モバイルゲーム開発のMadboxは創業1年でダウンロード数1億超に

フランスのMadbox(マッドボックス)が、シリーズAのラウンドで1650万ドル(約17億8800万円)をAlvenから調達した。同社はモバイルゲームを開発していて、ゲームの設計からその発行、ユーザーの獲得までの全工程を自社で手がけている。

Madboxは、モバイルゲームの分野では新人だ。同社は2018年の7月に、パリの2つの小さなゲームスタジオが合併して誕生した。そしてその2カ月後に、最初のゲームDash Valleyをリリースした。そのゲームはたちまち、米国のApp Storeで無料ゲームの上位50の中に食い込んだ。

同社はその後さらに、いくつかのゲームをリリースした。米国で、3本が同時に無料ゲームの10位までに入ったこともある。それらは、StickMan Hook、Sausage Flip、そしてIdle Ball Raceだ。全体でMadboxのゲームは1億回ダウンロードされた。

共同創業者でCEOのJean-Nicolas Vernin(ジャン・ニコラ・ヴァーニン)氏は「Madboxの核心は何でも自社でやることだ。いろんなものをできるかぎり自動化している」と語る。

あるゲームの技術をほかで使うだけでなく、ユーザー獲得やマーケティングでは同じ方法を何度も利用している。「我々にはデータドリブンの企業文化があると言われるが、それが弊社では身分不相応なまでに発達している」とヴァーニン氏。

成長に関しては、細心の注意を払っている。雇用のペースは遅いし、1年に10以上のゲームをリリースすることはない。今社員数は30ないし40名で、ビジネスモデルは大半が広告収入、そして現在は黒字だ。今後同社は、今の超カジュアルなゲームからアイドルゲームやあまりカジュアルでないゲームにも手を広げたいと思っている。同社は、バルセロナに第2のオフィスを開いた。

ヴァーニン氏は「我々は、有名なカジュアルゲームのスタジオで仕事をしてきた同世代の友だち同士だ。大手のゲームプロダクションもいずれは、カジュアルゲームのようにプレイできるシンプルなゲームを作るようになるだろう。またその逆もある。我々全員がそう考えている」。そして2つの世界が衝突するとき、Madboxは蚊帳の外にいたくない」とコメントした。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

バトルゲームのフォートナイトにチャプター2が登場

およそ2日間、オフラインで真っ暗になっていたEpic GamesのFortnite(フォートナイト)が、チャプター2の新しいマップとともに帰ってきた。

新しいマップには13カ所のロケーションがあり、泳ぎや釣り、そして「Call of Duty: Black Ops 4」(CoD: BO4)の「Blackout」モードに登場するボートによく似たモーターボートなどが楽しめる水辺も登場した。

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プレイヤーは、浅瀬で水遊びするのではなく泳いだり、健康のために魚を食べたりすることもできる。

新しいメカニズムもいくつか追加された。最も注目すべきは、やられてしまったチームメイトを安全な場所に運んで復活できることだ。さらにスクワッドを回復させるバンデージバズーカも追加された(シーズン10のチャグスプラッシュのようなもの)。

普通の武器ではもの足りなくなったら、アップグレードベンチへ行けば素材を使って武器をアップグレードできる。

新しいシーズンやマップの登場のときはいつもそうだが、スキンやエモートの報酬を受け取れる新しいバトルパスもある。

チャプター2のトレーラーをどうぞ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

GoogleのクラウドゲームStadiaは11月19日提供開始

Googleは、米国時間10月15日のMade by Googleイベントで、オンデマンドのクラウドゲームストリーミングサービスのStadiaを11月19日に提供開始すると発表した。

Stadiaは、ビデオゲームの仕組みを変えようとするGoogleの試みだ。コンソールやパワフルなローカルPCでレンダリングするのではなく、Stadiaのゲームはクラウドでレンダリングされた映像がChromecastやスマホ、ブラウザに映し出される。

Googleはすでに、月10ドルのこのサービスでサポートする数十のゲームを発表していて、その一覧はこちらのリストでチェックできる。

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(翻訳:Mizoguchi)

ソニーの次期ゲーム機はPlayStation 5、2020年ホリデーシーズンに発売

いくらかの人は、PlayStation UnicornやPlayStation Trebuchet(投石機)など、より派手な名称を好むかもしれない。しかし、一貫性も大事だ。そして、ソニーの次世代ゲーミングコンソールの名称が「PlayStation 5」になることが発表された。

米国時間10月9日朝の発表では特に驚くような内容はなく、さらなる追加情報が発表されることだろう。システムの詳細を伝えられるゲームショーと時間はまだまだある。SIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)社長兼CEOのJim Ryan(ジム・ライアン)氏は、「これらのアップデートはそれほど驚くようなものではないかもしれない」と伝えている。「しかし、我々は次世代に関するビジョンのさらなる詳細を明かし始めており、それをPlayStationファンのために確認したかった」。

なお、一部の詳細情報も明かされている。ライアン氏は次期システムのコントローラを強調した。これまでのガタガタ振動する技術に代わり、新しい触覚フィードバックが搭載される。これにより、ゲームプレイ中のシミュレーション体験をより身近に感じられるはずだ。

また、新規にL2ボタンとR2ボタンに「アダプティブ(適応)トリガー」が追加される。これについて、ライアン氏は以下のように語っている。

開発者は弓を引いたり、岩の多い地形でオフロード車を加速したりする触覚を感じられるように、トリガーの抵抗をプログラムできる。そして触覚と組みあわせることで、さまざまなアクションをより適切に再現できるようになる。ゲームクリエイターには新しいコントローラの初期バージョンが提供されており、彼らの想像力がこれらの新機能を使いこなすところを見るのが待ちきれない。

PlayStation 5は2020年のホリデーシーズン(年末)に間に合うように発売される。また近いうちに、より多くの情報が公開されることだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

任天堂のリングフィットアドベンチャーでいい汗かこうぜ

10月18日、任天堂はついに製品ラインにぽっかり空いていたWii Fitの穴を埋める。「リングフィットアドベンチャー」は、Wiiの数々のフィットネス関連のタイトルに対して、ある意味精神的な後継者となるもの。そうしたタイトルは、Wiiのモーションコントロールを、いろいろなタイプの人に受け入れられる大成功に導いたのだった。大きな丸いリングは、Switchと組み合わせることで、初めて威力を発揮する。Nintendo Laboと同じように、既存のハードウェアを最大限に活用するように設計されているのだ。

私は、この来月発売予定の周辺機器を、ざっと試してみる機会を得た。任天堂は、Switchのジョイコン(Joy-Con)を利用して新たなコントローラーを作るというLaboの新鮮な驚きをここでも再現している。リングフィットでは、Switchの左右のコントローラーが、それぞれ異なった目的で使われる。1つは「リングコン」に差し込み、もう1つはプレーヤーの太ももに巻きつける「レッグバンド」に差し込んで使う。

前者では、Switchのコントローラーが、フレキシブルな自動車のハンドル型のコントローラーの頭脳として機能する。加速度センサーなどによって、リングの動きを検出するわけだ。その状態でリングを回転させてメニューの項目を移動させ、側面を絞るように押して選択する。後者のコントローラーは、Fitbitのようなアームバンドと同じように機能し、この場合は下半身の動きを追跡する。トレーニングにとって、非常に重要な部分だ。

リングフィットアドベンチャーは、このハードウェアを使用する最初のタイトルとなる。もちろん、これが最後のタイトルになるというようなことはないだろうが、例によって任天堂は、将来の計画について何も語らない。このタイトルは、Wii Sportsのように、いきなりスポーツの領域に踏み込むのではなく、ファイナルファンタジーのような、探検型のアドベンチャーゲームに仕立てられている。プレーヤーを悪者と戦わせることで、汗をかいてもらおうというわけだ。

セットには、かなり多くのゲームやトレーニング用のタイトルが含まれている。中でも基本的なアドベンチャーは、以下のようにして遊ぶ。まず、その場で足踏みするように走ることで、キャラクターを動かす。リングの側面を縮めるように押すことでコインの入った箱を叩き壊す。逆にリングを開くように引っ張って、パワーアップアイテムを吸い込む。ジャンプするには、リングを下に向けて押し込む。という感じだ。これなら、汗もかけるはずだ。

自分のキャラクターのアニメスタイルの髪の毛は、大きな火の玉になっていて、うまくプレイし続ければ大きくなり、ヘマをすれば縮んでいく。行く先々で敵キャラが登場する。その場合、交互に技を繰り出して戦わなければならない。それもリングを使った運動になっている。敵の怪獣が攻撃してきたら、自分の胴を使ってリングを縮め、守りを固めるのだ。

任天堂は、リングの弾力を利用して、感心するほどさまざまなエクササイズを考え出した。1日1時間もプレイするば、それなりに体重を減らすのも簡単だろう。ゲームも、いろいろな要素を詰め込んだ動きを、プレーヤーが自然にできるようになっている。私も、徹底的にいろいろなテストをしてみたくなった。自宅やホテルの部屋で、最小限の機器だけで、フィットネスをあれこれ実行できるという考え方も気に入った。

また、ジョイコンをSwitchから取り外してリングといっしょに持ち出し、たとえば会社の昼休みに外で運動するといったことも可能だ。コントローラは運動を記録し続け、部屋に戻ったときに、データを本体にアップロードしてくれる。

これだけ書いたあとで言うのも気が引けるが、最近私はSwitch Liteの方が、かなり気に入っている。リングフィットは、2つのジョイコンさえあれば、Switch Liteでも動くはずだ。Liteをどこかに立て掛けて、その画面でゲームを動かすこともできるだろう。しかし、このリングフィットの効果を最大限に発揮するには、やはりテレビに接続するのがいちばんだ。それでも、任天堂がLaboのVR KIT(ブイアールキット)と、このエクササイズキットを組み合わせて、没入型のフィットネス体験を実現してくれるのではないか、などと想像するのも楽しい。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

LogitechがゲームストリーミングツールのStreamlabsを約100億円で買収

このところトレンドとなってきたゲームのストリーミングには、Streamlabs(ストリームラブズ)のアプリが使われていることが多い。 同社は人気のあるストリーミングツール多数を無料で提供している。これには自社ロゴ、スポンサー名、寄付の呼びかけやアドレスなどなんであれゲーム画面の上にオーバーレイ表示ができるソフトウェアなどが含まれる。

Logitech(ロジテック、日本ではロジクール)はStreamlabsを8900万ドル(約96億円)+2900万ドル(約31億円)のボーナスで買収した。このボーナスはStreamlabsチームが「十分な売上増加を達成した場合」に支払われるという。

Streamlagsによれば、同社のツールの利用者は月160万人、 2018年1月にベータ版を公開して以来のストリーミング時間は延べ1億6100万時間になる。モバイル向けストリーミングアプリも提供されており、同社によれば48万人が使っている。

Logitechが最近ゲーマー向けに特化したハードウェアに力を入れていることを考えると、この買収は大変理にかなったものだ。例えばLogitechは人物以外の背景を自動的に消してしまうグリーンスクリーン的能力があるウェブカメラを販売している。これはゲームをストリーミングしながら画面に自分も写りこんで解説するなどのオーバーレイ表示に便利だ。ストリーミングのハードウェアとソフトウェアがともにLogitechから手に入るならストリーミングに挑戦するユーザーが増えるはずだと期待しているのだろう。

買収を報告したStreamlabsのブログ記事で創業者のAli Moiz(アリ・モイズ)氏は「買収後も我々のツールは引き続き無料だ。現在サポートしているOSのサポートも続ける」としている。つまり今後もWindows、Android、iOSがサポートされる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

任天堂Switch Lite用のワイヤレスコントローラーは意外と便利

サードパーティー8BitDoのワイヤレスコントローラーは、Switch Liteの目的を損なっているとも言える。正直なところ私自身も、任天堂の大ヒットしたゲーム機のさらにポータブルなバージョン(Lite)に魅了されている。最近のレビューにも書いたが、出張が多くてテレビのない時間が多い私にとってはLiteが理想のNintendo Switchだ。

関連記事:任天堂Switch Liteはポータブルゲーム機の極み

8BitDoのコントローラーはサイズがLiteの半分ぐらいあり、Joy-Con(ジョイコン)を内蔵したLiteのコンパクトさを無駄にしている。また、Liteにはキックスタンドがないから、置き方や立て方を見つけるのに苦労する。どちらも理想的とは言えない。しかしそれでも、本体のターコイズ色と同色のモデルに25ドル出してもいいかなという気になっている。

実はすでに予約してしまった。

このコントローラーは、スティックではなく十字キーが2つある。Switch Onlineでファミコンやスーパーファミコンのゲームをプレイするには、そのほうがいい。私がLiteをテストするようになってからは、時間の95%がA Link to the Past(ゼルダの伝説 神々のトライフォース)だ。このコントローラーは、Amazonで予約販売している。発売は10月末だ。また、大量の時間を取られそうだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

iOSとiPadOS 13ではPS4やXbox Oneのゲームコントローラーをサポート

Apple(アップル)のiOS 13と、新しい名前で登場するiPad用のiPadOSは、いずれも複数のBluetoothゲームコントローラーの同時接続をサポートしている。そして、それらのリリース最新版では、Xbox Oneや、PlayStation 4のコントローラーのサポートが追加された。実際にあれこれいじってみたところ、どちらのタイプのコントローラーについても、1台のマシンに同時に複数を接続して使えることが確認できた。もちろん、個々のコントローラーごとに別のキャラクターを操作できる。

これ自体は良いニュースだが、悪いニュースもある。今のところ、この機能を利用できるゲームは、あまりないということ。たとえば、Appleの新しいゲームサブスクサービス、Arcadeでは、対応するゲームを見つけることができなかった。また、Archadeには含まれない一般のiOSゲームでも、対応するものを探すのに骨が折れた。やっと見つけたのは、2人で協力してプレイすることも可能なローカルな対戦ゲーム「Horde」で、無料で遊ぶことができるもの。これは、複数のコントローラーを使って、マルチプレーヤーで期待通りに操作できる。

AppleはArcadeによって、App Storeを、そしてiOSでのゲームを、再び活性化させるため、最初にiPhoneが登場して以来最大の努力を払ってきた。Arcadeは、広告やアプリ内購入なしで、非常に高品質のゲームが、どれでも遊び放題となるサブスクサービスだ。サービス開始時の品揃えを見ても、かなりめぼしいものが揃っている。たとえば、「Where Cards Fall」、「Skate」、「Sayonara: Wild Hearts」、「What the Gold」など、ちょっと挙げたただけでも素晴らしいタイトルがある。

このようなライブラリの品質と価値を、iOS、iPadOS、Apple TV、そして最終的にはMacという広範囲にまたがるデバイスと組み合わせることで、たとえば、Nintendo Switchや、他の家庭用ゲーム機が現在押さえているゲーム市場の大きな部分を奪い取る可能性もある。

特に、iPadのローカルなマルチプレイヤーゲームには、大きな可能性が秘められているだろう。iPadのオーナーは、すでに自宅だけでなく、外出先でもiPadを使っているという人が多い。そしてiPadなら、どこでも大画面で高品質のゲームをプレイできるのだ。あとは、スーツケースや、機内持ち込み用のバッグに、PS4やXboxのコントローラーを入れておけば、旅先でも素晴らしいゲーム体験が得られる。

上でも述べたように、今のところ、これらのコントローラーをサポートするゲームは多くないが、ゲームのデベロッパーさえその気になれば、いつでもそれらを利用するための機能が用意されているということが分かっただけでも、なんだかワクワクさせてくれる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

GoogleアシスタントでXbox Oneをコントロールできる、次はWindows 10か

Microsoft(マイクロソフト)が同社のデジタルアシスタントCortana(コルタナ)に執着していたのは、そんなに昔の話ではない。でもそれは勝てる賭けではなかった。しかし、いわゆる新しいマイクロソフトの真骨頂は、自分が勝てなければすでにユーザーが実際に使ってるものを何でも統合するところにある。今日同社は、Xbox OneをGoogleアシスタントからコントロールできると発表した。まだそれはベータだが、今秋中には正式のローンチになるようだ。

ただしそれは、Xbox OneからGoogleアシスタントを使えるという話ではなくて、GoogleアシスタントからXboxのゲームを立ち上げたり、ポーズしたり、ボリュームを上げたりできるのだ。(今は英語のみ。「Hey Google, turn off Xbox」とか。

使えるコマンドのリストが、このページを参照してほしい。

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デバイスはiOSやAndroidのスマートフォンなど、アシスタント対応デバイスなら何でもいい。最初はAndroidやiOSのGoogle HomeアプリでXboxをセットアップする。これでXbox Oneがアシスタントのエコシステムの一員になる。つまり、アシスタントからコントロールできる。

なお、消費者市場でCortanaをギブアップしたマイクロソフトはAmazon(アマゾン)とも協働してAlexaをWindowsから使えるようにした。つまりマイクロソフトにとって重要なのはユーザーが同社のデバイスやWindows 10を使っていることであり、それを何でコントロールしているかはどうでもいい。だからXboxに次いでPCにもGoogleアシスタントが来るのは時間の問題だ。Windows 10がGoogleアシスタントを完全にサポートするかもしれない。

関連記事: AmazonがAlexaイベントで発表したものたち

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マリオカート ツアー がiPhone、iPad、Android向けにリリース

任天堂の最新スマートフォン向けゲーム「マリオカート ツアー」がiPhone、iPad、iPod touch、そしてAndroid向けにローンチされた。このゲームは任天堂の他のゲームと同じく無料でプレイでき、アップグレードやアンロックに使うアプリ内課金(「ルビー」 と呼ばれるゲーム内通貨)も存在する。

プレーヤーが1台のキャラクターのロックを解除してチュートリアルを開始すると、すぐに「マリオカート ツアー」の操作方法が紹介される。これは、任天堂のさまざまなゲーム機でマリオカートをプレイしたことがある人が慣れているものとは少し異なる。具体的には、カートは常に前に進むのでアクセルがなく画面上で指をスライドさせることで左右にハンドルを切り、タップで拾った物や武器を使用する。

そしてハイスコアによりポイントが貯まり、ゲーム内のロック解除で使用できる。また、同じアイテムが3つ揃えば「フィーバーモード」 となり、アイテムが一定時間無限に使用できる。また他のキャラクターとのレースの順位ではなく特別な課題も新たに加わった。さらに、世界中のプレーヤーとのオンラインランキング機能もある。

ゲーム内の「ツアー」の要素も新しい。現実世界の都市にインスパイアされたコースが、伝統的なマリオカートのコースとともに登場し、2週間ごとに新しいツアーが開催される予定だ。ゲーム内のキャラクターには、こうしたツアーからヒントを得たコスチュームも用意される。

任天堂のこれまでの実績を考えれば、マリオカートツアーはゲーム内課金なしでも完璧にプレイできるはずだが、もしかするとゲーム内通貨なしではいずれ壁にぶつかるかもしれない。Apple(アップル)がカートゲームのSonic Racingを含め、アプリ内課金を排除した独自のApple Arcadeを発表したばかりであることを考えると、今後の展開が興味深い。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

製品がまだないのに投資家が殺到、多様な派生ゲーム体験を作れるManticore Games

投資家は、成長余地の大きい消費者向けテクノロジー分野としてゲームのプラットホームに目をつけている。

米国時間9月25日、ステルスのゲームスタートアップであるManticore Games(マンティコア・ゲームス)は、シリーズBで3000万ドル(約32億1700万円)を調達したことを発表した。投資家は、Benchmark、Correlation Ventures、BITKRAFT Esports Ventures、M Ventures、Arrive、Sapphire Sport、Tuesday Capital、そしてSV Angelだ。同社によるとこれまでの調達総額は、プロダクトをまだ何も発売していないにもかかわらず4500万ドル(約48億2600万円)あまりに達する。

しかし同社は、今作っているものの名前とある程度の詳細を発表しているのみだ。

同社の最初のプロダクトはCOREと呼ばれ、それはゲーマーが新しいカスタムな体験を構築する方法だ。ユーザーはこのプラットホーム上でそのような体験を作り、収益化できる。そのために技術的能力はあまり要らないようだ。

CEOのFrederic Descamps(フレデリック・デカン)氏は「これまでのゲーム開発の過程は極めて硬直的でしかも複雑だった。私たちはゲーム作りに新しい世代のゲームメーカーを呼び込みたい」と語る。

同社はまだステルスなので、話せないことがたくさんあるそうだ。同社が開発しているプロダクトはUnreal Engineを使用するが、それ自身はゲームエンジンではなく、Manticoreの創業者たちによるとユーザーのゲームへの関わり方は、TwitchやYouTubeに近い。まるで、わからないことだらけだ。立ち上げのタイムラインも示されていないが、なにしろもうすぐらしい。

プレスリリースでは同社は自分のことを「多様なオンライン体験の共有をサポートする相互協力的なソーシャルエコシステム」と呼んでいる。

どうやらManticoreは、Fortnite(フォートナイト)やRoblox(ロブロックス)、そしてMinecraft(マインクラフト)のような大型人気ゲームの世界に「作者モード」というものを持ち込みたいようだ。自分の強力な基盤を築く前に既存の人気ゲームの力でプラットホームを作るのは、言うまでもなくリスクが大きい。プラットホーム立ち上げに際しては自社製品も登場するのかと尋ねたが、答はなかった。

デカン氏と共同創業者のJordan Maynard(ジョーダン・メイナード)氏はA Bit Luckyというゲームスタジオをやっていたが、それは2012年にZynga(ジンガ)が買収した。今回のManticoreの立ち上げまで、両人はZyngaに役員として在籍していた。

関連記事:Zynga Buys A Bit Lucky To Break Into Mid-Core Gaming(ZyngaがA Bit Luckyを買収してミッドコアゲームに進出、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Googleが350種以上のゲームをサブスクで楽しめるPlay Passをいまだけ月約2ドルで開始

Apple Arcade好評のようだが、米国時間9月23日にGoogleもサブスクリプションのモバイルゲームストアを発表したGoogle Play Passは今週中に米国で利用できるようになるが、近く多数の国に拡大される。 ゲームを中心とする350タイトルが登録されており、サブスクリプション契約すればすべて自由にダウンロードして利用できる。Apple Arcade同様、アプリ内課金や広告は一切ない。 スタート当初の割引プロモーションがあり、月額1.99ドルで1年間利用できる。

料金は1年後に月額4.99ドルの通常料金に戻される。偶然かどうか、これはApple Arcadeと同額だ。スタート割引はが提供されるのは 今年10月10日までだという。

Apple ArcadeとGoogle Play Passはコンセプトも仕組みもよく似ている。両者とも多数のプレミアムコンテンツを月額サブスクリプションで提供するオンラインストアだ。しかし当然だが差異もある。

たとえばApple Arcadeは独占配信だ。つまりここに登録されるゲームはAndriodでは入手できないが、 Google Play Passの場合はAndroidでもiOSデバイスでも利用できるアプリが含まれる。Play Passのカタログにはustwo gamesのMonument Valleyをはじめ、クロスプラットフォームのタイトルが多数ある。

またPlay Passのローンチタイトルにはゲームだけでない。AccuWeather、Facetune、Pic Stitchなどの人気アプリの広告が表示されないプレミアムバージョンも利用できる。

スタート時のタイトルにはMonument Valleyに加えて、スターウォーズのゲームであるKnights of the Old Republic,、 Stardew Valley、 Hasbro(ハスブロ)の外交ゲーム、Risk、ゲーム・オブ・スローンズのReigns: Game of Thronesなどが含まれる。それほど有名ではないが、LIMBO、Lichtspeer、Mini Metro、Old Man’s Journeyなどのカジュアル・ゲームも登録されている。This War of Mine、Cytusは近日追加されるという。学齢期以前の子供むけタイトルもToca BocaやMy Townなどのシリーズが用意される。

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プラットフォーム独占配信ではないため、Google Play PassのカタログにはApple Arcadeの3倍以上のタイトルが含まれる。とはいえ、Apple Arcadeのゲームには高品質なよくできたゲームが多い。一方Play Passは上で触れたように気象予報などの便利なアプリのプレミアム版が多数含まれる。

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Apple Arcadeと同様、Google PlayのアプリにPlay Passに登録されていることを示すアイコンが付加される。Apple Arcadeの場合、個々のゲームを検索するにはArcadeタブを開く必要があるが、Google Play PassのタイトルはPlay Storeのトップから直接検索できる。この点ではGoogleのほうがゲームを探しやすい。

これもApple Arcadeと同様、Play Passをサブスクリプションすると本人を含めて家族6人がプレイ可能だ。これにはファミリーマネージャーに必要な情報を設定する必要がある。

GoogleがApple Arcadeのライバルを準備している情報はしばらく前から流れていた。またGoogle自身も最近、これを確認するツイートをしていた。今回明らかになったのはローンチの日時と価格だ。

Google Play Passは今週、Androidデバイス向けに公開される。当初は米国のみだが、すぐに多数の国がカバーされるという。当初のサブスクリプションは月額1.99ドルで、本契約の前に10日のトライアルが可能だ。通常料金は月額4.99ドルで、プロモーション料金で契約した場合も1年後には通常料金に戻る。

AppleもGoogleもデベロッパーとの関係についての情報は明らかにしていない。ただし Googleは「多くの人々がPlay Passのタイトルをダウンロードすればそれだけデベロッパーの収入が増える」としている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ゲームエンジンのUnityが汎用クラウドシミュレーターを発表、クラウドアプリの過酷ななテストが可能に

ここ数年Unityは、ゲームデベロッパー以外の顧客にとっても不可欠な存在になると公言してきた。それ以来、評価額がうなぎのぼりだ。

Unityはリアルタイムのレンダリングが可能な3Dゲームエンジン。このプロダクトのより興味深いユースケースは、企業システムの仮想環境の中で行う訓練を助けることだった。ロボティクスのスタートアップや自動運転を研究している企業など、絶えず変化する状況に対して何度も何度もテストするような技術を作っている企業のワークフローの重要な一部となる。

米国時間9月24日、UnityはUniteカンファレンスで、このようなユースケース専用のプロダクトUnity Simulationを発表した。このプロダクトは現在非公開ベータだが、UnityとGoogle Cloudのパートナーシップにより、顧客が製品をクラウドに接続したハードウェアで動かした場合のシミュレーションを行う。

以前Uberで機械学習を指揮した、UnityのAI担当副社長を務めるDanny Lange(ダニー・ラング)氏は「Unityのリアルタイム3Dレンダリングの開発プラットホームと、クラウドのスケーラビリティおよび高い自由度を組み合わせたUnity Simulationで企業は、これまでより優れた安全で信頼性の高い製品の生産を加速できる」と語る。

例えば自動運転車の企業ならこれらのシミュレーションを使って、技術の限界をテストしたり、めったにない状況を車に体験させたりすることができる。ロボティクスの企業も同様に、まだ存在しない実機に対して仮想的なテストを実行できる。

大手企業はすでに、Unityのこのような使い方を実践しているが、それらは自社のハードウェアに限定されている。Unity SimulationはGoogle Cloudを使って複数のテストを並列的に動かし、中小企業でも仮想環境におけるテストができるようにしている。

関連記事:Waymo has now driven 10 billion autonomous miles in simulation(Waymoの自動運転車はシミュレーションで100億マイル走った、未訳)

このプロダクトはゲーム以外の顧客にも訴求できると思われるが、ゲームスタジオを排除するわけではない。Unityのウェブサイトに載っている用例の中には、このサービスが何千ものゲームプレイの結果をシミュレートして、ゲームの難易度をデベロッパーが調整する例がある。マルチプレーヤーのゲームでは、新しいアイテムやパワーアップが特定のユーザーを強くしすぎないかテストできる。そしてもちろん、ゲームソフトウェアの安定性もテストできる。

Unityの発表は、このゲームテクノロジー企業にとってきわどい時期に行われた。同社は現職CEO John Riccitiello(ジョン・リッチチェロ氏に対する女性役員からのセクハラ提訴で動揺している。コペンハーゲンで行われたUniteカンファレンスでは、リッチチェロ氏は壇上でスピーチしたが、その提訴については語らなかった。

同社は最近、60億ドルの評価額で5億2500万ドルの資金調達を完了したことを公表した。来年IPOするとのもある。

関連記事:Former Unity Technology VP files lawsuit alleging CEO sexually harassed her
Unityの元技術担当副社長がCEOをセクハラで告訴、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Twitchが検索および発見機能を改善するためにゲームデータベースサイトを買収

Amazonが所有しているTwitchが、小規模ながら戦略的な買収を行った。その検索機能を改善して、視聴者を高い精度で適切なコンテンツに誘導できるようにすることが目的である。同社が買収するのは、インターネットゲームデータベースのIGDBである(AmazonのIMDbとは無関係)。これはあらゆる場所のゲーマーのために、すべてのゲーム関連情報を集めた包括的リソースウェブサイトだ。この買収の結果、IGDBのデータベースはTwitchの検索および発見機能セットに提供されることになった。なお、IGDBウェブサイト自体はシャットダウンされない。

2015年にChristian Frithiof(クリスチャン・フリチオフ)氏とスウェーデンのGöteborg(ヨーテボリ)に拠点を置く小さなチームによって設立されたIGDBは、コミュニティからの貢献と自動化の両方を通じてゲームコンテンツを提供している。

このサイトには、ジャンル、サポートされるプラットフォーム、説明、メンバーおよび評論家による評価とレビュー、ストーリー展開、ゲームモード、パブリッシャー、リリース日、キャラクターなど、すべてのゲームに役立つ情報が含まれている。また、関心があるゲームをプレイするのにかかる時間や、ゲームが提供するプレイヤーの視点などの、あまり一般的でない詳細情報を見つけることもできる。

また、エンターテインメント業界に関連したすべての情報を整理するというIMDbの使命と同様に、IGDBは特定のタイトルに関連するクレジット全体をリストすることに加えて、声優がサイト上でプロフィールを掲載することを許している。

収益を生み出すために、IGDBは開発者向けAPIを提供していた。それは小規模な利用(月1万リクエストまで)に対しては無料だが、それ以上5万リクエストまでの利用なら月99ドル(1万円強)となる。関心のあるパートナー(例えばASUSなど)は、特別価格の交渉のためにコンタクトすることができた。私たちの知る限り、これまでIGDBは数千のAPIユーザーと提携していた。

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TwitchはTechCrunchに対して買収の事実を認めた。

「何百万人もの人たちが毎日Twitchを訪れて、お気に入りのストリーマーやコミュニティを見つけてつながっています。わたしたちはそうした人たちが探しているものを見つけやすくしたいのです」と広報担当者は語った。「IGDBは包括的なゲームデータベースを開発してきました。私たちはTwitchでの検索と発見をより迅速に改善および拡張できるように、それを提供できるようになることを嬉しく思っています」。

取引条件は明らかにされていないが、金銭的な観点からは小規模な取引である可能性が高い。Crunchbaseのデータによれば、IGDBはたった10人のチームであり、これまでにわずか150万ドル(約1億6000万円)を調達しただけだった。

とはいえ、戦略的な観点から見ると、買収の影響ははるかに大きなものだ。

TwitchのCEOであるエメット・シアー(Emmett Shear)氏は、Twitchの検索機能を取り巻く問題と、その面を改善する必要がどれほどあるかについて公言してきた。

「Twitchのすべての場所で、発見のお手伝いをしたいのです。現在、Twitchにいらっしゃる方のほぼ3人に1人の方が、探しものをするために検索機能を使っています。こうしたことを口にするのは初めてですが、私たちの検索機能は最高のものとは言えないもののままでした」と、シアー氏は今年の始めにベルリンのTwitchConで発言している。「文字を1つ間違えただけで、それまでの検索結果が失われてしまったり、探していたものではないストリーマーへ誘導したりしていました。なので、それが本当に役立つように、私たちは検索を修正します」と彼は約束した。

ここ数週間のIGDBには、何かが起こっているというヒントが見られた。

2019年8月19日付のブログ投稿で、IGDBは「バックエンド、データベース、ホスティングの大規模な移行」を開始すると発表し、サービスは「もうすぐ一部変更されます、一時的なものもあれば、その他恒久的なものもあります」と書いている。変更の一環として、ユーザーがサインアップしたりプロフィールを更新する機能を停止し、パルスニュース、フィード、およびレコメンデーション機能も停止した。

Twitchの一部となったIGDBは、無料APIとプレミアムAPIを1つの無料層に統合し、他の機能をクリーンアップし、インフラストラクチャを移行する。IGDBのWebサイトは引き続きオンラインのままだ。

「私たちの使命はいつでも、世界で最も包括的なゲームデータベースを構築することです。小規模なスタートアップチームの場合には、このような途方もない取り組みは、極めて困難なものになるかもしれません」とIGDBのブログ記事は綴られる。「Twitchと合流することで、私たちは彼らの経験、リソース、スキルを活用できるようになります。これにより、私たちは進歩を加速し、私たち全員が常に夢見ていたバージョンのIGDBを提供できるようになるでしょう。それだけでなく、2つの会社はゲームに対する同じ文化、コアバリュー、情熱を共有しています。これは私たちをピタリと組み合わせてくれるでしょう」と投稿には書かれている。

以前Twitchが、競合するデータプロバイダーであるGiant Bombを採用していたことは、業界ではよく知られている。よくあることだが、Twitchは切り替えの実施についてIGDBと話し合っていて、それが買収につながった可能性がある(Twitchはこの件がどのように実現に至ったかについての説明は拒否した)。IGDBを他のAPIプロバイダー、例えばMobyGamesなどとは違うものにしていたのは、競合するプロジェクトによるものも含め、APIを商用利用可能にしていたことである。さらにはデータをキャッシングしローカルデータベースに保存することも許可していた。

IGDBの10人のチーム全員が引き続きスウェーデンに拠点を置き続けるが、Twitchへの報告はそのViewer Experience部門を通じて行われる。

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(翻訳:sako)

Apple Arcadeが9月20日のリリースを待たず、iOS 13プレビューでプレイ可能に

Apple(アップル)の新しいゲームサブスクリプションサービスであるApple Arcadeは世界で今週(日本では9月19日)リリースされるが、MacRumorsが発見したところによれば、iOS 13ないし13.1のプレビュー版をインストールしているユーザーはすでに利用を開始できるという。

Apple Arcadeの作動にはiOS 13、tvOS 13、macOS Catalinaがインストールされていることが必要だ。つまりデバイスに新しいOSをインストールするまでArcadeの体験はおあずけだった。iOS
13安定版が正式に配信されるのは今週木曜の9月19日の予定だ(日本のAppleサイトによれば9月20日に登場)。

広告が表示されないゲームプラットフォームを準備中だということは、今年始めにAppleがからアナウンスされていた。このサービスでプレイできるゲームには広告が出ないだけでなく、アプリ内課金もない。

つまりユーザーは4.99ドル(日本では600円)の月額サブスクリプション料金の負担だけで好きなだけゲームをダウンロードできる。同一のサブスクリプション契約で家族6人までがプレイ可能で、最初の1カ月はトライアル期間とjなって無料だ。

現在すでに53タイトルのゲームが登録されているが、Appleによればこの秋のうちに100タイトルになるという。

Apple Arcade 1

それぞれのゲームはApp Storeのページを持ち、トレーラー、スクリーンショット、年齢制限、カテゴリー、プレイヤー数などが表示される。

App Storeでこうしたゲームのページを見つけたがArcadeのサブスクリプションを申し込んでいない場合、「無料でApple Arcadeのトライアルを開始できる」というボタンが表示される。またアプリ名上部には「Apple Arcade」と表示される。

Apple Arcade 2

【Japan編集部追記】 日本のAppleのプレスリリースによればArcadeはiPadOS、tvOSでは9月30日、macOSでは10月以降。なおiOS 13の場合、9月19日から利用可能とある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

荒らしの手口から正しいメディア・リテラシーを学ぶゲーム

ネット上の偽情報に対抗する最良の薬は、正しく物事が判断できる十分な情報を社会が備えることだ。ただ問題は、そのような普遍的教育に近道がないことだ。

フィンランド国営放送YLEは、ゲーミフィケーションの力を利用することで、注意力を高め、荒らしの手口を理解して、より多くの人が悪質なインターネット上のフェイク情報を見破れるようにしたいと考えた。そうして出来上がったのが、オンラインゲーム(Troll Factory」(トロール・ファクトリー、荒らしの工場という意味)だ。文字どおり、憎たらしい荒らしに成りきることができる。

ゲームは「本物のソーシャルメディアのコンテンツを使用しています」という事前警告から始まる。不快な気持ちになるかも知れないという警告だ。プレイを進めると、ソーシャルメディアで実際に拡散したイスラム恐怖症のスローガンやネタが登場する。なるほどこの警告には、相応の意味がある。

ゲームは、メッセージアプリで会話をするという形をとっていて、トロール・ファクトリーのボスから、仮想スマートフォンで反移民感情を煽るよう命令される。そして、投稿する記事と、それを拡散させる方法を選ぶ。

インターネットで偽情報を流す戦術は、世論の二極化を目的にしている。ゲームでは、ソーシャルメディアで陰謀論を織り込んだネタを流したり、実際の事件を悪用してフェイク情報を拡散させたり、さまざまなデモグラフィックやプラットフォームに向けて憎悪に満ちたコンテンツをマイクロターゲティングしたり、有料のボットを使ってプロパガンダを拡散して、実際よりも人々の嫌悪感が強いように見せかけるといった方法が示される。

トロール・ファクトリーの1週間ぶんの仕事を終えると、あなたのランクと偽記事がどれほどシェアされフォローされたかが示される。そしてこの結果を受けて、あなたが加わった活動をより広い文脈で一般化して、人々に影響を与える手口が解説される。

YLEニューズ・ラボのAIおよびパーソナライズ部門の代表Jarno Koponen(ヤーノ・コポーネン)氏によると、教育と情報の提供を担う非営利の国営公共放送局YLEは、トロール・ファクトリーのフィンランド語版を5月にリリースしているが、国家安全保障機関や学校でも教材として使われるなど国内で大変に高く評価されたことから、続けて国際版(英語版)も発表することに決めたとのことだ。

「フィンランドでの最初の反響は、とても勇気づけられるものでした。必要とされていたという感じです」と彼はTechCrunchに話してくれた。「これは、情報操作を手で触れられて目で見えるかたちにしたものです。私たちには、公共放送局としてこの方法を、フィンランドと海外に提案し、一般の人々がそれぞれの立場で、日常のデジタル環境をよりよく理解できるようにする責務があると信じています」。

「同時に私たちは、ゲーム形式で物語を見せる手法で何ができるかについて、多くの意見を募っています。それを基に、将来によりよい製品を開発していくつもりです。また、例えば世界中の公共放送局とその結果を共有したいと考えています」。

コポーネン氏は、ゲーム化によってフェイクニュースを見破ことができるというケンブリッジ大学の最近の研究を受けて、ゲームが悪質な情報の嘘を見破るというひとつの仮説を検証したいと話していた。

YLEは、偽情報追放のメッセージをドキュメンタリー番組などの昔ながらの教育的な形式で伝えようとせず、なぜゲームという体裁を採用したのかとの問いに対して、彼は「私たちのデータによれば、ニュース記事や従来式のソーシャルメディアの分析結果は大衆には届かず、影響力が小さいからです」と答えた。

「ソーシャルメディアはポケットに入れて、どこへでも持ち歩けます。ソーシャルメディアに関する教育手段も、ポケットに入らなければいけません。特に若い人たちは、なかなか到達し難いオーディエンスです。そのため、若者たちに無党派の情報と、私たちを取り巻く世界の本質を見抜く力を与えるために、物語を伝えるための新しい手段を積極的に開発する必要があります。私たちは、データの視覚化やインタラクティブなシミュレーションなど、さまざまな形式を試しましたが、ゲーム形式の体験がもっとも効果的で魅力的であることを発見したのです」。

「現在は、ソーシャルメディア(TwitterやRedditなど)や私たちのウェブサイトで、ユーザーから直接意見を聞いています」と彼は話す。「うまく表現されているコメントには、こんなものがありました。『これはひどい。でも、それをわからせてくれてありがとう』『怖いけど、すごくよくわかる』。これは特に学校や公共図書館などの子どもたちと関わりを持つ団体や、情報セキュリティーや国家安全保障のプロたちがソーシャルメディアを通じて利用してくれています」。

ソーシャルメディアのプラットフォームは、ボットや不正なコンテンツを排除するためにもっと努力すべきだと思わないかと尋ねると、コポーネン氏はプラットフォームの透明性を高める必要性を挙げたが、やはりメディアリテラシーが巨大ハイテク企業を動かす鍵になると答えた。

「さらなる透明性が、ソーシャルメディアのプラットフォームに利すると私たちは考えます。しかし、人々がより賢明になれば、何が有効で何がそうでないかを自分で判断できる力が備わります。メディアリテラシーを高めることが、ソーシャルメディアプラットフォームの運営や方針に重大な影響を与える鍵になると、私たちは信じています」。

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(翻訳:金井哲夫)

RazerがゲームでiPhone酷使したときの冷却ケースを発売

ゲーム専用のスマートフォンを目指すRazerの取り組みは、今のところまだ不発だ。しかし、モバイルゲームはいよいよますますビッグビジネスになり、AppleやGoogleなどの大手も機会をうかがっている。

アクセサリーは長年同社の稼ぎ頭だったから、今回のArctech(アークテック)のような製品は同社にとって、iPhone 11レースに参加する一番容易な方法だっただろう。この製品は、ゲームのような苛酷な使い方をするとき電話器本体の過熱を防ぐスマートフォンケースだ。

Thermaphene

この製品はRazerが特許を持つThermaphene(サーマフェン)がマイクロファイバー製の裏地にサンドウィッチされ、またケースの外皮は多孔状になっていて熱を逃がす。同社は、こう説明している。

Thermapheneは熱伝導性のある素材で、熱を放散する。同じ形のケースと比較したところ、Razer Arctechケースは他製品より摂氏6度低い温度を維持した。

このケースには「スリム」と「プロ」の2つのバージョンがあり、後者は、高度3mからの落下に耐える保護能力がある。同社のRazer Phone 2との同日ローンチについて、Arctechはアップルの新しいiPhone用の製品だからと区別している。スリムは30ドル(約3230円)、プロは40ドル(約4300円)で、どちらも本日から入手できる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ゲームの世界のビデオによるソーシャルネットワークMedal.tvが10億円近くを調達

最初からMedal.tvは、ゲーム世代のためのソーシャルネットワークを目指していた。

2月のデビュー以来、このゲーマーのためのクリッピングとメッセージングサービスは500万人のユーザーを獲得し、1日のアクティブユーザー(DAU)は数十万に達した。そして今回はHorizons Venturesがリードするラウンドにより、900万ドル(約9億6200億円)の資金を調達した。Horizonsは、香港の富豪Li Ka-shing(李嘉誠、り かせい)氏が設立したベンチャーキャピタルファンドだ。

関連記事:Medal.tv’s clipping service allows gamers to share the moments of their digital lives(Medal.tvのクリッピングサービスでゲームの決定的瞬間を共有、未訳)

Horizons Venturesの投資家Jonathan Tam(ジョナサン・タム)氏は「短編ビデオの共有が、今の世代の自己表現とエンターテインメントの手段になっている。そんな中でMedalのプラットホームは、ゲームそのものを超える対話的ソーシャル体験の基盤になるだろう」と語る。

Medalは、ソーシャルネットワークと、ゲームデベロッパーにとってのマーケティングのツールであることの両方に可能性を見出している。後者としてのMedalは、ゲーマーたちにとって新しい発見の場になるのだ。

Medalに投資したエンジェル投資家でヨーロッパのGoogle Play GamesのトップだったMatteo Vallone(マッテオ・バローネ)氏は、「友だちがゲーム発見の重要な契機だ。だからデベロッパーにとっては、共有できるゲームが有利だ。Medal.tvでは、ストリーミングにはない気軽さで友だちとゲームの共有ができる」と語る。

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一方、投資家たちが2000万ドルでも出すと言っているこのプラットホームのCEO Pim de Witte(ピム・デ・ウィット)氏は、「まだまだいろんなリスクがあるから、そんな大金には手を出せない」、と言っている。

むしろHorizonsや前の投資家Makers Fundからの900万ドルぐらいが、企業の堅実な成長のためにはちょうどいい。

ウィット氏は声明で「Medalで我々が信じているのは、次のビッグなソーシャルプラットホームはゲームから生まれるということだ。おそらく短編ビデオがそのベースになるだろう。またゲームの出版者たちが独自のゲームストアやシステムを作っていることも、その流れに貢献するだろう。後者によって市場にはソーシャルな分裂が生じるから、ますますMedalやDiscordのようなプラットホームのニーズが大きくなる。そこではいろんなゲームからやってきたゲーマーたちが、有意義な形で一体になれる」と語る。

ある特定の世代にとっては、デジタルゲームがもっとも好きなソーシャルメディアであり、消費者が仮想的体験を共有するためのツールがますます広まっている。この現象は、フォートナイトのマシュメロコンサートのようなイベントが普通になるにつれて、ますます加速するだろう。

Makers FundのRyann Lai(リャン・ライ)氏は「Medalには、仮想体験のソーシャルな交換をきわめて自然に気楽に行えるエキサイティングなパワーがある」とコメントしている。

画像クレジット: Marshmelloのライセンスによる

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Nintendo Switch Onlineにスーファミのゲームが登場、コントローラーも提供

任天堂のSwitchゲーム機の、サブスクリプション方式のオンラインサービスNintendo Switch Onlineが、日本時間9月6日からSNES(スーパーファミコン)ゲームの提供を開始する。最初に提供されるのは20本のゲームだが、今後もっと増える。

ゲームのソフトウェアと並んで、Switch用のワイヤレスSNESコントローラーもあり、それはUSB-Cで充電し、29.99ドルで任天堂から直販される。

Nintendo Switch OnlineのSNES部門の最初のラインアップを見ると、今後に期待できそうだ。すでに人気作品Star Fox(スターフォックス)、Breath of Fire(ブレスオブファイア竜の戦士)、F-ZERO(F-ZERO)、Super Mario World(スーパーマリオワールド)、Super Metroid(スーパーメトロイド)などが揃っている。下図は、それらの完全なリストだ。(日本語タイトルのリスト

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FCCに提出されたSNESコントローラーのファイルを見ると、これが今月の初め頃から起きていたことがわかる。同様に昨年は、NES(初代ファミコン)ゲームのNintendo Online Serviceデビューと並行して、NESのコントローラーもリリースされた。

今回のサプライズ発表で嬉しいのは、まさに今からプレイできることだ。9月6日からあなたのSwitchのNintendo Onlineアプリを開けば、これらの懐かしいゲームの古典をプレイできる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

クラウドファンディングの常連Loogが3種類の教育用ギターをローンチ

およそ8年前にクラウドファンディングに初登場した教育用ギターのメーカーLoogが今週、Kickstarterに戻ってきた。実はこれで4度目だが、今回は学習の過程を加速することを目的とする3種の楽器をお目見えした。

その3種類は対象年齢層別になっていて、Loog Miniは3歳以上、Loog Proは8歳以上、そしてLoog Pro VIは12歳以上だ。最後のVIは文字通り6であり、同社の学習用ギターとしては初めての6弦だ。これまでは、3弦のみ。

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どれもスピーカーとアンプを内蔵しており、子どもの最初の楽器として余計なアクセサリーは必要ない。同社が提供しているアプリも使えるが、今ではそれは拡張現実(guitARとでも呼ぼうか)を利用しており、モバイルデバイスの前面カメラを使うとインストラクションをオーバーレイする。コード用のフラッシュカードやビデオ、それにゲームもある。

アプリにはソングブック(曲集)があり、ビートルズやテイラー・スウィフトなどいろんな人気アーティストをそろえている。子どもはカラオケ的にそれらの曲を遅くしたりミュートして録音ができる。

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Kickstarterの出資者価格は、定価150ドルのMiniが99ドルからだ。同社はクラウドファンディングの常連だが、今のところそのやり方はうまくいっている。Loogは音楽教育の世界で一定の評価と人気があり、Kickstarterのビデオにもあるように、二人の本物のロックスターが愛用したこともある。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa