A/Bテストプラットフォームのオプティマイズリーが約54億円を調達

ウェブ上やモバイルアプリ上でA/Bテストやパーソナライゼーションのためのツールを提供するプラットフォームのOptimizely(オプティマイズリー)は米国時間6月18日、合計1億500万ドル(約114億円)を調達したことを発表した。この内訳は、Goldman Sachs Private Captialが主導し、Accenture Venturesが参加したシリーズDの5000万ドル(約54億円)と、Bridge Bankからの5500万ドル(約60億円)の与信枠である。

Goldman Sachsのマイケル・コンドレオン(Michael Kondoleon)氏が、Optimizelyの取締役会に加わる予定だ。

「市場における私たちのポジションを固めてくれるこれらの投資によって、今回のマイルストーンに達することができたことを、私たちは大いに喜んでいます」と、OptimizelyのCEOであるジェイ・ラーソン(Jay Larson)氏は私に語った。「Optimizelyと競合他社との間の差をさらに広げるために、私たちは製品対してさらなる投資を行うことができますし、地理的にも拡大することができます。そして私達は、世界クラスのデジタル最適化エキスパートチームを成長させ続けて行くつもりです。今日はOptimizelyにとって大切な日であると同時に、実験とパーソナライゼーション業界にとっても大切な日なのです」。Fortune 100社の約4分の1が、現在同社のサービスを利用していると同社は述べている。また同社は現在1日あたり60億件のイベントを処理していて、過去2年の間に顧客たちはデジタルエクスペリエンスの最適化への投資額を3倍にしたと語っている。現在の顧客に含まれるのは、例えば、Gap、Visa、IBM、StubHub、Metromile、Lending Club、そしてSonosなどだ。

Optimizelyはこれまでに累計で、与信枠を除いて2億ドル(約220億円)以上を調達している。Bridge Bankからの追加の5500万ドルは少々珍しいが、このステージの企業にとって完全に無縁のものというわけではない。「Bridge Bankは、デジタルエクスペリエンス最適化市場の最先端の世界的リーダーであるOptimizelyと、協力を続けていけることを誇りに思っています」と語るのはBridge Bankのテクノロジーバンキンググループの上級副社長件西部地区ディレクターのマイク・リーダーマン(Mike Lederman)氏である。「Optimizelyは大いなる成長の道筋を歩んでいます。今回の追加の資金によって、トップグローバルブランドの採用が増加している、市場を牽引する製品の開発を続けることが可能になるでしょう」。

このステージの企業にとっては普通のことだが、Optimizelyは新しい資金を成長を促進するために使用する。

画像クレジットalex_skp / Getty Images

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(翻訳:sako)

歯科医療者向けSNSの「1D」が3500万円の資金調達、歯科材料通販大手と提携し会員獲得基盤を強化

歯科医療者向けのSNS「1D」提供のワンディーは6月17日、歯科医院向け通販を手がけるフィードと資本業務提携を締結し、同社を引受先とする3500万円の第三者割当増資を実施したと明かした。

昨年TechCrunch Japanが主催したイベント「TechCrunch Tokyo 2018」内のピッチコンテスト「スタートアップバトル」のファイナリストであるワンディーにとって、今回が初の資金調達となる。

2017年1月設立のワンディーは2018年7月に1Dをリリース。1Dは歯科医療者が臨床知見や顧客から受けた相談内容をシェアするプラットフォーム。歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士など歯科医療者が集まるSNSとなっており、これまでに8000名以上の歯科医療者が会員登録し、1000件以上の症例がシェアされた。当初はウェブ版のみだったが、現在はiPhone版ならびにAndroid版もリリースされている。

ワンディーいわく、「日本の歯科医院は『ひとり開業医』が多く、臨床知見の共有に課題が生じていた」。そのため、「オンラインで症例をシェアする場を作ることで、歯科医療者みんなで作るナレッジベースの構築に取り組んでいる」。

ワンディーは他にも「世界の歯科スタートアップ最前線」と題された記事などを発信する歯科医療ニュースメディアの「1Dニュース」、歯科国試に向けた勉強用アプリ「1D歯科医師国家試験」、歯科衛生士国家試験の対策アプリ「1D衛生士国試」なども展開している。

「全国の歯科医院の90%以上を顧客に持つ」というフィードとの資本業務提携により、ワンディーは会員獲得基盤をより強化し、歯科医院向けの新規事業を創出していく。「歯科医療の業界特化スタートアップとして株式上場を目指す」そうだ。

ワンディー代表取締役の松岡周吾氏いわく、同社は調達した資金をもとに、開発体制を強化し、コンテンツの拡充を目指す。1月には1Dにイベント機能が実装されたと発表されたが、今後は辞書機能の「ライブラリー」などを追加する予定。また、フィードの扱う商品を「レビュー」できるようにしていく。

Apple TVがピクチャー・イン・ピクチャーを搭載、2番組を同時視聴可能に

Apple TVがピクチャー・イン・ピクチャーモードをサポートすることになり、2つの番組を同時に視聴できることになる。TechCrunchもそのことを確認したが、今朝最初に報じたのはアップル関連のニュースサイト9to5Macだ。本日は、tvOSも含むアップルのすべてのオペレーティングシステムの新しいベータバージョンがリリースされた日だ。

TwitterのユーザーNikolaj Hansen-Turton氏によると、tvOS beta 2をインストールすると。画面の右下の小さなウィンドウで別のコンテンツをプレイする新しいオプションが用意されていることがわかった。その小ウィンドウは、Apple TVのメインの画面にオーバレイされる。つまりそれは、ピクチャー・イン・ピクチャーモードだ。

やがて、いくつかのサイトがこのニュースを報じた。

でも、よくわからないのは、それが最小化されたビデオプレーヤーにすぎないのか、それとも本当のピクチャー・イン・ピクチャーか、という点だ。ツイートの写真やビデオを見ると、メイン画面は静的なバックグラウンドのようだ。2つの番組が同時に映ってる感じではない。でもこれまでの私たちの理解によれば、Apple TVは二つの番組をストリーミングする機能をサポートするはずなのだ。

ただし、いくつかの「ただし」がある。

まず、ピクチャー・イン・ピクチャーがサポートされるのは、アップルが提供するコンテンツのみだ。それに含まれるのは、iTunesで買ったコンテンツ、最近ローンチしたApple TV+のサブスクリプションサービスでストリーミングされるテレビ番組や映画、そしてApple TV Channelsでストリーミングされるビデオだ。

Apple TV Channelsは、5月のTVアプリのアップデートで導入され、HBO、Starz、Showtime、EPIX、Tastemade、Smithsonian Channelなどなどの有料アドオンにサブスクライブできる。AmazonのPrime Video Channelsの有料サブスクリプションや、もっと最近のRokuのChannelにも似ている。

たとえばアップルのTV ChannelsでHBOに加入していれば、tvOSのニューバージョンが今秋後半に公開されればHBOをピクチャー・イン・ピクチャーモードでウォッチできる。HBOにウェブサイトのHBONOW.comやサードパーティのHBO NOWアプリで加入しているなら、それはピクチャー・イン・ピクチャーで見ることができない。

アップルはTV Channelsの有料サブスクリプションを今後増やすつもりだから、そうなるとピクチャー・イン・ピクチャーで見られるコンテンツも増える。

サードパーティが自分のコンテンツやアプリをピクチャー・イン・ピクチャーにするためのデベロッパーツールを、アップルはまだ提供していない。そうなるまでの間は、Apple TV Channels経由で有料番組を見るしかない。ピクチャー・イン・ピクチャーがサードパーティのウェブサイトやアプリもサポートすれば、Apple TVの収益も増えて好都合ではないだろうか。

今月初めのアップルのWorldwide Developer Conferenceでは、新しいソフトウェアが紹介される場であるにもかかわらず、ピクチャー・イン・ピクチャーモードは発表されなかった。今日それが発表されるなんて、Apple TVのファンにとってはうれしいサプライズだろう。

ピクチャー・イン・ピクチャーモードはApple TV 4KとApple TV HDの両方でサポートされるはずだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

おたく商品のThinkGeekが閉店してGameStopの1セクションに

マニアックなグッズや気の利いたエイプリールフールジョークを愛する人たちに悲報。おたく好みのガジェットや未来志向の周辺機器で知られる20年続いたオンラインショップの「ThinkGeek.com」が姿を消す。

サイトのトップに表示されたFAQによると、ThinkGeekは「閉鎖」するのではないが、われわれの知っていたサイトではなくなる。代わりに、GameStop(2015年に1.4億ドルでThinkGeekを買収した)の中で昔の面影を残して生き続ける。

FAQにはこう書かれている:

2019年7月2日をもって、ThinkGeek.comは親会社のGameStopの中に引っ越します。その後はGameStopのThinkGeekセクションで、かつてThinkGeek.comに見られたユニークな商品の精選されたセレクションを購入いただけます。

「精選された」が重要だ。なぜなら、ThinkGeek.comがカバーしてきたマニアの世界を、GameStop内のいくつかの陳列棚で賄うことは不可能だからだ。マーベルからスター・ウォーズ、ハリー・ポッターからトールキンまで、あらゆるファンたちの好みを一箇所で受け止めてきた。

ThinkGeek.comは(いや、たぶんかつては)探索するのがたのしい店だった。私はそこへ行くと必ず、時間を忘れて次から次へとカテゴリーを渡り歩いてはクリックを続け、スター・ウォーズのTシャツやたぶん必要のないAperture Scienceのグラスを買うためにクレジットカードを差し出すことがしょっちゅうだった。「なんだこれは、ほら見てらん! ほらこれも! これも!」というあの気持がGameStopサイトに生まれる新しいセクションでも感じられることを願うばかりだ。

全米に展開されているThinkGeekの小売店40店舗は営業を続けることも同社は発表した。

最近同サイトは、クリアランス商品の75%オフセールを何度か繰り返してきたが、現在はサイト全体で50%オフのセールを実施して在庫の一掃をはかっているようだ。

そしてなによりも残念なのが、ThinkGeekのエイプリールフールジョークを見られなくなることだろう。多くの会社が、人々の笑いをとろうとやりすぎていると感じられる昨今、ThinkGeekはいつもいい塩梅だった。商品一覧にフェイク製品を混ぜてユーザーを楽しませてくれた。例えば・・・

フォートナイトのラジコンバトルバス:

あるいは、アクバー提督の歌う魚:

あるいは、本当にすばらしいトーントーンの寝袋(あまりの人気にサイトが実際に販売する結果になった):

残念。

6月13日以前に注文した商品の返品は受け付けるとThinkGeekは言っている。また、ThinkGeekギフトカードを持っているひとは、GameStopのオンラインおよび実店舗で利用できる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アメリカン航空が衛星ベースWi-Fiを主要機材に導入完了

機材数と旅客数で世界最大の航空会社であるAmerican Airlines(アメリカン航空)は、同社の主要機材である700機以上のナローボディ機(主に国内線を飛んでいるボーイング737、エアバス319と320)に衛星ベースのブロードバンドWi-Fiの搭載を完了した。衛星とつながったこれらの機材では、個人のデバイスにストリームできる12の無料チャネルが提供され、このサービスはこれまで対象外だった国際便でも利用できる。

快適なビジネスクラス席に座って出発前のシャンパンを飲んだりするのでなければ、旅行の目的はなんであれ、飛行機での旅は実際には楽しくもなければリラックスできるものでもない。ただ、もし機内で仕事を済ませなければならないとしたら、速くて安定したWi-Fiを利用できることは大きな意味を持つ。

今日のアメリカン航空の発表は、今回と同じシステムを全ワイドボディに導入したという昨年あった発表に続くものだ。しかし昨年の導入規模は、ナローボディ機のわずか13%にすぎなかった。

1つ記すに値すると私が考えることは、アメリカン航空は最も古いMD-83をこのサービス導入の対象としていないことだ。MD-83機材ではWi-Fiのアップグレードはこれまで実施されていない。というのも近代的なジェットに入れ替えが進んでいるからだ。

Wi-Fiを使えるようにしている技術に関していえば、アメリカン航空はGogo 2KuまたはViaSat Kaを使った衛星ベースのシステムに頼っている。初期の地上ベースのシステムとは異なり、衛星システムはカバーエリアが広く(海上も含む)、接続も安定しているという明らかなメリットがある。この新しい衛星ベースのシステムではまた、接続スピードがかなり速い。アメリカン航空のライバルの一社であるデルタ航空は保有機材のほとんどを衛星ベースのシステムにアップデート中で、その一方でユナイテッド航空の事情はやや複雑だ。

「旅の体験を高めることは、アメリカン航空の最終目標の一つであり、居間と同じレベルのエンターテイメントと接続性を顧客に提供するために懸命に取り組んできた」とマーケティング・ロイヤルティ・セールス担当上級副社長のKurt Stache氏は述べた。「2年もかからずして主要機材へのブロードバンドインターネットの導入を完了し、機内で過ごしてもらうことを大切にしていると顧客に示すために、我々は今後も業界で新たなスタンダードをつくり続けるだろう」。

アメリカン航空はまた、間もなく主要機材とローカル機材2クラスの各座席に電源コンセントを設置する。競合する他の航空会社と同じように、アメリカン航空もエンターテイメントの座席配備のほとんどをやめて、顧客のスマホやタブレット端末にコンテンツを流す個人デバイスエンターテイメントを採用している。またナローボディ機の大半でもタブレット端末所有者にこのエンターテイメントを提供しつつある。

他社と違ってアメリカン航空はチャットアプリへの無料Wi-Fiは提供していない。一般的な無料Wi-Fiもそうだ。それでも、アメリカン航空を頻繁に利用する人なら、他の航空会社が現在も活用している古いシステムから格段にアップグレードされた安定したWi-Fiを使えるようになるのは嬉しいだろう。

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(翻訳:Mizoguchi)

アプリ開発からユーザー分析までをSaaSで一気通貫、ヤプリが約30億円を調達

ヤプリは6月17日、総額約30億円の資金調達を実施したことを発表した。

具体的には、Eight Roads Ventures Japan(旧・Fidelity Growth Partners Japan)がリード投資家となり、既​存株主のグロービス・キャピタル・パートナーズ、YJキャピタル、そして新たにSMBCキャピタルを引受先とした第三者割当増資と、みずほ銀行、りそな銀行、日本政策金融公庫からのデットファイナンス(金融機関からの借り入れ)。内訳は、第三者割当増資で約22億円、デットファイナンスで約8.5億円。

なお、同社はこれまでグロービス・キャピタル・パートナーズ、YJキャピタル、salesforce.com, inc、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、川田尚吾氏らから約10億円の資金調達を実施していたので、累計調達総額は約40億円となる。

300社超の導入実績があり、解約率は1%以下と好調

ヤプリは、2013年4月設立のスタートアップ。プログラミング不要でスマートフォンアプリの開発・運用を可能にするサービス「Yappli」を提供している。これまで300社以上の企業が導入済みで、解約率は1%以下を維持。売上高は前年比約2倍で成長しているそうだ。また、Yappliで開発されたアプリの累計ダウンロード数は3500万(2019年5月実績)を突破したとのこと。

今回調達した資金は、主にプラットフォームの拡大に必要なプロダクト開発と人材の採用、マーケティング活動へ投資する。マーケティング関連では、機能開発と並行した広告活動へ投資することで顧客基盤の拡大などを目指す。

Alexaの子供向け音声アプリで両親の承認付き購買が可能に

Amazonは、開発者に対して、子供向けのAlexaスキルの中でプレミアムコンテンツの購入が可能になるようにした。6月14日に同社は、アプリ内購入機能を開発するための新しいツールを発表した。このアプリ内購入は、Amazonアカウント所有者(典型的には母親か父親)が、SMSやメールで送られてくる購入要求を、承認したり拒否したりすることができるというものだ。

スキル内の購入機能が、全米のAlexa開発者に最初に開放されたのは昨年のことだったが、最近世界中の開発者たちも利用可能となった。しかし、他の子供向けアプリと同様に、キッズカテゴリの中にあるAlexaのスキルには購入承認ワークフローを提供することが求められていた。さもなければ、子どもたちによって、親の立場からは承認できない購入が行われてしまう危険性があるからだ。

それこそが、新しい開発者ツールが使われる場所となる。

現在開発者は、 Alexa Skills Kit Command-Line Interface(ASK CLI)、またはAlexa Developer Consoleを使って、子供用プレミアムスキルを開発することができる。 新しいツールを使うことで、スキルからの購入要求を、SMSもしくは電子メール経由でアカウント保有者に送信することができる。その後アカウント保有者が24時間以内に要求を承認しなければ、その購入要求は自動的に取り消される。

プレミアムコンテンツは、ワンタイム購入またはサブスクリプションのいずれかの形式で提供される可能性があるとAmazonは述べている。

一部の開発者たちは既にツールへの早期アクセスを用いて、自身の子供向けスキルにプレミアムコンテンツを追加済みだ。そうした開発者に含まれるのは、Amazonの開発者コンテストの優勝者や、Kids CourtYou Choose Superman AdventuresTravel QuestAnimal Sounds、そしてMaster Swordsなどのスキル開発者たちである。

自分の子供が何かを買うことを望んでいない親たちには、これらすべてからオプトアウトするための2つの選択肢がある。

1つは、Alexaアプリの設定→Alexaアカウント→Voice Purchasing(音声購入)→Kid Skills Purchasing(子供スキル購入)から機能を無効化する方法だ。一方、Echo Dot Kids Editionに付属しているFreeTime on Alexaの顧客の場合は、プレミアムコンテンツの購入機能は提供されない。そして、FreeTime Unlimitedにアップグレードした場合には、サブスクリプションに含まれる多くのプレミアムコンテンツを手に入れることができるようになる。

この子供向けスキルのプレミアム購入オプションの追加は、Amazonにとって難しい時期に行われようとしている。

Amazonは、 Alexaの子供のプライバシー侵害に関する新たな訴訟が起こされたことを受けて、今週新しいデザインと内部機能と共にEcho Dot for kidsをアップデートした。訴状によれば、Amazonは同意なしに子供の声を録音したのだという。

最新のEcho Dot for kidsエクスペリエンスの一環として、Amazonは、Family Online Safety Institute(FOSI、オンライン家庭安全研究所)およびさまざまな業界団体と協力し、米国の子供のプライバシー保護法であるCOPPA(Children’s Online Privacy Protection Act、子供のオンラインプライバシー保護法)を遵守するために、FreeTime on Alexaを再構築した。

Amazonは現在、Alexaのスキルによる子供の個人情報へのアクセスや収集を制限しており、両親が子供の音声録音を削除する方法を提供している、と述べている。

しかし、Kids Edition Echoスマートスピーカーとそれに関連する機能セットへの変更は、原告の申し立てに対して完全な解を与えるものではない。

今週行われたAmazonの発表によれば、親たちはAlexaアプリもしくはAlexa Privacy Hubを介して録音をレビューしたり削除することが可能になった。そしてカスタマーサービスに対して自分の子供のプロフィールを削除するように要求できるようになっている。しかし、訴訟では、Amazonが録音を管理する方法(両親に行動を取るよう促す方法)は理想的ではないと述べられている。原告らは、例えばAppleのSiriは記録を短期間だけ保存するだけで、自動的にそれらを削除することを指摘している。

さらにCNETは、たとえ利用者が自身で録音を削除したとしても、Amazonが文字起こしされたテキストを保持し続ける可能性があることを発見した

プライバシー規制が、技術のペースに追いつくには時間がかかる。子供がいる家庭でスマートスピーカーをどのように運用するべきかに関する現在の課題は、そうした問題の1つの例なのだ。親たちはこれらのデバイスを購入してインストールする一方で、Alexaの知性がアルゴリズムとAIだけで支えられているのではなく、人間によっても支えられているということはあまり意識していない。すなわちそこでは人間が録音を聞き、エラーをチェックし、そのデータを使ってAlexaの動作を改善しているのだ。

もちろん、この種のことをあまり気にせず、その侵害の可能性に関係なく、単にデバイスを使用することを楽しむ人びともいる。そうした人びとは、特に家族がそのスキルを一緒に楽しんでいたり、価値を付け加えていると感じられる場合には、使っているスキルをアップグレードできることや、お気に入りの開発者を支援できることを高く評価するかもしれない。

Amazonは現在、子供向けスキルを通じて販売する機能を、すべての開発者に提供しているわけではない。購入機能付きの子供向けスキルを開発することに興味のある開発者は、アマゾンに対して自分たちの計画を伝えるためのフォームを記入して提出することができる。そのアプリケーションが選ばれた場合には、Amazonが連絡してくることになる。

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(翻訳:sako)

アップルがカナダ版HPにRaptorsへの賛辞を仕込む

トロントのバスケットボールチームことRaptors(ラプターズ)が米国時間6月15日の夜に2019年シーズンで優勝した。これを受け、Apple(アップル)のカナダ版のウェブサイトにはイースターエッグが仕込まれた。

https://apple.com/caを訪れると、一瞬の間だけウェブサイトのトップを押し下げて表示されるアニメーションを目にすることだろう。最初これを目にしたときには父の日の変わったプロモーションかと思ったものだ。

しかしページをリロードした時、このアニメーションが実際には渦巻く恐竜とカナダ国旗、そしてバスケットボールの絵文字でできていることに気づいた。そしてようやく、これがNBAチャンピオンシップの優勝チームに関連していることがわかったのだ。

なんであれ、このイースターエッグは楽しいし、たぶんクパティーノの本社の了承を得て埋め込まれたものだろう。頂上決戦に破れたGolden State(ゴールデン・ステート)のファンにとっては、苦々しいかもしれないが。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ウォルマートの食料日用品配達が年間98ドルで無制限利用できるように

Walmart(ウォルマート)は、Delivery Unlimitedというシンプルな名称の新たなグローサリー配達購読サービスで、Instacart、TargetのShipt、そしてAmazon Prime Now/Whole Foodsに攻勢をかける。これまでウォルマートのオンラインでの買い物客はグローサリーをネットで注文してローカル店舗でピックアップする無料サービスを利用するか、9.95ドル(時にはこれより少ない)を払って配達してもらうかだった。Delivery Unlimitedは利用ごとに配達料金を払うのをスキップする、第3のオプションだ。

今回ウォルマートが導入するのは、1カ月12.95ドルのプランか、年間98ドルのプランで、いずれも15日間のトライアルが含まれる。

サービス内容はほぼ同じだ。オンラインまたは「Walmart Grocery」アプリで買い物でき、買いたいものをカートに入れ、配達の時間を選ぶ。配達の回数に制限はない。もしウォルマートのオンラインで月に1回以上注文するなら節約できることになるかもしれない。

年間98ドルというのは競争力のある設定だ。Shiptの現在の料金は年間99ドルで、Targetはちょうど今週、Target.comへのShipt統合で、Shiptの買い物客が1回あたり9.99ドルでも利用できるようになることを発表した。一方のInstacartは11月に年間料金を99ドルに下げている。Prime Nowの料金が最も高く、年間119ドルだ。しかしもちろんPrime Nowのこの料金にはグローサーリー配達以外のものが含まれている。Primeは、Amazon.comでの購入商品の即配やストリーミングサービスへのアクセス、無料のeブックなど総合的なお得プログラムだ。

Delivery Unlimitedが現在のところどれくらいの規模で利用できるのかは不明だ。ウォルマートのウェブサイトにあるFAQでは漠然と「あなたのエリアでもDelivery Unlimitedが利用できるチャンスは大いにあります」と書かれている。

オーケー!

このサービスはまた、初期テストマーケットの1つであったと思われるユタのとあるウォルマート店舗のアカウントで3月にあったInstagramへの投稿でもほのめかされている。

我々は詳細をウォルマートに問い合わせているが、Delivery Unlimitedサービスについての質問に対する返事はまだ届いていない。

オフィシャルの「Walmart Grocery FAQ」では購読オプションについて触れておらず、正式な発表も今のところまだない。

他のグローサリー配達事業と異なり、ウォルマートは専用の配達ネットワークや独立した請負業者を有していない。その代わり、 Point Picku、Skipcart、AxleHire、Roadie、Postmates、そしてDoorDashを含む全米の配達プロバイダーと提携している。一時期、DelivUber、そしてLyftと提携していたこともあった。

ウォルマートのオンライングローサリーへのかなりの投資は増収に貢献している。家庭用品やファッションカテゴリーにおける成長とともに、グローサリーもeコマースの成長を引っ張っている。第1四半期ではeコマースの売上高は37%のアップで、1株あたりの利益は予想の1.02ドルを上回る1.13ドルだった。そして、売上高は1239億3000万ドルにのぼった。

ウォルマートは現在、2450店舗でグローサリーピックアップを、約1000店舗で配達サービスを提供している。2019年末までに3100店舗でのピックアップサービス、1600店舗での配達サービスの展開に向けた取り組みは順調とのことだ。

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(翻訳:Mizoguchi)

Spotifyが音楽とポッドキャストをミックスしたプレイリストの提供を開始

ここのところ、Spotifyは音楽とポッドキャストの両方を含む「Your Daily Drive(毎日のドライブ)」という新しいプレイリストを一部でテストしていた

米国時間6月12日、同社はこのプレイリストを米国で正式にスタートさせた。同社によれば、米国全体で年間700億時間が車での通勤に費やされているという。

このプレイリストには、自分が「いいね!」した曲、同社のフラッグシップのプレイリスト「Discover Weekly」と同様のおすすめの曲に加え、The Wall Street Journal、NPR、PRI(Public Radio International)の最新のポッドキャストニュースも含まれる。特にNPR News Now、WSJ Minute Briefing、The Dailyを聞けるのが特徴だ。このミックスには時代を越えた定番の曲もちりばめられるという。

Spotifyが音楽とポッドキャストを組み合わせたプレイリストを提供するのは初めてだ。これは同社がポッドキャストのリスナ一を増やそうとする取り組みのひとつである。

ここ数カ月、Spotifyはポッドキャスト市場に投資してきた。GimletParcastAnchorなどを買収し、1週間ほど前に発表されたようにバラク・オバマ氏とミシェル・オバマ氏のプロダクションであるHigher Groundとも提携する。さらに『VOGUE』や『GQ』を出版しているCondé Nastの元エンターテインメント担当プレジデント、Dawn Ostroff氏をコンテンツ担当のトップとして迎えた

Spotifyは自社のパーソナライズの技術をポッドキャストに導入するという計画をかねがね語っていたが、「Your Daily Drive」はまだその例とは言えない。Spotifyはパーソナライズされた音楽と「信頼できるソースからの最新情報」をミックスすることに取り組んでいる。ニュースのコンテンツは、ユーザーが新しいプログラムと出あうためのツールというよりは、Alexaがニュースのヘッドラインや短いコンテンツを提供する「フラッシュブリーフィング」のようなものだ。

とはいえ、繰り返し聞くうちにポッドキャストの順番はパーソナライズされる。例えばWSJ Minute Briefingをいつも聞いていれば、これが最初に再生されるようになる。

さらにAlexaのフラッシュブリーフィングなどの最新ニュース配信サービスと同じように「Your Daily Drive」は常に新しいコンテンツに更新される。帰宅時には、朝の出勤時とは違う曲とニュースが再生されるということだ。

このプレイリストは安全な運転にも役立つかもしれない。音楽やニュースを聞こうとしてラジオ局やプレイリスト、ポッドキャストをしょっちゅう切り替える必要がなくなる。Spotifyは車内で利用してもらうことにも投資している。最近では、車のシガーソケットか充電ポートに接続し、音声でコントロールできるデバイスのテストを開始したと報じられた。

ポッドキャスト市場の競争が激化したこのタイミングで「Your Daily Drive」は登場した。特にPandoraはSiriusXMを買収してオーディオプログラムに力を入れている。最近、同社はゲノム分類技術をポッドキャストに応用し、音楽とポッドキャストの製品であるPandora Storiesを発展させ、約20種類のSiriusXMトークショーをPandoraのポッドキャストにした

今月開催されたアップルのWWDCでは、MacのiTunesが複数のアプリに分かれることが発表された。そのひとつがポッドキャストの専用アプリだ。同社は、機械学習を利用してポッドキャスト中の話し言葉をインデックス化する新しいポッドキャスト検索機能も紹介した。

米国のSpotifyユーザーは「Made for You」セクションから「Your Daily Drive」を利用できる。車内向けの機能である新しい「ドライビングハブ」も展開中であることをSpotifyは明らかにしている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Kickstarterがプロジェクトの説明や主張のコピーライティングのガイドラインを発行

10周年とCEOを一緒に迎えたKickstarterが、売る側の言葉遣いに改革をもたらそうとしている。

そのHonest and Clear Presentation in Projects(プロジェクトの正直で明快な提示)と題されたページは、こう述べている。

プロジェクトを提示するために選ぶ言葉は、支援者たちの期待感を盛り上げます。プロジェクトの説明は支援者たちに、あなたがこれまでにやったことのリアルで正確な像を与えるものでなければなりません。今、開発のどの段階にあるのか、支援をもとに何を作りたいと考えているのか、それらが明確に分かる説明でなければなりません。

ここで標的になっているのは、最終製品ではなくアイデアとしてのプロジェクトを提示することだ。そして、誇張やいかがわしい主張を避けること。どちらもKickstarterだけの問題ではなく、広告についても一般的に言えることだ。

こんな忠告もある。「形容詞の最上級や大げさな賛辞などを使ってプロジェクトを説明しないように。例えば、世界最高、最小、最速、最初の、究極の、無敵の(他社が追随できない)、革命的な、などなど」。(原文: the world’s best / smallest / fastest / first / the ultimate / unrivaled / revolutionary / etc.)

だから、これらを「世界最高のルール」と呼ぶのもいけない。

Kickstarterはこのガイドラインに関してとても真剣だ。同社のシステム整合性チームのトップであるMeg Heim氏が、The Vergeでこう述べている。「これを一時的な応急処置とは考えておりません。キャンペーンを見た人たちがそのクリエイターを長期的に支援する気になるような、良質な期待感を醸成する提示をしてほしいのです」。

コミュニティガイドラインは各所にあるが、それには罰則のような強制力がない。しかしKickstarterの場合は、これらの忠告を守らないプロジェクトを大きく取り上げたり推奨しないようにすれば、効果があるかもしれない。それはかなりソフトなやり方だが、でもKickstarterのページやニューズレターに載る推奨や紹介、特集などのプロモーション効果は、プロジェクトを成功に導くことが多いのだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

VMwareがマルチクラウドロードバランシングのAvi Networksを買収

VMwareは、ユーザーのデータセンターの仮想マシンの構築と管理を助ける企業から、オンプレミスでもパブリッククラウドでも仮想マシンがどこにあってもそれらの管理を助ける企業へと変わる努力を続けてきた。米国時間6月13日に同社が買収を発表した設立6年のスタートアップであるAvi Networksは、クラウドとオンプレミスの全域にわたってアプリケーションのデリバリを均衡化するサービスで、まさに今のそんなVMwareに合ってる企業と言える。なお、買収の価額は公表されていない。

Aviは、うちは昔のロードバランサーの現代版だ、と主張する。彼らが昔と呼ぶ時代には、アプリケーションは頻繁に変わることもなく、企業のデータセンターにオンプレミスで棲息していた。しかし、企業がますます多くのワークロードをAWS、Azure、Google Cloud Platformなどのパブリッククラウドに移行させている今日では、Aviのような企業がもっと現代的なロードバランシングツールを提供しなければならない。それらのツールは、ロケーションやニーズに応じてソフトウェアのリソース要求を均衡化するだけでなく、要求の背後にあるデータを調べる必要がある。

図表提供: Avi Networks

VMwareもユーザー企業のインフラストラクチャを、それらがクラウドやオンプレミスのどこにあっても顧客企業が一貫したやり方で管理できるよう努めてきた。Aviの買収もその努力の一環であり、今回は主にモニタリングとロードバランシングのツールを手に入れたことになる。VMwareのネットワーキングとセキュリティ事業担当上級副社長を務めるTom Gillis氏は、この買収が同社のそういうビジョンによくフィットしている、と言う。「この買収は弊社のVirtual Cloud Network(仮想クラウドネットワーク)ビジョンをさらに前進させる。そこでは、ソフトウェア定義の分散ネットワークアーキテクチャがすべてのインフラストラクチャに行き渡り、そのすべてのパーツを、パブリッククラウドにあるオートメーションとプログラマビリティで統合する。Avi NetworksとVMware NSXが結びつけば、企業は新たな機会への対応力を増し、脅威に対して強く、新しいビジネスモデルを作ってすべてのアプリケーションとデータにサービスを届けられるようになる。それらがどこにあっても」。

Aviの共同創設者たちはブログ記事でこれと同様の気持ちを表明し、さらに強力に前進できる企業になる、と期待している。彼らは曰く、「VMwareとの合体を決意したのは、両者のビジョンとプロダクトと技術と強力なマーケティングと企業文化の相性がきわめて良いと判断したからだ。私たちはこれからも継続して弊社のミッション遂行に努め、マルチクラウドのデプロイメントをオートメーションとセルフサービスで加速化して、顧客のアプリケーションサービスの現代化を助けていきたい」。というわけなので今後に期待しよう。

今後はVMwareの一部になるAviの顧客の中には、Deutsche Bank、Telegraph Media Group、Hulu、Ciscoなどがいる。Aviは2012年に創業され、Crunchbaseによればこれまでに1億1500万ドルを調達している。主な投資家は、Greylock、Lightspeed Venture Partners、Menlo Venturesなどだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国のアマゾンレストラン事業はまもなく終了

アマゾンは11月にロンドンでフードデリバリー事業を閉鎖したのに続き、米国でも運営を終了する。これはプライム会員向けに2015年秋に始まったサービスで、商品や食料品ではなく食事を提供していた。

食事を提供するサービスには競合が多い。米国にはGrubhub、Uber Eats、DoorDash、ロンドンにはDeliveroo(これにはアマゾンが投資した)など、たくさんある。こうした企業はシェアを獲得するために割引をすることもある。一方、アマゾンはフードデリバリーの世界で、シェアにおいても消費者の認知度においても、地位を確立することができなかった。ランチやディナーの料理を注文しようとする人にとって、アマゾンはまっさきに思い浮かぶ名前ではない。また、温かい料理をタイミングよく配達する体制は、アマゾンのメインの事業とは異なる課題があった。

GeekWireが報じたところによると、アマゾンはこの閉鎖と関連して、職場向けランチデリバリーサービスのDaily Dishも終了するという。

アマゾンはフードデリバリーをやめて、成長を続けている食料品配達ビジネスにさらに力を入れるものと考えられる。

TechCrunchはアマゾンの事業終了に詳しい関係筋から情報を得た。アマゾンは米国のAmazon Restaurantsを閉鎖し、6月24日に営業を終了すると認めた。解雇についても示唆し、アマゾン社内で別の仕事に就く社員もいれば、社外での再就職のサポートを受けている社員もいるとした。

アマゾンの広報は次のように述べた。「6月24日をもって米国のAmazon Restaurants事業を終了する。この決定により、アマゾンの一部の社員が影響を受ける。影響を受ける社員の多くはすでに社内の別の仕事が決まっている。今後、社内外のどちらで働く社員にも個別に対応していく」。

アマゾンがフードデリバリーをやめるという決定は、米国時間6月11日のライバル企業の株価にプラスの影響を与えた。Grubhubの株価は5%以上も上がったと報じられている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

iOS 13はマイナンバーカードや英国パスポートも読み取り可能に

NFC(近距離無線通信) テクノロジーはiOSでApple Payその他の基盤として広く活用されている。たとえばLaunch Center Proのアイコンをタップして複雑な動作をさせるアプリもNFCを利用している。WWDCで詳細が発表されたiOS 13ではNFC機能も大幅に強化される。

この一般公開されるiOS 13では、iPhoneでNFCタグを読み取るだけでなく直接タグに書き込めるようになる。また相互通信もネイティブなプロトコルとしてサポートされる。Apple(アップル)は先週のWWDCで、デベロッパーはICパスポートの情報を読み取ったり非接触型スマートデバイスと会話するアプリが簡単に開発できるようになると述べた。

先ごろ、アップルとGoogle(グーグル)はニューヨークの地下鉄でApple PayGoogle Payを利用したNFCで料金が支払えるようになると発表した。ポートランドの公共交通機関や他の大都市でも同様の試みがスタートしている。

iOS 13のアップデートでNFCフレームワークはさらに強化され、できることが飛躍的に増える。新機能を利用するプロジェクトが多数開発中だ。

例えば日本では、iOS 13のローンチに合わせて、iPhoneによるマイナンバーカードの読み取りをサポートする準備を日本政府が進めているとEngadget Japan日経が報じている。.このニュースは日本のCIO補佐官である楠正憲氏のツイートで確認された。

英国政府もNFCを利用したパスポート読み取りアプリを準備しており、iOS 13が公開されれば一般に利用できるようになるとReadIDの公式ブログが確認している。【略】

iOSアプリはID読み取り以外にもNFCタグの書き込み(NDEF)が可能だ。デベロッパーは一度書き込んだタグが後で変更されないようにするロック機能を持たせることもできる。

iOS 13のNFCフレームワークは今回発表されたNFC NDEFタグだけでなく、Mifare、FeliCa、ISO 7816(パスポート)、ISO 15693標準による読み書きをサポートする。iOS 13では言及された以外の場所でも広くNFCが活用されることになるだろう。

Above Image Credit: Ata Distance, which covers Apple Pay and contactless news

アップルはWWDCに先立ってラスベガスで開催されたにTransactカンファレンスでApple PayにおけるNFCを活用サービスについて発表していた。

通販のBonobos、パーキングメーターのPayByPhoneなどがNFCを利用したサービスに参入することを表明している。「支払いはApple Payだけで完結するため専用のハード、ソフトは必要とされない」と電動スクーターのシェアリングサービスを展開しているBirdのSteve Moser氏はツイートしている。【略】

Launch Center ProのデベロッパーであるDavid Barnard氏は、iOS 13が公開されれば、ブランクのNFCステッカーに内容を書き込めるようになるとツイートした。NFCステッカーはAmazonからバルクで買えるという。これにともない現在のプロダクトは値下げされる。

デベロッパーはこの間NFCの機能の拡充を求めてきた。一般消費者にとってNFCテクノロジーの詳細を理解するのは難しい。Near Field Communicationnの頭文字だということを知らないユーザーも多いだろう。それでもiOS 13ではNFCを通じてタップするだけけ複雑な仕事ができるようになる。ユーザーは自然に仕組みを覚えて使いこなすようになる違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

AIや機械学習の企業導入を助けるスタートアップがエリック・シュミットなどから5.7億円調達

RealityEngines.AIは、525万ドル(約5.7億円)のシードラウンドを発表した。同社は、不完全なデータしかなくても、企業がAIをうまく使えるように手助けするスタートアップ。

このラウンドをリードしたのは、Googleの元CEOで会長だったEric Schmidt(エリック・シュミット)氏と、Googleの創設メンバーの一人であるRam Shriram(ラム・シュリラム)氏だ。ほかにKhosla Ventures、Paul Buchheit(ポール・ブックハイト)氏、Deepchand Nishar(ディープチャンド・ニシャー)氏、Elad Gil(エラッド・ギル)氏、Keval Desai(ケヴァル・デサイ)氏、Don Burnette(ドン・ブレネット)氏などがこのラウンドに参加した。

これだけ多くの著名な人々やVC企業がシードに参加したのは、彼らが同社のコンセプトに強く惹かれたからだ。サービスなどのプロダクトがまだ1つもない同社はその特技を、小さくてノイズの多いデータでも有効に利用して、顧客企業がすぐにでも製造に持ち込める、高度な機械学習とAIを提供することと定義している。そのシステムが行う予測にはさまざまなバイアスがなく、しかもその予測に至った理由や背景を顧客に説明できる。ブラックボックスであるAIやMLでは、内部動作の説明はとても難しいことだ。

RealityEnginesのCEOであるBindu Reddy氏は、それまでGoogle Appsのプロダクトマネージメントのトップで、今回の資金は研究開発チームの育成にあてると言った。結局のところ同社は、現在の機械学習の最も基本的で難しい問題に取り組んでいる。例えば、データセットが小さい場合には、Generative Adversarial Networksのような、既存のデータセットを拡張するソリューションがあるが、RealityEnginesそれらをさらに強力にすることを狙っている。

またReddy氏によれば、Reinforcement Learningも同社の中核的機械学習技術のひとつとして重視している。

プロダクトが完成したら、同社はそれを即時払いで従量制のマネージドサービスとして提供していく。ユーザー企業はそれにより、機械学習をより容易に実用化できる。大企業だけでなく中小企業も、このやり方で念願のAI/MLを導入し、競争力を強化できるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

血液不足時に献血を呼び掛けるFacebookの機能が米国で使えるように

Facebookは献血に特化した機能の展開を拡大する。2017年からFacebookは世界のいくつかのマーケットの献血センターと協力し、プラットフォームを通じて血液ドナーにアクセスして必要なときに献血を呼びかけられるようにしてきた。その献血機能を今度は米国で展開しようとしている。

サービス開始に伴い、FacebookはAmerica’s Blood Center、米赤十字社、Inova、New York Blood Center、Rock River Valley Blood Center、Stanford Blood Center、Versiti、Vitalantなどを含む米国の主要な献血組織と提携する。

また全国展開する前に、まず都市部のいくつかのマーケットでこの新機能を提供し、手始めにシカゴ、ニューヨーク市、サンフランシスコベイエリア、ボルチモア、ワシントンD.C.での展開となる。

米国で提供する献血機能は、バングラデシュやブラジル、パキスタンなどを含む世界のいくつかのマーケットですでに展開されているものと似ている。

この機能にアクセスするには、該当マーケットのFacebookユーザーはそれぞれのプロフィールの「About」セクションから献血機能のページにいき、サインアップする。そこでユーザーは、近くの血液バンクが協力を求めていることを知らせる通知をFacebookに許可する。そうすることで、血液バンクの在庫が減っているときに血液バンクはFacebookのプラットフォームを通じて近くのドナーに献血を呼びかけることができる。

登録した人は、献血のリクエストと献血の機会についての情報をFacebook上のBlood Donations destinationで確認できる。そしてそのページにあるツールを使って友人に献血を呼びかけることもできる。

2017年のサービス開始以来、この献血機能はうまくいっている。最初に導入されたマーケットですでに3500万人以上が登録している。インドとブラジルでは「献血をした人の20%がFacebookの影響で献血することを決めた」と献血センターは指摘している。この数字は、血液バンクで行われた対面調査に基づいている。

今日の献血機能の立ち上げに伴い、America’s Blood CentersのCEOであるKate Fry氏は「Facebookとの提携では、人々がさまざまな血液型のドナー確保に協力する時、より簡単に地元の血液センターを見つけ出せるようになる」と発表文で述べている。「生き方としての献血を促すことで、米国中で毎日使用されている3万パイント超の血液を確保できる」。

今回この機能は、6月14日の世界献血デーに先立って導入された。世界保健機関が定めたこの献血デーは献血についての意識啓発のためのものだ。Facebookはこの日、いくつかの自社オフィスで献血を実施し、ブラジルとインドで啓発キャンペーンを展開すると話した。また、献血の呼びかけに注意が集まるよう、米赤十字、そしてVitalantとMissing Typesのキャンペーンでも提携している。

「深刻な血液不足を強調するMissing TypesキャンペーンへのFacebookのサポートに感謝している」と米赤十字社のシニアバイスプレジデントのCliff Numark氏は述べた。「人々が忙しく過ごす夏は十分な献血者を確保するのがかなり難しく、このキャンペーンはまったく時宜を得たものだ。そしてFacebookの献血機能は誰かの命を救うための献血をさらにしやすいものにする」とも語った。

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(翻訳:Mizoguchi)

Dropboxがエンタープライズ向けのコラボスペースとして再始動

Dropboxはファイルストレージシステムから、チームで協調して仕事をするためのエンタープライズ向けソフトウェアポータルへと進化しつつある。米国時間6月11日、同社はDropboxの新バージョンを公開した。G Suiteなどのアプリをショートカットで起動できるほか、Slackのメッセージを送信したりZoomのビデオコールをしたりする機能も搭載されている。デバイス上とエンタープライズのツール内のすべてのファイルを検索したり、コミュニケーションをとりチームの仕事にコメントを付けることもできる。ファイルに付けたTo Doリストにメモを追加したり同僚をタグ付けしたりする機能もあり、Dropboxはタスクマネージャーにもなろうとしている。

新しいDropboxは米国時間6月11日に、40万チーム、1300万人のすべてのビジネスユーザーに加え、コンシューマーユーザーにも公開された。ユーザーはここから先行アクセスに申し込むことができる。企業の場合は管理パネルで先行アクセスを有効にする。同社CEOのDrew Houston氏はミッションステートメントで「もっと素晴らしい働き方をデザインするために、我々はやり方を変える」と述べている。

Dropboxは、ファイルストレージのビジネス自体は終焉を迎えつつあると認めたようだ。ストレージの価格は下落し、どのアプリでも専用のストレージシステムを追加できる。Dropboxはエンタープライズ向けのスタックへと進化し、ほかのツールを開いてまとめるポータルになる必要があった。エンタープライズのコーディネーションレイヤーになることは賢明な戦略だ。Slackは自社でそうしたレイヤーを構築するのではなく、連携することを選んだようだ。

今回のアップデートの一環として、Dropboxは全ユーザーを対象とした新しいデスクトップアプリを提供している。これによりmacOSやWindowsのファイルシステムの中で動作する必要がなくなる。ファイルをクリックするとプレビューを見ることができるほか、そのファイルを誰が見たか、誰がいま見ているか、誰がアクセス権を持っているかのデータを表示することができる。

今回のリリースはSlackと深く統合されているため、Dropbox内でファイルにコメントを付けられる。Zoomとも統合されていて、ワークスペースを離れずにビデオチャットができる。Webとエンタープライズアプリのショートカットを活用すれば、さまざまなツールをタブで聞きっぱなしにしておく必要がなくなる。検索ツールも改良され、コンピュータのファイルシステムとほかの生産性向上アプリのクラウドストレージをすべて探せる。

しかし今回の変更で最も重要なのは、Dropboxがタスクマネジメントアプリになろうとしていることだ。ひとつひとつのファイルには、説明、ToDoリスト、タスクを割り当てるための同僚のタグが記録される。ファイルごとのアクティビティフィードには同僚からのコメントとアクションが表示されるため、GoogleドキュメントやSlackのチャンネルで別途共同作業をする必要はない。

連携する相手(SlackとZoom)と真似する相手(Asana)をどのように決めたかについて問われたビジネス部門担当副社長のBliiy Blau氏は基本的には返答を避けたが、Dropboxのパートナーの「共有の精神」を引き合いに出した。

サンフランシスコで開催された発表イベントの冒頭、Houston氏は、社員のコンピュータとクラウドに散らばっている企業の知識よりも公開されている情報のほうが見つけやすいと指摘した。コンピュータの「Finder」はポストダウンロード時代に対応した進化を遂げていない。Houston氏は、オフィスで仕事をしている時間のうち60%は、仕事そのものではなく整理やコミュニケーションといった仕事のための仕事に費やされていると説明した。これはタスクマネジメントのスタートアップ、Asanaがよく使うマーケティングの視点だ。DropboxはAsanaとこれからさらに直接戦っていくことになる。Dropboxは「我々はこうしたあらゆる『仕事のための仕事』をこなすお手伝いをしていく」としている。一方のAsanaは2013年以来、核となるメッセージとしてこのフレーズを使い続けている。

Dropboxはクラウドのためのファイルツリー、Finder、デスクトップを目指している。問題は、コメントやタスクを付けたファイルが常に仕事の中心的な単位なのか、あるいは注目すべきものはファイルが添付されたタスクやプロジェクトであるべきなのかだ。

Dropboxはコンピュータのデスクトップやブラウザに代わるワークスペースであると考えられるようにチームをトレーニングするには、しっかりした導入と粘り強さが必要だろう。しかし、もしDropboxがアイデンティティとなり、ばらばらのエンタープライズソフトウェアを結びつけるコラボレーションレイヤーになれるなら、ファイルストレージは生き延び、新しいオフィスツールが登場しても意義のあるものであり続けるかもしれない。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ハンドメイドC2Cの「Creema」が11億円の資金調達、新サービスや新領域への参入も視野に

ハンドメイド商品のC2Cマーケットプレイス「Creema(クリーマ)」運営のクリーマは6月12日、日本郵政キャピタル、SBIインベストメント、グローバル・ブレイン、三井不動産、アイ・マーキュリーキャピタルと、セプテーニ・ホールディングスの創業者で名誉会長の七村守氏などから、総額11億円の資金調達を実施したことを発表。既存株主のKDDI Open Innovation FundとSMBCベンチャーキャピタルも参加している。累計資金調達額は約24億円となった。

2009年3月設立のクリーマが2010年6月に提供開始したCreemaは、クリエイターがハンドメイド作品を掲載し、買い手は気に入った商品をサイト上で購入できるC2Cのマーケットプレイスだ。

同社の広報担当者いわく、競合にはGMOペパボが展開する「minne」や台湾の「Pinkoi」などが存在するが、Creemaの強みは「アジア最大のグローバル ハンドメイドマーケットプレイス」であること。日本および中国語版で展開されており、合わせると約15万人のクリエイターによる700万点以上のオリジナル作品が出品されている。また、「プロやプロ志望の作家が多く出品しているため、他サービスと比較すると商品の単価は高めだが、クオリティが高い」(広報担当者)

クリーマはオフラインにも注力しており、5万人以上が来場した「ハンドメイドインジャパンフェス in 東京ビッグサイト」を含め年間20回以上のイベントを開催。加えて、常設のエディトリアルショップを新宿、二子玉川、札幌に展開しており、9月には日本橋と熊本にもオープンする予定だ。

調達した資金をもとに、クリーマはオンライン・オフラインを含む「更なるサービスの拡大向けた投資を加速すると同時に、新サービスや新領域への参入も視野に入れながら、中長期ビジョンの実現に向けた経営基盤の強化を図るべく全職種での採用を開始する」。「新サービス・新領域」に関する具体的な情報は得られなかった。

ナノ・ユニバースで物々交換できるバンクの「モノ払い」をGardiaが全力サポート

Gardia(ガルディア)は6月12日、バンクが始めた新しい決済手段「モノ払い」に対する、独自の与信審査サービスと債務不履行リスクに対する保証サービスを提供開始した。

Gardiaは、飲食店などでの予約に対する無断キャンセルや代金後払いなどのリスク保証サービスを展開している2017年設立のスタートアップ。光本勇介氏が率いるバンクは、品物の写真を撮るだけで査定額が即時算出されて現金化できる「CASH」、航空券やホテル宿泊などの費用で後払いで旅行に行ける「TRAVEL Now」などのサービスを展開している。

今回バンクが始める新決済手段「モノ払い」とは、購入したい商品の決済時に現金やクレジットカードではなく、手元にある品物を使って決済できる。前述のCASHのシステムが利用されており、手元にある商品の写真を撮れば査定額が判明するので、その査定額ぶんで新しい買い物ができるという仕組みだ。

本日から、エボラブルアジアが運営する総合旅行プラットフォーム「エアトリ」と、nano・universe(ナノ・ユニバース)が運営するオンラインストアで「モノ払い」を利用できる。

Facebookグラフ検索の仕様変更でオンライン研究者は困惑

Facebookが6年前にグラフ検索を公開したとき、その目的はユーザーが公開投稿の中からコンテンツを発見するためだった。それ以来この機能は多くのユーザーにとってはあまり目立たない存在だったが(最後の大きな発表は2014年のモバイル版公開のときだった)、オンラインで人権問題や戦争犯罪や人身売買の証拠を集める研究者や活動家にとって価値の高いツールとなった。しかし、そんな人たちの多くがグラフ検索機能を使えなくなったことを、ウェブメディアのViceが報じた

グラフ検索ではユーザーがふつうの言葉(キーワードだけでなく、人が話すように書かれた文)で検索できるほか、検索結果を細かい条件でフィルターできる。たとえば、誰がページや写真にいいね!をつけたか、誰がある町を訪れたか、あるいは同じ時、同じ場所にほかの人と一緒にいたかなどを調べることができる。プライバシー問題が起きる可能性があることは明白だったが、グラフ検索は調査報道ウェブサイトのBellingcatにとってもイエメン・プロジェクトの重要な情報源として、サウジ主導によるイエメン空爆の報道に利用された。

ほかの調査団体はグラフ検索を使ってStalkScanのようなツールも開発したが、グラフ検索がなくなれば、サービスを中止するか非常に限定された機能で提供するしかない。ちなみに現在StalkScanのウェブサイトには以下の注意書きが掲載されている。

「6月6日現在、このツールでは自分のプロフィールしか検索できない。2年間にわたり2800万回以上のStalkScanセッションが利用されていたにもかかわらず、Facebookは突然グラフ検索を見えにくくした。例によって活動家やジャーナリストなどこのツールを正当な目的で使っていた人々に相談も連絡もなかった。薄気味悪いグラフ検索自身は今もあるが、前よりずっと利用しにくくなった。データは今もそこにあるので、自分でツールを使って確かめてみるとよい。

Facebookは、これまで以上に注意深いスタンスを試しているのかもしれない。今でもCambridge Analyticaのデータスキャンダルや今年発覚した数億人分のパスワードが平文保存されていた問題の後遺症が残っているのだろう。

Vice宛の声明でFacebook広報は、「Facebookで検索する人のほとんどはキーワードを利用している。それがグラフ検索で一部の機能を停止して、キーワード検索の改善に注力する理由の一つだ。当社は研究者らと密に協力して必要なツールを提供できるよう努めている」と語った。しかし、Viceの情報源の一人でFacebookの現社員だという人物は、「人を探したり(Bellingcatのように)何かを調べたりするために情報にアクセスできるようにすることと、それを防ごうとすることの間で、さまざまな衝突が社内外で起きている」と言っていた。

TechCrunchはFacebookに連絡を取り、追加情報を求めている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook