることを期待している。Androidをより強力にしていくものは、まさにそれなのだから”。

彼によると、早期リリースによってデベロッパーはAndroid Nの新しい機能を自分のアプリでサポートしやすくなる、という。

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Googleは、このリリースが過渡期的なものであることを強調している。機能は今後もっと増えるだろうが、でも当面は、今回のリリースの見どころについて主に語っていく、と。プレビューを実際にインストールしたときには、さらに機能が増えている可能性もある。

Android Nで変わったことのひとつが、通知機能の改良だ。たとえば”direct reply notifications“(ダイレクトリプライ通知)を使うと、ユーザーは、通知が来たらその場ですぐにリプライできる。またデベロッパーは、自分の同じアプリからの複数の通知を、束(たば)ねることができる。

そしてAndroidは、Nで初めて画面分割(split-screen view)を実現できる。これをサポートするアプリは、タブレットでもスマートフォンでも、ほかのアプリと横並びで走れる。その場合、アプリが占める画面の最小サイズをデベロッパーは指定できる。ユーザーは長年、マルチウィンドウのサポートを…とくにタブレットで…求めてきた。たとえばGoogleのPixel-Cタブレットは、この機能があるために、仕事で十分使えるほどの生産性をユーザーに提供する。

Android Nは横並び画面分割(マルチウィンドウ)のほかに、ピクチャーインピクチャーも提供するから、たとえばAndroid TVの画面の隅っこでビデオアプリなどを見られる。〔参考: iOS/iPadの場合。〕

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Android Marshmallowは今、Androidデバイスのわずか2.3%で動いているだけだが、GoogleはそこにDoze機能を導入した。それは静止状態のデバイスの超省電力モードのことだ。

Android NでGoogleはその概念をやや前進させ、Dozeは画面がoffのときも電池節約機能を発揮する。さらに今後は、メモリの節約を徹底し、バックグラウンドで動くアプリの動作をより効率的にしていくそうだ。

Android Nのそのほかのデベロッパー待望の機能としては、Java 8の言語サポートが改良されたことが挙げられる。そのためデベロッパーは、AndroidのJackコンパイラーを使って、ラムダなどの機能を利用できる。それによりデベロッパーは、定型的な決まりきったようなコードをたくさん書かなくてもよくなる。〔参考: Java 8 lambdadoc)、AWS Lambdadoc)。〕

これはGingerbread以降のすべてのAndroidで使えるが、Android Nではさらに、デフォルトとスタティックメソッド、ストリーム、関数型インタフェイスなども使える。

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では、Android Nを今日試すにはどうするか? 何かが動かなかったり、ランダムに壊れたりするのが平気な人は、ネットからのアップデート(over-the-air(OTA) update)にサインアップするとよい。ただしこのリンクが生きるのは、今日(米国時間3/9)の午後からだ。そしてもちろん、Nexusデバイスを必ず使いましょう。

このアップデートが可利用なのは、GoogleのNexus 6, Nexus 5X, Nexus 6P, Nexus Player, Nexus 9, そしてPixel Cだ。古いNexus 5の名前は、ここにない。一度Nにアップデートしたら、その後のアップデートはリリースの都度Googleがプッシュする。

OTAアップデートのほかに、サポートしているデバイスやAndroidエミュレータのためのシステムイメージも継続的に提供される。

Marshmallowがまだ3%も普及してないのに次のAndroid Nを出すのは性急なようにも思えるが、今回のプレビューにもまだ盛り込まれる機能があるのだろうし、今後のプレビューでも機能はさらに増えるだろう。Googleが求めているのは、デベロッパーからの早期のフィードバックだ。現時点では、デベロッパーのためにいくつかの新機能を強調しているだけのようだが。

Googleがまだ明かしていないことの一つは、M(Marshmallow)の次のNがどんなお菓子やデザートの頭文字か、ということ。Lockheimerのポストが”nut tellin’ you yet”(まだ言えない)と言ってるから、 ‘Nutella’かもしれないね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、オープンコンピュートプロジェクトに参加

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Googleは今日(米国時間3/9)、オープンコンピュートプロジェクト (OCP)に参加したことを発表した。OCPはFacebookを始めとする複数の企業が5年前に設立したプロジェクトで、オープンソースハードウェアを通じてIT基盤開発を推進することを目的としている。例えばFacebookは、同社のサーバーやデータセンターのハードウェアの作り方をオープンソース化する。

過去数年間、Googleも自社のデータセンターの作りについて一部の情報を公開してきたが、 今回さらにFacebookらと共に、OCPオープンラックプロジェクトに参加する。このプロジェクトの目的は、48V電源をデータセンターのラックに供給することだ。Googleは、48Vのラック電源に2010年から取り組んでおり、その過程で前世代の12Vシステムより30%エネルギー効率が良くなったと言っている。

「業界がこれらの同じ問題の解決に取り組み、機械学習用GPUのような高負荷を扱うようになってきた今、OCPで協力して新たな設計を標準化することが理にかなっている」とGoogleの技術プログラムマネージャー、John Zipfelが今日の発表に書いている。「われわれはこれが次世代電源アーキテクチャーを採用する人全員に役立ち、Googleと同じ節電と費用削減を実現するものと信じている」。

Googleはこれを、OCPへの取り組みの第一歩にすぎないと言う。Google広報担当者は本誌に、Googleは今後も「管理ソフトウェアやハイパースケールコンピューティング向けストレージディスクドライブ等の新しい分野のOCPプロジェクト」についても探究を続ける予定だと話した。Googleは先月発表したように、データセンターのディスクドライブ環境の改善には特に関心が高い。

ちなみに、今日OCP関連の行動を起こした会社はGoogleだけではない。Microsoftは2014年からプロジェクトに参加しており、本日同社も、Arista、Broadcom、DellおよびMellanoxと共に、様々なネットワークコンポーネントをプロジェクトに提供することを発表した

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

これがGoogleの自動走行車が起こした接触事故のビデオだ

去る2月14日、Googleの自動走行車がAIによる自動運転中に初めて接触事故を起こした

Associated Pressは、事故当時のバスの車載カメラの映像を入手することに成功した…それは…(関係者全員にとって幸いなことに)事故報告書から想像した通りのありふれたものだった。ある時点でバスの運転手はサンドイッチを食べるのをやめたように見える。

幸い事故による怪我人は報告されていない。Googleは、今回の事故を起こしたロジックを既に修正したと言っている。

アップデート:残念なことにビデオは削除されたようだ。別のコピーを探している。

アップデート #2:誰かがYouTubeに再アップロードしたようだ。新しいビデオを上に貼ってあるが、最初のビデオが削除された理由がわからないので、これも消えるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

FacebookがSnapchatと対抗するため、動画フィルターアプリのMSQRDを買収

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Snapchatはセルフィー用のアニメフィルターを拡充するためにLookseryを買収したが、Facebookもメッセージ分野で肩を並べるため、画像フィルターアプリを買収した。

本日、FacebookはMasqueradeの買収を発表した。MasqueradeはLookseryのようなアプリで、スマホで撮影した画像に面白いフィルター効果を付け加えることができるものだが、これは動画に特化している。このスタートアップ(MSQRDの表記が一般的)は、ブログ投稿で買収について発表し、TechCrunchはFacebookから直接このニュースが事実であることを聞いた。

「Masqueradeが制作したMSQRDは素晴らしいアプリです。世界でも有数の動画加工テクノロジーを持っています。Masqueradeを迎えることをとても嬉しく思います。今後もFacebookの動画体験はさらに良くなるでしょう」とFacebookのスポークスパーソンは話す。Facebookは動画機能を拡張すると強調してきた。それには動画編集ツールから、動画にスタンプやテキストを追加する機能の拡充が含まれていて、今回もその戦略に則った買収だ。

MSQRDとFacebookは買収額について開示していない。興味深いのはロシアの投資家Eugene Gordeevは2週間前にAppleがMSQRDを1億1700万ドルで買収すると投稿していたことだ。Gordeevはこれは完全な嘘情報だったとTechCrunchに話した。

MSQRDはベラルーシの企業で、アプリをスタンドアローンのプロダクトとして引き続き公開するとしている。FacebookはMSQRDの主要メンバーであるEugene Nevgen、Sergey Gonchar、Eugene ZatepyakinはFacebookのロンドンオフィスで働くことになるとしている。

MSQRDに投資しているのはGagarin CapitalのYuri Gurskiのみのようだ。アプリは昨年にローンチしてから徐々に人気を獲得してきた。

今回のニュースは、メッセージアプリの大手同士がこれまで以上に激戦化している市場においてより多くのオーディエンスを獲得するための競争を表していると言えるだろう。

Facebookのメッセージアプリ「Messenger」は世界でも広く普及しているが、WhatsAppやInstagram、そして短時間でメッセージが消えるSnapchatは若いユーザーの間で大ヒットしている。

Facebookは過去にSnapchatを約3億ドルで買収し 、このデモグラフィックを抑えようとした。買収はうまくいかず、Facebookは別のアプリでSnapchatのクローン機能を試みていた。

FacebookがMSQRDから得られるIPや技術的なノウハウを検討する以前に、このようなスタートアップを買収するということは隣人と肩を並べるための戦略の一環のようだ。今回のケースでは、Spiegel(Snapchatのファウンダー)に遅れを取らないようにしたい思惑だ。

アプリの動画レビューは こちらから見れる。

この買収案件を最初に伝えたのはBusiness Insiderだった。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

新興国向けアプリのFacebook Lite、月間アクティブユーザー1億人を突破

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Facebook Liteは、Facebookの機能を絞ったAndroid向けサービスで、このほど月間アクティブユーザーが1億人を超え、同社で最も成長の速いモバイルアプリとなった。

このアプリは新興国の低価格スマートフォンと低速インターネット接続を利用するユーザー向けに作られたもので、昨年6月に公開して以来9ヵ月でユーザー1億人の節目を迎えた ― これはFacebookのメインモバイルアプリ等よりも速いペースだ。Facebookによると、同アプリはブラジル、インド、インドネシア、メキシコ、およびフィリピンで特に人気が高く150ヵ国で使われている。

アプリのサイズはわずか1MBで、すぐにダウンロードてきて使用メモリーも少ない。このため機能はかなり基本的なものだが、Facebookはビデオ、写真の複数アップロード、ピンチによるズーム、絵文字等の新機能を加えて見映えをよくしている。

本誌はFacebookに、iOSや他のプラットフォーム向けに同様のアプリを提供する計画があるかを尋ねたが、回答はなかった。Facebook Liteではユーザーが「広告をある程度」見ると同社は言っている。現時点でFacebook Liteユーザーは、同ソーシャルネットワークの15.9億アクティブユーザーの小さな部分を占めているにすぎないが、急速な成長が続けば、アプリの広告戦略を見直す必要があるかもしれない。

ソーシャルネットワークアプリを1MBに縮めるのは容易な作業ではなく、Facebookは、どうやってその偉業を成し遂げたかをブログで公開し、新興国市場で運用する企業のために情報提供している。

数ある米国企業の中でも、Facebookは新興国市場に最も順応している会社の一つだ。
Facebookは世界中に社員を駐在させ、新興国市場には定期的にスタッフを派遣して現地の状況を把握している。昨年同社は「2G火曜日」 を実施し、米国拠点の社員が自ら接続の遅い環境を体験した。

Facebookは、Free Basicsサービスも運用している。従来Internet.orgと呼ばれていたもので、「次の10億人」をつなぐために一部のウェブサービスを無料で提供している。このサービスは、ユーザーが見ることのできるサービスをFacebookが任意に選択していることから異論もあり、ネット中立性の原則に反するとしてインドではブロックされている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Oculus Video、Facebookの360度コンテンツをソーシャルに活用

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先月Zuckerbergは、FacebookがGear VRで360度ダイナミックストリーミングをサポートして新たな体験を提供すると発表した。このたび同社は、OculusのVRコンテンツをFacebookに直接統合してユーザーに提供する。

Oculusは今日(米国時間3/9)、Gear VR用Oculus Videoアプリに、新たなFacebookビデオタブを導入し、ユーザーのFacebookとOculusアカウントを結びつけて、VRコンテンツの没頭体験にパーソナル化情報 ― 誰をフォローしているかに基づく ― を取り入れることを発表した

Facebookの個人情報を統合することは、親子関係にある両社にとって大きな一歩であり、個々のVRユーザーのバーチャルリアリティー体験をカスタマイズすることによって、今後ソーシャルビデオがいっそう発展することは間違いない。

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この機能を使うと、ユーザーはVRコンテンツを閲覧するだけでなく、ヘッドセットを着けたままGear VRのビデオを直接Facebookでシェアすることができる。リアクション絵文字を使ったアクションも「数週間のうちに」可能になる。

今回の機能追加に先立ち、Oculusは既にVRのユーザー体験にソーシャル要素を加えることを見据え、友達と一緒にVR空間に飛び込める新機能を提供している。

果たしてモバイルVRが、Facebookにとって次に取り組むコンテンツ消費プラットフォームとなるかどうかは、まだ誰にもわからないが、同社がOculusプラットフォームを活用して、バーチャルリアリティーでのソーシャルな交流を拡大しようとしていることは確かだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GetLinksが東南アジアのテクノロジー人材と雇用主を繋げるため50万ドルを資金調達

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テクノロジー企業によるトップ人材の採用を支援するバンコクのスタートアップGetLinksが、シードラウンドで50万ドルを調達した。

500 StartupsとCyberAgent Venturesが出資したGetLinksは、仕事のキュレーションプラットフォームに移行する前は「仕事のTinder」スタイルの会社として始まった。候補者と企業、両方の空き状況が精査され、GetLinksのプラットフォーム上で承認されるという意味だ。GetLinksは、候補者が採用されるとヘッドハンターのようにその給料の一部を受け取り、それがより質の高い候補者と仕事を双方に提供するインセンティブに繋がる。

今日(米国時間3月6日)の資金調達は、GetLinksの共同創業者でCEOであるフランス人のDjoann Falにとって彼の財産の目覚ましい変化を意味する。当初Rocket Internetで働くためにアジアに訪れたFalは、昨年の2月、資金が底を付いたため家族や友人、その他多くの人にお願いしクラウドファンディングで彼のスタートアップのための資金を集めた。そして今、この会社はJFDI Asia(シンガポール)と500 Startups(アメリカ)のアクセラレータープログラムの卒業に伴い、東南アジアで最も有名なシード期の投資家のうち2社から資金を調達した。

GetLinksは、オフラインイベントへの注力のおかげで、LinkedInなどと違う方法でユーザーベースの構築を行っている。GetLinksのミートアップイベントは何千人もの参加者を魅了し、FalがTechCrunchに語ったところによると、同社のブランド構築を助け、サービスの認知度を上げ、会社員や求職者を呼び込むことに繋がっている。

同社はタイでイベントを行ない、3月12日には初めてベトナムでのイベントを控えている。今回の投資で得た資金は、ベトナムでの存在感を上げるために使われ、またマーケティングやイベントを通してシンガポールへの進出にも使われる。Falは、同社がより多くの国への拡大を視野に入れ、シリーズAラウンドについて投資家と話し始めたと語った。

イスラエルとアメリカのスタートアップWooは、トップ人材が消極的に職を探すのを支援するため今年すでに235万ドルを資金調達した。そしてGetLinksは、LinkedInのようなプロフェッショナルソーシャルネットワークがネットワーキングに使われるFacebookほどのリーチをもっていない東南アジアで、同じゴールに向け動いている。Wooは5000人の候補者だけに限定している。これはアメリカであればうまくいくかもしれないが、スタートアップがどんどん出現している東南アジアに求人サイトはなく、GetLinksは多少アクセスされやすくなる必要がある。

Falは、現在GetLinksの雇用主パートナーにはGoogle、Uber、Line、そしてRocket InternetのLazadaがいると語った。

[原文へ]
(翻訳:Shiina Kana)

SMX West 2016-RankBrain。我々は、Googleの新しいマシンラーニング・システムをどのように理解するべきか?

Googleが昨年公にした、RankBrainについてのセッションです。RankBrainについては、”機械学習の技術を用いていること”、”複雑なクエリの精製に使われていること”、”3番目に重要なシグナルであること”、は明らかにされていましたが、詳細な説明はGoogleからはされていません。そんな状況の中、Searchmetrics社のマーカス氏と、Stone Temple社のエリック氏が独自の調査を行い、RankBrainに対する解釈を披露しています。前者は、関連性の理解について、後者は検索結果の改良について、をメインに話していますが、非常に興味深い内容でした。Googleの方を招いたセッションではありませんでしたが、今回のSMX Westの中で最も内容の濃いセッションと感じています。– SEO Japan

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RankBrainとは何か、どう動いているのか、そして、それが意味するものは何か?

Moderator:Danny Sullivan(Founding Editor, Search Engine Land, @dannysullivan)
Speakers:Marcus Tober(Founder/CTO, Searchmetrics Inc., @marcustober)

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RankBrainについて、Googleはそこまで詳細な情報を与えてくれていない。しかし、我々が知っておくべきことであることは間違いない。(ダニー氏)

イントロダクション
このセッションでは、GoogleのRankBrainとは何なのか、どのような仕組みなのか、何を意味するのか、についてお話しする。

マシンラーニング(機械学習)? AI(Artificial Intelligence:人工知能)?
マシンラーニングはAIとイコールではない。マシンラーニングは、時間をかけて改良していくアルゴリズムである。AIは、人間と同様の知能である。また、ディープラーニングは、マシンラーニングとAIのギャップを埋める目的で、より複雑な問題を処理することができる。

マシンラーニングの技術を用いた例
スパムメールのフィルタリング、Facebookの写真認識、iTunesなどの音楽や動画のレコメンデーション機能、チェスなどのボードゲーム(対戦ロボット)、などが身近な例だろう。

囲碁:マシンラーニングの限界
囲碁は2,500年の歴史があり、世界中に4,000万人のプレーヤーがいる。マシンラーニングでは打ち破れないと考えられていた(AlphaGoまでは)。囲碁は非常に難しいゲームだ。駒の移動パターンは、チェスの場合10の50乗だが、囲碁の場合は10の171乗にもなる。

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ちなみに、Googleという名前の由来は”Googol”であり、10の100乗を意味する単語だ。

ディープラーニングとAlphaGo
今までの伝統的なAIの手法は、移動可能な全てのポジションを分析しようとしていたが、囲碁の場合は数が膨大なため、うまくいかなかった。AlphaGoは12の異なるネットワークの層をまたぐ、深いニューラルネットワークを使用している。1つのニューラルネットワークは次に動くべき手を選び、別のニューラルネットワークはゲームの勝者を予測している。このように、Googleは常に、問題を解決しようとしている。これはRankBrainにも当てはまる。

RankBrainを理解しよう
ジェフリー・ヒントン氏(トロント大学の教授であり、Googleでも活躍)の功績の賜物でもあるプロジェクトがある。これを簡単に説明してみよう。まずは、”thought vectors”の話だ。何もない空間を想像してほしい。そして、この世の全ての言葉がその空間に配置される。それぞれの言葉にはポジションがあり、別の言葉との近接(距離感、近さ)を持つ、というイメージだ(それぞれの言葉と言葉の距離=関係性を把握する)。Googleは検索クエリをマッピングし、それぞれのクエリの距離を測ることができる。

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ある言葉とある言葉の距離が近いことをGoogleは理解しており、それぞれの関連性を見出す。そして、良い検索結果は距離感に基づいている。RankBrainは、”カリフォルニアの天気はどんな感じになるかな?”という話し言葉のようなクエリを、”天気予報 カリフォルニア”と解釈することができ、それに近しい検索結果を出している。クエリ内の言葉を、その言葉と近しい距離の別の言葉に置き換え、それを元に検索結果を提供することで、良質な検索結果を得られるのだ。

Searchmetricsによる仮説
伝統的なランキング要素は全く意味が無くなっている、という仮説を立てた。現在、RankBrainはすべてのクエリに使われてはいないが、今後全てのクエリに使用されればどうなるだろうか?あるクエリに対してRankBrainが使われた場合、3番目に重要なシグナルとなる。下記に、我々の仮説をまとめる。

  • RankBrainは関連性のあるコンテンツに集中している。
  • RankBrainはクエリに対して関連のある結果を出すために、”thought vectors”を使用している。
  • 関連性スコアはランキングの順番を決定するのに役立つ。

調査内容
下記に、今回調査する上での基準をまとめる。

  • Google(米国)の上位30位の検索結果
  • およそ、400,000のデータポイント
  • 3つのキーワードセット(”ローン”、”Eコマース”、”健康”、の関連ワード)
  • どのランキング要素が最も重要かを知ることが目的
  • コンテンツの関連性を理解するためのスコアをつけることにより、RankBrainをエミュレートする

いわゆる、伝統的なランキング要素では説明がつかない例がある。例えば、”cash advance fresno ca”というクエリでは、5位に表示されているサイトは12位に表示されているサイトよりも、バックリンク数や内部リンク数で圧倒的に低い数字が出ている。

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既存の要素1:バックリンク数
”Eコマース”の相関関係はポジティブ。つまり、リンクが多ければ順位が良いという状況。”ローン”の場合はネガティブ。少ないバックリンク数でも上位表示されている。

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既存の要素2:内部リンク数
全体的に”Eコマース”で内部リンクが多いのは、多数の商品ページがあるなど、納得できる理由はある。

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既存の要素3:タイトル内のキーワード
”ローン”では、タイトルタグ内にキーワードが入っているページは10%ほどだ。

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既存の要素4:単語数
”Eコマース”と”健康”では単語数が多いほうが上位表示されている。つまり、コンテンツが多いほど有利ということだ。

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上記4つの例の中で、今までの理論が通用しない検索結果があった。例えば、バックリンク数が少ないページや、単語数が少ないページが上位表示されていることがあった。なぜ、伝統的な要素がランキング要素になっていない例があるのだろうか?

関連性の要素
我々は、RankBrainをエミュレートし、関連性のスコアをつけた。このスコアは、クエリに対する検索結果との関連性に基づいている。我々は、この関連性を測定するため、(関連性についての)25種類のランキング要素を使用した。この要素はキーワードによって異なるため、具体的に何かを説明することは、ここではできない。

Eコマースの例1
“security camera system(セキュリティ カメラ システム)”というクエリの例。1ページ表示のうち、9つのサイトにカート機能がついていた。9位に表示されていたサイトのみがついていなかったのだが、なぜ、このサイトは1ページ目に表示されているのか?このサイトの関連性のスコアは、上位30位の内、最も高いスコアであった。

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Eコマースの例2
“best bluetooth headphones(ベスト ブルートゥース ヘッドフォン)”というクエリの例を見てみよう。2位に表示されているサイトの内部リンク数は、26位のサイトよりもかなり少ない。しかし、2位に表示されているサイトの関連性のスコアは、上位30位の中で最も高かった。

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健康の例
“natural detox(ナチュラル デドックス)”というクエリの例。5位表示のサイトを見ると、単語数、内部リンク数、インタラクティブの要素、などが全て26位に表示されているサイトよりも低い。

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関連性スコアのまとめ
関連性スコアの高いサイトには、以下の特徴がある。

  • ユーザーの意図と合致している
  • 論理的に構成されており、包括的
  • 良いユーザー体験を提供している
  • 全体的(トピックに関連する別のトピックも扱っている)

調査結果のまとめ
この調査によって得られた結果を以下にまとめる。

  • キーワードによって上位に表示されるための要素は異なる
  • 関連性の要素は全てのキーワードで効果的である
  • 今回紹介した例の全ては、関連性スコアが高い、ということで説明がつく
  • 関連性スコアは他の要素を強化し、結果、高順位を獲得する

SEOへの影響
SEOが重要であることに変わりはないが、変化している。新しく導入されたRankBrainは、全てのクエリで使用されているわけではない。短い、人気のあるクエリの、すでに定番となっているような検索結果に対しては、RankBrainによるフィルタリングはないだろう。

RankBrainは関連性を見ており、関連性は高順位を獲得するうえで必須の要素だ。つまり、ユーザーのインテントとあなたのコンテンツを合致させることが、SEOにおいて重要なことであると言えるだろう。

検索の未来
強力なデータ分析から得られた改良の積み重ねが必要であり、マシンラーニングとディープラーニングは、複雑なデータから意味を見出す。データドリブンなアプローチこそが求められており、これは、コンテンツにもあてはまる。

この考えは、RankBrainとSearchmetricsで共通した考え方である。

RankBrainとは何か?そして、その仕組みは?

Eric Enge(CEO, Stone Temple Consulting, @stonetemple)

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2013年に脳の外科手術を受けた。しかし、これが今回私がRankBrainについてお話しする理由と関係があるわけではない。

RankBrainとは何か?
2015年10月に、ブルームバーグの記事によって明らかになった。その記事では、”RankBrainは言語やクエリを、人の直感や推測する方法と似た手法で、解釈する”と記載されている。つまり、”Googleは言語理解を深めている”、ということだ。

言語分析のコンセプト
RankBrainだけに限った話ではない、基本的なコンセプトをお話しする。まずは、ストップワード(Stop Words)だ。これは、”a”や”the”や”such”など、言語処理をする前にフィルタリングされる(不要な)単語だ。しかし、ストップワードを除外してはいけない場合もある。

ストップワードが必要な例
例えば”The Office” の”The” は重要。テレビドラマの名前の場合もあるし、会社という意味もある。また、”coach”という単語も、ブランドを意味する場合もあるだろう。同一のセンテンス内に、”バッグ”が含まれていたり、”Coach”と大文字で表記されていた場合、監督という意味の”coach”と違うことを人間は理解できる。

RankBrainの働き
上記の例の人間が理解できる部分を、アルゴリズムで可能にしたものがRankBrainだ。RankBrainは言語内の関連性を理解し、該当の単語の意味を解釈する。実際、ゲイリー氏はRankBrainを以下のように説明している。

“RankBrainは非常に高次元の空間においてテキストの文字列を表現することを可能とし、それらが互いにどのように関連しているのかを見ている。”

RankBrainと関連性の理解
RankBrainはある言葉のパターンを分析する。その言葉が使われているフレーズ、同一センテンス・パラグラフ・ページで使われている言葉、コンテキストやコンセプトなどだ。こうした分析の結果、”The”を典型的なストップワードではあるが、意味を決定する場合がある、という理解をし、”The Office”というクエリの意味を解釈する。

具体例1(単語の置き換え)
Googleが引用した例を用いて説明しよう。ブルームバーグの記事には、以下の文章が例に出されていた。この文章内の、それぞれの単語の意味を置き換えている。

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【SEO Japanによる補足】
上記を直訳すれば、”食物連鎖の最も高いレベルにいる消費者のラベルは何?”になります。そして、文章内のそれぞれの単語を以下のように置き換えています。
・label(ラベル)→ Name(名前)
・consumer(消費者)→ “消費者”のままですが、購入する(顧客)ではなく、捕食する存在としての“消費者”と理解します。
・highest level(最も高いレベル) → TOP(頂点)
・a → the (”the” にすることで、”食品チェーン店”ではなく、”食物連鎖”という意味を強めます。)
こうした置き換えを行った結果、”食物連鎖の頂点にいる消費者の名前は何?”というクエリと解釈し、それに関連した検索結果を出すことになります。

具体例2(withoutの扱い)
“Without”は“The”と同じように、Googleによってしばしば無視されてきた単語である。否定の意味を持つが、ページの意味を決定するうえで重要な場合もある。次の文章を例にしてみよう。

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“攻略本無しでスーパーマリオの100%のスコアを叩き出せるか?”というクエリになる。”without”の部分(”攻略本無しで”)を無視していれば、このクエリに対する正確な検索結果を出すことはできなかっただろう。実際、ゲイリー氏は”without”の扱いについて、以下のように説明している。

“かつて、クエリ内のwithoutの部分は無視されていた。RankBrainはwithoutの意味を把握するために素晴らしい仕事をしており、正確な検索結果を提供できている。”

我々が行った調査
GoogleとBingのサジェストから、50万のクエリを抽出し、データベースを構築した。そして、2015年の6月・7月と2016年1月の検索結果を比較し、正確に理解できていなかったクエリ(正しい検索結果を返していないクエリ)を探した。数を以下にまとめる。

  • 発見したクエリの総数 → 163
  • 改善された検索結果数 → 89
  • 改善された検索結果の割合 → 54.6%

また、改善の内容を下記にまとめる。

  • 改善された検索結果数 → 89
  • アンサーボックスの改良 → 39(43.8%)
  • マップの追加 → 2(2.2%)
  • 検索結果の改善 → 48(53.9%)

改善例1
“why are pdf so weak(なぜpdfは脆弱なのか?)”というクエリの例。2015年7月の検索結果はPDFファイルが検索結果の上位を占めていたが、2016年1月の検索結果ではPDFのセキュリティを解説したページが1位になっている。

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改善例2
“Where is Celtics Bench?(セルティックのベンチの場所は?)”というクエリの例。”Where is”の解釈が改良されており、”セルティックファンにとってベストな席”というタイトルのページが1位になっている。

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改善例3
“who is asking teachers to take a 20 pay cut(教師に20の減給を求めたのは誰?)”というクエリの例。ここで、”20”が”20%”を意味していることを理解するようになっている。

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改善のまとめ
フレーズや単語の解釈の改善が見られた。また、”What is”、”Where is”、”Not”などといった特定の単語やフレーズの理解が進んでいた。また、珍しい名前、スペルミス、誤解がある(別の意味に解釈できる)単語、などの理解も進んでいるようだ。

SEOにおける影響とまとめ
今のところ直接的な影響はないと考えている。しかし、覚えておくべきことをまとめてみよう。

  • あいまいなフレーズのクエリでも、上位に表示される可能性がある
  • キーワード調査は、まだ、必要
  • 自然な言語で、強調を加えることができる

Q&A

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Googleによると、RankBrainは複雑なクエリの理解で使われている。

長いクエリを短いクエリに置き換え、同等の検索結果を提供する。しかし、このセッションでも話されたように、他の要素ともなっている。

ところで、我々は何をすれば良いのだっけ?
パンダやペンギンの時は、対応策が明らかだった。しかし、ハミングバードは完全にアルゴリズムを変えた。RankBrainもそのようなイメージ。(マーカス氏)

構造化データとRankBrain
構造化データは検索結果での表示を変える、という意味合いが強い。レビューとか、栄養素とか。ナレッジグラフでも、Googleは使用している。個人的には使うことをおすすめする。(マーカス氏)

構造化データは適切に設置されれば、強力なシグナルになる。(エリック氏)

RankBrainをスパムやブラックハットに使う方法は?(笑)
あとでこっそり僕のとこに来てくれ(笑)(エリック氏)

SEOは新しいことが出る度に、それを利用しようとする。コンテンツが話題になった時は、高品質なコンテンツのテンプレートをくれ、などとよく言われた。こういうのが問題だと思う。(マーカス氏)

他の言語ではどうだろうか?
アムステルダムで同じ調査をしたけど、Google.comよりも3年位遅れている印象。スパム的な感じが多かった。言語が複雑だからだろう。(マーカス氏)

RankBrainは、クエリの精製とシグナルの2つの話しが平行している。それが状況を難しくしている。AIがどうやってクオリティを決めるのか?複数の写真から猫を認識することはできる。だが、ベストな猫をどう決めるのか?(ダニー氏)

囲碁の場合、パターンを全て予測し、ベストな手を決定している。(マーカス氏)

それはルールがあるからでは?(ダニー氏)

オイルフィルターの例。オイルフィルターで検索した後、多くの場合で次のクエリが決まっている。そういったユーザー行動の影響もあるのでは?(エリック氏)

*色々と議論は尽きないという感じでした。

RankBrainを理解する上でカギとなるのが”関連性”であると考えています。ランキング要素や検索結果の改良にも重要でありますが、Googleが関連性を強調したのは今回が初めてではありません。良質な検索結果において、クエリとの関連性は必須の項目であり、Googleがかねてから発言していたことでもあります。そのため、「RankBrainが関連性を強調しているようだから、SEOにとっても大事なのだろう」と考えるのは適切ではないでしょう。個人的には、「Googleが提唱するベストプラクティスに実際のベストプラクティスがさらに近づくために使用されている技術」と解釈しています。Q&Aの内容からも、まだまだ議論が尽きないトピックだと感じたため、少々私的な意見を書かせていただきました。今回の記事を読まれた方の意見も聞ければ嬉しいです。また、このセッションにも登壇したSearchmetrics社ですが、ブログの掲載許可をいただいたので、近々SEO Japanで紹介させていただきます!– SEO Japan

Kantar、世界のモバイルOSの四半期のシェア発表―中国でのiOS成長はやや減速

2016-03-10-iphone-6s-plus-3

Kantar Worldpanel Comtechは恒例の世界のモバイルOS市場の調査結果を発表した。これによると、対象期間である今年1月を終期とする四半期で、中国都市部におけるスマートフォン市場でのiOSのシェア拡大は減速している。

KantarはAppleのOSの成長減速について、価格に敏感になってきた中国の消費者が〔大規模なバーゲンが行われる〕2月の旧正月を目前してして購入を手控えているのも一因だと分析している。

前回成長が減速したのは2014年の後半だったが、Appleは現在でも中国のスマートフォン売上の25%を占め〔Android各機種の合計が73.9%〕、依然としてもっとも人気の高いスマートフォンのブランドだ。

Kantarによれば、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 6は中国都市部でもっとも売れている機種だという。

l昨年のこの時期に、専門家は四半期の世界最大のスマートフォン・メーカーはAppleであることを報告した。そのため中国のモバイル市場が全体としてやや成長を減速させる中でもAppleは市場シェアを守ることに成功した。この成長の減速に関して、昨夏、Gartnerのアナリストは中国市場に飽和の兆候があると述べている。

一方、中国で売上2位のHuawei〔華為〕はAppleとの差を縮めつつある。Kantarによれば、Appleと同時期にHuaweiは24.3%のシェアを獲得することに成功している。昨年度中に8000万台を販売するという大胆な目標を掲げていた3位のXiaom〔小米〕は10.2ポイントもシェアを落としている。

Kantarによれば、Huaweiはヨーロッパでも好調で、Androidで2位となり、シェアを昨年同期の5%から今期は14%に伸ばした。Huaweiは来月、スマートフォンのフラグシップ機種を発表する予定だ。

〔日本版〕Kantarの調査によれば、世界の大市場でAppleのiOSのシェアが高いのはアメリカ(39.1%で2位)、イギリス(38.6%で2位)、日本(50.3%で1位)。逆にブラジルではAndroidのシェアが92.4%と高い。Kantarの世界地図に表示されたアイコンをクリックするとその国でのシェアが表示される。画面下部のスライダーを動かすと時系列で以前の統計を見ることができる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

スラムダンクを全周360°から再生できる―Intelがユニークな3Dビデオ合成のReplay Technologiesを買収

2016-03-10-replaytech

Intelは昨夜(米国時間3/8)、公式ブログ記事で、イスラエルのReplay Technologiesを買収したことを明らかにした。Intelによれば、ReplayはfreeD™ と名付けられた独自技術による3Dビデオのレンダリング・テクノロジーを保有している。

この技術はスポーツ中継の枠を超えてさまざま場面へ応用が可能だが、これまで主にスポーツで重要なプレイの瞬間を全周360°から3D再生するために用いられてきた。NBAのオールスター・ウィークエンドのスラムダンク・コンテストの中継に用いられたのが記憶に新しい。

IntelがReplayに注目した理由は、テクノロジーとしてクールだという点に加えて、コンピューターのハードウェアに密接に関係していることが挙げられる。レンダリング・サーバーには非常に多数のIntelチップが装備されている。NBAのスラムダンク・コンテスト中継で魔法のように3Dビデオが登場した裏には、アリーナの周囲に設置された28台の超高精細度カメラと、撮影された映像を瞬時に3D合成するReplayのソフトを搭載したサーバーの働きがあった。このサーバーには無数のIntelチップが搭載されていたわけだ。

A freeD™ control room at a recent sporting event. This data-intensive, immersive sports experience requires the high-performance computing for which Intel is known. (Source: Replay Technologies)

最近のスポーツ中継におけるfreeD™のコントロール・ルーム(画像: Intel

最近では企業も個人もパソコンに対する需要が減少し、コンピューターやサーバーの出荷が低迷している。Intelでは最新のチップ・テクノロジーを生かせる新しい場面を探していた。通常のディスプレイにおける3Dレンダリングと専用ガジェットを利用した拡張現実はそうした新しいチップの利用を促進する可能性があるものとしてIntelが重視しているテクノロジーだ。

また今回の買収はスポーツ中継のあり方が大きく変化していることとも関連している。メディアの多様化に伴い、視聴者の注意力は分散され、一つの番組に対する集中の持続時間は短くなっている。NBAのスラムダンク・コンテストやNFLのスーパーボウル50などのビッグ・イベントの中継でもはっきりしたとおり、テレビ局が視聴者の注意をつなぎとめるために新たなテクノロジーは有効だ。Replayの3Dレンダリング技術は視聴者を番組に集中させ、ソーシャルメディアでの共有などの口コミを広げる上で大きな効果がある。

買収の価格は明らかにされていないが、Israeli Globesの記事によれば、1億7500万ドルだという。メールでの取材に対してIntelの広報担当者は「われわれは買収価格を明らかにしないことを通例としている」回答してきた。

価格が報道の線に近いなら、CrunchBaseによればこれまでに2250万ドルを出資した投資家は十分な利益を得ることができただろう。

スラムダンク画像: NBA

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleのDeepMindがAIの大きな画期を記す: 囲碁の世界チャンピオンLee Sedolに第一戦で勝利

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GoogleがオーナーであるロンドンのDeepMindの囲碁ソフトが、世界チャンピオンのLee Sedolに勝ち、人工知能(AI)の開発史に特筆すべき新たな画期が刻まれた。

韓国のソウルで行われた五番勝負の第一戦で今日、そのソフトウェアAlphaGoは、Leeが持ち時間29分弱を残す時点で負けを認めたため、早期の勝利を手にした。最後の第五戦は来週火曜日(米国時間3/15)に行われ、YouTubeはそれまでの全試合をライブで放送する。勝者の賞金は、100万ドルだ。

AIの進歩は、戦略ゲームのトッププレーヤーに対する勝利で歴史に刻まれる。チェスのグランド・マスターGarry KasparovがDeep Blueに負けたのは1997年、IBMのWatsonがJeopardyで勝ったのは2011年だが、東アジアで数世紀の伝統を持つ囲碁の戦略と知的な深さは、AIの作者に最強のチャレンジを提供し、そのことはGoogle自身も認めていた

DeepMindをGoogleは2年前に5億ドルあまりで買収したが、同社は囲碁専用のソフトウェアAlphaGoを制作した。そして昨年10月にはヨーロッパチャンピオンFan Huiに勝利し、AIが囲碁で人間に勝ったのはそれが初めてとなった。しかし33歳のLeeは、囲碁のレジェンドと呼ばれる9段のプロで、世界最強の囲碁プレーヤーと言われる。

昨年Fan Huiに勝ったとき、DeepMindの協同ファウンダーDemis Hassabisは、AlphaGoの開発は今でも進行中であり、ゲームのテクニックを自力で磨いている、と説明した:

AlphaGoは、自分自身を超えていく。できれば最終的には、この分野の最強の人間が自己を限りなく磨き続けるように。新しいことを自分で発明していく様子は、見ていて本当にすごいと思う。もちろんそれは、囲碁という特定のゲームの枠内のことではあるが、われわれは今では、自分たちた作ったシステムに、厚い親近感すら抱(いだ)いている。とくに、それが作られていくやり方に対する親近感だ。そのやり方とは、自分で学習し、われわれがある程度は教育訓練し、そして、まるで人間のようなスタイルでゲームをプレイしていく。それは、すべての状況や条件等が分かっている状態で人間が手作りしていく従来のプログラムとは違う。それは物事を自分で拾い上げる。だからこそ、それが自力で習得していく能力が、すばらしく思えるのだ。

今度は、第一戦からLeeが何を学んだかが見ものだ。それが木曜日(米国時間3/10)の第二戦で分かる。試合の実況ストリーミングは、YouTube上のDeepMindのチャネルで見られる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

インディー系のSF映画Creative Controlに拡張現実の未来の姿を見る

第一世代のGoogle Glassは、どうやら離陸できずに終わったようだが、オンラインの世界に接続できるヘッドセットというアイデア自体は今でもそそられるし、また、ちょいと、人を不安にもさせるだろう。今度封切られる映画Creative Controlのワンシーンを見ていると、そんな気になる。

Benjamin Dickinsonが監督したCreative Controlは、ニューヨーカーたちの生活の“未来の5分間”を描き、架空の拡張現実眼鏡(ARグラス)Augmentaの、ハイテクを駆使した広告キャンペーンがテーマだ。Hollywood Reporterはこの映画を、テクノロジーがわれわれを親密に結び付けず、むしろ孤立の脅威をもたらすことの、ヒッピー的描写、と評している

製作者のAmazon StudiosとMagnolia Picturesは、今週金曜日(米国時間3/11)にCreative Controlを一部の劇場で封切るが、それに先立ち上図のようなクリップをメディアに配布した。その中で主役のDavid(Dickinson自身が演じている)が、Augmentaグラスを使っている。全体的にきわめて日常的なシーンだが、拡張現実が普及したあかつきには、私たちの生活の中でまさにこんな感じになるのかもしれない。このクリップはまた、テクノロジーと特殊効果との合体はそのうち、全然仰々しくない、さりげないものとして使われる、というぼくの想定どおりの感覚も、見せてくれる。

この映画のストリーミングの権利はAmazonが獲得した。ただしこちらの‘封切り日’は未定だ。なお、それでもなおGoogle Glassのことが気になる人は、これで納得できるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ますますオープンソースづくMicrosoft、今度はEclipse Foundationに参加

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Microsoftが今日(米国時間3/8)、オープンソースの団体Eclipse Foundationに加わる、と発表した。同団体はEclipse IDEでいちばんよく知られていると思うが、ほかにもいろいろなデベロッパーツールを提供している。

これによりMicrosoftは、GoogleやNovell, IBM, Debeka, Oracleなどと並んでEclipseのスポンサーになる。

しかしMicrosoftにはVisual Studioという独自のIDEがあるのだから、今日の発表はやや驚きかもしれない。しかしMicrosoftはすでに、Eclipseのエコシステムでかなり活動しているのだ。たとえば同社はAzure toolkit for Eclipseを提供しているし、また同社のJava SDK for AzureをEclipseから使ってクラウドアプリケーションを作ることもできる。

Microsoftのデベロッパー事業部ゼネラルマネージャーShanku Niyogiが声明文で書いている: “Eclipse Foundationとは長年協働して、わが社のアプリケーションプラットホームと開発サービス(Visual Studio Team ServicesやMicrosoft Azureなど)のポートフォリオを横断するJava体験の改良に努めてきた。このたびEclipse Foundationに参加することにより、Eclipseのコミュニティとより密接にコラボレーションし、すべての開発チームのためのツールとサービスのすばらしい集まりを配布でき、そしてわが社のクラウドサービスとSDKsとツール類を継続的に改良していける”。

今日の発表でMicrosoftは明らかに、オープンソースのエコシステムにおける役割を強化しようとしている。今回EFに加わることに加え、今日はまた、同社のEclipseプラグインTeam Explorer Everywhere plugin for Eclipseをオープンソースにする、と発表した。このほか、AzureのIoTサポートをEFのKura IoTフレームワークに加え、AzureにおけるJavaデベロッパーサポートを改良して、それをあらためてローンチした。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ビデオはひたすら受け身で長時間見るものから、個人化された対話的コンテンツへ。その先駆けPlaybuzzのVideo Snaps

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長い々々ビデオだけど本当に見たい箇所は数十秒しかない、という、かったるい経験を誰もがしている。そこで、パブリッシャーのためのツールを作っているPlaybuzzが、Video Snaps(ビデオのスナップ集)というソリューションを作った。

Video Snapsは消費者(視聴者)のためのツールではなくてパブリッシャーのためのツールであり、既存のビデオを複数の部分に分割する。そうすると視聴者は、見たい部分へ直接行ける。たとえばDonald Trumpのスピーチを全部見なくても、The Hillのビデオスナップなら、彼の(たとえば)ヒラリー・クリントンとバーニー・サンダースに関するコメントだけを見る(聴く)ことができる。その部分を指しているリンクを、友だちと共有することもできる。

YouTubeにも、ビデオの特定の部分に注釈したりリンクを作る機能はあるが、その実装はやや面倒で使いづらい。ぼくみたいに、本誌TechCrunchにビデオ全編を埋め込んで、”1:30へ行ってください”なんて書くやつも、いけないんだろうね。

Video SnapsはYouTubeと違って、パブリッシャーにとってかなり使いやすい(デモを見るとそう思ってしまう)。しかも各スナップがカラフルで目立つフォーマットで提示されるから、視聴者にとっても便利だ。

もちろん、視聴者の関心を掴むためには、そのかんじんの30秒だけをポストする、という手もある。ほかの部分はまったく要らない、まったくどーでもいいのなら。

しかし実際には、見たい箇所が人によって違ったりするし、見たい箇所が複数のこともある。ただしそのために全編を見る気はしない。

Playbuzzのコンテンツ担当VP Shachar Orrenによると、今ではパブリッシャーの方も、対話性のある新しいタイプのビデオとそのフォーマットを作るべく、いろいろ実験をしている。だからOrren説では、究極的には各視聴者が各ビデオの“自分だけの個人化された経験”を持つようになる。

Orrenによると、Video Snapsのフォーマットはモバイルでも見やすい。そのために、かなりの努力をした。CEOのShaul Olmertは、モバイルの視聴体験を述べているメールを見せてくれた。

Olmertは述べる、“モバイルでは人間の方が、電話とかテキストとかアプリとかでマルチタスクをしているから、ビデオは5分でも長すぎる。バス停でバスを待ったり、銀行の列に並んでいるときに、今週のスポーツのハイライトだけを見たいのさ。だから、これまでのビデオのフォーマットは、すべて落第だ。友だちに教えてもらった、たった38秒のハイライトを見るために、無意味なスクロールを、えんえんとやったり、とかね”。

今PlaybuzzがパートナーしてVideo Snapsフォーマットの実験をやってるパブリッシャーは、The HillのほかにRed Bull Germany, Collider, Dream Team(The Sunがオーナー)などだ。ただしもちろん、パブリッシャーでなくてもVideo Snapsによるビデオスナップ集は作れる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SMX West 2016-サイト診断に役立つSEOツールとアドバイス。

海外カンファレンスではおなじみのツールを紹介するセッションです。全部で3つのプレゼンテーションから成るセッションでしたが、その中から1つピックアップします。検索の未来やSEOに対する考え方のセッションなどに注目しがちですが、こうした現実的(?)な内容も大事です。サイトの定期的な診断は重要ですが、頻度を高めて行うのであれば、なるべく作業は簡略化したいところですね。エージェントの方も、インハウスの方にも向けられた内容となっているため、ご参考となれば幸いです。– SEO Japan

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SEO監査に必要なツールとアドバイス

Speaker:Benj Arriola(Technical SEO Director, The Control Group, @benjarriola)

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SEOの分解
SEOを内部や外部などに分けると、対象がわかる。今回は3つのパートに分けて紹介する。

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サーバーのセッティングやコード

クローリングツール
サイト内クローリング用のツールを3つ紹介する。

  • Xenu Link Sleuth → 無料。ローカルメモリを使用。大規模サイトは不向き。
  • Screamingfrog → 安価。ローカルメモリを使用。SEOの多くの要素を確認。
  • DEEPCRAWL → 安価。クラウドで利用。さらに多くのSEOの要素を確認。

クローリングツールからのデータ
クローリングツールからデータを取得したら、以下の項目を確認しよう。

  • ブロークンリンク(リンク切れ)
  • HTTPステータス(4××、5××など)
  • サイトマップの有無(不足しているURLなど)
  • ブロックされたURL(ロボットテキストなどで、不備はないか)
  • AJAX
  • OGT
  • 内容の浅いコンテンツ(文字数)
  • 重複コンテンツ(URL、タイトル、メタタグ)

インフォメーションアーキテクチャーツール
サイトの構成を知るためのツール。インデックスされている全てのサブドメインを対象にする場合は、以下のツールが役に立つ。

また、トピックごとを対象とする場合は、以下のツールが役に立つ。

サイト構造とSEO
下記の表の上から順に精査していく。

  • サイトアーキテクチャー → 既存のサイト構造を分析することで他の要素がわかる。
  • トピックバケッツ → トピック、分類、カテゴリ、タグごとの分類など。
  • パンくずとナビゲーション → 似たトピック構造を反映。
  • URL構造 → パンくずやナビゲーションと同様になるはず。
  • XMLサイトマップ → XMLサイトマップ作製の手助けとなる。

TOPページとその他のページで分類し、それぞれの修正項目をわける。ロングテールKWのページ特定など。それぞれのページでターゲットKWのジャンルが違う。

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コード監査のツール
これらのツールは100%正確で、SEOの利益とならないかもしれない。タスクを簡単に行うというイメージ。また、HTMLをきちんと記述することは重要ではあるが、正確にHTMLを記述したとしても、大きなランキング上昇を見込めるわけではない。

スキーマとマイクロフォーマット
それぞれの検索エンジンでテストツールがある。Microformatsの有無がランキングに影響するわけではない。しかし、検索結果での表示には影響を与える。リッチスニペットやナレッジグラフなど。Microformatsはランキング要素ではない。しかし、リッチスニペットはCTRに影響を与える可能性があり、CTRの改善はランキングに好影響を与える可能性がある。

ページスピード

ページスピードの改善に役立つツールを紹介する。GruntとGulpは、画像の解像度の最適化やJSとCSSファイルの統合などを自動で行ってくれる。

モバイル最適化
モバイル最適化も必須項目だ。モバイルでの表示を確認しよう。

コンテンツ

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読みやすさ
コンテンツの読みやすさ(分かりやすさ)を計測するツールを紹介する。テスト結果のスコアについては、賛否両論があるかもしれないが。

重複コンテンツ
Sitelinerは自身のサイト内での重複コンテンツを確認するツール。Copyscapeは外部の重複コンテンツ(盗用コンテンツ)を確認するツール。

浅いコンテンツ
ここでは、Screamingfrogを使用する。文字数の少ないページを確認し、ざっくりと、修正・加筆をすべきページを特定する。

パンダアップデート
パンダアップデートの時期を確認し、自身のサイトのアナリティクスのデータと照らし合わせる。

競合のコンテンツ
競合で自分より上位のコンテンツを分析する。競合サイトのキーワードを取得し、そこから自身のサイトのキーワード差し引く。新しいキーワードの機会が得られるかもしれない。

オーディエンスの分析
単純にメンションをカウントするのではなく、オーディエンスの内部の情報を獲得する。トレンドターム、ブランド評価、コンバージョン・ドライバーなど。

リンクの質と量

バックリンクのデータソース
検索エンジンが提供するツール(Google Search Console、Bing Webmaster Tool)に加え、サードパーティーのクローラーも活用する。

また、これらのツールを結びつけるツールも活用しよう。

オーソリティーなどの評価
オーソリティ、信頼性、信憑性などを計測できるプラグインを紹介する。

悪質なリンク
ペナルティを避けるためにも、悪質なリンクの確認は必要。定期的に確認しよう。

エンタープライズSEO
これらはただのレポートツールではなく、より良いSEOを行う上での分析ツールである。複数のソースから得られたデータは、関連する項目を同時に表示している。手動で行えば膨大な時間がかかる作業を短縮してくれる。レポートに時間をかけるのではなく、分析と最適化に時間を割こう。

ツールのまとめ
最後に、紹介したツールを項目ごとにまとめた表を記載する。

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やはり、ツールの多さに圧倒されてしまいます。日々の作業の中でツールに任せられるものは、できるだけ、任せたいところではあります。自身の業務で無駄な作業が発生していないか、改めて振り返るきっかけにもなり、気づきの多いセッションでした。– SEO Japan