ライブストリーミング配信のTwitchが著作権付き音楽を使えるストリーマー向けツールを導入

Twitch(ツイッチ)は9月30日、クリエイターが自分のストリームに著作権付きの音楽を加えられる新たなツール「Soundtrack by Twitch」を導入した。昨年から開発していたこの機能は著作権をクリアした音楽を簡単に探し出せるようにするだけでなく、クリエイターが直面しているアーカイブ消音問題を解決することも意図している。

立ち上げに際しては、Soundtrack by Twitchがさまざまなレーベルや配信パートナーと協業しているが、大手とは提携していない。提携しているパートナーの初期ラインアップには以下のとおりだ。

  • Soundcloud
  • Monstercat
  • Distrokid
  • cdbaby
  • Empire
  • Westwood Recordings
  • United Masters
  • Alpha Pup
  • Popgang
  • Text Me Records
  • Dim Mak
  • Create Music  Group
  • Chillhop Music
  • Anjunabeats
  • Soundstripe
  • LabelWork
  • mxmtoon
  • future classic
  • Nuclear Blast
  • Season of Mist
  • Chilled Cow
  • Pure Noise Records
  • Symphonic
  • Blkbox
  • Songtradr

「こうしたラインアップによってクリエイターは、Above & Beyond、mxmtoon、Porter Robinson、RAC、SwuMといったアーティストを含むさまざまなジャンルの音楽にアクセスできる」とTwitchは説明する。ユーザーは全部で100万曲以上を無料で使える。

ただ、Twitchはパートナーとの提携条件の詳細については明らかにしなかった。

Spotifyのプレイリストなど、Twitchの一部の音楽パートナーはすでに無料で使用できる音楽を公開してクリエイターに提供してきた。以前からTwitchと提携してきたダンス音楽レーベルのAnjunabeatsは、Twitchストリーム向けに昨年350曲の著作権をフリーにした(Engadget US記事)。一方、Soundcloudはつい最近、新しい音楽探検に興味のある視聴者とつながることを目的に、自前のチャンネルをTwitch上で立ち上げた(未訳記事)。Twitch統合の詳細は一部の参加者が事前に明らかにした。

これまでTwitchの音声認識システムは、ユーザーがストリームでかけるのに必要なライセンスを持っていない音楽に自動でフラグを立てていた。多くのクリエイターが、購入した音楽だったり、あるいはストリーミングサービス料金を払っていれば、その音楽を自分のストリームで流せると誤って認識している。それは正しくない。

実際には、クリエイターが法律をクリアして流せる音楽はかなり少なく、ジャンルも限られている。自身が所有している音楽、あるいはライセンスが供与されているものとなる。

つまり、音楽に関連するTwitch上のさまざまなコンテンツは許されない。ここには、ラジオスタイルのリスニング番組、DJセット、カラオケ、リップシンク、カバー曲など、クリエイターが音楽を使っているもの、また歌詞を表示しているものが含まれる。

TwitchはAudible Magicと過去のVOD(ビデオオンデマンド)をスキャンして著作権違反を調べてきた。そして音楽にフラグが立つと、そのVODは消音されることになる。

Twitchは、2015年にTwitch Music Libraryを立ち上げて音楽著作権問題を解決しようと試みたが、これは昨年何の説明もなく使用中止となった(Raddit記事)。

Soundtrack by Twitchの立ち上げで、音楽が自分のオーディオチャンネルに入ることになり、クリエイターは消音や自身のチャンネルに対するストライキの心配をせずに曲を流すことができる。クリエイターは一連のステーションとTwitchのスタッフが管理するプレイリストから、「リラックス」「Lofi Hip Hop/Beats」「ラップ」といったテーマやジャンル別に音楽を選ぶことができるようになる。

新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響でライブストリーミングプラットフォームのTwitchはアーティストに受け入れられ、Soundtrackの立ち上げは音楽がTwitchエクスペリエンスの大きな部分を占めるようになっていることを受けてのものだ。

同社はAmazon Musicとの提携のもとにStream Aidという慈善興業も開催(Twichブログ)し、Diplo、Barry Gibb、Ryan Tedder、Lauv、Charlie Puth、Die Antwoordといったアーティストを特集した。以来、数多くのミュージシャンのライブストリームをホストし、7月には「音楽・パフォーミングアート」カテゴリーが前年同月比387%増となった。

Twitchはまた、SpotifyのTracy Chan(トレーシー・チャン)氏を音楽プロダクトエンジニアリング責任者として迎え入れ、Bandsintownと提携した。そしてアーティストがTwitch Affiliateのステータスを最速で獲得できるいくつかの方法の提供を開始した。Twitchのライブストリームは今月Amazon Musicのアプリにも統合された。

Soundtrack by Twitchの初期バージョンは9月30日から提供され、PCのOBS、Twitch Studio、そして間もなくStreamlabs OBSで利用できる。

画像クレジット:Twitch

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(翻訳:Mizoguchi

Facebookライブにアップされた自殺動画の拡散防止に失敗した各SNSの理由

あるFacebook(フェイスブック)ユーザーが自分が自殺するところをライブ動画としてアップロードした。その動画がTikTok、Twitter(ツイッター)、Instagramに拡散した。YouTubeでは何千回も再生され、それにともなう広告収入を集める動画が今現在も多数流れている。ソーシャルネットワークはさまざまな努力はしているものの、拡散防止に失敗したことは明らかだ。多数の暴力的コンテンツ、フェイクニュースの拡散を防止できなかったことが思い出される。

オリジナルの動画がフェイスブックにアップされたのは2020年8月末だったが、その後、主要な動画プラットフォームにコピーされた。多くは無害なイントロを流した後で自殺の場面に移る。この手法は、はるか以前からプラットフォームによる審査をごまかすために多用されてきた。こうした動画は視聴した人々が違法な内容だ気づいて手動で通報するが、その時点ではすでに大勢が問題のシーンを見せられしまった後だ。

これはいろいろな意味で新型コロナウイルスは人工的に作り出されたものだとする陰謀論がSNSで拡散された際の手法に似ている。ソーシャルネットワークは、多大のリソースを投入してこのような陰謀論が猛威を振るうことを防ごうとしたが失敗した。

大型ソーシャルネットワークは、利用約款に違反する動画を即座に削除する高度なアルゴリズムを装備しているにも関わらず、これまでのところ規約違反動画が狙いとする最も重要な点を防ぐことができていない。多くのユーザーが過激な場面を目にしてしまっている。

Ronnie McNutt(ロニー・マクナット)氏の自殺動画が、最初にアップロードされたのは8月31日だった。システムがこの動画を削除したのは公開後3時間近く経ってからだった。その時には視聴回数は膨大なものになっており、多数のコピーが作られていた。多数のユーザーによって通報されていたにも関わらず、なぜこのような過激で暴力的かつ利用約款に明らかに違反する動画にはが長時間公開されたままになっていたのか?

先週発表されたコミュニティ規定施行レポートでフェイスブックは 暴力的あるいは性的な内容のコンテンツを審査するという報われない仕事に1日中携わる人間の担当者(多くは外部の契約者)がパンデミックのために不足していたことを認めた。

審査担当者の人員が不足していれば 、当然ながらフェイスブックとInstagramにおける自殺、自傷、チャイルドポルノなどのコンテンツの審査も遅れ気味になる。

また違法なコンテンツをみ全員が通報するとは限らないため、通報件数だけでは違法性の程度を判断することが難しい。

しかし自殺したマクナット氏の友人でポッドキャストの共同ホストを務めていたJosh Steen(ジョッシュ・スティーン)氏はTechCrunchの取材に対して次のようなメールを返しており、このライブ動画は自殺シーンのはるか以前に規約違反として通報されていたという。「彼をよく知っているし、またこのような動画がどのように処理されるかについても知識があるので、あのストリーミング動画は、何らかのかたちで介入があることを期待していたのだと信じる。これは仮定に過ぎないが、本人の気をそらすことができてさえいれば、彼が自殺をすることはなかったはずだと思う」。

この点についてもフェイスブックに取材したが、回答は「ライブストリームにいち早く介入できる方法がなかったか検討しているところだ」という型通りのものだった。ともあれ、そういう方法の確立を強く期待する。

しかし、こうした動画が一度配信されてしまうと、フェイスブックにはその拡散を防ぐ方法はない。過去にも自殺や暴力的な場面がライブストリームで放映されたことは多数ある。ただし今回、他のソーシャルメディアの対応は明らかに遅すぎだ。TikTokはこの動画を「おすすめ」ページに入れていた。無責任なアルゴリズムによって、何百万という人々がこのシーンを見ることになってしまった。なるほどこの動画をプラットフォームから完全に削除するのは難しかったかもしれないが、少なくとも「おすすめ」に入れて積極的に拡散すること防止するなんらかの手立てが取られて良かったはずだ。

YouTubeもいわば事後従犯だ。スティーン氏のグループの動画はキャプチャーされ、無数の営利目的のサイトがYouTubeにアップして広告料を稼いだ。スティーン氏は自殺動画をコピーし、広告を付加してSquarespaceやMotley Foolで流した例のスクリーンショットを送ってきた。

最大の動画配信プラットフォームがこのように無責任な態度を取り、悪質なコンテンツを排除するための方策を取らなかったように見えることは非常に残念だ。例えばTikTokは、契約違反の動画を繰り返しアップロードしたユーザーのアカウントを凍結するとしている。しかしそうしたユーザーを排除する前に、何度も繰り返される悪質な動画の投稿を許す必要があるのだろうか?

一方、フェイスブックは繰り返し通報を受けていたにも関わらず、この動画をが規約違反であると断定するのを躊躇したようだ。さまざまなかたちでの再アップロードが、禁止されることなくしばらく続いた。もちろんこれは審査のスキを突かれ、いくつかの動画がすり抜けてしまったのだとも考えられる。何千もの動画が大勢のユーザーの目に触れる前に削除されている。しかしフェイスブックのように、何十億ドル(数千億円)もの資金と何万人もの人員を割り当てている巨大企業が、これほど重大な規約違反動画を削除するために躊躇した理由がわからない。

フェイスブックは8月上旬に「通常の審査体制に戻した」と述べたとされている。しかしスティーン氏は「AIテクノロジーはパンデミック期間中に大きく進歩していた。だからライブストリーミングだから防止できなかった、あるいはその後の拡散を防げなかったというのはおかしい」と主張する。

「(乱射犯がモスクを襲った)クライストチャーチ事件で、私たちはライブ動画のバイラルな拡散の危険性についていくつか重要な教訓を得た。これは広く知らせる必要がある。ライブストリーミングが視聴された総数、共有された回数、それらが視聴された回数などだ。私はこれらの数字はライブ映像のインパクトを正しく認識する上で極めて重要だと考えている。特にどの時点でライブストリームのビューが急増したのかというデータが重要だ」とスティーンは述べている。

TwitterとInstagramでは、自殺動画アップロードするためだけに多数のアカウントが作られた。また自殺者のハンドル名を利用した多数のフェイクアカウントが作られている。一部の動画には「自殺」や「死」といったタグさえ付加されている。こうしたアカウントには、利用規約を破った動画をアップロードする以外の目的がないのは明らかだ。フェイクアカウントやボットアカウントを判別できるはずのアルゴリズムは何をしていたのか?

筆者が見つけたYouTubeチャンネルには、マクナット氏の自殺を利用して50万以上のビューを得ているものがあった。オリジナルの動画にはプリロール広告が付けられ、無害であることを装ったコンテンツとして始まるが、やがて興味を抱くユーザー向けに自殺シーンが表示される。私がYouTubeにこの動画を報告すると、プラットフォームはこのアカウントの収益化を停止し、問題の動画を削除した。しかしスティーン氏らは、何日も前に同じこと報告していた。次にこうしたことが起こった場合、あるいは別のプラットフォームで現に起こりつつあるかもしれないが、メディアが記事にしない限り、プラットフォームは責任ある措置を取ろうとしないのではないかと考えざるを得ない。

こうしたプラットフォームが目的としているのは、規約違反に対する措置をなるべく穏やかなものにして目につかないようにし、ユーザー離れを防いでビジネスへの影響を最小限にすることだ。他のソーシャルネットワークでも見られたが、もし厳格な削除措置がビジネスに悪影響を与えるようであれば、そういう措置は取られない。

しかし、今回の事態あるいは以前の事態が示すように、これはソーシャルネットワークサービスが必要とする重要な要素を欠いている。現在の状況をリアルタイムで共有できる動画配信サービスは、ビジネスとして極めて大きな利益を上げることは明らかだ。しかし同時に、恐るべき行為の映像をそのまま流してしまうというリスクをはらんでいる。

スティーン氏は「こうした(ソーシャルメディア)は非協力的であり、また正直ではない。我々の抗議に対して、ソーシャルメディアが責任ある対応をしなかったことを繰り返し見てきたことにより、改革を求めるハッシュタグ「#ReformForRonnie」を作った。何らかの変革がなければ、こうしたことはいつまでも続くだろう」と述べている。

もちろんスティーン氏は親しい友人を失い、その死を悲しんでいる人間であることは考慮に入れ必要がある。しかし友人の自殺が乱用され不当にコピーされて、故人が笑い者にされている状況に対して巨大動画プラットフォームが中途半端な対応しかしないことについて、強い不満と怒りを感じていることにも留意すべきだ。

スティーン氏はメジャーなソーシャルネットワークに対して、人々は何らかの声を上げるべきだとしてこのハッシュタグを広める運動をしている。どうすればこうした事態を防げたのか?すでにアップロードされた動画についての対応は、どのように改善されるべきなのか?どのようにすれば故人を愛した人々の意思をより尊重できたのか?もちろんこれらすべては完全に実現するのが極めて困難な課題だ。しかしそれが、プラットフォームが何も努力をしないことの言い訳になってはならない。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ

タグ:Facebook YouTube

画像:Florian Gaertner / Getty Images (Image has been modified)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

たとえ盗まれても、バッテリーが切れても本人以外はビデオ撮影を中止できないParachuteの強力新機能

モバイル機器の安全を守るアプリParachute(パラシュート)で米国時間6月1日から利用可能になった新機能は、権限のない人間がiPhoneを奪ってライブストリーミング撮影を止めようとしても、止められなくするというものだ。スマートフォンの電源を切ろうとしても撮影は止まらない。George Floyd(ジョージ・フロイド)氏への警察の蛮行に対する、そして米国の司法制度にある組織的な人種差別主義に対する抗議活動が国中に広がる中でのタイムリーなアップデートだ。

フロイド氏殺害の目撃者が撮影した動画が、デモや抗議活動の引き金となった。その動画は、この事件を実証する主要な資料として、ずっと貢献し続けている。

Parachuteのアプリは、TechCrunch Disrupt 2015で最初にローンチされた際(未訳記事)には「Witness」(ウィットネス)と呼ばれ、スマホ世代の人たちの間では、長い間、緊急通報ボタンとして重宝されていた。問題に遭遇したときに緊急連絡先に警告を発することを目的に開発されたアプリで、通話、メッセージ、電子メールの送信と同時に、ライブ動画、音声、現在位置も今いる場所から直接発信できる。

またこのアプリには、ライブ動画を撮っていることを知られないよう画面を黒くして、こっそり撮影できるオプションもある。さらにParachuteは事件の撮影チャンスを高めるために、表裏両方のカメラで同時に撮影することもできる。動画はスマートフォンからParachuteのプラットフォームに送られ、スマートフォンからは撮影の証拠が消去される。緊急連絡先にリンクを送れることに加え、後に電子メールで直接送られてくるそのリンクから動画をダウンロードすることも可能だ。

しかし、ユニークな機能とは裏腹にローンチから数年間、このアプリの人気は限定的だった。アプリ情報の調査会社Sensor Tower(センサー・タワー)のデータによれば、米国のアプリストアでのParachuteのダウンロード数は10万件に達していないという。Parachuteはユーザー数の公表を拒んでいるが、この1週間は米国と香港で大きな動きを見せている。

「Superlock」(スーパーロック)という名のこの新機能の導入は、Parachuteの動画記録機能に人々の興味を取り戻すための試みでもある。

Superlockは、Apple(アップル)のGuided Access(アクセスガイド)と連携して機能する。アクセスガイドは、アプリ内のチュートリアルで説明されているが、次のように設定する。iPhoneの「設定」から「アクセシビリティ」の中の「アクセスガイド」を開き、そのオプションを「オン」に切り替える。

その後、アプリに戻って電源ボタンをトリプルクリックし、画面右上の「スタート」ボタンをタップして6桁のパスコードを打ち込む。このパスコードは、今後、撮影を止めたいときに必要になる。再び電源ボタンをトリプルクリックし、先ほど設定したパスコードを入力して、画面左上の「終了」ボタンをタップする。

設定が完了すれば、電源ボタンをトリプルクリックするだけで、ParachuteをいつでもSuperlockモードに切り替えられる。電源ボタンをトリプルクリックしてパスコードを入力しない限り、動画撮影は継続され、iPhoneはロックされる。

この手順では、Parachuteで事件の撮影中に通常表示される停止用の「X」ボタンは使わない。誰かがiPhoneを取り上げて撮影を止めてしまうのを防ぐためだ。

「iPhoneのバッテリーが切れたり、壊れたり、強制再起動された場合でも、Superlockは再起動後も撮影を継続するように設定できる」とParachuteは説明している。またSuperlockは、動画のプレビューを不能にする機能と組み合わせることも可能なため、誰にも知られずに撮影ができる。

Parachuteではまた「バックグラウンドで走らせておいて、他のアプリに切り替えて使うこともできる」と同社は説明する。

権限のない人間がパスコードを推測しようとしても、誤った数字の組み合わせを短時間に何度も繰り返すと、一定時間ロックされるようになり、間違えるごとにその時間が延びていく機構が働く。これは、iPhoneで間違ったパスコードを何度も試せないように一定時間操作をロックする機能によく似ている。

Parachuteのビジネスモデルでは、事件動画の保存期間は撮影から3カ月後に切れるようになっている。デバイス、連絡先、警告、事件、ストレージの上限がないフルコースの利用料は月額9.99ドル(約1000円)。月額2.99ドル(約320円)のお得な「ライト」コースもある。

新機能は本日からiPhoneで利用できる。

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(翻訳:金井哲夫)

台湾拠点のライブストリーミング会社M17がシリーズDで約28億円を調達

台湾を拠点とする、ライブストリーミングエンターテイメントのスタートアップM17は、2650万ドル(約28億円)のシリーズD調達を行ったことを発表した。このラウンドはVertex Growth Fundが主導し、Stonebridge Korea Unicorn Venture Fund、Innoven Capital Singapore、加賀電子、そしてASE Global Groupが参加した。

調達した新しい資金は、M17の主要市場の1つである日本での成長と、米国および中東を含むその他の地域への拡大に使用される。

資金調達に伴う同社の発表によれば、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の大流行の中で、より多くのユーザーがライブストリーミングアプリにログオンして、楽しむようになっていると言う。さらに、ライブストリーミングアプリ17 Media(日本では「17 Live」という名前でストアに置かれている)とUnicorn Entertainmentという名のタレントエージェンシーを擁するM17は、過去数ヶ月間で記録的な数のアーティストとユーザーが登録したことを付け加えた。

17 Media(17 Live)を使うことで、コンテンツ作成者はアプリ内ギフトやソーシャルコマースを通じて収益を得ることができる。1月に同社は、3万人の独占コンテンツクリエーターのために5億ドル(約535億円)を超えるバーチャルギフトを処理したと発表した。

M17は、2年前にはニューヨーク証券取引所に上場する予定だったが、2018年6月にIPOをキャンセルし、引き続き非公開のまま資金調達を続けることを決定していた。

Vertex GrowthのマネージングディレクターであるTam Hock Chuan(タム・ホック・チュアン)氏は声明の中で次のように述べている「私たちはM17が市場で占める優位なポジションと、日本、台湾、そして香港における力強い成長の継続に注目しています。M17のユニークな価値提案と、戦いを勝ち抜いてきた経営陣によって、同社は次の成長フェーズに向けて十分に準備が整っているのです」。

画像クレジット: d3sign (opens in a new window)/ Getty Images

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(翻訳:sako)

WeChatがライブストリーミング買い物フェスを6月開催、中国・広州市と組んで地方経済を押し上げる

中国はいま、ライブストリーミングへの新たに関心を示している。新型コロナウイルス(COVID-19)が国中で猛威をふるい、多くの建物が扉を閉ざし、事業者は物を販売するためにオンラインに向かった。そして多くの人がライブストリーミングを受け入れた。現在、我々のモバイルスクリーンの大半を支配しているショートビデオが先行したモデルだ。客の多くがオフラインショッピングを避ける傾向が強まりつつあり、Alibaba(アリババ)やJD.com(JDドットコム)、Pinduoduo(ピンデュオ)のようなeコマースの巨人たちはライブストリーミングに力を入れている。ライブストリーミングを使って顧客は販売事業者とやり取りをし、リアルタイムに注文する。

異端プレーヤーのWeChat(ウィーチャット)もこの動きに加わっている。月間アクティブユーザーが11億6000人のメッセージサービスである大手WeChatは今週、6月のライブストリームショッピングフェスティバル開催で広州市と提携したと発表した。このニュースの前には、習近平主席が経済におけるライブストリーミングeコマースが、特に地方の農産品の販売を促進するうえで重要な役割を果たすとの認識を示していた。

ライブストリーミングeコマースを通じて地方経済を押し上げるために、地方行政がイニシアチブをとるのは中国では初めてのことだ。この取り組みが交易や輸出の中心地である広州市で行われることは驚きではないだろう。グローバルのパンデミックにより中国の輸出は減少していて、当局は国内需要を刺激せざるを得なくなっている。

WeChatのメッセージ以外のほとんどの機能と同様、ライブストリーミングはミニプログラム(またはライトアプリ)インフラ上に構築されている。WeChatによると、この機能には数万もの小売業者が登録されていて、試験期間の間は無料で利用できる。グローサリーや観光、ファッションの小売事業者はこのサービスの恩恵を最も享受できる。例えば、NASDAQに上場している旅行ポータルのCtrip(シートリップ)は、航空会社や旅行アトラクションが大幅割引で商品を売り出しているため、WeChatでのライブ促進で1億元(約15億円)を売り上げた。中国のライフスタイルブランドであるHeilan Home(ヘイランホーム)はライブセッションでの視聴者300万人超を記録した。

「ここ数カ月、オンラインショッピングの需要は新型コロナパンデミックで急増している。ライブストリームを通じた販売は今や事業や生産の再開、消費者の需要刺激の鍵を握っている」とTencent(テンセント)広州のゼネラルマネジャーを務めるGerald Hu(ジェラルド・フー)氏は発表文で述べた。

WeChatがライブストリーミングに乗り出したのは最近だ。この部門が近年盛り上がっていたにもかかわらず、WeChatがライブストリームを同社のオール・イン・ワンプラットフォームに正式に導入したのは2020年2月のこととなる。これは創業者Allen Zhang(アレン・チャン)氏の製品に対するミニマリストで完璧主義的なアプローチのためかもしれない。

結局のところ、WeChatの根幹は知り合い同士間のコミュニケーション促進にある。買い物やゲームといった他の機能は社交生活の延長であり、会話を邪魔するものではなく補足するものだ。人々は友達がWeChatメッセージを通じてシェアしたスナックを購入するかもしれない。あるいはWeChat上のアプリ内ゲームへの参加を呼びかける友達からの招待状を受け取るかもしれない。しかしどれだけの人が30分間もビデオに費やし、その間に重要なメッセージを逃すリスクを負ってもいいと思うだろうか。

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(翻訳:Mizoguchi

PlayStation 5は5GB/秒超で容量825GBのSSD搭載、GPUはAMDのRDNA 2アーキテクチャ

ソニーが1月のCESで発表したのはPlayStation 5という名前だけだった。 同社はサンフランシスコで開催されるはずだったGDC(Game Developers Conference)で盛大なプレゼンを計画していたが、新型コロナウィルス(COVID-19)問題が発生してしまった。そこでイベントをライブストリーミングで実施することとした。このビデオが次世代ゲーム・コンソールについて現在最も広汎で確実な情報となる。

ビデオではPlayStationのリード・システムアーキテクトを務めるMark Cerny(マーク・サーニー)氏がカメラに向かって地味なプレゼンを始める。カンファレンスがこうしたライブストリーミングになったのは新型コロナウィルスの拡大を防止するためには対人接触をできるかぎり避けるのが有効と判明したためだ。

サーニー氏は冒頭、PS5に5GB/秒の速度のSSDが搭載することを発表した。 これはデベロッパーからの要望のナンバーワン事項だったという。SSD化にともないPS5のI/Oは現行PS4と比較して最大100倍速くなっているという。

ソニーはまた、XboxシリーズXなみの高速化を実現するためにPS5にどのようなテクノロジーが搭載されるか詳しく説明した。PS5ではウルトラ・ハイスピードのSDDとともに、レイトレーシングが可能なカスタムのAMD製GPUを搭載する。3Dオーディオはソニーのマルチメディアホームエンターテインメントを改良して利用している。Xbox同様下位互換性があり、特にPS4との互換性を確保している。

CPUは3.5GHz、8コアのAMD Zen 2だ。GPUはAMDのRDNA 2アーキテクチャを利用しており、36 CU(Compute Unit)で10.28TFLOPSを発揮する。メモリは16GB、SSDは825GBが搭載される。システムの電力消費と発熱を抑えるよう設計された新しいブースト機能がある。

サーニー氏によれば、PS5は熱を抑えるために「温度そのものではなくGPUとCPUが実行しているタスクを監視する」。この情報に基づいてクロック周波数を上下させる。システム冷却の仕様の詳細は、今後行われるシステムの「徹底解説」で明らかにすることを約束している。

3Dオーディオは「新しい夢を発見する」というセクションで説明された。サーニー氏は「グラフィックスを主体とするシステムでは往々にしてオーディオは後付けにされてしまう。残念ながらPS4ではそうだった」と述べた。しかしPS5でははPSVRの没入型オーディオを利用した新しいバージョンが導入され、ゲーム機オーディオにプレゼンスや位置定位などの機能に焦点を当てた。ソニーではユーザーが利用するデバイスがさほど高度でないホームステレオシステムやヘッドフォンであってもバーチャル・サラウンドサウンドを提供する能力が大きく改善されたとしている。

Xboxの新シリーズ同様、PS5の発売も今年末になるはずだ。今回、ソニーはほんの表面を説明しただけだろう。クリスマスまでまだ相当の間があり、今後完成される要素も多いはずだ。

さてゲームに付き合ってくれる人は誰かいるかな?

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

直接上場を控えたSlack、週明けに会社説明をライブストリーミング する

今やあらゆる企業で使われるようになったビジネス・チャットのSlackはNYSE(ニューヨーク証券取引所)への直接上場を予定している。米国時間5月8日、同社は週明けの月曜に投資家向けプレゼンをストリーミングすることをブログ記事で確認した。 Slack株式は来月にも市場で売買が可能となる予定だ。

Slackの投資家向け会社説明、Investor Dayは5月13日午前9時30分(東部標準時)に同社のウェブサイトから配信される。

幹事証券会社が新株を一括引受けする伝統的な上場方式とは異なり、直接上場では企業は新たな株式を発行しない。その代わりに上場と同時に関係者が保有する既存株式が株式取引所で売買でできるようにする。

株主は起業家自身、投資家、社員などだ。 SlackはSpotifyと同様 直接上場を行うことによって、伝統的上場で必要なロードショー(各地での投資家向け会社説明会)やウォールストリートの証券会社に支払う高額の手数料をバイパスできる。

音楽ストリーミングの大手であるSpotifyも、上場に際して投資家のみ閲覧できる会社説明をストリーミングしている。 Slackのストリーミングもこれにならったものになるとするなら、Slackの共同ファウンダー、CEOのスチュワート・バタフィールド氏と何人かの経営トップが登場して同社のビジョンについて語ることになるはずだ。

Slackが上場計画を明らかにしたのは2週間前だ。SECに提出された申請書によれば、2019年1月31日を終期とする会計年度において同社の収入は4億60万ドル、これに対する損失は1億3890万ドルだった。その前の会計年度では2億2050万ドルの収入に対して1億4010万ドルの損失を計上していた。

また同社は申請書で今年に入って60万件の組織からDAU(1日あたりのアクティブユーザー)が1000万人を達成したと述べている。

Slackはこれまでに総額12億ドルの資金を調達している。投資家にはAccelAndreessen HorowitzSoftBank、Google Ventures、 Social Capital、and Kleiner Perkinsなどが含まれる。

画像:Chesnot / Contributor / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

YouTube、モバイル・ストリーミングの要件緩和―登録人数は1万人から1000人に

ライブストリーミングにはわれがちに人々が押しかけている状態だ。さる金曜日にYouTubeはチャンネルの所有者がモバイルからライブストリーミングする能力を与えた。ただし、注意事項があった―チャンネルには登録者が1万人必要だった。

まだ登録者が1万人に届かないので悔しがっていたチャンネル運営者に朗報だ。YouTubeは制限を大幅に緩和した。いまや1000人のサブスクリプションがあればモバイルからストリーミングできるようになった。 まだ全員に開放されたわけではないが、1万人に比べれば1000人は非常に低いハードルだろう。

この変更についてYouTubeは大きな発表をしなかったし、エープリルフールの騒ぎにまぎれてあまり注目を引かなかった。しかしYouTubeのサポートページは変更を確認している。またYouTubeの広報も確認しているので単なる噂ではない。

ではなぜ一般公開ではなく、1000人という条件が残されたのか? いくつかの理由が考えられる。

  • 退屈なコンテンツはライブストリーミングの敵だ。視聴者の興味を引くようなコンテンツを編集ができないライブストリーミングで放映するのは難しい。1000人が登録しているチャンネルであれば運営者に一定のスキルがあることを推測させる。
  • 負荷テスト:ライブストリーミングは技術的に新しい課題をもたらす可能性がある。ストリーミングの数を制限することによってあらかじめ技術的問題を解決することができる。
  • すでに大勢の登録者を抱える運営者は違法なコンテンツを放映してアカウントを失う可能性が低い

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

パソコンのFacebookからPCゲームがライブストリーミングできるようになった

Facebookはモバイル・ビデオライブストリーミングでTwitch.tvその他のライバルの上手を行こうと努力しているが、今やデスクトップでもすべてのFacebooユーザーがライブストリーミング配信を行えるようになった。ウェブカムその他のプロ向けハード、ソフトをパソコンに接続すればゲームをプレイしているところをライブで公開できる。

以前はページの管理者だけがFacebookのデスクトップからライブストリーミングできた。またゲームのストリーミングができるのもBlizzardのような一部の提携デベロッパーが開発したタイトルに限られていた。しかし今後はデスクトップのFacebookの「近況の投稿」にLiveボタンが表示され、そこからストリーミングを公開できるようになる。

ストリーミングのハード、ソフトが利用して直接ニュースフィードに投稿できれば、 配信者はタイトル、文字、画像などのグラフィックスをスーパーインポーズしてストリーミング映像のクオリティを大きくアップにすることができる。こちらにストリーミングソフトを利用してライブ配信する方法が詳しく説明されている。

Facebook Liveをデスクトップに開放したことで、TwitterのPeriscopeに対して優位となるだけでなく、ずっと以前から存在する有力サービス、YouTube、Ustream、LivestreamやスタートアップのYouNowなどと正面から競争できるようになる。Facebookは私の取材に対して「Q&Aセッションやビデオ・ブログなどの配信ではモバイルデバイスを片手に自撮りした映像はぐらぐらと不安定で、配信者、視聴者双方に好ましくない。デスクトップからのライブはこうした場合に有効な方法となるだろう」と述べた。

Facebookがライブストリーミング機能を積極的に拡大していることは、最終目的が「ライブ」、つまり何か伝えるべきことを持つ人々が即座に放送を行えう分野全体の制覇だということを示唆する。Twitterは2015年の4月にPeriscopeをスタートさせた。Facebookもすぐに後を追ってLiveをリリースし、プロ用放送機器との接続を可能にするLive APIも発表した。PeriscopeにAPIが追加されたのは昨日になってからだった。デスクトップの追加でFacebookはあらゆる環境からライブストリーミングできる能力を備えた。

今のところLiveにはまだ決定的といえるほどのコンテンツはない。また暴力的シーンのストリーミングがいくつか報じられた点についてFacebookは再発防止に努めるとしている。
しかしFacebookが新機能により、ゲームプレイなど重要なストリーミング分野でデスティーションとしての地位を確立できるなら、今後長期にわたってニュースフィードに利益をもたらす広告配信のプラットフォームを確立できるだおる。Facebookの主戦場はモバイル・デバイスだろうが、あらゆる環境でストリーミングできるようになるためにはデスクトップの追加は必須だった。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookでアメリカのサッカーリーグが観戦可能に

ライブストリーミング業界が盛り上がりを見せるなか、Facebookがある重要なディールを締結した。今後、Facebook上でメジャーリーグサッカー(MLS)の試合(少なくとも22試合)がライブ配信されるようになるのだ。MLSおよびUnivision Deportesとのパートナーシップ締結により、Facebookは2017年度のMLSレギュラーシーズンで行なわれる試合を英語で配信する権利を得た。インタラクティブな要素を多く含んだビデオコンテンツも同時に配信される。

このストリーミングコンテンツでは、Facebook独自のコメンテーターによる解説、インタラクティブなグラフィック、ファン参加型のF&Qコーナーや投票コーナーなどが設けられており、試合中に視聴者がコメンテーターたちと交流することが可能だ。

これらの試合はUnivisionでもスペイン語で配信されている。しかし、英語で配信する権利を持つのはFacebookだけだ。

このディールの一部として、MLSは「Matchday Live」と呼ばれるオリジナルのサッカー分析番組を40本製作し、彼らのFacebookページに投稿することが決まっている。この番組では同リーグの試合ハイライトやディスカッションなどを楽しむことができ、今後予定されている試合のプレビューも見ることが可能だ。

Matchday Liveのパイロット版はMLSが開幕する週末に放映されており、その後のエピソードは米国東部時間11日午後4時から順次放映されている。

試合のライブストリーミングはUnivision DeportsのFacebookページで視聴可能だ。第一弾となるのは、Atlanta United対Chicago Fireの試合で、東部時間3月18日の午後4時からの放映となる。

試合の様子はデスクトップとモバイル両方のFacebook Liveプラットフォームを通して配信される。The WSJによれば、放送ではモバイルでの視聴用に最適化されたカメラアングルが導入され、試合の合間に広告を表示するなどの施策が試験的に行なわれるそうだ。

Univisionによれば、同社のネットワークを利用してサッカーを観戦する英語話者の数は現在1800万人だという。今回のディールにより、そのようなファンへのリーチの幅を広げ、サッカーというスポーツへの関心度も高めていきたい狙いだ。

「私たちには情熱を持ったファンたちに応えるという使命があります」とMLS Business Venturesプレジデント兼マネージングディレクターのGary Stevenson氏は話す。「パートナーたちと手を組み、サッカーの試合をはじめとする私たちのコンテンツを、いつでも、どこでも、そしてどんなデバイスを持つファンにも届けていきたいと思っています」。

プラットフォーム上でライブ放送されるスポーツの試合を増やそうとしてきたFacebookにとって、このディールは重要なものだ。同社はこれまでにも、米国代表のバスケットボールチーム(男子/女子それぞれ)の試合をFacebook Liveで提供してきた。昨年には、Orlando PrideManchester United-Evertonのサッカーの試合や、スペインの女子サッカーリーグの試合を放送していた。同社はお気に入りのチームの動向をフォローできる「Sports Hub」と呼ばれる専用ページもローンチしている。

The WSJが2016年に報じたところによれば、Facebookは合計で400万ドルの費用を使ってスポーツチームやアスリート達にFacebook Live機能の利用を促している。また、FacebookがMLB(野球のメジャーリーグ)の放映権取得を試みていることが2月のReutersの報道により明らかとなっている。今回のMLSとのディールはこれまで報じられることはなかった。

ただ、スポーツチームと契約を結ぶのは簡単なことではない。大手テレビメディアとの既存契約により、放映権をFacebook Liveのような新しいプラットフォームに与えられる範囲が制限されているからだ。

しかし、多くの企業がこの分野に参入しようとしているのは明らかだ。例えば、Twitterも同社のライブコンテンツを強化しようとしている最中であり、過去にウィンブルドンMLB、NHL(アイスホッケー)NBA(バスケットボール)、NFL(アメフト)などとディールを結んでいる。

中国のデーティングアプリ「Momo」が最高益を記録 ― ライブストリーミングが好調

注:本稿は元々TechCrunchのオフィシャルパートナーであるTechNode(中国)に掲載されたものである。

位置情報を利用した中国のネットワーキング・アプリ「Momo」が発表した最新の決算によれば、同社のユーザー数は昨年から急激に成長し、ビジネスを支える財務の状態も良好だということだ。Alibabaも資本参加しているMomoは、2014年12月にNasdaqに上場を果たしている。

同社の収益は昨年同期比で524%もの成長を見せ、2億4610万ドルとなっている。年間の収益は313%増の5億5310万ドルだ。Q4における1株あたり当期純利益は0.44ドル(Non-GAAPベース)で、決算年度を通した1株あたり当期純利益は0.87ドルとなった。

決算以外の数字も見てみよう。MomoのMAU(月間アクティブユーザー数)は2015年の6980万人から2016年12月には8110万に増えている。これは同社が2015年初頭に達成した最高記録に近い数字だ。2015年後半はユーザー数が伸び悩んだことを考えれば、これは素晴らしい成果だと言えるだろう。

このユーザー数の伸び悩みの原因として同社は、スマートフォン販売の減速やソフトウェアアップデートの遅れを挙げていた。しかし、同社が注力してきた新しいビジネス領域 ― 具体的にはライブストリーミングビジネス― のおかげで、彼らはもう一度中国人ユーザーの心を掴んだようだ。

デーティングからソーシャルエンターテイメントへ

今では、Momoは収益の80%をライブストリーミングビジネスから得ている。しかし、彼らはそれを本業にしようとしているわけではない。彼らは単なる出会いの場を提供する企業から、別の種類のエンターテイメントを提供する企業へと進化しようとしているのだ。

現在、同社のプラットフォームには様々なソーシャル機能やエンターテイメント機能が備えられている。1対1のコミュニケーションをはじめ、グループチャット、様々なフォーマットによる近況の投稿機能、そしてもちろん、ライブのブロードキャスティング機能や短いビデオの投稿機能もある。

ライブストリーミングが成長を加速

Momoはこれまでに8四半期分の決算を公表している。しかし、彼らが急速に成長しはじめたのは2016年になってからだ。他の中国のソーシャルネットワーキング・サービスと同じく、同社の成長を加速させているのはライブストリーミングである。Q4だけを見てみても、このビジネスは1億9480万ドルを稼ぎ出している。ライブストリーミングが同社のサービスに加わった2015年Q3以降、このビジネスはMomoの主要な収益源へと成長した。そして今では、同サービスが市場で独占的な地位を得るまでになっている。

ライブストリーミングという機能そのものがお金を生み出すわけではない ― 「ビジネス」の出番はここでやってくる。中国ではいま、バーチャルなギフト機能を備えたビデオストリーミング・ビジネスがとても好調だ。ここで言うところのバーチャルギフトとは、配信者の興味を引いたり、感謝の気持ちを伝えたりするために送られる「仮想の」アイテムのことを指す。Momoのライブストリーミングビジネスも同様のマネタイズ方式を採用しており、同サービスでは配信者である歌手たちにバーチャルギフトを贈ることが可能だ。アイテムから得た利益は配信者とMomoのそれぞれに分配される。

彼らがいま注力しているのはユーザーベースの拡大だ。しかし、同社にはプラットフォーム拡大のためのより大きな計画もある。

「私たちはまだマネタイズの初期段階にいると考えていて、さらなる成長加速のためのチャンスはまだ豊富にあると思っています。(中略)2016年の時点では、新サービスへのユーザー流入を既存のユーザーベースに頼っていました。それにより、2016年12月までにメインのアプリユーザーの23%がライブストリーミングサービスに流入する結果となりました。2017年の目標は、Momoプラットフォームの外側からユーザーを獲得することです」とCEOのTang Yan氏は語る。

Momoの2016年度決算(単位:1万USD、画像提供:Sina Tech)

ソーシャルネットワーキング、マーケティング、ゲーミング

収益の他の部分は、デーティング・ビジネスの会員料金、ソーシャルネットワーク上のギフト、マーケティングおよびゲームビジネスから得たものだ。

2016年Q4におけるソーシャルビジネスからの収益は合計1910万ドルで、この大半は会員料とバーチャルギフト収益だ。同社はこの結果について、プレミアムVIP会員とトータルユーザー数の伸び、そしてバーチャルギフト販売の好調さを理由に挙げている。

2016年Q4におけるモバイルマーケティング部門の収益は昨年同期比29%増の1970万ドルとなった。この成長は主に、新規顧客の獲得やセールス部門が獲得した新規案件数の伸び、そしてインフィード広告のeCPMの増加が要因だ。

Momoのモバイルゲーム部門も、いくつかのゲームタイトルのおかげで急速に成長している。「Momo Craft」や「Momo Fight the Landlord」などがその例だ。2016年、Momoはそれまで組織していたジョイントベンチャーを解消し、独自開発へと方針をシフトしている。この戦略による効果は明らかで、2016年Q4におけるモバイルゲーム部門の収益は昨年同期比で45%増の1130万ドルとなっている。

[原文]

(翻訳:木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

ケーブルテレビキラーのP2PアプリBitTorrent LiveがついにiOSに登場

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ケーブルテレビ会社たちが、低レイテンシーのライブコンテンツを大規模に配信できる高価なワイヤや衛星をコントロールしているので、テレビは彼らに支配されている。ケーブルテレビ会社はまた、ライブ配信のための他の選択肢がほとんどないため、チャンネル所有者たちに対して、有料加入者1人あたりの月額料金を規定することも可能だ。そして、ケーブルテレビ会社は、しばしば町の唯一の業者なので、消費者に法外な価格を課すこともできる。

しかし今、BitTorrentが、ファイルダウンロードのために行ってきたことを、ライブビデオでも実現した:データ転送の負担を中央のソースから分散させるピアツーピア技術を発明したのだ。 BitTorrentは、ケーブルや衛星ではなく、ユーザーのインターネット帯域幅に相乗りを行う。

P2Pライブストリーミングはライブコンテンツを配信する伝統的な方法よりもずっと安価であるため、BitTorrentは視聴者1人あたりの配信に対して、より多くをチャネル所有者に支払うことが可能である。 BitTorrentは、視聴者に対し無料で、またはケーブル購読よりもはるかに安価に、そのコンテンツを提供することができる。転送技術と、これらのチャンネルを集約するアプリはともにBitTorrent Liveと呼ばれている。

そのプロトコルがスマートテレビでデビューしてからおよそ1年たち、iPhoneへのリリースが期待されていた時期から6ヶ月経った今週、BitTorrent LiveアプリがiOS上でひそやかに利用可能になった。これまでは一般的なプラットフォームとしては遥かに少ないMac、Apple TV、そしてAmazon Fire TV向けだけに提供されていた。これは2009年以来続いていた開発の成果だ。

ビットトレント・ライブチャンネル

このアプリは、NASA TV、France One、QVC Home、TWiT(This Week In Tech)などの、ライブを見ることができる15のチャンネルを備えている。レイテンシーは約10秒だ。これは地上のケーブルよりも高速かもしれないし、コンテンツを1分以上遅延させる可能性のあるSling TVのようなシステムもある。

現時点での問題は、BitTorrent Liveのチャンネルの品揃えがまだ貧弱だということだ。今も有名ブランドチャンネルを取り込もうと交渉を行っている最中である。それはペイパービューを提供することもできるが、放送コストが安いため従来のテレビの同じコンテンツよりも安価である。

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サインオンするチャンネルを増やすには、BitTorrent Liveにはもっと多くの視聴者が必要で…そのためにはより良いコンテンツが必要になる。それはちょっとした鶏と卵の問題だ。しかし、今日のローンチにより、大規模に分散されたモバイルプラットフォームに導入されたことで、より良いチャネルを引き込む魅力のある、多くの聴衆を引き付け始めることができるだろう。

(注:BitTorrent Live for iOSは記事の翻訳時点(12月22日11時30分)では日本のiTunes Storeではまだ利用可能ではない)。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)