AWS Fargateはインフラストラクチャー管理不要のコンテナ運用サービス

Amazonは、ラスベガスで開催中のAWS re:Invent会議で、新しいサービスAWS Fargateを発表した。このサービスを使うことで、実行インフラストラクチャについて考えることなくコンテナを運用できるようになる。

これは注目すべきアイデアだ。コンテナを起動して、Kubernetesや他のオーケストレーションエンジンをマネージャとして動作させ、AWSが必要となるハードウェアをすべて賄う。

新しいサービスを発表したRandall Huntのブログ記事では「簡単に説明するなら、FargateはEC2と似たようなものですが、仮想マシンを提供する代わりにコンテナを使うことができるものです。これは、基盤となるインスタンスを管理することなく、コンテナを基本的な計算プリミティブとして使用できるようにするテクノロジーです」と説明されている。

AWSのCEOであるAndy Jassyは、re:Inventのステージでこの新しいサービスを紹介し、とても簡単に利用できることを強調した。タスクを定義し、アカウントとアクセス管理要件と必要なメモリとCPUを指定すれば、Fargateが残りの作業を行う。サーバーやクラスタの調達について心配する必要はなく、自動スケール機能も備えている。

このサービスは、インフラストラクチャを管理する複雑な仕事を、簡素化してくれるものだ。もちろんインフラストラクチャーの管理を自分たちで行いたい企業もいるし、そうした企業のためにはEC2が用意されているが、インフラストラクチャー管理をやめてしまいたい企業はFargateを利用し、AWSに全てを任せることが可能だ。

さらに、特定のアプリケーションの要件に合わせてFargateを設定すれば、各コンテナに必要なリソースに対してのみ支払いが発生する。

本日発表されたこの出発点から、さらなる拡張計画もある。AmazonはAmazon EKSも発表した。これはAmazon版Kubernetesである。ブログの記事によれば、EKSと組み合わせてFargateを使ってコンテナを起動することができるということだが、理にかなったアイデアだ。

本日(11月29日)、Fargateは米国東部(バージニア州北部)リージョンでの提供が始まった。

[原文へ]
(翻訳:Sako)

AWSには当面、ブロックチェーンを利用するサービスを提供する意思がないようだ

Bitcoinがついに10000ドルの大台に乗せたが、そのベース技術であるブロックチェーンをAWSが何らかのサービスに利用することは、当分なさそうだ。ラスベガスで行われているAWSのデベロッパーカンファレンスre:InventでAWSのCEOAndy Jassyは、ブロックチェーンサービスの計画に関する記者たちの質問に、そう答えた。

Jassyは、今後の見通しについても、醒めた目で見ているようだ。彼によると、ブロックチェーンには、“分散台帳であること以上の”多様なユースケースがない。さらに彼は強調して、AWSは、特定の技術を、“それがクールだと思うから作ることはない”、と言う。

彼の見方では、ブロックチェーンが解決を目指してる問題は、ほかにも解決方法がたくさんある。それに、今使われている分散台帳の多くは、能力がきわめて限られている。

とは言え彼は、ブロックチェーンによるプロダクトの将来的な可能性を、まったく排除しているわけでもない。彼は曰く: “しかし今後の顧客の動向には、しっかり関心を持ち続けるだろう”。

AWSのコンペティターであるMicrosoftやIBMなどは、ブロックチェーンを用いるサービスや分散台帳に対して、かなり積極的だ。過去数か月の動きを見ても、彼らは既存の顧客を対象にさまざまなブロックチェーンサービスやパイロットプロジェクトを立ち上げている。しかし今のところAmazonに、その仲間に加わる気はないようだ。



[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazon、re:inventカンファレンスでグラフDB、Neptune発表

Amazonは開催中のAWS Re:INVENTカンファレンスで次々の新しいサービスを発表している。さきほど紹介された新しいデータベース、Amazon Neptuneは特にグラフ関係の処理を目的としたサービスだ。もしサービスにソーシャルネットワーク的要素を組み込もうとしているならこのデータベースは役に立つかもしれない。

伝統的なリレーショナルDBの問題点は、もともと複雑なソーシャルグラフを扱うようにデザインされていないことだ。RDBでは友達関係やフォロー関係のリストを扱うのが難しい。たとえばソーシャルグラフから共通の友達を抽出しようとすると、そのたびにきわめて複雑なクエリーを発行する必要があった。

これまでのやり方でこの問題を解決するにはコンピューティング能力をアップするしかなかったが、Amazon Neptuneはソーシャルグラフ処理に特化したデータベースの提供で応えようとするものだ。
Neptuneは数十億に上るソーシャル関係を処理するために最適化されており、一つのクエリーを処理するのに1000分の1秒単位の時間しかかからない。Neptuneは問題発生時の高速切替、過去の一定の時点へのリカバリー、異なるアベイラビリティー・ゾーンへのバックアップを作成などをサポートする。現在使用されていないデータの暗号化も可能だ。

Amazonでは既存のテクノロジーとNeptuneの互換性に配慮している。Neptune DBサービスはグラフモデルとしてProperty GraphとW3CのRDF(Resource Description Framework)、これに準拠したクエリー言語のApache TinkerPop GremlinとSPARQLをサポートする。

グラフデータベースがソーシャルネットワークやデートアプリで有用なのはもちろんだが、商品などを推薦するレコメンデーションエンジン、ロジスティクス、DNAのシークェンシングなどそれ以外にも多数の応用場面があるはずだ。この数か月、有力企業がNeptune採用に踏み切るか動向に注意する必要がある。さらに詳しい情報はこちら

〔日本版〕AWS は現在限定プレビュー中。上のリンク先から試用の申し込みができる。

Featured Image: Hoxton/Tom Merton/Getty Images


[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AWSがベアメタルのEC2インスタンスを立ち上げ、しかもカスタムチップで

Amazonのクラウドコンピューティングサービス部門AWS(Amazon Web Services)が今日、待望のベアメタルインスタンスをそのEC2サービスで提供する、と発表した

ベアメタルは、ソフトウェアの働きで提供される仮想マシンと違って、コンピューターのハードウェア本体そのものなので、ユーザーはハードウェアに直接アクセスでき、とくに大きなオーバヘッドもなくハードウェアのリソースを100%利用できる。またユーザーはその上で独自の仮想化を構築できるので、クラウドサーバーの自主的コントロールが増す。さらにまた、これまでライセンスやサポートの事情などで仮想マシンの上では動かせなかったアプリケーションを、EC2で動かせるようになる。

このベアメタルインスタンスは当面AWSのi3インスタンス系列の一環として提供されるが、将来的にはそのほかの系列でも提供される予定だ。現在このインスタンスは公開プレビューの段階だが、公開といってもデベロッパーは登録してユーザーになる必要がある。

ベアメタルといってもとくに制約はなく、EC2の通常のサービスをすべて利用できる。AWSのグローバルインフラストラクチャ担当VP Peter Desantisが、今日の同社のre:Inventカンファレンスのキーノートで、そう述べた。

Desantisは、これと関連する話題として、Amazonにおけるカスタムチップの開発努力についても触れた。数年前にAWSは、EC2プラットホームのアーキテクチャの現代化を決意した。それはネットワークもストレージも一体化させた新たなプラットホームで、AWSはそれを“Nitro Architecture”と呼んでいる。そのためにAWSはAnnapurna Labsを買収してそのカスタムチップの製造に関する専門的能力を利用し、これまでもっぱらソフトウェアでやっていたことの多くを、高速な専用ハードウェアで行うことにした。同社はまた、同社独自のハイパーバイザーを、LinuxのKVMをベースに作った。

Desantisの説では、カスタムのシリコンを作る前には、“それだけの投資に見合う問題と、スケールが存在する必要がある”。具体的にそういうものがないのに、新規ハードウェアに投資することはありえない。この件に関してAWSが明らかに感じているのは、AWSというユースケースにとってはカスタムチップの方がFPGAよりも有利であることと、そして、スケールに関しては、AWSのスケールに疑問を差し挟む余地はない。



[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AWSのAppSyncでアプリケーションのオフライン利用が可能に

【抄訳】
Webホスティングサービスの王者の勝利を誇示するような大集会が、今年もラスベガスで行われている。そのAmazon Web Servicesのデベロッパーカンファレンスre:Inventでは今日(米国時間11/28)、このサービスがホストしているアプリケーションをオフラインでも使える新しい機能、AppSyncが発表された。

今朝発表された同社のブログ記事が、この新しいサービスの概要を説明している。

その記事によると、AWS AppSyncは、完全に管理されたサーバーレスのGraphQLサービスで、デバイスがオフラインでもリアルタイムのデータクェリを可能にする。そして接続が可利用になればローカルデータをシンクする。

Amazon技術のエヴァンジェリストのようなTara Walkerの、少々分かりづらいブログ記事によると、GraphQLはデータクェリ言語で、リアルタイムのデータ取り出しとクェリの動的実行を行うサーバーサイドのランタイムだ。

クライアントアプリケーションを作るときにはGraphQLはアプリケーションレイヤで動き、スキーマを定義するためのタイプシステムを提供する、と上記のWalkerは言っている。

そしてこれらのスキーマが、データに対する操作の仕方とデータの構造をコントロールするスペックになる。GraphQLはまた、多くのプログラミング言語やライブラリがサポートしている宣言的プログラミングモデルで動作する(これもWalkerより)。

以上でよく理解できた方は、ぼくよりも優秀だ。でもなにしろ、Walkerは、AppSyncについてこのように書いているのだ。

デベロッパーはスキーマを作って、GraphQLで開発するAPIのタイプと能力を定義し、“Resolver”ファンクションに結びつける。スキーマは既存のデータソースに基づいていてもよいし、あるいはAppSyncがスキーマの定義に基づいて自動的にテーブルを作ることもできる。

デベロッパーは、バックエンドのデータソースに関する知識がなくても、GraphQLの機能を利用してデータの発見(データディスカバリ)ができる(これは便利だ)。

Walkerは、さらにこう説明している:

【後略】

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ブラックフライデーがAmazon CEO Jeff Bezosの総資産を1000億ドルに押し上げる

しかし世界でいちばんお金持ちでも、まだ足りないものがある。

ブラックフライデーでAmazonの株価が上がり、ファウンダーでCEOのJeff Bezosの総資産額はBloombergの推計によると1003億ドルになった。

今年Amazonの株価は急上昇し、それによりBezosは326億ドルの利益を得た。2017年だけで、だ。

彼はこの金で、何をする気か?

Bezosは、提案を求めている。この夏彼は、Twitterのツイートでアイデアを募った。彼によると、彼が求めるものは、“今すぐにでもできる短期的な人道主義的活動で、緊急のニーズに奉仕すると同時に持続的効果もあるもの”、だ。

12桁というとてつもない額に達したのは、彼が初めてではない。Microsoftの協同ファウンダーBill Gatesは、1999年にこの大台に到達した。

Gatesはその後、投資家のWarren Buffettと共にThe Giving Pledgeを開始し、彼の資産の半分以上を慈善的努力に捧げる、と約束した。彼はまた、全世界の貧困を減らすためのBill & Melinda Gates Foundationも創設した。

Bezosは先月、Gatesを抜いて世界でもっともお金持ちの人物になった。Buffettは789億ドルで第三位と推定されている。

今年のAmazonは、投資家たちがeコマースのトップとして他との差をさらに拡大する、と読んだために、株価が急騰した。同社は、音声アシスタントAlexaなどのハードウェアデバイスでも成功している。

さらに加えてAmazonは、同社のクラウドサービス事業Amazon Web Services(AWS)が成長している。そしてまた、そのほかの分野にも進出しようとしている。たとえば食料品に関しては、今年の早い時期にWhole Foodsを買収した。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

感謝祭のネット通販は28.7億ドル、前年比18.3%アップ――年末商戦はオンラインが主戦場に

以前は家族が静かにサンクスギビングデー(感謝祭)を祝った翌日のブラックフライデーが年末セールの開始を告げる日と考えられてきた。しかしここ数年のネット通販の普及で状況は大きく変化した。統計から見ると、年末セールはサンクスギビングデーその日から始まることになったようだ。

Adobe Digital Insightsによると、アメリカでのサンクスギビングのオンライン販売の売上は新記録の28.7億ドル、対前年比で18.3%のアップになったと推計している。これはAdobe自身の予測、27.9億ドルを上回る数字で、1日あたりの売上として突出している。これと比較して、たとえば、2016年のサンクスギビングの売上は19.3億ドルに過ぎなかった

サンクスギビングでの売上は年末セールの出足を占う重要な要素と考えられている。つまりオンライン通販企業に」とって非常に重要な日だ。今年の数字は年末商戦の主戦場がオンラインに移ってきたことと消費者がオンライン通販に信頼を深めていることを示すものだろう。

Adobe Digital Insightsでは 通販トップ100社のデータをもとにアメリカにおけるオンライン通販の80%をカバーしている。消費者はサンクスギビングの昼食に七面鳥を食べた後、
オンラインの買い物サイトに突進したもようだ。これによりサンクスギビングの午後だけで13億ドルの売上があった。われわれが得た最初の数字は同日午後2時(太平洋時間)の15.2億ドルだった。オンライン注文の半分弱、46%をスマートフォンからの注文が占めた。

アップ分について、16.8%は11月の平均が反映されている。11月1日から22日までの売上合計は対前年比で17.9%アップしており、この22日間で10億ドルの売上があった。これは消費者がオンライン通販を信用するようになったことと同時に、セールス活動が例年よりさらに前倒しでスタートしたことも影響しているだろう。

物理的店舗の多くがサンクスギビングの日には休んでいるか遅く開店する。逆にアメリカの消費者の多くは在宅しており、冬支度に目を向けている。こうした状況をオンライン通販企業は有利に利用して割引セールで攻勢をかけたようだ。【略】

スマートフォンなどのモバイル・デバイスはさらに大きな存在になっている。特にこういった休日に自宅の居間で家族に囲まれれている消費者はわざわざデスクトップの前に座ったりノートパソコンを開いたりするよりもスマートフォンから買い物をすることを好むだろう。

Adobeの調査によれば、スマートフォン経由の46%のうち、今朝の44.2%から2ポイント増加しているという。モバイル経由の注文数自体は対前年比で15%のアップだった。

Adobe Digital Insightsと並んでAmazonも統計を発表している。これによれば、今年のサンクスギビングのセールスは昨年に比べて50%アップだった。Alaxaの普及に力を入れているAmazonでは、Alexaの音声アシスタントを経由した注文に特別割引を実施した。

デスクトップからのネット注文の割合は時間とともに減少の傾向をみせた。トラフィックの44%を占めたものの朝の数字からは2%のダウン、昨年同期からは11%のダウンとなった。タブレットの割合も微減で、トラフィックの10%を占めたが昨年に比べて5.7%の減少だった。

とはいえ、スマートフォンは商品をブラウズするには良いが、高額商品の購入にはまだ向かないようだ。現在スマートフォンは売上の30.3%を占めている。これは昨年に比べて8ポイントのアップだが、今朝は34%だったから4ポイントのダウンだ。

デスクトップのセールスは57.2%を占めてたが7.3ポイントのダウンだった。タブレットは12.5%を占めて、こちらも7ポイントの減少。ただしこうした数字は時間とともに変化するので一日が終われば違った数字になっている可能性がある。IBMによれば、トラフィックではなくセールス全体の34%はモバイルからだという。

売れたアイテムを見ると、コンピューターは平均して11.2の割引、テレビは15.1%、おもちゃが11.4%の割引だった。ブラックフライデーにはさらにディスカウントの率がアップするはず。

Amazon.comについては、先日のPrime Day同様、Alexaデバイスが売れ筋のトップだった。Amazon以外のマーチャントではTP-LinkのSmart Plug、 SandiskのUltra 64GB Micro SDカード、Keurigのコーヒーメーカー、K55 K-Classic Single Serve Programmable K-Cup Podが強かった。Alexaの音声コマンドを通じて売れたトップ・アイテムはEcho Dot、Fire TV Stick with Alexa Voice Remote、新しいEcho、TP-Link Smart plugなど。

Adobe Digital Insightsの予測では今年の年末セールスは総額1074億ドルに達し、昨年にくらべて13.8%のアップになるだろうという。

当初の記事を最新の統計でアップデートした。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AWSがAIを利用する企業顧客へのコンサルティング事業と高度な画像認識機能を発表

例年の大型カンファレンスre:Inventを来週に控えたAmazonのAWSが、人工知能関連の新たな展開を二つ発表した。まず、AWSは、機械学習のラボML Solutions Labを開き、機械学習のエキスパートと、AIによるソリューションを作ろうとしている顧客を結びつける。さらにAWSは、ディープラーニングによる画像認識APIベースAmazon Rekognitionの機能を拡充し、リアルタイムの顔認識と画像中のテキストを認識する機能を新たに加える。

新たなラボと画像認識プラットホームの拡充は、AmazonとAWSのAI推進努力の一環であり、社内利用とB2Bビジネスの成長材料の二面をねらっていると思われる。1か月前にAWSは、デベロッパーが自分のアプリケーションやサービスのために機械学習のモデルを構築し利用するためのディープラーニングライブラリGluonをMicrosoftと共同開発する、と発表した。

Amazonは昨年のre:InventでAWSのAIリソースのデベロッパー向け総合窓口Amazon AIを発表しているが、今年この時期(感謝祭の前日)にこれら二つの発表をしたということは、今年のre:Inventのための足固めか、それとも今年はAIにあまりハイライトを当てないことを意味するのか。

Solutions LabはAWSのBusiness Supportの顧客に提供されるが、これはAIだけでなく企業向けのコンサルティングサービスでもある点が興味深い。IBMのような企業ITの古顔企業では、コンサルティングサービスこそがつねに、ビジネス開拓の鍵を握っている。

Amazon AI担当のVP Swami Sivasubramanianはこう語る: “デベロッパーたちがAmazonのML Solutions Labで機械学習への取り組みを開始するのを、じっと待ってるわけにはいかない。Amazonが抱える機械学習の最良の科学者と実践者の専門的知識技能に、顧客の深いビジネス知識を組み合わせることによってのみ、AmazonのML Solutions Labは顧客元における機械学習の迅速な立ち上げを支援し、彼らの社内における機械学習の実用稼働をスタートできる”。

すでに、Washington Postや、Johnson & Johnsonの製薬部門Janssen、World Bank Groupなどが最初の顧客として確定している。

一方Rekognitionの新しい機能は、コンピュータービジョンにおけるAmazonの継続的進展を示すだけでなく、プロダクトとして外部の顧客が利用でき、Amazonの収益源にもなるという点が、強い姿勢として目立つ。

注目すべきは、Rekognitionの新機能のビッグな顧客のひとつがPinterestであることだ。画像による検索や分類はPinterestの最重要な機能だが、同社はそれを内製せずに外部のサービスやAPIを使おうとしている。

しかしPinterestはAWSにとって長年の顧客であり、AmazonのクラウドストレージS3の上には何百万もの‘Pin’が保存されている。だからAmazonがこのような大型顧客の便宜のために、画像中のテキスト認識機能を開発したとしても、おかしくはない。

PinterestのCTO Vanja Josifovskiがこう言っている: “Pinterestはビジュアル専門のプラットホームだから画像処理のスピードとクォリティーに大きく依存している。でも、画像中のテキストは、それらがコンテキストを提供し、Pinをアクションに誘うために、きわめて重要だ。画像中に興味深いテキストがあれば、われわれの2億あまりの‘Pinner’たちは、それへの何らかの反応を誘われるのだ。これからは、Amazon S3に保存されている数百万のPinsから、リッチなテキストを素早く取り出せることができるようになる。Pinterestのユーザーのユーザー体験とビジネスの高品質化と高速化のためにも、AWSとのパートナーシップをさらに発展させていきたい”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

YouTubeがAmazon Echo Showに復帰、VimeoとDailymotionも視聴可能に

‘画面つきのEcho’、Amazon Echo Showがデビューしたときは、画面があってビデオを見れてインターネットに接続するデバイスとしては当然ながら、YouTubeアプリも含まれていた。しかしEcho ShowのYouTubeプレーヤーには、YouTubeの規約に違反しているところがあったため、Googleが早速抗議して取り下げさせた。

しかし今日(米国時間11/21)の Voicebotの記事によると、YouTubeがEcho Showに戻ってきた。それは前とはかなり変わって、Webやタブレットなどの上で見るおなじみのYouTubeとほぼ同じだ。つまりEcho ShowのYouTubeアプリは、YouTubeの利用に関してGoogleとYouTubeが定めている要求を受け入れたのだ。

Echo Show上の最初のYouTubeは、あくまでも音声コマンドを重視していたと思うが、今度のはみんながすでによく知ってるYouTubeだ。ちょっと、複雑な心境だね。でもなにしろ、YouTubeが戻ってきたことは良い。Echo ShowはYouTubeのために生まれたようなものだから。キッチンのカウンターに置いて、煮物が煮えるのを待ちながら、YouTubeビデオを見て暇つぶしするんだよ、みんな。

でも今度のAmazon Echo Showは、VimeoやDailymotionのビデオも見られる。Amazonのスポークスパーソンは、こう言ってる:

Vimeo, YouTube, それにDailymotionなど、これまでよりも多くのビデオをEcho Showでお客様にご提供できることは、わたくしどもの喜びであります。これからは、さらに多くのビデオソースをご提供してまいります。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazonプライム・ビデオに「ディックの電気の夢」登場――日本でも来年公開へ

Amazonは引き続きビデオ番組の製作に力を入れている。来年1月12日からフィリップ・K・ディック原作のオリジナル・シリーズ、Philip K. Dick’s Electric Dreams〔フィリップ・K・ディックの電気の夢〕が公開される

この全10作のアンソロジーはAmazonプライム・ビデオの会員向けで、それぞれの作品は原作者の意図に従って別個の世界観に基づく。

ディックはSFの歴史を通じて偉大な――よしんば最大でないとしても――作家と認められている。著作は50冊以上に上り、Guardianによれば、1年に11冊が刊行されたことさえあるという。

このAmazonプライムのアンソロジーは同じくディック原作の『高い城の男』のビデオ化に続くものだ。2018年にシリーズ3が公開される予定の『高い城の男』はプライムビデオのドラマとして最高の視聴回数を記録したという。

この勢いを持続させ、ディックの他の作品のビデオ化につなげるためにも『電気の夢』は重要だ。このアンソロジーはアメリカ、ドイツ、インド、イタリー、日本、ラテンアメリカ、スペイン、トルコその他の地域で公開予定が予定されている。

シリーズはオールスターキャストでアンナ・パキン、スティーブ・ブシェミ、ブライアン・クランストン、ジャネル・モネイ、テレンス・ハワード、モーラ・タイニー他が出演する。

一方、Amazon Studiosは最近セクハラ疑惑で大揺れしていた。しかもAmazonにエミー賞をもたらした『トランスペアレント』の主演、ジェフリー・タンバーが自身のセクハラを追求されて降板している

〔日本版〕ディックの原作の小説、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』他は邦訳が紙、Kindle版で入手可能。Maura Tierneyのアメリカでの発音は「ティアニー」に近い。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazonが一部地域でのAmazon Freshサービスの停止は合衆国郵便公社のせい、と非難

Recodeの記事によるとAmazonは、一部の地域でAmazon Freshを停止した件で合衆国郵便公社(U.S. Postal Service, USPS, 郵政民営化前の郵政省に相当)を非難している。内部情報筋がRecodeに語ったところによると、問題の地域では多くの場合、USPSが配達を担当していた。

そしてAmazonが食品の製造/提供企業に告げたところによると、USPSは食料品を所定の時間までに、ときにはその時間を過ぎてさえも、配達することができなかった。またAmazonは、それらの地域は人口密度が低いので事業の経済性がより困難である、とそれらの企業に伝えたそうだ。

今月(2017/11)の初めにAmazonは、9つの州の一部でAmazon Freshサービスを停止した。ただし、サービスが停止された地域社会の数は、公表されていない。

この、一部地域でのAmazon Freshのサービス停止は、Amazonが137億ドルでWhole Foodsを買収してから数か月後に起きているが、Amazonは、Freshに起きたことと買収は無関係、としている。

今Amazonに問い合わせているので、何か得られ次第この記事を更新しよう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AWSは中国から撤退しない――「法規によりインフラ資産の一部売却を余儀なくされた」と発表

AmazonはAWSが中国から撤退するという報道を否定した。同時に、中国におけるハード資産の一部を現地パートナーに売却することを余儀なくされたと認めた。

中国におけるAWSのパートナーである北京光環新網科技(Beijing Sinnet)が株主に対し、「AWSの資産を20億元(3億ドル)で買収した」と発表したことをWall Street JournalReutersが報じたため、AWSは中国から撤退するという観測が広まっていた。

しかし新しい情報はこれと異なっていた。Amazonの広報担当者はTechCrunchの取材に対して「AWSは中国にコミットを続ける」と明確に述べた。ただし、現地の法規により一部の物理的インフラを売却する必要があったことを認めた。

Amazonのコメント全文は以下のとおり。

ノー。AWSは中国ビジネスそのものを売却したわけではない。AWSは今後とも中国のユーザーに対してクラウドのリーダーとしてサービスを提供していく。中国の法規が非中国企業がクラウド・サービスの提供に必要なある種のテクノロジーを所有ないし運用することを禁じているため、中国の法規を遵守する必要上、AWSは一部の物理的インフラ資産を長年の現地パートナー企業であるSinnetに売却した。AWSの中国リージョン(北京)サービスの法律上の提供者は従来どおりAWSであり、そのサービス提供に必要な知的財産権はAWSが全世界で所有する。われわれは中国で大規模なビジネスを展開しており、今後数年の間にさらに事業を拡大する展望を抱いている。

注・われわれのこの記事はAmazonの声明を反映して修正された。

Amazonはクラウドサービス、つまりAWSを2014年に中国に導入している。クラウド・コンピューティングの分野でAWSは世界のライバルに大きく先駆けているものの、中国では現地の法規により、現地企業をパートナーにする必要があった。一方、TencentやAlibabaもクラウドに野心的に参入してライバルとなっている。Amazonは2016年9月にSinnetと提携契約を結んでいる。

AWSの中国でのビジネスは北京と寧夏の自治体の事業を処理しており、私企業ではXiaomi〔小米〕やセキュリティー企業のQihoo〔奇虎〕、ソフトウェア・メーカーのKingsoftなどもユーザーだ。

Sinnetは法規で定められた公告で、この〔Amazon資産の〕買収は「現地の法規の要求を満たすためであると同時にサービスのセキュリティーと品質を改善するもの」と述べている。

この文はもちろん 6月に発効したデータ処理に関する新しい法規を指している。これによって中国政府は国内のインターネット企業をこれまでよりさらに直接に支配することができるようになった。

中国の法規がAWSのビジネスに影響を与えたのは今回が初めてではない。

この夏、Sinnetはユーザーに対してVPNソフトウェアを運用しないよう警告した。これは中国政府が検閲していないインターネット・サービスに中国のユーザーが自由にアクセスすることを取り締まるための措置の一環だった。同様に、西側企業ではAppleもこの措置に従い、中国のApp Storeから VPNサービスのアプリが姿を消した。中国におけるインターネットの自由に対する打撃としてこの取り締まりは近年最大のものとなった。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazonはそのインフルエンサープログラムを、YouTubeに加えてTwitterとInstagramにも拡大する

Amazonは先週の木曜日に、そのインフルエンサープログラムを、YouTube以外にTwitterやInstagramも含めるように拡大すると発表した。今春の初めにベータ版が開始されたこのプログラムは、当初人気YouTuberを対象にしていた。これはAmazonアフィリエイトのような関係を通じて、自分たちのビデオで宣伝した商品からお金を稼ぐ方法を提供するプログラムだ。

現在一般に見られるインフルエンサーたちの多くは、通常自分たちの投稿――それがYouTubeでも、Instagramでも、Facebookその他でも――の中で定期的に商品の売り込みをしている。

Amazonが提供するプログラムの背後にあるより大きな考えは、Spark(買い物のできるInstagramクローン)のような他の試みと同様に、ソーシャルメディアがセールスを伸ばすというものだ。Amazonもそうした動きに取り組む必要があった。

これまでのところ、このプログラムは、YouTubeインフルエンサーに対して、彼ら自身のカスタマイズ可能なAmazon店舗(そこでファンたちがお勧めの商品を購入することができる)用の、覚えやすい特別URLを提供してきた。店舗そのものは特にユニークなものではない。一番上にロゴがあり、その下に製品のリストが続いたものだ。しかし、アマゾンが提供する amazon.com/shop/username というURLフォーマットのおかげで、ショップに簡単にアクセスすることができる。

インフルエンサープログラム自体は、Amazonアソシエイトプログラムの延長であるため、必ずしもインフルエンサーたちに対して高い手数料率を提供しているわけではない。単にカスタムストアを作成して宣伝するのが簡単になったということだ。

私たちが 8月にレポートしていたように、 Amazonは既に他のソーシャルメディアサービス上にプログラムを展開することを企画していた。それが現実のものになったということだ。

Web Summitカンファレンスでの発表によれば、このプログラムは、TwitterとInstagramのインフルエンサーたちに開放されたということだ。


イベントでは、新しい活動を推進するためにAmazonが昨年雇用したNavid Hadzaadが、このプログラムによる早期の成功例の洞察を語った。

「私はこれまでに、何万人ものフォロワーを抱えているインフルエンサーたちが…やがて私たちが提供する収入だけに基づいて『やあ、仕事を辞めて、これをフルタイムでやることにしたよ』ということができるようになるところを見てきました」と彼は言った。

さらに、YouTubeクリエイターでインフルエンサーのDan Markhamも、Web Summitのパネルにおいて、Amazonインフルエンサーとして観察できたインパクトについて説明した。

たとえば、彼があるビデオの中でFidget Cubeを宣伝したところ、Amazonアフィリエイトのクリック数は66万8777回、注文数は1万6369件となり、売り上げは16万755.98ドルに達した。また別のビデオではYetiマグを宣伝し、13万1967クリックと3万6520.92ドル相当の製品が販売された。Markhamは、これらの売上からおよそ8%のアフィリエイト収入を得たと述べた。

Hadzaadは、自社の収益の観点を離れても、この生きたデータは、インフルエンサー自身が、ユーザーたちがどのプロダクトに反応しているかを知るために役立つと指摘し、またブランドと宣伝交渉を行なう際の材料としても使うことができると述べた。

また、同プログラムの透明性は更なる利点でもあると強調した。現在、多くの人気YouTuberたちは、彼らのビデオにおけるブランドとの関係を明らかにしていないと批判されているが、Amazonのインフルエンサープログラムは、ブランドと直接仕事をすること以外の手段を提供する。

「信頼性を高めることは私たちと私たちのプログラムにとって重要なことです」とHadzaadは語る。「製品を宣伝して収益を上げるために、ブランドと提携する必要はありません。本当にお気に入りの商品を紹介することができるのです」。

[原文へ]
(翻訳:Sako)

AmazonがAlexaとそのEchoデバイスを日本で発売、検索以外はすべて日本語対応

Amazonが今日、同社の音声スマートアシスタントシステムAlexaと、その自社製実装デバイスEcho, Echo Plus, Echo Dotの、日本における提供を開始した

Alexaシステムの日本ローンチとは、日本語をサポートするAlexa Skills(Alexaのスキル)をデベロッパーが開発できることを意味する。また上記のAmazon自社製デバイス以外に、デベロッパーが独自の日本語対応Alexaデバイスやアプリケーション、サービスなどを開発し消費者に提供できる。Amazonによると、Alexaの音声検索も、近く日本語をサポートする。

Echoデバイスの実際の発売は、来週からである。今回の日本語対応は、先週のインド進出に続く、同社ハードウェアビジネスのアジア展開の一環だ。

日本では日本ローカルのRakutenが強いので、eコマースの分野でAmazonはアメリカのように日本市場を大きく支配していない。Rakutenは金融サービスなどそのほかの分野でも日本でのプレゼンスが大きいが、しかしAmazonも負けてはいない。たとえばAmazonのeブックは2010年から日本でも売られており、当日配達を含むPrimeサービスは、日本でも完全な姿で提供されている。

今回の、Alexaとその自社製デバイスの提供により、Amazonの日本でのプレゼンスは増強されると思われるが、それでRakutenを抜くことはありえない。しかしいずれにしても日本は世界で三番目に大きな市場だから、そのパイの小さな切れ端ですら、その将来的可能性は決して軽視できない。

Amazonは、世界のそのほかの市場も無視してはいない。昨日は、世界の100の市場で発売する‘ベーシックエディションの’Fire TV Stickを発表したし、また昨年はPrime Videoサービスの全世界提供を開始した。まだAlexaが世界展開していないから、その新型のFire TV StickをEcho等から操作することはできないが、まずアジアやアフリカ等でのAmazonのプレゼンスを深く浸透させてから、そのあと、Alexaとそのデバイスを持ち込む、という戦略なのだろう。

日本オリジナル記事

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

スマートスピーカー「Amazon Echo」日本では1万1980円で発売、招待制で来週より出荷

米国での普及が先行するスマートスピーカーだが、いよいよ日本での競争も激化しそうだ。10月6日にはGoogleのスマートスピーカー「Google Home」が日本での販売を発表。同日にはLINEもスマートスピーカー「Clova WAVE」の正式発売を発表していた。そして今日11月8日、Amazonがスマートスピーカー「Amazon Echo」の日本発売および、音声AIアシスタントである「Alexa」の日本語対応を発表した。招待制(AmazonのEcho販売ページよりリクエスト可能)で来週より順次出荷を開始する。

すでにアメリカ、イギリス、ドイツなど海外で販売されているAmazon Echoだが、日本では「Echo」(税込み1万1980円)に加えて、小型版である「Echo Dot」(同5980円)、スマートホームハブ機能内蔵の「Echo Plus」(1万7980円)の3モデルをラインアップする。プライム会員は11月17日まで、Echoを7980円、Echo Dotを3980円でそれぞれ販売する。

Amazon EchoはGoogleの「Google アシスタント」、LINEの「Clova」同様(もちろんアップルの「Siri」も)のクラウドベースの音声AIアシスタントを備えるスマートスピーカーだ。ウェイクワード(起動のためのキーワード)である「Alexa(アレクサ)」と呼びかけた上で、時間や天気、ニュース、スポーツ情報などを尋ねたり、タイマーの設定やスケジュールの確認をしたり、音楽を再生したりできる。日本語対応には時間をかけたということで、日本のプロ野球やJリーグ、相撲の試合結果などを聞くこともできるほか、歌を歌う、オヤジギャグを言うといったエンタメ要素も備える。

代表モデルであるEchoのサイズは高さ148mm×横幅88mm×奥行き88mmで、重量は821g。Wi-Fiのほか、Bluetooth接続に対応する。2.5インチウーファーと0.6インチツイーターを備える。本体上部に7つのマイクアレイを備え、ビームフォーミング技術とノイズキャンセレーションによって、6メートル離れた場所からでも音声を認識するという。

Echoシリーズは「Skill」と呼ぶ拡張機能により、外部サービスと連携できるのが特長だ。開発者向けツール「Amazon Skill Kit(ASK)」も日本で提供しており、ローンチ時点で265のサービスのスキルを利用できる。例えばJapan Taxiの配車アプリ「全国タクシー」を通じて現在地でタクシーの配車を行ったり、僕らTechCrunchのニュースを読み上げたりといったことが可能だ。また、「Alexa Voice Service(AVS)」と呼ぶ、Alexa対応製品の開発キットも公開している。

またEchoの日本発売にあわせるかたちで、新たな定額制の音楽ストリーミングサービス「Amazon Music Unlimited」を国内で開始した。Echoのほか、スマートフォンやタブレットなどで再生可能で、国内外4000万曲以上の楽曲が聴き放題となっている。さらに楽曲をダウンロードしてオフラインで再生することも可能だ。価格は個人プランが月額980円、Amazonプライム会員であれば780円、Echoユーザーであれば月額380円となっている。

発表会で展示されていた「Echo Plus」

AWS S3がデフォルトの暗号化オプションによりアドミンの苦労と負担を取り除く

顧客がデータを暗号化してないことによるAmazon S3のセキュリティ事故は、慢性的に多い。被害企業の中には、某国防総省納入企業や、本誌TechCrunchのオーナー企業Verizon、大手コンサルティング企業Accentureなどの著名企業もいる。というわけで今日AWSは、S3上のデータが(なるべく)確実に暗号化されるための、5種類のツールセットを発表した

まず、これからのS3には、デフォルトで暗号化する、というオプションがある。その名のとおり、このオプションを指定すると、S3に放り込むデータはデフォルトで暗号化される。アドミンが暗号化されてないファイルのバケットを作ると、それが拒絶される、ということもない…ただ黙って暗号化される。絶対安全とは言えないが、アドミンのうっかりミスで暗号化されなかった、という人的ミスはなくなる。

次に、さらに念を押すかのように、S3の管理コンソール上では、守秘設定のない、パブリックにオープンなバケットの横に、よく目立つ警戒標識が表示される。これによりアドミンは、エンドユーザーのうっかりミスに気づくことができる。

そしてアドミンは、Access Control Lists(ACLs)により、S3の各バケットやオブジェクトのアクセス許容者を指定できる。これまでのパーミッションはデータに付随して移動するが、このバケットレベルのパーミッションなら、別のアドミンが管理する別のリージョンにバケットが移っても大丈夫だ。パーミッションは、そのバケットのレプリカにも適用される。

さらにアドミンは、オブジェクトの複製をAWSのKey Management Service(KMS)が管理するキーで暗号化できる。つまり、アドミン自身が暗号化キーを管理しなくても、S3のデータを確実に暗号化することができる。

そして、万一事故が生じたときには、レポートが提供される。そこにはS3内の各オブジェクトの暗号化ステータスなどが載っている。それは、今後の人的エラー対策のための、基本資料ともなる。

絶対確実なセキュリティ対策はありえないにしても、今度発表されたS3のデータ保護対策により、アドミンが確実にそして容易に、暗号化されていない情報の混入を防ぐことができるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ジェフ・ベゾスが語る人生の極意

以下に紹介するのは、AmazonのCEOジェフ・ベゾスによる、インスピレーション、ワークライフバランス、そして発明家になるためのヒントだ。おっと、それに加えて彼のロケットが着地した際に、シャンパンでずぶ濡れになってどのように感じたかも語っている。この週末にロスアンゼルスで開催された有名な創業者たちが集う、招待客のみのイベントSummit Seriesの中でのインタビューで、この世界で最も裕福な人物は、これまでにないほどの率直さを見せたのだ。

なぜジェフがそれほどまでに無防備だったのかって?なぜならインタビュワーが彼の弟、マーク・ベゾスだったからだ。豪華なオルフェウム劇場で、古いベゾスの家族写真を背景にして、ジェフは彼の個人的な哲学を明らかにした。

ベゾスが高校卒業時に話した卒業生代表スピーチの締めくくり:「宇宙、それは最後のフロンティア。そこでまた会おう」、彼はスタートレックのモットーを行動への呼びかけに変えて語った。

ジェフは、今年初めにインターネット上で流行った「バフ・ベゾス」(筋骨逞しいベゾス)のことを笑い飛ばした。

彼は豊かな問題解決能力をどのようにして手に入れたのか:ジェフは4歳から16歳までの毎夏の期間を、彼が「ポップ」(じいちゃん)と呼んでいた祖父の所有する僻地の農場で過ごしていた。外部の助けを借りることのできない場所で、ポップは自力で様々なことをこなさなければならなかった。ジェフが言うには、ポップは自分で針まで作って、牛を縫合するような獣医師の仕事までこなしていた。ある夏ジェフは、ポップが5000ドルという破格の値段で買った、キャタピラー製の古い建築機械を修理することに時間を費やした。その機械がそれほどまでに安かった理由は、それが完全に壊れていたからだ。修理のために必要な巨大な通販荷物が届いたとき、それらは重すぎて動かすことができなかった。そこでポップはそれらを持ち上げるためのミニクレーンを自作した。「ポップは、初めはどうすれば良いかを知らない大規模なプロジェクトに取り組んでは、それをやり遂げて行ったんだよ」とジェフは語った。

窮地からの回復力を身につけることについて:ポップは、親指の先を切り落としてしまったことがある。彼はそのとき、動いているトラックから飛び降りて、車が通り過ぎる前に農場の門を開けようとしていたのだが、車が門に衝突し、もう少しでポップの指をもぎ取ってしまいそうになった。彼は猛烈に怒って、親指の先をちぎり取ってヤブに投げ捨て、自分で運転して病院に向かった。親指を脇腹に縫い付けて再生を待つのではなく、ポップは医者たちに素早く尻の皮膚を移植させることにした。ジェフは、それ以来「ポップの親指から尻の毛が生えていた」ことを明瞭に記憶していた。しかし不平を言うこともなく、ポップは彼の顔と一緒に親指も剃っていただけだった。「問題が起きる度に、回復力と問題解決力を発揮して、窮地を脱する方法を生み出すんだよ」とジェフは語った。

ロサンゼルスのSummitで語るマークとジェフ・ベゾス。画像クレジット: Michael Drummond

子育てについて:ジェフと彼の妻は、子供たちに4歳の時から鋭いナイフを使わせ、程なく電動工具も使わせるようにしている。もし怪我をすれば、自ら学ぶことになるからだ。ジェフによれば、彼の妻の意見は「知恵のない子供よりも、むしろ9本指の子供を持ちたい」というものなのだ。

ロマンチックなパートナーを選ぶことについて:ジェフが結婚したいと決意したとき、友人たちは彼のために、数多くのお見合いデートをお膳立てした。そして本当に機知に富んだ人物に出会って、彼は遂に自分の妻を見つけたことを知ったのだ。「私を、未開地の牢獄から連れ出してくれることができるような女性を、必要としていたんだよ」とジェフは語った。

仕事を辞めてAmazonを始めようと、どうして思うようになったのか:ジェフはウォールストリートで金融系ソフトウェアエンジニアとして働いていた。しかし1994年になって、彼は上司にインターネット書店を開きたいと申し出た。彼の上司は、それはとても良いアイデアだとは言ったものの、それは「良い仕事をしていない人にとっては『ましな』アイデアだ」という意味だった。数日の間にジェフは「このことを考える最善の方法は、私の人生を80歳に向けて眺めてみることだ」と決心した。そして彼は「後悔を最小にすることにしたんだ。後悔をカタログのように集めたくはないからね」という結論に達したのだ。間違ってしまったことに対して深い後悔を感じるかもしれないが、誰かを好きになって告白しなかったというような「行かなかった道」から生じる後悔の方がより深い。なので、会社を去ってAmazonを始めるべきだということは「結局あまり考えるまでもなく明らかなことだったんだ。もし失敗したとしても、80歳になったときには、挑戦したことをとても誇りに思うだろうからね」と語った。

ハロウィンのための野菜コスチュームを着た10代のジェフ・ベゾス

もし「ジェフ・ベゾス」ではないとしたら、何をしているだろうか:機械学習やAIに興味を持っている「幸せなソフトウェアエンジニアというところかな」。しかし彼はまた「バーテンダーだったらどうだっただろうという妄想もあるんだよ。私は自作のカクテルに自信があるからね」とも語った。しかしご注意を。彼は作業がとても遅いのだと告白した。彼の夢のバーにはこのような注意書きが書かれていることだろう「あなたのお好みはどちら?美味しいもの?またはすぐにできるもの?」。

ニュースへの個人的つながりとワシントンポストの所有について:ジェフは1973年の「ウォーターゲート事件の公聴会を、ポップは食い入るように見ていた」と語った。それは彼が2013年にワシントンポストを買収する際に表明した、調査的ジャーナリズムへの高い評価に対して、無意識に影響を与えているのかもしれない。

Summitが開かれたロサンゼルスのオルフェウム劇場で語るマークとジェフ・ベゾス。画像クレジット: Michael Drummond

宇宙旅行の必要性と、彼のロケット会社Blue Originについて:「地球を救うためには、宇宙に行かなければならない」とジェフは語る。「結構急ぐ必要があると思う」。それでも彼は、地球を居住可能な環境に保つためには、幾つかの計画が必要だと考えている。「私たちは太陽系内のあらゆる惑星に向けてロボットプローブを送る。これが最高のものなんだ。すぐに成果が出るものではないけれどね」。

宇宙起業家精神について:宇宙への機会を開く鍵は、地球の重力から物体を脱出させるコストを下げることだ。「インターネットで経験したように、何千人もの起業家たちが、宇宙でスタートアップを始めることができるようにするには、参入するためのコストを軽減する必要があるんだよ」インフラのコストが下がることで、ウェブ企業が爆発的に増えたことを指摘しながら彼は語った。

ポップの農場で働く少年時代のジェフ・ベゾス。

電話とマルチタスキングについて:マークは兄のジェフが驚くほど目の前のものに集中すること、そして滅多に電話に出ることがないと語る。ジェフは「友人たちや家族と夕食を食べるときには、私はやっていることに集中したいんだよ。マルチタスクは好きじゃないんだ。電子メールを読むときには、全身全霊を込めて読みたいしね」。ジェフは幼い頃、マルチタスクに対して抵抗したことを語った。彼が通っていたモンテッソーリスクールで、時間が経って次の課題に進むことを彼が拒否したので、教師は文字通り彼と椅子を拾い上げて、次のプロジェクトに移していたのだ。ジェフは、絶え間なくタスクを切り替えるのではなく、順番に集中するのだと語る。「私は一つ一つに集中して、結果的に複数のタスクをこなしていくんだ」。

ワークライフバランスを確立する方法について:「 私はワークライフハーモニーという言葉が好きだな」とジェフは語る。「バランスという言葉には、厳しいトレードオフがあるような響きがあるからね」。もし彼が、価値を生み出し、働くチームの生産的なメンバーであると感じることができたなら「家庭でも上手くやることができるようになるだろうね。逆に、私が家庭で上手くやれるなら、会社でも良き社員、良き上司になれるだろうし」。同僚や家族のエネルギーを奪い去る人物になってはいけない。彼は、単に一日に何時間費やすかではなく、情熱をもって参加できる十分なエネルギーがあるかどうかが問題なのだと考えているのだ。

ハロウィンのために仮装したジェフ(中央)と友人たち。

発明家になる方法について:世界は非常に複雑なので、問題の解決策を見つけるには「ドメインの専門家」でなければなならない。「しかし、危険な点は、一度ドメイン専門家になってしまうと、その知識に縛られてしまうかもしれないということなんだ」。物事に対しては、子供のような好奇心でアプローチしなければならない。発明家とは初心者の心を持った専門家のことだ、と彼は言う。

あなたを形作っているものについて:「私たちはみな、自分自身の物語を選ばなければならない。私たちを形作るものは、自分のした選択の結果であって、生まれ持った才能ではないということだね。私たちにできることは自分の選択を誇りに思うことだけだよ」とジェフは語る。「安らぎと快適」の人生を選ぶこともできるし、「奉仕と冒険」の人生を選ぶこともできる。でも80歳になったときに、より誇らしく思えるのは後者だろう。

最後にひとこと:「冒険と連帯を」と彼は言う。彼は単なる「友情」(friendship)の代わりに「連帯」(fellowship)という言葉を選んだと語った。なぜなら連帯という言葉は「一緒に道を進んで行くというビジョンを呼び起こすから」だ。

最後に、今回のトーク中で最も下らないエピソード:Blue Originの再利用可能なニューシェパードロケットの着陸成功を受けて、お祝いをしているトップの写真について話していたときのこと、ジェフはこう言った「私のカウボーイハットにはまだシャンパンのシミがついているんだよ。最高のシミだね」。

Summitの詳細については特集記事をご覧ください。

[原文へ]
(翻訳:Sako)

Amazon Freshが一部の州の一部地域でサービス中断、大都市は無事のよう

Amazonの食料品配達サービスAmazon Freshが、アメリカの9つの州の一部で中断された、とRecodeが報じている。コネチカット、マサチューセッツ、バージニア、ニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルベニア、デラウェア、メリーランド、そしてカリフォルニアの、それぞれ一部地域では、だめのようだ。

私が今朝(米国時間11/3)Amazon Freshにアクセスしたら、サンフランシスコの私が住んでる地域では、12月1日以降、サービス停止だそうだ。休止ではなく、停止だ。

[あなたの郵便番号の地域では12月1日以降サービスを停止します。]

アップデート 12:41pm 太平洋時間: Amazonが私にくれた連絡によると、サンフランシスコの私の住所ではAmazon Freshはまだやってる。Amazon側で何か、技術的エラーがあったみたい。トラブルが生じた地域の数を聞いたが、答はなかった。

AmazonのスポークスパーソンがRcode誌に語ったところによると、ニューヨーク市やボストン、シカゴ、フィラデルフィア、ロサンゼルスなどの大都市では、今日のサービス中断は起きていない。

Amazonは数か月前にWhole Foodsを137億ドルで買収したが、Amazonによると、それとこれとは関係ないそうだ。しかし2012年にローンチしたAmazon Wineは、近く閉鎖されるという。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazon、iOSアプリにARショッピング機能を追加

本日(米国時間11/1)Amazonは、AR Viewと呼ばれる新機能を公開した。ユーザーはスマートフォンのカメラを使ってオンラインの製品を実生活空間の中で見ることができる。AR Viewは今日からiOSデバイス用Amazonアプリに追加され、家庭やオフィス向け製品数千種類 ―― 家具、電子機器、おもちゃ、ゲーム、室内装飾等々 ―― を拡張現実の中で見られる機能を提供する。

同社は以前にも自社アプリでAR技術に手を出したことはあったが、AR stickerという方式だった。この”shoppable stickers”は対象商品が少なく、太くて白い縁取りがなされたマンガ的デザインはまるで本物のステッカーのようで、あまり役に立つとはいえなかった。

しかし他の多くの小売業者がARの導入に力を入れており、中でも家具販売では特に積極的なのは、実際に家に置いたときどう見えるかがわからないのでオンラインでの販売が難しいからだ。多くの客はショウルームへ行ってランプやじゅうたんなどの装飾品とあわせて部屋に置かれている家具を見ることを好む。

拡張現実(AR)はこうした行動を変える可能性を秘めている。消費者は展示用に作られた部屋ではなく、自分の部屋に置いたところを想像できるからだ。

最近、TargetWayfairIKEAなどいくつかの小売業者が、ウェブサイトやアプリにARショッピング機能を導入している。

IKEAの実装方法と同じく、AmazonのAR ViewはAppleのARKitを利用している ―― サードパーティー開発者がモバイルアプリにAR機能を簡単に付加できるソフトウェアだ。このため、AmazonアプリのAR ViewはiPhone 6s以降のハードウェアで最新オペレーティングシステムのiOS 11が動作していないと使用できない。

新機能を使ってみるには、まずAmazonアプリのカメラアイコンをタップする ―― これまでバーコードをスキャンしたりビジュアル検索していたのと同じアイコンだ。次に表示されたメニューで “AR View” を選ぶ(AR ViewはAR stickersを置き換えたのではないようで、まだ残っている)。

表示された画面でトップメニューをスワイプしていくと、リビングルーム、室内装飾、ベッドルーム、キッチン、電子機器、おもちゃとゲーム、などのカテゴリーを選べる。”top pick”[厳選]セクションもあって現在はEchoスピーカーも入っている。

ただし、商品セレクションの中にはどこまで役に立つのかわからないものもある ―― 黄色いおもちゃのトラックやEcho Dotを買う前に、ビジュアル化する必要があるか?しかし家具などの大きなものやキッチン家電などカウンタートップに置くものに関しては便利かもしれない。

AR Viewの画面では、商品を移動、回転させて360度ビューで見ることができるとAmazonは言っている。

AR Viewは現在iOSデバイス向けに公開中で、Amazonのブラックフライデーセールニュースとともに発表された。

発表文の中で同社は、これでAmazonにはARを含め様々なショッピング方法が揃ったことを強調した。おすすめ商品を一覧できるInteresting Findsや、実際に町を走る “Treasure Trucks” 、リアル世界のAmazon書店、ホリデー・トイ・リストギフトガイドハンドメイドショップなどが用意されている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

クラウドインフラストラクチャ市場ではAWSの支配が当分続きそう、後続との差は大きい

【抄訳】
AWSは今四半期でも、クラウドインフラストラクチャ市場の無敵のトップだ。いわゆる成長率ではMicrosoftやGoogle、Alibabaなどが高いが、彼らは分母が小さすぎるから、その成長はAWSから見れば痛くも痒くもない。

AWSの今四半期の売上は、45億7000ドルという巨額だ。この額はアナリストたちの予想45億1000万ドルを上回り、この成長率が続けば2017年の年商が180億ドルに達しそうなペースだ。

“でも、Microsoftのクラウド部門は年商200億ドルでしょ?”、と言うのは無意味な比較だ。なぜならそのクラウド部門なるものに大きく貢献しているのはAzureのようなインフラプラットホームではなくて、Office365などのSaaSビジネスだ。IaaSとかSaaSとか、クラウド方面の謎のような言葉は、この記事で勉強できるだろう。

クラウド市場を追い続けるアナリスト集団Synergy ResearchのJohn Dinsdaleによると、クラウド市場のマーケットシェアを云々するときはSaaSを別立てで計算すべきである。そしてIaaSとPaaSおよびプライベートクラウドを合わせた市場では、SynergyによるとAWSのシェアは35%だ(下図)。他社は、はるか後方に引き離されている。

【中略】

Synergyが作った上図を見ると、AWSはいわゆる“ダントツ”である。Microsoftも頑張ってはいるが、AWSには接近できない。同じくアナリスト企業のCanalysは、やや低い31%をAWSのシェアとしているが、市場の全体像としてはSynergyの結果とほぼ同じだ。

ちょっと意外なのは、これら競合サービスの成長率の高さかもしれない(上図および下図)。Canalysの数字では、AWSの成長率およそ40%に対してMicrosoftは90%、Googleはおよそ75%だ。でも、小額な売上増でも、分母が小さいと増加率は大きくなるのであり、いずれにしても当分は、AWSの牙城はびくともしない。

もちろんクラウド市場はまだ飽和にはほど遠くて、今後ますます大きくなると予想されるが、成長率の高いMicrosoftも含めて、AWSにとって‘脅威’と言えるほどのコンペティターはまだ存在しない。

CanalysのリサーチアナリストDaniel Liuは、こう言う: “AWSは多様なサービスとデベロッパーの大きな知名度により、先行馬としての優位を維持し続ける。しかし後続集団の中での先頭は、伝統的にエンタープライズに強く、Office互換性という有利性を持つMicrosoftだろう。Microsoftのもうひとつの強みは、強力なハイブリッドクラウドソリューションにおける技術と経験だ”。

一方AWSのCEO Andy Jassyは、自社の優位性についてそれほど楽観的ではない:

“これからの市場では、一人勝ちはありえない。この業界はコストが大きいし、サービスの品揃えの豊富さと最先端性が重要だから、30社が市場にひしめくということはありえないだろう。でも、成功者が複数社になることはほぼ確実で、それらの名を今挙げることはできない。でも長年のエンタープライズ顧客が多くて営業に大軍を抱える古顔たちが、きっとその中にはいるだろう”。

でも、少なくとも現状のクラウドコンピューティング市場では、各社間の売上規模の格差が大きく、またクラウドサービスの内容も多様なので、成長率等の数字を見るときは注意が必要だ。

〔訳注: 各社、発表している数字の部門分けなどがまちまちなので、成長率90%、75%のMicrosoftやGoogleが、成長率40%のAWSに追いつくのは何年後か、という単純計算も、一般に公表されている数字からはできない。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa