「ネコちゃん、でておいで!」はステイホーム中のかわいい暇つぶしアプリ

このステイホーム期間中、ずっと子どもと過ごしてきたみなさんは、そろそろ彼、彼女たちを楽しませる方法が底をついてきたころだろう。塗り絵帳は全部塗ってしまったし、フリーズダンスはフリーズしっぱなしだし、シールも全部貼ってしまったし。

そこで朗報だ! あなたのiPhoneがネコになってくれる(おめでとー!)。

あなたは、この新しいネコのお友だちに隠れる場所を提供する。そして家族の他のメンバー、つまり3月から数えて17週間、信じられないほどのエネルギーを溜めまくっているチビちゃんたちは、そのネコを探す。そのとき「ねこちゃん、でておいで」と声を掛けると、ネコはどこかでニャーと鳴いて応える。

これが、ずばり「Here Kitty!」(日本語版は「ねこちゃん、でておいで!」)と名付けられたこのゲームの遊び方だ。Impending(インペンディング)最新作となる。Impendingの他の製品を知っている人もいるだろう。例えば、パーティーやディズニーランドで順番待ちをしている間に遊べる大人気ゲーム「Heads Up!」や、ミニマリストのための予定表「Clear」などが同社のアプリだ。彼らが作る製品は常に細部まで丁寧に作られていて、このHere Kitty!も例外ではない。

適当な場所が見つかったら、iPhoneを伏せてそこに置き、ネコを「隠す」。するとiPhoneは、呼びかけに応えてニャーと鳴き始める(シャーというときもある。なにせネコなので)。ネコを見つけた? そうしたらiPhoneを表向きにする。画面にはどれだけ時間がかかったかが表示され、その人が勝ちとなる。これは隠れんぼと、宝探しと、マルコポーロ(プールでやる目隠し鬼)のプールなし版を混ぜ合わせてガジェット化したようなものだ。

ネコの鳴き声をもっと静かにして難しくしたり、小さなお子さんのために声を大きくして簡単にすることも、難易度スライダーで調整できる。

Impendingでは、オリジナルのネコの他に、毎週土曜日に「新しいお友だち」を追加していくという。

私は「Here Kitty!」の初期ビルドで、数週間遊ばせてもらった。その結果……まぁ、とにかくかわいい。Impendingは対象年齢を4歳以上としているが、もっと小さい子どもに遊ばせることもできる。私の息子はもうすぐ2歳という年齢だが、完全に(ほとんどという意味)理解していた。自分でネコを呼ぶことはできないが、鳴き声を頼りに探し出すことはすぐに覚えた。そしてネコを発見したときには必ず狂ったように大喜びをする(痛い経験から学んだプロのアドバイス:iPhoneはケースに入れておくこと)。

ImpedingのCEOであるPhill Ryu(フィル・リュー)氏は、このアプリはそもそも数年前にApple Watchを使う遊びのアイデアとしてプロトタイプが作られたものだと話している。現在、みんなが家から出られない状態に際して、少し簡単にしてわずか数週間で配信にこぎ着けたそうだ。

「ネコちゃん、でておいで!」は、現在、iOS版を公開中(Androidユーザーはごめんなさい)。無料で遊べる。

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(翻訳:金井哲夫)

ゲーマーが本当に必要な機能を備えたチャットアプリ開発のGuildedが7.5億円を調達

ゲーミングプラットフォームは近年、投資家のかなりの関心を集めている。ベンチャーキャピタル(VC)がコラボレーションツールに興味津々な様子も考慮すると、新たなゲーミングチャットアプリを支援しようとする動きがあるのは何ら驚きではない。

Guilded(ギルデッド)は、ゲーマーが自身のチームといつでもスムーズにつながれるよう、競うゲームやeスポーツのためのチャットプラットフォームを構築している。

現在バリュエーションが20億ドル(約2140億円)Discordは、近年あまりにも手を広げたことで、機能セットが実際には競っているゲーマーが求めているものに応えていない。ここにGuildedのチャンスがある。ゲーマーは真剣にチームとつながりたいときにはスプレッドシートに向かい、提案を作成する。

「多くのコミュニティにとってDiscordは本当に素晴らしいものだ。しかし我々はゲーマーのためのチャットを構築している」とGuildedのCEOであるEli Brown(エリ・ブラウン)氏はTechCrunchに語った。

GuildedはMatrix PartnersがリードするシリーズAラウンドで700万ドル(約7億5000万円)を調達したと発表した。 Initialized Capital、Susa Ventures、Sterling.VCも本ラウンドに参加した。Guildedは過去にY CombinatorのS17クラスに参加していた。

GuildedはDiscordよりもう少しきっちりとまとまっていて、チームやサーバーベースの構造にフォーカスしている。スケジューリングやカレンダーの機能の統合はおそらく最大の違いだろう。

テキストチャットに加え、ユーザーはインラインイベントをつくったり、書類をアップロードしたり、スクリーンキャプチャを投稿したりできる。実際にゲームをしながらアプリを立ち上げて、音声チャットでサーバー経由のコミュニケーションを取ることができる。Guildedは現在400以上のゲームをサポートしている。

他の新たなコミュニケーションツールと同様、Guildedの課題は競合するプロダクト(主にDiscordだが)を少しずつ切り崩していくこと、必要不可欠なユーザーと外部支援なしで動くサーバーを獲得することだ。

将来を見据え、このプラットフォームはゲーム操作の向上に注力している。すぐに加わったりプライベートサーバーに受け入れられるよう申し込んだりするために、ユーザーはすでにパブリックサーバーをブラウズできる。こうしたサーバーは個人のグループやチャンネルに分類することができる。Guildedは、互いに同レベルのスキルを持ったサーバーをマッチさせるためのトーナメント機能を構築中で、数カ月以内に提供を開始する。

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナ蔓延下ではゲーム性よりソーシャルプラットフォームを優先したゲームが必要だ

この長く退屈な物理的隔離の日々が、永遠に続くベージュ色の廊下のように不確かな未来に向かって伸びる中で、友達との付き合いを、懐かしく思い出さずにいることはできない。特に、何か特定のことをするわけでも、何かのトピックについて話し合うわけでもなく、ただ一緒にぶらぶらしているような付き合いが恋しくなる。

だが、お互いに物理的な距離を置き続けている中で、私たちが持っているツールを使って、社会的な存在感を分け合うことは難しいのかもしれない。たとえZoom や、その他のよりカジュアルなチャットアプリを使用したとしても、ビデオチャットは平板なものに感じるだろう。(そして、幸運にも自宅で仕事ができる私たちにとって、仕事をするのに使用しているものと同じツールを使って、仕事の後友達を訪問することは、必ずしも気分が良いものとは限らない)。しばしば私たちは、決まったビデオチャットスポットに静止して座りながら、自己隔離の様子をやり取りしたり、たぶん猫や1人2人の子供を画面にひっぱりこんで話していることだろう。

しかし、より遊び心のあるビデオ チャット アプリや、FacebookのPortalとその分離したカメラのような、革新的な技術を使って机から離れたとしても、何か別のものがまだ伝わり切っていないのだ。フラットスクリーンを介してでは、物理的な相互関係がほとんどわからない。結局のところ、空間の中での社交体験を、私たちがこれまでどれだけ当然のことと考えていたのかが、明らかになったということだ。だが、ゲーム業界はこれを随分昔から理解してきた。

いま、私たちはこれまで以上に、他の人の存在を感じるための創造的な方法を必要としている。この危機はゲーム業界にとって大きなチャンスであると同時に、仕事の後に「Call of Duty」をせいぜい数ラウンドプレイするようなものではなく、より超越したデジタルソーシャル体験を提供するものとなりそうだ。ひょっとすると、これらの体験はあまりにも豊かな想像力を要求するために、まだどのように見えるのかさえわからないのかもしれない。

もしVRが初期の約束を果たせていたならば、おそらく私たちはみな、現在その世界の中に住んでいただろう。ある種の共有仮想領域を持つというアイデアは今でも有力なものだが、追加のハードウェアは一般の人が使うにはあまりにも法外な価格であることが証明されていて(少なくとも今のところは)、最もクールなVR体験でさえニッチなものに留まっている。それでも、InstagramのDMやメールスレッドを使うだけでなく、共有スペースを移動するアバターとして、私たちが一緒の行動をしたいと思っていることは明らかだ。何らかの手段で。

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仮想世界の正しい理解

もし「どうぶつの森」の幅広い成功が、何らかの兆候であるとするなら、人々は現在仮想空間に対する大きな欲求を持っていることになる(ここでは特に最新作である「あつまれ!どうぶつの森」のことを指している)。たとえ任天堂の使いにくいオンラインマルチプレイであったとしても、友達を訪ねて網でバチバチ闘ったり、新しいグッズを見せ合ったりすることには、何か楽しくて特別なものがある。

どうぶつの森に関して言えば、本当に「部分を合計した以上の体験」を得ることができるゲームだ。私が最近本当に笑って止まらなくなったのは、ゲームが開始された直後に妹のどうぶつの森の島を訪ねたときだった。インターフェース上の少ない感情表現と厳しいキャラクターの制限にもかかわらず、彼女の奇妙なユーモアのセンスは、ゲームの制限を乗り越えて湧き上がることに成功していた。そして、その制約がなぜか特別なものを生み出していた。彼女の島を去るときには、周りに輪をぐるぐる回している、彼女の滑稽で奇妙な姿に別れを告げることが悲しかった。それはビデオチャットからサインアウトしたり、テキストを送り合っていた会話からドロップアウトしたりするのとは異なる感覚だった。

こうした体験は個人レベルだけでなく、集団レベルでも起こっていて、人々は創造的になり始めている。Rogue Oneの作家の1人は、ゲーム内で「どうぶつの森トークショー」を制作した。ショー内には独自の小さなゲストカウチと街並みの景観が備わっている。

完全にどうぶつの森の島の上で開催される開発カンファレンスを立ち上げた、ニューヨークの開発者さえ登場した。通常の会議と同様に、この「Deserted Island DevOps」は、発表者、司会者を揃えており、さらには会議後にはトークがYouTubeにアップロードされることになっている。

多くの人々が先「どうぶつの森」を使ってより親密な集まりも開催している、たとえば先月のラマダン過越祭を祝ったり、遠く離れた友人や家族を1か所に集めたりしたりしているのだ。

今回のパンデミックが示しつつあるものは、この先主流となる仮想存在のスイートスポットは、Zoomのようなビデオ会議以上のもので、かつ完全なVR体験以下のどこかにあるのではないかということである。ビデオゲーム、より具体的に言うならプラットフォームとしてのビデオゲームは、ゲーマーとしては識別されない種類の人々の間でも現在共鳴を起こしているように見える。その最後の点が重要なのだ。

これは、Fortnite(フォートナイト)のメーカーであるEpic Gamesが、ずっと行ってきたことだ。フォートナイトがどうぶつの森のように、ノンゲーマーを迎え入れたのには理由がある。もちろん、Fortniteは楽しくて中毒性があるものだが、そもそも多くのゲームは楽しくて中毒性があるものだ。しかもフォートナイトはそうしたたくさんのゲームよりもはるかに難しいのだ。

Epicが生み出した真のイノベーションは、プラットフォーム間でプレイヤーをシームレスに接続する、バターのように滑らかなソーシャルレイヤーなのだ。友達にアプリをダウンロードさせることができたなら、すでにビジネスに参加したことになる。もちろん、他のゲームでもこれは正しく行われている。もちろん、Minecraftが頭に浮かぶし、ほかのゲームもそうだが、今ではタイミングがすべてなのだ。そしてフォートナイトのチームは、すでに良いことがわかっているアイデアを巧みに繰り返している。

今週Epicは、パーティーロイヤル(Party Royale)と呼ばれる、意図的にのんびりプレイできる新しいゲームモードをフォートナイトに追加した。これは友人たちとぶらぶらするための新しい島だ。投げられるハンバーガーやペイントボール銃のような、適度に奇抜な致死的ではない武器が散らばっている。パーティロイヤルはグループを組んで、他愛もなく意味もないことで楽しみながらチャットを行う場所なのだ。ぎこちなくサッカーボールを蹴ったり(なぜか私は全く見ず知らずの人物と20分ほどそれで遊んだ)、仮想オフロードカーを仮想絶壁から落としたりできる。

そして、Epicの多くのバトルロイヤルヒットのように、島自体には奇妙で、カラフルなライト、巨大なネオンダンサー、そして非常にサイケデリックな雰囲気に溢れた(そしてクスリはなしだ)、海賊船や音楽祭の会場までもが用意されている。メインゲームとは別の領域のような、ドライブイン映画館も用意されていて、これは興味深いことが起こる可能性を示唆している。運良くもしEpic が拡張してくれれば、フォートナイトの最新のカジュアルなオンライン仮想空間はかなり面白いものに進化する可能性がある。

フォートナイトは表向きは、自分が殺される前に相手を殺すことを目的にしたゲームだが、同時にコンサート会場でもあるのだ。そしてそれは多目的なソーシャルプラットフォームとしてのゲームに対してEpicが持つ、より深いアイデアを示唆している。先月、フォートナイトは最新の大規模なゲーム内ショーイベントを開催したが、今回はゲーム内で超高層ビルの高さを誇る有名ラッパーのトラビス・スコットが、ゆっくり回転する万華鏡バージョンのフォートナイトのマップの中で飛び回りながらパフォーマンスを披露した。このイベントには1200万人が参加した。この数は1年前に行われた、より地味なゲーム内EDMショーのMarshmelloの中でプレイした1000万人を上回っている。日頃彼の音楽を聴いているかいないかには関わらず、その視覚的に想像力を掻き立てられるイベントは、誰が見ても最高にクールだった。

ビデオゲームは時代の要求を満たすために進化すべきだ

大規模なマルチプレーヤー型オンラインロールプレイングゲーム(MMORPG)で時間を費やしたことがある人にとっては、これはすべてなじみのある話だ。これらのゲームには、膨大な数の人々を永続的な共有仮想空間に集め、彼らに自分自身を表現させるという、活気のある長い歴史がある。衣装を整えたり、空間を装飾したり、プレイスタイルや同盟の選択をしたりすることは、同じことをしている他の人たちが住む仮想世界の中で、自分自身を表現する方法なのだ。何年もの間World of Warcraftをプレイした人間にとって、これは多くの参加者にとってゲームの真の魅力を伝えてくれるものだった。ゲーム自体(クエスト、ダンジョン、その他)は、二次的なものだった。

10年前のピーク時、World of Warcraftにはトラビス・スコットのイベントに参加したプレイヤーと同数の、1200万人のアクティブなサブスクライバーがいたのだ。それ以降、ゲームは爆発的な勢いで主流となり、2018年の後半までには、フォートナイトのアクティブプレイヤー数は約8000万人を誇るようになった。オンラインマルチプレイヤー自体も、主に大ヒットした一人称視点シューティングゲーム(FPS)の成功によって進化した(FPSは通常残忍で、日頃特定のゲーマーを引き寄せる、漠然とあるいは極端に軍事的な側面を打ち出したゲームだ)。だがフォートナイト、スプラトゥーン、Overwatch(オーバーウオッチ)といった遊び心のあるカラフルなシューティングゲームが登場して、カジュアルなプレイヤー、さらにはノンゲーマーにも手を差し伸べることになったが、オンラインゲーム自身にはシューティングゲームの枠を超えた可能性がある。

Minecraftの人気は協力型ゲームへの道を切り開いたが、それは単に物を作るのが信じられないほど楽しいからだけではない。もちろんそれは真実だが、仮想空間で友達と何か新しいことをやるのは本当にクールだからだ。驚異的なNo Man’s Skyのような小規模ゲームは、Minecraftが構築で行ったことを探検で行うことができる。だがインディーズデベロッパーの予算ではマルチプレイヤーに対する大きなアイデアもせいぜいその程度止まりだ。歴史的に、業界のリソースの大部分は今でも、利益性が確実に高いミリタリースタイルのシューティングゲームに向けられている。しかし、世界が変化することで、トレンドも変化する可能性がある。どうぶつの森のソーシャル風水シミュレーションの売上が、流行の最初の数カ月間で圧倒的なシェアを占めていたことに着目しよう。

ゲームをプレイしない人に対して、魅力的な共通ソーシャル体験を提供できるゲームには、今大きなチャンスが巡って来ている。家に閉じこめられている人にとって、想像力豊かなゲームの世界は、今現在のストレスからの逃避だけでなく、会えないときに空間を共有する方法を提供してくれる。

訪問できるゲームがもっと必要だ。

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(翻訳:sako)

フォートナイトで著名ラッパーがサイケなコンサートを開催、なんと1230万人が視聴

ゲーム内でラッパーのTravis Scott(トラビス・スコット)のコンサートを開催するというアイデアは、少し馬鹿げているように思えるかもしれない。私もそうだが、あなたがFortniteのプレーヤーでないなら特にそうだろう。

これまで、Fortnite(フォートナイト)は映画や音楽のプロモーションイベントを開催してきた。しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)による隔離によって人々がライブパフォーマンスに飢えていたとしたら、なぜ実際に行われたスコットのコンサート映像を見ないのだろうか?

しかし、スコットとFortniteの販売元であるEpic Gamesが提供したのは、巨大な怪獣サイズのスコットのアバターがプレイヤーの上に登場して、会場内をテレポートしながら、彼の周りの映像がどんどんサイケデリックになっていくという、なんとも壮大かつシュールなイベントだった。これこそ、バーチャルコンサートでしかできない楽しみだろう。

さらにイベントでは、最大規模のコンサート会場の入場者数よりもはるかに多くの人々に視聴された。Epic Gamesによると同時参加者数は1230万人で、これはFortniteの新記録となっている。

上の動画ではイベントの様子を見ることができるが、もしあなたが「SICKO MODE」を歌っている巨大なスコットと実際に交流したいのであれば、Epic Gamesは週末にもアンコールイベントを計画している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

クラウドゲーミング環境「OOParts」が正式公開、往年の美少女ゲーム100タイトル超がスマホで遊び放題

Blackは4月23日、往年のWindows版美少女ゲームを中心としたアドベンチャーゲームをさまざまなデバイスで楽しめるクラウドゲーミングプラットフォーム「OOParts」(オーパーツ)を正式リリースした。月額料金は期間限定で1000円。終了日は決まっていないが、キャンペーン後の月額料金は3000円となる。同社は2018年11月設立のスタートアップ。

同社では正式版のリリースを記念して、100タイトルを超えるゲームが無料で遊び放題となる「#ワンクリックでゲーム開始」キャンペーンを4月26日まで開催する。期間中はアカウント登録なしですべてのゲームをプレイ可能だ。

OOPartsは、2019年11月にクローズドベータ版を開始。招待ユーザー約4000人の累計プレイ時間は19万4163分間(134.8日間に相当)となっていた。今回同社はクローズドベータ版でのプレイデータを基にUXを向上させ、正式版では数多くの新機能を追加している。具体的には以下のとおり。

  • トップページの検索性向上
  • シナリオライターや声優の名前などの検索に対応
  • クレジットカードやApple Pay、Google Payでの決済に対応
  • プレイ履歴を確認できるマイリスト機能
  • マウスポインターを一定時間非表示に
  • プレイメニューをタッチ/マウスジェスチャーで表示可能に
  • マウスの右クリックとスクロール操作が可能に

正式版でラインアップされている主なゲームタイトルは以下のとおり。今後も順次追加される予定とのこと。

Nintedo Switchが「あつまれ どうぶつの森」絶好調で新記録

この3月、世界でたいへんな数のNintedo Switchが売れた。簡単に組み換えができる小さなゲーム機は自宅に引きこもることを余儀なくされた世界の人々にとって救いの手となった。新型コロナウイルス(COVID-19)による旅行や移動の制限に加えて「どうぶつの森」に待望の新バージョン、「あつまれ どうぶつの森(Animal Crossing: New Horizons)がリリースされたことが大きな要因だ。Switchは発売後3年目となるプラットフォームだが、売れ行きからすればパーフェクトストームになっている。

リサーチ企業のNPDのレポートによれば、2020年3月のNintedo Switchの販売台数は対前年比で2倍以上に急増した。Switchが発売されたのは2017年3月だったが、この3月の数字はこれを上回った。しかも、同じ任天堂の2010年のDSの記録を別にすれば、あらゆるゲーム機を通じた四半期セールスの新記録となった。

Nintendo Switchは、3月のゲーム機販売台数で記録を更新した。2017年3月の発売月のセールス記録も上回る過去最高となっている

「あつまれ どうぶつの森」のリリースは売り上げ好調の要因の1つだったことは間違いない。人気の育成シミュレーションシリーズに追加された新ゲームはプラットフォームを通じて、3月の新記録となるベストセラーとなった。また新タイトルのリリースとして、NPDが調査を開始して以来、任天堂の歴史の中で第3位の月間セールスとなっている。専用ゲームのリリース月のセールスでこれを上回ったのは2008年と2018年の大乱闘スマッシュブラザーズだけだった。

NPDによれば、「あつまれ どうぶつの森」は「どうぶつの森」シリーズ中でも既にベストセラーとなっている。このタイトルの発売のタイミングに加えて、「自然豊かな無人島への移住」というテーマやゲームのソーシャル化に力を入れたことが世界で巨大な販売量を生む結果となったようだ。またゲーム専門家、批評家の評価も高くMetacriticでは91%という高いポイントを得ている。

販売店は、需要が急増する中でSwitchの在庫を確保するために悪戦苦闘している。任天堂は生産台数を10%増加させると報じられている。

【Japan編集部追記】

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Facebookのゲーム専用アプリがAndroidで2カ月前倒しで公開、iOS版もまもなく

Facebook(フェイスブック)のゲーム専用アプリGamingが、6月リリースの予定を前倒ししてAndroidで使えるようになった。新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックで多くの人が自宅に閉じこもり、エンターテインメントの選択肢を渇望している中で、予定よりも2カ月早く公開された。

ニューヨークタイムズ紙が週末に特ダネとしてこのアプリのリリースを報じた。そこには、Facebookがゲーム開発にかなり投資し、同社のユーザー25億人のうちプラットフォームでゲームをする月間ユーザー数は7億人超に達したと書かれている。ゲーム専用アプリの立ち上げは、これまで専用タブで展開されてきたコンテンツの次なるステップだ。

多くのユーザー獲得が目的であり(当然だ)、ほどなくiOSバージョンも加わる見込みだ(Appleの承認待ち)。「ただ『消費』するだけではなく、インタラクティブで人々をつなげるエンターテインメントだ」とアプリの責任者Fidji Simo (フィドジ・シーモ)氏は話し、「このところの外出禁止でゲームの利用は急増している」とも付け加えた。

Go Liveストリーミング機能があるこのアプリにとって、最大のライバルはTwitchとYouTubeだ。FacebookはすでにLive機能の中に巨大プラッフォームを持っている。Live機能は新型コロナウイルスによる外出禁止が続く中、人とつながる方法を模索する隔離されたユーザーにかなり利用されている。Go Liveでユーザーはゲームを直接自分のFacebookページにストリームして共有することができる。

ライブストリーミングはこのアプリの最大の目玉機能だ。その他にも、友人のアクティビティやカテゴリー別を通じてゲームを探すことができ、チャットプラットフォームも備えている。

このアプリは南米や東南アジアなどでの1年半にわたるテストを経て公開された。差し当たっては広告なしで提供されるが、閲覧者がストリーマーに贈る寄付「スター」の手数料を取ることで収益を上げる計画だ、と同社はニューヨークタイムズ紙に語った。

TwitchやYouTube方式が、Words With Friendなどのカジュアルなゲームによりフォーカスしている従来型のプラットフォームにいかに合わせるかはまだはっきりしていない。専門アプリとして機能を切り離すFacebookの試みのすべてが成功しているわけではないが、世界中で外出が禁止される中でユーザーは新たな形のコンテンツや社会とのつながりを探していて、リリースを早めたことは利用増につながるかもしれない。

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(翻訳:Mizoguchi

ポケモンGOにリモートレイドバトル機能が加わる、集合しなくても100ポケコインでプレイ可能

ポケモンGOは外でプレイするようデザインされたゲームだ。しかし残念ながら友達と町に出たり観光スポットの回りに大勢で集まったりするのは「最もしてはならない行為」となってしまった。

開発元のNiantic(ナイアンティック)ではポケモンGOをリビングのソファからプレイできるようリモート化に努力してきた(ポケモン閉じ籠もり?)。4月15日、レイドバトルについてのアップデートの内容が発表された。

レイドバトルは2017年に導入された仕組みで、プレイヤーは協力して協力で珍しいポケモン(ボスポケモンと呼ばれる)を倒す。チームが勝てばポスポケモンを入手するチャンスが得られる。

これまでレイドバトルに参加するには特定の時間に特定の場所に行き、自分以外に19人のプレイヤーが集まるのを待つ必要があった。パンデミック後はもちろんどれも不可能だ。そこでリモートレイドが必要となったわけだ。

リモートレイドのプレイ方法(アップデートは「すぐに」実施される)

  • プレイヤーは「付近のようす」に表示されているレイドに参加できる。実際にその場所にGOする必要はない。ディスプレイにレイドが表示される距離にいさえすればいい(都会の場合は数ブロック圏内)。
  • タスク達成の度合い、報酬などについては従来のレイドバトルと同様の扱いになる。
  • 参加には新しく設けられたリモートレイドパスが必要。これはレイドパスと同様プレミアムアイテムで1枚が100ポケコイン(米国だと約1ドル)。
  • リモートレイドのプレイヤーは現実のレイドのプレイヤーと同じ能力がある。ただし移動制限や外出禁止令が終了した後は、リモートレイドプレイヤーもレイドに参加できるものの、現場のプレイヤーに比べて強さが制限されるかもしれない。
  • Nianticの発表によれば、やがてプレイヤーは場所を問わず、遠隔地にいる友だちもリモートレイドに招待できるようにするという。遠くにいる友だちに援助を頼みたい場合は、先にレイドに参加している必要がある。

Read a deep dive of Niantic on Extra Crunch

Nianticによれば、プレイヤーは每日午前零時にリモートで「フィールリサーチ」を1個受け取ることができるようになるという。また「相棒」のポケモンが近くのポケストップからギフトを持ってきてくれるらしい。自分でポケストップに出向く必要がなくなる。アイテムは有効期間中、複数をまとめて使えるという。個数分だけ効果時間が延長される。ポケモンを引き寄せるアイテムを4つ持っているが、30分ごとに使うのは面倒だったら最初に4つ発射しておくと次の2時間有効となる。

Nianticはリモートレイドを「近くリリース予定」と発表したが、正確な日時はまだ不明だ

新型コロナウイルス 関連アップデート
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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ソニーが新型コロナで影響を受けるゲーム開発者の救済基金に11億円拠出

多くの人が外出禁止のために家にこもってPCやゲーミングコンソールを手にしているが、インディーゲームデベロッパーにとっては厳しい状況だ。彼らは往々にして、タイトルの宣伝や投資の呼び込み、契約の発表などをゲームカンファレンスに頼っている。

Sony(ソニー)は新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで影響を受けているインディーゲームデベロッパーをサポートするための基金に1000万ドル(約11億円)を拠出したと発表した。2020年4月初めソニーは新型コロナウイルス救済のための1億ドル(約107億円)の基金を立ち上げたと明らかにしていたが、その基金はどちらかというとヘルスケアワーカーや遠隔教育にフォーカスしたものだった。

ソニーは基金の詳細について、間もなく発表するとしか述べていない。また今回の発表ではPlayStationユーザーに自宅に留まってもらうように、2つの「UNCHARTED: The Nathan Drake Collection(アンチャーテッド コレクション PlayStation Hits)」と「Journey(風ノ旅ビト)」をデジタルストアで無料ダウンロードできるようにしたことも明らかにした。この2つの小さなニュースはPlayStationが提唱する「Play at Home」イニシアチブのベースとなっている。

2つのタイトルは4月15日から5月5日まで無料でダウンロードできる。

画像クレジット: Kevork Djansezian / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

Y CombinatorのW20デモデーに参加したスタートアップ(消費者向け事業)

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に対する懸念が高まる中、Y Combinator(Yコンビネーター)はこれまで慣れ親しんできた2日間にわたる米国サンフランシスコでの会合からイベントの開催方式を切り替え、デモデーのウェブサイトを通じて、招待された投資家とメディアにクラス全体を同時公開する方法で開催することを決定した。

さらに驚きなのが、投資家の動きが加速してきた事実を受け、YCがデモデー開催日を1週間前倒しにしたことだ。このため、デモデーのウェブサイトに録画したプレゼンを掲載するというプランは変更せざるをえなくなり、各事業は代わりにスライドに事業概要、今後の見通し、チームの経歴などの説明をまとめてプレゼンを行った。急速に進化する投資環境と相まって、この新たなスタイルがこのクラスにどのように影響するかは今のところはわからない。

プレゼンやウェブサイトのほか、場合によっては以前の記事から収集した情報をもとに、我々が集めたそれぞれのクラスの各事業のメモをまとめてみた。

読みやすさを優先し、全事業をすべて羅列するのではなくカテゴリー別にまとめている。以下は消費者向けの商品またはサービスの販売に焦点を当てた事業だ。そのほかのカテゴリー(ハードウェア、AI、フィンテックなど)に関してはこちらから読むことができる。

消費者向け事業

Apartio
Apart出張者をターゲットにした長期・短期レンタルサービスだ。同社はブラジルを訪問する従業員のいる企業をターゲットにして、AirbnbとBooking.comで直接旅行者を顧客とする予定だ。

Valienta
Valientaは中南米諸国での直接販売ネットワークプロセスの簡素化を目的としたソフトウェアだ。直接販売市場は270億ドル相当(2兆9100億円相当)を占めており、中南米では大きなチャンスと言える。1300万人の直接販売者は、主に個人的なネットワークに転売する女性達である。例えば米国のAvonレディのように、Valientaはこのプロセスを単一のアプリで近代化したいと考えている。

Trustle
子どもが夜寝てくれない時やかんしゃくを起こす時、途方もなく感じてしまうのが子育てだ。Trustleは保護者に向けた月額50ドル(5400円相当)のサブスクリプションで、育児と児童発達の専門家にいつでもアクセスできるサービスだ。創設者によると、インターネット上には育児に関する相反したアドバイスや意見が無数に飛び交っており、答えを求めて延々とグーグル検索を続けても、良い意見を得られることは少ないと言う。また、Trustleはほかの問題点も解決したいと考えている。児童発達における修士号を有する約18万人の幼稚園教師の年収は平均35000ドル(約380万円)と言われており、驚くほどに多くの専門知識が過小評価され、活用されていないことを示している。Trustleはこの2つの問題を結ぶシステムを築くことにより、保護者が子どもの認知、社会、感情、行動における発達について学び実行できるようにしたいと考えている。創設チームには、Google for Education反響部門の元トップ、臨床児童心理学者、およびEdTechスタートアップの元創設者が含まれている。

Viya
Viyaはモバイルファーストの中南米市場向けアパートレンタルシステムだ。テナントの生活を簡素化することを目的とし、クリーニング、メンテナンス、ランドリーサービスと併せて市内中心部の部屋やアパートのリースを提供している。

Jamiphy
Jamiphyのプレゼンは「ミュージシャン用のTikTok」とシンプルだ。世界中で相次ぐライブイベントの閉鎖に伴い、同スタートアップはミュージシャンらにショートビデオのライブミュージックを共有する場を提供するという潜在的な市場を得たと言える。同社は今月初めにインドネシアで事業を立ち上げている。

Breezeful
Breezefulは機械学習を用いて、顧客の住む地域で最良の住宅ローンを見つけてくれるサービスだ。同社が顧客に代わって貸し手と交渉し、取引が成立したときに貸し手から仲介手数料を得るシステムだ。9週間前のローンチ以来、7000ドル(約976万円)の収益を上げている。

Modern Village
Modern Villageは忙しい家庭の「補佐官」になれたらと考えている。月額30ドル(約3300円)で育児、掃除、食料品の買い物、食事などにおける計画を担う。このサービスにより利用者は1週間に約10時間を節約できると同社は見積もっている。現在はプライベートベータ版で運営中。

LegionFarm
eスポーツコーチング。Legionfarmは1時間毎の利用量を払うことで、『Apex Legends』『Destiny 2』『Fortnite』などのゲームの指導を一流プレイヤーやプロゲーマーから受けられるサービスだ。同社によれば、昨年だけでも35万時間以上のコーチング(プレイヤーの支払いは1時間あたり平均約16ドル(約1700円)と720万ドル(約7.8億円)のARR(年間収益予測値)を達成したとの事だ。Legionfarmに関しては以前にもこの記事で伝えている。

StayQrious
8〜15歳のインドの子供向けオンライングループクラス(コーディングクラスから開始)。同社によると、3か月前のローンチ以来生徒の定着率は90%に達している。

Yukstay
インドネシアでの長期レンタルを促進するプラットフォーム。仲介業者が新規物件を掲載し、顧客が閲覧と予約をできるシステムだ。同社によれば、3月の総収入は17万ドル(1850万円相当)になる見込みだ。

Refund Giant
多くの人は知らないが、英国への訪問者は出国時にVAT(付加価値税)還付を得られる。これをサポートするのがRefund Giantだ。ユーザーが領収書の写真をアップロードするとRefundGiantがすべての事務処理を行い、還付金額の25%が引かれるシステムだ。

Sayana
チャットボットのようなインターフェースを使用して、ユーザーが自身の感情の変化を記録できるようにするサブスクリプションベースのメンタルウェルネスアプリ。マインドフルネスにおけるアドバイス等を提供する。現在毎月の売上は約15000ドル(約163万円)で、月間で25%の成長率を達成している。

HelpNow
HelpNowはAHA認定のトレーニングと基本的な生命維持装置をUberドライバーに提供し彼らを活用することで、インドで救急車が到着するまでに必要な時間を短縮しようとする試みだ。ムンバイには347台の車両が存在し、9100件以上の支援の要請に対応した。創設者の1人の父親が心臓発作を起こし、45分以上救急車を待つことになると告げられたことをきっかけに同社が設立された。自分たちの車で病院へ運ぶことを選択し、幸いにも創業者の父親は一命を取りとめている。

Global Belly
インフルエンサーによるカスタムブランド製品を開発、販売する事業。ベーキングキットやレシピボックスなど、食品関連に焦点を当てた製品を皮切りに開始した。同社によれば、現在プラットフォームには17人のインフルエンサーがおり、今後200人のインフルエンサーが追加される予定だ。現在月間収益は約25000ドル(約272万円)を達成している。

Whatnot
プロによって認証された収集品を売買するための市場。FunkoPopフィギュアを皮切りに開始した。GOATの収集品版のようなものだ。同社によれば、GMV(流通総額)はローンチ後約3か月で月額3万ドル(約326万円)を上げているという。Whatnotについて以前書かれた記事はこちら

Pantheon
Science Bowlや英国のUniversity Challengeのような、大学生に向けた知識ベースのクイズショーイベントをモデルとしたPantheon。中高の生徒が集い競い合うだけでなく、同じような趣味を持つ仲間と出会って井戸端会議もできるアプリである。また、大学や企業が有望な候補者を見つけることができる一種の「採用」プラットフォームとしても機能する。

Glimpse
新型コロナウイルスの蔓延を遅らせるため自主隔離を行なっている最中、1人で過ごす孤独な時間を少しでも和らげることができるアプリがこれだ。Glimpseを使用すると、友達や友達の友達と2分未満の短いビデオチャットをセットアップできる。Instagramを無制限にスクロールするような受動的なものではなく、1日中費やす会議よりも短時間の対話のほうが価値を感じる場合がある。

Multiverse
独自のロールプレイングゲームを構築できるプラットフォーム。『Dungeons & Dragons』のようなオープンエンドのゲームやRobloxなどDIYのゲーム構築サイトに着想を得て設立された。

Nugget
ずばり「オーディオ版Instagram」。ユーザーは短いオーディオクリップを録音し、フィルターを適用してサウンドをアレンジし、ソーシャルフィードで共有することができる。自発的なスナップショット型のポッドキャスティングは、間違いなく我々の時代に合ったアプリと言えるだろう。

Together
Facebookはプライバシーにおいては改善されるべき点が多い。ユーザーのプライバシーを確保するため、Togetherはそのギャップを有料のソーシャルメディアアプリで埋めることを目指している。

Zelos
Zelosではゲーマーが無料で複数のビデオゲームにおいて報酬を獲得することができる。毎週32000人のプレイヤーがチャレンジを完了し(1分間に3人のキルを達成など)、バーチャルグッズ、割引、ガチャなどと交換できるポイントを獲得している。より多くのエンゲージメントを求めるゲーム開発者には、Zelosと統合することにより、ポイントスコアリングを高速化し開発者と分割する月額5ドル(約540円)のプレミアムサブスクリプションも用意している。

The Mercer Club
The Mercer Clubは高級ストリートウェアとシューズのメンズ向けレンタルサービスだ。月額75ドル(約8000円)を支払うと顧客は毎週2点までのアイテムを借りることができる。Instagramで1度着るだけのために10万円のグッチのパーカーを買う必要がなくなるというわけだ。「メンズ向けRent The Runway」の同事業モデルはすでにARR10万ドル(約1080万円)にまで成長している。

Adla
Adlaは試着してから購入できる服が詰められた箱を大学生の女の子に送り、購入したくない残りの服を受け取りに来るというサービスだ。同社はキャンパスコミュニティでの人口密度と人気の広がり早さで利益を伸ばしている。アイテムごとに7ドル(約760円)のマージンを請求し、最終的には顧客ベースを活性化させたいブランドを推奨することでコミッションを獲得したいと考えている。

Virgil Insurance
Virgil Insurance は65歳になる高齢者がメディケアの助成を受けた健康保険を購入するのを支援するサービスだ。オンラインブローカーを使用すれば、プランを簡単に比較することができ、コールセンターで延々と待たされることもない。毎日1万人の米国人が65歳を迎えるため、保険ブローカーは年間60億ドル(約6500億円)の手数料を稼いでいる。創設者らは以前に、サブスクリプションをキャンセルするためのTrimや、パワースポーツ車両購入のための資金調達をするOctane Lendingなどのフィンテックスタートアップを立ち上げた経歴を持つ。

Art in Res
Art In Resは、顧客が作品を予約購入できるファインアートのためのマーケットプレイスだ。同スタートアップは販売数よりも生産数の方が多いアーティストを登録し、割引や分割払いの価格付けや、ソーシャルメディアのフォロワーを収益化するためのツールを提供する。生計を立てるためにコーディングを学んだ画家としての過去を持つArt In Resの共同創設者は、現在新しいeコマースチャネルを探している125人のアーティストと提携している。

Hideout
米国のレストラン事業は8600億ドル(約93兆円)の市場であるが、全売上の59%はミレニアル世代によるもので、テイクアウトまたは配達用であるとHideoutは述べている。同スタートアップはデリバリーに特化したレストランブランドのポートフォリオを構築しており、日本のカツサンドやオーガニックボウルのブランドを皮切りに、イタリアのサブサンドや弁当ボックスに焦点を当てたコンセプトにも着手する予定だ。

Duffl
Dufflは大学生の「今すぐ欲しい」リアルタイムでの必需品需要をターゲットとし、10分以内にアイテムを届けるというサービスだ。キャンパス付近に学生が頻繁に購入する商品を保管し、学生を雇って電動スクーターで商品を届けるというものだ。収益は配送料のほか、大量購入によるマージンによって捻出されている。

Thunderpod
フィットネスを餌とするたまごっちのようなアプリ。各ユーザーはThunderpodアバターを取得し、アクティビティを実行するごとにそれが成長する仕組みだ。アプリはユーザーの動きを記録し、友達とフィットネスチャレンジで対戦したり、ユーザーが作成したダンスなどのフィットネスチャレンジの莫大なカタログから試すことも可能。インドで急成長中のテクノロジー市場から誕生した、増え続ける消費者向けソーシャルアプリの1つだ。

Carupi
中古車のP2Pマーケットプレイスを開発したCarupiはブラジルで事業を開始した。2021年の第1四半期までに米国に進出する予定だ。

Motion
MotionのチームはChromeユーザーがウェブ上での時間をより効率的に管理できるようにする拡張機能を構築している。より柔軟な構造を持つ同ツールは、単純なブラックリストやホワイトリストの域を超え、ユーザーがサイトを「非生産的」と指定することにより徐々に習慣を変えていくというものだ。現在このツールは無料で使用できるが、消費者に広く受け入れられるようになった後、より広範なB2B戦略に発展させることを望んでいる。

Cron
CronはGoogleカレンダーのための「超人」を構築している。Cronの共同創設者であるRaphael Schaadは以前、オリジナルのiA Writerアプリの作成に貢献した経験を持つ。彼の新しいスタートアップはGoogleカレンダーのパワーユーザーに月額19ドル(約2000円)をチャージし、ワークフローをクリーンアップしたり、ほかの生産性アプリと統合したりできる追加のパワー機能を提供する。

Moons
中南米版のSmileDirectClubとして自身を説明するMoons。2019年3月のローンチ以来、矯正治療とクリアアライナーを提供しており、SmileDirectClubの半額の価格であると主張している。同社の月間売上高は60万ドル(約6500万円)で、15の店舗で200人以上の人材を雇用している。Moonsについて以前書かれた記事はこちら

Chutney
インドの増加し続けるオンラインユーザー人口をターゲットとして、Chutneyは「インドにおける大衆市場向けのAmazon」になりたいと考えている。顧客はWhatsAppを使用して近くの小規模な店から新鮮な果物や野菜を購入し、翌日ピックアップするというものだ。

Yassir
Yassirはフランス語圏のアフリカ向けにデザインされたアプリだ。29か国に住む4億3000万人と推定される人口に一連の金融サービスを提供したいと考えている。

EduRev
試験勉強をしている2億人のインド人学生を対象とするエドテック企業がEduRevだ。試験準備プラットフォームのサブスクリプション費用は年間50ドル(約5400円)で、月毎のアクティブユーザーは45万人を超える。放課後の塾の代わりにと開発されたEduRevのアプリでは、生徒達にデジタル形式の受験コースを提供している。

Riya Collective
インドのウェディング衣装は高価なため、Riya Collectiveはウェディングに特化したRent The Runwayスタイルの事業をローンチした。2人のインド系米国人起業家によって設立された衣料品レンタルの同スタートアップは、データ駆動型のスタイリングおよびサイジングアルゴリズムを使用。同社の収益は3か月で月1万ドル(約110万円)から月5万ドル(約540万円)に成長している。

TagMango
「インド版Cameo」と言えるTagMangoは、トップインフルエンサーや有名人からのパーソナライズされたビデオメッセージを予約し購入できるというもの。同スタートアップは、単純に言えばボリウッドをよりインタラクティブで身近にすることで利益を得るという目論見だ。同社は1ビデオあたり平均20ドル(約2150円)をチャージしている。

FitnessAI
1万8000人の有料ユーザーを誇るFitnessAIは、パーソナライズされたウエイトトレーニングプランを提供している。創設者Jake Morは、10年間にわたるアプリ制作の経験を持ち、フィットネスアプリ制作に関しては4年の歳月をかけている。年間費用は90ドル(約9700円)となっている。FitnessAIについて以前書かれた記事はこちら

GiveAway
12か月前に設立されたGiveAwayは、中古品を提供するP2Pマーケットプレイスを構築している。5か国にまたがるユーザーベースで17万件を超える取引を成立させている。従来の市場とは異なり、ユーザーは入札を通じて仮想通貨で商品を購入する仕組みだ。

Deep Meditate
Deep Meditateでは個人に合わせたメディテーション(瞑想)のトレーニングを年額26ドル(約2800円)で提供している。同アプリは現在、月間15万8000人のアクティブユーザーを獲得している。

Pahamify
インドネシアのYouTubeサイエンスインフルエンサーによって設立されたPahamifyは、インドネシアの学生の大学入試をサポートするアプリだ。同スタートアップは従来の対面式個人指導などとは異なる指導方法を提案している。同社によると、年間約24ドル(約2600円)の同サービスは月間約6万5000人のユーザーを獲得している。

Edlyft
大学でコンピューターサイエンスを専攻した2人の高校の元同級生が、大学卒業後ベイエリアで再会したことから設立された同社。コンピューターサイエンスを勉強した経験がないものの、今後専攻したりキャリアにしたりしていきたいと思っている大学生を、メンターネットワークやチューターを通して支援するというものだ。

PlayStation 5のDualSenseコントローラーはゲーム用アクセサリーの未来を告げる

Sony(ソニー)がPlayStation 5のコントローラーのデザインを明らかにした。それは、好評だったDualShock(デュアルショック)系列の後継機で、その新世代機の名前としてDualSense(デュアルセンス)と呼ばれる。

そのデュアルセンスコントローラーは黒と白を身にまとい、ゲームパッドというよりは、未来的なプラスチック製装甲ロボットの装具のようだが、それでもなお、デュアルショックの名残は明らかにある。とくにボタンのレイアウトは、代々のPlayStationでおなじみのものだ。しかしデュアルセンスには触覚的フィードバックがあり、Sonyによると、これによりゲームの没入感覚がより高度になる。

触覚的フィードバックは、現世代のコントローラーの、かなり一般的で特定の原因のない低周波ノイズを抑えるための改良だろう。またソニーはさらに、新しいL2とR2に加えた「アダプティブトリガー」(adaptive triggers)によって、前よりも触覚的なレスポンス(応答性)を加え、そのためにゲーム内のアクションを実行しているときに、いろいろ異なった種類の張力応答がある。たとえばその例のひとつが、「弓を引いて矢を射る」という応答だ。

そのため、外見はデュアルショック 4よりややずんぐりしていて、アダプティブトリガーのために内部のスペースが必要になっている。でもソニーによると、デザインを変えて部品の角度を変えるなどの工夫で、コントローラーを手に持ったときの感じは見た目よりずっと軽いそうだ。

このコントローラーは専用の「Share」ボタンがなくなり、新たに「Create」ボタンができた。それは、前の機能+αだと思うが、ソニーからの詳しい発表はまだない。

  1. ps5g1

  2. ps5g2

  3. ps5g3


一方、新たに設けられた内蔵マイクにより、ヘッドセットの要らない音声チャットができる。ただしこれは正規の入力として使われるのではなく、単に「あると便利」という機能のようだ。なぜならソニー自身は依然として、長時間のプレイにはヘッドセットを勧めている。

あえてルックスだけに限定して見れば、ソニーは明らかに、これまでのコントローラーのおとなしい黒から、もっと大胆なデザインを目指したようだ。ツートンカラーのストームトルーパーのような基本色に、中央タッチパッドの両側のライトバーが色どりを添えている。

個人的にはこのルックスは好きだし、またUSB-Cのポートは充電状態をチェックできるので良い。PS5本体にそれほど関心があるのか、自分でもよくわからないけど、コントローラーは非常にそそる。アップグレードが待ち遠しい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

回線混雑緩和のためゲームのダウンロードに速度制限

新型コロナ感染抑制の世界的取り組みのために自宅で釘付けにされている数十億の人々にとって、ゲームはうってつけの逃避方法だ。しかしゲームは巨大だ。Microsoft(マイクロソフト)、Sony(ソニー)をはじめとするゲーム各社は、巨大なゲームをダウンロードする何百万人もの人たちが帯域幅を独占しないよう対策を始めている。でも心配無用、あなたのゲームプレイには影響しない。

コンテンツ配信ネットワークのAkamai(アカマイ)のブログ記事で、インターネットのインフラが直面している津波のようなトラフィックを軽減するために同社が行っていることをいくつか説明している。もちろんビデオストリーミングは最大要因の1つだが、ゲームも連続的ではないもののネットワークにとって大きな負担だ。

Akamaiは「主要ソフトウェア配信業者、特にゲーム業界についてはマイクロソフトやソニーと協力して、ピーク利用時の混雑緩和に取り組んでいる。アップデートが公開された時に大量のトラフィックを生むゲームソフトのダウンロードは非常に重要だ」と記事は書いている。

例えば最新のバトルロイヤルゲーム 「Call of Duty: Warzone」が先週無料で公開され、大きな人気を呼んでいる。ご存じない方のために書くと、Call of Dutyシリーズの最新タイトルであるWarzoneは80GB以上のダウンロードサイズでNetflixの映画数十本分に相当する。さらにいうと、その80GBは自宅のネット接続の最大帯域幅でダウンロードされる可能性が高い。ストリーミングビデオは、数Mbに抑えられているので、接続を独占する心配はない。

関連記事:Netflixが新型コロナによる通信量増加で欧州でのストリーミング画質を30日間抑制へ

Warzoneだけではない。ほかにも山ほどの人気ゲームが、ゲーム以外することのない多くの人たちが家にいる時期にリリースされた。PCゲームプラットフォームのSteamは先日2000万同時ユーザーを記録し、あるアナリストはゲームのトラフィックが400% 増えたと言っている。つまり、ゲームはかつてないほど多くプレイされていて、ゲームのサイズはかつてないほど大きい。

そういうわけで、ゲームのダウンロードは近いうちに帯域幅を絞られる可能性がある。少なくとも一部の分野では。「プレーヤーはゲームのダウンロードが多少遅く感じるかもしれない」とSony Interactive Entertainment(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)CEOのJim Ryan(ジム・ライアン)氏はブログ記事に書いている。TechCrunchはマイクロソフトとNintendo(任天堂)、Valve(バルブ)にも各社のやり方を質問している。

重要なことだが、これはダウンロード以外のゲームプレイには影響しない。ゲームのダウンロードと異なり、ゲームプレイで使用する帯域幅はおどろくほど小さい。プレイのタイミングを維持するために、パケットを高速でやりとりすることは重要だが、データ量は低解像度のストリーミングビデオと比べても少ない。

ゲームのダウンロードは夜間に行うのがベストだ。地域のネットワークインフラは多くの人が寝ている間の方が混雑が少ないからだ。昼間にダウンロードやアップデートするときは、いつもより時間がかかったり、待たされることになっても驚かないように。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Cloudがゲームのためのマネージドクラウドバックエンド「Game Servers」を立ち上げ

Google Cloudが3月13日、ゲーム開発者がゲームを動かすための日常的なバックエンドをクラウドで提供するマネージドサービス、Game Serversのベータ版をローンチしたことを発表した。マルチプレイヤーのゲームもサポートするが、ゲームストリーミングサーバーではなく、ゲーム開発者がゲームのバックエンドサービスを制作、拡張、管理する作業を楽にしてくれる。

このサービスは、GoogleとUbisoftが2018年に発表したオープンソースのゲームサーバープロジェクトAgonesと、コンテナオーケストレーションプラットホームKubernetesがベースとなっている。Google CloudのプロダクトマネージャーであるScott Van Woudenberg(スコット・ヴァン・ウーデンバーグ)氏によると、このサービスはマルチクラウド上のKubernetesクラスターを管理するGoogleのサービス、Anthosも部分的に使用している。そしてGame Serversは目下Google Kubernetes Engine上でのみ動くが、年内にはハイブリッドクラウドやマルチクラウドもサポートされる予定だ。

すでにかなり多くのゲーム企業が、独自のオンプレミスサーバー集団を構築しているから、エンタープライズの場合と同様、このようなツールもハイブリッドクラウド対応であることが必須だ。またGame Serversの外ですでにAgonesを使っているデベロッパーも、そのサーバーをGame ServersのAPIで登録すれば、Game Serversのマネージドサービス下に置くことができる。

ヴァン・ウーデンバーグ氏が指摘するとおり、今では事実上ほとんどすべてのゲームが、何らかのクラウドバックエンドを必要としている。例えばマルチプレイヤー機能や対戦相手の組み合わせ(マッチメイキング)、長期保存性のあるゲームデータなどは、多くの場合でクラウドを利用している。それは大手のゲームスタジオだけでなく、インディーの開発者でも同様だ。Game Serversを利用すれば、それらの開発者は必要に応じて容易にクラスターのスケールアップしたり、ダウンできるようになる。Game Serversにはまた、A/Bテストやカナリアテストの機能もあり、将来的にはマッチメイキングフレームワークであるOpen Matchの統合も予定している。

利用には、ゲームサーバーがコンテナ化されていることが必要だ。すでにAgonesを利用している企業なら、それは単純な作業だろうとヴァン・ウーデンバーグ氏は言う。その他のさらに助けを必要とする企業には、Googleがそのパートナーと一緒に導入支援をを行う。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

F1は延期レースを仮想グランプリとして開催

F1(フォーミュラ1)は、COVID-19のパンデミックを受けて計画されていたいくつかのレースを延期、またはキャンセルする必要に迫られた。オーストラリア、バーレーン、モナコ、ベトナム、中国でのレースの中止がすでに決定され、オランダとスペインのグランプリも延期された。そこでF1のオーガナイザーは、米国時間3月20日にeスポーツのシリーズとして「F1 Esports Virtual Grand Prix」を開催することを発表した。何人の現役のF1ドライバーに並んで、他分野の多くのスターも参加する。

画像クレジット:William WEST/AFP/Getty Images

この仮想F1レースには、Codemasterの「Formula 1 2019」というPC用のF1公式ゲームソフトが使われる。ファンはF1.comに加えてYouTube、Twitch、Facebookでもレースを観戦できる。レースは本物のレースのほぼ半分の長さである28周に設定される。最初のレースは米国時間3月22日に開催される。

「F1 Esports Virtual GPを開催することで、少しでも明るいニュースをお届けできることを非常にうれしく思います。先行きの見えない時期ですが、通常のスポーツイベントがなくなって残念に思っているファンを楽しませたいと願っています」と、F1のデジタルビジネスとスポーツ部門の責任者、Julian Tan(ジュリアン・タン)氏は述べた。「世界中のメジャーなスポーツリーグがことごとく競技を中止している今は、eスポーツの利点と、そこで発揮されるすばらしいスキルを世に示す大きなチャンスです」

F1ドライバーの中には熱心なゲーマーもいるが、多くはそうではない。そのスキルレベルの違いを補うために「ゲームの設定は、競技性の高い、見ていて楽しいレースとなるように調整されています」と、オーガナイザーは説明する。つまり、すべての車が同じ性能となるように設定、車体へのダメージは軽減され、オプションとしてアンチロックブレーキとトラクションコントロールも使えるようになる。

オーガナイザーによれば「このシリーズは厳密にエンターテインメントのみを目的としており、全世界が影響を受けている前例のないシナリオの中で、ファンにレーシングアクションをお届けするためのものです。ドライバーが公式の世界選手権ポイントを獲得できるものではありません」という。

このように、実際のレースが延期されてもファンがイベントへの興味を失わないようにしてもらおうとアクションを起こしているモータースポーツはF1だけではない。例えばNASCARは「eNASCAR iRacing Pro Invitational Series」を今週末に開催する。これにも現役ドライバーが参加する。

「我々の車がレース場に戻ってくるまで、NASCARコミュニティ全体が協力して、ユニークで楽しく競技性の高い体験を元のレース当日に、情熱的なファンに提供します」と、NASCARのレース開発担当副社長のBen Kennedy(ベン・ケネディ)氏は述べている。「我々の長年のパートナーであるiRacingは、信じられないような製品を提供しています。最高のドライバーの多くが、この仮想レースにこぞって参加し、競い合うのを楽しみにしています」

また大西洋の反対側では、ニュルブルクリンク耐久シリーズも、同シリーズ初の試みとなる仮想ラウンドを3月21日に開始する。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

PlayStation 5は5GB/秒超で容量825GBのSSD搭載、GPUはAMDのRDNA 2アーキテクチャ

ソニーが1月のCESで発表したのはPlayStation 5という名前だけだった。 同社はサンフランシスコで開催されるはずだったGDC(Game Developers Conference)で盛大なプレゼンを計画していたが、新型コロナウィルス(COVID-19)問題が発生してしまった。そこでイベントをライブストリーミングで実施することとした。このビデオが次世代ゲーム・コンソールについて現在最も広汎で確実な情報となる。

ビデオではPlayStationのリード・システムアーキテクトを務めるMark Cerny(マーク・サーニー)氏がカメラに向かって地味なプレゼンを始める。カンファレンスがこうしたライブストリーミングになったのは新型コロナウィルスの拡大を防止するためには対人接触をできるかぎり避けるのが有効と判明したためだ。

サーニー氏は冒頭、PS5に5GB/秒の速度のSSDが搭載することを発表した。 これはデベロッパーからの要望のナンバーワン事項だったという。SSD化にともないPS5のI/Oは現行PS4と比較して最大100倍速くなっているという。

ソニーはまた、XboxシリーズXなみの高速化を実現するためにPS5にどのようなテクノロジーが搭載されるか詳しく説明した。PS5ではウルトラ・ハイスピードのSDDとともに、レイトレーシングが可能なカスタムのAMD製GPUを搭載する。3Dオーディオはソニーのマルチメディアホームエンターテインメントを改良して利用している。Xbox同様下位互換性があり、特にPS4との互換性を確保している。

CPUは3.5GHz、8コアのAMD Zen 2だ。GPUはAMDのRDNA 2アーキテクチャを利用しており、36 CU(Compute Unit)で10.28TFLOPSを発揮する。メモリは16GB、SSDは825GBが搭載される。システムの電力消費と発熱を抑えるよう設計された新しいブースト機能がある。

サーニー氏によれば、PS5は熱を抑えるために「温度そのものではなくGPUとCPUが実行しているタスクを監視する」。この情報に基づいてクロック周波数を上下させる。システム冷却の仕様の詳細は、今後行われるシステムの「徹底解説」で明らかにすることを約束している。

3Dオーディオは「新しい夢を発見する」というセクションで説明された。サーニー氏は「グラフィックスを主体とするシステムでは往々にしてオーディオは後付けにされてしまう。残念ながらPS4ではそうだった」と述べた。しかしPS5でははPSVRの没入型オーディオを利用した新しいバージョンが導入され、ゲーム機オーディオにプレゼンスや位置定位などの機能に焦点を当てた。ソニーではユーザーが利用するデバイスがさほど高度でないホームステレオシステムやヘッドフォンであってもバーチャル・サラウンドサウンドを提供する能力が大きく改善されたとしている。

Xboxの新シリーズ同様、PS5の発売も今年末になるはずだ。今回、ソニーはほんの表面を説明しただけだろう。クリスマスまでまだ相当の間があり、今後完成される要素も多いはずだ。

さてゲームに付き合ってくれる人は誰かいるかな?

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

フォートナイトの急成長、テックジャイアントが注目する「メタバース」とはなにか

【編集部注】本稿は米国スタートアップやテクノロジー、ビジネスに関する話題を解説するPodcast「Off Topic」が投稿したnote記事の転載だ。

こんにちは、宮武(@tmiyatake1)です。これまで日本のVCで米国を拠点にキャピタリストとして働いてきて、現在は、LAにあるスタートアップでCOOをしています。Off Topicでは、次世代ゲームの話や最新テックニュースの解説をしているポッドキャストもやってます。まだ購読されてない方はチェックしてみてください!

はじめに

日本ではそれほど盛り上がってないかもしれないが、グローバル、特に米国では2018年頃からFortnite(フォートナイト)ブームが続いている。FacebookやTwitterなどのSNSの競合もフォートナイトと言われている。他にも、ストリーミング戦争の記事でも少し記載したが、Netflixの代表が株主総会で競合としてフォートナイトを指名するなど他業界でも脅かす存在となっている。実際に若者層からの支持は圧倒的で、親会社であるエピックゲームズは、フォートナイトを次世代SNS、そしてインターネットに続く世界インフラである「メタバース」の構築を狙っている。

今回は、ユーザーのアテンション(注目)を奪い合う戦いになっている今、フォートナイトがなぜこれほど支持されているのか、「メタバース」とはなにか紹介したいと思う。メタバースを知ることによって、Facebookがオキュラスを買収した意図、マイクロソフトが今まで以上にコンシューマーサービスに注力しているかなど理解できるだろう。

フォートナイトとは

フォートナイト(Fortnite)はエピックゲームズが開発・発売しているバトルロワイヤルゲーム。オンライン上で100人と同時にプレイができ、戦った最後に残った1人が勝ちだ。

フォートナイトが初めて発表されたのは、2011年。技術が遅れていたため、実際に公開されたのは6年越しの2017年だった。最初は、今のように基本無料の形ではなく、プレイするのにお金がかかるモデルだった。

すぐに無料でプレイできるモデルに変更したフォートナイトは、最初の1カ月で50万ダウンロードされ、2カ月目に100万ダウンロードを達成した。もともろバトルロワイヤル形式ではなかったフォートナイトは人気ゲーム「PUBG」をコピーし、「フォートナイト バトルロイヤル」を同年に公開。PUBGが人気だったため、フォートナイトもすぐに火がついた。公開初日で100万人、その2週間後には1000万人を達成。

以下の図は、フォートナイトの成長を表している。こう見ると、凄まじいスピードで成長しているのがわかる。

ここ数年の「eSportsブーム」により、リーグ・オブ・レジェンドやDota 2がなどもユーザーを増やしたが、驚異的なスピードでフォートナイトが抜いていった。

20%以上のユーザーが1週間のうち16時間以上プレイをし、35%以上のユーザーがフォートナイトが原因で学校の授業をサボったことがあると言われている。Off Topicのポッドキャスト(#19 Fortniteの大ヒットからみる次世代ゲーム事情)でも話があったが、人気になりすぎてフォートナイト中毒から抜け出すセラピーキャンプに子供を通わせる親もいるほどだ。

すごいのはプレイ時間だけではなく、売上も伸びている。2019年だけでフォートナイト事業は18億ドルの売上を達成。以下の2018年のフォートナイトの1ユーザーあたりの売上でも、Google、Facebook、Twitter、スナップチャットを合計額の約2倍もある。

フォートナイトの影響はそれだけではない。大麻やタバコ、アルコール、エロ、テレビの代理ソリューションとなっている。数年前はゲームばかりしている子供を心配している親が多かったが、実際はよかったのかもしれない?

フォートナイトがこれほどまで人気な理由

なぜこれほど人気なのか?それはフォートナイトが成功するタイミング、機能、そしてユーザーを徹底的に理解していたから。

1. 人気ゲームコンセプトへの参入スピードと柔軟性
PUBGなどバトルロワイヤルモードが増え、多くのゲームユーザーはこのフォートナイトがベースになりつつあった。フォートナイトは、元々異なるゲームだったのに対し、急遽変更できたのは柔軟性が高いゲームエンジンを持っていたから。

2. クロスデバイスと無料化でプレイできないという状況をなくす
フォートナイトが2.5億人ユーザーまで成長できたのは、様々なプラットフォーム(PC、モバイル、コンソール)でのプレイを可能にしたからとも言える。今まではPCやコンソールゲームはデバイスありきで、ソフトを買わなくてはならなかった。そのため友達みんなとプレイすることができなかったが、今は全員スマホ持っているので、プレイすることができないということがないのだ。

エピックゲームズが開発した「Unreal Engine」(後ほど詳しく説明する)のように1つのコードベースでマルチプラットフォームへ配信可能にするのが普通になるだろう。 DauntlessというハンティングゲームもPCとコンソールのクロスプレイを実装したら3週間でユーザー数が4倍に増加。その影響か、リーグ・オブ・レジェンドもようやくモバイル版のリリースも発表された。

3 . 「ゲーム」から「ソーシャル」への進化
フォートナイトの凄みは、ゲームからSNSへと進化していっていること。発売当時のユーザーは、「フォートナイトを一緒にプレイしよう」と言っていた。今は、「”フォートナイトで”集まろう」と場所になっているのだ。今までは放課後、カフェやモールに行っていたのがフォートナイト上でだらだらする若者が増えている。フォートナイトをしながら、友達と話したり、ゴシップ話をするのが普通になってきているのだ。平均使用時間は、1〜1.5時間と言われている。高い数値と言われていたスナップチャットの30分よりも圧倒的に高い。フォートナイトは意図的に「サード・プレイス」として生まれてなく、そこへ進化したことがよりユーザーが好んでいるかもしれない。フォートナイト現象が起きるからこそ、次のSNSプラットフォームはゲームになるのではないかとAndreessen Horowtizなどが予想している。

4. 常にアップデートされる新しいコンテンツ
これまでのゲームは、3〜5年と長期スパンで続編を発売していたが、次世代ゲームは月1ペースで新しいコンテンツやゲームを変化させている。ユーザーフィードバックなどを活用してゲームは進化し続ける。まさにGame-As-A-Serviceになっている。

5. ユーザーが自ら作れるクリエイティブモード
昔からあったが、今だと新しいツールを利用してユーザーが改造・変更する「Mod(モッド)」を作るのがトレンドになっている。PUBGやリーグ・オブ・レジェンドなど有名ゲームもModだった。

フォートナイトのクリエイティブモードでYouTuberのMustard Playsがゲームを公開。フォートナイト内で全く別のストーリーやパズル、障害物コースを作ったミニゲーム。自分のアバターが全く別のゲームの主人公になっている姿を見るのワクワクする。

フォートナイトの野望「メタバース」

メタバース(Metaverse)とは、SF作家のニール・スティーヴンスンによる「スノウ・クラッシュ」の作中で登場するインターネット上の仮想世界のことを指す。「メタ」はギリシャ語で「beyond(超える)」と言う意味から、今の世の中を超える世界、いわゆるインターネット2.0、インターネットの次のインフラとして言われている。オフラインとオンラインがより統合されたものと言われていて、セカンドライフや映画 マトリックス、最近だとレディ・プレイヤー1などがイメージとして言われているが、実際にメタバースというものがどんな形になるかはいまだに誰も理解していない。

ただ明らかなのは大手テック企業のCEOたちは、メタバースを重要視しているということ。フォートナイトの進化、FacebookやGoogleがハードウェアへの参入、MicrosoftやAmazonがクラウドコンピューティングへの投資などはもちろん短期的利益もあると思うが、裏にはメタバースの作成というマクロな目的が各CEOの頭にある。大手テック企業の社長室には似た本やものが置いていることがあるが、最近だと「メタバース」や「アバター」と名付けたニール・スティーヴンスンの『スノウ・クラッシュ』が一番読まれているのではないかと思う。

メタバースとはなにか?

メタバースがなにかと聞かれると回答するのは難しい。マトリックスやレディ・プレイヤー1など、バーチャルリアリティ的なインターネット世界へ繋がるような表現をされることが多い(おそらく違う)。1982年にインターネットが2020年にはどのようになるか想像出来なかったように、次のインフラのイメージ図を出すのは非常に難しい。ただメタバースのコアな機能や特徴を紹介したいと思う。

1. 終わらない
オフラインやインターネットの世界みたいに、「オフボタン」はなく、常にあり続けること。

2. 常にライブで同期されている
今までの人生と同じく予定されたイベントなどは実在するが、メタバース自体が全ての人に取ってリアルタイムで体験できるものとなる。

3. 誰でも参加できるアクセス人数は無制限
誰でもメタバースに参加ができ、一緒にイベントや場所、アクティビティーに参加しながら、個性を表現する場所でもあること。

4. 自社経済を持つこと
個人や企業がメタバース上で物やサービスの開発、売買、投資、保有、そして作った物などについて報酬をもらえる経済ができること。

5. オフラインとオンラインやオープンとクローズドで体験を提供

6. データ、デジタルアセット、コンテンツなどで過去ないレベルの相互運用生が可能に
他のゲームでのスキンが別のゲームでも使えるようになったり、Facebookで共有できるようになるのが重要になる。

7. 様々な人々が作るコンテンツや体験があること
個人、小さいグループや会社がコンテンツや体験を作れて提供できるようになる。

逆にメタバースと勘違いされやすいコンセプトは、

1. バーチャルな世界ではない
AIキャラクターが含まれたり、人間が入っているバーチャルなゲームや世界は何十年前からあるが、これはただゲームの目的として作られている世界。

2. バーチャルなスペース

ゲーム性がなく、ソーシャルで集まり、アバターで自分を表現するセカンドライフなどバーチャルなスペースの多くが初期メタバースとして見られることが多いが、これだけだと「世界」としての機能が足りない。

3. バーチャルリアリティー(VR)
VRは単純にバーチャルな世界やスペースを体験する方法だけである。

4. デジタルやバーチャル経済
これも既に過去に存在しているコンセプト。「World of Warcraft(ワールド オブ ウォークラフト)」上でバーチャルグッズを実際のお金と交換したり、バーチャルタスクを実際のお金で取引するケースもあった。

5. ゲーム
フォートナイトはメタバースの特徴を多く捕らえているが、ゲームだけだとそれは足りてない。

6. ディズニーランドやバーチャルテーマパーク
メタバースではディズニーランドのようにに1社がテーマパークをデザインしないはず。ロングテール向けにユーザー自身や色んな会社が自社のテーマパークの乗り物をいっぱい作れるようにするはず。誰でもインターネット上でウェブサイトを作れるような感じ。

7. 新しいアプリストア
メタバースは今考えているアプリストアより遥かに複雑なインフラになるはず。

8. 新しいUGCプラットフォーム
YouTubeやFacebookのようなユーザー生成コンテンツだけではない。メタバースがまだ想像つかないかもしれないが、過去にBI: Before Internet(インターネット前)とAI: After Internet(インターネット後)の世界で別れたように、メタバースもBM: Before Metaverse(メタバース前)とAM: After Metaverse(メタバース後)に分かれてもおかしくないと思う。

なぜメタバースが大事になっていくのか?

大手テック企業がメタバースの構築をリードしたい理由は明らか。インターネットのトップ企業が次々と世界のトップ企業として名前を挙げられている中、次のインフラでも同じことをしなければいけないと思っている。しかも今度はインターネットを超えてオフラインの世界にも入ってくるため、よりユーザーのアテンションと時間、より大きな市場規模となり得る。

さらにメタバースは地域関係なく、平等にリソースのアロケーションが提供されるため、地方に住んでも都内と同じ仕事や経済に入れるようになる。インターネットの普及でそれを少し見ることが出来たが、メタバースだとそれがさらに加速されるだろう。

メタバースで必要になってくる技術とインフラ

メタバースで必要なのは一つの場所に無制限の同時アクセスが出来る技術。この技術はまだ発展中で、ようやく現実になり始めているのが現状としてある。フォートナイトが2019年に実行したMarshmelloのコンサートも1,100万人が同時アクセスされたと記載があるが、実は100人毎のインスタンス(グループ)が10万個に分けられていただけ。Fortniteも100人のグループに分ける理由は100人と言う数字がゲームプレイが一番楽しいからではなく、単純にそれが現状の同時アクセス数のリミットだから。セカンドライフなども多くの人が一緒にプレイしているように見えるが、実はFortniteと同じようにシャーディングされて、地域別にサーバーを置いたりしている。Facebookも何億人も使っているが、他のユーザーではなくFacebookのサーバーだけとリンクしている。何か情報が必要な時にはFacebookサーバーから取っているだけなので、そこまで負担がない。メタバースはビデオ電話とゲームを組み合わせたサーバー負担になる。現在のビデオ電話でも50人以上入ったらかなり遅くなり、そうするとライブ配信とかが必要になるが、ライブ配信はインタラクティブなコネクションがない。結局メタバースのインフラは現在存在してなく、インターネットがメタバースのような体験に今は耐えられない。

さらに課題として上がってくるのは現在のインターネットはオープンなスタンダードで作られたものの、ほとんどのインターネット上のものはクローズドになっていること。Amazon、Facebook、Googleなどで似たような技術を使っているものの、全体としてスタンダード化されていないため、Facebookで作ったものはAmazonにフィットしなかったりする。似た話をすると、画像フォーマットも現状だとGIF、JPEG、PNG、BMP、TIFF、WEBPと多くフォーマットがあり、各自上手く組み合わないケースもある。メタバースではこの技術、フォーマット、インフラのスタンダード化と言うのは必要になってくるが、そこに全世界が合意するのはかなり時間がかかるだろう。

フォートナイトがなぜメタバースに一番近くにいるのか?

その中でなぜフォートナイトが最もメタバースに近いと思うのか?まず、3年前以上からエピックゲームズのCEOのティム・スウィーニー氏がメタバースについて語っている。

フォートナイトが最もメタバースに近い理由をまとめると、

  1. 人気なツールを作り、それを上手くソーシャル化している
  2. プラットフォームの大きさを使って世界中のIPを掻き寄せている
  3. 自分のアバターが中心にあること
  4. ユーザーが自社コンテンツを作れるクリエイティブモードを提供
  5. 全てを可能にしている技術へ投資をかなりしている

1. ツール → ソーシャル → 初期メタバースの流れを既に作っている

メタバースはSNSと同様で最初から作っても人は入ってこない。Facebookも最初に大学キャンパス内での友達や恋人の見つけ方、そして後々写真共有やメッセージングサービスへ変わってからSNSになった。メタバースを作る会社も同じようにツールから初め、それをソーシャル化して、その後にメタバースへと進化させることが大事。

フォートナイトは最初の2つのステップをクリアしつつある。元々は面白いゲームとして知られていたのが、今ではフォートナイト上で集まっておしゃべりをする。面白いのが、フォートナイトでフォートナイトの話をしていないことだ。ゲームの進化についてもCEOのスウィーニー氏はもちろん認識している。

2. フォートナイトの中心には自分のキャラクターがいる

この良さが出てきたのは、スターウォーズの新作とのコラボ企画だった。以下は、マーケティング戦略に詳しいジャック・アップルビー氏の引用だ。

まず、ゲーム内でしか見れないを予告動画を作った。ここで注目するのはコンテンツがどれだけ見やすいことなどではなく、フォートナイト上で友達と共有し一緒にバーチャルな世界で予告が見られること。

ワンタイムイベントも人気だった。特にライトセーバーの好きな色投票はかなりの数集まった。投票自体は何もゲームにはおそらく影響なかったが、プレイヤーが参加している気分を作るのが大事だった。

ゲームコンテンツとしてはライトセーバーを装置してプレイできるようになった。これがおそらく多くのファン心をくすぐる瞬間だろう。これはディズニーがカルフォルニアに作った新しいスターウォーズのテーマパーク「ギャラクシーズ・エッジ」でユーザーが自分だけのカスタムライトセーバーが作れると同じように、「自分だけの」や「自分のキャラクター」と言う発想が今までゲームではあまりなかった。

実はスナップチャットも同じような施策をBitmojiで行っていた。彼らもBitmojiを起点にFacebookに勝ちに行っている戦略として見ている。SnapがBitmojiを$62.5Mで買収した時はみんなはてなマークを浮かべていたが、最近リリースしたBitmoji TVや去年自分のBitmojiキャラクターをTinderやAnchorなど色んなプラットフォームで出せる試作を取った時に初めてFacebookが出来ない機能を大きく推したと思った。結果としてSnap DAUの7割がBitmojiを使っていて、直近は「Bitmoji TV」をリリースした。

他のアプリにBitmojiキャラクターを導入させることによって、Facebookには出来ない戦略をSnapができて、それの次のステップがこのBitmoji TV。Fortniteと同じく、自分のアバターをメインキャラにしてアニメ番組を制作していて、友達のアバターもストーリーの中で出てくる。

3. 巨大プラットフォームおかげでの色んなIPが集まる場所になったこと

フォートナイトが大きくなったからこそいろいろなIP、ブランド、ストーリーが集まる場所となった。有名なのはMarshmelloのコンサートだが、それ以降も多くのコラボイベントを実施した。先ほど紹介したスターウォーズとのイベントもでも、映画で公開されてなかった音声がフォートナイト上で流れた。それはいかにフォートナイトが浸透しているのを表していることでもあるし、望んでいる他の世界との繋がりなのだ。

アーティストのWeezerもフォートナイト上でWeezer専用の島を作り、その島に入るとWeezerの新作アルバムが聞けるプロモーションをした。

他にも限定タイムモードでNikeのエアジョーダンを履くことができたり、映画「ジョン・ウィック」とのコラボイベントなども実施。

こういったコラボイベントが重要な理由は、フォートナイトにとっての売上やユーザーのリテンション向上だけでなく、メタバースへ進化するためのIPの収集を実現しているから。例えば、マーベルとDCコミックスの絡みが見れる数少ない場所がフォートナイトだ。フォートナイトが提供するDCコミックの都市ゴッサムシティ内でマーベルキャラクターとしてプレイできるのは今まででは昔だとありえなかった。また、コミックのキャラだけではなく、NFLなどスポーツのユニフォームや、様々なスキンを使って色んなIPをかき集めているのがフォートナイトの強みでもある。これはまさにリアルの世界と同様で、今後のメタバースには重要な中性的立場にあること。

これだけのIPの混ざり合うのは過去見たことがない。これができたのは、オーガニックでユーザーが集まり、IPホルダーたちが無視できない大きなプラットフォームになったからこそ。企業がFacebookページを作るのが当たり前になったように人やIP、ブランドがフォートナイト上存在しないといけない日が来ている。The Game Awards 2019でフォートナイトのクリエイティブディレクターのドナルド・マスタード氏は、「目標は、すべてのIPが共存でき、あらゆる経験ができるメタバースを作ること」と述べていた。

これまでのディズニーのような大手コンテンツ企業は、ゲームスタジオが自社IPを作成し、プロモーションするのはかなりお金がかかっていた。最近では、立場が逆転し、ディズニーは無償でフォートナイトとコラボしているとの噂も。これを考えると、今後D2Cなどコンシューマープロダクトはフォートナイト上でローンチするのも面白いかもしれない。

新しい例だとフォートナイトの新しいゲームをデッドプールがリツイートしたり、その動画内にも出演したコラボもやっていた。


IPの重要性も理解しているフォートナイトは、元Zyngaで、Nikeの最高デジタル責任者であり、経営戦略トップのアダム・サスマン氏を採用したのが明らかになった。

4. 自社コンテンツや世界を作れるプラットフォームを作れる初期メタバースのクリエイティブモード

フォートナイトですごいのはプレイヤーにかなりの自由とクリエイター機能を与えていること。自分のスキンやダンスの動きを作れる。元々フォートナイトで有名なGIFなどになったBackpack Kidのダンスの動きが可能になり、さらにヒットした。

この影響かはわからないが、フォートナイトは今年プレイヤーが自分の踊りをSNSで投稿してそのダンスの動きがフォートナイトキャラが使えるようにする企画も作った。今のTikTokとすごく相性が良いことをやるのはさすがのフォートナイトというところだ。

さらにダンスだけではなく、フォートナイトのエンジンやアセットを使ってミニゲームなどを作れるクリエイティブモードを提供している。このクリエイティブモードがまさに初期メタバースのようになっている。プレイヤーが自分のアバターを選んで多くのミニゲームやミニ世界に入り込める扉を選択できるロビーに出てくる。

クリエイティブモードでは色んなゲームや世界が描かれている。かくれんぼのゲームもあったり、スターウォーズのデススターを再現して脱出ゲームを作る人もいる。

その中で完璧に新しいストーリーなどを作っている人もいる。その中でも凄かったのは6つのマップに渡り、6時間から10時間ぐらいのプレイ時間が必要なゲームをYouTuberが作った。


ここで大事なのは自分のアバターでミニゲームをやること。どのゲームでも同じキャラクター、しかもそれが自分のキャラクターが主人公として出ていると、より愛着が出るし、色んな世界を見たくなる。

5. エピックゲームズの技術「Unreal Engine」の強み

エピックゲームズはフォートナイトで実証したのは、他社と比べて圧倒的な相互運用性を持っているゲーム開発をしていること。フォートナイトのポテンシャルの鍵はその相互運用性にあると思われる。

現在フォートナイトはiOS、Android、PlayStation、任天堂、PC、Xboxなどクロスデバイスでプレイが可能になっている。各社別々のアカウント登録、決済方法、ソーシャルグラフなどを持っているクローズドのエコシステムを打ち破いている。クローズドにしたいのは各社体験をコントロールしたいのと、オープンにすると自社のネットワーク効果がなくなるから。ただ、各社は同じゲームで別のデバイスを持っている人たち同士でプレイしたいことは昔からわかっていたこと。

エピックゲームズがこの圧倒的な立場を取れたのは「Unreal Engine」と言うゲーム開発が可能なゲームエンジン。Unityに続き使われているゲームエンジンなので、何千とのゲームがエピックゲームズのツールやソフトウェアを使っているおかげでアセットの共有、体験のインテグレーション、ユーザープロフィールの共有などベーシックな共通インフラを提供している。

さらにエピックゲームズはゲーム開発だけではなく、多様に活用できるように投資を行っている。映画やテレビ、ライブイベントなどでもUnreal Engineを使えるのだ。実際にディズニーの「マンダロリアン」はUnreal Engineで作られている。

マーベル映画の98%がCGで出来ている中、映画のワンシーンを撮影するときにこんな形になってしまう。

Unreal Engineの技術を使うことにより、裏に実際に撮影で使えるバックグランドのCGなどを入れているので、このような形になる。

ただ、複雑なゲームや映画などを作るのは大変でかなりの知識が必要なので、メタバースでは誰でもコンテンツや体験を作れるようになるだろう。それを実現するためにエピックゲームズはTwinmotionという建築ビジュアライゼーションツール企業を2019年4月に買収。

そう考えると、エピックゲームズはUnreal Engineで3つのクリエーションツールを作った。

  1. 通常のコーディングするエンジン(ほとんどのゲームや映画が作られている方法)
  2. 建築家やセミプロがビジュアルを主に活用したTwinmotion技術での制作
  3. プログラミング未経験でも世界を作れるフォートナイトクリエイティブモード

VRやメタバース用のAdobe Photoshopを作ることについてスウィーニー氏は2016年ですでに言及していた。さらにエピックゲームズが提供するオンラインサービスはゲーム開発社がソニー、Microsoft、任天堂、PC、iOS、Androidのクロスプレイを簡単に可能にしたり、エピックゲームズのアカウントシステムや16億人登録されているソーシャルグラフを活用できる仕組みを無料で提供している。

多くの他社、特に大手は手数料を取っていることが多いが、エピックゲームズに限っては「無料の方が価値がある」と気づいている。それは無料にすると自然とゲーム開発社が寄ってくれて、既に大きなソーシャルグラフにユーザーを追加してくれたり、ゲーム同士がコラボしやすくしたり、プレイヤーが一つのゲームから別のゲームや体験へジャンプしやすくしている。さらに、エピックゲームズの一番の優位点はゲームが増えることによってフォートナイトへ依存しなくなる。

大手テック企業たちのメタバース構築計画

エピックゲームズ以外にも大手テック企業はメタバースの構築をしたがっている。今回はFacebook、Microsoft、Amazon、Apple、Unity、Valveなどがどう言う形でメタバースに入り込もうとしているかを説明したい。

1. Facebook
2014年にFacebookがOculusを買収と聞いた時、ゾッとした覚えがある。ちょうど「サロゲート」というSF映画を飛行機で見たばかりで、Facebookが同じようにVRを通して次の世界インフラをコントロールしたいと思っているように感じた。Facebook CEO マーク・ザッカーバーグ氏は明確にメタバースを開発してコントロールしたいとは言い切ってないが、今までの行動を見るとそういう動きにしか見えない。

Oculusを買った理由をザッカーバーグ氏はこう説明している。「戦略的にモバイルの次のメジャーなコンピューティングプラットフォームを開発したい。次にコンピューティングプラットフォームになり得る選択肢は少ないが、Oculusはコンピューティングの将来の長期的な賭けだ」。

Facebookはどの会社よりもメタバースの構築に入り込まないといけない。SNSより超えるメタバースはFacebookのアプリを意味なくする可能性もある。Facebookは今までハードウェアやスマホのOSの開発を行っていたが、ハードウェアはまだニッチな領域でOSはボツになっている。大手テック企業の中で唯一アプリ・サービスレイヤーに止まっているFacebookがメタバースを通して初めてインフラレイヤーに入り込めるチャンスでもある。Facebookの目的はOculusの力を使ってメタバースで次のAndroid/iOS/iPhone、そしてそこをコントロールできればバーチャルグッズの売買でAmazonになること。

Facebookの現段階の優位性は圧倒的なユーザー数、利用時間、そしてどのプラットフォームよりもユーザー生成コンテンツを持っていること。さらに多大なるキャッシュ、優秀なエンジニア、そして多数の議決権を持っていてこのビジョンをやり遂げたい創業者がいること。

ここ数年でOculus意外にもいくつかメタバースのための買収を行っている。直近だと脳によるコンピューター操作に取り組むCTRL-labsの買収や、買収はしなかったが買収交渉したウェアラブルのFitbitやチップメーカーのCirrus Logicと、ハードウェア買収を本格的にやっている。去年末にVRゲームBeat Saberも買収していて、直近ではVRスタジオのSanzaruも買収を発表。

Facebookは今年Horizonと言うまさにレディ・プレイヤー1 、メタバース的な世界をクローズドベータでローンチを発表。今までのソーシャルな機能とFacebookが伸ばしている仕事用コラボレーションツールWorkplaceを混ぜ込む作戦なはず。キャッシュがあるうちに上手く将来のインフラを読み取ってそこに大きく投資をする度胸と感度はFacebookのレベルの会社でしかできない。

ザッカーバーグ氏もそれを理解している。「歴史を見ると次のプラットフォームが来るのは間違えない。それを作って定義づけをできるものが未来を設計してその利益を取れる」。

ただ、Facebookには課題もある。ゲーム開発プラットフォームなど提供していたが、使いにくいと第三者からの意見が多数あったり、Libraのようなコンソーシアムのリーダーとしてはあまり良い実績が無かったりする。さらに一番の課題はユーザーの信頼性がないこと。データ・プライバシー問題が多々あったFacebookは現在かなり悪い印象になっている中、本当にユーザーがFacebookが作ったメタバースに入りたいのか?と言う疑問点はかなりある。

2. Microsoft
MicrosoftはMicrosoft Office、LinkedIn、Azure、Xboxを使ってメタバースへ入り込もうとしている。MicrosoftはAppleとは変わっていて、オープンなOSを提供している。Microsoft Officeがどのブランドのパソコンでも使えるように、メタバースにあっている仕事のサービス・プラットフォームを用意している。さらにFacebookにはかなわないが、LinkedInと言う大きなソーシャルグラフを持っているのと、世界で二番手のクラウドコンピューティングソリューションを提供しているので、インフラの構築はできそう。さらにXbox+、Xbox Live、HoloLens、マインクラフトなどを通してメタバースへの入り口を作っているのはかなりの優位ポイント。

メタバースをもしMicrosoftがリードするとスマホ世代以来にMicrosoftがOS/ハードウェアのリーダーシップポジションを取り戻すことになる。ここ5年ぐらいのMicrosoftを見ると必死にエンタープライズだけではなく、C向けブランドとしてアピールしている。これはメタバースの準備のためでもあると思う。C向けにもヒットしながら、仕事では欠かせないツールを使うとメタバースではMicrosoftが入るのは必然的になってくる。

3. Amazon
Amazonはインフラが変わってもものを買う場所として生き残るのは間違えなさそう。既にTwitchでも売っているので、色んなタイプのインフラ(ブラウザー、アプリ、ゲームエンジン内)で売ることに対して抵抗感はないはず。さらにAmazonは何百万枚のクレジットカード情報を持っていて、中国外では圧倒的なECシェア率、クラウドコンピューティングでもナンバーワン。様々なC向けメディア(動画、音楽、本、オーディオブック、ゲーム配信)を提供、そしてサードパーティーのコマースプラットフォーム(Fulfilled by Amazon、Amazon Channels)を提供している。

Amazonはクラウドコンピューティング用のゲームエンジンを開発を行っているし、ARメガネ、そして家の中のデジタルアシスタントを開発しているのを考えると、かなり前からメタバースを意識している風に見える。

しかもAmazonのCEOであるジェフ・ベゾス氏はこのインフラ設計をどの会社よりも大事にしている。その一つの例として宇宙輸送事業のSpaceXの目的は火星の植民と違って、ベゾス氏は明確にBlue Origin(SpaceXの競合)の目的はAWSなどと似たように、宇宙のインフラを開発することと言っている。彼曰く、「大きなチップ工場を宇宙で作りたい」とまで発言している。

そう考えるとAmazonはどのテック企業よりもオープンなメタバースに賛同するはず。彼らはUXやアカウントのコントロールは望んでいなく、裏の取引やインフラを構築することで儲けようとしている。

4. Google
メタバースはインターネット以上にデータ量が発生する。そういうデータをマネタイズしたい会社はGoogle。現在オンラインとオフラインのインデックスを一番お金かけてうあくやっているのはGoogle。オフラインのGoogle Map用に1万人以上の協力者がいる。中国外では世界一のデジタルソフトウェアとサービス企業である。Googleは世界で一番使われているOSであるAndroidを提供しているし、一番オープンなクラウドコンピューティングプラットフォームも提供している。

さらに過去に失敗したがGoogleはGoogle Glassを通して本格的にウェアブルコンピューティングに入り込もうとして、今では家の中のデジタル化している流れに沿ってGoogle Assistant、Nest、FitBitなどを買収したりしている。

Google/Alphabetは数多くの関係なさそうなプロジェクトを行っているが、それを全て統合するのはメタバースではないかと踏んでいる。Stadiaのエッジコンピューティング、Project Fi、Google Street View、ウェアラブル、バーチャルアシスタントなどは実はメタバースを意識しているのではないかと思う。

5. Apple
Appleはメタバースに対してあまり賛同しないはず。それはメタバースの存在はAppleの大きなコアビジョンと戦略と遠ざかっているから。Appleは全てのデバイスやOSを一つのプラットフォーム、Appleのプラットフォームで統一させて、クローズドなエコシステムを目掛けている。Steve Jobsのその思いから抜けない限り、Appleはメタバースに賛同しないだろう。

6. Unity
エピックゲームズのUnreal Engineより使われていて、約半分のスマホゲームがUnity上で開発されていると言われている。さらにUnreal Engine以上に建築家やデザイナーがUnityを使って3Dオブジェクトのレンダリングやシミュレーションをつくっている。ディズニーのマンダロリアンはUnreal Engineで行ったものの去年でたライオン・キングはUnityで制作された。Unityはさらに大きなデジタル広告ネットワークを運用している。

ただ、Unityがどのような形でメタバースに関わっていくかが今のところ不明確。オンラインストアもなく、ユーザーアカウントもなく、直接C向けサービスを作っていない。Unityは多くのゲーム開発のコアエンジンとして使われているが、ほとんどは割とシンプルなスマホゲームで、メタバース内で開発されるような新しい世界などはあまりUnityに向いてないかもしれない。ただし、Unityが作っているゲーム開発のスタンダード化(フォーマットなど)、簡単に制作が出来ることなどを見ると大手テック企業が買収して上手くUnityのアセットを使うことは想像できる。

これを考えるとFacebookがUnityを買収したかった理由が明らかになる。ザッカーバーグ氏自身がメールで数千億円かけてもUnityの買収、UnityのOSを買うのは必要と書いていた。以下そのメールの一部だ。

数千億円は高く見えるが、次のインターネットインフラの土台の一部と考えるとその投資は小さいもの。Unityの直近時価総額は$3Bと言われているが、どこかが買収してもおかしくないと思う。

7. Valve
日本ではあまり聞かれないかもしれないが、Valve(バルブ)が運用しているPCゲーム、PCソフトウェアおよびストリーミングビデオのダウンロード販売とハードウェアの通信販売、デジタル著作権管理、マルチプレイヤーゲームのサポート、ユーザの交流補助を目的としたプラットフォーム。Valveのゲームストアはユーザー数、タイトル数、売上などを比較しても圧倒的にエピックゲームズより大きい。さらに古くから人気なマルチプレイヤーゲームのCounter-Strike、Team Fortress、Dotaを作った会社でもある。

ValveはさらにVRハードウェアの開発も何年も前から投資していて、Valveのチームはオープンソース技術を好んでいる人たちでもある。ただ、ValveのゲームエンジンであるSourceはあまり使われてないので、そこがメタバースへの道のりに一番ネックになるかもしれない。

a16zから調達した次世代ゲーム「Roblox」

エピックゲームズに一番近しいゲームはマインクラフトとRoblox(ロブロックス)。Robloxはゲーム制作プラットフォームであり、Roblox上で他の人が作ったゲームをプレイできるレゴやマインクラフト的なゲーム。Robloxはかなり面白い立ち位置にいて、著者はGoogleなどが買収するのではないかと思っている(特にGoogleはStadiaを開始したばかりなので)。圧倒的にメディアに取り上げられることはフォートナイトやマインクラフトより少ないが、実際はフォートナイトよりMAUが多く、マインクラフトに追いついている超人気ゲーム。去年の1月時点で月間10億時間プレイされる驚異的ゲーム。

子供に超人気なレゴでも1カ月で4億時間プレイされていることを考えると、レゴの約3倍の数字を誇るRoblox。そしてRobloxのCEOはまだ40倍延びることが可能と感じている。

そんなRoblox CEOが持っているも2023年までの目標がこれだ。以下はRobloxのKeynoteだ。

フォートナイトみたいに自分のキャラクターを作り、そして他のプレイヤーとコミュニケーションが取れる。Robloxで直近で人気なゲームは自分のテーマパークを作れるゲーム、色んな災害から生き残るゲーム、ピザ屋さんで働けるクッキングゲームなど、かなりバラエティー溢れている。

Robloxは13歳以下の子供たちに人気、YouTubeよりRobloxに時間をかけている。

去年のRobloxイベントではCEOは明らかにRobloxはゲーム以上のカテゴリーだと発言し、75%のスタッフがプラットフォームを作ることにフォーカスしているとのこと。Robloxのすごいところは圧倒的にフォートナイトよりクリエイターが存在し、クリエイターありきで育ったゲーム。今現在400万人のクリエイターがいて、5,000万ゲームがRoblox上で開発された。Robloxは2019年でクリエイターに100億円以上払い、Roblox自体は2019年は$435Mの売上を達成。

すごいのがRobloxの影響力。かなりの中学生以下の親はRobloxを知っていて、子供たちがRoblox経由でお小遣いをお願いすることが多いらしい。そこで自分のキャラクターのカスタマイズ、ゲームでのVIPステータス、アイテム購入のために使っているとのこと。さらに、Robloxはゲーム内の動画ストリーミング(ゲーム内映画館)をテストしている。これは本当にメタバースを狙っているとしか見えない。

そして先日、Andreessen Horowitzがリードインベスターとして$150M調達したことを発表。まだRobloxが買収されてないことが少し不思議に感じる。。

 

結論:結局誰がメタバースを作って、誰が勝つの?

最終的にまだメタバースがどのようなものになるかが見えない中、どのプレイヤーが勝つかはわからない。そしてメタバースは一社が勝つのではなく、複数社、複数プラットフォーム、複数の技術が渋々共同で作り上げるものになるだろう。

メタバースのビジョン、技術、そして機能はまだSF映画で出るようなものにしか聞こえなく、実際に10年後でも出来上がっているかはわからない。ただ、技術やメタバースに興味があるプレイヤーが増えていくごとにメタバースへの世界が近づいているのは間違えない。そのメタバースが一つの会社、もしくはオープンではなくクローズドなメタバースを作りたい会社が構築してしまうと、一般ユーザーの人生、データ、コミュニケーション、そして社会に対しての影響力、権力集中が凄いことになってしまう。エピックゲームズのスウィーニー氏が自社でメタバースに関わりたいのも、GoogleやFacebookが保有している力、特にユーザーデータをメタバースで同じことを繰り返したくないから。彼は何があってもユーザーデータを他の会社に共有せず、それを広告で一切使わないと誓っている。

ただ、コンセプトとしては多くのゲーム(フォートナイト、マインクラフト、Roblox、GTAなど)がこの領域に一番近いと言ってもおかしくない。各社ユーザー数も劇的に伸びていて、今はゲーム以上のものへシフトしている。

結局このメタバースも100社はいないかもしれないが、バトル・ロワイヤルであり、誰が生き残るかを楽しみにしている。

Epic Gamesが顔の動きをキャプチャするCubic Motionを買収

米国時間3月12日、ゲームタイトルの「フォートナイト」やゲームエンジンの「Unreal Engine」で知られるEpic Gamesが、英国のコンピュータビジョン企業Cubic Motionの買収を発表した。Cubic Motionは、複雑なカメラリグとソフトウェアでリアルなフェイシャルアニメーションをキャプチャするプラットフォームを構築しているスタートアップだ。

Epic GamesはCubic Motionとともに、ここ数年で技術デモをたくさん制作してきた。そのデモの中心は、アクターの顔の動きをリアルタイムでデジタルキャラクターに変換するものだった。2019年に登場したCubic MotionのPersonaシステムは、ソフトウェアとモーションキャプチャ用のハードウェアリグをセットにしたものだ。

Cubic Motionのテクノロジーは、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの「ゴッド・オブ・ウォー」やInsomniac Gamesの「Marvel’s Spider-Man」といった大ヒットゲームタイトルで使われている。

Cubic MotionはNorthEdge Capitalから2200万ドル(約24億円)以上を調達していた。買収の条件は明らかにされていない。両社のプレスリリースによれば、Cubic Motionは今後も既存の顧客にサービスを提供すると同時に、自社の技術とUnreal Engineの統合を加速させるという。

Epic GamesとそのライバルであるUnityは、これからも自社のリアルタイムゲームエンジンが大手ゲームメーカーに採用されることを狙っていくが、一方で今回のような買収には、そのゲームエンジンがゲーム以外の業界にもっと浸透していくだろうという期待も感じられる。この買収は多額の予算を使えるゲームメーカーがシーンを作り込むために間違いなくプラスになるだろうが、ワークフローにリアルタイムレンダリングを取り入れたいと考えている映画製作会社からも注目を集めることになるだろう。

2019年、Epic Gamesは人間のリアルなアバターを制作するゲームスタジオの3Lateralを買収した。このことと今回の買収を合わせて考えると、Epic Gamesは人間のキャラクターやアバターのリアルさは投資に値する分野だと見ているのだろう。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

ゲームエンジン開発のUnityがディープラーニングスタートアップのArtomatixを買収

UnityはAIを利用したゲーム開発者向けツールのスタートアップ、Artomatixを買収した。Artomatixはアイルランドのダブリンが拠点で、ディープラーニングを利用してリアルなテクスチャを簡単に作成するゲーム開発者向けツールを構築している。

開発者は、ArtomatixのArtEngineプラットフォームを使ってゲームの世界に現実世界の素材を描くことができる。既存のツールセットよりも短時間でビジュアルのパターンを3Dの世界に合わせることができ、継ぎ目や不自然さも減らせる。ArtEngineは複製したときの見た目の問題点をAIで特定するので、開発者は環境を延々調整する必要がなくなる。

Artomatixは2015年のTechCrunch Disrupt SFで姿を現した。同社は助成金と、Enterprise Ireland、Suir Valley Ventures、Manifold Partners、Boost Heroesなどのベンチャーキャピタルからの資金で、1200万ドル(約13億円)以上を調達した。Artomatixは、これまでのダブリンのオフィスで業務を続ける。Unityは買収金額を明らかにしていない。

Unityは、新作ゲームの半数以上が同社のエンジンを使って作られているとしており、Artomatixのテクノロジーを買収するのは当然の成り行きだ。同社のエンジンは最近も成長を続けてパワーを増しているが、機能が増えて複雑になり、レンダリングにかかる時間が長くなってきている。

Artomatixのテクノロジーがデジタルの環境を描き出すアートを制作するゲームデザイナーの役に立つなら、UnityはAI支援ツールを使うワークフローを推進し、開発者の時間を節約できるようになる。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

E3カンファレンスも新型コロナ懸念で中止

また1つ大型カンファレンスが新型コロナウィルス(COVID-19)の犠牲になった。先週からE3もキャンセルされるのではないかという噂が流れ、昨夜からは主催者に近い筋からの情報としてマスコミでも報道され始めた。

米国時間3月11日、主催者のESA(Entertainment Software Association)はイベントの中止を公式に発表した。TechCrunchが入手したESAの声明に以下のとおりだ。

メンバー企業と現在の状況について真剣な検討を加えた結果、ゲームファン、職員、出展者ほかE3の多年にわたるパートナーである多くの人々の健康と安全を守るためには、困難な判断ではあったが、6月9日から11日にかけてロサンゼルスで開催を予定していたE3 2020をキャンセルすることが決定された。

【略】

我々は全額払い戻しを予定しており、詳細については出展者、参加者に対して直接連絡する。

E3は当初、夏のロサンゼルスで開催される世界最大級のゲームカンファレンスだった。10年前の経営危機を経て、イベントは規模を縮小したもののトレードショーに再編され、多くの企業に参加の道が開かれた。ゲーマーの参加を促すという戦略も功を奏し、E3の収益は程度回復した。それだけに今年のキャンセルは今後のイベント運営に大きな影響を及ぼしかねない。

1月にソニーが今年のショーへの不参加を発表したものの、年内にPlayStationとXboxの双方が次世代バージョンを投入する時期に当たっており2020年は大きなイベントになるはずだった。

新型コロナウィルスは先月のMWC(Mobile World Congress)のキャンセル以降、次々と大型カンファレンスを閉鎖に追い込んだ。その長いリストにE3も加わることとなってしまった。任天堂は長年にわってウェブサイトで新しいプロダクトを発表してきたが、ほかのゲーム企業もこの方法を採用する可能性は高い。E3にとっての懸念はイベントをオンラインに移行した企業が2021年にトレードショーに復帰してくれるかだ。

ESAは、イベントのオンライン化に関して「さまざまなオプションを研究している」という。

画像:Christian Petersen / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

業界に革命を起こすか?ゲーム開発のバックエンドツールキットを提供するPragma

いまや新しいゲームを開発しようと思うと、その多くはソーシャルでマルチプラットホームで拡張性が必要だ。しかし毎年世に出る膨大な量のゲームに対して、それだけ高度な能力のあるゲームデベロッパーの数は極めて少ない。

しかしこれからは、そんなゲームスタジオはPragmaを利用するといいだろう。同社はゲーム企業のためにバックエンドのツールキットを作り、デベロッパーが彼らの最も得意なことに専念できるようにする。そう、ゲームを作ることに。

PragmaのCEOを務めるEden Chen(エデン・チェン)氏に言わせると、アプリケーション開発の世界にはそんな出来合いのツールキットが昔からいろいろあり、アプリケーションが市場に出るまでの時間を数カ月も短縮していた。Pragmaはその考え方の応用だ。ゲーム業界では、デベロッパーが次々と限りなく妙案珍案を出すので、ベータに数年かかることもざらだった。

チェン氏は「ゲームの世界では、マルチプレイヤーが標準になってから開発時間がものすごく長くなった。ベータから立ち上げまで5年とか10年かかることもある」と語る。

同氏と元Riot Gamesの主席エンジニアだったChris Cobb(クリス・コブ)氏が作ったPragmaは、同社によるとBaaS(バックエンド・アズ・ア・サービス)を提供し、アカウントの作成管理やプレヤーのデータ、ロビー、対戦組み合わせ、ソーシャルシステム、テレメトリー、ストアのフルフィルメントなどの部分をゲーム企業に提供する。ある意味でそれは、Fortnite(フォートナイト)を作ったEpicのようなフロントエンドのゲームエンジンを補完する立場だ。

実はEpicもかつて、独自にゲームデベロッパーのためのバックエンドシステムを作る計画を発表したが、チェン氏によるとそれは本来、競合他社ではなく独立の企業が提供すべきサービスだ。

Pragmaの投資家たちも、その意見に賛成だ。同社は一群の品位の高い投資企業と個人投資家から420万ドル(約4億3500万円)を調達した。その投資ラウンドをリードしたのはロサンゼルスのUpfront Venturesで、これにAdvancit Capitalとエンジェル投資家のJarl Mohn(ジャール・モーン)氏(NPRの名誉会長でRiot Gamesの元取締役)、Dan Dinh(ダン・ディン)氏(TSMの創業者)、William Hockey(ウィリアム・ホッケー)氏(Plaidの創業者)らが参加した。

Upfront VenturesのパートナーでPragmaの取締役Kevin Zhang(ケビン・チャン)氏は、声明で「ゲームスタジオは長年、サードパーティ製のゲームエンジンを使ってゲームのフロントエンドを開発してきた。そんな財政的に非力なスタジオが数百万ドルを費やして彼らが独自にバックエンドシステムを作るなんて、とうてい考えられない。この最初から壊れているようなシステムがあまりにも長年続いたのは、再利用性があって特定のプラットホームに依存しないバックエンドを作ることが、きわめて難しいだけでなく、ゲームそのものに比べてプライオリティがあまりにも低かったからだ」と説明する。

ゲーム業界は1390億ドル(約15兆円)の怪物だが、同じ規模のテクノロジー業界に比べて、出来合いのツールによる生産性の向上やスピードアップが遅れていた。今のゲーム業界はFacebookやSnapのようなソーシャルメディアと大型予算の映画プロダクションを合わせたようなものなのに、開発工程を簡素化して製品の寿命とスケールと、ダウンタイムのない機能の複雑さを確保するためのツールを欠いていた。Pragmaによると、とくにダウンタイムによる費用の増大と売上の喪失が大きい。

同社CTOを務めるコブ氏は声明で「オンラインのマルチプレイヤーゲームはますます複雑で制作費の高いものになっている。ゲームスタジオは、魅力的なゲームを作ることがプレッシャーになるだけでなく、ゲームを動かすための独自のサーバー技術の構築が重い課題になっている」と語る。

同社の現在の顧客は1社だが、2020年後半には数社のベータユーザーによる非公開テストを立ち上げる予定だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa