レビュー:小さな129ドルのEcho Subでオーディオ環境が格段にアップする

音楽をもっといい音で聴きたい? それならサブウーファーを追加することだ。Amazonもそうすることにした。これで、Echoスマートスピーカーのラインナップは、ずっと面白くなった。Echoの音を不満に感じていたとしたら、Echo Subを追加してもう一度試して欲しい。きっと考えが変わる。

Echo Subは、小型の丸いサブウーファーで、Echoスピーカーと同じファブリックのカバーをかぶっている。ただし、現在色はチャコールのみ。床にも机の上にも置けるようデザインされ、Echoスピーカーでは再現できなかった低音域を発生する。Echo Subは、Echoスピーカーの音を、より完全に、より楽しく補完し、バランスの良い、より原音に近い音場を作るという使命を、うまく果たしている。Echo Subは、Echoオーナーには必須のアイテムだ。

レビュー

Amazonは、99ドル(約1万1000円)のEchoスピーカーのペアと、129ドル(約1万4400円:日本では1万5980円で10月30日に発売予定)のEcho SubをTechCrunchに提供してくれた。このセットは249ドル(約2万7900円)で発売されているが、Amazonは、Echo SubとEcho Plusのバンドルセットも329ドル(約3万6800円)で販売している。その違いには、価格の差に値するものがある。

設置には25分ほどかかる。それぞれのスピーカーをAlexaスマートフォンアプリで個別に追加するようになっている。すべてのスピーカーの設定が終わったら、これらをバーチャルグループにまとめる。アプリは、それを簡単に行えるように助けてくれるのだが、その工程でいくつかバグに遭遇した。スピーカーをグループに追加するときに、スピーカーを認識できないことが何度かあった。また、2つのスピーカーは認識できても、Subが見つからないということもあった。それでもなんとか設定を済ませ、2つのEchoスピーカーでステレオをサウンドを鳴らし、Echo Subで低音を出すことができた。

Echoスピーカー1つとサブウーファーを追加したことで、音がとても良くなった。しかし、驚くにはあたらない。ステレオにして音楽がより楽しくなるのは当然のことだ。

数年前に登場したJAMBOXは、ある世代に、音楽を聴くにはスピーカーはひつで十分だと思い込ませた。しかし、それはウソだ。ひとつでも音楽は聴けるが、ステレオならなおいい。さらに、Echoの場合はサブウーファーまで付いたのだから、もっといい。

Des Rocsの『Let me Live』は、この新しいサウンドステージを存分に活かしている曲だ。左右のスピーカーはその能力を爆発させ、Amazon EchoやApple HomePadのひとつのスピーカーでは味わえなかった没入感溢れるサウンドを楽しませてくれる。ステレオによって、音楽は生き生きと響く。

AKA Georgeの『Stone Cold Classic』も、このセットで生き返る。Echo Subはドラマチックな低音をトラックに与え、ステレオのEchoスピーカーが最高のエクスペリエンスを作り出す。まだ信用できない? ならばヴァン・ヘイレンの『パナマ』を聴いてみよう。ひとつだけのスピーカーでは、チャンネルがごちゃ混ぜになってしまい、この本来のサウンドは味わえない。しかし、本当のステレオとサブウーファーとの組み合わせにより、デイヴ・リー・ロスの声が生のように聞こえる。

249ドルのセットのサウンドには、本当に驚いた。重い仕事を大幅にEcho Subに割り当てることで、Echoスピーカーは中音から高音に専念できるようになり、この価格にしてはクリアで正確なサウンドが再現可能になった。249ドルで、Echoスピーカー2台とEcho Subのセットに匹敵するオーディオシステムを探そうと思ったら大変だ。さらに、Echoのスマートな機能が魅力を高めている。

Amazonから99ドルで発売されているEchoスピーカー2台でも、それなりに仕事はしてくれるが、149ドル(約1万6700円)のEcho PlusスピーカーとEcho Subを組み合わせたとき、その違いが歴然とわかる。Echo Plusを2台使えば、サウンドがさらによくなる。セットで買えば、価格の差はわずかだ。

Echo Subは、ほとんどの状況にうまくはまってくれる。他のサブウーファーと比べて小型だ。必要な低音が十分に出せるが、壁を振るわえるほどではない。ズンズン響くこともない。ハードロックやノリのいいポップスに向いている。車のトランクをぶるぶる震わせるようなラップには向かない。たとえば、アークティック・モンキーはいいが、ポスト・マローンにはちょっと合わない。

Alexaアプリを使うと、Echo Subの低音、中音、高音の調整ができる。ただ、調整範囲は限定的で、ウーファーの音響的特徴を極端に変えることはできない。全体的に、Echo Subは、2つのEchoスピーカーとうまく調和する、エレガントな小型サブウーファーということだ。

Echo Subは、Echoスピーカー1台だけでも使うこともできる。Echoスピーカーを1台しか持っていないという人でも、Echo Subを加えれば、驚くほど音質が向上する。

スマートスピーカーを組み合わせて新世代のステレオサウンドを構成しているのは、Amazonだけではない。Sonosは、ずっと前から複数のスピーカーを無線で接続して、ステレオやサラウンド音響が作れるようにしていた。Google Home Maxも、2台組み合わせれば可愛いステレオセットになる。Apple HomePodもそうだ。350ドル(約3万9000円)のHomePodを無線で2台つなげばステレオになる。これらのシステムは、どれも素晴らしいオーディオ品質を提供してくれるが、Amazonのものに比べて全体に高価だ。また、Amazonの他に専用のサブウーファーがあるのはSonosだけだ。

Echo Subを加えたAmazonは、同等の他社製品よりもずっと安価に、高い音質を提供できるようになった。129ドルのEcho Subは、コンパクトで高性能で、Echoスピーカーを即座にアップグレードできる最善の方法だ。もし可能なら、Echoスピーカーをもう1台追加して、ステレオセットを構築して欲しい。

Echo Subは、音楽を聴く環境がEchoスピーカーだけという家庭にお薦めだ。もし、Echo Subを買うか、もう1台のEchoスピーカーを買うかで迷っているとしたら、Echo Subを先に買うことをお薦めする。

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(翻訳:金井哲夫)

Google Home Hub vs. Amazon Echo Show 2 vs. Facebook Portal、それぞれの特長

カウンタートップを争う戦いが始まった。Google、Amazon、Facebookの3社がみな今月、スマートディスプレイの新製品を発表した。いずれも、IoT化される未来の家庭の中心に座ることをねらい、家族のコミュニケーションを担おうとしている。

149ドルのGoogle Home Hubは、安くてプライバシーが保てるスマートホームコントローラーだ。

229ドルのAmazon Echo Show 2は、Alexaを視覚化する。

そして199ドルのFacebook Portalと349ドルのPortal+は、Smart Lensによる自動的なズームイン/アウトでチャットの話者を画面中央に捉える。

消費者の最大の検討項目は、プライバシーの安全、ビデオチャット機能、今後のスマートホーム構想との相性、そしてお値段だ。

  • プライバシーが気になる人にとっては、GoogleのHome Hubが唯一、カメラがなくて149ドルとめちゃ安い。
  • プライバシーが気にならない人なら、FacebookのPortal+が画面がきれいでビデオチャットもできる。
  • チャット大好き人間なら、Amazon Echo Show 2がAlexaによるメッセージングとビデオチャットを提供している。電話もかけられるし、Skypeもできる。

ブランドを選り好みしないなら、Lenovo Smart Displayはどうだろう。そのスタイリッシュなハードウェアは、10インチ1080pバージョンが249ドル、8インチ720pバージョンが199ドルだ。

そしてオーディオファン向けには、199ドルのJBL Link Viewがある。

これら二つはGoogleの技術を利用し、本家Googleの製品よりも早く発売された。でも私見では、今後の製品改良のピッチは、本家の方が積極的ではないだろうか。それはAmazonやFacebookの、今後のサードパーティ製品についても言える。

下の表は、Google、Amazon、Facebookの計4製品(Facebookが2製品)の特長を詳細に比較している:

more Google Event 2018 coverage

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、議会宛レターで「スパイチップ」記事を強硬に否定

Appleは、同社のシステムが中国のスパイに侵入されていたとする先週のBloomberg報道に対して、これを否定する意思を改めて強調した。

その特ダネ記事は中国がSupermicro製マザーボードに小さなチップを埋め込んだとする10以上の情報源を挙げている。SupermicroのボードはAmazon、Appleを始めとする数多くの米国IT企業がデータセンターのサーバーに利用している。Bloombergの記事は、このチップがサーバーのデータを盗み出し、中国が世界有数のIT企業をスパイすることを可能にしているとも主張している。

Appleの情報セキュリティー担当副社長のGeorge Stathakopoulosは、議会宛のレターで、同社にとってこれまでで最も力強い否定の意を表明した。

「Appleは、悪意のあるチップも「ハードウェア改竄」や意図的に仕込まれた脆弱性も、これまでにどのサーバーでも見つけたことはない」と彼は言った。「記事に書かれているようなセキュリティーの懸念についてFBIに報告したこともなければ、FBIがそのような捜査に関してわれわれに接触してきたこともない」

このニュースに先立ち、英国サイバーセキュリティーセンターと米国国家安全保障局の両組織は、Apple、Amazon、およびSupermicroが記事を否定する主張を「疑う理由はない」という趣旨の声明を発信している。

さらにStathakopoulosは、Appleは「Bloombergが間違いなく存在するとしている悪意のチップなるものの詳細を具体的に説明するよう、同誌に繰り返し要求しているが、曖昧な二次的情報以上のものを提供しようとしなかった、あるいは提供することができなかった」

Appleの声明は、以前のコメントよりもはるかに激しい。Bloombergの記事の重要な欠陥は、数多くの情報源が、たとえ匿名であれ、スパイチップなるものを直接目撃した体験談を提供していないことだ。

チップが存在するという直接証拠がないかぎり、Bloombergの記事は根拠が曖昧だと言わざるを得ない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米政府、AppleとAmazonに同調、Bloombergの「スパイチップ」報道を事実上否定

米国国土安全保障省は、Apple、Amazon、およびSupermicroの声明を「否定する理由はない」と発言し、先週Bloombergが報道した主張を否定した。

これは米国政府が記事に言及し内容に疑いをかけた最初の声明だ。 国土安全保障省の声明は、英国サイバーセキュリティーセンターが発信したほぼ同内容の声明に同調するものだ。

Bloombergは、10以上の情報源を挙げて、中国はSupermicroが製造したマザーボードに 超小型チップを埋め込んだと報じた。Supermicroの基板は米国IT業界——Amazon、Appleを含む——がデータセンターのサーバーに広く利用している。このチップはサーバー上のデータを盗み出し、中国が世界有数の富と力をもつ企業に対するスパイ行為を行うことを可能にすると言われている。

その後Apple、Amazon、Supermicroの各社はウェブサイトで声明を発表した。Bloombergは自社の主張を貫いている。しかし、記事が最初に公表されてから数日が過ぎた今、この最新の展開も人々の困惑を緩和するとは思えない。

国土安全保障省は国のサイバーセキュリティーを国内、国外両面の脅威から守っている。Bloombergによるとこの件は連邦政府が3年間調査を続けている機密情報であり、政府が脅威の可能性について声明を発表することは異例であるとしている。

現実はといえば、このニュースが報じられてから数日たったあとも、最も優秀でIT技術に長けたサイバーセキュリティー専門家の多くが、未だに誰を信じていいのかわかっていない——Bloombergなのかそれ以外なのか。

そして、誰かが問題のチップを手にするまでは、この状況がすぐに変わることは期待できない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AmazonのEcho Dot 3レビュー:そそる50ドルのスマートスピーカー

Amazonはこれまで多くのEcho Dotを販売してきた。狂ったかのように、まったくバカのように数え切れない台数だ。第一世代と第二世代は間違いなくスマートスピーカー好きに広く支持されたシングルドライバーのスピーカーだ。

もちろん、このプロダクトには非凡な要素はない。ただのホッケーパックのような外観で、ほぼ注目をあつめることがないようなデザインだ。しかし抵抗し難い魅力を持つースマートスピーカーを敬遠していた人にとってさえそうなのだ。

これはスマートスピーカーという新たな世界へのゲートウェイドラッグ、新たなものへの踏み出しとなる。では、どうやってAmazonの最も売れているデバイスを改良したのか? 最大のセールスポイントに手を加えたのではなく、50ドルという価格にある。この価格設定は1000ドルのスマホよりかなり受け入れられやすい。

先月シアトルで行われたイベントで、他の800万もの新たなAlexaプロダクトとともに発表された新Dotは、単なるラインナップのアップグレード以上のものだ。Echoのラインナップを前進させた。モジュラースピーカーシステムがきたるスマートホームで浸透することを考えたとき、Googleのまぎれもない影響力に対抗できるだけのプロダクトだ。

箱から出した時に魅了するのはGoogleのものだ。Echo第一世代、第二世代は実用的だった。見かけはイマイチ、どこかに隠すためのようなデザインで、Alexaへの単なるゲートウェイだった。ファブリックのカバーは今ではコンシューマーエレクトロニクスに必須のものとなっていることを考慮しても、胴回りをクロスで覆ったEchoはGoogleのHome Miniの類似品にすぎなかった。

Amazonは当然のことながら、この分野におけるGoogleの急速な成長に揺さぶられた。Alexaイベントの前、戦略アナリストは、Home MiniがEcho Dotを抑えて四半期に最も売れたスマートスピーカーとなったと言及した。まさにパニックモードというわけではないが、アップグレードのタイミングであることはかなり明らかだ。

新DotはHomeラインナップから明らかに美的影響を受けていて、私はAmazonの取り組みを好ましく思っている。良い意味で、古いものと新しいものの差をつけた。ファブリックカバーにより、プロダクトの外側を覆うスピーカーグリルが2倍になった。一方でトップは、丸いマットブラック色のトップに4つのボタンを搭載するという、馴染みのデザインがそのままだ。ステータスを光らせて示すリングが縁にある。

新Dotは明らかに前モデルより大きいーコンパクトサイズだった第二世代Dotが最も売れていたことを考えると、これは少し驚きだ。これはつまり、新デバイスはオープンスペースにそのまま置けるほどいいルックスになったことで、大きくしてもいいだろうとAmazonは大胆になったということだ。私は、その重量に少し驚いたーこれを使って何かに深刻なダメージを加えられそうな重さだ。

サイズが大きくなることに伴う結果の一つがボリュームの増大だろう。Amazonによると。新Dotは前世代より70%大きな音量で流すことができる。こうした動きは、Amazonが“スマートスピーカーの方程式”で二番目にくる部分に積極的に取り組んだことを意味する。初期のDotのサウンドシステムはAlexaに声をかける以上のものではなかった。だからこそAmazonは補助出力をビルトインした。

もちろん、まだその範ちゅうにとどまっているが、ビルトインされたサウンド出力は大きく改善した。また、トップボリュームの音のひずみも少なくなった。私はまだこれをデフォルトスピーカーとして使う気はないが、Amazonの新たなアラカルトサウンドシステムにおけるDotの役割は面白いものだ。

Amazonは2つのDotでは、新たなステレオペアリング機能を試すという目的があったー私はその取り組みを嬉しく思う。おそらくラインナップへの追加としては最も興味深いものだ。Alexaアプリの改良で、セッティングタブの下にCreate a Speaker Setのオプションが加わった。ここから2つのDotをペアにしたステレオにすることができる。セットアップはシンプルだーオフィスのWi-Fiで私が試したときにはトラブルがあったが。正常に機能させるためには、どちらのEchoも同じネットワークにつながっていなければならない。アプリは2つのEchoが同じネットワークにいるかどうか見分けることはできなかった。

あらゆるプロセスがアプリで行え、どちらのデバイスでステレオトラックのチャンネルを操作するかも決められる。2つをペアリングするというのは素敵な体験だー小規模なホームシアターの体験に近い。新たなサブウーファーEcho Subも使えばより素晴らしい。もちろん、忘れてはならないのが、230ドルかかっていること。いろんなものを加えるとあっという間に金額はかさむ。しかしそれでもHomePodより100ドルは安い。

もちろん、その2つを比較するのはフェアではない。AmazonとAppleのスピーカーは完全に異なるリーグのものだ。しかし新Dotと、他のEchoホームステレオシステムへの追加は、デバイスをミックスさせたりマッチさせたりができながら、それでいて低価格という、このカテゴリーへのAmazonらしいアプローチだ。

第三世代のDotは完全なる再発明というわけではないが、多くのユーザーにアップグレードしようかと思わせるだけのものだ。“アップグレード”という言葉がここでは適切ではないかもしれないが。Amazonの、全ての部屋にAlexaデバイスを、という究極のゴールを考えたときに、増えつつあるあなたのコレクションにまた一つ加わるというのは容易に想像できることだろう。

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(翻訳:Mizoguchi)

Bloombergの中国スパイチップのスクープはどこまで信頼できるか――ハイテク・エスピオナージュの闇を探る

昨日(米国時間10/4)、Bloombergが報じたスクープはインターネットに鋭い亀裂をもたらした。一方の陣営はこの記事は正確であり、Bloombergの記者はかつてない規模の外国のハイテク・スパイがアメリカのハイテク産業に浸透し、途方もない損害をもたらしていることを暴露したというものだ。他の陣営は、そうではない、多くの人々がデタラメの騙されているのだという。

中国のスパイがアメリカのデータセンターで用いられているサプライチェーンに浸透し、Supermicroのマザーボードに鉛筆の芯の先端ほどの微小なチップを仕込んで情報を盗み出しているというのがBloombergの記事だ。SupermicroのボードはAppleからAmazonまでアメリカ中のデータセンターで用いられているという。

Apple、Amazon、Supermicro、それに中国政府はそろってこの報道を強く否定した。AppleとSupermicroはその後独自の否定声明を出している。これはめったにないことで、各社とも「なにも隠していない」と強調したいのだろう。声明は公開されており、一読することをお勧めする。

では国家機密の報道という闇の世界へようこそ。

私は過去5年間(最近はCBSで)主にサイバーセキュリティーに関する報道を担当してきた。CBSではサイバーセキュリティー関していくつかのスクープを発表している。これにはアメリカ政府が監視活動に役立てるため脆弱性を調査できるようプロダクトのソースコードを明かすようテクノロジー企業に秘密に圧力をかけていた件も含まれる。昨年私はNSAが5年間に5回もデータ漏えいを起こしていたことを突き止めた。発見した秘密情報は政府のアメリカ市民に対する情報収集活動は当初予想されたよりはるかに広汎であることを示していた。

私はBloombergのスクープに対して態度を決めかねている。

どんな分野であろうと事実を求めようとするジャーナリストが諜報コミュニティーから確実な情報を得るのは不可能に近い。スパイや外交官にとって機密情報を資格のない相手に明かすのは刑務所で長い時間を過ごすリスクを冒すことになる。事実、あるものは今も服役している

セキュリティー担当記者がスクープできるのはトップクラスの情報源を握っているか、途方もないツキに恵まれているかどちらかだ――たいていの場合は後者だが。

当然読者は「スパイからのリーク」には用心深くなる。しかし一方、Bloombergは1990年以来、報道機関として高い評価を得てきた。調査は綿密で、重大なスクープなら10以上のソースから情報を得るのが普通だ。情報源は政府の内外にあり、証拠によって十分に裏付けのある記事を発表してきた。

とはいえ、こうしたスクープのソースは匿名であるのが普通だ。そもそも知る資格がなかったり、公開が禁じられている秘密情報であるなどの理由で情報源が法律的責任を追求される可能性があるからだ。しかしこれはアカウンタビリティーを難しいものにする。「事情に詳しい筋によれば」といった表現を好む記者はいない。記事が弱くなるからだ。記事に情報提供者の氏名が明記するのは記事が事実であるとことに責任を持つためだ。

一方で記事の対象となった企業からの否定声明は(これ自体Bloombergが正確に全文報道している)記事の内容が事実でないという証明にはならない。こうした声明は法務部を通して発表され、法律や諸規則に従っていることを主張している。証拠に基づいた報道を「言った、言わない」の水掛け論に持ち込もうという意図の場合もある。

そこでBloombergの記事に対して判断を下すのは読者に委ねられる。ジャーナリストはいかほどでも事実を報じることができるが、それを信じるか否かは結局読者だ。

Bloombergの記事に対するAppleの異議は、「指摘の内容があいまいだ」という点にある。しかし公平に言って、これほど重大なニュースであれば、最初から手の内をすべて見せることはあり得ない。しかしソースが他のニュースメディアに情報を流すのを防ぎながらさらに詳しい情報を得ようとする。情報源がライバルのメディアにも情報を流すというのは、スクープの価値を下げて報道の過熱を防ごうという意図で政府機関もときおり使うテクニックだ。

しかし記事で名指しされた企業、Apple、Amazon等も事情を知らず、闇の中にいる可能性がある。 外国政府による企業に対するスパイ行為に対するカウンターインテリジェンス活動が進行している場合、企業内でその事実をかすかにでも知ることになるのは一握りの人間だけなのは間違いない。アメリカの監視活動および対敵情報を所管する法律はこのような活動について「知る資格がある」人間を厳しく制限している。これは通常、企業の最高法務責任者に限られる。CEOや社長などその上司にはこの情報は知らされない。これは会社の経営陣が株主や市場に対して虚をつくことになるのを防止するためだ。

この点については2013年にエドワード・スノーデンが秘密文書多数を公開したときのことを考えてみるのがよい。

Apple他(この際はAmazonは含まれていなかった)のテクノロジー企業が関連したNSAのデータ収集プロジェクト、PRISMの存在が暴露された後、名指しされた企業はいっせいに強い言葉で関与を否定した。トップは知らなかったのだろうか? 半分は, イェスだ。しかしこうした場合、企業はチェリーピッキング、つまり自分たちに都合のいい部分だけに議論を限定することで、嘘をつかずに記事に反論することができる。 たとえば「アメリカ政府はPRISMでテクノロジー企業のサーバーから直接情報を入手している」という部分について、対象企業は「事実ではない」と否定した。しかし間接的アクセスまで否定したわけではなかった。そう主張すれば嘘になっただろう。

Bloombergの記事の批判者はチップのデザイン、スペック、機能などの技術的詳細を始めもっと情報が必要だと要求しいるがこれは正しい。元NSAの専門家、でRendition Infosecのファウンダーに転じたJake Williamsは、私の取材に答えて、問題の記事は「信頼できると思う。しかしもし事実でないと判明しても、(サプライチェーンを通じてサーバーに侵入する)能力は存在している。ネットワークが侵入されていないかどうかチェックできるようにする体制が必要なことは変わりない」と述べた。

私は当初この問題をカバーするのをためらった。問題があまりに複雑であり、、記事が衝撃的な事実を主張しているのに私には実否を確認できる手段がなかったからだ。Bloombergのチームがこの1年近くかけて探り出した問題について数時間で判断を下すのは難しい。Bloombergが記事発表の常道を踏んでいたすれば、こうしたカバーストーリーの場合、公表以前に数しれないほどの編集、推敲、ファクトチェックを受けていたはずだ。記者はいわば壁に頭をぶつけ、もうこれ以上何も報告するものがない状態になる。それから出版される。

もちろんBloombergももっとうまくやることはできただろう。たとえばNew York Timesが最近トランプ大統領のビジネスの税金問題でその取材過程をオープンにしたのがよい例だ。 Bloombergは結論を導き出すにあたって取材プロセスの透明性をさらに高めるべきだろう。ジャーナリズムは独占であってはならない。誰もが検証可能なオープンなものでなければならない。取材過程のオープンさを欠けばそれだけ読者の信用を失うことになる。

そこがこのような問題の報道で困難な部分だ。Bloombergの記事は、公平に言って、きわめて綿密に取材されており情報源も質が高いと思われる。しかし私が(他の読者もそうだと思うが)記事の内容を信用するかどうかはBloombergと取材チームを信用するかどうかにかかってくる。

フェイクニュースが溢れている現在、ジャーナリズムの未来のためにも、Bloombergの記事が決定的に間違っていたといった結果に終わらないよう私は望んでいる。

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滑川海彦@Facebook Google+

Amazonが中国のサーバー事業を処分したのはそれらが侵犯されたかららしい

昨年Amazonが中国の物理的サーバー事業を売り払ったのは、その事業部門が中国政府によるスパイ活動の被害を受けたかららしい。〔関連記事。〕

それは、今日(米国時間10/4)のBloombergの記事からの推測だ。その記事によると、中国政府がSupermicro製のマザーボードに小さなチップを忍ばせて、複数のアメリカ企業に侵入した。それらのマザボードは、被害企業のサーバーに搭載され、リモートのスパイたちにデータへのアクセスを与えていた。その長い記事は、小さいが重要なパラグラフで、昨年11月のAmazonの中国における事業活動に触れている…このアメリカ企業は、物理サーバービジネスを地元のパートナーBeijing Sinnetに20億人民元(約3億ドル)で売却したのだ。.

その商行為は最初、AWSは中国を去る、という記事にされたが、その後Amazonは、中国におけるクラウドサービスは操業を続ける、と明言した。物理サーバー事業を売ったのは、外国企業の操業と設備機器の保有に関する中国の法律に従うため、とされた。

中国がそのサイバーセキュリティの法律で海外企業に制約を課し、データへの前例のないほどのアクセスを政府に与えていることは確かだが、しかしBloombergの記事は、Amazonの中国のサーバー事業が処分されたのは、それらの物理サーバーが侵害されたからだ、と主張している。

顕著な例外は、AWSの中国内のデータセンターだった。AWSの操業について詳しい情報筋によると、そのデータセンターはSupermicro製のサーバーを満載していた。Elementalの一件を覚えているAmazonのセキュリティチームは、北京のAWSの設備を調べて、そこでも改造マザーボードが使われていることを見つけた。それらの一部は、前のものよりも精巧な設計だった。その犯行チップが非常に薄くて、他の部品が取り付けられているガラス繊維の層の間に隠せるものもあった。実際にチップの写真を見たことのある人物が、そう言っている。その最新世代のチップは、尖った鉛筆の先よりも小さかったそうだ。

Amazon側の情報筋の一人は、“それは重傷の手足を切断するような”決断だった、と言っている。

Amazonも、記事に挙げられているその他のアメリカ企業も、Bloombergの記事の内容を否定している。

AmazonのBloombergに対する声明文は、こう言っている: “Amazonがサプライチェーンの侵害や悪質なチップ、ハードウェアの改変などについて、Elementalの買収時に知っていたことはありえない。また、中国のデータセンターでサーバーに悪質チップや改変があることを知っていたとか、AWSがFBIの捜査に協力したり、悪質チッに関するデータを提供した、とする説も嘘である”。

[中国がサーバーのマザーボードにスパイチップを載せてAppleなどアメリカ企業に侵入か]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

中国がサーバーのマザーボードにスパイチップを載せてAppleなどアメリカ企業に侵入か

これは、これまでで最大の、国民国家による企業スパイ事件ではないだろうか。Bloombergの今日(米国時間10/4)のびっくり仰天記事によると、中国政府が、Appleを含む30以上のアメリカ企業のサーバーへのアクセスを取得した。

Bloombergによると、アメリカで使われているサーバーのマザーボードを提供しているSupermicroが被害に遭い、中国政府と関係のあるグループが同社のサプライチェーンに侵入して、鉛筆の先ぐらいの大きさの小さなチップをマザーボードに取り付けた。そしてそのマザーボードは、アメリカで使われ始めた。

その目的は、Bloombergの説では、企業のシステムへの入り口を取得してIP(知財)やそのほかの機密情報を盗むことだ。サーバーそのものの能力は限られているが、それが“秘密の入り口”になることにより、中国にいるスパイたちがリモートでデバイスの動作を変え、情報にアクセスする。

そのことを知ったアメリカ政府は、チップの背後にいるスパイたちをスパイしたが、Bloombergの記事によると、現在分かっているかぎりでは、この攻撃によって既知の消費者データはまったく盗まれていない。しかしそれでもこれは、中国政府によるこれまででもっとも衝撃的なスパイ活動のひとつだ、と言える。

記事によると、そのチップはAmazonが見つけてFBIに報告した。それは、同社が2015年にElemental Systemsを買収したときの事前調査でたまたま発見された。Elemental社はアメリカ政府との広範な契約があり、またAppleは、ピーク時には最大7000台のSupermicro製サーバーを動かしていた、とされる。Bloombergによると、Amazonは1か月以内にそれらのサーバーをすべて排除した。Appleは2016年にSupermicroとの関係を絶ったが、その原因がセキュリティ問題だ、とするThe Informationの主張を否定した。

一方AmazonはElemental Systemsの…一説では5億ドルの…買収を完了し、その直前には同社のソフトウェアをAWSのクラウドへ切り替えた。他方Supermicroは今年の8月に、四半期決算報告書の提出を怠ったため、Nasdaqで売買を保留扱いにされた。今後は、改善の期限切れによる上場停止の可能性もある。

[中国のチップスパイ記事は究極の弱点がサプライチェーンであることを示している(未訳)]

Amazon, Apple, Supermicro, そして中国外務省は、Bloombergの記事を、激しくて長い声明で否定している。彼らの反論のリストが、ここにある。同紙は、ニュースソースは現場知識のある17名以上の個人情報筋だ、と主張している。それらには、6名のアメリカの政府職員と、Appleの4名の“インサイダー”が含まれる。

Bloombergの元記事を、ぜひ読むべきだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazon、Fire TV Stick 4KとAlexa Voice Remoteの新型を発売

Amazonの新ハードウェアの発表は先月の壮大なEchoイベントで終わったと思ったとしても無理はない。小売業の巨人は少なくともまだいくつか隠し玉を持っていた。手始めがFire TVシリーズの追加だ。新しいTV Stick 4KとAlexa Voice Remoteの予約受付が本日始まった。

50ドルの改訂版Fire TV Stick 4Kは新クアッドコアプロセッサーを搭載し、ストリーミングと読み込みの高速化を約束する。この新しいTVドングルはDolby VisionとDolby Atmosを加え、50万タイトルの映画/TV番組、多数のアプリ、そしてAlexaボイスインターフェースをリモコンあるいは近くにあるEchoで利用できる。

このニュースは最近Rokuが4K対応ストリーマーを値下げし、40ドルからのプレミアプレーヤー機器を発表したことに続くものだ。

さらに、新しいAlexa Voice Romoteもやってくる。この新リモコンは、先代よりも万能リモコンとしての色彩が強い。Bluetoothと多方向赤外線を搭載し、テレビ、AV機器、ケーブルボックスなどを制御できる。

電源、音量、ミュートのボタンはついているが、主役はもちろん音声だ。ほとんどのAmazon Fire製品と互換性がある。40ドルのFire TV Stick 4Kパッケージおよび120ドルのFire TV Cubeに同梱されるほか、30ドルで単体を買うこともできる。

新しいボイスリモコンと共に、Amazon は、音声を使って検索する方法を追加した。新たに、 A&E, AMC, Sony Crackle, Hallmark Movies Now, HBO Now, HISTORY, IFC, Lifetime、およびVH1のボイスコントロールが可能になった。Netflix、Prime Video、Hulu、SHOWTIME、およびESPNはすでにボイス対応している。

「われわれは顧客の声を聞き、完全な4Kソリューションをコンパクトなスティックで提供することに注力した」とAmazon Fire TV担当VPのMarc Whittenが声明で言った。「開発チームはまったく新しいアンテナ技術を発明し、強力な802.11ac Wi-Fiチップと組み合わせることで、混雑したネットワーク環境でも可能な限り最高の4K UHDストリーミング体験ができるように最適化した。新しいクアッドコアプロセッサーは高速かつスムーズな体験を提供し、Dolby VisionおよびHDR10+ に対応したことで驚くべき画像を届けることに成功した」。

Fire TV Stick 4Kは米国・カナダでハローウィンに出荷を開始する。英国、ドイツ、インドでは11月、 日本では年末までに提供される予定だ。

このほかAmazonはFire TV Recastバンドルも発表した。録画とネットTV視聴用のデジタルビデオレコーダー、35マイル範囲のHDTVアンテナ、およびFire TV Stick 4Kをセットにして249.99ドルで販売するもので、50ドル割引かれる。

Sarah Perezが追記した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazonがアメリカの社員の最低賃金を15ドルにアップ、国が定める最低賃金の倍以上

Amazonが、アメリカの従業員の最低賃金を11月1日から15ドルに上げる、と発表した。〔これまでは13ドル。〕

Whole Foodsなどの子会社の社員も対象となり、また季節雇用や一時雇用の労働者にも適用される。Amazonによると、対象となる正社員は25万人、季節雇用者は10万人である。

Amazonはこのところ日増しに、その低賃金を各方面から批判されていた。たとえばBernie Sanders上院議員は、彼が(政府による)“企業優遇策”と呼ぶものを終わらせるための法案を最近提出した。それが、誰をねらっているかは明らかだ。法案のタイトルは、こうなっている: Stop Bad Employers by Zeroing Out Subsidies(BEZOS)(補助金をゼロにして悪質な雇用者を根絶やしに(BEZOS))。

一方、Whole Foodsの従業員グループは組合の結成を呼びかけ、最低賃金15ドルなどの要求を提示した。

賃上げの発表声明でAmazonのCEO Jeff Bezosはこう述べている: “批判を聴いて、何をすべきかを真剣に考えた。そして、私たちは追随者ではなくリーダーでありたい、と決心した。今回の変更をたいへん嬉しく思っており、競合他社のみなさまや、そのほかの大規模な雇用者たちが、私たちの仲間に加わることを奨励したい”。

Amazonによると、これまでの福利厚生は変らないが、時間制のフルフィルメントとカスタマーサービスの社員にはRSU(譲渡制限付株式)の交付を全廃する。それに代わり、直接的な株式購入プランが提供されるが、その理由はおそらく、これらの従業員が“RSUよりも金額が明確ですぐに現金化できるもの”を求めているためだ。

また、同社の誓約によると、同社の政策チームが、国の7ドル25セントの最低賃金を上げるよう、ロビー活動を行なう。目標額は提示されていないが、“7ドル25セントは低すぎる。われわれは議会に働きかけて、新しいより高い国の最低賃金を決めてもらう”、と言っている。

[サンダース上院議員: Amazonの社員にとって重要であるだけでなく、世界が耳を傾けるべきだ。企業のリーダーたちがBezos氏のリードに続くことを促したい。]
[Dave Clark–Amazon世界展開とカスタマーサービス担当SVP: 南カルフォルニアのFCで15ドルの最低賃金を共有した。全員が拍手をした。]

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AmazonのAlexa Fundが三社の音声アプリ(==Alexaスキル)にシード投資

2015に創設されたAmazonのAlexa Fundは、初期段階の音声アプリスタートアップの立ち上がりを助ける。今週は、三社に対する支援が発表された。

まずBamboo Learningは、AmazonのAlexa Presentation Language(APL)の初期のパートナーだった。同社は音楽教育のAlexaスキルを開発し、音符や楽器、和音(コード)、テンポなどなどの音楽用語について教える。

Endelは、ユーザーがリラックスするためのサウンドスケープを提供する。同社は曰く: “うちのメインのアルゴリズムは、日周期(1日24時間の周期のリズム)と五音音階と音のマスキング利用している。その音は、そのときの時刻や天候、心拍、位置などの条件で異なる”。

ヘルスケアのAivaは、ユーザーをヘルスケアの専門家とコンタクトさせる。AivaとEndelは共にTechstarsの出身だ。三社はAmazonから資金をもらい、AmazonのDemo Nightに出演する。

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Amazon、人気商品専門の実店舗をNYに開店へ

Amazonはこの手のものとしては初となる実店舗を開店する、と今日(9月26日)午後発表した。木曜日、ニューヨークに“Amazon四つ星”店をオープンさせる。そこで売られる商品は全てが4スター以上で、トップセラーとなっているものかAmazonで人気となっている新製品だ。別の言葉で言うと、この店はAmazonのベスト製品への現実世界における効果的なイントロダクションとなる。

店はソーホー地区に位置し、クロスビーとラファイエット通りの間のスプリング通りにある。営業時間は月〜土曜日が午前10時〜午後9時、日曜日が午前11時〜午後8時だ。

Amazonが発表文で説明したところによると、四つ星店は“顧客が何を買っているか、何を愛用しているのかのリフレクション”だ。

巨大な自社eコマースサイトのおかげで、Amazonは何が売れているかを知っている。Amazonによると、この店で扱う商品の平均レーティングは4.4スターで、これらの商品は合計で180万もの5スターカスタマーレビューを集めている。

店は、人々がAmazonのウィッシュリストに加えるような“最もほしいもの”アイテムのセクションと、Amazonのアルゴリズムを使った“Amazonエクスクルーシブ”“よく一緒に買われるもの”セクションの2つに分けられる。また、“NYCで流行っているもの”セクションでローカル人気商品も扱う。

開店時は、カードゲームCodenames(4.8スター、カスタマーレビュー2000件超)、Lodgeの3.5インチ鋳鉄ミニフライパン(4.4スター、カスタマーレビュー1万900件超)、そして当然のことながらEcho Spot(4.5スター、カスタマーレビュー5600件超)やFire TV Stick(4.4スター、カスタマーレビュー19万7000件超)といった自社製品などが並ぶ。 SpotとFire TV Stickは今年のAmazonプライムデーでのトップセラーで、Amazon全体でのトップセラーでもある。

この店で面白いのは、値段の付け方だ。

プライム会員となっている買い物客はサイトと同じ価格で購入できる。一方でプライム会員でない人は店頭表示されている価格を払う。不動産の費用を考えると、この店はAmazonにとってお金のかかったユーザー引きつけ戦略の意味を持つ。プライム会員でない人はAmazon.comのディスカウントを受けるために店でプライム会員の無料トライアルに申し込むこともできる。

Amazonは近年、着実に実店舗を増やしている。スーパーWhole Foodsの買収で巨大な実店舗を手に入れ、特定マーケットでは新たなキャッシュレスストアAmazon Goも堅実に増やしつつある。またいくつかのAmazonブックストアもあり、米国各地でデバイス販売専門のポップアップ店舗も展開している。

四つ星店を、NYC内外含む他のロケーションにも出す計画があるのかについて、Amazonは明らかにしていない。

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(翻訳:Mizoguchi)

Amazon Alexaのスキルの中でゲームのポイントやヒントを売ることができる、近くSony Picturesも利用

Amazonの今朝(米国時間9/25)の発表によると、これからは、Alexaのスキルのデベロッパーが、スキルの中で、一回しか使えない“消耗品”を売ることができる。同社によると、アメリカのデベロッパーは今日からこの新しい機能を利用して、Alexaデバイスのオーナーに何かを売ることができる。その‘製品’は、買って使用したらまた購入できる。それらはたとえば、音声ゲームのヒントや、ゲームの続行に必要なポイントなどだ。

これは、昨年11月にデビューして今年5月に広く展開されたAlexaスキルのアプリ内購入機能の拡張機能だ。デベロッパーはスキルを有料会員制にすることもでき、デベロッパーへの支払いはDeveloper Rewards事業から行われる。

Alexaは家庭内音声コンピューティングの市場に先鞭をつけただけでなく、これらのインセンティブによって、今やAlexaスキルの数は5万を超えている

しかし従来のアプリ内購入と違って、これらの“消耗品”は(一回しか使えないので)スキルのユーザーが何度でも繰り返し買うものであり、必ずしも会員登録などをする必要がない。

Amazonによると、すでにかなりの数のデベロッパーがこの機能を採用している。

たとえばゲームのWould You Rather for Familyでは、有料プレミアムバージョンの7日間の試用権を買うことができる。中世ふうのRPG Yes Sireでは、ゲーム続行に必要なポイントを買える。またInnomoreのHypno Therapistでは、同社の70あまりの療法の中から10種類の催眠療法をまとめて購入できる。さらにもっともっと買って買ってユーザーの健康関連のゴールに到達することもできる。

Amazonによると、近くSony Pictures TelevisionがWho Wants to Be a Millionaireをローンチする。このゲームスキルでは、プレイが行き詰まったときにヒントを購入できる。

こういう“消耗品”は、一回かぎりの購入や有料会員制と同じように、Alexa Skills Kit (ASK) Command-Line Interface (CLI)を使って実装できる。そのやり方は、サンプリアプリName The Showに示されている。

さらにAmazonによると、StorylineVoice Appsのようなサードパーティ製のツールを使えば、ビジュアルなインタフェイスでスキルを開発できる。

スキル内の“消耗財”(consumables)購入は、今のところアメリカだけで、国際展開の日程は示されていない。

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Amazon、Wikimediaに100万ドルを寄付

今年3月、本誌はWikimediaにこんな質問をした、 「Wikipediaを利用している企業はお返しをしているか?」。答えは、一応イエス、ただしひとつの例外を除いて。「Apple、Facebook、Microsoft、およびGoogleはそれぞれ、従業員からの寄付に上乗せする形でおよそ5万ドルを寄付している。一方、Amazonはそのリスト上のどこにも見つからない」

しかし本日、オンライン小売の巨人は、見落としともいえるこの問題に目を向け、Wikipediaの運営母体であるWikimedia Endowmentに100万ドルを寄付すると発表した。同社によると、同オンライン百科事典はAlexaの成功に著しく貢献しており、AIアシスタントの持つ知識の大部分を支える基盤となっている。

「Alexaは質問に答えるために何百という情報源を活用しており、Wikipediaもその一つだ」とAmazonがTechCrunchに宛てた声明で言った。「AlexaチームはWikipediaおよびWikimedia Foundationと同じようなビジョンを共有している:全世界で簡単に知識を共有できるようにすることだ」

Wikipediaを「何百もの情報源」の一つとするのは、Alexaや多くのライバルたちにとっての同サイトの重要性を軽視しているようにも思えるが、Amazonの巨大な金庫から寄付を得たことは、非営利団体であるWikimediaにとって重要な意味を持つ。

さらにAmazonは、新たなスキル「Alexa、Wikipediaに寄付して」を使って、ユーザーも募金に参加することを望んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

トラック運送のUber、Convoyが評価額10億ドルで1.85億ドルを調達

Alphabetの未公開株投資部門であるCapitalGは、Convoyの1.85億ドルの調達ラウンドをリードした。同社にとってシアトル拠点のIT利用トラック輸送ネットワークへの初めての投資だ。

このラウンドによってCovoyの総調達額は2.65億ドル、企業評価額は10億ドルとなった。新たな投資家として、T. Rowe PriceとLone Pine Capitalが既存投資家とともに参加した。

Convoyは長年Greylock Partnersの支援を受けてきた。同社は2015年のシリーズAラウンドをリードしている。 Y Combinatorも支援者のひとつだ。昨年 Y CombinatorはConvoyの6200万ドルのラウンドをリードするという異例の行動にでた。アクセラレーターであるY Combinatorが、Continuity Fundの資金をYC卒業生以外のレイトステージ企業に投資したのは初めてだった。

Salesforce CEOのMarc Benioff、Dropbox CEOのDrew Houston、Bezos Expeditions、および元Starbucks社長のHoward BeharもConvoyに出資している。

元AmazonのDan LewisとGrant Goodaleのペアが設立したConvoyは、8000億ドルのトラック業界に変革をもたらそうとしている。これは至難の業だ。トラックのUberとも呼ばれるConvyのアプリは、トラック運転手と荷物を運ぶ必要のある人たちをつなぐ。同社は新たな資金を使って、全米に規模を拡大するとともに運送マッチンク以外の事業にも進出しようとしている。

「トラックは40%の時間、からっぽで走っている。また、非効率的なスケジューリングのために何もせずに止まっていることがしょっちゅうだ」とConvoyのCEO Dan Lewisが声明で言った。「これは経済や環境だけでなく、荷主や運送会社の利益にも悪影響を及ぼす」

GeekWireによると、Convoyは、トラック運転手が仕事をうまく組み合わせて時間の無駄を省けるように新しいツール群を開発している。また、荷主にはシステムを通じて荷物追跡や価格データの利用を可能にしようとしている。

CapitalGのパートナー、David Laweeは出資契約の一環としてConvoyの取締役会に加わる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazonの新しいEcho Dot、実機レビュー

Amazonが発売しているデバイスの中でいちばん改良が必要なのはEcho Showだ(お願いしますよ、本当に)。僅差で2位につけているのがDotだったと思う。Echoシリーズでいちばん安く(かついちばん売れている)Dotはすでに何度かアップデートされている。それでもDotは居間のコーヒーテーブルの上に堂々と並べておくのがはばかられるようなデザインだった。

Amazonの新しいベストセラーのスマートスピーカーを見てすぐに気づくのは新世代版がGoogle Home Miniにひどく似てきた点だ。実際、Googleの影響はいたるところに感じられる。

とはいえ、私はこのデザインの方が好きだ。新しいDotのサイズは現行製品とほとんど同一で、ボタンのレイアウトにも変更はない。最大の変化はGoogle Home Mini同様、ファブリックで取り囲まれていることだろう。ともあれスマートスピーカーのスピーカー部分はしっかりネットの外皮に囲まれている。

オリジナルのDotより音量も70%大きくなっているという。Amazonはハードウェア・イベントのデモでいくつかのバージョンを試させてくれた(ちなみにエド・シーラン版は私の好みではなかった)。どれも左右のチャンネルがしっかり作動するステレオだが、自宅の居間に置いてあるGoogle Home Maxを急いで取り替えようと考えるほどの音質ではなかった。

新しいDotで最大の魅力はなんといっても価格だ。Amazonは機能を改良しても値段は据え置きにした。しかし49ドルという定価に釣られて手を出すと、全Alexaエコシステムに巻き込まれることになるかもしれない。

入門レベルの価格のDotを複数の部屋に置いてマルチルーム・オーディオが楽しめる。これはAmazonが進めているホームオーディオの形で、HomePodやGoogle Home Maxのような高価なデバイスなしに一部屋ずつオーディオシステムを増やしていけるというのがセールスポイントだ。

Amazonのハードウェアイベントで登場した製品関連記事はこちら

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滑川海彦@Facebook Google+

AmazonのAlexaは深層学習に基づきユーザーのやりたいことに関して‘勘’を働かせる

Amazonのビッグな ハードウェアイベントは、確かにハードウェア山盛りだったが、それ以外のものもあった。Amazonは、同社のバーチャルアシスタントAlexaを、人間のやることに対して、もっとお利口にし、もっと直観的な理解や判断ができるために何をしているか、を説明した。一家にたくさんのインターネットに接続されたスマートホームデバイスがあるときには、それ〔ユーザーが今何に対して何をしたいのかという直観、勘〕がとくに重要だ。

Amazonは木曜日(米国時間9/20)のイベントで、Alexa Hunchesと呼ばれる機能を発表した。この機能によりバーチャルアシスタントは、ユーザーの振る舞いに関する手がかりを知り、それに基づいて提案をする。そのためにAlexaは、ニューラルネットワークによるディープラーニングを利用して、人間の振る舞いを理解し学習する。〔hunch == ‘勘’〕

Alexaは人間の脳が対応できる判断をしなければならないし、そのためにはデータを必要とする。今のところ“Hunches”は、そんなデータが得やすいという意味で、スマートライトやセキュリティカメラのようなコネクテッドデバイスにフォーカスしている。たとえばユーザーが、“Alexaおやすみ”とか、“Alexa目ざましをセットして”と言ったら、毎日そんなコマンドを聞いているAlexaは、振る舞いに関するデータに基づいて勘を働かせる。そしてAlexaは、“ポーチのライトが点いたままだと思います。私が消しましょうか?”、と答えるかもしれない。

ずっとこの勘機能をテストしてきたAmazonは、機能のローンチを今年の終わりごろと予定している。勘機能は、時間とともに学習し改良されていく。

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AmazonのAlexaがSonyのスマートTVとLenovoのタブレットにやって来る

AmazonはAlexaに、できるだけ多くの人と対話させたいし、できれば彼らに何かを見せたい。そのためには、このバーチャルアシスタントをAmazonの画面付きAlexaデバイス、Echo ShowやFire TVのような、Alexaに声だけでなく顔も与えるデバイスから解放してやる必要がある。

そこで同社は木曜日に行われたビッグなハードウェアイベントで、“smart screen” SDKのリリースを発表した。これを使ってデベロッパーは、Amazon以外のハードウェア製品にEcho Showのような機能を持たせられる。スマートTVでも、最新の冷蔵庫でも、なにしろ画面のあるものなら何でも、Alexaデバイスにしてしまえる。

実際にすでにそれをやった企業が、二社ある。Amazonの発表によると、LenovoとSonyが、このSDKを使ってAlexaを自社製品に統合する。Lenovoは“近日発売”のAndroidタブレット、Smart Tabだ。

一方Sonyは、Alexa対応のテレビ、と呼ばれる製品シリーズの全機種にこのSDKを統合する。最初は、音楽と、スマートホームのカメラのみを年内に。Alexaが画面に何かを見せるという機能は、来年前半に実装される。

このイベントを取り上げた本誌記事(英文原文)の一覧が、ここにある。

画像クレジット: TechCrunch/Devin Coldeway

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AmazonのEcho Inputは初めてのスピーカーのないEchoだ

Amazonが今日(米国時間9/20)のハードウェアイベントで、Echo Inputという新製品を紹介した。それは上図のように、Echo Dotのとても薄くて小さなバージョンで、Amazon作のAlexaデバイスとしては初めて、スピーカーがない。スピーカーが必要なら、ユーザーがお気に入りのものを自分で接続する。そのために3.5ミリのオーディオケーブルかBluetoothを使うが、マイクが4つあるのでAlexaに話しかけることはできる。Echo Dotと違うのは、オーディオは接続したスピーカーから再生され、デバイス本体からではない。〔オーディオ出力の要らないスキルもありえる。〕

厚さ12.5ミリと薄いから、どこにでも入り込める。家中至るところに置いてもよいだろう。

スピーカーを接続したEcho Inputは、既存のマルチルームの音楽グループの一員になれる。

Amazonによると、人気のスピーカーがこれを同梱して売られることも想定している。たとえばBoseは、このデバイスの最初のパートナーだ。

Echo Inputの色は黒または白で、アメリカとイギリスとドイツでは年末に34ドル99セントで発売される。

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Echo版HomePodが必要?ならば自分で組み立てよう

本日開催されたAmazonの大規模イベントでの、大きな驚きの1つは、同社が発表しなかったものである。Amazonはここ数年にわたり、HomePodやGoogle Maxに相当する独自バージョンの高級スピーカーを作っているのではないかという憶測が飛び交っているが、結局の所まだ真のプレミアムEchoを目にしてはいない。

この理由の一部は、Amazonが既にSonyのようなハードウェア企業と手を組んで、Alexa組み込みプレミアムスマートスピーカーの提供を推進しているという点にもある。しかし今日私たちは、Amazonがこうした製品をどのようにして行こうと計画しているのかを垣間見ることができた。率直に言えば、ちょっとした新風である。

Amazonは既に基礎を押さえている。計画の第一歩は、EchoとAlexaをできるだけ多くの家庭の、可能な限り多くの部屋にばらまくことだ。そのためには超低コストのEcho Dotが大きな役割を果たしている。本日Amazonはこうしたパーツたちを、更に別のものへと変身させられることを示したのだ。

イベントの後で、私たちはAmazon HQの中に用意されたいくつかのデモ用居室に案内された。ここは自然の生活環境の中で、新しい製品を紹介できるようにデザインされている。私は2つの新しいEcho Dotに挟まれたソファーの前に立っていて、2つのデバイスに分離された左右のステレオトラックから流される、エド・シーランの曲を聞いていた(言っておくが、私の選択ではない)。

音は大きくて、まあまあだったが、HomePodのようなものと比べることはできない。だがそれは問題ではない。新しいSubを追加して、Link Ampも接続してみよう。やった、自分自身で組み立てたモジュラーホームステレオシステムの出来上がりだ。これはAmazonをSonosのようなものと競わせるようにできる、魅力的なアラカルトアプローチだが、それ以上に重要なことは、既存のEchoを、複数の部屋にまたがるホームスピーカーシステムの中心に据えることができるということだ。

Amazonクロック?Amazon電子レンジ?(どちらもハードウェアイベントで発表された)これらの奇妙な追加製品は、私の同僚のMatt Burnsの心には響かなかったようだ。一方Linkに関しては「ほんの2,3週間前には、光出力のためだけに、もう少しで600ドルのデバイスを買うところだったんだよ」と彼は言った。今や199ドルまたは299ドルで、LinkまたはLink Ampを手に入れることができるのだ。

HomePodやHome Maxのために349ドルとか400ドルという大金を支払う代わりに、自分自身の組合せを1つずつ作り上げて行けるのだ。もちろん、全部を組み立てたあとのコストは、先の2つのスピーカーを選ぶよりもすぐに高くなる可能性があるが、1部屋ごとに組合せを考えてカスタマイズできることには多くの利点がある。

このアプローチは、Amazonのニュースでぎっしりのこの1日の中でも、最も魅力的で素晴らしいものだ。AppleとGoogleがこれにどのように反応してくるかを見るのが楽しみだ。

イベントの完全なレポート一覧はこちらから

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(翻訳:sako)