PlayStation 5は5GB/秒超で容量825GBのSSD搭載、GPUはAMDのRDNA 2アーキテクチャ

ソニーが1月のCESで発表したのはPlayStation 5という名前だけだった。 同社はサンフランシスコで開催されるはずだったGDC(Game Developers Conference)で盛大なプレゼンを計画していたが、新型コロナウィルス(COVID-19)問題が発生してしまった。そこでイベントをライブストリーミングで実施することとした。このビデオが次世代ゲーム・コンソールについて現在最も広汎で確実な情報となる。

ビデオではPlayStationのリード・システムアーキテクトを務めるMark Cerny(マーク・サーニー)氏がカメラに向かって地味なプレゼンを始める。カンファレンスがこうしたライブストリーミングになったのは新型コロナウィルスの拡大を防止するためには対人接触をできるかぎり避けるのが有効と判明したためだ。

サーニー氏は冒頭、PS5に5GB/秒の速度のSSDが搭載することを発表した。 これはデベロッパーからの要望のナンバーワン事項だったという。SSD化にともないPS5のI/Oは現行PS4と比較して最大100倍速くなっているという。

ソニーはまた、XboxシリーズXなみの高速化を実現するためにPS5にどのようなテクノロジーが搭載されるか詳しく説明した。PS5ではウルトラ・ハイスピードのSDDとともに、レイトレーシングが可能なカスタムのAMD製GPUを搭載する。3Dオーディオはソニーのマルチメディアホームエンターテインメントを改良して利用している。Xbox同様下位互換性があり、特にPS4との互換性を確保している。

CPUは3.5GHz、8コアのAMD Zen 2だ。GPUはAMDのRDNA 2アーキテクチャを利用しており、36 CU(Compute Unit)で10.28TFLOPSを発揮する。メモリは16GB、SSDは825GBが搭載される。システムの電力消費と発熱を抑えるよう設計された新しいブースト機能がある。

サーニー氏によれば、PS5は熱を抑えるために「温度そのものではなくGPUとCPUが実行しているタスクを監視する」。この情報に基づいてクロック周波数を上下させる。システム冷却の仕様の詳細は、今後行われるシステムの「徹底解説」で明らかにすることを約束している。

3Dオーディオは「新しい夢を発見する」というセクションで説明された。サーニー氏は「グラフィックスを主体とするシステムでは往々にしてオーディオは後付けにされてしまう。残念ながらPS4ではそうだった」と述べた。しかしPS5でははPSVRの没入型オーディオを利用した新しいバージョンが導入され、ゲーム機オーディオにプレゼンスや位置定位などの機能に焦点を当てた。ソニーではユーザーが利用するデバイスがさほど高度でないホームステレオシステムやヘッドフォンであってもバーチャル・サラウンドサウンドを提供する能力が大きく改善されたとしている。

Xboxの新シリーズ同様、PS5の発売も今年末になるはずだ。今回、ソニーはほんの表面を説明しただけだろう。クリスマスまでまだ相当の間があり、今後完成される要素も多いはずだ。

さてゲームに付き合ってくれる人は誰かいるかな?

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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TechCrunch Japan

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