DJIの新ドローン、Mavic Airは799ドルでスマホサイズ――新機能満載で出荷は28日から

DJIはドローンの新製品の秘密保持という点ではこれまでもあまりいい成績を収めていないが、今回のMavic Airも直前に写真がリークされた。今朝(米国時間1/23) ニューヨークで開催され、リアルタイムでストリーミングされたプレスイベントで発表されたMavic Airの内容はだいたいわれわれの予想どおりだった。ハイエンドのMavic Proと普及版のSparkの中間の位置づけとなる製品で、DJIが一般消費者向けに力を入れていることを示すものとなった。

DJIによれば「われわれはポケットに収まるほど小型で十分な空撮能力がある製品を作るために一から設計した」という。たしかにスマートフォンのサイズのプロダクトで、北アメリカ事業の責任者はイベントでベストのポケットに2台のAirを入れてみせた。Proのほぼ半分のサイズで重さは41%に過ぎないという。

Airの本体には3軸(自由度)のジンバルで4Kカメラが搭載されている。静止画は12メガピクセルで撮影でき、低照度の条件にも強い。HDR機能も内蔵されており、露光条件が場所によって大きく変わる風景撮影などでは特に威力を発揮する。DJIによれば静止画を貼り合わせてパノラマ写真を作成するなどソフトウェアにもいくつかのアップデートが行われたという。

動画安定化の要となるジンバルは本体同様、まったく新しく設計された。システムは本体内に完全に収まるので全体のサイズは驚くほど小さい。8GBのメモリーを備え、microSDカードを追加しなくても動画、静止画を記録できる。

AirはGoProが突然ドローン市場から退場して以来、この市場で初の新製品だ。GoPro KarmaはMavic Proにきわめて近い製品で、実際この製品はGoProとDJIの提携から生まれたものだった。

AirはActive Trackという機能を備えており、移動する対象を自動的に追尾できる(Karmaにこの機能が欠けていた)。アクションビデオを撮影しようとするユーザーはドローンの操作を友達に頼まずに自分を撮影できる。AsteroidとBoomerangという機能はボタンを1回押すだけで予めプログラムされたスタイルでパノラマ動画が撮影ができる。

Mavic Proは出荷が遅延するなどつまづきがちなスタートだったが、結局、優秀な製品であることが判明し、成功を収めた。これによりDJIは続いてスマートフォンサイズでユーザーが手の平を見せて動かすなどジェスチャーで簡単に操縦できるドローンを昨年5月に発表した。

残念ながら、われわれはこのドローンをテストしているときにブレードが当ってビデオのプロデューサーが指を怪我するトラブルに見舞われた。ジェスチャーによる操縦は「当たるも八卦」の傾向があり、あまり信頼性が高くなかった。たしかに一般消費者を意識した製品として意欲的だが、未完成という印象だっった。
第一世代のプロダクトから教訓を得て前モデルにおける問題が今回Airでは改善されているよとよいのだが。
【略】

Airではドローンに向かって両手を伸ばし、閉じることでフライトを終了を命令できる。ユーザーが片手を伸ばして地面を指差すとドローンはその場所に着陸する。この機能は5.8メートル程度の距離まで有効だという。操縦にスマートフォンを使えば80メートルまで、リモコン・ブースターを使えば4キロメートルの距離から操縦できる。スポーツモードではドローンは時速68キロメートルで飛行する。一回の充電による飛行時間は21分だ。

前モデルはmicroUSB.だったがAirはUSB-Cポートを備える。ミニサイズのボディーながらさまざまな安全機能、位置トラッキング機能が組み込まれているという。

【略】

Airの価格は799ドルからとなっている。399ドルのSparkと999ドルのProの中間だ。Airには999ドルのコンボパックも用意されており、2個のバッテリー、予備のプロペラ、充電ハブ、携行用バッグがセットになっている。Airは今日からDJIのサイトで予約注文ができる。出荷は来週、1月28日からだという。カラーバリエーションはホワイト、ブラック、レッドの3種類だ。【略】

空撮のプロにとっては799ドルは手頃な価格だろう。アマチュア・フォトグラファーやアクション・スポーツ愛好家も大いに興味を持つだろう。一般消費者への浸透に関しては、ジェダイ・マスター式のハンドジェスチャーによる操縦が今後どれだけ信頼性を高めるかによりそうだ。ともあれ昨年のわれわれの場合のようにビデオ番組のプロデューサーの指を切るような事態を引き起こさないことを期待したい。

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ただし、誰にも使いやすい信頼性の高いジェスチャー・コントロールが採用されたとしても、799ドルから999ドルというのは、一般人が趣味として利用するガジェットとしては(クールなおもちゃであることは間違いないが)やはりまだ高価だろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoProが会社売却を決めたとの報道に株価やや戻す

GoProは会社の売却先を探しているらしい。CNBCの報道によれば、同社は買い手を探すためにJP Morganと契約したという。この記事の執筆時点で、GoProの時価総額は10億ドル弱だ。会社売却を決断したというニュースに株価はややアップした

今日のGoPro株は値動きが激しかった。市場が開く直前に GoProは「今年の売上は予想を下回る見込みであり、社員の20%をレイオフする」と発表した。GoProの市場オープン前の取引は停止され、マーケットが開くと同時に株価は33%ダウンした。しかし数時間後にやや戻した。

会社の売却先を探しているというニュースで株価は多少のジャンプを見せたが、昨日の終値を依然大きく下回っている。

今のところ、果たして売却が成功するかどうか明らかでない。同社は市場に出ている中で最良のアクション・カメラを作っているし、ブランド力も高い。にもかかわらず、そこから意味のある結果を引き出すことに失敗している。このままGoProの株価が下がり続けるなら、買収金額は10億ドルをだいぶ下回るだろう。

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ホームセキュリティサービスのOomaがAI機能搭載のライブストリーミングビデオカメラButterfleyeを買収

Oomaは、今でもVoPのプラットホームとして知られている企業だと思うが、このほど、AIを利用する家庭と企業用のビデオカメラ、スマートセキュリティカメラを作っているセキュリティプラットホームButterfleyeを買収した。OomaはButterfleyeのカメラを同社のセキュリティソリューションOoma Homeに統合するつもりだが、元のブランドでカメラを売ることも続ける。

両社は、買収の財務的詳細を明かしていない。

OomaのCEO Eric Stangは、今日(米国時間12/20)の発表声明でこう述べている: “Butterfleyeには、すばらしいインテリジェントなセキュリティカメラシステムがあり、その能力を私たちのセキュリティサービスOoma Homeに加えられることはすごく嬉しい。私たちの戦略は、Oomaのスマート通信プラットホームをベースとして、インターネットに接続された高度な家庭向けセキュリティサービスを提供することであり、今回の買収はそのための重要な一歩である”。

2015に創業されたButterfleyeは、そのカメラを2016年にIndiegogoのクラウドファンディングキャンペーンでプレゼンした。同社はその後400万ドル近くを調達したが、業界やメディアのレーダーにはなかなか映らなかった。その機能の中には、顔認識、個人認識、温度・音・動きのセンサー、そしてセキュリティカメラとしての24/7ライブ(リアルタイム)ストリーミングは、どんなデバイスへも送れる。

一見するとButterfleyeは、Amazonで30ドル以下で買える安物のWi-Fiカメラにしか見えないかもしれない。でもそんなカメラと違うのは、インテリジェンス(AI機能)があり、しかも頑丈だ。ただしお値段は、ワイヤレスカメラ1台で199ドル99セント以上、3台パックで499ドル99セントだから、誰もが真剣に対応すべきデバイスだ。名前が知れ渡っているNestの高級カメラも、同じ価格帯だけどね。

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Canaryの防犯カメラがやっと人を識別する、ネコやウサギのいる部屋に置いても大丈夫

家庭用セキュリティカメラCanaryの全機種に、やっと待望の、人を識別する機能がついた。しばらくベータでテストしていたその機能は、今後6週間かけて既存の顧客全員に行き渡る。

AIと機械学習を組み合わせたその機能、“Canary Vision”は、人をそのほかの動くものから区別する。ぼくはこれまで、標準のCanaryオールインワンと、ポータブルなFlexの両方を試したことがあるが、対象を区別する能力が皆無なので、相当苛立たしい製品と感じられた。それは、この‘家庭用防犯カメラ’の最大の欠点だ。

Canaryを部屋に置くと、ぼくの部屋にはウサギがいる。10分ぐらいの間隔で彼女が体を動かすたびに、カメラから警報が来る。そう、生き物のいる部屋にCanaryを置いたぼくが悪いのだ。窓から日が射し込んで壁に影ができると、やはり警報が来る。Flexを外に置いた人は、もっとたくさんの誤認警報を受け取ったことだろう。結局ぼくは通知機能をoffにしたが、それではもちろん、防犯カメラを導入した意味がない。

人の識別は当然のようにとても重要な機能だから、早く試してみたい。使われている機械学習のシステムが訓練不足で未熟だったら、この機能によってかえってひどい目に遭うユーザーもいるだろう。早めの成熟を、ぜひお願いしたい。同社は、1月のCESでより詳しい情報を提供する、そして来年はもっと多くのAI機能を搭載する、と約束している。

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Pixel 2の眠れるVisual CoreチップがAndroidの今度のデベロッパープレビューで可利用になる

残念なことにGoogleの旗艦機Pixel 2はそのローンチ以降、必ずしもすべてのサプライズが良いことではなかった。それでも、同社のカスタムSoC Visual Coreは良い方だと思われるが、でもそれはこれまで、同機の中でほとんど休眠状態だった。

同機が市場に出たとき、それはまだ十分に可利用ではなかったみたいだが、でも今度やっとそのチップは、自分の仕事ができるようになった。

今日(米国時間11/27)リリースされるAndroid 8.1デベロッパープレビューでは、Pixel 2とPixel 2 XLのチップの初期的サポートが提供される。それにより、すでに評価の高いカメラが、さらに性能アップするようだ。まだ、生産の問題は尾を引いているけど。

Googleによると、Pixel Visual Coreには、画像処理ユニット(IPU)コアが8つあり、演算ロジックユニットが512ある。機械学習を利用することにより、これらのハードウェアにより5倍のスピードアップが可能になり、電力消費は1/10になる。Android Camera APIがこのチップにアクセスするようになると、サードパーティの写真アプリもこのシステムの高速なHDR+を利用できるようになる。

すばらしいことではあるけど、またプレビューだから非公開ベータにアクセスできるデベロッパーが利用できるだけだ。まだまだ、バグ退治などが必要だろう。一般公開の日程は発表されていないが、8.1の公開ベータは12月からだ。

今のところPixel 2とPixel 2 XLだけの機能だが、今後の新製品ではすべての機種に当然載るのだろうね。

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留守番中の犬におやつを投げてやるドッグカメラFurboがバージョンアップして警報機能がついた

Furboは、外出先からあなたの犬とコミュニケートできて、おやつを投げてやることもできるドッグカメラだ。そして今度出たそのニューバージョンには、ワンちゃんの行動がおかしいとき、警報する機能がついた。

Furboはこれを、“初めてのAI化されたドッグカメラ”と称している。機械学習とコンピュータービジョンの技術を使って、あなたの犬が何かを噛んでいる、行ったり来たりして歩(ある)っている、ほかの犬と遊んでいる、などなどを見分ける。また、犬がカメラを覗きこんだら写真を撮るし、人間が視界に入ったらあなたに知らせる。もしかしてそれは、犬泥棒かもしれない!

ニューバージョンのFurboは、カメラが1080pのHDで4倍ズーム、視野角160度で暗視機能もある。そして容器には、おやつを100個以上入れられる。

昨年ローンチしたFurboはIndiegogoで51万1302ドルを集め、今では249ドルで売っている。競合するPetcubeは、これまでに380万ドルも調達している…その製品Petcube Playは189ドル99セントで、犬を見る、犬に話しかける、という機能がある。もうひとつのPetcube Biteには、おやつを投げる機能もある。こちらはFurboと同じ249ドルだ。

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Parrot Bebop 2 Powerは最高にクールなドローン――一人称視点も可能

個人ユーザー向けドローンのパイオニア、Parrotから最近発表されたBebop 2 Powerは既存のBebop 2のアップグレード・モデルだ。カメラ、コントロール、バッテリー駆動時間、すべてが改善されている。この本格的ドローンは2個のバッテリーで60分飛ぶことができ、ParrotのVRヘッドセットとスマートフォンを利用すればカメラが写す内容を一人称視点で体験できる。

私はこのドローンのパフォーマンスに強い印象を受けた。中でも感心したのは同梱のSkycontroller 2だ。このコントローラーは手持ちのスマートフォンをセットしておきながらジョイスティックでドローンを操縦できる。実際私はドローンを操作するのにスマートフォンよりこのコントローラーの方がはずっとやりやすかった。ジョイスティックの方が操縦しやすいというのは私にとってこれが初めてモデルだった。

Bebop 2 Powerは599ドルで、FPVゴーグル、コントローラー、バッテリー2個が同梱される。ドローンの飛行にはスポーツ・モードとカメラ・モードがある。カメラ・モードを選ぶと低速で安定した動画撮影に適したひこうとなる。

Bebop 2 Powerはうれしい驚きだった。最近テストした中で最高のドローンだと思う。 チェックしてみる価値は十分ある。

〔日本版〕ビデオ中でBiggs記者が「1回の充電で30分飛行できる」と述べているのは1個のバッテリーでの飛行時間を指している。バッテリーは2個同梱されるので入れ替えることで合計60分の飛行が可能。日本語サイトから入手可能。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Ryloの360°カメラは手ブレを追放した優れもの――ファイルは標準フォーマットで保存

先週Ryloのファウンダーにインタビューするまでこのプロダクトにはいささか懐疑的だった。テクノロジー的には面白い製品であっても360°カメラというのはすでにマーケットに多数登場している上に、正直に言えば、野心的なユーチューバーを除けば、われわれは日頃あまり利用していない。360°全周ビデオカメラというのはたまに使われるだけのきわものではないかと思っていた。

しかしベイ・エリアのスタートアップの新しい製品はこれまでのものとかなり違っていた。ファウンダーはInstagram元社員( Alex Karpenko、Chris Cunningham)で、 標準的フォーマットに360°ビデオを録画する新しいテクノロジーを開発した。社名と同じRyloカメラは画角208°の広角レンズ2基で4Kで360°ビデオを撮影する。しかしこのカメラのいちばん優れた機能は360°ビデオを日頃われわれが使っている標準的フォーマットの変換できることだろう。これは1080p、アスペクト比16:4の表示となる。

また走ったり、サイクリングしたり、その他どんなに激しい動きをしようと、Ryloのソフトウェアは手ブレを大幅に軽減する。このスタビライザーのデモを見て私は強い印象を受けた。短いデモだったが、安定効果はメカニカルなジンバルに近かった。

また編集能力も強力だ。ソフトウェアにはモーショントラッキング機能がビルトインされておりフレーム内の特定の対象を選んでトラッキングすることができる。しかもこれはポストプロダクション〔撮影後の後処理〕で実行できる。今のところトラッキング機能は完全ではない。指定した対象とカメラの間を何かが横切るとトラッキングを失ってしまうことがある。しかし全体として撮影者の製作意図をよく伝えるカメラのパンを実現してくれると思う。

その他ソフトウェアには前後のカメラの映像を左右に並べて表示するスプリット・スクリーンやタイムラプス撮影など各種の便利な機能がある。タイムラプスは最大16倍速がサポートされる。当初発表されるモデルはiOSデバイスと接続するモデルだが、Android互換も「近くサポートされる」ということだ。このカメラにはBluetoothではサポートされておらず、テザリングにはmicroUSBケーブルが必要だ。2017年後半の製品でBluetoothがないというのは問題だが、もともとこのカメラはポストプロダクションを経て公開することを前提としているのでストリーミングについては優先順位が低かったのだろう。

ハードウェアとしてのデザインはしっかりしているが、これは元Appleのデザイナー、Jonathan Denby(iPhone 5C、iPhone 6s Plusの開発を担当した)によるものだ。360°ビデオを撮る際に撮影者自身が写り込まいないようにするためセルフィースティック方式のハンドルが同梱される。

カメラは固定焦点で光学ズーム機能はない。また低照度の環境ではやや画質に難が出る。しかしRyloの最初の製品であることを考えれば全体的に上出来だ。同社は356万ドルのシード投資に加えてAccessとSequoiaがリードしたシリーズAラウンドで1100万ドルを調達しており、十分な資金を用意しているようだ。

Ryloカメラは現在予約受け付け中だが、499ドルとかなりの価格だ。撮影用ハンドル、16GBのmicroSDカード、USBケーブルなどが同梱される。出荷は11月中旬以降になる予定だ。

〔日本版〕Ryloサイトにスタビライザーのオン/オフを比較できる動画がアップされている。このカメラはスマートフォン(iOSデバイス)に接続して専用アプリから再生、編集する。カメラ本体にはデイスプレイは備えていない。

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Adobe、新しいクラウド型Lightroom CCを発表――モバイル写真激増に対応、UIを大きくシンプル化

AdobeのフラグシップといえばPhotoshopを思い浮かべるが、写真家やジャーナリストのユーザーがいちばん多いアプリケーションはLightroomだろう。このツールはRAWファイルを現像するだけでなく、露光、ホワイトバランス、色彩など写真のあらゆる要素を補正・編集する機能を備えている。

今日(米国時間10/18)、AdobeはMAXカンファレンスでまったく新しいバージョンのLightroom CCを発表した。現行のLightroomユーザーにはかなりショッキングな変更となる。

新しいLightroomでは使い方が大きく簡素化された。またクラウド接続を容易にすることにも重点が置かれている。現行版のLightroomはハードディスクに写真を保存し、ローカルで現像・修正を完了することを前提としているためきわめてインターフェイスが複雑だ。このためYouTubeにはLightroomの使用法を解説するビデオが大量にアップされている。

今回の新アプリの登場は写真コミュニティーに大きな衝撃を与えるものであることは間違いない。しかし新ツールについて考える前に、現行Lightroomがなくなるわけではないということを確認しておこう。われわれのお気に入りの(あるいは嫌っている)ソフトはLightroom CC Classicと改名される。AdobeはClassicの改良も続けていくと約束した。実際、AdobeはMAXカンファレンスでLR Classicの新しいバージョンを発表した。これにはプレビュー生成が高速化されるなど数々のパフォーマンスの改良が含まれているという。

Adobeのプロダクト・マネジメントの責任者、Tom Hogartyにインタビューしたところでは、今回の動きは写真をとりまく環境の変化にLightroomを適合させるのが主たる目的だったという。ユーザーは以前に比べてはるかに大量の写真を撮影するようになり、しかもその撮影にスマートフォンが用いられる場合も多い。「新しい状況というのは、誰もが高品質なカメラをポケットに入れて持ちあるくようになったことだ。現在のユーザーは写真の公開にあたってコミュニケーションを重視するが、ツールの利用方法を学ぶために長い時間を割くことは望んでいない」とHoggartyは述べた。

その結果、新しいLightroomは(契約するプランによって異なる―この点は後述)テラバイト級のサイズの写真をクラウドに保管できるようになった。ユーザーはすべてのデバイスからこのクラウド・ライブラリーに自由にアクセスできる。Adobeは以前からこの方向に向かっていたが、今後は全社を挙げてクラウドに注力する。写真をクラウドに保存することでAdobeは同社が開発していたSensei AIプラットフォームを活用して写真を自動的にスキャンし、適切なタグづけを行う。これにより、たとえば、キーワードで正確な検索ができるようになるという。

読者が現行Lightroom CCを使っている場合、新Lightroomに移行すると戸惑いを感じるかもしれない(ライブラリーは自動的にインポートされる)。Adobeは新LRのインターフェイスを最小限の要素に簡素化した。たとえば、旧版で写真を編集する場合、「ライブラリー」から「現像」へモジュールを切り替える必要があったが、新アプリではこのこの区別は消えた。消えたのは「ライブラリー」と「現像」ばかりでなく「ブック」、「スライドショー」、「プリント」、「Web」モジュールも消えた(誰も使っていなかったから影響は少ないが)。 新バージョンではビューを切り替えるだけになった(グリッド、正方形グリッド、詳細)。どのビューにいても、右サイドバーから編集ツールを選択すると自動的にフルスクリーン表示の「詳細」ビューに切り替わる。

さらに面倒な「読み込み」プロセスも大部分が消えた。このタブでは写真をどこに保管するか、何とタグづけするかなどさまざまな入力が必要だったので、この部分を解説するだけでYouTubeビデオにちょっとした産業が成立していた。新バージョンでは保存はクラウドになるので写真を選択して「写真を追加」ボタンをクリックするだけで済んでしまう。1枚の写真であればアルバムであれ簡単に共有ができる。

ユーザーはもちろん「設定」でデフォールトの保存場所を指定できるが、これはローカルにどれだけの空き容量があるかによって決まる。

Adobeはユーザーが一部の写真をローカルに保存したいはずだと知っており、いつでもそのようにできる。【略】

新しい料金プラン

上で述べたように、新しいツールの使い勝手はすべてユーザーのクラウド・ストレージの容量で変わってくる。【略】〔日本サイトの場合〕Adobe CCの新しいフォトプランはLightroom、Lightroom Classic、Photoshopのバンドルに20GBのオンライン・ストレージが付属して月額980円。これに1TBのクラウド・ストレージが付属するプランは.月額1980円となる。

AdobeではLightroomだけが欲しいユーザーのためにLightroom CCに1TBのクラウド・ストレージがが付属したプランを月額9.99ドルで提供する。これにはPortfolioとSparkへのアクセスが含まれる。〔日本サイトにはLightroom単体1TBプランについてはまだ情報がない〕。

なおCreative Cloudに加入する必要なく購入できるスタンドアローンの買い切り製パッケージソフトは、残念ながら Lightroom 6が最後のバージョンとなる。つまりLightroom 7がリリースされる見込みはない。またLightroom 6についても2017年以降はバグフィックスもアップデートも行われないという。

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理由は?

世の中にはまだまだまだソニーのミラーレスやキヤノンのDSLRを肌身離さず持ち歩くエンシュージアストがいる。しかしこのマーケットは明らかに縮小しており、逆にモバイル写真が劇的に増加中だ。Adobeはこの写真を取り巻く環境のシフトに対応しようとしているのだろう。一方でGoogleは写真の保存、検索、編集に関してきわめて魅力的なツールとプランを提供しており、競争の激化が予想される。

Lightroom Classicが依然として提供されるので誰もドラスティックな変化を強制されるわけではない。しかし使い勝手のいいクラウド型のLightroomは従来のバージョンの複雑さを敬遠していた新しいユーザー層を大規模に獲得する可能性がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google Clipsはウェラブルなスマートカメラ――予想外の新製品に驚きの声

今日(米国時間10/4)のハードウェア・イベンドでGooglekは誰も予想していなかった新製品を発表した。これはClipsと呼ばれる小型カメラだが、普通の意味でのカメラではない。何を写すかは基本的にClips側が決める。ユーザーが普通のカメラやスマートフォンを取り出す前に何かが起きてしまうことはよくある。Clipsはそういうときにユーザーに代わって価値ある瞬間の記録を残すことを手助けするのだという。

またClipsはMotion Photosと呼ばれる映像を記録する。これはGoogleが開発した新しいフォーマットで、ある瞬間だけでなくその前後の動きも記録される。AppleのLive Photosに似ているが、Motion Photosでは音声は記録されない。しかしカメラ内にスマート認識機能を備えている。またネットワーク接続は一切必用とせずスタンドアローンですべての機能が実行できる。つまり撮った写真をいつの間にかネットに拡散してしまうといった事態を防げる。撮影された内容を見るにはスマートフォンなどに接続する。

このカメラはしばらく前から市場に出ているNarrative Clipのようなライフログ・カメラに似ているが、ひとひねり加えられている。Google Clipsは機械学習を利用し、ユーザー、家族、友人、ペットなど特定の対象を認識して重要な場面を記録する。つまり子供やペットがおもいがけずかわいらしい仕草をしたのを見逃さないわけだ。Clipsにはその名のとおりクリップが付属していて、なんであれこのクリップで挟めるものに取り付けることができる〔CMビデオでは小麦粉の袋に挟んでいる〕。

Clipsには16GBのメモリーが内蔵されており、1回の充電で3時間分のMotion Photosが記録できる。またレンズが何かの影になってしまった場合は人工知能が事態を認識してスマートフォンにそのことを通知してくる。カメラの画角は130度と広く、Gorilla Glass 3ガラスで保護されている。USB-Cポート、Wi-Fi Direct、Bluetooth LEで外部と接続可能だ。毎秒15フレームで撮影するが、自動的に対象に焦点が合ってブレの少ない鮮明なショットを選択する。

価格は249ドルが予定されている。Googleはなぜか撮像素子のピクセル数などのスペックを明かしていない。

さらに取材中…

〔日本版〕Googleのアメリカ・サイトでは紹介されているものの、出荷スケジュールなどは不明。日本のGoogleストアにはまだ記載がない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

カメラテストの専門サイトDxOMarkの評価でもiPhone 8と8 Plusのカメラは最高評価

最新のiPhoneのカメラは、なにか特別のものである、という本誌のレビューに納得しなかった人も、DxOMarkのカメラテストのプロたちによる評価には、うなずく点が多いだろう。このカメラ試験専門のサイトは、明白に述べている: iPhone 8と8 Plusのカメラは、これまでのスマートフォンカメラの中で最良である、ただし、完全無欠ではない、と。

このカメラが傑出しているのは、ふつうに写真を撮る日常的な状況においてだ。つまり、やや暗いので明度補償モードを使ったり、はしゃぎまくる子犬にピントを合わせようとしてカメラが苦戦しなくてもよいような、状況だ。

そんなときには、iPhoneの自動焦点機能は正確であり、どんな光のもとでも細部まで明確で、また最近人気の高い、背景をぼかす人工的ボケ機能も優れている。Plusのズームは、このクラスのカメラでは最高だが、この機能はスマートフォンではまだ犬に二足歩行をさせるようなもので、できただけでもすばらしい。

至近の競合機であるPixelとHTC U11は最近、どの機能でもトップを独占していたが、それらにも勝っている。低照度撮影における細部の表現や、HDRの性能では、iPhoneが頭一つ抜いている。またとくにPlusでは、背景のぼかしがとても自然だ(後述)。

DxOMarkはいろんな状況でテストしており、サンプル画像も多い。それらのどれも一見に値するけど、ぼくがとくに感心したのはこれだ:

スマートフォンのカメラは短い期間に大きく進歩したが、残されている課題も多い。

改良すべき点も、まだ多い。自動焦点(オートフォーカス)は、いちばん重要な正確さでは合格だが、まだ十分に速くない。高評価のビデオも、Pixelに負けている。ポートレートモードは、ぼかしの境界部分にまだノイズがあるが、Pixelよりは目立たない。またDxOMarkは今回、スタジオ光源モードに言及していないが、ぼくも経験したように、多くの場合あんまし良くないからだろう。

これは、Appleが獲得するにふさわしい勝利だが、抜かれた走者もすぐに巻き返す気だ。Pixelのニューバージョンが、もうすぐ出る。上述の本誌レビュー記事でMatthewが指摘しているように、いまどきのスマートフォンレビューはたちまちカメラのレビューに退化してしまう。そしてGoogleも、そのことをよく知っているはずだ。では、10月4日に登場するその競合機は、‘どんなカメラ’だろうか?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

iPhone 8のカメラのポートレートライティング機能でプロがスタジオで撮ったような高級感ある写真を作れる

iPhone 8のカメラには、これまでのポートレートモード(Portrait Mode)に加えて、“ポートレートライティング”(Portrait Lighting)という新しい機能がある。この機能は機械学習を使ってカメラの画像をリアルタイムで分析し、それに基づいてプレビュー段階またはPhotosアプリで撮影後に、ライティングの効果を変えられる。

iPhoneでAppleは、人が気軽にいつも持ち歩くようなカメラに高度な撮影効果を持たせようとしているが、これもその一環だ。昨年のポートレートモードでは、人工的なボケ効果で背景をぼかし、被写界深度を変えたような写真を作れた。そして今回のイフェクトは、人工的にライティングを変えて、まるでプロの写真家が高価な照明装置のあるスタジオで撮ったような画調を作り出す。

Appleは、これがフィルターの一種ではないことを強調している。シーンを分析して、その結果に基づいて画像情報を自動的に調整するのだ。たとえば、いろんな部分の露出やハイライトを変えて、ダイナミックなライティング効果を作り出す。

今日(米国時間9/12)見たデモでは、顔の輪郭を明るくするとか、額(ひたい)などのハイライトを変えて単灯のステージライトが当たってる感じにしたり、顔をグレースケールにしてほかのものを黒っぽくフェードさせる、といった効果を見た。

この超クールなイフェクトは、iPhone 8 Plusのデュアルカメラを必要とする。だれもかれもがこの機能を使い始めたら、Instagramのフィードが、一見すごい上手な写真ばかりになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))



カメラテスト専門のDxOMarkにとってもスマホカメラのテストは曲者、次々と新しいテスト項目が加わる

カメラを試験することがDxOMarkの仕事だが、DSLRやミラーレスは最近目立った変化や進歩や新しい機能がなくなってきたのに対し、スマートフォンなどモバイルのカメラは違う。デュアルレンズや光学ズームなど、各社がさまざまな新しい機能で競争に明け暮れているから、それらを試験して点をつける側も、日に日に新たなテスト用セットアップが必要になる。同社は最近の評価要素の構成を、このページで紹介している。

まったく新しいテストが二つあり、そして前からのテストも一部が更新された。

まず、スマートフォンカメラのズーム機能や、焦点距離の異なる複数のカメラの使用に対しては、もちろんズームのパフォーマンスをテストする。光の条件によっては、カメラ1台の方が良いのか。特殊なイフェクトや機能があるのか。モードによって優劣はあるか。などなど。

新しいテストの第二は、DxOMarkが“Depth Effects”と呼ぶイフェクトだ。いちばんよく知られているのは、iPhoneの“ポートレートモード”だろう。ユーザーの顔や体を検出し、背景をぼかす。そうすると、被写界深度が浅いような写真になる。この処理がお粗末な機種では、像が歪んだり、前景がぼけたりする。このイフェクトのスムーズさと正しさを、いくつかのテストで判定する。

合成画像は、それを“HDR”と呼んでいる機種もあるが、それは正しくない。露出の異なる複数の画像を組み合わせるのだが、これには新しい評価測度が必要だ。たぶんフレーム合成技術は、速い(明るい)レンズや感度の良いセンサーで、日常の利用に耐えうるものになるのだろう。

同社が、次に加えようとしている評価項目は、ぼくにとっても嬉しいものだ。それは、動きの捕捉の速さだ。ぼくの場合は、あまりにも多くの場合に、カメラのボタンを押したら、ねらった動きの直後しか撮れていない。まばたきをしているとか、おかしなポーズになってるとか。この、シャッターチャンスの遅れを調べて点をつける。被写体や撮影者の動きを、どのカメラが、正しく捉えているだろうか。

同社の新しいテストのセットアップを、ここで見ることができる。また評価や比較のやり方は、ここに説明されている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

リコーから新しい360°カメラ、THETA V――4K、スペーシャル・オーディオに水中ハウジングも

リコーが360°カメラをバージョンアップした。新しいモデルはTHETA Vと呼ばれ、4Kビデオ録画、より高い没入感を得られるスペーシャル・オーディオ録音、ライブストリーミングなどをサポートする。

リコーのTHETAは360°カメラのパイオニアであり、高い人気を得ていたが、ここしばらくバージョンアップがなかった。今回の新モデル登場でTHETAは待ち望まれていた現代化を果たした。

リコー THETA VはまたWiFiデータ転送速度を大幅にアップし、現行モデルの2.5倍とした。露出とホワイトバランスの正確性も改良されダイナミックレンジも広げられた。リコーはこれによってあらゆる照明条件下で従来より質の高い画像が得られるとしている。またこうした高度なテクノロジーは同社のPentaxデジタル一眼レフ・スリーズから移植したものだという。

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THETA Vは4Kビデオに加えて14メガピクセルの静止画を撮影し、内蔵の19GBフラッシュメモリに保存する。この容量は静止画なら4800枚、4K動画なら約40分に相当する。記録フォーマットはH.264ビデオコーデックをサポートする。ユーザーは専用アプリを用いBluetooth LEを介してスマートフォンからTHETA Vを操作できる。Wi-Fiで接続すればデータ転送速度は速くなる。

THETA Vのもう一つの新機能はソフトウェア・プラグインのサポートだ。つまりリコーは将来プラグインを投入することによってTHETA Vに新しい能力を追加できる。このシステムを活用した最初のプラグインはリモート再生機能だ。これはカメラで撮影した画像をテレビその他、接続可能なデバイス上でミラーリング再生するもの。

サラウンド録音できるスペーシャル・オーディオもクールな機能だ。360°カメラにはきわめて有効だが、THETA Vのライバルには内蔵されている例は少ない。能力は実際にテストしてから判断したいが、VR再生には特に重要となる機能だ。

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リコーでは、別売のアクセサリーとして3Dオーディオを録音できるマイク・キット(269.99ドル)、水深10メートル程度まで対応できる水中ハウジングを用意している。

THETA Vの価格は429.95ドル。今日(米国時間8/31)からリコーのウェブサイトを始めとする通常のチャンネルから発売される。 3Dマイクは同時に発売されるが、水中ハウジングの発売は10月になる。価格は199.95ドル。

リコーが 2013年にオリジナルのTHETAを発売して以後、360°カメラにはライバルが多数登場した。今週発表されたInsta360 Oneはその最新の例だ。しかしTHETA Vはリコーの製品だけあって高品質で信頼性も高く、消費者向け360°カメラとして最高の実績を持っている。発売開始でこの分野の競争はさらに激しくなりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Lomographyの新製品Squareでアナログ写真を楽しもう

クラウドファンディングプロジェクト(特にハードウェア)の結果は予測しづらいということもあって、TechCrunchではKickstarterのキャンペーンを扱うことはあまりない。しかしLomographyの新しいインスタントカメラは紹介せずにはいられない。私は直近のAutomatというプロジェクトでも同社を支援し、製品は大変満足のいくものだった。Squareと呼ばれる今回のカメラもAutomatと同じくらい楽しそうで、しかも新しいカメラではAutomatよりも大きなフォーマットで写真が撮れるという話だ。

Squareのレンズ部分は蛇腹式で折りたためるようになっており、Polaroid SX-70と似た雰囲気を持っている。折りたたみ式のデザインでなければ、カメラのサイズはかなり大きくなっていただろう。小型化がテーマだったAutomatでは、本体をできるだけ小さくするためにInstax Miniが採用された。MiniはMiniで使っていくうちにいいなと思えるようになったが、やはりフィルムはもう少し大きくてもいいなというのが正直なところだった。一方SquareではInstax Squareが採用されているため、カメラ自体もAutomatより大きくならざるを得なかった。

しかしLomographyは蛇腹式のレンズを採用することで、Squareの巨大化をうまく防いだのだ(しかも蛇腹は強化ゴムで作られているので破損の心配はいらないとのこと)。Automatはカメラ自体のつくりもよかった(数年前に購入したLomographyのDiana F+とインスタントバックよりもよっぽどよい)ので、Squareにも大いに期待している。

AutomatやSquareは使うのも楽しく、実物を見れば誰もが欲しくなるようなカメラだ(経験上これは誇張ではない)。といっても、インスタントカメラで何を撮るのかといえば、昔も今も変わらず何か馬鹿げたことをやっている自分たちの様子なのだろう。

フィルムカメラを触ったことがないという人も心配無用。ゾーンフォーカス(近く、中間、遠くといった感じで被写体との距離に合わせてフォーカスする方法)の基礎さえつかめば、すぐに写真を撮りにいける。多重露光やリモートシャッターといった機能も搭載されているが、私は99%ベーシックなスナップ機能しか使っていない。写真自体はどこかかわいらしい落ち着いた色をしているが、プライマリーカラーは浮き出るような発色具合だ。

ひとつだけ言えるのは、Instax SquareがInstax Miniよりもかなり高いということだ。Amazonを見てみると、Instax Squareのカートリッジ(10枚入り)は14ドルもするが、Instax Miniならツインパック(20枚入入り)でもSquareより安く、まとめ買いするとさらにその価格差は広がる。さらにInstax Miniはさまざまなところで売られているが、Instax Squareを取り扱っているお店はあまりない。なので、フィルムにはある程度お金がかかると予め心の準備をして、セール時にはまとめ買いするようにしよう。

このプロジェクトには、既に目標額の2倍の資金が集まっているため、カメラが作られないという心配はない。価格的にはアーリーバードが129ドル、その後に続く通常のプレオーダー価格が149ドルと179ドルに設定されており、最終的な小売価格は200ドル前後になるようなので、購入に悩んでいる人はタイミングも考えた方がよさそうだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

ソニーα7S IIが国際宇宙ステーションからとらえた4K動画が圧巻

ソニーのフルフレーム・ミラーレスカメラ群は素晴らしい出来で、世界中のフォトグラファーやビデオグラファーを魅了している。しかし、α7S IIはついに地球を飛び出し、国際宇宙ステーションから美しい4K動画をとらえるまでになった。

この記事に掲載されている動画は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した宇宙実験棟『きぼう』に取り付けられたα7S IIによって撮影されたものだ。JAXAは同製品が、真空状態や放射線、極端な温度変化(太陽が当たるかどうかで200度以上の温度差がある)といった環境に十分耐えうると判断し、利用に踏み切った。

α7S IIの耐久性の驚くべき点は、今回の撮影にあたってほとんど製品に手が加えられなかったということだ。JAXAによれば、温度変化を和らげるため、カメラの設置部にラジエーターやヒーターを取り付けたものの、「カメラのハードウェア自体にはほぼ手を加えていない」とのこと。

もともとJAXAは、α7Sを船外に設置しようとしていたが、4K動画を内部で記録できるということで2016年に使用機材をα7S IIへと変更。暗い場所で力を発揮する高感度のフルフレームセンサーの力もあり、以前のシステムでは不可能だった夜間の撮影も問題なく行えた。

静止画もこのシステムを使って撮影される予定だ。動画よりも静止画の方が色の再現性が良いため、海や森林の色の変化を時間経過と共に比較するのに役立つだろうとJAXAは語る。その一方で、宇宙船がドッキングする様子や、上記のような美しい景色を撮影するのにはやはり動画が1番だ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

日本のかわいいロボットカメラ、ISSでテスト開始――JAXAのInt-Ballはクルーの相棒に

科学もときどきかわいくなれるらしい。たとえば日本の宇宙開発組織、 JAXA(Japan Aerospace Exploration Agency)が開発し、この7月4日にドラゴン補給線で国際宇宙ステーション(ISS)に送り込んだInt-Bal(JEM Internal Ball Camera)という球形カメラだ。下にエンベッドしたのはJAXAが公開したInt-Ballの稼働の様子を示す最初のビデオだ

Int-Ballの目的は地上の科学者がISS内部の様子を写真とビデオで確認するためで、このロボットカメラは宇宙ステーション内を地上からに指令で自律的に移動できる。JAXAによれば「3Dプリント・テクノロジーを利用して開発されたドローンは地上の科学者やオペレーターが宇宙ステーションの状況をリアルタイムでモニターすることを可能にする」といいうことだ。Int-Ballが収集したデータはISSのクルーも利用できる。

Int-Ballのユニークな形状はもちろん無重量状態での活動を考慮したものだ。JAXAではこのデバイスは「自律的に飛行でき、ISS内のどんな場所でももどんなアングルでも記録できる」と述べている。これによってISSのクルーが活動の記録のために静止画像やビデオの撮影をしていた時間をゼロにすることを目指す。JAXAによればこの活動撮影のためにクルー活動の時間の10%が費やされているという。

Int-Ballはアクチュエーター、回転運動・並進運動のセンサー、電磁ブレーキなどを内臓して位置と姿勢を制御する。JAXAではこのテクノロジーを拡張し、衛星などでも利用していきたい考えだ。デバイスは現在ISSで初期テスト中で、パフォーマンスやクルーを援助する能力の改良が図られている。

友達としての社交能力については特に言及がなかったが、おそらく高いはず。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

LightのL16は16基のカメラモジュールを載せた1台のカメラ、DSLRキラーとなるか?

LightのL16が、2015年の10月に登場したときはラジカルなデザインだったが、その後そのコンセプトが現実になり、今では最初の生産ロットを予約のお客に発送している。最終デザインは当時のコンセプトとほとんど同じで、小さな変更はいくつかあるが、これまでの歩みが順調ではなかったにも関わらず、みんなこの革新的な“撮影機”の実物をを手にしてコーフンしていることだろう。

Light L16という名前は、カメラモジュールが16あることに由来している。そして複数のモジュールからの画像を一度に組み合わせて、深度も明るさも細部や色の再現も、このちょっと厚めのスマートフォンぐらいの大きさのカメラで撮ったとは思えないほど、超ハイクォリティの画像が得られる。L16のサンプル画像は被写界深度もピントのシャープさも、そんじょそこらのDSLRに大差をつけている。だいたいそもそも、これを得るために、1台のカメラをマルチモジュールの配列にしたのだからな。

そのためにLightは、独自のASICを作らざるを得なかった。70mmと150mmのカメラモジュールも、需要の圧倒的に多いスマホ用の広角レンズを作っているサプライヤーからは得られないので、自作だ。

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複数の画像を融合させるアルゴリズムも自家製だ。これにより、一見ばらばらな16の画像が一つにまとまる。しかも瞬間的に素早いオートフォーカスで。カメラを操作するためのAndroidアプリも、やはり自家製だ(同社のOSのベースがAndroidだ)。撮影後に被写界深度をコントロールするWindowsとMac用アプリケーションも、同社自身が作った。

同社は、新しい顧客のための品質保証がたいへん、と言っていたから、出荷は遅れると思っていた。でも一部の初期ユーザーはやっと自分の手でL16を握り、この新しい写真デバイスの印象を共有できるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

キヤノン、6D Mark IIを発表――フルサイズのデジタル一眼入門に絶好

キヤノンがフルサイズのデジタル一眼レフ、EOS 6D Mark IIを発表した。前モデルの6Dは2012年にデビューしており、私自身、真っ先に1台購入した。それから5年経ったが依然として素晴らしいカメラだ。5D Mark IVも持っているが、ある点ではこれに十分匹敵する。キヤノンから今回新しく登場した6D Mark IIはオリジナルの6Dのアップグレードを考えていたユーザーにも、新しくフルサイズの一眼レフを購入しようと考えるユーザーに好適だ。

6D Mark IIは26.2メガピクセルのフルサイズCMOS撮像素子を内臓する。AFは全クロスタイプの45点測距だ(撮影目的にもよるが、AF測距点が一挙に4倍以上になったことが最大のアップグレードかもしれない)。キヤノン独自のデュアルピクセルCMOS AFを採用しており、1080p 60pのフルHDビデオ撮影が可能。レンダリング・エンジンには新しいDIGIC 7画像プロセッサーが使われている。ISO感度は常用で100から40000。モニターはサイドオープン式バリアングルで今回のアップグレードで6Dに初めて採用された。

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バリアングル・ディスプレイも大きなセールスポイントだ。キヤノンのハイエンドのフルサイのズデジタル一眼でバリアングルが採用されたのは珍しい。街撮り、結婚式などでバリアングルは簡単にユニークなアングルの写真が撮れる。ビデオ機能は残念ながら6D Mark IIがやや弱い部分だ。ライバルのほとんどが4Kビデオ撮影機能を売り物にしているが、こちらはフルHDどまりとなる。

連写性能は毎秒6.5コマに強化された。防塵防滴仕様でWi-Fi、NFC、Bluetooth、GPSを内臓する。予約の受付を開始しており、出荷は8月になるようだ。

静止画撮影がメイン、ときおりビデオを撮影するというカメラマニアには最適の性能だろう。もちろん市場は2012年以来大きく変わった。2000ドル〔20万円半ば〕という価格帯には富士フィルムのX-T2、ソニーのミラーレスなどが存在する。それでもボディー価格1999ドルで画質、信頼性に定評あるキヤノンの製品が購入できるとなれば十分魅力ある製品だ。

〔日本版〕記事中のスライドショー画像はEF 24-105 f4L IS USM IIのレンズキット。アメリカ版プレスリリースにはこのレンズキットがリストアップされているが、日本では用意されない。日本でのレンズキットは24-70 F4L IS USMとEF 24-105 IS STMの2種類となる。キヤノンの日本サイトはこちら。キヤノン・マーケティング制作の紹介ビデオによればバリアングル液晶は60Dのものと同タイプで、取り付け軸を中心に180°回転して裏返しにできる(0:58あたり)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

警察のボディカメラが明らかにした、黒人に対する無意識の差別行動

警察のボディカメラは、ただ銃撃戦やその他の危機を記録しているだけではない。それらは毎日終日記録を続けている。このため警察官と人びとのやりとりに関して、前例のない詳細な観察結果が示されることになる。もしその膨大な量のデータを処理できるなら、本当にそれが可能になる。スタンフォード大学の研究者たちは、こうした事を可能とする手法を開発した。そして程なく研究者たちは、オークランドの警察官たちが、黒人たちと話すときには、礼儀正しさが抑えられた言葉を使っている傾向があることを発見した。

とはいえ、これはそれほど大きく目立っていた違いではなかった。オークランドの警察官たちの何千にも及ぶ会話で使われた、50万にも及ぶ単語が分析の対象になったのだが、量が集まる事で引き出すことのできる結果が示されたのだ。もしそうでなければ、この違いというのは、おそらく気のせいだろうと片付けられていたことだろう。

しかしそれは事実なのだ。もし職務質問で呼び止められた人物が白人の場合には、57%以上の警察官が、呼び止めたことに対する謝罪や感謝の意を表明する傾向にある。そして呼び止められた人物が黒人の場合には、61%以上の確率で、相手に対し手をハンドルの上に置き続けるように言ったり、”dude”とか”bro”(どちらもタメ口っぽい2人称)という呼びかけをしているのだ。このパターンは、研究チームが人種と不法行為の重大さを考慮して集計方法を調整しても相変わらず存在していた。

「全体として、黒人コミュニティメンバーとの警察官の対話は、白人コミュニティメンバーとの対話に比べてより困難の大きいものになっています」こうスタンフォードニュースの中で語っているのは、調査の共同著者であるJennifer Eberhardtだ。しかし彼女はまた「私たちの調査結果は、個別の警察官の偏見や良くない行いを証明するものではありません。礼儀正しい話し方に関する人種間格差の要因となるものには、多くのものが考えられます」と指摘している。

しかし違いが微妙であるということだけで、それが重要でないという結論にはならない。

「皆善良な警察官たちでした」ともう1人の共著者Dan Jurafskyは言う、「しかし、コミュニティメンバーとの会話の中で積み上げられた小さな違いが、広範な人種間格差となっていたのです」。

対象となった極めて長時間の職務質問を精査するために、研究チームはまず一般の人びとの会話記録を用いて、礼儀正しさ、フォーマル度、そして敬意などの指標を計測した。そして、それらの質に相関するフレーズが同定され、記録された会話の中からそれらのフレーズが探された。

図から読み取れるように、安全への気遣いや手間を取らせたことに対する謝罪は、白人を止めたときにより多く行われている。一方インフォールな呼びかけや「法的な権利の説明」(これは注意を喚起するという意味でネガティブな意味合いである)が黒人を相手にしているときにはより多く見受けられている。またそれほどはっきりとはしていないものの、警察官はどちらの側対しても、どちらの表現も使っていることはわかる。しかし時間が経てば統計的に有意なパターンが生まれてくるのだ。

しかしこの発見は、このパターンの起源を明らかにしている訳ではない。

「警察官による扱いの人種間格差は明らかで統計的に安定しているものの、この格差の原因はそれほど明らかではない」という報告がNational Academy of Sciencesのジャーナルに掲載されている。「これらの格差の一部がコミュニティメンバー自身のことば遣いや振舞いに起因していることは確かであろう。特にオークランドに於ける歴史的緊張関係や、警察の正当性に対する先入観が、恐れや、怒り、あるいはステレオタイプの脅威を引き起こしている可能性がある」。

私たちが今ここに手にしているのは出発点だ。別の言葉で言うなら、ボディカメラが生み出した雑音の多い膨大なデータから、入念な調査で徐々に明らかにされて来た検証可能なパターン(大事なことは、恣意的な選択ではないということ)だ。次は何だろう?より深い分析によって、声のトーンやスラング、あるいは居合わせた人や場所といった他の要因を取り込んで、他の側面を掘り下げることも可能かもしれない。

事実を軽視すること、全ての人種の警察官の会話に於ける負の傾向、ある人種の人びとへの偏り、こうしたことはいずれも私たちが議論を始めるためのきっかけとして十分だ。これまでに気が付いた人はいるのか?そうした人たちはこれを問題にしたのか?警察官たちは自分たちの行為に気が付いているのか?警察の行動をデータでコントロールすることは可能だが、警察の活動は最終的にはコミュニティサービスであり、こうした問題を真に解決するためにはコミュニティの中で取り組まなければならない。

「私たちが作ったもののような、情報処理ツールが開発されることによって、さらに多くの法執行機関がそのボディカメラの映像を、有罪無罪の証拠として使うだけでなく、理解のためのデータとして取り扱うようになることを希望しています」とEberhardtは語った。

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(翻訳:Sako)