Waymoが新型コロナ対策で完全ドライバーレスを除くロボタクシーサービスを停止

Waymoは3月17日、新型コロナウイルス(COVID-19)流行を受けて、フェニックスエリアで展開しているWaymo Oneサービスの一時取りやめを明らかにした。このサービスは、訓練を受けたセーフティオペレーターが運転席に乗り込んでいる自動運転車の配車をユーザーが依頼できるというものだ。同社はまた、カリフォルニアでの公道試験も中止している。

しかしウェブサイトでの発表によると、Waymoは一部のオペレーションを継続している。それは、セーフティドライバーを必要としない完全ドライバーレス車両だ。これらのドライバーレス車両は、一部のメンバー向けのアーリー・ライダー・プログラムの一環としてフェニックスで展開されている。

Waymoアーリー・ライダー・プログラム、Waymo Oneサービスどちらも、チャンドラーやテンペなどの郊外を含む限定区域内でフェニックス住民を輸送するのに自動運転のChrysler Pacificaミニバンを使用している。昨秋まではこれらの「自動運転乗車」すべてで運転席にはセーフティドライバーが乗り込んでいた。

昨年10月、Waymoはアーリー・ライダー・プログラムのメンバーに、セーフティドライバーが乗り込まないドライバーレス車両による乗車の提供を始めた。

Waymoはドライバーレス車両をきれいに保つ策を強化した、と話す。車両は1日に数回清掃・消毒される。また、乗車する人が利用できるよう、全車両に消毒製品を備え付けた。

以下が発表全文だ。

我々のライダー並びにWaymoコミュニティ全体の健康と安全のために、新型コロナウイルスの状況を鑑みて、Metro Phoenixでの訓練を受けたドライバーが乗り込むWaymo Oneサービスを当面取りやめる。

ローカルデリバリーやトラック輸送とともに、フェニックスでの完全ドライバーレスオペレーションはアーリー・ライダー・プログラムとして継続される。

適切な距離を保つことの重要性を認識し、またCDCや地元当局が共有している衛生ガイドラインを守りながら、我々はライダーやパートナーのためにドライバーレス、デリバリー、トラッキングのサービスを提供する。ドライバーを取り除くことは、移動をより安全なものにするだけでなく、こうした不安定な状況でライダーの健康をサポートするのにも貢献する。

我々は今後も注意深く新型コロナウイルスの状況を見守り、サービスに変更が生じる場合はライダーにお知らせする。それまでは我々のライダー・サポートチームがあらゆる質問に答える。

Waymoスタッフ一同みなさんの健康を願っている。

こうした動きは、新型コロナウイルス感染拡大を抑制しようと特別対策を取っている国のガイダンスに基づくものだ。また、少なくとも1件の事案が影響している。その事案とはWaymo One車両のドライバーが、新型コロナウイルス感染例が確認されたと聞いたためにアリゾナ州チャンドラーにあるIntel(インテル)のキャンパスでのピックアップを拒否したというものだ。

カリフォルニア州外での輸送やトラックテストを含むUPSとのパートナーシップは継続される。

画像クレジット:Dllu / Wikimedia Commons under a CC BY-SA 4.0 license

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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