ドイツのスパイスミックスのブランド「Just Spices」が約16億円を調達

ドイツ生まれのスパイスミックスのブランドであるJust Spicesが、シリーズBで1300万ユーロ(約15億8300億円)を調達したことを公表した。このラウンドをリードしたのはFive Seasons Venturesで、Coefficient CapitalとBitburger Venturesも参加した。D2C(消費者直販)のJust Spicesには、2つの製品系列としてSpice MixesとIN MINUTESがある。

Spice Mixesはさまざまなスパイスのブレンドで、売れ行きと同社が蓄積している顧客からのフィードバックデータに基づいて新しいブレンドが開発されている。

2018年に展開が始まったIN MINUTESサービスは、スパイスを中心とする27種のスピード調理の食事献立で、新鮮な食材をあと少し足すだけで料理が完成する。英国のSimplyCookに似ているかもしれない。

Just Spicesの共同創業者でCEOのFlorian Falk(フロリアン・フォーク)氏は「革新的で速くてしかもバランスのとれた食生活は最近ますます重要です。まず、時間のない人が多いから食べ物はシンプルであるべきですが、一方で人間には欲求やニーズがあります。しかしJust Spicesの、特にIN MINUTESでは、さまざまなことを気にする必要がありまえん。早く作れておいしくてしかも健康的な食事であることに、消費者は確信を持てるでしょう」と語る。

顧客獲得努力と製品開発のためのフィードバックループの一環としてJust Spicesは、家庭料理の活発なコミュニティをネット上に作っている。同社の売上の60%以上はネットからで、ヨーロッパのソーシャルメディア上では最も多くフォローされているスパイスのブランドであると自負している。確かに同社はコンテンツ制作に力を入れており、社内にスタジオを用意し、ポッドキャストも手掛けている。

フォークは「世界最大の、ライフスタイルの一部であるようなスパイスのブランドになりたい。そのためには素晴らしいパートナーシップのネットワークを作るだけでなく、制作チームの充実と向上も必要だ。楽しくて面白いクッキングをもっと多くの人びとにお届けしたい」とコメントした。

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スイスのデータ管理企業Veeamを投資会社のInsight Partnersが約5500億円で買収

2019年、Insight Partnersはクラウドデータを管理する企業であるVeeamに5億ドル(約550億円)を投資した。同社はVeeamをすごく気に入ったらしく、米国時間1月9日にこのスイスの企業を50億ドル(約5500億円)で買収したことを発表した。

Veeamは、顧客を支援してクラウドデータのバックアップや障害復旧を実現する。本社はスイスのバールにあり、昨年は売上が10億ドル(約1090億円)だったという。顧客は世界中に36万5000社あり、その中にはFortune 500社の81%が含まれる。

Constellation Researchの創業者で主席アナリストのRay Wang(レイ・ワン)氏によると、データ管理は企業のますます重要なツールであり、それはデータがオンプレミスでもクラウドでも同じだ。ワン氏は「データ管理の分野は整合が進んでおり、この買収は賢明だ。ハイブリッドクラウドの管理への投資がこのところ増えており、特ににエンタープライズが重視しているのがデータ管理なのだ」と語る。

この買収で生じた大きな変化もある。Veeamのオペレーション担当執行副社長だったWilliam H. Largent(ウィリアム・H・ラージェント)氏がCEOに昇格。製品戦略担当の副社長だったDanny Allan(ダニー・アラン)氏がCTOに昇格する。さらに、本社を米国に移す。米国にはすでにVeeamの社員が1200名いるが、今年はさらに増えるだろう。

新たにCEOになったラージェント氏によると、Veeamは確かに市場では成功しており、現状で買収価額も高いが、今後も単独で行くよりはInsightの傘に入ったほうが伸びしろが大きい。同氏は「今でもVeeamは、Fortune 500社の81%をサポートするなどデータ管理の分野で傑出しているが、Insight Partnersは事業戦略部のInsight Onsiteが強力で、今後はVeeamのソリューションもよりグローバルに採用されていくだろう」と語る。

Insight OnsiteはInsight Partnersの戦略部門として、そのポートフォリオ企業をより大きな成功に導く役割を担っている。主力事業は、企業の営業やマーケティング、そして製品開発部門の育成強化だ。

Veeamには、Amazon Web ServicesとMicrosoft Azure用のバックアップおよびリカバリーツールがある。また、Cisco、IBM、Dell、EMC、HPEなどの大手エンタープライズベンダーとのパートナーシップも多い。

Crunchbaseのデータによると、2006年設立の同社は、今回の買収前の評価額が10億ドル(約1090億円)あまりだ。買収の完了は本年の第1四半期と予想されている。

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Cloudflareがブラウザー隔離技術のS2 Systemsを買収

Webサイトのセキュリティと高効率稼働サービスを提供するCloudflare(クラウドフレア)が、元Microsoft(マイクロソフト)の役員たちが作ったブラウザー隔離サービスのS2 Systemsを買収したことを発表した。買収の価額などは、どちらからも公表されていない。

Cloudflareの共同創業者でCEOのMatthew Prince(マシュー・プリンス)氏によると、この買収でS2 Systemsのソフトウェアが同社の新しいプロダクトCloudflare for Teamsの一部になり、インターネット上の脅威から企業を保護する。特にS2 Systemsは、ブラウザーベースのコード攻撃を防止するソリューションを開発した。

プリンス氏によると、同社は以前からこのような技術をCloudflareのプロダクトに搭載することを検討していた。多くの企業と同様にCloudflareも、他社をパートナーとするか、自ら開発するか、買収するかを迷っていた。たまたまプリンス氏がS2 Systemsの創立メンバーに会って技術を試す機会があり、そのスピードと能力に感心した。

両社の相性も良いと思われたためCloudflareは買収を提案した。他にもS2 Systems買収に名乗りを上げている企業が数社あったが、最終的にS2 SystemsはCloudflareを選んだ。彼らはCloudflareのサービスが、世界中のインターネットユーザーの役に立つと感じていた。

プリンス氏は「彼らが来てくれたことはとてもうれしい。彼らの優れたブラウザー隔離技術と私たちのユビキタスなネットワークが一緒になれば、企業の社員保護のやり方が完全に一新され、長期的にはインターネットの閲覧の仕方が変わる。ローエンドのスマートフォンでもiPhoneの最新機種と同じようなインターネット体験ができるようになるだろう」と語る。

プリンス氏の発言は、Cloudflareは世界中の200都市をネットワークして、日々膨大な量の最適化とセキュリティのための処理を行なっているため、ネットワークの末端であるスマートフォンといったデバイスの処理負担が非常に軽くなる、という意味だ。

この買収は、それだけが独立したものではない。買収は同社の新プロダクト、Cloudflare for Teams発表の一環でもあり、その中でS2 Systemsによるブラウザー隔離やVPN、アイデンティティ保護などの総合的なセキュリティが提供される。

Cloudflare for TeamsのメインピースはCloudflare AccessとCloudflare Gatewayの2つだ。Cloudflare Accessはゼロトラストのアイデンティティおよびアクセス管理ツールで、全社員が自分のデバイス上でソフトウェアの最新アップデートを使っていることを確認し確実化する。

Cloudflare Gatewayはインターネットの脅威から企業や個人を護り、ここがS2 Systemsの出番でもある。3つのバージョンがあり、プレーンな「Gateway」にはDNSベースのフィルタリングと監査ログがある。「Gateway Pro」はインターネット上のすべてのトラフィックを保護する。そして「Gateway Enterprise」はデータの喪失を防ぎ、さらにS2 Systemsのブラウザー隔離機能がある。

S2 Systemsの買収は2019年12月31日に完了した。同社の社員10名はCloudflareのチームに加わり、ワシントン州カークランドに留まる(Cloudflareのオフィスになる)。買収前のS2 Systemsは、ステルスだった。

関連記事: 有力クラウドサービス「Cloudflare」が株式上場を申請

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Google社内にも診療所があるプライマリーケア医療のOne Medicalが上場を申請

サンフランシスコでテクノロジーを活用したコンシエルジュサービスによりプライマリーケアを提供するOne Medicalは米国時間1月3日、証券取引委員会(Securities and Exchange Commission、SEC)にIPOを申請した。

内科医のTom Lee(トム・リー)氏が2007年に創業した同社は、現在評価額が10億ドルあまりに達している。リー氏は2017年に同社を去り、元UnitedHealthグループの役員Amir Rubin(アミー・ルービン)氏に後を託した。

同社の診療所は米国の9つの主要都市に全部で72カ所あり、2020年には3カ所の新設を予定している。これまで5億ドルを超えるベンチャー資金を調達しており、主な投資家は同社の株の4分の1以上を保有するCarlyle Groupのほか、AlphabetのGVやJ.P. Morganなどが名を連ねる。

Googleは社内にOne Medicalの診療所があり、SECへの提出文書によると同社売上の約10%を占める。IPO申請文書にはさらに、同社が1Life Healthcare 、ティッカー名「ONEM」として正式に法人化され、1億ドルの調達を計画していることが言及されている。

おそらくこの資金は、同社のテクノロジーの改良と市場の拡大に充てられると考えられる。One Medicalに詳細を問い合わせたところ、この声明を読むよう指示された。

そしてその声明によると、One MedicalはNasdaq Global Select Marketにティッカーシンボル「ONEM」で上場を申請している。より詳しい情報が得られ次第、この記事をアップデートする予定だ。

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ドライカーゴ海運のデジタル化を進めるShipfixが約5億円を調達

ドライカーゴ(乾貨物)専門の海運業界のデジタル化を進めているShipfixが、450万ドル(約5億円)の資金を調達した。

シードラウンドをリードしたのはIdinvest Partnersで、ほかにKima VenturesとThe Family、Bpifrance、および企業エンジェルによる戦略的投資が加わった。同社は2018年12月に現在CEOのSerge Alleyne(セルジュ・アレイン)氏とCOOのAntoine Grisay(アントワーヌ・グリザイ)氏が創業し、わずか2カ月前に事業を開始した。

アレイン氏は「今のドライカーゴ海運業界のメール過剰状態をなくして、総合的な市場モニター能力を提供したい。今のバラ積み輸送業界に徹底的に欠けている、データドリブンなインサイトを作り出したい。実はドライカーゴ業界では、最新の情報通信革命と言えばメールのことで、多くの人がまだブローカーのパネルを見て市場の指標(インデックス)を知り、そのほかのデータはすべてメールに依存している」。

同氏によるとその解決策としては、Shipfixはクライアントのメールに接続して匿名でデータを収集し、ディープラーニングの技術を使って膨大な量のデータポイントを集積する。

これまでのように大量の受信メールをスクロールして人間の目が市場の動向を何時間もかけて知るのではなく、Shipfixを通して定型的な市場データを瞬時にフィルタしたり、検索したりできるようになる。

またShipfixでは、Alleyne氏が「拡張ディレクトリ」と呼ぶものを閲覧でき、そこにはLinkedInなどでは通常見られないような、船や港、企業、そして人の情報がある。そしてデータドリブンなベンチマークとインデックスにもアクセスできる。

Shipfixの顧客は主に船をチャーターしたり、船主として船を提供したり、海運業を営んだりする人びと、そして大量のブローカーたちだ。しかし長期的には同社は、商品取引のトレーダーや、保険会社、銀行、政府、投資企業なども、彼らが作っているベンチマークやインデックスの粒度に応じて顧客にしたいと考えている。

アレインしては、「対象となるカーゴ(積荷)は、塩や砂、鉄鉱石、肥料、穀物、鉄鋼など400種類以上もあり、それらの世界中の市場動向を予測しなければならない。商品取引の世界に関わっている人なら誰もが、その情報を必要としている」とも語る。

同社の社員は今15名で、シニアエンジニアや、海運業界のプロフェッショナル、データサイエンティスト、アナリストなどがいる。チームは多くがリモートで、ロンドンやパリ、ツールーズなど7つの都市に分散している。

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開発者と企業を繋ぐHackerRankがコンピューターサイエンス学習ツールのMimirを買収

企業の人事に代わって求職しているデベロッパーのプログラミング能力を面接試験したり、面接の練習ができる人気サービスHackerRank(ハッカーランク)が米国時間12月17日、コンピューターサイエンス学習のコースツールを提供しているMimir(ミーミル)の買収を発表した。これはHackerRankにとって初めての買収となるが、現在、カリフォルニア大学ロサンゼルス校やパデュー大学、オレゴン州立大学、ミシガン州立大学などの大学、そしてGoogleのような企業がMimirを利用している。

HackerRankによると、Mimirのクラスルームプロダクトは当面サポートを継続する。2020年の第二四半期には、両社を組み合わせた最初のプロダクトがリリースがされる予定だ。

HackerRankの共同創業者でCEOのVivek Ravisankar(ヴィベック・ラビサンカル)氏は、「HackerRankは教授や学生や顧客と密接に協力して、学生デベロッパーによるスキルの習得と改良、評価を助け、コース学習からキャリア形成の過程まで支援している。今回の買収によって、学生たちは正規の大学教育と実際的なスキル評価の両方を取得できることで、成功のための強力なキャリアを築くことができるだろう」と述べている。

両社とも買収の財務的詳細を明かさないが、インディアナ州に本拠を置くMimirはこれまで総額250万ドル(約2億7000万円)を調達し、買収時には3名の役員を含めて8人の社員がいた。

両社が強調するのは、どちらもさまざまなバックグラウンドを持つデベロッパーが、学歴の有無などを問わず平等に職を競えるプラットホームであることだ。HackerRankの主張では、同社の既存サービスとMimirのクラスルームツールを組み合わせれば、コンピューターサイエンスのクラスルームと、市場で最も総合的なデベロッパー評価プラットホームの両方を提供できるため、学生たちは現実的なプログラミングに向けて順部することが可能で、大学側は学生の進歩をより正確に評価できるようになる。これにより、HackerRankは明らかに従来の学術世界へのリーチを伸ばし、また求人顧客企業のためのタレントプールも拡大できる。特にラビサンカル氏が念を押すのは、両社の合併によって学生たちがアカデミックな学習と市場での学習の両方を組み合わせられることだ。氏は「これで学生たちは、未来の職場が求めるスキルを確実に身にみつけられる」と述べている。

Mimirは必ずしも、大規模なオンラインコースのためのツールではなく、むしろ教師と学生によるプログラミングのプロジェクトと宿題の管理を助けることを主眼としている。そのため完全にオンライン化されているIDE(統合開発環境)があるし、Jupyter Notebookをサポートしている。また、小テストや宿題を作る伝統的な教師用ツールもある。内蔵のIDEはPython、Java、Cなど40の言語をサポート し、また盗用を見つけるツールもある。

現在、Mimirのコース学習を使っているユーザーは15000人から20000人だが、HackerRankの登録デベロッパー数700万人に比べると相当少ない。ただしHackerRankの方は、非アクティブなユーザーも多いだろう。それに対してMimirのユーザーは、遅かれ早かれ雇用市場に現れてくる。

Mimirの共同創業者でCEOのPrahasith Veluvolu(プラハシット・ヴェルヴォル)氏は「Mimirはコンピューターサイエンス教育の秘密兵器と呼ばれており、デベロッパー教育に大きな違いをもたらしていく。HackerRankとの協業は、我々のミッションにおける自然な進化だ。顧客がプログラムをスケールできるようになると同時に、学生たちは他に類のないクラスルーム体験により、未来のキャリアに向けての準備ができる」と述べている。

関連記事: HackerRank raises $30M to match developers with jobs…HackerRankはデベロッパーと職をマッチさせる(未訳)

関連記事: HackerRank Launches A New Social Platform For Coders Based Around Puzzles And Real-World Problems…HackerRankがプログラマーのためのソーシャルプラットホームを立ち上げ(未訳)

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Rippleが約220億円を調達して国際決済における暗号通貨XRPの普及に注力

暗号通貨を利用して国際送金サービスを提供しているRipple(リップル)が、シリーズCで2億ドル(約220億円)を調達した。ラウンドをリードしたのはTetragon、これにSBIホールディングスとRoute 66 Venturesが参加した。Fortune誌によると、同社の評価額は現在100億ドルである。

RippleのCEOであるBrad Garlinghouse(ブラッド・ガーリングハウス)氏は、発表声明で「現在の財務状況はとても良いので、私たちのビジョンは達成できる。ブロックチェーンの分野は成長が鈍化したり閉鎖したところも多いが、当社は勢いを加速し2019年全体を通じて業界のトップだった」と述べている。

Rippleが力を入れているのは、国際決済などの送金業務で、独自のブロックチェーンXRP Ledgerを持つ暗号通貨XRPをそのために用いている。XRPトークンの現在の時価総額は、bitcoinとEthereumに次いで3番目に大きい。

CoinMarketCapによると、XRPトークンの時価総額は現在84億ドル(約9200億円)だ。XRPは分散型の暗号通貨だが、時価総額のかなりの部分をRippleがコントロールしている。保有していることそれ自身に価値がある。Rippleは2019年の第三四半期には、XRPトークンで6624万ドル(約72億円)を売却した

Rippleは、暗号通貨(そして特にXRP)は国境を越える取り引きに大きな便宜をもたらす、と考えれれている。そして暗号通貨は、従来の外為ソリューションに比べて安価で手続きが迅速である可能性があります。

同社は金融機関に、国際決済のためのバックエンド通貨をRippleNetに切り替えるよう、説得してきました。

RippleNetには現在300の顧客が存在し、特にRippleは送金サービスMoneyGram(マネーグラム)の株を10%取得して、同社が少なくとも部分的にRippleNetに切り替えるよう促している

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公共交通の自動運転に注力するBluespace.aiが約3.8億円調達、行政との話し合いも開始

自動運転技術を開発するBluespace.aiは、米国時間12月13日にFusion Fundがリードするシードラウンドで350万ドル(約3.8億円)の調を発表した。そのほかにもYouTubeの共同創業者であるSteve Chen(スティーブ・チェン)氏や台湾の半導体工場を持つUMC、Kakao Ventures、GDP Ventures、Atinum、Wasabi Ventures、Blue Ivy Ventures、Plug n Play、そしてSLV Capitalなどが投資している。

同社は、公共輸送車両のための自動運転ソフトウェアを開発しており、現在は行政機関や公共交通事業者と会合を重ねている。創業者の1人であるCEOのJoel Pazhayampallil(ジョエル・パシャヤンパリル)氏は、今年前半にApple(アップル)が買収したDrive.aiの共同創業者であり、社長兼COOのChristine Moon(クリスティン・ムーン)氏は過去にGoogleのNexus事業のパートナーシップ担当などの役職を務めた。

Bluespace.aiのチームには、ZooxやLyft Level 5、Voyageなどの自動運転企業にいた人もいる。彼らは共同でカリフォルニアとフロリダで自動運転車の車隊を立ち上げたこともある。

ムーン氏はTechCrunchへのメールで「Bluespace.aiのソフトウェアを使えば自動運転車の運用における安全性を、現在のように何百万マイルもテスト走行させなくても検証可能だ。これにより短期間で公共交通の自動化が実現可能になり、都市の交通をより公平でアクセスしやすく、持続可能なものにできる」と述べている。トヨタやボルボといった自動車メーカーやMay Mobility、Optimus Rideといったスタートアップが、公共交通の自動運転化について研究開発を進めている。

同氏によると、特にBluespace.aiの研究開発は、交通量および交通容量の大きい幹線道路の能力と効率を上げることにフォーカスしていると言う。ほかのスタートアップが主に、主要な公共交通システムの一部である低速車による最初と最後の1マイルにおけるソリューションに対して第一に注力しているのに対して、Bluespace.aiの狙いは公道を通常の車速で走る大型車両でも安全に走行できるようにし、乗客容量を大きくすることにある。

Fusion FundのマネージングパートナーであるLu Zhang(ルー・チャン)氏は報道機関向けに「自動運転車の分野における投資をたくさん見てきたが、BlueSpace.aiはテクノロジーへの革命的なアプローチと、市場への提供が近未来的である点で傑出している。同社の創業者チームにはとても強力なテクノロジーのバックグラウンドがあり、フロリダやテキサス、そしてカリフォルニアにおける自動運転車サービスのローンチにより、十分な経験もある」と述べている。

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マットレスの直販で成功したCasperのスタッフが今度は高級ドッグフードの直販に挑戦

ベッド用マットレスで成功したCasperの元メンバー3人が作ったスタートアップであるJinxは、CEOのTerri Rockovich(テリ・ロコビッチ)氏の言い方では「Casperのやり方」でドッグフードを売る。

同社はオールスターのような顔ぶれの投資家たちから565万ドル(6億1300万円)を調達した。その面々はInitialized CapitalのAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏、Align Ventures、Brand Foundry、Wheelhouse Group、Will Smith(ウィル・スミス)氏と彼の家族、ラッパーのNas、歌手のHalsey(ホールジー)、YouTubeのスターで深夜番組のホストであるLilly Singh(リリー・シン)氏、テレビのパーソナリティーで元NFLのスターであるMichael Strahan(マイケル・ストレイハン)氏だ。

ロコビッチ氏はCasperで顧客獲得定着マーケティング担当の副社長だったとき、のちにJinxの共同創業者となるSameer Mehta(サメール・メタ)氏とMichael Kim(マイケル・キム)氏に出会った。3人とも犬大好き人間で、3人とも食べ物の好き嫌いの激しい犬に給餌した経験がある。そして3人とも、もっとミレニアル世代の消費者の感覚に合ったブランドに飢えていた。

しかしそれは、ふつうのドッグフードを変わったやり方で売ることでもない。ロコビッチ氏によると、米国では犬の56%が太り過ぎまたは肥満だ。そこで大きな栄養士団体から出向しているJinxの栄養士は、ほどほどにアクティブな動物のための、オーガニックなプロテインと起源が多様なプロテインと消化しやすい炭水化物から成るフードとおやつを開発した。

Jinx

Jinxの計画では、最初の製品を1月に発売する。ターゲットは、一定のライフスタイルを持った飼い主たちだ。例えば、アパートに居住、散歩を犬の散歩士に頼んでいる、ベッドで犬と一緒に寝るなどのライフスタイルだ。そして彼らに、これまで使っていたドッグフードの原料をよく調べるよう教育する。それは、Jinxで買ったものか、それともよそで買ったものか。

ロコビッチ氏は「身体の中に入ってライフスタイルの原動力になるものを作るのは、すごくシリアスな仕事である。私たちはそれを強く意識している。正直に言って、最初のスケジュールより遅れている。すべてを正しくやらなければならなかったから」と語る。

価格に関して同氏は「Jinxは高額商品になる」とコメント。高級ドッグフードのブランドをご存知の方のために申し上げると、それはBlue BuffaloとOrijenの中間ぐらいだ。ウェブサイトから消費者に直接売るが、ロコビッチ氏によるとCasper時代に学んだのは特にリテールの場合のIRLプレゼンス(In Real Life、オフライン性、実物性)の重要性だ。

関連記事:人間の食事並みの高級ドッグフードを犬の特性に合わせて調整するOllie

画像クレジット: Jinx

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ゲノム配列を利用して非侵襲的ながん検診を実現するLucenceが20億円超を調達

非侵襲的な癌検診技術を開発しているゲノム医学のスタートアップLucence Diagnosticsが、世界最大の民間総合ヘルスケアグループの一つであるIHH HealthcareがリードするシリーズAのラウンドで2000万ドル(約22億円)を調達した。これにはSGInnovateとこれまでの投資家Heliconia Capital(Temasek Holdingsの子会社)、Lim Kaling、およびKoh Boon Hweeが参加した。

この資金はLucenceの研究施設の規模拡大と人員増員および、アジアと北米地区で同社製品の商用化を進め、より多くの患者が利用できるようにすることに充当される。

資金はまた、2つの有望な治験をサポートする。ひとつはこの技術の、末期がん患者への有効な感応性にフォーカスし、他は肺がんや大腸がん、乳がん、すい臓がんなどいくつかのタイプのがんの早期発見への有効性の評価だ。Lucenceは現在、早期発見の評価のために10万名を対象とする調査を設計している。最初の患者の起用を来年半ばと予定しており、米国とアジアでローンチする。

この前のシード資金と合わせてLucenceの総調達額は2920万ドルになる。

Lucenceのテストは現在、東南アジアと香港の医師が利用しているが、今後は北米と東アジアにも広げる計画だ。シンガポールの研究所はすでにCLIAとCAPの認定を得ているので、米国の医師と患者もそのテストを利用できる。現在ベイエリアに建設中のラボが完成すれば、患者が結果を得るまでの時間も短くなる。

シンガポールに本社があり、サンフランシスコと香港と中国の蘇州にオフィスのあるLucenceは、CEOで医師のMin-Han Tan(ミン-ハン・タン)氏が創業した。彼は腫瘍専門医で、2016年にシンガポールの科学技術研究庁からスピンアウトした。2年後にLiquidHALLMARKをローンチし、それは同社によると「世界初で唯一の血液の遺伝子配列テストにより、1回のテストでがん関連の遺伝子の突然変異と癌を起こすウィルスの両方を検出する」。それは、14種のがんの兆候を検査できた。同社によるとLiquidHALLMARKはこれまで、アジアの1000名の患者に利用された。

ゲノム配列を利用するがん検診を開発したスタートアップとして、ほかにSanomics、Prenetics、Guardant、Grailなどがいる。Lucenceの差別化要因は、その特許技術によるアンプリコンシーケンスで、ゲノムの特定部分の変異を調べて癌に結びつく突然変異などを見つけることにある。同社はそのテストを「スイス製アーミーナイフ」と呼んでいる。それは、がんの検診と診断と処置と選別と監視に利用できるからだ。

IHH HealthcareのCEOに任命されているドクターの、Kelvin Loh(ケビン・ロー)氏は声明で「液体生検は、処置の精密な選択とより安価なケアによって癌の処置を画期的に改善した。Lucenceへの投資は、IHHの患者にこの先進的な技術へのより良いアクセスを提供するだろう」と述べている。

画像クレジット: Enterprise Singapore

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機械学習のパターンマッチングで異変を見つけるモニタリングサービスPacketAI

PacketAIへようこそ。このフランスのスタートアップは、あなたのアプリケーションやサービスに何かまずいことがあったら知らせてくれる。同社は機械学習を使って生のイベントデータを解析し、おかしい点がないか調べる。

PacketAIは、さまざまなレベルでインシデントを捕捉できる。例えば、ユーザーがあなたのデータベースにデータを書き込めないことを教えてくれるし、コンピューターのレイヤ(マシンレベル)で何かがおかしいことも知らせてくれる。

PacketAIは、車輪を再発明しない。モニタリングツールがすでに数多く存在することを、よく知っている。Datadog、Splunk、Dynatraceなどなど。

共同創業者でCEOのHardik Thakkar(ハーディク・タッカー)氏は、「それらのツールは主に、マシンから出てくる情報を人間が理解できるように設計されている」と語る。

PacketAIは、DatadogやSplunk、DynatraceなどのAPIを統合して、生のイベントデータをリアルタイムで分析する。データを何千行もスクロールするのではなく、具体的には銀行の送金がいつもより相当長く時間がかかっていると教えてくれる。

そのため、問題の修復が迅速にでき、失う収益も少ない。

現在同社は各クライアントごとに機械学習のモデルを作っている。しかし計画としては、同じ業種分野の企業が4社か5社がPacketAIを使うようになれば、すぐにその業種のモデルを作るようにしたい。銀行のモデルとか、通信企業のモデルとか、そのように。

同社はすでに、Aster CapitalやBNP Paribas Developpement、Entrepreneur First、そしてSGPAなどから230万ドル(約2億5000万円)を調達している。

PacketAIは、そのプロダクトの最初の実装ですでに数社のクライアントと提携している。2020年の早い時期に、一般的に利用できるサービスになる予定だ。料金は、PacketAIを使ってモニターしたいネットワークのノードの数による。

画像クレジット: Bloomberg

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ビデオによるオンデマンド獣医サービスのFirstVetが世界市場を目指す

ペットの飼い主にオンデマンドのビデオで各地の獣医によるコンサルテーションを提供するスウェーデンのFirstVetが、シリーズBのラウンドで1850万ユーロ(約22億4000万円)の資金調達を完了した。

このラウンドをリードしたのは、カナダの年金基金であるOmersのベンチャー部門のOmers Venturesで、同社は最近、ヨーロッパのテクノロジースタートアップに投資するための3億ユーロ(約36兆円)のファンドを立ち上げたばかりだ。FirstVetのシリーズAを支援したCreandumもこのラウンドに参加し、同社の調達総額は2450万ユーロ(約30億円)に達した。

FirstVetによると、今回の資金でサービスのグローバル展開が可能になる。今後狙っている市場は米国とドイツとフランスだ。また製品開発も継続し、ペットの飼い主と獣医双方の体験を改善する新しい機能を導入していく。それには今後の自動化ツールと、それらの動物病院の既存のシステムとの統合が含まれる。

ストックホルムで2016年に創業したFirstVetは、登録獣医によるオンデマンドのビデオコンサルテーションにより、ペットケアへのアクセスを広げることを望んでいる。同社が現在操業している市場は、英国、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、そして母国スウェーデンの5つだ。登録ユーザーの合計は20万人を超えている。登録獣医は150名いるが、その数はコンスタントに増え続けている。

FirstVetのCEOで共同創業者のDavid Prien(デビッド・プリーン)氏は、2018年6月のTechCrunchで「私たちは既存の動物病院を補完するものであり、それらに代わるものではない。飼い主からの質問でいちばん多いのは、胃腸関連や傷、そして皮膚/毛/耳関連だ。私たちのメインの目的は、飼い主にとって自然な最初の接触点であることだ」と語っていた

市場への経路としてFirstVetは各国の計20社あまりの大手保険会社をパートナーにしている。例えば英国のBought By Manyは、ペット保険加入者へのおまけとしてFirstVetのサービスを提供している。

Omers Venturesのトップで新たにFirstVetの取締役会に加わったHenry Gladwyn(ヘンリー・グラッドウィン)氏は 「Omers Venturesはテクノロジーの世界のとびきり優秀な起業家やチームに投資し、彼らのパートナーになっている。そのような私たちにとってFirstVetは、完全にフィットしている。スタートアップがその中で操業している業界のエコシステム全体に本物の価値を提供している例は極めて稀だが、FirstVetはペットの飼い主にとって急速に他に代わるもののないサービスになりつつある。また同社は、獣医師や動物病院や保険企業にとって信頼できるパートナーだ。FirstVetには、オンデマンドのビデオによる獣医予約のグローバルなリーダーになるという意欲がある。弊社がその目標達成を支援できる立場にいることは、まことに喜ばしい」と述べている。

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未来のERPを志向するWorkdayが調達プラットホームのScout RFPを買収

企業の財務と人事管理をクラウドサービス(SaaS)で助けるWorkdayは米国時間11月4日、オンラインの調達プラットホームであるScout RFPを5億4000万ドル(約587億円)で買収する合意に達したと発表した。PitchBookのデータによると、同社はこれまでに6000万ドル(約65億円)あまりを、調達前の評価額1億8450万ドル(約200億円)で調達している。

この買収以前にWorkdayには既存の調達ソリューションとしてWorkday ProcurementとWorkday Inventoryがあるが、Workdayのプロダクト最高責任者(CPO)であるPetros Dermetzis(ペトロス・デルメツィス)氏はブログで「Scoutは同社に顧客のためのより完全なソリューションを与える」と表明している。

彼によると「サプライヤーと戦略的優位性の重要性が増している中で、Scout RFPの買収によりこのクラス最良の戦略的ソースによる総合的な調達サービス(Source-to-Payソリューション)を提供できる。これにより企業の調達部門の戦略的重要性を上げ、調達機能の変化を促進する」とのこと。

Constellation Researchの創業者で主席アナリストのRay Wang(レイ・ワン)氏によると、Workdayはクラウド上のエンドツーエンドのバックオフィスプレーヤーを目指してきたが、「大きな欠落の1つが調達だった」という。

ワン氏によると、Workdayはしばらくその欠落を埋めるための投資をしてきた。それどころか、2018年以来Workday VentureはScout RFPの投資家であり、同社は公式にWorkdayのパートナーだった。

「Workdayの投資対象の多くは、未来のクラウドERPという同社の大きなビジョンの欠落を補う企業だ。今日的なERPの定義には、財務、人事管理、プロジェクト、調達、サプライチェーン、そして資産管理が含まれる」とワン氏。

Scout RFPの創業者は本日の発表に関するブログ記事で「両社は良好な協力関係にあり、今回の買収はたいへん有意義だ」と述べている。そのブログ記事には「Workdayのチームとの密接な協働を通じて、両社の信念や企業価値の類似性を悟った。両社はユーザー体験をプロダクトのフォーカスの中心に置き、顧客の満足と社員のエンゲージメント、および事業への全体的なインパクトを重視している。両社の協働が容易であったことは意外ではなく、また、営業やマーケティングにおけるパートナーシップでも迅速な成功を見てきた。企業文化という観点から見ても、明らかに成功だ」と書かれている。つまり、これまでの両社の関係がすでに密接で良好だったということだ。

Scout RFPは現在、155か国に240社の顧客がいて強健な企業である。同社によると、現在のユーザー総数は30万人に達する。同社の160名の社員は買収の完了と共にWorkdayに移る。規制当局の審査が終わるのは、1月の終わりごろだろう。

関連記事: Scout RFP raises $15.5 million to help companies manage purchases(企業の購買管理を助けるScout FRPが1550万ドルを調達、未訳)

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モニタリング大手のNew RelicがサーバーレスモニタリングのIOpipeを買収

仮想マシンが支配している世界からサーバーレスの世界へ移行すると、モニタリングの性質も変わってくる。New Relicのような伝統的なモニタリングのベンダーもそのことをよく知っていて、米国時間11月1日にサーバーレスのモニタリングを行うシアトルの新進スタートアップであるIOpipeの買収を発表した。もちろん、同社のサーバーレスのモニタリング能力をアップするためだ。買収額などは公表されていない。

New RelicはIOpipeをチームの重要メンバーと呼び、それには少なくともIOpipeの技術と共同創業者のErica Windisch(エリカ・ウィンディッシュ)氏とAdam Johnson(アダム・ジョンソン)氏が含まれる。社員もシアトルからNew Relicのポートランドのオフィスに移る。

買収を発表するブログ記事でNew Relicは「この買収への投資によって我々には、サーバーレスの機能とNew Relicを迅速かつ簡単に統合する能力をただちに得られる。そして顧客はNew Relicの計測方法とUIをそのまま使って、アプリケーションスタック全体の複雑な問題をトラブルシューティングできる」。

このブログ記事によると、IOpipeのチームはLambda LayersのようなAWS Lambdaの機能をNew Relicのプラットホームへ移すことに注力する。そしてその後チームは、サーバーレス機能のモニタリングという今後増大するサポートワークを担当する。New RelicはIOpipeのチームとソリューションを導入したことによって、サーバーレスのモニタリングを効率化できると期待している。

2018年にIOpipeの200万ドルのシードラウンドをリードしたBold Startの投資家であるEliot Durbin(
エリオット・ダービン)氏は、今回の買収は両社にとってウィンウィンだと言う。「Ner Relicは今やサーバーレスに本気だから、マーケットリーダーとしての同社の大きな顧客ベースにIOpipeのプロダクトを導入することは、どちらにとっても魅力的だ」。

IOpipeはAWS Lambdaを使っている企業のサーバーレスオペレーションのモニタリングを支援してきた。サーバーレスはサーバーがないという意味ではなく、AWSのようなクラウドベンダーが完全なオペレーションのためのリソースを適切に提供するため、サーバーなどのリソースの手配や確保をデベロッパー側はやらないという意味だ。たったそれだけのことである。

IOpipe co-founders Erica Windisch and Adam Johnson

写真提供: New Relic

そしてオペレーションが終了したら、リソースはほかへ回される。しかしモニタリングをする側にとっては、そんな短命なリソースは厄介だ。New Relic自身もこの問題に挑戦していて、今年初めにはNew Relic Serverless for AWS Lambdaをリリースした。

TechCrunchのライターであるFrederic Lardinois(フレデリック・ラルディーノア)が、IOpipeの2017年の250万ドルのシードラウンドに関する記事で指摘しているように、ジョンソン氏とウィンディッシュ氏の経歴は立派だ。

IOpipeの共同創業者であるCEOのAdam Johnson(アダム・ジョンソン)氏とCTOのErica Windisch(エリカ・ウィンディッシュ)氏はこの分野のベテランで、以前はDockerやMidokuraにいた。AdamはMidokuraの最初の社員、EricaはDockerのセキュリティチームを作った。両者は最近、Techstarsのニューヨークの育成事業を卒業した。

IOpipeは2015年の創業で、AmazonがLambdaを発表した時期とほぼ一致する。シードラウンドの時点では社員が8名だった。PitchBookのデータによると、現在の社員数は1名と10名の間だ。これまでの調達総額は707万ドル(約7億6500万円)である。

New Relicは2008年の創業で、Crunchbaseによると2014年の上場前までの調達総額は2億1400万ドル(231億5587億円)あまりだ。現在の株価は65.42ドルで前日から1.40ドル上がった。

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サーバーレス環境で動くアプリのインサイトを提供するIOpipe
New Relic launches platform for developers to build custom apps(New Relicがアプリケーション開発プラットホームをローンチ、未訳)

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Paidyが総額150億円の大型調達、オンライン決済で大型加盟店との取引拡大目指す

後払いサービスを提供しているPaidy(ペイディー)は10月31日、総額150億円を調達したことを発表した。内訳は、シリーズCエクステンションによる第三者割当増資で90億円、デットファイナンス(借入金)での66億円となる。同社はこの資金を使って、大型の加盟店との取引拡大のほか、2020年までにユーザーを1100万アカウントまで増やすことを目指す。

第三者割当増資の引き受け先は、PayPal Venturesのほか、Soros Capital ManagementやJS Capital Management、Tybourne Capital Management、および匿名の投資家が含まれる。デットファイナンスは、Goldman Sachs Japan(ゴールドマン・サックス・ジャパン)やみずほ銀行、三井住友銀行、住友三井信託銀行からのものだ。

Paidyによると、今回の資金調達は国内のフィンテック企業への最大の投資で、同社への総投資額は累計156億円になる。同社によると、シリーズDではなく昨年のシリーズCのエクステンション(増額)を選んだのは既存の投資家の株式保有率を維持するためであり、そのために前の投資ラウンドと同じ優先株を発行した。

2014年に創業したPaidyは、日本の消費者の多くがeコマースの決済にクレジットカードをあまり使わないことに着目。日本のクレジットカードの普及率は比較的高いものの、ネットでの買い物は代引きや、コンビニのような受け取り場所を使う人が多い。消費者にとってはそのほうが楽だが、売る側はまだ代金が払われていない商品を送る必要があるほか、配達事故にも対応しなければならない。

ネットショップがPaidyでの決済対応していれば、消費者はそのストアのアカウントを作成や、クレジットカードの登録が不要で商品代金を支払える。利用者は、携帯電話番号とメールアドレスを入力するだけでOKで、SMSや音声で送られるコードで認証する仕組みだ。商品の代金はPaidyが払い、毎月決められた日に顧客に請求される。Paidyは機械学習の独自のモデルを使ってユーザーの信用を計り、未払い事故を減らす。またコンバージョン率や平均購買単価、それにリピート購入が増える。

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Microsoft 365への移行促進のためマイクロソフトがMoverを買収

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間10月21日に、カナダのMoverを買収したことを発表した。買収金額は公表されていない。Microsoft 365への移行をできるかぎり容易するる目的でMoverを手に入れたようだ。

Microsoft 365は、Office 365やMicrosoft Teams、セキュリティツール、ワークフローなどを収めたバンドルソフトだ。その考え方は、前菜からデザートまでフルコースの生産性パッケージを顧客にクラウドから提供することだ。Moverは、別のサービスのファイルをMicrosoft 365に容易に持ち込めるようにする。

Office担当のコーポレートバイスプレジデントであるJeff Tepper(ジェフ・テッペ)氏が、買収を発表するMicrosoftの公式ブログで「顧客にできるだけ迅速かつ円滑にマイクロソフトのクラウドへ移行していただくことが目的だ」と言っている。彼は「MoverはBoxやDropbox、Egnyte、Google Driveなど10あまりのクラウドサービスプロバイダーからOneDriveやSharePointへの移行をサポートし、 OfficeやMicrosoft TeamsなどMicrosoft 365のすべてのアプリケーションとサービスの上でのシームレスなコラボレーションを可能にしている」と語る。

テッペ氏によると、Moverには優れたマイグレーションツールがすでにあるだけでなく、同社チームの専門的技術力もマイクロソフトが活用できるようになるという。

Real Story Groupの創業者で主席アナリストのTony Byrne(トニー・バーン)氏によると、異なるシステム間のファイルの移行は、どんなやり方にせよ極めて困難なこともある。ファイル転送のメカニズムもその困難の一部だ。「オンプレミスのシステムや競合するクラウドサプライヤーから365への移行は『移行』という単純な言葉では言い表せない。むしろそれは再構築であり、UXもアドミンのかたちも各種のサービスもオペレーションの構造も、すべてをマイクロソフトのクラウドに合わせて変えなければならない」とバーン氏は説明する。

Moverはカナダのエドモントンにあり、創業は2012年で、Crunchbaseのデータによるとこれまで100万ドルを調達している。顧客には、AutoDesk、Symantec、BuzzFeedなどの著名企業もいる。

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モバイルゲーム開発のMadboxは創業1年でダウンロード数1億超に

フランスのMadbox(マッドボックス)が、シリーズAのラウンドで1650万ドル(約17億8800万円)をAlvenから調達した。同社はモバイルゲームを開発していて、ゲームの設計からその発行、ユーザーの獲得までの全工程を自社で手がけている。

Madboxは、モバイルゲームの分野では新人だ。同社は2018年の7月に、パリの2つの小さなゲームスタジオが合併して誕生した。そしてその2カ月後に、最初のゲームDash Valleyをリリースした。そのゲームはたちまち、米国のApp Storeで無料ゲームの上位50の中に食い込んだ。

同社はその後さらに、いくつかのゲームをリリースした。米国で、3本が同時に無料ゲームの10位までに入ったこともある。それらは、StickMan Hook、Sausage Flip、そしてIdle Ball Raceだ。全体でMadboxのゲームは1億回ダウンロードされた。

共同創業者でCEOのJean-Nicolas Vernin(ジャン・ニコラ・ヴァーニン)氏は「Madboxの核心は何でも自社でやることだ。いろんなものをできるかぎり自動化している」と語る。

あるゲームの技術をほかで使うだけでなく、ユーザー獲得やマーケティングでは同じ方法を何度も利用している。「我々にはデータドリブンの企業文化があると言われるが、それが弊社では身分不相応なまでに発達している」とヴァーニン氏。

成長に関しては、細心の注意を払っている。雇用のペースは遅いし、1年に10以上のゲームをリリースすることはない。今社員数は30ないし40名で、ビジネスモデルは大半が広告収入、そして現在は黒字だ。今後同社は、今の超カジュアルなゲームからアイドルゲームやあまりカジュアルでないゲームにも手を広げたいと思っている。同社は、バルセロナに第2のオフィスを開いた。

ヴァーニン氏は「我々は、有名なカジュアルゲームのスタジオで仕事をしてきた同世代の友だち同士だ。大手のゲームプロダクションもいずれは、カジュアルゲームのようにプレイできるシンプルなゲームを作るようになるだろう。またその逆もある。我々全員がそう考えている」。そして2つの世界が衝突するとき、Madboxは蚊帳の外にいたくない」とコメントした。

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業務用食材の廃棄を減らすWinnowが人間の視覚を超える

スマートキッチンの技術で商用キッチンの廃棄食品を減らすことを目指す英国のWinnowが、シリーズBの資金調達1200万ドル(約13億円)を公表した。

このラウンドを支えたのは、IKEA(イケア)のフランチャイジーシステの戦略的パートナーであるIngka Groupと、Mustard Seed、Circularity Capital、D: Ax、およびThe Ingenious Groupだ。この前の資金調達はThe European Investment Bank(EIB, ヨーロッパ投資銀行)からの800万ドル(約8億7000万円)の融資で、これを加えるとWinnowの先月の新たな調達額は2000万ドル(約21億7481万円)になる。

IKEAや、ドバイのアルマーニホテルなどグローバルな顧客を抱えるWinnowは、ホスピタリティ産業へのテクノロジーの提供をミッションとし、特に業務用キッチンをよりスマートにすることによって廃棄食品を削減する。その最新のプロダクトであるWinnow Visionは、捨てられる食品をコンピュータービジョンの技術で自動的に追跡し、キッチンにおける在庫計画のぜい肉を減らす。

同社によると、Winnowのシステムの優れたところは、捨てられる食品の検出能力がすでに人間の目の能力を超えていることだ。同社は「従ってこのシステムは顧客のキッチンにおける無駄を人間の介入不要で毎日自動的に記録できる。食品がゴミ入れに捨てられるときに、データが自動的に捕捉される」とコメントしている。

Winnowの創業者でCEOのMarc Zornes(マーク・ゾルネス)氏が、もっと広い意味でよく言うのは、「計測できるものなら管理できる」という考え方だ。同社によると、Winnowを使い始めたキッチンは半年から1年以内に無駄な廃棄食品を40〜70%削減している。食品のコスト節約効果は2〜8%である。

一方、同社の操業コストのメインは、ハードウェアとそれらの客先実装だ。ゾルネス氏の言う今後の資金の使い道は、技術の改良と製品開発への従来の2倍の注力。例えば、今までいなかったQAエンジニアに開発を強化してもらう。また、フロントエンドのデベロッパーには報告機能を改良してもらいたいと考えている。

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AWS Nitroの競合技術を有するPensandoが脱ステルス

元Cisco(シスコ)の技術者たちが創業したエッジコンピューティングのスタートアップであるPensando(ペンサンド)がシリーズCで1億4500万ドル(約157億7000万円)を調達し、ステルス状態を終えた。同社のソフトウェアとハードウェアはデータセンターにおけるクラウドコンピューティングサーバーの柔軟性を拡大し、Amazon Web ServicesのNitroと競合する技術と位置づけられる。

今回のラウンドはHewlett Packard EnterpriseとLightspeed Venture Partnersがリードし、これによりPensandoの調達総額は2億7800万ドル(約303億円)になる。HPEのCTOであるMark Potter(マーク・ポッター)氏とLightspeed VentureのパートナーであるBarry Eggers(バリー・エッガース)氏が、Pensandoの取締役会に加わる。同社の会長は元CiscoのCEO John Chambers(ジョン・チェンバース)氏で、彼はJC2 Venturesを介してPensandoの投資者の一人でもある。

Pensandoは2017年に、Mario Mazzola(マリオ・マッゾラ)氏、Prem Jain(プレム・ジャイン)氏、Luca Cafiero(ルカ・カフィエロ)氏、およびSoni Jiandani(ソニ・ジャンダニ)氏によって創業された。この技術者チームはCiscoの重要な技術開発のいくつかを先頭に立って推進した人々であり、その前にはInsieme Networksなど4つのスタートアップを創業して、それらはいずれもCiscoが買収している。

ロイターのインタビューで、前にCiscoの執行副社長だったPensandoのCFOを務めるRandy Pond(ランディ・ポンド)氏は、CiscoがPensandoの買収に関心があるかは明らかでないが、「現時点でうちはIPOを志向している。でもお金に関しては常にほかの可能性もある」と述べた。

同社によると、そのエッジコンピューティングプラットホームのパフォーマンスは生産性とスケールで比較するとAWS Nitroの5倍から9倍だ。Pensandoは、エッジコンピューティングのためのデータセンターインフラストラクチャを5Gからのデータや人工知能、そして物のインターネット(IoT)アプリケーションに対し最適化して用意する。ステルスの間に同社は、HPE、Goldman Sachs、NetApp、Equinixなどの顧客を獲得した。

プレス向けの声明でポッター氏は「現在のような変化が激しく、超稠密に接続された世界では、以前にも増して柔軟性と選択肢の幅の大きい操業環境を企業は必要とする。HPEとPensando Systemsとの関係が拡大しているのは、エンタープライズとクラウドの理解を互いに共有しているからだ。我々はPensandoへの投資とソリューションレベルのパートナーシップを誇らしく感じており、顧客のニーズを前もって把握したソリューションを今後とも推進していきたい」と語っている。

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韓国の生徒の3分の1が使っている数学と科学の個人指導サービス「Qanda」がアジア進出

ソウルのエドテックスタートアップであるMathpresso(マスプレッソ)は米国時間10月14日、シリーズBで1450万ドル(15億7810万円)を調達したことを発表した。同社の主力アプリQanda(クァンダ)は、生徒たちに数学と科学の支援と個人指導を提供する。このラウンドの投資家は、Legend Capital、InterVest、NP Investments、そしてMirae Asset Venture Investmentだ。

これでMathpressoの総調達額は2100万ドル(約22億8553万円)になる。昨年終わりに発表されたシリーズAでは530万ドルを調達した。

Mathpressoによると、名前を「Q and A」に由来するQandaは、韓国の生徒の3分の1が使っている。昨年は日本、ベトナム、インドネシア、シンガポールの各市場でもアプリをローンチして、今やユーザーは50カ国あまりにいる。QandaはAIを利用するOCR(光学式文字読み取り)システムで数学の問題をスキャンする。生徒が問題の写真を撮ってアップロードすると、アプリまたは先生が解き方を教えてくれる。

Legend CapitalのマネージングディレクターであるJoon Sung Park(ジュン・ソン・パーク)氏は「弊社は中国の優れた教育企業であるZuoyebang(ゾイエバン)やOnion Math(オニオン・マス)に初期から投資してきたので、中国のモバイル教育市場の強力な成長をよく見ている。そんな我々が確信するところによれば、Mathpressoには海外に進出して教育のデジタル化から生まれつつある新しい機会をつかむ技術的および経営的能力がある。例えば今後は、一人ひとりの生徒に個人化された学習を提供していけるだろう」とコメントしている。

画像クレジット: Mathpresso

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