Samsung Galaxyシリーズにもロックスクリーンからパスワードなしで通話できるバグあり

iOS 6のロックスクリーンにバグがあったことは記憶に新しい。iPhoneを手にした侵入者がいくつか巧妙な指の動きをするとパスワードを入力せずに通話をしたりいくつかの重要なアプリを起動できたりすることが発見された。昨日(米国時間3/19)、Appleは急きょiOSをアップデートしてこの問題を修正した

しかし同様のバグはSamsungのAndroidスマートフォンにも発見されている。

Terence Edenによれば、パスワード、PINその他の手段で画面をロックしていても、ハッカーがダイアラーその他のウィジェットにアクセスできる欠陥があるという。

iOSの場合と同様、Samsungのセキュリティーのバグも、緊急通話ダイアラーに関連しているようだ。緊急通話ダイアラーを利用した場合、画面を閉じる前に短時間だがハッカーが他のアプリを起動したり通話したりするチャンスがあるという。Edenは2月にこの欠陥を発見し、Samsungに報告した。Edenは「修正がリリースされるまで公表を差し控えてもよい」と申し出たが、Samsungは提案を受け入れなかったという。

Edenはこれより前に、やはり緊急通話ダイアラーに関連するバグを発見している。これはスクリーンのある場所を同時に押すことでホームスクリーンにアクセスが可能になるというものだ。2つのバグは密接に関連しているものとみられる。Samsungはこれらのバグを認識しており、修正作業に取り組んでいるという。

これらのセキュリティー問題は他のAndroid OS搭載機では報告されておらず、SamsungがカスタマイズしたAndroid 4.1.2特有の問題とみられる。バグが確認されているのはGalaxyNote II、Galaxy S IIIだが、他のAndroid搭載デバイスにも存在している可能性がある。われわれはこの点についてSamsungに問い合わせているが、まだ回答がない。

Edenはこちらにハッキングの詳しい方法を掲載している。この記事によれば、現在バグを回避する方法はROMの交換しかないという。これはあまり現実的な方法とはいえない。

GalaxyシリーズはSamsungのベストセラー製品だから、読者の中にもユーザーは多いことだろう。Androidのセキュリティー問題はこちらに詳しい

[via SlashGear]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ロック画面のセキュリティバグ: Appleは迅速に対応, Samsungは約束したがまだのよう

Appleが今日(米国時間3/19)iOSデバイスのアップデートを発行した。そのiOS 6.1.3は本誌も報じたロック画面のバグ、すなわち、ロックがバイパスされて勝手にアプリを動かしたり、個人情報を見たりされるバグが直っている。また日本のMaps(地図)アプリも改良され、“セキュリティの強化”と“バグフィクス”が為された。

SamsungのGalaxy S3にも同様のバグがあり、修復は約束されているが、まだパッチはリリースされていない。初期のバージョンを持っている人はアップデートしてこのセキュリティの抜け穴を塞いだほうがよい。Appleは、対応が早かったけどね。

Appleは、日本とその周辺地域の位置情報にあった問題を先週、サーバのアップデートにより解決し、有料道路の通知や音声案内の発音の改良、フライオーバーモードにおける3Dレンダリングの充実などを図った。Appleのリリースノートによると、このアップデートはサーバのみでなく、デバイスサイドでも続行されるようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonが[Send to Kindle](コンテンツをKindleへ送る)ボタンをローンチ

Amazonが今日(米国時間3/19)、[Send to Kindle]ボタンをローンチした*。これはWebデベロッパWordPressのブロガーたちが使う小さなウィジェットで、ユーザがこれを押すとコンテンツがKindleリーダーやアプリに保存される。今このボタンがすでに載っているのは、The Washington PostTIMEBoing Boingの記事だ。〔*: 小さな[k]の字だけがあるボタン。たとえばこの記事。〕

Amazonの[Send to Kindle]スイート(アプリケーションとブラウザプラグイン)は昨年ローンチし、そのGoogle Chromeエクステンションには[Send to Kindle]ボタンがあった。それはPocketやInstapaperのようなコンテンツクリップサービスに代わって使われるもので、Kindleの上でeブック以外のものが読める仕組みだ:

[Send to Kindle]ボタンを使ってコンテンツをあなたのKindleに送り、あとで都合の良いときに読めるようになります。一度送れば、あなたのKindleデバイスやiPhone, iPad, Android(携帯とタブレット)の無料のKindleアプリで、いつでもどこでも読めるようになります。あなたの目にとまったWebサイトやブログを、あとで探す苦労がなくなります。あなたのKindleを開けば、すべてのコンテンツがそこにあります。[Send to Kindle]ボタンは、Webから集めたコンテンツをお仕事や学校の宿題、趣味などで活用するためにも、便利に使えます。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


クラウド時代の高機能スプレッドシートをめざすFivetran, 統計やDB機能を充実

Y Combinatorから巣立ち今日(米国時間3/19)ローンチしたFivetranは、スプレッドシートという古酒を21世紀の新しい革袋に入れることをねらっている。とくに力を入れているのが、従来のスプレッドシートが弱かったデータ分析の分野だ。多くの人が今ではスプレッドシートを…相当無駄な時間を投じて…データベースのように利用しているから、Fivetranはスプレッドシートのこれまでの標準的な機能に加えて、SQL的なクェリやMatlabにあるような統計ツールを導入した。

協同ファウンダのGeorge Fraser(CEO)とTaylor Brown(プロマネ)らによると、製品の基本的なコンセプトは、“これまでのスプレッドシートにはプログラミングにできることの50%しかなかったから、残りの50%を持ち込もう”、というものだ。

確かに彼らの言うとおり、ExcelとMatlabの落差は大きすぎる。Fivetranの初期のプロトタイプはかなりMatlab的で一種のプログラミング環境みたいだった。しかし今日ローンチしたものは、通常のスプレッドシートに、高度なデータ分析(回帰分析など)やデータ変換を行うウィザード群と、SQLのselectやjoinの機能を加え、さらにデータのクリーニングやテキストマイニングなどの機能もある。計算はすべてクラウド上(Amazon EC2)で行われるので、ものすごく大きくて複雑なスプレッドシートでも作れる。

チームがこのSaaSスプレッドシートの開発に着手したのは昨年の12月で、現状ではExcelのドキュメントや、CSVやJSONのファイルをアップロードしてすぐに仕事を始められる。チームの長期的プラントしては、このスプレッドシートの表面的な機能(ユーザ体験)を縁の下の本物のデータベースが支える、という形も構想している。Fivetranのパワーを人びとに分かってもらうために、(全米大学バスケ大会)「3月の狂乱」(March Madness)対戦表シミュレータや一連のチュートリアルも提供している。

ユーザは自分のデータをアップロードし、Fivetranの”step”システムを使って操作する。その計算に基づいて、副次的なシートも作られる。これまでのスプレッドシートに比べるとかなり高度だが、Excelの公式(SUM(a,b)など)もそのまま使える。

今チームはスプレッドシート用のユニットテスト(各部分の試験)や改版履歴コントロール機能を開発中だ。

Fivetranの料金体系は、Webのホスティングサービスのそれに似ている。無料では、作れるプロジェクトが5つまで、使えるメモリは1GBまで。月額20ドルのベーシックプランではメモリ5GB、プロジェクト数10。最高は月額80ドルで、メモリは16GBまで使える(非常に大きなスプレッドシートだ)。

全体としてこれは、クラウドコンピューティング時代の新しいスプレッドシートとして、きわめて興味深い取り組みだ。企業の情報部門などには、近年のデータの増加とともに旧来のスプレッドシートではデータ集合に対し歯(刃)が立たなくなっているところも多い。かといって本格的なデータベースや統計パッケージは重すぎる。Fivetranのような高機能化したスプレッドシートに飛びつくところも多いだろう。Fivetranのによると、初期のユーザたちはすでに週あたり数時間の(スプレッドシート雑務の)時間節約を実現しているという。朝から晩までExcelのセルのコピペばっかしやらされている人は、Fivetranを試してみてはどうだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


新種のボットネット「カメレオン」は、広告主に毎月600万ドルの損害を与えている

ボットネット。セキュリティー研究者にとってそれはまるでヒュドラーのようだ。凶暴な頭を1つ切り落とすたびに、切り口からまた2つ生えてくる。

つい〈一月〉前、MicrosoftとSymantecは、大量のBamitalボットネットを何とか退治したと発表した。Bamitalは偽クリックを生成して年間100万ドルもの金額を詐取したと言われている。今回出現したばかりの新種はどうなのか? 600万ドル。毎月。

ロンドン拠点のセキュリティー調査・トラフィック分析会社のSpider.ioは、このボットネットを2012年12月以来追跡している。様々な方法で身を隠すことからこれを”Chameleon”[カメレオン]と名付け、厄介な生き物の行動に関するデータを公開した。

  • “Chameleon”はおよそ12万台のコンピューターを支配していると思われる
  • ターゲットはWindowsパソコンのみと思われる
  • これまでの多くのボットネットと異なり、Chameleonはテキスト広告だけでなくグラフィックやFlashの広告も偽クリックする
  • このボットネットは月間約90億インプレッションを偽造し、約0.02%という見過ごしやすいクリック率で広告をクリックしている。
  • 感染したパソコンの約95%は家庭のパソコンである(例えばおばあちゃんの古いDell機)
  • このボットネットは毎月90億回の広告ビューから、1000ビュー当たり0.69ドルを稼いでいると推定され、これは実際には人間のいないビューに対して600万ドルが支払われたことを意味している。

膨大な数字だけでは不足とばかりに、Chameleonは検出や退治を困難にするいくつかの技を隠し持っている。無人でページをサーフィンする際、ページ内でマウスをあちこち動かす。このためロボット風の不審な動きを監視する不正検出システムから逃れやすい。訪問者ごとに常に複数の並行セッションを走らせ、スレーブセッションがクラッシュするとすぐ自動的にリスタートする。

Spider.ioによると、Chameleonは202箇所のウェブサイトを主な活動場所にしている。どの202箇所かは公開されていない。恐らく、それらのサイトのどれかあるいは全部が、実際にはそうでなくても、グルであることを暗示することになるためと思われる。これを使って利益を得られる(あるいは、ただ自分の技術力を誇示するため巧妙なボットネットを書く)〈誰でも〉に、仕掛人である可能性がある。

幸いSpider.ioは、最もアクティブな感染パソコン5000台と同社が呼ぶリストを解明した。しかし残念ながら、120,000から増え続ける中の5000である。SYMANTECよ、われらを救いたまえ。

[写真提供:D. Richard Hipp on Flickr under creative commons]

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(翻訳:Nob Takahashi)


Redditの「Explain Like I’m Five」(5歳の子供に説明してみよう)シリーズのYouTube化はかなり面白い

YouTubeは猫のビデオ以外にもいろいろなものを導入しつつある。この度は、閲覧者をちょっと利口にしてくれるシリーズが登場した。シリーズの名前を「Explain Like I’m Five」(5歳の子供にわかるように説明する)という。このシリーズ、もともとは大規模掲示板のRedditで人気を博しているシリーズから生まれたものだ。「実存主義」や「シリア戦争」などの話題を、多少面白おかしくした会話を通じて5歳児に説明しようとするものだ。たとえばニーチェの実存主義について説明するビデオは次のようなものになる。

Redditで人気の「Explain Like I’m Five」シリーズを動画化するにあたって、アニメと実写ナレーションを組み合わせて作成されている。このシリーズについてはYouTubeがスポンサーとなっている(つまり資金を提供している)が、これはオリジナルコンテンツのために1億ドルを用意したのと、同様の狙いによるものだろう。YouTubeは以前、The OfficeのRainn Wilsonなど、人気のクリエイターに出資した。今回はRedditと組んで、これまでとは逆のアプローチをとったと言えるかもしれない。すなわち新たなコンテンツを生み出すのではなく、既に人気を集めているコンテンツを活用しようとしているわけだ。

ビデオの内容はと言えば、あくまでも基本的な事項説明を超えるものではない。しかし非常に理解しやすいものとなっていて、きっと記憶にも残るだろうと思う。アインシュタインも言っていたと記憶する。「6歳の子供に説明できないならば、本当に理解しているとは言えないのだよ」と。

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(翻訳:Maeda, H)


元Adobe CTOでクラウドの導師ケビン・リンチが、Appleの技術担当VPに

Adobe CTOのKevin LynchがAppleに移った。AppleはiPhoneからFlashを疎外しこの技術の衰退を早めたであろうことで知られている。Adobeが本誌に対して正式に認めた。かつてLynchは、Adobeの公式ブログでFlashを強く擁護する記事を書いたが、最近はAdobeを未来へと導くことに専念し、過去について語ることはなかった。

Lynchは近年Adobeのクリエイティブクラウド立ち上げと推進に尽力してきた。クリエイティブクラウド(および同じくLynchが開発を率いたマーケティングクラウド)は、Adobeがパッケージ販売からクラウド主体のSaaS型商品へと移行する上で鍵となるサービスだ。Lynchのおかげで、Adobeはクラウド中心の会社への移行を、同様の遷移を試みるどの会社よりも早く成功したと言ってもいい。

Appleは、クラウドが同社ユーザーにとって世界の中心になると明言しており、2011年WWDCのキーノートで発表したiCloudは、Appleエコシステムのまさに中心となるものだ。iCloudは情報やメディアをあらゆるデバイス利用可能にしてiOSとOS Xを結びつけることにある程度の成果を得た。しかし、他の面は必ずしもうまくいっていない。iCloud、iTunes Matchなどクラウドベース製品の性能に関するAppleに対する苦情は多くシステムダウンも稀ではない。

Appleのインターネットソフトウェア・サービス担当SVPのEddy Cueは、現在iCloudの責任者で、その前身でさらに不評をかっていたMobileMe時代からの担当者だ。Cueは、iTunes、App StoreからSiri、マップ、iAdにいたるまで数多くのApple製品を見ている。このためCueがiCloudの定常的問題を解決するために、定評あるクラウドサービスのベテランの力を借りることは十分に考えられる。

Lynchは、Adobeのマルチプラットフォーム開発および迅速な製品デザインに対する強い関与についても責任を負っていた。モバイル端末用にフル機能の製品を要求するユーザーの声に答えて、Photoshop Touch for iPadや、最近さらにiPhone版も発売したのは、Lynchの力によるものだ。

AllThingsDのJohn PaczkowskiとCNBCのJohn Forttの報道によると、LynchはAppleの技術担当SVP Bob Mansfield直属の技術担当VPに就任すると見られている。Mansfieldの専門分野はワイヤレスと半導体技術だが、役職上社内で多くの権限を持っている。LynchのAdobeでのソフトウェア経験は、Mansfieldのチームと直接一致しないように見えるが、Mansfieldは昨年引退を撤回した際、「将来の商品開発」を手伝うために会社に留まったと言われている。Appleはハードウェア製品とソフトウェア製品を隔離することの会社なので、全デバイス横断で使えるクラウドを強く推進するためには、所属に関わらず推進役にはLynchが有力な候補者になるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


スマートフォンを風速計に変身させるVavuudは電子回路をまったく使わない珍品

スマートフォンの中にはいろんなセンサーがある。でも、それで十分だろうか? 多くのハードウェアスタートアップたちが、声を揃えて「ノー!」と言う。デンマークのVavuudも、最近その合唱に加わった。VavuudはKickstarterで資金を集めて、スマートフォンを使う風速計を作ろうとしている。しかもそれは、不思議なことに電子回路をいっさい使わずにiPhoneやGalaxyに正確な風速値を伝える。

Vavuudの風速計を使うと今いる場所の風速を簡単に計ることができ、しかもその装置は格安でうそみたいに単純だ。ケーブルなどをまったく使わずに、スマートフォンのヘッドフォンジャックに直接装着するのだが、そのためむしろ安定感がある。回転子に二つの磁石が付いていて、回転によって起きる磁界の変化をスマホ側が拾って、ふつうは音響処理に使うアルゴリズムがそれを風速データに翻訳する。Vavuudの協同ファウンダThomas P. Helmsによると、テストはiPhone 4, 4S, 5, それにGalaxy S IIとS IIIで行い、デンマーク大学にある風洞を使って精度を正確にした。

“スマートフォンで磁力計をこのように利用したのは、うちが初めてだと思う。われながら、クールだと思うね”、Helmsがメールでそう言った。“また、機械的な部分でも、とてもシンプルだからクールだね。アルゴリズムは相当複雑な数学を使ってるんだけど”。

Vavuudは磁界センサーのある最新のスマートフォンならどの機種でも使えるはずだ(つまりほとんどの機種で)。だからこれまでのテストのサンプル数が少なくても、支援者はそれほど気にしないだろう。Vavuudは、風速を知る必要のある人なら誰でも使える。ウィンドサーファーとか、ヨットや船に乗る人、パラグライダー、模型飛行機を飛ばす人、などなど。

“サーファーや船乗りたちはこれまでずっと、オンラインの風力計を求めていた。クラウドソースな風情報を、そこで共有したいと思っていたのだ”、とHelmsは説明する。“風は、まわりの状況、たとえば山があるとかや、気温などの気象条件で変わるからね”。

VavuudのWind Meterは、今年の6月に発売予定だ。予約価格は、15ポンドから。iOSやAndroid用のアプリも、同時期に提供される。それに、温度計Thermodoの場合のように、Vavuudも、それが集める外界の情報を利用する、いろんなおもしろいアプリも今後登場するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Adobe、CTOを失ってもQ1決算は予測を突破:売上10億ドル、クリエイティブクラウド有償利用者50万人

先ほどAdobeは2013年第1四半期の決算を発表し、アナリストの予測を概ね上回った。同期の総売上は10.1億ドル、1株当たりGAAP利益は0.12ドル、非GAAPは0.35ドルで、アナリスト予測の、売上9.86億ドル、1株当たり非GAAP利益 0.31ドルを上回った。非GAAPベースの経常利益は2.407億ドル、純利益は1.779億ドルだった。

Kevin Lynch、Adobeを去る(Appleへ?)

しかし、Adobeの決算報告発表と同時に、SEC提出資料によると、同社で長期間CTOを務めたKevin Lynchが、「新しいチャンスを追求する」ために3月22日付で会社を去ることがわかった。噂によると、行き先はAppleで、もし本当なら常にAppleに対してFlashを揺護し、Appleの囲い込み政策を19世紀の鉄道になぞらえた同氏だけに興味深い行動だ。

クリエイティブクラウドの利用者は約50万人

しかし、今日最も重要な発表は、同社の財務状況よりも、クリエイティブクラウドの有償利用者数が47万9000人に達したことだろう。前四半期から15万3000人の増加だ。さらにAdobeは、クリエイティブクラウドの無料およびトライアル利用者が200万人いることも発表した。

「今四半期に購読者数47.9万人を達成し、現在は50万人を越えていることを大変喜んでいる。この勢いに乗って、今年度末までに125万人という当初の目標に向かって進んでいきたい」とAdobe CEPのShantanu Narayenが発表資料で言った(決算会見で使用したPDF

これもAdobeにとって戦略商品であるAdobeマーケティングクラウドは、四半期売上2.154億ドル、前年比20%増を記録した。通年では25%の売上増を見込んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Googleドライブ向けリアルタイムAPIが登場―ドライブを利用したリアルタイム共同作業アプリの開発が可能に

Googleは先ほど、Google Drive Realtime APIリリースした。デベロッパーはこの新しいツールを利用してGoogleドライブと同様のリアルタイム共同作業のユーザー体験を自らのアプリに取り入れることができるようになる。

Googleによれば、このAPIはネットワーク・コミュニケーション、ストレージ、同期のコンフリクトの解決その他共同作業におけるさままざな問題を処理するので、デベロッパーはアプリ本来の機能の開発に専念できるという。Googleは共同作業コード・エディターのNeutron Drive、プロジェクト・スケジュール・ツールのGantter、ダイアグラム・ツールのdraw.ioという3種類のデベロッパー向け有力ツールと提携してAPIのテストと改良を行ったという。

このAPIの能力をデモするためにGoogleはルービックキューブ・ゲームを作った。またAPIの作動をテストできるDrive Realtime API Playgroundも用意されている。デベロッパーはRealtime APIを実際に利用する際にはこちらで登録する必要がある。

GoogleによればこのAPIはマップ、リスト、文字列、JSONValueなど一般的なデータ・オブジェクトの共同作業版を提供し、自動的に同期を行い、編集結果をオジェクトに格納する。またデベロッパーはカスタム・オブジェクトを追加することができる。

APIが共同作業相手の存在をモニタしているので、デベロッパーは共同作業者がログイン、ログアウトしたり、ドキュメントに変更を加えたりしたときに他のユーザーに対してその旨を通知するようにできる。

Google Driveと同様、Realtime APIもシステムの基盤として用いられているoperational transformation (OT)のおかげで編集結果は即座にローカルのドキュメントに反映される。そのため遅いネットワークに接続している場合でもローカルのアプリの反応は速いままだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Evernote Food、FoursquareやOpenTableと連携、レシピ共有など新機能も多数

Evernote Foodがリリースされてから1年になる。今日(米国時間3/19)、レストランや料理の情報を共有するこのモバイル・アプリがアップデートされた。 OpenTableによる予約、Foursquareによる格付け、レシピの共有がサポートされるなど大きく機能が強化された。

今回のアップデートは昨年12月のEvernote Food 2.0のリリースで iPadの大きいスクリーンに初めて対応したのに続くものだ。これまでもこのアプリにレシピを記録することはできたが、検索はできなかった。今回、Punchforkとの提携のおかげで料理名、素材、ブログ名などで検索ができるようになった。

またクリップしたレシピをFacebook、Twitter、メールを通じて共有できるようになった

しかし今回のアップデートの目玉はOpenTableとの連携だろう。ユーザーはEvernote Foodでレストランを見つけることができるだけでなく、アプリ内から直接予約ができるようになった。またFoursquareのレストラン評価機能とも連携した。

その他のアップデートとしてはiOSの写真アルバムがサポートされ、写真のアッププロードが高速になった。また日本語と中国語のレシピについてパートナーと提携して検索、閲覧ができるようになった。〔日本語版はE・レシピ、シェフごはん、BIGLOBE Kirei Style、楽天レシピと提携〕

2011年の12月に登場したときにはEvernote Foodは「Evernoteを使ってこんなこともできる」というデモ製品のような雰囲気だったが、 同じころ発表されたEvernoteの連絡相手管理アプリHelloと同様、その後着実に改良されきた。

Foodの場合、Evernoteはレシピ検索など関連機能をゼロから自作せず、既存の業界リーダーと提携する道を選んだのは賢明だろう。そうして逆にこれらの飲食関連の情報サービスのハブとしてEvernote Foodを位置づけていこうとしているものとおもわれる。

今回のアップデートと同時に今月初旬に同社が発表したサーバへの侵入に関連して、ユーザーはパスワードのリセットを求められている。

アプリはすでに Apple App Storeでダウンロード可能だ。〔iOS 6.0以降が必要〕

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Google、 画像検索でGifアニメを正式サポート、「落ちるネコ」も簡単に探せるようになった

ネットの住民はGIFアニメが大好きだ。一部のファンは会話をもっぱらGIFアニメに頼っているほどだ。

しかしこれまで望みのGIFを検索するのは非常に難しかった。Tumblrや今までのGoogle検索はGIF探しには十分ではない。そこでGoogleは「ネコが椅子から転げ落ちる」たぐいの傑作GIFを探しやすくするよう検索サービスを改良することに決めた。

Googleは GIFアニメのフィルターを順次公開中だ。検索キーワードを入力した後、「検索ツール」ボタンをクリックして“Animated”を選択するだけでよい〔訳者の環境では日本語版、英語版ともまだ表示されず〕。するとアニメーション画像のみが検索結果として表示される。また今回さらに「背景が透明」な画像を検索するフィルタも追加された。画像をユーザーがカスタマイズしたいときに便利だ。

GoogleのAnimatedフィルタを利用してアニンメーション画像を検索するとこういう表示になる。

真面目な話、これまでGoogleでGIFアニメを探そうとすると非常に面倒だった。私は “cat falling gif のように文字列で検索をしてきた。結果に含まれるのはアニメ画像だけではないからやっかいだ。

画像をクリックするとアニメのプレビューが見られる。

サンキュー、Google.

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MozillaがFirefoxのデベロッパツールの充実に注力: ブラウザ内エディタ, Firebugの統合, ネットワークパネルなどなど

先週、MozillaのテクノロジエヴァンジェリストPaul RougetがWebデベロッパたちに、Firefoxの開発ツールとして何が欲しいか、という質問をTwitterやHackerNewsで投げかけた。そのフィードバックに基づいてFirefoxのDevToolsチームは、今後のFirefoxの安定版に盛り込むべき新作または改良版のデベロッパ機能の数々を構想し、それらのプロトタイプ作りに取り組んできた。

Rougetが書いた記事によると、リクエストでもっとも多かったのは、ブラウザ内でコードを書けて、そしてエディタやIDE(統合開発環境)からブラウザをコントロールできることだ。このリクエストに対してチームは今、二つのやり方を検討している。DevToolsのチームは人気の高いSublime TextエディタとFirefoxに本来あるリモート機能を利用するライブエディティングの概念実証を作った。しかしMozillaはそのほかに、Firefoxの中にエディタを置くことも検討している。

Mozillaがブラウザ上のエディタを考えたのは、これが初めてではない。2009年にMozillaは、Bespinというものに取り組んだ。それがのちにSkywriterになったが、このプロジェクトは今休眠している。しかしCSSとHTMLによるエディタThimbleは、Mozillaが再び取り組んでおり、RougetはDevToolsの作品がエディタのメインのような書き方をしているものの、ブラウザ上のテキストエディタに関してはMozilla本体にも相当な経験と知識があることは確かだ。

デベロッパたちのもう一つのリクエストは、Chrome的Firebug的なネットワークパネルとタイムラインだ。チームはすでに、Webアプリケーションがネットワークをどのように使っているかを容易に見るためのツールの、プロトタイプを開発した。

Firefoxのチームは、ブラウザの互換性の向上にも取り組んでいる。Rougetによると、現状は“FirebugのユーザにとってFirefoxのDevToolsは邪魔者”という状況なので、それを何とかするためにMozillaは、コンテキストメニューの”inspect”メニューをディスエーブルにできるようにする。またFirebugをDevToolsのボックスに統合する方法も検討中だ。

そのほかにチームが今取り組んでいるのは、ブラウザの右側にドックツールを置けること(Firefox Nightlyではすでに実装)、CoffeeScriptのサポート、最小化したCSSとJavaScriptファイルのデバッグ、ページ上のリペイントされた部分が分かること(これもFirefox Nightlyにはある)。

Rougetによれば、チームはそのほかの機能にも取り組んでいる(イベント結合の視覚化、オフラインのストレージツール、擬似要素の検査、など)。

以上はどれも、すぐに実現するというものではなく、プロトタイプを脱するのに数か月かかりそうなのもある。でもデベロッパにとっては、こうやってMozillaがデベロッパツールの改良に励み、競合に負けまいとしている姿は大歓迎だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Wacomが4月に発売のCintiq 13HDは13インチでフルHD, お値段は999ドル

Wacomのドローイング(drawing, お絵描き)タブレットCintiqシリーズは、デジタルグラフィクスの制作ツールとしては最高の製品で、中でも12WXはエントリレベルのすばらしい小型低価格機として市場を支配してきた。でも12WXはすでに5歳になり、その間にディスプレイやドローイングタブレットの技術は進んだ。そこで今日Wacomは、完全な新製品Cintiq 13HDを発表した。

13HDは最近出たより大型の22HDや24HDに近くて、去りゆく12WXとの共通点は少ない。13インチの液晶ディスプレイは1920×1080のHD、2048段階の感圧機能を有する。12WXは最大解像度が1280×800、感圧能力は1024段階だ。13HDの画素数は22HDと同じなので、後者より40%小さな画面では画素密度が高く、テキストも画像もよりくっきり表示される。

Cintiq 13HDはスタンド付きで、角度は4段階にロックできる(フラット、22度、35度、50度)。サイズ的にもラップトップ的に使える唯一の機種なので、ポータブルでもある。

発売はWacomのオンラインストアと、数社のパートナーから4月初めに開始される。お値段は999ドル95セント。これはMacやPCを要するドローイングタブレットだから高価に感じるかもしれないが、上位機種22HDの2000ドルに比べればお買い得だ。ぼくは12WXを持っていて大ファンだが、13HDを早く試してみたくて、うずうずしている。

なお、前にも本誌で報じたように、WacomはMacもPCも要らないスタンドアロンのドローイングタブレットを出す予定で、それとデジタルアートのコミュニティで長年待望されていた仕様の13HDを合わせると、今年は同社にとって、とてもビッグな年になりそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


TC Tokyoスタートアップバトル出場サービス – 全自動会計ソフトのfreeeがリリース

freee logo

昨年11月に開催されたTechCrunch Tokyoスタートアップバトルに出場してくれたCFOが全自動クラウド型会計ソフトfreeeのリリースを発表した。このサービスは従来の面倒な経理業務をクラウド上で行ってくれるサービスだ。

本誌では昨年12月にはシリコンバレーのベンチャーキャピタルDCMから5,000万円の資金を調達した際にも取り上げているが、ロゴのイメージが大幅に変更されたので気づかない方も居るかもしれない。特徴的だった雲の上で足を組んだおじさんのロゴは廃止され、素早いイメージのツバメに変更された。

freeeは既存の会計サービスと最終目標は同じだが、仕組みが興味深い。ユーザーの銀行やクレジットカードのWeb口座をfreeeと同期し、入出金明細を取得することでデータを解析してくれる。

解析したデータは自動的に仕訳してくれるので、Web上に履歴が残っているものならばほとんど自分で作業をする必要はない。例えば、明細に「タクシー」という単語が入っていれば、「旅費交通費」に紐づけるように単語ごとに適切な仕訳をしてくれるそうだ。

もちろん、明細によっては的確に仕訳されないこともあるだろう。CFO代表取締役の佐々木大輔氏によると、ベータ版運用時にはクライアントにもよるが、精度は7割から8割程度だったという(銀行よりもクレジットカードの方が詳しく記載されているので、クレジットカードの方が精度は高くなる)。

8割程の精度があれば、かなり経理業務の負担が軽減される。しかし、Web口座をサービスと連携することには抵抗を持つユーザーは多いだろう。そのためfreeeはこの課題をクリアしなければならない。

この点に関してはfreeeは個人情報の取扱いにおいて一定基準の安全性を確保している証拠であるTRUTe(トラストイー)による認証を取得してあるし、データ自体はファイアーウォールで遮断された場所に保存されてあるので安心して欲しいと佐々木氏はいう。

それでも、ユーザーの中には最初はWeb口座を連携せずにCSVでファイルをアップロードし、仕訳をする企業もあるだろう。だが、何度も繰り返し利用するうちにfreeeの利便性が不安に勝ち、最終的にはWeb口座を連携してくれると考えているそうだ。

総務省によると日本の中小企業における平成24年度のクラウドサービス利用率は17パーセント(米国は54パーセント)であり、佐々木氏によると、クラウド型の会計ソフトとなると利用率1パーセント程度だという。

米国ではクラウドサービス利用率54パーセントのうち、ある一定の割合は会計ソフトも含まれているというので、日本でも浸透するのは時間の問題かもしれない。

今後の展開としては、請求書の作成や管理機能、APIの提供、ネイティブアプリの開発などを予定している。

freeeは本日から6月末までは全て無料で利用でき、その後はフリーミアムモデル(無料、月額980円、1,980円)で提供される。

 


利用規約を作ることはサービスを作ること

この寄稿はAZX総合法律事務所の弁護士、雨宮美季氏によるものだ。雨宮氏は共著で本日発売の『良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方』を上梓している。この本は昨年3月に開催された「利用規約ナイト」がきっかけとなり、エンジニアや経営者のために「この1冊を読めば、利用規約について検討すべきことがひと通りわかる」というガイドブックを作りたいと考えて書かれたものだ。

新しくサービスをローンチしようとするとき、「利用規約」を準備しなければならないということは、随分知られてきた。これは、facebookやInstagramなどで利用規約の改定を行おうとする際にユーザーから猛反発を受け、内容変更を余儀なくされるニュースが相次いだため、利用規約に対するユーザーの関心が高まり、これをサービス運営者側も無視できなくなったことも背景にある。実際、弁護士である私のところにも、利用規約のたたき台を準備したうえで、連絡をしてくるスタートアップは多い。

しかしながら、これらを「なぜ作らなければならないのか」「どうやって作ればよいのか」「いつのタイミングで依頼すればよいのか」については、まだまだ知られていない。

また、応対する弁護士の方でも、サービス内容を把握したうえで、法的構成を整理し、適法性を検討できる能力を要求される。「分かりにくい法律用語で一方的に会社に有利な内容を作る」という時代はとうに終わり、ユーザーフレンドリーな分かりやすい内容にしなければtwitter等で炎上の可能性もあり、何よりサービスのファンが根付かない。

こうなってくると何が正解かは教科書に書いてあるものではなくなり、利用規約に関する情報が驚くほど少ないことに気がつく。そこで、今回は、「利用規約の作り方」の最初の1歩として、利用規約を「なぜ作らなければならないのか」「どうやって作ればよいのか」「いつのタイミングで依頼すればよいのか」をお伝えしたい。


「利用規約」はなぜ必要なのか?

「利用規約」はなぜ必要なのか。これらはサービスの運営を円滑に行うために必要なのだ。クレーム対応の際の話し合いの土俵を作っておき、サービス運営者として最低限のディフェンスをするために重要な意味を持つ。また、利用規約とあわせて作られる「プライバシーポリシー」については個人情報保護法、「特定商取引法に基づく表示」は特定商取引法というそれぞれの法律に基づく要請を実現するという機能も持つ。例えば、「通信販売にはクーリングオフ制度はない」のだが、返品の取扱い(返品を禁止する旨の表示でもよい)について法律に従って明確に規定していないと返品を認めなければならないという規制はあるため、適切に表示しておかないと重大なビジネスリスクをもたらすことになる。さらに、「プライバシーポリシー」については、今や「個人情報」に限定されず、プライバシーに関わる情報にも配慮した対応が求められている。

どうやって作ればよいのか? 

利用規約などを作成する際、他社の類似サービスのものを比較検討するのは非常に勉強になる。たとえば、禁止事項を確認することで、どのようなクレームが起こりがちなのかが分かり、免責事項を確認することで、特に回避すべきリスクが分かる。また、「なぜこれが規定されているのだろう」と理由がわからない条項があったら、その理由を弁護士などに相談するといい。法律上の理由が隠されている場合も多いからだ。たとえば、CtoCのオークションサイトをやろうとしたときに、他社の「出品禁止ガイドライン」を参考にしようとすると、「動物」「お酒」「薬」などが規定されていることに気づくだろうが、これらは法律の規制に配慮してのものなのだ。日本に類似するサービスがない場合は、海外の先行するサービスの利用規約も十分参考になる(但し、法規制の違いや商習慣の違いには注意する必要がある)。

もっとも、他社の利用規約をそのままマネしただけでは道義的に批判をあびる可能性はもちろん、サービス自体の競争優位性も確保できない場合が多いだろう。そこで、自由な使用を前提に公開されているひな型をベースに、他社の類似サービスの禁止事項や免責事項などを参考にカスタマイズしていく形で作成するのも一案である。基本的な条項については、どこも大きな違いはなく、「カスタマイズ」が必要な部分にこそ、サービスの特徴が出るのである。

いつのタイミングで相談すればよいのか?

遅くとも(クローズドの)βサービスローンチ前には、「利用規約」の内容の相談に来てほしい。実際、サービス内容を聞いてみると、法的構成が整理されていなかったり、適法性のリスクが把握されていなかったりするケースが少なくないからだ。法的構成が違えば、売上計上の仕方、法的責任、未収の場合のリスク、適用される法的規制も異なる。また、ひとくちに「適法性のリスク」といっても、届出制など厳しくないものもあり、理屈の立て方で抵触しない構成も可能である場合もある。だからこそ、サービスページを最終的に作り込む前に相談に来てほしい。例えば、電気通信事業法に基づく届出や有料職業紹介はベンチャーにとってもハードルは高くはなく、該当可能性についても官公庁のガイドラインが出ており、分かりやすい 。

「もちはもち屋」であり、関連する法律を全て知っている必要などなく、構えずに相談に来ていただき、サービスのありのままの現状と、将来のビジョンを出来る限り教えて欲しいのだ。

私が過去に経験した例でも、早い段階で相談に来てもらえたために、料金のもらい方でリスクをヘッジすることができたり、競合との差別化を明確に打ち出せたりした例もある。また、利用規約を作っていくうちに、特にクレームが起こりやすいことがみえてきて、これを利用規約のみならず、ユーザー登録画面にも明確に書いておくことで高い信頼を得ることができた例も多い。利用規約の作成は、UIや画面遷移にも大きく影響するのだ。

「利用規約を作ることはサービスを作ることなんですね」

最近クライアントに言われてうれしかった言葉。これをみなさんにも実感してほしい。


Google Nexus 10のコマーシャルは複数ユーザ制を強調

Googleは最近、テレビコマーシャルが快調で、とくにガジェット類(ハードウェア製品)が良い。今日から放映されている同社のiPadキラー対抗機種Nexus 10の最新コマーシャルは、子どもができたことを知った若いカップルの生活に、このWiFiオンリーの製品をうまく絡ませている。

このコマーシャルは、Nexus 10の何を売り込んでいるのか? マルチユーザのAndroid機であること。そうだ、Googleの競合上のアドバンテージは、このデバイスを誰かと共有できることだ。それだけ? まあ、とにかくコマーシャルを見てみよう:

iPadに”子どもモード”や”ゲストモード“を作れ、という話は前からある。でも、自分のとってもパーソナルなデバイスを、うちにいるちっちゃな手に触らせたいと、みんな思うだろうか? ブログの記事や、良くできのテレビコマーシャルだけのお話かもしれない。しかし実際には、自分のタブレットを家族の誰かにも使わせたい、という人は多いのだ。

マルチアカウントの良い点は、ログイン直後に各人が、すぐに自分のホーム画面とアプリを見られる/使えることだ。Googleのシンク機能はとても良くできているから、そこらに複数のデバイスがあって、どれを使っても同じ画面が見られる。しかもNexus 10は399ドルと安い。

今のGoogleは相当本気でモバイルし、タブレットしているから、問題はそのセールスポイントだ。上のビデオでは、Google Play、映画を見る、Google Nowで検索、Google+でHangoutsする、本を読む、などが出てくる。GoogleのデバイスとGoogleのサービスがセットだ。

Appleのコマーシャルのような、ひねりやおもしろさはない。アドバンテージを訴求し、iOSより良いところを強調する。同じ土俵では勝負にならないから、少しずつ小味を効かせる。今回は、デバイスをほかの人と共有できます編だ。iPadみたいに、ポルノだらけのタブを人に見られる心配がない。ぼくの場合、それはないのだけれどね。あんまり。

このGoogleの10インチタブレットは今年のI/Oカンファレンスでどんなアップグレードが発表されるかな? ぼくの場合、唯一の問題は、自分の家以外の場所では使い途がないこと。Nexus 10は完璧…にはほど遠い。iPadより良いか? それは個人の好みによる。しかしGoogleとしては、こうやって、‘それにしかない’機能をこつこつと訴えていくしかない。賢明なやり方だね。

〔Nexus 10で複数のユーザを作る…そのやり方。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ウェブアプリケーション用インタフェースビルダーを提供するDivshot、シードラウンドで110万ドルを調達

サンタモニカのDivshot発表によると、同社はシード資金として110万ドルを調達した。Divshotはウェブアプリケーションのインタフェースをドラッグ&ドロップで作成するためのサービスを提供している。本ラウンドはRincon Venture Partnersが主導したもので、500 Startups、Daher Capital、Floodlight Ventures、Cooley LLP、Drummond Road Capital、そしてEric Hammondが参加している。

Divshotが運用を開始したのは、カンザスで開催されたStartup Weekendというイベントがきっかけだ。イベントにおいて、他の開発者たちからの絶賛を受け、共同ファウンダーのMichael BleighおよびJake JohnsonがDivshotにフルタイムで専従することを決意したのだった。またCrowdStart LAにも参加して、Right Side Captalから設立資金の25万ドル及び、将来的な資金調達についても相談し得る地位を獲得した。また最近までLaunchpad LAにも属していた。

Divshotはさまざまな経験の中で、サービスの外観をシンプルでかつ実用的なものに変更してきている。そうした方が開発者たちからの評価が高くなることを発見したのだそうだ。

当初、DivshotではTwitterによるUIフレームワークのBootstrapを利用していた。そのフレームワーク上で動作するWYSIWYGエディタを提供してインタフェースやモックアップの開発速度を向上させるというサービスを提供していたのだ。しかし「私たちの目的はひとつのフレームワークでのみ動作するニッチなツールを開発することではないのです」とBleighは述べる。その発言通り、DivshotはZURB Foundationおよびモバイル用CSSフレームワークのRatchetのサポートをアナウンスしている。

「ウェブ開発における標準ツールの地位を獲得し、ビジュアルデザインの世界でAdobeのCreative Suiteが占めているような立場に立つ可能性もあると考えているのです」とのこと。

2000名以上の開発者とのプライベートテスト段階を経て、昨年10月に一般公開となった。その当時で9000人以上の開発者が利用を希望していたのだそうだ。口コミなどによる評判が広がり、今では40000名以上の人が利用している。

最近は「Divshot Docs」というオープンソースのドキュメントサイトも公開して、ここにガイド、チュートリアル、Tips、ちょっとしたトリック系の使い方などの情報を掲載している。オープンソースというやり方に非常に積極的であるようだ。

Divshotの公開ベータには、こちらより、現在のところ無料で参加することができる。

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(翻訳:Maeda, H)


低所得者向けクラウドファンディングのKiva、開始7年で借入人100万人、融資額4億ドルを突破

2005年以来、少額融資者と低所得借用人を引き合わせてきたNPO、Kiva.orgが、借入人100万人を達成したと発表した。クラウドファンディングで途上国を中心とする65ヵ国にわたって融資された総額は、4億ドルに上る。融資は主として個人による経済活動を支援するもので、他の資金調達手段が困難な起業家精神あるベンチャーの支持を通じて、貧困を軽減しようとしている。授業料支払い等教育目的の融資も支援している。

Kivaの融資人から成るコミュニティーも100万人に節目に近づいており、現在90万人が登録されている。この人たちによって毎週150万ドル以上のクラウドファンディングが行われている。Kivaプラットフォームの運用1年目には、年間融資額わずか50万ドルだったことを考えると、目覚ましい成長だ。

Kivaによると、同プラットフォームでの融資返済率は98.9%。融資金が返済されると、貸し手はこの資金を繰り返し何度でも再融資ができる。希望すれば引き出すことも可能。

「この7年間は驚きの旅だった」とKivaの共同ファウダー・CEOのMatt Flanneryが声明で語った。「いちかばちかやってみることの価値を、世界に証明してくれた100万人の借り手たちに感謝している。Kivaがあるのはみなさんのおかげだ」

「Kivaの基本的な考え方は、その人がお向いに住んでいようと海外にいようと、可能性を認識して支援することにある。自分自身や他人の中にある可能性を認識した時、それが貸し手としてであれ借り手としてであれ、そこには大きな力が生まれる」とKivaの共同ファウンダー・プレジデントのPremal Shahが声明で語った。

昨日(米国時間3/17)Guardianが報じたオックスフォード大学による最新の研究によると、2013年に「多次元」貧困状態で生活している人々は計16億人いるが、世界で最も貧困な人々の一部は、「有意に貧困度が低く」なりつつあり、ルワンダ、ネパール、バングラディシュ、ガーナ、タンザニア、カンボジア、ボリビア等の国々では貧困の減少が報告されている。同研究は貧困指数を算出するために10種類の指標を用いた。具体的には、栄養、幼児死亡、就学年数、就学率、炊事用燃料、水、衛生、電気器具、および床。

同研究によると、最貧困者10億人の住む100ヵ国のうち、大部分が南アジアであり、インドが半数近く(40%)、サハラ以南のアフリカが約1/3(33%)を占める。また、最貧困10億人の約1/10(9.5%)は収入が中流の上クラスの先進国に住む人々であることもわかった。

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(翻訳:Nob Takahashi)


中国Googleの元トップKaifu Leeが政府に削除されたツイートを数えてグラフ化

元Google ChinaトップKaifu Leeは、TencentとSinaで彼のWeiboポストが検閲され削除された回数を記録し、このほど、その8か月ぶんをグラフにして公開した。

毒舌の投資家でもある彼は最近、自分のツイートを消される回数が増えた。なにしろ当局が隠したいと思っている、上海の河口に13000頭の豚の死骸が流れ着いた件とか、中国全国人民代表大会における指導者任命の経緯などを、彼は議論しているからだ。中国政府は二つの大手マイクロブログサービスTencentとSinaに頻繁に介入して、検閲キーワードのあるポストをぞうきんで床の汚れを拭くようにせっせと拭き取っている。

このグラフには、こんなツイートが付いている:

私のWeiboの削除(リンクをクリック)。最低は私の“3日間の沈黙”、そして最高は、最近2週間のtwitter.com/kaifulee/statu…

— Kai-Fu Lee (@kaifulee) 2013年3月18日

Kaifu Leeは先月の3日間、SinaとTencentのWeiboポストを拒否された。国営検索エンジンJikeを批判したからだ。彼にはTwitterのフォロワーが約100万いるが、Sina Weiboの3000万やTencent Weiboのファン数2400万に比べると小さい。

(出典: techinasia.com)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))