GoogleのAIが初期のCasioのシンセに匹敵する音とメロディーを作り出す

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それは1989年だった。親たちはベルリンの壁が取り壊されるのを見ていたが、あなたは二階の自分の部屋でCasio SA-1の電池を交換し、コンサートに備えていた。それが叩き出すビートは熱い。あなたはデモ曲“Wake me up before you go-go”聴き、自分もやる気むんむんとなる。100種類ある音色の02番、”HONKY-TONK PIANO”を選ぶ。そのプラスチック製の象牙(鍵盤)をまさぐり、気分は絶好調。さあ、行くぜ!

しかし、ここまで^

悪くないね、そう思わない? でもこいつは、当時7歳の練習熱心な子の迷演ではなくて、人工知能が作ったオリジナル曲だ。そのAIを作ったのはGoogle ResearchというかGoogle Brainの連中。すでに記事のタイトルにあるから、驚かなかったと思うが、タイトルを飛ばしていきなり本文を読んだ人は、どうだったかな? ( )。

これは、“マシンインテリジェンスに音楽やアートの高度な生成能力を持たせるための研究プロジェクト”Magentaの、最初の公開出力だ。プロジェクトのサイエンティストの一人Douglas Eckによると、機械学習は発話認識(speech recognition)のような比較的単純明快なタスクではかなり進歩してきたが、でもそれは、たとえば、音の並びが音楽と呼べるためには何がどうあるべきか、を学習できるだろうか? あるいは、アートとして鑑賞できる色や言葉の並びを? へんてこな詩(PDF)を作ったことは、あったけど。

“発話認識や、翻訳、画像アノテーション〔タグ付けなど〕などでうまくいったやり方を基盤として、アートや音楽を創造できるすばらしいツールを作れる、と信じている”、とEckは書いている。

クリエイティブなワークは何でもそうだが、Magentaもまず必要なのは練習、そしてフィードバックだ。そのためGoogleは、クリエイティブとプログラミングの両方の分野に、コミュニティへの参加を呼びかけている。コードのチェックや、データの供給などのためだ。このプロジェクトはGitHubに置かれ、Google自身のオープンソースの機械学習プラットホームTensorFlowも利用できる。あなた自身の、フォークを作ってみよう。

研究者たちが初めて、コンピューターに作曲をさせてみたのは、もうかなり昔の話だ(数十年前)。でもGoogle Researchの潤沢なリソースと頭脳があれば、Magentaはもう一歩二歩進んだ結果を見せてくれるかもしれない。

このプロジェクトの今後の進捗は、Magentaのブログでチェックできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AIが訓練結果に基づいてベートーヴェン(EUのテーマ曲)をビートルズふうに演奏

人工知能が“歓喜の歌”をEDMふう、ブラジルギターふう、そしてビートルズの“ペニーレーン”ふうに演奏したら、こうなる。

パリのSony Computer Science Laboratoryが、欧州連合(EU)のテーマソングの編曲に挑戦した。彼らは機械学習の最大エントロピー原理に基づいてコンピュータに、さまざまなタイプの音楽のもっとも目立つ特徴を認識することを教えた。そしてチームはそのAIに、ベートーヴェンのクラシック中のクラシック“歓喜の歌”のパターンを、現代的に演奏するよう命じた。

下のビデオで、リーダーのサイエンティストが、そのやり方を説明している:

SonyのCSLは、彼らのプログラムが、AIが人の心に残るオリジナル曲を作れるようになるための第一歩だ、と信じている。ラジオからコンピュータが作ったような曲ばかり聞こえてくるようになったら、あと数年でサイバートーヴェン(cyBerthoven)が登場するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

指板をボタン化してワンプッシュで好きなコードを鳴らすMIギター

ギターを学ぼうと思った人の90%が、1年以内に諦めてしまうのだそうだ。そんなことを聞いていたBrian Fanは、娘のためにギターで子守唄を弾こうと考えたときに、いっそのことギターという楽器を再発明してみようと考えた。そしていろんな弦をおさえてコードを弾く代わりに、ボタンを押すことでギターが引けるようにした。これにより弾きたい曲を数分でマスターできるようになった。

ギターを再発明して産みだした楽器とはMagic Instrumentsの「MIギター」だ。「ギターヒーロー」のコントローラーのようにも見える。しかし決まった曲を「鳴らす」のではなく、実際に「演奏」することができるのだ。楽器にはスピーカーも内蔵されている。連携アプリケーションを使って、ビートルズやボブ・マーリーなどの曲の弾き方などを学ぶこともできる。

このMIギターは、Indiegogoにて299ドルからのキャンペーン中で、2017年第一四半期からの出荷開始を予定しているのだとのこと。

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「ギターのインタフェースは100年も前に開発されたものです。弦がどのように振動するかという物理法則に基づいて生まれたものです」とFanは語る。その100年前からは、技術の進化によりさまざまな物事がより「簡単に」行えるようになってきている。そうした流れをギターにも反映させて良いのではないかと考えたのだそうだ。そしてその考えを推し進めるうちに、Y Combinatorのアクセラレータークラスにおいても注目されるに至ったらしい。

ギターヒーローのようなスイッチ方式とはことなり、指の動きやピッキングの速さなどを検知する擬似弦を搭載している。それにより、従来のギターに近いテイストを導入することができたのだ。おまけに面倒なチューニングの必要はない。リバーブやトーン調整のためのノブも装備されていて、好みの音を鳴らすことができるようにもなっている。

MIギター用の譜面を読みこなすには多少の慣れも必要だ。ただ、連携アプリケーション側で弾いた箇所をタブ譜上で表示してくれるので、どこを演奏しているのかを見失うことはない。出力は通常のギターアンプ、MIDI、ヘッドフォンに対応している。すなわちコンサートで演奏することもできれば、ひとりで練習することもできるわけだ。

よくある(昔、ジャーミネーターなんてものもあった)決まった曲しか演奏できない玩具ではない。MIギターでは演奏できる曲に制限はなく、自分の好きな曲を弾くことができる。ミューズのボーカルであるマシュー・ベラミーも、このMIギターへの出資者のひとりだが、心に浮かんだ曲を、ギターの仕組みなどに意識を奪われることもなく音にすることが可能なので、作曲に用いることもあるのだと語っている。ちなみに直近30秒に演奏したフレーズはギター側で自動的に記録しているので、たまたま弾いてみたフレーズを、うっかり永遠に失ってしまうようなこともない。

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MIギター本体およびアプリケーションにはいろいろな機能が備わっているが、ともかく比較的手軽なギターという楽器をさらに簡単にして、初心者にも簡単に自己表現が行えるようにしているのは素晴らしいアイデアに思える。

ギターを弾けるようになるまでの努力こそが楽しいのだという人は少数派だろう。好きな曲を自在に弾くことができた方が楽しいはずだ(普通の人にとっては)。ギターにある指盤をボタンに変え、自在に演奏し、自分の弾くギターにあわせて歌を楽しむことも容易になった。

個人的には趣味でギターを弾いてきた。それでも新しい曲をマスターしようとするたびに、見たこともないコードをマスターしなければならないことには苛立ちを感じたりもしていた。しかしMIギターを使えば、難しそうに聞こえる「朝日のあたる家」などもすぐに弾けるようになるのだ。

音質的にはまだ改善の余地はあると思う。よりギターらしくすれば、より広い層から支持を集めることができると思うのだ。ただ、自分の心に浮かんだ曲を仕上げてみたいとか、あるいはキャンプ場でのヒーローを目指したいということなら、このMIギターは相当に有望なデバイスだと思う。

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(翻訳:Maeda, H

音楽ストリーミングの8tracks、クラウドファンディングで3000万ドルを調達

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音楽ストリーミングのスタートアップ、8tracksは以前から強いコミュニティー感覚を持っていた。しかしこのたび同社はそれを一歩進めて、自らのコミュニティーから3000万ドルを調達した。ベンチャーキャピタリストに金をせがむ代わりに、この会社はSeedInvestで資金調達クラウドファンディングのキャンペーンを開始し、好調に進んでいる。

約3万人のコミュニティーメンバーが、1000ドルずつの投資を約束して会社の一部を手に入れようとしている。つまり、すべて予定通りに運び、投資がSECの審査を通れば、8tracksは3000万ドルのシリーズAラウンドを完了する。JOBS法案の下では、誰でも非公開企業に投資することが可能であり、年間収入20万ドル以上の人たちだけではない。

「ご想像の通り、これはコミュニティーが主要な財産である8tracksにとってまさにぴったりのやり方だ」とCEOのDavid Porterが私に言った。「プログラミングを作るのは私たちのユーザーであり、そのプログラミングを広めるのも私たちのユーザーなので、彼らがそのプログラミングの資金調達に参加して、8tracksの一部を文字通り所有できるようにすることは、ごく自然な成り行きだ」。

8tracksは、Pandoraと似たリラックス系ラジオサービスだが、プレイリストは人間が作る。作ったプレイリストには様々なタグを関連付ける。タグはムード(ハッピー、ラブ等)や行動(ワークアウト、勉強、睡眠)、もちろん音楽ジャンルでもいい。リスナーは、これらのタグを組み合わせて理想的なプレイリストを作ることができる。例えば「勉強 + インディー + 夏」を検索できる。

会社は以前に、シードラウンドでAndreessen Horowitz、Index Ventures、SoftTech VC、およびBen Duryから150万ドルを調達しており、250万ドルの負債による資金調達も行っている。現在の月間アクティブユーザー数は600万人で、2年前と比べてわずかに減っている。

今回のラウンドは、以前のラウンドと比べて大きな一歩であり、会社はそれを必要としているようだ。8tracksは音楽カタログを利用するために、音楽レーベル各社と直接契約を結んできた。また、同社は海外ストリーミングサービスを中止したが、これは米国、カナダ以外で有効なライセンスを保有していないためだった。

再度海外ストリーミングを可能にすることと、音楽レーベルを増やすことは、2つとも厄介で費用のかかる仕事だ。しかし、十分な資金を得た今、8tracksはまさにそれを実行しようとしているようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SoundCloudがラジオ機能“Stations”をiOSとAndroidでスタート、好みの曲の見つけやすさで差別化

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Appleが制作するiTunes Radioの有料化(無料制の廃止)を絶好のタイミングと見た音楽ストリーミングサービスSoundCloudが今日(米国時間2/2)、そのラジオサービス”Stations”をローンチした。Pandoraなどのラジオサービスと同じくStationsも、ユーザーの曲指定や検索結果などに基づいて音楽ストリームをエンドレスで流す。

同社の発表声明によると、このラジオ局は“これまでどこでも聴いたことのない曲を発見する新しい方法”を提供する。そのため、ユーザーの好みに基づいて容易に曲を見つけることができる。

SoundCloudには前から”Related Tracks”(関連曲)という機能があり、曲と曲の関係や類似性を理解する能力があるが、これまではその能力がエンドユーザーの便宜として生かされていなかった。だからSoundCloudでは、自分の関心に沿う音楽を見つけるのが困難だった。優秀な新人や、隠れた才能を見つける場所、とされているSoundCloudがこれでは、困るのだった。

もちろん、ユーザーからの要望も殺到していた。しかし今日までは、新しい曲を見つけるのがかなり面倒だった。

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自分のラジオ局、SoundCloud Stationを最初に作るときは、曲名や何かのキーワード、コンテンツストリーム、自分のCollectionなどで検索をしたあとに出るメニューで、”Start Station”(Stationをスタートする)を選ぶ。そうすると、自分のStationが、LikesやPlaylistsなどと並んで自分のCollectionの一部になる。ユーザーが選べる曲の数は、1億以上あるそうだ。

SoundCloudは今、収益化の方法を模索しているが、Stationsはまさにそんな時期に登場した。同社は2015年の初めに、3200万ユーロを投資でなく融資で調達し、最近では年内における、有料会員制とグローバル市場を対象とする広告の展開を計画している。

もちろん有料制を採用するからには、競合他社に負けないだけの、サービスの充実した構成を確立する必要がある。当然その中にはStationsのようなラジオ局も含まれるだろう。PandoraもApple MusicもSpotifyもGoogle Play Musicも、すでにやっていることだ。

SoundCloudによると、Stations機能は今日からiOSAndroidの各アプリで使える。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AppleがリリースしたMusic Memosはミュージシャン向け録音アプリの優れもの

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ボイスメモはiPhoneの大きなセールスポイントだ。ユーザーはボイスメモのアイコンをタップするだけで周囲の音をなんであれ即刻録音できてしまう。しかしミュージシャンにとってはiPhoneのボイスメモはそのままでは他の音声録音アプリと変わりなかった。いっそう便利なツールではあるが、要するにそれだけのことだ。これが今回のMusic Memosのリリースで大きく変わったかもしれない。

今日(米国時間1/20)、Appleは GarageBandを久々に全面アップデートしたが、同時に発表されたMusic Memosは曲や歌詞を書こうとするアーティストにとって有力なツールとなる。ミュージシャンが集まってブレーンストリーミングするのにも最適だ。Music Memosはジャムセッションやフリースタイルの演奏を即座に非圧縮フォーマットで録音する。また素早くアクセスできて音楽制作に役立つクールな機能をいくつも備えている。

アプリを開くときわめてシンプルだという印象を受ける。最初に表示されるのは巨大な録音ボタンだけだ。ギターでコードを鳴らしたりピアノで曲を弾いたりするときにいちいち楽器製作の高度なテクノロジーを意識する必要がないのと同じようなものだ。しかしMusic Memosは楽器のチューニングにも使えるし、録音された曲の高度な解析能力もある。思いついたテーマを楽器で弾くと、リズムセクションが伴奏を付けてくれる。

またアプリは曲作りには組織化が欠かせないことをよく理解している。曲を仕上げるというようなクリエーティブな作業には数多くのテストセッションが必要だ。すべて録音していればトラックの数は膨大になる。アプリはサウンドや録音場所を解析し、ユーザー評価などのタグでファイルを分類してくれるので、午前3時ごろに最高に盛り上がって録音したセッションを後で探し出すのも簡単だ。

このアプリは、Appleが同時にメジャー・アップデートを行ったGarageBand、またApple Logicと緊密に連携して利用できるようにデザインされている。ユーザーはこうした音楽製作のためのアプリからMusic Memosのトラックを素早くインポートして本格的な曲作りを始めることができる。iCloudはトラックの保存や仲間との共有などに大いに役立つ。Apple MusicのConnectを利用することももちろん可能だ。

Music Memosは現在iOSのApp Storeで公開されており、無料でダウンロード可能だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

スターバックス、店内で再生した音楽をSpotifyのプレイリストとして提供開始

Spotify in the Starbucks app photographed on Fridday, January 8, 2015. (Joshua Trujillo, Starbucks)

スターバックスとSpotifyが共同で、新たな音楽体験を提供することとなった。スターバックス店内で流れている曲のリストを入手し、そこに含まれる曲をSpotifyのプレイリストに登録することができるようになったのだ。

新たなエクスペリエンスを提供することで、スターバックスのモバイルアプリケーションの利用者増と、Spotifyの登録者を増やすことを目的としたものだ。本機能はアメリカ7500件以上のスターバックスで提供が開始された。1000万を超える「My Starbucks Rewards」会員や、米国のSpotify利用者をターゲットとしている。

スターバックスは当初より音楽をどのように扱うかに気を配ってきた企業だ。最初はiTunesの無料楽曲を流したりしていたが、1994年にはジョン・レノン、アレサ・フランクリン、ボニー・レイットなどの楽曲からオリジナルCDを作って店舗で販売することを始めた。さらにはボブ・ディランやヨーヨー・マ、ローリング・ストーンズやレイ・チャールズなどの楽曲を使って季節毎の特製CDなども制作してきた。

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そうした中で、Spotifyとスターバックスは2015年に共同でのサービスの提供を開始している。このときから、スターバックスのミュージックパートナーはSpotifyであるという位置づけになった。スターバックスのバリスタにはSpotifyのプレミアムライセンスが付与され、流れる音楽を指定する権限を得ることとなったのだ。両社は、新たなサービスを提供することになったわけだが、しかしこれまでの仕組みも変わらずに継続していくとのこと。すなわちバリスタないし従業員たちは、店で流す音楽のプレイリストを作成する権限を持つのだ。

スターバックスはSpotifyと連携したサービスを提供し始めるにあたって、スターバックスのモバイルアプリケーション経由で、店舗の顧客にもプレイリストの提供を行いたいと話していた。

その話がいよいよ実現し、さらにハイレベルのサービスを提供できるようになったわけだ。有料および無料のSpotifyユーザーは、店舗のプレイリストをSpotifyのプレイリストとして保存できるようになったのだ。

ただし、Spotifyにプレイリストを保存するには、まずスターバックスのモバイルアプリケーションから操作する必要があるとのことではある。

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スターバックスの店舗でアプリケーションを起動すると「Now Playing」や「Recently Played」というメニューが表示される。それぞれのメニューから、曲のタイトルを指定してプレイリストに保存するものを指定することができる。さらに、ここで「love」(お気に入り)を選択することで、店側に「また流して欲しい」という意志を伝えたり、あるいはソーシャルネットワークに投稿したりすることもできるようになっている。

もちろん、スターバックスのプレイリスト全体ではなく楽曲を単独でSpotifyで再生することも可能で、スターバックスを離れてもお気に入りの曲を再生することもできる。

スターバックスは、ある意味でSpotifyの「プレイリスト・プログラマー」としても機能するようになるわけだ。Spotify利用者が新たな楽しみをここに見出す可能性もある。

ちなみにスターバックス店舗内の音楽は、インターネットに接続して動作するPlayNetworkのCURIOという仕組みを、iPod touchで操作して流されるようになっている。スターバックスのモバイルアプリケーションもCURIO経由でプレイリストを認知して情報を提供する仕組みとなっている。

CURIOシステムでは定番の楽曲やプレイ頻度が上がっている楽曲を識別する機能も備えていて、「今週のベストテン」などの情報もアプリケーション経由で提供できるようになっている。

こうした機能は、iOS版およびAndroid版のスターバックスアプリケーションで利用できるようになるのだとのこと。

「私たちの店舗にあって、音楽というのはずっと重要な役割を果たし続けてきました。店舗の魅力を高めるのに、音楽の力を融合していく仕組みを得たことになります」と、スターバックスのチェアマン兼CEOのHoward Schultzは言っている。「音楽体験の面でいえば、新しい時代の幕開けということができると思うのです。フィジカルとデジタルを融合したとも言えるのではないでしょうか。成長を続けているSpotifyに新たなチャネルを提供することにもなりました。利用者の方々が楽しめるオプションも増えましたし、また、アーティストにも自分たちの魅力をシェアする新たなチャネルを提供できるようになったと考えています」。

ちなみにSpotifyはこれまでにも人気ブランドとの協業により利用者層を拡大する試みを行なってきている。たとえば2014年にはUberと提携して、Uber利用者が好きな音楽を視聴できるサービスを行った。あるいはVirgin Americaと組んで、フライト中のストリーミングサービスを提供するようにもなった。他にも自動車メーカーやモバイルデバイスの製造企業、あるいはBonnarooなどの音楽フェスティバルとの提携などを行なってきている。

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(翻訳:Maeda, H

Pandora株が乱高下する理由

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音楽配信サービスのPandoraは、水曜日(米国時間12/16)の時間外取引で劇的な暴落の後、劇的な22%の急騰を見せた。投資家らが未来を占い、その後著作権料決定のニュースを知ったためだ。

投資家らは著作権料委員会の決定を一年中待ち続けていた。Pandoraや、iHeartRadioを始めとするその他のデジタルラジオサービスが、向こう5年間アーティストに支払う金額がこれで決まる。著作権料は、非購読者による再生が100曲につき17セントで、14セントから上昇した。購読者による再生は100曲につき22セント。

これは利益を出していない会社にとって、さらに費用が嵩むことになるが、Pandoraの投資家は最悪のシナリオを描いていたため、ニュースを聞いて株価が上がった。音楽業界の中には、100曲につき25セント以上を要求している人々もいる。

レコード会社と直接交渉しているSpotifyやApple Musicと異なり、Pandoraの著作権料は一律に固定で、これは同社がラジオサービスと見做されているためだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

自作のビデオに音楽をつけたい人、作曲サービスJukedeckが著作権のない曲を一瞬で作ってくれる

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【抄訳】
ビデオは誰でも撮れるけど、それに音を付けるのは難しい。しかも、のちのち著作権などの問題が起きない音を。そこで、Jukedeckの人工知能を使った作曲サービスを利用すると、そんな音楽を安く作ってくれる。ユーザは、音楽的才能ゼロでもよい。下図のように、ムードとスタイルとテンポと長さ(時間)を指定するだけだ。短い動画でも、YouTube上の連作でも、あるいは6秒のVineでも、何でも対応できる。

長年ステルス(お忍び)でやってきたJukedeckが今日(米国時間12/7)、本誌主催のスタートアップコンペTechCrunch Disrupt LondonのStartup Battlefieldで、そのサービスを一般公開した。料金プランは一曲7ドルから150ドルまで何段階かあるが、1か月5曲までなら無料だ。非公開ベータのときのユーザには、Googleやロンドンの自然史博物館、それにイギリス王室のご家族もいる。

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“今は個人がメイクしたりクリエイトする時代だから、それをサポートするサービスが必要だ”、とJukedeckの協同ファウンダデベロッパCEOのEd Rexは語る。YouTubeだけでも、毎分300時間ぶんのビデオがアップロードされているから、Jukedeckの顧客は無限だ。音楽がしろうとビデオの表現力や訴求力を高めるなら、Jukedeckは人間のコミュニケーション能力を高める、とも言えるだろう。

【中略】

 

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Jukedeckのコンペティタとしては、まず、古典的な既存の曲のライブラリとしてPremiumBeatやAudio Networkなどがある。これらのサービスは、しろうとが自作のビデオ用に使いこなすのは難しい。またJukedeckのように作曲してくれるサービスには、デスクトップ用の複雑なソフトウェアAthTek Digibandや、メロディをユーザが提供するLudwigなどがある。

Jukedeckの最大の欠点は、指定できるオプションが少なすぎることだが、これについては、Rexによれば、おいおい増やしていくつもりだ。ぼくが個人的にどうしても欲しいのは、イントロやアウトロが「徐々に始まる/終わる」と「突然始まる/終わる」の、曲調の指定なんだけど。曲のタイプが4種類しかないのも、さみしいね(「パンクロック」は指定不可!)。

【中略】

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下のTwitter投稿ビデオでは、RexがDisruptのステージ上で、自分のピッチ(売り込みスピーチ)にJukedeckで即席に作った曲をつけ、ラップ仕立てにしている:

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Facebook、 Apple MusicとSpotifyの曲をソーシャル共有できるMusic Storiesを発表

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今朝(米国時間11/5)、FacebookはMusic Storiesという新機能を発表した。この機能はユーザーが未知の曲を発見し、友達と共有することを助ける。 簡単にいえば、Facebookにおける新たな記事投稿フォーマットだ。Music StoriesはApple MusicとSpotifyと連動しており、これらのサービス上の曲を簡単に記事として投稿できる。

ユーザーは両サービスから曲またはアルバムを選択すると、各曲の最初の30秒を試聴でき、さらにFacebookへの投稿として公開できる。

当初のソースの選択に応じて楽曲はApple Music〔TechCrunch記事〕ないしSpotifyからストリーミング配信される。楽曲を聞いたユーザーは、その曲を購入したり、それぞれのサービスのプレイリストなどに保存することができる。つまりApple Musicがソースであれば、リンクをクリックしてiTunesから曲を購入できるわけだ。またApple MusicまたはSpotifyの加入者であれば、曲をストリーミングで聞けるよう公開することもできる。

Facebookによれば、サポートするストリーミング・サービスの種類は現在の2種類にとどまらず、今後さらに増やしている計画だという。

Spotifyのグローバル事業開発の責任者、Jorge Espinelは「われわれはFacebookのMusic Storiesに参加できたことを喜んでいる。われわれのメンバーはSpotifyで新しい楽曲を発見しFacebookで友達と共有するのが大いに簡単になる。われわれが配信する曲がFacebookで話題にされるようになればSpotifyの利用も増えるだろう」と声明を発表した。

新機能は当面FacebookのiPhoneアプリからのみ利用可能となる。将来はAndroidなど他のプラットフォームにも拡大されると予想してもよいだろう。ただしAndroid版ではApple Musicのプラットフォームを問わないストリーミングはサポートされるが、iTunesストアからのダウンロードはサポートされないだろう。ただしFacebookは将来の計画について詳しいことを明らかにしていない。

音楽はFacebookがこれまで十分に力を入れていない分野だ。FacebookがMySpaceからSNSの王座を奪った時代からその傾向があった。逆にMySpaceは音楽分野、特に新しい音楽の発見機能では定評があった。スマートフォン上で定評がある有力な音楽ストリーミング・サービスと提携することは、ユーザーがソーシャル共有のために大量の楽曲を投稿することを促し、Facebookのトラフィックを劇的に増大させる可能性がある。

新機能は現在Spotifyが提供しているFacebook関連サービスとは異なる。Music Storyは特定の曲あるいはアルバムを新発見ないしお気に入りとしてFacebookの友達に推薦するものだ。その際、ユーザーはリンクを投稿するだけでなく、問題の楽曲に対する詳しい感想を述べることもできる。Music Storyは音楽に特化しているものの、本質的には一般のFacebookの近況投稿と同じものだ。

ユーザーはApple MusicまたはSpotifyで曲またはアルバムのリンクをコピーし、Facebookの近況ボックスに貼り付けるだけでよい。するとシステムが自動的に魅力的な楽曲のプレビュー画面を作成する。プレビュー画面には回転するレコードのアイコンまで表示され、他のユーザーが曲を再生するためにクリックできる。したがって一般の近況の投稿に対するのと同様、Music Storiesに対してもコメントができる。

Music Storiesはアーティストやバンドにとっても曲をプロモーションする有力なツールとなるだろう。すでにFacebookにアーティストのプロフィールや曲のページが掲載されている場合、相乗効果は大きなものとなる。SoundCloudやこの夏、Apple自身がMusicの一部としてスタートさせたConnectなどのように、音楽分野のソーシャル化も今後は急速に進展し、Facebookとの競争も激しくなるだろう。その際にMusic StoriesはFacebookに大きな優位性をもたらすかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SoundCloudがクリエイターのためのツールを集めた専用アプリを発表

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iOSとAndroidの両方で音楽アプリのトップ5のひとつであるSoundCloudが、アーチストやクリエイターのためのアプリSoundCloud Pulseを今日(米国時間11/2)リリースした。このアプリを使ってユーザは、作品を共有したり、人気情報を調べたり、コメントに答えたり、他のユーザをフォローしたりできる。共有は、一般公開でも、会員登録制でもどちらでもできる。もっと高度な機能も今準備中なので、今後のアップデートにご期待を、ということだ。

現時点ではSoundCloud PulseはAndroidのみで、iOSバージョンはまだだ。

しかし今後リリースされるバージョンでは、より詳しい人気情報や、曲の情報の編集、曲のアップロード、拡張メッセージングなどの機能がサポートされる。

SoundCloudのコミュニティをいつも盛り上げているクリエイターたちのためのモバイルツールが出るのは、今回が初めてだ。

SoundCloudは今、完全な合法化を目指してレーベルと交渉したり広告のない有料会員制をやろうとしている。そんなとき、アーチストとの関係を深めることができれば、同サイトはインディー音楽のさらに良いソースになり、また新人クリエイターたちの登竜門にもなる。これまでのような法律のグレーゾーンで、一部のレーベルに嫌われて音楽を引き上げられるサイトではなくなるだろう。ただしそのほかのレーベルは同社とすでに売上共有契約を結んでいる。

SoundCloudのメインのアプリケーションも最近改作され、SoundCloudと同じくインディーのアーチストも参加できるApple Musicに対抗しようとしている。

SoundCloud本体アプリには、音楽の発見と全体的なユーザ体験を改良するための機能が盛りだくさんだが、これまで、クリエイターが自分のアカウントを管理するためのツールは、増えなかった。

Pulseは、そのほかの要望にも対応している。まず、これまでの数年間で、クリエイターが頼りにしてきた機能の多くがなくなっている。SoundCloud Pulseの発表を告げるブログ記事のコメントにも、この不平がある。SoundCloud Pulseなんていう別のアプリを出さずにSoundCloudアプリ本体が充実すれば、それでいいじゃないか、というわけだ。SoundCloudのマーケティング部長Brendan Codeyは、こう答えている:

それは、社内でも激しく議論しました。クリエイターとリスナー両方のニーズを満たすためには、アプリを二つに分けるのがベスト、という結論に達しました。機能豊富でしかも使いやすくメンテナンスしやすいツールを作ることは、大仕事でしたが、アプリを二つに分けたことによって、双方が互いの邪魔をすることなく、今後の改良を進められるようになりました。

SoundCloudの登録ユーザ数は1億5000万に達し、月間リスナは1億7500万いる。年齢層は、SpotifyやPandoraより若い、と最近のBloombergが報じている

さきごろ同社は、“今年の終わりごろ”有料会員サービスを始める、と言っている。でもまだ、公式日程の発表はない。クリエイターのためのアプリをまず改良してから、そのような有料サービスをローンチする、という心算なのかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

3500万曲聴き放題の定額制音楽配信サービス「Google Play Music」が日本でもスタート

国産サービスの「AWA」や「LINE MUSIC」に続き、Appleが「Apple Music」を日本で開始するなど、サブスクリプション(定額)型音楽配信サービスのローンチが相次いでいるが、グーグルもここにきてその流れに乗ったようだ。同社は9月3日、音楽サービス「Google Play Music」を日本で提供開始した。Android端末のほか、iPhoneやiPadといったiOS端末(いずれもアプリで提供)、PC(ブラウザで提供)でサービスを利用できる。

Google Play Musicのトップ画面。おすすめのプレイリストや最近聴いた楽曲が並ぶ

Google Play Musicのトップ画面。おすすめのプレイリストや最近聴いた楽曲が並ぶ

Google Play Musicは、月額980円、3500万曲以上をラインアップするサブスクリプションサービスに加えて、1曲単位・アルバム単位で購入可能なストア、ユーザーが所有したり、購入したりしたデジタル音源5万曲を無料でクラウド上に保存できる無料のクラウドロッカーで構成する。

楽曲はソニー・ミュージックエンタテインメントやエイベックス・ミュージック・クリエイティブ、ユニバーサルミュージックをはじめとして国内外200レーベル以上が参加。なおサービス開始から1カ月間無料となるほか、10月18日までに契約したユーザーに対しては月額780円でサービスを提供する。

サブスクリプションサービスでは、ユーザーの好みに合わせて自動的に楽曲リストを作成する「ラジオ」や、サービスを担当するコンシェルジュが特定のシチュエーションに合わせて作成した「プレイリスト」などの機能を提供。アルゴリズム、そして人力を組み合わせてユーザーに最適な楽曲を提案していくという。また、各種のプレイリストや購入楽曲、ロッカーにアップロードした楽曲は「マイライブラリ」と呼ぶ機能で一括管理できる。

もちろんGoogleらしく検索機能も充実。例えば「ジュディマリ」の愛称で知られるアーティスト「JUDY AND MARY」であれば、「じゅでぃまり」とひらがなで検索できるし。「げすきわ」で「ゲスの極み乙女。」も検索できる。Googleらしく「I’m feeling lucky」の機能も用意。今まさにオススメという楽曲を表示してくれる。

レコメンドや検索はパーソナライズされているとのことで、ユーザーが使えば使うほどにユーザーの好みに合ったサービスになるのだそう。また、オフラインでの再生機能も用意。プレイリストから楽曲をダウンロードしておけば、オフラインでも楽曲を再生できる。

グーグルではこれまで世界59カ国でGoogle Play Musicのサービスを展開しており、日本が60カ国目となる。

Google Play Musicのパートナー

Google Play Musicのパートナー

SoundCloudがApple Musicに対抗して音楽発見機能を充実…関連曲再生やソーシャルな共有で

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今週のたぶん最大の話題がApple Musicのローンチだろう。しかしその同じ週に、人気の高い音楽ストリーミングサービスSoundCloudも、そのモバイルアプリを大幅にアップデートした。アップデートの内容には、関連曲の紹介、シャッフル、プレイリストの直接編集などがあり、主に音楽をより見つけやすくすることと、ユーザ体験の向上に力を入れている。

Apple MusicはSoundCloudのテリトリを侵そうとしている。インディーのレーベルをたくさん集めたし、インディーのアーチストたちはソーシャルな共有サービスConnectを利用して、音だけでなく画像やビデオもアップロードできる。Appleの人気アプリケーションGarageBandから直接、Apple Music Connectに作品を発表できるようになった。インターネットラジオサービスBeats1は、その新曲紹介‘番組’が好評だ。

というわけでSoundCloudは、大急ぎでサービス内容やインタフェイスの微修正を迫られたのだ。

プレイリストの編集や、好きな曲やプレイリストのシャッフルは、音楽ストリーミングサービスの定番のような機能だから、まあ、あるのが当たり前だ。でも最大の変化は、SoundCloud独自の新曲発見機能、‘関連曲紹介’だ。

聞きたい曲を指定したあとで”Play Related Tracks”(関連曲を再生する)をタップすると、音楽発見の旅が始まり、SoundCloudのアルゴリズムが、そのユーザが好むかもしれない曲を次々とピックアップしてストリーミングする。今、世界最大の音楽ストリーミングサービスと言われるSoundCloudには1億あまりの曲があり、どんな曲でも見つかるだろう。その中には、無名の宝石のようなアーチストもいるから、この新しい機能は彼らのファン獲得にもきっと貢献する。

soundcloud-related tracks

SoundCloudのソーシャル共有機能も改良され、ユーザは検索画面や好きな曲リストから直接、ソーシャルネットワーク上での共有をSoundCloudに指示できる。それはSoundCloud上のユーザのエンゲージメントを活発にするための工夫だが、曲の発見機能にも寄与する。共有がしやすくなればなるほど、SoundCloudのユーザでなかった人もこのアプリを知るようになり、またすでにユーザである人も、再訪のきっかけを得る。

アップデートはすでに可利用だが、当面はSoundCloudのiOSアプリのみだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

電通デジタル・ホールディングス、定額音楽配信サービスのSpotifyに出資

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AppleがWWDCでサブスクリプション(定額)型の音楽配信サービス「Apple Music」を発表したが、それと前後して、サイバーエージェントエイベックスの「AWA」、LINEとエイベックス、ソニー・ミュージックの「LINE MUSIC」と、国内で利用できる音楽配信サービスがローンチした。

一方、海外で先行する音楽配信サービスの「Spotify」は、日本でのサービスインについてまだアナウンスをしていない。そんなSpotifyについて、電通グループが出資したことが明らかになった。

電通デジタル・ホールディングス(DDH)は6月15日、同社が運用する投資ファンド「電通デジタル投資事業有限責任組合」を通じてスウェーデンのSpotify Technology S.A.(Spotify)への出資を行ったと発表した。

出資額や出資比率は非公開。DDHによると、すでに電通グループとSpotifyは40カ国以上で取引実績があるという。

Spotifyこれに先駆けては6月10日に5億2600万ドルの資金調達を実施した(バリュエーションは85億3000万円)ことを明らかにしている。同社が発表したところによると、Spotifyの有料ユーザーは2000万人。全ユーザーは7500万人にのぼるという。

エイベックスとサイバーの定額制音楽配信サービス「AWA」は5月27日よりスタート

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米国ではSpotifyがプレスイベントを開催して、ビデオ配信サービスランナーのペースに合わせて楽曲を選択する機能などを発表している。数日前にはスターバックスとの提携によって、店舗内に流れる楽曲の選択が可能に…なんて話もあった。

ではSpotifyは日本でどんな状況なんだろうか? 日本法人の設立はもう数年前のことで、日本で音楽配信サービスの立ち上げに関わったキーマンらが参画しているなんて話は聞くものの、「間もなくサービス開始」というステータスから変化はないようだ。

ソニーではサブスクリプション(定額制)モデルの音楽配信サービス「Music Unlimited」を3月に終了し、Spotifyと提携した「PlayStation Music」を開始しているが、それも海外だけの話。日本では光景サービスは利用できず、ただ「Music Unlimitedが終了した」というだけの状態。

現在国内で展開するサブスクリプション型の音楽配信サービスと言えば、アジアを中心に1000万超のユーザー数を誇るKDDI傘下の「KKBOX」やJ-POPに強い「レコチョクBEST」など。またちょっと毛色が違うかも知れないが、USENも2013年末から「スマホでUSEN」を開始している。LINEも2014年末にエイベックス・デジタル、ソニー・ミュージックエンタテインメントとともにLINE MUSICを設立。サービス開始に向けて準備を進めている状況だ。

そんな中、以前からサービスの提供を発表していたエイベックスとサイバーエージェントによる音楽配信サービス「AWA」が、5月27日からスタートするという発表があった。

サービスを提供するAWAは、2014年12月の設立。エイベックス・グループ・ホールディングスの100%子会社であるエイベックス・デジタルとサイバーエージェントが共同出資している。アプリケーションの開発や運営をサイバーエージェントが、配信楽曲調達の手配をエイベックス・グループがそれぞれ担当している。

AWAに楽曲を提供するのはKADOKAWAやソニー・ミュージックエンタテインメント、ユニバーサルミュージックをはじめとする17主要レーベル。2015年末までに約500万曲、2016年末までに1000万曲の提供を見込む。また、6000以上のオリジナル「プレイリスト」を用意。ユーザーは自らプレイリストを作成したり、人気DJや音楽プロデューサーなどのプレイリストを利用したりできる。

サービスはプレイリストの視聴などができるLite Plan(月額360円を予定)と、Lite Planの内容に加えてプレイリストの作成・公開などに対応するPremium Plan(月額1080円を予定)の2つのプランを用意。サービス利用開始から90日間は、お試し期間として無料での利用が可能となっている。

在庫リスクなしでレコードもデジタル音源も販売できる「Qrates」がアーティストのビジネスを変える

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トウキョウ・デジタルミュージック・シンジケイツ(TDMS)は4月24日、アナログレコードの販売やデジタル音源のダウンロード販売、ストリーミング試聴ができるプラットフォーム「Qrates」を正式オープンした。

伸びるアナログレコード市場とその課題

最近、アナログレコードの販売枚数がまた伸びているらしい。そもそもCDが音楽メディアの主流となったのが1999年頃だそうで、そこからレコードの販売量が減少。DJやオーディオマニアをはじめとした根強いファンが市場を支えているものの、存在としてはマイナーなものになっていった。

でも今じゃデジタル音源のダウンロード販売がCDに取って代わろうとしている状況。そんな動きの反動か、今度はアナログレコードの価値が音楽ファンから見直されている。もちろんCDやダウンロード販売のからすれば微々たる数字であるが、アメリカとイギリスでは2007年頃から再び売上が増加。アメリカでは2014年、アナログレコードの販売枚数は前年比52%増の920万枚になった。これは過去20年間で最も大きい数字だとか。

Infographic: The LP is Back! | Statista

米Statistaが発表したアメリカのレコード売上の推移(2013年まで)

 

日本でもレコード人気は再燃しつつあるそう(とはいえ2013年で26万8000枚、2013年で40万1000枚さらに小さい数字)。家電量販店なんかを見れば、1万円程度で購入できるスピーカー一体型のレコードプレーヤーなんかも登場している。だが一方で課題もある。それはレコードの製造コストにまつわる話だ。

レコードは素材となる樹脂をプレスし、さらにカッティングして作るわけだけれども、日本でプレスが可能なのは東洋化成の1社のみ。

そこでは最低100枚からのオーダーを受けているが、レコードはロット数が少ないほど高コストになるもの。たとえば300枚程度をオーダーして1500円程度で販売しても、流通手数料や小売り店へのマージンを考慮すると(そもそも小さなレーベルや個人が流通パートナーと組めるのかという課題もある)、オーダーした音楽レーベルは赤字になり、アーティストには利益を還元することすらできないなんてケースもザラ。在庫を抱えるリスクだってある。Qratesはそんな“アナログ回帰”にまつわる課題を、音楽配信やクラウドファンディングの仕組みを組み合わせることで解決しようとしているのだ。

クラウドファンディングで“利益の出る”レコードの販売を実現

Qratesでは、アーティストがサイト上に楽曲をアップロードして、ストリーミングで配信したり、ダウンロード販売したりできる。ここからが最大の特徴なのだが、デジタルデータの試聴や販売に加えて、クラウドファンディングの仕組みを使ったアナログレコードの販売が可能なのだ。予約が集まれば、最低100枚から、在庫リスクを負うことなくプレスオーダーができる。

同社はこのために、チェコのプレス工場と提携しているそうだが、チェコからの空輸料金を差し引いても国内より安価でプレス可能なのだそう。製造原価に加えて販売手数料15%が差し引かれるが、小売り店を通さない直販モデルになっているし、前述の1500円程度、300枚のプレスでもちゃんと利益が出る設計(試算ではこの価格、プレス枚数で販売価格の35%程度が利益になるようだ)になっているんだとか。

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Qratesでは、アーティスト向けに3Dデザインツールも提供しており、ジャケットやラベルなどを自由にデザインすることが可能。また製造枚数や販売単価などをシミュレーションできるマネージメント機能も用意。さらには、アナログレコード購入者向けの特典として楽曲を配信するといったボーナストラックの提供機能なども用意する。

音楽配信を6年、気付いたアーティストの課題

TDMS代表取締役のペ・ヨンホ氏

東京・表参道に拠点を置くTDMSは、これまで音楽配信サービス「wasabeat」を約6年間提供してきた。wasabeatは現在1万社のインディーレーベルと組み、クラブミュージックを中心に100万曲の販売を行っている。だが音楽配信をやればやるほどに、音楽ビジネスに課題や悩みを抱えることになったのだという。

やっぱりアーティストからすればダウンロード販売だけでなく、最終的にはレコードを作りたい。でも自主的に作ったところで儲からないワケだ。そうなると「結局息が続かなくて辞めてしまう。音楽業界不遇の時代を見てきた」(TDMS代表取締役のペ・ヨンホ氏)。

海外ではSoundcloudBandcampのようにアーティストが自ら楽曲をアップロードし、プロモーションや販売をするというプラットフォームが登場しているが、日本にはまだそういった環境もほとんどない状況だ。レーベルではなく、アーティストが自ら発信できる場所——しかもデジタルとアナログ両方のニーズを解決できる場所を作るべく、Qratesが生まれたのだそう。なおTDMSはQratesの提供に先駆けて、IMJキャピタルとエクシングからの資金調達を受けている。

YouTubeが音楽系アーチストのためのリソースサイト”YouTube for Artists”を開設

YouTubeは今朝(米国時間3/16)、アノテーションを将来置き換えることになる「カード」機能をローンチしたが、実はそれと併せてYouTube for Artistsという新しいサイトのローンチも発表した。このサイトは、YouTube上で自分の作品をプロモートしようとする音楽アーチストにさまざまなリソースをガイドし、作品や演奏が発見されるためのコツや、ファンの参加性を増す方法、収益の上げ方、などなども教えることが目的だ。

そこには、ローンチしたばかりのカード機能(“Cards”)の案内もある。それはビデオにオーバレイする対話的な成分で、視聴者にいろんな情報を提供する。たとえば、資金を募集しているクラウドファンディングのサイトのリンク、売りたい商品の案内、次回のコンサートの宣伝、などなどだ。

またこのサイトは、アーチストたちを世界中のビデオ制作用リソースに結びつけ、さらにYouTube上の視聴をBillboardのチャートや、SiriusXMなどでのプレイに利用するやり方も述べている。

YouTubeによると、もうすぐ、ビデオクリエイターたちのためのそのほかのツールもローンチする。たとえば、どの都市にファンが多いか、オフィシャルビデオの総視聴数、Content IDシステムによるファンのアップロード数などを知るためのデータツールだ。これらのデータをミュージシャンは、次のビデオをリリースすべき最適のタイミングや、タイムゾーン(地球上の地域分け)、次のコンサート会場などを決めるための参考にする。このツールの正式ローンチ前のデモを、オースチンで行われる音楽フェスティバルSXSWで行う。

今度の”Find your fans”(ファンを見つけよう)ツールは、この新しいWebサイトで大きく紹介されているが、ただし供用開始日未定の”coming soon”(もうすぐ)になっている。YouTubeによると、それは“数週間後”だそうだ。

YouTube上のスターミュージシャンを特集する企画、とくにYouTubeの音楽賞であるYouTube Music Awards(YTMA)授賞大会を今月末に行う。そこでは今年初めて、YouTube上の人気上位15までのアーチストのビデオ集もリリースされる。詳細は、YouTubeのYTMA 2015チャネルにある。今後はアーチストとその音楽をYouTubeのビジターたちに見つけてもらうためのプロモーション的な企画も提供して行く、とYouTubeは言っている。

YouTubeはビデオのパブリッシャー向けのリソースサイトを、これまでにもいろいろ提供しているが、今回のYouTube for Artistsもその一つだ。YouTubeがこの前作ったCreator Hubは、今では月間100万を超えるビジターがある。

このWebサイトのローンチと合わせて今日のThe Guardianの記事の中では、YouTubeの元役員が、YouTube上のクリエイターたちへの警告として、別のプラットホームへ船を乗り換えることと、オーディエンスへのコンスタントで親密なコミュニケーションを怠ることは、ともに危険である、と述べている

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直径1フィートの球体から信じれない超低音を出すフランスDevialetのThe Phantomスピーカー

でっかい低音を鳴らしたければでっかいサブウーファーが要る。この説は正しいか? 正しくない。フランスのオーディオメーカーDevialet(デヴィアレ)が発明した画期的なフルレンジスピーカーThe Phantomは、長さ1フィートぐらいの球形で、アンプ内蔵、オーディオファンなら、 2000ドルぐらいで買えるスピーカーの中では最高の音、と思うだろう。

2000ドルは高いし、しかも1基のお値段だ。でも、Sonosの5.1システムも、スピーカーセットとアンプでこれぐらいだ。

The PoliceのStingがこれを聴いたとき、こう言ったそうだ: “みんな、ぼくの音楽はこれで聴いてほしい”。ヒップホップのプロデューサーRick Rubinは、その深い低音がすごい、と言っている。Appleが買収したBeats Musicの元CEO David Hymanは、“小さくてきれいなデザインだが、音は驚異的だ。私が知ってるかぎりでは、これと肩を並べられる製品はほかにない。ありえないことが実際に起きた、という感じだ”、と言っている。

 

Devialetは総合オーディオメーカーとして77の特許を持ち、2010年に発売したアンプはその音とデザインで37の賞を受賞した。2014年には3500台を売り、1500万ドルを稼いだそうだ。フルレンジパワドースピーカーは今回が初めてだが、そこには美と科学と感動が濃密に入り交じっている。

The Phantomの音が美しいのは、ADH(Analog-Degital Hybrid)と呼ばれる技術のおかげだ。それはリッチで自然な原音に近いアナログの音と、デジタルのパワーおよびコンパクトさを結びつけている。アナログアンプのバカでかさを避けると同時に、小さな体から透明でクリアな音を響かせる。ボリュームを最大まで上げても、クリアな音は変わらない。

また、もうひとつの、”Heart Bass Implosion”と呼ばれる技術により、大きなサブウーファーに負けない低音を出す。スピーカーのドームのドライバが横方向についていて、密閉筐体の中は真空、それにより大音量の音を出すことができる。

 

Devialetによると、そのためThe Phantomは“市場に出回っている同口径のウーファーの中ではもっとも強力で、かつ筐体のサイズはそれらの1/6、重量も1/6だ”、という。ドライバが左右対称に置かれているので振動を相殺し、がたつきはない。

下のビデオで、The Phantomの内部の動きがよく分かる。一般市販品は、このような分解はできない。

ぼく自身はThe Phantomをまだ実際に聴いていないが、同社の過去の製品に対するTelegraphや複数のオーディオ雑誌の高い評価と、うるさいオーディオファンである知人のお墨付きから、このスピーカーの威力が感じられてくる。

合衆国には扱い店が約50あり〔日本〕、その一部で1月から発売される。予約は明日(米国時間12/23)からここで受け付けている。スタンダードバージョンが1999ドル、より強力なSilver Phantomは2390ドルだ。

Devialetの技術者たちは、いかにもフランスのオーディオ技術者/科学者らしい自信に満ちた口調で、“物理学の法則を変えることはできないが、それらを極限まで追い詰めると、とても大きなものが得られる”、と言っている。

〔日本代理店: ステラ 東京都板橋区中丸町51-10〕
〔翻訳協力: オーディオスクエアトレッサ横浜店、黒澤さん。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


完全なサウンドラボ/スタジオの完全なWeb化をねらうWavepot、よちよち歩きだが将来性は大きい

ノブ回し屋さんたちはご注目を。Wavepotは、あなたの寝室やテクノ小屋などで一人っきりで、すごいホットなEDM(Electronic Dance Music)のビートをプログラムできるクールな新しい方法だ。ライブのプログラマブルなデジタルオーディオワークステーションとして設計された(現状はデジタルシグナルプロセッサに近いが)このWebサイトでは、Webページやシンプルなアプリをプログラムするような感覚で音楽とサウンドをプログラムできる。パラメータを設定し、いろんなファンクションを加える、するとそれがすぐに実行できる。JavaScriptを使っているから。

いまのところサウンドと波形をシーケンスできるだけだが、究極の目標は、すべての機能が揃ったマルチトラックのレコーディングシステムをブラウザ上に提供することだ。プログラムをサイドメニューからロードして、そのプログラムをリアルタイムで書き換えることもできる。たとえば”got some 303″の192行の”saw”(ノコギリ波)を”sin”(正弦波)に入れ替えるだけで、まったく新しいリフになる(下図)。


〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕

今このサイトでは、会社などで遊ぶとほかの人の迷惑になるようなことしかできないが、チームは機能強化のために寄付を募っている。また、なかなかしっかりしたフォーラムもあり、そこではお互いのサウンドやプログラムの共有が行われている。今のあなたはBurning ManのためのEDMで忙しいかもしれないが、このWavepotも一見の価値はある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


テキストのかわりに「音楽」を送るメッセージングアプリケーションのLa-La

Yoの登場で誰もが納得したように、WhatsApp登場後でも、新たなメッセージングアプリケーションの登場を待ち望んでいる人はまだまだ多いようだ。TechCrunchのSarah Perezも、やはり新しいメッセージングアプリケーションの記事を投稿していた。本稿でも、自分の気持ちをストレートに表現する「音楽」を素材としたメッセージングアプリケーションを紹介したい。

今回紹介する音楽メッセージングアプリケーションのLa-Laは、Yoではなく、あるいは言葉によるメッセージではなく、さらにあるいは写真などでもなく、楽曲のオーディオスニペットをメッセージに利用する。

たとえば、ガールフレンドないしボーイフレンドにいつもの挨拶を送りたいのだとしよう。するとたとえばライオネル・リッチーの「Hello」のメロディーを送ったりすることができるのだ(いや、その曲がベストだと言っているわけではない)。曲を選んで、送信相手を選択し、そして送信ボタンを押せば操作は完了だ。相手方も自分の選んだ曲で返信を送ってくることになる。送りたいと思う曲がなくなるまで延々と送りあうことができる。

アプリケーションをインストールしていない人には、SMSでLa-Laメッセージを送ることもできる。双方でLa-Laを使っているのなら、アプリケーション内で友達登録をしておくことも可能だ。送られた音楽メッセージは、再生するまでいったいどの曲なのかわからないようになっている。いったいどの曲が送られてきたのかと、わくわくしながら再生することができるようにとの配慮からだ。

もしかするとThisIsMyJamを思い出す人もいるかもしれない。しかしLa-Laはメッセージ形式でやりとりをしているのが新しいところだ。

La-Laで利用可能な曲は、基本的には有名アーティストとライセンス契約を結んだものだ。それに加えて、YouTubeから自分でメッセージに利用する部分を選んで送ることもできるようになっている。

このLa-Laの他にもメッセージに曲へのリンクを添付して送ることのできるものはある。しかしこのLa-Laでは送ることのできるのは楽曲のみだ。メッセージを送ることはできないようになっている。

おそらくはこれも「ティーンズのためのアプリケーション」という位置づけなのだろう。「大人」たちは、メッセージが送れないことに不便さを感じることの方が多いのではなかろうかと思う。

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(翻訳:Maeda, H