直径1フィートの球体から信じれない超低音を出すフランスDevialetのThe Phantomスピーカー

でっかい低音を鳴らしたければでっかいサブウーファーが要る。この説は正しいか? 正しくない。フランスのオーディオメーカーDevialet(デヴィアレ)が発明した画期的なフルレンジスピーカーThe Phantomは、長さ1フィートぐらいの球形で、アンプ内蔵、オーディオファンなら、 2000ドルぐらいで買えるスピーカーの中では最高の音、と思うだろう。

2000ドルは高いし、しかも1基のお値段だ。でも、Sonosの5.1システムも、スピーカーセットとアンプでこれぐらいだ。

The PoliceのStingがこれを聴いたとき、こう言ったそうだ: “みんな、ぼくの音楽はこれで聴いてほしい”。ヒップホップのプロデューサーRick Rubinは、その深い低音がすごい、と言っている。Appleが買収したBeats Musicの元CEO David Hymanは、“小さくてきれいなデザインだが、音は驚異的だ。私が知ってるかぎりでは、これと肩を並べられる製品はほかにない。ありえないことが実際に起きた、という感じだ”、と言っている。

 

Devialetは総合オーディオメーカーとして77の特許を持ち、2010年に発売したアンプはその音とデザインで37の賞を受賞した。2014年には3500台を売り、1500万ドルを稼いだそうだ。フルレンジパワドースピーカーは今回が初めてだが、そこには美と科学と感動が濃密に入り交じっている。

The Phantomの音が美しいのは、ADH(Analog-Degital Hybrid)と呼ばれる技術のおかげだ。それはリッチで自然な原音に近いアナログの音と、デジタルのパワーおよびコンパクトさを結びつけている。アナログアンプのバカでかさを避けると同時に、小さな体から透明でクリアな音を響かせる。ボリュームを最大まで上げても、クリアな音は変わらない。

また、もうひとつの、”Heart Bass Implosion”と呼ばれる技術により、大きなサブウーファーに負けない低音を出す。スピーカーのドームのドライバが横方向についていて、密閉筐体の中は真空、それにより大音量の音を出すことができる。

 

Devialetによると、そのためThe Phantomは“市場に出回っている同口径のウーファーの中ではもっとも強力で、かつ筐体のサイズはそれらの1/6、重量も1/6だ”、という。ドライバが左右対称に置かれているので振動を相殺し、がたつきはない。

下のビデオで、The Phantomの内部の動きがよく分かる。一般市販品は、このような分解はできない。

ぼく自身はThe Phantomをまだ実際に聴いていないが、同社の過去の製品に対するTelegraphや複数のオーディオ雑誌の高い評価と、うるさいオーディオファンである知人のお墨付きから、このスピーカーの威力が感じられてくる。

合衆国には扱い店が約50あり〔日本〕、その一部で1月から発売される。予約は明日(米国時間12/23)からここで受け付けている。スタンダードバージョンが1999ドル、より強力なSilver Phantomは2390ドルだ。

Devialetの技術者たちは、いかにもフランスのオーディオ技術者/科学者らしい自信に満ちた口調で、“物理学の法則を変えることはできないが、それらを極限まで追い詰めると、とても大きなものが得られる”、と言っている。

〔日本代理店: ステラ 東京都板橋区中丸町51-10〕
〔翻訳協力: オーディオスクエアトレッサ横浜店、黒澤さん。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))