テック業界を支配するスマホの「次」に何が起こっているのか?

テクノロジー業界において、この10年はスマートフォンの時代だった。2009年時点では、Symbian OSがまだ支配的な「スマートフォン」のOSだったが、2010年にはiPhone 4、Samsung Galaxy S、Nexus Oneが発売され、現在、AndroidとiOSがアクティブなデバイス数で合計40億台を誇る。スマートフォンとアプリは、もはや破壊的な新しいプラットフォームではなく成熟した市場だ。次は何がくるのだろうか。

その問いは、次に必ず何かがくることが自然の法則であることを前提としている。この前提が正しそうに見える理由は簡単だ。過去30年以上にわたり、それぞれの分野が重なっている、世界を変える3つの大きなテクノロジープラットフォームへのシフトを我々は経験してきた。3つの分野とはコンピューター、インターネット、スマートフォンのこと。いずれ4つめが地平線のかなたに現れることは避けられないように思える。

AR/VR、ブロックチェーン、チャットボット、IoT、ドローン、自動運転車(自動運転車はプラットフォームだ。まったく新しい周辺産業が爆発的に生まれる)と、過去数年間、次の候補に事欠くはなかった。しかし、いずれも楽観的な予測をはるかに下回っていることに気づくだろう。何が起こっているのだろうか。

PC、インターネット、スマートフォンの成長の勢いが、これまで揺らいだりつまづくようなことはなかったように思える。ここに、インターネットのユーザー数の推移がある。1995年の1600万人から1998年には1億4700万人に増えた。2009年以降のスマートフォンの販売推移はこのとおりだ。Androidはわずか3年で100万台未満から8000万台以上になった。これが、主要なプラットフォームへのシフトだ。

PC、インターネット、スマートフォンの成長をAR/VR、ブロックチェーンといった候補のそれを比べてみよう。不公平な比較だとは思わない。それぞれの分野が「大きな何か」になると主張する事情通がいる。もっと手堅い予測をする人々でさえ、ピークの水準は小さいかもしれないが、少なくともスマートフォンやインターネットと同じ成長の軌道を描くといういう。だが実際のところ、どうだろうか。

AR / VR:2015年にさかのぼるが、筆者は非常に有名なVCと話をした。そのVCは自信満々に、2020年までに最低でも年間1000万台のデバイスが出回ると予想した。実際どうなったか。2017年から2019年までにかけて370万台、470万台、600万台と推移し、Oculusは再編中だ。年間27%の成長率は確かに悪くない。だが「一貫して27%」という成長率は、次の大きな何かになると主張するには、少し心配になるといったどころではない。「3年で10倍」からはさらに遠い。2020年までにMagic Leapが深刻な状況になると予想した人はほとんどいなかった。やれやれ。他のAR / VRスタートアップは「残念な」状況だというのが最も的確な説明だ。

ブロックチェーン:ビットコインは正常に機能していて、2010年代にテクノロジーに起こった最も奇妙で興味深いことだと思う。しかし残りのブロックチェーンはどうだろうか。筆者は広い意味で仮想通貨の信奉者だ。だが、2017年半ばに仮想通貨の敬虔な信者に対して、2019年末までに企業向けブロックチェーンが実質的に死んでしまうとか、分散型アプリケーションの使用が依然として数千台に留まっているとか、スモールビジネスへの担保付き貸し付け以外に本当の新しい利用事例は発生しなかったなどと言おうものなら、彼らを怒らせることになったはずだ。そして、まだその段階にとどまっている。

チャットボット:真面目な話、チャットボットはついこの間まで未来のプラットフォームとしてもてはやされていた(Alexaは、端的に言うとチャットボットではない)。「世界は書き直されようとしており、ボットは将来大きな存在になる」。これは実際の発言からの引用だ。Facebook Mは未来のものだったが、もはや存在しない。マイクロソフトのTayも未来のものだったが、もはや存在しない。Zoに取って代わられた。ご存知でしたか。筆者は知らなかった。そして今やそのZoも存在しない。

IoT:最近の記事のタイトルをいくつか見てみたい。「なぜIoTが一貫して予測を下回っているのか」「IoTは死んだのか」「IoT:昨日の予測と今日の現実」。ネタバラしをすると、最後のタイトルは、現実が予測を超えて成長したことについての記事ではない。むしろ「現実は予想を超えてバラ色ではないことが判明した」といったものだ。

ドローン:現在、ドローンの領域では本当にクールなことがたくさん起こっている。筆者は何でも最初に試したい人間だ。しかし、ドローンによる物理的な荷物配送ネットワークを形成の実現には程遠い。Amazonは2015年にPrime Airの計画をもったいぶってチラ見せし、2016年最初のドローンによる配送を開発した。世の中はすばらしい出来事が起こることを期待していた。そしてまだすばらしい出来事を期待しているが、少し期待しすぎている部分はあると思う。

自動運転車:我々にはもっと多くのことが約束されていた。Elon Musk(イーロン・マスク)氏の誇張についてだけ言っているのではない。2016年からこういうタイトルの記事が出始めた。「2020年までに1000万台の自動運転車が路上に」「5年後に真の自動運転車が登場、フォードが発表」。一応、Waymoの好意で、フェニックスでクローズドパイロットプロジェクトが実施されているが、それはフォードが話していたものではない。フォードは「ハンドル、ブレーキ、アクセルペダルがない自動運転フォード車が、5年以内に大量生産される予定だ」と言っていた。それは、今から18カ月後のことになる。「1000万台」の予測に至っては12カ月しかない。筆者が多少の懐疑論を展開しても許してもらえると思う。

もちろん、これらは成功していないようだということを意味しているのではない。AirPods、Apple Watch、Amazon Echoファミリーなど、多くの新製品がヒットした。ただし、これら3つはすべて、新しいプラットフォームというよりも新しいインターフェイスだ。ゴールドラッシュなどではなく、1つの銀の鉱脈にすぎない。

機械学習やAIをリストから外したことに気づいているかもしれない。実際には定性的な飛躍が確かにあったが、a) 急成長が続くというよりは、Sカーブの平坦部分に突入してしまったという一般的な懸念がある  b)いずれにしろ、AIはプラットフォームではない。さらに、ドローンと自動運転車はいずれも汎用自動化という名の壁に直面している。つまりAIの壁だ。AIは多くの驚くべきことが行えるが、2020年に1000万台の自動運転車が走る、というかつての予想は、AIがあれば自動運転は十分に可能だと予測したことを意味しているが、実際のところ予想よりもずっと遅れている。

いずれのテクノロジーも、次の10年を決定づける存在になり得る。ただし、考慮しておくべきもう1つの点として、いずれもそうはならないかもしれないという可能性があることだ。あるテクノロジープラットフォームが成熟し始めると同時に、別のプラットフォームが必然的に台頭し始めるというのは、反論の余地がない法則ではない。「次の大きな何か」の前に、長い空白があるのではないか。その後、2、3つのことが同時に発生するかもしれない。もしあなたが、今度こそその店に入ろうとしていると公言しているなら、筆者は警告したい。店の前で長い間待つかもしれないということを。

画像クレジット:Robert Basic / Wikimedia Commons under a CC BY-SA 2.0 license.

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(翻訳:Mizoguchi)

アプリケーションにチャット(会話)機能をつけるAPI、Dialogflow Enterprise EditionをGoogle Cloudが一般公開

会話ができるための入出力インタフェイスを作ることは、デベロッパーにとって新しい挑戦分野だ。チャットボットはWebサイトやアプリにおけるトラブルを減らし、会話ができるという構造の中では、企業はよく聞かれる質問に簡単迅速に答えることができる。そこで今日(米国時間4/17)Googleは、これまでベータだったDialogflow Enterprise Editionを一般公開した。

この技術は、2016年におけるAPI.AIの買収の成果だ。Googleは賢明にもツールの名前を変え、それが実際にすることにマッチした名前にした。同社によると、現在すでに、数十万のデベロッパーがこのツールを使って会話のためのインタフェイスを構築している。

これは必ずしもGoogleオンリーのツールではなく、Google AssistantやAmazon Alexa、Facebook Messengerなどの音声インタフェイスでも使えるから、デベロッパーが一度チャットアプリを作ったら、それらを、コードを大幅に変えなくてもさまざまなデバイスで使えるようになる。

さらに今日のリリースでは、機能を増やすとともに、エンタープライズエディションへの移行を容易にした。

GoogleのCloud AIのプロダクトマネージャーDan Aharonが、このツールを発表するブログ記事で、こう述べている: “今日からは、一つのAPI呼び出しで複数のAPI呼び出しが必要になるような、バッチ的な処理ができるようになり、コードの行数を減らして開発時間を短縮できる。Dialogflow API V2は今や、すべての新しいエージェントのデフォルトであり、Google Cloud Speech-to-Textを統合、APIからのエージェントの管理が可能になり、gRPCをサポート、そしてコードのマイグレーション不要でEnterprise Editionに容易に移行できる”。

同社は、Dialogflowを使って顧客のためのチャットインタフェイスを構築した企業の例として、KLM Royal Dutch AirlinesやDomino’s、Ticketmasterなどを挙げた。

この新しいツールは今日(米国時間4/17)から可利用になり、30以上の言語をサポートする。一般公開されたエンタープライズプロダクトには、サポートパッケージとサービスレベルアグリーメント(SLA)がつく。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleのチャットボット・ビルダーDialogflowに企業ユーザー向け有料バージョン登場

Googleが今日(米国時間11/16)、チャットボットやそのほかの会話的アプリケーションを作るツールDialogflowの、エンタープライズエディションの、ベータローンチを発表した

そして無料版も含めてDialogflowには、今や音声認識機能が内蔵されている。これまでデベロッパーは、その機能が欲しければGoogle CloudのSpeech APIや同様のサービスを使わざるをえなかった。当然ながら、内蔵化によって、一つのAPIを呼び出すだけになったので、スピードも(Google説では30%)向上した。

今のDialogflowにはさらに、GoogleのChatbaseサービスを呼び出すことによる、ベーシックなアナリティクスとモニタリングの能力もある。

Dialogflowは、Googleが昨年買収したときAPI.AIという名前だったけど、その後名前を変えた。でも変わったのは名前だけで、その基本的な考え方はなにしろ、会話的なエージェント(自律プログラム)やそのほかの、テキストや音声による対話を、使いやすい形で作りたい、と思ったときに使えるビルディングブロックを提供することだ。

このサービスはこれまでずっと、ユーザー獲得のために無料(ただし量制限あり)だったが、企業ユーザーは有料でもいいから24/7のサポートやSLA、企業向けのサービス規約、データ保護の約束、などがほしい。

そこで今度のDialogflow Enterprise Editionでは、これらすべてが得られる。Google Cloud AIのプロダクトマネージャーDan Aharonによると、このバージョンのDialogflowはGoogle Cloudの一員なので、前からGoogle Cloudを使っているユーザー企業なら、契約も使用開始も簡単だ。“もしもあなたがSpotifyなら、Google Cloudのプロダクトであるための要件をすべて、すでに満たしているから、Dialogflowをかなり容易に使える”、とAharonは語る。たとえばDialogflow Enterprise Editionのサインアップは、Google Cloud Platform Consoleのコンソールからできる。

有料とはいえ、テキストの対話一回につきわずか0.2セント、音声の対話リクエストは一回につき0.65セントだ。1セントにも満たない(量制限なし)。

これまでの無料バージョンのDialogflowは、どこにも行かない。エンタープライズエディションと同様、新たに音声認識も統合されており、14の言語をサポート、MicrosoftやAmazonなど、主なチャットや音声アシスタントのほとんどを統合している。その量制限は、1日に最大1000対話、1か月累計では15000対話までだ。

GoogleがAPI.AIを買収したとき、それはすでに、チャットボット作成ツールとして相当人気が高かった。そしてGoogleによると、その勢いは今だに衰えていない。GoogleのPRはAharonに、人気第一位のツールとは言うな、と釘をさしたらしいが、実際に人気一位であっても意外ではない。彼によると、無料バージョンだけの現状で登録ユーザー数(デベロッパー数)は“数十万”、今年のCloud Nextイベントを共有したデベロッパー数が15万だから、それよりずっと多いのは確実だ。

“顧客から何度も何度も聞く言葉によると、自然言語理解のクォリティーが高いので、Dialogflowはそのほかのチャットボットツールに大きく差をつけているそうだ”、とAharonは言う。“最良のツールでなければ、本番用(プロダクション用)には使えないからね”。(そうでない企業もあるみたいだが…。)

自然言語の理解以外にも、Cloud Functionsを利用してサーバーレスのスクリプトを簡単に書けるなど、Dialogflowはデベロッパーの自由度が大きい。ほかのアプリケーションへの接続も容易だ…それらがどこでホストされていても。だからたとえば、既存の受発注システムや発送システムと、これから作る会話的アプリケーションを統合することも可能だ。

Aharonによると、API.AIの機能をGoogle Cloudにポートするのに約1年かかった。そしてそれが完了した今では、このサービスはGoogleのAIや機械学習の機能をフルに利用できる。一方、今のGoogleはエンタープライズの顧客獲得が最重要の課題だから、Dialogflowをそのためのメニューの一員にするのも、当然なのだ。

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チャットやメッセージングを営業とマーケティングのツールにしたいHubSpotがチャットボット制作のMotion AIを買収

営業支援とインバウンドマーケティングの今や古参で大手HubSpot日本)が、チャットボット制作のスタートアップMotion AIを買収したことを、今朝(米国時間9/20)発表した。

Motion AIは2015にローンチし、チャットボットを作るためのエディターを提供している。そのチャットボットは、WebサイトやFacebook Messenger、SMS、Slackなどで動作し、ユーザーはコーディング不要で作成できる。実は、HubSpotのFree CRMにはMotion AIがすでに統合されている。

Motion AIのファウンダーでCEOのDavid Nelsonを含め、全員がHubSpotに加わる。さらに詳細は、来週(9/26)行われるHubSpotのイベントINBOUNDで発表するそうだ。

買収の発表声明の中でHubSpotのCEO Brian Halliganはこう述べている: “今やチャットとメッセージングのインパクトを無視することはできない。それはB2Bで重要なだけでなく、社会全体として重要だ。今はどの企業も大きな転換期にあり、それを好機として乗り切るためには、このような新しいプラットホームを積極的に導入して、ブランドからのより密接で常時つながってる状態のコミュニケーションを求める消費者を、前向きに受け入れて行かなければならない”。

数か月前にAIのKemviを買収したHubSpot は、そのときと同じく、買収の条件等を公表していない。Motion AIはCharge VenturesやCrush Venturesなどから資金を調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AI対AIやAI対人間を“戦わせる”ことでイノベーションを喚起するNIPSカンファレンスのコンテスト

ちょっとした競争心が、イノベーションのきっかけになることがある。そこでNeural Information Processing Systems(NIPS)カンファレンスは、競争するAIシステムを今年のテーマにした。そして、人が歩くときの筋肉の動きを模倣するシステム、雑学クイズ・チャンピオン、画像の微妙な操作など、さまざまなテーマで競い合うことになった。

NIPSの今年のこの新しい企画には23種の‘競争するAI’がテーマとして提案され、最終的に5つに絞られた。カンファレンスが行われるのは12月の初めだが、どれも、片手間で簡単に作れるようなシステムではないので、戦いは今からすでに始まっている。どのテーマもすでに、応募作は相当多い。

コンテストは一つ々々が独立していて、スポンサーが付いたり、賞金が出るものもある。

走ることの学習: これはたぶん、視覚的にいちばんおもしろいコンテストだろう。このシステムは人間が歩く動作をするときの、脳による筋肉と骨のコントロールを模倣する。生理学と物理学のシミュレーションだが、滑る床や階段、弱い筋肉、といった障害も設定されている。目標は歩き方を知っているAIを作るだけでなく、脳性麻痺の人に手術をした場合、歩き方にどんな影響が現れるか、といった問題意識もある。コンテストの詳細はスタンフォード大学のニュースリリースにあり、リーダーボードのGIF画像がなかなかおもしろい。AmazonがAWSのクレジット3万ドルぶんを賞金として提供している。

NNの敵対的攻撃と防御(Adversarial Attacks and Defenses): 私たちはすでに、画像を認識するニューラルネットワークをあちこちで見ている。それらは人間の顔や、猫、風景などを認識する。それらは、あらゆる種類の低レベルデータに対する独特のロジックで動くから、その判断を騙して、まったく違うものに認識させてしまうことも可能だ。もちろん、画像そのものを別のものに変えたりはしない。このコンテストは、NNを騙す悪役と、それに対する防御を作品として募集する。〔訳注: この項については、Google検索やWikipediaなどで、Generative Adversarial Net, GANを勉強すると、理解できると思います。〕

人と会話できるAI: このコンテストの目標は、できるかぎり人間のように振る舞えるAIを作ることだ。ボットと人間が対面して、両者に、最新のニュースやWikipediaの記事などを読ませ、それについてなるべく長く会話をする。応募作品に制限はないが、最優秀のボットが12月のNIPSに出場する。優勝賞金は1万ドルだ。チャットボットの進化に前から関心のあるFacebookが、“プラチナスポンサー”になり、本誌TechCrunch DisruptのStartup Battlefieldに出たMaluubaが、“シルバーパートナー”になる。それらの意味は、よく分からないけど。

人間対コンピューターのQ&A: このコンテストの応募者は、小型のWatsonを作る。そのWatsonは、Jeopardyで人間を負かしたときのバージョンぐらいの実力が必要だ。システムは一回に一つずつ、クイズのような質問を与えられ(例: ローマ帝国の第四代の皇帝は誰か?)、人間よりも早く、少ない語数で…もちろん正解を…答えたらポイントをもらう。NIPSで、人間とコンピューターの決戦を見ることになるだろう。“エキシビションマッチで人間チームと対戦するときのシステムの組み合わせは、出場者(システムの作者)が決めてよい”そうだ。

遺伝子突然変異の臨床的応用性のある分類法: 癌の悪性腫瘍を生じさせている遺伝子と、それらの腫瘍を破壊する遺伝子が分かったら、癌の拡大を防げるかもしれない。でもそれは、専門家たちによる、難しくて時間のかかる研究開発過程だ。しかし、もしも、何千もの遺伝子突然変異に関するそれら専門家たちの注記注釈にアクセスできたら、ニューラルネットワークを使った機械学習に出番があるかもしれない。すくなくとも、今後の研究対象を絞り込むぐらいは、できるのではないか。優勝賞金1万ドルは、Memorial Sloan Kettering Cancer Centerが提供する。すでに、685の応募作が寄せられている!

コンテストの結果が分かるのは12月だが、作品の応募だけでなく、議論に加わることは今からでもできる。参加は、自由だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook Messenger、チャットボット発見プラットフォーム、Discoverを公開

Facebookはチャットボットをまだ諦めていない。今日(米国時間6/28)同社は、メッセージを送りたくなるような面白いチャットボットを見つけるためのハブ、DiscoverをMessengerの中に作った。

これはFacebookが F8カンファレンスで発表したもので、このたび米国ユーザーに公開された。Facebookはこれをユーザーが企業やブランドともっと便利にやり取りする新しい機会と位置付けている。Discoverは、面白そうなチャットボットを見つけるための場所だ。カテゴリー別にロボットを眺めて機能を調べ、最近使ったボットを確認することもできる。

ボットを見つけやすくなることは確かだが、この機能はむしろチャットボットというメディアを改めて宣伝するためであるように思える。

Messengerは、新機能に関して「とにかくやってみる」という手法で知られている。更新頻度はFacebookのメインアプリ以上で、昨年は約2週間ごとだった。そしてMessengerではチャットボットを強く推している。チャットボットの基本となる考えは非常に興味深いが、あまりにも賢くないので使っている人が多いようには見えない。

友達とのメッセージスレッドの中にこの機能が入ることで、これが音声アシスタント型ロボットというよりも、便利なツールとして扱われることをFacebookは期待している。

すでにFacebookは、AIアシスタント「M」によってMessengerにDNAレベルでチャットボット風機能を実現しているが、ユーザーと企業が自動的に対話できる環境を作ろうとしている。Facebookページをブランドの標準ホームページとして推進するとともに、Messengerを企業との標準コミュニケーション手段にしたいとFacebookは考えている。

Discoverという新しいプラットフォームが導入されることで、チャットボットへの関心が高まることは間違いない。果たしてデベロッパーはこれに乗るのか、それともトレンドは消えてしまうのか今後に注目したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Duolingoのチャットボットは会話を上達させてくれそうだ―当面iOSアプリのみ

多くのスタートアップがチャットボットの可能性に興奮している。語学学習サイトのDuolingoも最近、外国語の練習に役立つユニークなチャットボットをリリースした。

このチャットボットは フランス語、スペイン語、ドイツ語でのテキスト会話に対応しており、さまざまなトピックに応じて異なるキャラクターが与えられている。もちろん相手を本物の人間と間違えるユーザーはいないだろうが、ネイティブ・スピーカーとチャットで会話するのに非常に近い体験をすることができる。チャットの途中で困った場合は“help my reply”というヘルプ・ボタンを押すとどのように会話を続けたらいいかヒントが表示される。

上のビデオで短時間だがテストしてみた(現在この機能はiOSのみ)。スペイン語版をやってみたが、これはまあなんというかそこそこ話せるからだ。当然かもしれないが、ユーザーはチャットボットを利用するためにはDuolingoのレッスンの最初の部分をクリアしている必要がある。私はDuolingoのユーザーではなかったので妹のアカウントを借りた(サンキュー、Laura!)。

派手な色で描かれたキャラクターや、それぞれ特定のテーマから離れようとしないところなど、いかんにも語学の教科書風だが、会話の技能を高めるのに役立つのは間違いない。実際、外国語をこうして使ったのはずいぶん久しぶりだった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

外国人宿泊客向けのチャットコンシェルジュ「Bebot」開発のビースポークが資金調達

ビースポークCEOの綱川明美氏

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訪日外国人向けの旅行サービスを手がける株式会社ビースポークは、アーキタイプベンチャーファンドを引受先とする第三者割当増資を実施したことを明らかにした。調達額は非公開だが、前回の調達(2000万円)を大きく上回るとしている。この調達資金をもとに、10月末にサービスを開始するインバウンド向けのチャットコンシェルジュ型サービス「Bebot」の開発を強化する。

ビースポークは2015年10月に設立。同年12月にはエンジェル投資家(非公開)から約2000万円を調達し、2016年4月には日本の穴場を紹介する訪日外国人向けサイト「LEVERT」を公開している。なお現時点では黒字化しておらず、本格的なマネタイズに向けた取り組みとして今年6月から、訪日外国人向けのチャットコンシェルジュ型サービスBebotの開発に取り組んでいる。

Bebotは、チャットボットを活用し、ホテルや民泊施設で人的リソースを使わずに24時間外国人宿泊客への対応を可能とするソリューションだ。背景には、インバウンドの増加でホテル従業員の多言語対応が求められている事情がある。ビースポークCEOの綱川明美氏は「英語ができる人は韓国語ができず、韓国語ができる人は中国語ができない」と説明する。つまり、従業員の多言語対応には人を多く雇う必要があり、Bebotでは従業員の代わりにチャットボットを活用するというわけだ。

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具体的なサービス内容はこうだ。外国人宿泊客がホテルにチェックインすると、ルームキーとともにBebotのアクセスコードが発行される。BebotはチャットサービスのFacebook MessengerおよびSlackで利用できる。宿泊客は「Wi-Fiのパスワードは?」「鍵の場所は?」「おすすめの観光地は?」「六本木周辺でおすすめのバーは?」といった質問を自身が使い慣れたチャットで行える。綱川氏によれば「まるで日本に詳しいコンシェルジュが同伴しているような安心感」を訪日外国人に与えられるといい、また、宿泊客の施設外での行動データを可視化できる点も大きな売りだとしている。

マネタイズは、外国人宿泊客1人につき数ドル程度のコンシェルジュ料をホテルや民泊業者から徴収する。10月末にサービス開始予定だが、すでに複数のホテルチェーンと契約。都内の宿泊施設におけるインバウンド率は高い場所で80%台、低い場所でも30%台だといい、収益が期待できるという。なお、あくまでもホテル向けのソリューションとして展開し、ビースポークが直接一般ユーザーへ提供することは想定していない。

Bebotに類似するサービスとしては、訪日観光客にチャットで情報を提供する「FAST JAPAN」がある。しかし、FAST JAPANが一般ユーザー向けにサービスを提供するのに対し、Bebotはホテル・民泊事業者向けのソリューションとして提供する点で違いがあるという。

使い慣れたチャットサービスを使ってさまざまな質問が行える

使い慣れたチャットで宿泊施設や観光に関して質問できる

起業のきっかけは一人旅

ビースポークCEOの綱川明美氏は、もともとフィデリティ投信で機関投資家向けの商品開発に携わり、次にデロイトで国内大手金融機関の海外進出支援を担当。その後マッコーリーで機関投資家向けの日本株営業を行うなど、投資銀行でキャリアを積んできた。

ビースポークCEOの綱川明美氏

ビースポークCEOの綱川明美氏

綱川氏もともと起業に興味はなかったが、趣味で一人旅をするうちに、Bebotの着想を得たと話す。「旅行先で現地に知り合いがいれば体験に差があるんです。1人じゃ辿り着けない場所にも連れて行ってくれます。誰も居なくても友だちがいるような体験をどうやって味わえるか… ということで、Bebotを思いつきました」(綱川氏)。起業の際には投資銀行での経験が特に資金調達面で役立ったという。

ビースポークは、今回調達した資金を元手にBebotの開発および販売を強化。10月末のサービス開始時点では英語のみだが、年内に複数言語に対応。さらに飲食店やタクシーの予約機能も順次追加していくという。

Facebook チャットボット経由の支払サポートへ―Messenger Platform v1.2発表

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TechCrunch Disrupt SF 2016カンファレンスに登壇したFacebook Messengerの責任者、David Marcusが大きな発表をした。FacebookはこれまでMessengerボットの機能の最大の穴だとされていた部分を埋めた。ユーザーを他のサービスに送り出すことなく、Messengerボットは内部で支払処理が可能になるという。

デベロッパーは商品購入が可能なボットの開発において、ユーザーがすでにFacebook本体ないしMessengerに登録してあったのクレジットカード情報をその場で利用できるようになる。Messengerでのこうしたボット開発は限定的なベータテスト中だが、デベロッパーはFacebookに参加を申し込むことができる。

Marcusは4月にスタートしたこのプログラムに3万4000のデベロッパーが参加し、3万のボットが開発されたことを明らかにした。5月にはデベロッパーが1万、7月には開発されたボットの数が1万1000だった。

Messengerを利用した支払を助けるため、Marcusによれば、FacebookはStripe、PayPal、Braintree、Visa、MasterCard、American Expressを始め、支払サービス業界における主要なプレイヤーすべてと協力して作業中だという。

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Disrutpでの壇上インタビューでMarcusはMessengerのユーザーが10億人に達したと述べた。もっともこれにはFacebookのメインのアプリからMessengerを独立させ、ユーザーにこのアプリのインストールを強制した効果があるかもしれない。またMarcusとCEOのマーク・ザッカーバーグが親密な関係にあることも影響しているだろう。200ヶ国で利用されるようになったチャットボットだが、リリース当初にはつまづきもあった。

FacebookがチャットボットののプラットフォームとしてMessengerに賭けていることを証明するために、Marcusはあらゆる種類のニュースフィード広告がチャットボットを利用でき、ユーザーはボットを友達と共有できるようになることを発表した。またまたボットを経由するやり取りがすべて文字列である必要はない。デベロッパーは自らのウェブサイトのページをチャットボットのインターフェイスに組み込むことができる。たとえば、フライト情報を表示してスクロールさせる、各種のメディアのコンテンツを見る、あるいはチャットのウィンドウを離れずに簡単なゲームをプレイすることもできる。

これらはすべての機能は今日(米国時間9/12)ローンチされたMessenger platform v1.2に含まれている。Marcusによれば「スレッド内でデベロッパーはユーザーの身元情報が利用できるだけでなく、取引、UI、ネイティブ機能を備えたボタンなどのインターフェイスを作成することができる。われわれはこうした能力をすべてMessengerのプラットフォーム上で関連付けた」という。

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またMarcusによれば、Messengerは非常に高速にWebViewをプリフェッチすることができる。これはここ数ヶ月で行われた一般ユーザーの目に触れない部分でのパフォーマンス改善の一つだ。これによりモバイルアプリの起動時間を始めとして多数の遅延が大きく低減された。

こうしたことはすべてFacebook Messengerがボットのプラットフォームとして当初の約束を果たすために必要だったという。Marcusはチャットボット・プラットフォームがスタートした当初は実際の機能が約束に追いついていない部分があったことを認めた。

「問題はあまりにも〔Messengerチャットボットの〕評判が先行しすぎたことだろう。あっという間にそうなってしまった。スタート時点でわれわれが提供したのは基本的な機能であり、これは日々利用されている従来のアプリを全面的に置き換えるレベルまで機能もインターフェイスも成熟していなかった」とMarcusは認めた。

またデベロッパー向け公開から一般ユーザー向けの本番スタートまでに十分な時間がなく、デベロッパーはチャットボットを成熟させる時間もリソースも不足気味だった。当初のユーザーの多くは従来のモバイルアプリやブラウザ内サービスと比べて、新しいボットはさして優れていない(それどころかはるかに劣る場合も多々ある)と感じた。

私はMarcusにデベロッパーがチャットボットの機能などの技術的詳細を教えられてから本番公開までにどれほどの余裕があったのか尋ねた。.「2、3週間」というのがその返事だった。「それは高品質なボットを開発するのに十分な時間だったと思うか?」とさらに尋ねられてMarcusは「たぶん〔時間は〕足りなかっただろう」と認めた。

しかしMarcusはMessengerボットのようなプラットフォームをリリースする際の困難を説明した。「実際そう簡単ではない。 時間がかかる。F8カンファレンスでわれわれが望んだのはデベロッパーが自身で独自のボットを開発するにせよサードパーティーのための開発を行うにせよ、3万4000人のデベロッパーすべてをプラットフォームに参加させることだった」。

その結果一部のボット―ニュース提供に目的を絞ったボットなど―は出来栄えがよかった。しかし他の分野のボットには完璧な体験の提供に遠い状態となった。

しかしWwebViewと支払機能の追加で、たとえばフライトとホテル予約のHipmunkの使い方は大きく変わるかもしれない。ユーザーはMessengerボット内で目的に合致したフライトを探しし、チケットやホテルを予約し、それらの支払を済ませるだけでなく、旅行日程を作成することもできるようになるだろう。

新機能の追加と同時に、デベロッパーはボット開発にあたっての基準を受け取ることになる。Marcusによれば、FacebookはデベロッパーがMessengerプラットフォームを利用して優れたユーザー体験を得るためのガイドラインも提供するという。


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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ソーシャルメディア上のビジネスコミュニケーションはチャットボットが担うこととなる

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編集部注:本校執筆はCory Edwards@coryedwards

2000年代となって、さまざまなブランドがインターネットを使った顧客および未来の顧客との対話に乗り出した。多く活用された最初のプラットフォームは「ブログ」だった。そしてFacebookやTwitterなどといった、ソーシャル・ネットワークの時代に移った。それから利用法などについては洗練された面があるにせよ、ソーシャルメディアは「人対人」のコミュニケーションツールとして発展を続けてきた。

そこに介入してきたのがロボットだ。

入り込んできたのはロボットの中でも「仮想ロボット」のことで、すなわち「チャットボット」のことだ。人工知能(AI)のパワーを身にまとい、ブランドと顧客のつながりを進化させようとしているのだ。たとえばこの方向に初期段階から踏み出した企業のひとつとしてDominoがある。Dominoは@Dominos宛にピザの絵文字をツイートすることで、ピザのオーダーができるようにした。絵文字オーダーはボットが確認して、正式なオーダーであれば注文を処理するという流れになっていた。

もう少し新しい話をすれば、Taco Bellだ。Slack上でTacoBotの運用を開始したのだった。Slack上でのチャットしたり、もちろんタコスをオーダーしたりすることができたのだ。またFacebookのF8では1-800-Flowers、CNN、あるいは小売系スタートアップのSpringなどがFacebook Messenger向けのチャットボットをリリースした。チャットボットを通じた、Facebookプラットフォーム上での新しい買い物体験やニュース体験を実現しようとする動きだ。

それぞれに面白い試みだ。こうした試みの結果、消費者にとってどのようなメリットがあるのだろうか。また、ソーシャルメディアに参加する人々の行動に何か新しい影響を与えたりするのだろうか。

ビジネスツールとしてのチャットボット

企業が利用しようとするチャットボットは、SNSを最大限に活用して、企業自身と商品ないしサービスの利用者のエンゲージメントを強めるために利用される。

消費者はチャットボットを3つの方法で利用するようになる。すなわちコンテンツ消費、カスタマーサービス、そして販売状況や取引履歴確認などだ。これまでも、ソーシャルメディアを使った顧客との対話はなされてきてはいた。しかしたいていの場合、ソーシャルメディアはあくまでも企業側のサイトやブログ、ないし特別のチャネルに誘導することが多かった。いわばソーシャルメディアを「ポータル」として使っていたわけだが、それがチャットボットを介して直接に、欲しかった情報を受け取ったり、テクニカルサポートを受けたり、あるいは何か必要なパーツを購入したりすることができるようになるのだ。

カスタマーサポートはどのように変わるのか。サポートを求めるユーザーのうち3分の1以上の人が、電話でなくソーシャル・メディアを利用しているという現状がある。また、こうした利用者は1時間以内の返答を望んでいる(逆にいえば1時間は猶予を認めるということではある)とのこと。これは企業側にとって、かなり厳しい要求だといえよう。しかしチャットボットの導入で、そうした要求にも応じられるようになる。

ソーシャルメディアでのチャットボットの活用は広がっていく

従来の自動音声応答システムなどとはまったく異なったものだ。カスタマーサービスへの要求が高まる中、必然の流れということもできるかもしれない。また、利用者自身に問題を特定して用意したメニューに従ったプッシュボタン操作を強いるのでなく、ボット側で利用者の要求や問題を把握することになる。

個々の利用者に応じた的確なサポート

パーソナライズの面にも注目しておきたい。ここに、チャットボットがSNS上で発達していくと思われる理由がある。AOLのInstant Messengerでかつて導入されたSmarterChildの時代とは異なり、ボットにできることは利用者が支持したタスクのみでなく、個々の利用者の背景をも理解した内容に広がりつつあるのだ。たとえばFacebookとチャットボットが連動することにより、ボット側で利用者がデバイスを操作する間隔や興味の対象、あるいは大切な人間関係や今後の予定なども把握できるようになる。チャットボットは位置情報やその他のコンテクストに応じた情報やレコメンデーションを行えるようになってきているのだ。

これまでも特定の層で特定の地域に住む人などに限定したコンテンツ配信などは行われてきた。しかし配信内容やタイミングを完全にパーソナライズするような方法は開発されていないのだ。それがチャットボットの導入により変化することになる。もちろん、現状のチャットボットではまだまだ実力不足ではある。使ったことのない人にはぜひ試してもらいたいと思うが、現状は更新情報をプッシュ通知してくるだけの仕組みにしか見えないという人もいるはずだ。しかしチャットボットは人間と関わることで一層進化することとなり、利用者がどのような情報を、どのようなタイミングで欲しがっているのかを理解できるようになると考えられているのだ。

「未来」への流れは止められない

ボットがチャットの世界で大活躍するようになるのは間違いのないことだと思う。ただし、さまざまな企業の公式ツールとして活躍するには、さらなる進化を必要とするのも事実だ。「コンテクスト」を理解する能力を高める必要があるだろうし、情報発信のタイミングについても改善の余地は大きい。またチャットボットとの会話方式もわかりやすくする必要がある。

現状は欠陥だらけであるとは言えるのかもしれない。しかしAI(人工知能)は経験に基づいて賢くなるものだ。ブランド側および消費者側の双方が経験を重ねることで、ツールとしてのチャットボットは発展していくことになる。方向を間違えることにはなったが、Microsoft Tayも、AIの学習能力を示すことにはなった(おかげでチャットボット導入側は、不穏当で攻撃的な言葉を身につけたりしないような仕組みを考える必要も生まれた)。

ボットの進化がはじまり、主要な役割を占めるようになるのは間違いない。ただしそれまでには3年ないし5年の時間も必要となるだろう。言い方を変えれば、まだまだ人間が活躍する場が残っているということだ。しかしボットがテキスト化された情報をより深く理解できるようになるに従い、企業側も利用者側もボットの活躍を願うようになるはずだ。ボットは仮想現実や拡張現実をも利用しながら、利用者との結びつきを深めていく方向で進化する。「人間対ロボット」の話が改めて注目されている昨今ではある。現在のところは双方が共存するのがソーシャルメディアの世界ではあるものの、この状況も変わりつつあるところだ。

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(翻訳:Maeda, H

チャットボットには大きな将来性―ただし現行製品はどうしてああもダメなのだろう?

2016-05-31-chatbot

この記事はCRUNHCH NETWORKのメンバーでEvaのファウンダー、CEOのFaisal Khalidの執筆。Evaは消費者向けモーゲージに関するチャットボットを開発中。

今年に入ってチャットボットについてのニュースをあちこちで見かけるようになった。まずMicrosoftがTayを発表したが、>女性の声でしゃべるのが性差別主義的だと非難されただけでなく、悪意あるユーザーに教えられた通りにあらぬことを口走るようになってしまった。次にFacebookがMessengerのボットをリリースしたが、上々の滑り出しとはみえない。それからAppleのVivが話題となった。一見したところSiri 2.0のように思えたのも無理はなく、開発者はSiriと同じだった。

ニュースだけは賑やかだったが、驚くべきことに、本当に出来のいい製品は一つとしてなかったように思える。

もちろん「本当に出来のよい製品」の定義をめぐって面倒な議論を始めることは可能だ。しかし簡単にまとめれば、素晴らしい製品には3つの特長がある。 (1)機能が分かりやすく使い勝手がいい。 (2) 99%以上の稼働率、(3)なんであれ、ユーザーが厄介だと感じる作業を大幅に肩代わりしてくれる。

そこで最初の問題に戻る。なぜチャットボットというのはああもダメなのだろう? ダメ、というのは、私には広くユーザーから喝采を受けているチャットボットが一つも思いつかないからだ。もっと重要なことだが、アプリよりも使い方が簡単なチャットボットの例も浮かんで来ない。どうしてこういうことになっているのか、少し詳しく検討してみる必要がありそうだ。

あまりに手を広げすぎたチャットボットは失敗する

VivとSiriがこの範疇に入る。どちらも「あらゆる問題に役立つ」ことを目標としたため、個々の問題を解決する能力が落ちてしまった。「すべてに対応する」という目標がなぜ問題を引き起こすのか理解するためにはチャットボットの動作の仕組みを理解する必要がある。

チャットボットは通常、「脳」と「ボディー」の2つの部分から出来ている。

まず「脳」だが、これは自動車を考えると分かりやすい。車にはエンジンが積まれていて車を走らせる。ボディーはユーザーの必要に応じてカスタマイズできる。ほぼ同じエンジンを積んでいてもボディーはSUVであったり、GTであったり、普通のセダンであったりすることが可能だ。

チャットボットも同様で、「脳」はユーザーの人間が発した言葉の意味を受け取り、実行可能なコードを生成する。狭い範囲の目的に特化したボットの場合、人間が発することを予期する言葉も狭い範囲に限定される。

たとえば、飛行機のフライトの予約に特化したボットを考えてみよう。フライト予約に関連して人間が発する可能性のある単語は100語から200語くらいだろう。そこでこうした発言を理解するボットを開発するのは難しくない。そんなボットなら私でも1週間で書けるし、その反応は99%以上適切だろう。しかしもっと広い範囲をカバーするボットを開発しようとすれば、それだけ多数の文が処理できなければならない。Siriのように「どんな場合にも役立つ」ボットであれば、理解しなければならない文の数は無限に近くなる。

「あらゆる文を正しく理解する」というのは信じがたいほど困難な作業だ。ほとんど無限といってよいエンジニアリング上の努力と時間を必要とする。人間の子供が言語を正しく使えるようになるのに数年かかるなら、人工知能が言語を理解できるようになるにもそのぐらいかかるだろう。しかし人間でさえ常に理解が成功するとは限らない。それは自然言語にはきわめて非論理的な側面があるからだ。たとえば6歳の子供は次に何を言い出すか分からない。しかし40歳の大人が相手だったら次に何を言いそうか予測することははるかにやさしい。

チャットボットのもう一つの要素は「ボディー」だ。私が上で述べたように、こちらは比較的「やさしい」部分だ。量は巨大であっても中身は「知識」にすぎない。ターゲットとする分野にもよるが、適切なカスタマイズにはもちろん多大のリソースを必要とする。さきほど述べたようにフライトの予約に役立てたいだけなら知識の量はさほど必要ない。おそらくはTripAdvisorのAPIを使うだけで相当に実用的なチャットボットが作れるだろう。

「なんでもできる」上に「非常に優秀」であるようなチャットボットはまず存在しない

私は金融分野で役立つチャットボットの開発を行っているが、この分野のハードルは非常に高い。必要とされる知識は莫大なもので、それをボットが利用できるように整理するためには非常に時間がかかる。金融サービスのサイトを見てみればわかるが、この分野の言語は特殊だ。チャットボットは、定義上、普通の人間が話したり、しゃべったりすることを理解でき、そのように話したり、しゃべったりできなければならない。金融は当然ながら複雑で理解が難しい分野だ。金融サービスの術語や特異な表現をチャットボットが話す言葉に翻訳するのはおそろしく時間がかかり、ハードルが高い作業だ。

本当に知的な作業ができるボットを作るのも難しい

こう言えば驚く読者も多いだろうが、現行の チャットボットの大半は実は全く知的ではない。ともかく私が使ったことがあるボットは知的ではなかった。チャットボットが知的かどうかは主として次の2つの基準で判断できる。(1) サービスが自己完結的であり、利用を続けるうちに自然と賢くなる。 (2)ユーザーは文字通り自由に文を組み立てて質問ができる。

具体例を考えてみよう。MicrosoftのチャットボットのTayは知的なボットの代表だろう。話しかけれられたことを何でも理解しようと務める様子がみえる。利用時間とともに機能も向上していく、つまりいちいち命令を受けなくても、聞いた言葉からパターンを抽出し、理解できるようになるはずだ。少なくとも理屈の上からは、そうだった。では知的でないボットの例はというと、残念ながらFacebook Messengerのボットの大部分、CNNのボットなどがそうだ。これらのボットが理解できるのは事前に用意された定型的な文だけだ。

ところが注意しなければならないのは、実際に役立つ―つまり予期せぬ動きをしたりぜず期待されたとおりに仕事をこなす―ボットは知的でない製品だ。その理由はこうしたボットは事前に決められた有限の道筋しか辿らないので失敗しないのだ。

デモでクールなチャットボットのUIを書くのは面倒な作業

こkで面白い点がある。われわれが見たチャットボットのデモのほとんどは(たとえばVivなど)こうした面倒な点をまったく無視している。優れたアプリの場合、ユーザー側の入力はほとんど必要ない。何度かスワイプし何度かクリックすれば終わりだ。それで役目は果たせてしまう。キーボードからのタイプはほとんど必要ない。ところがチャットボットではそうはいかない。

チャットボットは物事の説明を練習するには良い―うまく説明できるまで質問攻めにされる

現在のところ、たいていのチャットボットは音声認識をサポートしていない。そこでユーザーはひたすらタイプ入力を強いられる。当然ながらこれはスワイプやクリックに比べて時間を食う作業だ。その結果、チャットボットはアプリよりはるかに効率が悪いという結果となる。直感には反するかもしれないが、これが現実だ。しかも入力した文をボットが理解できない場合、ユーザーは同じ質問を別の表現に変えて再入力しなければならいので、能率はさらに悪くなる。

チャットボットは失敗を運命づけられているのか?

もちろんそんなことはない。その反対だ。しかし現在チャットボットはきわめて初歩的な段階にある。 ブラウザでウェブサイトを使うのに比べて専用アプリのほうがはるかに処理が速く、使用も簡単なことは10年から15年前に分かっていた。モバイル・アプリのメリットは当時から明白だった。

ところが現在チャットボットを利用してみても、メリット―スピードと使い勝手―は明白とはいえない。 またスピードが速く使い勝手がいい場合でさえ、正確性が不足しているために仕事に使えるのかどうか確信が持てない状況だ。

個人的な意見だが、「知的でない」なチャットボットがまず実用になると思う。たとえばカスタマー・サービスでFAQに答えるような場合には役立つだろう。また金融サービスのような複雑な問題をわかりやすく説明するのにも好適だ。もしもっと複雑な問題、たとえばそれまで接触がなかった顧客が家を買おうとするような場合に、必要な情報を細大漏らさず提供できるようなボットができればその価値は計り知れない。

チャットボットは同じ質問に疲れることなく繰り返し繰り返し答えることができる。ユーザーは納得がいくまで細かく質問できるし、ボットはそれに応じて細かい点まえ説明できる。またチャットボットは、長い入力書式を代替するのにも向いていると思う。書式に延々と入力させるのはいかにも非人間的だ。ボットの方がずっと人間味があるだろう。つまり起業家がチャットボットでビジネスを考える場合、適用可能な分野は数多くあるということだ。

最後にVivについて

一部にVivについての誤解があるようだ。まずVivはSiriではない。つまり「なんにでも対応」することぉ目的とする独立のチャットボットではない。先ほどの比喩でいえば、Vivは「脳」ないし「エンジン」の部分に相当する。Vivは回答に当たってサードパーティーのAPIからの入力を前提としている。Vivは他のチャットボットないしチャットボットAPIを作動させる共通のプラットフォーム、いわばチャットボットのOSとなることを目指している。

もしVivが成功するなら、やがてチャットボットのApp Storeのような存在となるだろう。チャットボットのデフォールトのプラットフォームを狙うんはFacebook MessengerやSlack、さらにその他のSNSも同様であり、Vivのライバルになるだろう。

さてチャットボットの将来は以上述べたようになるだろうか? 実のところ私にも確信はない。私はVivのような中央集権的、OS的なチャットボットが存在するのが良いことかどうかについても確信はない。われわれは新しいアプリが必要なときはApp Storeに探しに行く。将来はチャットボットもApp Storeのような場所に探して行くことになるのだろうか? 今は分からないとしか言えない。しかしやがて判明するときが来るだろう。

F画像: photosync/Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

不動産スタートアップのiettyが東大とチャットAIの共同研究、人材会社との資本業務提携も

ietty代表取締役の小川泰平氏

ietty代表取締役の小川泰平氏

「最近チャットボットやチャットUIに関する話題が多いが、チャットを用いたサービスでもっとも実績のあるスタートアップは我々ではないだろうか」——そう語るのは不動産スタートアップのiettyだ。同社は5月13日、東京大学大学院 情報理工学系研究科電子情報学専攻・山崎研究室(山崎研究室)と共同での研究・サービス開発と、総合人材サービスを手がけるプロスとの資本業務提携を発表した。

iettyが提供するのは、オンライン接客型不動産仲介サービスの「ietty」だ。会員登録をし、希望の部屋の条件を登録すると、チャットを介してiettyから条件にマッチする物件の情報が送られてくる。ユーザーはその物件情報に興味を持ったかどうかを評価し、別の物件情報の提供を求めたり、内見の予約をしたりできる。

2015年10月に資金調達を発表した際、ietty代表取締役の小川泰平氏は「AIを使った物件紹介を試験的に開始している」と話していた。現状ではユーザーが希望する賃料や間取り、最寄り駅などの条件をフックにして物件を提案するようなものだそうだが、これを今回の山崎研究室との取り組みで本格化させる。「年内にも何かしらの結果を発表したい」(小川氏)

iettyでは提供された物件情報を評価できる

iettyでは提供された物件情報を評価できる

iettyでは現在、1日約5万件の物件情報をユーザーに配信しており、その半数にユーザーからの評価が付けられているのだという。ユーザー属性、物件情報、物件の評価情報、これらのデータを掛け合わせて分析することで、ビッグデータからユーザーに最適な物件を提案する仕組みを作れないか、という話だ。「今までの不動産仲介業は、ユーザーの希望条件に合わせて営業マンが『プロの勘』で物件情報を提供してきたが、データをもとにより最適な物件情報を提供できるようにしたい」(小川氏)

この施策の背景には、最近のチャットUI、チャットボットというトレンドへの警戒心があるようだ。もちろん店舗型の不動産仲介業者がいきなりチャット形式でオンライン仲介に参入、という話ではないかも知れないが、FacebookやLINEがプラットフォームを開放すれば、仲介業者は極論誰でもオンライン接客を行うことができるようになる。それに対して先行者としてサービスを展開するiettyでは、AIを使って業務を自動化しつつ、少ないリソースで多くの顧客に対応できる仕組みを作ろうとしている。

またこれに加えて、今回資本業務提携(資金調達については金額非公開だが、業務提携の意味合いが強く、少額だとしている)したプロスから内見対応を行う営業マンを派遣することで、リアルなオペレーション部分のリソースを確保する。不動産業界は繁忙期と閑散期の差が大きい。営業リソースを固定費にするのではなく、人材派遣で変動費化することにより、閑散期のコストを削減する狙いだ。

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同社は繁忙期である3月に単月黒字化を達成。ユーザー登録も月間6000〜7000人ペースで増えているという。「2年後にもネットでの不動産仲介が解禁される動きがあるが、まずはそこでナンバーワンになりたい。ただし賃貸不動産は入り口に過ぎない。管理や売買の市場を見ると60兆円の世界。不動産デベロッパー出身なので、その領域でビジネスを描いていきたい」(小川氏)

今後はLINEやFacebookなど各種メッセンジャープラットフォームにもサービスを対応させるほか(LINEについてはLINE@でサービスを試験運用しているが、実はアクセスの4分の1がLINE経由だそう)、大阪や神奈川でのサービスも開始する予定。

Facebook Messengerへのチャットボット投入は成功するのだろうか?

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メッセージが送られてくると、そのすべてに応答していた。しかしそうした振る舞いも過去のものとなるのかもしれない。Messengerの受信通知があっても、それが友だちからなのか、ボットからなのかわからない時代になろうとしているからだ。チャイムがなっても、鳴らした相手が友だちなのかそれともボットからの新しい通知が来ただけなのか悩まなければいけなくなる。受信通知がまるで、ある種のチューリングテストのようにすら思えてしまう。

思い起こしてみると、これは「いつか来た道」なのではなかろうか。私たちが「電子メール」に注意を払わなくなったきっかけもこうしたことだったと思うのだ。初期は電子メールといえば仲間たちと重大な研究成果などのやり取りをするために使われていた。それがいつの間にかメールマガジン、レシート、あるいは数千ないし数百万人を対象に送られるにも関わらず、特定の個人に送られているかのように偽装する商用メールが多くなってしまったのだった。

Messenger上での会話はどうなっていくのだろう?

TechCrunch Chatbot

Messenger上にはボットによる「デイリー・ダイジェスト」が増えていく。

Facebookが、今になるまでボットの活用を待っていたのには理由があるように思う。ほんの1年前まで、Messengerを使う人は現在の半分程度に過ぎず、コミュニケーションツールとしての地位を獲得していなかったのだ。メッセージのやりとりにはさまざまなアプリケーションが用いられていて、その中でも一般的だったのはSMSだった。

いまやMessengerは10億人に利用されるプラットフォームとなり、新しいことに取り組む余裕も出てきたというわけだ。欧米におけるナンバーワンのモバイルメッセージングツールとなり、WhatsAppも中国などを除く世界中で広い人気を集めている。

Facebookは自社プラットフォームが世界中に広まったのを見て、人がメッセージのやり取りをしなくても金を稼ぎだす仕組みはないかと考え始めたのだ。Messangerのトップを務めるDavid Marcusは1ヶ月前、Messengerは「あらゆるコミュニケーションのハブとなり、さまざまなサービスやビジネスが提供される場所として発展していく可能性があるのです。そしてますます人を集めるプラットフォームとして拡大していくこととなるでしょう」と語っていた。

Facebookのプラン通りに進むこととなれば、カスタマーサービスや電子商取引に関わるさまざまなやり取りをMessenger上でやりとりするようになり、またニュースやマーケティングなどにも活用されるようになり、友人同士を結ぶプラットフォームという役割を超えていくことになるだろう。電話、メール、RSSフィーダー、さらにウェブの機能を統合したようなサービスを展開することになるかもしれない。

それらの機能は、実はMessenger上でこそ使い勝手が良いものになる可能性もある。

たとえば多くのカスタマーサービスなどでは、プッシュフォンのダイヤルによるメニュー選択を行わせている。メニューを選択できるようになるまでの待ち時間を含めて、これを不便と感じない人はいないだろう。Messengerを使えば、航空会社や商店とコンタクトするのがずっと容易になることだろう。さらに一定の業務については非同期(相手側は人間が対処する必要もない)で行えるようにもなる。また、レシートも複数のメールに小分けにして送られるのではなく、Messenger内のひとつのスレッドにまとめられることになって便利だ。AIと連動するようになり、使い勝手が向上すれば、今の時代からは想像もできない効率的なインタフェースが生まれてくることも必然とすら言えるかもしれない。

ただし危険な側面も。

しかしリスクも高いように思う。たとえば、ちょっとした空き時間にメールをチェックすると、目に入るのはスパムばかりということもある。Messenger上にスパムが進出してくれば、スパムがまるで友だちのようなふりをしてメッセージ受信通知を鳴らすことになるのだ。SMSマーケティングの対象となってしまった経験を持つ人は、そのうるささをご理解いただけることだろう。これまでのスパムメールのように「流す」だけでなく、直接に「コンタクト」してくる感じになるのだ。自分の時間を引っ掻き回されるリスクは十分に高いと言えよう。

Facebook Game span was ruining the News Feed. [Image via Thoughtpick]

Facebookのゲームスパムがニュースフィードを台無しにしたこともあった。[Image via Thoughtpick]

「いいね」をして、サービスやブランドなどと積極的に繋がる人もいる。しかしそれはあくまでもフィード上での交流だ。いきなり直接のメッセージが送られてくることもなかったし、また表示されるメッセージに何のアクションもしなければ、ランキングアルゴリズムのおかげでいつの間にかフィードに流れないようにもなったものだった。

しかし2010年を思い出してほしい。スパムがニュースフィードをめちゃくちゃにしてしまうと問題視されたことがあった。Zyngaなどが積極的にソーシャルゲームとしての機能を充実させ、そのために友だちのフィードを汚してしまうことに繋がったのだった。マーク・ザッカーバーグも、Facebook上でのエクスペリエンスを汚染しているもののひとつがゲームであると認めていた。そしてFacebookはFarmVilleなどに関わる投稿を激減させることにしたのだった。

こうした動きにより、ある意味で利用者の「世界」が狭まってしまうこととなった。ひとびとはゲームをしたり、その結果をFacebookに投稿することにためらいを感じるようになった。開発者側にとっても問題は重大で、これまで利用していたプラットフォームがりようできなくなった。ソーシャルゲームに注力していたZyngaなどは利用者数を大いに減らし、企業価値をも大きく低減させることとなってしまった。

Facebookはチャットボットを導入することで、Messenger上でも同種の失敗を繰り返そうとしているのではないだろうか。チャットボットといったん繋がりができてしまえば、利用者は毎日アラートをならされることになるのではないだろうか。

最初に登場してきたチャットボットたちが大失敗であったことも、Messengerサービス上へのボットの投入を妨げるものとはならないだろう。たとえばCNNのチャットボットは「U.S.」のニュースを教えてくれと言われると、見出しに「U.S.」の文字が含まれているものだけを通知した。Springのコマースロボットは、初期の価格設定よりも高いものを売りつけようと執拗だった。そしてPonchoだ。天気予報ネコのPonchoは、天気についてのごく簡単な質問すら理解してはくれなかった。

Poncho

天気予報ネコのPonchoに苛ついた人は大いにちながいない。

さらにFacebookはMessenger上でスポンサード・メッセージの実験も行なっている。Messengerで繋がったことがある利用者に対して、通知を送ることができる仕組みだ。Facebookはいまや1四半期に15億ドルもの利益をあげている。しかしそれだけに飽きたらず、Messengerを使った商機拡大を狙いつつ、実は大きなリスクを抱え込もうとしているようにも思える。

Facebookの動きは、Messenger上に膨大なノイズを流すことになりはしないか。ロボット発のノイズが増えることで、利用者が他のアプリケーションに乗り換えてしまったり、あるいは友だちからメッセージがきても放置してしまうようになることはあり得ることだと思う。

Facebookに対策はあるのだろうか?

こうした点について、F8の際にMarcusにも尋ねてみた。「防御のための究極の仕組みがあります。すなわちメンバーに送るメッセージの数や内容について制限することができるのです。メールの場合にはそうしたコントロールは不可能でしたから、Messengerがメールのようになるというのは言い過ぎではないかと思います」とのことだった。

もちろんそうだ。Facebookはスパマーの利用を停止させてしまうことができる。また利用者も特定の相手を簡単にブロックすることができる。しかしそうは言いつつも、Facebookは現在チャットボットをなんとか導入したいと積極的になっているところだ。たとえばビデオゲームのCall Of Dutyのボットなどにも注目を集めようとしている。チャットの世界で支配的な地位を築くためには、こうしたチャットボットの普及発展が欠かせないのだ。

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ビデオゲーム「Call Of Duty」に登場するキャラクターのMessenger用ボット

「私たちの方も十分に気を配っていることはご理解いただけると思います。メッセージが送られるたびに通知されることはありません。ただしスレッドは更新され、メッセージを送ったボットがリストの上位に表示されるようにはなります」。Facebookには、スパムやエンゲージメントレベルについて、ぜひとも注意深く解析するようにして欲しいものだ。スパムの可能性があればボットの動作を制限して欲しい。

あるいはこちらからコンタクトをとったボットであっても、定期的に送られてくるメッセージにこちらが数日にわたって反応していないことを検知すれば、ぜひとも通知をオフにして欲しいと思う。あるいはボットの動作を制限した方が良いケースもあるかもしれない。Facebook上でのフィードの内容は、こちらのアクションにより変化するようになっている。Messengerでもそうあるべきだと思うのだ。利用者の様子を詳細に分析できチャットボットを、開発者やブランドに提供するようにして欲しいと思う。そうなれば、サービスにボットを活用しようとする側で、より適切な運用スタイルを構築することができるようになるだろう。

Messengerにチャットボットが導入するにあたっては、十分に慎重でなければサービス自体の価値を低めてしまう可能性もある。

たとえば、ボットから送られたメッセージだからとMessengerのスレッドを放置するようになり、さらに通知もそのまま放置しておくようになるかもしれない。その次には「人」からなのか「ボット」からなのかの区別も面倒になり、そもそもMessengerを開かなくなるようなこともあり得る。そうなってしまえば時代はSMSに逆行してしまうというようなこともあろう。Messenger風の最新機能はないが、それだけにスパムに埋もれてしまうこともないという安心感が魅力になるわけだ。

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Facebookがこの問題をつぼみのうちに解決しなければ、利用者の関心を失わないためにボットの利用そのものをあきらめざるを得ないようなことになる可能性もあるだろう。

Marcusは「日常生活に訪れる通知などのインタラプションは、すべて重要なものごとに関わるものである必要があると考えています。Facebook利用者する人のすべてにその原則を間違いなく提供するというのは難しいことではあります。しかし手段がないわけではないと思うのです。それが可能であってこそ、チャットボットを含むトータルなサービスが提供できるようになるのだと考えています」。

Facebookの「コミュニケーション戦略」が成功するのかどうか、ここにかかっていると言っても良さそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

チャットボットがCtoCサービス成功の鍵、新事業に挑むドリコム内藤氏

ドリコム代表取締役社長の内藤裕紀氏

ドリコム代表取締役社長の内藤裕紀氏

物々交換アプリ「Clip」を4月19日に正式公開したドリコム。このClipや、先行して3月にリリースされているコンシェルジュによる飲食店の紹介・予約サービス「PlanB」をはじめとして、現在複数のCtoCサービスを開発中なのだという。その背景や今後の取り組みについて、ドリコム代表取締役社長の内藤裕紀氏に聞いた。

じわじわやって、誰も追いつけないサービスを作る

ドリコムの売上を生み出しているのはスマートフォン向けのゲーム事業だ。同社ではそのポートフォリオを見直して不採算タイトルを整理。IP(版権)モノのタイトルを中心に提供していくことを発表している。「ゲームをIPに寄せる。では3年後、5年後には何をやるか? と考えていたのが1年少々前。それで出た答えがCtoCの領域だった」(内藤氏)

GoogleやFacebookが参入してしまうような領域にチャレンジするのは難しい。やるのであれば、1、2年は芽が出なくて周囲に「うまくいかないよ」と言われようが、圧倒的なサービスを作らないといけない。「Airbnbだってじわじわやってきたが、今となっては誰も追いつけない。そんなサービスを作りたい」(内藤氏)

そんなビジネス的な観点とは別に、大量生産大量消費の時代からモノを大切にする時代、貨幣よりも信用が価値になる時代だからこそ成り立つプロダクトを作りたいという思いがあったという。「今のビジネスは『儲かる』という前提で設計されている。でも田舎では道ばたで無人の野菜販売だってしているし、モノの貸し借りもしやすい。そんな信用社会のサービスだっていい」(内藤氏)。Clipは、単にCraigslistを置き換えるためだけのサービスではないという。

とは言えあくまでドリコムのビジネスの中心はゲーム。新サービス群は20代半ばの社員を中心にした少数チームで担当している。内藤氏はプロデューサーとして新サービスにも時間を割いているという。「ヒットではなく、外してもいいから大きく振っていく。時間をかけてじわじわと(価値が)高まっていくものを作る。一方でゲームは逆張り。IPモノでヒットを打っていく」(内藤氏)

チャットボット×CtoCの可能性

リリースされているClipとPlanB、開発中のものも含めて、サービスの一部にチャット型のUIを採用している。「まだインターネットは使うのが難しい。チャットUIがそのハードルを下げているというのをこの1年くらい感じていた」(内藤氏)。MicrosoftにFacebook、LINEなどのプラットフォーマーがチャットUIとAIの組み合わせである「チャットボット」に注目しているが、内藤氏はこれとCtoCサービスとの相性が非常にいいと語る。

チャット形式でユーザーがやりとりする「Clip」

チャット形式でユーザーがやりとりする「Clip」

「なぜ僕らがチャットUI、ボットとCtoCとの掛け算を重視しているかというと、まずよく言われることだが、リテラシー低くても使いやすいから。この業界にいると当たり前になりがちだが、いちいち地域だの値段だのを入力して検索するというのはエンジニア的発想。一般の人の発想は電話みたいな感覚で尋ねたいはず」(内藤氏)

またこの組み合わせは、ユーザーのコンバージョンを高めるのにも最適だというのだ。

「CtoCのサービスで重要なのは、『ユーザーは待てない』ということ。そのためにできる限り待たせずリアクションをしなければならない。ここでチャットボットを使えば、すぐに返事できる。例えばPlanBでも、ユーザーからの問い合わせにボットと人力、それぞれでやることを分けている。そういうことがユーザーのエクスペリエンスを向上させる」(内藤氏)

内藤氏は「ライブ」というキーワードでチャットボットの価値を語る。ユーザーは自分がアクションを起こした際、リアクションがなければそのアプリなりサービスからいったん離れてしまう。だが相手がリアクションをしていることが分かればそのサービスから離れにくい。これは僕らがLINEの「既読」やFacebookメッセージの「入力中」という表示を見たときのことを考えればしっくりくる話だ。また、素早く反応が返ってくれば、それが意志決定にも繋がる。そんな“ライブ感”がCtoCのサービスには必要だという。だがチャットUIは決して万能な訳ではない。たとえばフロー型のUIであるがゆえに、検索性は弱かったりする。Clipでも検索機能は強化せず、いかに偶然の出会いを作るかを意識しているのだという。

PlanBのチャット画面

PlanBのチャット画面

PlanBは1回の予約ごとに課金(アレンジ料として1500円。ただしオープン記念で現在は1000円)を行うが、Clipは当面無料でサービスを提供する予定だという。企画当初からマネタイズ手段も用意し、開発に乗せていたが、リリース前にあえて機能を外した。「ビジネスモデルは時にユーザーの邪魔になる。しばらくはそういうことを無視して、回転数がどれだけ上がるか考えていきたい」(内藤氏)。ドリコムでは直近にもいくつかの新サービス(CtoC領域以外のサービスもあるようだ)をリリースする予定だ。

余談だが、最初にClipを紹介したのとほぼ同じタイミングでメルカリ子会社のソウゾウが同種のクラシファイドサービス「メルカリ アッテ」をローンチしていた。これは本当に偶然だったのだそうだ。

F8カンファレンス:FacebookがMessengerのチャットボットのプラットフォームを発表

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FacebookはF8 2016デベロッパー・カンファレンスでMessengerを利用した企業のチャットボットのプラットフォームをリリースした。これにより、見込み顧客の質問へのの回答、カスタマー・サポート、eコマースの手続き説明など、あらゆる対話的なリアルタイム・コミュニケーションが可能になった。Facebookではデベロッパー・ネットワークとビジネス・エコシステムの巨大さにものをいわせて、MessengerをすべてのSMSを合わせたより大きな存在にしていく計画だ。

一方、KikLineTelegramなどライバルのチャット・サービスはすでに独自のボット・プラットフォームを展開している。

今回のF8カンファレンスでのFacebookの発表はTechCrunchが2月に掲載したFacebook、メッセンジャーをプラットフォームにするためチャットSDKを準備というスクープを裏付けることになった。われわれは先週、F8でFacebookはチャットボットとライブチャットAPIを発表する予定.だという記事でフォローしている。 [アップデート:このプラットフォームの正式名称は“bots on Messenger”となった。われわれが報じた“agents on Messenger”は発表以前の部内のコードネームだった]

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F8でFacebookはチャットボットの新機能にいち早くアクセスできる提携デベロッパーの長いリストを発表した。 たとえばMessengerで受け取り者の名前を入れたメッセージを1-800 Flowersに送るとその相手に自動的に花束がプレゼントされる。CNNはユーザーが要求した関心あるテーマについてMessengerで毎日記事の要約を送ってくれる。ユーザーは必要ない記事を大量に送りつけられて迷惑せずにすむ。

マーク・ザッカーバーグは、「人工知能と自然言語処理〔の発達〕と人力の補助により、ユーザーはMessengerボットに友達に話しかけるのと同じように話かけることができる」と説明した。.

Messengerボットの仕組

MessengerプラットフォームのSend/Receive APIを調べるとボットは単純な文字列だけをやり取りするのでないことがわかる。ボットは 画像、リンク、行動を起こすボタンを含むstructured messages〔構造化メッセージ〕を処理できる。ユーザーはボットとの会話を通してレストランを予約したり、eコマースでの購入履歴を調べたり、必要とあれば追加注文をしたりできる。カルーセル式に横移動するカタログをスワイプして目を通し、気に入った商品があればウェブ・ページに飛んで購入を完了するといった使い方が可能になる。

ただし注意すべきなのはボット・プラットフォームが現在支払機能をサポートしていない点だ。Messengerにクレジットカード情報を登録しているユーザーであってもボットを通じて支払を行うことはできない。

Messenger commerceMessenger support

新しいMessenger画面のトップに常に表示される検索バーはボットを探すのに便利だ。すでにSMSで顧客とコンタクトを取っている企業の場合、電話番号照合ツールで簡単にユーザーのMessengerアカウントにアクセス可能だ。これはTwilioとの提携によって可能となった。ユーザーに会話の主導権を保証するためにボットとの会話では画面トップに「ブロック」ボタンが常に表示される。このボタンを押せばボットを即座に黙らせることができる。

デベロッパーは単独でボットを開発することもできるが、Facebookのボット開発パートナーとなることもできる。またFacebookは自然言語処理のWit.aiを買収して得たテクノロジーを用いた独自のBot Engineによるインターフェイスを用意している。 これはFacebookが教室向けに提供しているシステムと同じもので、Bot Engineを用いたサンプル会話が配信される。またこのシステムは会話の進め方を独自に学習する機能がある。

Mfacebook

人海戦術は時代遅れ

チャットボットは突然テクノロジー界の最大のテーマとなった。ボットはそれぞれのユーザー別にカスタマイズされたリアルタム双方向コミュニケーションを容易にスタートさせることができる。現在のコールセンターや営業部隊と同じような機能を果たすが、はるかにスケールしやすく、コストも低い。

Facebook CNN Chatbot

ごく控えめな予測でもチャットボットが 1-800〔無料通話〕を置き換えることになるのは間違いない。人間が配置されたコールセンターには一定の営業時間があり、繋がるのを待つ時間があり、延々と転送を繰り返される。また担当者が調べ物をする保留時間や人間と会話する精神的ストレスなどもある。こうしたことはチャットボットには無縁だ。

Messengerその他のプラットフォームのボットが広く採用されることになると、セールスやサポートに関する企業活動が一変する可能性がある。ユーザーが自分からカタログの詳細をチェックしなくても、購入にあたってポイントとなる基準を伝えれば、ボットが即座に関連する情報を教えてくれる。ニュースサイトの場合も、大量の無関係な記事をより分けたりせず、興味ある記事だけがタイムリーに手元に届くことになるだろう。ボットは関連する情報やリンクも教えてくれる。

現在FacebookはWhatsAppを買収した状態のままなのシンプルなメッセージ・サービスにとどめている。しかしMessengerにおけるeコマースなどビジネス利用、チャットプラットフォームの導入などが成功すれば、FacebookはこれらをWhatsAppに導入しようと考えるかもしれない。

チャットボット・プラットフォームはもちろんビジネスの一環だ。Facebookは企業が「スポンサー・メッセージ」、つまり広告を送信することに課金す計画だ(このメッセージはMessengerでユーザーが自発的に企業にコンタクトを取ったときに限り送信が許可される)。また広告主は「クリックしてMessengerのボットに飛ぶ」タイプの広告をニュースフィードに掲載することができる。とどちらのタイプの広告もボットが大きな役割を果たし、効率化とコストの削減に寄与するだろう。

チャットボットに力を入れ始めたのはもちろんFacebookだけではない。しかし9億人というMessengerの膨大なユーザー数を考えれば、広告プラットフォームとしてのメリットは言うまでない。デベロッパー・エコシステムが順調に成長すれば、ビジネスにとってMessenngerはもっとも魅力的なボット利用プラットフォームとなるだろう。企業は見込み顧客数が最大となりそうな場所に引き寄せられる。現在Facebookより巨大なソーシャル・ネットワークは存在しない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft、乗っ取られたチャットボットTayの「極めて不適切な」ツイートを謝罪

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先週起きたMicrosoftのTwitterベースのチャットボット、Tayの壮大なる失敗は多くの疑問を引き起こした。いったいなぜ起きたのか?責任は誰にあるのか?ヒトラーが悪くないというのは本当なのか?

1日間の沈黙(とおそらく悔悛)の後、Microsoftは質問の少なくとも一部に応えようと行動した。同社は、Microsoft Research副社長、Peter Leeのブログ記事で、すべての罪を認めた。

Tayが意図されない攻撃的で傷つけるツイートを発信したことを深くお詫びする。

Tayは現在停止中であり、当社の本質と価値を損なう発言をすることがないと確信が持てるまで公開を控える

システムの悪用について様々な手段を想定していたが、この攻撃に関して致命的な見落としがあった。その結果、Tayは極めて不適切で非難されるべき言葉と画像をツイートした。責任はすべてわれわれにあり、今後二度と起こさないことを約束する

具体的な侵入行為についての説明はないが、Tayの全体構想は、ターゲット層の言葉遣いを学習し、18〜24歳のソーシャルメディア慣れした人々の得意は発言を取り込み、それを生意気で魅力あるツイートにして発信するボットだ。

悪いことに、10代の人々がボットに新しいホットな言葉を教えるかわりに、Tayは「一部の人間による組織的攻撃」の対象となり、差別語や恐ろしいキャッチフレーズを繰り返し発言し続けた。

人種差別などの発言に対するフィルターがなかったことはちょっと信じがたいが、おそらくそれもMicrosoftが言及した「致命的な見落とし」の一部なのだろう。Stephen Merityが、Tayのしくみとデータセットの欠陥をさらに指摘している — 4chanなどにシステム破壊の責任を押し付けることはできない。

しかしMicrosoftは諦めていない。Tayは戻って来る。さらに同社は、別のチャットボット、Xiaolceが中国で4000万人のユーザーを喜ばせており、ホロコーストを否定したことは〈一度もない〉ことを指摘した。

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「AIを正しく運用するためには、多くの人々と、しばしば公開の場でテストを繰り返す必要がある」とLeeは書いた。「ひとつひとつに細心の注意を払い、人々を傷つけないように、一歩一歩学習して改善していく必要がある」

次に生まれ変わったTayに期待したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook