SUSEがエンタープライズサービス好調で再び独立企業に

オープンソースのインフラストラクチャとアプリケーションデリバリサービスをエンタープライズに提供しているSuseは、もっとも初期のLinuxディストリビューションを作っていた企業の一つだ。その同社が3月15日、独立企業に戻ることを発表した。同社は、成長投資家(Growth Unvestor)EQTによる前のオーナーMicro Focusからの25億ドルの買収を完了したことを発表した。Micro Focusは、2014年にSuseを買収していた。

これほど何度もオーナーを変えて、しかも事業は一貫して健全という企業は珍しい。Suseは最初、2004年にNovellが買収し、そのNovellは2010年にAttachmateに買収され、それをMicro Focusが2014年に買収した。その後Micro FocusはSuseを独立の事業部にして、2018年半ばにEQTに売ることを発表した。

その買収の完了までにかなりの時間を要したが、その結果ついに、Suseは2004年以来久しぶりに、自分の足で立つことになった。

Micro Focusによると、同社がAttachmate Groupを23億5000万ドルで買収したときSuseはグループの総売上の20%を稼いでいた。しかしその後Suseは、オープンソースのレパートリーをCloud FoundryやOpenStack、そしてKubernetesなどにも広げ、オープンソースのインフラストラクチャやアプリケーションデリバリという、より有利なサービスを提供することにより、事業を拡大していった。

SuseのCEO Nils Brauckmann氏はトップの座に留まるが、一部の役員も刷新された。例えば、Suseの新たなCFOとして、Enrica Angelone氏が指名された。そしてCOOはSander Huyts氏、SuseのCTOだったThomas Di Giacomo氏はエンジニアリングとプロダクトとイノベーションを統轄する社長職になった。この三名の直属の上司がBrauckmann氏である。

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Brauckmann氏は今日の発表声明で次のように述べている。「弊社の本当にオープンなオープンソースソリューションと自由度の大きいビジネス実践方式、強制的なベンダーロックインがないこと、そして非凡で独特なサービスは、顧客とパートナーの企業にとってより重要であり、このたびの弊社の独立は、企業にとって最良のものを提供していく弊社の献身的なフォーカスをさらに研ぎ澄ますものである。弊社の、市場の需要に一貫して対応できる能力は、成功と勢いと成長のサイクルを作り出し、それによりSUSEは、顧客がデジタルトランスフォーメーションの目標を達成するために必要とするイノベーションを提供し続けることができ、顧客が自分自身の継続的イノベーションと競争力と成長のために必要とする、ハイブリッドとマルチクラウドのワークロード管理を実現する」。

IBMが最近340億ドルでRed Hat(レッドハット)を買収して以来、Suseの独立も今後どれぐらい長く続くのか疑問符もつく。オープンソースの市場は近年ますます、過熱する一方だから。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Facebookがリベンジポルノを検出できる新たなAIテクノロジーを発表

Facebookは米国時間3月15日、人工知能を使った新たなツールを発表した。そのツールとは、リベンジポルノの検知を手助けするというものだ。かなり個人的な写真がオンラインに投稿され、そして同意のない状態でシェアされると、写真に映っている人にその後、破壊的な結果をもたらすことになりえる。このテクノロジーでは、AIと機械学習を使ってFacebookやInstagramで許可なしにシェアされたヌードに近い写真やビデオを検知することができる。

今回の発表は、これより先にFacebookが展開してきた写真マッチングテクノロジーのパイロットに続くものだ。このマッチングではユーザーが直接、個人的な写真やビデオをFacebookに提出するようになっている。被害者の団体と提携して展開されているこのプログラムは、そうした写真がプラットフォームでシェアされるのをフェイスッブックが阻止できるよう写真の「デジタル指紋」を作る。これは、Facebookが現在、児童虐待の写真がサイトに投稿されるのを防ぐのに使用しているテクノロジーに似ている。

しかしながら、リベンジポルノに関する新しいAIテクノロジーでは、被害者は報告する必要はない。被害者はコンテンツを報告しようと思っても時に報復を恐れているため、報告を不要とするのは重要なことだ、とFacebookは説明する。もしくは、写真やビデオがシェアされていることに被害者が単に気づいていないこともある。

新しいシステムそのものがどのように機能するか詳しい説明はなかったが、単にヌードを検知する以上のものであるとのことだ。

システムが写真やビデオを検知すると、Facebookのコミュニティ運営チームの特別な訓練を受けたメンバーが写真をレビューし、Facebookのコミュニティ基準に違反するようなら削除する。ほとんどのケースでFacebookはその結果としてアカウントを使えないようにする。もし、そうした措置が間違いである可能性があるなら、その旨をアピールすることはできる。

今回のテクノロジーとすでに展開中のパイロットプログラムに加え、Facebookはまた、リベンジポルノの報告に関する他の手順をどのように改善できるか見直した、とも語っている。例えば、被害者は報告後に素早い対応を求めていて、ロボットによる返答は求めていない、ということが明らかになった。また他の被害者は報告ツールの使い方を知らず、存在すら知らなかったりもした。

リベンジポルノ被害を受けると、その後に不安やうつ、自殺願望、PTSDなど精神面で困難を抱えることがあり、リベンジポルノ問題を解決するのは必要不可欠だ、ともFacebookは述べた。そして、被害後に職を失ったり、同僚との関係が壊れてしまったりと、キャリア面で影響を受けることもある。加えて、昔ながらのコミュニティに所属する人がつまはじきにあったり、コミュニティから追放されたり、迫害を受けたり、または肉体的に危害を加えられたりするかもしれない。

被害者からの通報について「被害者が耐えているトラウマを認識する」方法を探していなかったことをFacebookは認めている。通報のツールとプロセスがより「簡単、クリア、そして共感できるもの」になるよういま再評価を進めている、とも語った。

Facebookはまた、専門家と開発したFacebookのSafety Centerの中に、被害者をサポートするハブ「Not Without My Consent」も立ち上げる。このハブは、被害者がサポートを受けられる団体や手段にアクセスできるようにし、Facebookにコンテンツを報告する手順を詳しく案内する。

Facebookが言うには、今後数カ月内にリベンジポルノヘルプライン(英国)、Cyber Civil Rights Initiative(米国)、Digital Rights Foundation(パキスタン)、SaferNet(ブラジル)、 大学教授 Lee Ji-yeon (韓国)といったパートナーと共同でより地域や文化に根ざした被害者サポートツールキットを構築することにしている。

リベンジポルノはパブリック・シェアリングのための世界規模プラットフォームを提供することに伴う多くの問題の一つだ。Facebookはさまざまな面での失敗を白状し始めている。この失敗には、データプライバシー違反や偽情報の拡散、オンラインハラスメント、いじめなどが含まれる。

CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は最近、同社のプロダクトを、暗号化して相互運用されるメッセージネットワークに統合するというプライバシー重視策を発表した。しかしこの動きはFacebook内部の騒動を巻き起こし、複数のトップが社を離れることになった。

社会からの要望に応える形でさまざまな変革が今後予定されているが、多くの人がすでにFacebookへの信頼を失くした。12歳以上の米国民のFacebookユーザー数の割合が67%から62%へと、この10年で初めて減少した、とEdison Researchは指摘している。それでもFacebookはいまだに巨大なプラットフォームであり、20億人超のユーザーを抱える。たとえユーザーがFacebookをやめることを選んだとしても、それでもソーシャルネットワークを使っているユーザーによってリベンジポルノやオンラインいじめの被害者になることを防げるわけではない。

イメージクレジット: Jaap Arriens/NurPhoto

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(翻訳:Mizoguchi)

Twitterは2019年中に従業員比率の5%が黒人、5%がラテン系を目指す

先週Twitterは最新の多様性レポートを公開し、新しい生活体験担当副社長兼ダイバシティー&インクルージョン(I&D)責任者を発表した。「I&Dと人間の本質的機能の両方に決定権を持つ一人のリーダーのもとで統合するために」同社はDalana Brand氏を生活体験担当副社長兼ダイバシティー・インクルージョン責任者に昇進させた、とTwitterのCMOであるLeslie Bertland氏が米国時間3月14日にツイートした。

同社のレポートによると、Twitterの従業員比率は現在、40.2%が女性、4.5%が黒人、3.9%がラテン系だ。これらの数字は昨年より改善されている。

管理職クラスでもTwitterの女性、黒人、ラテン系の比率は改善された。

一方Twitterで2018年に置きた人員の自然減を見ると、女性が39.6%、黒人が3.9%、ラテン系が4.2%だった。

Twitterは管理職クラスでの各グループの目標も設定した。これは人材を引きつけ、維持し、活躍させるための方策だ。Twitterの人種・性別分布の詳細は以下の通り。

「この図に現れていないのが、性的指向と性自認(ジェンダー・アイデンティティー)で、これはこのカテゴリーの自己認識に関する当社の調査が不十分だったためだ」とTwitterはブログ記事に書いた。「われわれの自己認識に対する一新した取り組みと匿名調査によって、今後は当社の正確な状況を公表できるようになると信じている。これは、当社が障害のある人々や軍事的地位のある人々についても報告するようになることを意味している」

今後Twitterは、このレポートを年次ではなく四半期ごとに発行し,賃金や昇進の平等性に関するデータも公開する計画だ。今日のツイートでBerland氏は、同社が現在分析を行っており準備ができ次第結果を報告すると言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Slackがヘイトグループつながりの28アカウントを追放

Slackは米国時間3月14日、「明らかにヘイトグループとつながっている」として28のアカウントを追放したと短いブログ投稿で発表した。追放されたアカウントについての情報、そしてSlackがいかにそうしたアカウントを特定したのかについては明らかにされておらず、我々はSlackに詳細を問い合わせている。

Slackのこの簡潔な発表は、驚き以外の何ものでもなかった。というのも、今日までSlackは、政治的に極端な主張をしている組織がポピュラーなソーシャルプラットフォームを使用していることに伴う騒動と一線を画していたからだ。Facebookのような一般向けのコンテンツの場合、そうしたやりとりは明確にされるべきだが、そもそもプライベートなやりとりが展開されるメッセージプラットフォームの場合はやや微妙だ。

Slackは大方、職場におけるコミュニケーションに使用されているが、ゲーマーに人気のチャットプラットフォームであるDiscordも同じ問題に対応してきた。Discordは2017年、ハラスメントや暴力に関するルールに違反したと同社が主張しているAltRight.comにつながっていたパブリック・サーバーを削除した。非主流派が主流プラットフォームから追い出され、彼らがどこで巻き返しを図り、そして彼らが選んだ新しいプラットフォームがいかに芳しくない新規ユーザーをさばくのかは興味深いところだ。

参考までに、Slackのブログ全文は以下の通りだ。

今日、我々は明らかにヘイトグループとつながっている28のアカウントを追放した。ヘイトグループによるSlackの使用は、Slackの全てと相容れず、我々のプラットフォームでは歓迎されるものではない。Slackは、業務上のコミュニケーションがより良いものになるよう、そして人々がベストの仕事ができるようコラボ的なものになるのをサポートするためにデザインされている。グループや個人に対するヘイトや暴力を促したり扇動したりするのにSlackを使用することは、我々の価値観やSlackの目的そのものに真正面からぶつかる。不法で有害、そのほか禁止している目的でSlackを使用している団体に気づいた場合、我々は調査を行い、適切な行動をとる。そしてサービス規約をより明確なものになるよう更新する。

アップデート:Slackの広報は追加の詳細を明らかにすることについては却下したが、次のようなコメントを出した。「我々は通常、いかに調査をしたかについてはコメントしない。しかし、顧客データのプライバシーは極めて尊いものであることははっきりとさせておく。今回のケースでは、ヘイトグループがSlackを使用している可能性があるとの情報提供を受けた。そして組織レベルの関与であることを確認した」としている。

原文へ、翻訳:Mizoguchi)

営業リスト作成とメール配信を週30分で処理できる営業効率化ツール「LeadPig」

松前屋は3月15日、営業効率化ツール「LeadPig」(リードピグ)をリリースした。リスト作成からメール営業までを週30分の作業時間で済ませられるとのこと。

営業リスト作成サービスでは、400万社のデータベースから20項目以上の条件を指定してリストを作成できるのが特徴。具体的には、業種や従業員数、売上額、決算月のほか、求人媒体の掲載、Instagram、スマホ対応の有無などの条件を設定可能だ。

メール営業代行サービスでは、作成したリストを基にメールの配信を請け負う。2019年3月頭現在の実績としては、開封率42%、クリック率7%、アポ獲得率0.2%を達成しているという。

そのほか、営業方針のコンサルティングサービスもあり、複数の仮説を検証して今後の営業方針を決定するとのことだ。LeadPigは主に、人材、受託デザイン開発、営業代行、IT、士業、ウェブサービス業界などで使われているとのこと。

Facebookのダウンの原因は社内のサーバー設定エラーと発表

Facebookは昨日のサービスのダウンに関するレポートを発表した。この障害は異例に広範囲かつ長時間にわたり、Facebook本体だけでなく、Instagram、Messengerも正常に作動しなくなった。

専門家の間では原因をルート・リークに求める意見が多かったが、Facebookによれば、サーバー設定エラーが問題を引き起こしたものという。

昨日、サーバー・コンフィグレーションの設定のアップデートのエラーにより多くのユーザーがわれわれのアプリやサービスにアクセスすることが困難になった。われわれはこの問題を解決し、システムは回復に向かった。多くのユーザーに不便をかけたことをお詫びするとともに、忍耐に感謝する。

何百万というユーザーがこの不調の影響を受け、状況を知り、原因を推測する(あるいは不満を発散させる)ためはTwitterを使わざるをえないことになった。われわれの場合はメールによる情報提供も役立った。

今回のFacebookのダウンはDowndectectorにとって過去最大のケースだった。Downdetector の共同ファウンダーであるTom Sanders氏は次のように述べている。

Downdetectorが2012年にスタートして以来、今回のダウンは群を抜いて最長だった。障害が継続する間にわれわれのサービスには世界のユーザーから750万件の障害レポートが寄せられた。過去これほどの規模の障害を見たことがない。

最初に問題の原因はFacebook内部にあると最初に気付いたのはネットワーク監視サービスだった。ThousandEyesの広報担当者はメールでわれわれにこう書いてきた。

(ダウンの)原因は外部のインターネットや各種のCDNではなくFacebook内部にあると思われる。たとえばわれわれはFacebookから 500件の「内部サーバー・エラー」情報を受け取っている。Facebookの規模および同社がサービスの運営を続けながらアプリからインフラまでさまざまな効率化を試みる体質を考えると、いかに優秀なエンジニアリング・チームであれ、このような大規模な障害を招くことになったことに不思議はない。

われわれは昨日、Netscoutの「障害の原因をBGP(ボーダー・ゲートウェイ・プロトコル)のルート・リークではないか」というと推測を紹介したが、同社は後に考えを変えた。

Netscout Assertチームのプリンシパル・エンジニアのRoland Dobbins氏は広報担当者がメディアに送付したメール中でFacebookのダウン問題に関して、「BGPルート・リークがダウンの原因だという証拠は発見できなかった。部内の意思疎通に問題があったものと思われる」と述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookは人権侵害する国にデータを保管しない、ただしシンガポールを除く

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が3225ワードにわたる長文のブログ記事で、人権の守られていない国にはデータセンターを建設しないと宣言して間もなく、彼は約束を破った。

彼はシンガポールを例外扱いすることを選んだ。Facebookのファウンダーはわずか数ヶ月前の投稿で、「全員にサービスを提供」するために、同社にとってアジア初のデータセンターをこのミニ国家に作ると宣言した。

ザッカーバーグ氏は明快だった。「世界中に基盤を構築していく中で、われわれはプライバシーや表現の自由などの人権を侵害した歴史のある国にはデータセンターを置かないことに決めた」

シンガポールについて知られていることが2つあるとすれば、プライバシーも表現の自由もないことだろう。

その華やかさと経済力をよそに、シンガポールの人権の歴史は国際的認識のはるか下を行っている。人口500万人のこの国は人権団体による世界ランキングで最下位に近く、それは言論、表現、集会の自由に反対する圧政的法律と、 拡大する監視社会の元でのプライバシー権利の制限などが理由だ。さらに悪いことに、この国はLGBTQ+コミュニティーに対する残虐な扱いでも知られており、彼らの行動は極度に制限され、公衆でのあらゆる行動や表現は犯罪とみなされている。メディアさえも厳重な監視を受け、政府による懲戒や名誉毀損訴訟による脅迫が後を絶たない。

国境なき記者団は、シンガポールを「不寛容な政府」を持つ国であると言い、ヒューマン・ライツ・ウォッチはこの国の制限の厳しい法律を「ドラコンのように過酷」であると評している。

われわれはこうした指摘をFacebookにぶつけてみたが、同社はザッカーバーグ氏の発言が矛盾するとも偽善であるとも見ていない。

「データセンターをどこに新設するかは多段階のプロセスであり、再生可能エネルギー、インターネット接続、地元の強力な人材資源など、何十種類もの要素を考慮しなくはならない」とFacebookの広報担当者Jennifer Hakes氏は言った。「しかし最重要な要素は、その設備に保存されたあらゆるユーザーデータを、われわれが確実に守れることだ」

「これはザッカーバーグ氏が先週の投稿で強調した重要な点だった」とHakes氏は言った。「我々はシンガポールについてこれらの要素を慎重に検討した結果、アジア初のデータセンターに適切な場所であるという結論を下した」

皮肉なことに、Facebook自身のプラットフォームは、シンガポール政府によるよる口うるさい反対者の取締りの標的になっている。活動家のJolovan Wham氏は、Facebookページで 集会を組織した後に投獄された。集会許可申請が却下されたため、Wham氏は連絡手段をSkype通話に切り替えた。

Facebookに、どんな場合にある国の人権を容認できないのか尋ねたところ、ザッカーバーグ氏の投稿を再度指し示しただけだった。

シンガポールは今でもIT業界とビジネスにとって重要な拠点であり(特に欧米企業にとって)、そのため日頃プライバシーと言論の自由への強い意志を強調している会社も、人権を捨ててきた。AmazonMicrosoftGoogleDigitalOcean, Linode、およびOVHの各社はいずれもこのミニ国家にデータセンターを置いている。

しかし、現時点で人権の歴史に汚点のある国にデータを保存しないと公約しているのは1社だけだ。

なぜFacebookはシンガポールを例外にしたのか?これはザッカーバーグ氏にしかわからない謎だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

簡単な質問に答えるだけで旅先をリコメンド、WithTravelがグローバル・ブレインから2億円調達

予算や条件から旅先や航空券などをオススメする「atta(アッタ)」シリーズを展開するWithTravelは3月14日、同サービスのベータ版を公開した。また、同時にグローバル・ブレインから約2億円を調達したことも明らかとなった。

同サービスには主に2つの機能がある。ユーザーの予算や目的、その時の気分などを基に旅先をリコメンドしてくれる「旅先atta」、そして旅の予算から最適な航空券と宿泊先を見つけてくれる「予算でatta」だ。

旅先attaは、旅には行きたいが行く場所がまだ決まっていないというユーザーにとって便利なサービス。簡単な旅診断を受けるだけで旅先をリコメンドしてくれるほか、すぐに旅行に行かなくても、そこで見つけた旅先のベストシーズンや最安時期をお知らせしてくれる。旅先が決まっていない人のためのサービスとして考えると、以前TechCrunch Japanでも紹介した「ズボラ旅」と少し似ている。

もう一方の予算でattaは、旅先は決まっているけれど航空券やホテルを見つけるのが面倒だというユーザー向けのサービス。予算など旅の条件を入力するだけで、最適な航空券と宿泊施設をセットでオススメしてくれる。また、「こだわり条件」として航空会社、乗り継ぎ回数、ホテルランク、民泊の可否などを設定可能。同サービスではユーザーごとのこだわり条件を学習していくため、使えば使うほど、自分に合ったプランを発見できるのが特徴だ。

このatteシリーズを展開するWithTravelは2018年3月に設立されたばかりのスタートアップ。同社はFacebookが実施するスタートアップ支援プログラム「FbStart」にて、「Bootstrap」に認定。また、朝日メディアアクセラレーションプログラムの5期生、および電通が運営するスタートアップ支援プログラム「GRASSHOPPER」の1期生にも採択されている。2018年6月にはB Dash Venturesから5000万円のシード資金も調達している。

今回の2億円の調達はWithTravelのシリーズAにあたるラウンドだ。同社は今回調達した資金を利用して、人材獲得による開発体制の強化とマーケティング施策の実施を進めるとしている。また、同社は今回のベータ版の公開とともにシンガポール子会社の設立も明らかにした。今後は東南アジア向けにも旅行関連ビジネスを展開していく予定だ。

FacebookとInstagramの世界的なダウンはBGPのルート・リークが原因か

昨夜から世界的にFacebookファミリーのサービスで不調が続いている。セキュリティ企業の一部は、大きな原因はBGP(ボーダー・ゲートウェイ・プロトコル)の「ルート・リーク」によるものだろうと推測している。

トラフィックを最適な経路で送受信するためのルーティングはこのBGPに大きく依存している。BGPはルーティング・ポリシーを共有する大規模なネットワーク(AS、自律システム)間でのトラフィックの経路を規定するプロトコルだ。これには不正または悪意があると認定されたアドレスが送信されないようにする機能がある。しかしときおりミスが起きるのは避けられない。不正なデータが混入するとルート・リーク(route leak)と呼ばれる状態が出現する。これはトラフィックを混乱させ、大規模なサービスのダウンを引き起こすことがある。

BGPルート・リークが起きるとルーティング宣言は不正なものとなり、パケットの送信者、中継者、受信者という経路のどこかで拒否されることになる。これがFacebookのダウンを起こしている原因だという。NETSCOUTのプリンシパル・エンジニア、Roland DobbinsはTechCrunchに対してメールで以下のように説明した。

2019年3月13日午後12時52分(東部標準時)ごろ、 ヨーロッパのISPの一つからメジャーISPにトラフィックを送信する際にBGPのルーティング・リークが起きたもようだ。この不正が順次下流に拡大し、アクセス待ち時間の増大などエンドユーザーにも認識できる問題が生じはじめた。

ただし専門家もすべて意見が一致しているわけではない。テュレーン大学の客員教授であるTom Thomas氏はBGPのルート・リークが原因だという考えに反対して次にように述べている。

ルート・リークは今回のFacebookのダウンの原因の一つではありえる。ルーターが「リーク」を起こして不正なデータを送出するようになるとその被害は甚大なものとなる。

ただし、BGPは基本的に静的なプロトコルだ。つまり一度セットアップされるとその後ほとんど書き換えらえることはない。むしろ原因はサービスの効率を高めるための各種のヘルスチェックを含む最適化プログラムのエラーにあるのではないか。あくまで推測だが、今日のダウンは高レベルでビジネスを制御するプログラムのコードのバグによるものだと思う。Facebookが所有するいくつものサービスにまたがって不調が起きているということは、多数のサービスの処理を効率化し、中央集権化しようとする試みの中に根本的な原因があることを推測させる。

Facebookファミリーで水曜日の大部分の時間ダウンしていた。

これまでのとこところはっきりした情報は出ていないがインターネットは(当然だが)大混乱に陥っている。

FacebookはTwitterで問題が起きていることを認めている。TechCrunchでは新たな展開があり次第アップデートする。

ソーシャルメディア管理ツールのNaytevもダウンを確認している。「Facebookは大規模な障害に直面しており、Facebookへの投稿、Naytevへのログインが困難になっている。われわれは全力を挙げて情報を収集している。Facebookがこの問題を一刻も早く解決することを強く期待する」とユーザー向けページで述べている。

ダウンが長引くにつれ、 FacebookではTwitterでネットに流れているいくつかの情報に回答し始めた。たとえば、Facebookは「ダウンの元原因はDDoS(分散サービス拒否)攻撃だ」という噂を根拠ないものとして否定している。

【編集部注】日本時間3月14日午前10時40分現在、デスクトップ・アプリではログインできるもののコンテンツが表示されないなど深刻な不具合が起きている。モバイルアプリではやや程度は軽いもののエラーが表示される状態が続いている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Xbox OneのゲームをAndroidからストリーミングでプレーできるProject xCloud

マイクロソフトがProject xCloudに関するこれまで以上の情報と、最初の紹介ビデオをシェアした。同社はこのところ、クラウドから提供するゲームストリーミングサービスを開発していた。マイクロソフトが作ろうとしている未来のゲームプラットホームとは、Xbox One用に作られたゲームをストリーミングする、どんなデバイスからでも遊べるサービスだ。

そしてその最初のデモでは、データセンターで動いているくForza Horizon 4(フォルツァホライゾン4)がAndroidスマートフォンへストリーミングされる。ゲームのコントローラーは、Xbox OneのものをBluetoothでAndroidスマホに接続して使う。

マイクロソフトでクラウドゲームを率いるKareem Choudhry氏が、上のビデオで言っている。「ネットワークの状態さえ良ければ、どこからでもProject xCloudに参加できる」。Forza Horizon 4はネットワークの性能などの要求が厳しいゲームで、Androidスマートフォンは小さなデバイスだから、ほどほどの環境でもプレイできるということだろう。

Choudhry氏は、Project xCloudを音楽ストリーミングサービスやビデオストリーミングサービスにたとえる。例えばSpotifyのアカウントがあれば、どんなデバイスからでもログインできる。スマートフォンでも、パソコンやラップトップでも、同じミュージックライブラリを見つけて自分の個人的プレイリストを再生できる。「Project xCloudもそれと同じだ」と。

あるいは、Xboxブランドのサービスにどんなデバイスからでもアクセスできる、と考えてもよい。あなたのコンピューターのGPUがIntelのプロセッサーに最初から統合されている最低限の性能のやつであっても、そんなコンピューターからリソース要求の厳しいゲームにログインしてプレイできる。何もかも、あなたのコンピューターの上ではなく、お近くのデータセンターで動くのだから。

Project xCloudはマイクロソフトの既存のゲームサービスと互換性がある。同じゲームにどっちからアクセスしても、デベロッパーは何もする必要がない。あなたはクラウドサービスにアクセスし、友だちと対戦できる。なにもかも、実際にXboxやパソコン上のXboxアプリを使っていたときと同じだ。

XboxやXbox 360、Xbox Oneなどを買った人たち向けには、今後新しいXboxコンソールが発売される。ゲームをクラウドから提供する、とは言っても、Choudhry氏によると、マイクロソフトはコンソール(ゲーム機)ビジネスを捨てない。

クラウドゲームは、ほかの企業もやっている。中でも将来性ありとされているのが、フランスのShadowだ。Shadowのユーザーは、Windows 10のデータセンターで動いているインスタンスにアクセスする。

マイクロソフトは、技術にコンテンツを結び付けたい。すでに、サブスクリプションサービスはある。そのXbox Game Passと呼ばれるサービスでは、月額10ドルでXbox OneとXbox 360のゲームをプレイできる。今年後半に同社が公開試用を始めたときには、Project xCloudとXbox Game Passが統合されているだろうか。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Apple MusicがAmazon Fire TVにやってくる

米国では米国時間3月13日から、Apple TVをFire TVで利用できるようになる。Amazon Echoシリーズのスマートスピーカーでは昨年12月から対応していた。このニュースは、Apple(アップル)のCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏が2017年にAmazonとの合意を発表して以来、両ライバル間の緊張が和らいでいることを示す新たな事例としての意味がある。この契約によって、Apple TVのAmazonプライムビデオアプリが公開され、Amazon.comにはApple製品が戻ってきた。

それ以来、両社はこの合意に沿った動きをいくつも見せている。

例えば昨年、AmazonはApple製品の品揃えを拡大して、Apple TV以外にもiPad、iPhone、Apple Watch、Beatsヘッドホンなどの商品を販売開始した。さらにAmazonは同社のアプリFreeTime UnlimitedをiOS用に提供した。そして最近では、Apple MusicがEchoにやってきた。

そして今回、Amazon Fire TVにもやってきた。

これでApple Musicの定期購読者は5000万曲のストリーミング音楽をAlexaに頼んで聞くことができる。ユーザーは楽曲、アーティスト、プレイレスト、アルバムなどを「Alexa, play today’s hits on Apple Music」とか「Alexa, play music by [アーティスト名]on Apple Music」などと言ってリクエストできる。

Fire TV Cubeでは、複数の部屋にわたるミュージックグループの中でApple Musicをストリーミングすることもできる。

Fire TVでApple Musicを使うためには、Apple Musicスキルを有効にしてから自分のAppleアカウントにリンクする必要がある(Echoスピーカーで聞くために設定した人は再び設定する必要はない)。

Appleのサブスクリプション・サービスへと焦点を移動する決断(音楽のストリーミングに続いて近々ビデオのストリーミングサービスも)の恩恵に預かっているのはAmazonだけではない。

最近Appleは、Samsung(サムスン)との提携によって専用アプリを使ってSamsungのスマートTVにiTunesコンテンツを持ち込み、VizioLGなどのテレビメーカーとはAirPlay対応で同様の契約を結んでいる。RokuのAirPlay対応についても検討していると言われている。

Apple Musicは3月13日から米国のFire TVユーザーに提供開始される。Amazonは、数週間後には英国のFire TVおよびEchoユーザー向けにもApple Music対応機能が提供されると言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スマート秤がコーヒー好きの悩みを解消、焙煎したての豆をなくなる前に自動補充

あなたも、月に一度くらいは、コーヒー豆を切らしたことに後から気付いて、大きなため息をもらしたことがあるだろう。Bottomlessは、Y Combinatorの最新バッチに含まれる200を超えるスタートアップの1つで、カフェイン中毒者向けのソリューションを提供するもの。

共同創立者のMichael Mayer氏によれば、まだ確定ではないものの、36ドルの年会費を払い、ブレンドの種類の応じて毎回11.29ドルを払えば、コーヒー豆のストックが底をつく前に、Bottomlessが自動的に補給してくれる。どうやって?このスタートアップは、インターネットに接続された秤(はかり)をメンバーに無料で配る。メンバーは自分のコーヒー豆の袋をその上に置いておく。Bottomlessの秤が袋の重さを監視して、顧客のコーヒー豆が残り少なくなると、あらかじめ選んである種類の煎りたてのコーヒー豆を、なくなる前に配達してくれる。

よっしゃ、これでもうコーヒーを切らすことはない!

Mayer氏とLiana Herrera氏の夫妻が2016年にシアトルで設立したBottomlessは、Nike.comの元デベロッパーだったMayer氏が情熱を持って始めたもの。Bottomlessが十分な数の顧客を確保し、二人がこのプロジェクトにフルタイムで取り組んでも大丈夫と分かるまで、Herrera氏はシステム実装の専門家として働き続けた。それは2018年のことだった。何カ月か後、2回目の応募で、彼らはY Combinatorのアクセラレータプログラムへの参加を認められた。

Bttomlessのスマート秤

今日、Bottomlessには約400人の顧客がいる。さらにFour BarrelやPhilz Coffeeなどとも配給契約を結んでいる。YCが個々のスタートアップに提供する15万ドルの投資を含め、Bottomlessは、サンフランシスコやシアトル地区のエンジェル投資家から、プレシードラウンドをすでに獲得していた。

YCのためにサンフランシスコに引っ越す前は、Bottomlessの創立者夫婦はシアトルの自宅で無我夢中で働いていた。

「私たちはずっと、アパートに置いた3Dプリンターを使ってプロトタイプを作っていました。はんだ付けもアパートの中でやりました」と、Mayer氏はTechCrunchに語った。「私たちは、自分たちの住まいを、新しい製造工場に変えたわけです。そこらじゅうゴミだらけで、大騒ぎでした。それでもなんとか自分たちの手で、150個の製品を、指に火傷しながらはんだ付けして組み立てたのです」。

長期的な目標は、ペットフード、石鹸、シャンプーなど、いろいろな家庭用品の補充プロセスを自動化することだ。彼らの課題は、顧客の自宅に複数のスマート秤を置いてもらうこと。それは、デジタルアシスタントに指示して、Amazonにコーヒーや石鹸を注文するのとは違うのだ。

Amazonは最近、商品をセルフオーダーできる貼り付けタイプのIoTデバイス、ダッシュボタンを廃止したことを発表した。そのデバイスは、Google HomeやAmazon Alexaが流行りだす前の2015年に発売された。

それでも、なぜキッチンにスマート秤を設置するのか。デジタルアシスタントに、補給を依頼するのではだめなのか?Mayer氏によれば、コーヒー豆の品質が、競争力を保つ秘訣なのだという。

「私たちの最も熱心な顧客の中には、都会からかなり遠く離れた郊外に住んでいる人もいます。彼らは本当に新鮮なコーヒー豆が欲しいのです」とMayer氏は言う。「市街の中心部から20、30分も離れたところに住んでいたら、焙煎したてのコーヒー豆を手に入れる方法はないでしょう?」。

「サンフランシスコやシアトルのような都市なら、レストランがあちこちにあるので、煎りたてのコーヒー豆も簡単に手に入れることができると思うでしょ?」と、彼は続ける。「それは間違いないでしょう。でも、コーヒー豆の残りが少なくなってきたとき、買い足すのに最適な日を覚えておくのには、ちょっと気を使わなければならないのです」。

Mayer氏とHerrera氏は、自らをコーヒーの専門家だとは考えていない。現在、コーヒーの聖地とみなされているシアトルで、基本的に消費者に直売するコーヒー市場を運営しているにもかかわらずだ。

「私はポートランド出身で、ポートランドの人はコーヒーについて詳しいのです」と、Mayer氏は言う。「私は自分では、自分のことを熱心なコーヒー愛飲家だとか、コーヒー通だとか考えたことは、まったくありませんでした。とはいえ、そこらにいる一般的な米国人と比べれば、私はポートランド出身者らしく、よくコーヒーを飲む方だと思います。私がこの仕事を始める前に知っていたのは、コーヒー豆は新鮮なほど良い、ということだけです。本当にそれだけ」。

Bottomlessは現在、ベータユーザーとして顧客を募集している。このチームは来週、YC Demo Daysで投資家にプレゼンする予定だ。

画像クレジット:Bottomless

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

性別不明の人工音声Qがテクノロジー世界の性差別に挑戦する

SiriやAlexa、Google Assistant、Cortana、Bixbyなど、ほとんどすべてのバーチャルアシスタントにはある共通点がある。それは、デフォルトの音声が女性の声であることだ。性別(ジェンダー)をめぐるこのようなステレオタイプはかなり前に指摘されているが、今やディストピア的なロマンスを示唆するかのように、「Her」(彼女)という言葉まで使われたりする。そこでパブリッシャーのViceが抱えるクリエイティブエージェンシーVirtueは、Qと名付けた性別のない声でこの傾向に挑戦する。

この、Copenhagen PrideとEqual AIとKoalition Interactive、それに音声制作スタジオthirtysoundsgoodのコラボレーションによるプロジェクトは、テクノロジー企業が性別という二分法の外で考えることを求めている。

QのWebサイトはこう言っている。「テクノロジー企業は消費者にとって快適と彼らが信じた声を作り続けている。男の声は銀行や保険など、権威が必要と思われる役割で使われる。そして女性の声はAlexaやSiriのような、サービス型の役割で使われる」。

Qを開発するためにVirtueは、コペンハーゲン大学の言語学者で研究者のAnna Jørgensen氏の協力を求めた。彼らは5人の二進数でない人々(本物の人間)の声を録音し、それからソフトウェアを使ってその録音を、性別的にニュートラルとされている145〜175 Hzの範囲に変調した。さらに4600名の人たちにアンケート調査をして、男女の判定に大きな差が生じないように調整した。

Virtueは、人々がQをアップルやアマゾン、マイクロソフトなどとシェアするよう勧めている。音声アシスタントは、使用する音声のオプションが変わっても、男または女と、どちらかの性別に認識されてしまう。このプロジェクトのミッション声明はこう言っている。「社会がジェンダーという二分法を打破し続け、男でも女でもないと主張する人びとの存在を認めていくかぎり、私たちが作る技術はそれについていくだろう」。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

3月25日開催のアップル発表会、ストリーミングサービスのほかApple News購読やAppleクレカにも期待

長らく噂されているアップルのビデオストリーミングサービスについて、ブルームバーグが報じている。アップルは米国時間3月25日にクパティーノで開催する記者発表会で、このサービスについて明らかにすると見られている。

ブルームバーグによれば、アップルは新たに始めるストリーミングサービスのために大量のオリジナルコンテンツの準備に取り組んできたが、その大半は今月の発表には間に合わない見通しだという。おそらく記者発表会で少しは紹介するだろうが、サービス開始時のラインアップの大半は他社のコンテンツになりそうだ。

アップルはあらゆる企業と交渉をしているが、多くの有力なケーブルチャンネルはアップルのストリーミングサービスに対して態度を決めかねている。HBO、Showtime、Starzは、アップルのサービス発表時にその一員となるかどうかを金曜日までに決めなくてはならない。

アップルがパートナーのコンテンツの一部を扱うかすべてを扱うかは不明だ。パートナーの多くはすでに自前のストリーミングサービスを持っている。そして米国の視聴者は、こうしたパートナー企業のライブラリにApple TVやiOSデバイスのTVアプリからすでにアクセスできるようになっている。

アップルが自社のストリーミングサービスを開始すれば、さまざまなコンテンツをまとめて購読し、快適に楽しめるようになると考えられる。AmazonはすでにPrime Videoチャンネルで似たようなことを実現している。NetflixとHuluはアップルが取り組んでいるオリジナルのコンテンツ制作と競合することから、独立した立場をとり続けるだろう。

米国時間3月25日に予想されるアップルの発表としてもうひとつ、Apple Newsの購読がある。アップルは昨年Textureを買収し、デジタル雑誌の購読に取り組んできた。

ウォール・ストリートジャーナルは2月に、アップルがゴールドマンサックスとともにWalletアプリで緊密に統合されるクレジットカードを開発していると報じた。今月のアップルのイベントがサービスに関するものであるとすれば、このクレジットカードのサービスについても言及されるかどうか注目される。

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(翻訳:Kaori Koyama)

PayPalが銀行口座への即時送金に対応、現在は米国のみで手数料は1%

商品をオンラインまたは店舗で購入するのにクレジットカードや現金、銀行振込に代わって有力な選択肢となるPayPalは米国時間3月12日、ギグエコノミーワーカーなどさらに多くの人が利用できる新機能を追加した。これは、銀行とだけでなくStripeやSquareといった比較的新しいサービスとも競合するものだ。PayPalは銀行口座へ即座に送金できるサービスを開始する。このサービスでは、PayPalを介してお金を受け取った人はそのお金をすぐさま使う予定がなければ、自分の銀行口座に移せる。

このサービスは米国内の消費者向けに展開していて、今後数週間のうちに事業所も利用できるようになる。PayPalのEVPでCOOであるBill Ready氏はインタビューで米国外での展開にも取り組んでいると語った。

銀行口座への即座振替は、米国ではJPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)とのパートナーシップを通じて利用できるようになった。JPモルガン・チェースは、大手銀行がつくったプラットフォームThe Clearing Houseによって構築されたリアルタイム支払いネットワークにアクセスすることができる。PayPalはこの機能を実装する初の会社だとReady氏は述べた。

電子財布を提供している他のサービスと同様、PayPalにとってもユーザーが取引を続けるために自分の資金を電子財布(PayPal口座)に持っておくのが理想だ(なぜなら、それによりPayPalは儲けているからだ)。しかし現実としては、同業他社と同じくPayPalも、サービスの使い勝手を良くするために顧客にそれ以外の選択肢やフレキシビリティーを提供するよう努めている。

その話の流れで言うと、PayPal外への振替は、SquareやStripeに負けないために近年同社が取り組んできた分野だった。そしてその取り組みは消費者に支持されていることもわかっている。

昨年PayPalは、何日も待たずして取引のお金にすぐさまアクセスしたいセラーをターゲットとした“Funds Now”を立ち上げた。それまでは支払いが処理されてそのお金が口座に振り込まれるまでに数日かかっていた。しかし、Funds Nowは主にプラットフォーム上のセラーを対象としていた。

別のクイックな振替サービスはそれより少し前の2017年に始まった。このサービスではPayPalとVenmoのユーザーがデビッドカードに送金できる。これまでに何十億ドルもの取引があった、とReady氏は語った。だが、気を付けなければいけないのは、すべての人がVisaやMastercardのデビッドカードを持っているわけでもなければ、そうしたカードで現金化したいわけでもないということだ。

「小さな事業者や個人にとって、これは問題だった。多くがデビッドカードを持っていないため、今回のサービスは目を見張る拡張だ。今彼らは銀行口座からお金を引き出せる」とReady氏は話した。

銀行口座への即座振替の手数料ははデビッドカードへの送金と同じだ。送金額の1%で、最大手数料は10ドルとなる。

今回のサービス以前も、PayPalの2億6700万の個人口座ユーザーと2100万のマーチャント・アカウントユーザーはPayPal口座のお金を銀行口座に移すことはできた。ただし、その取引が完了するまでに数日、もしくはそれよりも長くかかっていた、とReady氏は話した。それは、古いACHネットワークの活用に頼っていたからだ。

Ready氏は、今日のニュースで特に恩恵を受けると考える特定のセグメントを強調した。それは、いわゆるギグエコノミーワーカーと呼ばれる、週払いまたは固定給で支払いを受けるのではなく、行なった仕事に対して支払いを受ける人たちだ。そうした人たちはおそらく、より良い方法でお金を手にしたり管理したりする必要を感じている。PayPalからお金を自分の銀行口座に移すいい方法があれば、そうしたギグエコノミーワーカーは自分の仕事に対する支払いを受けるのにPayPalを使うだろう。これは長い目で見るとPayPalの取引規模拡大に寄与することになる。

「これは、我々のプラットフォーム上にある資金へのアクセスをスピードアップするための幅広いイニシアチブの一環となる。またグローバルの働き方の変化を認めるものでもある」とReady氏は語った。「新しい雇用拡大の90%は非典型雇用者で、成長中のセグメントだ。ギグエコノミーは資金への素早いアクセスに頼っている」。

計画では将来さらなる機能を追加する予定だ。「これは我々が取り組んでいることの一部だ。ギグエコノミーワーカーで意欲的な人の期待に応える新しい機能を展開したい」とReady氏は話した。

イメージクレジット: kentoh(Image has been modified)

原文へ、翻訳:Mizoguchi)

Gmail、Googleドライブで全世界的な障害が発生中(2019年3月13日午後12時現在)

eng-logo-2015日本時間3月13日お昼前ごろより、メールサービスGmailや、クラウドストレージGoogle DriveといったGoogleのサービスに障害が発生している模様です。主な症状はGmailの「送受信がまったくできない」といったお手上げなものから、「テキストや画像を添付したメールの送受信はできるもののその他の添付ファイルがあると送信できない」、「メールを書いている途中にエラーになる」などさまざまです。

GoogleがG Stuiteサービスのパフォーマンス状況として提供している「G Suite ステータス ダッシュボード」によれば、障害が発生しているのはGmailとGoogle ドライブの2つだけの模様。添付ファイルの取り扱いでエラーが多いのはこのあたりが関係しているのかもしれません。

なお、障害は日本だけでなく、米国の東西海岸部、東南アジア、オーストラリア/ニュージーランドをはじめ世界中で影響が出ている模様です。リアルタイムな状況はダウンディテクターOutege.Reportなどで確認できるものの、障害発生マップはそれぞれのページで異なる傾向を示しているようなのであくまでもご参考程度に。

Engadget 日本版からの転載。

Mozillaが無料の暗号化ファイル共有サービス「Firefox Send」を開始

Mozillaの無料の暗号化ファイル転送サービスの「Firefox Send」が、2017年8月のテストパイロットを経て、米国時間3月12日に正式に公開された。Webのユーザーが最大2.5GBのファイルをブラウザで共有できるサービスで、ファイルはエンドツーエンド暗号化と、非公開でファイルを共有し自動で期限切れとなるリンクによって保護される。

Mozillaが最初にWebベースのFirefox Sendのテストを始めたときは、ファイルの容量は1GBに制限されていた。現在も、Firefoxのアカウント(無料)にサインアップしていないユーザーの制限は1GBのままだ。サインアップすることで最大2.5GBのファイルを共有できるようになる。

メールに容量の大きいファイルを添付すると問題が起きやすい。1つのファイルを1回共有したいだけであって、ファイルを保管したり編集したりするわけではなく、ほかの人と共同作業をしたいわけでもないのに、無駄に時間がかかってしまう。Firefox SendはGoogleドライブやDropboxといったクラウドストレージサイトと同様に、メール添付で送る方法の代替となる。

このサービスを利用するには、送信側はFirefox SendのWebサイトにアクセスし、ファイルをアップロードして期限を設定する。サイトの設計は、限られた時間だけ共有できるSnapchatにヒントを得たようだ。アップロードする前にファイルをパスワードで保護することもできる。

アップロードするとFirefox Sendがリンクを生成する。それを受信側に伝えると、受信側はリンクをクリックするだけでダウンロードが開始される。Mozillaによれば、Firefoxのアカウントがなくてもファイルにアクセスできる。

財務情報といったWebで共有するには懸念があったファイルを転送できるツールになり得ると、Mozillaは示唆している。

ただしセキュリティの専門家は、機密性の高いファイルをオンラインサービスで共有する際には、どんなツールであっても注意を払う必要があると警告している。権限のないアクセスによって何かしらのトラブルが起きる危険性は常にある。

とはいえ、Mozillaはこうしたことに関しては信頼性の高い組織のひとつだ。Firefox Sendは「Private By Design」ですべてのファイルを保護するといえる。Mozillaはたとえば、パスフレーズがFirefoxにまったく送信されないようにFirefoxアカウントを設計した。またMozillaは今回の発表の中で「ユーザーのデータを個人のものとして、かつ安全に扱う」ことが使命であるとも述べている。これが組織の理念であり、さらにプライバシーは基本的権利であるとMozillaが考えているということだ。

こうした背景があるにせよ、Firefox Sendの信頼性を承認するにはセキュリティの専門家が直接システムをテストする必要がある。このサービスは正式に公開されたばかりで、まだテストが繰り返し実施されたわけではない。

Firefox Sendは、FirefoxのWebツールやサービスに新しいユーザーを引きつける手がかりとなるかもしれない。Firefoxは、かつては誰もが知っている人気ブラウザだったが、シェアは年々減少していた。IE、Safari、ChromeなどがIT大手の組み込みオプションになっているためだ。しかしIT大手に対する人々の疑念は増し、データの侵害はあまりにも頻繁に起き、オンラインのプライバシーは全般に低下している。Firefoxが返り咲きを図るには絶好のタイミングだ。実現できるかどうかはまた別の問題だが。

Firefox Sendはsend.firefox.comですでに利用できる。今週後半にはAndroidアプリのベータ版がリリースされる予定だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

CAMPFIREがJR東と共同で地域商品開発を支援、日本酒やいちごチョコなど

CAMPFIREは3月13日、地域商品開発を目的としたプロジェクト5件を同社のプラットフォーム上に公開、支援をスタートした。

この支援は、2018年11月に東日本旅客鉄道(以下JR東日本)とJR東日本スタートアップが主催する「JR東日本スタートアッププログラム2018」にCAMPFIREが採択され、共同で地域振興を図る「地域にチカラを!プロジェクト」の一環として行われるもの。

2社共同プロジェクトでは、「地域商品開発」「無人駅の活用」の2つのテーマで新規事業案を募集し、CAMPFIREはクラウドファンディングのプロジェクト立ち上げをサポートし、JR東日本はPR・販路をサポートする。

2018年12月から約1カ月間、事業案を公募したところ、50件を超える応募があったという。その中から2社が選んだ地域商品開発部門の5件のプロジェクトを対象に、先行してクラウドファンディングが始まった。

今回選出されたプロジェクトは以下の通り。いずれも地域の食文化や素材を反映したユニーク(でおいしそう)な商品だ。

1)こだわり農園の果汁はじける 青森県産”完熟”りんごジュレを全国へ発信したい!

りんごの名産地、青森県で採れた完熟ストレート果汁を原料比70%使用した夢のりんごジュレ。人工キャビアの製造ノウハウを生かし、口当たりが抜群なジュレはまさに「飲む果実」です。

2)絶景が一望できる海の街・銚子 体にやさしいお煎餅「素米ruコーン」で笑顔を増やそう!
“醤油の街”としても知られる千葉県・銚子で、ぬれ煎餅やおかきを製造販売する創業69年の米菓専門店が、お客様の声に耳を傾けて開発したグルテン・アレルゲン・添加物フリーのとうもろこしパウダーを使った、体にやさしい煎餅「素米ruコーン」です。
3)岩手県宮古湾産「牡蠣の佃煮」を日本全国で、そして海外でも売れる商品にしたい!
岩手県宮古湾産の、厳選した大粒の牡蠣だけを100%使い、シンプルな味つけでコトコト炊きあげた佃煮。牡蠣本来の旨味が味わえる、この佃煮はお酒の肴としてはもちろんのこと、研いだお米に混ぜれば炊き込みご飯としてもおいしく召し上がれます。
4)【北海道産夏いちごのしみチョコ】北海道の新しい定番のおみやげを作る!!
北海道産夏いちごをフリーズドライにし、ホワイトチョコレートを染みこませた「しみチョコ」。特許を取得した製造機を使用することで、夏いちごは収縮しないまま、色彩・香り・風味を損なわずにサクサクとした新鮮な食感が楽しめます。
5)180ml→90mlへ。これで日本酒がもっと楽しめる、日本酒ハーフカップ。
酒造数全国一を誇る“日本酒王国・新潟”にある、越後のお酒ミュージアム「ぽんしゅ館」からお届けする飲みきりサイズのハーフカップの日本酒。「越後魚沼のドラマを食で語る」をコンセプトに、生産者の思いとともにお客様へお届けします。

目標金額を達成したプロジェクトには、JR東日本からのサポートのもと、デザイナーが商品のパッケージデザインを手がけ、リブランディングが行われる。また、対象商品はJR東日本の地産品ショップや駅構内での販売も予定されている。ファンディング募集期間は4月29日まで。

写真に写ってるものを音声で聞けるマイクロソフトのSeeing AIアプリ

Microsoft(マイクロソフト)のSeeing AIは、目の不自由な人が視覚データをオーディオに変換できるアプリだが、今回、便利な機能がひとつ増えた。ユーザーが、写真の中のオブジェクトや人間をタッチして調べることができるのだ。

それはもちろん、機械学習のオブジェクトや情景の認識機能を利用している。写真を撮ったり、ビューワーの中で開いたりしたら、その上のどこでもいいからタップするだけだ。

「この新しい機能でユーザーは、タッチ画面に表示されている画像を指でタップして、そこに写っているものやそれらの空間的関係の説明を聞くことができる」と、Seeing AIの主席開発者Saqib Shaikh氏がブログ記事でそう述べている。「このアプリは、人の肉体的な外見や彼らの気分も説明できる」。

顔認識機能もあるので、友だちの写真を撮ったら誰がどこで何をしているのか聞くことができる。その写真の中に犬がいることもわかる(こいつは重要だ!)。これは、下図に示すように、全画面的にはすでに実現していた。

でも今度からは、ユーザーがあちこちをタップして、どんなオブジェクトがどこにあるか知ることができる。それは新奇な機能というより、写真を見る際には本来とても重要なことだ。説明書にはないが、もっと細かいこと、たとえば前景に花があるとか、背景に映画のポスターがある、なども分かる。

しかもこのアプリはiPadをサポートするようになったので、アップルのタブレットがいろんなメディアや対話の主要なインタフェイスとして役に立つだろう。今回のアップデートでは、このアプリから好きなものを注文できるようになった。

Seeing AIは無料で、iOSデバイス用にここからダウンロードできる。

画像クレジット: Microsoft

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Netflixが日本のアニメプロダクションとの提携を拡大、「スプリガン」「攻殻機動隊SAC_2045」など制作

Netflixは3月12日、新たに、アニメプロダクションのアニマ、サブリメイション、デイヴィッドプロダクションの3社とアニメ作品制作における包括的業務提携契約を締結すると発表した。

同社は2018年、プロダクション・アイジーおよびボンズと同契約を締結している。新たな3社とのアニメを制作開始し、全世界190カ国に向けたオリジナルアニメコンテンツの拡充に注力するという。

アニマはNetflixオリジナルの実写SFシリーズ「 オルタード・カーボン: リスリーブド」、サブリメイションは同名ゲームを元にしたオリジナルアニメシリーズ「ドラゴンズドグマ」、デイヴィッドプロダクションは漫画原作に基づく「スプリガン」を制作する。

プロダクション・アイジーおよびボンズとの包括的業務提携契約に基づき制作されている「攻殻機動隊SAC_2045」はNetflixが2020年に全世界独占配信する予定だ。