VMware CloudがAWSから提供される、ITのプロたちは喜びのダンスを踊る

VMwareは昨年の秋にAWSとのパートナーシップ発表して、エンタープライズ界隈を驚かせた。一方はオンプレミスの仮想マシンを支配している企業だし、他方はパブリッククラウドの雄だ。それは、強力な組み合わせになるだろう、と思われた。そしてVMwareは今日(米国時間8/28)のVMworldで、その組み合わせの正体、AWS上のVMware Cloudを公式に明らかにした。

AWSは同社独自のVMsを動かしているが、それはデータセンターでVMwareが動かしているものと同じではないので、両方を使おうとしている企業にとっては管理が頭痛の種だ。でも、AWS一本に絞って、その上でVMwareのVMsを引き続いて動かせるなら、管理の問題がなくて両者の良いとこ取りができる。

それはどちらにとっても都合が良くて、VMWareのCEO Pat GelsingerとAWSのCEO Andy Jassyの両方とも、失うものがない。Gelsingerは声明文で述べている: “AWS上のVMware Cloudは、顧客にシームレスに統合されたハイブリッドクラウドを与え、それはvSphereベースのオンプレミス環境とAWS両者にまたがる同じアーキテクチャと能力とオペレーション体験をもたらす”。

Jassyはこう付言する: “世界のエンタープライズの大多数が、データセンターをVMwareで仮想化している。そしてこれからは、これらの顧客が容易に、アプリケーションを彼らのオンプレミス環境とAWSのあいだで移動でき、しかもそのために新たなハードウェアを購入したり、アプリケーションを書き換えたり、オペレーションを変更したりする必要がない”。

これは、それまで二つのシステムを苦労しながら一緒に動かしていたITの連中にとって朗報だ。その苦労とは、新しいアプリケーションはクラウドに置けるけれども、一緒に使うレガシーのアプリケーションをVMwareからAWSのVMに移すのがたいへん、という点だ。その障害が、今回の提携で取り除かれる。

このパートナーシップは、企業としてのVMwareにも大きな揚力を与える。オンプレミスのデータセンターでは100%の浸透を誇っている同社も、顧客の多くがワークロードをクラウドへ移し始めた近年では居場所を失い始めていた。今回はパブリッククラウドの巨人AWSと統合し、二つの環境を横断してスムーズに仕事ができるようになったのだから、息苦しさもやっとなくなる。

AWSにとっては、これはお金持ちになれるのはお金持ちだけの好例だ。パブリッククラウドのビジネスで失うものは何もないだけでなく、VMwareという大きなユーザーがそのクラウドにやってくる。どこからどう見てもこれは、ウィン、ウィン、そしてウィンだ。二社が大きな得をして、VMwareのVMsとAWSのクラウドを容易に統合できるようになる顧客も得をする。全員がトロフィーを獲得する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AmazontとMicrosoft、AlexaとCortanaの会話で合意――両社の人工知能アシスタントの互換性増大へ

有力IT企業は音声アシスタントに力を入れているものの、近い将来自分たちの人工知能が一人勝ちして事実上の標準になるとまでは思っていないようだ。

今日(米国時間8/30)、MicrosoftのCEO、サティヤ・ナデラとAmazonのCEO、ジェフ・ベゾスはこの分野での提携を発表した

実現は年内となるもようだが、ユーザーはAmazonのAlexa音声アシスタントにMicrosoftのCortana音声アシスタントを呼び出して作業をさせるよう命じることができるようになる(その逆も可能)。

以下は両CEOの声明。

Microsoftのサティヤ・ナデラ: あらゆる状況、あらゆるデバイスを通じてユーザーがCortanaを利用できるようにすることにわれわれは高い優先順位を与えている。Office 365との統合を含めたCortanaの知識がAlexaから利用できるようになるのはこの目標に向かっての大きな前進だ。

Amazonのジェフ・ベゾス: 世界は巨大で多様な場所だ。そこでインテリジェント・アシスタントの勝者も一つではないはず。それぞれの人工知能は独自の知識と得意とする能力を持つことになるだろう。有力な人工知能が相互に連携できるようになることはユーザー体験を豊かなものとし、有用性をいっそう増すだろう。われわれのEchoがCortanaに容易にアクセスができるようになるというのは素晴らしいニュースだ。

また声明ではユーザーが両社の人工知能の相互運用性を得られることがウィン-ウィンの提携である所以も説明されている。【略】

ここで強調されているのは(人工知能が別の人工知能を呼び出して会話するというのはややこっけいな印象だが)CortanaとAlexaの得意分野が大きく異なるという点だ。Cortanaはビジネスユーザーを主たるターゲットとするとする生産性ツールであり、Alexaは消費者を対象とするeコマースとエンタテインメントのツールだ。

こういう状況で両社が縄張り意識を強く持つことには大きな戦略的な意義が見いだせず、逆に提携することによって強みを相互に補完できる可能性があることになる。

New York Timesの記事でベゾスは「将来、ユーザーはさまざまなAIをそれぞれの得意分野に合わせて使うようになるだろう」と予測している。いわばハイキングに行きたいならそういうことに詳しい友達に相談するし、レストランを選ぶならまた別の友達に尋ねるようなものだ。ベゾスは「ユーザーができるかぎり多数のAIを利用できるようにしたい」と述べている。

ベゾスはまたAlexaがAppleのSiriやGoogle AIとも会話できるようになる可能性も考えている。ただしまだ具体的な交渉はないという。

ただしAppleとGoogleが人工知能分野でなんらかの互換性を実現する契約に調印する可能性はゼロだ。両社はiOSとAndroidというモバイルのエコシステムを2分する巨大プラットフォームを運営しており、Amazon、Microsofグループとは全く異なる戦略と優先順位を持っている。われわれは忘れがちになるが、AmazonとMicrosoftはモバイル・プラットフォーム競争に挑んだものの脱落した過去がある。

簡単にいえば、モバイル・プラットフォームで有力な地位を築けなかったのであれば、人工知能の相互運用性を拡大することでモバイル・アプリの有用性を高めることが両社にとって得策となる、ということだろう。

画像:Justin Sullivan/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


【以上】

AmazonのWhole Foodsは、今日の値下げでWalmartに対抗できるのか

本日(米国時間8/28)Amazonは、Whole Foodsとの137億ドルの買収契約を完了し、それを受けて同チェーンの食料品価格の引き下げを開始した。この買収はAmazonにとってもっと大きな意味を持っているが、今回の値下げ(有機食品が多い)の目的は、Whole Foodがをライバルチェーンと対等に戦うための施策だ。しかし、AmazonがWhole Foodsの利益率を削るつもりだとしても、一般の食料品でWalmartと戦えると本気で期待しているのだろうか。

現在Walmartのブランドは低価格路線と結びついている。一方Whole Foodsは、”whole paycheck”[給料全部]と揶揄されるくらい、価格が高い。

Amazonが発表したWhole Foodsの値下げ対象商品は、バナナ、有機アボカド、有機卵、有機「責任ある養殖」のサーモンおよびテラピア、有機ベビーケールとベビーレタス、動物福祉水準の85%赤身牛ひき肉、クリーミーおよびクランチーのアーモンドバター、ガーラおよびフジ有機リンゴ、有機丸ごとチキン、365 Everyday Valueの有機バターなど。牛乳、チーズなどその他の食料品の値下げもすでに始まっていた。

実際の価格比較は本誌のギャラリーで見られたい。

Whole Foodsが今回値下げした商品をWalmartと比べるために、東海岸の同じ地域の両店舗で同じ時刻に同じものを買ってみた。もちろんこれで上記の疑問に答えようというのではなく(それにはまだ早すぎる)、初日の価格を比較したスナップショットを残そうすいうものだ。Walmartがすばやく値下げで対抗したとしても驚くに当たらない。

調べたのは、Whole Foodsが今日値下げした商品だけだ。全体的にWalmartの方が今も安い ―― 有機や「責任ある養殖」、グルテンフリーなど〈ではない〉商品では特にそうだ。ただし、そうではないものもある。

今日の値下げの結果、Whole FoodsがWalmartに価格で勝ったのは、有機牛乳、アーモンドバター、有機パスタソース、有機バナナなどだった。「勝った」と言ってもわずか数セントのものもあればもっと違いの大きいものもあった。

Walmartが勝ったのは有機卵、リブアイステーキ、12本パックの水、サーモンなど。大差のものもあった。

しかしWalmartは有機食品のセレクションが少ないため、比較できなかったものもあった(もちろん、店によっても品ぞろえは違う)。

このWalmartには有機アボカド、有機りんご、有機ベビーケールサラダミックス、有機アーモンドミルク、プライベートブランドの有機バターやチースがなかった。いずれもWhole Foodsで今日値下がりした商品だ。

結局のところ、有機食品が重要な人にとっては、たとえ価格が高くてもWhole Foodsが適しているのかもしれない。そもそも、人々がこの店に行くようになった理由がそれなのだから。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazon、買収したWhole Foodsの店頭でEchoを販売

Amazonについて確かに言えることがひとつある。動きが速い。小売りの巨人による137億ドルのWhole Foods買収は、今日(米国時間8/28)正式に成立したばかりだが、すでに縄張りのマーキングを始めている。全米のWhole Foodsの戦略的拠点にAmazon Echoスピーカーが出現し、この「産地直送」デバイスを「季節のえりすぐり」として宣伝している。

都市部の店舗に登場した様子を、複数のTwitterユーザーがすでに報告しており、Whole Foodsの広報担当者も、スマートアシスタントが「限定店舗で販売中」であることを確認している(上の写真はニューヨーク市マンハッタンで撮影した)。というわけで、どうしてもAlexa搭載スピーカーをこだわり農家のチンゲンサイと一緒に買いたいという人は、前もって電話するのがよいだろう。

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もちろん、いつでも直接Amazon経由で買うこともできるし、それがJeff Bezosの意図した方法だ。少なくとも本稿執筆時点で、スマートスピーカーのディスカウント価格はオンラインでも店頭でも変わらず、標準のEchoが100ドル、Echo Dotが45ドルと、それぞれ5ドルと80ドル値下げされている。これは、Amazonが買収を記念するとともに、Echoの刷新に備えて在庫を一掃しようとしてる兆候なのかもしれない。

そして、これぞAmazon流なのが、選ばれた食料品を全米で値下げしていること。現在詳細について問合わせ中。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オハイオ州の巨大ショッピングモールがAmazonのフルフィルメントセンターに生まれ変わる

古いモールは、不快な景観だ。安い建築費で作られ、流行らなくなると捨てられて、“シックなアウトレットショッピング体験”と称する業態や、高級ブランド品掘り出し市などに拾われる。そしてその後は、小都市の都心部で駐車場として腐っていき、巨大なスペースは残るが、町の人の心に残るのは思い出だけだ。

でも、絶望するのは早すぎる。オハイオ州ノースランドール(クリーブランドに隣接)の、かつて世界最大のモールと呼ばれていた土地と施設を、Amazonが新たに倉庫として再利用する。モールは完全にさら地になり、その大部分を、かつてそのモールを殺した、まさにそ犯人企業が専有する。

古いモールはこれまで10年近く、その幽霊のような姿を保(たも)ってきた。ノースランドールの端っこで、徐々に腐食が進行した。2000年代には、主力店が次から次と変わった。そして最後には、2015年に最後の旗艦店Burlington Coat Factoryが閉店した。モールは、2016年の火事でほとんど全焼した。

市長のDavid Smithが、Cleveland Plain Dealer紙にこう語っている: “なんと言ったらいいか、とにかくこのプロジェクトが来たことは、すごく幸運だよ”。

その記事から引用しよう:

eコマースの巨人は木曜日に、計画面積85万5000平方フィートの建物のリース契約を締結した。それにより来年の第二四半期には、ウォレンズビルセンターとエメリーロードの69エーカーの土地に、その建物がオープンする。このプロジェクトは、ある市民集会で話題になり、7月には契約のニュースがリークした。しかしノースランドールは別の、詳細不明のプロジェクトと、天秤にかけていた。

 

計画ではその倉庫*は、2000名の雇用を新たに作り出す、という。〔*: 上記新聞記事では“Amazonのフルフィルメントセンター”、となっている。〕

しかし悲しいのは、Foxconnがウィスコンシンに工場を作るなんて話に比べると、古い不動産が倉庫スペースになるという話の方が、はるかに実現性が高いことだ。たしかにeコマースにとってフルフィルメントは必要だが、製造は相変わらずアメリカの外で、ずっと安価に行われている。でもノースランドールは、タウンシールのデザインが二つのショッピングバッグであることが示すように、その現代を商業に賭けてきた町だ。その誇りだったモールが、今日と未来の新しい商業のハブに生まれ変わり、市の雇用と教育と成長を支えていくことは、確かに嬉しい光景だ。

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AmazonがあらゆるサードパーティデバイスにAlexa機能を持たせるべくSDKを無料オープンソースで公開

Amazonは、同社の仮想アシスタントAlexaを、Echoなど同社自身のハードウェアだけでなく、もっといろんなデバイスに載せたい、と考えている。そこで同社は今日(米国時間8/17)、AlexaのSDKを一般公開することによって、商用デバイスのメーカーたちがAlexa機能のある製品を作れるようにした。そのツールセットAlexa Voice Service Device SDKを利用すれば、各種のデバイスに完全なAlexaの能力を持たせて、音声認識だけでなくメディアのストリーミング、タイマーやアラーム、通知、天気予報、そしてAlexaの‘スキル’と呼ばれている何千もの音声アプリケーションにもアクセスできる。

Amazonによると、このSDKはこれまでのプレビューの間、特別招待のデベロッパーにのみ提供されていた。その間、50社あまりの商用デバイスのメーカーが、自分たちの製品にAlexaを実装した。

Amazonが今朝のデベロッパー向けブログ記事で、そのいくつかを紹介している。たとえばTechnicolorはAlexaを同社のHome Networking GatewayとExtenderに加え、ベルリンのスマートホームデバイスメーカーSenicは、同社のスマートホームハブCOVIにAlexaを加えている。

Amazonはここしばらく、Alexaの機能や、マイクロフォンの配列のような、音声駆動デバイスを構築するための根幹となる技術に、容易にアクセスできるためのやり方を検討してきた。

今回のAlexa Voice Service Device SDKもその努力の一環で、今やすべてのデベロッパーが、GitHub上の無料でオープンソースなライセンスでこれを利用できる。このSDKはその中に一連のデベロッパー支援ツールを総まとめしており、ハードウェア開発キットやAPI、Alexa対応デバイスの作り方が書かれているドキュメンテーションまでも含まれている。

Amazonのこのやり方が結実している製品として、たとえばHuaweiのスマートフォンMate 9が挙げられる。これには単純に、音声アシスタントオプションとしてAlexaがある。またスマート温度計Ecobee4や、インターネットラジオTribyさらにスピーカー目覚まし時計インターコム、そしてスマートウォッチにも、Alexa実装の例がある。

一方Amazon自身もAlexaデバイスの幅を広げようとしており、今度の新しいEchoスピーカーには、カメラ付きのEcho Look、画面付きのEcho Showなどがある。

Alexaを載せたデバイスのすべてが、Echo並に成功するとは限らないが、でもやらないよりはやってみるべきだ。今やAlexaのプラットホームには、音声コンピューティングのためのAndroid OSと呼べるほどの広がりがあり、トップの座、すなわち大きなマーケットシェアと多くのユーザーを、ますます維持確保しやすくなっている。

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Amazonのプライベートブランド、大盛況――デバイスの成功を受けてファッションも拡大へ

Amazonはここ数ヶ月、プライベート・ブランドの充実に力を入れている。ただしブランドの所有者がAmazonだと表示されていない場合がほとんどなので、ユーザーにはAmazonブランドだということはわかりにくい。しかし1010dataが今週発表したレポートによれば、Amazonのプライベート・ブランドは活況を呈している。またAmazonBasicsや子供服のScout + Ro、Amazon Elements、またAmazon製デバイスのEcho、Kindle、Fire TVなどAmazonの名前を冠したブランドも急成長している。

1010dataはこれまでもAmazonのプライベート・ブランドを追跡しており、このレポートには詳しいアナリティクスが掲載されている。

今年上半期、Amazonのプライベート・レーベルは総販売点数の2%を占めるだけだった(マーケットプレイスへの出品、サービスのサブスクリプションを除く)。しかしAmazonのプライムデー・セールスの期間中、この割合は12%にも拡大していた。

実はAmazonBasicsはこの分野で今年トップのパフォーマンスを示している。AmazonBasicsには「毎日必要なアイテム」が多数取り揃えられている。スマートフォンの充電器からHDMケーブル、bluetoothスピーカー(Alexaを除く)のようなエレクトロニクス製品、各種オフィスサプライ、シーツ、バスタオル、ペット用品まで品揃えは充実している。トータルで2000種類近いプロダクトを取り扱っており、これまでのところAmazonのプライベート・ブランドとしては最大のものだ。

1010dataの調査によれば、2017年上半期のAmazonBasicsの売上は2億ドル以上になったという。

AmazonBasicsに続くのはエレクトロニクスで分野で、これにはEcho、Fire TV、Kindleが含まれる。上半期の売上はそれぞれ1億2000万ドル、1億1000万ドル、
7500万ドルだった。エレクトロニクス製品をすべてトータルするとAmazonのプライベートブランドの売上の55%となるという。 この急成長の主役はEchoで対前年比で2倍(101%アップ)だった。またKindle Fireの売上はほとんど3倍(184%アップ)となっている。

Amazon ElementsはAmazonのプライベート・ブランドでいちばん歴史が長い。ヒット商品は赤ちゃん用おしりふきのベビーワイプだが、最近取扱品目にビタミンとサプリを加えた。 このブランドも上半期に950万ドルを売り上げている。

最近加えられた新しいブランド、ベッドのシーツやバスタオルなどを扱うAmazon Pinzonは660万ドル、昨年スタートしたスナックのブランド,、Happy Bellyも同期に200万ドルの売上となっている。

さらに最近Amazonはファッション・ビジネスにも力を入れており、品揃えの拡大中だ。一部のブランドはすでにかなりの反響を得ている。女性向けアパレルのLark + Ro、男性向けドレスシャツのButtoned Down、またAmazon Essentialsのアパレルもトップ10入りしている。

中でも子供服のブランド、Scout + Roは対前年比542%のアップともっとも伸びが著しい。この急成長は品揃えの拡大と歩調をあわせたもので、昨年に比べて取り扱う種類も5倍に増えている。紳士靴のFranklin & Freemanも成長中だ。

とはいえ、プライベート・ブランドのすべてがバラ色ではない。たとえばPinzonは上記のように今年上半期で660万ドルの売上を得ているものの、対前年比では28%のマイナスとなっている。

またこのレポートによれば、Amazon Elementsが口コミ評価では群を抜いており、 42%と他のAmazonの4倍以上になっている。

また1010dataはアイテムをSKU〔単品管理〕で分析しており、プライベート・ブランドではAlexa Voice Remot機能つきの Fire
TV Stickがトップセラーとなっている。続いて黒のEcho Dotスピーカー、さらにAmazonBasicsのプロダクトが続く。Echo、白のEcho
Dotもトップ10に入っている。EchoデバイスはPrime Dayのベストセラーだったことを考えると意外ではない結果かもしれない。【略】

1010dataは契約上の守秘義務を理由としてデータのソースを明らかにしていないが、用いた情報は全体として「オフラインおよびオンラインにおける消費者の購入動向を独自に収集したもの」だと述べている。

画像: Ross D. Franklin/AP

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

アルコール飲料デリバリーのMinibar、500万ドルを調達


ワイン、ビール、ウィスキーなどのマーケットプレイス、Minibar Deliveryは、本日(米国時間8/15)500万ドルの資金調達を終えたと発表した。リードしたのはCorigin Venturesで、ほかにFemale Founders Fund、Winklevoss Capital、LanuchCapital、およびRiverPark Venturesが参加した。

Minibar Deliveryの開業は2013年で、酒店やEコマース店舗や個人がクリック一つでアルコール類を購入できるサイトだ。それ以来同社は米国内37地域に市場を拡大し、新たな市場へのテスト出荷を開始した。

配送サービスは、37の地域以外のMinibarユーザーがサイトで注文すれば、商品を郵送するものだ。

酒店は在庫と価格のバックエンド管理が可能で、ユーザーは酒の種類、ブランド、地域内の店舗を選んで購入できる。受注した酒店は、商品の発注、受け取り、梱包、発送を行う。

Minibar Deliveryの共同ファウンダー、Lindsey Andrewsによると、配送品の大部分はワインだという。このため同社は全国のワイン農場と提携して各ワイナリー商品の配送を引き受け、ユーザーに幅いろい種類のワインを提供している。

「われわれは急成長しているが、ほとんどの人はMinibarのことを知らない」とAndrewsは言う。「ワインやウィスキーやビールがEコマースに移行していることを消費者に知らせることが課題のひとつだ」。

この分野の競争は激しく、PostmatesAmazonを始めとする大手も積極的にアルコール販売に注力している。

それでもMinbarは、500万ドルの資金を武器にライバルと戦う準備が整った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazonの商品が購入後2分で受け取れる――Instant Pickup、アメリカのキャンパスで実験開始

Amazonが現実店舗における商品販売でまた一歩を進めた。Instant Pickupという新しいシステムはその名前のとおり即座に商品をピックアップできる。Amazonの顧客は一定の商品についてはAmazonプラットフォームで購入後、2分以内に受取りができる。

このプログラムは当面カリフォルニア大学バークレー校などアメリカの大学キャンパス5箇所でスタートした。 Reutersの記事によれば今年末までにアメリカ各地に拡大されるという。

Instant PickupsはAmazonの「注文後の待ち時間を最小化する」という目標への新たな挑戦で、これにはモバイル・デバイスの充電器、スナック、飲料などAmazon.comで大量に注文される商品が数百種類揃えられる。つまりInstant Pickup店舗はAmazonのオンライン購入者がひんぱに行う「衝動買い」に対応した販売システムだ。

Pickupにおける品揃えは、各店舗に配置されたAmazon社員が決定する。アイテムは集合郵便受けのような専用ロッカーに収納される。顧客がAmazonでアイテムを購入すると専用のキー・コードが発行されるので、このコードを使ってロッカーを開けばよい。価格は通常の宅配版より安く設定される。AmazonではInstant Pickupの運営の自動化を考えているが、スタート時点ではまだ実現していない。

当面Pickup店舗が置かれるのはバークレーの他にロサンゼルス、アトランタ、コロンバス、メリーランド州のカレッジ・パークに所在する各大学だ。

Instant Pickupシステムは現実店舗に関する最近のAmazonの一連の動きに適合する。Amazonは高級生鮮食品のスーパーマーケット、Whole Foodsを買収しているのでInstant Pikcupをこうした店舗の一角に設置することは容易だろう。Whole Foodsは各地の人口動態を考慮して最適な位置に出店している。こうした店舗が衝動買いにも対応できることになればさらに強みを増すだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazon MacieはAWSのユーザー企業のクラウド上のデータ保護を機械学習で強化する

AmazonのクラウドコンピューティングサービスAWSが、今日(米国時間8/14)行われた今年のNY Summitの場で、Amazon Macieという新しいサービスを立ち上げた。Macieは、機械学習を利用してクラウド上の機密データをより強力に保護する。当面は、Macieを使って、AmazonのS3ストレージサービスにある個人を特定できる情報や知財を保護でき、年内にはAWSのそのほかのデータストアもサポートされる(たぶん11月のre:Inventカンファレンスで発表されるだろう)。

このサービスは完全に管理され、機械学習を使ってデータのアクセスをモニタし、異状を検出する。疑わしいアクションがあればユーザーに警告し、ユーザーがデータリークやその原因を(ヒトによる犯行以外のものも含め)見つけられるようにする。そのためにこのサービスは、S3に入ってくる新しいデータを継続的にモニタする。そして、通常のアクセスパターンを学習して理解し、またストレージバケット内のデータの正規の形を理解している機械学習を利用する。

このサービスはまた(アメリカの場合)、ヒトのフルネームや、住所、クレジットカード番号、IPアドレス、免許証番号、社会保障番号、誕生日などを自動的に検出するが、指定によりさらに、メールアドレスやSECのフォーム、データログ、データベースのバックアップ、ソースコードなども自動的に検出できる。

これらの高リスクデータはすべてダッシュボード上で高輝度表示され、またそれらにユーザーやそのほかのアプリケーションがどのようにアクセスしているかも示される。

AWSのサービスはどれも料金が複雑だが、このMacieサービスでは各月のイベントの数とデータ量が料金計算のベースになる。最初は、ユーザーのデータの特性や分類を機械学習におぼえさせるため、最初の月の料金は高くなる。

今Macieを利用できるのは、AWSのU.S. East(Northern Virginia)とU.S. West (Oregon)リージョンだけだが、今後徐々に拡張されるだろう。

このほかAmazonは今日、さまざまなデータベースやストレージサービスにロードするデータを準備するサービスGlue発表した。それはすでに、すべての顧客が利用できる。

さらに同社は今日のイベントを機に、ワークロードの一部をクラウドへ移したい企業のためのマイグレーションハブをローンチし、、またElastic File Systemのアップデートにより暗号化された状態での保存がサポートされ、それと並んでキー管理のためのAWS ConfigAWS CloudHSMもアップデートされた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Amazon、認定外の日食用メガネ購入者に返金

Amazonは、この夏の大日食イベントに向けて販売した日食用サングラスが偽物である可能性があるとして、購入者に返金した。

多くの人々が、8月21日に北米大陸を横切る日食 ーー 場所によって、完全な暗黒になるか部分的に太陽が隠れる ーー を前に準備を進めている。そして多くの人が、この太陽現象が頭上を通過する間に直接空を見上げるのに必要な保護メガネを入手するために、手軽なAmazonを使った。

しかしAmazonは、同サイトで売られているメガネが信頼ある製造元で作られているものばかりではないことを認識し、安全のため、疑わしいメガネを使用しないよう顧客に通知した。Vergeが最初に報じた。

「安全は当社の最優先事項の一つです」とAmazon広報担当者がこの件についてTechCrunchに語った。「当社は多数の警告に加え、業界標準をみたしていない可能性のある日食メガネの購入者に連絡して返金を行ないました。お客様にはAmazon.comで常に安心して買い物していただきたいと考えています。また、Amazon.comで販売される日食用メガネは、関連するISO標準を必ず満たようにいたします。」

安全問題についてはここ数ヶ月間話題になっている。最近Amazonから返金を受けた女性は、中国のメーカーからまとめて500個購入し、会社からは安全だと聞かされていた。後に、その会社が意図的に偽の安全表示をして彼女を騙そうとしたことがわかった。

言うまでもないが、不適切なメガネで直接日食を見ると視力に深刻な損傷を与える場合がある。「自作のフィルターや一般のサングラスは、たとえ色の濃いものであっても太陽を見るには適していない。許容される何千倍もの太陽光を透過させるからだ」と、米国宇宙航行学会(AAS)は警告している。

報道によるとAmazonは、検証不可能な日食用サングラスを販売している店舗を閉鎖するとともに、商品を使用しないよう顧客に注意を喚起しているがすでに遅すぎる可能性がある。プライムメンバーでない人は、間に合うよう購入するためには今がギリギリのタイミングだ。

もちろん、Amazonサイトには幅広いセレクションの日食用メガネがある。しかし、購入に際してはISO 12312-2国際安全基準の表示があることを確認されたい。認証済みのメガネは太陽光を10万分の1に減衰し、イベントを楽しむ間あなたの目を保護してくれる。

NASAおよびAASは、必要な安全基準を満たすブランドをごくわずかしか認めていないことにも注意されたい。認定済みメーカーの一覧は ここで見られるので、購入前に確認することをお勧めする。

製品の安全性についてAmazonから通知を受けていない人は、購入した製品がISO準拠であることをAmazonが確認されている。それでも自分が認定外製品を購入したのではないか心配な人は、Amazonのカスタマーサービスに連絡して、A-to-Z Guaranteeによる返金を受けることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

生鮮で苦戦しているAmazonが冷蔵不要・常温保存の食事の配達を研究中

‘MRE’という言葉が、軍隊やサバイバル技術に関する話のなかによく登場する。それは、“Meal, Ready-to-Eat”(すぐ食べられる食事)、すなわち携行食のことだ。Amazonは今、独自のMREを研究しているらしい。しかもそれは、前線の兵士やサバイバルごっこのハイカーたち用ではなく、一般消費者向けのおいしくて満足感のある食品としてだ。

Amazonは、軍用に開発された技術を利用して、冷蔵庫を要しない、常温保存のできる即席食を作ろうとしている。そもそもそれは、在庫管理やロジスティクスという面で売る側にメリットがある。倉庫も輸送も簡単だ。Reutersのその記事によると、生鮮に進出しようとするAmazonにとって最大の難関が商品の日持ちであり、しかもその対策は簡単ではない。

しかしこれはさらに、オンデマンドの食事配達(meal delivery)への進出に際しても、Amazonのアドバンテージになる。同社はすでに、専業のBlue Apronなどとどうやって競合するかを考えつつ、パイロット事業を動かしている。

その技術は‘microwave assisted thermal sterilization’(マイクロ波による過熱消毒, MATS)と呼ばれ、封をしたパッケージを高圧の水槽に入れてマイクロ波を照射すると、食品の風味と栄養を損なわないだけでなく、細菌を排除して最大1年の棚持ちを可能にする。この技術の商用化を今、915 Labsというスタートアップが探求している。

それはまだ、消費者への提供が確定したわけではなく、目下テスト中の生鮮と配食の分野における試行錯誤の一環にすぎない可能性もある。でもその分野で、日持ち棚持ちという大きな障害にぶつかったeコマースの巨人が考えた対策としては、なかなかおもしろい研究開発のテーマだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Ikeaのスマート電球がApple HomeKit、Amazon Alexa、Google Homeをサポート

Ikeaのスマート照明システムのアップデートにより、そのワイヤレスハブがAppleのHomeKitとAmazon Alexa、そしてGoogle Homeに対応することになった。つまり、ハブがあってスマート電球があれば、これらのデバイスのどれかを使って音声でコントロールできるし、またAppleのiOSアプリHomeからもコントロールできる。

このアップデートにより、Philips HueのHomeKit互換のハブに、Ikeaのスマート電球を認識・装着できるようになった。Philips Hueをすでに使っているユーザーには、ほかのオプションも使えるようになったという意味で、重要なニュースかもしれない。9to5Macがそう書いている。Ikeaは10月から色付き電球の提供を開始する予定だ。

Hueの初心者向け白色電球はアメリカで15ドル、Ikeaのは18ドルだから、HueシステムでIkea製品を使う費用的メリットはない。でも、オプションが増えて、いろんなことができるようになったのは、良いことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Amazonの‘Themes’機能はカスタマーレビューを気になる言葉でフィルターできる…レビューが超多すぎる製品では便利

【抄訳】
Amazonがとくに告知もなく、“Themes”(テーマ)という新しい機能をモバイルのAmazonアプリに導入した。それは、カスタマーレビューを閲覧しやすくするための工夫で、まず、既存のレビューの中で比較的頻繁に使われている言葉を見つけ、そしてボタンをタップすると、その言葉が含まれているレビューだけがフィルタされて残る。

そういう、その製品/商品に関していちばんよく使われている言葉〔複数〕のことを、ここではテーマと呼んでいるわけだけど、カスタマーレビューのあるところへページをスクロールすると、そこの“トップカスタマーレビュー”の上の方にカラフルなボタンがいくつも並んでいて、そこにその製品/商品のテーマが並んでいる〔上図中央カラムの中ほどの[great][vacuum][suction]などなどのボタン…商品が掃除機なので、吸い込み(suction)や真空(vacuum)などの語が既存のレビュー中に多い〕。

青いボタンが、いちばん多く登場している言葉だ。その下の方のグレーや白の小さなボタンは、それほど多く登場していない言葉だ〔上図の例では、[love][little]など〕。

たとえば手持ち型の電気掃除機(上図左カラム)では、製品に関するキーワード、“suction”や “battery”などが既存のレビュー中から拾われている。

また、あまり役に立たない“good”や“great”などの語も、頻出語として拾われている。まだAIなどの高度なスマートな処理は使われていないらしくて、言葉の選び方はきわめて機械的で単純だ。いずれにしてもこれらのボタンをクリックすると、その言葉が登場しているレビューだけを集めたページが出現し、キーワードは黄色の背景色で強調されている〔上図右カラム〕。たとえば掃除機の吸い込み率が気になる人は、[suction]をクリックして、フィルタされたレビューだけを読むとよいだろう。

【中略】

この“Themes”(テーマ)機能は、iOSとAndroid上のAmazonアプリで利用できる。〔この機能の日本語化については、8月9日現在、不明です。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

家庭のテレビをスマートホームのモニタシステムにしたいAmazonの野心、まずささやかにFire TVのリモコンの完全音声化から

AmazonのFire TVはすでに音声でテレビをコントロールできるが、そのためにはリモコンを手に持つ必要がある。そこで今回AmazonのセットトップボックスはEchoの助けを借りて、ユーザーが自分の腕や指を動かさなくてもリモートコントロールができる方法を身につけた。

今日(米国時間8/1)からユーザーは、AmazonのスマートホームハブAlexa/Echoに命じるだけで、番組を選んだり、チャンネルを変えたり、ボリュームを調節したり、アプリを開いたりできる。二つのAmazonデバイスをそうやってリンクするやり方も簡単で、Fire TVにやらせたいアクションをEchoに言うだけだ。するとリンクが自動的に成立する。

言うまでもなくこの機能は、今ちょっと手を離せない!というときに便利だ。たとえば夕食の支度をしているとき、ハンバーグ用の挽肉でべちょべちょになった手でリモコンに触りたくないだろう。

それはAmazonのFar-Field通信を使うので、マイクロフォンは至近のAlexa対応デバイスへとデフォルトされる。だから別の部屋からでもチャンネルを切り替えたりできる。ただし、複雑な機械の複雑なインタフェイスを、すべて音声でコントロールするのは無理だ。たとえば、たかがテレビでも、いわゆる“チャンネルサーフィン”を、あなたは自分の音声でできるだろうか?

家庭用としていちばん強力、と思われる機能は、目下開発中だ。それは、防犯カメラのコントロール。それができるようになると、August, Netgear Arlo, Ringなどの製品のフィードをテレビで見られるようになる。ある意味でこの統合は、Fire TVの受像機を大型のEcho Showに変えてしまう。今その機能は、“近日封切”に挙がっている。

そしてAmazonは今、Alexaの音声機能をサードパーティのテレビ受像機にも載せようとしている。つまりSony, Logitech, DishなどのテレビがAlexaのスキルを持つのだ。今のところ、Echoに対応しているテレビはFire TV, Fire TV Stick, そしてFireOSを内蔵しているスマートテレビだけだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

もしAWSがなかったら、Amazonは大赤字

本日(米国時間7/27)Amazonは第2四半期の決算を発表した、その内容は期待外れだった ―― そしてJeff Bezosにとって残念なことに、彼はもはや太陽系で最も裕福な人間ではなくなり、2番目に裕福な人間という残念なポジションに追いやられた。

会社の損益はウォール街の期待に届かなかった。しかしAmazonのクラウドサーバー農場、AWSは、またしてもAmazonの利益を押し上げた。近代クラウドコンピューティングの基盤を築こうという同社の大きな賭けが、ここしばらく続いているAmazonの黒字四半期を生み出したと言えるだろう。

内訳を見てみよう:

Amazonは、AWSを年間100億ドル以上を稼ぎ出す一大ビジネスまでにした。しかもAWSはAmazonの全事業の中で最も利益率が高く、極めて順調に成長を続けている。第2四半期のAWSの売り上げは2016年の42%増だった。成長ペースはやや下がり気味で、2015年から2016年にかけての売上成長率は58%だった。

おそらくもっとも重要なのは、Amazonが次の四半期から赤字に戻るかもしれないと予告したことだ。Amazonは世界一の企業を目指して成長を続けるために、湯水のごとく金を使うことで長年知られてきた。そしてウォール街はこの戦略に対してかなり忍耐強かった。しかしAmazonは黒字の四半期を続け、その年株価は40%上がった。

Amazonが他の収入源を探り続ける中、サーバーの入ったビルを山ほど建設するという巨大な賭けは報われているようだ。Amazonは新規ビジネスへの強引な参入でよく知られている。巨大な食料品チェーンを137億ドルで買ったり、ビデオゲームをプレイする人たちにビデオストリーミングサービスを提供したり。AWSは成長が減速しているとはいえ、当分の間Amazonを支える柱の一つになることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ジェフ・ベゾスの資産世界一は一瞬だけ――AmazonのQ2は平凡、株価やや下げる

今日(米国時間7/27)、Amazonは第2四半期の決算を発表した。投資家にとって平凡な内容であり、株価は3%下がった。CEOのジェフ・ベゾスは決算発表の直前に一瞬だけビル・ゲイツを抜いて資産世界一になっていたが、株価下落によってたちまち冷たい現実に直面することになった。ベゾスは依然として世界で2位の金持ちにすぎない。

冗談はさておき、今期Amazonは137億ドルで Whole Foodsスーパーマーケット・チェーンを買収しており、その決算はAmazonにとって大きな意味を持つものだった。しかしAmazonは途方もないサイズの取扱総額からごく薄い利益を絞り出すというこれまでのやり方を踏襲したようだ。しかしAmazonがWhole Foods買収を完了し全米で数百にもなる現実店舗の運営をするようになれば、この方式には市場から強い圧力を受けることになるかもしれない。

問題はAmazonの多様な事業の損益がきめて広い範囲に散らばっていることだ―4億ドルの損失もあれば3億ドルの利益もあるという具合だ。同社はこれまでアグレッシブな成長を続けながら利益も確保してきた。しかし来期にはこの路線も限界に突き当たる可能性がある。Whole Foodsの買収を境として、今後Amazonは成長するために投資すれば赤字となるモードに戻るかもしれない。

Amazonの株価は今年驚くべき急上昇をみせた。今年初めと比較して40%もアップした。この値上がりでベゾスは一瞬だがビル・ゲイツを抜いて世界一の金持ちになった。 パソコンをベースにした現実世界とインターネットをベースにしたオンライン世界との交代を象徴するものと受け取られた。AmazonはAlexaで音声認識の世界へ、Twitchでビデオ・ストリーミングの世界に進出したが、Whole Foodsで現実世界の小売業に戻って来たともいえる。

決算資料からAmazonの巨大なオペレーションを支える重要な柱はAWSだということが分かる。Amazonの営業利益は前年同期の7億1800万ドルから今期は9億1600万ドルにアップした。今期純益は1億9700万ドルで前年同期の8億5700万ドルから大きくダウンした。サーバー事業はAmazonの利益を維持する部門であり、仔細に検討するなら、AWS事業そのものだと分かる。この事業はビジネスとして軌道に乗り、年間100億ドルの売上をもたらしている。

AmazonのEPS〔1株あたり利益〕は0.4ドル、で売上は380億ドルだった。アナリストの予測はEPSが1.42ドル、売上が371億8000万ドルだった。売上は前年同期比で25%アップしている。

全体としてAWSは昨年同様のペースで成長を続けている。Amazonは今期AWSの売上は対前年比で42%%アップしたとしている。2016年第2四半期の対前年比成長率は58%だった。今年の成長率はややダウンしているものの健全な成長を続けていることはAmazonにとって重要だ。世界の多数の企業がAWSをインフラとして利用している。Amazonは毎期きわめて高い利益率を誇っている。

もちろんクラウド事業の競争は激しさを増す一方だ。ことにGoogleがクラウド事業に本格的に取り組み始めたし、 Microsoftも当然ながらライバルだ。AWSはクラウド・コンピューティングのパイオニアであり今やほとんどその代名詞ともなっているが、世界の大企業、スタートアップのニーズを満たしていくためには日々サービスを拡充していくことを怠れないだろう。

画像:Drew Angerer/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

オフィス用品もAmazonでお買い物――アスクル対抗サービス「Amazon Business」がプレオープン

個人でAmazonを使っている人は多いかもしれないが、Amazonは法人向けにもEコマース事業を拡大する考えのようだ。Amazonは、会社の従業員や個人事業主仕事の為にオフィス用品を注文できる「Amazon Business」がひっそりとオープンし、公式オープンに先行して法人ユーザーのアカウント登録の受け付けを開始した。

法人はAmazon Businessでビジネスアカウントを作成し、支払い方法や配送先住所を設定する。アカウントには複数のユーザーを追加して購入の権限を付与することができる。事業単位や部署ごとといったユーザーのグループを作成したり、設定限度額を超える場合は承認者に承認を得るようルールを設定したりすることも可能だ。発注番号を追記したり、見積書を印刷したりする機能も備えている。

法人は無料でAmazon Businessのアカウントを作成できる。個人事業主も登録可能だが、開業届出書、過去2年以内の所得税青色申告決算書、過去2年以内の青色申告承認申請書のいずれか1点の書類を提出する必要がある。

Amazon Businessはアメリカでは2015年4月にローンチしている。日本版のAmazon Businessはまだ公式オープン前だが、複数ユーザーの登録や承認ルールの設定、購買のレポート・分析、見積書のダウンロードといった機能を試すことができるとのことだ。

 

落ち目のSearsが家電ブランドKenmoreにAlexaを載せてAmazonから売る、21世紀の生き残りを賭けて

これを、かつての最強ブランドSears(シアーズ)の、死刑執行の一時的な延期以外の何かとして見ることは困難だ。ネットショップが優勢になってからの、これまでの数十年間、全国どこでもモールの旗艦店だったこのストアは、苦戦を強いられた。そして今や同社は、Amazonと契約して、家電のストアブランドKenmoreを、今も続いている同社の業績落下の、主要な原因の一つ(==Amazon)で売ることになった。

いかにも負け戦のような選択だが、しかし少なくとも、短期的には賢明だ。ウォール街もご褒美として、今朝(米国時間7/20)の取引では、この131歳の企業の株を25%も上げたではないか。SearsのCEO Eddie Lampertも同じく希望をいだき、“アメリカにおけるKenmoreブランドの流通と入手のしやすさを大きく拡大する”、と今朝の声明で述べている。

全国で651店あるSearsは、今でもアメリカで第五位の大きさのデパートメントストアだ。だから、流通に不足はないはず。ただし2011年には3500店あったことを思い出すと、今さら新しいパートナーシップに感動している場合ではない。

流通チャネルにネットが加われば、同社家電製品の入手しやすさがアップするのは当然だが、Kenmoreのファンにとっては、物理店を避ける理由がひとつ増えたことになる。お客が物理店を避ければ、ワンストップショッピングが売りだった古典的デパートメントストアにおける、“ついで買い”の商機も失われる。

この苦悩する小売企業は以前、Kenmore, Craftsman, DieHardなどのストアブランド商品の流通経路の選択肢を増やすことを検討する、と発表したことがあったが、今回のニュースは、それから1年以上も経っている。これらのブランドには今でも多少の顧客吸引力があり、Searsのお店の残された集客力の、一部でもあるのだ。

Searsのこの契約には、別のおもしろいニュースもくっついている。いやいやながら21世紀へ足を引きずって歩いて行くSearsの、Kenmore家電製品に、Alexaのスキルが実装されるのだ。たとえばGEがそれをとっくにやってしまったエアコンでは、ユーザーは家にいるままでそれを買えて、しかもカウチに座った(寝た?)まま温度を変えられる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

IT企業トップ5の時価総額合計はいよいよ3兆ドル

(編集部)この記事の寄稿者はAlex Wilhelm

Alex WilhelmはCrunchbase Newsの編集長、TechCrunchのベンチャーキャピタル・ニュース専門のポッドキャストEquityの共同ホスト。 これまでの投稿:

Google Financeのデータによれば、今日(米国時間7/20)、テクノロジー企業のトップ5の時価総額の合計が3兆ドル〔336兆円〕を超えた。市場のテクノロジー・ブームは新たな段階に入ったと言えそうだ。

2000年のドットコム・バブルを象徴したのがNasdaq指数が5000を記録したことだった。New York Timesによれば、テクノロジー企業のビッグ5の時価総額が今や3兆ドルに達したことは、この分野が湧きたち、あらゆる面で新記録が生まれていることの表れだという。

現在の株式市場はテクノロジー市場といってもいい。まずはいくつかの数字を確認し、ここまで来た経緯を振り返ってみよう。

3兆ドルを超えて上昇中

Google Financeの数値をベースにCrunchBase Newsが作成したスプレッドシートによれば、ビッグ5(Apple、Alphabet、Amazon、Facebook、Microsoft)の時価総額合計は3.03兆ドルとなった。Yahoo Financeのデータでは3.002兆ドルだった。

なおWolfram Alpha(これについては後述)では2.978兆ドルという結果を出した。多少の誤差はあるものの全体として3兆ドルかそれ以上という点に間違いないようだ。

この額に達するまでにビッグ5はかなり波乱に満ちた経過をたどってきた。直近52週の最安値と比較すると、現在の株価の上昇率は以下のとおりだ。

  • Apple: 56.63%
  • Amazon: 44.61%
  • Facebook: 44.55%
  • Microsoft: 39.54%
  • Alphabet: 33.45%

52週の最高値と比較するとAppleは3.59%安、.Alphabetは0.24 %安となっているが、全体としてテクノロジー企業の株価が新たな水域に入ったことは間違いない。

さてここに問題はあるだろうか?

影響を考える

冒頭で述べたように、新記録というのはなんらかの頂点を表すことが多い。つまり普通でない事態だ。そしてテクノロジー分野ではこれが起きている。

私は5月にブログでこの点について書いたが、引用してみる。

ビッグ5は急速に13桁〔兆〕の領域に近づいている。テクノロジー企業のトップが現在のマーケットの勢いに乗って記録を更新するなら、あらなNasdaq
5000となるかもしれない。2000年のテクノロジーバブルのとき、この指数はある種の心理的なハードルとして意識されるようになった。テクノロジー・ビジネスが復調してNasdaq 5000が全く過去のものとなったは比較的最近だ。

それからわずか3ヶ月で1兆ドルは実現した。

もちろんテクノロジー企業にはネガティブなニュースもあった。これまで絶好調をうたわれてきた企業が閉鎖されたり、 大規模なレイオフを実施sたりしている。Theranosは危機が続いている。株式を上場したユニコーン・スタートアップの一部は、Blue Apronは苦戦している。しかし全体としてみればテクノロジー市場は好調だ。【略】

ここで。ビッグ5の時価総額の推移のWolfram Alphaのチャートをお目にかけよう。ご覧のように最近一度1兆ドル近くまで行ったが、実際に到達したのは今回が初めてだ。

とりあえずは良いニュース

私がテクノロジー・ビジネスについてCrunchbase Newsで書いてきた記事は非公開企業とそれに対するベンチャー投資に関するものが主だったが、公開企業に動向はこの市場全般を理解する上でも大いに参考になると思う。【略】

非公開企業の会社評価額と上場企業の時価総額はますます乖離していく傾向だ。このため上場に踏み切るユニコーン・スタートアップの数は予想より少なくなるだろう。また上場のためには会社評価額引き下げる必要も出てくるかもしれない。市場が過熱ぎみのときに上場するのは有利だが、これは同時に市場が乱高下したときに多大の損害を被る可能性があることも示している。

時価総額合計1兆ドルという事態は、説明も簡単でしないし今後の予想も難しいが、ビッグ5にとっては大きなマイルストーンとなったのは間違いない。

われわれCrunchbase Newsでは今後もビック5の動向を追っていく。当面、利食い売りが入るまでに株価がどこまで上がるか注目だ。

イラスト: Li-Anne Dias

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+