Mediumがフィードをリアルタイム化するSuperfeedrを買収、世界のメディア(medium)へいよいよ本気

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原則として誰でも何でも書けるソーシャルブログサービスMediumが今日(米国時間6/2)買収した小さなスタートアップSuperfeedrは、RSSやAtom、JSONなどのフィードを高速化するAPIだ。Mediumのような企業にとってSuperfeedrは、大量のフィードを生成してそれらを、PubSubHubbub互換のサービスへリアルタイムでプッシュする。

SuperfeedrのWebサイトによると、同社はこれまでIFTTTやAbout.me、Etsy、Player FMなどの仕事をしてきた。しかし、買収によってこれらの顧客へのサービスを停止することはない。Superfeedrのサーバーは今後も動き続ける。

RSSフィードは死んだ、と思っている人も少なくない。しかしRSSのリーダーを、ニュースを取らまえるために使っている人は、ぼくみたいなニュースジャンキーだけかもしれないが、RSSやAtomのフィードは今でも健在だ。むしろ、多くのAPIやサービスが、これらのフィードに依存している。

たとえば、FlipboardやWebクローラー、ポッドキャストのプレーヤー、Apple News、などなど…、これらのサービスはすべて、フィードに依存してコンテンツのパブリッシャーから定型データを集めている。Superfeedrは、大量のフィードを作っているコンテンツサービスと、大量のフィードをポルする必要のあるサービスの、両方を助ける。

そして言うまでもなく、Mediumもかなり大きなコンテンツパブリッシャーだ。Superfeedrのチームはこれから、Mediumがビューティフルなフィードをあっという間に作って、それらをすべての適切な場所へ確実にプッシュできるように、がんばらなくてはならない。MediumのRSSフィードをもらうためには、同サイトでそう設定すればよい。

今日の買収によってMediumは、インターネット全体とコミュニケーションするためのプラットホームを本気で作っていく、という意思を表明したことになる。Mediumは最終的にも、壁で囲まれた刑務所の庭(walled garden)〔完全有料サービス〕にはならないだろう。Mediumは、ユーザーが確実にコンテンツをコントロールできることが、そのキモだ。

Superfeedrはこれまで、BetaworksとMark Cubanから資金を調達している(金額不明)。Mediumの買収の条件も、公表されていない。今年最大の買収ではないだろうけど、興味深い動きだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ベトナムがオバマ大統領の訪問中にFacebookへのアクセスをブロック

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話題となっているこのInstagram上の写真以外にも、先日のオバマ大統領によるベトナム訪問中に事件が起きていた。ベトナム政府が、大統領の滞在中にFacebookへのアクセスを遮断していたのだ。

このニュースを発表した、Access Nowに所属する言論の自由の支持者たちは、Facebookへのアクセスが週末の間完全に遮断されていた証拠をまとめた。これは、最近当局が支持を表明していた部分的なアクセス遮断とも意を異にする。ベトナムと言えば、今月初めにも、市民の抗議活動に関する報道を理由にFacebookへのアクセスが遮断されていたことを覚えている人がいるだろう。この報道はFacebook上で広まり、抗議活動の参加者はベトナム国内で3000万人に及んでいる。

TechCrunchのコメント要請に、Facebookはすぐには応じなかった。

何でベトナムでFacebookがブロックされているのかな????

今回のアクセス遮断の理由は、国政選挙であると言われている。活動家はロイターの取材に対し、国政選挙のボイコットに向けて呼びかけを行っている民主活動家を妨害するためにFacebookがブロックされたのだと語った。

「インターネットへのアクセス遮断が、新しい常識になってしまっては絶対にいけません」とAccess Nowはウェブサイト上で主張した。「市民の安全の名の下に正当化されがちですが、アクセス遮断は、命に関わる情報や、オンライン金融サービス、救急サービスへのアクセスさえ断ってしまいます。そして、社会全体を恐怖に陥れ、経済発展を支えつつ小規模ビジネスの存続をサポートするインターネットの力を揺るがすこととなります」

Access Nowはさらに、オバマ大統領による訪問の背景にある使命のひとつであった、貿易やビジネスを検閲が脅かすことになると主張した。

5年頃前に、東南アジアでFacebook人気が高まりだしたとき、ベトナムではFacebookへのアクセスが初めてブロックされた。その影響で、Facebookに取って代わろうとする地場の類似サービスが数多く生まれたが、ベトナムの9000万人におよぶ国民の間では、近年Facebookが主流のサービスとなっていた。

ソーシャルネットワークを抑制しようとする動きは、ベトナムだけに留まらず、露骨な活動を続ける中国政府の他にもたくさんの例が挙がっている。ベトナムの近隣国タイでは、2014年5月に起きた軍事クーデータから1週間もたたない間に、Facebookが一時遮断された。一方トルコでは、政府によるFacebookとTwitterへのアクセス制限が何度も起きている。また、パキスタンは、3年間におよぶYouTubeへのアクセス遮断を今年解除したばかりだ。他にも、首相の汚職に関する調査報道を受けて、マレーシアではMediumへのアクセスが遮断され続けている

 

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Featured Image: Instagram: anthonybourdain

好調Snapchat、シリーズFで18億ドル調達―取締役会資料で評価額、売上、ユーザー数も判明

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今週われわれはSnapchatが資金調達中だという記事を書いたが、このメッセージ・スタートアップに関してもっと具体的な数字が判明した。

今日(米国時間5/26)、 証券取引委員会(SEC)に提出された報告書によれば、Snapchatは最新のシリーズFラウンドで18億ドルの資金を調達している。さらにTechCrunchに対して別途提供された同社の取締役会のプレゼン資料によって同社の売上や将来予測に関する情報を得ることができた。

このプレゼン資料によって、ロサンゼルスに本拠を置くSnapchatは2015年の売上が5900万ドルに過ぎなかったものの、巨額の資金調達を進めたことが明らかになった。しかし資金調達に成功した今は、本格的にビジネスを拡大する準備が整ったことになる。

信頼できる情報源がTechCrunchに告げたところによると、18億ドルを調達した最近のシリーズFのうち、11億5800万ドルは1月以降の5ヶ月で順次調達されたものだという。

同情報源によれば、資金を提供した投資家にはGeneral Atlantic、Sequoia Capital、T. Rowe Price、Lone Pine、Glade Brook Capital、IVP、Coatue Management、Fidelityなどが含まれている。

今回SECに提出されたForm D書式では会社評価額を明らかにする必要がない。評価額についてわれわれが聞いた情報は錯綜していた。情報源の説明によると、投資の一部はプレマネー(投資実行前の評価額)で175億ドルだったという。これに18億ドルを加えれば193億ドルとなり、TechCrunchが報じた「ポストマネーで200億ドル」という目標値にきわめて近いことになる。

ただし、この部分についてもわれわれは矛盾した情報をつかんでおり、実際の評価額はもっと低い可能性があった。TechCrunchに記事が出て数時間後にある情報源から接触があり、プレマネーの評価額は180億ドル以下だという数字が告げられた。今回のラウンドのポストマネーの評価額は160億ドルかそれ以下、プラス18億ドルだったという。

異例だが、同時に可能でもあるのは、一部の投資家が異なる会社評価額で出資したというものだ。われわれは大勢の投資家がSnapchat株式を購入するために特別に資金をプールするファンドが組成されたという噂を聞いていた。

同時にSnapchatの資金調達における会社評価額は「動的」、つまり現実に資金が調達される時点での時価総額に基づくということを聞いていた。これは同社の資金調達に多数の投資家が関与し、数ヶ月にわたるところから来たものだろう。つまりシリーズFラウンドというのは、こうした投資をすべて合計した名称ということのようだ。

記憶を呼び起こせば、昨年Snapchatは160億ドルの評価額で6億5000万ドルの資金調達を試みたことが報じられた。SECへ報告書によれば、このうち5億3700万ドルが調達ずみとなっている。Snapchatは残りの額も含めて全額を調達ずみだ。どうやら6億5000万ドルの出資目標額の残り〔1億1300万ドル〕が今回のシリーズFラウンドの最初の部分になったものらしい。

Wall Street Journalは3月の記事で、同社はFidelity(シリーズFラウンドの参加者)からhis round) から160億ドルの評価額で1億7500万ドルを調達したと報じている。この資金調達は今回SEC報告書に記載されたシリーズFラウンドの一部であったようだ〔そのためにFラウンドにおける会社評価額について異なる数字が流れたのだろう〕。【略】

巨額の資金、さらなる成長

Snapchatの会社評価額は〔160億ドルから〕いっこうに伸びていないと批判する意見もあるが、同社自体はそれどころでない成長を遂げている(TechCrunchが200億ドルという会社評価額をあり得ると考えたのもそれが一因だ)。

われわれの情報源はSnapchatに投資を試みたことがあり、同社のプレゼンのスライドをTechCrunchに提供した。この資料にはこれまで公開されたことがない数字が記載されている。

スライドの日付は2015年の末となっている。この時点でのSnapchatの2015年の売上は5900万ドルだった(ただし、同社が収益化をスタートさせたのは2015年の下半期であり、それ以前はまったく収益化を行っていなかったことは記憶しておくべきだろう)。

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Snapchatでは2016年の売上を2億5000万ドルから3億5000万ドルの間、2017年は5億ドルから10億ドルの間と予測していた。

プレゼンの資料によれば、こうした数字の上限は現実の売上に基づく推定ではなく、セールス部門の強気の目標数値だったとようだ。別の理由もあって売上予測は多少割引して聞く必要がありそうだ。それはこうした予測が同社が現に収益化の努力を始める前の予測であるという点で、広告やDiscoveなどのプロジェクトを始めるとそれなりのコストがかかることが判明した。

資料はまた2015年12月の1日あたりアクティブ・ユーザー〔DAU〕は1億1000万人だとしている。前年同期が7400万人なので50%弱の成長を遂げたことになる。

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もちろん今は2016年の5月であり、現在のDAUの数字は不明だ。しかしSnapchatは最近も目覚ましいスピードで機能を追加しており、ユーザーはテキストだけでなくビデオや音声をさまざまに処理して友達と共有できるようになっていえる。

たとえばke カメラロール中の写真の顔を別の顔と入れ替えたりビデオ中の動く対象にスタンプを貼り付けたりできるようになた。またさまざまな新機能でサービス全体の使い勝手もすっかりアップグレードされた。【略】

Snapchatではサービス内のビデオの視聴は昨年1年で350%増加し、1日あたり100億回となっていると発表している。またユーザーの3分の2は毎日Snapchatの提供する機能を利用してビデオ・コンテンツを作っている。

今回の資金調達に関連して取材した投資家は、こうした精力的な新機能の追加は「この会社のもっとも魅力的な点のひとつだ」と認めた。投資家の1人は「誰にとっても1週間は168時間しかない。 一般ユーザーのインターネット利用を考えると、1人のユーザーが繰り返し使うプロダクトはせいぜい5種類から7種類くらいだ。それ以上使う『帯域幅』はない」と語った。この投資家によれば「Snapchatはすでに一般ユーザーが繰り返し使うプロダクトの一つとしての地位を確立しており、しかもその成長は始まったばかりだ」とした。

この記事の取材にはMatthew Lynleyが協力した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Slackが統計を発表―このエンタープライズ向けチャットにユーザー殺到中

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毎日Slackにログインしてチャットする人間はたいへんな人数になってきた。

今日(米国時間5/25)、エンタープライズ向けコミュニケーション・プラットフォームのSlackeが公式ブログでいくつかの数字を発表した。

それによるとSlackは現在も成長の速度を緩めておらず、わずか1年で一日あたりアクティブ・ユーザー(DAU)は3倍になり、この8ヶ月だけでも2倍になっている。

  • チャット、画像その他のファイル送信、ギフトの送付などのためにSlackを毎日利用するユーザーは300万人
  • 200万人がサービスを同時に利用

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こうした統計はSlackが上向きであることを十分に示している。この数ヶ月メディアでなりを潜めていたのはSlackのエンジニアがユーザー体験の改良に全力を上げていたためらしい。このサービスにはすでに音声とビデオでのチャット機能の追加計画を発表しているが、今月に入ってSlackを利用してサインインする機能も追加された。これはFacebookのユニバーサル・ログインのエンタープライズ版と思えばよいだろう。

Slackはこの4月に2億ドルを調達し、調達総額は5億)ドルとなっている。現在の会社評価額は38億ドルだ。今回発表されたユーザー統計は十分にポジティブだ。それでもビジネス・ユーザーが毎日Slackに殺到するスピードを十分に伝えているとはいえい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitter、ついに140文字制限を緩める―返信の@ユーザー名、メディアの添付、自己RTはカウント除外へ

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部分的にはすでに報じられていた内容が公式に確認された。今朝(米国時間5/24)、Twitterは「ツイートに含まれる文字数は140以内」という制限を厳格に適用することを止めると発表した。Twitterによれば、新しいユーザーを獲得するためにサービスをさらに使いやすくする変更も準備中だという。

今回のバージョンアップに伴い、画像、ビデオなど添付のメディア、返信の@ユーザー名は140文字制限に含まれなくなる。ただしユーザーが入力したURL文字列は依然としてカウントされる。これはTwitterの文字数カウンターの本質に関わる問題であるため変更しなかったのだろう。

つまりTwitterのシステムではユーザーが新たなツイートを入力するインターフェイスに含まれる文字はカウントされる。URL文字列はカウントされるが、ビデオ、写真、GIF、他のツイートの引用などの添付は文字数としてカウントされないとしたのはそのような背景のためだ。

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一方で、@メンションがユーザーが入力する文字列であったにもかかわらずカウントされないこととなったのは、Twitterをグループ・チャットのメディアとして普及させたいという同社の戦略によるものと思われる。

ツイートがスレッド化して会話が続き、多数のメンバーが参加するようになると、宛先に全員を含めるための文字列がどんどん長くなる。ある時点で140文字の制限を回避するために宛先を切り捨てる(@ユーザー名に含めない)必要が出てくる。予定されているバージョンアップではこの点が改良される。

@ユーザー名入力は本文から外され、別個のインターフェイスを用いることになる。

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Twitterのルールは新しいユーザーには複雑でわかりにくいとして評判が悪かった。これは140文字の制限だけでなく、ツイートとして表示されるいろいろな要素にそれぞれ不透明な印象を与えるルールがつきまとっていることにもよっていた。熟練したTwitterユーザーになるためには、不合理な制限を回避して必要なことをツイートに表示させるための裏ワザを多数習得する必要があった。

こうした「ハッキング」の必要を無くすための作業が準備されている。たとえば、これまで特定の相手への返信をフォロワー全員に公開するためには@マークの直前にピリオドを打つ必要があった(.@ユーザー名)。これはTwitterのシステムが@ユーザー名で始まるツイートは自動的にその相手のみに公開される仕様になっていたためだ。

この仕組が設けられたのは、もともとタイムラインに個人同士の会話が多数表示されてわかりにくくならないようにするためだった。しかし結局のところ無駄なルールだったと判明した。自分が直接メンションされていなくても、他のユーザー同士の会話は十分に興味深く、読むに値することが往々にしてある。これはTwtterが巨大な公開の会話プラットフォームであるという本質からくるもので、ルールで変えることは不可能だった。

全員に会話を読んでもらいたい場合、ユーザーは@マークの前にピリオドを打つようになり、これが 非公式なルールになった。こうしたことのために、 新しいユーザーにはTwitterには「隠れたルールが多数ある」ように感じられ、使いにくいと思わせる原因となっていた。

過去にどんな背景があったにせよ、Twitterはわかりにくいルールの撤廃に向けて精力的に作業を進めている。新しいユーザーは以前のTwitterよりはるかに直感的にシステムを使いこなすことができるようになるだろう。ユーザー数頭打ちになっているというTwitter最大の問題の解決にも役立つはずだ。

Twitterの共同ファウンダー、CEOのジャック・ドーシーは声明で「われわれの今年の最大の優先事項はシステムをシンプル化し、使いやすくすることだ。…Twitterの本来の強みである『今何が起きているのか』をライブの会話でシンプルに伝える能力〔に立ち戻ること〕に全力を集中する」と述べた。

Twitterでは「この変更によって、今後、@ユーザー名で始まるツイートは全てのフォロワーに公開される」と述べている。またTwitterはRTすること自体が広い範囲にツイートを公開する意図があるものと考えられるとしている。

さらにもう一つの変更は、自分自身の以前のツイートをRTないし引用できるようになったことだ(これまでは不可能だった)。この制限は自分が書い複雑なコンテツを拡散するためのプラットフォームとしてTwitterを利用するユーザーには苛立たしい制限と感じられていた。

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以前投稿したツイートを誰もが読んでいるわけではない。多くのユーザーは以前ツイートした内容を再度フォロワーの目に触れるようにしたいと考える。ところがTwitterにはそういう仕組がなかった。もちろん、この制限はスパムが繰り返し表示されるのを防ぐというメリットはあった。しかし正当な利用の障害になる場合がメリットを上回ったようだ。【略】 Twitterでは新たに自分のツイートに再投稿ボタンが表示されるようにするので、自己ツイートの引用は非常に簡単になった。

Twitterが実際のアップデートに先立って変更の内容を公表したのはデベロッパーにアプリの修正の余裕を与えるためだという。

Twitterのプラットフォームを利用しているアプリ、サービスは無数に存在する。今回の変更はTwitterのREST、ストリーミングAPI、広告API、Gnip、Display利用プロダクトに影響を与える。またデスクトップやモバイルでツイートやタイムラインをエンベッド表示させるためのFabric Kitも変更されることになるとTwitterは述べている。

Twitterはこれらの変更が公開されるスケジュールについては「数ヶ月以内」という以上に詳しく明かしていない。

Twitterの新ルールに関してはわれわれのJosh Constine記者による次の記事も参照。24 more characters, for better and worse

〔日本版〕バージョンアップ後のTwitterでは返信のための@ユーザー名、メディアの添付、自己RTが「140文字の本文」から除外される。添付メディアのレンダリングにはタイムラインに表示されないTwitter独自のURLが用いられ、これが24文字であるためコンスティン記者の記事タイトルは「Twitterの本文が24文字長くなった」と表現されている。返信の@ユーザー名が別途入力されることになるのを考慮すれば、本文に利用できる文字数はその分も増加している。

ピリオド・プラス@ユーザー名のルールが廃止されたことで、本文中に@ユーザー名があるツイートは全フォロワーに公開されるようになった。ただし140文字にカウントされる点はそのまま。@ユーザー名が返信用のインターフェイスから入力された場合、公開範囲は従来の返信と同様、受信者および発信者、受信者の双方を同時にフォローしているユーザーのみ。ただしユーザー名文字列が140文字にカウントされなくなる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

TwitterおよびInstagramのフォロワー分析を行うSocialRankにプレミアムサービスが登場

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SocialRankは、ブランド、エージェント、セレブのために、ソーシャルメディア上で自分をフォローする人についての情報を把握するサービスを展開している。同ジャンルの他サービスと異なり、人数などを表示するだけではなく、それぞれのフォロワーの特徴に基づいて分析を行うことができるようになっている。そのSocialRankが、新たにSocialRank Premiumの提供を開始した。

SocialRankは、TwitterおよびInstagram上で「最も価値のある」(most valuable)フォロワーや、特定の地域に住んでいるフォロワー、ないし特定のトピックについてツイートしているフォロワーなどをリストアップすることができる。共同ファウンダーのAlex Taubによると、プレミアム版では具体的アクションに役立てることのできるデータを提供したいのだとのこと。

プレミアム版で提供されるもっとも目立つ機能といえばDMキャンペーン用の機能だろう。キャンペーンの役にたってくれそうだと思えるフォロワーがいれば、その人に何か特別なサービスを提供しようというのは自然な発想だろう。そして既に自らのアカウントをフォローしてもらっているのなら、DMでキャンペーンを展開することができる。そのことを積極的に活用するために、SocialRank Premiumでは1度に複数のDMを同時発送できるようになっている。DMの一斉発送の際に、個々人の名前を埋め込むような機能ももっている。

もちろんこのサービスの目的はスパムや、不必要なキャンペーン情報を垂れ流すことではない。Taubの言葉を借りれば、真に関係を構築したい人とつながるための手段を提供するのです、とのこと。またSocialRankとしても機能の使われ方については注意を払っていくつもりなのだそうだ。最初のうちは同時発送できるDM数に制限を設けたりすることも行うらしい。

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DMキャンペーンの機能に加えて、フォロワー情報を詳細に分析する機能も加えられている。たとえば、特定地域に居住していて、バイオ欄に「engineer」という語を含むフォロワーを一覧するようなこともできる。そうして抽出したデータはPDFに書き出すこともできる。

蛇足かもしれないが付け加えておくと、SocialRankの基本サービスは無料で提供されている。またSocialRankは、Market Intelligenceというより高額な有料オプションも提供している。そちらのサービスでは競合のフォロワー状況などを検討してみることができるようになっている。今回発表されたSocialRank Premiumは月額49ドルだ。

「Market Intelligenceは、企業が比較的大きな規模の比較分析などを行うために開発したものです」とTaubは言っている。「Premiumの方はソーシャルネットワーク上での状況分析などを請け負う個人などにも採用を検討してもらえるサービスだと考えています」。

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(翻訳:Maeda, H

Google、ソーシャル・サービスに再挑戦―グループチャット・アプリのSpacesをリリース

GoogleはGoogle+の失敗でソーシャル・メディアへの野心を諦めたわけではないようだ。今日(米国時間5/16)、Googleは情報のグループ共有に特化した新しいソーシャル・アプリ、Spaces発表した。小人数のユーザー・グループがこのアプリ内から検索、YouTube、Chromeなど他のGoogleサービスを共有し、アプリを離れることなくコンテンツやリンクなどを共有することができる。さらにユーザーは共有コンテンツを中心としてグループ・チャット方式で会話することが可能だ。

GoogleのSpacesのチャット機能とモバイル・フレンドリーなインターフェイスはFacebookのMessengerやWhatsAppなどのライバルになりそうだ(SpacesはiOS版、Android版、モバイル・ウェブ版がある。ウェブ版はデスクトップからも利用可能)。

現在のチャットアプリには各種のウェブサービスとの深いレベルでの統合が欠けている。Google Spacesのユーザーは検索やYouTubeで発見したウェブのコンテンツのURLを共有できるだけでなく、他のユーザーがコンテンツを再生、表示するのをアプリ内から見ることができる。

またGoogleならではの利点として、共有されたSpacesの内容はGoogle検索可能になる点が挙げられる。ユーザーは自分たちが作ったSpacesをキーワードで検索できる。するとリンクと同時に画像が表示される。Googleフォトですでに利用されているGoogleの画像認識テクノロジーがキーワードで画像を認識するために有効に使われている。

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アプリのインターフェイスはシンプルだ。新しい共有空間であるSpaceを作るには1回タップするだけでよい。 新たなメンバーを招待するにはメッセージ・アプリ、メール、他のソーシャル・ネットワークが使える。Spaceに参加するとスクリーンの下部に窓がが表示され、ボタンをタップするだけでリンク、画像、その他のコンテンツをチャット・ルームに投稿できる。会話のスレッドは現在何が話題になっているのか分かりやすいデザインだ。

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GoogleではSpacesのユースケースをいろいろ挙げている。研究、調査グループに有用なのはもちろんだが、旅行計画をたてたり、コミックや変わった建築など、特定の分野に共通の趣味を持つグループも使えるだろうという。これは Google+の各種の「コミュニティー」に近いものになるのかもしれない。というようり、ここまで機能が重なりあったプロダクトをローンチする裏には何があるのか考えたくなる。

Googleは今週のGoogle I/Oデベロッパー・カンファレンスでSpacesを利用した共有グループを立ち上げ、ユーザーの反応をチェックするつもりのようだ。つまりカンファレンスの参加者はSpacesアプリを利用して参加者同士、またGoogle社員と自由にチャットできるという。このアプリにはさらにサプライズが隠されているらしく、アプリをダウンロードすると「何かいいことがあります」とGoogleは約束している。

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SpacesはGoogleにとって初めての変わり種のモバイル・ソーシャル・アプリというわけではない。Google+はもちろんだが、昨年はWho’s Down〔誰がヒマ?〕というHangoutのチャットメンバーを集めるアプリをリリースしている。Googleフォトにも数多くのソーシャル機能が搭載されている。

Google Spacesのウェブサイトには「近日公開」とありこの記事の執筆時点ではまだGoogle Playからダウンロードできるようになっていない

〔日本版〕翻訳時点ではサイトアプリとも公開ずみ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

YouTubeでビデオを友だち等と共有するときチャット〜メッセージングができるようになった

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YouTubeがメッセージングアプリになったの? でも、いいじゃない! 今やどんなアプリでもやってるわ。YouTubeからの今週の発表では、今モバイルアプリの一部のユーザーを対象に、家族や友だちとビデオを容易に共有できる機能をテスト中である。このビデオ共有機能では、アプリにチャットを開始できるタブがある、と同社は言っている。

今すでにYouTubeユーザーの多くがSMSやiMessageなどのメッセージングサービスを使ってビデオを共有しているから、それがYouTube本体から簡単にできるのは良いことだ。YouTubeとしても、それによってアプリのユーザー数を増やし、またモバイル上でのYouTubeへの滞留時間を増やしたいだろう。

YouTubeがモバイルで苦戦している、という意味ではない。それどころかモバイルからのYouTubeの利用は年々増えており、モバイルの平均視聴時間は40分に延びている。18歳から49歳という中心的な年齢層の視聴者数は、合衆国最大のケーブルテレビネットワークよりも多い、と同社は豪語している

このメッセンジャー機能はまだベータテスト中で、全ユーザーが使えるわけではない。しかしテストはiOSとAndroidの両方で行われていて、しかも、テスターからビデオの共有とチャットをもらったユーザーも、その共有/チャット機能を使えるようになる。

だからチャット的なインタビューでビデオの共有をもらった友だちは、自分のビデオを送ったり、あるいは絵文字を使って返信できる。

今YouTubeはサービスの本質を、単純にユーザー生成コンテンツを置く場所から、オリジナル連続番組やムービーオフラインでも聴ける音楽eスポーツ子ども向けビデオなどなどへと多様化しつつある。

そして今回のメッセンジャー機能は、これまでもけっこうSNS的であったYouTubeを、さらにSN化しようとしている。同社は最近の重要なトレンド、すなわちソーシャル的振る舞いの多くがソーシャルメディアよりもメッセージングで行われていることに、気づいているのだ。一方Amazonは最近、YouTube的なサービスAmazon Video Directを立ち上げたから、YouTubeとしてはそれにも対抗しなければならない。

メッセージング機能の一般供用の日程を、YouTubeはまだ発表していない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

リストを作って共有する「The List App」、「li.st」と改名して、iOS版に続きAndroid版も登場

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テレビドラマの「The Office」のプロデュースや脚本を手がけ、自らもライアン(Ryan)として登場しているB・J・ノヴァク(B.J. Novak)が、Dev Flahertyと組んでリストを作って共有するためのアプリケーションをつくったとき、名前はそのままThe List Appとしていた。しかしそんな単純な名前のわりに、iPhone版がリリースされるや否や15万人の利用者を集め、25万件のリストが作成されたのだった。それからしばらくたち、名前をli.stに変更し、アプリケーションのリニューアルすることとなった。あわせてAndroid版もリリースされた。ウェブ版も間もなくリリースするとのこと。

このli.stについてご存知ないかたのために少々説明しておこう。li.stとはリストを共有する単純な目的のためのプラットフォームだ。リストにするのはなんでもOKで、お気に入りのレストランやバー、旅行のチップス、おすすめエンターテインメント、あるいは何かのまとめ(人生を変えたアルバム、など)や、暇つぶしに楽しめるものをリストにしてもいい(AppStoreでは「買い物リストじゃないリストを作ろう!」というようなコピーも見られる)。

リストは情報をまとめるのに役立つだけでなく、長い文章を読まずに知識を得られるという意味で人気のでそうな形式だといえると思う。完結にまとめるスタイルは、短時間で情報を消費するモバイル時代にふさわしい形式であるともいえる。

アプリケーションが登場してきた際、Lena Dunham、Mindy Kaling、あるいはSnoop Doggなどの著名人が利用していたことも注目を集めるのに役だった。またNYT、Washington Post、Slate、The New Yorker、TED、The Onion、PBS、Voxなども、デビュー当初より本アプリケーションを利用している。

利用者に有名人が多くいたこともあり、本アプリケーションの目的が著名人の情報を集めて、それを一般の人に提供することにあるのだろうと勘違いした人も多かった。あるいは有名人が名声を利用して小遣い稼ぎをしようとしているのだと勘ぐるひとさえいた。ただ、li.stというのは、著名人が片手間に作ったものとは一線を画すものであった。セレブ情報を集めてまとめ情報を提供するというものでもない。

使ってみた人たちはリスト形式にまとめることの有効性に改めて気づくこととなった。Twitterでは短すぎて表現できず、かといってMediumなどのブログで記事にするような内容でもないものを、こぞってリスト化し始めたのだった。

Screen Shot 2016-05-09 at 2.04.46 PMエッセイを書くのに躊躇いを感じても、リストであれば手を出しやすい。メリットをあげるリストでも、お役立ち情報を集めたものでも、リスト形式ならすぐに書くことができ、そして情報が世の中に広まりやすくなる。

リスト形式では文章も短くなりがちだが、それがかえってわかりやすい文章を生み出すことにも繋がった。

Flaherty曰く、このアプリケーションは、文章の構造を意識せずに言いたいことを表現できるのだとのこと。

リスト形式で書くことの容易さを理解して、多くの人が身の回りの情報をリスト化し始めることとなった。たとえばジャズの名盤リストや、おじいさん・おばあさんになる人に向けたTips集、さらには「やせ社会の中でデブでいる意味」などのリストが公開されている。

「アプリケーションを使って、さまざまな内容について書いてくれる人が増えてきました」とFlahertyは言う。「それぞれの人のもつ魅力を、より多くの人に伝えるために役立っているのではないでしょうか」とのこと。この観点から将来的には「パーソナライズ」の機能をいろいろと加えていきたいのだそうだ。

もちろん、当初より有名人やメディアが利用していたのも、利用者層の拡大に役だった。

セレブの方々のネームバリューも、発展に寄与することとなりましたと、Novakも言っている。

「しかし最終的には、アプリケーションの中身により、利用者を集めることができたのだと考えています」。

BJ Novak List Disrupt NY 2016 Canva

FlahertyもNovakの発言を裏付けている。すなわちFlahertyは「The Office」」を知らず、妻にNovakがなぜ有名なのかを尋ねたりもしたそうなのだ。

しかしNovakの方も、Flahertyが自らを「良いアイデアを持つ人物」として、色眼鏡なしに判断してくれたことを喜んでいる様子だ。

「何も知らない素人としてテック業界に入って来ましたが、本当に面白い世界だと感じています」と、すでにli.stを世に出してしばらく立つにもかかわらずNovakは言っている。

「アイデア勝負の業界ですね」と、テック業界についてNovakは言う。「今のところは、ホラー映画で面白い役作りをする人と接するよりも、さまざまなアイデアを実現している業界のスターたちと触れ合うことの方を面白く感じているのです」。

ちなみに昨年アプリケーションをリリースする際、200万ドルのシード資金を獲得しているのだそうだ。

li.stのウェブ版も4週間ないし6週間のうちに登場する予定であるとのこと。スマートフォンの小さな画面をタップするのではなく、キーボードを使ってリストの作成ができるようになるわけだ。

このたびリリースされたAndroid版はこちらから利用できる。

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(翻訳:Maeda, H

1万人以上がFacebookのチャットボットを開発している、アナリティクス機能も製作中

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Facebookのチャットボットの利便性に対する不満があがっているものの、Messengerのプロダクト責任者であるStan Chudnovsky はTechCrunch Disrupt NYのステージで、何万人もの開発者が開発を進めていると明かした。また、Shopifyの5000店はすでに注文確認や出荷通知などMessenger経由で配信していると話し、Eコマース企業がアプリの10億人近いユーザーにリーチしたがっていることを示した。

ChudnovskyとTechCrunchのFacebookのリポーターJosh Constineのパネルの一部始終はこの動画で見ることができる。

ボットとのやりとりは増えてきている。Messengerのプラットフォームに登場した人気のチャットボットにActivisionのCall of Dutyボットがある。このボットは提供開始から最初の週で、600万近いメッセージをユーザーとやりとりし、エンゲージメントが高まったことを示した。

問題はボットがスパムっぽくなると、Messenger内の友人からのメッセージが埋もれてしまうことだ。そうなればユーザーはMessengerが鳴る度にスマホをチェックしなくなってしまうだろう。幸いなことにChudnovskyは、ユーザーをボットスパム、遅延メッセージ、大量の配信メッセージから守るための方法を考えているという。ボットの配信では異なる音や振動パターンで知らせたり、通知を一切出さない方法などだ。

理想的にはFacebookが踏み込むのではなく、開発者自身がスパムにならないよう管理することに期待している。今の所開発者は、ボットのパフォーマンスに関する知見を少ししか得られない。Chudnovskyは、Facebookは網羅的なMessengerのチャットボット用アナリティクス・システムの開発に注力していると認めた。それにより、開発者はどのようなメッセージがユーザーに嫌われ、ブロックされたり、ボットを放棄させたりしているかが分かる。また、どのコールトゥアクションやメッセージのタイミングがもっともエンゲージを促しているかも分かるようになる。

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Messengerはより良いユーザーとビジネス間のコミュニケーションを促進するプラットフォームを公開したが、ConstineはチャットボットはMessengerから人間の温かみがなくすことにならなかと聞いた。

Chudnovskyは、タッチトーンによる連絡網や待ち時間など、既存のビジネスとカスタマー間のコミュニケーション・ネットワークの大部分はロボット的だと話す。彼は、Messengerのチャットボットプラットフォームはこのやりとりを改善できる可能性が大いにあると説明する。

「人と企業間の連絡を簡単にすることができるなら、そこに大きなチャンスがあると思います」と Chudnovskyは言う。

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「カスタマーサービスの体験に人間らしさを加えたいと考えています。電話するよりテキストでチャットした方が簡単です」。

このパネルから分かったことはMessengerにおいてマイナーな変更は稀だということだ。 ChudnovskyはConstineにプラットフォームのグループ通話機能は、さほどプロモーションを行っていないにも関わらず最初の24時間におけるVoIP音声通話の合計時間は1100万時間近くに及んだという。

グループ機能の成功について語ったものの、次に動画グループ通話を実装するかの質問には端的に「ノーコメント」と言った。ただ、「動画グループ通話は素晴らしい体験であると私たちも考えています」と話していた。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

情報化時代は終わった、ようこそ体験型時代へ

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編集部記:執筆者のMike WadheraはSports Feedのファウンダーである。

ウェブの登場から25年が経過し、情報化時代は終わろうとしている。モバイル画面とどこでもインターネットが使えるようになったおかげで、私が「体験型時代」と呼ぶ時代に突入しようとしているのだ。

最後にFacebookのステータスをアップデートしたのはいつだろうか?もうステータスなんてアップデートしていないかもしれない。この記事では、Facebookの16億人ユーザーによるFacebookの元々のステータスアップデートの回数は21%下落しているという。

ステータスの入力ボックスは情報化時代の象徴だ。情報化時代はデスクトップ・コンピューターが支配し、企業のミッションは世界の情報を整理することにあった。一方、体験型時代を象徴するものはまるで違う。体験型時代はマイクロ・コンピューター、モバイルセンサー、そして高速インターネット接続から誕生した。

ステータスの入力ボックスの終焉は、情報から体験へのシフトにおける小さな要素にすぎない。このシフトを主導していものは何か?簡単に言えば、インターネット接続可能なデバイスによって、ユーザーのオンラインにおけるやりとりの文脈が変わったことだ。

プロフィールに書いてあることは本来のあなたではない

これがどのように現れるかについて説明するのに、FacebookSnapchatを例に挙げる。

Facebookは情報化時代に根付いたサービスだ。その時代の他のソーシャルネットワークと同じように、Facebookは「情報集積」というデスクトップ時代の基本原則に則って構築されている。

情報集積においてユーザーのアイデンティティは、ユーザーがこれまでに保存した情報の集積によるデジタルプロフィールにあるとみなす。テキスト、写真、動画、ウェブページといった情報の集積だ。(Evan Spiegelが2015年に公開したWhat is Snapchat?のYouTube動画でこれについて初めて言及している)。情報化時代で私たちはデジタル・プロフィールで自分を表現していた。

しかしモバイルの台頭は、人のデジタルなアイデンティティの捉え方を変えた。インターネットに接続したカメラから私たちは人生の瞬間をその場で捉えることができるようになり、継続的な自己表現のための情報集積は二の次になった。「仮想世界の自分」は曖昧なものになった。私という存在は、これまで私が行ってきたことの「結果」ではあるが、これまでの「集積」ではないということだ。Snapchatはこの現実観に根付いたサービスを提供する。

人はプロフィールではない。あなたはあなたなのだ。

多くの人はSnapchatの中核は「秘密主義」にあると考えているかもしれないが、Snapchatの短期間のメッセージがもたらす本当のイノベーションはただ自動でメッセージが消えることではない。Snapchatのイノベーションは、デスクトップ・コンピューターの時代から持ってきてしまった集積するという習慣を破るよう人々に強制することにある。その結果、プロフィールはソーシャル世界の主軸ではなくなった。体験型時代で人はプロフィールではなくなった。あなたはあなたなのだ。

語るのではなく、見せる

体験型時代の中心となる考えはこうだ。私の見ている世界を見せるので、あなたにはそれを見て欲しい。読者が「ソーシャルとはそもそもそういうものでしょう!」と叫ぶかもしれないし、確かにその通りだ。変わったのは、ストーリーの最初から最後まで視覚的に伝えるようになったことだ。これで伝えたいストーリーがより正確に表現できるようになった。

情報化時代、コミュニケーションは情報で始まった。Facebookではまずステータスの入力ボックスに何か入力して、位置情報などのメタデータを付ける。そしてどう思っているかの感情をいくつかの選択肢から選ぶ。第一に情報というアプローチはFacebookのフィードバックの仕組みにも見て取れる。6つの予め用意された反応ボタンとスレッドによるコメント欄がそれだ。

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Snapchatはそれとは対照的にいつもカメラから始まる。フィードバックは受動的なものだ。ストーリーを上にスワイプするとどの友達がスナップを視聴したのかがわかる。体験型時代で主要なインプットは視覚的なものであり、重要なフィードバックは他ユーザーからの「注目」である。

現在、コンテンツ共有と他ユーザーからの注目というフィードバックのループはモバイルで始まり、モバイルで終わる。将来的には例えば、コンタクトレンズで始まり、VRで終わるということになるかもしれない。

体験型時代の構成スタック

Facebookの近年の投資もこの現実観に沿う。Facebookはライブ動画、360度カメラとプロダクトとしてのVRを単一のポートフォリオに集約した。しかしFacebookだけが先を見て、これらのテクノロジーがどのような役割を持つのかを検討しているのではない。ステルスで開発を進めるARスタートアップMagic Leapの話を聞いたことがあるかもしれない。Magic Leapのバリュエーションは45億ドルであり、GoogleAlibabaといった企業から出資を受けている。

世界的な競争は進行中で、私が「体験型時代の構成スタック」と呼ぶテクノロジーの階層を形づくり始めている。

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体験型時代の構成スタック

一番下の層「Layer 0」は現実世界を指す。構成スタック全体で現実世界の瞬間を捉えて、コミュニケーションをすることを実現する。現実が全ての土台にある。

階層を登るごとに、物理的な要素から理論的な要素に移行する。最上位のアプリケーションのレイヤーはSnapchat LiveやPeriscopeのようなプロダクトで構成される。将来登場するプロダクトはさらに没入的になるだろう。例えば、Sean ParkerのAirtimeのリローンチやMagic LeapのA New Morningを見てみるといい。

体験型時代の構成スタックにおいて各階層が独自に成長するごとに市場にプロダクトが届くのが早まるだろう。同時に、各階層は下の階層の進歩の恩恵を受ける。例えば、高速3G回線がAppleのApp Storeの普及に貢献し、それがモバイル全体の進化に貢献したと説明することができる。体験型時代の最良のプロダクトは、下の階層における段階的な進歩をタイムリーに新しいアプリに反映させるだろう。いくつかの階層はまだ誕生したばかりであることを考えると、将来的な展望は大きく開けている。

私たちのオンラインとオフラインのアイデンティティは結びつこうとしている。私たちは友人に話すストーリーの一部始終を視覚的に表現できる。新しいスタックの各レイヤーへの投資が体験型プロダクトの開発を加速させている。これらのトレンドが全て合わさって、新たなテクノロジーの黄金時代の扉が開かれるのだ。

開発にこれ以上良い時代はないだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Facebook、トレンド記事のバイアス批判に答え、中立性ガイドラインの存在を表明

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Facebookは、トレンディングトピックスで特定の政治的志向を抑制あるいは優先することは、同社の収集ポリシーに反しており、一貫性と中立性を保つためにガイドラインを設けていると語った。これは、ガイドラインからの逸脱があれば、それはトレンド収集のために雇われている契約者の責任であると示唆しているようにもとれるが、ルールが十分に強制されていない可能性もある。

保守的なトレンドがFacebookのトレンディングセクションで抑制されているというGizmodoの記事を受け、FacebookはTechCrunchに宛てた声明で以下のように語った。

われわれは偏見に関する申し立てを極めて深刻に受け止めている。Facebookはあらゆる政治的志向の人々、見解のためのプラットフォームである。トレンディングトピックスには、Facebookで語られている人気の話題やハッシュタグを表示している。一貫性と中立性を保つために厳しいガイドラインを設けている。ガイドラインは、政治的見解の抑制を許していない。あるいは、特定の視点や報道機関を他に優先することも許していない。ガイドラインは、トレンディングトピックスにいかなる報道機関が登場することも妨げない。

Screen Shot 2016-05-09 at 4.08.24 PM複数の元Facebook「ニュースキュレーター」がGizmodoに対して、必ずしも人気のない記事をトップページや検索結果に「注入」するよう指示されたと話した。

これはある意味で理解できる行動だ。なぜならFacebookはトレンドのアルゴリズムを改善しようとしているからだ。もし、重要だがFacebookで大きな話題になっていなかったり、アルゴリズムが拾っていないニュースがあれば、Facebookの編集者が人為的にトレンドに加えたかもしれない。

Facebookは、Facebook自身に関するニュースをトレンドを含めることも妨げていると言われている。それは、自己宣伝を避けるため、あるいはFacebookユーザーがFacebookについて語る傾向にあることを割り引くためとも考えられる。ただしそれは、Facebookに関する否定的な話題も抑制しかねない。

一番気になるのは、トレンディングトピックスの内容を管理する契約キュレーターの政治的志向に合わない記事 ― 特に保守的な記事 ― が抑制されることがあった、という元従業員の証言だ。Gizmodoは、この偏見が上層部から強制されたものであるとは言っていないが、Facebookの中立性ガイドラインはこの問題の発生を阻止してしかるべきだ。

「私がシフトに着いた時、CPACやミット・ロムニー、グレン・ベックやその他人気の保守的記事がトレンディングに選ばれないことに気付いた。それは、キュレーターが記事を評価しなかったためかもしれないが、テッド・クルーズに対する偏見を持っていたためかもしれない」と、匿名希望の元従業員がGizmodoに語った

同誌は以前の記事で、その同じ「キュレーターたち」とその厳しい労働環境について報じ、同社の劣悪な条件を非難した ― 会議室に何ヵ月も詰め込まれ、Facebookサイトの右上にあるトレンディング枠を埋めるためひきりなしに作業を続けさせられる。

記事は逸話的であり、実際に何が起きているかを知ることは困難だ。Facebookにとって最大の問題は、人間には偏見があるということ ― 政治的な偏見を含めて ― に気付いていない点かもしれない。

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トレンドを収集する方法について中立性ガイドラインが設けられているとしても、元々偏見を持つ契約者がチームに入り、ルールを曲げたり破ったりする可能性はある。中立性ガイドラインを遵守させるためには、もっと厳格な監視システムが必要かもしれない。

これは憂慮すべき問題だ。なぜならFacebookは、人々がニュースを発見する主要な方法へと成長しているからだ。発生するトラフィックの大きさは、報道機関にFacebookでニュースを配信するプレッシャーを与える。プラットフォーム自身の偏見は、16.5億人の思考に影響を与えかねない。

実際のところFacebook自身の従業員はリベラル寄りだ。2011年にFacebook本社で行われたタウンホールミーティングで、Mark Zuckerbergがバラク・オバマ氏をインタビューした際、大統領の民主党支持の発言や共和党批判に、従業員らは大きな歓声が上げていた。

2016年大統領選が迫る中、Facebookには民衆を動かす計りしれないな力がある。今後も中立を保っていけることを大衆に納得させると共に、厳しい批判や政治広告費の減少、および情報配信の拠点としての同サービスへの懐疑的見方の高まりを受け入れていく必要がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Messengerへのチャットボット投入は成功するのだろうか?

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メッセージが送られてくると、そのすべてに応答していた。しかしそうした振る舞いも過去のものとなるのかもしれない。Messengerの受信通知があっても、それが友だちからなのか、ボットからなのかわからない時代になろうとしているからだ。チャイムがなっても、鳴らした相手が友だちなのかそれともボットからの新しい通知が来ただけなのか悩まなければいけなくなる。受信通知がまるで、ある種のチューリングテストのようにすら思えてしまう。

思い起こしてみると、これは「いつか来た道」なのではなかろうか。私たちが「電子メール」に注意を払わなくなったきっかけもこうしたことだったと思うのだ。初期は電子メールといえば仲間たちと重大な研究成果などのやり取りをするために使われていた。それがいつの間にかメールマガジン、レシート、あるいは数千ないし数百万人を対象に送られるにも関わらず、特定の個人に送られているかのように偽装する商用メールが多くなってしまったのだった。

Messenger上での会話はどうなっていくのだろう?

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Messenger上にはボットによる「デイリー・ダイジェスト」が増えていく。

Facebookが、今になるまでボットの活用を待っていたのには理由があるように思う。ほんの1年前まで、Messengerを使う人は現在の半分程度に過ぎず、コミュニケーションツールとしての地位を獲得していなかったのだ。メッセージのやりとりにはさまざまなアプリケーションが用いられていて、その中でも一般的だったのはSMSだった。

いまやMessengerは10億人に利用されるプラットフォームとなり、新しいことに取り組む余裕も出てきたというわけだ。欧米におけるナンバーワンのモバイルメッセージングツールとなり、WhatsAppも中国などを除く世界中で広い人気を集めている。

Facebookは自社プラットフォームが世界中に広まったのを見て、人がメッセージのやり取りをしなくても金を稼ぎだす仕組みはないかと考え始めたのだ。Messangerのトップを務めるDavid Marcusは1ヶ月前、Messengerは「あらゆるコミュニケーションのハブとなり、さまざまなサービスやビジネスが提供される場所として発展していく可能性があるのです。そしてますます人を集めるプラットフォームとして拡大していくこととなるでしょう」と語っていた。

Facebookのプラン通りに進むこととなれば、カスタマーサービスや電子商取引に関わるさまざまなやり取りをMessenger上でやりとりするようになり、またニュースやマーケティングなどにも活用されるようになり、友人同士を結ぶプラットフォームという役割を超えていくことになるだろう。電話、メール、RSSフィーダー、さらにウェブの機能を統合したようなサービスを展開することになるかもしれない。

それらの機能は、実はMessenger上でこそ使い勝手が良いものになる可能性もある。

たとえば多くのカスタマーサービスなどでは、プッシュフォンのダイヤルによるメニュー選択を行わせている。メニューを選択できるようになるまでの待ち時間を含めて、これを不便と感じない人はいないだろう。Messengerを使えば、航空会社や商店とコンタクトするのがずっと容易になることだろう。さらに一定の業務については非同期(相手側は人間が対処する必要もない)で行えるようにもなる。また、レシートも複数のメールに小分けにして送られるのではなく、Messenger内のひとつのスレッドにまとめられることになって便利だ。AIと連動するようになり、使い勝手が向上すれば、今の時代からは想像もできない効率的なインタフェースが生まれてくることも必然とすら言えるかもしれない。

ただし危険な側面も。

しかしリスクも高いように思う。たとえば、ちょっとした空き時間にメールをチェックすると、目に入るのはスパムばかりということもある。Messenger上にスパムが進出してくれば、スパムがまるで友だちのようなふりをしてメッセージ受信通知を鳴らすことになるのだ。SMSマーケティングの対象となってしまった経験を持つ人は、そのうるささをご理解いただけることだろう。これまでのスパムメールのように「流す」だけでなく、直接に「コンタクト」してくる感じになるのだ。自分の時間を引っ掻き回されるリスクは十分に高いと言えよう。

Facebook Game span was ruining the News Feed. [Image via Thoughtpick]

Facebookのゲームスパムがニュースフィードを台無しにしたこともあった。[Image via Thoughtpick]

「いいね」をして、サービスやブランドなどと積極的に繋がる人もいる。しかしそれはあくまでもフィード上での交流だ。いきなり直接のメッセージが送られてくることもなかったし、また表示されるメッセージに何のアクションもしなければ、ランキングアルゴリズムのおかげでいつの間にかフィードに流れないようにもなったものだった。

しかし2010年を思い出してほしい。スパムがニュースフィードをめちゃくちゃにしてしまうと問題視されたことがあった。Zyngaなどが積極的にソーシャルゲームとしての機能を充実させ、そのために友だちのフィードを汚してしまうことに繋がったのだった。マーク・ザッカーバーグも、Facebook上でのエクスペリエンスを汚染しているもののひとつがゲームであると認めていた。そしてFacebookはFarmVilleなどに関わる投稿を激減させることにしたのだった。

こうした動きにより、ある意味で利用者の「世界」が狭まってしまうこととなった。ひとびとはゲームをしたり、その結果をFacebookに投稿することにためらいを感じるようになった。開発者側にとっても問題は重大で、これまで利用していたプラットフォームがりようできなくなった。ソーシャルゲームに注力していたZyngaなどは利用者数を大いに減らし、企業価値をも大きく低減させることとなってしまった。

Facebookはチャットボットを導入することで、Messenger上でも同種の失敗を繰り返そうとしているのではないだろうか。チャットボットといったん繋がりができてしまえば、利用者は毎日アラートをならされることになるのではないだろうか。

最初に登場してきたチャットボットたちが大失敗であったことも、Messengerサービス上へのボットの投入を妨げるものとはならないだろう。たとえばCNNのチャットボットは「U.S.」のニュースを教えてくれと言われると、見出しに「U.S.」の文字が含まれているものだけを通知した。Springのコマースロボットは、初期の価格設定よりも高いものを売りつけようと執拗だった。そしてPonchoだ。天気予報ネコのPonchoは、天気についてのごく簡単な質問すら理解してはくれなかった。

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天気予報ネコのPonchoに苛ついた人は大いにちながいない。

さらにFacebookはMessenger上でスポンサード・メッセージの実験も行なっている。Messengerで繋がったことがある利用者に対して、通知を送ることができる仕組みだ。Facebookはいまや1四半期に15億ドルもの利益をあげている。しかしそれだけに飽きたらず、Messengerを使った商機拡大を狙いつつ、実は大きなリスクを抱え込もうとしているようにも思える。

Facebookの動きは、Messenger上に膨大なノイズを流すことになりはしないか。ロボット発のノイズが増えることで、利用者が他のアプリケーションに乗り換えてしまったり、あるいは友だちからメッセージがきても放置してしまうようになることはあり得ることだと思う。

Facebookに対策はあるのだろうか?

こうした点について、F8の際にMarcusにも尋ねてみた。「防御のための究極の仕組みがあります。すなわちメンバーに送るメッセージの数や内容について制限することができるのです。メールの場合にはそうしたコントロールは不可能でしたから、Messengerがメールのようになるというのは言い過ぎではないかと思います」とのことだった。

もちろんそうだ。Facebookはスパマーの利用を停止させてしまうことができる。また利用者も特定の相手を簡単にブロックすることができる。しかしそうは言いつつも、Facebookは現在チャットボットをなんとか導入したいと積極的になっているところだ。たとえばビデオゲームのCall Of Dutyのボットなどにも注目を集めようとしている。チャットの世界で支配的な地位を築くためには、こうしたチャットボットの普及発展が欠かせないのだ。

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ビデオゲーム「Call Of Duty」に登場するキャラクターのMessenger用ボット

「私たちの方も十分に気を配っていることはご理解いただけると思います。メッセージが送られるたびに通知されることはありません。ただしスレッドは更新され、メッセージを送ったボットがリストの上位に表示されるようにはなります」。Facebookには、スパムやエンゲージメントレベルについて、ぜひとも注意深く解析するようにして欲しいものだ。スパムの可能性があればボットの動作を制限して欲しい。

あるいはこちらからコンタクトをとったボットであっても、定期的に送られてくるメッセージにこちらが数日にわたって反応していないことを検知すれば、ぜひとも通知をオフにして欲しいと思う。あるいはボットの動作を制限した方が良いケースもあるかもしれない。Facebook上でのフィードの内容は、こちらのアクションにより変化するようになっている。Messengerでもそうあるべきだと思うのだ。利用者の様子を詳細に分析できチャットボットを、開発者やブランドに提供するようにして欲しいと思う。そうなれば、サービスにボットを活用しようとする側で、より適切な運用スタイルを構築することができるようになるだろう。

Messengerにチャットボットが導入するにあたっては、十分に慎重でなければサービス自体の価値を低めてしまう可能性もある。

たとえば、ボットから送られたメッセージだからとMessengerのスレッドを放置するようになり、さらに通知もそのまま放置しておくようになるかもしれない。その次には「人」からなのか「ボット」からなのかの区別も面倒になり、そもそもMessengerを開かなくなるようなこともあり得る。そうなってしまえば時代はSMSに逆行してしまうというようなこともあろう。Messenger風の最新機能はないが、それだけにスパムに埋もれてしまうこともないという安心感が魅力になるわけだ。

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Facebookがこの問題をつぼみのうちに解決しなければ、利用者の関心を失わないためにボットの利用そのものをあきらめざるを得ないようなことになる可能性もあるだろう。

Marcusは「日常生活に訪れる通知などのインタラプションは、すべて重要なものごとに関わるものである必要があると考えています。Facebook利用者する人のすべてにその原則を間違いなく提供するというのは難しいことではあります。しかし手段がないわけではないと思うのです。それが可能であってこそ、チャットボットを含むトータルなサービスが提供できるようになるのだと考えています」。

Facebookの「コミュニケーション戦略」が成功するのかどうか、ここにかかっていると言っても良さそうだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Instagramで変わるソーシャルメディアのビジネス利用と「俺通信」な20代のコミュニケーション

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編集部注:この記事はカイユリコ氏による寄稿である。同氏は東南アジア向けアパレルコマース事業ANELAでCEOを務めた後、現在はFacebookグループの「Instagramマーケティング勉強会」を主催して情報交換をしつつ、自らInstagramマーケティングプラットフォームの「PONY」を開発している。本稿ではそんなカイ氏にInstagramのビジネス活用、そしてInstagramのメインユーザー層のオンラインコミュニケーションについて語ってもらった。

2010年にサービスを開始し、2012年にはFacebookが買収した写真・動画共有SNSの「Instagram(インスタグラム)」。今では全世界で何百万というブランドがこのサービスにアカウントを持ち、自社の商品に関わる情報を発信している。

広告ビジネスも好調だ。同社が2月に発表したところによると、グローバルで月間20万社がInstagramに広告を出稿しているという。これはTwitterの月間13万社を軽く超える数字だ。

この勢いは海外だけの話ではない。日本国内でもすでにMAU1200万人を突破。ビジネスユーザーは1万社を超えた。筆者らが運営しているInstagramマーケティング勉強会というFacebookグループは2015年1月末に運用をスタートしたが、すでに1500人近くが参加しており、Instagramのビジネス活用に注目する人が急増していることを感じる。

なぜInstagramへの注目が高まっているか? 一番大きな理由は、そのインタラクション(投稿を見たユーザーによるいいね!やコメント、シェアなどの行動)の多さである。米hootsuiteの調査データによれば、フォロワーに対するインタラクションはInstagramが4.21%であるのに対して、Facebookは0.07%、Twitterに至っては0.03%。つまり約60〜120倍の数字を出しているのだという。ファッションやフードなど、写真との相性が良い“インスタグッド”な業界の投稿であれば、より高い数字になっているのだという。例えばニューヨーク・コレクション(New York Fashion Week)においては、期間中に獲得した1300万件のインタラクション(いいね、コメント、シェア)のうち97%はInstagramで、残りはFacebookが2%、Twitterが1%という結果が出ている。

インタラクションの高さは、Instagram経由でのアプリダウンロードやメディア訪問などのエンゲージメントにも繋がっている。親会社であるFacebookはInstagram広告の最適化を今後重視していくとしている。

Instagramをプロモーションに活用する2つの方法

では企業はInstagramをどのようにプロモーションに利用するのか?それは

  1. 自社アカウントを育てる(ルーティン型)
  2. インフルエンサーに依頼する(スポット型)

大きくこの二択しかない。もっと簡単に言えば、「自分で発信する」か「他者に発信してもらう」かである。それぞれの手法についてもう少し詳しく紹介する。

  1. 自社アカウントを育てる(ルーティン型)

Instagramを通じてファンとの関係を築き、継続的に運用するための基盤作りを目的にしている場合、企業のアカウントでは良い写真や動画を投稿することに注力するだろう。また、ハッシュタグを利用した写真コンテストなどを開催したりもする。

このように自社アカウントを販売・PRチャネルとして機能させるには、コンバージョン目標とエンゲージメントレートから逆算したフォロワー数(あるいは投稿が拡散した際の閲覧者数)が必要である。もちろん時間や運用する人のセンスが問われるが、ファンと継続的に関係を保つ上で有効な手法である。

こういった「ルーティン型」の運用を支援する国内のサービスの代表格は以下の通り。筆者も現在Instagram向けのマーケティングツールPONYのベータ版をローンチしたばかりだ。

マーケティングツール(無料):PONY

マーケティングツール(有料):Aista (notari)、 Social Insight (ユーザーローカル)、 hashlikes (ナナメウエ)

運用/キャンペーン代行:sharecoto(シェアコト)、monipla(アライドアーキテクツ)

  1. インフルエンサーを巻き込む(スポット型)

これも最終的に自社アカウントの育成に繋がるケースもあるが、基本的にはスポット的にキャンペーンを盛り上げたり話題を作ったりすることを目的としており、そのために有名人やフォロワーの多いユーザーに対して投稿やプロジェクト単位で広告を依頼するやり方である。国内のおもな関連サービスとしては以下がある。

インフルエンサーへの発注プラットフォーム:Instagrammer.jp(3MINUTE)、 Tagpic(タグピク)、Life-Instagrammer Network(トレンダーズ)、コムニコインスタグラマーズネットワーク(コムニコ)

1、2の施策ともに、どちらか一方のみ行うのが良いというわけではない。戦略と予算に応じて効率的に運用を行わなければユーザーを囲い込めない。前者はセンスと時間、後者はお金が必要である。

Instagramはプロモーションだけのチャネルか

前述のとおりで、そのエンゲージメントの高さからInstagramアカウントを運用してプロモーションに活用するという動きは多い。だがInstagramの底力はプロモーションだけではないと筆者は考えている。

あくまでファッション業界を中心とした動きではあるのだが、「インスタグラムは顧客との最初の接点として、製品がベストセラーになるかどうかを判断するのに使っている」という企業が増えているのだ。

例えばオンライン小売のエバーレーン(Everlane)は、2016年1月、Instagramで非公開のアカウント(@EverlaneStudio)を開設し、つながりの深い顧客で構成された一種のフォーカスグループをInstagram上に作り、新しい製品のデザインなどについて議論に関わってもらった。

オンラインファッション誌「フーホワットウェア(WhoWhatWear)」は2016年、米量販店のターゲット(Target)と協力して、はじめてのリテールブランドを立ち上げた。その際、彼ら短い動画を撮影し「@whowhatwear」のアカウントから160万人のフォロワーたちに、「クローゼットのなかにない服は何か」と尋ねた。 そのフィードバックから、若い女性にはファッショナブルで手ごろな値段のビジネスウェアの種類が少ないことを突き止め、その後の商品開発に生かしている。

ファッション業界をはじめとして、いくつかの業界において、顧客はすでにInstagram上に存在しており、コミュニケーションをとれる状態なのだ。上のように潜在的な顧客のニーズを聞いたり、商品デザインや画像のA/Bテストを行ったり、より良いものを作り伝えるためにもInstagramは使われている。

今後の国内Instagramマーケティングの動き

今後Instagramは、アートだけの世界ではなくなっていく。より多くの広告が入り、アルゴリズムによって表示順序が変わり、フォローしている人からは広告としての投稿が流れてくる。

ここで予測できることは2つある。ひとつは——もはや発生していることだが——InstagrammerがYoutuberのような「仕事」にもなるということ。たとえば海外だと、sponstaのような企業とInstagrammerのマッチングサイトがある。ここにはセレブリティだけでなく、数千人のフォロワーがいる一般人が登録しており、様々な広告案件を請け負っている。

また海外セレブリティについては、Instagramの投稿広告が高額で発注されている状況だ。ケンダル・ジェンナーカーラ・デルヴィーニュらのトップモデルのソーシャル上での一投稿の価値は約1530万円〜3700万円、カーリー・クロスミランダ・カーらの投稿は、約300万円〜615万円ほどの価値があることが判明した

国内においても、上記インスタグラマーネットワークではこうした投稿広告の発注が行われている。TechCrunch JapanでインスタグラマーであるGENKINGの記事が話題になったのも記憶に新しい。今後はセレブリティや著名人だけでなく数千、数万程度の一般ユーザーに対しても広がっていくだろう。

もうひとつは、Instagramの写真データとしての活用だ。

Instagram、あるいはInstagram APIを使うサードパーティが、写真という大量のデータの機械学習によって振り分けて最適化していく(これは写真・動画投稿SNSとしてユーザビリティを改善するだけでなく、ECサイトやメディアにおいてCVRの高い写真・動画素材としての活用かもしれない)ことが考えられる。FacebookはF8において、今後10年間で注力することのひとつにAI活用を挙げたが、もしかしたらこれにも関わってくる動きになるのではないか。

リテラシーの高い学生のコミュニケーションは“俺通信”が中心に

最後に、Instagramのメインユーザーでもある20歳前後の大学生たちに聞いた話を紹介したい。もちろんITリテラシーの高い人物が中心なので、これが「ごく一般的な大学生のリアル」とは言えない。しかしながら、10〜20代のコミュニケーションの質が変わり始めていることを感じられる体験だった。

これまでコミュニケーションアプリといえば、日本ならLINE、グローバルで見ればWhatsAppやViberなど、メッセージやスタンプを「送る」「受け取る」ことでやりとりをする、文字通り「コミュニケーションをとる」ためのアプリだった。

そのため、自分がメッセージを送ったときには相手からの返信を期待する。返信がなければ「既読スルー」に悩み、極端なところでは仲間内で作ったLINEのグループから外される「LINEいじめ」といわれるような現象が生まれるなど、コミュニケーションをとることの煩わしさも目立つようになった。

しかし筆者が話を聞いた学生のコミュニケーションは、その煩わしさからも解消されているというのだ。つまり、彼らのコミュニケーションは、もはや相手からの積極的なインタラクションすら期待していないというのだ。

彼らはFacebookやLINEで相手に連絡する手段は確保しつつも、日常ではInstagramやSnapChat、MSQRD(マスカレード)でただ自分の日常をアップデートするだけ。恋人でもない人やさほど興味のない相手が自分の報告を逐一メッセンジャーなどで送ってくることを「俺通信」と呼ぶことがあるそうだが、そんな俺通信と呼べるような発信こそがコミュニケーションの主軸になっているのだ。

俺通信を主軸にしたコミュニケーションとは具体的にはどんなものか? まず彼らは食事会や合コンで知り合った異性に対してLINEのID交換を求めるのではなく、Instagramのアカウントを教えあう。直接コミュニケーションを取るのではなく、Instagram上でお互いの発信する内容を見て人となりを知り、趣味を知り、話のネタを見つけて、仲良くなれるかを探る。そして 仲良くなれそうだと判断した時に初めてLINEやFacebookのアカウントを交換する。ここでやっと連絡手段を確保し、距離を縮めていくのだという。

そして何度か話したり、共通の友人が多いことが分かったりすると、今度はSnapChatアカウントを教え合うのだという。SnapChatのStory(Facebookのウォールのように、時系列で投稿を閲覧できる機能)で、近況をテキストやスタンプとともに投稿し、特定の友人とだけ共有したい話があるときだけ、直接メッセージを送り合う。

SnapChatやInstagramは、基本的に自分が送って相手が返信する、というコミュニケーションは求められていない。既読スルーもなければ、送受信の頻度も割合も気にかけなくて良い。全員が好きなタイミングで「俺通信」を送り、興味がある時にだけ連絡をする。それは「返信」ではなく「連絡」くらいの感覚だ。ITリテラシーの高い大学生にとっては、自分との関係を”推し量る”程度の距離感が心地いいようだ。

Facebookがまたもニュースフィードを変更。実際に読むサイトを優先

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Facebookのニュースフィードの表示方法にようやく慣れてきたと思ったら、またまた一新されるようだ。今回ソーシャルメディアの大御所は、ユーザーが読むのに長時間を費すと思われるサイトへのリンクを優先するよう、フィードを改訂する。

この改訂は、Facebookの「フィード品質プログラム」という、全員のニュースフィード体験を改善するための大がかりな取り組みの一環だ。同社は毎日数千人の人たちに、ニュースフィードに表示されるものが好きかどうかを尋ね、調査結果に基づいてアルゴリズムを調整している。

この調査から得られた最大の知見は、人々がFacebook上で取る行動 ― いいね!、クリック、コメント、投稿のシェア ― は、彼らにとって何が重要かを必ずしも表していないことだとFacebookは言う。

例えば、人は重大な事故に関する記事や、友人の悲しいニュースに対して行動を起こすことは多くないが、だからといって必ずしもFacebookユーザーがニュースフィードでそれを見たくない、という兆候ではない。いいね!をつけたり、コメントしたくなるような記事ばかりではない。

この変更は、Facebookがフィードのランク付けに用いる主要な指標、例えばユーザーがコンテンツの作者にどれほど関心を持っているか、記事が他のユーザーからどう見られているか、投稿者の過去の記事がどれほど強力だったか、コンテンツのタイプは何か、投稿されてからどのくらい時間が経過したか等に、新たに加えられる。

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充実した時間を過ごす

今日から適用が開始される最大の変更は、ユーザーがクリックしたコンテンツを読んだり見たりするのに費やす時間の長さは、彼らがどんなコンテンツを好んでいるかを示す強力な指標であるという認識に基づいている。おそらく、私のニュースフィードが子猫の動画とTechCrunchニュースで埋まっているのは、それが理由だろう。

これからは、Instant Articleへのモバイルリンクをクリックしたり、内蔵ブラウザーでページを開いたとき、Facebookはコンテンツが読み込まれた後ユーザーがどれだけの時間そこで過ごしたかを測定する。長い時間を費すサイトや記事は、ニュースフィードでより上位に、より頻繁に表示され、すぐに見限られた記事はランクを下げられる。

これはFacebookがクリックの「釣り」と戦い、人々が見ずにいられない質の高いコンテンツを増やす取り組みの一環だ。

Facebookは、ニュースフィード内のFacebookページの多様化も進めている。彼らは、単独の出版元からの大量の記事がフィードを埋めつくすことにユーザーが腹を立てていることを知った。今後は、ユーザーがいいね!をつけた様々なページに、広く愛を与えようとする。

「この変更によって、どの記事が興味をひくかを、ユーザーがそれを読む時間の長さに基づいて知ることができるため、ユーザーは読みたくなる記事を見る機会が増えるはずだ」とFacebook広報は言った。

新しいニュースフィード方式は既に展開されていて、数週間のうちに完了する予定だ。これは個人のフィードだけでなく、プラットフォーム上に持っているどのページも対象だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの国内アクティブユーザーは2500万人、92%がモバイル利用——10代ユーザーの割合は少ない?

Facebook Japan代表取締役の長谷川晋氏

Facebook Japan代表取締役の長谷川晋氏

Facebookの国内月間アクティブユーザー(MAU)は2500万人、その92%はモバイルからアクセスしている。InstagramもMAU1200万人まで成長——Facebook Japanは4月20日に東京・六本木で開催したプライベートイベント「Mobile Moves People」を開催。Facebook Japan代表取締役の長谷川晋氏がこんな数字を発表した。

モバイルの時代は「もう来ている」

イベントの冒頭に登壇した長谷川氏は、2015年7〜9月期に国内スマートフォンユーザー数は5080万人と5000万人の大台を突破したとし、あわせて人々が携帯電話やスマートフォンに接触する時間が10年で7倍に増加(これはテレビや新聞、ラジオなどの各種メディアのうち21%を占める数字だ)していると説明。スマートフォンがブランドと消費者、ビジネスと消費者を繋ぐ役割を担っていると語った。

この流れは若い世代ほど大きい。すでに10代、20代のファーストスクリーン(一番接触している「画面」)がスマートフォンになっており、20代女性の78%がスマートフォンで商品購入経験があるというデータも示した上で、若い世代にとって、スマートフォンがマーケットの窓口にもなっていると話した。

そんなスマホシフトした時代により重要度が増しているのが「動画」だ。長谷川氏は動画について「単独のトレンドで見るのではなく、モバイル上でのコミュニケーションという点で捉えるべきだ」と語る。つまり昔は携帯電話上でテキストによるメッセージが生まれ、携帯電話にカメラがついて写真でのコミュニケーションが生まれた。さらにカメラの品質が向上することで動画を撮影するようになった、と(Facebookがその次のコミュニケーションとして考えているのは「AR/VR」による体験の共有だが、今はまだ動画が台頭してきた段階だ)。

事実、Facebookでは毎日80億回の動画が再生されている。ユーザーの急増するInstagramも動画の割合が増えてきた。具体的な数字は公開されなかったが、過去6カ月での動画再生伸び率は40%だという。自分自身やペットの動画もあれば、イベントレポートや著名人の情報発信など、様々な利用シーンがある。こういった背景から長谷川氏は「あらゆるシーンで動画の重要度が上がっている」と説く。

動画の重要性は広告の世界でも同じだと長谷川氏は続ける。Facebookではすでに動画広告、カルーセル(複数の写真をスライドして表示する)、360度動画、キャンバス(全画面表示で動画、カルーセルを組み合わせた広告)など、各種の広告商品を展開すると会場に向けて語った。「モバイル化する時代が来る来ると言われて何年も経っているが、モバイルのプラットフォームを運営している立場からすれば『もう来ている』。人を動かすマーケティングが求められている」(長谷川氏)

Facebookの広告フォーマット

Facebookの広告フォーマット

 

イベントではこのあと、Facebook Japan マーケティングサイエンスリードの小関悠氏がFacebook広告の成功事例に関するプレゼンを行った。Facebook広告は、ブランド広告に求められる(1)狙った人に届く精度(ある会社(社名は非公開とのことだった)とのテストでは、Facebook広告によるターゲットへのリーチ精度が95%以上だったのに対して、その他のターゲティング広告でのリーチ精度が62%以下だった)、(2)記憶に残るフォーマット(広告接触者、非接触者を比較したところ、一般的な施策では6ポイント程度の広告認知が進むところ、Facebookで9ポイント、Instagramで18ポイント上昇したという)、(3)他メディアとの相乗効果(テレビとFacebook、Instagramは利用シーンが異なるため、相乗効果がある)——の3つの要素を実現している、といった話だ。

FacebookとInstagram、テレビの利用シーンに関する調査

FacebookとInstagram、テレビの利用シーンに関する調査

 

実は10代ユーザーは少ない? スライドに疑問

最後にちょっと気になったスライドがあるのでここで掲載しておく。これはその小関氏のあとに登壇したFacebook Japan クリエイティブストラテジストの田中徹氏によるプレゼンの一部だ。

田中氏は、プレゼンの前に広報ストップがかかって数字(世代ごとの割合)を削除したと語っていたのだが、これは冒頭に書いた2500万人の国内Facebookアクティブユーザーの世代ごとの割合を示した図だ。数字が非公開ということなのでなんとも言えないところではあるが、この図の「世代ごとの割合」自体が正しいとしたら、実は国内Facebookのユーザー層は30代、40代以上が半分以上の割合をしめており、一方で10代(とはいえ16〜19歳の数字なので、そもそも対象となるのが他の世代の半分以下ではある)は全体から見ると決して大きい割合ではない…そんなことも考えられるものではないだろうか。

Facebook Japan クリエイティブストラテジストの田中徹氏によるプレゼンの一部

Facebook Japan クリエイティブストラテジストの田中徹氏によるプレゼンの一部

F8カンファレンスでFacebookが大々的にプッシュしたボットだが、ありのままに評価することが重要

2016-04-19-messengerbots

メジャープレイヤーがカンファレンスを開催するとメディアはしばらくそれに関する報道で埋まる。われわれはついつい、そのビジョンに釣り込まれてしまう。われわれの注意力が数日以上持続しないのがかえって幸いなぐらいだ。先週はFacebookがF8カンファレンスでビジョンを展開する番だった。FacebookはしゃにむにMessengerとMessengerボットを売り込もうとした

念のためにおさらいしておくと、FacebookのボットというのはMessenger上で作動するインターフェイスで、ある分野の自然言語を理解するようプログラムされている。各種企業やメディアがビジネス利用することが可能だ。会話できる機械といってももいい。一定の知能を備えており、学習することができる。使い込んでいくと個々のユーザーのニーズにより良く適合するようになる(少なくとも理論的にはそうなると期待されている)。

たいへん素晴らしい話のようだ。TechCrunchでも繰り返し取り上げた(私の記事も含まれている)。しかし私がいちばん気に入ったのは、Sarah Perez記者がカンファレンスで発表された3種類のMessengerボットを自身で試した記事だ。Sarahはボットの能力の低さにすっかりあきれていた。

Sarahが正しく指摘したとおり、ボット・テクノロジーはまだごく初期の段階にあり、あまり性急な期待をするべきではないのだろう。しかし先週のFacebookのように大々的なスケールでボットを売り込んだ場合、ユーザーはすぐさま役立つ機能を求めるのが普通だ。その期待に応えられないと新しいテクノロジーを好む貴重なアーリー・アダプターを失うリスクを冒すことになる。

私の抱いた大きな疑問はこうだ。Messengerボットは今後われわれの生活で中心的な地位を占めるようになるのだろうか? なるほど毎朝天気についてメッセージを送ってくれるボットは便利だろうが、それならiPhoneにインストールしてある天気予報アプリも同じ役割を果たしてくれる。しかも天気アプリの画像表示のほうがボットが送ってくるだらだらしたテキストよりはるかに分かりやすく、見た目もずっといい。

すべての情報をMessengerボットで得ようとすれば、友達や家族からの本当に重要なメッセージと紛れてしまうという事態が起きないだろうか? さらにはFacebookが「スポンサー・メッセージ」と呼ぶ広告メッセージの殺到を覚悟しなければならない。必要な会話スレッドを発見するためにメッセージの大群をかき分ける必要が生じるだろう。

Facebook Messengerは数あるチャット・クライアントの一つにすぎず、似たようなサービスは他にも多数ある。それらのライバルもやがてすべてがチャット・ボットを使うようになるのだろう。しかしMessengerのユーザー数は飛び抜けて多い。これまでもFacebookのユーザー数の多さが悪事を企む連中をたびたび惹きつけてきた。

いずれにせよ、現在のボットはコミュニケーションの手段としてまだ原始的な段階にある。長年の努力の結果アプリはきわめて機能が高くなり、使い勝手もスマートで見た目にも美しくなった。これに比べるとボットはインターネットから得られる情報が主としてテキスト・ベースだった時代へのひどい後退に見える。

チャットを多用するユーザーにとってはチャットの会話で用が足りるようになるのは便利だろう。一部のユーザーの間ではチャットの利用頻度が大きく上昇している。しかし、ある種の予測とは異なり、近い将来ボットがアプリを置き換えるようなことにはならないと思われる。

もちろんボットはアプリを消滅させないしウェブがなくなるなどという可能性もない。ボットはそもそもウェブやアプリとは別物だ。広告のチャンネルとしてもまったく異なる。Facebookがいかに大掛かりなキャンペーンを張ろうと、われわれはボットをあるがままに評価しなければならないだろう。

〔日本版〕記事中にリンクがある記事でPerez記者は「Facebookのチャット・ボットにはまだまだ改良が必要」と書いている。

Perez記者によれば、Springというアパレルショッピングのボットではシャツを探したにもかかわらず、3種類のシャツと1種類のTシャツ、セーターがそれぞれ推薦されたという。Ponchoという天気予報ボットはさらに悪く、「雨が降りそう?」と尋ねると「湿っていて温かい(Wet
and warm.)」と答えた。「『湿っている』というのは雨が降るという意味?」と尋ね返すとボットは「にゃーお」とネコの真似をするなど支離滅裂になった。CNNのニュースボットは全般的にややましだったが、アメリカ(U.S.)についての記事を要求したのに推薦されたのは「われわれ(us)」という単語を見出しに含む記事だった。筆頭には大昔に死んだ大物ギャングのマイヤー・ランスキーに関する記事が表示された。

Perez記者は「企業は顧客をひどく失望させるとそのユーザーを失う危険性がある」と書いている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Instagramがパーソナライズした動画投稿とテーマ別チャンネルを検索タブに設置

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Instagramはメイン画面の魅力を損なわずに人気動画をユーザーに見せたい。そこで、本日「Explore(検索)」ページを刷新し、新しい動画チャンネルを追加した。最も重要なのは、ネットワーク上の動画をパーソナライズした「Videos You Might Like(ユーザーへのおすすめ動画)」のフィードがあることだ。他にもテーマ別やCoachellaのイベントなど人がキュレートしたチャンネルもある。1月からInstagramが始めた、 個別のクリエイター特集もある。

このアップデートはiOSAndroidに今日から展開するが、現在はアメリカ国内のみで利用できる(近々他の国でも利用可能になる)。

Instagramが先月 フィードの順番をアルゴリズムにより変更 すると発表した時、多くのユーザーはうろたえた。中にはフォロワーに投稿の通知を設定するように促した人もいる。しかし、InstagramはExploreページに焦点を当てることで、ユーザーがこれまで慣れ親しんだ体験を劇的に壊さずにアルゴリズムによるキュレーションの利点を活かすことができるだろう。

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Instagramはここ数年の間にExploreタブを拡充してきた。2012年には人気投稿を載せていただけだったが、2014年には表示する投稿をパーソナライズし、昨年にはトレンドや検索機能を追加した。しかし、明らかに大きな発展性のある機能を見落としている。「Nearby(近くの投稿)」機能だ。自分の近くで美しい投稿をするインスタグラマーを発見できる機能を私はかれこれ 4年前からリクエストしているのに。

この新チャンネルはExploreページでサムネイル画像と並べられている。動画を開くと次々とループなしで自動再生を始め、ユーザーはゆっくりと視聴を楽しむことができる。これは先日Snapchatがアップデートした自動で動画を再生する機能と昨日VineがローンチしたWatch(視聴)ボタンと似ている。

ソーシャル・ネットワークではモバイル動画の視聴が圧倒的に伸びているのは明らかであり、どこも専用の視聴方法を提供することで利益を獲得したい考えだ。Instagramの親会社であるFacebookも動画専用タブをローンチ している。このタブには専用チャンネルがあるが、これは意図的にキュレートしたチャンネルというよりは、タグ付けした動画の再生に近い。

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ユーザーが純粋な動画コンテンツの視聴に満足するようになれば、動画広告も視聴されやすくなる。人気クリエイターが最近Instagramで表示するようになった視聴数を伸びすことで、より多くのクリエイターを自社のプラットフォームに招き、必然的に動画広告を視聴するそのファンも惹きつけることができる。この新チャンネルに動画広告の掲載や自社のスポンサードチャンネルを制作するためにブランドに課金するかどうかについてInstagramに聞いたところ、スポークスパーソンは「現時点で共有できることはありません」と答えた。「もしかしたらね」という意味だろう。

モバイル動画の消費は、私たちの生活の中で突然どこからともなく起きるものではなくなった。速いインターネット接続と大きなスマホ画面で視聴は快適になった。Instagramのチャンネルのような新しいインターフェイスのおかげでソファーやベッドに丸まって動画を次から次へと眺めるのがとても楽になる。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Facebook、ビデオに映っている友達を自動的にタグ付け可能へ

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Facebookは、画像認識への人工知能システムの利用を大きく進めているが、これをビデオにも持ち込もうとしている。今日(米国時間4/13)サンフランシスコのF8カンファレンスで、ビデオに映っている人たちを自動的にタグ付けするしくみを開発中であることを発表した。

Facebookの機械学習担当ディレクター、Joaquin Quiñonero Candelaは今日の基調講演で、ユーザーが自分にシェアされたどのビデオからでも人物を探せるようにする考えであると話した。例えば、友達とライブビデオに出ている時に、別の友達がビデオに立ち寄って短い会話を交わしたとする。通常その瞬間を探しだすのは困難なので、非常に刹那的な体験となるだろう。

近々Facebookは、この瞬間を自動的にインデクス化して、友達の名前を検索するだけで見つけられるようにする。そうなれば友達が立ち寄った瞬間の場面に飛ぶことができる。

Facebookはビデオの自動キャプションにも取り込んでおり、静止画像で物体を検出するのに使用している画像認識技術をビデオで利用することも考えられる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookが「保存ボタン」を外部に開放、日本では楽天とメルカリがファーストパートナーに

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Facebookが4月12〜13日(米国時間)にかけて開発者向けカンファレンス「F8」を開催中だ。かねてからうわさになっていたチャットボットやVR撮影カメラの「Surround 360」をはじめとして、さまざまな内容が発表されている。すでに初日の発表内容はまとめ記事も用意されているが、日本で独自にパートナーと組んだ動きもあったのでこちらを紹介しておこう。

Facebookは今回のF8に合わせて、「保存ボタン(Saveボタン)」の外部提供を開始した。日本では楽天およびメルカリがローンチパートナーとして本日4月13日よりボタンの導入を開始した(まずはPCおよびモバイル向けのウェブサイトのみ。アプリは今後対応を検討する)。今後は利用動向を見て逐次パートナーを拡大していく。

保存ボタン自体は2014年7月にFacebookに搭載された機能だ。Facebookで友人やフォローしたユーザーの投稿を保存すると、ブックマークのようにあとから読んだり、あとからシェアしたりできる機能だ。世界で2億5000万人がすでにこの機能を利用しているという。

これまではFacebook内の記事に限定して提供していた機能だが、この機能を「いいね!ボタン」や「シェアボタン」、「コメントプラグイン」同様にパートナーサイトに対して開放する。これによって、例えば楽天やメルカリで気になった商品があれば保存し、それをFacebook上で管理することができる。

ここまでであればPocketやはてなブックマークのようないわゆるソーシャルブックマーク、“あとで読む”的なツールでしかない。だがこの機能では、保存されたページの情報がアップデートされた際、Facebookを通じてユーザーに通知を送ることができるのだという。

当初のパートナーとしてEC関連のサービスを選んだのは、「『価格の変動情報が欲しい』というニーズはある。一方でFacebookには滞在時間の長いユーザーも多い。そこ(Facebook上)がユーザーとの接点を持てるツールになると思っている」(Facebook執行役員 パートナーシップ事業 日本代表の横山直人氏)。メルカリでも「アプリのダウンロード数も2700万以上、当初は20代女性が中心だったが男性など(Facebookも多用するユーザー層)も増えてきた。Facebookからの流入の期待も高まり、その一方でFacebookはその価値を上げられる。ユーザーが欲しがっている情報であれば、やらない理由はない」(メルカリ取締役の小泉文明氏)と説明する。

今回の発表はFacebookがこれまでも進めてきたプラットフォームのオープン化施策の1つだ。今回のF8はチャットボットが話題をかっさらっていた印象はあるが、この保存ボタンの開放を含めた開発者向け機能のアップデートも注目すべき情報だろう。