Vine、グローバル展開を目指して一気に対応言語を19種類追加

Twitterの6秒ビデオ共有アプリケーションのVineが、いくつもの新しい言語をサポートしている。一気に増えたので数えるのも大変だが、しっかり数えてみると19言語だった。

サポートされた新たな言語はデンマーク語、オランダ語、フィンランド語、フランス語、ドイツ語、インドネシア語、イタリア語、日本語、韓国語、マレー語、ノルウェー語、ポルトガル語(ブラジル)、ロシア語、スペイン語、スウェーデン語、簡体字中国語、繁体字中国語、タイ語、そしてトルコ語だ。これらはiOS版およびAndroid版の双方でサポートされることとなった。ちなみにAndroid版ではフィリピン語およびポーランド語にも対応した。

将来的には人気上昇中のものや、多くの人が良いと評価しているものを国ごとに管理したいと考えているそうだ。全体の中で人気のものだけでなく、自分の国の中で人気を集めているものもチェックできるようになるわけだ。

新版のリリースについてのVineからの説明を掲載しておこう。

いろいろな国の言語に対応したことで、世界中の人々にとって面白いもの、知らなかったこと、世界の動きを感じさせてくれるものなどなどの動画を投稿したり閲覧したりするのが一層簡単になりました。

Vineでは国ごとの人気ビデオを閲覧するための仕組みも作り始めています。極東の日本の人たちにも、そしてその日本のちょうど裏側にあたるブラジルの人々にとっても、今回のアップデートはきっと便利に感じてもらえるのではないかと思います。これまで以上に、いろいろなビデオを見て回り、あるいは投稿してほしいと考えています。それによって、世界中の人が一層親しい存在になっていくことができるでしょう。

ちなみにVineは、Instagram Videoにならって、いらないカットを削除したり、下書き保存を行ったりするような編集機能を追加している。

但しVineも決してFacebook傘下のライバルに負けてはいない。最近もWindows Phone版をリリースするなど、積極的な動きを見せている。

ところでVineは8月時点で4000万超の利用者を獲得しているとのことだった。6月にAndroid版をリリースしてからは、成長の速度を一層あげている感じだ。Android版リリース時点での利用者数は1300万となっていた。

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(翻訳:Maeda, H


Twitter、ウェブ版でもフラットデザインのUIを試行中

Twitterが新しいウェブサイトデザインを試しているようだ。より明るい感じで、最近モバイル環境で流行するフラットなデザインを意識しているようだ。下に掲載したスクリーンショットはチェコのスタートアップであるReservioのファウンダーであるBoris Bošiakが送ってくれたものだ。新たなデザインを試すための少人数グループに選ばれたというわけだ。

スクリーンショットを見てわかるように、配置などが大きく変更になっているわけではない。ただ、ページ上に配置されているそれぞれの要素の見た目が変更になっている感じだ。現行版には存在するドロップシャドーのグラデーションをなくし、トップにあるナビゲーションバーなども暗めの色調であるのを明るい色に変更している。

このデザインは現在のものよりも整理されていて、モダンな印象を与えるものであると感じる。また、重要そうに見える変更点もある。たとえばTwitterのロゴがより目立つようになっているのだ。位置的には現在もやはりトップバーの中央部に存在する。しかし配色が変更されて、一層目立つようになっているのだ(現行デザインでは濃いグレイの上に濃いグレイで描かれている)。

また、ツイート編集画面はメインのフィード画面の上に重ねて表示されるようになっている。これは以前のUIに戻った感じだ。ちなみに現行版でも右上のツイートボタンをクリックすれば、やはりツイートウィンドウはフィード画面の上に表示されるようになっている。要するに、新たなテスト画面では、左上のツイート用ボックスがなくなっているのだ。

そして、もしかするとこれが一番の注目ポイントかも知れないが、ダイレクトメッセージのアイコンに変更が加えられている。これまでの封筒アイコンが、封筒とスピーチバルーンの融合スタイルに変更されているのだ。モバイルアプリケーション上で実験的に行っているように、よりメッセージングに力を入れていこうとするアイデアの現れと見ることもできよう。

モバイル版で行われている実験と同様に、ここに掲載したデスクトップUIはごく限られた人に対してのみ表示されるものだ。しかしなかなか良く出来ているように思えるので、できることなら範囲を広げて試してみてもらいたいものだと思う。Twitterにも、これは広く公開するに値するデザインであると思う旨は伝えてある。何か新しい情報がはいればお伝えしていこうと思う。

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(翻訳:Maeda, H


ジョークか本気か?―AirBnBとデートサイトの混合で部屋とベッドをシェアするLoveRoom登場

まるきり見知らぬ他人を家に泊めるだけでもけっこうスリルがあると思うが、それでも刺激が足りない向きにAirbnbとデートサイトをミックスしたような、その名もLoveRoomというサービスが登場した(といっても現在はランディングページだけだ)。

噂によると、このスタートアップは最初は冗談半分で始まったらしい。ところがメディアの注目を大いに集めることになったのでファウンダーのJosh Bocanegraは本当にサービス開発することにしたという。

Forbesによると、誰か有能なプログラマーが見つかれば来年のバレンタインデーまでにベータ版を公開したいそうだ。

で、どんなサービスになるのか?

Mediumの記事によると、LoveRoomは「魅力的な人」と部屋だかベッドだかを 共有するのを助けるのだという。

メディアの大騒ぎのわりには実際のユーザー数はあまり期待できそうにない。Fast Companyによると、ベータ版のローンチに向けて予約登録したユーザーは50人ほどだそうだ。また予約者の90%は男性だという(プロフィール写真を要求したらその率はもっと高くなるだろう)。

さて、見知らぬ相手とベッドを共にする危険性だが、LoveRoomはゲストについてFacebookなどで調査する、友人に一緒に泊まってもらうなどの対策を勧めている。

私としては「Law & Order―性犯罪特捜班」にLoveRoomをベースにしたエピソードが近々登場するのではないかと楽しみなのだが。

読者はどうお考えだろうか?

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Snapchatでの写真共有件数はFacebookを上回っている(Facebook+Instagramと同程度)

Snapchatは、今や日々4億もの「snap」をシェアするサービスとなっている。CEOのEvan SpiegelがTechCrunchからの取材に対して明かしたものだ。

9月には、やはりEvan SpiegelがDisruptの壇上で、自動消滅写真共有サービスにおける写真共有件数が1日あたり3億5000万となり、6月の2億から成長を続けているとアナウンスしていた。サービスの成長ぶりには驚くばかりだ。

ちなみに、1日あたり4億枚という数字は、Instagramでの共有件数とFacebookでの写真共有件数をあわせたものに匹敵しているのだ。

Facebookには、10億人の利用者から、1日あたり3億5000万枚の写真がアップロードされるのだそうだ。そして1億5000万の利用者を抱えるInstagramでは、日々5000万枚の写真が共有されている。

但し、Snapchatの数字では「ブロードキャスト」分を複数カウントしているようである点には注意が必要だ。「ブロードキャスト」とは、1枚の写真を複数の受信者に対して送る機能だ。1枚の写真が複数回共有されているということで、複数分にカウントしているようだ。

プライベートに共有することができて、かつ時間がたてば消えてしまうというのは、確かに魅力的な機能であるようだ。FacebookやInstagramでは、基本的に投稿は公のものであり、いつまでもデータが残ることが基本的前提となっている。両者の特徴を見比べたとき、Snapchat方式を好む人が大勢いるのは、確かに考えられることではある。

それでもSnapchatの利用頻度拡大の速度はなかなかのものであることは間違いなかろう。Facebookから30億ドル程度の買収提案があったとか、あるいはかなり大規模な資金調達を近々行うらしいというにも確からしさを感じる。

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(翻訳:Maeda, H


FacebookやTwitterで、気に入らない投稿を好きな画像に差し替えてしまうChrome拡張機能

Unbaby.meを覚えているだろうか。子供が生まれてはしゃいでいる友人が、立て続けにアップロードする子供の写真を見なくて済むようにするブラウザの拡張機能だ。赤ん坊の写真が出てきたら、これを犬や猫など別のものに差し替えてしまうという仕組みだった。

今回紹介するRatherもコンセプトは同じだ。但し「赤ん坊」のみでなく「見飽きたもの」(見たくないもの)をすべて別のものに差し替えてくれる。

Unbaby.meと同様に、RatherでもFacebookやTwitterをスキャンして、見たくないものを見つけ出す。たとえばカニエ・ウェストのニュースばかり流れてくるようなとき、「kanye, kanye west, yeezus, yeezy, louis vuitton don」などをフィルタリングする設定をすれば良い。そのときに、たとえば可愛らしい動物の赤ちゃんなどと差し替えるように指定しておくのだ。するとTwitterに登場するたびに望みどおりに動物の赤ちゃんが表示される(下の写真では「Miley Cyrus」の記事を差し替える設定をしている)。尚、画像の上側には「undo」ボタンも用意されていて、本当はどういうツイートがあったのか気になる場合には、このボタンをクリックすると元のツイートを表示することもできる(使い方はいろいろで、たとえば特定のウェブサイトに誘導するようなツイートも差し替えてしまうことができる)。

「面白いけどUnbaby.meのパクリじゃん」という人もいるだろう。実はこのRatherは、Unbaby.meと同じチームメンバーが開発しているのだ。Unbaby.meがバイラルで広まったのをうけて、共同クリエイター(co-creator)のChris BakerはBuzzfeedのクリエイティブディレクターの職を辞し、Pete MarquisおよびYvonne Chengとともに、いらないものをブロックするというアイデアを拡張することにしたのだ。

但し、この差し替え技術にも少々難点がある。

  • フィルタリングは画像を対象とするのではなく、画像を示すキーワードに対して行われる。もしカナダのロックバンド(Nickelback)をフィルタリングしている中、友人がチャド・クルーガーの写真を投稿して、その写真の説明にバンド名を載せなかったとしよう。すると当然ながらフィルタリングは機能しない。これに対処しようとするならば、シンプルながら役立つブラウザの拡張機能といったレベルでなく、本格的なコンピュータサイエンスの出番となるのだろう。
  • 代替イメージはInstagramのハッシュタグを用いて引っ張ってくるようになっている。たとえば、上の画像はInstagramの#babypandaというハッシュタグで検索されたイメージだ。日頃の経験からおわかりかもしれないが、ハッシュタグは実のところいい加減に用いられることもある。確かにほとんどはパンダ(ないし動物の)の赤ちゃんの写真が出てくる。しかしたまに自分撮り写真に「#babypanda」のタグをつける困った人もいる。自分のことをパンダのように可愛らしいと思っているわけだ(代替用イメージとして画像のRSSフィードを指定することもできるようになってはいる)。

そもそも、何か写真で代替するよりも、投稿が表示されないようにしてしまうという根本的解決法もある。たいていはそちらの方が良い解決法となるだろう。フォローしている相手が気に入らないことを山ほど投稿するなら、フィルタリングしていても解決につながらない。ページいっぱいにパンダ(違う写真かもしれないけれど)が表示されるというのも、やはりまた鬱陶しく感じることがあるかもしれない。

気に入らない話題ばかりがタイムラインに出てくるのであれば、さっさとフォローをやめて別の人をフォローする方が自然なやり方だ。

それはともかく、Rather for Chromeはこちらから入手できる。

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(翻訳:Maeda, H


Twitter、災害等にプッシュ通知を送る「アラート」サービスを、イギリス等でも提供開始

Twitterは9月から「Twitterアラート」と呼ばれる仕組みを提供している。これは緊急時に特定の公共団体や緊急対策機関などからの情報を通知するためのものだ。仕組みが提供されていたのはアメリカ、日本、そして韓国で、オプトイン方式で利用を開始することができる(訳注:Twitterによる開始時の日本語アナウンスはこちら)。このサービスが本日、イギリスおよびアイルランドでも提供が開始された。

このサービスの利用を開始したのは、今のところ両国合わせて57のTwitterアカウントで、ほとんどがイギリスのものだ。イギリスの47すべての警察組織、アイルランドのGarda Síochána(アイルランドにおける警察組織)、ロンドン市消防局、大ロンドン市長のアカウント、外務省、環境庁などが参加しており、こうした組織が緊急ニュース発生時には強調表示されるツイートやSMSを送信し、またiOSないしAndroidアプリケーションを使っている人にはプッシュ通知も送られるようになっている。

先にも記したように、利用はオプトイン方式だ。これはすなわち、無関係な情報までをも通知してしまって、アラートに鈍感になってしまうことを防ぐための意味もある。Twitterのブログには「大きな地震や台風などの自然災害、人間や動物などの生命に影響する変災、重傷者や死亡者がでるような大きな事故などの際に、危険に対する警告、危険の回避方法、避難経路などに関する情報にTwitterアラートがつけられることが想定されます」と記されている。

Metropolitan Police Serviceの緊急行動計画策定部門で長を務めるDavid Martinは、「テロなどの緊急時には、まず、迅速かつ正確な情報を入手することが大切です。これにより、身に降りかかる危機を避けることもできるのです」と述べる。「こちらからの情報をより多くの人に伝えるためにTwitterなどのソーシャルネットワークサービスも積極的に活用していきたいと考えています。また、非常に重要な情報を流す際に、Twitterアラートを利用できるのは非常に有益なことだと思います」とのこと。

現在のところ、Twitterアラートを利用するには、Twitterアラートのページに行って、必要なアカウントを追加する。Twitterアラートに参加しているアカウントについては、プロフィールなどに「アラート」ボタンがあれば、より便利に使えるだろう。

9月の記事にも書いたが、Twitterアラートというのは「ライフラインアカウント検索」のサービスの一環として登場してきたものだ。2011年に起こった東日本大震災直後におけるTwitterの使われ方などを見て、有用な情報を提供するための手段を構築しようと生まれてきた。信頼できる情報ソースを提示することで、テレビなどで報じられる状況の詳細な様子を把握するのに利用されている。こうした仕組みを運営する中で、もっと「緊急」な状況の中での活用を意識したのがTwitterアラートだ。

もちろん、「アラート」を送り出すサービスはこれまでにも、しかもイギリスでも存在した。ただ、そうしたものとは形式は同じようなものであっても、目的が全く異なる。Twitterは、「アラート」を目的に沿った形で利用できるように一元管理してもいる。たとえばたとえば2012年のロンドンオリンピック時には売り切れになったチケットがどこかに出回ったりすると、それを通知するアカウントが多数作られた。これは、Twitterの用法にそぐわないものとして、Twitter側がアカウントを廃止して回っていた。

ところでTwitterは昨年より、タイムラインの表示形式や、アプリケーションの表示形式等を、少人数に対してテスト的に提供し、そこから新たなものを生み出すというInnovate through experimentationなる動きを加速させている。こうした中には本格運用されるようになったものもあるし、結局廃止されるものもある。Twitterアラートも当初は小規模に提供されるテスト的なサービスだった。これが世界的に拡大しつつあるのを見ても、Twitterのテスト後に本格導入を行っていくという仕組みは、なかなかうまくいっている様子ではある。

次にはどこでTwitterアラートの提供を始めるつもりなのかという質問には回答は得られなかった。しかしアラート受信の登録を行うと、登録可能地域のリストが表示されるようになっている(訳注:SMS受信を登録した場合でしょうか。訳者はこのリストを確認していません)。ここに含まれている国々にて、Twitterアラートの展開を目指しているということなのだろう。

今回取り上げた「アラート」も、Twitterが最近行っている「進化の試み」のひとつといえそうだ。Twitter側から積極的にさまざまな情報を提供し、そして利用者に、従来以上にサービスを使ってもらうようにしたいという方向だ。たとえばEventParrotMagicRecsも、利用者にダイレクトメッセージをタオばして、イベント情報や、人気を集めている利用者や、多くの人が関心を持っている話題などを伝えようとするものだ。ちなみにEventParrotもMagicRecsも、現在のところは「実験アカウント」の扱いだ。

このMagicRecsおよびEventParrotは、双方ともに利用者自身にパーソナライズして情報を送るものだ(自分がフォローしている人たちによって形成されるTwitterスフィアの中で発生する面白そうな情報が送られる)。この点で「アラート」は異なる。「アラート」の方は「交流」ではなく、1対多のブロードキャストチャネルの実現を目指している。オプトインした人に対して、特定の情報を強力にプッシュ通知することができるわけだ。数百ないし数千ものアカウントをフォローしていて、そうした情報を効率的に処理する方法を知らない場合、興味深い情報もすべて見逃してしまうということがあり得る。「アラート」は、こうしたケースに対処するための方法として進化していくのかもしれない。

現在のところ、利用できる組織は限られているものの、「アラート」は発信側でも受信側でも無料で利用できるようになっている。情報が自由に流通する「情報広場」というものをTwitterは構築してきたわけで、こうしたツールを無償で提供するのは自然なことだとは言えるだろう。ただTwitterは、こうしたサービスがどのように受け取られるかを試す目的ももって開発してきたわけだ。「アラート」の状況を見て、スポンサー向けの有料アラートが出てくる可能性もあるのではないかと思う。

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(翻訳:Maeda, H


Pewによるソーシャルメディア比較レポート:米国成人の30%のニュース入手元はFacebook。意外な存在感を示すのはYouTube

Pew Research Centerが、アメリカの成人がどのソーシャルネットワークからニュースを取得しているかという調査を行った(以前、FacebookTwitterに関して行った調査の続編のような感じだ)。

ニュースを印刷メディアから入手するというスタイルはますますマイナーなものとなりつつあり、その代わりにソーシャルメディアの場がニュースメディアにとってさらに重要な場となりつつある。ソーシャルメディア側とすれば、自身の広告ビジネスを一層拡大するために、魅力的なニュース消費の場を提供して、多くの人の注目を集めたいと考えているわけだ。つまりニュースメディアおよびソーシャルネットワークは、同じ方向に向かって互いを大事にしつつ踊るダンスパートナーのような存在になっているのだ。今回のPewの調査は、相互依存ないし相互発展の方向性が、うまく機能しているのかどうかをチェックする意味もある。

調査結果の報告内容を見て行こう。おそらく読者の方の想像通りだろうが、世界最大のソーシャルネットワークであるFacebookが、アメリカ国内においてもやはり強大なパワーを持つ。66%のアメリカ成人が利用していて、利用する人のうちのほぼ半数(全体からみると30%ほど)が、ニュースをFacebookから得ていると回答している。

ところでニュースの人気投票のようなサービスを提供しているRedditについて見てみる。すると調査対象のうちの2%がRedditからニュースを得ていると回答している。しかしRedditを使っていると回答している人はわずか3%だ。つまり、Facebook利用者では50%がサービスからニュースを得たと述べているのに対し、Redditでは66%の人がサービスによってニュースを得ているということになる。内容から考えれば当然のことかもしれないが、ニッチとしてのRedditの存在意義がよく表れていると思う。

ニュースを得ている人数がFacebookに次いで多いのはTwitterだ。利用者数はアメリカ成人の16%で、そのうちの半数ほど(52%)がニュース目的であるとしている。全体に占める割合でいえば8%ほどということになる。

ちなみに全体に占める割合(人数)だけに注目するのなら、実はFacebookの次はYouTubeとなっている。Pewのレポートによると、アメリカ成人の51%が定期的にYouTubeを利用しているのだそうだ。もちろんここでニュースを取得したという人の割合は20%に留まっている。しかし母数が大きいことで、アメリカ成人全体の10%が、YouTubeからニュースを得ている計算になるのだ。

ちなみにLinkedInからニュースを得たと回答した人は少ない。利用者率は19%だが、ここでニュースを入手したと回答した人は13%となっている。すなわち全体に占める割合でいうと3%ということになる。当該サイトからニュースを得たと回答した人の割合でいえば、(なんと)MySpaceの方が上回ることとなっている。

LinkedInがPulseを買収したのには、こうした状況についての対応策としての意味もあったのだろう。LinkedInと融合したサービスを提供しようとしているのだ。こうした動きが奏功するかどうかについては今後を見守りたい。取りあえず利用者層について言えば、ニュース消費を積極的に行う層と重なっているとは言えそうだ。

それぞれのソーシャルネットワークからニュースを得ていると主張する人の割合と、利用者数を乗じて全体に占める割合を示した図を示しておく。

構成層データ(Demographics). 先にも記したように、LinkedInの利用者と言うのは、ニュース消費者としても積極的な層であるということができよう。しかし18-29歳の人口層におけるTwitter人気の高さも注目に値する。アメリカ国内における18歳から29歳までの人口層では、45%がTwitterからニュースを得ているというデータもある。もっと言えば、50歳以下の層ではTwitterの強さは圧倒的でもあるのだ。50歳以下のアメリカ人のうち83%が、Twitterからニュースを得ていると話している。Facebookもこれより10%低く、73%ということになっている。

ちなみに、Twitterは男女構成がほぼ50/50であるという点にも特徴がある。Facebookは58%が女性利用者となっている。一方でYouTubeおよびLinkedInでは男性利用者が多いようだ。計算してみると、ソーシャルメディアからニュースを入手しているアメリカ成人女性全体のうちの52%が、Facebookからニュースを得ていることになるようだ。

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(翻訳:Maeda, H


「愛されよう、100人にだけでもいいから」–Airbnbのたった1つの海外戦略

Airbnbで北欧・アジア太平洋地域のマネージング・ディレクターを務めるOle Ruch氏

11月11日、12日に開かれたイベント「TechCrunch Tokyo 2013」のゲストの中でも最も急成長を遂げたのが、家の空き部屋を提供する人と、宿泊場所を探す人をマッチングするサービス「Airbnb」だ。

2008年に創業者が自分のアパートに人を泊めたことから始まったAirbnbは、現在までに全世界で累計900万人のゲストを宿泊させ、各都市に多くの利益をもたらした。

そんな成長企業で北欧およびアジア太平洋地域のマネージング・ディレクターを務めるOle Ruch氏が、Airbnbがどのようにして世界で使われるサービスになったかを語った。

「Airbnbはもともと非常にシンプルな形で始まった」とOle氏は言う。サンフランシスコに一緒に住んでいたジョーとブライアンという共同創業者が、家賃の支払いに困って、自分たちの家の一角を旅行者に貸し出したのがきっかけだった。

たまたまサンフランシスコで大規模カンファレンスが開催されていたため、周囲のホテルはすべて満室。彼らはエアーマットレスを買い込み、宿泊者を募集するサイト「エアーベッドアンドブレックファスト」を立ち上げた。

ユタ州から来た3児の父親、女性デザイナー、インドの大学院の学生という3人が最初の宿泊客だったそうだ。「この3人の宿泊者が、それまでの“人の家に泊まるという概念”を変え、創業者の考え方を変えた」とOle氏は語る。

創業者たちはこの3人をサンフランシスコのさまざまな場所に案内し、お気に入りのカフェに招待し、そして1000ドルの収入を得た。最後に宿泊客から「このようなサービスを他の都市でも使えるようにしてほしい」と請われた。それがAirbnbの始まりとなった。いまではアパートに1晩泊まるのはもちろん、お城に1週間でも、別荘に1カ月でもあらゆる条件の施設がAirbnbで予約できるという。

「これは非常にグローバルなコミュニティです。我々の信念とは、“最善の旅行体験は、ローカルな人と一緒に滞在すること”というものです。そのホストが街を案内し、どこに行くべきか、何をすべきかを教えてくれます。このAirbnbのようなシェアリングエコノミーが、この世界を転換しようとしています。どのように資産を持ち、そして消費をするのかという考え方が変わってきているのです」(Ole氏)

Airbnbは最初の宿泊客を迎えてからわずか1年後の2009年には、米国のほとんどの主要都市で知られるようになった。世界中から米国に集まってくる旅行者がAirbnbを利用し、また地元に戻った時に口コミで広げた。噂を聞いた旅行者が同じようにAirbnbで新しい旅行体験をするというサイクルがまわっていたという。

旅行者としてAirbnbを使うだけでなく、自分でホストになりたいと考える人も世界中に広がっていった。Ole氏はこう説明する。「たとえばニューヨークのホストがお気に入りのバーや公園、カフェなんかに案内してくれたとする。ゲストはそこで素晴らしい体験をし、そして旅行から帰った後、地元の街で自分たちのコミュニティを形成し始めたのです」。

このようにしてゲストとホストは急拡大。2012年には世界中に50万件もの登録物件を抱え、そして3万5000都市、192カ国で使われる国際的なサービスに成長した。Airbnbで予約可能な城の数はなんと500に上り、ボートといった変わった物件も登録されているという。

Airbnbで宿泊した累計ゲスト数は2011年1月には400万人だったが、2013年にはさらに400万人が増えた。そして現在では900万人に到達している。Ole氏は、「こうした膨大な数のホストとゲストは、そのコミュニティ自体に大きな影響を与えることになる」と述べる。

Airbnbで宿泊した累計ゲスト数の推移

「Airbnbの宿泊施設は都市の中に広く分散しています。そこで我々が調べたところ、Airbnbの利用者は滞在地域の中で消費をすることがわかった。近所でパンを買ったり、夜は近くのバーに行ったりする。これはローカルコミュニティとビジネスにとって非常に重要です。パリでは2013年は2億4000万ドルの経済活動に貢献した。シドニーでも2013年だけで2億ドル近くの貢献を行っています」(Ole氏)

一般人であるホストたちも恩恵を受けている。シドニーの場合、ホストは2013年に平均して4500オーストラリアドル(日本円で約42万円)の収入を得ることができたという。こうして収入を得て、自分たちの住宅ローンを払ったり、あるいは自分たちの事業を始める人もいるそうだ。

「でも最も重要なのは、そこで構築される関係だ」とOle氏は強調する。一緒に食事をし、時間を過ごし、宿泊することでもたらされる人間関係こそ財産であると言う。

Ole氏の初めてのAirbnb経験はコペンハーゲンでの出張の時だった。Airbnbで見つけたホストに対し、コペンハーゲンに出張で行くので止まらせてほしいとメールしたところ、ホストの5歳と7歳の子どもたちと一緒に過ごすことを条件に予約が取れたという。

「ある日、仕事から戻って、一緒に食事をしていると、子どもたちにいろいろな質問をされた。どんな仕事をしているのか、どこから来たのか、次はどこに行くのかと。私の話をしたら彼らは非常に喜びました」(Ole氏)

Ole氏は夕食の後、ホストである母親からお礼を言われたそうだ。そしてなぜAirbnbでホストをしているのか尋ねた。

彼女の答えはこうだった。「私は子供がいるのでもう旅行することができない。でも母親として子どもたちが異なる文化に触れる機会を作りたい。Airbnbによってゲストが世界中から家に訪ねてきてくれる。たとえば先週は香港からゲストがきた。来週はイタリアから人が来る。5歳と7歳の子どもにとっては世界中の人達と一緒にストーリーを共有できる素晴らしい体験になるんです」。

Airbnbが米国外から世界に展開しつつあった2011年頃、初めて競合他社が現れた。そこで彼らがとった戦略はアンバサダーマーケティング。つまり“伝道師”になることだった。

「競合他社の存在は不思議な感覚だった。我々はできるだけ最高の経験を子どもたちにも提供したいと考えていたが、競合はお金を儲けたいという意思だったようだ。だから我々はそこで長期的な戦略を選んだ。お金が目的の“傭兵”になるのではなく、“伝道師”になろうと考えた。やはり長期的には伝道師の方が勝つ」とOle氏は当時の選択を振り返る。

ゲストとホストを結びつけるためのサイトを提供し続け、旅行者と子どもたちに最高の体験を提供し続けることに集中したという。創業者が当時話していた言葉をOle氏が紹介した。

「何百万もの人にちょっと好かれるよりも、100人に本当に愛されよう」。

これがAirbnbのやり方だった。「その100人の心が掴めれば、彼らがアンバサダーになって、Airbnbの代弁をしてくれるわけです。だから我々の国際的な拡張戦略というのは、『すべての都市でAirbnbを大好きになってくれる人を見つけようということ』だけでした。これはかなり汎用なソリューションだと思う」とOle氏は語る。

日本でも伝道師として愛される存在になろうとしている。日本進出にあたってはさらに「ホスト保証」として8000万円を準備した。これはホストの自宅に何か起き場合、Airbnbが保証するというものだ。

「日本には素晴らしいチームもいる。彼らは本当にユーザーと実際に対面して、Airbnbを愛してくれる人を100人見つけようとしている。Airbnbはまだ日本で始まったばかり。とてもワクワクしている。日本の方々もグローバルな旅行の体験を得られると思う」(Ole氏)


Pinterest、ディズニーなど数多くのビッグネームと提携して、いよいよAPIの提供を開始

Pinterestが、長らく待望されていたAPIを開発者向けにようやくリリースした。APIを利用して、サードパーティーのサイトにてPinterestのPinを埋め込んだり、サイトの写真を簡単にPinterestに投稿できるようになる。API公開に伴って発表されたパートナーにはZappos、Walmart、Disney、Nestle、Random House、Hearstなどのビッグネームが連なっている(後述)。提携先のリストや、あるいは提携サイトなどを見れば、広告やクロス・マーケティングにおけるPinterestの可能性は否定しようのないものだとも感じる。

「来週中には、これからしばらくのうちにパートナーに対して公開するAPIの内容を発表していきたいと考えています」とブログにも書いてある。公開されるAPIはTop Pins(最もクリックされているもの、もっともre-pinされているものなどで、パートナーサイトでは既に利用されている)、Domain検索(「Men’s Boots」や「Thanksgiving recipes」あるいは「Fashion Week」といったキーワードに対して、検索でヒットする人気のコンテンツが戻される)、Most Recent(直近にPinした内容がいくつか戻される)、そしてRelated Pins(表示しているPinに関連するアイテムないしコンテンツを含む、関連しそうなPinに関する情報が戻る)などとなる。

Pinterestによれば、他にもいろいろなAPIを提供していく予定だとのこと。

こうした形で、商用利用できるAPIを提供するという話が出てきたのは数ヶ月前(あるいは1年以上も前)のことだ。実は昨日も、リリース直前ではあったものの、APIについてのアナウンスを行っていた。

Pinterestのリファラルとしての能力については、既に疑う人もいないほどだ。Shareaholicのデータによれば、Facebookに次ぐ2番めであり、かつFacebookよりも速い速度で成長中なのだそうだ。

APIの提供を開始することで、Pinterestはさらなる成長に向けての準備を整えたということが言えよう。メーカーやブランドにとって、投稿された(投稿してある)Pinを、これまで以上に活用できるようになる。また、メーカーサイトにある画像のPinも容易に行えるようになる。Pinterestで共有されているデータは、他のサイト(メーカーサイト等)と一層有機的に結びつくようになる。最近にもGettyと、画像データの共有にあたってはメタデータの提供も行うようにするという提携を行った。APIによるデータ連携は、これと同様に写真データに付随する各種情報について、Pinterest上の写真と、オリジナルの場所との間でより密な形で共有することになるわけだ。Pinterest側からも、あるいはオリジナルのデータの所有者側からも、データの管理が行い易くなるという意味もありそうだ。これにより、Pinterestのデータを活用したマーケティング活動もいろいろと考えられるようになる。

APIを利用しているサイトにある画像については、たとえばショッピングや記事閲覧などを中断することなく、簡単にPin登録が行えるようにもなる。現段階で提携をアナウンスしているサービスを、以下にすべて列挙しておこう。AllRecipesBetter Homes and GardenBuzzFeed、Disney傘下のBabbleおよびBabyZoneElle MagazineMashableModClothNBC News DigitalのiVillageNestléRandom HouseSnapguideTargetWalmartWayfairWhole FoodsZapposZulily、そしてSpoonful and Taste Bookも間もなく利用を開始するようだ。

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(翻訳:Maeda, H


Twitter、広告ターゲティングの指標にモバイルOSのバージョン、デバイスの種類、Wi-Fi利用状況などを追加

Twitterは昨日より、より細かな広告ターゲティングが行えるようにシステムを変更している。すなわちモバイル(iOSおよびAndroid)からの利用者についてOSのバージョン、デバイス、およびWi-Fi経由なのかどうかを区別できるようにしているのだ。これまではOSの違いのみでしかターゲティングすることができなかった。今や全世界でTwitterを利用している2億3千万人のうち76%がモバイルから利用しているという数値がある中、今回のこの変更は非常に大きな意味を持つものだ。

今回の変更についてのアナウンスはTwitterのブログで確認することができる。尚、今回の変更は分析用ダッシュボードにも反映されていて、各種キャンペーンの効果を、より詳細に分析することが出来るようになっているようだ。

広告を打つにあたっては、情報は入れば入るほど便利に使うことができる。たとえばiPhoneなのかAndroidなのかを区別できるだけでも、アプリケーションのプロモーションをするのには非常に役に立つ。しかし、アプリケーションが動作しないような旧バージョンを使っている利用者にリーチしても、それは広告費の無駄としたものだ。また、古いOSを使っているような層は、アプリケーションのプロモーション対象として、あまり魅力的でないことが多い。依然としてiOS 5.0搭載のiPhone 3GSを使っている人よりも、最新版のiOS 7やAndroid KitKatを早々に使い始めている層こそが、新しいアプリケーションに対しても強い関心を示しやすい層だということができよう。

モバイルアプリケーションのプロモーションを行っているのは、もちろんTwitterだけではない。Facebookも大きな実績を示しているようで、先月には、モバイル向けの広告経由で1億4500万件のインストールに繋がったのだと報告している。

Twitterは、今回の機能追加がアプリケーション関連のプロモーション以外にも、いろいろと使い道のあるものだとアピールしている。たとえば通信事業者も、特定のデバイス利用者に連絡をとりたいことがあるだろう。あるいはアップデートを促したい利用者にのみアプローチしたいケースもあるはずだ。他にもOSのバージョン、Wi-Fiの利用状況などに応じたターゲティングはいろいろな場面で活用できるはずだとのこと。

当たり前のことだが、ターゲティングは、今回追加された指標でのみ行うわけではない。これまでも、そしてこれからも性別や興味、あるいはロケーションなどによって、利用者を分類することができるようになっている。また、インプレッションやエンゲージメント(クリック、リツイート、等)などの効果分析を行う際にも、今回導入された新たなターゲティング指標を使って行うことができるのは非常に便利なことだろう。

新たなオプションは既にads.twitter.comで利用可能となっている。Twitter Ads APIパートナーも、すぐにこの新機能が利用できるようになるとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H


ジャスティン・ビーバーも出資する、自分撮り写真交流アプリケーションの「Shots Of Me」

夕焼け? 風景写真? それともラテアート? これまでに撮った写真を見なおしてみると、誰も人物が写っていないことで、退屈に感じてしまうことも多いようだ。素人写真を満足気に公開して、コメント欄がひどいことになっているティーンたちも多い。そのような状況を変えようと、RockLiveはジャスティン・ビーバーからの出資を受けて、自分撮り写真をシェアするためのiOSアプリケーションであるShots of Meの提供を開始した。

スマートフォンの液晶画面側についたカメラで自分の写真を撮ったものを一般に「自分撮り写真」(selfie)と言うが、Shots of Meは、まさにこの「自分撮り写真」を扱うためのアプリケーションだ。Instagramで撮った写真のように、自分撮り写真を自分の友だちに公開したり、あるいはTwitterに投稿するようなことができる(Instagramへの投稿機能も実装予定)。他の人の自分撮り写真を眺めて愉しむこともできる。

すなわち、目指すところは「自分撮り写真のソーシャルネットワーク」なのだ。それだけかと思われるかもしれないが、うまく機能させるためにさまざまな工夫も凝らされている。

「狙い通りに若者たちが多く参加してくれていますよ。もちろん若者感覚を持つ年長者も使ってくれています」とRockLiveのCEOであるJohn Shahidiは言う。「女子高校生たちをターゲットにしたマーケティングには知識もありましたので、それを活かして大きな仕掛けを作りたいと考えたのです」とのこと。

頻繁に写真投稿を行う人たちを見ていてShahidiは気付いた。「人々は自分撮りを愉しむだけでなく、他の人の自分撮りを見ることも大いに楽しんでいるのです。これは昔からある楽しみのひとつで、いつまでも続く現象だといえます。一時は食べ物の写真などを交換するのも流行りましたが…」。Shahidiは語尾を濁したが、しかし言わんとするところは明らかだ。Instagramは食べ物など、無生物の写真をシェアして愉しむ目的で大ヒットした。フィルタを使って実物以上に面白く見せることが流行したりもした。しかし徐々に飽きられてしまいつつあるのではないかと言いたいわけだ。

しかし、もしその分析が正しいとしても、写真関連アプリケーションの世界は既に飽和状態なのではなかろうかと、疑問を持つ人も多いはずだ。確かにそうも言える。しかし友だちの笑顔を見る機会を増やすことには、多くの人が興味を持つのではないかと考えているわけだ。

自分撮り写真用Instagram

5人で運営しているRockLiveは、5月にShots of Meの開発にとりかかった。ついにそれが完成したというわけだ。iOS専用のアプリケーションを立ち上げると、Shots of Meでの友だちや、Twitterのコンタクトリスト経由で繋がっている人の自分撮り写真が画面いっぱいに流れてくることとなる。

カメレオンデザインと言うのだろうか、名前や場所、キャプションなどの情報は、スクロールするに連れて写真の色と同化していくようになっている。曇りガラスを通してみるような感じだ。アプリケーションについてShahidiはかなり強気の発言をしている。「私たちは一級のプロダクトを提供していきたいと考えています。スマートフォンに500ドルもつぎ込んでいるのです。その高級スマートフォンに似合うアプリケーションでありたいと考えています。メルセデスやフェラーリのような雰囲気を身につけたいのです」。これは少々言い過ぎであるようには思う。ただ、ナビゲーション部の色選択を行えるような工夫も随所に凝らして入る。

自分撮りのみを投稿するというルールを守ってもらうため、画面側にあるカメラしか利用できないようにもなっている。また、Snapchatと同様に、投稿する写真はShots of Meで撮影したものしか使えない。他で撮った写真をアップロードできなくすることで、今、現在の写真を共有して愉しむという効果も生んでいる。

Shots of Meの機能的なユニークさは、通常のソーシャルネットワークでは大切だと考えられている機能を省いている点にある。すなわち、コメントを付けることができないのだ。「誰もが、面白いと思って写真を投稿するのです。それについてあれこれ言うのは、せっかくの楽しさを台無しにしてしまうことも多いのです」と、Shahidiは説明している。

風景写真を投稿して、それをコメントで貶されるのも、もちろん悲しい出来事だ。しかし自分撮り写真というのは、どうも悪口を言われやすいものでもある。顔が悪いだのなんだのと、とくに感受性の強い10代の頃に言われたりすれば、相当に傷つくことは間違いない。したがってShots of Meでは、利用者間の交流にはダイレクトメッセージを用いることとしているのだ。初期のTwitterと同様に、フォローしている人とのみダイレクトメッセージで話をすることができるようになっている。おかげで交わされる意見はプライベートなものとなり、通りすがりの見知らぬ人から突然悪口を浴びるというようなことはないようになっているわけだ。

ジャスティン・ビーバーも認めるサービス

ジャスティン・ビーバーがShots of Meを気に入ったらしいことも大いにプラスに作用している。RockLiveおよびShots of Meを紹介されて、取り敢えずShahidiが言うところでは、「すごく気に入ってくれました。他の写真共有サイトにはいろいろ注文もあったようですが、ここについては本当に気に入ってくれたのです」とのこと。これはもちろんTwitterやFacebookなどのソーシャルネットワーク上で「気持ち悪いゲイ野郎」などと叩かれていることをふまえての発言だ。

「ジャスティン・ビーバーも、一般のソーシャルネットワークに存在するコメントシステムのことをすごく気にしているのです。自分が不快に思うというようなことだけでなく、それを読むティーンのことを考えているわけです。彼は、ファンのみんなが酷いコメントなどを読まなくても済むところで活動をしたいと思うと言っています。私たちは彼に出資を依頼したりはしませんでした。しかし、彼の方からぜひにと話をもちかけてくれたのです」とのこと。

RockLiveは既にShervin Pishevar、ボクサーのFloyd Mayweather、初期の頃のAppleで働いた経験を持つTom McInerney、およびNALA Investmentsから出資を受けていた。そしてNALAは、さらに多くの額を出資する方向で話を進めていた。しかしRockLiveは最終段階でBieberの出資を受けることを決めたのだった。110万ドルのセカンドラウンドのほとんどはジャスティン・ビーバーの出資であるようだ。

ちなみにこのRockLiveへの出資は、マネージャーであるScooter Braunを介さないものとしては初めてのものである様子。マネージャーとの共同でということであれば、いくつかのスタートアップに出資してきている。Shahidi曰く、ビーバーは「デューディリジェンスにも気を使っていて、何度も電話をかけてきて、数多くの質問をしてきた」のだそうだ。もちろんビーバーがさまざまな調査を経て出資したとは言っても、事業が間違いなくうまくいくというわけでもない。サービスの成長は、利用者の拡大にかかっている面があり、これがかなり難しいことであるのは他のサービスからもわかることだ。

あるいは、ビーバーにテック企業に投資する才覚があるわけはないという人もいるだろう。しかしこれは一方的にすぎると思われる。膨大なCDやコンサートチケットを売りさばいたということは、つまり若者の心とどこかで通じているとも考えることができるのだ。

他のフォトアプリケーションとの関係

いろいろな見方があるだろうが、自分撮り写真の多くは非常に楽しそうな表情をしていて、見ている側をも楽しくする作用がありそうだ。アートぶった見るに耐えない写真でフィードが汚されてしまうことも少ない。誰の心にもある、ちょっとした見栄を表現するためのプラットフォームとして、成長していくことになるかもしれない。自分撮りなどつまらないとか、失敗するに決っているという人も多いだろう。しかし大勢が自分撮り写真を撮って、どこかで公開しているという事実はある。自分撮りなど短命な流行に過ぎないという人もいるだろうが、しかし絵画および写真の分野で、ポートレートは長い長い歴史を持っているものでもあるのだ。

そのような観点からも、成長の可能性があるのは確かであろうと思われる。ただ、自分撮りに注力して、そしてコメントなどで場が荒れてしまうことを防止し、さらにジャスティン・ビーバーのお墨付きを得たということで、これが即ち他アプリケーションからも利用者を奪い取って成長していくことができることを意味するわけではない。

Shots of Meはまず、1億5000万もの利用者を抱えるInstagramを意識している。このInstagramは、今後の利用者獲得ということを考えると、非常に難しいライバルであると言える。さらに「普通」の写真を共有するにはFacebookやTwitterしか使わないという人もいて、自分撮り写真などを共有するにはSnapchatが最適だと考えている人もいる。そうした人の意識も変えていかなければならない。さらには、どういうサービスになるのかすらよくわからないSelfieというスタートアップも準備中であるようだ。

おまけに最近話題になっているFrontbackも強大なライバルとなり得る。これは背面カメラと前面カメラの双方を同時に使った写真を作って公開しようというサービスだ。8月にアプリケーションを提供し始めて以来30万ダウンロードを獲得し、さらに300万ドルの資金を新たに調達している。Frontbackは両面カメラを使った写真にその特徴がある。これまでに見たことのない写真が生み出されることになる。さらにはこちらのサービスでもコメント機能は排除されていている。こうしたサービスをすべて乗り越えていかなければならないとすると、Shots of Meの将来もなかなか厳しいものであると言わざるを得ないだろう。

但しShahidiは自信を持っているようだ。「写真は1枚撮るだけでもなかなか大変な作業なのです。Frontbackで撮影する自分撮りの部分以外を面白くするのはなかなか難しいことです。たとえばオフィスにいるとすれば、Frontbackで撮影しても風景部分は退屈なオフィスシーンになってしまうわけです」。

Shots of Meはビーバーの自分撮り写真を独占的に配信するようなチャネルになる可能性もないわけではないのだろう。そうなればTwitter上の4700万ものフォロワーや、Facebookの5700万人のファンの注目を集める可能性もある。そうした人のうち、1%の人を利用者として獲得できれば、あっという間にFrontbackを抜き去ることにもなる。

「Instagram以前から、フィルタ機能を備えた写真アプリケーションは数多く存在していました。しかしInstagramはフィルタを使った写真の共有についての第一人者としての地位を獲得しました。フィルタを使って面白い写真を投稿する人が大勢集まる場所だったからです」。Shots Of Meは自分撮り写真について、Instagram同様のきっかけを掴んで行きたい考えだ。「写真を見て、いろいろな出来事を思い出して楽しめるアプリケーションになるはずです。自分が何を感じていたのかを思い出すことができます。これは、自分の写っていない写真を眺めていても味わえない魅力であると思うのです」。

Shots of Meは、無料アプリケーションとしてiTunesストアに登録されている。

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(翻訳:Maeda, H


Tweetdeckにハッシュタグ、トピックによるカスタム・タイムライン作成機能が登場―デベロッパー向けAPIも

Twitterが今日(米国時間11/12)発表したところによると、Tweetdeckでハッシュタグ、トピックをベースにしたカスタム・タイムラインが作れるようになった。またデベロッパーが自分のサイトやサービスにこのカスタム・タイムラインを表示するためのAPIも公開された。

ユーザーは全ての公開ツイートからカスタム・タイムラインを作る非常に強力な手立てを得た。誰でも関心を抱いた特定のことがらについての大量の情報ストリームを即座に作ることができる。検索キーワードはハッシュタグだけでなく、「コーヒーを飲む」などツイートに含まれる任意のフレーズやスーパーボウルとかTC Disruptのようなイベント名でもよい。

Tweetdeckのカスタム・タイムライン機能は順次公開中なので、まだ全員が利用できるわけではない。この新機能についてユーザーを啓蒙し、同時にフィードバックを収集している段階のようだ。その結果が良いようなら、もちろん広く一般ユーザーが利用できるようになるだろう。

TwitterのBrian Ellinは「カスタム・タイムラインはまったく新しい機能だ。収集したいツイートは手動でもAPIを利用したプログラミングでも指定できる」と述べた。

カスタム・タイムラインのには固有のURLが割り当てられるので、 Twitter.com上で簡単に他のユーザーと共有できる。また個別ツイート同様にエンベッドも可能だ。このページにTweetdeckでカスタム・タイムラインを作る方法が説明されているが、それによると特定のツイートをドラッグアンドドロップでタイムラインに追加することもできるという。作られたタイムラインはすべてTweetdeckのユーザー・プロフィール・カードに表示され、他のユーザーが閲覧できる。カスタム・タイムラインはtwitter.comで公開され、他のユーザーがフォローすれば新たなツイートが追加されるのをリアルタイムで読める。

ツイートの追加は今日発表jされた専用APIを利用してプログラムすることもできる。デベロッパーは論理演算子を始めカスタム・タイムライン用ンのさまざまな機能を利用できる。たとえばPoliticoはこのAPIを利用して特定の政策に関するツイートを収集し、Tweet Hubに表示している。

Twitterではテレビ番組、ライブQ&A、スポーツの試合など多くのサイトでこの機能が有効だとしてさまざまな実例を紹介している。

これまでのTwitterでは特定のターマに関連したツイートだけを追うのは手間がかかった。カスタム・タイムラインを利用すれば、たとえばメインのタイムラインとは別にある野球試合に関するツイートだけを集めたタイムラインを表示させておくなどができるわけだ。

今や何か事件が起きれば、関連情報の少なくとも一部はかならずTwitterに現れる。カスタム・タイムラインはあらゆる種類の情報収集にこの上なく強力で便利なツールとなるだろう。

カスタム・タイムライン機能はまだ開発の初期段階にあるようだが、今後の展開が大いに注目される。

画像: Robert Benner/Flickr CC

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


人類進化のためにTwitterを使おう

Twitterの利用目的というのは、相変わらず多く誤解されているようだ。Twitterなんかいらないと言う人も多い。しかし実は、Twitterは人類を進化させてくれるものなのだ。理由を述べよう。

私たちは(同じ人類であっても)各人それぞれに、いろいろと異なる道を歩む存在だ。独自の情熱に導かれ、興味を感じる対象も違い、趣味にも非常に多くの種類がある。自分で自らの歩む道を決め、そしてそれぞれに異なる知識を手に入れてやっていくことになる。そんな状況の中、自らは決して訪れない、全く異なる世界の知識を持つ人の頭の中を覗けたとしたらどうだろう。実はTwitterとは、そうしたことを可能にするためのツールであるのだ。

もちろんTwitter自体は入れ物のようなものであり、大事なのは利用者自身だ。フォローする人によっては、朝食は何だったとか、どんなテレビ番組を見ているのかといったような情報を知らせ合うことに終始することになるだろうしかし活用法によっては、世界に存在するありとあらゆる物事を、もっともシンプルな形にして伝えてくれるツールともなるのだ。

たとえば遠く離れた所に住む科学者をフォローしているとしよう。その科学者は、日々研究に明け暮れているわけだ。もしその科学者の研究分野に興味があるとしても、誰もが一日中研究活動を行えるわけもない。しかしTwitterを通じて繋がっていれば、当該科学者が、無駄を省き、そしてわかりやすい本質のみにまとめて、自ら発見した知識を教えてくれるのだ。複雑で難しい内容を、シンプルでわかりやすい140文字にまとめて知らせてくれる。

発言者は、難解な部分を自分の頭の中で処理して、そして得られた結果のみを効率的に教えてくれる。一種の「server-side processing」と見ることもできよう。発言者は、最大限に情報をわかりやすくするために、懸命に苦労してくれる。発言者の目論見がうまくいけば、その発言者の得た知的成果を苦労せずに手に入れることができるということになる。研究に研究を重ね、理解を深めるために人生の全てを投入するということなく、他の人が得た知識を共有することができるのだ。

たとえば私たちは、世の中を量子物理学者のように眺めたり、あるいは映画評論家のものの見方で映画を見てみたり、あるいはアーチスト、探検家、あるいはアントレプレナーのように感じてみることもできるわけだ。「普通」の人であっても、物事の理解の仕方には「特別」なところがある。友人の立場にたって外界を眺めてみるというのも面白いものだ。

もちろん、ツイートを読んでいるからと言って、自らがそれぞれの分野における専門家になるようなことはない。しかし人生は短い。複雑な世の中にあって、すべての分野における専門家になるような時間はないのだ。そのような中で、次善の策を提供してくれるのがTwitterだ。物事を本当に理解している人の知見を自らのものとするチャンスを与えてくれるのだ。

人類に、石炭がダイヤモンドになるような「進化」を遂げさせようとするのが、Twitterの大きなチャレンジだと言えよう。Twitterにはそうしたパワーがある。ただ、Twitterはそうしたパワーを利用者に充分には伝えきれていないようにも思うことがある。

興味深いツイートをする人を見つけ出してフォローすることが難しくなり、そしてフォローしておく価値のある人をアンフォローしたりするようになっているのが現状だろう。Twitterの提供するフィルタリングなしの会話というのは、どうしても無駄話が多くなりがちだ。また何かを伝えようとするよりも、自慢話をしたいという人も大勢いる。こうした面をなんとかしなければ、潜在能力が顕在化することなく消え去ってしまう危険性もある。

人類はこれまでのも、知識を皆で共有しようとする試みを続けてきた。しかし誰もが手軽に利用できるという形での成功にはたどり着くことができなかった。しかしTwitterのおかげで、大金を使って知識を買い漁る必要もなくなり、あるいは長い研究機関に何千冊も本をよまなくても、「叡智」を味わって見ることができるようになった。図書館や研究室閉じこもることなく、いろいろな物事を知ることが出来るようになったのだ。また、求める知識を持つ人と、直接の知り合いではなくても、いろいろな話を聞くことが出来るようになった。誰とでもコミュニケートすることのできる手段を、Twitterは提供しているのだ。

知識などの共有ということを言うのであれば、それはTwitterに限ったことではない。情報の共有をするのが、そもそものインターネットの目的でもあった。しかしTwitterの文字数制限や、本質にあるリアルタイム性が、密度の濃い、直接的な、読む人にわかりやすい知識を伝えてくれるのだ。知識を得るための事前の努力というのが不必要になりつつある。
また、Twitterは孤立していた熱狂的なファンなどの間にコミュニケーションを生み出させ、コミュニティを構築することもできる。被抑圧者に情報を提供して、権利行使を容易にするといった面もある。これまで声をあげられなかった人々に、意見表明の機会を与えることもできる。

Twitterが何の役にたつのかなどと尋ねられたら、今後は自信を持って教えてあげて欲しい。世の中のいろいろな人の専門知識を、誰もが活用することができるツールなのだと。各人の進む道は違えども、ようやく「人類の叡智」によって進化することができるようになったのだ。

(訳注:筆者はTwitterはまだまだ便利に使えるのだということをアピールしたいと、心から感じているようです。以前に同じ趣旨で書かれた「Twitterは、大勢をフォローしてもフィードを見やすく保つための方法を提供すべき」もご覧ください)

[Images Via Fail Whale designer Yiying Lu]

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(翻訳:Maeda, H


口コミで急成長するFrontback。Twitterからのアプローチを退け、数百万ドルの資金調達を実施

Frontbackは、iPhoneの前面カメラと背面カメラの双方を使って撮影した写真を合成して、そしてシェアするためのアプリケーションだ。サービスの開始は8月だが、マーケティング費用を全くかけないまま、30万ダウンロードを達成してしまった。これはアシュトン・カッチャージャック・ドーシー、それに、ベルギーの首相らがFrontbacksを使った写真をTwitterなどに投稿して話題になったからだ。このFrontbackが、さらに次のステップに進んでいる。新たな調達ラウンドで300万ドルほどの資金を調達したのだ。また、このラウンドの前には、Twitterからの買収提案もあったのだとのこと。

Frontbackの共同ファウンダーであるFrederic della Failleは、調達額などを明らかにしていない(300万ドルほどというのは情報筋からの話だ)但し出資者はこれまでも出資してきたLerer Ventures、Index Ventures、そしてSV Angelで、ここに新たにCrunchFundのMichael Arrington(ファウンダー兼以前はTechCrunchの編集長も務めていた)、Fuel CapitalのChris Howard、Michael Birch、Charlie Cheever、そしてInitialized CapitalのHarj Tagger、Garry Tan、およびAlexis Ohanianなどのエンジェル投資家が加わっているそうだ。今回の資金調達は2012年6月に行われた91万ドルのシードラウンドに続くものだ。当時della Failleはソーシャルパブリッシングを提供するCheckthisを本業としていた。

Twitterでdella Failleにコメントを申し込んだが、断られてしまった。

「とくにお話することはありません」と、彼は言っている。「Aクラスの仲間たちと、素晴らしいプロダクトの開発に邁進しているところです」とのこと。

アプリケーションは、さらなる進化を遂げようと、数日前にアップデートされたところだ。アドレスブックを利用して友だちを探すことができるし、作成した写真はTwitterおよびFacebookに加えて、Tumblr、メール、およびSMSでも共有できるようになった。

友人からの最近のフィードのみ(スタッフのおすすめも下に表示される)を表示するパーソナライズド・フィードの機能も取り入れられている。フロントカメラと背面カメラのどちらが上にくるのかも設定でき、どちらのカメラで撮影するかの選択ができるようになった(すなわち両方共自分撮り写真にすることもできる)。また、未送信のデータを保存しておく機能も実装された。

機能追加により、利用者がより多くの時間をFrontbackとともに過ごし、そして投稿される写真の数が増えることを狙っているわけだ。

「無」からの急成長

Frontbackは、人気が急上昇するアプリケーションの特徴をすべて備えていたと言えそうだ。ファウンダーが従来の目的とは異なる道を選択して、そこでスタートアップの運命が大きく変わることの好例ともいえる。Frontbackのファウンダーは、もともとは写真とちょっとした投稿を簡単にシェアするためのCheckthisというサービスを運営していこうと考えていた。ベルギーで立ち上げられ、91万ドルのシード資金を手に、大きく成長するためにニューヨークに進出してきていた。

サービスがなかなか起動に乗らなかったからなのか(サービスはまだ提供されている)、それともdella Failleが勝負を賭けたいと願ったからなのか、della Faille自身による2013年3月のCheckthis投稿をきっかけに、Frontbackのサービスに注力していくこととなった。投稿された写真は、Williamsburgの住居兼共同作業スペースであったアパートで撮られたもので、ここからFrontbackが生まれることとなった。

#frontbackのアイデアはとてもシンプルなものです。それでいて、その瞬間をシェアするのにとても良いやり方だと思うのです。普通に撮った写真と、そしてそれを撮っている自分。今この瞬間に存在するすべてをみんなとシェアすることができるのです。何かしらの面白さが生まれるに違いありません。

この写真に説明などいらないとは思うけれど、敢えて書くならこんな感じ。「オレオレ。今はWilliamsburgのアパートにいるよ。ソファで寛いでいるところだ。オレの後ろにいるのは(よく探せば見つかるはず)PoutschのEtienne。何か仕事をしているらしい。

Frontbackを実現するためのアプリケーションを世に出すのに4ヵ月。資金も底を尽きかけていた。しかしアプリケーションは最初の一週間で20万ダウンロードを稼ぎ出し、拠点をサンフランシスコに移すこととなった。そしてFrontbackは次のInstagramなのかと言われるまでになった。

Frontbackを巡る状況は、サンフランシスコのDisruptでも大きく変わることとなった。ここでdella Failleは20万ダウンロード達成の事実と、瀕死の状況からの復活劇を報告した。そしてバックステージではどこかの部屋(きっとMike Arringtonの控室ではなかろうか)に閉じ込められ、そこでVCによる引っ切り無しの面会を受けることとなった。「誰もが何としてでも会おうとするという状況でしたよ」と言う人もいる。

こうした中でTwitterもFrontbackに興味を持ったというのも面白い話だ。IPOを成功させ、そしてエンゲージメントを高めたいと努力しているTwitterは、サービス開発や買収を矢継ぎ早に行うことで知られている。たとえばVineなども一例だ。またTwitterはメッセージング関連にも力を入れたがっているというもあり、Frontbackはこの面でもTwitterに寄与するものと考えられたのだろう。SMS経由ないし将来的に機能を拡張するDMにて、Frontbackの持つ仕組みを活用できると考えたに違いない。

またdella Failleと他のメンバーたちが、母国であるベルギーからわざわざ外国に出てきているというのも興味深い点だ。テック産業の隆盛はシリコンバレーに限るものではなくなりつつあるが(TechCrunchがベルリンでDisruptイベントを開催した理由もそこにある)、della Failleは「旧世界でチャンスをつかむのは、相変わらずとても難しいことなのですよ」と述べている。

「ヨーロッパでは、大きな夢は大言壮語として忌避されるような傾向もあります」とのこと。「誰もまじめに受け取ってくれないのです」。また、ヨーロッパでは細かい機能の開発が軽視されるようなところがあると思うとも話している。「Frontbackの機能を実現するのにいろいろと検討を行っていました。ヨーロッパにいれば、投資家からは写真が撮れれば良いのだから、さっさとリリースしろなどと言われたに違いないと思います」と話していた。

今後の成長を見据えて、iPad用およびAndroid用のアプリケーションも出てくるだろうと思われる。ただ、すぐにというわけではないようだ。今後もますますカメラ関連アプリケーションが登場してくる中で、Frontbackはベストでありたいと願っている。そして多くのユーザーを掴みたいと考えているのだ。「プロダクトのデザインが非常に重要になってくると思います。現在、デザイン面の検討に懸命に取り組んでいるところなのです」とのことだった。

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(翻訳:Maeda, H


Instagramの広告投入は成功か?! 閲覧数中5%以上が「いいね」と評価

取り扱いを開始したInstagramの広告は、まずまず順調なスタートを切ったようだ。CEOのKevin Systromは「広告が表示された際、5%以上の割合で『いいね』がクリックされる傾向が見られる。インターネット上の広告はほとんどが無視される中、これは驚くべき成果だと言える」と述べていた。

舞台は先週行われたGigaOm Roadmapカンファレンスで、どこでマイケル・コース(Michael Kors)の腕時計を買うことができるのかというコメントが多く寄せられたとも述べていた。

Instagram上のデータ分析を行っているNitrogramも、11月1日のデータを分析して、615万人が目にして、21万8000件の「いいね」を受け取ったとしている。ちなみに同様の分析はSocialFreshでも行われている。このデータを見ると、閲覧数の3.57%の「いいね」数となっており、集計のタイミングなどにより、確かにSystromの言う5%以上という数値が出ていたのだろう。

さらにSystromはOm Malikとのセッションの中でInstagramが世界に大きな影響を与え得る企業になっていく第一歩だと述べていた。「現在のところは1億5000万のアクティブユーザーを抱えています。シリコンバレーの中でのみ有名な『クール』なスタートアップという立場から、メインストリームユーザーに対して影響力をもつ組織へと変わりつつあるのです」とのこと。また、今や1日に5500万枚以上が投稿されるのだそうだ。

広告投入の開始を先月にアナウンスして、そして最初の広告投入と推移してきた。セッションの中でOmは、すべてがうまくいっていると見て良いのかと問うていた。Systromは応えて曰く「1日に何億ドルも稼いでいるのかといえば、そのようなことはありません。しかしそういうことを目指しているのではないのです。じっくりと着実な成長をしていくための第一歩といったところです。広告の露出回数などのデータを見ながら、今後の方針などを考えています」とのことだった。

たくさんの「いいね」を得ている理由としては、物珍しさもあるのだろう。最初の広告が、なかなか美しい腕時計のものであったことも「いいね」獲得に利することとなったと思われる。利用者が「フィードが汚された」などと考えることのないように、今後も質の面では充分に考慮していく必要があるだろう。一般利用者が投稿している写真などよりも「良い」ものであることが望ましい。

Instagramの今後についてもSystromは言及していた。ライバルや、あるいは自身の親会社についても触れている。「FacebookやTwitterなどは、利用者の間にしっかりと根づいたサービスになっているように思います。その点はInstagramも同様であると感じています。これらのサービスが全く使われなくなったり、あるいは利用者が激減するということがすぐに起こるようなことはないと考えています。但し、利用者のモバイルデバイス利用時間の奪い合いはますます激化していくことになります」とのこと。

Instagramの今後は「イベント関連」および「検索の強化」か

現在のInstagramに足りない点についてもSystromは率直に言及していた。その点にこそ、今後の成長可能性があるとも考えているのだろう。

「注目される海外のライブイベントを利用者に知ってもらうにはどうすれば良いでしょうか。あるいはロンドンで暴動が起こっているといったことを、画面上でどのように提示すれば良いでしょうか。ワールドシリーズで盛り上がっている人たちに、交流を楽しんでもらうのに良い方法があるでしょうか。興味を持つできごとが、たった今、世界のどこかで起こっている最中なのだということをうまく伝えられれば、Instagramは一層魅力的なものとなるでしょう」。疑問文の形で述べていたが、すなわち、Instagramとして、イベント関連の機能を追加していきたいという意味だ。

「ハッシュタグを使ったり、ハッシュタグを検索することができます。あるいは興味のある人をフォローしておいたり、ユーザーを検索することもできます。しかし検索ノウハウがないと、面白そうなコンテンツも見つけられずに通りすぎてしまうことも多いはずです」とSystromは言う。そもそもハッシュタグが何なのかを知らない人も多く、ましてやハッシュタグを検索して面白いものを見つけることなど、想像もしない人も多いのだそうだ。

成長には、そうした人たちを巻き込んでいく必要がある。キーワードを入力して検索結果を表示するような、従来型、あるいはFacebookのグラフ検索のようなものを超える検索機能の必要性を意識しているものと思われる。

ひとつの方向として考えられるのは、メタデータを積極的活用だ。写真を撮った場所や時間帯の近接性に基いて、利用者同士の関係性を構築する方法もあるだろう。Systromもこうした可能性に言及している。但し、まだサービスではすべての写真をジオタグを使って分類・提示するというようなことは行なっていない。

昨年の記事にも書いたように、位置情報を積極的に活用できれば、利用者に身の回りの世界と「繋がっている」感覚を提供することができる。現在のところは、自分の撮った写真をフォトマップで表示するような機能しかない。将来的に、この部分を強化していく考えなのだろう。

ところでSystromの考えでは、スタートアップを運営するには何かしら特徴のあるサービスを提供すべきであるとのこと。成り行き任せでいろいろなものを取り込んでいくというようなやり方はよくないと考えているのだそうだ。どのようなものを提供するのかをじっくりと考え、自信を持って自らのサービス価値を提供していくべきだとする。見方によれば、FacebookはTwitterのようにソーシャルな関係性の拡大を意図していて、そしてTwitterはFacebookのようにビジュアルコンテンツを重視し始めているとも言える。そのような中、Instagramは自らの提供するサービスに集中し、そしてますます深化させていこうとしていると見ることもできる。

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(翻訳:Maeda, H


Twitter上場のベルを鳴らしたのは意外にもスタートレックのピカード船長とNPOリーダーの9歳の少女

ニューヨーク証券取引所でTwitterが取引開始されるときに慣例のベルを鳴らすのはファウンダーかCEOだろうと誰もが考えていた。事実、取引フロアにCEOとDickCostoloとBiz Stoneの姿があった。

ところが実際にベルを鳴らす人々が登場したとき、われわれは一瞬誰だかわからなかった。とうとう誰かがパトリック・スチュワートじゃないか?”と叫んだ。

その通り、スタートレック・シリーズのエンタープライズ号のピカード艦長だ。いっしょにベルを鳴らしたのはボストン市警の広報担当者、Cheryl FiandacaとVivienne Harrだ。この9歳の少女は、児童の奴隷労働を根絶するための運動、Make A Standの顔だ。Twitterはこの機会に重要な活動に携わっているユーザーにスポットライトを当てようとしたのだろう。

ベルが鳴った後、最初の値付けと最初の取引が行われるまでしばらく時間がかかった。私はHarrに感想を聞いてみた。

「今日は自由と希望のためにベルを鳴らしました。何かをするためには有名だったり権力があったりする必要はないんだとみんなに知ってもらいたいです。私だってできるのだもの」とHarrは語った〔ビデオでは1:55あたり〕。”

後では私はNYSEのエグゼクティブ・バイスプレジデントのScott Cutlerにインタビューした。Cutlerは最初の値付けまでかなりの時間がかかったことを認めた。

「これほど時間がかかったの10時17分になって取引が開始された2007年のVisaの上場以来だ。しかしわれわれは急いで取引を開始させる必要はない。需要と供給の自然なプロセスによってひとつの価格が決まる。大量の買い手が大量の株を買おうとするときにはある程度時間がかかる。その価格は時間外取引でも維持される」とCuttlerは語った。”

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


株式上場を控えてビズ・ストーン、半生を語る―「ひどい失敗の連続が結局Twitterを生んだ」

サンフランシスコで開催されたNew Contextカンファレンスに登壇したビズ・ストーンは「最初の会社、そして二番目の会社、三番目の会社も私はしくじってしまった。スタートアップの生活というのはミスの連続だ」といささか居心地悪そうに告白した。ストーンは「今日は特に何も話す内容を用意してこなかった。それで私の最大の失敗のいくつかをお話しよう」と言った。実はその最大の失敗の一つがTwitterを生み、上場後はストーンに巨額の財産をもたらすことになっただったのだという。

「趣味と実益のためにミスを繰り返している」とこのTwitterの共同ファウンダーは言う。最近ストーンは動物愛護のためのNPOの運営とJellyという名前だけが知られているなぞめいたスタートアップの立ち上げに専念している。

ストーンのキャリヤと最初の大失敗はXangaというスタートアップから始まった。以下はビズ・ストーンの回想だ。〔カンファレンスでの講演とJosh Constine記者の独自インタビュー〕

企業文化

1999年ごろ、私はデザイナーとして働いていた。すると、大学の友だちの何人かが「おい、ウェブの会社をやろうぜ」と声をかけてきた。当時はインターネット・サービスの創生期で、その程度で十分詳しい話だった。そして作られたのがXangaというブログ・プラットフォームのパイオニアの1社だった。さいわいティーンエージャーの人気を獲得した。「ユーザーがどう感じているか」というフィードバックを直接知ることができるのが楽しかった。私はユーザーが他のユーザーの投稿を気に入ったことを表明できる(現在の「いいね!」に相当するような)ePropsという機能を実装した。

Xangaは急速に成長した。すると私の仲間はその仲間のコンサルタントを雇い入れ始めた。私はMITの近所にオフィスを構えてその優秀な卒業生をどんどん採用してすごいイノベーションをしようと考えていた。ところが新しく入ってきたコンサルタントたちはニューヨークに移らなきゃいけないと言い出した。

それならそれでユニオン・スクエアとイーストビレッジのあたりがいいと思った。そのかいわいは静かでいいレストランもある。ところがコンサルタント連中はノー、家賃が最低のポートオーソリティー・バスターミナル界隈でなければダメだという。

会社の文化は「ユーザーの感情」を考える方向からあっという間に外れていった。私はこの会社で働く意欲を失った。ある朝、「会社に行きたくないな」と妻に言った。

そこで私はXangaを辞めてしまった。これが最初の大失敗だ。私は若くてあまりにも未熟だった。私は会社の文化を変えるために全力を挙げなければいけなかったのだ。ここでの教訓は、創立時の企業文化はこの上なく重要だ、という点だった。プロダクトに注ぐのと同じくらいの注意を会社の文化を正しく育てることに注がねばならない。

企業の使命

私は結局母親の家の地下室に戻ってブログをやり始めた。作る側から書く側に回ってとても楽しかった。しかし何も作っていないのというのははやはり大きな間違いだと思うようになった。私のブログの名前は「ビズ・ストーン―天才」だった。この大ぼらが役にたったかもしれない。

ママの家の地下室でブログを書いているだけだったが、いかにも天才的なアイディアをいくつも持っているふうに装っていた。すると少し有名になって、本を書いてくれという話が来た。それから別のブログプラットフォームから誘いが来た。それがGoogleに買収されたばかりのBloggerだった。ファウンダーのエヴァン・ウィリアムズが連絡をしてきて、私はGoogleで働くことになった。

もちろんGoogleで働くことができたのは間違いではなかった。といってもたいしたことをしていたわけではない。あちこち歩き回ってみんなが何をしているのがのぞいていた。

ある男はそこら中にDVDレコーダーを積み上げた中で仕事をしていた。何をしているんだと尋ねると、世界中のテレビで放送されている番組を全部録画しているんだという。私はびっくりして、そりゃすごいね、とか何とか言って逃げ出した。別のところでは大勢でフットペダルで操作するスキャナーで本をスキャンしていた。これまでに出版されたすべての本をスキャンするプロジェクトだと聞いて、やはり仰天した。

Googleで学んだのはテクノロジーはたいていの難問を解決してしまうということだった。それはそれですごい。しかし、テクノロジーと人間は別物だということに後で気づいた。Googleの優先順位はテクノロジー第一、人間第二だ。しかし私は人間第一、テクノロジー第二というのが正しい優先順位だと思う。まず現実の人間について考え、それからテクノロジーの活かし方を考えるべきだ。

ここにいる聴衆の皆さんのほとんどテクノロジストだろう。多分他の人が気にいるだろうという理由では本当に一生懸命にはなれると思うのは大きな間違いだ。私がOdeoで学んだのは自分が好きになれない、情熱を燃やせないできないプロジェクトは必ず失敗するということだ。<

〔中略〕

Odeo

エヴァン・ウィリアズと一緒に車で家に帰る途中で私に天才的な(と思えた)アイディアが閃いた。

「エヴァン! Flashを使えばブラウザでユーザーの声を録音できるな? iPodが大人気だろう? ブラウザで録音した音声をMP3にコンバートしてRSSの添付ファイルにして配信したらどうだ?」と私は言った。

私はこれでラジオの民主化ができるじゃないかと夢想した。実はこのアイディアはpodcastとしてもう誰かが実行していた。しかし10分くらいはわれわれは自分たちは本当の天才だと思って興奮していた。

結局われわれはビデオ・ポッドキャストのプラットームをつくろうということになり、Googleを辞めてOdeoを作った。これは辛い時期だった。Googleはまさに勢いに乗っている時期だった。株価が高値を更新するのを見るたびに自分がどれほど損をしたのか思い知らされた。妻は「Googleを辞めるべきじゃなかった」と言った。

Odeoは大失敗だった。しかしそこから次の大成功が生まれた。

Odeoで最大の問題は自分たちのプロダクトを好きになれないことだった。セールトークはすばらしく聞こえた。しかしわれわれは自分で使いたいと思わなかった。これは実に貴重な教訓になった。

Twitterの始まり

いや、ニック・ビルトンの本(Hatching Twitter: A True Story of Money, Power, Friendship, and Betrayal(Twitterの誕生―金、権力、友情、裏切りの物語)はまだ読んでいない。だから私のことをどう書いてあるかは知らない。しかし本に書いてもらうなんて光栄だ。リンカーン大統領になったみたいだ。もっとも私について書いてある部分は少ないと思う。いずれにしても派手な役回りではなかった。

ビルトンの本にどう書いてあるかは分からないが、Twitterの始まりはこうだった。

エヴァンはOdeoの取締役会に「ストーンと私はもうビデオポッドキャストには興味がない」と告げた。取締役会が新しいCEOを任命してくれればいいと思ったのだが、取締役会が投資した理由はエヴァンと私を見込んでのことだったから話がこじれた。そこでわれわれはObvious Corpという新会社を設立してOdeoを買収した。

われわれはTwitterという新しいコミュニケーション・ツールのごく初期のプロトタイプがやっとできた時期に、私はTwitterにとことん情熱を傾けていることに気づく経験をした。これはものすごく重要な教訓だった。

私はそのとき家を改装しようとしていた。カーペットを剥がして美しい木の床を出そうとしていたのだが、剥がしてみるとその下は美しい木の床なんかじゃなかった。すごい熱波が襲っていた。私が汗だくになっているときに携帯が鳴った。テキストメッセージでエヴァンからのツイートが来ていた。「ナパバレーでマッサージを受けた後ピノ・ノワールのワインを飲んでるところ」というのだ。エヴァンと私の状況があまりに対照的なので私は笑ってしまった。そしてこれだ、と思った。れこそ私が求めていたコミュニケーション・ツールだと悟ったのだ。

ベンジャミン・フランクリンは「人生においては間違いの方が成功よりずっと興味深い」と言っている。これは私の場合、間違いなくそのとおりだ。Xanga、Odeoはまったくの失敗だった。しかしそこからTwitterという大成功が生まれた。これからウォール・ストリートで取引開始のベルを鳴らすセレモニーに出るのだが、とても楽しみだ。

[画像:Kim Kulish/Corbis, PJ Media]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Twitterの株式公開初日。株価は74%上昇して45.10ドル。時価総額は318億ドル

思ったように成長しないPodcastサービスから転身して、ひっそりと始まったサービスだった。それが現在は全世界2億3000万人に利用されるサービスへと成長した。このTwitterが、いよいよ本日上場企業としてのスタートをきった。NYSEにて、ティッカーシンボルTWTRで取り引きが開始されたが、いきなり昨日の設定価格である26ドルを73.5%も上回る45.10ドルの値がついた。完全希釈化後の705,098,594株をベースに考えれば時価総額が318億ドルとなる計算になる。

CNBCなどから、ひと株あたり35ドル程度になるのではないかとか、他にもいろいろな憶測が出ていたが、しばらくの買い気配の中で初値は40ドルから47ドルの間になりそうだという話が出ていた。

この後も値は上がり気味で、瞬間的には50ドルを上回ることにもなった。現在は45ドルあたりを推移している様子。

TWTRの取り引きの様子はTwitter上でもとレンディングトピックとなっていて、初値について盛り上がっていたTwitterは、サービス自身の話題で盛り上がり続けている。

(Twitterにはクジラ―sad whale―が住んでいると思われていたけれど、実はネッシーが住んでいたんだね)。

あえて言うまでもないが、今のところ取り引きは非常に順調に進んでいる。今年度における新株の価格上昇率は、Dealogic(via WSJ)によると平均して17%に過ぎないのだ。

Twitterは昨日、IPO価格を1株あたり26ドルと決定していた。当初は$17-$20の範囲を想定していたのだったが、それを$23-$25として、そして26ドルで最終決定にいたったのだった。

Twitterのトップエグゼクティブおよびディレクターたちは、1株あたり26ドルでの計算で32億4000万ドルの資産を獲得することになる。

この1年、企業向けサービスや広告関連でメジャーなテック系企業がIPOを果たしてきた。しかしTwitterこそが、2012年のFacebook上場以来、上場を心待ちにされていたソーシャルサービス企業であった。Facebookの上場にあたっては期待失望の入り交じるものとはなった。その影響もあって、今回のTwitterの上場が、やや控えめな値付けで行われることになったのだと言う人もいた。そうした人々は、Twitterの株価はもっと高くて当然だったのだと主張している(後知恵はいつも正解を知っているものではある)。

そもそも市場全体が、ソーシャルネットワークに好意的な時期だとも言うことができる。たとえばLinkedInは1株220ドル以上で取引されており、評価額は248億2000万ドルとなる。またFacebookは1210億ドルの評価で、株価は50ドルを少し下回るところで取引されている。この両者および、パートナー企業などの株価や業績への期待などが、Twitter株価の急上昇を支えているとも言えそうだ。

もちろん、Twitterも依然として利益をあげているわけではないにせよ、順調な成長を続けている。2013年9月30日までの9ヵ月間では、売上は昨年比106%増となり4億2220万ドルとなっている。但し純損失も89%増えて1億3390万ドルとなっている。

Twitterがサービスを開始するまで、このような仕組みが必要だとは誰も考えていなかった。しかし上場を迎えた本日、皆がTwitter株に群がっているという状況になっている。

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(翻訳:Maeda, H


Googleが有料ビデオチャット(有料Q&A)Helpoutsをローンチ, 危険な冒険に見えるが果たして?

【抄訳】

Helpoutsは、Google+のHangoutsとGoogle Walletを融合させたサービスで、すでにユーザの認証を受け付けている。一種のビデオチャットだが、友だちとチャットするのではなく、いろんな分野のエキスパートといわれている人たちにアドバイスをもらうためのチャットだ。このサービスにGoogleがつけたキャッチフレーズは、“リアルピープルからのリアルヘルプをリアルタイムで”(real help from real people in real time)だ。

要するにこれは、1~2分の、有料の、ビデオチャットセッションだ。今抱えている問題、たとえば、腕にしこりができたけど一体なんだろう?、~~~な感じのメイクをしたいんだけど、どうしたらいい? などへの答えを、その道の達人にチャットで教えたもらう。という感じ。

いろんな問題解決を助けてくれるコンテンツ集やサービスはいろいろあるけど、それらの中でもHelpoutsはピントがもっともシャープである、とGoogleは自負している。今日(米国時間11/4)Googleは同社のサンフランシスコのオフィスで製品のメディア向け発表を行い、そのインタフェイスを記者たちに試用させた。漆喰の壁に開いた穴の直し方、口紅の特殊な使い方、レモンの風味を強める方法、などの質問が出た。

Helpoutsの仕組みを詳しく知りたい人は、本誌TechCrunchの7月の特ダネ記事を見ていただきたい。今回のこの記事では、この製品の経済的な側面と、成功の可能性について触れてみたい。

GoogleはHelpoutsをプラットホームと呼び、Hangoutsとは別のチームが担当している、と強調する。両者は同じビデオインフラを共有しているが、サービスとしては別々のようだ。

HelpoutsはユーザのGoogle+のアカウントを使い、支払い機能としてWalletsを使う。そしてビデオはHangoutsのビデオ技術を使って、情報提供者のマーケットプレースをサービスする。今日の立ち上げにあたってGoogleは、およそ1000あまりのブランド(Sephoraなど)や個人を集めている。初日から、十分な利用価値があるように。

HelpoutsのAPIも提供するらしいが、その具体的な詳細はまだ分からない。デベロッパが自分のアプリで、Helpoutsをどうやって使うのだろう?

Twitterのフォロワーたち、YouTubeのhow-to、YahooのAnswers、Facebookの友だち、などなど、あなたの質問に無料で答えをくれるソースはたくさんある。しかしGoogle Helpoutsの唯一最大の差別化要因ないしセールスポイントは、有料であることだ(1分間2ドル)。インターネットでは無料ほど強いものはない、という常識の逆を行って、有料ほど強いものはない(あるいは、“タダほど高いものはない”)を実現しようとする。この逆張りが多くの分野~カテゴリーにわたって成功するための条件、それは、あなたが、緊急の質問に緊急に良質の答えがほしい、という立場になったことを想像してみると、誰にもお分かりだろう。

これを確実に成功させるための、Googleの具体的な手の内は、このサービスの今後を体験的に見守ってみないと分からない。

【後略】

画像クレジット: Flickr

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))