スマホで手軽に経費精算できるアプリ「Staple」、Android版の提供を開始

会社員ならば誰もが経験するであろう経費精算。大っ嫌いな人も多いんじゃないだろうか。毎月それなりの時間を取られるし、Excelで処理するにしても、は業務システムと連携した経費精算システムに入力するにしても、とにかく1つ1つの項目を埋めていくのは手間がかかる。

そんな面倒な経費精算を、スマホで手軽に入力できるアプリがクラウドキャストの「Staple」だ。クラウドキャストでは2014年9月にiOS版をリリースした(クラウドキャストでは同時にIMJ Investment Partnersからの資金調達を発表している。調達額や出資比率は非公開)が、本日3月9日にAndroid版をリリースしている。

Stapleは個人および10〜20人規模の程度の中小企業や企業の部門、イベントなどの短期プロジェクトでの利用を想定した経費精算アプリだ。タップ操作で経費を登録したり、カレンダーとの連携機能などを実装している。経費はCSVでの出力も可能。

クラウドキャスト代表取締役の星川高志氏

「システム管理者の視点ではなく、従業員が迷わず利用できるかどうかが重要。また社員数10〜20人規模の企業だと、経費精算に使うのは紙とエクセルというケースが9割以上。いかにこれを置き換えるかを意識した」(クラウドキャスト代表取締役の星川高志氏)

個人での利用は無料。法人・チーム向けの管理機能を利用する場合、1チーム月額980円(年額で支払う場合は9800円)となっている。法人向けのユーザー登録数や保存データ容量は無制限。決裁権限を持つ人間による承認ワークフローを備える。

クラウドキャストは2014年1月に経費精算アプリ「bizNote Expense」を公開している。これはアプリでの経費入力から会計システムへの取り込みまでの機能を提供していた。Stapleはそこからユーザーのニーズにあわせて経費入力の機能を切り出した(といってもあくまで機能面での話。アプリ自体はスクラッチでおこしているのだそうだ)ものとなる。bizNote Expenseは既存ユーザーにはサービスを提供し続けるとのことだが、サイト上ではStapleにサービスを移行したと説明。Stapleの新規登録を促している。

なおAndroid版の提供にあわせて、クラウドキャストがTechCrunchの読者向けにクーポンコードを発行してくれている。クーポンコード「TechCrunch2015」を入力して年間プラン法人・チーム向けにサービスに登録した先着20チームは、年額の9800円で18カ月間サービスを利用できる。クーポンコードの有効期限は3月12日。


Microsoft Azureが4KエンコーディングやNoSQL DocumentDB、自然言語検索など高級機能を続々サポート

Microsoftは今日(米国時間3/5)、同社のクラウドコンピューティングプラットホームAzureに関する発表をいくつか行った。その一部は、前に発表したサービスがプレビューを終えたというもので、NoSQLデータベースDocumentDBや検索SaaS Azure Search、そして仮想マシンの新しいインスタンスタイプ2種などだ。 また、新たにローンチしたAzure Media Services Premium Encoderは、Azureの通常のエンコーダサービスに加えてより高度なエンコーディングを必要とする企業のためのツールだ。

そのPremium Encoderは、放送品質のコーデックや4Kファイル、クローズドキャプション、それに複数言語のオーディオトラックをサポートする。またレターボックスの検出と削除、ビデオへのオーバレイ、などもできる。

DocumentDBは昨年の8月にデビューし、4月8日に公式にプレビューを終える。それはMicrosoft独自のJSONベースのNoSQLドキュメントデータベースで、予約スループットの大きさに応じて三種類のパフォーマンスレベルが提供される。コレクション(collection、RDBのテーブルにほぼ相当)ごとにそれぞれ異なるパフォーマンスレベルを割り当てられるので、ユースケースのニーズに応じた、無駄のないきめ細かい課金体系が可能だ。

プレビューを立ち上げてから以降これまでMicrosoftは、Hadoopの統合やJava SDKのサポート、時間制課金、ラージドキュメントのサポート、などの新しい機能をDDBサービスに加えてきた。

Azure Searchも発表は8月だったが、DocumentDBと同じく今日プレビュー期を終えた。デベロッパはこのツールを使って自分のアプリケーションに検索機能をもたせられるが、そのためのバックエンドはすべてMicrosoftが担当する。その検索対象は、DocumentDBやAzure SQL Database、SQL Serverなどのデータベースでもよい。またデベロッパは、BingやMicrosoft Officeの検索ツールが使っているのと同じNLP(自然言語処理)機能も利用できる。

さらに今日プレビューを脱するのはAzureのA10とA11インスタンス、これらは8/16コア、RAM 56/112GB、という計算集約的なインスタンスで、Microsoftによれば、ビデオエンコーディングやリスクモデリング/シミュレーションなどを動かすのに適している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


ついに高性能パソコンそのものがクラウドから提供、仮想化コンピューティングを大衆化したPaperspace

【抄訳】

これからは、パソコンをアップグレードしてスピードもストレージも増やしたいとき、それを高価な新しいハードウェアを買わずにできる。Y Combinatorから巣立ったPaperspaceが、一台の完全なパーソナルコンピュータをクラウド上に作ってくれる。ユーザはそれに、Webブラウザからアクセスする。それはある意味では、VMWareやCitrix、Amazon Workspacesなどエンタプライズ向けのソリューションにも似ているが、Paperspaceがねらうのは一般消費者や、在宅の仕事人だ。

ローカル機(自機)はWebがふつうに閲覧できる程度のものでよいが、クラウド上の高性能リモートパーソナルコンピュータには、同社の専用通信デバイス(上図左下)を自機に接続してアクセスする。

この専用デバイスは文鎮に似ているので Paperweightと呼ばれ、Paperspaceのサーバ上にあるユーザのリモートマシンと対話する。そのリモートマシンは、必要とするコンピューティングパワーに応じて”basic”または”pro”を選ぶ。このデバイスは中に小さなマイクロプロセッサがあるだけで、計算処理はすべてクラウド上で行われるから、“ゼロクライアント”であると見なされる。

Amazon Web Services(AWS)などを初めとして、今日ではクラウド上のコンピューティングパワーを利用するソリューションはたくさんある。でもそれらのサービスはすべて、プロフェッショナルの技術者向けだ。しかしPaperspaceは、同じくリモートのクラウドコンピュータにアクセスするサービスでありながら、一般消費者が画面上のボタンなどをクリックするだけで簡単に使えるようになっている。しかもそのリモートマシンは、机上の自機よりずっと強力な高性能機なのだ。

協同ファウンダのDillon Thompson ErbとDan Kobranによると、彼らがPaperspaceを発想したのはミシガン大学在学中に、建築業界向けの技術的なアプリケーションを作ったときだ。

建築関連のシミュレーションなどを動かすためには、高価なハイエンド機を買う必要があるが、それでもシミュレーションのアプリケーションを数日間ぶっ続けで動かさなければならない。“でも、科学計算の分野ではクラウドコンピューティングが利用され始めていることに、ぼくたちは気づいていた”、とErbは説明する。“そこで、“クラウドコンピューティングのパワーをコンピュータが苦手な建築士などが簡単に使えるためには、どうしたらいいか、と考えるようになった。クラウドコンピューティングは今でも、コンピュータの専門技術者でないと扱えない”。

彼自身もKobranも、二人ともコンピュータの技術者だから、今のソリューションでも十分に使える。ときどきコマンドラインからアプリケーションを動かすこともある。でも、それは一般の人びとには無理だ。

【中略】

Paperspaceは最初のうちAWSを使ってその仮想化機能などを実現していたが、今では自前のサーバの上でクラウドオーケストレーションソフトのXenやNvidia GRIDなどを使っている。サーバを置くスペースとしては、某コロケーションサービスを利用しているが、いずれ自前でデータセンターを持ちたい、と考えている。

VNCや、MicrosoftのリモートデスクトッププロトコルRDPなど従来のリモートアクセスと違ってPaperspaceは、WebsocketやWebGL、asm.jsなど最新のWeb技術をクライアントサイドで利用することによって、クライアント上で完全なHDのコンテンツを動かせる。

Netflixの映画をストリーミングできる程度のローカル機であれば、Paperspaceを十分に利用できる、という。

このサービスの利用料金は月額10ドルが下限だが、完全な料金体系はまだ決まっていない。今はWindows 7と8、およびUbuntuに対応しているが、Mac OS Xなどそのほかのオペレーティングシステムも近くサポートする予定だ。いずれ料金体系が確定して、リモートマシンをより“高性能機”にアップグレードしたいとき、ユーザがすることは何もない。設定も構成もそのまま完全に引き継がれるから、すぐに使い始められる。そこが、Paperspace、クラウド上にある高性能パーソナルコンピュータの、大きなアドバンテージの一つだ。

Paperweightデバイスは当分のあいだ予約価格50ドルで売られるが、本誌の読者250名には5ドルの割引がある。コードTECHCRUNCHを入力すること。デバイスの発売は、今年の後半を予定している。

Paperspaceは現在、Y Combinatorからの支援を除いては自己資本のみ。7名のチームが各地に分散している。

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月額2980円で士業に相談し放題のBizer、役所提出文書の自動生成が可能に

月額2980円で士業に相談し放題」でサービスを開始したビズグラウンドの「Bizer(バイザー)」。2014年12月からは士業への相談に加えて、中小企業向けのクラウド型バックオフィス機能「会社運営のダンドリ」を提供している。

会社運営のダンドリでは、必要な情報を入力するだけで株式会社設立に必要な文書を作成できるほか、テンプレートに従って作業をするだけで総務や労務、経理の処理ができる。

作業の途中で分からないことがあれば、士業に相談したり、手続きの代行を依頼したりもできる(ちなみに作業途中の質問は課題が明確なため、士業もこれまでに比べて素早く、適切な回答をしやすいのだそうだ)。ビズグラウンド代表取締役社長の畠山友一氏によると、会社の増資や年末調整、従業員の雇用・退職など、約120件のイベント(1つのイベントにつき10〜20件の作業が含まれる)を支援してきたそうだ。

今回その会社運営のダンドリに、役所への提出文書の自動生成機能が実装された。この機能を使うと、あらかじめ登録しておいた会社や従業員の情報をもとにして、役所へ提出可能な書類を自動生成できる。

現時点では、従業員の雇用時に必要となる「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」「国民年金第3 号被保険者資格取得・種別変更・種別確認(3 号該当)届」「健康保険被扶養者(異動)届」「特別徴収切替申請書」「雇用保険適用事業所設置届」「雇用保険被保険者資格取得届」の合計7つの文書に対応。印刷して押印さえすれば役所に提出可能だ。今後は従業員の退職や本社移転、増資などに関わる文書も追加する予定で、1年間で100種類の文書生成に対応するという。新機能も月額2980円の有料会員であれば自由に利用できる。

Bizerのサービス開始時にも畠山氏に「Bizerは士業の仕事を奪うようなものではないのか」といった質問をしたのだけれど、正直なところ今回の機能も同じような印象を受ける(もちろんユーザーにとっては大歓迎だろう)。これについて改めて聞いてみたのだけれど、「文書作成機能には士業の協力も得ている。書類作成のような単純労働ではなく、『士業でないとできない仕事』に集中する環境を作りたい」(畠山氏)とのことだった。


MirantisとGoogleがパートナーしてKubernetesをOpenStackでサポート

OpenStackのエコシステムでメジャーになったMirantisが今日(米国時間2/24)、GoogleとパートナーしてKubernetesをOpenStackのプロジェクトでサポートする、と発表した。Kubernetesは、コンテナ化したアプリケーションを管理するためのオープンソースのツールだ。このサポートでは、OpenStackのアプリケーションカタログMuranoを使って、KubernetesベースのクラスタとそれらのDockerコンテナの展開と構成が容易にできるようにしている。

OpenStackのアドミンがMuranoを使うと、ほんの数クリックでKubernetesを展開できる。Mirantisによると、この新しい機能によりOpenStackで開発をするデベロッパは、自分のワークロードをOpenStackとそのほかのクラウドコンピューティングサービス(GoogleのCloud Platformなど)とのあいだで移動できる。Googleはこの点について、顧客には自分のアプリケーションをオンプレミスと公開クラウドのハイブリッドにするための、多様なオプションが可能になる、と言っている。

OpenStackとMuranoと、OpenStackのオーケストレーションサービスHeatにより、Kubernetesのクラスタに必要なすべてのリソースの配備が自動的に行われる。クラスタのスケールアップ/ダウンも容易になる。そのため、クラスタをOpenStack内蔵のファイヤーウォールやロードバランシング、モニタリングなどのツールと良好に統合できる。

今日の発表は、GoogleのKubernetesの普及と浸透が非常に広範囲であることを示す一つの例だ。しかしそれはまた同時に、OpenStackのエコシステムの成長が急速であることも物語っている。そのオープンソースのモデルによりデベロッパは、プロジェクトを変化するニーズに柔軟に適応させられる。ソースがオープンでなければ、それは難しい。

OpenStackのMark Collierが、ぼく宛のメールで次のように言っている: “OpenStackが急速にエンタプライズクラウドのスタンダードになった理由の一つは、それがオープンでプラッガブル(いろんなモジュールを自由に差し込み差し替え…着脱…可能)な設計だからだ。だからDockerやKubernetesのような新しい技術が登場しても、それらの統合を素早くできる。今回のKubernetesの統合によって、Googleのすでに実証済みのコンテナスケーリングエンジンが持つ利点を、OpenStackのコンピューティングとストレージとネットワーキングのオーケストレーションに持ち込むことができる。OpenStackはすでに、Walmartなどの企業が、Cyber Mondayのような大きなイベントで頼りにしている”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


IBM、InterConnectカンファレンスで野心的なハイブリッド・クラウド戦略を発表

IBMは、ラスベガスで今日(米国時間2/23)開幕したInterConnectカンファレンスで、ハイブリッド・クラウド推進のための新たなイニシアチブを発表した。これによりユーザーは多様なリソースをあたかも単一のクラウドであるかのように扱えるようになるという。

ハイブリッド・クラウドとは、サードパーティーの公開クラウドサービス、プライベートクラウド、オンプレミスのデータセンターを組み合わせたコンピューティング資源のことだ。

クラウド・アーキテクチャーとテクノロジー担当副社長、Angel Diazは「このイニシアチブの目的は、あらゆるプラットフォームとタイプのクラウド資源をユーザーができるかぎり容易に管理できるようにすることだ。これにより、パブリック・クラウド、プライベート・クラウド、自社データセンター、さらにはクラウドのクラウドさえもその設置場所を問わず、単一のインフラであるかのように運営できるようになる」と語った。

IBMは企業がIT部門のクラウド化を試みる際に直面する典型的な問題の解決を図っている。現在クラウドにシフト中の多くの企業は、さまざまなタイプのコンピューティング資源を抱え込み、結果としてハイブリッド・クラウドの状態になっている。これらの多様なインフラからデータを引き出し、処理、共有することには多くの困難が伴う。

DiazによればIBMはこの問題を3つの課題に分けて解決を図るという。第一の分野は、企業固有のシステムにデータを統合すること。次にさまざまなシステム、プラットフォームのデータへのアクセスを容易にし、必要なときに必要なデータが容易に得られるようにすること。最後に、クラウドとオン・プレミスの資源にまたがって存在するアプリケーションとデータをそれらが世界中どこにあろうと、必要なときに結合すること。

いずれも非常に複雑な課題だが、IBMはいくつかの新しいアプローチを提案した。

まずIBMはコンテナー・テクノロジーを重視する。IBMはDockerと提携し、IBM向けにカスタマイズされたDockerコンテナをエンタープライズに提供する。これらのコンテナーはアプリケーションがオン・プレミスに存在しようとクラウドに存在しようと関係なく、セキュリティー、運営プロセス、データ・フォーマットなど企業固有の既存のプロセスを適用できるようにする。

次のアプローチはIBM DataWorksと呼ばれる。これはデベロッパーが多様なデータのソースをマッピング・テクノロジーを用いて、どこに所在しようと安全かつ自動的に処理うることを可能にする。

IBMはこうして統合されたデータをWatson人口知能へAPIによって処理し、きわめて高度な分析を実現しようとしている。この点に関しては、先週、MicrosoftもAzure機械学習プラットフォームを正式に公開している。DiazはMicrosoftのプロダクトに対するWatsonの優位性を強調したが、アプローチの方向としては類似点が多い。Diazは「Watsonは単にデータを解析し、意味づけを行うだけでなく、複雑な現象から相関関係を見出し、さまざまな仮説のどれがどれほど正しそうであるかをユーザーに知らせることができる」と述べた。

これらに加えて重要な要素はBlueMixの設定を容易にするBlueMix Localだ。Bleumixは IBM独自のPaaSで、アプリケーションを構築、管理、実行するためのオープン・スタンダードとクラウドをベースとしたプラットフォームだ。通常のパブリック・クラウドとは異なり、ユーザーはアプリケーションをオン・プレミスの資源と各種のクラウドに分散して配置し、必要に応じて作動させることができる。

Diazによれば、BlueMix Localは「アプリケーションの可視性と制御をシームレスに提供する」という。

最近のIBMのツールの例に漏れず、これらは広汎かつ多様なパートナーによって強化される。以前IBMはすべてを自前で用意していたが、この態度は様変わりした。現在では普通ならIBMのライバルと考えられる企業やプロダクトとも積極的な連携が図られている。

Diazは「現在顧客が直面している困難かつ複雑な課題は多くのパートナーとの連携なしには解決できないと語った。「こうした複雑きわまる問題を単独で解決できるようなベンダーは存在しない。そんなベンダーが存在する考えるのは幻想だ」とDiazは言う。

IBMはできるかぎり多様なパートナーと連携し、重層的なツール群を提供していくという。このアプローチがどのような成果を収めるか注目だ。

画像: Erik Drost/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


GoogleがApp Engine上のアプリケーションのセキュリティをチェックするサービスGoogle Cloud Security Scannerをローンチ

Googleが今日(米国時間2/19)、同社のPaaSサービスGoogle App Engineを使っているデベロッパのための、新しいセキュリティツールをローンチした。その、Google Cloud Security Scannerと呼ばれるツールは、ユーザ(デベロッパ)のアプリケーションを定期的にスキャンして、クロスサイトスクリプティング混成コンテンツ(mixed content)に対する脆弱性をチェックする。

こんなツールを提供するのはもちろんGoogleが初めてではないが、今日の発表声明の中で、既存のツールは“必ずしもGoogle App Engineのデベロッパには向いていない”、と主張している。しかも既存のツールはセットアップが難しくて、デベロッパではなく“セキュリティの専門家向けだ”、とも言っている。

そのチェックを動かすためにGoogleは、ユーザのサイトをスキャンする小さなボットネットをCompute Engine上にセットアップする。HTTPリクエストは毎秒約15リクエストに抑えられ、 App Engineが問題なくそれらを処理できるようにする。

最初の実行ではスキャナーがユーザのサイトとアプリケーションを素早くクロールして、その基本的なHTMLのコードを解析する。それから、Googleの説明によると、二度目のスキャンではサイトの完全な表示(レンダリング)を行い、アプリケーションのもっと複雑な部分を調べる。それが済むとツールは、無害なペイロードにより、攻撃を試みる。それからChrome DevToolsのデバッガでブラウザとDOMの、攻撃の前とあとで変わった箇所を調べ、不正コードの注入に成功したかをチェックする。成功していたら、今後マルウェア等にやられる可能性がある。

デバッガを使うことによってGoogleは誤判断を避けようとしているが、それでも、見逃すバグがあるかもしれない、とも言っている。しかしGoogleによると、“デベロッパにとってセキュリティのチェックは、労力もノイズも少ないものが望まれているから、このトレードオフは前向きにとらえたい…”、と言っている。

スキャナーは、すべての入力フィールドに何かを書き込み、すべてのボタンやリンクをクリックしてみるから、アプリケーションの機能を実際に動かしてしまう可能性もある。たとえば、ブログのコメント欄に、“毎週9000ドル稼げる”というスパムが載ってしまうかもしれない。それを防ぐためには、Googleの推奨では、スキャナーをテスト用のサイトで動かすか、または臨時のCSSコードによってUIの一部を不活にしたり、一部のURLを排除するとよい。

スキャナーの利用は無料だが、ユーザのクォータの制限量や帯域に対する料金に影響が及ぶことは、あるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoft、クラウドベースの機械学習プラットフォームAzure MLを発表を正式リリース

企業には日々四方八方から大量のデータが流れこんでくる。顧客、ソーシャルメディア、モバイルアプリ、センサー、Excel表計算ファイル等々、その種類と量は増えるばかりだ。Microsoftは企業のビッグデータ処理を助けるためクラウド上の機械学習のAPIを公開した。

今日(米国時間2/18)、MicrosoftStrataカンファレンスで、クラウド機械学習サービス、Azure Machine Learningを正式に発表した。このサービスは6月にベータ版が公開されていたが、今回の正式リリースを機に機能のアップデートも行われた。

われわれは6月の記事で、「Azure MLはXboxやBingですでに使われている機械学習機能を利用している。またデベロッパーが未来予測アプリを開発するために使うテンプレートとワークフローも用意される。これによって機械学習アプリを開発するスピードは大幅に加速されるという。サービスのプロバイダはAzure MLプラットフォーム上で各種のウェブサービスを開発できるだけでなく、APIを公開することも可能になる」と解説した。

Azure ML担当のコーポレート・バイスプレジデント、 Joseph Sirosh,はMicrosoftで現在の地位に就く前にAmazonで長く機械学習を担当していた。Siroshによれば、人気のあるデータ処理言語Rに加えて、今回のアップデートで新たにPythonがサポートされたという。

「われわれはPythonを追加したが、これは多くのデータ・サイエンティストに好まれている言語だからだ。Pythonのエコシステムは巨大だ」と SiroshはTechCrunchに語った。

またSiroshによれば「われわれはPythonの追加以外にも多数の改良を行った。Azure Machine Learningはプラットフォームだ。デベロッパーはPythonの短いコードをコピー&ペーストするだけで新たなAPIが作成できる」という。

新しいAzure MLプラットフォームはPythonに加えてHadoopとSparkもサポートした。 これでビッグデータを処理するための標準的ツールはプラットフォームを選ばず、ほぼ全面的にカバーされることになる。

このプラットフォームの真の強みは簡単にAPIを作成し、即座にカスタムデータ処理を開始できるところにある。

「クラウドは『最後の1マイル』問題も解決した。以前このようなサービスではまずデータ・サイエンティストがビッグデータを分析してパターンを見出し、IT部門がそれに応じてアプリケーションを開発するという手順を踏む必要があった。このプログラムのコーディングがきわめて手間のかかる作業であり、何週間、何ヶ月もかかっていた。しかしAzure MLならアプリケーション開発は数時間ですんでしまう」と Shiroshは6月の記事で説明している。

Siroshは今回プラットフォームのサポート範囲が広がったことに満足している。「データサイエンティストはクリック数回で新しいAPIを発行できるようになった。アプリケーションにはRとPythonのコードを組み合わせて利用できる。ユーザーには信じられないほど広い選択肢が提供される」と述べた。IBMやSASも同種のサービスを提供しているが、Azure Machine Learningプラットフォームほど統合的なサービスは他にないという。

「Azure MLは完全に統合され、マネージされたツールセットだ。ユーザーは新たにハードやソフトを用意する必要が一切なく、クラウドで完結した高度な機械学習とビッグデータ分析が実行できる」ということだ。

またAzure MLでは機械学習とデータ処理のツールが提供されるだけでなく、ユーザーは自ら開発したアプリやAPIを他のユーザーと共有できる。Siroshは「これはデータサイエンティストが新しいアイディアを試すのに絶好の環境だ」と強調した。

マーケットプレイスには現在、20件のテスト・プロジェクトが登録されているが、Siroshは「マーケットプレイスの可能性は巨大だ。将来、エンタープライズのあらゆるデータ処理ツールがこのマーケットプレイスで得られるようになるだろう」予測する。

Azure MLは標準的なデータの視覚化ツールを備えているが、さらに高度な視覚化のためにはMicrosoft Power BIIPython Notebookと連携させることができる。

画像:CanStockPhoto

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Microsoftのオープン化さらに進む―iOS版OfficeからiCloud、Boxへのアクセスを提供

Microsoftは、最近のDropboxとの統合に続いて、今日(米国時間2/17)、Officeソフトと新たなサードパーティーのクラウドサービスとの連携を発表した。手始めとして、iOS版OfficeがiCloudとBoxに直接アクセスできるようになる。これはOfficeのファイル選択機能とiOSのクラウド上に保存されたファイルにアクセするス機能を連携させることによって 実現された。

Microsoftは 公式ブログの記事で、「OfficeユーザーはOfficeアプリ内からサードパーティーのクラウド上のファイルを直接開き、編集し、保存することができるようになったことを歓迎するだろう」と述べた。Microsofによれば「このアップデートは最初にiOSに適用されるが、同様の機能は今後Windows 10アプリ全般、さらにはAndroid版Officeにも提供される」という。

最近Microsoftはサードパーティーのサービスのサポートに強い意欲を見せている。伝統的にMicrosoftはクローズドな自社のエコシステムにユーザーを囲い込もうとする戦略の代表と見られてきたが、この点は 大きく変わった。たとえばMicrosoftは昨年後半にiOS版Officeを、今年に入ってiOS版、Android版Outlook をローンチしている。現在MicrosoftはiOSとAndroidアプリを合計100種類も提供中だ。

またMicrosoftは新しくクラウドストレージ・パートナー・プログラムを発足させた。これはサードパーティーのクラウドストレージのプロバイダーが自身のアプリとOffice365とを直接連携させることができるゆにする。これによりユーザーはウェブ版Officeからサードパーティーのクラウドストレージのファイルを呼び出し、編集し、保存できるようになる。このプログラムの当初のパートナーにはBox、Citrix、Salesforceなどが含まれるが、他のプロバイダーもこちらから参加を申し込める。

有力クラウドストレージ・サービスの中ではGoogleが提携に含まれていないが、Google Driveの生産性ツールはOfficeの直接的ライバルということなのだろう。

一方、BoxのCEO Aaron LevieはTwitterでMicrosoftの動きを「オープンさを新段階に進めたもの」とし、その原動力となっているMicrosoftのCEO、サティヤ・ナデラを賞賛している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


クラウド翻訳「Conyac」のエニドア、外国語での記事執筆やリサーチが可能に

クラウド翻訳サービス「Conyac」を展開するエニドアは2月12日、新サービスを「Conyac Market(コニャックマーケット)」の提供を開始した。

Conyac MarketはConyacに所属する4万5000人のバイリンガルユーザーに対して翻訳だけでなく様々な仕事を発注できるアウトソーシングプラットフォームだ。

以前エニドア代表取締役の山田尚貴氏にも聞いたのだが、翻訳サービスを提供してきた同社に対して、最近ではネイティブスピーカーによる文章のチェック、書類の書き起こし、海外向けのプレスリリース作成、配信といった単純な「翻訳」にとどまらない仕事のニーズが増えていたのだそうだ。そんなニーズを受けて、2014年12月には、バリュープレスと提携して英文プレスリリースの作成・配信サービスを展開するなどしている。

Conyac Marketはこの取り組みをさらに拡張するもの。Conyacに翻訳者として登録する4万5000人のバイリンガルに対して、外国語でのコピーライティングや製品のキャッチフレーズの作成、記事執筆、リサーチ、原稿のネイティブチェックといった仕事を依頼できる。対応する言語数は70カ国語以上。利用手数料は、10万円までの場合料金の10%、10万円〜50万円までの場合料金の5%、50万円以上の場合は料金の2%となっている。


ひとつの時代の終わり―ファイル共有サービスの老舗、RapidShareが来月で閉鎖

インターネットのファイル共有サービスのパイオニアの一つ RapidShareが来月閉鎖される。3月31日を過ぎると、すべてのユーザー・アカウントとそのデータは削除される。

スイスに本拠を置くこのサービスは2002年に創立された。ほんの数年前まで続いた最盛期にはユーザーが毎月何億回もサイトを訪問していた。交換されていたファイルは、正直に言えば、Creative Commonsでライセンスされたものばかりではなかっただろうが、Kim Dotcomの悪名高いMegauploadとは異なり、RapidShareは合法的なサイトであろうと努力していた。2012年にMegauploadがFBIによって封鎖された余波を受けてRapidShareのユーザーが急増し、一時はダウンロード速度を制限しなければならないほどだった。


Megauploadの封鎖後
、RapidShareはファイル共有というグレーゾーンから撤退し、海賊行為防止を掲げてクラウドストレージ・サービスとして再生を図った。しかしこの試みはうまくいかず、2014年には従業員の75%を解雇し、同時に無料サービスを中止した

RapidShareの料金は月間50ユーロからとなっていたが、おそろしく競争の激しいクラウド・ストレージの世界で無料に慣れた個人ユーザーを納得させることは難しかったようだ(エンタープライズ部門へは進出しなかった)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


モバイルの膨大なトランザクションを扱うz13でメインフレームの存続に賭けるIBM

IBMはx86のサーバビジネスを投げ捨て、メインフレームが過去の遺物となったと思われる今日このごろ、実は5年間で10億ドルを投じて、現代のモバイル時代にふさわしい、新しいメインフレームの猛獣を開発していた。

今の企業は、ハイエンドなコンピューティングシステムを求めている。IBMの、z13と名付けられたホットな新システムはまさに、モバイルの大量のトランザクションを処理できるように設計されている。IBMの発表によると、その一日の処理能力は25億トランザクション、それはCyber Monday100日ぶんに相当する。

IBMは昨年の4月に、同社のメインフレームビジネスの50周年記念を祝った。その間エンタプライズコンピューティングは数多くの変化を経験したが、まだメインフレームが生き残っている部分もある(後述)。

IBMでエンタプライズモバイルを担当しているディレクターMike Gilfixによると、メインフレームの最新機z13の開発でとくに意識したのは、モバイルトランザクションに特有の複雑性と、その増加だ。そのため同機は、複数のシステム間の複雑な相互作用に十分対応できると同時に、同社が“リアルタイムモバイルエンクリプション(encryption, 暗号化)”と呼ぶ技術によるセキュリティの確保と、ハイエンドなリアルタイムの分析(タスク分析、アクセス分析)ができるように設計されている。

彼が例として挙げるのは、モバイルデバイス上のeコマースのトランザクションだ。ユーザが画面の[購入する]ボタンを押すと、非常に多数のさまざまなシステムが、クレジットカードの処理や在庫管理、発送、などなどをめぐって大量のコミュニケーションを開始する。しかもそれらの処理は逐次ではなくて同時並行的だ。すなわち、顧客一人につき大量の複雑な処理が行われるが、そのときアクセスしている顧客全員なら合わせて数十億というトランザクションが並列で行われることになる。そんなとき、z13なら顧客に遅れを感じさせることがない、という。

彼は曰く、“今のコンピュータとネットワークの利用を先頭に立って引っ張っているのがモバイルだ。eコマースでもヘルスケアでも金融サービスでも、モバイルが最大の利用インタフェイスになっていく。すべての人が、毎日の生活の中で、モバイルから必要な情報を得ようとするのだ”。

そんな全地球規模の、しかもリアルタイムのトランザクション集合に遅延なく対応することは、どんなコンピュータにとっても難題だ。しかしこのマシンが前宣伝に恥じない性能を本当に持っているなら、まさにそれは、今日の企業のためのメインフレームになるだろう。ただし今の企業は、メインフレーム機など求めているのか? この製品の価格情報はまだ提供されていないが、安くはないはず。しかも今の企業には、クラウドコンピューティングなどそのほかの選択肢もある。Gilfixが、多くの選択肢の中で企業はこのマシンの方を選ぶ、と主張する主な根拠は、その処理能力とセキュリティだ。

InformationWeek誌の昨年4月号は、2003年に100万ドルだったIBMのメインフレームが今なら75000ドルで買える、と報じた。このz13がなんぼするのか、それをIBMはまだなかなか言わないのだが、ハードウェアの構成を見るかぎり、100万ドルと75000ドルのあいだのどこか、とは言えるだろう。100万を超えることは、ありえない。

これは、超高性能なx86機ではない。IBMによると、z13には世界最高速のプロセッサが搭載されていて、そのスピードは今の一般的なサーバ用プロセッサの2倍、メモリ容量は4倍、ネットワーク帯域は2倍、そして高度な分析機能を伴うベクトル演算によりモバイルのトランザクションを高速化する。

Gilfixが示唆する主な売れ先は、金融や大型小売、ヘルスケアなどにおける既存の顧客だ。また今現在メインフレーム上の大量のデータに投資を蓄積しているユーザも、対象になる。しかし、モバイルトランザクションの高効率化という点で、これまでメインフレームなど検討したことのないユーザも、魅力をおぼえるはずだ、と。

具体的な例としてGilfixが挙げるのは、OpenStackによるプライベートクラウドだ。うむ、それならありかもしれない。

2012年のReuters(ロイター通信)の記事が、IBMにはまだメインフレームの顧客がおり、その数は数千のオーダー、と報じた。しかし、その後の市場の整理統合、そして企業ITの姿の変貌により、数はさらに減っているはずだ。IBMは、新しいメインフレームを現代的なパッケージで包めば、その市場は存続する、と賭けているのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleのクラウドモニタリングサービスをすべてのデベロッパが利用可能に

昨年Googleは、クラウドをモニタするサービスStackdriver買収し、その数週間後にはStackDriverの技術によるGoogle自身のクラウドモニタリングサービスの非公開ベータを立ち上げた。それから8か月後の今日(米国時間1/13)、GoogleのCloud Platformのユーザなら誰もが、そのサービスを利用できることになった

Google Cloud Monitoringと呼ばれるそのサービスは、名前が示すとおり、Google App EngineやCompute Engine、Cloud Pub/Sub、Cloud SQLなどを使っているアプリケーションのパフォーマンスデータや、容量や能力とアップタイムに関するデータを、デベロッパに提供する。またそれらのユーザアプリケーションが利用しているGoogle Cloud上のオープンソースのアプリケーション…MySQL、Nginx、Apache、MongoDB、RabbitMQなどなど…をモニタすることもできる。アプリケーションの動作がおかしくなったり、何らかの既定の閾値を超えそうになったら、Cloud MonitoringはメールやSMSやPagerDutyでアラートを送る。SlackやCampfire、HipChatのチャットルームにも送れる。またデベロッパが独自に取得しているモニタリングデータとCloud Monitoringからのデータを組み合わせて発表するためのAPIも提供している。

Googleによると、StackdriverのサービスをCloud Monitoringに取り入れる作業はまだ継続中なので、今後はもっと多くのGoogleのクラウドコンピューティング製品をモニタできるようになる。現在このサービスはベータなので、SLAや減価償却のポリシーは伴っていない。同様のモニタリングサービスをAmazon(CloudWatch)やMicrosoft(Azure内蔵)も提供しているから、Googleの参戦とともに、数多いサードパーティのクラウドモニタリングサービスはかなりやりにくくなるだろう。

なお、Googleに買収されるまではAWS上のクライアントを主にサポートしていたStackdriverは今もそのまま健在で、GoogleはそれをGoogle Platformに統合するだけでなく、独立のエンティティとしても今後投資を続ける、と言っている。

今日のこのニュースの一週間前にGoogleは、デベロッパが自分の本番稼働中のアプリケーションにパフォーマンスの問題を見つけるための、Cloud Traceと呼ばれる関連サービスのベータを発表した。

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Aereoの屍体がバラバラにされて競売へ…これで夢の残骸すらも消滅

Aereoが墓場から蘇るかもしれない、と奇跡に期待していた人たちも、完全にあきらめるべき時がきた。裁判所はこのほど、同社の屍を分解して、その部品を競売してよい、というゴーサインを出した。

Aereoは、テレビ局が空中に無料で放出している放送電波を捉えて、ユーザがタブレットやPCや携帯から視聴できるようにする、というサービスだった。同社は、視聴者が空中の電波を捉えるためのアンテナ機能を提供しているだけだから、独自のキュレーションサービス(付加価値サービス)を提供しているケーブルテレビのように、テレビ局にコンテンツに関してライセンス料金を払う必要はない、このままで合法的である、と信じていた。

しかし残念ながら、最高裁判所の見方は違った。最高裁はAereoのビジネスモデルを違法と断じ、操業停止を求めた。

同社はこれまで1億ドル近くの資金を調達したが、WSJによると、今では約360万ドルしか残っていない。同社は2014年11月に、連邦倒産法第11章による破産申請を行った。

このほどニューヨークの破産裁判所はAereoに、資産の売却を認めたが、実際に売るためには、同社を閉鎖に追い込んだ怒れる放送局の承認が必要だ。うっそぉ!

オークションは2月24日に行われるが、落札結果を2週間以内に原告団が承認しないと、その競売は成立しない。

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Skytapを利用する企業は開発試験環境をクラウドに移してすっきり効率化、同社は$35Mを調達

Skytapのサービスは、企業の開発チームや試験チームの仕事を効率化し、彼らのコードをもっと頻繁に試験できるようにする。同社は今日、Insight Venture Partnersが率いる投資ラウンドにより3500万ドルを調達した、と発表した。同社のこれまでの投資家OpenView Venture Partners、Ignition Partners、Madrona Venture Group、Washington Research Foundationらもこのラウンドに参加した。Insight Venture Partnersは、今月上場したNew Relicや、Dockerにも投資している。

企業はSkytapを利用して自分たちの製作環境をクラウドに移し、より効果的にアプリケーションの試験を行う。同社は今回の資金を、“エンタプライズの開発試験環境により高度なイノベーションをもたらす”ために用いる、と言っている。また市場開拓力を強化し、より多くのパートナーシップを築いていく、という。

Insight Venture Partnersの専務取締役Deven Parekhは今日の声明文の中で、“Skytapは、高成長なSaaSとクラウド企業に重点投資をするというInsightの視点にマッチしている。Skytapは、企業が革新的なソフトウェアをより迅速に展開できるようにすることによって、業界に革命を起こしつつある。今回の資金でSkytapが現在の成長軌道を維持し、エンタプライズ向けの、レディメイドの、開発試験環境のリーダーの地位をより堅固にすることを期待している”、と言っている。

同社は、昨年に比べて売上と社員数が倍増した(売上の実額は非公開)。企業顧客の数は、1月の250社から10%増えて現在は275社、同社のパートナーはビジネスパートナーが12社、技術協力パートナーが25社で、その中にはMicrosoft、HP、IBM、Oracle、Cloudera、CentOS、RedHat、Ubuntuなどの名も見える。また同社は最近、AmazonのAWSプラットホームの上で利用できる同社のサービスのサポートの、容量を拡大した。

Skytapは最初Illumitaと命名されていた。同社はこれまでの、2007年のシリーズAなどのラウンドを通じて2950万ドルの資金を獲得している。

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痩身・軽量・快速の”Snappy” UbuntuがGoogleのCompute Engineでも使える

一週間前にCanonicalは、コンテナファーム向けに最適化された”Snappyな”(軽量快速な)Ubuntu Coreの最初のアルファバージョンをリリースした。そして意外にも、SnappyのローンチパートナーはMicrosoftのクラウドコンピューティングプラットホームAzureだった。しかし今日からは、このバージョンのUbuntuをGoogleのCompute Engineでも利用できる。

Googleはこれまでも、そのクラウドコンピューティング事業の中でコンテナのサポートをとりわけ重視してきた。そのサポートぶりは、競合他社に比べても抜きん出ていたから、今日の発表もそれほど意外ではない。

SnappyとUbuntu Coreの基本的な考え方は、デベロッパに必要最小限のライブラリだけを備えた最小限のサーバイメージへのアクセスを提供し、そこへデベロッパがアプリケーションをインストールする、というものだ。それは、必要あるもの・ないものすべて完備したフル装備のOSイメージの対極にあるものだ。アプリケーションはそれ用に独自にサンドボックス化された”AppArmor“環境で動くため、セキュリティが強固だ。元々AppArmorは、Canonicalがモバイル用に作ったシステムである。Snappyのそのほかの目立つ特長としては、トランザクションアップデート(transactional updates)がある。一気にだぁっとアップデートしてしまうのではなく、節目のあるオンラインのトランザクションをしながらアップデートするので、Ubuntu本体やアプリケーションの、アップデート失敗後のロールバックが安全確実に行われる。

CanonicalのそのほかのLinuxディストリビューションとSnappyとの違いについて、詳しく知りたい方は、この記事を読んでみよう。

Canonicalのクラウドエンジニアリング担当VP Robbie Williamsonは、今日の発表声明の中でこう述べている: “Ubuntu Coreはもっとも痩身でもっとも効率的なUbuntuであり、とりわけ、Dockerなどのコンテナを重用しているクラウドの展開に向いている。そのUbuntu Coreの、さらに軽量快速な(snappyな)パッケージを、Google Cloud Platformにご提供できることは、まことに喜ばしい。このクラウドプラットホームは、高いパフォーマンスと、コンテナ技術の重視で、一般的に評価も高いからである”。

Ubuntuによると、今月内にSnappyを“もうひとつのメジャーなパブリッククラウドに導入する”そうだ。たぶんそれはAmazon Web Servicesだろう。

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40社あまりが創立に参加しCloud Foundry Foundationを立ち上げ…Linuxからも積極賛助へ

昨年は、最大のオープンソースエンタプライズプロジェクトの一つであるOpenStackが大きな話題になった。そして、IaaSであるOpenStackの相方になりそうなPaaS Cloud Foundryは、2015年は今度は自分の年だ、と期待しているようだ。そうなりそうな大きな気配として、このプロジェクトを支える40社あまりの有力企業が今日(米国時間12/8)、Cloud Foundry Foundation(CFF)の立ち上げを発表した。

CFFの創立メンバーは、EMC、HP、IBM、Intel、Pivotal、SAP、VMwareなどなどだ。CFFに投資する企業の数は最近の数か月でそれまでの40%増え、コントリビューターの数は前年に比べて150%増、コミットされたコードは1700%増えた。ただし立ち上げ早々の団体だから、これらの絶対数はまだとても小さい。

Cloud Foundryは強力な支援団体を得ただけでなく、Linux Foundationからも支援を得られることになった。今日はLinux Foundationが、Cloud FoundryをLinux Foundation Collaborative Projectにする、と発表したのだ。

Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinによると、LFはCFを組織運営の専門家として支援し、ハッカソンやミートアップを開催していく。また、知財をめぐる法務でも助けていく。またCFのような大型のオープンソースプロジェクトに必要なインフラストラクチャの多くを提供して行く。

Cloud Foundryは元々はPivotal Softwareの製品で、同社はその商用バージョンを顧客に提供している。またPivotalは、このプロジェクトにCloud Foundry Dojoという概念(教育学習方式)を持ち込んだ。

Zemlinが適切に指摘する: “大型のオープンソースプロジェクトには、デベロッパを迅速に確保しづらいという問題がある”(Linuxも然り!)。人が揃って開発が軌道に乗るまで数か月〜数年かかることもある。Dojoは、ペアプログラミングによってベテランのデベロッパと初心者をペアにする。そのため初心者は数週間で仕事ができるようになり、Cloud Foundryへのパッチのコミットもやれるようになる。そういう教育者的なベテランデベロッパは、IBMやSAPなども提供している。

IBMのオープンスタンダード担当VP Angel Diazはこう言う: “オープンソースのプロジェクトのためにファウンデーションを作ろうとするときは必ず、企業人としても業界人としても、優れたオープンソースソフトウェアを作り、コミュニティに参加して協力していく方法について学ばざるをえなくなる。その点でDojoは、人間が優れたオープンソースコントリビューターになるためのMaslow’s Hierarchyの進化形の一つだ”。IBMは同社のBluemixプラットホームのベースとしてCloud Foundryを使っている。

Pivotalの企業戦略担当SVP Leo Spiegelは、このプロジェクトによって企業は、こういうやり方を業界全体に広め、それによりCloud Foundryの開発が加速されるようになる、と言っている。

今日のCFFの立ち上げにより、この団体から、Cloud Foundryブランドの統一化〜標準化を目指す検定証明事業がローンチし、このブランドの今後の分裂を防いでいく。

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Windowsアプリケーションをクラウドで動かすMicrosoftのAzure RemoteAppがベータを終えて一般公開へ

5月にMicrosoftは、 同社のAzure RemoteAppサービスの公開ベータを発表した。名前のとおりこのサービスは、ユーザがアプリケーションを仮想化してAzure上で動かし、リモートでそのアプリケーションを利用する、というものだ。ユーザの使用機はWindows PCでもMacでもモバイルでも何でもよい。そして今日Microsoftは、 RemoteAppが12月11日にベータを終え、SLAも提供される、と発表した

それまでAzureのアカウント保有者が無料で使えたRemoteAppは、一般公開とともに有料制になり、月額10ドル(40時間まで)プラス従量制(1時間0.175ドル、上限17ドル)のベーシックプランと、月額15〜23ドルのスタンダードプランの二つのプランが提供される。後者は、Officeのような大型アプリを使う場合に向いている。なお、一般公開されてから最初の30日は無料の試用期間だ。

Microsoftはかねてからクラウドのハイブリッド(パブリック+プライベート)展開を重視しているので、RemoteAppはも企業ユーザが自社のサーバ上で自社のアプリケーションをホストするためにも使える。そのためのサーバアプリケーションとしてMicrosoftは、Remote Desktop Session Hostという、まさにその名のとおりの機能を持つソフトウェアを提供する。社員は自分の会社の認証情報(Active Directoryを含む)や、自分のMicrosoftアカウントで、これにサインインできる。

これらすべての、大企業にとってのアドバンテージは自明だ。企業のIT部門は、社員たちが使う主なアプリケーションをすべてAzureにインストールしたことによって、それまでの面倒な日常的作業から解放され、日常のアドミンワークが楽になる。これまではCitrixのXenAppなどが同様のサービスを提供していたが、従来ずっとサードパーティ任せだったMicrosoft自身も、今後ますます大きくなるエンタプライズクラウドサービス市場を、自己の収益源の一環にする気になったようだ。

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Dropbox For Businessから強力なエンタープライズ向けAPIリリースへ―Boxとの競争激化

Dropboxにはコンシューマー向けサービスのイメージが強く、またh本格的なエンタープライズ向けセキュリティー機能を欠くために企業向けのDropbox For Businessの普及が遅れていた。しかしTechCrunchが入手した情報によれば、Dropboxはエンタープライズ向けの強力なツールとなるDropbox For Business APIをリリースするという。これによってこの市場の状況は一変する可能性がある。

明日(米国時間12/3)、正式発表予定(ただしこのリークの影響で時間が前後する可能性あり)のDropbox For Business APIを用いると、エンタープライズ・ユーザーはDropboxにサードパーティーのセキュリティーやコンプライアンス・ツールを接続することができる。また独自のDropbox For Business (DfB)向けアプリを開発することも可能となる。Dropboxは Microsoft、Dell、IBMを始め多くのエンタープライズ向けツールのベンダーと提携し、ローンチの時点でDfB APIはそれらのベンダーの主要なプロダクトをサポートするという。

われわれの問い合わせに対してDropboxからの回答はまだない。

Dropboxはエンタープライズ向けに必要とされる機能をすべて自製するのは時間がかかりすぎると判断したようだ。特に、Boxは何年も前から広汎なエンプライズ向け機能を備えたプラットフォームを構築している。Dropboxは1年前にエンプライズ向けサービスとしてDropbox For Businessをリリースしたが、これまえはサードパーティーとの連携がなかった。今回のAPIでDropbox For Businessのユーザーはセキュリティーを始め、これまで欠けていた機能をすばやく補えることになった。フル機能のエンタープライズ向けクラウドサービスに乗り換えずにすむわけだ。大企業ユーザーのDropbox利用形態を一変させる賢明な動きといえるだろう。

なぜDropbox For BusinessにAPIが必要だったのか?

コンシューマー向けDropboxには、写真の同期から高度なファイル検索まで連携アプリがすでに10万種類もある。これらTDropboxの3億人のユーザーを大いに助けている。

しかしエンタープライズ向けサービスで必要とされる機能はコンシューマー向けとは大きく異る。そこでDropboxは企業向けに別個のサービスとしてDropbox For Business(DfB)を4月に一般公開した。 これにはIT部門が監査ログを共有し、誰が何を閲覧したかを正確にチェックし、一部のファイルにアクセス制限をかけたり、社員が辞めたりデバイスが盗難に遭ったりした場合、リモートでファイルを削除するなどの機能が含まれている。

DfBはSalesforce、Slack、Asana、Trello、Yahooそして最近ではMicrosoft Officeとも提携して、これらのエンタープライズ・サービスからDropboxのファイルに容易にアクセスできるようにしている。

しかし本格的なエンタープライズ・ツールとなるためには、こうした提携はまだまだ序の口に過ぎない。必要な機能は数多く、Dropboxがすべてを内製しようとすれば何年もかかる。そこでAPIを公開し、サードパーティーの力を借りることで大幅な時間短縮を図ったわけだ。

DfB APIの機能

Dropbox For Business APIはDfBと多数のサードパーティーのエンタープライズ・ツールを接続する。

  • データ漏えい防止 – 個人が特定可能な情報、給与情報のエクスポートを禁じる
  • データ・マイグレーション – ビッグデータのバックアップ、統合を助ける
  • 知的所有権管理 – 業界標準や当局の規則に基づいてデータを暗号化して管理する
  • 個人認証 – DfBへの社員のアクセスについてログインと認証管理を行う
  • 法務管理 – 後日の法的紛争の際に必要となるデータを証拠能力のある形で安全に保存する
  • セキュリティー情報及びイベント管理(Security Information And Event Management =SIEM)– 社員のアクティビティ監査ログ

DfBユーザーはまたAPIを利用してスクラッチで独自のアプリを開発することもできる。

われわれが入手した情報によると、Dropbox For Business APIはローンチ時点でMicrosoft Azure AD、Dell Data Protection、IBM WebSphere Cast Iron、Okta, Domo、Splunk、Meldium、nCrypted Cloud、Mover.io、SkySync、Ping Identity、CloudLock、Centrify、Sookasa、CirroSecureの各サービスをサポートするという。Dropboxは今後APIを拡充し、パートナーも拡大していくことになるだろう。

Dropbox For Businessの料金は、現行の一人あたり月15ドルから変更はない見込みだ。これはBoxのビジネス・ユーザー向け料金同額だ。

孤立した SAASは存在し得ない

今回のAPIのローンチで、DropboxはBoxの手強いライバルとなりそうだ。しかしBoxのCEO、Aaron Levieは私の取材に対して、「われわれがプラットフォームと言うときは単にエンタープライズ向けセキュリティーだけでなく、きわめて広汎な機能を意味している」と語り、エンタープライズの業務フローのサポートも重要な要素だと例を挙げた。Dropboxはこの面でもBoxに追いつく努力をしなければならないだろう。

しかしエンタープライズ向けクラウド・プラットフォームはまだスタートしたばかりの市場だ。ITのコンシューマー化、私用デバイスの業務利用、ボトムアップの分散モデルなどはエンタープライズITの形態を根本的に変えつつある。Levieは「社内でセキュリティーを完結させるというモデルは過去のものだ」と述べた。どんな大企業でもゼロからすべての機能を自製することは不可能だ。成功したければ企業はサードパーティーのツールの適切な利用法を学ばねばならない。

Levieは「この数年のうちにエンタープライズ・プラットフォームのエコシステムが劇的に発達するだろう。大企業もサービスのベンダーも、このテクノロジーの進歩に対応してマインドセット自体を変えていかねばならない」と語った。

Dropboxが1年ほど前からやっきになってビジネス・ユーザーへの対応を図ってきたのも当然といえる。エンタープライズITの環境の激変はその波にうまく乗れたものに対して巨額の売上を約束するものだからだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


企業のクラウド共有・同期サービスの人気調査は意外な結果―1位はBoxではなかった

今週、451 Research はエンタープライズが利用する同期・共有クラウド・サービスに関する市場調査の結果を発表した。その結果はかなり意外だった―すくなくとも私は驚いた。というのも、エンタープライズ市場において最も人気のある同期・共有サービスがBoxでもMicrosoft OneDriveでもなかったからだ。一番人気は企業のIT部門が嫌っているはずのDropboxだった。

451 Researchは10月に1000人以上のIT部門のプロに「会社でどんな同期・共有ツールを利用しているか」という聞き取り調査を行った。その結果、回答者の40%がDropboxを利用していると答えた。これは他を引き離して断然トップだった。2位はOneDriveでわずか25%、次いでGoogleが20%だった。エンタープライズ市場に特化しているはずのBoxは15%に届かず4位だった。他のサービスはいずれも10%以下だった。

また調査した企業のうち、有料版を利用していたのは18%に留まった。この意味するところはまだ明らかでないが、この市場が極めて早期の段階にあると推測する根拠にはなりそうだ。つまりどのプレイヤーにも今後大幅なビジネス成長の余地があるということだ。

レポートの執筆者の一人、Alan Pelz-Sharpeは、私の取材に対して「クライアントの話の中には必ずDropboxが出てきた。率直に言わせてもらえば、企業は社員が現にいちばん利用しているサービスを選ぶ傾向にあると思う。これは現実的な態度だ。5000人の社員がDropboxを使っているときに会社として別のサービスを導入して社員に乗り換えさせるのはたいへんな手間だ」と語った。.

451 Researchによれば、企業の規模が大きくなるにつれて、利用されるツールは次第に高価で複雑なものになっていく傾向が見られたという。このような大企業で人気があったのはクラウドではなく、EMC、OpenText、Citrixなど、要するに既存のエンタープライズ・サービスだった。

もうひとつ重要な発見は、IT部門が管理しておらず、社員が個人的に利用しているITサービス(シャドーITと呼ばれている)についてはどの会社も皆目知識をもっていないという点だった。このレポートはIT部門の把握している範囲での利用状況を示すものなので、実態はこれとかなり異なる可能性はある。IT部門は、社員が実際に使っているサービスに対するコントロールを完全に失っているという印象だったという。【中略】

エンタープライズ向け同期・共有サービス市場についてはこれまでデータがほとんど存在しなかった。サービス・ベンダーの宣伝文句が大いに幅を効かせてきた分野だけに、451 Researchのレポートは確実な統計を得る出発点として貴重だ。しかし正確なな市場像を得るにはまだ遠い。今後に期待したい。

グラフは451 Researchの好意により許可を得て再掲

画像: CanStockPhoto (c)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+