AlphabetのXラボがエネルギー蓄積プラント開発中――塩と不凍液でタービン駆動

再生可能エネルギーに関しては経済的な蓄積の方法が大きな課題となっている。これについてはTeslaやトヨタなど多くの企業が解決を試みている。ここにAlphabet Xラボ(以前のGoogle Xラボ)が参入した。 XラボのMaltaプロジェクトは商用電力網に利用できるスケールでの電力蓄積プラントの実現を目指す。

Bloombergによれば、Maltaプロジェクトは高熱の塩と不凍液の一種を利用したタービン発電システムだ。このシステムははリチウム・イオン電池より高い効率で安価にエネルギーを蓄積することを目指している。Teslaはリチウム電池を利用したPowerpackによるエネルギー蓄積をハワイのカウアイ太陽光発電施設でデモした。

MaltaはXラボのムーンショット〔アポロ計画に匹敵するような野心的プロジェクト〕の一つで、Googleの自動運転テクノロジーやGoogle Glassのここから生まれた。Xラボではいくつか異なるタイプのエネルギー関連テクノロジーを開発しているいるが、Maltaがもっとも有望であるらしい。

作動の仕組みはこうだ。2種類のタンクを設置し、一方に塩、もう一方に不凍液(に似た炭化水素液)を満たす。太陽光、風力などの再生可能エネルギー源から生み出された電力でヒートポンプ(冷蔵庫に似た仕組)を動かし、高温の空気と冷気を作り出す。高温空気は塩を加熱し、冷気は不凍液を冷やす。電力を取り出す必要が生じると、プロセスを逆転し、発生した高圧気体でタービンを駆動して発電する。

再生可能エネルギーでは発電のピークと需要のピークが一致しない。このギャップを埋めるためにエネルギーを蓄積する手段が必須となる。 化石燃料や原子力などによる発電の場合、電力需要が増加すれば簡単に発電量を増加させることができる。太陽光や風力では発電量は自然が決めることになる。往々にして自然のスケジュールは人間の都合とは一致しない。

従来の再生可能エネルギーではピーク時の需要に応えるのが難しく、逆に需要のない時間帯に過剰に生産されたエネルギーは捨てるしかなかった。これに対してMaltaやTeslaのPowerpackは閑散期にエネルギーを蓄積しピーク需要に対応できるようにすることが目的だ。政府や電力会社が再生可能エネルギーを重視するようになるにつれ、エネルギー蓄積テクノロジーの重要性はますます増加している。

〔日本版〕リンク先Bloomberg記事にプラントの概念図が掲載されている。塩/不凍液のタンクが2組、4本ある。どのようにしてタービンを作動させる高圧気体を発生させるのかなど詳しい仕組みは不明。トヨタが開発中の新しい固体電池についてのTechCrunch記事

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

プーチンのロシアがVPNを禁止する法律を通過させた

ロシアは、ユーザーたちがウェブサイトへの匿名アクセスすることを可能にする、VPNやその他のテクノロジーを禁止した。

ウラジミール・プーチン大統領によって署名された新しい法律 (Google翻訳経由のリンク)は、11月1日に発効する予定で、開かれたインターネットに対してまた別の大きな打撃を与えることになる。先週末には、Appleが今年初めに制定された規制を遵守するために中国のApp Storeから大部分の主要VPNアプリケーションを削除したことが明らかになった。問題になった規制は、VPNアプリケーションは中国政府からライセンスを取得する必要がある、というものだ。

国営報道機関RIAによれば(Google翻訳経由)、ロシア議会(Duma)の情報ポリシーとテクノロジー委員会のチェアマンであるLeonid Levinは「法を遵守する市民に新しい禁止を適用する」ことを狙ったものではない、と語った。その代わりに、彼はこれは違法なコンテンツへのアクセスを禁止するものだと主張している。しかし、ロシアで「違法コンテンツ」とみなされてる範囲は、プーチン大統領の3期目でかなり拡大しており、政府は人々がオンラインにアクセスしたり投稿したりする内容をより強力に管理している。Freedom Houseが指摘しているように、「反過激主義法(anti-extremism laws)が、しばしば政治的内容を妨害するための口実として、司法の判断抜きに広く用いられている」状況なのだ。

ロシアがオンライン情報へのアクセスを制限しようとする努力は、ユーザーのプライバシーを危険に晒すかもしれない法律の制定と、足並みを揃えている。2015年には、政府はロシア市民からの全てのデータをロシア国内にあるサーバーに保存することを義務付ける法律を制定し、昨年には通信業者ならびにインターネット業者は通信データを最大1年間保存することを要求する法律を制定した。このことによりVPNプロバイダーのPrivate Internet Accessは、ロシアのゲートウェイを閉鎖した。

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(翻訳:Sako)

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デバッグやテストをAIで自動化―HEROZが2億円を調達してハーツユナイテッドと提携

AI将棋「将棋ウォーズ」などを開発するHEROZが、今度はソフトウェア開発をAIで効率化する取り組みを始める。HEROZはハーツユナイテッドグループと資本業務提携を結び、ゲーム開発や、ウェブを含むエンタープライズ開発におけるテストの自動化を推し進める計画だ。同時にコーエーテクモゲームスとも資本業務提携を結び、2社合計で総額約2億円の第三者割当増資による資金調達を実施した

ウェブサイトを解析して、外部から自動でテスト

もともとソフトウェアの動作を試す「テスト」というのは、人力でやるケースと、機械的に自動化するケースがある。後者は「自動テスト」と呼ばれ、きちんとしたソフトウェア開発の現場では、必ずテストコードを書くことになっている。例えば「足し算機能」があったとき、「1+1=2」「3+1=4」「100+5621=5721」などと入力と出力のペアを列挙しておき、左側をプログラムに渡して右側の回答と一致するかを確認することで動作が正しいことを検証する。もっと複雑な機能や複数機能が組み合わさった場合でも、なるべく多くのテストケースを用意したり、架空のユーザーやデータを用意して動作を確認しながら開発を進めることになる。ユーザーが取るであろうアクションを事前にプログラムにしておいて、これを実行することでバグを発見することができる。

テストコードがあるソフトウェア開発の現場は幸福だ。

テストがあれば何か変更を加えたときに別の部分が壊れた、ということがすぐに分かる。開発プロジェクトに途中から参加した人が付け加えた変更によってウッカリ別の機能を壊したとしても、すぐにそれを発見できるし、常に一定の品質保証ができる。ただ、テストコードを書くのは、それはそれでまた別の労力がかかるため、どの程度の量のテストコードを書くのか、どう書くのか、というは何冊もの本になるぐらい議論があるところ。最初からテストコードを書いたほうが結局トータルではコストが下がって品質も高いという考えがエンジニアの支持を集める一方で、納期に追われる現場では目をつぶってテストコードなしで突っ走るケースもあったりするのが現実だ。

自動テストのコードがない場合、人間がプログラムを実際に動かし、あちこちをクリック(タップ)して動作を検証することになる。人間がやる場合、スプレッドシートにチェック項目を何十も並べ立ててやったり、ただ適当に使ってみる2つのアプローチがある。前者は労働集約型の生産性の低い作業になりがちという問題があるし、後者は抜けや漏れが起こるという問題がある。ユーザーというのはソフトウェアを作った側の想像をやすやすと超える使い方をするものだ。その結果、出荷したアプリがクラッシュしたり謎の動作結果となる、ということになる。

ハーツユナイテッドは2013年創業の東証一部上場企業で、テストやデバッグを主幹業務としている。2017年3月期の売上高は154億円で、このうち約8割がデバッグ関連だ。デバッグの対象はゲーム(コンシューマー/オンライン/アーケード)、モバイルやウェブの業務システム、家電や自動車、サイバーセキュリティー、パチンコ・パチスロなど多岐にわたる。

今回のHEROZとの事業提携の狙いは、すでに行っているこのデバッグ事業において、AIを適用して自動化を推し進めるところにある。AIといえば、パターン認識と、その逆の生成系の利用が目覚ましい成果を挙げているわけだが、漏れなくテストケースを生成するといった用途には有効ではないか、ということだ。

「エンタープライズ」と呼ばれる領域はコンシューマー向けサービスに比べて相対的にユーザー数が少なく、いきおいテストに工数を割けないこともある。特にバグっても人が死んだりお金が消えたりしないところは全般に品質が低め、というのは日々業務システム相手にイラッと来ている読者の皆さんもピンと来ることだろう。実は先に述べた「自動テスト」すらやっていないことが多いのだ。

ハーツユナイテッドではVRやIoTといったジャンルでも今後デバッグ事業の業容を拡大していくというが、直近では「HEROZ Kishin Testing」と名付けたツールを開発。ユーザー登録フォームに対するテストケースの自動生成とテスト実行を自動化する試みを始めている。

ゲームの「バランスブレイカー」を発見してルールを検証

コーエーテクモゲームズは「信長の野望」「三國志」などの戦略ゲームのタイトルで知られるが、ここでも今後、HEROZが将棋AIなどで培ったAIの技術を採り入れていくという。もともと戦略シミュレーションは簡単なAIが組み込まれているが、より高度なAIを入れていくことでコンピューターがプレイする戦国武将に異なる性格をもたせたり、人間と互角に戦えるレベルにしていくとができるだろうという。

もう1つ、ゲームとAIの関係でいうと「バランスブレーカー」と呼ばれる一種の「抜け」を発見することにもAIが適用できるのではないかと期待しているという。ルールに矛盾や穴があると、ある特定の戦略で楽勝できてしまう。そういう設計上のミスをこれまで人間がつぶしていた。HEROZ代表取締役の高橋知裕氏によれば、こうしたゲームルールというのは代々人間が継承しつつ、今も紙の上に書き下しているそうだ。ルールの抜けをコンピューターが調べられるようになれば、今後生み出されるゲームの多様性が増すと期待できる。

HEROZは2009年4月創業で、創業時にBIGLOBEキャピタルなどから1億円の資金調達をしたあと、自社開発ゲームで収益を上げてきた。2016年1月には金融領域へAIを適用するということで、一二三(ひふみ)インキュベートファンドから1億円を追加で資金調達。2016年12月にはゲーム領域でのAI適用でバンダイナムコエンターテイメントとの資本業務提携も発表している。

Tesla Model 3の鍵はスマートフォン

Tesla Model 3は様々な意味でユニークだが、中でも興味を引くのがスマートフォンを唯一のキーとして使うことだ ―― 昔ながらのイグニッションキーはもちろんスマートエントリー用のリモコンすらない。この車はスマートフォンのTeslaアプリとやり取りすることでオーナーを個人認証して解錠する。いつスタートして、いつエンジンを切るかも知っている。

Model 3はBluetooth LEを使ってスマートフォンと通信することで、持ち主が近くに来たことを知る。バレーパーキングなどでスペアキーが必要な時のために、NFC方式のプラスチック製カードも2枚ついてくる。タップしてドアを解錠し、エンジンをかけることができる。

この仕組みは一部のひとを驚かせ、あるいは少々不安にさせるかもしれないが、私はそれ以上に便利だと感じた。あらゆる場面で忘れる可能性の低いものと言えばスマートホンであり、今や私の生活の拡張部分のような存在だ。実際、車のキーを置き忘れることのほうがずっと起こりそうであり、それは時々しか使わないものだからだ。

Model 3では、かつてあまり使われたことのない技術的に興味深いものごとが数多く起きている。Teslaデザインでは物理的ボタンが極限まで減らされ、計器パネルも追放された。しかしキーの廃止は、なによりも大きな出来事だ。


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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

これがTesla Model 3の詳細スペックだ

Tesla Model 3の全貌が明らかになった ―― 発売時の様々なオプションキットや内外のサイズ、走行性能、室内の快適さなどに関する情報が手に入った。Tesla CEO Elon Muskは、この車について、「圧倒的に最高の車」を「ほとんど変わらないコストで」作ることが目標だと言っており、今回それが明確に実証された。

Model 3の価格は3万5000ドルからで以前発表された通りだが、それで何が手に入るのかが正確にわかった。新しいEVの基本構成のスペックは以下の通り:

  • 航続距離220マイル(354 km)
  • スーパーチャージャーによる充電30分間で130マイル(209 km)の走行が可能
  • 家庭用240V、32Aの充電器で1時間あたり30マイル(48 km)走行可
  • 0~60マイル加速5.6秒
  • 最高速度130 mph(209 km/h)

9000ドルの追加で長寿命バッテリーを搭載することが可能で、価格は税・報奨金別で4万4000ドルになる。その場合の仕様は以下のように拡張される。

  • 航続距離310マイル(499 km)
  • スーパーチャージャーによる充電30分間で170マイル(274 km)走行可能
  • 家庭用240V、40Aの充電器で1時間あたり37マイル(60 km)走行可
  • 0~60マイル加速5.1秒
  • 最高速度140 mph(225 km/h)

いずれのモデルも内装は同じで、15インチのタッチスクリーンを使ってバーチャル計器パネル、メディア、エアコンなどを操作できる。

ほかに以下のような機能が標準で装備されている:

  • オンボード・ナビゲーション
  • Wi-FiおよびLTE通信接続
  • Teslaアプリによるキーレスエントリー(この車には物理的なキーも認証機能付きキーもない)
  • 音声コントロール
  • バックカメラ
  • リアシートを60/40に畳んで(完全フラットではない)荷物スペースを増やせる
  • 暗くなると自動的に減光されるバックミラー
  • デュアルゾーンエアコン
  • フロントコンソールにUSBポート2基搭載

5000ドルのプレミアム・アップグレード・パッケージには,機能、外観の様々な改善が加わる:

  • 座席ヒーター、「目はじき仕上げ装飾」などの高級内装
  • 後部座席にUSBポート2基
  • 電動調整式のシート、ハンドル、およびサイドミラー(非常に良い)
  • サブウーファー付きサラウンド対応プレミアムオーディオシステム
  • 色付きガラスルーフ
  • 自動減光式電動折り畳みヒーター付きサイドミラー
  • スマートフォンを2台までつなげるドッキングポート
  • LEDフォッグライト

Model 3は、エンハンスト・オートパイロットに必要なセンサーをすべて備えており、5000ドルのアップグレードで、スピードマッチング、車線維持、自動車線変更、および自動駐車が可能になる。ハードウェア的に将来完全自動運転が可能になった時に利用できる能力もある ―― 自動運転にはさらに3000ドルかかる。全部でカメラ7台、前方レーダー、超音波センター12台がこの車に装備されている。

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ほかの有料アップグレードオプションには、基本カラーのブラック以外のメタリックシルバー、ディープブルー、「ミッドナイトシルバー」(非常に美しい青みがかった濃い灰色)、パールホワイト、レッドの各色がある。いずれも1000ドルのアップグレード。さらに標準の18インチホイールを19インチのスポーツタイプにアップグレードすることも可能でこちらは1500ドル。

以上、Model 3をフルにアップグレードした価格は5万9500ドル(税・奨励金別)で、これは得られる内容からみてかなりリーズナブルと言え、同等のガソリン車と比べれば特にそうだ。

Model 3のベースモデルよりも前に、バッテリーアップグレードモデルが出荷される予定で、今後3カ月間に初期予約顧客にのみ納入される。Model 3の詳細スペックを見るためにここまで待っていた人は、今こそ予約の時だ ―― 行列は現時点で2019年まで続いており、さらに伸びていくことは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ガソリンスタンドで携帯電話回線を使ったカードスキマーが発見された

クレジットカード窃盗犯たちによる、想定内の行動ではあるが、SMSを介して盗まれたデータを送信する新しいクレジットカードスキマー(スキミング:カードデータを不正に読み取ること)を、警察が発見した。安価な携帯電話を流用し、悪者たちがクレジットカードの情報を、簡単に彼らの居場所へ送ることができるようにしたものだ。送信に際してはスキマーに物理的に触れる必要はないし、Bluetooth接続に頼る必要もない。

セキュリティ専門家のBrian Krebsが、匿名の情報源からスキマーの画像を受け取った。これらは北東部のガソリンスタンドで見つかったものだ。

このスキマーはガソリンスタンドのポンプの内部に接続され、ポンプ自体から電源を受け取っていた。つまり、バッテリ切れを心配する必要はなかったということだ。このモデルがどのように機能していたかは不明だが、スワイプされたときにクレジットカードデータを抜き取っている可能性が最も高い。とはいえガソリンスタンド側も対策を立てようとしているのでまだ救いはある。

「多くのガソリンスタンドでは、カスタムロックやセキュリティカメラなどの、より多くの物理的なセキュリティを含んだアップグレートをポンプに施しています。さらに、より新しいポンプは、G20諸国全てで既に利用されているより安全なチップベースの支払いカードに対応することができます」とKrebsは書いている。

彼はまた、ガソリンスタンドではデビットカードを決して使用しないことも勧めている。

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(翻訳:Sako)

CRISPRで改変された人間の胚が実験室で作られた、だがデザイナーベイビーへの道はまだ遠い

今週の初め、科学者たちが、ヒトの胚を米国内で初めてCRISPR技術を使って改変したという発表で私たちを驚かせた。だが、デザイナーベイビーの誕生まであと1歩というところまで来ていると考えるのは早計だ。

もちろん私たちはそれを行なうことはできる。しかし科学界の大部分はそうした仕事には反対の立場だ。オレゴン健康科学大学のShoukhrat Mitalipovが率いるチームは、CRISPRを施された人間の胚をほんの数日の間だけ成長させたが、それを完全な人間の胎児にまで育てる意図は全く持っていなかった。

もちろんそれは、そうした実践を人間に対して許すことに対して、議論の余地がとても大きいからだ。中国の科学者たちは、2015年に胚に対して同様の実験を行ったが、世界中の科学コミュニティの怒りを買い、その結果CRISPR技術の人間の胚への適用が、国際的に中止されることになった。

しかしその中止の合意をを無視して、中国の研究者たちはさらに2回実験を進めた。とは言え、これらの実験の結果ははかばかしいものではなく、この技術を人間に使用するのは、こうしたやり方ではないという議論に、一層油を注ぐ結果となった。

米政府関係者らは、CRISPR技術を国家安全に対する脅威だと呼んでいる。なぜなら、その簡便さと技術の急速な進歩によって、科学者たちがハサミのように振る舞う酵素をプログラミングした上で、DNAの任意の区画を切り取ることができるようになるからだ。

このプロセスは、生殖細胞系編集や、個体の遺伝的構成の変更に利用され、個体の子孫たちに病的遺伝子が受け渡されないようにすることができる。

批評家たちは、CRISPRはデザイナーベイビーを作ることに利用できると警告を発している。そこで描き出される暗い未来は、富裕層は着床まえに胚の遺伝的欠陥を全て取り除くことができる一方、貧困層は遺伝的に不利な立場に置かれ続けるというものだ。

多くの科学者は、生殖細胞系編集は非倫理的であると考えている。なぜなら永続的な変更の決定は、1人の個人の遺伝子構成に関わるわけではなく、その人間に連なる全ての子孫たちの遺伝子構成にも、許可なく影響を与えてしまうからだ。

しかし私たちが映画「ガタカ」の世界に近付く道のりはまだ遠い。1つには、上で述べたように科学界は人間に対する(特に胚に対する)CRISPRの適用には慎重だからだ。また別の理由として、仮に私たちがその適用を人間に許すとしても、おそらく致死的な病気の治療と根絶に対して用いられることになるからだ。

この技術はまた、数日程度の限られた日数を越えて、胚の移植と育成も行なう必要がある。私たちが知る限り、中国人もしくはアメリカ人を問わず、これを成し遂げられた科学者はいない。

もう一つの考慮すべき点は、人間に対するCRISPRに関する特許を誰が所有しているのかということだ。現段階では、特許を所有しているのはブロード研究所(MITとハーバード大学)だが、今週バークレー大が、ブロード研究所に対して有利に下された裁判所の判決に異議を申し立てた。バークレーが当初取得していた特許はこのテクノロジーの幅広い適用を許すものであり、ブロード研究所は人間への適用のための独立した特許を所有してはいないという主張だ。

こうした法的および倫理的なハードルを考えれば、将来誰かがアインシュタインの頭脳を持つスーパーモデルベイビーを作ることを考える前に、解決しなければならないことが山ほどあることは明らかだ。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: VICTOR DE SCHWANBERG/GETTY IMAGES UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

クラウドファンディングだけで解決できない資金ニーズを解決——CAMPFIREが企業向け融資を開始

クラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」を手がけるCAMPFIREが、プロジェクト実行者を対象にした融資を行う。同社は7月28日、「CAMPFIRE レンディング」を開始すると発表した。

CAMPFIREと言えば、「○○を制作する」「○○を開催する」といったさまざまな“プロジェクト”を立ち上げ、そのプロジェクトを支援する人達(パトロン)が商品や作品を閲覧する権利といったリターンを提供することで資金の調達を目指す、クラウドファンディングサービスを展開している。

だが通常のクラウドファンディングは、プロジェクトの立ち上げを支援する一方、その先のアクション——例えば想定以上の支援が集まって追加生産する場合や、飲食店で追加設備の費用がかかる場合などの資金を集めることが難しかった。CAMPFIRE レンディングは、そんなプロジェクト実行後の支援を目的としたサービスだ。

融資の対象になるのは、このクラウドファンディングのプロジェクト実行者のうち、資金調達に成功した企業(7月28日以降に「All-or-Nothing:目標金額を達した場合のみ資金を集められる方式」、もしくは「All-in:目標金額の達成・未達成に関わらず資金を集められる方式」いずれもが対象)。融資額の上限は100万円。

金利は、10万円未満の場合は上限が年20.00%、10万円から100万円未満は上限が年18.00%、100万円を超える場合は上限が年15.00%となっている。なおCAMPFIREでは本サービス提供に先立って、貸金業の登録を行っている。

Amazonがアパートなどに設置できる宅配ロッカー”Hub”の運営を開始

Amazonは、メディアコンテンツやクラウドサービスといった仮想的製品の取扱範囲をさらに広げているが、電子商取引とマーケットプレイス、そしてそれを支える巨大な物流機構に対しても、そのビジネスの日々の収益を守るために機能の追加を続けている。

本日(米国時間7月27日)Amazonは、Hubという新しいサービスを静かに発表した。これは集合住宅内に設置されるロッカーで、居住者たちが大きな荷物を自由な時間に受け取ることができるようにするものだ。このサービスの特徴は、Amazon自身やその提携相手以外からの荷物も、ここへ配達できるようにしているということだ。

「どんな送り手からでも、そしてどんな小売業者からでも、いつでも好きなときに荷物を受け取ることができます」。サイト上のプロモーションビデオの中ではAmazonやZappos(Amazonの子会社)から以外の荷物を受け取る様子も描かれている。

このHubサービスは、現在はAmazon Lockersと呼ばれている、これまでAmazonが数年に渡って運営を行ってきたサービスの上に構築されたものだ。Amazon Lockersは公共の場所や小売店などに設置される配送ロッカーで、Amazonからの荷物をより便利に受け取ることを可能にするサービスだ。

重要なのは、Lockersと今回のHubは、これまでAmazonが手を付けて来られなかった物流ならびに配送経路上の部分へ焦点を合わせる、Amazonの大きな野望を表しているということだ。すなわち配送のラストマイル(より正確にはラストフィート)区間への対応だ。

この野望は、これまでもAmazonの行ってきた新しいサービスの動機となっていた。例えばドローンで荷物を届けるPrimeAirの開発や、特定の市場向けの配送サービスである、フランスのColis Priveの買収などだ。

これらのすべての努力は、荷物が顧客のもとへどのように到着するかを、Amazonがよりコントロールできるようにする。そうすることで届けるためのコストを更にカットすることが可能になるかもしれない。これは沢山のアイテムの無料配送(と大量の特典)を与える、Amazon Primeのような会員制度の中で、より高い利益を得るためには特に重要なことだ。

Hubの発表に先立ち行われた、Amazonの四半期決算発表によれば、純利益は約6億5000万ドル減少し、1株当りの利益予想も1ドル以上も減少した。この理由の一部は投資金額の増大によるものだ。マージンの改善はいずれ行わなければならないことであり、今日のサービスの発表はそこへ向けてのAmazonからの微妙なサインなのかもしれない。

そして過小評価しないようにしたいのは、Hubのような努力が、Amazon自身を越えて与える大きなインバクトについてだ。AmazonがHubを自身の荷物だけでなく、誰からの荷物に対しても使えるようにすることで、AmazonはかつてのパートナーたちであるFedExやUPS、そしてDHLとの真正面からの競争に晒されることにもなる。

DHLは、既に居住者のためのロッカーシステム、Packstationを運営している。そして、こうした動きを行なっているのは1社だけではない。Amazonがこれまで強引に割り込んできた、多くの分野と同様に、同じ問題を解決しようとビジネスを進めてきたいくつかのスタートスタートアップが存在する。例えばPackage ConciergeLuxer Oneなどだ。Googleは競合相手になる可能性のあったBufferBoxを2012年に買収したが、その後事業は停止している。

Amazon Lockersの場合と同様に、Hubは、消費者、配送会社、そしてAmazon自身などにとっても大きな問題を解決する。普通の場合、通常のメールボックスには届かない大きなものを購入すると、様々なパターンが発生する。もしアパートにコンシェルジュがいない場合には、荷物は営業所に持ち帰られるか、隣人の厚意に頼って受け取って貰うか、いつでも開いているとは限らないビルの管理室に届けて貰う、といった対応を考えなければならない。

「AmazonのHubは、セルフサービス、信頼できるカスタマーサポートの組み合わせによって、頼れるパッケージ管理ソリューションを提供します」と、Amazonはそのプロモーション資料の中で述べている。

現時点では、AmazonのHubは個人居住者向けにデザインされていて、屋内屋外それぞれのバージョンがあり、デジタルキーパッドの入力によって開くことができる。自身の所有する建物へHubの設置を申請した場合、そのアパート、オフィス、もしくは家の持ち主であるか否かが尋ねられる。アパートの所有者であることを示さない限り、その先のページに進むことはできないようだ。しかし他のオプションを指定することで、違う種類の場所への設置は可能になるようだ。

Hubは「さまざまな建物に簡単にインストールできるモジュラーシステム」だと、説明されている。2つのサイズが用意されている。Starter Hubは幅約180センチで42のコンパートメント(小区画)に分けられている。そしてExpander Segmentは23のコンパートメントを追加する。「モジュールは、あなたの建物のニーズに適した容量を提供するために、相互にリンクされます」とAmazonは説明している。「コンパートメントのサイズとレイアウトはすべて事前に設定されているため、必要なコンパートメントの種類を考える必要はありません」。

価格などの詳細についてはAmazonに尋ねている、詳細が判明したら更新する予定だ。

Hacker News 経由)

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(翻訳:Sako)

Apple、iPod nanoとshuffleの販売を終了、touchは容量2倍に

ハンカチのご用意を ―― ひとつの時代が正式に終わった。iPod classicの生産中止から3年、Appleはついにローエンドの同胞たちにも同じことをする。shuffleとnanoだ。同社は今日(米国時間7/27)2つの象徴的MP3プレーヤーをサイトから引き上げ、これが本当の終わりであることを正式にTechCrunchに伝えた。

これで、あの一世を風靡したiPodの名前を冠したデバイスはiPod touchだけになった。そして、それについてはちょっと嬉しいニュースがある ―― Appleは今日、touchの容量を64GB/199ドル、128GB/299ドルにそれぞれ増量した。これまでは16GBと64GBがおなじ価格で売られていた。

「本日、iPodラインアップをシンプルし、iPod touchの2モデルは価格据え置きで容量を2倍にした。そしてiPod shuffleとiPod nanoの販売を中止する」とApple広報が声明で言った。

過去数年間、AppleはiPhoneが従来のネットワーク無しiPodを置き換えるとかなり明確に言ってきた ―― そしてそうなることを嫌がっていなかった。iPhoneの躍進とApple Musicによる同社のストリーミングの推進によって、音楽を所有する概念は過去のものになりつつある。

nanoが5年間改訂されていなかったという事実は、Appleがアプリの動くデバイスに集中しているという明確な証しだった。iPodにとって最も重要なアプリは、もちろんApple Musicだ。現在のAppleの世界で、これに対応していないデバイスを売ることの意味はほとんどない。

iPod touchが同じ価格で2倍のストレージになることは、つながらないiPodたちへのすてきな別れのメッセージだ。これはまた、Appleにかつての栄光を取り戻させたこの音楽プレーヤーと相棒ソフトウェアのiTunesの役割を、再認識するよい機会でもある。iPodはいかなる意味でも最初のMP3プレーヤーではなかったが、真のブレークスルーテクノロジーだった。

カリフォルニア州サンフランシスコ ―― 2012年9月12日、新しいiPod nanoがイエルバブエナセンター・フォー・ザ・アーツで行われたAppleのスペシャルイベントに登場した。Appleは人気スマートフォンの最新機種iPhone 5を発表するとともに、iPod nano、shuffle、およびtouchの新機種を発表した(写真提供:Justin Sullivan/Getty Images)

2001年に登場したクリックホイール付きデバイスは、この分野の代名詞にもなった。21世紀初の真に象徴的な消費者向けハードウェアとなり、「ポケットの中に音楽を1000曲」という気が遠くなるような約束を掲げた。スティーブ・ジョブズが5GBの製品を披露したときのことだった。

私自身どちらかというとiPod classic派だったが、Spotify以前の暗黒の日々、携帯電話のストレージが貴重だったころ、shuffleとnanoの小さなサイズは携帯電話と一緒に持ち歩くのに便利だった。

shuufleの登場は2005年前半で、その年の後半にはnanoが短命のminiに取って代わった。どちらもiPodエコシステムの中で独自の役割を果たした。shuffleは入門レベルのiPodで、スクリーンがないために音楽再生にロシアンルーレット的要素を取り入れた。

そのコンパクトなサイズ、そしてclassicと異なりハードディスクがないためランニング中に音が飛ぶ心配がないことから、フィットネスおたくもターゲットになった。nanoはNike+iPodフィットネストラッキングシステムによってこの分野を開拓した最初のデバイスになった。

ともあれ10年と少しという長さ決して悪くない。そして以前のclassicと同じく、これらの製品がeBayオークションを通じてこの先何世代も生き続けることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

もしAWSがなかったら、Amazonは大赤字

本日(米国時間7/27)Amazonは第2四半期の決算を発表した、その内容は期待外れだった ―― そしてJeff Bezosにとって残念なことに、彼はもはや太陽系で最も裕福な人間ではなくなり、2番目に裕福な人間という残念なポジションに追いやられた。

会社の損益はウォール街の期待に届かなかった。しかしAmazonのクラウドサーバー農場、AWSは、またしてもAmazonの利益を押し上げた。近代クラウドコンピューティングの基盤を築こうという同社の大きな賭けが、ここしばらく続いているAmazonの黒字四半期を生み出したと言えるだろう。

内訳を見てみよう:

Amazonは、AWSを年間100億ドル以上を稼ぎ出す一大ビジネスまでにした。しかもAWSはAmazonの全事業の中で最も利益率が高く、極めて順調に成長を続けている。第2四半期のAWSの売り上げは2016年の42%増だった。成長ペースはやや下がり気味で、2015年から2016年にかけての売上成長率は58%だった。

おそらくもっとも重要なのは、Amazonが次の四半期から赤字に戻るかもしれないと予告したことだ。Amazonは世界一の企業を目指して成長を続けるために、湯水のごとく金を使うことで長年知られてきた。そしてウォール街はこの戦略に対してかなり忍耐強かった。しかしAmazonは黒字の四半期を続け、その年株価は40%上がった。

Amazonが他の収入源を探り続ける中、サーバーの入ったビルを山ほど建設するという巨大な賭けは報われているようだ。Amazonは新規ビジネスへの強引な参入でよく知られている。巨大な食料品チェーンを137億ドルで買ったり、ビデオゲームをプレイする人たちにビデオストリーミングサービスを提供したり。AWSは成長が減速しているとはいえ、当分の間Amazonを支える柱の一つになることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleが機械知性スタートアップの育成と支援のためにAI Studioを開始

新しい週の幕が開いて、Googleによる、AIのスタートアップをターゲットにした新しいプログラムが発表された。今月の初めには、私たちはGoogleの決算資料上に、そのAI投資ファンドであるGradient Venturesの名を目にしたばかりだ。またその2日後には、Google Cloudマシンラーニングコンテストのファイナリストたちが、トップAI投資家たちに向けてプレゼンを行う様子を見た。そして今日(米国時間7月26日)、GoogleのLaunchpadが、意欲的なAIのスタートアップたちに、事業を離陸させスケールアップするために必要リソースを提供する、新しい実践プログラムStudioを発表した。

狙いはシンプルなものだ。すべてのスタートアップが同じように作られるわけではない。AIのスタートアップたちはデータを必要とし、それを十分に得るために奮闘している。彼らはしばしば、新しいデータが入手できる度に、段階的に市場投入しなければならない。そして通常、高度な技術チームを抱えながらも、製品化の才覚には欠けていることが特徴だ。もうお分かりだろう。

LaunchpadのStudioプログラムは、特化したデータセット、シミュレーションツール、およびプロトタイプ作成支援などの提供を通して、これらのニーズに真正面から取り組もうとしている。Launchpad Studioの別のセールスポイントは、プログラムに採用されたスタートアップたちは、Google社内の、エンジニア、IP専門家、プロダクトスペシャリストなどのリソースにアクセスできるということだ。

「これまでにLaunchpadは世界40カ国で運営されています」と、説明するのはGoogleのアクセラレーター事業のグローバルリーダーであるRoy Geva Glasbergだ。「私たちは世界で、1万を超えるスタートアップと協力し、2000人以上のメンターを訓練しました」。

このメンターベースのコアメンバーは、Studioを支援するためのメンターを募集するためのプールとして機能する。Launchpadの取締役であるBarak Hachamovは、今回のプログラムのための新しいメンターを決定するために、Glasbergと共に世界を巡ってきた。

スタートアップ向けスタジオのアイデア自体は新しいものではない。ここ数年のうちに、何回か試みられてきたものの、最終的にはAndy RubinのPlayground Globalに人材を奪われたようである。Playgroundは、スタートアップに手厚いサービスを提供し、製品のために最高のタレントへのアクセスを可能にし、最大のハイテク企業たちと競争している。

AI Studioに先立ち、Yoshua BengioのElement AIが、同様のプログラムを立ち上げるために、シリーズAで1億200万ドルを調達している。最も有名なAI研究者の1人であるBengioは、GoogleのDeepMindやFacebookのFAIRのようなトップAIグループと対等に付き合うことができるので、最高の機械学習タレントを引き付けることが可能だ。Launchpad StudioにはBengioは参加していないが、Peter Norvig、Dan Ariely、Yossi Matias、そしてChris DiBonaが担当者として参加する。

しかし、ベンチャーキャピタルと組んだ3億ドルの資金を持つPlaygroundや、自己資金を持つElement AIとは異なり、Launchpad Studioには実際に提供する資金はない。あとは資金があれば完璧だとはいうものの、一方では、良いAIスタートアップが、資金を調達できないと嘆くのを私は聞いたことがない。

Launchpad Studioは、Google Developer Launchpadネットワーク上に置かれる。同グループはこれまで、世界規模でアクセラレーターを運営してきた。現在は4回目のスタートアップたちのクラスで、チームは立ち上げの不安を和らげるために、ビジョンを具体化し、Google内の専門家との関係を構築する時間持つことができている。

「LaunchpadはGoogleによるスタートアップのためのグローバルプログラムとして位置づけられています」とGlasberg氏は語る。「これは、Googleが世界各地でスタートアップに手を差し伸べ、能力を与え、訓練を提供し、サポートを行うために持っている、最も拡張性の高いツールです」。

世界中のすべてのリソースを利用する、StudioにおけるGoogleの最大の課題は、ビジョンや実行そのものではない。全てがスムースに進むことを保証するものではないということだ。GVCapital GGradient Ventures、GCP、そしてStudioと、起業家たちは沢山の接点をGoogleとの間に持つことになる。

理論上は、Launchpad StudioはGoogleプログラムの中のスイスである。すなわち収益やGoogle Cloudのポジショニング強化を目指すものではない。しかし、創業者たちの視点からすれば、多少の混乱があることには留意しなければならない。もし理想的な世界なら、私たちはLaunchpadのGlasberg、GradientのAnna Patterson、そしてGCPのSam O’Keefeの志が合わされたものを見ることになるだろう。

Launchpad Studioはサンフランシスコを拠点とし、テルアビブとニューヨークでも事業を展開する。最終的には、トロント、ロンドン、バンガロール、シンガポールでA創業者たちのためのローカルイベントが開催されるだろう。

既にスタジオへの申請は開始されている。もし興味があればここから申し込むことが可能だ。プログラム自体はスタートアップの段階には関係しないので、企業サイズに制限はない。理想的には初期段階と後期段階のスタートアップたちが、機械学習モデルを大規模なユーザーに拡大する際に互いに学ぶことができるだろう。

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(翻訳:Sako)

Microsoftの新しいAzure Container Instancesは、コンテナの利用を素早く簡単に行えるようにする

コンテナについてのニュースが流れない日はほとんどない。このことは、このテクノロジーがいかに素早く開発者たちの間に普及し、かつそれらをサポートするプラットフォームやスタートアップが増えているのかを物語っている。そして今度はMicrosoftの番だ。Azureクラウドコンピューティングプラットフォーム用の新しいコンテナサービス、Azure Container Instances(ACI)を開始する。

本日(米国時間7月26日)同社はまた、”Cloud Native Computing Foundation”(クラウドネイティブコンピューティング財団)にプラチナ会員として参加することも発表した(年会費は37万ドルだ)。

これまで私たちは、主要なクラウドベンダーによるコンテナ中心のサービスについて見てきたが、ACIは既存のサービスであるAzureのContainer Service 、AWSのEC2 Container Service、そしてGoogle Container Engineなどとは一線を画するものだ。

現在プレビュー版が公開されているACIは、単純さを売り物にしている。利用者が指定したメモリとCPUコアを用いて数秒のうちにシングルコンテナが起動し、課金は秒単位で行われる。Microsoftが強調するように、これらのコンテナはAzure上のファーストクラスオブジェクトであり、同プラットフォーム上で期待されるものと同じレベルの、ロールベースのアクセスコントロール、課金タグ、その他の機能がすべて備えられている。Microsoftによれば、これらのコンテナは「実証済みの仮想化テクノロジー」を利用して他の顧客から隔離されている。

一方、ユーザーにとっては、VM管理の苦労はなくなり、コンテナのオーケストレーション(協調動作)に関する学習は不要になる。とはいえ、もしオーケストレーションを行いたい場合は、Microsoftの新しいオープンソースプロダクトのKubernetesコネクタの助けを借りて、行うことが可能だ。これにより、Kubernetesクラスタが、コンテナをACIに直接展開できるようになり、開発者は必要に応じてVMとACIを混在させることができるようになる。

現在、ACIはLinuxコンテナだけをサポートしているが、程なくWindowsコンテナも同様にサポートする。コンテナをデプロイするには、いくつかの基本パラメータと共にコマンドを1つだけ使用する、そしてDocker Hubのようなパブリックコンテナや、Azureのプライベートリポジトリなどからコンテナを取得することができる。

そのスピードを考えると、ACIの主なユースケースはは、おそらくバースト的な作業負荷とスケーリングに対応するためのものとなるだろう。コンテナの主な利点の1つは、それらをサービス間で簡単に移動できることだ。よって、ACIから従来のVMベースのコンテナインフラストラクチャに移行することも問題なく行える。

「このことは、Kubernetesのデプロイに俊敏性を提供し、他の他のクラウドプロバイダーとは異なり基盤となるVMなしで数秒のうちにサービスを開始することが可能になり、秒単位で課金とスケールが行われるようになります」と、MicrosoftのAzure Compute製品の責任者であるCorey Sandersが、本日の声明の中で述べている。

Sandersがまた本日発表した通り、Microsoftは”Cloud Native Computing Foundation” (CNCF)にプラチナメンバーとして参加することを決めた。この財団では、Kubernetesプロジェクトだけでなく、コンテナベースのアプリケーションを構築、監視、管理するのに役立つ、増え続けるオープンソースのツールが管理されている。その他のCNCFプラチナメンバーには、Cisco、CoreOS、Dell Technologies、Docker、Google、Huawei、IBM、Intel、Joyent、RedHatなどが名前を連ねている。CNCFは、Linux Foundation(Linux財団)の共同プロジェクトである。Microsoftは昨年Linux Foundationに参加している。

「Kubernetesのようなクラウドネイティブテクノロジーは、開発者の生産性を向上させ、より高頻度のデプロイと、コンピューティングリソースのより効率的な活用を可能にします」と、CNCFのエグゼクティブディレクターであるDan Kohnは私に語った。「Microsoftのような企業による積極的な取り組みが意味するのは、クラウドネイティブなやり方が、新しく未開拓のアプリケーションをデプロイするための手段として、そして既存のモノリシックなアプリケーションをクラウドネイティブな未来へと移行する際の標準なプラットフォームとして、一般的になりつつあるということです」。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: SHUTTERJACK/GETTY IMAGES

【速報】自動仕訳で特許侵害なし、マネーフォワードがfreeeに勝訴

会計の仕訳項目を機械的に判定するアルゴリズムを巡ってfreeeとマネーフォワードの間で争われた特許訴訟が9カ月という比較的短期で終結した。東京地裁が先ほど出した判決は、freee側の請求を棄却するもので、特許侵害は認められないという結論だった。

訴えは、2016年10月にfreeeが東京地方裁判所に提訴した「MFクラウド会計」の差止請求裁判だ。TechCrunch Japanでも同年12月に記事にしている。今回の判決を端的にいうと、やっていることは「自動仕訳」と同じでも、それを実現している方式が違うのでfreeeが持つ特許をマネーフォワードが侵害しているとは言えない、ということだ。

freeeの会計クラウドでは取引情報に「JR」「日本交通」などとあれば、これを「旅費交通費」として計上する自動仕訳機能がある。このときの仕訳はキーワードと勘定科目を並べた「対応テーブル」によって判別する。さらに、複数キーワードが含まれる場合には、どのキーワードを優先して判別すべきかを定める「優先ルール」もある。この自動判別方式をfreeeは2013年10月に特許として出願。2014年3月に「会計処理装置、会計処理方法及び会計処理プログラム」として特許が成立している。

一方、訴訟の対象となったマネーフォワードの「MFクラウド会計」は、2016年8月に「機械学習を活用した勘定科目提案機能」を発表して、自動仕訳機能の提供を開始している。マネーフォワード側は、対応テーブル方式の場合、テーブルに設定されていないキーワードの取引は勘定科目を提案できないが、機械学習による自動生成アルゴリズムでは過去のデータに存在しなかった明細の取引でも勘定科目を提案できるという違いがあると主張。両方式の違いは明らかだというマネーフォワード側のこの主張が、今回の判決で認められた形だ。

特許訴訟のような知財裁判では、訴えられる側への配慮として「インカメラ手続き」が用意されている。非侵害の立証のためのに技術詳細を開示する必要がある場合、その情報を公にするのではなく、裁判所だけに見せることができる。詳細情報を一般に開示してしまって模倣されるのを防ぐためだ。今回の裁判ではインカメラ手続きも実施され、マネーフォワード側は当該技術の文書を裁判所へ提出している。ただ、裁判所はここでもマネーフォワード側の主張を認める形で、「秘密としての保護の程度が証拠としての有用性を上回る」ことから、freee側の文書提出命令の申し立てを却下している。

地裁における知的財産訴訟は平均して14カ月、約半数が1年以上の審理期間となっている。それに比べると今回の訴訟は9カ月と比較的早期に終結した形だ。freeeは2週間以内なら知財高裁に控訴できる。なお、知的財産訴訟の判決文は明日以降に裁判所のサイトに掲出される予定だ。TechCrunch Japanでは判決書の全文をマネーフォワード側から入手したので、審理と争点の詳細について気になる読者は、このリンクから見てみてほしい。

Samsungに追いつきたいLG DisplayがOLEDに$7Bの追加投資、Apple特需も展望

LG Displayの今日(米国時間7/25)の発表によれば、同社はOLEDの生産能力を高めるためにドル換算で約70億ドルの投資を行う。OLEDはSamsungが圧倒的なマーケットリーダーだが、この投資でLGの競争力もややアップする。おりしもAppleの今度のiPhone 8は、スクリーンがOLEDになると期待されている。

この発表は今日のLG Displayの、第二四半期決算報告の一部で、これにより同社のOLEDへの総投資額はドル換算約135億ドルになる。資金の一部は10.5世代の大型OLEDディスプレイに投じられ、それは中国のメーカーとの競争対策でもあり、また車載ディスプレイやスマートフォンのためのフレキシブルOLEDの生産にも充てられる。LGによると、OLEDの生産ラインは韓国内で2、中国の広州に1、計3つ増設される。

LGのこの発表の数週間前には、マーケットリーダーのSamsungが、Appleからのオーダーを勝ち取るために世界最大のOLED生産プラントを作る、という報道があった。しかし一方では、AppleはSamsungへの依存を減らすために独自のOLED技術を開発している、という噂もある。

LGによると、OLEDのスマートフォンディスプレイの市場は、2017年の1億2000万基から2020年には3億7000万に増加すると予想される。

〔参考記事: GoogleがLG Displayに巨額投資の噂。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

視覚障害者のテクノロジー利用を拡大する

テクノロジーは、世界2億8500万人の視覚あるいは視力障害者にとって生活の中心をなす ―― ただし、使い方を知っていれば。視覚・視力障害者の支援団体、LightHouse for the Blind and Visually Impairedのアクセステクノロジー担当ディレクター、Erin Lauridseに話を聞いた。

Lauridsenの役目は、視覚障害者が「生活に必要なテクノロジーの利用方法を知る」手助けをすることだと、本誌のBullishシリーズ最新回のインタビューで私に話した。支援はコンピューターリテラシーやスマートフォンの利用からスクリーンリーダー、拡大機能といった補助機能の使い方まで多岐にわたる。

彼女はGoogle、Uber、Lyft、FacebookなどのIT企業のユーザーテストに協力して、「すでに存在するものと今作られているものが、視覚に障害のある人たちでも等しく利用できること」を確認しているとLauridsenは言った。

しかし、米国で法律上失明している人たちの失業率は70%だ。この統計データは1970年代から更新されていないが、今も数値は高いとLauridsenは言う。IT業界にどの程度の失明者や視力障害者がいるのかわからないが(IT企業は通常このデータを報告しておらず、プライバシーの懸念もある)、おそらく極めて少ない。

視覚障害者が就職するうえでの障壁のひとつはリテラシーだとLauridsenは言う。点字など視覚障害者対応の資料が利用できなければ、リテラシーの格差は人生のごく最初の段階から生まれる。

「そうした教育を受け仕事の世界に入ると、ほとんどが認識の問題だ」とLauridsenは言う。「雇用担当者にとってあなたが初めて会う障害者であれば、面接の間中どうやってここまで来たのか、どうやって靴紐を結ぶのか気になってばかりで、おそらくあなたのスキルには集中していない。つまりは認識の問題がある」。

もう一つの問題は、デベロッパーツールのアクセシビリティ対応だとLauridsenは言う。彼女には素晴らしいプログラマーである盲目の友人が何人かいるが、デベロッパーツールがアクセシビリティ対応していないために就けない職があるという。

Lauridsenが最終的にIT企業に望むのは、アクセシビリティを「プロセスの最後にある小さなコンプライアンス用のチェック欄」以上に考えることだ。彼女の願いはアクセシビリティが「ものづくりの開発サイクルにとって重要で必要な部分になること。なぜなら障害のある人たちはハッカーでありイノベーターであり、それが私たちのふだんしていることだから。」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleと豪コクレア社が提携して、初のiPhone対応人口内耳を提供

Appleは、オーストラリア拠点の補聴器メーカー、Cochlearと提携して、初のiPhone対応人口内耳(インプラント)を提供する。

6月に米国食品医薬品局(FDA)の認可を得たCochlearのNucleus 7 Sound Processorは、対応するiPhone、iPad、iPod touchの音を補聴器に直接送り込めるようになった。

本システムは、体内に埋め込まれた人口内耳でも、iPhoneの音を制御、カスタマイズして聞くことができる。

iOSアプリで音声やその他の機能を制御できるインプラントや補聴器は他社からも出ていて、Nucleusにも同様の機能を持つ専用アプリがある。しかし、Cochlearの最新機種はiPhoneそのもので制御が可能で、アプリをダウンロードする必要がない。

アメリカ人の5000万人以上が、何らかの原因である種の聴覚損失を経験している。Appleはこの聴覚損失問題にいち早く着目し、数年にわたり社内で補聴器プログラムの開発を続けてきた。

Appleはすぐにプロトコルを開発し、補聴器やインプラントのメーカーが製品に利用できるように無料で提供した。

「世界中どこででも使えるものを提供したかった」とAppleの国際アクセシビリティポリシー&イニシャティブ担当シニアマネージャー、Sarah Herrlingerが本誌に語った。「当社のテクノロジーを使う人全員が『私のiPhoneはこれまで使った中で最高のテクノロジー製品だ』と言ってくれることを願っている。毎回のOSアップデートの目標は、新しいアクセシビリティ機能を追加して、世界中の人たちに届けられるサポートを拡大していくことだ」。

Cochlearインプラントの制御機能を利用する方法は比較的簡単だ。この新しいNucleus 7 Sound Processorを始めとするiPhone対応補聴器の利用者は、iPhoneの設定アプリで「一般」「アクセシビリティ」をタップする。下方にスクロールしていくと「ヒアリングデバイス」があるのでタップすると対応するデバイスがBluetooth設定画面と同じように表示される。これで補聴器はiPhoneとペアリングされる。

ヘッドホンやその他のBluetooth対応機器とまったく同じように、インプラントがペアリングされると、iPhoneの音量コントロールを通じて制御できるようになる。たとえば、電話がかかってくれば、インプラントに設定した音量で声が聞こえる。

新しいNucleus 7は、バッテリー寿命が長くかつ小さく、前機種のNucleus 6 Sound Processorより24%軽くなったので、聴覚損失のある小さな子供にも最適だ。

「Nucleaus 7 Sound Processorが認可されたことは、聴覚損失のある人々にとってのターニングポイントです。電話をかけ、高音質のステレオサウンドで音楽を聞き、ビデオを見てFaceTimeでつながる。そのすべてが直接Cochlearインプラントを通じてできるようになります」とCochlear CEO Chris Smithが声明で言った。「この新しいSound Processorは、聴覚損失のある人たちが世界とつながり充実した生活を送る手助けをするという、当社の長年の公約に基づくものです」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

この顔認識システムは、映画の観客が喜んでいるかどうかを追跡する

映画制作がアートと同じくらいサイエンスになってきた今、映画会社は観客の反応を測定するためにかつてない方法を必要としている。喜んでくれたのだろうか? どのくらい…正確には?42分の時点で? カリフォルニア工科大学とDisney Researchは、表情認識ニューラルネットワークを使って、観客の反応を知り、予測しようとしている。次世代のニールセンレーティングの基盤になるかもしれない。

この研究プロジェクトは、ハワイで行われたIEEEコンピュータービジョンおよびパターン認識会議で発表され、劇場での表情を確実かつ比較的簡単にリアルタイムで追跡する新しい方法を演示した。

認識には、factorized variational autoencoderと呼ばれるものを使う。数学的背景は説明しようとも思わないが、動きのある表情のように複雑なものの本質を抽出することに関して、従来の方法よりも優れている。

研究チームは映画(もちろんDisney作品)を見ている観衆を録画することで、大量の表情データを収集した。高解像度赤外線カメラで観客の動きと顔を撮影し、得られたデータ(約1600万個のデータポイント)をニューラルネットワークに送り込む。

システムの訓練が終わったら、映画を見ている観客をリアルタイムで追跡して、様々な時点で見せる表情を予測する。研究チームによると、システムが観衆に慣れるのに10分ほどかかり、その後は笑いや微笑みを確実に予測できるようになるという(泣き顔や恐怖はまだ追えていないようだ)。

もちろんこれは、この種のテクノロジーの応用例の1つにすぎない ―― 群衆の監視や、その他の複雑なデータをリアルタイムで解釈する場面にも適用できるだろう。

「人間の行動を理解することは、行動的社会的に優れた知識を持つAIシステムを開発する上で基礎をなす」と同大学のYisong Yueはニュースリリースで言った。「例えば、高齢者を見守り世話をするAIシステムを開発するには、ボディーランゲージのわずかな動きを捕らえる能力が必要だ。人間は不満足であったり問題を抱えていることを明示的に言うとは限らないのだから」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Adobe、写真編集アプリのProject Nimubsを誤ってリーク

Project Nimbusは秘密ではない。AdobeはすでにMAXカンファレンスでこのアプリをプレビューしている。しかし、MacGenerationはこの未公開アプリをダウンロードしてプレイできてしまった。AdobeはMacGenerationに対して、これは一部のCreative Cloud定期購読ユーザーに誤って短期間公開されたものだと説明した。その後アプリは削除された。

Project Nimbusは様々な意味で、iOSおよびmacOSの写真アプリやiCloudフォトライブラリーに似ている ―― ただし強化されている。写真はクラウドに保存され編集結果をデバイス間で同期することが可能だ。

リーク情報によると、Project Nimbusはユーザーにストレージを1TB与え、写真を全部、あるいはプロのフォトグラファーであれば最近の写真を保存できるようにしている。RAWファイルフォーマットや非破壊編集にも対応している。MacGenerationによると、あらゆる変更はどのデバイスからでも元に戻すことができる。

Project Nimbusの編集ツールは、Lightroomのコピーではない。種類は少なくスリム化している。パソコンとタブレット、スマートフォンで同じツールが使えることは、初心者にとって障壁が少なくメーカーにとって提供も容易だ。もっとツールが欲しければ、いつでも別のアプリを使って写真編集できる。Project NimbusはLightroomの代わりではない。

そして最後に付け加えると、Project Nimbusでは写真のタグ付け、フラグ、評価が可能だが、Adobeは検索を中心に考えている。写真がクラウドに保存されていることによって、Adobeは写真の中身を識別することが可能になる。これを利用して、ユーザーは自然言語を使って(“sunrise”, “penguins”, “mountains” など)写真を特定できる。

Project Nimbusはフォトグラファーが作品を編集するやり方に革命を起こすものではない。しかし、あらゆるデバイスのフォトライブラリーを支える柱になる可能性を持っている。今回のリークはさほど驚きでもなかったが、Adobeが今も開発中であることが証明した。ベータあるいはファイナル版が近い将来出てくることは期待してよいだろう。

MacGenerationのスクリーンショットをいくつか紹介する:

  1. macgpic-1500940524-74010017319784-jpt.jpg

  2. macgpic-1500940539-74025678047971-jpt.jpg

  3. macgpic-1500938618-72104422976733-sc1-jpt.jpg

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ポケモンGO:伝説ポケモンの登場スケジュールを発表

最初の伝説ポケモン(超強力、超レアなポケモンのことで、捕らえるには10~20人のグループが必要)がGO Festイベント騒動の直後に出現して以来、はっきりしないことが一つある。伝説ポケモンは定着するのか?

Nianticは、GO Fest開催期間限定で様々なイベントやボーナスを企画したが、Festが終わると伝説ポケモンもいなくなるのかどうかは誰も知らない。みんなが違うことを聞いているようで、明確な答えは見つかっていない。

つい先ほどNiantic CEO John Hankeは、いくつかのレジェンドについて、正式な登場スケジュールを発表した。

内容は以下の通り:

  • Articuno (フリーザー、ミスティックのマスコット)は7月22日に解放、7月31日(月)まで捕獲可能。
  • Moltres(ファイヤー、チームヴァーラーのマスコット)は7月31日に解放、8月7日(月)まで捕獲可能。
  • Zapdos(サンダー、チームインスティンクトのマスコット)は、8月7日に解放、14日まで捕獲可能。

なぜか、Lugia(ルギア、7月22日に解放されたもう一匹の伝説)の所在については何も公表されていない。

多くのプレーヤーが欲しがっていて逃したら悔しがるものが、こんな風に現われては消えていくことは奇異に感じるかもしれない。しかし、全部を同時に放った場合、人々の興味が続くのはせいぜい1~2日だ。こうして日をずらすことで、何週間も人々を呼び戻すことができる。

ところでこの鳥たちは、最初の出し惜しみ期間が終わった後、いつかまた登場するのだろうか? それについての言及もない ―― しかし私はイエスに賭ける。新しく参加した人たちが〈決して〉手にできないとしたら、それはおかしいからだ。ポケモンといえば多くの人にとってコレクションを完成させるのが目標だ。もしゲームで一番重要なものが〈永久に〉手に入らないとしたら、誰がプレイしようと思うだろうか。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook