Arduinoをベースにして電子回路製作を楽しむ(学習する)Code Kit

知育玩具にはあまり興味を感じない。どちらかの狙いが強すぎて、結局は虻蜂取らずになってしまっているように思うのだ。ただ、LittleBitsのCode Kitは、うまく両者のバランスを取っている様子。役立つ知育玩具というものがあるのだと、認識を改める必要があるのかもしれない。

Code Kitは第3学年から小学校中学年から中学生用向けに開発された、299ドルの教材だ。対象学年に応じて、かなり頑丈な作りともなっている。

LittleBitsは、バッテリーやスピーカー、あるいはスイッチなどのパーツで構成され、磁石の力でそれぞれを接続して電子回路を作ることができるようになっている。接続可能な組み合わせであれば引っ付き合い、接続不能な同士の場合は磁石が反発するようにもなっている。ショートさせてパーツを壊してしまう心配もないというわけだ。

キットのベースにはArduinoが採用されている。インプット/アウトプットデバイスと、充電池がセットになっている。キットはワイヤレスで動作するようになっているので、プログラムは、キット同梱のUSBドングルを用いて行うことになる。

プログラミングはScratch風にドラッグ&ドロップで簡単に行うことができる。キットを私の子供に渡してみたが、数分でサンプルのコードを書くことができたばかりか、コーディングの方法を教えると、30分ほどでプログラムを改造してオリジナルのゲームを作ることさえできた。コーディングの指導にあたる教員も、プログラミングの概念さえ知っていれば、数分でこのキットを使いこなせるようになるはずだ。

パーツの構成もよく考えられているように思う。ブレッドボード化しているのも扱いやすいし、接続に磁石を用いているのも簡単かつわかりやすい。組み合わせ次第でさまざまな可能性を実現できるのも良い。LittleBitsは、これまでにもプロダクトをリリースしてきたが、いずれも面白さの面からも、教育的効果の面からも不十分なものだと感じていた。そこから考えれば大いに進化したといって間違いない。IoTないしプログラミングの基礎を学ぶのに、なかなかよくできたキットだと思う。

本格的な電子工作を学習するなら、とにかくハンダ付けを繰り返したり、壊れたステレオをいじってみるのに勝るものはないのかもしれない。しかしLittleBitsは、懐かしの「ヒースキット」(Heathkit)など昔ながらの電子工作キットを、さまざまな面で現代的にしたものと言えるのかもしれない。ただし利用している9V電池は舐めないことをおすすめする(訳注:lick the 9 voltで検索するとさまざまな動画がアップロードされている)。

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(翻訳:Maeda, H

Turing Tumbleは巧妙なメカニカル・コンピューター―Kickstarterの教育玩具は大人も楽しめる

近頃はなにもかもエレクトロニクス化されてしまったが、それだけにTuring Tumbleのようなボードゲームは楽しい。

プログラマーでミネソタ大学教員でもあるPaul BoswellはTexas Instrumentsの電卓で遊べるゲームを開発したことで有名だが、 今回はAlyssa Boswellと協力して Turing Tumbleという純粋にメカニカルなコンピューターを作り上げた。ボード上で何種類かの小さな部品を正しく組み合わせることによってさまざなパズルを解くことができる。

Boswellはこれまでもプログラミングを学ぶためのゲームをいくつも開発してきた。ミネソタ大学でコンピューティングを教えている際、他の面では優秀だがプログラミングがいっこうに理解できない科学者を大勢発見した。このフラストレーションがコンピューティングの仕組みを説明するおもちゃを開発する動機になったという。

「プログラミングができる化学者や生物学者は珍しい。実のところどんな分野でも珍しい。そうでないのは計算機科学者くらいのものだ。しかしそれでは困る。私は長年学生にプログラミングを教えてきた。その間、学生であれ教授陣であれ、すばらしいアイディアなのに適当なプログラムが書けないためにプロジェクトを諦めてしまうという事態を繰り返し見てきた」とBoswellは言う。

Turing Tumbleは非常にシンプルは構成だ。ボードのてっぺんからビー玉が転げ落ちる。ボードには格子状に多数の穴が開いており、そこに論理部品をはめ込む。ビー玉が最下段まで落下してフリッパーと呼ばれる部品を押し下げると新しいビー玉が供給され、以下同様にサイクルが続く。

「プレイヤーは6種類の論理部品を利用して論理パズルを解く。 Bitは中でも重要な部品だ。ビー玉が落ちてくるたびにこの部品は反対側に向きを変える。この部品は左向きがゼロ、右向きが1を表す。Gear bitは特に面白い部品だ。Gear bitはBitとほぼ同様の機能だが、名前の通り歯車で、他の歯車と組み合わせることができる。ビー玉が一つの歯車を動かすと次の歯車に動きが伝わる。この部品があるためにボードは全体として『チューリング完全』な機械となる」とBoswell。

こうした理論は表に現れず、見たところはメカニカルなパズルゲームというのが重要な点だ。付属の冊子には51のゲームが紹介されており、子どもたちは遊びながらXORなどの論理回路を組み立てることができる。

このプロジェクトはBoswell夫妻の自己資金がまかなわれる予定で、現在Kickstarterで4万8000ドルの資金集めを行っているところだ。

「メカニカル・コンピューターを調べ始めたところ、1960年代に作られたDigiComp IIという玩具に行き当たった。これは落下するビー玉を動力とする計算機で非常に巧妙だった。私はDigiCompから多くの作動原理を借り、自分のアイディアを付け加えて独自のメカニカル・コンピューターをデザインした。3Dプリンターのおかげでプロトタイプを作成することができた」という。

これは素晴らしい教育玩具だが、もしかすると他のコンピューターがなんらかの理由で全滅したときには計算機として実用になるかもしれない。そんな日が来ないとはいえないだろう。

〔日本版〕Kickstarterのページによれば、プレッジ額は一口399ドルで4万8000ドルの目標に対して3万4875ドルがプレッジされている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

【ポッドキャスト】交通政策の研究者が予見する自動運転車が普及したときの都市交通

今週のTechnotopiaでは、ニューヨーク大学Rudin交通政策研究所のアシスタントディレクターSarah Kaufmanにお話をうかがった。Kaufmanは、ニューヨーカーのための、そして世界の、新しい交通手段について研究しており、未来はきわめておもしろいものになる、と予想している。

彼女の予言はこうだ。自動運転車の普及とともに、これまでになかった新しいタイプのパラトランジット(paratransit, さまざまな補助的交通手段)がいくつも登場する。これまでの公共交通を利用できなかった人たちのためのサービスも、生まれるだろう。そしてそれらの新しいサービスは、効率が良くて、私たちをA地点からB地点へ安全にはやく、より安い費用で運んでくれるだろう。ぜひ、彼女の予言を聴いてみよう。

Technotopiaは、John Biggsによる、より良き未来に関するポッドキャストだ。SticheriTunes、あるいはMP3をここでダウンロードして聴ける。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

大企業のあちこちに転がっている無駄なSaaS契約を掃除するMeta SaaSが$1.5Mを調達

Meta SaaSは、プロダクトの断捨離を手伝ってくれるプロダクトだ。CardlifeCleanshelfなどと同じく、Meta SaaSはユーザー(人や企業)のSaaS契約をすべて調べて、実際に使っているものと、さらに重要なこととして、使ってないものを教えてくれる。

Arlo GilbertとScott Hertelが作ったこのプロダクトは、Mark Cubanがリードし、Barracuda Networks, Capital Factory, Deep Space Ventures, BazaarvoiceのBrett Hurtらが参加したラウンドで150万ドルを調達した。Gilbertはかつて、iOS用の初めてのVoIPプラットホームを作り、HertelはDellのeコマース部門にいた。

同社は今、RetailMeNotをはじめ6社の顧客、計10000名の社員をサポートしている。そして同社が調べることのできるSaaSは、数百万にものぼる。

“うちの顧客は中から大ぐらいの企業が多い。そんな企業は、SaaSのライセンス管理が、大きな経費節減につながるからね。中には、毎年数百万ドルを溝(どぶ)に捨てている企業もある。最近の新しい競合他社は、小企業をターゲットにしてるところが多いけどね”、とHertelは語る。“ほかの競合他社はOktaなどのサードパーティからデータをもらってるところが多い。だからログインを調べるだけだし、ひとつのプラットホームに限定される”。

Gilbertが同社を創ったのは、自分自身がSaaSに無駄金を使いすぎていることに、気づいたからだ。

“2012年にiCallを売って、オフィスをたたもうとしたとき、Salesforce CRMのライセンスが40あることが分かった。社員が20人以上いたことは、ないのにね”、と彼は言う。

このプロダクトは“幽霊IT”を管理する。誰かが買って、忘れてしまったITツールのことだ。売って忘れられることは、SaaSのプロバイダーにとっては好都合だが、企業にとってはおそろしい。Meta SaaSは大企業にSaaSの断捨離サービスを提供する、初めてのプロバイダーのひとつだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

字幕ファイルに隠されたマルウェアにご注意

偽の字幕ファイルにマルウェアを隠してパソコンを乗っ取る巧妙な手口が発見された。 このマルウェアはPopcorn Time、VLCなどのユーザーに被害を与えている。

Checkpointが発見したところによると、ハッカーは人気ある海賊版映画やテレビ番組の字幕ファイルと見せかけたファイルに攻撃用のコードをエンベッドしている。ビデオプレイヤー・アプリもユーザーもこうした字幕ファイルは無害なテキストだと考えて注意を払ってこなかった。Checkpointはこれがハッカーに利用されているという。

われわれの調査で新しい攻撃の手口が発見された。映画の字幕ファイルを利用してサイバー攻撃を仕掛けるもので、これまで完全に見逃されていた点を利用するテクニックだ。字幕ファイルをユーザーがメディアプレイヤーにロードする場合、「信頼できるファイル」として扱われるのが普通だった。しかし、人気ある字幕ファイルにハッカーが手を加えてサイバー攻撃のための偽ファイルを作ることが可能だと判明した。この手口ではユーザー側の意識的操作はほとんど、あるは全く必要ないため一層危険性が高い。

サイバー攻撃に用いられる各種のセキュリティー上の脆弱性についてはデベロッパーもユーザーもかなりの知識がある。しかし映画の字幕ファイルは単なる無害なテキストファイルと考えられ、注意が払われることがほとんどなかった。

もしPopcorn Timeなどを使っているなら(使っていてはならないのだが)、この脆弱性のパッチはこちらから入手できる。VLC、Kodi、Stremioの場合はパッチはアップデートで自動的に適用されるはずだ。 下のデモビデオでは字幕ファイルをロードすると攻撃側のパソコンとの間にTinyVNC接続が行われ、ハッカーは被害者のパソコンを自由に操作できることが示されている。人気映画の海賊版を見るだけのつもりで、とんでもないダメージを受けることになる。注意が必要だ。


画像: Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

自宅でビール:Minibrewが280万ドルを調達

オランダに拠点を置くMinibrewは、35万ドルのクラウドファンディングの成功に続いて、シードファンディングとして280万ドルを調達した。同社の狙いは家庭醸造にスマートさをもたらすことだ。

Minibrewは大きな野望を持つ小さなビア樽だ。私たちが、2015年にこの会社を初めて知ったとき、彼らは醸造プロセスにハイテクの風を吹き込んでいた。何か美味しいものができ上げるまで大量の麦、酵母、ホップをかき混ぜていた古い技法に、モニタリングされた醸造槽とモバイルアプリを持ち込んだのだ。創業者のBart van de KooijとOlivier van Oordは、そのマシンのためのレシピを探るために、世界の複数の醸造所と提携してきた。そして2018年第1四半期には最初のプロダクトの出荷を予定している。

チームは、麦汁造りから瓶詰めまでのプロセス全部を提供できることを、誇りに思っている。

「現在世の中にある、『完全自動化された家庭醸造所のようにビールを提供する』と宣伝する醸造マシンたちは、大切なステップを忘れています。発酵ステップです」とvan de Kooijは言う。「他社のマシンも発酵プロセスは行いますが、それは手動で、宣伝されているように自動化されているものではありません。このやり方は、(発酵の)知識を持っていて、発酵時間や炭酸レベルで色々実験を行いたい人には上手くいくと思いますが、最終的な風味は損なわれがちで、ユーザーは同じ醸造を繰り返すことはできません」。

「開発中に、自分たちのビールを醸造する過程で、私たちは多くの試行錯誤を行いました。自家醸造の中で、とても素晴らしい品質のものを生み出すこともありましたが、正確に同じ品質のビールを生み出すことは本当に大変だということがわかりました」と彼は言った。「現在世の中にある製品たちは、安定した品質のビールを造るという意味でのユーザー体験を満たせていないのです。なので私たちは、皆を醸造の世界に呼び込み、ビールの世界を変革して、素晴らしい味を発見する楽しみを分け合うべきときだと考えたのです」。

このシステムはいまでは遥かに自動化されて、チームは価格を強気の2000ユーロから999ユーロに引き下げた。素晴らしい。キットは白ビールやIPAを含む複数のスタイルのビールの醸造を行なうことができる。1番良いことは何かって?発酵プロセスが終わったら、キットがそのままポータブルなビア樽になることだ。

自動ビア樽のために払う1000ドルは、まだ高すぎると思うだろうか?例えば単に水に炭酸ガスを吹き込んで無臭のウォッカを追加して、チープなバドワイザーライトを作っても良いのでは?いやいや。家庭醸造は、彼らが言うように、簡単なのだ!

*残念ながら日本では、私的な目的でも、ある程度以上の度数をもつアルコールの無許可醸造は許されていない:

参考 国税庁ホームページ:「手造り麦芽飲料用」の缶入り、いわゆる「ビールキット」を購入して、自宅で自家製ビールを造ることに問題はありますか。

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(翻訳:Sako)

最強のランサム・ウェア防止対策、そのトップ6(シックス)

〔訳注: この記事は‘書かれ方’がややジョーク的です。〕

以下は、あなたと、あなたが愛する人びとと、イギリスのNational Health Serviceが、ランサム・ウェアを防ぐためのすばらしい秘訣だ。

すべてをバックアップする

堅牢で、人にばれないシステムを作り、毎日それを利用する。

Windows XPを使わない

信じ難いことかもしれないが、会社のコンピューターで、すでにサポートされていないオペレーティングシステムを使うと、データを危険にさらす。お金を投じてもっと安定性の良いオペレーティングシステムを導入すべき。

USBメモリやハードディスクを買ってすべてのデータを定期的にバックアップする

朝出社したらランサム・ウェアにやられていても、数日前までのデータは復旧できるから。患者の記録など重要な情報の破壊は防げる。

データのバックアップを重視する

自分のコンピューターにバックアップボタンがなければ、MacOSならTime Machineを、またWindows 10ならBackupシステムを使おう。Microsoftも言っている: “バックアップはつねに良いことです。あなたのファイルのコピーを別のドライブ(ハードディスクなど)に保存しておけば、オリジナルに何か起きたときに安心です”。

顧客サポート担当の人もバックアップを!

あなたのオフィスがマルウェアにやられたら、困るでしょ? 家では、パパやママがランサム・ウェアをダウンロードするかもしれない。感染を防ぐいちばん容易な方法は、バックアップ計画を作り、そのやり方を彼らに教えること。そして、あなた自身やほかの社員が、バックアップから簡単にデータを復旧できる計画も作っておこう。

最後に再び: データのバックアップをしましょう

くどいようだけど、ほとんどすべてのランサム・ウェアは、定期的なバックアップで防げます。それは、コンピューターにハードウェアを増設するだけの簡単な作業で済まないこともあるだろうけど、とにかく、バックアップからデータを復旧できるようにしておけば、ランサム・ウェアというトラブルから100%おさらばできる。ハードディスクは今とても安いし、ソフトウェアもとっても使いやすいから、ぜひやろう。

わざわざビットコインを買って、知らない人に送ることから、永遠にお別れしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Blackbeltは無限に長いものを作れるベルトコンベア式3Dプリンター

ベルトコンベアーは昔から奇妙な冒険の舞台だった。チャーリー・チャップリンからルーシーまで、あのベルトに流されていく人や物はコメディーの花形だった。今は3Dプリントされた作品がBlackbeltの上を流れていくのを見ることができる。巨大オブジェクトをプリントするためのコンベア式3Dプリンターシステムだ。

BlackbeltのKickstarterキャンペーンはあと3日で始まる予定で、デスクトップ用システムが9500ユーロ、支持台付きの大型システムが1万2500ユーロになる見込みだ。プリントできる大きさは13インチ×13インチ×無限大、つまり車のサイドパネルや長い看板などもプリントできるという意味だ。異なる太さのプラスチックを射出する3種類のノズルを備えている。

詳しい説明はここで読めるが、基本的には3Dプリンティングを横に寝かせて面白いことができるシステムだ。例えば、通常このジェット機をプリントするには機首を支えるために多くの材料が必要になる。Blackbeltの技法を使うことによって、ベルトに触れた状態でプリントをスタートすることさえできれば、せり出したり、へこんだりしている物体もブリントできる。

このプリンターのプリント角度は独特で、プラスチックを先端部分にプリントすることができる。つまり、一般のFDMシステム(熱溶解積層法)のように底面から積み上げていくのではないため、支えのないものもプリントできる。Blackbeltは無限に長い物体をプリントするほかに、小さな物体を次々とプリントしてバスケットに落としていく使い方もできる。理論的には、地球を一周する長い蛇をプリントして、神話のウロボロスのように、自分のしっぽを食べるようにループさせることもできるはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

どんな物でもタッチセンサーにしてしまう伝導性の塗装技術がCMUに誕生

カーネギーメロン大学(CMU)の研究者たちが、どんな面でもタッチパッドにしてしまえる伝導性のスプレー塗料を発明した。そのシステムはElectrickと名付けられ、“電界トモグラフィー(electric field tomography)”と呼ばれる技術を利用している。

同大の博士課程の院生Yang Zhangが作ったElectrickは、塗装した面の端に電極をつける。すると、木でもプラスチックでも壁でもゼリーでも工作用粘土でも何でも、タッチを検出できる面になる。こうやって加えたタッチ感度を利用してこれまで、玩具やギター、壁などの位置コントロールに成功した。

Human-Computer Interaction Instituteの助教授Chris Harrisonによると、“缶入りのスプレー塗料でほとんどどんなものにもタッチスクリーンをつけられる技術は、これが初めてだ”、という。

彼らのレポートは曰く:

多くのタッチスクリーンと同様に、Electrickも分流効果を利用する。指がタッチパッドに触(さわ)ると、少量の電流が接地へ流れる。その物や伝導性塗装の端に複数の電極をつけることによって、Zhangと彼の同僚たちはどこでいつその分流が起きたかを特定できた。彼らはこれを、電界トモグラフィーを利用して行った — 少量の電流を二つの電極間に継続的に流し、電圧の変化に注目した。

 

作者たちが今考えているのは、対話性のある壁や、指の位置を感取してアプリを起動するスマートフォンケース、などへの利用だ。その塗装面を保護するための保護膜も、可能だ。

Zhangはこの技術を、デンバーで行われるカンファレンスHuman Factors in Computing Systemsで発表する予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ノスタルジアの限界と任天堂――コンテンツの魅力以外に必要なもの

世界の人々は新たなリンクの冒険を待ち望んでいるのだろうか?まだみんな青い甲羅を投げたがっているのか?そしてレインボーコースをもう1周しようと思っているのか?はたまた、全員ゲットし直そうとするだろうか?もしもあなたが任天堂の経営陣であれば、かつては消費者に崇拝されていたブランドがノスタルジアの限界にぶち当たり、何かとても大きなものが崩れようとしていると気づき始めている頃だろう。

幸いなことに任天堂は次のステップを踏み出す準備ができているようだが、もしもそれが上手くいかなければどうなるのだろうか?

予め伝えておくと、私は熱心な任天堂ファンだ。熱狂的なファンとまでは言わないが、任天堂にはディズニーやDCコミックス、マーベル・コミックと同じくらい文化的な価値があると思っているし、子どもたちにマリオやゼルダについて教えるのは、チェスの遊び方を教えるくらい大事なことだと思っている。任天堂はジェネレーションXの幼少時代を形成したブランドであるばかりか、どの家庭の親も任天堂のフラッグシップゲームであれば、家族全員が間違いないく楽しめると知っている。親は懐かしさから任天堂のゲームをプレイし、子どもは一風変わったディテールや色褪せないゲームの仕組みに魅了されるのだ。これこそ任天堂のゲームを、LEGOやRiskと同じくらい一般家庭に普及させた彼らの魅力だ。

しかし私がもっとも心配しているのは、任天堂キャラクターの新しい冒険を、次の世代の子どもたちが目にしなくなるかもしれないということだ。ARやVRは、私たちが知っているおもちゃや遊び部屋の概念を打ち崩そうとしており、FacebookやHTCはそこで一山当てようとしている。親の立場からしても、Wii Uを起動して引っかき傷のついたディスクをセットするよりも、何世代か前のiPadの前に子どもを座らせる方がずっと楽だ。

任天堂は今いる場所から前進していく中で、いくつかの攻撃を避けていかなければならない。ハードウェアに縛られている同社も、汎用性の高いタブレットやスマートフォンの方が、SwitchやWiiよりもよっぽど人気があるということは理解している。そこで彼らはニンテンドークラシックミニで往年のファンの心をつかもうともしたが、専用ハードウェアというのは消費者が継続的にお金をつぎこむには割高だということを思い知らされた。彼らがiOSやAndroid向けにも人気コンテンツをつくれるということも明らかになったが、4.99ドルでゲームを販売する競合企業がいるオープンな世界で、59.99ドルのゲームを売りさばくことなどできるのだろうか?

昔からのゲームにとっては受難の時期だ。数は少なくとも声の大きい保守層は、任天堂が昔ながらのラン&ガンゲームに少しでも変更を加えると騒ぎ出し、任天堂の手の届かないところでは、次々と新しいフランチャイズが誕生している。そして何より、ハードウェアの出荷という予測しづらい要素のせいで、何百万人もの潜在的なSwitchユーザーが同ハードの購入を諦めており、個人的にはこの状況が休暇シーズンに入っても続くと考えている。

私は不安と喜びを同時に感じながらSwitchをプレイしている。まだワクワクするようなゲームはそれほど出ていない。さらに私はNES(日本で言うファミコン)以来ゼルダシリーズからは離れてしまっており、日本のRPGスタイルのゲームにも過去10年の間ほとんど興味を持ったことがない。Wii Uの成功の立役者である『スプラトゥーン』はSwitchにぴったりのゲームだと思うが、まだSwitch版は発売されていない。似たような機能のもっと安いハードウェアが存在する中、ゲーム用のハードウェアに299ドルを支払って、さらにひとつひとつのゲームのために59ドルを追加で払うというのも納得がいかない。私は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が嫌いだと言っているわけではなく、任天堂はこのようなゲームをもっとたくさんスピーディーにリリースしなければいけないと考えているのだ。

そもそも任天堂は、フルスタックのゲーム会社という珍しい存在で、ゲームの全てを自分たちでコントロールしている。なぜ彼らはソフトウェアやキャラクター、そしてゲーム体験を自分たちのものにできるのだろうか?もちろんそれは、任天堂がつくる素晴らしいハードウェアのおかげだ。Switchはそれ以前のハードウェア同様、頑丈で簡単に操作でき、任天堂がつくるゲームのスタイルにも合っている。しかし、それだけでいいのだろうか?Wii UやXbox、PS4、iPad、パソコン、そして家庭にあるそれ以外の全てのデバイスが、かつてはNESが独占していた子どもの興味をひくために競い合う中、不満顔の親はさらに300ドルものお金をSwitchに使うだろうか?

ゲーム専用ハードから汎用デバイスへの移行で1番苦しむのは任天堂だ。むしろこの移行が起きていないということは、パワーで劣るiOS・Androidデバイス向けに本格的なコンテンツを制作・販売することの難しさを物語っている。人気ゲームにつきまとう経済的な動きも関係しているだろう。ひとたびモバイルデバイス向けのオープンなゲームの制作が一般化すれば、私はこの状況が変わると考えており、興味深いことに現在Switch自体がソフト会社の論理を擁護しようとしているのだ。というのも、消費者にSwitchが使われている限り、ソフト会社も自分たちのプロダクトを60ドルで販売することができる。

クリエイティビティと楽しさへの任天堂のひたむきさが、同社を業界のリーダー的存在にまで引き上げた様子を上手く表現した面白い話がある。1986年に任天堂とタッグを組んでいたSRDのプログラマーは、横だけでなく縦スクロールを取り入れた新しいゲームの仕組みを考案し、デモ版を制作した。詳しい話はこちらの記事を参照してほしいが、結局そのデモは単体のゲームとして発売されることはなく、その代わりに任天堂はマルチスクロール式の『夢工場ドキドキパニック』をリリースした。この作品は日本で大ヒットし、それを受けて(当時のアメリカでは外国製のゲームが日の目を見ることはなかった)任天堂は同ゲームをマリオプラットフォームに移管することを決めた。

任天堂のゲームプロデューサー宮本茂氏は当時、「楽しければ何でもありです」と語っていた。その後同社は『夢工場ドキドキパニック』のキャラクターをマリオシリーズのものに置き換え、『Super Mario Bros. 2』としてリリースする(日本版注:これは日本版の『スーパーマリオブラザーズ2』とは別物で、日本国外で先にリリースされた『Super Mario Bros. 2』は、後に『スーパーマリオUSA』として日本に逆輸入された)。1000万本も売れた同ゲームは、NESソフトの中では異彩を放つかなり複雑なゲームのひとつで、マリオシリーズのストーリーの大部分を固めた作品でもある。

しかし今では全てが”楽しく”なった。『スーパーマリオ ラン』も『Pokémon GO』も楽しいし、『Civilization Revolution』や『Words with Friends』をタブレット上でプレイするのも楽しい。プレイヤーの心を奪うような、ちょっと変わったゲームもさまざまなプラットフォームで楽しめるようになった。”楽しさ”で溢れる世界の中、任天堂のような企業はどのようなポジションにつくのだろうか?

ゼルダやマリオやサトシ、そして任天堂ファミリー全員がこれからもずっと私たちと一緒に時を過ごそうとしているが、それ以外のデジタルワールドのキャラクターによって彼らの存在感が薄れていく中、コンテンツの魅力やノスタルジアだけでプレイヤーを虜にし続けるのは段々と難しくなっていくだろう。家族全員が楽しめるような魅力的なゲームを任天堂がつくれるのは分かっている。ただ結局のところ、今後も全てのプレイヤーが家で座ってゲームを楽しみたいと思うかどうかが問題なのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

米国有料ケーブルテレビの契約数、史上最悪の激減

MoffettNathansonのレポートによれば、2017年第1四半期にて有料ケーブルテレビの契約数が762,000件も減ったのだとのこと。ちなみに昨年の第1四半期における減少数は141,000件だった。

アナリストのCraig Moffettは「有料テレビの契約者数は過去最悪の減少傾向(-2.4%)を示している」と述べている。2013年からみると、「コードカッター」(cord-cutter:有料テレビの契約をやめた件数)および「コードネバー」(cord-never:有料テレビ契約を行ったことのない視聴者)のひとたちが650万件増加しているのだそうだ。

こうした傾向が示すのはなにか。まずは有料テレビの契約解除(cord cutting)が、一般的な風潮となってきていることを意味する。多くのテレビプログラムがストリーミングで提供されるようになったこともあり、面白い番組を発見して楽しむ、という視聴スタイルも減ってきた。ネットワーク局としては、コンテンツを視聴者に届けるまでのハードルが非常に高くなっているわけだ。NetflixやHuluなどが、見たい番組を見るというスタイルを強調して、有料テレビから視聴者を奪ったという側面もある。スポーツや海外番組などはストリーミングで提供されるのが一般的となり、今後もますますこの傾向が強まると考えられている。

こうした動きの中、もちろんケーブルテレビ会社も手をこまねいているわけではない。また、Huluなどへの契約者流出は一時的なものであるという人もいる。しかしMoffettは、その主張を否定している。

「理由がなんであるにせよ、現在が最悪の時期であると考えるのは甘いように思える。むしろ、ここがスタートだと認識すべきだろう」と、Moffettは述べている

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(翻訳:Maeda, H

起業、失敗、そして新しい挑戦――私が起業から学んだこと

創造への欲求というのはなかなか消すことができない。私も人生を通してこの欲求を感じてきた。小学校時代の友人Rickとつくった漫画や曲、執筆した(そして執筆しようとした)本、これまでにつくり上げてきた数々のプロジェクトまで、その例を挙げると枚挙にいとまがない。今日の世界では、オンライン上で意義のあるものをつくるのはある意味簡単で、ある意味難しい。だからこそ私は、昨年あるスタートアップを畳んだ後に、Jaywalkというプロダクトを新しいチームと共に作ろうと決めた。

初めて設立したスタートアップからは多くのことを学ぶことができた。企業家精神そのものについても学べたし、会社設立から、資金調達、そして最終的に会社を畳むまでの浮き沈み(主に沈み)も経験できた。何かを夢見て、その夢が消えようとする中で生まれる特別なプレッシャーに押しつぶされ、ある友人との関係はねじ曲がり、また別の友人との関係は崩壊した。

起業は決して愉快なものではないのだ。

結局のところ、私は自分が特別だと思っていた。長い間スタートアップ業界について書いていたし、私自身は生意気でちょっと変わっていて、何か意味あるものをつくろうとしている人が経験しなければならない痛みについては何も知らなかった。もちろんシードラウンドやエンジェル投資家、開発やメディア露出など机上の知識は持ち合わせていたが、実際に起きることを身をもって経験していなかったのだ。今ではそうじゃないと思いたい。少なくともこれまでの経験から、未来についてもっと現実的に考えられるようにはなっただろう。

テックメディアは、スタートアップをまるで何かのパーティーかのように見せている。友だちとたむろして、少しだけコーディングして、そうすればお金が手に入るといった感じで。若い頃はラーメンを食べてヘビメタを聞いていれば生きていけたし、会社をひとつ潰しても無傷で次の目標に向かえる。アクション映画の中で、爆発するヘリコプターを背後に立ち去っていくヒーローのように。

しかし現実はもっと奥深い。まず、アメリカに住むスタートアップファウンダーの平均年齢(かつ年齢の中央値)は39歳だ。世界をまたにかける若いファウンダーの話を耳にすることが多い一方で、何年もの経験を持った、もっと年上のファウンダーの話を聞くことはめったにない。ある業界について熟知しているであろう彼らは、経験を活かしたアイディアでその業界を変えようとしているのだ。良いスタートアップというのは、従来のビジネスを文字通り”破壊(ディスラプト)”するわけではない。彼らは物事を改善し、そのような努力が集積した結果として既存のやり方が破壊されるのだ。

また、私は起業を経験したことで、以前よりも人を思いやれるようになった。それ以前の私は、世界中を駆け回って、仕事を辞めてやらなければいけないことをやり、できるだけ速く前進して改革していけと声高に叫んでいた。それも今は昔の話だ。今では副業やサイドプロジェクトの価値も理解しているし、事前の調査や計画の重要性についても知った。スタートアップが成功する確率がどれだけ低いかも分かったし、今では私なりのやり方で、来たる日が来るまで世界は冷たく無慈悲で自分のアイディアには興味がないということを(私のように)理解しつつある、遠く離れた地に住む新米ファウンダーの悲しみを和らげようとしている。数々の口論や失敗、気まずい沈黙の中、彼らを支えているのはいつか起きるであろうブレイクスルーへの期待なのだ。

さらに私は、VCの良さや危険性、自己資金でのスタートアップ運営に誇りを持っている人たちの気持ち、さらには小さな街で光る起業家精神の大切さについても学んだ。なぜ起業経験が将来の役に立つのかということも分かった。だからこそ私は、さまざまな場所を訪れてスタートアップのファウンダーと会うときには、いつもよりも親切に、そして否定的になるのではなく救いの手を差し伸べるように努めている。ようやく私も「親切であれ、誰もが厳しい戦いを強いられているのだ」という古い言葉の意味を理解したのだ。

幸運にも私の周りには賢い人たちがいる。最近立ち上げたJaywalkでは、私にとって初めてのスタートアップでも運命を共にした、大学時代からの友人Richと再びタッグを組むことになった。コロラド州ボールダーで行われているアクセラレータープログラムのBoomtown内で出会った強固なチームも加わり、現在私たちは開発・UXチームを構築しながら、近所を歩き回って新しいものを発見することの喜びを味わえるようなアプリを開発している。このアプリが私にとってとても大切な理由はいくつかある。その中でも分かりやすいのが、子どもを外に連れ出すときに、公園に行こうと言うよりも帰りにクッキーを買おうと言う方がずっと楽というものだ。私たちは、人々を携帯電話の世界から現実世界に呼び戻そうとしているのだ。

1年前くらいに、最初のスタートアップが失敗に終わった後どのように感じたか、というテーマで講演を行った。「This is fine」という講演のタイトルは、火の上がった喫茶店の中で座っている犬が描かれた漫画からとったもの。そして私は次の言葉に焦点を当てた。

「人生に火をともしなさい。そしてその火をあおいでくれる人を探しなさい」
ルーミー

当初私はこの言葉に困惑し、スピリチュアルなデタラメだと思っていた。スタートアップの失敗に困り果てていた私は、この言葉を警告のように捉え、「人生に火をつけ、燃え上がる様子を眺めておけ。この愚か者」という意味だと理解したのだ。しかも、私が実際にやっていたことと、この理解はマッチしていた。素晴らしいフルタイムの仕事を辞め、家族をリスクにさらし、愛を持って接していた人たちとの関係を壊し、まさに人生が燃え上がっていた私に、ルーミーはさらにその火を燃え上がらせろと言っている。燃え上がった私の人生をどうあおぐかで誰が敵かわかるだろう、と彼は言っているのだと私は考えていたのだ。

完全に間違っていた。

その後、このルーミーの言葉は全く別のことを意味していることに気がついた。私を成長させ、人生という冒険の可能性を最大限に引き出す手助けをしてくれるような仲間を見つけろ、というのが本当の意味だったのだ。自分の心にともされた火を大きくしてくれるような人。燃え尽きるのではなく、明るく燃え上がるのを手伝ってくれるような人だ。

そして私は、家族や友人、オンラインコミュニティーの中にそんな人がいることに気づいた。さらにはアクセラレーターで早くから私たちの可能性にかけてくれた人、そして一緒にプロダクトをつくっている仲間にもそんな人がいた。

私はこれまでの20年間、心理的に閉じこめられた状態で執筆活動を行ってきた。私にとって、何かをつくるというのは孤独な道のりだった。しかし私の火をあおいでくれる仲間が、屋根裏部屋のようなところに閉じこもった私を引っ張り出してくれ、ようやく私は誰かと何かをつくりはじめることができた。コンサートで複数の音楽家がひとつの演奏をつくりあげるような、この取り組みこそが人間を人間たらしめるものなのだ。私の仲間は、燃え尽きようとする私に追い打ちをかけるのではなく、闇に光をあてるために私の心の火を燃え上がらせてくれた。

何か新しいものをつくっている、ということを伝える内容としてはかなり長くなってしまったが、何かニュースがあればまたお知らせしたい。もしもあなたが何か必要であれば声をかけてほしい。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

ロックンロールキッズ向けLoogギターに新モデル登場

Rafael Atijasという音楽講師の運営するギターメーカーがニューヨークにある。名前をLoogという。売り出しているのは、3歳以上の子供をメインターゲットとした3弦ギターだ。小さな頃にプレイしていたうちの子供たちによれば、Loogは簡単で楽しい楽器であったとのこと。

今回Kickstarterに登場した新モデルは、3歳以上向けのMiniと、8歳以上向けのProだ。Miniの方はウクレレサイズのギターとなっている。Proの方はアコースティックモデルと、ニッキー・シックス(Nikki Sixx)ないしジョン・メイヤー気分で楽しめる(もちろん練習は必要だ)エレキモデルが用意されている。

Kickstarterキャンペーンは始まったばかりだが、すでに目標額の倍以上の金額を調達している。ギターの出荷予定は6月だ。完成品として納入されるので、手に入れればすぐにロックンロールを楽しむことができる。

「12歳の頃に、バンドを始めようと思ったんだ。当時はギターの弾き方すら知らなかったけどね。そして、ギターを習うのには遅すぎるだろうと考えていたね。これから習ったら一生かかると思ったわけさ。弦の本数が少ないベースのほうが簡単なんじゃないかと考えたりもしたね。たぶんそのときから、頭の中にLoog Guitarのアイデアが生まれたんだと思う」と、Atijasは言っている。以来、彼は子供向けに、より小さくて練習も簡単なギターを生み出そうとしてきた。頭にあったのは、弦が少なければ練習も簡単に違いないというアイデアだったわけだ。

「初心者の子供相手に考えたプロダクトだけに、値段はおさえてあるよ。ただデザインは凝っているつもりだ。弾いて楽しくなけりゃ楽器じゃないからね」とのこと。

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ギターにはアプリケーションおよび暗記カードがついてくる。カードはギターのコードを覚えるためのものだ。カラーバリエーションも用意され、Miniの価格は59ドルから、そしてProの方は159ドルとなっている。なお、アコースティック版の方のProは129ドルだ。

The Devil Went Down To GeorgiaやWhile My Guitar Gently Weepsなどに興味を持つお子さんをお持ちなら、Loogギターを渡せばきっと才能を開花させるのではないだろうか。

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(翻訳:Maeda, H

BrickerBotワームは安全でないIoTデバイスを無能化してセキュリティ管理者の自覚を促す

The Janitorと呼ばれるハッカーが作った、バージョンが複数あるプログラムBrickerBotは、安全でないIoTデバイスを見つけて、それを動作不能にする。セキュリティ研究家のPascal Geenensがそのワームを数週間追跡し、感染したWebカメラなどのIoTデバイスを破壊する様子を目撃した。

それらのデバイスはすべてBusyBoxと呼ばれるLinuxパッケージを使っており、telnetインタフェイスをデフォルトのパスワードで露出していた。そのようなデバイスは容易にMiraiボットネットの餌食になり、DoS攻撃の武器にされてしまう。

BrickerBotはこれらのデバイスを見つけて、無能化する。最初のバージョンは約1000のデバイスを攻撃し、次のバージョンは数千かそれ以上を攻撃した。デバイスの内部メモリをフォーマットすることによって、それらを無能にする。

Janitorはこう書いている: “2016年の、IoTボットネットによるDDoS無差別攻撃には、ぼくもびっくりした。大規模な攻撃があれば業界が立ち上がって対策するだろう、と思ったけど、数か月という記録破りの攻撃が続き、あらゆる真剣な対策が講じられたにもかかわらず、通常の方法で問題を迅速に解決することはできなかった。ぼくは自分のプロジェクトを、‘インターネットの化学療法’だと思っている。ぼく自身はまあ、それのお医者さんだ(ジョークだけどね)。化学療法は辛い治療法だから、健康な患者には決して適用しない。でもインターネットは2016年のQ3とQ4に重症の病気になり、穏やかな治療法は効果がなかった”。

こんな、正義の使者を自称する自己正当化は、おもしろいし、しかも巧妙だ。ユーザーが自分のシステムのセキュリティを怠った場合、ちょっと痛い目に遭った方が、彼らの真剣な対応を促すだろう。そして、管理者のパスワードを、デフォルトのままにするようなずさんさから、卒業できるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

物語を秘める廃材から美しい木製のスマートフォンケースを作るピッツバーグのKerf Cases社

一見ふつうの形をしているiPhoneケースだけど、これはカリフォルニアの隠退した木工職人から提供されたクルミ材を成形して作ったもので、そのよく磨かれた表面はアンティークの高級家具を思わせる。だからピッツバーグのそのメーカー企業Kerf Casesも、とってもクールな会社だ。

ファウンダーのBen Saksは、生涯を木工に捧げてきた。カーネギーメロン大学の仕事をしたとき、手回しのフライス盤を使って初めての木製iPhoneケースを作り、その後6か月でそのデザインを完成させた。2014年に彼は、ピッツバーグのスタートアップ育成事業/施設AlphaLab Gearの専属デザイナーになりその後、そのワークショップTechship Pittsburghで自分の製品を磨いた。今ではピッツバーグのイーストエンドに、自分の工房Kerf Cases社がある。

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Saksは、iPhoneとPixelのケースを作っている。お値段は99ドルからで、材はマホガニー、チェリー(サクラ)、メープル(カエデ)などだ。どれも廃材で、Saksは財布やiPadのアクセサリも作っている。

“‘Kerf’は、鋸の刃から取り除いた材の厚さの単位で、通常は1/1000インチのことだ。この木工職人たちの専門用語が、KerfCaseのフィロソフィーを表している。うちの木製のiPhoneケースの精密さも、表しているんだ”、とSaksは語る。“どの木片にもストーリーがある。フローリングの廃材にも、嵐にやられた地元の木の美しい節瘤(ふしこぶ)にもね。そのストーリーの続きを作ることが、うちの木工なんだ。そして人びとを、素材が持つ歴史に結びつける”。

“Kerfはスタートアップではない。これを実現するまでに何年もかかっている。ソフトウェアみたいなスケーラビリティとは無縁だ。スケールしたら、うちのビジネスのいちばん重要な部分を失う。うちは、ゆっくりと、自然の中の生物のように、オーガニックに成長してきた。それは、口コミと、熱心なファンたちのおかげだ”、と彼は語る。

ぼくが試したケースは、深い暗色のクルミ材製で、触ると滑らかでクール、まわりがすべて木だから、スピーカーの音が増幅される。とても軽いし、本来のゴム製のケースよりずっといい。目の見えない木彫彫刻士が作った豪華な象眼入りの木製ケースではないけど、たぶんそれに次ぐものだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

動画の次はオーディオ―、群雄割拠のメディア界で成長を続けるポッドキャスト

ライターが目を引くタイトルでPVを稼ごうとする中、教養があり新しいコンテンツを求めているモバイルリーダーが、モバイル”リスナー”へと変化しつつある。文字に起こされたニュースが、あらゆる角度から消費者に向かってなだれ込んでいる一方で、イヤホンを通して私たちに優しく語りかけてくるメディアが存在する。そう、ポッドキャストだ。その内容は、体制への反抗や映画評論、亡くなった人とその人の遺産に関する長編ストーリーなど多岐にわたる。

まず、ポッドキャストがだんだんと消費者の間に普及しはじめているというのは間違いないだろう。かつては、ノートパソコンのスペックやケムトレイル(飛行機雲に見せかけて化学物質を散布し、誰かが人口操作を行っているとする陰謀論)に関して、素人がボソボソと喋っているだけにすぎなかったポッドキャストが、今では一大ビジネスとなり、リスナーは真剣にポッドキャストを聞いているのだ。そこで私は、ポッドキャストが長編のジャーナリズム作品や評論作品を消費する上でのデフォルトのメディアへと成長し、ライターやジャーナリストもポッドキャストに注目しなければいけないのではないかと考えている。

ポッドキャストのジャンル:①誰かが何かについて熱く語ってるもの ②何を言ってるかよくわからないもの ③ミレニアル世代がお互いについて話しているもの ④20分未満に作り直すべきもの

まずはポッドキャストに関する数字を見てみよう。過去6年間の間に、12歳以上のアメリカ人でポッドキャストを聞いてことがある人の割合は、23%から36%へと13%増加した。さらにLibsynがホストしているポッドキャストの数も、2012年の1万2000番組から2016年には2万8000番組にまで増えている。米ラジオ局のWNYCは、1500万ドルの調達資金を使って”ポッドキャスト部門”まで立ち上げた。また、アメリカ南部に住む一風変わった時計技師の人生を追ったシリーズは大ヒットし、ローンチ以降180万人もの登録者を獲得している。

ケーブルテレビやウェブメディアに比べれば、ポッドキャストの規模はまだ小さい。TechCrunch(英語版)を見てみても、公式ツイッターのフォロワー数は800万人以上で、PVは数時間で180万に達する。しかし、情報自体に価値はあるが、情報を受け取る側に長文を読むだけの時間と体力がないという分野では、文字メディアの力がグッと下がる。実際に私の知人のシステム・アドミニストレーターは、毎日の通勤時間を利用して何百という数のポッドキャストを聞いている。その人以外にも、サークルビルからコロンブス、バックスカウンティーからマンハッタンへと毎日移動する無数の長距離通勤者にとって、ポッドキャストは欠かせない存在だ。つまり、ポッドキャストは新時代のラジオトーク番組となり、(少なくとも調べられる範囲では)公共ラジオのリスナーの支持を獲得しつつある。

また、スポークン・ワードの人気は長らく停滞していたが、それも変わろうとしている。スポーツファンやベビーブーマーに人気のラジオトーク番組だが、長い文章を読むのが好きな人には、これまで全く目も向けられていなかった。しかし現在、ポッドキャストがゆっくりと文章に取って代わろうとしている。素晴らしいノンフィクション作品の数々が、『This American Life』や『Serial』といったポッドキャストの形をとってリリースされ、少し前のオンデマンド動画のように、オンデマンドオーディオが”次なる大ブーム”になろうとしているのだ。

それでは、この記事の大げさなタイトル(原文タイトル:Can podcasting truly save the world?=ポッドキャストは本当に世界を救えるか?)に立ち返ってみよう。まず、世界中の人々はネットに長編の文章を求めていると仮定する。個人的にはこれは真実だと思っている。私たちは物語が好きだし、長い物語を音声で楽しむというのは素晴らしいことだ。というのも、音声という形式をとることで、時間や注意力といった長い文章を読むのにかかるコスト(そもそもそこまでかからないとは言え)を最小化できる。

次に、各ポッドキャストの質も向上している。これは数字から証明できることだ。Libsynがホストしているポッドキャストの多くは、『Radiolab』や『Serial』とほど掘り下げた内容ではないものの、少なくとも『Hardcore History』や『A History of the World in 100 Objects』のような作品は、知的好奇心旺盛なリスナーを対象とし、これまでに数千ダウンロードを記録している。

こうして、ポッドキャストという形をとった、素晴らしいコンテンツが無料で配信されているのだ。そして、通常新たなコンテンツは、既存のコンテンツを代替することになる。新聞報道を真似たブログが、ある程度許容できるコンテンツを世に配信し始めると、ブログが新聞に取って代わった。また、ウェブサイトや掲示板に掲載されている製品レビューがコンピューター雑誌の内容を凌駕し始めると、雑誌の発行部数が減少した。ポッドキャストも同様に、消費者をノンフィクション作品の世界に連れ戻し、消耗的ではなく観想的なメディアを推進することで、世界を変えていくだろう。

私はポッドキャスト人気が高まるにつれて、テレビやラジオの人気が下がってくると予想している。ニュースや評論、歴史番組はポッドキャストと相性がよく、ユーザーは、日々のニュースポッドキャストを空いた時間に聞くのと同じくらい簡単に、人気の長編ポッドキャストをゆっくりと時間をかけて楽しむことができる。さらに、テレビ番組やラジオ番組の趣向は制作側に委ねられているが、ポッドキャストであればどんな人の好みにも合う作品が揃っている。もしもHoward Sternのラジオ番組を聞く時間を使って、同じくらい下品でありながら、もっと得るものがあるポッドキャストを3エピソード分聞けるとしたら、わざわざ彼のラジオ番組に耳を傾けるだろうか?

私たちには文字を読む時間はないが、ポッドキャストを聞く時間ならある。ギャンブルの場に身をおいているとすれば、私はポッドキャスト人気が今後右肩上がりに高まっていくことに賭けるだろうし、もしもこれからメディアの世界に入ろうと考えているならば、ポッドキャストの制作や営業のノウハウについて学ぼうとするだろう。私たちの目の前で、ここまであるモノが大きな成長を遂げるのも珍しい。今後ポッドキャストからは目(もしくは耳)が離せない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

ギターの自動チューナーRoadieがバージョン2を発表、ベース専用機も登場

初代のRoadieチューナーは、プラスチックケースに収まった奇跡だった。その小さなデバイスをスマートフォンにつなぐと、ギターのマシン・ヘッド(小さなチューニングノブ)を回して正しい位置にする。実に、見事だった。

そして今度のRoadie 2は、ギターを自力で(スマートフォン不要で)毎日一晩中チューニングする。Roadie 2とRoadie Bassがそれぞれ別のチューナーで、スマートフォンのアプリから目的のチューニングをロードする。目的のチューニングがロードされたら、デバイスの小さな画面をスクロールしてチューニングタスクをセットする。あとは、デバイスの振動〔==音の周波数〕検出システムがすべての仕事をする。完全に緩んだ弦でも、その弦を指定すれば正しく張る。

ひとことで言うとこれは、最初のRoadieの良いとこ+使用中にスマートフォンは要らない、だ。(最初に、使用するチューニングをロードするときだけ。)

とにかくRoadieがあるとセットアップの時間が短くて、すぐに演奏を初められる。ジミーがいなくなったり、ジョーディーが結婚したりして、さびしくなっても、Roadieがあればすぐに、ギターがぼくを慰める。弦はいつも綺麗で、血はつかない。ストラトキャスターでも5ドル10セントで買ったのでも、立派に仕事をする。

どちらも金属製のギアを使って、トルクを稼いでいる。ベース用は弦が重いから、ややトルクが強い。Kickstarterで初期の支援者は79ドルで買えるが、発売は10月だ。発送は申し込み順に行われるから、待ちきれない人は早めに79ドル(またはそれ以上)を支援しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

群衆写真中の小さな顔の位置を特定する新技術

顔が鮮明でカメラに近ければ、風景の中でそれらの位置を特定することは容易だ。しかし、個々の顔が小さな、グループ写真の場合はどうだろう?これが、私が思うに、ロボットにはより難しいのだ。

カーネギーメロン大学のロボット工学の准教授Deva Ramananと、ロボット工学のPh.D.学生であるPeiyun Huは、映像のコンテキストを評価することでこの課題に挑んでいる。単に2つの眼と口だけを見る代わりに、システムは体、腕、脚、その他の、顔が近くにあることを示唆する部位も探す。

「それは誰かの手に持たれた爪楊枝を特定するようなものです」とRamanan。「もしだれかが爪楊枝を使っているのだろうというヒントがあるなら、爪楊枝の位置特定は比較的容易です。その目的のために、指の方向や、手の動きや位置が主要な手掛かりとなります」。

システムを使うと「エラーが半分に減り」、発見された顔の81%が本当の顔だった(「従来の手法では29から64%の発見率だった」)。例えばこの手法を使うと、携帯電話があなたと猫の顔を取り違えることはない。このシステムはまた、群衆の中の小さな顔を見つけ、よりよい人数の数え上げを行うことができる。

リリースから:

彼とHuが開発した手法は、人間の視覚が構成される方法に似たやり方でコンテキストをエンコードする「中心窩記述子」(foveal descriptors)を用いている。人間の視覚の中心が、視力が最高になる網膜の中心窩に焦点を当てているように、中心窩記述子は小さなイメージの断片に対して、周囲がよりぼかされた状態のシャープなディテールを提供する。

周辺画像をぼかすことで、中心窩記述子は、高いフォーカスの中の画像の断片の理解に対する、十分なコンテキストを与える。一方計算量はそれほどは多くはならない。これによってHuとRamananのシステムは、小さな顔が含まれているかどうかを判定する際に、断片から比較的離れたピクセルを利用することができる。

さて、おそらく私たちは、いまや群衆の中に何人の人がいるかが分かるようになった。例えば、サッカーの試合、パーティ、そして就任式に。

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(翻訳:Sako)

MatrixのVoiceボードがあればRaspberry Piで動くAlexaを作れる

Matrix Labsが、Raspberry Pi用の音声認識AIのクラウドファンディングに成功した。これがあれば誰でも、自分ちの地下室でAlexaを作れるだろう。Rodolfo SaccomanとBrian Sanchezが初めて作ったボード製品Creatorは、Raspberry Piの上部にフィットし(上図)、8つのマイクロフォン、温度センサー、紫外線センサー、圧力センサー、3Dの位置センサーなどがついている。しかし、もっとシンプルなVoiceは、直径3.14インチのボード上にオープンソースの音声認識プラットホームVOICE RECOGNITIONを搭載し、花びら状に配置した7つのMEMSマイクロフォンがXilinx Spartan6 FPGAと64 Mbit SDRAMに接続され、そして18個のRGBW LEDと64のGPIOを装備している。つまり、音声認識によるライトショーが可能だ。

99ドルのVoiceはもうすぐ発売だが、Creatorはここで買える

同社はAzoic VenturesとRokk3r Labsから生まれ、これまでに580万ドルを調達した。99ドルの新製品は、オンラインでもうすぐ発売される(上述)。基本的にMatrixが目指しているのは、ロボットの自作キットだ。

Saccomanは曰く、“目標は人びとのアプリケーションや事業やアイデアを実現可能にするイネーブラー(enabler, 可能にするもの)をハードウェアで提供することだ。とくに、機械学習やコンピュータービジョン、人工知能などを初心者のデベロッパーでも簡単に利用・実装できるようにしたい”。

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ご覧のようにVoiceとCreatorはRaspberry Piの上部にフィットして、相当高度な機能性を提供する。DIYファンが主なターゲットだが、完全にオープンソースなので製品のベースとしても気軽に使える。すばらしくクールなキットだから、将来の地球を征服するロボットがRaspberry Piで動いていたら、歓迎するね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ホウレンソウの葉が血管網の生成を助けるなど再生医療で大活躍

あなたがサラダは健康にいいと思っているまさにそのときに、ウースター工科大学の研究者たちは、脱細胞したホウレンソウの葉で、医師が器官を再生するときに必要とする血管網を作れることを発見した。このプロジェクトを専門誌Biomaterialsが特集しており、現状はまだ概念実証の段階だが、その真価は、別のもので前にあった血管系を代行できることを証明した点にある。

研究者たちはこう書いている: “セルロースには生体適合性があり、これまでも、軟骨組織や骨の組織の再生医療への利用や、傷の治療などに広く利用されている”。

そこで、ホウレンソウの葉のようなものを、デリケートな体組織のためのカバーや足場として利用できるのだ。このような葉は損傷した心臓の組織に酸素を送って、新しい器官や再生組織が移植後に死なないようにする。また、これらの酸素ポンプ役の葉は、シェフがすばらしいサラダを作るためにも使える。


[ホウレンソウの葉が血液を運んで人間の組織を成長させる]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))