バックエンドまわりをすべて引き受けるBacklift, デベロッパはフロントエンドだけ書けばよい

今日ローンチしたY Combinator出身のスタートアップBackliftは、フロントエンドデベロッパのためのバックエンドデベロッパ、を自称している。サーバ環境のセットアップなどをすべて引き受けるので、フロントエンドデベロッパはまさにフロントエンドのロジックだけに集中できる。そのために必要なのは、Dropboxのアカウントとテキストエディタのみ。BackliftはDropboxをファイルシンクサービスとして利用する。あなたの縁の下にBackliftがいると、RailsDjangonode.jsなどのセットアップについて、あなた自身は何も知らなくてもよい。

BackliftのファウンダCole Krumbholzによると、彼のねらいはデベロッパがいきなり自分のフロントエンドのコードを書き始められること。デベロッパの中にはバックエンドについてびびる人が多いが、Backliftはそういう人たちのための教材としても優れている、と彼は言う。またBackliftは、プロトタイピングの場としても利用して欲しいし、将来的にはアプリケーションのホスティングもやりたい、と。

Backliftには、Dropboxのアカウントでサインインする。そしていろんなテンプレートが用意されているから、その中から自分のアプリ用を選ぶ。backbone.jsのサンプルアプリケーションも各種用意されている。Google MapsのAPIを使うサイトの例、Bootstrapを使うシンプルなサイトの例、などもある。そのほかのよく使われる技術、AngularJS、CoffeeScript、Handlebarsなども使える。BackliftはユーザのDropboxアカウントに新しいフォルダを作り(それはユーザのデスクトップにも反映し)、ユーザはお好きなテキストエディタでコードを書き始める。コードをDropboxにセーブすると、それはBackliftにシンクされ、結果をブラウザ上で見られる(シンクはユーザがコードをDropboxにアップロードしてから1秒未満で始まる)。

アプリケーションは何らかのデータを扱うものが多いから、Backliftはベーシックなデータ処理のためのAPIを提供している。管理用のダッシュボードが提供されるので、そこでデータベースへのデータのインポート/エキスポートなどを行う。

ベータの段階でBackliftを本格的に利用したスタートアップの一つがAutomatic.comだ。これもYC出身だが、最近ローンチした独特なハードウェアによって、どんな車でもインターネットに接続できる車にする。Automatic.comのビジュアルと対話デザイナーGabriel Valdiviaは、次のように言う: “うちはAmazonのS3も使ってるけど、開発段階、それに投資家たちにに見せる段階では、Backliftの方がずっと便利だし、仕事がはやいし、それにセキュアだ”。

Krumbholzによると、このサービスは絶えず進化していて、今計画している今後の機能も多い。ただし、その詳細を話すのは尚早だそうだ。

Backliftは今、完全に無料だ。今後は有料の機能も加えるが、それについても詳細は未定だ。

Krumbholzは、Y Combinatorのスタートアップとしては珍しく、単独ファウンダだ。海軍を除隊した彼は次に航空管制用ソフトウェアのインタフェイスを作り、さらにその次にはiOS用のモバイルゲームを作り始めた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ストリーム内決済を実現したRibbon、サービス提供開始から1時間でTwitterによりサービス停止へ

Ribbonというスタートアップが、Twitterを使った「ストリーム内課金」サービスを開始したという記事を掲載した。Twitter.comのサイトから離れることなく、ツイートに付加されているボタンをクリックすることで支払いを行えるという仕組みだ。しかし記事掲載から数時間、Twitterはこの機能を使えなくしてしまっている。リリースとほぼ同時にシャットダウンされるという事態となった。

Ribbonの共同ファウンダーであるHany RashwanもTwitterがサービスを停止してしまったことを確認している。同社は現在Twitterとの話し合いの場を設けようとしているところなのだそうだ。TechCrunchもまた、Twitterに対して質問を投げかけているところだ。返信があれば記事をアップデートしたい。

もしかするとRibbonによるTwitter Cards(Player Card)を使った支払いシステムの実装方法に、何らかの規約違反があったということなのかもしれない。詳細はまだわからないが、Twitterのリアクションの速さには少々驚きを感じた。Twitterは、どのようにして違反行為ないし問題点を認知し、そしてそれに基づく行動を発動する仕組みになっているのだろうか。それはそれで興味深いところだ。

少しRibbonの内容を振り返っておこう。簡単に言うと「bit.lyの支払いシステム版」というような感じだ。これまではTwitter上にリンクを掲載して、クリックすると別ページに飛んで、そこで簡単に決済を行うことができるようになっていた。しかしこの度、Twitter Cardの機能を使って、Twitter.com内で決済プロセスが完了するように進化したのだった。

すなわちツイートを「開いた」状態で「Buy Now」をクリックすると、その場に決済画面(カード)が表示されるようになっていたのだ。メールアドレス、クレジットカード情報を入力して「Pay」ボタンをクリックすれば、その場で支払を完了することができた。PayPalでは、別のサイトに飛んで決済を行うことになるが、その手間を省いたエクスペリエンスを提供していたわけだ。売り手側のコンバージョンレートを上げることを狙いに開発されたものだ。

しかしTwitterによるサービス停止を受け、現在は「view on web」というボタンが表示され、Ribbon.coのサイトに飛ばされて、そこで決済を行うようになっている。双方の違いを示すスクリーンショットを以下に貼っておこう。

サービス稼働中:

サービス停止後:

アップデート 1:20 pm PT:Ribbonがブログ記事を投稿している。

11:00 AM PSTにTwitterのストリーム内で支払い処理を行うことのできるサービス提供を開始しました。TechCrunch、Mashable、GigaOM、The Next Web、その他の有名メディアでも取り上げていただきました。さらにニュースを読んだ方からも何百件もツイートを頂くこととなりました。多くの方に、面白そうなサービスであると期待してもらえたようでした。

しかし12:24 PM PSTになって、事前の通知もなく、Twitter Cardsを用いてストリーム内で提供していた機能が停止されてしまいました。RibbonのリンクはRibbon.coにリダイレクトされることとなってしまい、Twitter.com内での支払い完了ができなくなってしまっています。

本機能のリリース前にはTwitter Cardによる機能実装(下にスクリーンショットを掲載しています)が利用規約に違反していないことを何度も確認したつもりです。すべて条件をクリアしていると判断しました。事前にTwitter側とも話をしています。ぜひまた私たちの実装した機能を使えるようにしたいと考えています。利用できるようになれば、Twitterおよび世界中のTwitter利用者の方々にとっても有益なサービスになるはずと確信しています。

サービスを提供できるよう、現在鋭意調整中です。

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(翻訳:Maeda, H)


Glassの試用モデルは来月中に出荷、とGoogleが発表

今日(米国時間4/10)Google Ventureの“Glass Collective” 発表イベントでGoogleは、「Glassのハードウェア」を「来月中」にデベロッパーに渡したいと語った。Googleが最初の一般公開版を出荷する予定の正確な日付は未だにわからないが、Googleは1500ドルのデバイスをデベロッパー向けに提供するかなり近い段階にあることを認めた。

もちろんGlassを来月中に出荷することには重要な意味がある。Googleは年次I/Oデベロッパーカンファレンスを5月15~17日にサンフランシスコで開催する。Glassがこのイベントで主役を演じることは間違いなく、もしGoogleがデベロッパーをこのプロジェクトに引きつけ、I/Oカンファレンス中にGlassのMirror APIを話題にしてもらうためには、早くデベロッパーの手に端末が渡る必要がある。

昨年Googleは、I/O参加者を対象にGlassの事前登録を受け付けたが、同社はそれ以来これらのデベロッパーに対して、待ち人数が刻印されたガラスのブロックを送る以外、何の連絡もしなかった。

Googleは他の人々に対しても、Glassをいち早く買う権利を競わせようと、TwitterとGoogle+に、なぜGlassが欲しくなるかの理由を書き込んだ。このプロジェクトは、追加で約8000人の早期テスターをGlassコミュニティーに呼ぼうとしたが、Google(およびプロジェクトで提携している会社)がランダムに人を選んだことで強い批判を浴びた。後日Googleはこれらの招待の一部を取り消した

Glassを購入する権利を得た人は、ロサンゼルス、サンフランシスコ、またはニューヨークに直接出向いて受け取らなくてはならない。デベロッパーも同じことをするのかどうかは不明だが、I/Oで受け取れるようにするのが理にかなっているだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


サンフランシスコの科学博物館「エクスプロラトリアム」は、精神障害と同性愛も探求する

新装なったサンフランシスコのおしゃれな3億ドルのサイエンス・ミュージアムは、子供たちに「何が正常か?」を問う大胆な行動に出た。エクスプロラトリアムの海岸沿いの一室に、光の屈析とレーザー光線の展示の間に隠れるように、精神医療に関する20世紀の地味な展示がある。精神相談の診断書には、今日では極めて正常であると考えられる行動(同性愛を含む)のために、収容されたり薬漬けにされた不幸な人々の治療について詳しく記されている。「正常とは変化し続ける景観」であると、共同キュレーターのPamela Winfreyが説明する。彼女は子供にも大人にも、人々の慣習を定めるために医療科学がどう役立ってきたかを理解してほしいと言う。

中でも最も興味をそそりかつ議論を呼ぶ人物が「Frank C」で、彼は医者たちが当時「同性愛パニック」と呼んでいたとされる理由で収容された。1942年に兵役を終えた後、彼はあるレストランの外で暴れだした。医者には「私は自分がキングスカウンティー病院にいることを知っている。私は病気ではない。フルトン通りで興奮してゴミをまき散らした。カッとなった。爆発した。怒っていた。バージニアのレストランで皿を割った・・・誰かが私を殺そうとしていると思った」などと話した。

彼の行動に対する治療は、こう説明されている「医師は彼が自身の潜在的同性愛要求を恐れていることを疑った。当時、このいわゆる「同性愛パニック」は妄想症を引き起こすと信じられていた・・・彼は静寂な環境下で薬物による治療を受けた」。

科学的に何が正常かの基準は、長い間精神科診断のバイブル、『精神障害の診断と統計の手引き』(DSM)によって規定されていた。賛否を呼んだ同書の第5版では、アスペルガー障害が新たな包括カテゴリー「自閉症スペクトラム障害」に編入された。「性同一障害」は現在「性別異和感」とされ「個人が体験あるいは表現する性と与えられた性との間に著しい不一致による精神的苦痛」を指す。

“Changing The Face Of What Is Normal”[何が正常であるかの形勢を変える]の展示でもう一つ重要なポイントは、精神障害はありふれていると共に、その多くが一過性であることだとWinfreyは主張する。例えば統合失調症のような疾患は、必ずしも患者を社会的に活動不能にするものではない。そして恐らく最も重要なのは、殆どの人々はいずれ精神障害を体験するか、精神障害患者と近しくなるということだ。「この展示は、こうした敏感な主題に安全な形で触れることのできる一つの方法」だと彼女は説明する。インターネット活動家、Aaron Swartzの自殺から間もない今、精神障害はタイムリーであり考えさせられる話題だ。

このミュージアム自体の影響力は軽視できない。国を代表する科学博物館として、全米の展示物の表舞台となっている。当局によると、同館はサンフランシシコ湾地区最大の教員開発組織であり、移動展示は1.8億人以上が閲覧している。

望まれるのは、エクスプロラトリアムのDennis Bartels館長も言うように、「実際に自分で考える人々」を生み出すことだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google Glassエコシステム形成のための投資協調組織が立ち上げ―Google Ventures、Kleiner Perkins、Andreessen Horowitzが共同

今日(米国時間4/10)、Google Venturesは世界でトップクラスのテクノロジー系ベンチャーキャピタル2社、Andreessen HorowitzとKleinerPerkinsと共同で“Glass Collectiveという組織を発足させたことを発表した。

これ自身はファンドではないが、3社はこのプロジェクトを通じて協力しながらGoogle Glass向けハード、ソフトの開発に投資していくという。パートナーの1社があるプロジェクトに興味を抱いた場合、3社が歩調を揃えて投資を行う。この共同プロジェクトはGlassをめぐるエコシステムをできるかぎり急速に整備することを目的としている。l

これと同時にGlassチームのプロダクト責任者、Steve Leeは「去年のGoogle I/OでGlassが紹介されたときに関心を示したデベロッパーに対してGlass Explorerきっとを来月中に出荷する予定」だと確認した。 数十億ドルの資金を擁するベンチャーキャピタル3チームの参入でGlass関連の新事業への資金供給は即座に整備されることとなった。これは過去にKleinerPerkinsがiFundをたちあげて4億5000万ドルをモバイル・アプリに投資したアプローチに似ている。

もちろんグループが結成されたからといって、すべての案件について3社が共同投資をすることが保証されたわけではない。しかしこの3社は過去にすでに共同投資の実績があり、各社が他の2社の投資先選択を参考にするというのは理に適っている。またこれ以上パートナーを増やす予定がないことも明確にされた。そういうわけで“Glass Musketeers&#8221は独自の道を行くことになる。

この発表にはGoogle VenturesのBill Maris、Andreessen HorowitzのMarc Andreessen、KleinerPerkinsのJohn Doerrの3人が登場し、Google Glassについては単なるウェアラブル・コンピュータというだけでなく、プラットフォームとしての大きな可能性に興奮していると述べた。Mirrorと呼ばれるGlassAPIは“今年のSXSWカンファレンスで発表されている。

ちなみに、プレスイベントの開始前にわれわれは最新版のGlassをテストする機会があった。短時間の経験ながら数ヶ月前に比べて長足の進歩を遂げていることがはっきり感じられた。

MarisがGlassについて知ったのはこういう経緯だったという。

私はサーゲイ・ブリンからまだ単なるアイディアだった頃に話を聞いた。初期のプロトタイプは今皆さんがご覧になっているようなものとは違い、あまりうまく機能しなかった。しかしチームが編成され、デバイスに改良が加えられていくうちに、われわれはブラウザや携帯電話の登場にも匹敵する巨大なパラダイムシフトの間際にいるのだということが明らかになってきた。

そう、これこそ未来だ

Kleiner PerkinsのDoerrはこう結論した。

われわれはプラットフォームの威力をよく知っている。偉大なプロダクトとそれを利用するための しっかりしたAPIは多くの起業家にインスピレーションを与え、驚くべき進展をもたらす。ウェブでも、アプリ・ストアでもそれが起こったのをわれわれは見てきた。

Andreesenはもっと単刀直入に、「Glassをかけてみれば、そう、これが未来だとわかる」 と述べた。

Glassはウェブとモバイル・サービスをひとまとめにして新たな次元に引き上げるイノベーションだ。 Glassの応用範囲は文字通り無限だ。しかし一部のプライバシー専門家は、不当なアプリが開発されて邪悪な活動に用いられるのではないかと批判している。今日の発表で3社は「他の投資の場合と同様、Glass関係の投資も最終的に消費者の福利を増進させるものに限る」と述べた。Andreesenはインタラクティブなゾンビー・ゲームなどは面白そうだ。しかし医療分野におけるGlassの応用は医師にも患者にも非常に大きなメリットがあると思う」と述べた。

Doerrも同意し、さらにGlassは今日の生徒一人一人が孤立した状態で受ける教育体験を改善するために役立つだろうと述べた。Sergey Brinは「やがてGlassはデジタル一眼レフカメラのファインダーにもなれば自転車に乗っているときには心拍数を教えてくれるようにもなるだろう」と語った。

以前のGlass’ハッカソンでプロトタイプが作られたアプリケーションはいずれも有望そうだということだ。

Marisが「開発を続けていくためにデベロッパーが資金を必要としている有望なプロジェクトがいくつかある」と述べたことからみて、Glass Collectiveの最初の投資はまもなく実施されるものと思われる。 Doerrは「Path andとTwitterはすでにGlassプラットフォーム上でのアプリケーション開発を考えている」と付け加えた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、.Search を〈ドット無し〉ドメインとして運用希望。.Cloud、.Blog、.App はオープン化の予定

手に入れた暁には、 .search を「ドット無しドメイン」に変えたいとGoogleは考えている。同社が数日前ICANNに伝えた。昨年、Googleは .app、.blog、.cloud、および .search のジェネリック・トップレベルドメイン(gTLD)の運用を、ドメイン名システム大規模拡張の一環として申請した。

この拡張を管理するICANNは、未だにこれらのいかなるgTLDも許諾しておらず、プログラム全体の賛否も議論されている。しかし今年3月、GoogleはICANNに書簡を送り、これらのトップドメイン名に関する同社の詳細な計画を近くICANNに提出する意向を示した。そして今Googleは、子会社のCharleston Road Registryを通じてそれを実行した(申請書類の全編は文末に貼ってある)。

当初Googleは、これらのgTLDを一般に開放し、同社サービスでのみ使う予定はないように見えた。ICANNへの書簡でGoogleは、「.blog および .cloud に関連する主要コミュニティーと協力して、これらのトップレベルドメインの運用に関する技術標準を制定している最中であることを公表した。

Googleのドット無し .Search 計画

中でもいたばん興味深い計画は、.search を利用して、〈ドット無し〉.search ドメイン(http://search/)の転送サービスを運用するというもので、簡単な技術標準によって、検索機能を提供するサービスを横断する一貫したクエリ・インターフェースを可能にし、利用者は簡単に個人設定で指名した検索サービスを使って検索できるようになる。

ドット無しドメイン( http://example やメールアドレスの mail@example を想像されたい)については、ICANNがこれまでにも検討を重ねてきており、セキュリティー専門家らは、Googleが http://search/ を運営することに対して否定的だ。

「提案している gTLDの使命は、インターネットユーザーが、好みの検索機能を見つけやすく使いやすくすること」とGoogleは補正申請書に書いている。

しかし、実際これがどういう見え方になるのか正確なところはまだわからない。ドメインシステムの全く新しい使い方であることは疑いがなく、補正申請書から判断すると、Googleはこの機能をサードパーティー開発者や直接の競合他社にも開放するとしている。

もちろん、実際誰が .search を管理するのかは現時点では未定だ。Google以外に、Amazon、dot Now Limited、および Donuts.co もこのgTLDを申請している

.Blog、 .App、.Cloud

.blog TLDでは、「.blog 登録者が、自分のブログ用2次ドメインを好みのブログプラットフォームと簡単に紐付けできるようになる」とGoogleは言う。新しい .cloud ドメインも、「クラウドプラットフォームでホストされているプロジェクト」に直接関連付けられる。Googleがどうやってこれを実現する計画なのかは明らかになっていないが、書簡によると同社は「ユーザーが登録時に、自分のドメイン名が自動的に自分のブログにリンクできる」ための技術標準を作ろうとしている。

.app に関してGoogleは、このTLDの利用を「主要なデベロッパー・コミュニティー」に限定し、特定のプラットフォームには限定しない計画だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


YC出身で企業ウェブサイトのA/Bテスト・サービスのスタートアップ、Optimizelyが2800万ドルをBenchmark他から調達

Y Combinator出身で企業のウェブサイトに対してさまざまなバージョンのデザインでA/Bテストを提供するスタートアップ、OptimizelyがシリーズAのラウンドで2800万ドルの資金を調達した。

どんなスタートアップにとってもシリーズAで2800万ドルといえば大した金額だが、Optimizelyはこれまでにわずか320万ドルの資金しか集めていないのだから、特に大きな一歩だ。.前回のラウンドは1年前にされたが、これまでその結果について何も発表されていなかった。

共同ファウンダー、CEOのDan Sirokerは私の取材に対して「比較的少額の投資を受けただけにしては、われわれはすでに売上高は通年換算で数千万ドルに達し、対前年比では400%の成長を遂げている。また2012年の大統領戦のキャンペーンなどで有力なクライアントを獲得している(Sirokerは2008年にはオバマ選対の分析責任者だった)」と述べた。SirokerはまたAlexaのトップ1万のウェブサイト中のOptimizelyの採用をライバルと比較した下のグラフを送ってきた(データはBuiltWithを利用)。

今回のラウンドはBenchmarkがリードし、Bain Capital VenturesとOptimizelyの既存投資家、Battery Ventures、InterWest Partners、Google Venturesが参加した。BenchmarkのPeter
Fenton(YelpとTwitterに投資した実績がある)がOptimizelyの取締役に就任した。SirokerによればFentonは初の社外取締役だという。これまで取締役はSirokerと共同ファウンダーのPete Koomenのみだった。

調達した資金の一部は国際的な事業拡張に向けられるだろう。Optimizelyは去年、初の海外オフィスをアムステルダムに設けている。また来る四半期には9言語、36カ国のサポートを新たに行う予定だという。Sirokerは「これらの言語(具体的な言語名は明かさなかったが)を選んだのはすでにクライアントがいるからだ」と述べた。

Sirokerのビジョンは依然私に語ったように、Optimizelyを単なるテストサービスを超えて、あらゆるウェブサイトを訪問するユーザーに合わせてカスタマイズできるようにするプラットフォームに育てることだ。同社はすでに異なる属性の訪問者に対して別のデザインのサイトを提供するサービスを開始している。lこれをさらに先へ推し進めたいというのがSirokerの野望だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebookが依然トップだが、ティーンの間で既存ソーシャル・メディアの人気は退潮ぎみ(Piper Jaffray調べ)

十代の若者は依然としてFacebookが好きだ。その点は変わっていない。有力投資銀行のPiper Jaffrayの調査によれば,、調査対象の5200人のティーンエージャーの33%がFacebookを「自分にとってもっとも重要なソーシャルネットワーク」だと答えている。2位はTwitterで30%、Instagramという回答が17%で3位だった。

しかし興味深いのは、ティーンの間でのFacebookに対する関心が急速に低下していることだ。なるほどティーンはソーシャルネットワークとしてはFacebookを依然重視しているが、Piper Jaffrayのレポートによれば、ソーシャルなウェブサイトとしてのFacebookに対する興味は減退している。

過去1年でFacebookがもっとも重要なソーシャル・メディア・サイトだと回答したティーンの割合は30%から20%をやや上回るレベルまで低下した。しかしこれはFacebookだけに限った現象ではない。ほとんどの既存ソーシャル・メディアが退潮、または頭打ちとなっている。

YouTubeはもうすぐFacebookを抜いてもっとも重要なソーシャル・メディア・サイトとなりそうだが、YouTube自身も重要性の割合を落としている。YouTubeは現在22%だ。ただし関心の減少の割合はFacebookに比べれば少ない。


逆にInstagramとTwitterの重要性は増加している。これはおそらく春になってティーンの活動が活発になったせいもあるだろう。

しかしいかにも気まぐれなティーンらしく5200人の対象の多くは「もっとも重要」なソーシャル・サイトをトップのリスト外から選んだ。レポートによるとWanelo、Vine、Snapchat、Kik、4chanの順で人気.があったという。

Vineは登場してから数ヶ月しかたたないのにApp Storeのトップに立っている。毎日2000万枚アップされている写真の大半がティーンからのものだということを考えるとSnapchatの人気もうなずける。

FacebookにとってはTwitterも脅威だが、それに劣らずこうした新興ソーシャル・サイトもライバルとなるだろう。

新しく発表されたFacebook Home(Facebook専用のAndroidスキン)はティーンの興味をつなぎ止めるのに有効かもしれない。Facebookの機能を常にユーザーの前に表示するだけでなく、どのユーザーがいつどのようにさまざまなアプリを使用したかモニタすることができるのでライバルの動向についてリアルタイムで深い知識を得られるわけだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、Global Impact Awardの助成金300万ドルを人身取引防止活動3団体に授与

Googleの非営利部門は昨年12月、Global Impact Awardsプログラムをアナウンスしていた。そしてこの度そのプログラムに則って3つの組織が300万ドルの資金を受け取ることになったと発表した。この3つの組織は、ヘルプラインを開設することにより、世界中の潜在的被害者の発見およびサポートを行うために尽力している。

3つの組織とはPolaris ProjectLiberty Asia、およびLa Strada Internationalで、共同して「Global Human Trafficking Hotline Network」の構築を行なっているのだ。

行われたGoogleによるアナウンスによれば、世界中で2100万人の人が、何らかの形で隷属状態に置かれているとのこと。またそれにともなう不法行為により、違法行為者は320億ドルの利益をあげているのだそうだ。Global Human Trafficking Hotline Networkの目的は、違法行為のホットスポットとなっている場所を特定して、それに対応できるようにすることだ。こうした活動についてGoogleは2011年から1450万ドルの資金を拠出している。

またPalantir TechnologiesおよびSalesforce.comもデータの管理および分析や、反人身取引のためのホットラインセンターの拡大に協力することで、活動に協力している。

Google IdeasのディレクターであるJared CohenおよびGoogle GivingのDirectorであるJacquelline Fullerは次のように述べている。

Polaris Projectは、アメリカ国内において寄せられた72,000以上のホットライン通話に基いて人身取引の活動状況などをまとめて国内外にデータを提供しています。しかし全世界的にはそうした直ちに利用できるデータベースは構築されていません。ただし、そうしたデータベースの完成を待つ必要はありません。各国で人身取引問題に対する意識を共通化し、そして協働していくことで、関連データを共有して被害者の救済にあたり、違法活動を抑制し、さらに必要な法律を提案する動きへと結びつけることができるからです。人を奴隷のように扱うことは断じて許されるものではありません。直ちに活動を開始する必要があるのです。

今回の発表について、各組織からの発言をまとめたビデオを掲載しておこう。

Googleの非営利活動については、Jacquelline Fullerに対して行ったインタビュー記事もある(英文)。

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(翻訳:Maeda, H)


Google、Global Impact Awardの助成金300万ドルを人身取引防止活動3団体に授与

Googleの非営利部門は昨年12月、Global Impact Awardsプログラムをアナウンスしていた。そしてこの度そのプログラムに則って3つの組織が300万ドルの資金を受け取ることになったと発表した。この3つの組織は、ヘルプラインを開設することにより、世界中の潜在的被害者の発見およびサポートを行うために尽力している。

3つの組織とはPolaris ProjectLiberty Asia、およびLa Strada Internationalで、共同して「Global Human Trafficking Hotline Network」の構築を行なっているのだ。

行われたGoogleによるアナウンスによれば、世界中で2100万人の人が、何らかの形で隷属状態に置かれているとのこと。またそれにともなう不法行為により、違法行為者は320億ドルの利益をあげているのだそうだ。Global Human Trafficking Hotline Networkの目的は、違法行為のホットスポットとなっている場所を特定して、それに対応できるようにすることだ。こうした活動についてGoogleは2011年から1450万ドルの資金を拠出している。

またPalantir TechnologiesおよびSalesforce.comもデータの管理および分析や、反人身取引のためのホットラインセンターの拡大に協力することで、活動に協力している。

Google IdeasのディレクターであるJared CohenおよびGoogle GivingのDirectorであるJacquelline Fullerは次のように述べている。

Polaris Projectは、アメリカ国内において寄せられた72,000以上のホットライン通話に基いて人身取引の活動状況などをまとめて国内外にデータを提供しています。しかし全世界的にはそうした直ちに利用できるデータベースは構築されていません。ただし、そうしたデータベースの完成を待つ必要はありません。各国で人身取引問題に対する意識を共通化し、そして協働していくことで、関連データを共有して被害者の救済にあたり、違法活動を抑制し、さらに必要な法律を提案する動きへと結びつけることができるからです。人を奴隷のように扱うことは断じて許されるものではありません。直ちに活動を開始する必要があるのです。

今回の発表について、各組織からの発言をまとめたビデオを掲載しておこう。

Googleの非営利活動については、Jacquelline Fullerに対して行ったインタビュー記事もある(英文)。

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(翻訳:Maeda, H)


EUの反トラスト調査でGoogleは, ライバルを検索結果でもっと目立たせろと強いられる

EC(欧州委員会)が2年もかけて行った、Googleの検索慣行に対する調査の結果がもうすぐ出るが、それによるとGoogleは、ヨーロッパにおける検索結果において、ライバルサービスの可視性の改善を迫られることになりそうだ。今朝(英国時間4/10)のフィナンシャルタイムズ紙が、そう報じている〔要会員登録〕。

同紙によると、地図、天気予報、金融など分野限定の検索結果(垂直検索–vertical search–の結果)が、ECの調査官たちの重要な懸念の一つだった。それらの検索結果においてGoogleは今後、ライバルの専門サイトをもっと目立つようにして、消費者に複数の選択肢があることをより明確に示すことになりそうだ。Google自身のサービスは、それとはっきり分かるようにするのが、“広く期待される譲歩”だったが、それにプラスしてライバルの明示化が加わる。

たとえば”weather”(天気予報)で検索すると、現状では下図のような結果になる。ご覧のようにGoogle自身のお天気ウィジェットが、最上部ででかでかと大きい。その下にそのほかの天気予報サービスが並ぶ:

委員会は、Googleが自社の垂直サービスへのリンクを、ライバルへのリンクとは違えることによって、差別的扱いをしていないか、を調べていた。また競合サービスのリビューなどのコンテンツを、Googleがコピーして自社の提供物に使っていないか、も懸念していた。また広告に関しては、競合サービスを検索広告から閉め出していないかを、委員会は調べていた。それをやられると、広告主たちはそれらの競合サービスをキャンペーンに含めることが困難になる。

Googleは2月に、このような偏りに関する懸念をやわらげるための提案をECに提出した。その内容は、まだ公表されていない。

フィナンシャルタイムズ紙によると、Googleは今週、“譲歩の最終提案”を委員会に提出する。反トラストで有罪となり巨額の罰金刑を科せられることを、避けるためだ。EUの競争監督官Joaquin Almuniaの以前の提案では、Googleの検索慣行に対するECの調査は今夏に終わることになっていた。

今週初めにAlmuniaはThe New York Timesに、“Googleとの折衝は続いており、毎日、いつ電話やメールやSMSが来てもいいように備えている”、と語っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


YC出身の宅配ボックスサービスSwapbox、Google傘下のライバルBufferboxのベイエリア進出にも動揺せず

宅配便がホットな分野になることなど誰が予想しただろうか?しかも物理的なロッカーの設置が必要なのに。先週本誌はGoogleが最近買収したBufferboxがサンフランシスコのベイエリアほの配達サービス進出を計画していることを報じた。もちろん買収された後Bufferboxがどうなるかは誰にもわからなかったので、これもY Combinator出身のSwapboxが隙間を埋めようと参入した。

今日(米国時間4/9)Swapboxのファウンダーと話したところ、彼らの計画も戦略も「変更なし」とのことで、どうやらBufferboxが現在のカナダから手を広げてベイエリアにやって来ることは計算済みだったようだ。

最近Swapboxは、サンフランシスコの高級住宅街ノブヒル地区にサービスの拠点を構えた。これは主として同地区に人口が集中していることが理由だ。同社の共同ファウンダー、Neel Murthyによると、Swapboxは短期間にめざましい業績を残しており顧客の2/3がリピートしている。SwapboxもBufferboxも、利用者に固定の宅配ボックスを割り当てるのではなく、空いているどのボックスでも受け取ることができる。

「今はSwapboxを着実に広め、誰もが使える独立インフラを構築して足場を固めている段階」とMurthyは言う。

さらに彼は、ロッカーのモジュール化されたデザインのおかげでSwapboxのインストールが簡単で、場所さえあればすぐに設置できると言った。基本的にキャビネットのカスタマイズは必要ない。

Swapboxが受けたフィードバックの中で最も興味深いのは、職場を出る前に荷物の受取りを忘れないよう通知してほしいという顧客からの要望だった。Murthyによると、Swapboxでは通知を送ってから実際に受取るまでの平均時間は4時間だという。

この種のサービスは、AmazonWalmartといった巨大小売業も真似しているが、その鍵となるのは利用者が荷物を受取るために家で待たなくてよいことにある。もし自分の住んでいるところでこの種のサービスを利用できるのであれば、不在にしてFedExの再配達を待つことよりもボックスで受取る方を選ぶだろう。Swapboxのようなサービスは、AmazonやWalmartでの購入に限らないため、リピート顧客を得る上でも有利だ。

ノブヒル地区に続き、Swapboxはこれもサンフランシスコで人の密集するミッション地区への侵入をはかっている。現在Swapboxの料金は配達1回につき1.99ドルで、成功するためにはBufferboxと価格面でも戦う必要がある。

さあいよいよGoogleの出番だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Googleストリートビュー “Hyperlapse” は世界をさまよう新しい方法

Googleのストリートビューは、過去10年で最も興味深く、かつ正当に評価されていない技術成果と言えるが、デスクトップやモバイルで見るGoogleマップは少々静的で残念なことも確かだ。トロントのUXデザイン会社、Teehan+Laxの新プロジェクトは、ストリートビュー画像からHyperlapsesと呼ばれる早送りアニメーションを作り出し、ストリートビューをより没頭的体験にする。

利用者は、Teehan+Laxがあらかじめ設定した、ゴールデンゲートブリッジやオーストラリア奥地のダートドライブ等のルートを選ぶか、単に検索してA地点B地点を指定し自分専用のストリートビューを作ることもできる。魅力的な景色や建物が特にすばらしいHyperlapseを作るのはもちろんだが、私が自宅の前後数ブロックから作った短いループでさえ人をとりこにする。

同プロジェクトは今のところ興味深い技術デモのレベルであ実用性は殆どないが、Teehan+LaxはソースコードをGithubで全公開している。このツールはChromeに最適化されており、かなりCPUを食うので冷却ファンが回り出すかもしれない。しかし、ザ・ポスタル・サーヴィスの10周年記念アルバムが出ると、完璧な時間の無駄遣いが始まりそうだ。このアルバムは、どんなストリートビューのHyperlapseにもぴったりのサウンドトラックになる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebook、 近況アップデートに「今何してる?」をワンクリックで投稿できるエモーティコンを導入中

これで自分の感情を表現するのがもっと簡単になるかもしれない。現実の複雑な状況や感情を単純化しすぎるものだという批判も出るだろう。

今日(米国時間4/9)、Facebookは自分が現在やっていることやムードをアイコン(エモーティコン)で表現するオプションを近況アップデート窓に追加した。ドロップダウン・メニューからさまざまなエモーティコンが選択できる。

Facebookがこのオプションをテストし始めたのは今年の1月だが、これまではスクリーンショットしか公開情報がなかった。現在アメリカで一般ユーザーへの公開が始まっているが、おそらく他の地域にも拡大されるのだろう。[アップデート:Facebookは私の問い合わせに対して「われわれはこの機能をアメリカで一般ユーザーに公開中だ」と確認した。] この件に関するネットへの投稿はほとんどはアメリカ居住者からで、昔のMyspaceのムード共有機能に似ているという声が多い。

この機能が公開されたユーザーの場合、デスクトップでもモバイルでも、「写真を追加」と「プライバシー設定」のアイコンの間にニコチャン・マークのアイコンが表示される。

このエモーティコンは「今のどんな気分? 何を見ている? 聴いている? 飲んでいる? 食べている?」から選べる。それぞれクレリックするとサブメニューが開く。自分で補足入力もできる。共有するとそのエモーティコンが投稿に表示される。あるいはゲームをしているならそのページへのリンクが表示される。

エモーティコンを利用すると小さいポップアップが開き、「この機能を利用した情報はプロフィールその他のFacebookのページにも表示されます」という注意書が表示される。つまりFacebookページの推薦やグラフ検索、そしてFacebook広告として公開される可能性があるということだ。この機能のビジネスの側面についてはこの機能が一般ユーザーに広く公開されてから研究することにしたい。


Facebookがわれれわれの感情まで正確に把握できるようになれば、悲しいときやコーヒーを飲んでいるときに、それに応じてアルゴリズが調整されてティッシュペーパーの広告が表示されるようになるかもしれない。しかし同時に、この機能はソーシャルメディアにおけるコミュケーションに2つの側面で重要な影響を与えそうだ。われわれは今自分が何をしているか語るのが好きだ。どんな音楽を聴いているか、どんなテレビ番組を視ているか、どんな場所で酔っ払っているか、等々だ。そういった情報を分類しタグづけして簡単に共有できるようになれば、ソーシャルな会話はいっそう緊密になるだろう。

最近の私のお気に入りのミュージシャンはRobert Delongだが、いちいちその名前で検索しないでも、「今何を聴いている」のドロップダウンから自動補完で簡単に共有できる。私の友達はこの投稿をクリックしてDelongのFacebookプロフィールページを訪問し、再生ボタンをクリックすれば好みのストリーミング・サービスで楽曲の再生が始まる。いちいち検索してYouTubeのリンクを投稿にコピペする必要がない。すべて近況アップデート窓の中だけですむ。


感情のエモーティコンはやや微妙な問題をはらんでいるかもしれない。感嘆符や罵り言葉を多用するタイプのユーザーにとって感情ははっきりしている。 ワンクリックで感情が表現できるのはこういうユーザーにとっては便利だろう。しかし表現するのが難しい感情を持つ場合も多々ある。退屈しているのでなければびっくり仰天しているといった2分法が不適当な場面も多いだろう。

しかし事前に用意されたエモーティコンがあれば、以前より感情の表現が容易になる場合もある。Facebookにとってはそれで十分ということだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


米Vudu社、物理的侵入を受けハードディスクドライブを盗まれる

侵入事件が相次いでいる。しかし今回は物理的な、現実世界の侵入であり、最近聞き馴れてきたデジタルの類ではない。

ビデオストリーミングサービスで2010年にWalmartに買収されたVuduは、先ほど同社顧客に対してメールを送り、3月24日、カリフォルニア州サンタクララの同社事務所が窃盗にあったことを伝えた。

クレジットカード番号はほぼ無事だと思われるものの(Vuduによると下4桁以外は保存していない)、窃盗団は顧客名、暗号化されたパスワード、メールアドレス、電話番号等を含むハードディスクドライブを複数台持ち去った。

ハードディスク内のパスワードは暗号化されていたと言われているが、Vuduは直ちに全アカウントのパスワードを無効とし、ユーザーにはセキュリティーに関して「予見的行動」をとるよう促した(即ち、Vuduアカウントを持っている人で、同じパスワードを他のサイトで使っている人は変更すべきである)。

Vuduは同社事務所への侵入があったことを正式に認め、その後の対策について以下の声明を発表した。

2013年3月24日、VUDU社事務所に何者かが侵入し、ハードディスクを含む複数の物品が盗難にあった。ディスクには、名前、メールアドレス、住所、アカウント履歴、生年月日、及び暗号化されたパスワード等の顧客情報が保存されてたが、クレジットカード番号の全桁は含まれていない。当社は予防手段として全アカウントのパスワードをリセットし、全顧客に通知した。さらに顧客の安全を期すために、当社では個人情報保護サービスのAllClear IDも提供している。当社は侵入の事実を直ちに当局へ連絡し、全面的に捜査に協力している。

ちょっと待て。3月24日って? Vuduが窃盗事件を報告したの良いが、なぜそれに3週間もかかる?

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(翻訳:Nob Takahashi)


eコマースの未来は日本から―Marketplace 3.0を出版した楽天の三木谷浩史インタビュー[ビデオ]


eコマースの未来や如何に? 日本を代表する富豪であり、日本の巨大eコマース企業、楽天のファウンダー、CEOのミッキーこと三木谷浩史によればオンライン・ストアの成否を決めるのはホスピタリティにあるという。新著〔英文による出版〕、Marketplace 3.0; Rewriting the Rules of Borderless Business(Marketplace 3.0―ボーダーレス・ビジネスのルールを書き換える)で三木谷は小売業の将来ビジョンを描いている。今回のインタビューで三木谷は「小売業はオンライン化によって従来のマスプロ、大量流通の定型的体験からもっとカスタマイズされた体験にシフトする」と語った。

三木谷はeコマースが社会のデジタル化のトレンドの中で革新的存在であり続けるためにはホスピタリティ・モデルを採用しなければならないと説く。 「オンラインストアはもっと礼儀正しく、親切にならなければいけない」という主張は、私には「もっと日本化しなければいけない」ということのようにも思えた。

いずれにせよ、三木谷と楽天は侮りがたい存在である。時価総額150億ドルの楽天はBuy.comやeブックのKoboを買収し、1億ドルをPinterestに投資している。デジタル・ビジネスにおいて今やRakutenは本物のグローバル・プレイヤーだ。ミッキー・ミキタニと1万人のRakuten社員はボーダーレス・ビジネスのさまざまなルールの書き換えに励んでいる。eコマースの未来は事実、ここにあるのかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


WikiLeaksがデータベースと検索エンジンを開発–70年代中期の200万点近い外交公電を研究できる

[今やWikiLeaksは検索エンジンだ。]

何でも流行語で言いたい人は、これを“ピヴォット(pivot, 方向転換)”と呼びたいかもしれない。悪名高き機密文書公開サイトWikiLeaksが、特定の文書を対象とする検索エンジンを開発した。これがもっぱら検索するのは、“キッシンジャーケーブル(Kissinger Cables)”と呼ばれる170万点の歴史的外交公電だ。時期は1973〜76年、その一部は当時の国務長官Henry Kissinger(ヘンリー・キッシンジャー)が関与しているとされる問題多き電信だ。つまりそれらは、“合衆国がファシストの独裁者たちと関係を持っていたことを暴露している…とりわけ、ラテンアメリカ各国、フランコ時代のスペイン(+スペイン王族)、そして軍事政権時代のギリシャだ”、日曜日の夜のプレスリリースでWikiLeaksはそう主張している

“政府の公文書館は信用できない”、とWikiLeaksの広報Kristinn Hrafnssonが説明する。それが、今の同時代の公電のリークではなく、機密扱いが解除された(しかし知る人の少ない)歴史的ドキュメントを、特製の検索エンジンを介して公開する理由だ、と。“複雑さを装った秘密もある。だからうちでは、これらのファイルをうちにある既存の公電と合体させて、多大な努力により、ユーザフレンドリで分かりやすいデータベースを構築することにした”。

WikiLeaksの主張によると、政府は一部の文書をこれまでに何度も再機密化しようとした。それらは国立公文書記録管理局(National Archives and Records Administration< NARA)から得られたものである。WikiLeaksはそのデータベースをPublic Library of United States Diplomacy, 略称"Plus D"(合衆国の外交の公開ライブラリ)と名付けている。Twitterのハッシュタグは後者だ。

WikiLeaksには2010年以降、匿名のおいしい提出物がない。財政難と、リーダーJulian Assangeの法的トラブルの中で、なんとか生き残りを図る必要がある。Assangeは現在、ロンドンのエクアドル大使館に身を隠している。

おそらくこの検索エンジンは、良い結果をもたらすだろう。それがだめなら、ファッショナブルなWikiLeaksグッズを買って、彼らの財政を支えてあげるのはどうだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


BlinkとServoとRust: ブラウザの次の進化の方向性が見えてきた

先週は、ぼくのようにブラウザを追っているブロガーにとっておもしろい週だった。週の終わりには、Internet Explorer 11がWebGLとSPDYをサポートするらしい、という話も聞いた。その前の火曜日にはMozillaがメールで、MozillaのCTO Brendan Eichへの電話インタビューの可能性を打診してきた。その話題は次世代のブラウザエンジンServoと、それが書かれているプログラミング言語Rustだ。しかしMozilla Researchが単独でこれらを手がけているのではなく、この、マルチコアプロセッサと異種混成的なアーキテクチャ向けに最適化されている新型エンジンをAndroidとARMに実装する作業には、Samsungが協力しているのだった。MozillaはこれまでServoについてあまり何も発表しなかったから、今こうやって大きく発表することは少々意外だ。

おもしろいことに、GoogleのChromeのチームが話をしたいと言ってきたのも、先週の火曜日だ。おかしなことに、そのときの広報の連中は、いつもと違って、詳しい話を何もしない(通常は、何の話かぐらいは事前に教えてくれる)。Googleのエンジニアリング担当VP Linus UpsonとOpen Web PlatformのプロダクトマネージャAlex Komoroskeは、WebKitをフォークしてWebKitベースの独自のレンダリングエンジンBlinkをローンチする、と言った。ぼくは自分が話を聞き間違っていないか気になって、何度も彼らに念を押した。WebKit開発の外部の人間ににとっては、GoogleがWebKitの本流を去るという話を、にわかには信じられない。一般的にWebKitは、ChromeとSafariのおかげでデスクトップとモバイルで大成功した、と見られている。それを独自フォークする理由が、思い当たらない。

でもBlinkは正しい

だからGoogleのWebKitフォークは先週のいろんな発表やリークの中で、いちばん話題になった。Googleはフォークの理由を純粋に技術的なものと言うが、WebKitは今でもAppleとGoogleが仲良くやっている数少ないものの一つだから、政治的動機も疑われる。しかもWebKitへのコード貢献量は、このところGoogleが最大なのに。

今後の成り行きを予言するのは早すぎるが、ぼく自身はかなり楽観的だ。たしかに、Webデベロッパが自分のコードを試験すべきレンダリングエンジンが一つ増えてしまう。でもChromeのチームによれば、それは彼らにとって“苦渋の決断”だった。Googleはレンダリングのスピードを上げたいが、WebKitは今いろんなブラウザで使われている。だから、WebKit本流における抜本的な改作は難しい。

Chromeのチームは、“ブラウザが複数あることと同じく、レンダリングエンジンも複数あった方が、今後の健全なイノベーションを刺激し、オープンなWeb全体のエコシステムの健康にとって良い”、と考えている。たしかに、そのとおりだろう。2008年にChromeが突然現れてから、ほかのブラウザのイノベーションは加速した。当時の競争の中心は、高速なJavaScriptエンジンの開発だった(そしてWebKitを使っているブラウザも、JavaScriptエンジンはそれぞれ違っていた)。BlinkとServoという新しい馬が走り出した今は、レンダリングエンジンも重要な競争の要素になり、そしてその競争は、より速くてより安定的なブラウザを求めるユーザとデベロッパに利益をもたらす。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


2013年Q1、アプリストア総売上22億ドル、ダウンロード134億回、Google、Appleの2社寡占が続く

AppleのApp StoreとAndroid用Google Playは、依然として世界のモバイルアプリをリードしており、BlackBerryとMicrosoftのWindows Phoneは「水をあけられた挑戦者」から抜けられない。今日(米国時間4/8)のCanalysによると、2013年Q1にトップ4アプリストア合計で、134億ダウンロード、有償アプリ、アプリ内購入、および購読で売上22億ドルを記録した。しかし、Googleは世界最大のスマートフォンプラットフォームとして以前からAppleをリードしているにもかかわらず、こと収益化となるとAppleが未だに文句なしのリーダーだ。全ダウンロードの51%(68億回)がGoogle Playだが、AppleのApp Storeは全売上の74%(16億ドル)を占めている。

ダウンロード数に関して、AppleはGoogleにさほど大きく離されてはおらず約40%。BlackBerryとMicrosoftは依然として1桁パーセントに留まっている。Canalysの上級アナリスト、Tim ShepherdがTechCrunchに伝えたところによると、GoogleとAppleの差は、Androidの世界スマートフォン市場での支配状態が続く限り、広がっていくだろうという。

しかし売上でGoogleが追いつくにはまだまだ時間がかかりそうだ。Appleの74%に比べて、Googleは「20%足らず」だと彼は言う。それ以外は1桁だ。

ダウンロード数では前四半期から11%伸びており、売上では約9%増だ。市場別で見ると北米は売上が8%増、ダウンロード6%増、ヨーロッパ西部ではそれぞれ8%、10%の増加だった。

このAppleとGoogleのプラットフォームへの集中は、他社にとって端末でSamsung/AndroidとAppleに立ち向かうのが大変なだけでなく、コンテンツに関しても同じことが言えることを意味している。

これは挑戦者たちにとってあまり良いニュースではない。彼らは自分たちのハードウェアの魅力を高めるために、それぞれのアプリストアに大きく力を注いでいる。例えば、デベロッパーに協力して重要なアプリを比較的小さい市場に投入してもらう、あるいは有名アプリを新しいプラットフォームにもたらすキャンペーンなどだ。(有名なところでは、InstagramをWindows Phoneに載せるようNokiaが取り組んだ)。

それでも、アプリ数の差異はデベロッパーがどのプラットフォームに力を注ぐかの指標の一つだ。AppleとGoogleは50万アプリを大きく越えているが、BlackBerryは10万本前後だ。

このアプリ数の多さが示すもう一つの重要なポイントは、より一般的なウェブ利用と釣り合いを保っていることだ。モバイルウェブがオープンでチャンスが大きいかどうかに関わらず、モバイル端末でアプリが主要なアクセス手段である限り、それがデベロッパーの判断基準になる。タッチスクリーンの世界では最初の入口はアイコンのようであり、ハードウェアをフル活用した体験は、今後も消費者にとって必須だろう。

困難な状況とあまり期待のできない数字をよそに、Canalysは今でもBlackBerryとMicrosoftにはそれぞれ状況を改善するチャンスがあると見ている。

「AppleのApp StoreとGoogle Playは、未だに世界アプリストアの重鎮だ。一方BlackBerry WorldとWindows Phone Storeは、今は大きく離されているものの、やは無視できない存在である」とShepherdは語った。

Canalysは、これらの後発アプリストアが、南アフリカ、ブラジル、インドネシアのように未だ成長の余地のある未成熟市場にどう取り組むかによって、チャンスはあると見ている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


文字のパスワードはもう古い。UCバークレー教授が「パス思考」を開発中

「パスワードをタイプする代わりに、将来はパスワードを思い浮かべるだけでよくなる」と、UCバークレー情報スクールのプレスリリースは説明する。これは数字や文字のパスワードの代わりに脳波を利用して個人認証を行う研究だ。100ドルの消費者向け脳波検知ヘッドセット、Neurosky MindSetを使って、John Chuang教授は、集中して息をするたけで個人を特定できることを発見した

脳波測定装置、即ち脳電計(EEG)は、頭皮上の電気的活動を測定し、その波長から特定の気分、精神状態、および行動を推測する。過去数十年にわたり脳電計を使用した多動症候群、心的外傷後ストレス障害など様々な精神衛生問題の治療が研究されてきた。

技術の進歩によって脳電計の大きさも価格も小さくなり、Neuroskyのような家内工業製品によって、思考制御コンピューターの普及が可能となった。上の画像は本誌のAnthony HaがNeurosky強化版ネコミミを着用しているところで、ユーザーが神経を集中すると回転する。

「パス思考」(passthought)研究の次の段階では、親しみやすい思考対象を見つけることに集中する。これまでのテストでChuang教授は、被験者に好きなスポーツの動作を演じているところを想像するよう依頼したが、「実際に動かさずに自分の筋肉が動くところを想像するのは不自然である」ことがわかったという。

しかし、解読不能パスワードの登場をセキュリティー強更硬論者たちが喜ぶ前に、研究者たちは人の思考を「ハック」することに成功している。バークレーの別のチームは、見覚えのある情報について考えさせることによって、ATMの暗証番号などのデータの抽出が可能であることを発見した。

つまり、もし今後〈パス思考〉が主流になることがあれば、署名を思い浮かべるのはやめた方がいいかもしれない。赤ん坊にキャンディーを渡すことだけ考えることだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)