転機を迎えつつあるハードウェアスタートアップへの投資

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【編集部注】執筆者のChris Quinteroは、Boltでアソシエイトを務めている。同社はシードステージの企業を支援するファンドで、資本のほかにも、スタッフやプロトタイピング施設、専門知識などを、ハードウェアとソフトウェアどちらの開発も行っているスタートアップに対して提供している。

私たちは、まだハードウェアルネサンスの初期段階にいる。開発コストの低下や、製品を市場に届けるまでの期間の短縮、また、ハードウェアビジネスの性質が、コモディティ化した家電製品から定期収益型のソフトウェアサービスへと移行したことなどを背景に、VCはハードウェアスタートアップへの投資を加速させてきた。

昨年TechCrunchでは、ハードウェアスタートアップへの投資資金の爆発的な増加に関する記事を公開し、投資額が4年前と比べて30倍以上になっていることがわかった。その後何が起きているのだろうか?ハードウェア業界は、盛り上がりに見合った成長を遂げているのだろうか?以下が私たちの調査結果だ。

増加を続ける投資額

全体で見たときには、VCによる投資額の伸びが鈍化している一方、ハードウェア企業は引き続き資金調達に成功している。2016年の上半期には、120もの案件に17億ドルの資金が投入されており、この数字は過去10年間のどの期間と比べても1番多い。しかし、投資額が伸びている一方で、案件数は横ばいとなっている(2015年上半期:123件、2016年上半期:120件)。これらの数字から、ハードウェア業界が成熟しつつあり、投資家は初回投資に自信を持ち、どの企業がうまく事業を運営しているかを消費者が理解していく中で、同業界は踊り場に差し掛かろうとしていると考えられる。

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2016年7月1日時点のデータ。公に発表されている100万ドル以上のラウンドのみを記録。Xiaomi、 Magic Leap、Jawboneのような異常値は含まれていない。出典:Bolt、Crunchbase

つまずくGoProとFitbit

昨年のハードウェア業界の寵児であるGoProFitbitは、成長を維持するのに苦労しており、現在の両社の時価総額は、ピーク時の約4分の1にまで落ち込んだ。興味深いことに、この2社が苦労している理由は、競合の登場による製品のコモディティ化ではなく、それぞれの市場が飽和状態にあることなのだ。既にGoProやFitbitを持っていれば、最新の良いモデルを購入するインセンティブが働きづらくなる。両社が、来年新たな製品ラインで成功を掴むことができるか見るのが楽しみだ。

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GoProの時価総額推移

引き続き控えめな企業買収とIPO

昨年は、SquareMisfitWithingsWhistleJaybirdなどを含む、たくさんの企業がイグジットに成功した。2014年に比べると、数十億ドルの規模に達するサクセスストーリーの数は少ないものの、この分野でイグジットしている企業がいるというのは喜ばしいことだ。

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出典:Bolt

サンフランシスコが依然ハードウェア企業への投資を支配

ボストンとニューヨークのコミュニティが大きな成長を遂げた一方で、両都市の数字を合わせても、サンフランシスコの半分程にしかならない。ベイエリアの(100万ドル以上の資金調達を公に行った)ハードウェアスタートアップの数は、私の計算だと現時点で161社で、昨年の110社から増加している。ニューヨークは、調達総額と資金調達に成功したハードウェアスタートアップの数どちらに関しても、最近ボストンを追い抜いた。

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100万ドル以上を調達した企業の分布。出典:Bolt、Crunchbase

ハードウェアに特化したベンチャーファンドの増加

昨年、Eclipseは、初となる1億2500万ドルのファンドを組成し、すでに新たなファンドの設立に向けて動いていると言われている。パリに拠点をおくHardware Clubも、自社ファンドの募集を終えようとしている。しかし、どのVCがハードウェアの分野で1番良い成績をおさめているか、というのを判断するにはまだ早い。これまでで最大のイグジットを行った企業(Fitbit、Square、Nest)は全て、ハードウェア業界への投資が盛り上がり出した2011年以前に設立された。誤解しないでほしいのが、VCは既に多額のリターンを受け取っている(SoftTechTrueはFitbitから、KleinerShastaはNestから、KhoslaはSquareから)ものの、VCからの投資を受けたハードウェアスタートアップのほとんどが、設立からまだ2〜4年しか経っていないのだ。

過去数年間がハードウェアスタートアップへの期待の時代だったとすれば、今後数年間は、彼らの実行力の時代になるだろう。

VCによるハードウェアスタートアップへの投資件数の増加は、必ずしも彼らがこの分野に注力していることを意味しているわけではない。例えば、a16zLux Capitalと比較して、これまでに50%も多くのハードウェア関連の投資案件に参加してきた。しかし、a16zのポートフォリオの中で、私たちが”ハードウェア”と分類するものの割合は8%以下しかない一方、Lux Capitalのポートフォリオにおけるハードウェア企業の割合は25%以上だった。

考察

ハードウェア業界への投資は、過去1年半の間に盛り上がってきたが、市場が成熟するにつれて投資額の伸びは踊り場に達しようとしている。そして、2013年、2014年に市場を騒がせた製品の数々が、ようやく出荷されはじめたところだ。大半の企業に関してはまだ判断が難しいものの、突出した勝ち組(Eero)と負け組(Skully)も現れはじめた。

過去数年間がハードウェアスタートアップへの期待の時代だったとすれば、今後数年間は、彼らの実行力の時代になるだろう。新たなファンドやアクセラレーターが次々と誕生する中、アーリーステージのハードウェア企業が資金調達を行うのは、これまでにないほど簡単になっているかもしれないが、スケールのためのその後の資金調達段階はデスバレーのままだ。

ハードウェアの定義は人によってそれぞれだが、この記事内の”ハードウェア企業”とは、インターネットに接続されたデバイスのハード・ソフトウェアの開発を行っているスタートアップを指している。ロボットやウェアラブルデバイス、IoTデバイスなどを開発する企業が、このカテゴリーに含まれる一方で、ほとんどの消費財企業は含まれていない。Casper、Warby Parker、Bonobosといった消費財企業は、ハードウェア企業と言うよりも、流通面にイノベーションをもたらすECブランドと考えている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

IBMがNvidiaの最先端GPUとインターコネクト規格を使った高速高性能サーバー機を披露

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IBMが今日、IBM Power Systems S822LC for High Performance Computingという、たいへん分かりやすい名前のハードウェアシステムを発表した。ごてごてした名前だけど、実際には、とてもおもしろい製品なのだ。Nvidiaと共作したこの新しいシステムは、人工知能や機械学習、高度なデータ分析などのユースケースが主なターゲットだ。

この新しいサーバーマシンは、IBMのPOWER8 CPUを2つ、NvidiaのTesla P100 GPUアクセラレータを4つ使っている。でも、そういう種類のソフトウェアを高速に動かす力の源泉は、CPUやGPUだけではない。IBMはNvidiaのハイスピードインターコネクト(プロセッサー間通信技術)NVLinkを使って、CPUとGPUが従来の(デスクトップコンピューターが使っている)PCIeバスより大幅に高速に通信できるようにしている。IBMのPower8 CPU は、NVLinkのインタフェイスを内蔵している。

IBMの発表声明はこう言っている: “データベースアプリケーションや高性能な分析アプリケーション、コンピューティングアプリケーションなどを、PCI-Eインタフェイス上でGPUを使うx86システムで可能なものよりもずっと大きな、データ集合に対して運用できる”。

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このシステムに、どれだけの性能を期待できるのか? IBMによると、21テラフロップの半精度浮動小数点演算性能がGPUから得られる。これは現代のPCI-Eスロットに挿入したカードから得られる性能よりも約14%高い。機械学習では訓練にかなりの時間を要するから、実際のアプリケーションでは14%の累積効果はきわめて大きい。IBMによると、古いTesla K80 GPUとPCI-Eインターコネクトを使った場合に比べると、2倍以上のスピードが得られたそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Intelの第七世代Coreプロセッサー‘Kaby Lake’シリーズは4K、VR、ノート/タブレット兼用機などに朗報

Navin Shenoy holds a 7th Gen Intel® Core™ processor

Intelのプロセッサーが、公式に最新世代になった。その第七世代のCoreプロセッサー(下図)は、強力なパンチを秘めているようだ。このいわゆる“Kaby Lake”系列は、Intelがプロセッサーの開発に採用したチクタク方式の次の鼓動に乗る最初の製品となる。製造プロセスは前(2015年)のSkylakeと同じ14nmだが、電力効率とスピードの向上、4Kのビデオやゲームへの対応など、重要な新機軸も多い。

Kaby Lakeはまた、USB-CやThunderbolt 3、先の細いスタイラスなど、強力な新しいI/Oオプションをサポートしており、これらはMacハードウェアで噂されるディスプレイ等のアップデートや、Windows 10のAnniversary Update(1周年記念アップデート)で導入されるシステムレベルでのeインクのサポートの下地となるものだ。あれやこれやでKaby Lakeは、ウルトラポータブル機(ultraportables)や、ツーインワン(2-in-1s)、タブレット/ノートブックのハイブリッド的切り替え機〜兼用機など、最近のPCメーカーと消費者の多くが関心を持ち始めた機種に、よくフィットしている。

7th Gen Intel Core family

この新しいプロセッサーは、4Kビデオにおけるバックハンド再生のパフォーマンスが大幅に改良されたことを誇っている。これによりこのスタンダードが今後、テレビやモニタなどの再生デバイスでもっと一般的にサポートされることになりそうだから、これは良いニュースだ。これらの第七世代Coreプロセッサーでは、VRのサポートも大幅に向上するだろう。

ところでKaby Lakeプロセッサーの載ったコンピューターを店頭で買えるようになるのは、いつごろだろう? IntelはSlashgearに対して、長くは待たせない、と言っている。すでにチップの大量生産は始まっていて、9月にはPCメーカーへの納品が始まる。彼らは今年の第四四半期(10-12月)に“数百台ぐらい”を出荷するだろう、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

建設現場の健康環境をモニタするSmartSiteのハードウェアは一般市販のセンサーを使って低価格を実現

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Y Combinator出身のSmartSiteが、建設労働者の労働環境をモニタするハードウェアとクラウド上のソフトウェアのペアをリリースした。

癌や呼吸器障害、皮膚炎などは肌や粘膜が危険物質に触れることで起こり、また過度な騒音や振動も健康被害をもたらす。これらの劣悪な環境にさらされることは、とくに建設労働者において多い。

アメリカ労働省のデータによると、建設労働者の労災死は最近増加傾向にあり、2014年には874名を数えた。

そこでSmartSiteのシステムは、ノイズのレベルと、空気中の微粒子、および紫外線をモニタする。

協同ファウンダーのMichael AndreaとJames Batstoneによると、SmartSiteのモニタリングハードウェアは一般市販のセンサーを使っており、それらは、マイクロフォン、レーザーによる微粒子カウンター、そしてUVセンサーだ。

SmartSite's system monitors particulates, UV rays and more on construction sites.

SmartSiteのシステムは建設現場の微粒子と紫外線などをモニタする。

一方彼らのソフトウェアは、完全に独自製品だ。それにより建設チームは、現場の安全な場所と危険な場所を見分けることができる。

AndreaとBatstoneが建設労働者の健康と安全に関心を持ったのは、彼らがロンドンのRoyal College of Art(王立芸術大学院)のプロジェクトでプロダクトデザイナーおよびスマートシティの研究者として仕事をしていたときだ。

そのとき知ったのは、建設企業は大も小も、環境の有害無害を、各現場の過去の情報や経験に基づいて評価していることだった。

ときどきは正確な測定を行うが、そのための装備は高価であり、また測定には長時間を要した。

SmartSiteのねらいは、建設現場を毎日正確にモニタすることだ。しかも、現場作業の邪魔をすることなく。またそのための器具等は、持ち運びや設置が極力簡単でなければならない。いろいろ、複数のものを持ち込む方式は、もってのほかである。

Andreaは語る、“結局、どの企業も労働者のために正しいことをしたいと思ってはいるけど、しかし実際に疾病等を見つけて誠実に対応していたら時間と費用を要し、訴訟に持ち込まれることもある。だから、積極的なモニタリングを、さぼりがちになる”。

今某社とパイロット事業を進めているが、その社名は明かせないそうだ。

SmartSiteはY Combinatorの今の学期の‘生徒’で、すでにこのアクセラレータから若干の資金をもらっている。そのほかの資金調達計画や、過去の調達額に関しては、ノーコメント、だそうである。

画像提供: SmartSite Inc.

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Analogue Nt miniはファミコンの歴史に対する心からのオマージュだ

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Analogue Nt miniは、NESではない*。よりも、良い。Christopher Taberが作ったこいつは、これだけで立派なアートだ。ケースはアルミニウム剛体の削りだし加工〔鋳造?〕で作られていて、内部にはいっさいの妥協のないゲーム体験が詰まっている。これまで、エミュレーションソフトで我慢してたのとは、大違いだ。〔NES, Nintendo Entertainment System, 初代ファミコン。〕

彼が最初に作ったNTよりは、Nt miniはやや小さい。NTは今年の初めに売り切れてしまったが、大きくてお値段も579ドルと高かった。Nt miniは449ドルだから決してお安くはないが、ビデオ出力が改良され、アドオンがなくても1080pのRGBを出力できる(+HDMI)。コントローラーは、下図でお分かりのようにワイヤレスだ。しかもコントローラーの受信部は、PS4, PS3, Wii, Wii U Proなどのコントローラーも読める。

  1. wireless.jpg

  2. duckhunt.jpg

  3. oldschooltv.jpg

  4. jackal.jpg

  5. craftsmanship.jpg

  6. nt-mini-nes-1.jpg

  7. nt-mini-nes-2.jpg

Analogue Nt miniは2017年1月が発売予定で、初代のNTより20%小さい。コントローラーのデザインは初代ファミコンとまったく同じで、NES Zapper(ファミコン光線銃)もつく。ファミコンおよびファミリーコンピュータディスクシステムのゲームをそのままプレイできる。

任天堂のNES Classic Editionは59ドル99セントとお安く、しかもゲームが30本ついてくる。でもそれは、このAnalogueの力作と比べると、 Bugatti(ブガッティ)の横に置いたHonda Civicだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Analogue Nt miniはファミコンの歴史に対する心からのオマージュだ

battletoads

Analogue Nt miniは、NESではない*。よりも、良い。Christopher Taberが作ったこいつは、これだけで立派なアートだ。ケースはアルミニウム剛体の削りだし加工〔鋳造?〕で作られていて、内部にはいっさいの妥協のないゲーム体験が詰まっている。これまで、エミュレーションソフトで我慢してたのとは、大違いだ。〔NES, Nintendo Entertainment System, 初代ファミコン。〕

彼が最初に作ったNTよりは、Nt miniはやや小さい。NTは今年の初めに売り切れてしまったが、大きくてお値段も579ドルと高かった。Nt miniは449ドルだから決してお安くはないが、ビデオ出力が改良され、アドオンがなくても1080pのRGBを出力できる(+HDMI)。コントローラーは、下図でお分かりのようにワイヤレスだ。しかもコントローラーの受信部は、PS4, PS3, Wii, Wii U Proなどのコントローラーも読める。

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Analogue Nt miniは2017年1月が発売予定で、初代のNTより20%小さい。コントローラーのデザインは初代ファミコンとまったく同じで、NES Zapper(ファミコン光線銃)もつく。ファミコンおよびファミリーコンピュータディスクシステムのゲームをそのままプレイできる。

任天堂のNES Classic Editionは59ドル99セントとお安く、しかもゲームが30本ついてくる。でもそれは、このAnalogueの力作と比べると、 Bugatti(ブガッティ)の横に置いたHonda Civicだ。

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コンピュータービジョン機能を搭載した多機能ボード、IntelのJouleは各種リアルタイム機器の可能性を広げる

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Intelがメイカーたちのために作ったボードJouleは、メイカーが強力なコンピュータービジョン製品を作るためのプラットホームを提供する。今日(米国時間8/16)行われたIntelの今年のデベロッパーカンファレンスでIntelのCEO Brian Krzanichは、“プロトタイプから実寸大のロボットや、マシンビジョン、ドローンなどの製品へシームレスに移行できる”、と説明した。

ひとつの例として、PivotHeadはこのボードを使って、超小型で高性能なシステムモジュールを作っている。そこには、同じくIntelの奥行き追跡カメラシステムRealSenseも載っている。

PivotHeadはJouleを主役とするシステムモジュールを利用して、工場労働者等のための安全眼鏡を作っている。それには高度なコンピュータービジョン能力があり、仕事中のリアルタイムにフィードバックを返すことができる。画像の分析と処理はすべてJouleの上で行われるので、別のモジュール等は不要だ。またWi-Fiやセルラーなどによるクラウド等への接続性も要らない。

このように、PivotHeadの考え方は、労働者が今使っている眼鏡に代えて今すぐ使える、というコンセプトにある。そして航空機などの電圧チェックも、リアルタイムでできる。Intelは、その作業の様子を今日のデモで見せた。

すなわち安全眼鏡をPivotHeadの製品に代えても、ユーザー(現場労働者)には新たな作業が発生しないし、仕事のやり方を変える必要もない。昨日までと同じく、ふつうに仕事を続けるだけだ。そして眼鏡自身が、そのコンピュータービジョンの能力で電圧のミスマッチをモニタでき、不整合があればただちに音声で警報するから、対策もすぐにとれる。これまで、航空機の電圧チェックという作業は、面倒な手作業が多くて時間がかかる仕事だった。

システムがリアルタイムで追跡し、全領域をカバーするから見逃しがない。現場作業員は、警報が鳴るまではほかの作業に専念できる。

以上はユースケースのごく一例にすぎないが、Krzanichによれば、“Jouleはオンボードコンピューティングと大量のメモリと人間的な感知能力を提供する”。試してみたいと思った読者には、オンラインで今日注文すると今日発送される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Linux上の高級言語プログラミングでハードウェアプロジェクトを作れる超小型コンピューターボードOnion Omega2

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5ドルで買えるコンピューターで、スリッパを持ってきてくれたり、マッサージチェアを動かしてくれたり、毎日の晩酌のバーボンをグラスに注(つ)いでくれるロボットを作れないかな? 

Onion Omega2なら、それ以上のこともできるよ。

これはArduino互換のボードだが、ネイティブでLinuxも動く。そしてデスクトップ的なWebインタフェイスから、コマンドラインができたり、システムにアクセスできる。Wi-Fiをサポートしているし、拡張すればセルラー(携帯キャリア)やBluebooth、GPSにも接続する。

協同ファウンダーのBoken Linはこう説明する: “Omega2は、ハードウェアプロジェクトのためのLinuxコンピューターだ。いろんなことができる。まず第一に、デベロッパーは高級言語と使い慣れた開発ツールを使ってハードウェアの開発ができる。ドラッグ&ドロップで、技術系でない人でもプログラムを作れる。モジュール方式なので、拡張は単純にモジュールの追加でできる。だから電子回路の設計ができない人でも、複雑なハードウェアを作れる”。

コロンバスで本誌主催のミートアップをやったとき、このおちびなボードを知り、感銘を受けた。こんなちっちゃなコンピューターなのにコマンドラインができるってクールだし、拡張機能等が完全にモジュール方式で組み込めるのもすごい。コンピューターとプログラミングに関する基礎的な知識は必要だが、とにかく電子回路の設計ににびびらなくても、誰でも気軽にハードウェアに取り組めるのが良い。楽しい、おもしろい、と思う。

今Kickstarterで買う(出資する)と1台5ドル、出荷は11月からだ。Linが最初のOnion Omegaを作ったのは、2015年だ。でも今度のは、もっとスタンドアロンで速い。5ドルのやつはRAMが32MB、ストレージが16MB; 9ドルの”Plus”タイプはRAM 128MB、ストレージ32MBだ。電源やストレージに接続するためのドックは15ドル。なんと、OLEDのディスプレイもあるから、この小さなシステムの、何でも視覚化できるね。

言語はPythonとPHPとNodeJSを使える。プログラミングの初心者でも、お隣の仲良しのワンちゃんの真似をするロボットぐらい、すぐに作れるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Living Computer Museum、Xerox Altoをレストアし、新しく忠実なエミュレーターも公開

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パーソナルコンピューティングの歴史に興味をお持ちなら、Xerox Altoについて聞いたことがあるはずだ。しかし実機をみたり触ったりしたことはおありだろうか。あのポール・アレンですら「しばらく触っていないな」と考えたようなのだ。そこで彼は2台のAltoをレストアすることにした。レストアして、シアトルのLiving Computer Museumに展示しようと考えたのだ。

私のところからはすぐそこなのだが(と、ちょっと羨ましがらせてみたくなっただけだ)、遠くの方も絶望する必要はない。アレンたちは非常に忠実なエミュレーターの開発も行ったのだ。自宅にいながら、XeroxのもたらしたUI革命を体感してみることができるのだ。

ちなみにこのLiving Computer Museumを作ったのもアレンだ。ここではレストアした実機を展示しようとする前から、Altoの簡単な歴史や、その後のパーソナルコンピューティングに与えた影響について記した文章も掲示してきている(ここに転載するにはちょっと長い)。

xerox alto 1文書には「真のブレイクスルーについて学ぶことも、そして実際に触ってみることもともに有益なことだ」と記されている。

Altoはイーサネット(これもAlto関連の技術といえる)で繋いで通信を行うようになっている。今回のレストアでは、通信機能も実働するようにしている。さらにはAlto同士を繋ぐだけでなく、3メガビットのイーサネットブリッジも開発し、現在のPCなどとも通信できるように行ったそうだ。もちろん現在の機器が遠い昔の言葉を理解してやることが必要にはなる。

ちなみにY CombinatorでもAltoのレストアに取り組んでおり、詳細なドキュメントを公開している。興味のある方は(読者の中で興味のない人などいないかもしれないが)、day 1day 2day 3およびday 4などに文書が公開されている。まだ続きが公開される予定となっている。

このY Combinator側の作業もLiving Computer Museumとの協働が考えられていて、インターネットを介してAltoと通信するようなことも可能になるのかもしれない。異なる大陸間でMazeWarを楽しんだりすることができるようになるかもしれない。そんなことにAltoを使うのはまったく新しいことだが、しかし1970年代のうちから、Xeroxの技術者たちはそうした使い方を夢に描いていたはずなのだ。

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Lenna(左)とピンボール(右)。

Living Computer MuseumのエミュレーターはContrAltoという名前だ。アレンによれば「マイクロコードレベルでAltoをシミュレートする」ものだそうだ。「オリジナルに忠実な再現性能を持つ」とのこと。

なおAltoのエミュレーターにはSaltoというものもある。ただしこちらは制作者もいうように「バグが多い」状態のものだ。エミュレーション範囲も完全というわけではない。ContrAltoの方は、ゲームやプログラムをロードして少し使ってみたところではかなりの性能をもつようだ。いくつかのプログラムではクラッシュすることもあったが、それはこちらの操作に問題があったのかもしれない。Brvoで初期のWYSIWYGを試してみたり、Breakoutを楽しむこともできる。OSを起動してディスクを読み取り、そして「?」コマンドで実行可能ファイルのリストを取得する。

Living Computer Museumお近くの方はぜひ訪ねてみることをおすすめする。Altoの他にも、コンピューターの歴史を堪能できる(そして実際に動作する)さまざまなデバイスが展示されている。SoDo地区にあり、第一木曜日に無料で観覧するkとができる。

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(翻訳:Maeda, H

LeEco、米TVメーカーVizioを20億ドルで買収へ

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もし、LeEcoという名に聞き覚えがなかったとしても恥じることはない。つい最近までLeTVという名前だったこの企業は、それほど有名というわけではないからだ。しかし、同社の地元である中国では、多分野で活躍する精力的な企業として知られている。大規模なビデオストリーミングサービス、テレビやスマートフォンの製造、さらには自動車産業にも進出している

そして、さらなる成長を遂げようとするLeEcoは26日、Vizioを20億ドルで買収する計画を明らかにした。この計画によれば、カリフォルニアに拠点を置く格安テレビメーカーであるVizioのハードウェア部門およびソフトウェア部門がLeEcoの子会社となり、データ事業のInscapeは分社化して独立するという。

Vizioによると、同社の経営チームは据え置きとなり、カリフォルニア州アーバインの拠点も北米の販売チャネルも従来通りとなる。Vizioの創立者でCEOのWilliam Wang氏はInscapeを率いることになる。

同氏はまた、14年前に創立したVizioの売り上げについて振り返り、今回の買収により同社の世界的なリーチが広がると付け加えた。「LeEcoの世界的なリーチとリソースが、今後もVizioがお客様に優れた技術、イノベーション、そして価値をお届けしていく中でどのような効果をもたらすのか非常に楽しみです」と、同氏は声明文の中で述べた。

買収計画からは、ある意味においてアメリカ市場への参入をさらに進めようとするLeEcoの姿勢が垣間見える。同社はアメリカでの具体的なハードウェア販売開始時期を明かしていないが、2004年に同社を設立し、現在はCEOを務めるJia Yueting氏はCNBCに対してそのような動きが「遠い将来のこと」ではないことを願っている、と語っている。

今回の買収が計画通り進めば、間違いなくその方向への大きな一歩となるだろう。

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(翻訳:Nakabayashi)

国の個人盗聴行為をすっぱ抜いたEdward Snowdenがプライバシー保護のためのiPhoneケースを開発中

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スマートフォンのケースを作ることがEdward Snowdenのトゥドゥリストの上位にあるとは誰も思わないだろうが、でも今日(米国時間7/21)行われたMIT Media Labのイベント(MITメディアラボのイベント)で発表されたAndrew “Bunnie” Huangとのコラボレーションは、たしかに、このNSAの内部告発者の最近の主要な関心事ではあるようだ。

彼らが設計したこのiPhone関連製品(上図)は、スマートフォンの内部のアンテナに向けて送られてくる信号をモニタして、そのデバイスが今、持ち主が見つけられるおそれのあるデータを送信していないか、チェックする。たとえば危険な紛争地域にいるジャーナリストなどには、役に立つだろう。

Wired誌でHuangが事前に説明しているところによると、このケースは、機内モードでもユーザーが知らぬ間に送信されているデータを、検出できる。“機内では携帯の電波がoffだから自分の位置がばれない、と思いがちだが、でも実はそのリスクはあるのだ”、と彼は言っている。

このケース(に似せたデバイス)は、電話機の下部に装着すると、ご覧のようにほとんど目立たないが、小さなディスプレイがある。内部ではハンドセットのSIMスロットに結線されて、iPhoneからワイヤレスで送信されている多様な信号をモニタする。そして、様子がおかしい送信が見つかったら、アラートを表示したり、スマートフォンを完全にoffにしたりする。

まだ商品として完成した姿ではないが、二人にはすでに詳細な商用化プランがあり、本格生産のためのプロトタイプ作りに今取り組んでいる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

カナダ陸軍、膝機能を強化するウェアラブルのテスト導入を開始

Major Toppa (right) receives a knee brace from Rebecca (left) one of the representatives from knee brace manufacturer Spring Loaded Technology which travelled to the Army Headquarters at 110 O'Connor in Ottawa, Ontario, to demonstrate and test their knee braces on July 12, 2016. LF03-2016-0114-002

カナダのハリファックスに拠点をおくSpring Loaded Technologyが、カナダ陸軍のために開発した膝の機能強化を行う支持具の出荷を開始した。ぜんぶで190セットを予定しているうち、まずは60セットを納めたのだそうだ。陸軍との間で交わされた、総額100万ドルの契約の一部だ。

プロダクトの名前はUpShotsで、以前から開発を行なっている動作補助用ウェアラブルのミリタリーバージョンとなる。液体スプリング(liquid spring)を用いて、過去最高レベルの効果を発揮するものなのだそうだ。

UpShotsを装着することで、運動能力を高め、かつ筋肉疲労や膝の怪我を防ぐことができるらしい。重たいものを持ち上げたり運んだりすることの多い陸軍隊員にとっては、防護服やヘルメットなみに重要な装備品となるかもしれない。

Spring Loaded Technologyは、さまざまなタイプの膝用装具を扱っている。今年はじめにIndiegogoのキャンペーンを成功させたLevitationというプロダクトはプレオーダーを受け付けていて、9月の出荷を予定しているとのこと。片足分の価格が1750ドルとなっている。今回の軍用プロダクトの一般販売価格は3800ドルで、スキーヤー専用モデルは1850ドルで提供している。

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(翻訳:Maeda, H

サムスン、(MacBook Pro並価格で)PC用の4TBのSSDをリリース

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大容量のPC用ストレージを考えるなら、依然として物理的に回転するハードドライブが現実的な選択肢ではあるだろう。もちろん状況は変化しつつある。当初期待したよりはゆっくりであるものの、徐々にSSDが広がりつつある。たとえば700ドルを用意できるのなら、サムスンの2TB SSDを購入することもできる。そして、倍(をちょっと超える)額を用意できるのであれば、4TBのものを入手できるようになった。

サムスンはこれまでにもサーバー用としては16TBもの容量をもつSSDを提供していた。しかしついに、一般のデスクトップ向けにも4TBのSATA SSDが提供されるようになったのだ。大容量の記憶媒体を必要とする人に、4TB 850 EVO 2.5インチSSDドライブが現実的選択肢となるわけだ。Amazonでの価格は1500ドルとなっている。

読み書きの速度については、それぞれ540MB/秒、および520MB/秒となっている。性能的には、120GBから用意されている他のモデルと同様といったところだ。

via PCWorld

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(翻訳:Maeda, H

基板の実動プロトタイプを三日で作ってくれるTempo AutomationがシリーズAで$8Mを調達

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今がハードウェア・ルネッサンスの時代であることには、寸分の疑いもない。クラウドファンディング、安い部品、ラピッドプロトタイピング、スケーラブルな製造技術、これらの好条件が揃っている今は、ハードウェアによるイノベーションの黄金時代だ。しかし、いくつかの障害が残っている。

サンフランシスコのTempo Automationは、それらの障害の一部…とくに、開発の最後の部分…を取り除くことを、目標に掲げている。同社のミッション声明は曰く、“電子製品の開発がソフトウェア開発と同じぐらい早くできる世界を作ること”。

言葉は大げさだけど、Tempo Automationが実際にやってることは比較的単純だ。少量のプロトタイプの製造納期を短縮し、設計ファイルをもらってから三日以内にボードを納品すること。

協同ファウンダーのShashank Samalaはこう説明する: “電子製品の現在の工程は大量生産向きに最適化されている。それは100万台のiPhoneを作るのには適しているが、少しだけ作るためにそんな工程を使ったら、数ページのメモを巨大な印刷機で印刷するようなことに、なってしまう。うちがまったくオリジナルに作ったのは、少量生産向けに最適化された自動化工程だ”。

同社はこのほど、Lux CapitalがリードしSoftTech, AME, Boltなどが参加したシリーズAのラウンドで800万ドルを調達した。資金は、今すでに能力の限界に近づいている製造設備の拡大に充てられる。プレスリリースはこう述べている: “弊社のサービスはたいへん評判が良くて、ほんの数か月で能力の限界に来てしまった。今では、創業初期のハードウェアスタートアップのほかに、誰もが名前を知っている大手消費者電子製品メーカーも、弊社の顧客になっている”。

同社の主なターゲットはスタートアップで、中でもとくにIoTのメーカーに力を入れている。顧客には大企業も数社いるが、同社はその名前を明かさない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Bose、子供用にBluetoothスピーカー組み立てキットをリリース

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Boseは、実用性が強調されることの多いBluetoothスピーカー市場に、DIYキットを投入することにしたようだ。本体は小さいながら、エレクトロニクスの不思議を十分に感じられるキットに仕上がっている。この「Speaker Cube」が、Bose社のBOSEbuildシリーズの第一号プロダクトとなる。組み立てに必要なパーツはすべて同梱されており、また詳しい組み立て説明書も用意されている。

もちろんカスタマイズも意識されている。たとえばカバーやカラーライトの色を変更して、自分仕様に仕上げることもできる。もちろん(きちんと組み立てれば)既存のBluetoothスピーカーと同様の機能を備えている。

(訳注:上のビデオを見てとても欲しくなりました)

本プロダクトは学校外に広がりつつあるSTEM教育の波に乗ろうとするプロダクトだと位置づけることができる。対象年齢は8歳以上となっている。the BOSEbuildのサイトより、149ドルで購入することができる。

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(翻訳:Maeda, H

GoogleのProject Bloksは言葉や画像でなく電子回路ブロックでプログラミングを体験する教材のプロトタイプ…広範な参加を呼びかける

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Googleが今日(米国時間6/27)発表したProject Bloksは、子どもたち(5歳以上)が、上図にようにハードウェアのブロックを連結してプログラミングを体験する、という新しいハードウェアプロジェクトだ。

今あるのはGoogleがデザイン企業IDEO一緒に作った参考製品だが、ユーザーはこれらを組み合わせて自分独自のデバイスを作る。Googleはこのプラットホームの基礎を提供するが、自分では商用製品を作らない。同チームを率いるJayme GoldsteinとJoao Wilbertは、“今のところGoogleは玩具産業に進出するつもりはない”、と言っている。

GoogleのCreative LabのメンバーだったGoldsteinとWilbertは、Google Research、Google Education、IDEO、スタンフォード大学のTransformative Learning Technologies Lab〔仮訳: 学習改革技術研究所〕のディレクターPaulo Bliksteinらにより、このプロジェクトを推進した。

触知型〔手で触る方式〕のプログラミング教育は、かねてから関心を喚(よ)んでいるものの、研究はあまり進んでいない。Project Bloksの連中も、触知型プログラミング(tangible programming)は技術的工学的な作業部分が大きくてお金もかかるから、実験が難しい、と言う。そこでチームが自分たちに課した課題は、“触知型プログラミングを研究していくための簡単な基材となるようなものの開発”だ。

Bliksteinは声明でこう言っている: “子どもたちが従来と違って、音楽を作ったり身の回りの物理的な世界をコントロールするときのような、自由な発想でプログラミングを覚えていける方法を、今後はもっともっと多くの人たちが研究していくべきではないか? それを可能にするのが、Project Bloksだ。子どもたちが、コンピューターという箱の外で、コンピューターという機械にまつわるさまざまな技術的制約のないところで、ものごとを自由に考えられるようにしたい”。

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それでは、Project Bloksはどんな構成か? 基本要素は三つある: その中核的要素は”Brain Board”と呼ばれ、Raspberry Pi Zeroを使った小さなボードだ。それは中央処理装置(central processing unit, CPU)の役を担い、システム全体を動かす(スピーカーもついている)。

Brain Boardが対話をする残る二つの要素は”Pucks”と”Base Board”で、以上三つのものが、Project Bloksの物理的プログラミング言語を構成する。

ProjectBloks_PR_PuckGrid_3000x2000_300ppi

Pucksにはアクティブな電子部品が何もなく、伝導性インクを塗った紙のような部材だ。これらが、“on/off”、“左へ行け”、“180度回転せよ”など、プログラミングのさまざまなコマンドを提供する。静的なPucksと対話的なPucksの二種類がある。

コマンドはいろんなものを作ることができるが、現在のGoogleの参考実装にあるのは、ダイヤルとスイッチとボタンだけだ。

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Base Boardは、Pucksからの命令を読んでそれらをBrain Boardに渡す。つまりBase Boardは、プログラムのいろんな部分からの命令を脳に運ぶ導管だ。Base Board上には触覚モーターやLEDなどがあり、ユーザーはリアルタイムのフィードバックを得られる。Base Boardを使ってBrain Board上でオーディオを再生/演奏することもできる。

重要なのは、Base Board(s)はきわめて柔軟性に富んでいて分岐ができることだ。だから単純な線形の実行の流れだけでなく、かなり複雑なこともできる。

子どもたちはこれらのBloks(ブロック集)を使ってたとえば、Lego WeDo 2.0のロボットをコントロールしたり、あるいはインターネット経由でタブレットとPucksを接続したりできる。ただし今回の参考実装には、ネット接続のブロックはない。

Project Bloksが今回一般公開されたことによって、教育者や研究者や企業などが今後どう反応していくか、それが問題だ。Google自身は今年の後半に研究プロジェクトを立ち上げて、それへの参加を、教育者、研究者、デベロッパー、父兄などに呼びかけていく。チームが今日発表したポジションペーパーは、このプロジェクトの目標をやや詳しく述べている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Boston Dynamics、かわいい四脚ロボットがバナナの皮で転倒するビデオを公開

Boston Dynamicsといえば、世界でもっとも恐るべきロボットと世界でもっとも恐るべきロボット・ビデオを作ってきた会社だが、今回はややユーモラスな側面を見せた。

このビデオで公開されたSpotMiniがGoogleの親会社であるAlphabet傘下でBoston Dynamicsが発表する最後のロボットになるものと思われる。

SpotMiniはミニサイズのキリンのような外観で、非常に高度な作業能力を備えている。ビデオではSpotMiniが階段を上がったり、シンクから皿を取り出して食洗機に入れたりするところがデモされている。また最後のシーンではこのロボットが人間のところに清涼飲料の缶を運んでくるが、なかなか離そうとしないところを見せる。

Boston Dynamics

新しいロボットはBoston Dynamicsがこれまで開発してきたロボットに比べて非常に小さく、ずっとかわいらしい(といってもデビッド・リンチが『トランスフォーマー』を監督したらこうもあろうかというような不気味なかわいさだが)。付属装置を一切省いた胴体部分だけで55ポンド(25kg)、物体をつかめるキリンの頭を加えると65ポンド(29.5kg)だという。

Boston Dynamics

SpotMiniは油圧作動ではなく、1回の充電で90分作動する。奥行きを認識カするメラ、移動や傾斜を認識する作動部分をもたないジャイロなどさまなセンサーを備え、自由に歩きまわって必要な作業を行うなど外界と適切に交渉できる。初歩的なタスクに関しては自律的に行動できるが、複雑な作業では人間の指示が必要となる。

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またこのロボットは床のバナナの皮で足を滑らせて転倒してから立ち上がるなどコメディアンとして十分な演技力もあるようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

物理的なボタンでインターネット上のサービスを呼び出すbttn、小型版を市場投入(長押しもサポート)

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インターネットに繋がる「ボタン」を作っているbttnが、「デジタルサービス用プッシュボタン」(push-to-activate-a-digital service)の小型版をリリースした。

btnのコンセプトはシンプルだ。ボタンデバイスを家庭や職場の好きな場所に置き、何らかのデジタルアクションを始動するようにしておくのだ。たとえばタクシーを呼び出したり、「家に帰り着いたよ」など事前に用意しておいたメッセージを発信するようなこともできる。

何のトリガーにするのかは自在に決めることができる。これにより利用者はアプリケーションを操作することなく、ボタン一発で目的の操作を行うことができるようになるのだ。

新しいデバイスはbttn Miniと名付けられている。サイズが最初のもの(2014年5月にプレオーダーの受付を開始した)の半分ほどとなっている。またボタンを単純に押すだけでなく、長押しもサポートするようになった。これによりプッシュ操作の確認ないしキャンセルを行うことができるようになっている。

フィンランドに拠点をおくbttnは、クラウドファンディング・キャンペーンにも成功している。小規模ビジネスの現場で大いに受け入れられることとなり、利用する顧客の間からキャンセルないし確認の意味を持つ長押しをサポートして欲しいという声が上がってきたのだそうだ。

新たにサポートされるようになった長押しだが、ファームウェアのアップデートを行えば、以前のbttnでも動作するようになる。

これまでに出荷した細かな台数についての情報はもらえなかった。「1万台以上で10万台未満」だそうだ(販売開始から2年たち、顧客が世界中100カ国以上にいるわりにはあまり売れていないと見ることもできるのかもしれない)。

一般消費者向けのbttnは€69となっている。特定ブランド向けに用意するbttnは€99だ。またビジネス用に台数およびサービスの利用期間に応じて価格が決まるメニューも用意している。

フランスの最大手タクシー運行サービス会社であるLes Taxis Bleusもbttnを利用しているのだとのこと。レストランやホテル、ブティックなどに配備してタクシーの呼び出しを行えるようにしているそうだ。顧客の集まるところにサービスを持ち込むスタイルで運営しているわけだ(こうしたアイデアの中にUberなどと戦うアイデアが眠っているのかもしれない)。

また不動産関連管理サービスを提供するSamsicも導入しているそうで、オフィスやビルなどからオンサイトサービスやサポートをリクエストするのにbttnを使っているのだとのこと。

また、オンラインセールスを行うサービスでは「再オーダー」用のボタンとして活用する例もあるそうだ。言うまでもなく、これはAmazonのDashボタンと同様に動作する(もしかすると、このあたりに小さなEコマースサービスがアマゾンという巨人に対抗するヒントがあるかもしれない…)。

bttn Miniのインターネット接続オプションは3種類が用意されている。すなわちモバイル通信(2G GPRS2G GPRS)、SIGFOX、およびWi-Fiだ。まずはモバイル版を先行させ、Wi-Fi版を6月中に、そしてSIGFOX版をQ3にリリースしたい考えだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

Segwayの電脳化された最新製品Ninebot by Segway MiniProがAmazonで予約受付を開始

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Segwayは今日(米国時間6/1)のNinebot by Segway MiniProの公式発表で、ホバーボードに言及していない。もちろん、その理由を理解するのは簡単で、同社は、すごく人気があるけど問題の多すぎるあの製品と、一緒にされたくないのだ。そもそも、あまりにも問題多いから、緊急に規制せよという声すらある。

同社のマーケティング担当VP Brian Buccellaに、その‘ホの字’の問題をぶつけてみると、彼は曰く、“うちはこの分野の断固たるリーダーだから、良質で安全と確信を持てる製品しか市場化しない。つまりそれは、最高の製品だ。miniPROがホバーボードだとは認識していない。まったく違う種類の製品だ”。

何よりもまずSegwayは、小型スクーターのための、民間機関の安全証明を取得している。電池や充電システムが緊急時災害時に耐えうることなども、その条件だ。Instagramに、そのへんのおもしろいビデオがいくつかある。

この小さなスクーターは、今日からAmazonで予約できる。発送は6月29日だ。Segwayが特許を持っている自己バランス技術を使っており、それはサードパーティにライセンスしていない、とBuccellaはあわてて付け加えた。膝でコントロールするバーがあり、またアプリがダッシュボードのデータや、セキュリティの警報、リモコン機能などを提供する。

このパーソナル移動デバイスは、お値段999ドル、重量28ポンド、最高速度は時速10マイルだ。10.5インチの空気タイヤを使用、斜面を登れるし、敷石のある歩道や未舗装道路も走れる。ここでもBuccellaは、“miniPROはとても楽しい乗り物だけど、おもちゃではない。それは、次世代のパーソナル移動機という、れっきとした消費者製品だ”、とあわてて付言した。

Ninebot by Segway MiniProという、ちょっとかっこ悪い製品名は、昨年4月に北京のNinebot社とニューハンプシャーのSegway社が合併した結果だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

BBCが100万人の子どもたちに配布するプログラマブルマイコンボードmicro:bit、いよいよ一般予約の受付を開始

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イギリスの公共サービス放送局BBCが配布する、子どもたちがプログラミングを学ぶための小さなプログラマブルボードが、いよいよ一般公開予約を開始する。当初の配布予定台数は100万台だ。

このmicro:bitと呼ばれるマイコンボードは、Element14のWebサイトで予約を受け付け、配布は7月を予定している。

お値段は、ボードだけなら£12.99(12ポンド99ペンス)、miniUSBとバッテリーパックと4つのプロジェクトアイデア含むスターターキットは£14.99、これら10セットから成る‘BBC micro:bit Club’パックは£140だ。学校のクラスなど、複数の子どもを相手にプログラミング教室を開講する場合は、Clubパックを利用できる。

micro:bitプロジェクトのねらいは、定款により‘放送’だけでなく‘教育’も事業とするBBCの、‘Make it Digital’イニシアチブの一環として、“新世代にプログラミングとデジタル技術による創造力を涵養する”ことだ。デバイスの配布は、当初の100万台以降も継続的に行われる。

このボードは、最初からいろんなセンサーがついていて、センサーに対するプログラミングができることが特徴だ。Bluetoothをはじめ、多様なI/Oも用意されているから、ほかのデバイスやセンサーなどとの接続も容易だ。サポートソフトウェアはWebサイトから提供され、さまざまなコードエディターやチュートリアルを利用できる。

イギリスにはmicro:bitの大先輩、Raspberry Piがいる。これも最初の意図は、子どもたちがプログラミングを自力で学んでいくためのデバイス、だった。その後本格的なプロダクション用途が発達していったRaspberry Piと違ってmicro:bitはもっとシンプルで、メインのターゲットは11歳以上(イギリスの7学年以上)を想定している。

Piは2012年に世に出てから今日まで800万台以上も売れているが、結果的にメインのユーザーは学童ではなく大人のメイカーたちだ。そこでBBCは、micro:bitが伸びる余地がある、と見ている。

Piを子ども向けの教材プラットホームにしようと頑張っているKanoのような企業もいる。これらに対してBBCは、micro:bitはオープンソースであり、売れることより、たくさんの子どもたちのあいだに広まることが目的、としている。

このデバイスの設計や生産に協力したパートナーの数は、とても多い。企画のスタートから学校への配布開始まで1年半もかかったのは、パートナーの数が多すぎたためかもしれない。

いよいよ一般的に可利用となったmicro:bitは、Piのユーザー層よりも若い世代にねらいどおり広まり、多くの子どもたちにプログラミングの能力を育み、‘Raspberry Piの弟’と呼ばれるほどの成功を、果たして収めるだろうか。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))