26日午前2時開始のアップルイベントのテーマはサブスク、アップルクレカの発表も?

Apple(アップル)のビッグイベントがいよいよ日本時間26日火曜日午前2時に迫ってきた。最大の驚きはAppleがイベントを待たずに新しいハードウェアを続々と発表したことだろう。iPad AirminiiMacAirPodsがリリースされた後ではイベントでハードウェア面での「もう1つ」が披露されることは期待薄だ。

実際、Appleがわれわれに送ってきた招待状には「Show Time」と書かれていた。これは 2006年のイベントの招待状に「It’s Showtime」とあったのを引用しているらしい。ここでAppleは翌年のApple TVの先駆けとなるiTVを発表している。

しかし今回のイベントではAppleはなんらかの新しいサービスを発表するようだ。スポットライトを浴びるのは長年噂されてきたオリジナルコンテンツのビデオプロダクトだろう。いかに情報管理に厳格なAppleといえども、このプロジェクトに10億ドルもの製作資金を投じていてはすっかり秘密にしておくことはできない。昨年からさまざまなソースから噂を聞くようになった。なんとオプラ・ウィンフリー、スティーブン・スピルバーグまで動員されているという。

新しいビデオサブスクリプションサービスはAmazon、Netflix、Huluといった市場のリーダーや以前から噂が流れているDisneyのストリーミングサービスと真っ向から激突することになると推測されている。しかしもっと説得力ある説だとAppleは他のストリーミング・サービスと対決するのはなく、むしろ自分のプラットフォームを通じて他のサービスもユーザーを獲得できるようにしていくビジネスモデルだという。

そうであれば、これは現在のApple TVと似たビジネスモデルだ。報道によれば、Appleは 新しいコンテンツストアを準備しているという。このサービスにはHBO、Showtime、Starzなどの既存のストリーミングサービスがバンドルされるという。簡単にいえば、Appleが破壊的革新を目指しているのは既存のケーブルTVのエコシステムだ。Appleのハードウェアは世界中至るとこにろに浸透しているので自身がケーブルTVプロバイダーになればその影響は巨大だ。これはApple Musicが音楽産業に与えた影響に匹敵するだろう。

あれこれ取り沙汰されているオリジナル作品についていえば、そもそもAppleはこうしたオリジナルコンテンツの売上によって利益を得ようとしているのではなさそうだ。報道によれば、Appleのデバイスのユーザーは無料で視聴できるという。多数のオリジナルコンテンツが製作中だ。(略)

ビデオストリーミング関係の話題がイベントの大きな部分を占めることは間違いなさそうだが、Appleは依然として驚きのタネを隠しているかもしれない。そのひとつは長く噂になっているサブスクリプションニュースだ。Appleは映画、テレビ番組と並んで、「Netflixのニュース版」というべきサブスクリプション・サービスを準備するために各種のニュースメディアと交渉しているという情報が出ている。デジタル雑誌購読アプリのTextureを買収したのはその準備の一環だろう。

Wall StreetJournal(ウォールストリートジャーナル)の記事によれば、Appleのニュースサブスクリプションに関して新聞社、出版社の多くは収入の分配率に不満を抱いているという。しかしWall StreetJournal自身をはじめとして有力メディアの多くが参加を決めているということだ。

もうひとつの情報はAppleがGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)との提携により自社ブランドのクレジット・カードを発行するというものだ。Goldman SacksのCEOが今回のイベントに登場してApple提携カードを発表するという情報も流れている。

いずれにせよイベントは太平洋時間の3月25日月曜日午前10時、日本時間26日午前2時にスタートする。TechCrunchでは現地で取材し、何であれ判明次第報じる予定だ。

【編集部注】TechCrunchでは明日のイベントでゲームのサブスクリプションサービスも発表されるかもしれないと報じている。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

日本時間3月26日未明のアップルイベントを前に無人のスティーブ・ジョブズ・シアターを覗いてみた

今日の午後は何をする予定?あなたの答えが「無人のスティーブ・ジョブズ・シアターのライブストリームを見る」だとしたら、正直私は何をもってすればアップルファンを自称できるのかわからない。

クパチーノで行われるイベントの前日、Apple(アップル)による空っぽのシアターと思われるもののストリーミング中継では闇に包まれる中、巨大画面に何やらサイケデリックなデザインが動いている。すべては翌日を盛り上げるためであることはほぼ間違いない。実際ファンたちは午前のリハーサルのあと間違って動画が流れ続けていないか必死で探している

一番考えられるのは、われわれが見ているのは合成したCGモックアップか、会場を事前に撮影したビデオだろう。大画面に奇妙なポップアップが表示されたこともあった。Appleはこうしたビッグイベントの直前にお楽しみを提供することで知られている。これを愉快なおふざけと見るにせよ、心優しい「釣り」と見るにせよ、この会社は間違いなくわれわれの注目を引いている。必要だとは思わないが。

Appleは明日のイベントで数々の新製品を発表すると見られている。Netflix競合サービス、ニュースサービス、ゲーミングサービスなどだ。Appleブランドのクレジットカードを準備中だという噂まである。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

明日のアップルイベントの目玉はオンラインゲームサブスクの可能性

Apple(アップル)は、米国時間3月25日(日本時間3月26日早朝)に開催される ビッグイベントで新しいサービスを発表するものと予想されている。誰もがNetflixに対抗するようなビデオストリーミングを予想しているが、Bloomberg(ブルームバーグ)の記事によればクラウドでゲームがプレイできるサブスクリプションサービスが発表される可能性があるという。

Appleがゲームサブスクリプションの開発に取り組んでいると最初に報じたのは、Cheddarの1月の記事だった。月額料金を支払えばゲームのライブラリにアクセスできるようというのだ。そこでiPhoneやiPad向けのiOSゲームの現状について確認しておくことが必要だろう。

ゲームはApp Storeで一番人気のあるジャンルだ。これをターゲットにサブスクリプションビジネスを始めるのは理にかなっている。しかし人気あるゲームのほとんどは広告でサポートされる無料版だ。Appleとしてはこういったゲームをターゲットにするつもりはないだろう。

Bloombergの報道によればAppleのサブスクリプションは、 MinecraftNBA 2Kグランド・セフト・オートなどのサードパーティのデベロッパーによる有料ゲームのシリーズに重点を置いているという。ユーザーはこうしたゲームが含まれるライブラリなら喜んで料金を支払うだろう。Appleは、ユーザーがゲーム内で費やした時間に基づいてゲーム開発者に収入を分配する。

明日、こうしたサービスが本当に発表されるのか、発表されるとしても、運営がスタートするのがいつかなどはまだはっきりしていない。ゲーム業界はテレビや映画以上にフラグメンテーションが進んでおり、多数の独立企業が群雄割拠している。ここにAppleが多数のゲームを統合するサブスクリプション・プラットフォームを提供することは十分に考えられる。ただし今が最適なタイミングなのかどうかは別問題だ。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

ハッカーがTeslaを乗っ取ってModel 3をゲット

2人のセキュリティ研究者が、年に一度の著名なハッキングコンテスト「Pwn2Own」を席巻し、Tesla Model 3を含む37万5000ドル(約4100万円)の賞金を手にした。このTesla車のインフォテインメントシステムが持つ脆弱性を、みごとに暴き出したことに対する報奨だ。

今年Teslaは、新しいModel 3セダンをPwn2Ownに供出した。自動車自体がこの競技に出されたのは初めてのこと。Pwn2Ownは、Trend MicroのZDI(Zero Day Initiative)によって運営されていて、今年で12年目となる。ZDIは、この企画に対して、これまで累計で400万ドル(約4億4000万円)以上の賞金を提供してきた。

この2人組のハッカー、Richard Zhu氏とAmat Cam氏は、チームFluoroacetate(フルオロアセテート)として知られている。ZDIによると、彼らは車に乗り込んで「集まった観客をワクワクさせた」。たった数分のセットアップ作業のあと、彼らは探索がうまくいったことをModel 3のウェブブラウザーに表示したのだ。

2人は、レンダラーのJITバグを利用してメッセージを表示した。そして、車そのものに加えて賞金も獲得した。わかりやすく言えば、JIT、つまりジャスト・イン・タイムのバグは、メモリ上のデータのランダム化をバイパスしてしまうもの。そのために、保護されるべき情報が露見してしまう。

Teslaは、このハッカーによって発見された脆弱性を修正するソフトウェアのアップデートをリリースすると、TechCrunchに語った。

「私たちが、Model 3を、この世界的に有名なPwn2Ownコンペに参加させたのは、セキュリティ研究コミュニティの中でも、最も優秀なメンバーに興味を持ってもらうためです。そして、このような特別なフィードバックが得られることを願っていました。今回のコンペでは、研究者は車載のウェブブラウザーに潜む脆弱性を指摘してくれました」と、Teslaは電子メールで伝えてきた。「私たちの車は、何層にもなったセキュリティ機能を備えています。それらは設計した通りに機能し、今回のハッキングのデモも、ブラウザーの表示だけに留めることに成功しました。その他の車の機能はすべて保護されていました。近日中に、今回の研究者の発見に対応するソフトウェアのアップデートをリリースするつもりです。今回のデモには、並はずれた努力と技術が必要だったことを理解しています。そして、彼ら研究者たちの仕事が、私たちの車が今日最も安全な乗り物であることを保証し続けるために役立っていることを、彼らに感謝します」。

Pwn2Ownの春の脆弱性研究コンペ、Pwn2Own Vancouverは、3月20日から22日まで開催された。今年は以下の5つのカテゴリに分かれていた。それらは、ウェブブラウザー、仮想化ソフトウェア、エンタープライズアプリケーション、サーバサイドソフトウェア、そして新たに追加された自動車だ。

今回Pwn2Ownは、AppleのSafari、MicrosoftのEdgeとWindows、VMwareのWorkstation、MozillaのFirefox、そしてTeslaなど、全部で19個の特徴的なバグに対して、総額54万5000ドル(約6000万円)を授与した。

Teslaは、ハッカーコミュニティとの協力関係を公にしている。その関係は、同社が2014年にバグに対する報奨金制度を開始してから続いている。それ以来、年々促進、強化されてきた。

昨年、同社は報酬の最大支払額を、1万ドル(約110万円)から1万5000ドル(約165万円)に引き上げ、同社のエネルギー関連製品も、その対象に追加した。今では、Teslaの車両、同社が直接ホストしているすべてのサーバー、サービス、そしてアプリケーションが、その報奨金制度によってカバーされている。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルがiMac系列を最新プロセッサーとグラフィックスでアップグレード

アップルは来週のビッグイベントを控えているというのに、そのほかのいろんなニュースで盛り上がっている。今週はまずiPadのアップグレードがあったし、そして3月19日には同社の岩盤であるiMac系列に少々のアップグレードを行ったことを発表した。

何年経っても人気が衰えないこのオールインワン機は、系列機とハイエンドのiMac Proとのギャップを埋める重要なアップグレードをいくつか行った。とくに重要なのは、インテルの第9世代プロセッサーと、Radeon Pro Vegaグラフィックスだ。ニューモデルは価格もルックスも前と変らない。いいことだ。2つのスタンダードモデルについてすこし詳しく言うと、次のようになる。

21.5インチ:第8世代の4コアに6コアオプションが加わり、従来機より60%(1.6倍)速くなった。さらにRadeon Pro Vegaにより、グラフィックスのスピードは最大80%(1.8倍)アップした。4Kのデスクトップ機は税別14万2800円から。

27インチ:この大型モデルは第9世代のインテルプロセッサーを搭載、コア数は6または8になる。こちらもRadeon Pro Vega使用。5Kのシステムは税別19万8800円から。

どちらのシステムも旧型機をリプレースする。アップルのサイトや店頭に登場するのは米国時間3月19日からだ。抜本的なリニューアルではないが、この長寿な系列機をアップツーデートに維持するには十分だ。これからも引き続き、クリエイティブのプロたちの仕事の相棒として、またホビイストのゲーマーたちの愛用機として生き延びるだろう。これ以上のものをお望みの方は、iMac Proを検討すべきだ。ただしこちらのデスクトップは、このところしばらく仕様が変わっていない。

関連記事:Apple updates iMac Pro options(未訳:iMac Proのメモリオプションなどがアップデート)

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Netflixは3月25日発表のアップルのビデオストリーミングサービスに加わらないとCEOが声明

Netflix(ネットフリックス)のCEOであるリード・ヘイスティングス(Reed Hastings)氏がロサンゼルスで行われたプレスイベントで「アップルが来週クパチーノの本社で発表する予定のストリーミングビデオサービスの一部にはならない」と述べた。

アップルのサービスにもオリジナルコンテンツはあるだろうが、でも同社が最初に力を入れるのは、一品ごとのサブスクリプションやサードパーティのチャネルでAmazon Channelsと競合するサードパーティのコンテンツだろう。Amazonの編成表にはHBO、Showtime、Cinemax、Starzなどが含まれるが、独自のアプリ内体験をコントロールしたいNetflixは含まれない。Amazonやアップルのようなお金持ちとの競合について聞かれたヘイスティングス氏はこう答えた。「楽ではないね。コンテンツの入手費用も上がるだろう」。ストリーミングビデの市場がますます細分化すると「需給関係により、コンテンツの原価が高くなる」というのだ。

しかしNetflixは、米国最大のビデオストリーミングサービスだから、反トラストの訴訟や論争の対象にもなってきた。反トラスト法の今後の規制について聞かれたヘイスティングス氏は、同社は「あくまでもテクノロジーを利用しているコンテンツ企業にすぎない」と言い、テクノロジーよりもコンテンツに投じている費用の方がはるかに多い、と言った。昨年Netflixのコンテンツ最高責任者(Chief Content Officer、CCO)のテッド・サランドス(Ted Sarandos)氏は、同社の支出の85%新しい番組やムービーに投じられている、と述べた。そして同社は10月に「新しいコンテンツの資金として20億ドルを借入金として調達する」と発表した

同社は国際展開にも積極的だが、しかしヘイスティングスによると、地元パートナーとのジョイントベンチャーで中国に進出することを一度は考えたが、今はそのような計画はない。彼によると、その戦略はアップルのiTunesのようなコンペティターでも(中国政府の規制回避に)役に立たなかったから、だそうだ。

画像クレジット: TechCrunch

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新登場の第3世代iPad Airと第5世代iPad miniはTouch IDとLightningポートを搭載

アップルのiPadのラインアップが新しくなり、プレスリリースが発表された。同社は(ようやく)iPad miniをアップデートし、新しいiPad Airを追加した。新しいiPad Airはエントリーレベルの9.7インチのiPadと11インチiPad Proの間に位置することになる。

現行のモデルはすべてApple Pencilに対応しているが、Apple Pencilを購入する際にはiPadのモデルをしっかりと確認する必要がある。3月18日に発売されたiPadでは、Apple Pencil(第1世代)を使用する。マグネットで充電とペアリングをするApple Pencil(第2世代)ではない。

では新しいiPadを見ていこう。まずは3年半アップデートされていなかったiPad mini。スマートフォンが大型化している昨今、アップルはiPad miniをやめるのだと多くの人が思っていた。しかしiPad miniは驚きの復活を遂げた。

外観は以前の2015年モデルと変わらない。しかしデバイスの中身はすべてがアップデートされている。A12チップ(iPhone Xsのために設計されたSoC)を搭載し、7.9インチディスプレイは25%明るく、色域が広く、True Toneに対応している。そしてApple Pencilが使える。

iPad Proとは異なり、iPad miniには引き続き指紋を読み取るTouch IDセンサー、Lightningコネクタ、ヘッドフォンジャックがある。64GBのWi-Fiモデルは45,800円で、すでに販売が開始されている。256GBモデルやWi-Fi + Cellularモデルも選択できる。カラーはシルバー、スペースグレイ、ゴールド。

次はiPad Air。おなじみの名前だが、iPadのラインアップの中では新しいデバイスとなる。昨年10月、アップルは新しいiPad Proを発売した際にこのセグメントの価格を引き上げた。

新しいiPad Airは11インチiPad Proより安く、外観はこれまでにあった10.5インチiPad Proと似ている。混乱しそうだ。iPad AirにはA12チップが搭載されていて、これはA10Xだった前の世代のiPad Proよりも大幅なアップデートと言える。iPad AirではSmart Keyboardを利用できる。

iPad Airは64GBのWi-Fiモデルで54,800円。256GBモデルやWi-Fi + Cellularモデルも選択できる。カラーはシルバー、スペースグレイ、ゴールド。

9.7インチのiPad(37,800円〜)は、今回はアップデートされていない。このモデルにはA10チップが搭載され、ストレージは32GBまたは128GB。ディスプレイはTrue Toneテクノロジーと広色域には対応していない。

(US版の記事を翻訳していますが、価格等は日本の情報を記載しています)

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

アップルはクアルコムの3つの特許を侵害、米連邦裁判所が判決

モバイルチップメーカーのQualcomm(クアルコム)はApple(アップル)を相手取った裁判でまた1つ小さな勝利を勝ち取った。

ロイターの報道によると、サンディエゴの連邦裁判所は3月15日、Qualcommの3つの特許を侵害したとしてAppleに3100万ドルの支払いを命じる判決を下した。

我々が以前報じたように、電力消耗やiPhoneの起動にかかるスピードに関するサンディエゴでの特許をめぐる裁判は2017年半ばから2018年後半にかけて展開されてきた。

クアルコムは、この期間に販売されたiPhoneが未払いで特許を使用したとして、1台あたりロイヤルティー1.41ドルが支払われるべきだと主張していた。

Qualcommは近年、米国、欧州、アジアでAppleを相手取ってたくさんの特許訴訟を起こしている。Appleの主張するライセンス契約は不公平で違法であるとする両社間の大きなバトルにおいて、訴訟はほんの小競り合いにすぎない。

サンディエゴの判決について、Qualcommの代表取締役副社長で法務部長のDon Rosenberg氏は以下のように述べた。

今日の満場一致の判決は、対価を支払うことなく我々の価値あるテクノロジーを使用していることについてAppleに責任があると指摘している我々の世界中での特許訴訟の中で、最新の勝利となった。Qualcommが開発したテクノロジーとその他が、Appleのこの分野への参入、そして急速な成長を可能にした。今回のケースでの3つの特許の侵害は、Qualcommの数万という価値ある特許ポートフォリオにおいては小さなものだ。我々のIPの使用に対して支払いを拒むAppleの戦略を世界中の裁判所が却下していることをうれしく思う。

特許訴訟に関連するiPhoneのモデルはiPhone 7、7 Plus、8、8 Plus、Xで、Qualcommの米国特許番号8,838,949(フラッシュレス・ブート)の特許と、米国特許番号9,535,490(アプリケーションプロセッサとモデムの間のデータマネジメント)の特許を侵害している。そして、iPhone 8、8 PlusそしてXはQualcommの米国特許番号8,633,936(高パフォーマンスのパワーマネジメントを伴うビジュアルグラフィックス)の特許を侵害しているとさている。

特許はモデムに含まれておらず、「セルラーデバイスに不可欠な標準とはなっていない」とQualcommはしている。

ロイターの報道は、この判決がAppleとQualcommの間で展開されている10億ドル規模のロイヤルティー裁判に適用されるなら、裁判所が下した損害賠償はさらに大きな意味を持つ、としている。そして、QualcommのIPに1ドルの価値を認めることで、サンディエゴの裁判はチップのライセンスプラクティスが正当なものであるという主張を潜在的に支持している、とも指摘している。

この記事執筆時点で、Appleが判決に対して不服を申し立てるかどうかは明らかではない。ロイターの報道によると、Appleは判決について遺憾の意を表明した後、この件についてのコメントを却下した。

我々はAppleにコメントを求めている。

ロイターへのAppleのコメントは次の通りだ。「特許を侵害しているというQualcommが展開中のキャンペーンは、米国の連邦裁判所、そして世界においてQualcommが直面しているビジネスプラクティスの調査という、より大きな問題から注意をそらすため以外の何ものでもない」。

Appleは2年前にQualcommに対し10億ドル規模のロイヤルティー訴訟を起こしている。

今回、強気の裁判になっているのには理由がある。1つには、QualcommがAppleに特許ロイヤルティーリベートの支払いで10億ドル近くを借金しているという裁判が別にあることが挙げられる(CNBC経由)。この裁判は来月始まる。

米国の連邦取引委員会はまた、2017年にQualcommに対し独占禁止の訴訟を起こしている。ここでは、Qualcommが法外な標準規格特許ライセンス料金を課すことでAppleを除外していると主張している。

この訴訟は1月に完結し、判事Lucy Koh氏の判決はまだ出ていない。

同時にQualcommはAppleを相手取って世界でいくつかの訴訟を起こしてきていて、そのうちのいくつかでは勝訴している。

12月、Appleは中国マーケットでiPhone販売停止となっていたかもしれない予備判決を覆すために中国で控訴した。

一方、ドイツでは古いiPhoneモデルの販売が1月に禁止された。しかし2月までに、Intel(インテル)ではなくQualcommのチップを使っているにもかかわらず2つのモデルを再び販売している。

この記事はQualcommからのコメントがアップデートされた。

イメージクレジット: Justin Sullivan

 

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

iPhoneのいちばんのウリ「プライバシー」を強調するAppleの広告

Apple(アップル)米国内で3月14日から、ゴールデンタイムに新しいスポット広告のオンエアを始めた。プライバシーに焦点を当てたこのCMには会話はない。「Privacy. That’s iPhone」(プライバシー。それがiPhoneです)というシンプルなメッセージが表示されるだけ。

一連のユーモラスな場面は「あなたにもちょっとしたプライバシーが必要なときがある」ということを再認識させる内容。それ以外には、たった1行のテキストがあるだけ。それはAppleが長期的にも短期的にも主張しているプライバシーに関する1つのメッセージと呼応している。「あなたの生活にとってプライバシーが大切なら、あなたの人生が詰まった携帯電話にとっても大切なはず」。

このスポット広告は、米国で木曜の夜からゴールデンタイムに放送され、NCAAのバスケットボールトーナメント、March Madnessまで続く。その後、いくつかの他の国々でも放送されることになっている。

洞穴の中にでも隠れていたのでない限り、Appleがプライバシーを、他社と差別化するための要因と位置付けていることに気づかない人がいるはずはない。数年前からCEOのティム・クック氏は、Appleが自社のプラットフォーム上でのプライバシーに対するユーザーの「権利」をいかに大切に考えているか、それが他の会社とはどのように異なっているのか、ということを、ことあるごとに公に明確にしてきた。Appleがそうした立場を取ることができた背景には、Appleの当事者としてのビジネスが、ユーザーとの、かなり直接的な関係に依存してきたことがある。Apple製のハードウェアを購入したユーザーは、同時にそのサービスを受け入れるように、ますますなっているのだ。

これは、GoogleやFacebookのような他のハイテク大企業のモデルとは対照的だ。そうした会社は、ユーザーとの関係の中に収益化の戦略を実現するためのしかけを忍び込ませている。それはユーザーの個人情報を(ある程度匿名化した形で)扱うアプリケーションとして、広告主にとって魅力的なものに仕立ててある。もちろん、ユーザーにとっても便利なものに見えるはずだ。

とはいえ、倫理的に優位な立場をマーケティング戦略として利用することに落とし穴がないわけではない。Appleは、最近、iPhoneを盗聴器にしてしまうことを可能とするFaceTimeのハデなバグ(すでに修正されている)を発見した。また、Facebookが、App Storeの認証を操作していたことが露見したことは、その時代遅れになったEnterprise Certificateプログラムの見直しが必要となっていることを明らかにした。

今回の「Private Side」のスポット広告の象徴的な画面が、プライバシーとセキュリティの概念をかなり密接に関連付けているのは、非常に興味深いことだった。それらは独立した概念ながら、互いに関連していることは明らかだ。このスポットは、これらが同一であると主張する。セキュリティを無視してプライバシーを守ることが難しいのは当然だ。しかし、一般の人にとってこれら2つの違いはほとんどないようなものだろう。

App Store自体はもちろん、まだGoogleやFacebook製のアプリをホストしている。それらは、その他の何千というアプリと同様、さまざまな形でユーザーの個人データを扱っている。Appleが主張しているは、ユーザーがiPhoneに預けたデータを積極的に保護しているということ。そのために、デバイス上で加工し、最小限のデータだけを収集し、可能な限りユーザーとデータを分離し、さらにデータの扱いをコントロールできる、透明性の高いインターフェイスを可能な範囲でユーザーに提供しているのだ。それはすべて真実だし、競合他社よりも、はるかにまともな取り組みだろう。

それでも、まだやるべきことは残っていると感じられる。Appleは自社のプラットフォーム上で個人データを扱っているので、何が社会規範に則しているのかという判断を下さなければならないからだ。もしAppleが、世界で最も収益性の高いアプリケーション市場に出回っているものの絶対的な裁定者となるつもりなら、その力を利用して、我々のデータによって生計を立てている大企業に対して(そして小さな会社に対しても)、もっと強い態度に出てもよいのではないだろうか。

私がここまで、Apple抱えていた問題について述べたのは、皮肉のつもりではない。それでも、Appleがプライバシーをマーケティングの道具にすることは、傲慢と言えるほど大胆なものだと考えたがる人もいるだろう。私個人としては、状況によってはプライバシーを危険にさらすことがあったとしても、プライバシーを守ろうと組織的に努力している会社と、「プライバシーの侵害をサービスとする」ビジネスを展開することで存続しているような、この業界の他のほとんど会社との間には、かなり大きな違いがあると考えている。

基本的には、プライバシーを前面に出すのはむしろ使命であり、いくらかバグがあったとしても支持できることだと思う。しかし、プライバシーから利益を得るプラットフォームを運営しておきながらそれについて沈黙しているのは、ある意味まやかしようなものだ。

もちろん、そんなことを言うのは、キャッチフレーズとしては長すぎだろうが。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルがWWDC19を6月3日から開催、参加費は約18万円

アップルの年次デベロッパー・カンファレンス[開発者向けイベント)は3年続けて米国カリフォルニア州サンノゼのMcEnery Convention Center(マクネリーコンベンションセンター)で行われることになった。 WWDCの開催期間は6月3日~7日。例によってキーノート講演と消費者向け製品の発表イベントが初日に行われる。今年はWWDCの30周年にあたる。

今からアップルのウェブサイトで参加費1599ドル(約18万円)の会議に申し込める。これまでと同じ価格だ。ただし、申し込んでもイベントに参加できるとは限らない。アップルは誰が料金を払ってデベロッパー会議に出席できるかを抽選して決める。

登録は3月20日午後5時まで。当選すればその翌日に通知が送られてくる。抽選期間は昨年より少し短めなので遅れないように。学生はWWDCスカラシップに申し込むことができる。今年は350人の学生がこのプロセスを通じて無料で会議に参加できる。

初日の新製品発表に加えて、アップルは数多くの技術セッションやハンズオンラボを用意してアップルエコシステムのサードパーティーデベロッパーを支援する。この会議はiOS、macOS、tvOS、およびwatchOSの開発に携わっている人たちが主な対象だ。新しいフレームワークが自分たちのアプリにどう影響するか、どうやってそれを生かすことができるかを理解する良い機会だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

3月25日開催のアップル発表会、ストリーミングサービスのほかApple News購読やAppleクレカにも期待

長らく噂されているアップルのビデオストリーミングサービスについて、ブルームバーグが報じている。アップルは米国時間3月25日にクパティーノで開催する記者発表会で、このサービスについて明らかにすると見られている。

ブルームバーグによれば、アップルは新たに始めるストリーミングサービスのために大量のオリジナルコンテンツの準備に取り組んできたが、その大半は今月の発表には間に合わない見通しだという。おそらく記者発表会で少しは紹介するだろうが、サービス開始時のラインアップの大半は他社のコンテンツになりそうだ。

アップルはあらゆる企業と交渉をしているが、多くの有力なケーブルチャンネルはアップルのストリーミングサービスに対して態度を決めかねている。HBO、Showtime、Starzは、アップルのサービス発表時にその一員となるかどうかを金曜日までに決めなくてはならない。

アップルがパートナーのコンテンツの一部を扱うかすべてを扱うかは不明だ。パートナーの多くはすでに自前のストリーミングサービスを持っている。そして米国の視聴者は、こうしたパートナー企業のライブラリにApple TVやiOSデバイスのTVアプリからすでにアクセスできるようになっている。

アップルが自社のストリーミングサービスを開始すれば、さまざまなコンテンツをまとめて購読し、快適に楽しめるようになると考えられる。AmazonはすでにPrime Videoチャンネルで似たようなことを実現している。NetflixとHuluはアップルが取り組んでいるオリジナルのコンテンツ制作と競合することから、独立した立場をとり続けるだろう。

米国時間3月25日に予想されるアップルの発表としてもうひとつ、Apple Newsの購読がある。アップルは昨年Textureを買収し、デジタル雑誌の購読に取り組んできた。

ウォール・ストリートジャーナルは2月に、アップルがゴールドマンサックスとともにWalletアプリで緊密に統合されるクレジットカードを開発していると報じた。今月のアップルのイベントがサービスに関するものであるとすれば、このクレジットカードのサービスについても言及されるかどうか注目される。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

アップルが3月25日に新動画ストリーミングサービス発表か、AirPowerやAirPods 2はどうなる?

Apple(アップル)は米国時間3月11日の午後、3月25日にクパチーノのスティーブ・ジョブズ・シアターで開催れるスペシャルイベントの招待状を記者たちに送った。

諸説によると、その日のキーノートの主役は、ハードウェアでもソフトウェアでもなく、同社のコンテンツ事業らしい。招待状に付随している、かなりそのものずばりのヒントによると、そのイベントではビデオコンテンツのサービスが全面的に紹介されるようだ。招待状付随の動画は最初にフィルムリールのカウントダウンが数秒あり、最後に「It’s show time.」というメッセージが表示される。

[3月25日午前10時のイベントへの招待状と付随動画]

Appleはこれまで、大量のテレビ番組を提供してきたし、制作中のコンテンツに関する発表も多かった。でも奇妙なことに、それらを支えるプラットホームとか、サブスクリプションに関する情報は、ほとんど聞かれなかった。

Apple Newsが発表されたときにはサブスクリプション制の話もあったが、でも今回はビデオサービスの本格的なマーケティング色が濃厚だから、ニュースサービスがそこでついでに言及されることも、ありえないだろう。干された企画といえば、今回ハードウェアの発表もない雰囲気だ。AirPowerや第2世代のAirPodsは、とっくに発表があってもいい頃合いだけどね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルが2020年にARヘッドセットをローンチするという噂

9to5macが紹介している最強のApple(アップル)預言者Ming-Chi Kuo(郭明錤氏)の最新記事によると、同社は拡張現実のヘッドセットを開発中であり、近くそのデバイスはローンチされる、ということだ。このメガネ型のデバイスは2019年第4四半期(10〜12月)から大量生産が始まり、2020年の前半には一部の地域で入手できるらしい。

この神秘のヘッドセットで何ができるのか、それはまだ未知数だ。郭氏によると、その機能はだいたいApple Watchと同じで、ARとしての計算処理はiPhoneが担当する。つまり、iPhoneがないと使えない。

そのグラスはiPhoneの外付けディスプレイのようなものとして、情報をユーザーの眼前に送り出す。インターネットへの接続や位置機能、コンピューティングなどヘビーな仕事はすべてiPhoneが担当する。ARヘッドセットとiPhoneの通信は、たぶんBluetoothを使うのだろう。

郭氏の記事にヘッドセットの詳細はない。ユーザーのまわりにあるものを表示したり感知しなければならないから、ディスプレイとセンサーはあるだろう。センサーで環境を感知しないARデバイスは、ありえない。

AppleはiOS上のARKitフレームワークですでに拡張現実の実験をしている。デベロッパーは、現実世界にデジタル成分を統合するアプリを、それで作ることができた。そしてその様子を、ヘッドセットでなく、スマートフォンのカメラで見るのだ。

そうやって多くのアプリがAR機能を加えたが、その多くは見掛け倒しで本物の価値はなかった。ARネイティブのアプリも、ほとんどない。

拡張現実の面白いユースケースのひとつが地図だ。Googleは最近、Google Mapsの拡張現実モードを発表した。スマートフォンを顔の前に構えると、矢印が出て行き先を教えてくれる。

Appleも、Apple Mapsを独自のデータで作り変えてきた日本語関連記事)。地図を描くだけでなく、LiDARセンサーと8台のカメラを車の屋根に乗せて、現実世界のデータを大量に集めた。そのApple Mapsが、噂のARヘッドセットの重要な部分になるのか、そういう話なら面白い。

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップル製品が1.7億台中4600万台、2018年の全世界ウェアラブル機器販売で

アップル(Apple)製品がウェアラブル市場をリードし続けていることがIDCの最新レポートでわかった。Appleは昨年4620万台のウェアラブル製品を販売した。全世界のウェアラブル市場は2018年第4四半期に31.4%拡大して出荷台数は5930万台、年間では27.5%増の1億7220万台だった。AppleはQ4にもウェアラブルでナンバー1の地位を守り1620万台のウェアラブル機器を出荷した。そのうち1040万台がApple Watchだった。

スマートウォッチは2018年に54.3%増加し、ウェアラブル機器全体の29.8%を占めた。Apple Watchはスマートウォッチ市場の半分近くを占めた。

IDCは、Appleのウェアラブルにおける成長は今後も続くと予測しており、新しい「Apple Watch Series 4」の好調なスタートを理由に挙げた。

IDCは、最近ウェアラブルの「ear-worn」(耳装着型デバイス)カテゴリーを改訂し、ボタンのタッチやホットワード検出によってスマートアシスタントを呼び出せるワイヤレスヘッドフォンを追加した。その結果、Appleの「AirPods」、Googleの「Pixel Buds」、Boseの「QuietComfort 35 wireless headphones II」なども同カテゴリーに入った。

ウェアラブル成長の大部分はAirPodsなどのいわゆる耳装着型デバイスの増加によるものだった。例えばQ4に耳装着機器は前年同期から66.4%伸び、ウェアラブル市場の21.9%を獲得した。

IDCによると成長の原因には複数の要因が関係しており、中でもスマートアシスタントの普及と、Appleが先陣を切ったスマートフォンのヘッドフォンジャック廃止が大きいとみている。

「耳装着型デバイス市場は昨年著しく成長し、今年も続くと予想している」とIDCモバイル機器担当上級研究アナリストJitech Ubrani氏が声明で語った。「ヘッドフォンジャックの衰退によってこの種のヘッドフォンが必須になりつつあることで、メーカーにとって次の戦場になった。スマートアシスタントと耳内バイオメトリックの普及も加わり、腕やポケットの中のデバイス・エコシステムを補助するデバイスとして消費者に売り込む絶好の機会だ」

スマートウォッチは55.2%伸びて、ウェアラブルの34.3%を占めた。リストバンドはXiaomi(シャオミ)、Huawei(ファーウェイ)、Fitbit(フィットビット)などの参入によって30%のシェアを獲得した。

メーカー別では、シャオミがAppleの27.4%に次ぐ第2位となる12.6%のシェアを獲得した。同社は母国中国で依然として強く、同社のスマートウォッチ「Mi Band 3」も好調だ。ちなみにMi Band 3は、Q4に出荷されたリストバンドの30%以上を占めた。

シャオミに次ぐ3位はファーウェイで、248.5%と大躍進した。これはスマートフォンの「HUAWEI」」や「Honor」のシリーズがウェアラブルに数多くバンドルされたことに加え、そのほかの新製品も発売されたためだ。トップ5の残りはフィットビットとSamsung(サムスン)で、フィットビットは新製品の「Charge 3」および「Versa」などの積極的なプロモーション、サムスは自社のスマートフォンにウェアラブルをバンドルしたことが理由だ。サムスンはQ4にウェアラブルを400万台出荷した。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップル対クアルコム、4月の10億ドル訴訟に先立って別の特許裁判がスタート

Apple(アップル)がQualcomm(クアルコム)を訴えた。と思ったらQualcommがAppleを訴えた。するとAppleがQualcommを反訴。QualcommもAppleを反訴。

この2年、AppleとQualcommの関係はだいたいこういう具合に推移してきた。こうした特許訴訟は一部の市場でAppleにかなりの不便をもたらしている。2017年1月、AppleはQualcommのビジネスの核心的をなすIP(知的所有権)のライセンス料金を不当とする訴訟を起こした。その結果Appleは自社デバイスの製造にあたってQualcommのIPを避けることとなった。

このドラマは次第に興奮の度合いを強めており、いよいよ数週間後にクライマックスに突入する。つまりAppleの10億ドルの訴訟の審理が始まる。これに比べるとやや地味だがAppleがモデムでQualcommの特許を侵害していたかどうかを判断する裁判がサンディエゴ連邦地裁で開始される。

2017年半ばから2018年後半にかけて販売されたiPhoneの消費電力と起動時間の改善に関するこの事件を審理するのはDana Sabraw連邦判事だ。Reuters(ロイター)の記事によれば、Qualcommはこの期間に販売されたiPhoneの特許権侵害によって1台あたり最大1.41ドルの損害を受けたと主張しており、これが認められればQualcommは総額で数千万ドルを得る可能性がある。

Qualcommは、Appleに対してすでに小さな勝利を収めている。同社は、iPhoneの一部の機種についてドイツと中国で販売差し止めを勝ち取った。しかし中国での販売差し止めはまだ実行されておらず、Appleはドイツでは判決に従ってiPhoneに若干の修正を加えた。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

サムスンがついに魅力的なBluetoothイヤフォンを出してきた

(訳注:この記事は米国での状況に関するもの。3月4日現在、日本ではS10の発売の詳細はまだ発表されていない)

そう、この記事はちょっと遅すぎたようだ。サムスンはGalaxyの新モデル、S10を予約注文すると新しいBluetoothワイヤレスイヤフォンの「Galaxy Buds」が無料で付いてくるキャンペーンを実施していたが、Galaxy Budsの予定数量はもう終了してしまった。このイヤフォンは129ドルで、特にGalaxyデバイスを持っている人におすすめだ。

S10をレビューしている多くの記者がここ1週間ほどGalaxy Budsを試用している。私もその1人だ。サンフランシスコからバルセロナ、そしてニューヨークに戻る間、このイヤフォンは私の耳に心地よくフィットし、私は片時も離さずに使い込んできた。

サムスンがワイヤレスイヤフォンを出すのはこれが初めてではない。しかしこの製品によって、サムスンはアップルの計画書より何ページも先へ進んだと言えるだろう。

サムスンは製品に機能を詰め込みすぎる傾向にある。しかしGalaxy Budsは、「シンプルに動く」というアプローチのAirPodsから大いに影響を受けている。「シンプルに動く」というアプローチは一般に携帯の魅力となるが、イヤフォンとして最もよいのは存在感がなくなることだ。その面で、Galaxy Budsには魅力がある。

Galaxy Budsのケースを開けた瞬間に、AirPodsとの類似性が明らかになる。ケースを開けるとGalaxyデバイスの画面にダイアログが開くのだ。AirPodsと同様にどのBluetoothデバイスと組み合わせても使えるが、自社製品と組み合わせると最高の使い勝手になる。これぞエコシステム。Galaxy以外のAndroidデバイスでGalaxy Budsをちゃんと使うなら、サムスンの「SmartThings」、または「Galaxy Wearable」アプリをダウンロードする必要がある。

充電ケース自体はAirPodsのケースより少し大きくて丸みを帯びているが、ジーンズのポケットに入れて持ち運ぶには問題ない。個人的にはアップルの滑らかなデンタルフロスのようなデザインよりも、この丸っこい形のほうが好きだ。

Galaxy BudsのケースがAirPodsのケースより明らかに優れている点が2つある。

  1. 外側に充電ライトがある
  2. ワイヤレスで充電できる

アップルがAirPods 2でワイヤレス充電に取り組んでいるのは間違いない(そういえばAirPowerってありましたよね?)。ワイヤレス充電に関してサムスンはAppleにパンチをお見舞いした。しかも、S10の背面にケースを置くだけで充電できるWireless PowerShareを実現している。これで、持ち歩くケーブルが1本少なくて済む。

バッテリー切れの心配もしたくない。Galaxy Budsは左右それぞれ58mAh、ケースは252mAhなので、Buds自体で6時間、ケースから充電すればさらに7時間使えることになる。丸1日、バッテリー切れになることはなかった。

Galaxy Budsの着け心地は良く、シリコンチップで耳の大きさにさらにフィットする。適度に密着して、周囲の音を取り込みつつパッシブノイズキャンセル効果もある。耳にぴったり収まって、ジムで使ってもずれることはなかった。サムスン傘下のAKGが調整したサウンドはソリッドだ。Galaxy Budsは私がこれまで聞いてきた中で最高のワイヤレスイヤフォンではないが、歩き回ったりコーヒーショップで過ごしたりするには申し分ない。

まとめると、Galaxy Budsはちょっとしたうれしい驚きだし、Galaxyのエコシステムに追加されたことには大きな意味がある。Galaxy Budsがあればヘッドフォンジャックはもう要らないとサムスンを説得する材料になるかもしれない。そうはならないだろうが。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

アップルがVoIPアプリのクローンをApp Storeから削除

米国時間2月26日、私の記事が公開された後、アップルは私が指摘した数多くのアプリを削除した。App Storeで探そうとしてももう見つからない。

App Storeレビューガイドラインはアプリの重複に関して実に明快だ。4.3項によると、同じアプリを複数回App Storeで公開することはスパム行為とみなされ禁止されている。

しかしこのルールはほとんど強制されておらず、それを悪用している会社もある。私は先の記事であるカテゴリーに特に注目した。それはVoIPアプリで、ユーザーは第2の電話番号を与えられそれを使って通話やSMSの送受信ができる

デベロッパーは同じアプリを複数回公開することで、異なる名前、異なるキーワード、異なるカテゴリーを利用できる。そうすることで、誰かがApp Storeで検索したときにさまざまなカテゴリーで発見してもらえる可能性がでてくる。

では昨日私指摘した一連のデベロッパーを見てみよう。これらのアプリが何らかの変更を施されたうえで再登場するのかどうかはまだわからない。

TextMe, Inc.

BinaryPattern and Flexible Numbers LLC

Appverse Inc.

Dingtone Inc.

今回のケースは、アップルがApp Store王国の鍵を握っていることを改めて浮き彫りにした。会社は司法のごとく行動して企業を生かすことも殺すこともできる。

会社によっては自社アプリのクローンを公開し、何年にもわたってその戦略の恩恵にあずかってきている。最大の問題はApp Storeのルールが一貫性を持って強制されていないことだ。

他のカテゴリにもクローンがいっぱい

クローン災害は終息にほど遠い。多くのカテゴリーでこの「App Store最適化」戦略が使われている。

JPEG Labsは近くのウォルグリーン(Walgreens、米国の薬局チェーン)やコンビニエンスストアで写真をプリントするアプリを4種類公開している。いずれも機能は同じだが名前とキーワードが異なっている(しかもこれらのアプリは開いた直後にレビューを要求する)。

Photo Prints: 1 Hour Photos

Print Photos: 1 Hour Prints

Printmatic 1 Hour Photo Print

Same Day Canvas Photo Prints

倒せないなら買収しろ

もうひとつの典型例がMailPix, Inc.だ。同じアプリが複数見つかる。さらにこの会社はApp Storeでの存在を高めるために、徐々にライバルを買収しそのアプリを自社アプリの複製で置き換えている。

MailPixはPhotobucketのプリントアプリを買収し、自社のクローンにすり変えた。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

次の稼ぎ頭を探すApple

Appleは常に進化し続ける会社だ。実際には、新たな製品カテゴリを発明したことはないのだが、手を付けた製品カテゴリを、より優れた、より賢いものにしてきたように常に思われている。そして、その製品の値段が高くても、人々に欲しい思わせる方法を開拓してきた。今日の(訳注:2019/2/18付)WSJによれば、AppleはiPhoneを収益モデルの中心に置かない未来像を探ろうとしているという。

このような変化は、iPhoneの需要が伸び悩んでいる状況の中、Appleが数年ぶりの収益の低下を報告したことによって引き起こされたもの。変化している中国市場の影響も大きいが、ユーザーのiPhone買い替え周期が長くなっていることも無視できない。そうした中、iPhoneの価格が1000ドル以上にまで上昇したことが、売上減につながった。

15%というiPhoneの売上減少は、もちろんAppleらしい収益報告ではなかったものの、年初に第1四半期の見込みが下がっていることを発表した時点で、すでに予測していたものだろう。もしも、このThe Wall Street Journalの記事が正しければ、すでにAppleは自らを次のフェーズに、おそらくはサービス業を中心とした会社に、移行させるための措置を取ろうとしている。

(参考記事:Apple lowers guidance on Q1 results, cites China trade tensions

そうだとすれば、それは、さまざまなタイプのハードウェアのデザインを再考しながら、その過程で一般的なデザイントレンドを頑固に拒否してきたという、この会社の伝統からの根本的な離脱を意味する。1970年代から1980年代にかけて、Apple Computerという名前だったころ、Steve JobsとSteve Wozniakは、まだほとんどの人がDOSプロンプトで仕事をしていたときに、GUIを備えたコンピュータを作った。

2000年代の初頭には、AppleはiPodという一種のMP3プレーヤーを発売し、iTunesというミュージックストアを開店した。iPhoneを発表する前年の2006年までには、Appleは4200万台以上のiPodと、8億5000万曲の音楽を販売した。衰退しかかった会社を強大な企業に変貌させたのは、まさにこうしたハードウェアとサービスの組み合わせだったのだ。

2007年にAppleがiPhoneを発表したとき、それがiPodの売り上げを減少させることは分かっていたはずだ。もちろん実際にそうなったわけが、それが論理的に進むべき方向だったのだから、何も問題はなかった。2008年にApp Storeを導入すると、もはやiPhoneは単体のハードウェア以上のものになった。それは、新種のハードウェア・サービスモデルであり、会社にとって途方もない富を生み出すものとなった。

iPadは2009年に登場し、その5年後の2014年にはApple Watchも加わった。それぞれ、それなりに健闘はしているものの、iPhoneの成功に匹敵するようなものは何も登場していない。アナリストは、前の四半期で、Appleが7100万台のiPhoneを販売したと推定している。そして、売上が減少したとされているのも、その同じ四半期のことなのだ。どんなものであれ、たった3ヶ月の間に、7100万個ものものを売るのは難しい。しかも減った結果がそれだと言うのだ。

次に来るのは、おそらくエンターテイメントとコンテンツの組み合わせ、そしてAR/VR、自動運転車、人工知能など、先進技術を活用したものになるだろう。そうした領域の中で、Appleがどの方向に進もうとしているのかは定かではない。しかし、最近の採用や買収によって、それらの方向が確かなものだということだけは分かっている。

(参考記事:Sorry that I took so long to upgrade, Apple

長い間、Appleがコンテンツ分野で派手な買収をするのではないかと噂されてきた。Appleの、インターネットソフトウェアおよびサービス担当上級副社長のEddie Cueは、昨年のSouth by Southwestの際、CNNのDylan Byersにインタビューを受けた。 そこでBuyerは、具体的にNetflixやDisneyのような資産を買う気はないのかとCueに尋ねた。それは、そうした大手のコンテンツ制作会社とApple TV組み合わせたらどうか、ということを暗に示していた。

Cueは、それらの2社はApple TVの素晴らしいパートナーである、とは述べたものの、そのような線で何かをコミットするには至らなかった。「一般論ですが、Appleは、その歴史の中で、これまで大規模な買収を行っていません」と、彼はAppleの立場を説明した。Appleとしては、現状でうまくいっているものを買うのではなく、未来がどこにあるのかを理解して、そこに到達するための何かを創り出したいと考えているのだと。

Apple TV自体は、他のデバイスほどの大きな成功を収めていないものの、サービスから得られる収入は着実に伸びている、ということは注目に値する。最新の決算報告によると、Appleは109億ドルのサービス収入を計上している。これは、前年比で19%増だ。それは、同社がその四半期全体として発表した843億ドルに比べれば、まだ小さい割合しか占めていないが、成長していることは間違いない。

それはともかくとして、Appleが他の製品によって、iPhoneで成し遂げたのと同じような成功に近づくことができるかどうか、誰にも分からない。しかしAppleは、その莫大な富にもかかわらず、どんな会社も過去の成功に頼るのは危険であることが分かっている。そこでAppleは先を見据えて、新たな血統を雇い入れ、できるだけiPhoneに依存しない将来を模索している。Grateful Deadがかつて歌ったように、「戻ることはできないし、立ち止まることも許されない。雷は避けられたとしても、稲妻には打たれるだろう」と知っているからだ。Appleはそのような運命を避けたいと望んでいる、そしてその道を切り開くのは、おそらくハードウェア、コンテンツ、そしてサービスの、何か新しい組み合わせだろう。

画像クレジット:Justin Sullivan/Staff/Getty Images

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Appleが中国でiPhoneの無利息月割を開始

Appleは、中国における売上不振対策として、Alibabaとの協力のもとに、見込み客に無利子の融資を提供しようとしている。

Appleの中国のWebサイトは今、iPhoneのための融資パッケージを提供しており、その中には銀行数社およびAlibabaのフィンテック部門Ant Financialが運営している消費者クレジットHuabeiとの提携による、利率0%のパッケージがある。Reutersがそれを最初に報じた。

その詳細は、Reutersの記事によるとこうだ:

Appleは同社の中国のWebサイトで新しい支払い方式を宣伝している。それによると、iPhone XRに関しては毎月271人民元(40.31ドル)、iPhone XSでは毎月362人民元を払う。有利息の古い方式で支払っている顧客は、より安い分割支払いに乗り換えることができる。

総額4000人民元〔約66000円〕以上の製品をAppleから購入するユーザーは、3か月、6か月、9か月。12か月、または24か月の無利子分割払いを利用できる。

また、XiaomiやHuaweiなど他社製品の下取りも行なう。

Appleは数週間前に、近く発表される第一四半期決算報告のガイダンスで、売上の減少を予告した。それによると売上予測は890-930億ドルから840億ドルに落ち、その原因は“予期せぬ経済の減速、とくに中国本土における”、とされた。

魅力的なパッケージの提供は一部の消費者をiPhoneを買う気にさせるかもしれないが、でも、ずっと尾を引いている感覚は、iPhoneの現在のデザインが中国の消費者にとって魅力的でないことだ。ふつうならニューモデルで売上は上がるはずだが、現在のiPhone XR、XS、そしてXS Maxは、1年前のiPhone Xにそっくりだ。

新製品発売の第一四半期には中国でも売上は伸びたが、ローンチ後の第二四半期には、その勢いも消えた。

Appleはインドでも、同じ融資方式を採るのだろうか。The Wall Street Journalによると、インドでは2018年に売上が40%落ちた。インドでのAppleのマーケットシェアは元々大きくないが、それがこの年には2%から1%へと下がった。

インドの消費者にとっても融資は重要だが、ここの市場はXiaomiやOnePlusなどの中国製低価格機が支配している。お値段が上位Androidフォーンの何倍もするiPhoneがインドで売れるためには、柔軟な融資制度に頼るしかないだろう。

しかし中国はこれまでの長年、Appleの売上を支える主力市場だった。利息ゼロの分割ローンも、ここで最初に打ち出すのが当然なのだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、ゴールドマン・サックスと組んでクレジットカードを発行か

Wall Stree Journalの最新記事によると、AppleとGoldman Sachsは双方にとって初めてとなる商品で手を組もうとしている。クレジットカードだ。Mastercardをベースにしたこのカードは、Apple PayおよびiOSと強く結びついたなんらかの機能を特徴としている。

このカードは米国で本年中に登場する可能性があり、次のiPhoneと時期が一致することになる。Appleクレジットカードは、Apple Pay使用時の取り分を増やす確実な方法だ。手数料をカード発行者とカードネットワークとAppleの三者で分けるかわりに、Appleはカード発行者の手数料の一部を手にすることができる。

Apple Payの普及にも一役買う。今や米国のカードはほとんどがApple Payに対応しているものの、iPhoneやApple Watchで支払うことを考えない人はまだまだ多い。

そしてこれはGoldman Sachsにとっも未知の領域だ。WSJによると、新しいカードはGoldmanにとって初めてのカードになる。同社はサポートチームの結成と支払いを処理するIT基盤の開発に最大2億ドルを投資する可能性がある。利用者は購入する商品によってキャッシュバックが期待できるかもしれない。

さらに興味深いことに、AppleはこのカードのためにApple Walletを大改訂しているとも言われている。(アクティビティアプリのリングのように)消費金額のゴールを設定したり、お金の使い方の傾向について(スクリーンタイムのように)通知を受けたり、報奨の履歴を見たりできる。Appleがそれらの新機能を他の銀行にも開放するかどうかはわかっていない。

Appleと提携することで、Goldman Sachsは膨大な流通チャネルを手に入れることができる。そしてカードを発行することで、Appleは十分な時間さえ与えられればどんな会社でもいつかは銀行になれることを、再度証明することになる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook