DeepMindのAIに負けた囲碁の世界チャンピオンが最終戦直前のゲームで勝利…AlphaGoを上回る妙手で

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マシン3勝、人間1勝…これが、DeepMindのAlphaGo対人間の囲碁世界チャンピオンLee Sedolの、5番勝負のこれまでの結果だ。

先週GoogleがオーナーであるそのAIは、Sedolとの初戦に勝って歴史的な勝利を達成した。初めてマシンが、世界クラスのプロの囲碁プレーヤーを負かしたのだ。その後、そのアルゴリズムは続く2試合にも勝って3連勝を達成、5番勝負における勝利を確定した。

しかし、まだ2試合残っている今となってSedolは、(The Vergeによれば)第4試合に勝ち、人類のために1勝を取り戻した。

DeepMindのファウンダーDemis Hassabisのツイート(下図)によると、マシンの負けは、第78手におけるSedolの妙手に圧(お)されて、致命的なミスを犯したためだ。

AlphaGoは、囲碁というとてつもなく複雑なゲームをマスターするために、二つの人工知能テクニックを併用している。それは、深層学習(deep learning, ディープラーニング、多段構造のニューラルネット)とモンテカルロツリー検索(Monte Carlo Tree Search)だ。それによりこのAIは、数百万のゲームをシミュレートでき、その結果から学んだことを一般化して囲碁の戦略を作り出す。明らかにその成功率は高いが、しかし不敗ではない。

今年の初めにGoogleのブログ記事は、AlphaGoの前に立ちふさがる複雑性というチャレンジを、こう説明している:

“囲碁には陣形が1,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000とおりありえる。それは宇宙の原始の数よりも多く、チェスの10の100乗倍である”。

AlphaGoのSedolに対する勝利は、彼が世界第二位のプロの囲碁プレーヤーであるだけに、見事という言葉しかないが、人工知能は未だに、やれることの幅が極端に狭い。言い換えるとそれらはいずれも、きわめて特定的なタスクのために設計されている。チェスに、あるいはJeopardy(ジョパディ)に強くなるため、とか。

人工知能の究極の目標は言うまでもなく、汎用性のある学習AIを作ることだ。多面的なインテリジェンスを適用して、さまざまな種類の問題を解けること。そしてHassabis自身も認めるように、今の単一目的のAIマシンですら、オフボードゲームの世界の混沌とした複雑性において勝利を獲得することからは、まだまだはるかに、遠い位置にいるのだ。

人間が行う仕事は、一見単純なものですら、…たとえば部屋を片付けるようなことでも…、そこに存在する変数の数は、もっとも高度なマシンインテリジェンスですら愚鈍に見えるほどに、膨大なのだ。だからわれわれ人間は、囲碁に負けたぐらいで落ち込む必要はない。

このAlphaGoシリーズの最終戦は、3月15日に行われる。ライブの実況を、 YouTubeで観戦できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

これらの新しい居住コミュニティ…新型未来型の‘団地’?…があなたの生き方を変える

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[筆者: Brad Hargreaves](CommonのCEO。)

生活コミュニティ(living community, -ies)と、それらを作った人びとは、それぞれユニークだが、共通点も多い。1)プライベートスペースと公共スペースが混在していること、2)一連のルールを共有し、高層マンションなどにありがちな匿名性と人づきあいのぎごちなさよりも、友好(friendliness)と思いやり(warmth)の心を重視すること。

複数の人が一緒に住むための住み方を、新しく模索することはとても難しいが、その努力の報酬は大きい。いくつかのグループが、これまでの人間生活の限界を押し広げて、未来のコミュニティを作ろうとしている。その例を、見てみよう:

田舎暮らしふうミニ団地
Serenbe

ジョージア州の農村地帯に展開するSerenbeは、2004年に始まり、今では400名が暮らしている。The New York Timesが“新しい形の都市生活(New Urbanism)の実験”と呼んだSerenbeは、田舎ふうの家とタウンホームのミックスで、25エーカーの有機栽培農園やコーヒーショップ、農家の産直マーケット(farmers’ markets)、ギャラリー、いろんな定期的イベント、などがある。準郊外(exurban)の味気ないスプロールの対極としてSerenbeは、計画的に作られるコミュニティのあり方を根本的に変えようとしている。

完全な逃避生活を楽しみ心身を蘇生する
Maderas Village

ホテルとリゾートとしてスタートしたものが、アーチストたちのコロニー(colony, 集団居住区)とライフスタイルに変わった。#maderaslifeは、Instagramだけでも11000あまりのポストがある。サーファーやクリエイティブやフーディー*たちがニカラグアの太平洋岸の丘にある村に一週間から数か月エスケープする。招待されたゲストは部屋を共有して一緒に生活するか、または自分のプライベートなカバーナを予約する。そこでの暮らし方のオプションやライフスタイル、予算などはきわめて多様だが、すべての文化に共通しているのは、持続可能性とサーフィンとマイペースで生きることだ。〔*: フーディー, foody, -ies; 食べ物や料理のマニア、‘食べ物おたく’〕

別人になってテクノロジーとアルコールのない暮らしに没入
Camp Grounded

大人のサマーキャンプが再流行してきた。多くの大人たちが、サマーキャンプサーキットを毎年の生活行事にしている。たぶんもっとも敬愛されているキャンプが、Camp Groundedだ。完全に素面(しらふ)の週末を、どんな形のテクノロジーにもアクセスせずに過ごす。そこには二つのユニークなルールがある: 仕事の話をしない、そして、そこだけの新しい名前を使う。

さまざまな生活コミュニティの中でもとくにユニークなCamp Groundedには、企業やチーム向けの堅固な設備もある。AirbnbやYelp、Tom’s Shoesなどが、社員たちに仕事を忘れさせ、リラックスさせるために利用している。

しばらく遺跡の町に家を借りて住む
YesNomads

YesNomadsは特別のアクティビティメニューを持つFacebookグループで、500名あまり〔現在639名〕のグローバルなnomadたち(遊動民)たちが、ニューヨークやロサンゼルスやロンドンやベルリンから、トゥルムやイビザやジャクソンホールへ行ったり来たりする。信頼性は高く、レンタル料金はリーズナブル、そして家のスワップ(短期取替えっこ)が奨励されている。

山奥のスキーリゾートで文化教養イベント満載
Summit

Summitは完全招待制で、招待されたらPowder Mountainにセカンドホームを持ち、話の上手なスピーカーや、自然食の食事、有意義な会話などで日々を過ごす。最初は起業家やクリエィティブのためのイベントシリーズとして企画され、今でもSummit at Seaが有名だが、Summitはユタ州に恒久的なコミュニティを築いていて、そのテーマ(スローガン)は、イノベーションと起業家精神とアートとそして利他主義*だ。〔*: 利他主義, altruism, エゴイズムの反対。〕

———–

これらの事業は、それぞれが独自のコミュニティだ。自由でオープンな精神を尊ぶものもあれば、逆に排他的なものもある。でも、これらのすべてが、規範の外で何かをやろうとしている。そしてそれによって、ステータスクォーに無感覚になり、もっと遊動民的でもっとクリエイティブなライフスタイルを求める人たちに、アピールしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

合衆国司法長官がテレビのトークショウ番組でAppleに対するFBIの姿勢を擁護…ユーザーの求めには応じよと

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iPhoneをアンロックする/しないの一件はますます過熱しているが、昨夜のテレビ番組に出演した合衆国司法長官Loretta Lynchは、連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation, FBI)の姿勢を擁護した。

彼女の省は今朝発表した声明書の中で、当のテクノロジー企業の主張を‘腐敗的’で‘間違っている’と非難している。しかしその夜のThe Late Show with Stephen Colbert登場したLynchによると、彼女は“プライバシーの問題についてTim Cookと何度も有意義な議論を交わした”、という。

“それについて私から言えるのは、それが誰にとっても重要であると私も理解していること、なぜならプライバシーは誰にとっても重要な問題だから”、と彼女は話を続けた。“しかしそれは、司法長官としての私にとっても重要だし、一市民としての私にとっても重要だ”。

問題の中心は、本誌記事でも取り上げたように、議論の対象がカリフォルニア州サンバナディーノで14人を殺した二人の銃撃犯の一人Syed Rizwan Farookが使っていたiPhoneであることだ。

Appleは現在、法執行機関がそのデバイスをアンロックできるために特殊なソフトウェアを作れ、という政府の裁判所命令を拒否している。同社によると、それはiPhoneの全ユーザーのセキュリティを危険にさらすだけでなく、市民的自由にとって危険な前例を作る。Google, Facebook,Microsoftなど多くのテクノロジー企業は、Appleの側に立つことを公(おおやけ)にしている

LynchはColbertに、問題のiPhoneはすでに政府の所有物であり、一私人のものではない、なぜならFarookはSan Bernardino County〔の郡役所〕に雇われ、それを仕事用の電話機として支給されていたからだ、と語った。

Colbertはそれに対し、AppleのCEO Cookが、“そのバックドアを作ることは危険な状況を作り出し、セキュリティを損壊し、誰もがあらゆることに使えるようになり、あなたのiPhoneを誰かが盗んであなたをスパイすることすらありえる、と言っている”、と述べた。

Lynchはこう応じた: “まず第一に、われわれはバックドアを求めていないし、誰もが何でもできて誰でもスパイできることを求めてもいない。われわれは彼ら〔Apple〕に、彼らの顧客が望んでいることをしてくれ、と頼んでいるだけだ。その電話機の本当のオーナーは郡であり、死亡したテロリストの一人の雇用主である”。

“われわれが彼らに求めているのは、パスワード消去機能を無効にできるようにしてくれ、ということだ。その機能が生きていると、不正なパスワードを10回トライすると電話機〔のデータ〕が消去されてしまうからだ。われわれは、われわれが得た非常に限定的な裁判所命令に基づいて、その電話機から証拠を取り出したいだけだ”。

Apple vs FBI

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ホワイトハウスのソフトウェア政策(草案)は連邦諸機関へのオープンソース思想の普及を目指す

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今やオープンソースのアドバンテージは、誰の目にも明白だ。コードを一般公開すれば、いいことが起きる。バグやセキュリティホールを、人びとが見つけてくれる。多くの目や声により、ソフトウェアがどんどん良くなる。さまざまなニーズに適応できる。それどころか、スタートアップのエコシステムはその全体が、オープンソースの主要プロジェクトがベースだ。

オープンソースが民間部門でこれほどまでに遍在的になってきたので、最近では政府も注目するようになった。今日(米国時間3/11)は合衆国政府のCIO Tony Scottが、ホワイトハウスのブログで、オープンソースを政府にも持ち込もうとするオバマ政権の計画の概要を述べている。

その草案によるとホワイトハウスのビジョンは、政府諸機関がコードを共有し、その後の時間の中で効率を改善していけるようにする、それにより、すでにどこかで作られているものを、別の省庁が再発明しないようにする、というものだ。

それはまだ決定された政策ではなく、議論のたたき台だ。Scottはそのブログ記事で、“われわれは広く意見を求めるために、政府のカスタムソフトウェアのコードへの幅広いアクセスをサポートする「連邦ソースコード(Federal Source Code)」政策の草案を、公開していく”、と述べている。言い換えるとそれは、政府全域のオープンソースポリシーを策定していくための、出発点だ。

政府の各種プロジェクトで使われるコードをオープンソースにすることは、必ずしも、すべてのコードを公開すべしという政策ではない。しかし一部のコードの公開にすぎなくても、そこには今後の興味深いユースケースが生まれ育ち、新しいビジネスすら生まれるだろう。Scottのブログ記事は述べている:

“この政策は、連邦政府のために、あるいは連邦政府によって、新たに開発されるソフトウェアが、連邦政府の全機関に可利用となり共有されることを要求する。それには、連邦政府の資金によって作られるカスタムコードを一般に公開していくパイロット事業も含まれる。

しかしコードの共有だけがこの政策のすべてではない。Scottによれば、それはまた、政府諸機関ができるかぎりオープンソースのコードを利用して自らソフトウェアを作るよう彼らを教育し、今すでに一部のプロジェクトで行われていることを拡大普及していくことも含まれる。

ホワイトハウスがこの変革に成功し、それが今後の政権にも受け継がれていくなら、コードの共有は目に見える日常の慣行となり、それは究極的にはイノベーションを喚起するとともに、税金を使って政府が作った技術を利用する新しいビジネスすら産み育てるだろう。それは、所属・支援する政党や政策の違いを超えて、多くの人びとが賛同するアプローチだろう。

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Watsonは密かに聞いていた…、複数人のチャットの様子からオススメ店を提案するアプリ

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2月18日に日本語版APIを6つ公開したIBMのWatsonだが、Watsonを使って新しいアプリやサービスを生み出そうというハッカソン「第2回 IBM Watson日本語版ハッカソン」の決勝戦が昨日、東京・汐留にあるソフトバンク本社で開催された。ぼくは審査員の1人としてデモデイに参加したのだけど、AIやチャットUI、音声によるインタラクションを使ったアプリケーションの応用について、いくつか目を引くものがあったので紹介したい。

ちなみに、ここでは「AI」と書いたけど、ハッカソン主催者の1社である日本IBM自身はWatsonのことを話すときに「コグニティブ」(認知)という言葉を使っている。人間と同じように情報から学び、自然な対話から相手の意図を酌むことを指しているそうだ。どんな用語を使ったところで、これは「クラウド」なんかと同様に多数の要素技術を含んだアンブレラタームだ。だから、どうしてもモヤッとした印象が残るのだけど、今のところ具体的には以下のようなAPIが使える。注目は、人間が話しかけたときに、それが何の話題であるかなどを分類する「自然言語分類」(NLC)、機械学習を使った「検索&ランク付け」(R&R)あたりだろう。店員との対話で買い物をするようなインターフェイスが実現できる。

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「AIに聞く」ではなく、「隣でAIが聞いている」

ハッカソン最終日のデモデイで、応募46チームから決勝に残った5チームがアプリ(サービス)を披露した。このうち、ぼくがいちばん面白いと思ったのは、まだ設立まもないスタートアップ企業である「ブライトビュー」のグルメコンシェルジュアプリだ。

今まで「AI+チャット」といえば、検索のように、ユーザーが明示的にクエリ(質問)を投げて、それに対して膨大なデータから関連性の高いものを提示するというのが最も基本にある構図だった。「女の子を口説くのに適したおしゃれなイタリアンでワインのおいしいお店を教えて」というように。1月末に資金調達を発表しているグルメQ&Aサービスの「ペコッター」は、まさにそういう感じだ。

ブライトビューは、これとは違うアプローチだ。

どこで何を食べるのかを複数人でチャットしながら相談することはないだろうか? 少しずつ各人が嗜好やその時の気分をシェアし、場所のリクエストを出すようなチャットだ。ブライトビューが実装しているアプリでは、こうした複数人のチャットを解析して、タイミングよく飲食店をリコメンドするというサービスだ。ポイントは、明示的に「どこかいいところない?」と聞くのではなく、タイミング良く「こんなのどう?」とポンポンとAIが提示してくれるところだ。さらに、「予約して」というキーワードに反応して、予約までしてくれるようになるのだという。面白いのは、予約を迷っていることは言葉遣いやタイミングから読み取れるので、その場合に「お安くしますよ」と割引クーポンを提示するようなことも可能だということ。送客は自明なマネタイズ方法だが、クーポン提示をオプションとして店舗側に対して課金もできるのではないかと考えているそうだ。

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みんなのチャットを実はこっそりWatsonが聞いていて、ほどよいタイミングでアイテムをオススメする。これを実現するために「スルー機能」を実装している。あまり全ての会話に反応したらウザいと言ってリムられるだろうし、何かを提示すべきタイミングで何も発言がないと「使えねぇやつ」となってしまうだろう。

開発したブライトビュー創業者に話を聞くと、この辺のチューニングはまだこれから。果たして人間が「なんだ気が利くじゃないか」と微笑むレベルの実装が可能なのかどうかは、まだ分からない。ただ、複数人のチャットをひっそりと聞いていて、あれこれ情報を持ってくるというアプローチは、あまり聞いたことがなくて、いろんな応用がありそうだと思う。実際、ブライトビューではグルメコンシェルジュ以外にも、旅行にも同様のやり方が使えそうだと検討した経緯があると話していた。具体的な実装面では、店舗アカウントによる1対1トークや、ユーザーごとの嗜好の蓄積もするそうだ。

心疾患の突然死を防ぐ「心臓MRI自動診断」をWatsonで

5チームの中で優勝したのはシステム開発会社のメディアマートのチームが作った「心臓MRI自動診断」だった。心臓MRIといっても馴染みがない人が多いだろう。それもそのはず。早期に心臓とその周辺の疾患を発見できるこの診断ができる医師や技師は不足しているのだそうだ。

MRIはX線による撮像があるCTスキャンと違って、秒間10枚といった高速な映像化ができる。近年、拍動する心臓の立体映像を得ること自体は比較的容易になっている。MRIという設備自体は普及しているので「検査」は可能だ。だが、それを見て心肥大や血栓の兆候などを見つける「診断」ができる医師が不足しているのが現状。

メディアマートが作ったのは、Watsonの画像解析と機械学習のAPIを使ってMRI撮影画像を放り込むというもので、心臓画像診断の専門家である寺島正浩医師による「教師あり学習」によって、Watsonに専門医のノウハウを教えたというもの。実際には画像解析といっても陰影を見つけるようなものだけではなく、性別や年齢、各種血液のデータなどを組み合わせた診断が必要になるそうで、デモは、まだ実装の第一歩ということだそうだ。

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開発したメディアマートのチームによれば、2014年の日本の死亡者数上位はガンの37万人を筆頭に、心疾患19万人、脳血管疾患13万人が上位となっている。心疾患のうち7割は突然死で、この突然死は避けられる。心臓MRIで事前に危険な状態であることが診断できるからだ。

寺島医師のような専門医がいない病院に対して、心臓MRIの診断をWatsonで提供できれば、この診断に対して病院は3〜5万円の診断料を取ることができる。メディアマートでは初年度1億円、3年で15億円ぐらいのビジネスになるだろうとデモでは話していた。もし実用化できれば突然死の悲劇を大幅に減らすことができるのかもしれない。

ハッカソンデモデイの発表では、このほかにも、VRデバイスと音声対話を使った旅行先案内サービス「こまち」(開発はクレスコ)や、ユーザーの時間的余裕や嗜好を考慮して寄り道スポットを提示してくれる「りこなび」(開発は日本情報通信)、「スマートシティコンシェルジュ」(伊藤忠テクノソリューションズ)などがあった。

あくまでもメッセージの秘密を維持するConfideが計$3.6Mのシード資金を獲得、有料機能「メッセージの撤回」をローンチ

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あらゆるものを秘密にするメッセージングプラットホームConfideが今日(米国時間3/10)、160万ドルの拡張シードラウンドの完了を発表し、総調達額は360万ドルになった。投資家は最初からの投資家、WGI Group, First Round Capital, SV Angel, CrunchFund, Marker, Howard Lermanなどなどだ。

Confideではユーザーがお互いにメッセージを送り合い、指でメッセージをドラッグするとメッセージを読める。指が触っているところのメッセージしか表示されないので、誰かが肩越しに全文を読むことはできない。

受信者がそのメッセージを出たり、返事を開始したら、元のメッセージは破壊される。

Confideは今回のシードまでに3年を要している。今ではアプリのデスクトップバージョンもあり、指でドラッグする同じやり方で写真や文書も送れるから、全体が一度に表示されることはない。

しかし今日Confideは、メッセージの撤回(取り消し)という有料の機能を導入した。

料金はまだ検討中だが(月額$1.99〜$3.99ぐらい)、メッセージの送り手が、相手がそれを読む前に取り戻すことができる。

メッセージの秘密性と自己破壊性を備えたプラットホームだから、メッセージの撤回は要らないだろう、と思うかもしれないけど、ファウンダーでCEOのJon Brodによれば、それは要望の多かった機能であり、テストした結果、出来栄えもとても良いそうだ。

今後の有料機能についてBrodは具体的に語らないが、真剣に考えているのは、消滅するビデオや音声チャットなど、使用するメディアの多様化だ。

Confideについて詳しく知りたい人は、ここへ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

誰かがあなたのiPhoneをこんなに簡単にハックしてるかもしれない

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FBI vs. Appleの論戦はいよいよ盛り上がっているが、意外にも、iPhoneをハックするのは簡単なのだ。SkycureのCEO Adi Sharabaniが私のiPhoneを取り上げて、それに他人が簡単にアクセスできることを見せてくれた。ただし彼は、自分のスマートフォンのセキュリティを維持するためのコツも、教えてくれた。

 
 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

SMX West 2016-おまけ:マット・カッツ氏も登場!Google Danceでダンス!ダンス!ダンス!

前回の記事でセッションレポートは全て完了しましたが、今回の記事はおまけ記事となります。SMX West 2016の2日目、3月2日に開催された、Google Danceに参加したレポートです。マウンテンビューの本社で行われた、SMX参加者限定のパーティーです。非常に開放的で多くの参加者が楽しんでいました。そして、パーティーの途中では、マット・カッツ氏も登場し、会場は大いに盛り上がります。Google本社を訪れる機会などあまりないため、非常に貴重な体験となりました。– SEO Japan

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Google Danceとは?
かつては、Googleがアルゴリズムを変更するたびに順位が変動する現象を指す名前でした。しかし、Googleが検索マーケターを招待する、毎年のイベントの名前でもあります。

2002年から2008年まで開催されており、当時は、セルゲイ・ブリン氏とラリー・ペイジ氏の姿もあったようです。その後、しばらくの間開催されていませんでしたが、今回のSMX West 2016で復活を果たしました。

ホテル前に集合し、みんなでバス移動
SMX Westの会場近くのホテルで待機し、バスで移動します。500名が招待されたとのことで、大勢の人の姿がありました。参加者にはチケットが配られ、SMXのパスホルダーに入れておくよう言われました。

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ホテル前の交差点。夕暮れ時ですね。

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本社に向かうバスの中。全部で5台ほどでていました。

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Google Danceの参加チケット。揺れる社内での撮影のためピントが。。。

Google本社に到着
パーティーの時間は19:30-23:00。到着したときはすっかり日が落ちていましたが、オフィス内にはまだ働いているGooglerの姿がありました。

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Androidマシュマロがお出迎え。

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オフィスの一棟。非常に開放的な雰囲気。

ゲイリー氏がお出迎え
受付を済ませた後、Google DanceのTシャツのプレゼントがありました。ゲイリー氏が受付やTシャツの配布作業を率先して行っており、バリバリ働いていました。

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ゲイリー氏自らTシャツの配布。

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Google Dance Tシャツ。複数のサイズから選べます。

いざ、パーティー会場へ!
Google Danceの会場は室内でしたが、DJブースも設置され、にぎやかな音楽が流れています。すでに皆さんハイテンション。

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会場前の列。会場前の屋外のスペースも利用可能でした。

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Googleカラーに彩られたDJブース。

食事も用意されていました。もちろん、お酒も。

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普通に美味しかったです。カフェテリアからのデリバリーなんでしょうか?

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Google Danceのロゴの前で記念撮影。みんなやってました。

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もちろん、有名な方々もやってました。

マット・カッツ氏が登場
会場の入り口付近で楽しんでいると、フラっとマット・カッツ氏が現れました。ダニー・サリバン氏も近くにいたため、二人で再開を喜び合っていました。そして、あっという間に大勢の人に囲まれます。

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マット氏とダニー氏が仲良くセルフィー。

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ゲイリー氏もパーティー会場に。多くの参加者に声をかけていました。

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マット・カッツ氏と記念撮影。2年ぶり。

SMX West 2016
SMX Westに参加したのは今回が2度目(SEO Japanとしては4回目)になります。前回は2年前でしたが、当時は、ハミングバードやオーサーシップ、Not Providedなどの話題が多かったように感じます。

今年は、RankBrainやAMPに加え、手動による対策やランキングエンジニアの話など、様々なトピックのセッションに参加しました。SMX WestはGoogle本社とも近いサンノゼで開催されるため(?)、多くのGoogle社員の方が参加されます。日本からの距離も比較的近いので、おススメですよ!

最後に、今回のSMXのセッションレポートを下記に記載させていただきます。ご興味があれば、ぜひ、ご確認くださいm(__)m

 

 

 

 

 

 

 

 

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もちろん、Google Danceに参加するのは初めてでしたが、非常に貴重な体験であったと思います。今回のGoogle Danceはゲイリー氏の発案で復活が決定したと聞きましたが、ホスト役として参加者への気遣いを様々なところで感じました。また、バリー・シュワルツ氏によると、以前のGoogle Danceは広告主のためのイベント、という意味合いが強かったようですが、今回はWebマスター向けとしてのイベントだったとのことです。色々な方とお話しすることができ、非常に刺激的で貴重な体験でした。もちろん、次の日の午前のセッションは大変だったわけですが。(笑)SEO Japan

LINEでは最大200人の友だちと音声チャットが可能に–ビジネスでも便利に使えそう

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スマートフォンで一度に複数の友だちとチャットしたいことって、あるかな? そんなあなたは、今日(米国時間3/10)から幸せだ。モバイルのメッセージングサービスLINEでこれからは、それできるのだ

LINEで一対一のビデオや音声呼び出しは前からできたが、今度の新しい機能では音声で複数の人を呼び出せる。同時に最大200名まで可能だそうだ。

200人の友だちと同時会話したい人は、あまりいないと思うけど、十分に使い物になるならば、ビジネスの用途はあるだろう。というかLINE自身も、昨年LINEとは別途に、グループ呼び出しアプリをローンチしたときには、一部のエンタープライズ呼び出しシステムをリプレースしたい、という野望を語っていたから、今回やっと、それのLINE本体への統合が実現したのだ。

この機能でLINEは、Facebook MessengerやWhatsAppなどのその他大勢と一線を画すことになるかもしれない。Messengerは、アクティブユーザー数が10億を超えているだけでなく、ビデオと音声を使えるし、WhatsAppは昨年、音声を加えた(噂ではビデオももうすぐ)。しかしどちらも、今現在は多数者同時呼び出しをサポートしていないから、LINEの人気がさらに高くなるかも。

この新しい機能はLINEの四大市場、日本、タイ、台湾、インドネシアを除く世界各国で利用できる。この4つの国は、Lineの月間ユーザー数2億1500万の67%を占めるから、同社にとってすごい負荷だ。そこでこれらの国での新機能の提供は、後回しになったのだ。

日本のLINEは韓国のインターネット企業Naverが創業し、今年は合衆国と日本と両方で同時にIPOする、と噂されている。同社は2014年と2015年には、上場の計画を廃棄している。同社の年商は昨年初めて10億ドルに達したが、ユーザー数の成長は鈍化し、また競合アプリもいろいろ登場しているので、それらが懸念材料となっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

BIサービスのTableauがドイツのHyPerを買収してビッグデータ分析を高速化

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BIサービスのTableauが、ドイツの先進的データベース企業HyPerを買収したことを発表した。Tableauのねらいは、彼らの技術を自社のプロダクト集合に組み入れることだ。

Tableauはビジネスインテリジェンスとデータ分析の企業として、企業顧客が自分たちのデータからインサイトを得ることを助けている。大学の研究から生まれたHyPerのデータベース技術は、Tableauのすべてのプロダクトのパフォーマンスを向上させる。Tableauのエンジニアリング担当シニアディレクターPatrice Pellandは、そう説明する。

“HyPerはダイアモンドの原石だ。ミュンヘン工科大学(Technical University of Munich, TUM)の研究チームがそれを開発した”、とTableauは述べている。

Tableauは実は、この若い企業に前から注目していた。最初に発見したのは、データベース技術に関する学界の場だった。その技術が姿をなしてくるにつれてTableauは、それが同社のBIサービスによくフィットしていることが分かってきた。

HyPerがTableauに持参する能力の中には、データ分析の高速化がある。それは、データセットのサイズとは無関係であり、トランザクションのシステムと分析システムを一体化してプロセスをスピードアップする。またその多様な分析能力は、定型データと非定型データの両方をサポートし、ビッグデータの分析に威力を発揮する。

まだ生まれたてほやほやのHyPerは資金もなく、Tableauが買収しようとしたとき、顧客もいなかった。買収の条件をTableauは公表していないが、Tableauのスポークスパーソンによると、“それは現金以外の取引なので公表はできない”、という。つまり、おそらくそれは1億ドルに満たない価額と思われるが、まだ新生児のような企業だから、それも当然かもしれない。

HyPerのトップは、TUMの二人の教授で、これまで院生たちとともに研究を続け、HyPerデータベースシステムの開発に至った。Tableauも数年前に、大学(スタンフォード)の研究プロジェクトから生まれた。つまり両者は‘大学発’というルーツを共有する。二人の教授は当面コンサルタントとして仕事を続け、プロジェクトに関わった4人のPhDは、ミュンヘンに設けられるTableauのR&D部門を担当する。

そのオフィスは今後拡張する予定だが、最初何名の社員でスタートするかは、公表されていない。

今現在、彼ら新しい社員たちは、シアトルにあるTableauの本社を訪れて、技術者たちとHyPerのデータベース技術とTableauのプロダクトとの統合について、話し合っている。

これはTableauの二度目の買収だ。“うちの企業をもっと良くする機会はいつも探しているが、企業文化という重要なものがあるので、買収にはつねに慎重だ”、とPellandは述べる。

なお、Tableauは2013年に上場し、昨年7月には一株127ドル44千とという高値をつけた。しかし今週水曜日(米国時間3/9)の時間外では、42ドル64セントと落ち込んでいる。今年のテクノロジー株は年初から良くないが、Tableauの下げは激しすぎる。

〔ここにグラフが表示されない場合は、原文を見てください。〕

[graphiq id=”3oaS89DzStf” title=”Tableau Software Inc. (DATA)” width=”700″ height=”414″ url=”https://w.graphiq.com/w/3oaS89DzStf” link=”http://listings.findthecompany.com/l/14692592/Tableau-Software-Inc-in-Seattle-WA” link_text=”Tableau Software Inc. (DATA) | FindTheCompany”]

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

深層学習活用のアルゴリズム投資をモバイルファーストで、キャピタリコが本日ローンチ

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深層学習という技術を軸にサービス開発するスタートアップ企業のAlpacaが、汎用の画像認識プラットフォームからトレーディングへとピボットして100万ドルを新規調達したことは昨年10月に本誌でお伝えした。それから数カ月の開発期間とベータテストを経て、Alpacaは今日「キャピタリコ」を正式リリースした。

テスト期間中のユーザーの声を反映し、当初ウェブで作っていたサービスはiOSアプリの完全モバイルとしていて、取引のアルゴリズムの作成まで含めてモバイルで完結するという(Android対応は年内の予定)。テクニカル分析やシステムトレードといえば、大型ディスプレイを3枚も4枚も縦横に複数並べる印象があるのでモバイルアプリのみというのは時代を反映しているとはいえ、珍しいのかもしれない。

キャピタリコは利用者が投資アルゴリズムを作成し、それを検証することができる分析ツールだ。リリース当初は主要通貨7ペアのFXのみ対応だが、数カ月のうちに米国株に対応するほか、日本株やそれらの先物などを入れていく予定で、さまざまな資産クラスに対応していくという。

投資アルゴリズムを作るためのUIは、具体的には上下左右に分割された画面上で4つのコンポーネントの内容を決めていくというもの。例えば、チャートで「ダブルトップ」「波状」などといった値動きのパターンや移動平均線といった時系列データのパターンをみて、どの部分でエントリーする(買う)のかといった条件定義をしていくといった具合。従来こうしたことは人間が画面に張り付いてタイミングを監視するか、プログラミングが必要だった。キャピタリコは、そうしたトレーダーの負荷を取り除くためのツールだ。キャピタリコのアプリで定義したアルゴリズムは、実際にはクラウド上のCPU+GPUのクラスター上で稼働することになる。

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儲かるならツール作りじゃなくて自分でやれ、という批判

値動きや各種指標パターンを見て儲かるのなら、そもそもキャピタリコなんていうツールを作っている時間が無駄で、自分で投資すればいいだけなのでは? と、思う人もいるかもしれない。Alpaca創業者の横川CEOによれば、ここにはちょっと違う事情があるらしい。

まず、あるアルゴリズムによる投資を考えたとき、それに対する許容度は人によって異なるということ。自己資金で売り買いするのと、機械化するのとでは全然違ってくる。自己資金の運用だと、せいぜい数千万円程度の元手で、利回りも稼げて数十%程度。これだと稼げて年に数百万円にとどまる。つまりアルゴリズムを使って儲けられるといっても、たかが知れているのだ。

一方、人から資金を集めてアルゴリズムを使った投資ができるのは、規制や登記の問題があるので、今のところ法人内にいるトレーダーだけに限られている。ここを民主化するのだというのが横川CEOの中長期の狙いという。

金融商品やサービスが作れるのは法人内にいる金融のプロだけ。しかし、実はそうしたファンドマネージャーのパフォーマンスを上回っている市井のデイトレーダーというのがいる。そうした人々は有名ではないし、表に出てこない。こうしたトレーダーたちが作るアルゴリズムを投資助言業の「助言」として載せていくプラットフォームを目指す―、それがキャピタリコの目指してる姿で、「金融商品を作る人たちを法人から自由にしたい」と横川CEOはTechCrunch Japanに話している。「投資商品を作る個人と、それを買う個人の2者が直接繋がるオンラインの投資商品のマーケットプレイスになることを目指しています」。

当初のアプリはアルゴリズムを作るような玄人向け。当初は為替のみ対応なのでダウンロード数も10万程度が目標というから控えめだ。ただ、2017年初頭にリリースを目指しているマーケットプレースはアルゴリズムに対する投資家(運用したい人)が入ってきて一般向けに近づくという。ちなみにキャピタリコのユーザーはベータ期間中は6割が海外ユーザーだったという。

起業家には多くの人に見えていない何かが見えていて、それが本当に未来の姿なのだとしたら大きな可能性を秘めているものだろう。ぼくには正直良く分からないのだけど、次のような横川CEOの比喩による説明は興味深い。

「ロボアドバイザーは国際分散するだけで、それほどの価値はないと思っています。しかし技術の進化によって新しい機会を捉えようとするアルゴリズムがどんどんできてきます。個々のアルゴリズムは流行り廃りのあるデータになっていくのではないかと思うのです。ちょうど音楽のようなフローメディアです。一昔前ならば高価な機材を使って音源を録音していたのが、今や個人がiPhoneで安価に簡単に音楽を作れますよね。その音楽をiTunesに出して簡単に他人に流通させることもできます」

「音楽産業では途中に入っていた法人が消えて行っています。この比喩で言ったとき、投資で何が残るのかといえば、金融商品を作る人たちと、それをキュレーションする人たち。キュレーションというのは、音楽業界で言えばハイパーメディアクリエイター高城剛のような人です。彼が作るプレイリストというのは、くまなくインディーズも含めてあらゆる音楽を見て推薦してくれるものです。でも、誰もが膨大に存在する全ての音楽をくまなく見るなんてできないのでキュレーションに価値がある。金融商品も、あらゆる金融商品をくまなく見て評価した上で投資家に推薦する役割の人たちが残っていくのではないかと思っています」

そうそう、キャピタリコは国内Fintech系イベントでは有数の「金融イノベーションビジネスカンファレンス」(FIBC)」で2月25日に大賞を受賞していることを加えておこう。

私のUberドライバーは、電気製品の闇ディーラーを副業にしているらしい

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Uberに乗っていて、突然新しいAndroidタブレットやDell Latitude E6420の緊急な必要性に駆られたことはあるだろうか?

もちろん、私もない。

それでも、ある野心的なUberドライバーは、乗車中の私に製品を売ろうとすることをやめなかった。私は、修復済みiPhoneからエレキギターまで、様々な電気製品の載ったラミネートされた販売資料を見せられた。

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何が一番いいかって? その電気製品は後日配達される。送料無料で!

私はこれについて2つのことを思った。一つは、UberやLyftに乗車中の後部座席体験を収益化する可能性は間違いなくあること。この10年間タクシーがやっているのと同じように。

もう一方で、UberとLyftには、どうかドライバーが生活できる給料を払ってほしい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SMX West 2016-Googleのランキングエンジニアが語る、Googleの仕組み。

SMX West 2016、最終日のセッションです。Googleのポール・ハー氏を招いたセッションで、Googleの仕組みについて話してくれています。後半のQ&Aにゲイリー氏も登場しましたが、あまり多くは語りませんでした。もちろん、ランキングアルゴリズムを説明してくれるわけではないですが、普段はあまり聞く機会のないストーリーを語ってくれています。特徴的だったのは、大量の実験を行っていること。数々のトライアンドエラーと努力によって、精度の高い検索エンジンが生まれていることを垣間見ることができました。– SEO Japan

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Danny Sullivan(Founding Editor, Search Engine Land, @dannysullivan)
Gary Illyes(Webmaster Trends Analyst, Google, @methode)
Paul Haahr(Software Engineer, Google, @haahr)

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Googleのランキングエンジニアリングがしていること

  • サーバーのためのコードを書く
  • 新しいシグナルの研究や、新しい方法での古い複数のシグナルを組み合わせ
  • Googleが使用する測定基準の最適化
  • 品質評価に基づいた検索結果の修正
  • 品質評価ガイドラインの修正や新しい評価基準の開発

今日のGoogle検索
モバイルファーストだ。今までにないくらい、モバイルからのトラフィックが多い。それは、Googleの考え方に影響を与えるほどだ。モバイルではタイプ(入力)ではなく、ボイスサーチやタップが使われる。そして、ユーザーのロケーションもかなり影響する。

様々な機能
サジェスト、オートコンプリート、計算機、ナレッジグラフ、マップ、画像、天気・・・。生活のあらゆる場面で利用されている。

10個のブルーリンク
検索結果画面の1ページにつき、青色で10本のリンクを表示する。これが、一番おなじみのスタイルだ。この表示方法の課題は2つある。1つは、”どんなドキュメントを表示するべきか?”であり、もう1つは、”それらをどんな順番で表示するべきか?”というものだ。ちなみに、私の仕事は収益とは関係がない。ただただ、ユーザーを見ている。

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検索エンジンの2つのパーツ
検索エンジンには2つのパーツがある。

  • クエリの前段階
  • クエリの処理

クエリの前段階
まずはWeb(サイト)をクローリングする必要がある。その後、クロールしたページを分析する。リンクの展開、コンテンツの読み込み(JavaScriptやCSSも合わせたフルレンダリング)、意味づけした注釈、などだ。その後、インデックスを構築する。

Webインデックス
本のインデックスと似たようなものだ。一つ一つの言葉が記載されるページの、全てのリストを作成する。それらを、何百万というグループに落とし込む。Googleでは、これらを”シャード(shards:破片、かけら)”と呼んでいる。Webインデックスには何千ものシャードがある。さらに、ドキュメントごとのメタデータもこれに加わる。

クエリの処理
クエリの理解と拡大が行われる。スコア付けも行われ、クエリの調整も加えられる。

クエリの理解
まず、該当のクエリが、よく知られたエンティティであるかを確認する。例えば、”san jose convention center(サンノゼコンバーションセンター)”、”matt cutts(マット カッツ)”などがそれにあたる。また、類義語の存在も確認する。例えば、”gm trucks”という場合、”gm”は”general motors(ゼネナルモーターズ)”だろう。しかし、”gm corn”の場合、”gm”は”genetically modified(遺伝子組み換え)”となる。そして、前後関係や背景などのコンテクストも確認する。

スコア付け
ここでは、全てのシャードにクエリが送られる。そして、合致したページの検索、クエリとページのスコアの計算、スコアごとに上位○○ページを送り返す、といった作業が全てのシャードで行われる。その後、全てのページが組み合わされ、スコア順に並べ替えを行う。

検索後の調整
クラスタリング、サイトリンク、重複、スニペットの確認などを行う。また、スパムが原因の順位下落や手動による調整の確認も行う。

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スコア付けのシグナル
シグナルとは、スコア付けに使用される情報の一部であり、クエリに影響される項目と影響されない項目がある。クエリに影響されない項目は、ページの特徴となる項目だ。ページランク、言語、モバイルフレンドリーなどが挙げられる。クエリに影響される項目は、キーワード合致、類語、近接性などが挙げられる。

検索結果の品質の測定基準
「測定できなければ、改善できない」とあるように、測定基準は非常に重要だ。いくつか例を挙げてみよう。まずは、関連性だ。ユーザーからのクエリに対し、該当のページは有益な答えを提供しているか?これが、ランキングにおける一番の基準だ。次に品質が挙げられる。我々が提供している検索結果はどの程度良質なのか?、を見ている。また、結果を表示するまでの時間も重要となっている。もちろん、早ければ早いほうが良い。

Google自身の評価とその方法
我々は、我々自身の評価も行っている。具体的な手法は下記の2点だ。

  • ライブ実験(実際の検索結果を使用した実験・調査)
  • 人による評価実験

ライブ実験
他のWebサイトと同じように、実際のトラフィックでA/Bテストを行っている。また、クリックのパターンの変化も見ている。これは、おそらく、あなた方が考えているよりも難しい作業だ。こうした実験には多くのトラフィックが1つ、または、複数の実験で使われている。完璧な10個のブルーリンクとはなにか?そのために、沢山の実験を行っている。

人による評価実験
実際の人間に実験的な検索結果画面を見せ、どの程度良いかを尋ねている。評価者へのガイドラインを発行しており、自動化を図るべく、ツールの協力も得ている。実際の体験が、品質を伝えることになるからだ。昨年、Googleはガイドラインを公開した。我々が考える品質とは何か?を記載したものだ。

人による評価実験における2つの指標
ニーズメットとページクオリティという2つの指標がある。ニーズメットは、”該当のページがユーザーのニーズに合っているか”、を見る指標だ。完全に満たされている(Fully meets)から、満たされていない(Fails to Meet)まで、6個の段階がある。
ページクオリティは、”該当のページがどの程度良いページか”、を見る指標だ。E-A-Tという軸があり、それぞれ、”Expertise(エキスパート性)”、”Authoritativeness(権威性)”、 ”Trustworthiness(信頼性)”、を表している。

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モバイルファーストの評価
ニーズメットの評価者に対し、モバイルユーザーのニーズに注力してもらうよう、依頼している。つまり、該当の検索結果がモバイルユーザーにとって、どの程度有益で、どの程度満たされたものになっているかを考えてもらう、ということだ。

モバイルを中心とするために
ユーザーの位置情報に非常に気を配る。また、モバイルのユーザー体験を表示するツールなども使用している。評価者にはスマートフォンでWebサイトを確認してもらっている。

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ランキングエンジニアについて
数百人のコンピューターサイエンティストから成るチーム。我々の測定基準とランク付けのシグナルに注力している。多くの実験をしており、多くの変更を加えている。

開発プロセス
まずは、アイデアを出す。解決したい問題があり、そのためにはこのデータが使えそうだ、といった具合に。そして、コードを書き、データを作成し、実験を行い、分析する。これを、ローンチの準備ができるまで繰り返す。その後、定量データの分析チームからのレポートを受け、ローンチする。非常に長い時間がかかることもあり、最悪のケースは2年かかった。

2つの問題
もちろん、上手くいかない場合もあるが、その原因は2つ考えられる。1つは、評価の質が良くない場合であり、もう1つは、測定基準に問題がある場合だ。

評価の質が良くない場合
“texas farm fertilizer(テキサス 農場 肥料)”という検索をした際、ユーザーは肥料のブランドを知りたいと思っている。この製造企業の本社に行きたいと思う人はいないだろう。しかし、実際の検索結果は非常に遠く離れた本社のマップを表示していた。我々は、ライブ実験の結果からこの検索結果を変更することにしたのだが、実は、この検索結果に高評価を与えていた評価者がいた。このように、評価者による評価の質が悪い時がある。

測定基準に問題がある場合
2009年から2011年の間、低品質コンテンツへの不満が多くあった。しかし、我々の関連性における測定基準は、この期間、どんどん上昇していた。そのため、我々は自分たちはうまくやっていると考えていたが、実際は、我々が望むものを測定していなかったのだ。つまり、品質における測定基準は、関連性における測定基準と同じではなかったのだ。

Q&A

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*Q&Aからダニー・サリバン氏とゲイリー・イリーズ氏が登壇しました。また、それぞれを下記のように記載します。

  • ダニー・サリバン氏=”ダニー”
  • ポール・ハー氏=”ポール”
  • ゲイリー・イリーズ氏=”ゲイリー”

ダニー:RankBrainとインデックスの関係は?
ポール:RankBrainはシグナルのサブセットだ。RankBrainの仕組みについて、あまり詳しいことは話せない。

ダニー:RankBrainはオーソリティをどのようにして判断しているか?
ポール:トレーニングの成果によって可能だ。クエリとシグナルを見ている。しかし、皆様にとって有益なことはお話しできないと思う。

ダニー:エンティティは5年前に話していたような内容と変わりないか?
ポール:ナレッジグラフのことだろうか?もちろん、継続している。

ダニー:GoogleNowとクロームなどでデータは区別しているか?
ポール:ログインしているかどうか、ということだろう。我々は一貫した経験を提供しており、ブラウザの履歴などもそれに含まれている。

ダニー:一日のうちで、同じクエリで検索結果が変わっている
ゲイリー:マップやナレッジグラフの場合は、営業時間などで変わるかもしれない。しかし、確証は持てない。

ダニー:上手くいっていないという状況をどう判断しているのか?
ポール:実験を常に行っている。大量のメトリックスをそれぞれの実験で使っている。個別のクエリに当てはめている。

ダニー:パンダとペンギンについて
ゲイリー:ペンギンのローンチはもうすぐだと思うが、具体的な日付けはわからない。また、今後ローンチの予定日を伝えるのはやめようと思う。すでに数回失敗してしまっているし、ビジネスとしてよくないことだ。

ダニー:オーソリティについて、どのように計測しているのか?
ポール:詳細についてはお答えすることができない。しかし、我々は、評価者がオーソリティと思うことと同様に考えることができているか?を測定している。

ダニー:オーソリティは直接ランキングに影響するのか?
ポール:公定も否定もできない。直接的な回答があるほど、簡単なものではない仕組みになっている。

ダニー:rel=authorについては?
ゲイリー:rel=authorの将来的な活用を探っているチームが、少なくとも、1つある。私がSEO担当者であれば、タグを残したままにするね。しかし、新しいページを作成する場合は、わざわざ加える必要はない。

ダニー:CTRについて
ポール:CTRの実験はしている。パーソナライゼーションも考慮しながら。しかし、非常に課題が多い。ミスリーディングを起こすこともある。ちなみに、10位のCTRは8位や9位よりも高い。7位よりは低いが、おそらく、2ページ目に行きたがらないユーザーが多いのだろう。

Googleという巨大なプロダクトを構成するため、運用を含め、実に様々なチームが関わっているようです。今回のポール氏がお話してくれた内容は、その中でも核となる、ランキングに関わるチームのお話でした。おそらく、かなり簡略化した説明であると思いますが、それでも多くの項目を紹介してくれました。ゲイリー氏は、やはり、ペンギンについての質問を受けていましたが、大きな情報というものはありませんでした。ペンギンもプロダクトを構成する一要素であるため、すべての要素を細かく把握することは、非常に厳しいことなのかもしれないですね。今回の記事で、SMX West 2016のセッションレポートは全て終了となります。前回訪れてから2年も経っていることに驚きを隠せないのですが、今回も非常に刺激を受け、有意義なカンファレンスでした。今後もSEO Japanとして参加したカンファレンスのレポートを掲載したいと思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。m(__)m– SEO Japan

SPLTは、同僚との相乗りを手配するサービス

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UberもLyftも悪くないが、毎日の通勤となると、同僚の車に相乗りできた方が楽だろう。SPLTは正にそれをするべく、実業界に相乗りを持ち込もうとしている。

当初デトロイトでTechStars Mobilityの一サービスとしてスタートしたSPLTは、今週サンフランシスコでその拡大計画を開始した。

SPLTはUberに似ているが、相乗りするのは同僚だ

たまたま同じ方向へ行く見知らぬ他人と組むのではなく、SPLTは大企業をターゲットに、自宅と職場のピストンによる物流や環境への影響を緩和する手助けをしようとしている。並行して同社は、サービスの副次効果を最大限に活用しようと目論んでいる。例えば、メンターによる社員教育や、別部門の社員をつないで新しいアイデアの共有や開発の機会を生み出すことなどだ。

マーケットプレイス事業を立ち上げる時の最大の課題は、需要と供給を同じペースで成長させることだが、SPLTのモデルが巧妙なのは、開始時点がユーザーにとってウィン-ウィンになっていることだ。会社がSPLTのサービスに登録すると、ドライバー過剰供給の状態から始まる ― いずれにせよ通勤しなければならない人々。しかし、会社内でSPLTのプラットフォームを使う人が増えるにつれ、需要と供給が安定し、ドライバーと乗客の「適切な」数の平衡点が見つかる。

システムには拡張機能として、同じ地域や経路が共通の会社との相乗りを可能にするしくみもある。

「この製品は21世紀のスマート相乗りサービスとして、切望される通勤ソリューションを社員に提供したい雇用者のためにある」とSPLTのCEO、Anya Babbittは言う。「システムでは、CO2排出量や節約した走行距離を記録して、企業が社会貢献活動の要件を満たすためにも役立つ」。

SPLTは、相乗りを福利厚生の特典とすることで社員の行動を変えようと考えており、サービスに登録した企業に、相乗りの利用を宣言した社員に報奨を与えることを提案している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オンデマンドでマッサージを届けるサービス「Soothe」が3500万ドルを調達

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Sootheはオンデマンドのマッサージサービスで、既存投資家からシリーズBで3500万ドルを調達した。累計調達額は4770万ドルとなる。これでSootheは競合相手であるZeelを引き離すことができるだろう。Zeelはこれまでに1320万ドルを調達している。Sootheは9月には、 Unwind Meという別の競合を金額は非公開だが、買収している

年内に20の市場に進出するための資金調達だったとSootheは話す。ここ数ヶ月で月間の売上が23から30%上昇していると、先月SootheのCEOであるMerlin Kauffmanは私に話していた。Sootheには多くの伸びしろがあり、既存投資家はさらなる成長を期待していると彼は話す。

Sootheは現在、22の都市でサービスを展開している。最近では新しくロンドンでサービスをローンチした。Sootheはロサンゼルスでサービスを開始したが、ニューヨークが最も急成長している市場で、直にロサンゼルスを超えることが予想されるとKauffmanは言う。

Sootheのマッサージ・セラピストのネットワークには3000名以上がいて、それぞれ独立契約者だ。セラピストは自分自身でテーブル、シーツ、マッサージオイル、保険などを用意する必要がある。セラピストはSootheを利用することで、1時間辺り70ドルの収入を得ることができ、これは業界の標準より高いとSootheは言う。通常のマッサージ価格は1時間99ドル、2時間169ドルからだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

米司法省、Appleの申立てを拒絶。腐敗したレトリックだと非難

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サンバーナーディーノ事件に関わるApple、連邦政府間の舌戦は、今日(米国時間3/10)司法省が提出した43ページの文書で、Appleが本件について「虚偽の」「腐敗した」レトリックを使っていると指摘したことで、いっそう激しさを増している。

Appleのレトリ ックは偽りであるだけでなく、国民の自由と権利を保護する最高の立場にある制度である、法廷、憲法修正第4条、長年の前例、尊重すべき法律、および選挙で選出される政府部門を腐敗させるものだ。

CNBCが公開した同文書は、Appleは政府が1台の端末にアクセスする必要があると言っているものを、大がかりな暗号化の話へ転化することで状況を偽って伝えようとしていると指摘している。

Appleとその支持者らは、ネットワークセキュリティー、暗号化、秘密の裏口、およびプライバシー等の問題によって法廷に危険を煽り、議会やメディアに大きな議論を引き起こそうとしている。これは陽動である。Appleは、この件が「1台の個別iPhoneの問題」ではないことに、是が非でもしたがっている ― 是が非でもする必要がある。

政府の文書は最終的に、法廷がAppleの申し立てを却下し、FBIがFarook容疑者のiPhoneをアンロックすることに協力するよう、同社を説得することを推奨している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

WikipediaがiOSアプリをアップグレード、調べ物サイトから発展できるか?

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Wikipediaは、本日iOSアプリのアップグレード版をローンチした。今回のアプリはユーザーの関心に合った記事や画像コンテンツを提示することに注力している。また、アプリはAppleの新しいOSと最新iPhone(6sと6s Plus)に最適化され、3D TouchやSpotlight検索にも対応している。

Wikipediaはユーザーに毎日の調べ物の用途以外にもWikipediaのモバイルアプリを使ってもらうために取り組んでいる。

過去には、 オフラインアクセスやモバイル編集といった実用的な機能を実装してきた。昨年には 「ファクトカード」を共有できるようにし、ソーシャル路線も試していた。(この機能はまだあるが、以前ほど打ち出していない。今はテキストを選択して「ファクトを共有」することができる。)

アプリの最新版では、ユーザーが面白いと思う読み物やその人に合ったコンテンツの提供に注力している。ユーザーに「Explore(探索)」フィードから最も読まれている記事、特集記事、今日の注目写真、ランダムに選んだ記事、関連記事を提示し、ユーサーのアプリの使用状況に応じて記事のレコメンドもする。ユーザーがアプリ内から読んだ記事を元に提案を行っているとWikipediaは言う。

それに加え、今回のアップデートにはマルチタッチ・ジェスチャー(スワイプ、タップ、3D Touchなど)の操作に対応し、ホームスクリーン上のアプリアイコンの3D Touchも可能となった。これを使うとすぐに検索画面、ランダムに表示される記事の閲覧、関連記事、前回読んでいた記事の続きを読むといった操作ができる。iOSだけの機能Handoffにもこのリリースで対応している。

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後で読むための記事を保存する機能ではオフラインでも記事の閲覧が可能となる。画像ギャラリー、そしてソーシャルメディアやメールで簡単に共有できるようツールも改善されている。

過去に行った機能変更や今回の変更でも、WikipediaのiOSアプリがユーザーを惹き付けられるかは分からない。アプリはApp Storeの「レファレンス」のカテゴリーで大抵15位から20位くらいの上位を保っている。(最近30位台に落ちていた。)ただ、ブランドの認知度は高いにも関わらず、iPhoneアプリ「全体」の中で人気のあるものとは言えないだろう。

問題は、多くの人がWikipediaを特定のものを調べる場所であって、新しく何かを見つける場所だと思っていないことだろう。iOS 8以降は、AppleのSpotlight検索でWikipediaのウェブコンテンツを閲覧することができ、ちょっとしたことを調べたい人のニーズをもうすでに満たしていることも関係しているだろう。WikipediaはiOSアプリがより定常的に使われるようにするための施策を考えているが、これは「Explore(探索)」フィードの改良版を展開して上手くいくほど単純な問題ではないように思う。

とはいっても、アプリ自体はデザインも良く洗練されていて、SnapchatやVineで時間を潰す代わりに何か学びたいと考える人にとってはダウンロードする価値があるように思う。WikipediaのアプリはiTunes App Storeで入手可能だ。

Wikipedia Mobile 5.0 for iPhone and iPad from WikimediaFoundation on Vimeo.

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Appleから3/22〔日本では3/22〕のプレスイベントの招待状―新iPadと小型iPhoneが発表されるはず

2016-03-11-appleinvitation

さきほどAppleからクパチーノのApple本社で開催が予定されているプレスイベントの招待状が届いた。このイベントは今月の後半、3月21日(月)〔日本時間3月22日(火)〕に開催が予定されている。招待状には例によって謎いめいたひとこと、“Let us loop you in.”だけが書かれていた。

このイベントはすでに数週間前から大きな話題になっている。われわれは何が発表されるかについてもいくつか情報を得ている。ともかく噂によれば、Appleはこのところ新しいiPhoneの開発を行ってきた。新iPhoneはiPhone 5sと同じサイズの4インチのディスプレイを装備するが、チップとカメラは新しいものになるといいう。

iPhone 5se(special editionの頭文字)になるのか、大文字のiPhone SEか、またその他なのか、名称に関してははっきりした情報がない。ただしiPhone 6s/6s Plusのシリーズに加わることはなさそうだ。

iPhoneの次に用意されているのが新iPad Airだ。昨年の秋、AppleはiPad miniをアップデートし、大型のiPad Proを発表した。このときにはiPad Air関連のアップデートはなかった。9.7インチ・ディスプレイのタブレットのアップデートにはもう少し時間がかかるようだった。

ただし注意すべきなのは、今回発表されるはずの新iPadはApple Pencil、キーボード・カバーと連動するスマート・コネクターをサポートするはずだという点だ。つまりiPad Air 3というよりiPad Proの9.7インチ版という性格となるだろう。

そして問題のApple Watchだ。“Let us loop you in”という招待状のメッセージはどうもApple Watchを示唆しているように思える。しかしわれわれの編集長、Matthew Panzarinoは今回はApple Watch 2の発表はないと主張している。Appleは少なくとも、新しい時計バンドは発表できるだろうし、有名なファッション・ハウスとの提携も発表されるだろう。

もうひとつ何かあっただろうか? これはその場にならなければわからない。TechCrunchとしては次回のイベントに取材チームを送りやすくなったのは助かる。Appleはこの種のプレスイベントをいつも火曜日に開催してきたが、3月21日は月曜日だ〔前日が日曜日のため月曜はニュースの本数が少ない〕。Appleが月曜を選んだのは22日の火曜にはApple対FBIの訴訟でf最初の口頭弁論が予定されているからだ。

〔日本版〕プレスイベントが従来通り現地朝の開幕であれば、日本時間では22日の明け方となる。Let us loop you in.は「あなたを内輪のサークルに入れるお手伝いができます」というような意味。ただしloopには文字どおり「輪」という意味もあり、これは手首に巻く腕時計をイメージさせる。ただしPanzarino編集長はリンク先記事にもあるように、このプレスイベントでApple Watchがアップデートされるという可能性には否定的。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

FedExも使うニューヨークの位置情報サービス、Yextがブレーク中―売上8880万ドル、成長率48%

attending the Yext Launch Party at 1 Madison Ave., NY on Oct 1, 2015 Photo By: (Ken Arcara/Guest of a Guest)

YextはこのほどGoogleマップを同社のPowerListingsネットワークに追加した。つまり、クライアントの店舗や企業はGoogle検索でマップに表示される店舗や支店の位置をリアルタイムで変更できる。このアップデートでYextは100種類以上の地図、アプリ、検索エンジン、カーナビなどの位置情報にアクセスできるようになった。

YextはすでにApple、Facebook、Bing、Yahooなどの位置情報サービスを管理してきた。

Yextによれば、全世界で60万ヶ所の位置データが登録されており、各ネットワーク上の情報を管理できるという。ユーザーにはCitibank、FedEx、Sunglass Hutが含まれる。

TechCrunchの取材に対し、「Salesforceが顧客データを管理するうように、われわれは位置データを管理できる。Yextは位置情報の総合システムだ」とCEO、Howard
Lermanは述べた。

Yextはまだ黒字化していないが、同社は調達した資金を積極的に再投資しており、来るべき株式上場の前にできるかぎり規模を拡大することに務めているという。「その時が来たら〔上場を〕やる」とLermanは語った。

Yext 2006年の資金調達以來、少なくとも1億1500万ドルを資本として保有しているInsight Venturesは2014年に5億2500万ドルの評価額で5000万ドルのシリーズFラウンドをリードしている。IVP、CrunchFund、SV Angelも株主だ。

Insight Venture Partnersのマネージング・ディレクター、Deven Parekhは「Yextのビジネスは絶好調だ。しかもこの市場はまだ始まったばかりだ」と述べた。

Yextの社員も昨年度38%増えて455人となった。本社はマンハッタンの中心部、マジソン・スクエア・パークに隣接する1 Madisonにある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Opera、デスクトップ版ブラウザーに広告ブロッカーを内蔵

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このところモバイルでの広告ブロックの話題がよく聞かれるが、デスクトップでは古くからの現象である。しかし、これまでのデスクトップ用広告ブロッカーはすべてプラグインだった。今日(米国時間3/9)Operaがこれを変えるべく、同社のデスクトップブラウザーの最新デベロッパーリリースに広告ブロッカーを標準装備した。

Operaによると、広告をブロックすることで読み込み時間は最大90%速くなる(ただし私の経験から言うと、結果はそこまで劇的ではない)。サードパーティーのプラグインではなく、広告ブロッカーを内蔵させることでさらに高速化を実現できたと同社は言っている。Operaによると、サードパーティーによるソリューションと比べて、さらに40%速く読み込まれるという。

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Operaは自らもオンライン広告会社を所有しているので、この行動がちょっとした驚きであることは間違いない。現在中国企業のコンソーシアムに買収される過程にある同社は、これはユーザーのウェブサーフィン体験を改善するために行っていることだと言っている。

「広告はインターネットの燃料であり、ユーザーのために数多くのサービスを無料にすることができる」とエンジニアリング担当SVPおよびパソコン用Opera責任者のKrystian Kolondraは言う。「しかし、われわれの最新調査によると、殆どのウェブページが、肥大化した広告と重いトラッキングのために著しく速度を落としている。われわれはこれを受け入れられない ― ウェブはユーザーである私たち全員にとてもっと良い場所であってほしい」。

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私はOperaの広告ブロッカー内蔵の早期バージョンをテストしているが、当然ながらこの機能をオンにしてサーフィンすると速くなる(私の使ったリリースは標準でこの機能がオフになっていた)。ただ、サードパーティー製プラグインと比べて、日常的利用で効果の違いを認識できるかどうかは私にはわからない。

サードパーティー製ブロッカーと同じく、Operaは広告が表示されてもよいサイトを各自のホワイトリストに追加できる(例えば、TechCrunchはすばらしいサイトなので、必ずホワイトリストに入れるべきだ)。

またOperaは、広告ブロッカーがオン/オフの時の読み込み時間を比較できるちょっと変わった機能も提供している。さらに、よく働いていることを見せるために、ブロックした広告の数を常時表示すカウンターもついている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook