このハックは音声を利用する仮想モデムでインターネットに接続する

伝説のプログラマーMartin Kirkholt Melhusは、インターネットのない会社で仕事をしていたことがある。でも、そこでの仕事はStackOverflowからコピペすればできるようなものばっかりなので、彼はネットを使いたいと思った。そこで彼は、彼のスピーカーとマイクロフォンを(理論上は使えるはずの)モデムに改造した。“それはギミックであり、概念実証のつもりだった。仕事で実際に使うものではなくて”、と彼は書いている。“コメントでぼくを非難する前に、そのことを理解してもらいたい”。

そのシステムはHTML5のWeb Audio APIを使用し、テキストをモデムのトーンに換えた。スピードは当然遅いが、Pythonの大きなコードを盗んでVisual Editorへドラッグするには十分なはずだ。

Melhusは書いている:

最近ぼくは、開発用コンピューターがインターネットに接続されていない顧客のところで仕事をしていた。GoogleやStack Overflowにアクセスできないと生産性がガタ落ちになるので、とても困った。実はぼくの仕事の大半は、ブラウザーからVisual Studioへコピペすることだったんだ。

そこでは、1台のラップトップがインターネットに接続されていたし、ぼくの開発用コンピューターには3.5mmのオーディオジャックがあった。これで、問題を解決できる! Web Audioを利用して、この会社の、インターネットの「有る」と「無し」のギャップを填(う)めたのだ。

で、このお話の教訓は? おもしろくて賢いことは、いつでも人生の難関を切り拓く良い方法だ。コードはここにあり、モデムのインタフェイスはここにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ポルノサイトが人工知能でビデオをタグづけ――PornHubのシステムは出演者、場面を認識する

新しいテクノロジーを採用するのが速いのはポルノビジネスだという説がある。PornHub〔閲覧注意〕はこれが必ずしも伝説ではないことを示そうとしている。このサイトではこれまでは人力でビデオの分類、タグづけを行っていた。しかし毎日8000万の訪問者がある巨大サイトにアップされるビデオを手作業でタグづけするのは大変な作業だ。

そこで分類、タグづけのための人員を増やす代わりにPornHubではロボットを採用することにした。

PHubの副社長、Corey Priceは「われわれはファンに対してビデオやモデルに関する情報を迅速、正確に提供することによってユーザー体験を改良し、エンゲージメントをアップさせることを目指している」と語った。,そのためにはプラットフォームを最新のテクノロジーを用いて常にアップデートしていかねばならない。「サイトがナビゲーションしやすくなればユーザーがサイトに戻ってくる可能性が高くなる」という。

PHubが採用したコンピューター・ビジョン・システムは各シーンに登場する出演者を識別できるだけでなく、シーンの…なんというか、属性を認識することができる。このシステムの能力をTechCrunchのような真面目なサイトで具体的に説明するのは困難だが、ともあれシステムはリアルタイムでパフォーマーをタグづけし、パフォーマンスの種類も分類できるという。上のデモではモデルの名前が表示されている。下の画像では斜め横からでも人物を認識し、パフォーマンスの種類を分類している。

「現在われわれは50万本のフィーチャービデオでこのシステムを使っている。これにはユーザーがアップロードしたビデオも含まれる。2018年の初めまでには全ライブラリーをスキャンする予定だ。近くこのシステムはさらに多様な場面を正確に認識し、適切にタグ付けできるようになる」とPrice。

顔認識はかなり以前に開発されたテクノロジーで、現在はモバイル・アプリでも用いられているが、PHubのシステムが「ビデオをスキャンして場面を適切なカテゴリーに分類する」というのは一歩進んだ利用法だ。さて実際にどの程度正確なのだろう?

「非常に正確だ」とPriceは断言した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ReactantはiOSアプリのための新しいネイティブフレームワーク

Xcodeに戻ってもいいかなと考えている開発者たちのために、Brightifyという名のチェコの小さなチームが、iOSアプリの開発を容易にするReactantという名のフレームワークを開発した。これは、コードのライブリロードを提供するSwiftベースのフレームワークで、プログラムしながらエレメントを素早く追加することができる。

「Reactantアーキテクチャは、iOSプロジェクトをどのように構築するかを隅々まで決定します。テスト可能で再利用可能なコードを書くことを可能にしますし、きわめてスケーラブルなものです。このことは、小さなアプリの開発速度を低下させるような定型部分がない一方、アプリが成長して行くときにもそのまま使い続けることができることを意味します」と語るのはTadeas Krizだ。チームはフレームワークをGithubで公開し、少数の友人たちや家族と一緒にシステムを拡張してきた。

「アーキテクチャは既に利用可能で、私たちの作る全てのアプリケーションで用いられています。これはクライアント向けの私たちの開発と並行して開発されてきたもので、このことで、フレームワークが私たちの全ての要求を満たしていることを、公開する前に確かめることができました。そしてこの部分は現在オープンソースとして、公開されています」。

彼らはまた、アプリのレイアウトをより簡単に行なうためのUIエディタも開発している。こちらの公開は12月の予定だ。

「主要な利点は、iOS開発者なら誰でもReactantを直ちに使い始めることができるということです。なぜなら、すべてネイティブのSwiftで記述されているからです。Swiftの強力な型システムによって、開発者たちはコンパイルの時点で多くの安全性を確保することが可能になります」。

Krizと共同創業者のMichael Chlubnaは、Reactantを彼ら自身の開発に対する解決策として開発した。チームはまた、モバイルアプリ開発会社のBrightifyも運営している。このツールを利用することで、大量のコーディングを行うことなくSwiftでのアプリケーション開発をより簡単に行なうことができるようになる。アプリケーションはネイティブのiOSコードにコンパイルされるので、React Nativeのようなハイブリッドフレームワークを利用するときのような非互換性は存在しない。彼らはまた極めて充実したドキュメントを用意しているので、Reactantを選んでプログラミングを始めるための敷居は低い。

私はサンフランシスコで開催されたDisruptでチームと実際に会った。プラットホームは良く構築されており、私のような初心者には間違いなくエキサイティングな内容だった。次のプログラミングプロジェクトのために検討をする価値はあるだろう。

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(翻訳:Sako)

元気活発な小型犬の名前をつけたPocketBeagleは今の市場で最小のシングルボードコンピューターだ

25セント硬貨〔ø23mm〕を数枚並べたぐらいのLinuxマシンが必要な人いる? ここにあるよ。それはBeagleBoard PocketBeagleと呼ばれ、25ドルで買える最小のLinuxコンピューターだ。〔*: beagle, ビーグル犬。〕

ぼくがシングルボードコンピュータの大ファンである理由は簡単だ: 子どものころは、そんなものを可能にする技術がまったく存在しなかった。しかも、こんな小さなキットがRAM 512MB、Octavo SystemsのOSD3358システム-イン-パッケージ、1GHzのARM Cortex-A8プロセッサー、電源やI/Oを含む72の拡張ピンありだから、今のホビーエレクトロニクスは本当に強力だ。これだけのものを25ドルで買えることは、ほんの10年前には不可能だった。今では、ふつうだ。

PocketBeagleは完全にオープンソースで、ブートROMも載っているから、小さなLinuxの頭脳を必要とするほとんどどんなプロジェクトにも組み込める。

あなたなら、これで何ができるかな? Linuxをすこし知ってて半田ごてを使える人なら、たくさんのことができる。たとえばSDカードやUSBからオペレーティングシステムをブートして、小さな衛星を動かしたり、ドローンを制御したり、小さなゲーム機を作ったりできるだろう。コンピューターの勉強にも最適だ。beagleboard.orgのFAQから引用しよう:

PocketBeagleはお気軽な費用で、あなたのプロジェクトの一つ々々に、専用機として恒久的に貼り付けておける。PocketBeagleはとてもローコストだが、開発と製造の技術はとても高い。誤用によって壊れても、安価に交換できる。PocketBeagleはオンボードのROMから直接ブートするので、事故で書き換えられることもなく、ソフトウェアをUSBやmicroSDカードなどからロードできる。ChromeのプラグインやNode.JSで書かれたクロスプラットホームなElectronアプリケーションでボードをブートし、接続したmicroSDカードに別のLinuxのディストリビューションを加えることもできる。ボードの振る舞いは毎回つねに同じだから、このボードを使って確実に、再生可能なインストラクションを作れる。

 

これがもしも、人が飲み込めるサイズになったら、Linuxで動く胃の中で操作するゲーム機という、ぼくの長年の夢も実現するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

暗号化通貨のイーサリアム、「数年」以内にVisaの規模になるとファウンダーが発言

Ethereumの共同ファウンダー、Vitalik Buterinの頭の中は、暗号化でいっぱいだ。つまるところ彼は、インタビュアーのNavl Ravikantが「脳ウィルス」と呼ぶものが、セキュリティーと経済の真の未来出ある信じている。そして適切なインセンティブがあれば、Ethereumはクレジットカード・ネットワークや、ゲームサーバーまでも置き換えることができるという。

Buteriは世界を2種類の人々に分けている。

「bitconのことを聞いたことのある普通の人と、聞いたことのないふつうの人」だと彼は言う。Buteriのプロジェクトもそれを基本に、ブロックチェーンに実用性を付加することで、誰もが知りたがるものを作ろうとしている。

「Ethereumの基本的な考え方は、暗号化経済のアイデアと、bitcoinのように多くのアプリケーションのためのメモリーをもつ分散ネットワークを支える経済インセンティブとを組み合わせたものだ。優れたブロックチェーン・アプリケーションは、分散化と何らかの共有メモリーを必要としている」とButeriは言う。

それが彼の作ろうとしているものであり、Ethereumネットワーク上に他者が作ってくれることも願っている。

Vitalik Buterin (Ethereum Foundation) とNaval Ravikant/TechCrunch Disrupt SF 2017にて

たった今のネットワークは、多くの主流アプリケーションにとって、少々遅すぎる。

「bitcoinは1秒間に3件をほんの少し下回る数の取引を処理している。Ethereumは1秒間に5件だ。Uberは1秒間に12回利用されている。ブロックチェーンがVisaに取って代わるまでには数年かかるだろう」

Buterinは、何もかもがブロックチェーン上で動く必要はないが、多くの物が利用できるはずだと考えている。テクノロジーが進歩すれば、並列化(同時に多くのプログラムが走る)を必要とする多くのサービスを置き換えるまでに成長するだろう

「StarCraftをブロックチェーンの上で動かすこともできる。その種のことが可能だ。高いレベルのセキュリティーとスケーラビリティーによって、ほかにもさまざまなものをブロックチェーン上に構築することができる。Ethereumは、あまり多くの機能をもたない安全な基本レイヤーだ」。

「暗号化通貨の鍵は、さまざまなレベルのインセンティブにある。ブロックチェーンの合意プロトコルのセキュリティーは、インセンティブ抜きには説明できない」

アップデート:Buteriが自身の意図を明らかにした:

[念のため:私はEthereum(+plasma等)が〈Visa並みの取引規模をもつ〉と言ったのであって、「Visaに取って代わる」とは言っていない]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleよ、ロレックスに勝つのは難しくない

昨日(米国時間9/12)、Apple Watchがほとんどの主要時計メーカーを売り上げで上回ったとき、インターネットがざわついた。Apple WatchがRolexやOmegaなどの高級時計メーカーより多く売れたからといって驚くにあたらない。驚くべきは、RolexとOmegaがこの負け戦をいまだに戦い続けていることだ。

たとえば、Rolexの市場を考えてみて欲しい。私は、Rolexオーナーのほぼ全員がApple Watchを持っていることに賭けてもいいが、Apple WatchオーナーでRolexを持っている割合はごくわずかだ。多くの人にとってApple Watchは所有する唯一の腕時計であり、もしスマートウォッチというものがなければ、そもそも時計を身につけなかった人たちだ。先週長々と書いたとおり、Apple Watchを身につけるのは、これが最高のスマートウォッチだからであり、おそらく所有する最後の腕時計になるだろう。

Appleは間違いなく、売上の数字を誇りを持っている。具体的な数字を語ることは少ないが、われわれの推計によると、Apple Watchは昨年60億ドルの売り上げを立てたのに対して、Rolexは2015年に45億ドルを売り上げている。これは、Appleが1つの製品だけで、Rolexの全製品ラインの売上を越えたことを意味している。

これは、高級腕時計の世界の現状を表している。ごくわずかな非常に特別で非常に高価な製品を除いて、2000ドル以上の高級腕時計はほとんどが今や汎用製品だ。Rolexは1台か2台の時計を売って45億ドルの収益を上げたわけではない。かりに平均的Rolexの値段が8000ドルだとしても、Rolexは約50万台を売ったことになる。これはRolexが、ほかの人気スマートウォッチほど多くは売れていないが、まったく手に入らないと言われないほどには売れているという意味だ。高級腕時計メーカーは、われわれに彼らの製品は引っ張りだこで入手困難だと思って欲しいようだが ―― 稀少性を偽装することさえある ―― どの会社も一台でも多く時計を売るビジネスを続けていることは明らかだ

たしかに製造にかかる手間が増え、分解掃除なしで何年も ―― あるいは何十年も ―― 使えるほど頑強な精密機械を作るのに必要なスキルを持つ人は消えつつある。しかし時計業界は、まず1970年代にクォーツ時計を無視して大きな痛手を受け、今またスマートウォッチでも、雨が上がる前に傘を売り切ろうとパニックになっている売店の店主のような失敗を繰り返している。

つまるところ、ロレックスやオメガやカルティエを抜くのは難しくない。数百万の人たちが使いたくなる安くて良い製品を作ればいいだけだ。むしろ本当に驚きなのは、RolexやOmegaやCartierが未だに競争相手だとみなされていることだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

このバッテリー不要の携帯電話は太陽光と高周波で動く

OLEDも切り欠きも関係ない。周囲からパワーを吸収して充電せずに携帯電話が使えるなら。

この大胆な携帯電話は、Google Facaulty Researchという研究プロジェクトの一環で作られたもので、全米科学財団から計200万ドルの助成金を受けている。この資金を使って開発者のVamsi Tallaは、通常の携帯通話で緊急サービスにかけられるワンボード電話を作った。研究チームはJeeva Wireless社と組んで製品化を進めている

According to IEEEによると、Skype通話も可能らしい。

この電話機は、電力を太陽光または近くの携帯電話基地局から発せられた無線周波数波から受け取る。バックスキャッタリングと呼ばれる技術を使って同じ電波を変調、反射して基地局に戻すことで、音声通話を発信することができる。

Skypeの音声通話もできたので、このプロトタイプ ―― 市販部品のみで作られている ―― は基地局と通信できるだけでなく、Skypeのようなアプリも動かせることが証明された。この電話機の消費電力はわずか3マイクロワット ―― これは今のスマートフォンと比べて約1万分の1にあたる。

このテクノロジーは、携帯基地局の変更をほとんど必要としていないため、将来この機能をほとんどの携帯電話に付加することは簡単だとTallaは言う。TallaはEインク表示装置を付加することも考えているので、バッテリーレス電話にスマートフォンの非常に基本的な機能をもたせることも可能になる。現在のモデルは最低1ドルで製造できるので、途上国での利用にも理想的だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新たに発見されたBluetoothの脆弱性はスマートフォンを10秒で乗っ取られる

セキュリティ企業のArmisが8つのエクスプロイトを見つけ、まとめてBlueBorneと名付けた。それらを利用すると、スマートフォンの本体に触ることなくアクセスして攻撃できる。スマートフォンだけでなく、Bluetoothを使っているコンピューターやIoTなどにも、同じ弱点がある。

Armisは、Bluetoothを使っているさまざまなプラットホームに、もっと多くの脆弱性がある、と考えている。これらの脆弱性は常時機能しており、したがって攻撃がつねに成功することを、Armisはデモで示した。アタックベクタBlueBorneは、コードのリモート実行や中間者攻撃など、大規模な犯行にも利用できる。

SeguruのCEO Ralph Echemendiaは語る: “BlueBorneはどんなデバイスでも被害者にしてしまう。Bluetoothがブルーでなくブラックになってしまう。この件では、セキュリティのための(システムの)手術が必要だろう”。

このビデオでお分かりのように、これらのエクスプロイトによりハッカーはデバイスを見つけ、Bluetoothで接続し、画面とアプリをコントロールしはじめる。ただしそれは、完全にお忍びではない。エクスプロイトを利用するとき、デバイスを“起こして”しまうからだ。

この複雑なアタックベクタは、ハックするデバイスを見つけることから仕事を開始する。そしてデバイスに自分の情報を開示させ、かつて多くのWebサーバーにパスワードなどをリモートで表示させた“heartbleedにとてもよく似た手口で”、キーとパスワードを盗む。

次は一連のコードを実行してデバイスの完全なコントロールを握る。研究者たちはこう書いている: “この脆弱性はBluetooth Network Encapsulation Protocol(BNEP)にあり、Bluetoothによる接続(テザリング)でインターネットの共有を可能にする。BNEPサービスの欠陥によりハッカーはメモリを破壊し、デバイス上でコードを実行できるようになる。それ以降デバイスは、完全に犯人のコントロール下にある”。

次にハッカーは、デバイス上のデータを“中間者攻撃”でストリーミングできるようになる。

“その脆弱性はBluetoothスタックのPANプロフィールにあり、犯人は被害者のデバイス上に悪質なネットワークインタフェイスを作れるようになり、IPルーティングの構成を変えて、デバイスがすべての通信をその悪質なネットワークインタフェイスから送信するよう強制する。この攻撃には、ユーザーの対話的アクションや認証やペアリングを必要としないので、ユーザーにとっては実質的に不可視である。

WindowsとiOSのスマートフォンは保護されており、Googleのユーザーは今日(米国時間9/12)パッチを受け取る。Androidの古いバージョンやLinuxのユーザーは、安全ではない。

安全を確保するためには、デバイスを定期的にアップデートするとともに、古いIoTデバイスの使用をやめること。大手企業の多くがBlueBorneベクタに関連した問題のほとんどにすでにパッチを当てているから安心だが、マイナーなメーカーが作ったデバイスは危ないかもしれない。

Armisはこう書いている: “ネットワークを利用する新しい犯行には、新しい対策が必要だ。既存の防備が役に立たないこともある。また消費者や企業向けに新しいプロトコルを使うときには、事前に十分な注意と調査が必要だ。デスクトップとモバイルとIoTを合わせたデバイスの総数は増加する一方だから、このようなタイプの脆弱性が悪用されないようにすることが、きわめて重要だ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

人の感情に反応して動く3Dプリントで作ったソフトロボットのマスク、でも一体何のため?

この奇妙奇天烈なマスクは、キティーちゃんと人の顔に貼り付いて血を吸うエイリアン(face-hugger)のあいの子みたいだが、ソフトな電子回路と着色した液体でできている。これはSirou Peng, Adi Meyer, そしてSilvia Ruedaらの修士論文のプロジェクトがベースで、ハーバード大学のSoft Robotics Toolkitを使用している。

マスクは着用者の顔の各部に対応し、筋肉センサーMyowareを使って、笑ったり、眉をひそめたり、心配したりしたときのパターンを判別する。そしてマスクが感知した感情に応じて、毛細管から液体を射出したり吸ったりする。それによって、マスクの装着者が今何を感じているかを、非常に奇妙な形で表す。

なんでこんなものを? うーん、Burning Manはもう終わっちゃったから、次はハロウィーンで使えるかな。それ以外では、自分の感情を多くのオーディエンスにブロードキャストすることに使えるだろう。 そう、世界は3Dプリントされたソフトロボットのシリコン製マスクだ、ということわざもあったよね。

自分で作ってみたい人は、ここへどうぞ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Ahoy.aiは1通のメールやSlackメッセージでミーティング予定を調整するサービス

Ahoy, mateys!(よう、お仲間!) オハイオ州コロンバスに拠点を置くAhoy.aiが、たった一通の電子メールまたはSlackでアンタ(ye)の仕事のスケジューリングを片付けようとしているぜ(Ahoy!という呼びかけは船乗りの使う呼びかけの言葉)。

AhoyはJesse RoweとAlex Ogorekによって開発された。Roweはオハイオ州立大学の4年生で、これが最初の最初の会社だ。オハイオ州の小さなファンドから1万4000ドルを調達して、彼のアイデアを広めようとしている。

「私たちの競合相手のほとんどは、いまだに電子メールのやりとりを行なっています」とRowe。「”x.ai、Clara Labs、そしてJulie Deskのようなサービスは、人工知能ロボットと対話する少なくとも1つのグループが必要です。x.aiの場合、1つの会議をスケジュールするために平均8通のメールが必要です」。

このプロダクトは単純に一通の電子メールあるいはSlackメッセージを受け取る。するとボットが残りの作業を行なってくれる。電子メールの内容からどの日程を考えているのかを判別し、ミーティング参加者に通知してくれるのだ。彼らは現在数百人のユーザーを持ち、それをさらに多くの人びとの手に届けようとしている。

「共同作業管理アプリケーションを開発している最中に、Ahoyのアイデアを思いつきました。Ai while trying to reschedule a meeting. 私たちは4人の人間が会う理想的な時間を調整して見つけ出すことがいかに難しいかに気が付き、現行の製品よりも優れた解決策がなければならないと考えたのです」と彼は語った。

このプロダクトは現在電子メールで動作しているが、今週にはSlackの統合も開始する。これは試してみる価値のあるものだ、そして多分アンタ(ye)とお仲間たち(co-hearties)のお宝探しのスケジューリングの役にも立つだろう。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: BRYCE DURBIN/TECHCRUNCH

3000ドルで売れるフルカラーの3DプリンターをXYZPrintingが発表、コロンブスの卵のようなアイデア

家庭用のフルカラーの3Dプリントは長年、消費者とホビイストの究極の夢だった。これまで、小さな装身具などをプリントするのは楽しかったけど、多色のアクションフィギュアのようなものを作れたら、それこそ消費者用3Dプリントの革命だ。そして実は、インクジェットという技術によって、その革命の入り口あたりにすでに近づいているのかもしれない。

3Dプリンターの人気製品Da Vinciシリーズを作っているXYZprinting日本)は、2014年にレーザースキャナーでもある3Dプリンターを発売したが、今日(米国時間8/31)は定価3000ドルのDa Vinci Colorを発表した。それは、プリントしながらフィラメントに、インクジェット方式で着色していく3Dプリンターだ。それまでのフルカラー機は、ナイロンの粉末とか複数のフィラメントを混ぜることによって、フルカラーをシミュレートしていた。Da Vinci Colorは、プラスチックのオブジェクトのプリントに使われている熱したPLAフィラメントに色を単純にスプレーし、フルカラーのオブジェクトを作る。フィラメントのスプールは35ドル、インクは65ドルだ。

そして、極めつけの特長は、使える色数がほとんど無限であることだ。プレスリリースはこう言っている:

業界初の究極のフルカラー3Dプリンター、XYZprintingの3DColorJetソリューションは、da Vinci ColorがPLAフィラメント上にCMYKの色の飛沫を鮮やかに、正確に、高い精度で輝かせることを可能にする。このプリンターの技術は、最終的に完成した3D製品上に、1600万色のフルカラースペクトルを実現する。弊社独自のその技術は、インクジェット印刷によって実現する微細な色分けと、高度でプロフェッショナルな3Dプリント技術を組み合わせている。

 

このやり方をトライしたメーカーは過去にもあったが、それを単純で低コストな技術として完成させたのはXYZが初めてのようだ。なにしろこれは、プリンターの価格が単色の3Dプリンターとあまり変わらない。とりあえず、われわれとしては、それ以上望むものはないだろう。下のサンプルを見ても分かるように、このプリンターは小さな部分にも運転時に彩色できる。フィラメントを交換して色の帯をプリントするほかの製品とは、大違いだ。そういうマシンは、かなり派手な色のプリントは可能だが、色がそのうちあせてしまう。それに対してこちらは、ふつうのフィラメントでプリントできるから、大進歩だ。

このプリンターは今、$2999.95で予約販売中、店頭に出たら$3500になる。

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こんなものがついに出たことに、ぼくはコーフンしている。これで3Dプリントが家庭に大普及するとは思われないし、色を後から塗るやり方でも場合によっては十分だが、でも同社の技術がもっと進歩したら、たとえばデザイナーが自分の製品(建物でも玩具でもよい)のプロトタイプをいろんな色で簡単に試作するなんてことが、可能になるだろう。ふつうの3Dプリンターを2000年代のドットマトリックスプリンターだとすれば、こちらは21世紀のインクジェットプリンターだ。その巧妙なハッキング的技術は、確実に次の時代を開くだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Instagifは、GIFアニメを「プリント」できるカメラ

動く画像をプリントしたいと思ったことはないだろうか? 実はそれが(ほぼ)可能になった。Abhishek Singhというものづくり屋が作ったインスタントカメラは、Rapberry PiとPiTFT画面を組み合わせた小さな箱を吐き出す。このカメラで撮影すると、短いビデオがスクリーンに転送され、別の映像を撮るまで何度でも繰り返して再生できる。プロジェクトはすべて自分で設計して3Dプリントで作った。データは公開されているので自分で作ることもできる

Singhは自分のハッキングプロセスを真似したい人のために、ハウツー書も書いた。SinghのGIFプロジェクトはこれが最初ではない。彼の作ったPeeqoというロボットの返答はGIFで作られている。普通のAlexaの会話もできる。SinghはNYUのITPプログラムに属しており、このプロジェクトは彼が「ものと動画とGIFを作ること」が大好きなおかげで実現した。

3Dプリントしたカメラから、パラパラ漫画が出てきたら楽しいと思わないか? きっとそれはSinghの次のプロジェクトだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

右半身麻痺の友だちがNintendo Switchを片手でプレイできるためのアダプターを3Dプリントで作った

Julio Vazquezは、脳血管の傷害で右手が効かなくなった友だちのRami Wehbeが、Nintendo Switchをプレイできる方法を見つけたいと思った。Wehbeはたとえば、Breath Of The WildをJoy-Conコントローラーでプレイできない。二つのスティックを操作するためには両手が必要だからだ。エンジニアであるVazquezは、ゲームを左手だけでプレイできるための簡単なモジュールの、プロトタイプを作った。

“一週間のあいだに、失敗作のプロトタイプをいくつも作り、やっと今の形に落ち着いた。容易に3Dプリントできることと、軽くて実用的であることを目指したからね。テストの結果は上々だったから、これをシェアすることに決めた。同じ問題を抱える人たちにも、きっと役に立つと思う”、Vazquezはそう書いている。プリントモデルはここで入手できるから、だれもが自分ちでプリントできる。

3Dプリントのちょっとした発想で、わりと簡単に人助けができるなんて、ぼく自身も眼から鱗だね。Yodaの頭寝ている豚をプリントするのも楽しいけど、こうやって身の回りの問題解決に利用するようになったら、3Dプリンターの未来はもっともっと大きいだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

オハイオ州の巨大ショッピングモールがAmazonのフルフィルメントセンターに生まれ変わる

古いモールは、不快な景観だ。安い建築費で作られ、流行らなくなると捨てられて、“シックなアウトレットショッピング体験”と称する業態や、高級ブランド品掘り出し市などに拾われる。そしてその後は、小都市の都心部で駐車場として腐っていき、巨大なスペースは残るが、町の人の心に残るのは思い出だけだ。

でも、絶望するのは早すぎる。オハイオ州ノースランドール(クリーブランドに隣接)の、かつて世界最大のモールと呼ばれていた土地と施設を、Amazonが新たに倉庫として再利用する。モールは完全にさら地になり、その大部分を、かつてそのモールを殺した、まさにそ犯人企業が専有する。

古いモールはこれまで10年近く、その幽霊のような姿を保(たも)ってきた。ノースランドールの端っこで、徐々に腐食が進行した。2000年代には、主力店が次から次と変わった。そして最後には、2015年に最後の旗艦店Burlington Coat Factoryが閉店した。モールは、2016年の火事でほとんど全焼した。

市長のDavid Smithが、Cleveland Plain Dealer紙にこう語っている: “なんと言ったらいいか、とにかくこのプロジェクトが来たことは、すごく幸運だよ”。

その記事から引用しよう:

eコマースの巨人は木曜日に、計画面積85万5000平方フィートの建物のリース契約を締結した。それにより来年の第二四半期には、ウォレンズビルセンターとエメリーロードの69エーカーの土地に、その建物がオープンする。このプロジェクトは、ある市民集会で話題になり、7月には契約のニュースがリークした。しかしノースランドールは別の、詳細不明のプロジェクトと、天秤にかけていた。

 

計画ではその倉庫*は、2000名の雇用を新たに作り出す、という。〔*: 上記新聞記事では“Amazonのフルフィルメントセンター”、となっている。〕

しかし悲しいのは、Foxconnがウィスコンシンに工場を作るなんて話に比べると、古い不動産が倉庫スペースになるという話の方が、はるかに実現性が高いことだ。たしかにeコマースにとってフルフィルメントは必要だが、製造は相変わらずアメリカの外で、ずっと安価に行われている。でもノースランドールは、タウンシールのデザインが二つのショッピングバッグであることが示すように、その現代を商業に賭けてきた町だ。その誇りだったモールが、今日と未来の新しい商業のハブに生まれ変わり、市の雇用と教育と成長を支えていくことは、確かに嬉しい光景だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

私はハックされた!

8月22日火曜日の午後9時頃、ハッカーが自分のSIMと私のSIMをすり替えた ―― おそらくT-Mobileに電話をして。その結果、私の携帯ネットワークサービスは遮断され、そのすぐ後、ハッカーは私のGmailとFacebookのパスワードを変更し、私に代わってテキストメッセージを送った。2要素認証の通知はすべてデフォルトで私の携帯番号に送られたため、私は一切受け取ることができず、約2分間のうちに私はデジタル社会から閉め出された。

事態に気づいたのは午後10時頃で、私は被害を想定しT-Mobileに電話を掛けた。10:30までに私は古いSIMをリセットし、あらゆるパスワードを変更し、2要素認証アカウントとT-Mobileアカウントを強化した。これで二度と同じことが起きないはずだ。

しかし残念ながら、また起きるのではないかと心配している。

私を襲ったハッカーは綿密だった。ものの数分のうちに、彼だか彼女は私のFacebook Messengerのメッセージをすばやく検索し、出身がオハイオ州で、父親が病気であることを突き止めた。そしてこの情報を使って、私の暗号化通貨コミュニティーの知り合いに連絡をとった。そのストーリーは実に馬鹿げていた。支払いを済ませないと病院が父の生命維持装置を外すという。そして腹立たしくも私[に成りすました犯人]は、今すぐ10 bitcoinを借りて売る必要があり、翌日友達に15 bitcoin 返すのだという。幸い友人は間抜けではなかったので、即座の私と妻にメッセージをよこした。

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ハッカーのIPアドレス(173.239.232.29)はテキサス州プレイノにあるLogicWebを指しており、閲覧履歴がフロリダ州からログインしたことを示していることから、犯人(ら)は米国以外にいることが示唆される。明らかに慣れた手口であり、ここ一週間のうちに同じコミュニティーの友人がふたりもハックされた。

おそらくきっかけは、暗号化通貨分野の別の友人が先週ハックされたことに違いない。そのハックは、SIMのハイジャック以外すべて今回と同じ特徴をもっていた。ハッカーはまず、私の友人のFacebook Messengerに侵入し、リストの中で暗号化通貨に関心のある人全員(私を含む)と接触した。次にハッカーは、10 bitcoin送れば明日11 bitcoin返すと言った。困惑した私は、Bitcoinは持っているがそんなにたくさんではないと答えた。そこで私はあやしいと気づきこう言った、「Wallace Shawnとは話したか? 彼なら助けてくれると思う。たぶん今は Andreとディナー中だと思う」。ハッカーはWallaceと連絡がつかなかったと言い張った。私は詐欺を確信した。

このやりとりが、私へのハッキングにつながった。私がいくらかのbitcoinを持っていることを知ったハッカーが、次のターゲットに私を選んだのだ。

結局私は運がよかった。今のところ深刻な被害はなく、比較的早くアカウントは全部取り戻した。2要素認証をいくつか設定していたが、最初に携帯電話をやられたため、ほとんどアクセスできなかった。その後、全アカウントで認証アプリを有効にした。最大の疑問は、犯人がどうやって私のSIMカードを乗っ取ったのかだ。これがいちばん心配な部分であり、何が起きたのかをT-Mobileが調べている。

これは新しい問題ではない。Bitcoin取引所のKrakenは注意を喚起し、安全のためのヒントをいくつか書いている。

携帯電話会社に電話をかけて:

  • アカウントにパスコード/暗証番号を設定する

    • アカウント情報の〈あらゆる変更〉に適用されることを確認する
    • 同じアカウントの全部の番号に適用されることを確認する
    • パスコードを忘れたとき、何が起きるかを尋ねる
      • パスコードを盗まれたら何が起きるかも尋ねる
  • ポートフリーズを設定する

  • SIMロックを設定する

  • ハイリスクフラグを追加する

  • ウェブベースのオンライン管理用アカウントを閉鎖する

  • オンライン管理システムの追加登録を禁止する

  • 自分をハックしてみる

    • 相手がどんな情報を漏らすかを試す

    • 自分でどんなアカウント変更ができるか確認する

ほかに、プロバイダーメールアドレスは使わず、2要素認証や警告通知には、通常のアカウントと完全に隔離されたプリペイド携帯かGoogle Voiceの番号を使うことを推奨している。私はこれをすべて実行している。

これ以上証拠がでてこなければ ―― やつらを見つけ出すための情報は常に歓迎している ―― とりあえず私のデータは安全だと仮定するしかないが、同時にそれは、常に、永久に危険にさらされていることでもある。これは私にとってFacebook時代で初めての本格的ハッキング被害であり、パニックになったときの感覚はいまだに忘れられない。もしあなたに起きたときは、まず携帯電話を止め、それからメールその他のアカウントの処置をすることをお勧めする。そして、絶対安全なものはないと想定すること。今私は物理的セキュリティーの方がはるかに関心がある。自分の手の中にあるものの方が、ハードディスクの中にあるものより安全だと気付いたからだ。

私はハックされた。おそらくあなたもハックされる。ユーザーアカウントのハックは益々難しくなっているが、決して不可能ではない。最悪の事態に備え、起きないことを願おう。起きてしまったときでも、計画を立て、バックアップをしていれば、きっとチャンスはある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

WineryGuideはその名のとおりワイナリーのガイドだ(目下カリフォルニアのナパヴァレーに限定)

ワインとガイドブックの両方が好きなぼくは、WineryGuideに目がとまった。Aga/Mariusz Andryszewski夫妻が作ったこのサービスは、ナパヴァレーのワイナリーのコンパクトでスマートな詳しいガイドだ。

CTOのMariusz Andryszewskiは曰く、“WineryGuideには、プロのワインコンシエルジュが長年蓄積した経験や知識とツアーガイドが、簡単なユーザーインタフェイスの下に詰め込まれている。よく聞かれる質問に最新の技術を使って答えているし、ユーザーが今いるところから行きたいところへどうやって行くべきかを、正確かつ簡明に説明している”。最初のバージョンは簡単なガイドだったが、今のiOSネイティブアプリにはクーポンや位置対応のお買い得特典などがミックスされている。

制作にはワインのエキスパートJohn Stallcupが参加し、ワイナリーのマーケティングツールに過ぎないアプリではないアプリを作り上げた。また、当地のホテルに必ず置いてある観光パンフレットのような、浅いガイドでもない。

“Agaとぼくは、ナパヴァレーに何年も通っている。どの季節に行っても景色は素晴らしいけど、ワイナリーは行くところがだんだん絞られてきた”、とMariuszは語る。“だから、おかしなことに、新しいワイナリーを見つけようと思ったら地元の地方紙を見たり、旅行ガイドや誰かの推薦に頼るようになった。既存のモバイルアプリは、広告費を払っているワイナリーを優遇しているし、Google Mapsはワイナリーの情報が詳しくない。もっと、ナパのインサイダー的な情報が必要だ、と思った。そこでシカゴからベイエリアに引っ越して、協同ファウンダーを見つけ、プロジェクトをスタートさせた”。

このサービスはまだ完全に自己資金のみで、一日のユーザー数は数十名だ。今後の展望としては、ワイン中心のナパヴァレーガイドに成長して、すべてのハイテク企業をスポンサーにしていきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

啄木鳥(きつつき)のように垂直面にとまれる固定翼ドローンをシャーブルック大の連中が開発

Multimodal Autonomous Drone(S-MAD)(複数の飛行モードのある自律ドローン)は、鳥のように飛べる隠しワザを持っている固定翼のドローンだ。たとえば、屋内や広い空間でグライダーのように飛べるが、しかし垂直な面(壁)に近づくと、歯のようなものを壁に引っ掛けて停止する。これは、あの悪夢のようなBig Dogといい勝負の、世界でもっともキモいロボットである。

S-MADは、マイクロスパイン(microspines, 小さなとげ状突起)と呼ばれるものを使って、自分を粗い面にくっつける。そのとげ状突起は鋼鉄製のスパイクで、それが面の突き出た部分やふくらんだ部分を二方向からつかむ。スタンフォード大学の研究者Hao Jiangは、こう説明している:

“マイクロスパインの二方向からつかむやり方は、人間の手が飲み物のボトルをつかむときと同じだが、人間の手は指を大きく曲げてオブジェクトに巻きつけるのに対し、マイクロスパインは粗い面の微小構造に食い込んで、面のふくらみや凹(へこ)みをつかまえる”。

こういうとげ状突起は、多回転翼のドローンではすでに使われているが、固定翼のデバイスで使われるのはこれが初めてだ。この飛行機は、垂直な粗い面への着陸に失敗したことはまだ一度もなく、それは、こんなドローンにしてはすごいことだ。

この飛行機は、マイクロスパインを利用して壁に平らに張り付き、鳥のようにとまることができる。そしてデータを集めたり、環境をスキャンしたりするだろう。そして帰還の用意ができたら、スパインと翼を開いて大空に飛び立つ。シャーブルック大学の研究員Dino Mehanovic, John Bass, Thomas Courteau, David Rancourt, Alexis Lussier Desbiensらはスパインを固定翼ドローンに付けることを決め、飛行機を空中に静止させ、垂直面にしがみつかせる新しい方法を発明しなければならなかった。鳥なら、簡単にやることなのにね。 彼らのそのシステムは、飛行機を一瞬だけヘリコプターに換えて、壁に張り付くようにした。以下は、Spectrumの記事の一部だ:

これには、いくつかのトリックがある。最初のトリックは、ピッチアップ(機首上げ)作戦だ。それにより固定翼機が一時的にヘリコプターのようなものになり、プロペラだけから浮力を得て(推力重量比1.5)、翼はトルクをキャンセルするに十分な制御面を提供する〔翼がブレーキになる〕。以上により、この無人機は、所望の遅さで(レーザーレンジファインダーで見つけた)壁に接近できる。それによって得られる第二のトリックは、“適切なタッチダウン条件ゾーン”の最大化、である。すなわち接近が十分に遅くて安定しているので、感知能力のある小さなハードウェアで確実に壁にとまれる。そして第三のトリックは、とまり木システムだ。それは脚とマイクロスパインから成り、飛行機の動きにわずかな誤差があっても確実に壁にとまれるだけの柔軟性を確保している。

 

これはもちろん、まだ概念実証にすぎないが、長距離の滑空が恒久的な‘縦とまり’で終わり、そこで高所におけるデータ収集を継続する実用シナリオがありえる。そのデータ収集が終わったら飛行機は壁や崖などの面から外れて、自力で帰還する。空高く舞い上がり、自分の家に向かって滑空するのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

炭素繊維とガラス繊維を使って鋼鉄よりも強度のある機械部品を3DプリントするMarkforgeのX3とX5

ボストンで3Dプリンターを作っているMarkforgedが、二つの新機種、X3とX5を発表した。どちらも、ふつうのフィラメント方式のプリンティングで、炭素繊維を満たしたオブジェクトを作れる。それらのオブジェクトには、スチール製のオブジェクトを置換できるほどの強度がある。

どちらの機種もレベリングとスキャンニングを自動的に行い、完全に同じオブジェクトをプリントできる。またどちらも、Markforged特製の特殊な熱可塑性ファイバーフィラメントを用い、X5の方は“ガラス繊維フィラメントの連続的供給”を行うので、通常のプラスチックよりも“19倍も強く10倍の硬度のあるオブジェクト”を作れる。つまり同じマシンで実用に耐える部品と実用に耐える工具の両方を作れるし、ガラス繊維のフィラメントのおかげで、それらは使用中に折れたりしない。あるユーザーは、わずか10分で、自転車の車輪の(チューブの)バルブを締めるバルブレンチ(下図)を作った:

次は悪いニュース。X3はたったの36990ドル、X5は49900ドルだ。Markforgedは、“国内の製造業企業”がターゲット、と言っている。良いニュースは、ユーザーのニーズの変化によっては、X3の機能をX5にアップグレードできること。またどちらも、製造業企業がプロトタイプではなく最終製品の生産に使えることだ。しかも、エンドユーザーの現場でも。

“顧客は、特定の部品が必要になったその日のうちに、強度とコスト要件を満たす部品を作れる”、とCEOのGreg Markは語る。

これらのプリンターは、Markforgedが最終的に目指している“物質転送システム”への途上にある。その複雑なスキャンニングと測定システムにより、ユーザーは遠方から3Dプリントのモデルだけを受信し、完全に同じものを自分の目の前に実現する。そのシステムにはフェイルセーフモードがあり、プリントが異常停止した場合にはレーザースキャナーがその原因を調べる。そしてプリンターはその箇所からリスタートする。同社は金属の3Dプリントについても独自の研究開発を行っていて、それにより複雑な機械の複雑な部品でも、実用に耐える強度のものをプリントできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

バーチャル望遠鏡サービスのSlooh、日食に向けて準備完了

コネチカット州のSloohという会社は、世界中に設置された数十台の望遠鏡のいずれかを使って簡単に(そして今は無料で)夜空を見ることのできるサービスだ。ログインして望遠鏡を選ぶだけで使える。自分で望遠鏡を制御して様々な宇宙空間を見ることもできるし、プロの天文学者に任せてただ宇宙の旅を楽しむこともできる。Sloohユーザーは、宇宙をのぞき込みながら発見したものをシェアすることもできる。

来たるべき日食を祝って、Sloohはこのイベントを遠方から見学したい人たちのために無料アカウントを提供している。4.95ドル払えば一カ月間望遠鏡を制御することもできる。

Sloohには8万人のメンバーがおり、ライブショウ(流星群や日食などの興味深いイベントの際に行われる望遠鏡ライブ中継)の視聴者は延べ2000万人に上る。無料アカウントのおかげで、登録者数は1万人増えた。

「われわれの望遠鏡は、世界最高水準の天文台に設置されている」とファウンダーのMichael Paolucciは言う。「こういう場所は、ふつうアマチュアや一般の人はまず利用できない」

全部で25箇所の天文台がSloohに映像を提供しており、望遠鏡の多くはユーザーが制御できる。

「あなたがSlooh望遠鏡をのぞいている時、世界中が一体となって驚きと共に空を見上げている」とSloohの天文学者、Paul Coxは言う。

本誌がSloohと最後に話したのは2009年に無人探査機LCROSSの月面衝突を彼らがライブ中継したときだった。今回の新たな取り組みは、世界を良い方向へ変えようとしているPaolucciの活動の一環だ。

「私がSloohを作ったのは、Cantor Fitzgerald銀行で働いていた親友のBlake Wallensが9.11に殺されたときだった」とPaolucciは言った。「Sloohは2003年、宇宙を共同探索することで人類をつなぐためにスタートした。私は国際望遠鏡ネットワークを構築し、特許技術を駆使して天体映像をリアルタイムで見えるようにした。望遠鏡を通じて宇宙を見ることによって、宇宙の中の自分たちの位置づけを考えることができる。これは平和と啓発を示す行動であると同時に、9.11を引き起こした狂信者の屈折した世界観に直面する機会でもあると私は考える。人々が世界の雄大さを自らの目で見られるようにすることが、究極的に霊的信仰の進化につながると信じている」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Duke Roboticsが機関銃搭載ドローンのビデオを公開

軍事企業のDuke Roboticsは兵器を搭載するドローンのビデオを公開した。TIKADと呼ばれる新しいプラットフォームはユニークだ。仕組自体は比較的シンプルで、カスタムメイドのマルチローター機体の下部に小火器を搭載し、旋回、照準を行うメカニズムが組み込まれている。機関銃、狙撃銃、グレネードランチャーなどがあまり手を加えずに搭載可能なようだ。しかしこのビデオが示唆する未来の戦争は恐るべきものだ。

機体下部のジンバルが小火器を安定させ、専用パッドにカメラ画像が表示され、リモートコントロールで索敵、照準が可能になっている。かなり以前からこうしたことを可能にするテクノロジーは存在しており、最近ではAV社の無人航空機システム、Switchbladeプロジェクトなどがその例だ。実のところ、DJIのような有力ドローン・メーカーであればこうしたシステムは今すぐ片手間にでも開発可能だろう。しかし兵器は極めて限られた市場であり、その点が興味深い。

このシステムの開発者は「TIKADは政府に全く新しい能力を与え、テロリスト・グループの掃討とその際の地上兵力の死傷者の減少に役立てることが可能になる」 と述べている。開発メーカーはこの種の兵器の開発のために出資を募っている。このビデオは本質的にはクラウドファンディングによる資金集めための大掛かりなバイラル・マーケティングの一環といっていい。ともかく機関銃搭載ドローンというのは人目を引く。

Duke Roboticsでは現在イスラエル国防軍と提携してテストを行っているとしている。またオンラインでのプロダクト受注も考えている。これがこうしたビデオを製作した理由だろう。現在のテクノロジーではこうした小火器搭載ドローンを実戦に投入するのはかなりの危険がある。しかしリモートコントロールで目的地へ飛び、敵を射撃して飛び去るシステムを作ること自体は比較的簡単だ。木などの障害物に当たると自爆する。

TIKADビデオそのものついていえば、額面どおりには受け取らないほうがよい。これは現実のプロダクトではなく、資金集めのマーケティングだ。そもそもドローンに武器を搭載するのがそれほど簡単なら米軍のMQ-1プレデターやその後継のMQ-9 リーパーのような巨大で高価なシステムよりずっと取り回しのいいシステムがすでに実現していたはずだ。とはいえ、「ドローンがリモートコントロールでテロリストをやっつける」という戦場を見たいならDukeのビデオはよくできている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+