Microsoft Xbox OneのコントローラーがWindowsで使えるようになった

私は最近よくパソコンでゲームをする。最初は慣れない部分があったが、全体としてとても楽しい。今日(米国時間6/5)、Microsoftの Xbox Oneのコントローラーのパソコン用ドライバが入手可能になった。他のハードウェア、ソフトウェアなしでOneのスマートなコントローラーが使える。ただし接続はマイクロUSBによる有線接続のみだ。

リンク先でドライバを公開しているのはMajor Nelsonというゲームのニュースブログで、デベロッパー用の初期バージョンだ。Microsoftから一般向けに公開されるのも近いという。32ビット版と64ビット版が用意されている。

使ったことがない読者のために説明しておくと、Xbox OneのコントローラーにはXbox 360のコントローラーのかさばるバッテリーパックがない。またボタンの感触も改善されている。アナログ・スティックの反応もよくなっていると思う。そのため長時間快適にゲームすることができる。

このドライバをインストールしようとするとWindows SmartScreenは「発行元が不明」という警告を出すのが皮肉だ。

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Appleの新プログラミング言語、Swiftを使って半日くらいでFlappy Birdのクローンが書けた

AppleがiOS向け新プログラミング言語を公開した翌日、あるデベロッパーはこのSwift言語を利用してわずか4時間で大人気のゲーム、“Flappy Birdのクローンを作ってしまった。もっともRedditTechHiveで報じられているところでは休憩や食事の時間も入れれば開発には全部で9時間近くかかったらしい。

開発者のNate MurrayはHacker Newsに「Swiftでのプログラミング経験はまだわずか4時間なので(デモプログラムに)間違いがあれば教えて欲しい」と書いている。

Murrayは以前はインターネットでの情報収集を自動化するサービス提供しているIFTTTでエンジニアでとして働いていたが、現在はプログラミングのオンライン・スクール、Fullstack.ioの共同ファウンダーだ。MurryはSwiftを利用したゲーム・プログラミング講座を開く準備をしているという。

もっともMurrayはこのプログラムをiTunes App Storeに公開するつもりはないと語った。「Flappy Birdのクローンを書くのは新しいゲーム開発フレームワークの入門として最適だ。このゲームは比較的シンプルでありながらプレイして面白いという点で非常にバランスがいい」とMurrayは説明する。

Swiftで書かれたMurrayのFlappy BirdクローンはKotakuのようなゲーム中心のサイトからMashableのようなメインストリームのテクノロジー・ニュースブログまでネットのあちこちで反響を呼んでいる。優秀なプログラマーが新言語を使いこなすスピードの速さにも驚かせれるが、以前の開発言語、Objective-Cに比べて、Swiftに新たに備えられた高度な機能デベロッパーの生産性を大きく向上させるだろうという予測が実証されたかたちだ。

Murrayは実際に使ってみて「新しくiOSアプリの開発に取り組むプログラマーに対してハードルを下げる「というAppleの目標は達成されたと考えている。Murrayによれば、Swiftの大きなメリットの一つはPlaygroundsと呼ばれる機能だという。ここではコードを編集しながら、それが実際にどう動作するかをリアルタイムで見ることができる。

さてSwiftでFlappy Birdクローンを作るのに本当はどのくらい時間がかかったのだろう?

われわれの取材に対して、Murrayは「4時間よりはかかったが9時間まではかかっていない。ログによると空のフォルダーからデモが作動するようになるまで9時間近くかかっているが、その間に食事もしたし、子供を寝かしつけたりしていたのでね」と語った。

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今は亡きLucasArtsの残党が作ったゲームスタジオBooster Packが$1.475Mを調達–ゲームで蘇るStar Wars?

Disneyが昨年Lucasfilmを40億ドルで買収してからわずか154日後にLucasArtsを閉鎖したとき、そのスタジオのシンガポールのチーム4人はこれからも一緒にやろう、と決意した。そして彼らが作ったゲーム企業Booster Packが、リード投資家Cyberworld Studios、Ariel Star Group、およびKathrein Venturesから147万5000ドルの資金を獲得した。

Booster Packの創立メンバーは、元LucasArts SingaporeのゲームプロデューサーKent Byersと、リードデザイナーShane Gavin、シニアエンジニアChris Chu、そしてリードアーチストBenjamin Chevalierだ。彼らは今、最初のゲームにとりかかっており、そのデビューは今年の終わり頃の予定だ。今回の初めての獲得資金はそのゲームの開発に充てられると同時に、ローンチ後のマーケティングやユーザサポートにも回される。

Byersによると、Booster PackのプロダクトはLucas時代に築いた高度な知財(IP)を使ったゲームと、市場で競争に勝てるモバイルゲームが中心となる。LucasArts時代に彼らはStar WarsやDisneyのIPを使ったゲームを作っていたが、今でも“本当にクォリティの高いIPで仕事がしたい”、とByersは言っている。

Booster Packの最初のリリースは今年のQ4まで待たされるようだが、Byersによると、チームはシンガポールのまだ若いゲーム産業に貢献できることを喜んでいる。

“東南アジアでは、経験豊富な人材でチームを構成することがきわめて難しい。とりわけシンガポールは、まだゲーム企業そのものが少ない。でも成長はしている”、とByersは語る。

“われわれは4〜5年一緒に仕事をしていたから、お互いの長所もチームの強みもよく分かっている。そんなことは、シンガポールではめったにない。これまでは、Star Warsなどの大物IPが相手だった。メンバーは過去にActivisionやGameloft、Disneyなどでも仕事をしているから、経験豊富だ。他社との大きな違いが、それだろう。とくにここ、東南アジアではね”。

画像: Flickr/epSos.de; Creative Commons 2.0のライセンスによる

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MetalによってモバイルゲームにおけるiOSの優位性がさらに高まる

昨日のWWDCでは2時間のキーノートで大量の発表が行われたが、その中にゲームデベロッパ向けのものが3つあった: SceneKit、SpriteKitの新しいファンクション、そしてiOS上のハイエンドゲームのパフォーマンスを大幅に上げるMetalフレームワークだ。中でもMetalは、AndroidというOSの性格上、Googleには逆立ちしても真似できないものだ。

Metalはデベロッパに、OpenGLよりも“もっとメタル(metal, 金属==ハードウェア)に近い”一連のファンクションを与える。OpenGLはいわばグラフィクスの標準ライブラリとして、iOSだけでなく、MacもAndroidもMicrosoft以外のゲーム機も使ってきた。しかしデベロッパがMetalを利用すると、グラフィクスのハードウェアをダイレクトにコントロールでき、システムのオーバヘッドが少なくなるためパフォーマンスはより高速になる。

ただしMetalは、グラフィクスのパフォーマンスをぎりぎりまで上げたいというデベロッパにしか、あまりメリットはない。しかもゲームのデベロッパたちも今では“ゲームエンジン”をベースに仕事をすることが多く、MetalのようなAPIを直接使って低レベルのグラフィクスコードを毎回一から書くことは、あまりない。だからデベロッパが関心を向けるのは、MetalでもってiOSゲームの、どこがどう変わるのか、という点だ。

実はゲームエンジンの制作者たちはすでに、Metalを利用するエンジンを作り始めている。昨日は、Unity3DのレンダリングのグルAras PranckevičiusがTwitterのツイートで、同社のエンジンにMetalを組み込むことによって“うちの3D APIの最速のポートが出来上がった”、と述べている:

[AppleのMetalで遊ぶのはとっても楽しい。3D APIのこれまでで最速のポートになった。]

iOSデベロッパでスタートアップコンサルタントでもあるNat Brownはブログで、iOSのMetalの性能にはかなわないからAndroidでは新作ゲームが作られなくなる、ということはない、と指摘している。なぜなら、Metalの利用はiOS独自のツールの利用を意味するから、クロスプラットホームな開発を志向するゲームデベロッパは最初から手を出さないだろう、というのだ。

でも、デベロッパではなくゲーマーたちは、いち早く、Metalベースのゲームのグラフィクスの素晴らしさに、気づき始めるだろう:

しかし、Metalに飛びつくきわめて高度なプログラマたちは、ゲームエンジンやフレームワーク、モバイルゲームの95%、いや99%で使われているツールチェーンをメンテしている人たちだ。Unity3DUnreal Engineなど数社がiOSとAndroid両方のモバイルゲームを支配しており、これまでは両プラットホームとも、OpenGL ESの比較的共通のコアをターゲットにしてきた。

そのため、Metalのおかげで大量のデベロッパがiOS国へ移民する、ということはありえないだろう。今ではデベロッパは、APIのレベルではなく、エンジンやフレームワークなどの高級なツールを使って仕事をしている。しかしMetalがiOSのパフォーマンスを高めることによって、ユーザやゲーマーたちの大量人口移動を起こすことはありえる。

Metalフレームワークと同様のものは、ほかのプラットホームにもある。AMDのグラフィクスチップ上のMantleや、MicrosoftのWindowsやXboxプラットホーム上のDirectX 12などだ。ただしAMDもMicrosoftも、これらのフレームワークを核とするエコシステムを完全にコントロールしていないから、状況は複雑であり、特定のハードウェアを対象とする最適化も、それほど徹底できない。

たとえばAMDはとても多様なグラフィクスコアを作っていて、それらが、PCハードウェアのほとんど無限ともいえる構成において利用されている。またDirectXも、CPUやRAM等々の無限の多様性に加えて、グラフィクスチップの多様性にも対応しなければならない(AMD、nVidia、Intel等々)。

つまりこれらのフレームワークは、Appleにできるほどのレベルでは、特定のハードウェア向けの最適化ができない。AnandtechのRyan Smithが、今朝(米国時間6/3
)、こんなことを書いている:

これまでの低レベルAPI、たとえばAMDのMantleやMicrosoftのDirectX 12は、前者は他社のCPUやOSも顧客にしなければならないハードウェアベンダのAPIであり、後者はサードパーティのCPUやGPUに対応しなければならないOSベンダのAPIだ。これらに対して、Appleの羨ましい立場とは、単独かつ自力で、完全に垂直なエコシステムを築けることだ。Appleは、CPUも、SoCの構成も自社製、OSも自社製だ。GPUは他社製だが、これも過去7年間Imagination TechnologiesのPowerVRを独占的に使っていて変える様子もない。

iPhone 5sもiPad AirもiPad miniも、すべて、同じA7のSoCを使っている。今年の機種はA8を共有するだろう。Metalは一連のハードウェアに対して同一の最適化が可能であり、多様なモバイルデバイスの上で同じゲインを稼げる。

Androidハンドセットの多様性にはそれなりのアドバンテージがあるが、多様なメーカーの多様なハードウェアに対して、GoogleがMetalと同レベルの最適化(==特定単一のハードウェア固有の最適化)を図ることはありえない。今後、スマートフォンの進化に対するゲーマーたちの期待が、ますます欲張りになってきたとき、Metalによってゲームの世界がどう変わるか、それが見ものだ。

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Unityが待望のGUIエディタのデモビデオを公開–リリースは”今夏”

ビデオゲームをWYSIWYG的に作っていける人気絶大のUnity 3Dには、なんでも上手にできるツールが揃っている。でも、でも、デベロッパインタフェイスがどんだけ良くても、ゲーム内のユーザインタフェイスの構築はどうだろう。それが欠けていた。少なくとも昨日(きのう)までは。

Unityは何か月も前から、UI作成システムをオーバホールする、と約束していたが、なかなか実現しない。この前バージョン5.0を発表したときには、UI作成ツールは4.xのユーザにも提供されると言って、苦情の発生を事前に防いだ。UIツールを期待して4.xを買った人も、多いはずなのだ。

そして今日(米国時間5/29)やっと、新しいGUIツールの完成直前の姿の、デモを同社は公開した:

Unityをよく知っている人にとっては、上のビデオはすごーくエキサイティングだろう。知らない人は、この際、これだけは知っておこう: 次世代ゲーム機から携帯からMacからPCに至るまでの、全プラットホームにまたがるクロスプラットホームなビデオゲームを作れる世界最良のツールの一つが、ついに、残された大きな欠陥の一つをふさぐことに成功した。これでデベロッパは、ユーザインタフェイスの構築という砂を噛むような作業に大量の時間を取られなくなるので、さらにすばらしいゲームを作れるようになるだろう。

なお、このビデオに関するUnityの ブログ記事には、UIシステムはUnity 4.6にも提供される、とある。今週Unity 4.5を発売したばかりだから、さらに遅れることはないと仮定すると、5.0のリリースの前の次の(おそらく最後の)大型パッチで、新しいUIシステムが提供されるのだ。それは残念ながら、まだ、“今年の夏”という漠然とした言い方なんだけど。

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ZeniMax、Oculusとパーマー・ラッキー氏を訴える

20億ドルで買収されることが、何人かの敵を作ると誰が思っただろうか。

数週間にわたる脅しの後、ZeniMax ― id、Bethesda Games、その他数社の親会社 ― がOculusとPalmer Luckeyを正式に訴えた。その主張? Oculusは企業秘密を盗んだ。

問題は、思い切り単純化すると、伝説的プログラマー、John Carmackはid(ZeniMaxが2008年に買収した)を去りOculusに移った。ZeniMaxによると、彼の在籍中会社はバーチャルリアリティーおよび関連テクノロジーの研究に「数千万ドル」を費した。この種の横すべりが起きた時、境界はぼやけている。そして、境界がぼやけている時に20億ドルの買収が起きると、人々は怒る。

数週間にこの訴訟が噂された時、Oculusはすかさず「ZeniMaxはOculusの知的財産にもテクノロジーにも貢献していない」と主張する声明を発表した。

一方TwitterでCarmackは、彼がZenimaxで行った作業は何も特許化されておらず、またOculusは彼がZeniMaxで書いた「コードを1行も使っていない」と明言した。

これは多分長びきそうだ。

Palmer LuckeyのJohn Carmackとの運命的出会いを含む、私の書いたOculusの歴史がここにある

アップデート:Oculusが訴訟に対して正式な声明を発表した

ZeniMaxが起こした訴訟には何ら道理がない。ZeniMaxはOculusのテクノロジーに一切貢献していない。Oculusは徹底的に戦う。

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Apple、App Storeの1位になったマリファナ栽培 ゲームを追放―他の大麻アプリはどうなる?

Appleはアメリカでゲーム部門のトップを占めていたWeed FirmをApp Storeから削除した。このゲームはGrand Theft Autoのマリファナ愛好家版と呼ばれていた。プレイヤーはマリファナ(weed)を栽培して売りさばき、ギャングたちと渡り合いながら、大金を儲けることに努める。

デベロッパーのウェブサイトによればApp Storeからの取り下げはApple側の全く一方的な決定だという。

AppleがこんなゲームにApp Storeのチャートのトップに居座わられたくないという考えた気持ちは分かる。だが、似たようなゲームが多数ある中でWeed Firmだけが狙い撃ちされた理由が、単に有名になってしまったからというだけなら釈然としないものが残る。この点に関してAppleにコメントないし説明を求めているが回答はない。

デベロッパーのManitoba Gamesは自分たちが追放されたことについて、「面白すぎて全ゲーム・カテゴリーでNo. 1になってしまったからだろう。今でもマリファナ栽培ゲームは山ほどApp Storeにある。それに車を壊したり、人を射ったり、鳥を建物にぶつけたりするような違法行為を内容としたゲームも無数に公開されている」と言っている。

いささか負け惜しみのきらいがあるものの、ある程度要点を突いている。

過去にもAppleが違法行為を助長する可能性があるアプリに対して厳しい態度を取ったことがある。たとえばHerb Converterというオンスをグラムに換算するマリファナの売人向けアプリが禁止されている。しかし最近、アメリカでもマリファナは部分的に解禁され、全国いたるところで違法というわけではなくなった。

しかしそれとは別に、Appleはどんな理由であろうと自分が好まないアプリをApp Storeから排除する権限を持っている。App Storeはオープンなウェブではない。単独の運営者であるAppleが自由に規則を設定できる場所なのだ。

しかし、 “weed”というキーワードでApp Storeを検索すると、たくさんのマリファナ関連アプリが見つかる。マリファナがらみのトリビア、マリファナの種類の見分け方、栽培ハンドブック、合法的なマリファナの入手場所をまとめたWeedmapsから今回禁止された“Weed Firmそっくりの栽培、販売ゲームのWeed TycoonWeed Farmerまで数知れずだ。 こうしたゲームは今でもApp Storeに掲載されている。

しかし、Appleの態度は変化しているのかもしれない。別のデベロッパーが今日(米国時間5/21)、Facebookに公開投稿したところによると、彼のマリファナ・ゲームはApp Storeへの登録を拒絶されたという。

上はデベロッパーが公開したそのゲームのスクリーショットだが、マリファナをテーマにしているばかりでなく、警官を豚として描いているのがさすがにAppleの「極めて好ましくない内容」のアプリを禁止する条項に引っかかったのだろう。

子供への悪影響

App Storeのユーザーはどんどん低年齢化しており、バカバカしいゲームも多くなっている。しかしAppleは子どもたちが麻薬の製造や取引についての詳細をApp Storeのゲームで学んでいると非難されたくはないだろう。もちろんWeed Firmはいちばん厳しい年齢制限が適用されていたが、子どもたちのiPhoneに保護を設定することを怠っている両親も多い。

これに先立ってWeed FirmはGoogle Playからも削除されたという。 ただしManitoba Gamesによれば削除された理由は内容ではなくゲームの配給会社にあったという。デベロッパーは「適当な配給会社が見つかればPlay Storeに復帰できる」としている。

これについてGoogleがどう考えているか知りたいものだ。.

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次世代VRのSurviosがFacebookに買われたOculusに負けじとさらに$4Mを調達

次世代仮想現実(virtual reality, VR)技術の先駆企業、サンフランシスコのSurviosが、シリーズAで400万ドルを調達した。今朝(米国時間5/19)VentureBeatが報じたこの投資ラウンドは、Shasta Venturesが率い、同社ファウンダのRob ConeybeerがSurviosの取締役会に加わる。このラウンドには、Mavent PartnersのMichael Chang、World Innovation LabのGen Isayama、そしてFelicis VenturesのRenata Quintiniが参加した。

Surviosの資金獲得は、言うまでもなく、Oculus Riftヘッドセットを作っているVRスタートアップOculusをFacebookが20億ドルで買収したことへの対抗だ。OculusとSurviosはどちらも南カリフォルニア大学の混成現実研究所(Mixed Reality Lab)から生まれたプロジェクトで、OculusのファウンダPalmer Luckeyも同研究所の出身だ。しかしSurviosを‘次世代VR’と呼びたくなるのは、その”Kinect + Oculus-Rift”のような性質のためで、人間の物理的な動きに反応できるからだ。そのため3Dの仮想世界の中に人間が実際にいるような感覚を、その没入型のヘッドセットを介して人間ユーザに与える。

先月、本誌TechCrunchのライターKim-Mai CutlerがSurviosの本社を訪れ、同社のVR技術を実際に体験した。今それは、ゲームへの応用を試行している。Survios体験は今すでに、かなりすばらしいもののようだが、自由に使える400万ドルを手にした今後は、応用系のさらなるスケールアップが期待される。とりあえず、下のビデオをご覧いただきたい。

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Twitchは、基本的にリーグオブレジェンドを見るためのサービス

【本稿のライターは Kyle Russell】
Googleは、事実上1種類のゲームをプレイする人々を見る観衆たちのために、10億ドルを払おうとしているのかもしれない。

Twitchで最も多く見られているゲームのランキングを見ると、明らかに際立ったフロントランナーがいる。それは League of Legends。絶大な人気を誇るオンラインマルチプレーヤーゲームで、1月時点のプレーヤー数は2700万人だ

どの瞬間をとっても、同サービス上のLeague of Legends視聴者数は10~20万人で、次によく見られているゲームの3~6倍に上る。

この視聴人数の規模を実感するために例を挙げると、Fox Newsをプライムタイムに見ている25~54歳の視聴者数は約20万人だ。TwitchでLeague of Legentsを見ている人数は、日中それを上回る ― そしてその内訳は殆どが価値ある若い男性層だ。

単一のゲームにそこまで依存することは脆弱性とも受け取れるが、事実はといえば、League of Legendほどパワフルなゲームはそもそも他に存在したことがない。

Counter-Strike、Quake、StartCraft等のゲームは、Eスポーツ分野を確立させたかもしれないが、League of Legendsは、毎月7000万人のプレーヤーを集め、昨年の推定売上は6.24億ドルだった。同ゲームのReddit内セクション3月中に2億ビュー以上をもたらし、同サイトのユーザーが〈入会時に自動的に登録される〉サブセクションの数々を上回っている。

これらの数字は、ハードコア・ゲーム業界にとっては天文学的だ。League of Legendsのライバルで、Half-LifeゲームシリーズSteamのビデオゲームストアやソーシャルプラットフォームを作った会社が運営するDota 2は、先月790万人のプレーヤーを集め、少額取引きによる昨年の売上は約8000万ドルだった。

GeekWireのTricia Duryeeは、Googleによる買収の話題が報じられた時、Twitchを「ビデオゲーム業界のESPN」と呼んだ。現在のところ、この表現はあまり意味をなさない ― Azubuなどのライバルは、何ら比較できるような実績を残していない。

Googleのリソースを得て、Twitchが主要ゲーム機に内蔵され、League of Legendsのプレーヤー基盤が飛躍的な伸びを続ければ ― 2012年末以来2倍以上に増えている ― Twitchがあらゆるプラットフォームのゲーマーにとって必須のサービスになる可能性もある。ESPNがテレビを見るあらゆるスポーツファンにとって必須であるように。

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App Storeは今の社会が愚民社会である証拠

今iTunes App Storeで1位のゲームは、雑草を売るゲームだ。いや、ほんとに。でもその”Weed Firm“というアプリも、2位に比べればかなりまともだ。2位は最近多いアホらしい時間つぶしゲームの一つで、名前は”100 Balls“、ビアポンを思い出す。そしてそれに続く3位は”Toilet Time“、その名のとおり、ト*レに入っているとき遊ぶ短いゲームだ。さらにその次の”Make It Rain“は、できるだ速くスワイプしてお金を飛ばす、というゲームだ。

凡人たち(Everyman)のApp Storeにようこそ。

というか、誰かさんの言葉を借りれば、愚民社会(Idiocracy)にようこそ。

[App Storeをふつうの英語で言うとIdiocracy。]
[最悪という名のゴールを目指すレースだ。]
[映画のIdiocracyにApp Storeがあってもよかったよね。]

これらのゲームは、アメリカ的な俗悪趣味がモバイルの世界を支配していることの表れだ。でも”Here Comes Honey Boo Boo”とか”The Real Housewives”のようなコンテンツは、合衆国だけでなく、世界中の英語国で必ずチャートの上位になる。

人気の原因はいろいろあるが、いい加減なアプリデベロッパたちが仕掛けるますますいい加減なマーケティングテクニックに、釣られてしまうユーザが多いのだ。そういう、脳の健康を害しそうな使い捨てのゲームが、”Flappy Bird”や”Red Bouncing Ball“のクローンより上位になるのは、新しいアプリに飛びつくための、もっとまともな契機が、一般ユーザにはないからだ。〔TechCrunchやゲーム専門サイトのレビューを読んでアプリを買う“一般人”はいない。〕

それだけでなく、最近のアホゲームの氾濫には、App Storeの性質の変貌も影響している。

今日(こんにち)では、先進国のスマートフォン市場はほとんど飽和状態だ。ということは、老若男女いろんな人が持っており、その趣味や感性はばらばらで、しかも本誌などによく登場するテクノロジエリートたちの“次の偉大なるモバイルアプリ”とは無縁な領域で生きている。

App Storeは万人(everyone)のものであり、そして万人の大群は、タブロイド新聞やテレビのリアリティ番組は好きでも、文学や教育テレビには寄り付かない。

しかも、今ではガキどもですらiPhoneを持っていて、それを持ってないと仲間はずれになるというのだ。アホゲームの顧客の相当部分が、ガキどもである。

“Flappy Bird”を作ったDong Nguyenも本誌の取材に対して、プレーヤーのほとんどは学童だ、と言っていた。

このような“成熟市場”においては、雑草ゲームやト*レ時間つぶしゲームへと“成熟して”いく万人たちは、昔のような、まじめなアプリをまじめにダウンロードするスマートフォンユーザではない。だから今では、Google Search、Pandora、WhatsApp、Pinterest、Twitterなどのアプリが、トップ10に入らないどころか、往々にしてトップ20にも入らないのだ。

校庭にたむろする群衆たちがApp Storeのチャートに与える影響力を、まだ業界はよく理解していない。小学生のトレンドが市場に及ぼす力は、何年も前から強力だが、今日ではそれは、お人形のCabbage Patch KidsやTickle Me Elmoの話ではない。次に何を買おうかと彼らがうろうろしている仮想ストアの棚を、無限に多い在庫で満たす、という今日的マーケティングのお話なのだ。

しかし最悪という名のゴールを目指すApp Storeのレースを、幼いiPhoneユーザのせいだけにはできない。

今日の、ストレス過多で情報過剰な世界に住む、緊張を抜く余裕すらない大人たちも、ちょっとした息抜きを求めているのだ。そう、トイレが唯一の息抜きの場かもしれない。そしてそのために、まさに、アホなゲームにのめり込むのだ。

ところで、あなたのホーム画面には、最近、何があるかなぁ? 正直に言って。

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PCやプレステのゲームもVRヘッドセットで楽しめるクロスプラットホームなゲームキットANTVRがKickstarterで資金募集中

Oculus RiftProject Morpheusなどが、仮想現実(virtual reality, VR)のヘッドセットを大衆化したことによって、ゲームの世界が変わってきた。でもそれらの大きな欠点は、それぞれ固有の規格のプラットホームであるため、それぞれのゲームの数が限られていることだ

この問題に対処するためにハードウェアスタートアップのANTVR Technologyは、オープンソースでクロスプラットホームな仮想現実ゲーム用のセット、 ANTVR Kitを作った。
“今のVRプロダクトには、これまでの主要なゲームプラットホームとの互換性がない。うちは、この問題を解決したいと思った”、とファウンダのQin Zhengが北京の同社で語った。

今はKickstarterで資金を募集中だが、目標額20万ドルに対して二日で86000ドル近くが集まった。セットのお値段は300ドルだが、Kickstarter上の説明によると、中国のハードウェアメーカーたちが近くにいるだけでなく、ANTVR Kitを広く普及させることが先決なので、原価で売ってるから安いのだ、という。Kickstarter上の資金募集キャンペーンは、2014年の6月23日が締め切りだ。

ANTVR Kitは、Oculus Riftのほか、PCやゲーム専用機のゲームと互換性がある。デスクトップコンピュータやXBox、PlayStation、iPhones、iPads、Androidデバイス、Blu-rayプレーヤーなど、HDMI端子のあるデバイスなら何でも接続でき、HDMI出力のないデバイスにはアダプタを使える。

ヘッドセットには1920×1080のHDディスプレイと、非球面レンズがある(ここがOculus Riftとの大きな違い)。Zhengによると、標準画面比率の画像を投射したとき、非球面レンズの方が歪みが少ないそうだ。メガネをかけたままでも装着でき、ワンステップの位置追跡により、プレーヤーがプレイ中にめまいを感じるのを防ぐ。

コントローラは変形可能で(右図)、開けばゲームパッド、閉じれば銃やライトセーバーやステアリングホイール(車のハンドル)などをシミュレートできる。


ANTVRはモバイルのゲームにも対応しているから、Candy Crushなんかをもっと没入的に楽しめるだろう。ただしZhengによると、いちばん合っているのはFPSとRPGだそうだ。

ANTVR Technologyはハードウェアをオープンソースにしているだけでなく、近くSDKも出すので、デベロッパがこのキット用のゲームを作れるようになる。

Zhengは曰く、“普遍的なゲームシステムを作りたいんだけど、でもあらゆる種類のゲームプラットホームとの互換性を持たせるのはとても難しい。 XboxとPCとPlayStationは大丈夫だけど、世の中にはまだまだいろんなゲームシステムがあるからね”。

“しかし、ほかのゲームシステムのデベロッパや、デバイスだけのデベロッパでも、うちのハードウェアのファームウェアを書き換えて独自の開発ができる”、と彼は付言した。

クロスプラットホームなVRヘッドセットは、True Player Gearなどほかの企業も挑戦しているが、まだ発売までは遠いようだ。

Zhengによると、ANTVRの場合は実動プロトタイプがすでにあり、来月は金型試験を開始する。そしてある程度量産できたプロトタイプを、初期の支援者たちに7月に送る予定だ。そのフィードバックに基づいて本番の量産向けの設計を完成させ、そのほかの支援者には最終製品を9月に出荷する。

以下の表は、ANTVR KitをOculus RiftやProject Morpheusと比較している。


ANTVRについてもっと知りたい人は、同社のKickstarterのページへ行ってみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


2013年のRovio(Angry Birds)、売り上げは横ばいで利益は半分ほどに減少

Angry Birdsで有名なRovioにとって、2013年はやや停滞気味の年となってしまったようだ。社員を大幅に増強して臨んだ年ではあったが、利益が半分ほどとなってしまった。

ヘルシンキに本拠をおくRovioの、昨年の売り上げは2億1590万ドル程度だった。これは2012年の2億1060万ドルをわずかに上回る数字となっている。

しかし従業員数は500名から800名へと増やしており、純利益でみると7680万ドルから3730万ドルへと、半分ほどに縮小してしまっている。ちなみにRovioは非公開企業であるのだが、フィンランドの法律により毎年の収支報告を行う必要がある。

RovioはJami Laesが新たにゲーム部門のエグゼクティブ・バイスプレジデント(EVP)となるなど、組織的な変革も行いつつあるところだ。LaesはDigital ChocolateやEAなど経験を積んできた人物だ。以前のゲーム部門EVPであったPetri JarvilehtoはRovioを去り、やはり元Rovioで戦略的パートナーシップ部門を率いていたAndrew Stalbowと、Seriouslyを創業している。

ところでRovioは、他企業のようにfree-to-playモデルによる収益構造の確立には、さほど熱心でないように見える。関連グッズやライセンス販売の方に力を入れているようなのだ。

同じくヘルシンキ発のSupercellはfree-to-playモデルの中で収益構造を確立し、昨年の年間売上高が8億9200万に達している。

こうした状況を見て、Rovioもfree-to-playの収益化をはかる必要があると考える人は多い。しかし一方で、グッズ販売などを行うことにより、作品がヒットするかどうかというギャンブル的な面のあるゲーム企業に、ある程度の安定性をもたらしていると評価することもできるだろう。昨年の状況をみると、消費者グッズの売り上げが、全体の47%を占めるまでになっている。誕生時からは考えられないほどに大きく成長したHello Kittyやミッキーマウスなどの例もあり、グッズ開発やライセンス販売には確かに大きな魅力があるのも否めないところだ。

また、Rovioはアニメーションスタジオを買収し、長編アニメも製作中だ。こちらの方は2016年半ばにもリリースされる予定なのだとのこと。またYouTubeで短編作品を公開するアニメーションスタジオも買収している。さらにサードパーティーアプリケーションをプロモートするためのプログラムも作っているし、またAngry Birdsテーマパークをヨーロッパや中国に設置してもいる。

Rovio曰く、これからfree-to-playの収益化についても積極的に進めていきたいとのこと。仮想アイテムや仮想通貨などの販売も行っていきたいとのこと。これまでにはAngry Birds Star Wars IIやAngry Birds Go!などでは行っていたわけで、積極的展開することで新たな収益チャネルを構築することに繋がる可能性もあるだろう。

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(翻訳:Maeda, H


苦手☓苦手=得意になるか。Flappy Birdと2048のケースで試してみよう

主なルールは「2048」という数字合わせゲームからとったものだ。そしてそこにFlappy Bird風のアクションを加える。

そして生まれたのがFlappy48というゲームだ(なんというか…、まあ面白い、かもしれない)。ともかく2014年に世の中を騒がせたゲームの「マッシュアップ」と言ってよいのだと思う。

ゲームの中、上下から突き出ている障害物を避けて進む。これはFlappy Birdと同じスタイルだ。そして障害を抜けると、そこに数字の書かれたタイルがある。このタイルは2048(「Threes!」風と言っても良いのだろうが、ちょっとその辺には深入りしない)風のものだ。

集めたタイルは2の累乗になるように組み合わせる。併せて2の累乗にならない場合は、単純にタイルが横並びに長くなる。当然ながら障害物を超えて進むのが難しくなる。「地獄の蛇」ゲームなんていうタイトルの方が相応しいのではないかとも思ってしまう。

ちなみに個人的には2048系のゲームは苦手だ。そしてFlappy Birdはうまくプレイできた試しがない。そんな場合でも2つを組み合わせたならば、なんとか楽しめるゲームになっているのではないかと考えてみた。

まったくそんなことはなかった。

ゲームはこちらから入手することができる。

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(翻訳:Maeda, H


Oculusの次に来るものは何?–SurviosはVRにリアルなモーションコントロールを導入

仮想現実(virtual reality, バーチャルリアリティ, VR)の世界は、FacebookがOculusを20億ドルで買って以来、大きな上昇気流に乗った。Oculusの次の大物は何だろう?

それは、Surviosではないだろうか。同社は、Oculus VRのファウンダPalmer Luckeyと同じく、南カリフォルニア大学のMixed Reality Lab(混成現実研究室)出身なのだ。

これまでのバーチャルリアリティというと、もっぱら静的だった。ユーザは、一か所に座ったままヘッドセットをつけ、まったく新しい世界へとワープされる。

しかしSurviosは、Kinect + Oculus Riftの世界だ。ユーザは、動き回りながら、自分の背中から仮想の矢を取り出したり、トミーガンを掃射したり、ピストルを仮想のサイドポケットから抜いたりする。どれも、実際にユーザの手の動きが伴う。

控えめに言っても、その体験はすごい。自分が確実に、活劇のヒーロー、たとえばMatrixのNeoみたいになったり、あるいは”28 Days Later”の中で目が覚めたりする(言葉で説明するのは無理だから、上のビデオを見てね)。

協同ファウンダのJames IliffNathan Burbaは、Riftと、Sixenseのモーションセンサコントローラ(有線方式)とPlayStation Moveを合わせたものを作って、さらに、射撃場や、ゾンビーの国のFPS(一人称シューティングゲーム)などのゲームも作った。私は、仮想のゾンビーたちに追い詰められたとき、ほんとうに怖くて、これを外して!と彼ら(Jamesら)に叫んでしまった。

“ほんとうは、自分が別の体の中に入って、そいつの手や足を動かしている、と感じる必要があるんだ”、とBurbaは言う。“そうすると、もっとおもしろくなる”。

ヘッドマウントデバイスは、Riftでなく独自のものを作りたい、と考えている。またOculusよりもハードコアのゲームに力を入れたい、とも。OculusはFacebookの買収で、プラットホーム路線になってしまったようだ、と彼らは感じている。でもLuckeyは彼らのアドバイザーだから、二社のあいだには友情とエネルギーが往来している。

プロダクトのローンチの日程は未定だが、2015年になるだろう、という。発売時には、もっとコンパクトですっきりした製品になるはず。今のような、重い電池用バックパックや、提灯鮟鱇(ちょうちんあんこう)のような外見はなくなる。これまで資金は25万ドルを調達したが、そろそろ本格的なベンチャーラウンドが始まるだろう。すでに、タームシートがいっぱい来ているのかもしれないけど。

〔訳注: こんなのもある。〕

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5歳の子がXbox Oneのセキュリティ破りに成功–Microsoftから感謝状

ぼくは5歳のとき、かなり賢い子だったと思う。ほかの子たちは、自分の鼻くそを食べていたが、ぼくは食べなかった。幼稚園で金星をいくつもらったと思う? 全科目だよ。

でも、一つだけ、ぼくがもらえなかったものがある。それは、セキュリティの脆弱性を見つけたことに対するMicrosoftからの感謝状だ。この子は、それをもらった。

Microsoftの本社ではきっと誰かが、がっくり落ち込んだと思うが、5歳の子が、パパのXbox Oneのパスワードなんか知らないのに、ログインに成功したのだ。

どうやって? パスワードを求められたとき彼は、スペースバーをたたきまくった。すると、理由は分からないが、見事にログインできた。この方法は、何度でも使えた。

これは、遅すぎたエイプリルフールか? ではなさそうだ。Kristofferちゃんがスペースキーを1337回たたいたという話は、ロサンゼルスのABC10のニュースで報道された。それによるとMicrosoftは、そのバグに真剣に対応し、バグにパッチを当てたあとで、Kristofferにセキュリティ貢献者のクレジットを与えた。

たしかに、Microsoftの3月のセキュリティ認容リストには、Kristoffer Wilhelm von Hasselの名が載っている。そこに載っている人たちの中で、Twitterのアカウントがないのは彼だけだ。若すぎて、Twitterのアカウントはもらえないのだ。

まあそれは、子どもがバッファオーバフローをやらかしてリモートのコードを実行し、Xboxをトースターにしてしまった、などの本格的なハッキングの話ではない。でも彼は、何かを試してみて、そしてそれがうまくいったのだ。Microsoftが、ユーザはこんなことを絶対にしないだろう、と無意識裡に考えていたことを、彼はやった。彼自身にもそのことが分かるので、ややナーバスになってる。それが、この子のすごいところ。

将来、大学の入学申請書類を書くときには、必ずこのことを書こうな、Kristofferくん。“5歳でMicrosoftからセキュリティ貢献クレジットを授与”、と書けば、どんな大学でも大歓迎だ。

[出典: ABC10News]

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Unreal Engine 4がLinuxとSteamOSをサポート–個人デベロッパに訴求

多くのAAAクラスのゲームで使われているゲームエンジンUnreal Engineの最新バージョンUnreal Engine 4に、今後にとって非常に重要と思われる機能が加わった。それは、Linuxの上で動くゲームを作れること、だ。

数週間前には、Unreal Engineの使用料の大幅値下げが発表されたばかりだ。ライセンスの交渉に数週間を費やし、前金で数十万ドルを払う、という方式はなくなり、デベロッパ一人当たり月額19ドル、プラス売上の5%、という料金体系になった。

そのニュースと今回のLinuxサポートを合わせて、Epicが考えているのは、インディーデベロッパの囲い込みだ。その市場はこれまで、新参のUnityが、がっちりおさえていた。Unreal Engineの過去のリリースは、主に大手のデベロッパ企業が対象だった。しかしゲーム開発のコストが下がり、App StoreやGoogle Play、Steamなどでの自主出版が無理なくできるようになった今日では、インディーデベロッパの重要性がこれまでになく増している。

今回の措置によりUnreal Engine 4がサポートする開発プラットホームはOS X、Windows、iOS、Android、そしてLinuxとなる。

“Linuxなんて、デスクトップOSの2%を占めてるだけだろ?”、とあなたは言うかもしれない。

たしかに。今のところは。

Linuxファンたちの多くはこのところ、“もうすぐビッグになるぞ!”と言い続けている。そう言われる重要な要素の一つが、ValveのSteam Machineだ。

Valveはこれまで、Steamをサポートする、リビングルームのゲーム機としてのPCを作るよう、多くのサードパーティに働きかけてきた。Valve自身は、SteamOSと呼ばれるOSと、標準のコントローラを作っている。

その”SteamOS”は、Linuxがベースだ。Steam Machinesという規格が今後本格的に普及していくのなら、ゲームエンジンのLinuxサポートは必須だ。

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AmazonのFire TVをApple TV, Google Chromecast, Rokuと比較してみた

Amazonが今日(米国時間4/2)、ネット上のストリーミングメディアをテレビ受像機で視聴する装置Fire TV〔ロゴ上ではfireTV〕を発表したが、しかしこの分野は先行選手も多い。今回のAmazonのツールキットをApple TVやGoogleのChromecast、Rokuの一連のストリーミングSTBや最新のHDMIスティックなどと比較すると、どういうことが言えるだろうか?*〔*: Dell Wyseは、この記事では扱われていない。〕

ファーストパーティ(の)コンテンツ

ここではAmazonが断然優勢だ。AmazonのInstant Videoには、メジャーなソースからの豊富なタイトルが揃っている。たとえばFoxのhit 24のストリーミングはAmazonが独占契約だし、またさまざまなオリジナルのビデオやゲームの制作にAmazon自身が資金を出している。音楽は、MP3ストアと、そのユーザのライブラリにアクセスできる。ただしInstant Videoの無料アクセスは、年会費が99ドルに上がったAmazon Primeの会員だけだ。

しかしファーストパーティコンテンツの豊富さでは、iTunesを抱えるApple TVが上だ(音楽、映画、テレビ番組)。そこにはありとあらゆる種類の視聴覚メディアが含まれるし、世界各地の市場をカバーしている。その点では、他社が真似できない優位性がある。ただしiTunesの場合、無料のストリーミングサービスはきわめて限定的で、多くの場合、一つ一つのコンテンツを買わなければならない。だからAmazonの場合と同じぐらいの量・質のコンテンツをiTunesで楽しむとしたら、とても年間99ドルでは足りないだろう。

GoogleにもPlay MusicとPlay Moviesがあり、ストリーミングも提供しているが、コンテンツの豊富さではAppleにかなわないし、しかも提供地域が限られている。また、iTunesの場合と同じく、無制限見放題というサービスはない。

Rokuはファーストパーティコンテンツがほとんどないから、ここでは比較の対象にならない。

サードパーティサービス

これらの製品の今後の死命を握るのは、それぞれ独自のファーストパーティコンテンツではなく、ユーザが世界のどこにいてもアクセスできるようなサードパーティサービスと、その豊富さだ。

このところ各種サードパーティサービスのデベロッパが次々とサポートを提供し始めている*点では、Chromecastがいちばん良い走りをしている。またその先進的なSDKにより、高度な統合化も可能だ。ただしこのデバイスは、スマートフォン、タブレット、デスクトップコンピュータなどの親デバイスを(ユーザサイドで)必要とするから、機能もそれらの機能に制限される面がある。〔*: 3~4月(2日)の新名乗りは、Rdio, Slingbox, Showyou, Photowall, Cards Against Humanity, Plex〕

Apple TVはAirPlayでサードパーティサービスを強力にサポートしている。そのストリーミングプロトコルにより、MacやiOS製品からコンテンツをテレビに送るのだ。Appleはネイティブアプリを次々とApple TVに加えて、サードパーティのコンテンツをこのプラットホームに持ち込もうとしている。そのやり方は、SDKをオープンにする方法より遅いと思われるが、それによってサードパーティサービスの充実が進んでいることも事実だ。Netflixがずっと、その主役的なサービスだったが、今でもまだそうかもしれない。

Rokuは元々サードパーティ専門であり、その大きなChannel Storeに加え、製品に内蔵のサードパーティアプリもある。AmazonのInstant Videoに対抗する主役級のサービスはここでもNetflixだが、自社のライブラリやコンテンツストアに縛られないことは有利だし、サードパーティとの契約でもAppleよりは柔軟性がある(しかしGoogleのChromecast…の今の勢い…には負けるか?)。Rokuはまた、Chromecastなどのようにユーザサイドで親デバイスを必要とせず、単独でテレビに接続でき、独自の提供形式と長年の経験を有していることが、有利だろう。

Amazonは今日の発表プレゼンテーションで、サードパーティに対するオープン性をしきりにリップサービスしていたし、有力サービスのほとんどとすでに契約済みだ。今後パートナーはもっと増えて、きわめてデベロッパフレンドリなプラットホームになりそうでもある。サードパーティ対応では今はRokuがトップだが、AmazonのFire TVが追いつくのも早いだろう。

ゲーム

この種のストリーミングデバイスにとって、ゲームは新しい分野だ。ChromecastもAndroidデバイス上の斬新なゲームをサポートすると言われているが、まだ具体的な情報はない。Rokuではすでに、Angry Birdsなど多くのタイトルをプレイできるが、その多くはあまりパッとしないモバイル向けポートであり、Rokuは本来、ゲーム用のデバイスではない。

Apple TVもゲームをサポートしているが、それはかなり回りくどいやり方だ。サードパーティのデベロッパにAirPlayへのアクセスを提供し、そしてそのデベロッパがiOSデバイスを使用する大画面用のゲームを作るのだ。そのやり方で、おもしろい二画面ゲームなどもできているが、まだゆっくり滑走路を走っている段階で、離陸はしていない。いっそのことAppleがこのプラットホームのネイティブのAPIをゲームデベロッパに公開したら良いのでは、とも思うし、最近はそんな噂もちらほら聞こえてくる。

Amazonは最初から、Fire TVをゲーム機としてもみなしている。OSはベースがAndroidだからゲームの移植は簡単、コントローラは40ドルで別売だが、いずれスマートフォンやタブレットからでもゲームをコントロールできるようになる。Amazonはすでに独自のゲーム開発スタジオを開設し、小規模なインディーデベロッパからビッグな大衆路線のスタジオまで、多様なデベロッパとパートナーしている。同社は、Fire TVのゲームのおもしろさは、実際にプレイしてみれば分かる、と言っているが、なにしろ今日の発表を見るかぎり、ゲームが製品の構想中に最初からあったことは、絶対に確実だ。

サイズと消費電力

消費電力という点では、USBポートを使うChromecastが断然有利だし、Rokuのストリーミングスティックもその点は同じだ。

Apple TVとRokuのSTBはふつうの電源コードを使うし、テレビへの接続でもスペースを取られる。なお、Apple TVにはEthernetポートがあり、オーディオの光出力もある。

AmazonのSTBもまさにSTBで、ドングルではないが、とても小型だ。そしてEthernet、USB、HDMI、光オーディオをサポートしている。リモコンがあり、8GBのストレージもある。これだけの機能があれば、ドングルではないことは不利とは言えない。

セットアップと使いやすさ

これらのデバイスはほとんどどれも、プラグアンドプレイだ。専用アプリを使ってセットアップするChromecastが、セットアップの容易さではトップかもしれない。ただしそれでも、WiFiへの接続とかアプリのダウンロードという手間はある。Apple TVでは、あまり有能ではないリモコンを使って、仮想キーボード上で大量のタイピングをしなければならない。

Amazonはほぼ完全なプラグアンドプレイで、わずか3ステップでセットアップは終わる。小さなコンテンツなら、ロード時間を待たなくてもすぐに再生が始まる。これも重要な利点だ。

価格

Apple TVは99ドル、Rokuは50~100ドル。GoogleのChromecastは35ドルだが、上述のように親機を必要とする。Amazon Fire TVの99ドルはGoogleの35ドルに比べると高いが、しかし中身が濃い。Amazonは、同価格のRoku 3やApple TVに、消費者の心の中で勝つことを最初からの目標にしたと思われる。今日のプレゼンテーションでは、UIの充実/多機能や、オリジナルコンテンツとゲームが最初から豊富にあることを、重要な差別化要因として挙げていた。それらが本当に、消費者が他製品を排してFire TVに飛びつく理由になるか、市場でその結果を見たいね。

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Amazon、メディア・ストリーミング・サービス、Fire TVを発表―セットトップ・ボックスは99ドル

Amazonが長く噂に上っていたメディア・ストリーミング・ハードウェア、Amazon Fire TVをついに公式に発表した。 Amazonはライバルたちがこの分野で行ってきたことを長らく観察して十分に学習してきた。満を持して発表したFire TVはシンプルな操作性や強力な機能などいろいろな面でライバルに対して差別化を図っていることが見てとれる。

シンプルで強力

Amazonがまず狙ったのはシンプルさだ。Amazon Fire TVは居間のテレビに接続する小さな黒い箱で、クオドコアCPUとAndroidベースの独自OSを採用している。2GBのRAMはライバルの2倍から4倍の容量がある。デュアルバンドのWi-Fiは高速なネットワーク接続を約束する。厚みは10セント硬貨(1.8cm)よりやや薄く、UIはPlexに多少似ている。

専用リモコンは7つのボタンとクリックホイールが設けられている。Playボタンを押すと待ち時間なしに即座に再生が始まる。メインのホームスクリーンにはカテゴリー、再生リスト、アクセス、ユーザーのビデオライブラリー、映画、テレビ番組、アプリ、写真、設定がタイル状に配置される。即時再生はライバルとの大きな差別化要素だ。これまでのメディア・ストリーミングではどれも多少のバッファリングが必要だった。

コンテンツ

Fire TVのプラットフォームはHTMLとAndroidベースのカスタムOSだ。Amazonによればデベロッパーがウェブアプリ、Google Playのアプリを移植するのは簡単だという。またAmazon Studiosからの独自コンテンツが提供されるのもFireのセールスポイントだ。

Amazonにとってメディア・ストリーミング事業の重要性は大きくなっている。Amazon Instant Videoサービスを開始してNetflixやHuluに挑戦しているだけではなく、AmazonStudiosでオリジナルのコンテンツ製作にも乗り出している。どちらの場合でも最終的に覇権を打ち立てるためにはセット・トップ・ボックスを通じて消費者の居間のテレビを支配することがカギとなってくる。

ライバル

AmazonはFireの発表に当ってライバルに対する優位性を強く主張した。曰く、Rokuの検索機能は貧弱、Apple TVのリモコンはテキスト入力が面倒、またどのサービスもストリーミング開始までバッファリングのための待ち時間がある、等々。またライバルのプラットフォームはそれぞれが閉鎖的エコシステムで、これも消費者にとって不利益となっているとAmazonは指摘した。たとえばAppleはInstant VideoをApple TVから排除している。Netflixの月額料金の他に、Microsoftは接続料金として年に60ドルを要求している。

パートナー、検索

Fire TVのローンチにあたってNetflixがパートナーとなったことも発表された。HBO GO、SHO Anytime、Pandora、Hulu、ESPNなどもすぐに後に続くという。コンテンツの検索やオプションの選択はテキストやクリックだけでなく、音声入力でも行える。確実な音声認識ができるようリモコンにはマイクが内蔵されている。Amazonは「一部のサービスと違ってわれわれの音声認識は実際に作動する」と述べたが、これは暗にMicrosoftなどのサービスを指したのだろう。検索はジャンル、タイトル、出演者、キーワード、コンテンツのソースなどをサポートする。

アプリと機能

コンテンツのストリーミング機能に加えて、Fire TVには写真アプリがインストールされている。このアプリはAmazon CloudDriveを通じてユーザーのスマートフォンの写真をシームレスにFire TVに取り込む。アップロードはバックグラウンドで自動的に行われ、Fire TVで即座に表示が可能だ。これはフォトストリームをiOSデバイスからApple TVに表示させるより手間が少ない.

X-rayというのはKindleの補助ツールだという。視聴している映画や番組のリリース日付、出演者、監督、脚本その他関連するメタ情報をFireTVと同期設定したKindle Fireタブレットに表示させることができる。 つまりKindle FireがFire TVのネーティブなセカンドスクリーンになるわけだ。来月にはX-rayは音楽にも拡張され、歌詞の表示をサポートするという。

なお音楽コンテンツはPandora、iHeartRadio、TuneInなどのパートナーに加えてAmazon自身の音楽サービスが提供する。またFree Timeという子供向けの機能が用意され、コンテンツが子供向けに確実にフィルターされる他、「恐竜」など子供に人気のあるカテゴリーが用意される。Free Time UnlimitedはNickelodeon子供向け番組が月額料金で見放題となるのオプションだ。

ゲーム

AmazonはGaming on Fire TVでゲーム専用機メーカーに挑戦しようとしている。Amazonは専用機ゲームを「価格が高すぎる」と批判し、Apple TVに対しては名指して「消費者は満足していない」と述べた。AmazonはEA、Disney、Gameloftその他のゲーム・ソフトの大手をパートナーとして新しいゲーミング環境を提供していくとしている。UbisoftとTake-Twoも提携パートナーに加わっている。

Amazonは「来月には数千のゲームタイトルが公開される」と約束した。ゲームの操作はFire TVのリモコン、専用アプリをインストールしたスマートフォン、タブレットの他に、Amazon独自のゲーム・コントローラーが利用できる。価格は40ドル。AmazonはFireTVでMinecraftをデモした。

Amazon Fire TVは今日(米国時間4/2)からアメリカ市場に99ドルで出荷される。購入者にはNetflixとAmazon Primeの30日間の無料トライアルがついてくる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


キャラクターが全員小さな正方形の「ゼルダの伝説」…けっこう楽しめる

これを、一人でやるのは危険だ! 解体されて、各部のコンセプトだけにされてしまったゼルダの伝説だ! あなたはもちろん主人公のリンクだが、それはグリーンの矩形。これからやっつけに行くボスキャラのギャノンは、たぶん黒いブロックだ。そのほかのモンスター、オクトロクもモブリンも全員いる。彼らは、ブリンクする色で表されている。

Ben Purdyが、あるハッカソンで作った作品だが、キャラクターが全員矩形で表されるアクションゲームとしては、久しぶりに、とってもおもしろい。十分、遊べる。

まだ完成作ではない。細かいあら探しをしたら、きりがないだろう。でも、こんなものを作ってくれたPurdyはエラい。彼はこう言っている:

みんなが大好きだった、血沸き肉踊るアドベンチャーゲームを、16×16ピクセルだけで作ってみた。あのすばらしいゲームを、こんなちっちゃなビューポートに収められるだろうか?

トライフォースの8つの破片を、殺されずに集められるだろうか?

ありえないほど、暖かくて良いお天気だったので、庭仕事をしながら、その休憩時間にこのプログラムを書いたんだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


VRヘッドセット: Oculus RiftよりもSonyが有利

仮想現実(virtual reality, VR)はOculusの発明品ではないが、このところ同社のおかげで関心が回復してきたようだ。

しかし今週(3/16-22)は、新しい仲間が増えた。SonyがVRへの参入を決めたのだ。そこでぼくはここで、VRに関してはSonyはOculusなどよりも断然有利だ、というお話をしてみたい。〔訳注: この記事が書かれた先週末は、FacebookによるOculus買収が発表される前。〕

その前にひと言。SonyとOculusのVR戦争という視野では、明らかに弱小勢力であるOculusの味方をしたくなる。Oculusは、これまでみんながジョークかSFマニアの白昼夢とみなしていたものを真っ先に商品化し、業界大物たちを味方につけることに成功した。でもぼくのようなファンでさえ、その欠点を見て見ぬふりすることはできない。

今、Oculusの周辺にはいろんなことが起きている。彼らのおかげでゲーム業界のVRへの関心が復活し、ここ1年あまり、どこへ行ってもOculusが話題になっていた。彼らの登場はどこよりも早く、たちまち大きな話題になり、一部のビッグネームたちを味方につけた。数万人ものデベロッパに、同社のプロトタイプのヘッドセットをいじくらせることにも成功した。それは、Sonyの競合製品には、真似できないことだろう。今後もPS4オンリーで行く気なら、なおさらだ。だから少なくとも現状では、“仮想現実”といえば誰もが”Oculus”を思い浮かべる。そしてそうであるかぎり、Oculusがつねに話の基準だ。

でも同社には、大きな弱点がある。ヘッドセットは、このハードウェアを構成する式の左辺もしくは右辺でしかない。

つまり、仮想現実というものは、ゲームのキャラクタをコントロールしたり、何らかのインタフェイスをナビゲートするだけがすべてではない。本誌も言ってきたし、ほかの人たちも言ってきたし、OculusのファウンダのPalmer Luckeyさえも言っていたように、入力がVRの乗り越えなければならない最大のハードルなのだ。

キーボードとマウスでいける? ぼくは、靴紐を自分で結べないのでマジックテープでとめる靴を与えられていたころから、キーボードを見なくてもタイプできたし、今や毎日一日中キーを叩いているが、そんなぼくでも、ヘッドセットをつけると相対空間の感覚が失われるので、正しいキーを見つけるのにすごく苦労する。そのおかげで、ヘッドセットから得られるはずの没入感が台無しになってしまう。

ジェスチャーセンサはどうだろう? 将来はそれでいけるかもしれないが、今あるKinectなどは、いらいらがつのるだけの粗悪品だから、とうてい常用する気にはなれない。

ルームランナー方式のこいつなんか、どうかな? うーん、ご幸運を祈る、としか言えないな。

残るのは、コントローラだ。

Oculus Riftには、専用の標準コントローラがないし、あったとしても、コントローラはものすごく多様化するだろう。ValveのSteamコントローラ、SixenseのSTEM、RazerのHydra、なつかしいGravisのゲームパッド。ユーザはいろんなものを使わされることになる。

またこのことは同時に、Oculus Riftのアプリケーションを考えるデベロッパにとっても難問になる。いっそアプリケーションごとに、それに合ったコントローラを提供すべきなのか?

コントローラが多様なら、アプリケーションのコードも多様になり、デベロッパの生産性を苦しめる。毎日、一日中、コントローラのコーディングの囚人になっていたりして。

ゲーマーも、ゲームが変わればコントローラも変わる。ゲームがすべて、そのゲーム専用のコントローラつきのゲームになったら、お値段的にもたいへんだ。いわゆるアーリーアドプターの人たちはそれでも平気かもしれないが、ふつうの人は、350ドルのアクセサリを買うとき、次もまたこんな高いアクセサリを買う必要がある、なんて思いたくないね。

SonyのVRヘッドセットでは、コントローラはたった一種類、Sony自身のMoveコントローラだけだ。あの、昔からある、おまぬけな魔法の杖みたいなやつ? でも、なんと、みんなにバカにされてきたあいつも、仮想現実の時代には息を吹き返す。VRの入力装置としては、あれに勝るものは見当たらない。すごく、良い。デベロッパは、ゲームのタイプによっては、ゲーム機本体のデュアルショックコントローラを使ってもよいが、本格的な没入感をプレーヤーに与えるためには、Moveで決まりだ。

銃にも剣にもなるし、二つで弓と矢にもなる。トリガ使って、手を開く/握る(物を持つ)をシミュレートできる。Sonyによると、同社がVRに取り組み始めたのと、Moveの開発開始時期は同じだそうだ。だから、話は合う。今度のヘッドセットには、Moveコントローラが少なくとも一つはつくだろう。

視界がどーのこーのと比較論をいくら言っても、実際に売れるのは、プラグアンドプレイですぐに遊べる完成品だけだ。Oculusが最初から正規の専用コントローラを提供しなければ、Sonyのおかげで突如Oculus Riftは未完成な製品に見えてしまうのだ。

Oculusも、きっと何かを考えているはずだ。まだ社外秘かもしれないし、デベロッパにも予告してないだろう。あるいは、ベストソリューションの決定過程という下駄を、市場とデベロッパとプレーヤーに預ける気かもしれない。専用の標準コントローラは、その結果に基づいて作られるのだろう。

しかし、どうなるにせよ、これから動乱の数年間が始まる。それは、消費者を含めて全員を巻き込む、どたばたの動乱だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))