宿泊予約サイト「relux」、3年で会員数27万人に——社外取締役に元ミクシィ朝倉氏を招聘

relux02

一流の旅館やホテルに特化した会員制の宿泊予約サイト「relux」。自社のネットワークを生かして宿泊施設と直接交渉を行うことで、最低価格保証・独自特典付きの専用宿泊プランを用意。さらに宿泊費の5%をポイントでキャッシュバックするこのサービスが3月に3周年を迎えた。

僕もプライベートで利用したことがあるが、サービスは極めてシンプル。トップページにあるのは小さな検索窓が中心(サイト下部には特集などもある)。旅行に行きたいエリアとチェックイン・チェックアウトの日付、人数を入力すれば、予約可能なホテルが一覧表示される。もちろん詳細検索やホテルごとの空室検索も可能だ。

サービスを提供するLoco Partnersは3月18日にインフォグラフィックスを公開。この3年の歩みについて紹介している。会員数は3年で27万人を突破。属性では30〜40代が中心となっている。宿泊施設は定番観光地の多い近畿エリアや、温泉地の集まる首都圏・東海エリアを中心にして800軒を紹介している。

公開されたインフォグラフィックスの一部

公開されたインフォグラフィックスの一部

また同社は3月22日付けで、社外取締役として、ミクシィ元代表取締役の朝倉祐介氏を招聘したことを明らかにした。Loco Partners代表取締役の篠塚孝哉氏は「(朝倉氏が)マッキンゼーやミクシィで培った全社経営戦略のフォローや、コーポレートガバナンス強化、またグローバル戦略へのコネクションやフォローが主たる目的」としている。

reluxが今後狙うのは、増え続けるインバウンド需要への対応だ。すでに訪日旅行売上比率は10%近くまでに増えているということで(国内の売上も前年比約4倍と成長しているが、それにも増して増えているそうだ)、同社としても投資を強化している領域だという。「社内のメンバーの半数近くは第二外国語が話せるスタッフなどで揃えており、体制は万全。引き続き『国内 to 国内』の領域が主軸事業ではあるが、訪日旅行は大きなチャンスだと考えている」(篠塚氏)

iMessageの写真、ビデオ、ファイルの暗号化が解読されるセキュリティホールが見つかる

encryption

暗号化は猫と鼠のゲームだ。Johns Hopkins University(ジョンズホプキンス大学)の研究者たちが、そのことを証明するすごい方法を見つけた。彼らが Washington Postにシェアした研究によると、iMessageで送った写真やビデオやファイルの中身を見られてしまう、深刻なセキュリティホールが見つかったのだ。

iMessageは最初から、暗号化されたメッセージングプロトコルだ。ユーザーがiMessageを送ると、デバイスはAppleのサーバーとのセキュアな接続を開く。メッセージはユーザーのスマートフォン上で秘密鍵を用いて暗号化され、Appleのサーバーへ送られ、相手に届く。そして彼/彼女のスマートフォン上で、メッセージは解読される。

したがってユーザーのメッセージはAppleのサーバー上では解読不能な寝言の集まりだ。Apple自身は、メッセージを解読するための鍵を持っていない。

しかしJohns Hopkins Universityの研究者たちは、ホールを見つけた。メッセージは解読できないが、写真やビデオやファイルを横取りする方法を見つけたのだ。

ファイルは、64ビットの暗号鍵による弱い暗号化方法を使ってきた。研究者たちは、Appleのサーバーのふりをして暗号化されているファイルを横取りするサーバーを開発した。そしてAppleは失敗回数を制限していないので、彼らは何千もの鍵を試した。この力づくのやり方で研究者たちは、誰にも気づかれずに、Appleのサーバーからのファイルを解読できた。

Washington Postによると、すでにiOS 9以降では、デバイスから来るファイルを解読することは困難になっている。しかしそれでも、NSAなどなら解読できるだろう。政府機関やハッカーが、この方法を実際に使っているかは、不明だ。

幸いにもAppleはすでに対策を開発し、今日(米国時間3/21)リリースされるiOS 9.3にはそれが実装されている。ハッキングのやり方は公表されていないし、Appleがそのセキュリティホールを閉じたら研究チームはホワイトペーパーを共有する予定だ。

このハックは、暗号化が完全ではありえないことを、あらためて証明している。セキュリティホールはつねにあり、ハッカーたちはそれを見つける。そしてAppleのような大きなソフトウェアメーカーは、ホールを塞いでハッカー鼠たちを追い払おうとする。だから、ご自分のデバイスにパッチをインストールすることは、とても重要だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

アルゴリズム式フィードは、われわれに競争を強いる

Russell Crowe with sword in a scene from the film 'Gladiator', 2000. (Photo by Universal/Getty Images)

その写真、きれい?そのツイート、面白い?もしそうでなければ、InstagramとTwitterがアルゴリズムでフィードを並べ替えるようになった今、見てもらえないかもしれない。これは、マーケターには大きな問題となってふりかかり、われわれのソーシャルメディア生活をストレスの多いものにするかもしれない。

アプリを一貫して興味深いものにするために、特にノンストップでのチェックをしない人たちのために、InstagramとTwitterは、Facebookのニュースフィード風ランキングシステムに切り替える。

これまで、もしあなたがインスタかツイートする価値があると思ったものを投稿すれば、フォロワーはアプリを開きさえいれば見ることができた。自分の投稿が表示に値するかどうかを心配する必要はなかった。フォロワーは、保証された聴衆だった。選り分けられることのないフィードに、多くの記事を送りすぎて友達をスパム被害にあわせないことを注意するだけでよかった。

これからは、最高の写真か、一番気の利いた風刺だけを投稿しなくてはならない。さもなければ、記事は闇に沈み、人々が見るに値するとアルゴリズムが考えた記事の下に埋もれてしまうだろう。

同じことはFacebookニュースフィードの中のFacebookページですでに起きている。ページのオーナーは、たとえ自分のページを購読しているファンであっても、その多くにリーチすることができない。それは、読む時間の限られるニュースフィードのスペースに競合するコンテンツが多すぎるからだ。企業は、参照トラフィックの減少を恐れている。再びリーチする唯一の方法は、Facebookに料金を払って自社記事の可視性を高めることだ。

twitter-iphone-photo

似たような因果はInstagramとTwitterにも迫ってきている。もはやフォローだけでは十分ではない。質の高いコンテンツを投稿し、人々から次々といいね!をもらって、すべてのコンテンツを見てもらうようにする必要がある。

タダ乗りの時代は終った。もはや企業は、こうしたプラットフォームを無制限マーケティングチャネルとして使うことはできない。強引な売り込みは、真の楽しみに取って代わられて影を潜める。コンテンツ記事と直接的なマーケティングの混成よりも、個々のInstagramやツイートを魅力で飾らなければ、埋もれてしまう。

instagram-reorder

一方で、平均的ユーザーはそうそう多くの写真や140文字の思いを発信することができない。もはや彼らは、自分の冒険のリアルタイム物語を投稿しても、全部を見てもらえるとは限らない。

もしあなたが、Instagramは既に人々の生活の成功物語のハイライト集だと思っていたなら、もっとぜい肉を削ぐ必要があるだろう。そしてTwitterの未読まとめ機能(While You Were Away)は、ツイートが最新であることを読まれるための鍵ではなくすことによって、できるだけ多くツイートするというユーザーの切迫行動パターンを変えるかもしれない。

今回の変更が両サービスを取っつきやすくすることは間違いないし、定着率も高まるだろう。頻繁にチェックしなくても、最後に見た後のベストコンテンツを見逃がさずに済む。これによって、ユーザーはハマりやすくなる。これは入会、退会、メンバー数成長に問題を抱えるTwitterにとって、特に重要だ。

アルゴリズムによるフィードは悪くないし、今Facebookとさほど変わらない ― あらゆるコンテンツが視聴者の目を奪い合う、権威ではなくスキルと戦略で勝ちとる場だ。

そして最終的にこの変更は、Snapchatをこれまで以上にユニークに感じさせることになるだろう。好きなだけ投稿して、何が友達の注目に値するかを決めるコンピュータはそこにいない。そして、投稿の嵐を浴びせかけて他人の記事を埋もれさせる心配はいらない。すべての投稿が1本のリストに連なり、友達はフィードに強制的にプッシュされるのではなく、自発的にプルして読むことができる。

他のソーシャルネットワークが、ユーザーに最高であることを求める中、Snapchatは、自分自身でいることだけを求めている。

原文へ
 
(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ビジネス用マッチングアプリ「yenta」がローンチ2ヶ月弱で5万マッチ達成、拡大フェーズへ

yenta

アトラエが手掛けるビジネスパーソン向けの完全審査制マッチングアプリ「yenta」がローンチから2ヶ月弱でマッチング数5万を突破したと公表した。yentaの成長と今後の施策についてアトラエの取締役を務める岡利幸氏に話を聞いた。

「yenta」は、人工知能が相性の良いビジネスパーソンを毎日10名紹介するアプリだ。昼の12時にFacebookの投稿やつながりを鑑みたビジネスパーソンが紹介され、会いたいと思ったら右に、そうでなければ左にスワイプして振り分けていく。夜の8時になるとまとめてマッチング結果が届き、マッチングが成立した相手とメッセージをやりとりすることができる。

「yenta」は1月末に正式ローンチし、先週金曜日には早くもユーザー同士のマッチング数が5万を突破したと岡氏は言う。現在の登録ユーザー数はおよそ3200名で、平均すると1人のユーザーにつき毎日マッチングが1、2件ある計算だ。また、エンゲージメントについても1週間に1度でもスワイプしている週間アクティブユーザーは80%と高い水準と岡氏は言う。

マッチング数だけでなく、マッチング成立後に実際にユーザー同士が会って、ビジネス上のつながりが生まれた実例も増えてきていると岡氏は言う。例えば、yentaで知り合ったのをきっかけに仕事の受注につながったケースやスタートアップにインターンとして入社し、採用に至ったケースといったフィードバックがあったそうだ。

営業や採用といった目的以外にもyentaは異業種の人と出会うハードルを低くするのに役立てられていると岡氏は言う。例えばエンジニアであれば、勉強会などに参加することで同業の人に出会うことができるが、同じ業界にいても職種が異なるデザイナーの人と会ってじっくり話す機会はあまりない。かといってデザイナー向けの勉強会に参加するのにはハードルが高く、出会う方法も紹介などに限られてしまう。yentaでは互いに関心のあるユーザー同士が1対1で会うことができるため、異業種の人とも接点が作りやすいと岡氏は言う。異業種の人と話すことから学びが得られたというフィードバックも多いという。特にスタートアップの経営陣はエンジニア、デザイナー、営業と様々な役割の人を率いる立場にあるが、社内の人では相談しづらいこともある。yentaで社外の異なる職種の人と話し、それぞれの考え方に触れることで異なる立場に対する理解が深まったというポジティブなフィードバックがあったと岡氏は話す。

これからのyentaの展開について岡氏は「今あるユーザーの高い密度を落とさず、ユーザー数を増やす拡大フェーズに移る段階に来ている」と言う。そのために、最適な機能開発とユーザー数の拡大を行っていくとした。まず直近ではローンチ後に追加した「あしたランチ」機能を改良する予定だそうだ。「あしたランチ」機能はユーザーが翌日ランチできる場所を選択し、公開設定にするとマッチングしたユーザーにその情報が表示される機能だ。今は翌日のランチのみを登録可能だが、数日先のランチの予定も登録できるようにする予定だという。この機能で空いている時間と場所を設定することで、マッチング成立後にユーザー同士が会う約束をするきっかけにしてほしい考えだ。

ユーザー数の拡大に関しては、既存のユーザーベースとの相性を見ながら、新規のユーザーも増やしていくという。今はスタートアップ業界のユーザーが多いが、今後は大手企業の新規事業部門や研究開発など現在のユーザーベースとの関連性が高いビジネスパーソンを少しづつ獲得していきたいと岡氏は言う。もちろんマッチングの精度を落とさないことも重要視していて、ユーザー数が増えても、エンゲージメントを維持できるよう、全体のバランスとビジネスパーソンを紹介するアルゴリズムを随時調整していくと話す。次のマイルストーンはユーザー数10万人を獲得することという。yentaのコンセプトは「ビジネスを加速させること」であり、マッチングしたら終わりでなく、その後にきちんとビジネスとつながるサービスとなるよう注力していきたいと岡氏は話す。

テロリストのiPhoneをアンロックするのにAppleの助力は要らないかもしれない、FBIは法廷審問の延期を要請

iphone-6-03

テロリストSyed Rizwan Farookが使用したiPhoneのアンロックを政府がAppleに強制できるかどうかを、法廷で決めるはずだった日の前日になって政府は、“とりあえず、それはどうでもいいよ”、言っている。

なぜか?

たぶん、自力でやれる方法を見つけたからだ。

今日(米国時間3/21)提出された文書で、政府はこう言っている:

“2016年3月20日日曜日にある外部者がFBIに、FarookのiPhoneをアンロックできる方法を示した。それがFarookのiPhone上のデータを損なわない有効な方法であるか否かを判断するための、試験が必要である。その方法が有効なら、この件における、裁判所命令によるApple Inc.からの助力の必要性は排除される。

したがって、その方法を試験する時間を確保するために、政府はここに、2016年3月22日に予定されている法廷審問を無効にするよう、要求する。政府は法廷への状況報告の提出を、2016年4月5日までに行うことを提議する”。

これを言い換えると: “誰かがやり方を見つけたので、Appleに何かを強制する必要はないものと思われる。そのことは、数週間後に明確になる!”、だ。

アップデート — 太平洋時間午後4時41分: 政府の法廷審問延期要求を判事は認可した。

[これがその文書、リンク提供: ArsのCyrus Farivar。最初に見つけたのはEFFのNate Cardozo。]

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

社会的企業、Apple

0021

今日のAppleの記者会見は異例の始まり方だった。通常同社は、いくつか自慢の数値を発表する ― iOS製品の販売台数や、App Storeのアプリ数、iOS普及率等 ― ことから始める。しかし今日は違った。Appleは、基調講演の約1/3を費して、プライバシー環境、およびResearchKitとCareKitについて話した。メッセージは明快だ ― Appleは善人である。

企業の社会的責任に関して、社会的企業[social enterprise]とは、事業と関係の薄いミッションを遂行するために利益を再投資する営利企業のことを言う。Appleは毎年数十億ドルの利益を上げており、社会的企業からはほど遠い。

そしてAppleは、利益の一部をResearchKitのような物に再投資する〈必要がない〉。

上記3つのミッションは、Appleにとって時宜を得たものだ。多くの人々は、iPhoneアンロック問題で自分がAppleとIBMどちらの側につくべきかを知らない。同社が新しいiPhoneiPadを最初に発表するではなく、それらの問題に力を注いだ理由はそこにあるのだろう。

ではこれは、マーケティング戦術の一つなのか、それともAppleは真にこれらのミッションを信じているのか。その疑問は実は重要ではない、なぜならAppleの取り組みは医療研究や優れたリサイクル運動に対して、実際に好影響を与えているからだ。

最終的に〈全員〉が良い状態になる。私はこうした問題についてもっと多くの企業が、もっと真剣に取り組み、オープンに語ることを願っている。たしかにAppleは世界最大級の企業だ。ビジネスがうまくいっていれば、こういう問題に気を配ることも比較的容易だ。しかし、これらの問題は、最も利益を上げている会社だけでなく、多くの会社の利益に影響を与える可能性を持っている。

かつてGreenpeaceがAppleを、危険な材料を使用し、会社の環境戦略を明らかにしていないと非難したことを思い出す。10年以内の間に、Appleは環境に関して開かれた会社になり、今やGreenpeace自身の環境に関する調査結果でトップに立っている。

プライバシーに関して、Appleは何年にも渡り小さな一歩を繰り返している。まずAppleはFaceTimeを暗号化通信プロトコルとして設計した。iMessageがそれに続き、みんな気付く前に、iOS 8以降が走るすべてのiPhoneは暗号化されていた。6年以内のうちに、Appleはプライバシーの代表的存在となり、IT企業は今、Appleの側に立っている

一方、ResearchKitはかなり新しい。昨年公開されたこのフレームワークは、医療研究者が非常に短い時間で研究を実施することを可能にし、iPhoneやApple Watchのあらゆる特殊センサーを活用できるようにした。ResearchKitが5年10年のうちに与える影響を想像してほしい。

Apple製品を好きになることも嫌いになることもできるが、こうしたミッションについてAppleを攻撃することは難しい。Appleは、還元することに関して新たな標準を作ろうとしている。他の会社も耳を傾けていることを願う。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

3分で分かるアップル発表:iPhone SEやiPad Pro 9.7型、Watch値下げなど

アップルは米国時間3月21日10時(日本では22日午前2時)からイベントを開催。iPhoneの最新版である「iPhone SE」をはじめとした新製品を発表した。ここでは今回発表された内容を、翻訳記事を中心にまとめてご紹介する。これだけ読んでいればひとまず今回の発表の概要は理解することができるだろう。

新型iPhoneは5/5sサイズに6sのスペックを詰め込んだ「iPhone SE」

0051.jpg

かねてからのうわさ通り、今回発表された「iPhone SE」は、iPhone 5/5sをベースとしたデザインで、4インチ(1136×640ピクセル、326ppi)のスクリーン、12メガピクセルのカメラを持つ。ボディサイズはiPhone 5/5sと同じながら、iPhone 6sとほぼ同等の処理速度を持つ。

3D Touchには対応しないが、写真の撮影前後の動きを保存する「Live Photos」などに対応。カラーはシルバー、ゴールド、スペースグレイ、ローズゴールドの4色。容量は16Gバイトと64Gバイトの2種類。価格は399ドルと499ドル(日本ではそれぞれ5万2800円、6万4800円)。発売は3月31日から。

詳細:お待ちかねのiPhone SEが発表、昔みたいに手に収まる4インチ

9.7インチのiPad Air 2は「iPad Pro」に

2016-03-22-ipadpro97

2014年から「iPad Air 2」として販売されていた9.7インチ(2048×1536ピクセル)のタブレットの後継機種として「iPad Pro」を発表している。これにより、iPad Proは9.7インチと12.9インチの2種類がラインアップされる。

サイズこそ旧製品と同じだが、ディスプレイは光の反射を40%削減。発色も改良したほか、これまでのiPadシリーズで最大の明るさを実現。スピーカーは4基内蔵。LTEやWi-Fiの接続も高速化。4K撮影可能な12メガピクセルのカメラも搭載する。

詳細:iPad Airの後継機は9.7インチiPad Pro―Appleの考えるコンピューターの未来

Apple Watchは価格改定、春モデルの交換用バンドも

0032

スマートウォッチ「Apple Watch」については、38mmケースとスポーツバンドの組み合わせて4万2800円からだった価格を3万6800円からに改定。さらに、今春モデルとして新素材「ウーブンナイロン」製の交換用バンドが発表された。

詳細:Apple、新しいApple Watch用バンドを披露。ウーブンナイロン製も

リユース向けのリサイクルロボット「Liam」

apple-liam-1

イベントのキーノートでは、リユース(再使用)、リデュース(削減)、リサイクル(資源の再利用)への取り組みが紹介されていたが、その取り組みの一環として発表されたのがリサイクルロボットの「Liam」。スクリーンを一瞬にしてはがす様子を動画で紹介する。

詳細:これが古いiPhoneを解体するAppleのリサイクルロボ「Liam」の全貌だ

iOS9.3は本日から利用可能

2016-03-22-ios93

イベントに合わせて、最新版となるOS「iOS 9.3」への無償アップデートもスタートした。アップルのGreg Joswiakによれば「小数点〔現行9.2から9.3へ〕のアップデートとしては過去最大級のリリース」だそう。

ブルーライトカットや色温度の暖色系への変更などを行う「Night Shiftモード」の搭載のほか、メモアプリのパスコード/TouchIDによる保護機能、ニュースや音楽、地図アプリなどさまざまなアップデートが行われている。
詳細:iOS 9.3、今日からダウンロード可能―夜間モード追加、ヘルス、CarPlayなど強化

Apple TVにも新機能。対応アプリは5000個以上に

Apple TVについても発表がされている。フォルダーや音声入力機能が追加されたほか、iCloudフォトライブラリーのLive Photo対応、App StoreのSiri対応などが行われた。Apple CEOのTim Cook氏によると、Apple TVで利用できるアプリの数は5000個以上になっているという。

詳細:Apple TVにフォルダー、音声入力、Live Photo機能がアップデート

【今回のAppleの発表関連記事】

お待ちかねのiPhone SEが発表、昔みたいに手に収まる4インチ
iPad Airの後継機は9.7インチiPad Pro―Appleの考えるコンピューターの未来
iOS 9.3、今日からダウンロード可能―夜間モード追加、ヘルス、CarPlayなど強化
Apple、新しいApple Watch用バンドを披露。ウーブンナイロン製も
これが古いiPhoneを解体するAppleのリサイクルロボ「Liam」の全貌だ
Apple TVにフォルダー、音声入力、Live Photo機能がアップデート
Apple、個人向けヘルスケアアプリ開発の新ツール「CareKit」ローンチ

Apple TVにフォルダー、音声入力、Live Photo機能がアップデート

0036

Appleは本日、Apple TVのプラットフォームにいくつか機能をアップデートしたと発表した。フォルダー、音声入力機能の追加、iCloudフォトライブラリーのLive Photo対応、App StoreのSiri対応などだ。

またAppleのCEO、Tim CookはApple TVで利用できるアプリの数が5000個以上になったと発表した。BrainPOP、GrubHub、HBO Nowや運動のためのアプリなどいくつかステージで紹介していた。

最も興味深いアップデートは音声入力機能の追加かもしれない。Apple TVのリモコンも結構良くできているのだが、タイピング入力のために作られたものではない。今回のアップデートで、Apple TVに音声でテキストを入力することができるようになる。最も重要かもしれないのは、ユーザーネームやパスワードの入力でも音声が使えることだ。Cookは「本当に気に入って頂けると思います」と語っている。

Apple TVにも搭載されている、Appleの音声駆動テクノロジーSiriもでアップデートした。大きな進歩ということではないが、App Store内をSiriを使って検索することができるようになる。

フォルダーについては、きっと読者の想像通りの機能だ。スマホと同じようにアプリをフォルダーに入れて整理することができる。前のバージョンまでApple TVにフォルダーはさほど必要なかった。利用できるアプリがそもそも少なかったのだから。しかし、アプリストアに5000個のアプリがあるなら、これから必要になってくるだろう。

これらのアップデートの他に、Apple TVのiCouldフォトライブラリーがLive Photoにも対応する。

Appleは、本日からこれらの機能を展開すると伝えた。

【今回のAppleの発表関連記事】

3分で分かるアップル発表:iPhone SEやiPad Pro 9.7型、Watch値下げなど
お待ちかねのiPhone SEが発表、昔みたいに手に収まる4インチ
iPad Airの後継機は9.7インチiPad Pro―Appleの考えるコンピューターの未来
iOS 9.3、今日からダウンロード可能―夜間モード追加、ヘルス、CarPlayなど強化
Apple、新しいApple Watch用バンドを披露。ウーブンナイロン製も
これが古いiPhoneを解体するAppleのリサイクルロボ「Liam」の全貌だ
Apple、個人向けヘルスケアアプリ開発の新ツール「CareKit」ローンチ

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

iPad Airの後継機は9.7インチiPad Pro―Appleの考えるコンピューターの未来

2016-03-22-ipadpro97

Appleはさきほどクパチーノの本社キャンパスで開催された.プレスイベントでiPad Air 2の新しい後継機を発表した。この機種の内容はiPad Airの発展というより小型版のiPad Proであり、Appleもそのとおり、iPad Proと名づけている〔iPadは今回iPad Proの12.9インチと9.7インチの2モデルに再編された〕。

フィル・シラー上級副社長が新しいiPadを発表するのに先立ってCEOのティム・クックは「iPadはコンピューティングの未来を体現するものとして完璧だとわれわれは確信している」と語った。

現行iPad Air 2の発表は2014年10月だったから、今回の新しい iPadはメジャー・アップデートとなる。 ディスプレイが9.7インチである点は現行モデルと変わらないが、それ以外はゼロから作りなおされている。

新しいディスプレイは光の反射が40%も削減され、25%も明るい。カラーの発色も改良されている。 500Nit〔cd/m2〕のディスプレイはこれまでのiPadでもっとも明るい。小型版のiPad ProはiOS 9.3で新設されたNight Shiftにことに良く適合している。日が沈む頃になると自動的にディスプレイは黄色みを帯びた暖色系の表示になる。新iPad Proには4チャンネルのアンビエント光センサーが設けられ、これまでより正確に周囲の光を分析してモニターのホワイト・バランスを調整する。

  1. ipadpro10-applepencil_pr-print.jpg

  2. ipadpro10-smartkeyboard_pr-print.jpg

12.9インチ版と同様、新しいiPad Proは大きな音響空間を備えたスピーカー4基を内蔵しており、音量、音質ともに良くなっている。この陰にはiPad ProがA9Xチップの採用がある。これによりLTE、802.11ac Wi-Fiの接続も高速化された。iPhon 6sと同じ12メガピクセルのカメラを搭載し、4kビデオを撮影する能力がある。この点では現行の大型版iPad Proを上回る性能となっている。ということは残念ながらボディーの平面からやや出っ張るということだ。

また新iPad用に大型版に似たスマート・キーボードカバーも発表された。現行大型版に比べるとキーはやや小ぶりになっているが、大型版と同じスマート・コネクターが採用されているのでいちいちペアリングしたり重電したりする手間は省ける。

  1. 0062.jpg

  2. 0063.jpg

  3. 0065.jpg

  4. 0066.jpg

  5. 0068.jpg

  6. 0071.jpg

今日のイベントで、新しいiPad ProはApple Pencilをサポートすることが判明した。またUSBカメラやカード・リーダーなどのLightningアクセサリを接続して写真を転送することもできる。9.7インチ版のiPad Proにはシルバー、ゴールド、スペースグレイ、ローズゴールドの4色がある。厚さは6.1mm、重量はWi-Fi + Cellularモデルが444g。

新モデルは価格がやや高くなっており、599ドルからだ。これは最安のiPad Air 2より100ドル高い。しかしメモリーは16GBではなく32GBが搭載される。749ドルで128GBのストレージとなる。今回初めてiOSデバイスに256GBモデルが登場したが、こちらは899ドルだ。これらはいずれもWiFiモデルで、LTE接続モデルの価格については不明だ。iPad Air 2のエントリーモデルの場合399ドルだ。12.9インチのiPad Proでも256GBのモデルが選べるようになった。 9.7インチiPad Proの出荷は4月上旬からだという。

iPad Pro

「〔9.7インチは〕当初からもっとも人気の高いiPadのサイズだった」とフィル・シラーは語った。Appleは9.7インチのiPadをこれまでに2億台売っている。iPad AirをiPad Proと改名することによりAppleはより多くのユーザーに新モデルへ買い替えてもらいたいようだ。

今回AppleがiPadのようなメインストリームの製品を値上げしたのは微妙な戦略といえる。直近の四半期にiPadの売上は前年同期比で25%ダウンしている。Appleが新製品をiPad Airとしなかったのは対前年比で大幅に低下した数字をいつまでも公表したくなかったからではないかという疑いも残る。しかしタブレット製品の頭打ち感はAppleに限った現象ではなく、トレンドというべきものだ。

AppleiPadを独自のカテゴリーと独自のエコシステムの製品にしようと努力している。またiPhoneとiPadの差異を収入源としたい。今回のiPad Proの発表でApple はiPadこそ今回の未来なのだというはっきりしたメッセージを市場に向けて発した。新iPadはこの流れに基いてデザインされた製品であるのは間違いない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、個人向けヘルスケアアプリ開発の新ツール「CareKit」ローンチ

0028

Appleは月曜日、CareKitのローンチを発表した。CareKitはiOS端末用のヘルスケアアプリの開発を容易にする開発者向けの新ツールだ。

このオープンソースのプラットフォームは4月から利用可能となり、ResearchKitと似たように使うことができるようになる。CareKitはより患者のケアに焦点を当てているものだ。UCSF、Johns Hopkins、スタンフォード医科大学院といった最高峰の医療施設の協力を得て、CareKitは個人の治療の進捗をトラックしたり、ユーザーが医師や家族間のコミュニケーションを取ったりするのに役立てることができる。

このプラットフォームは症状をモニタリングしたり、薬の服用スケジュールを把握したりするのに活用できるとAppleはいう。他にも傷の写真を共有したり、iPhoneの加速度計やジャイロスコープを使用して多様な動きを測定したりすることも可能だ。

CareKitは「治療において各人が積極的に関わるための力」になるとAppleのCOOであるJeff Williamsは言う。

CareKitを使って制作された最初のアプリはパーキンソン患者向けのものだったが、このツールをまだまだ他のアプリに応用できる可能性があるとAppleはいう。Appleは術後の経過観察、理学療法、糖尿病の体調管理、メンタルヘルス、妊娠時などに使用できるアプリなどが出てくることを期待しているという。

Appleは昨年公開したResearchKitの成功例を出し、てんかんや喘息の研究の発展につながったと伝えた。

「ResearchKitが医療研究を進める速度と規模において多大な影響をもたらすことができてとても嬉しく思います。個人のケアにおいてもResearchKitと同じ原理を用いて良い影響を及ぼすことができるでしょう」とWilliamsは言う。



[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Apple、新しいApple Watch用バンドを披露。ウーブンナイロン製も

0032

Apple CEO、Tim Cookは今日(米国時間3/21)、Apple Watch用バンドの新作春モデルを披露した。またApple Watchの購売層を広げるべく価格を299ドルに下げた。Sportタイプと皮バンドのカラーバリエーションを増やした他、Appleは新しいウーブンナイロンバンドと、噂されていたスペースブラックのミラネーゼループバンドも発表した。

他が既存ラインアップの拡張なのに対して、新しい”NATO”スタイルのナイロンバンドは、Apple Watchでは初めてのタイプだ。このウォッチバンドは「独自の4層構造」で作られている、とCookが概要説明で言った。ファッション的には、カジュアルな ― しかしSportバンドほどスポーティーではない ― バンドを求める人々にぴったりだ。

Cookは、これらの交換可能なハンドの多様性が重要であることを強調し、「Apple Watchユーザーの約1/3が定期的にバンドを交換している」と話した。

ステージでは新しいバンドの詳細は語られなかったが、復活したAppleオンラインストアを見ると、ウーブンナイロンバンドは価格がSportバンドと同じ49ドルで、カラーは、ゴールド/ロイヤルブルー、ロイヤルブルー、ゴールド/レッド、ピンク、パール、スキューバブルー、ブラックの7色が用意されている。

以前から噂されていた一方ブラックのミラネーゼループは、ラインアップへの追加を大きく期待されていたものだ。エルメスのバンドも噂されていたが、発表はなかった。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

これが古いiPhoneを解体するAppleのリサイクルロボ「Liam」の全貌だ

apple-liam-1

Appleは、今日の最初のキーノートでリユース(再使用)、リデュース(削減)、リサイクル(資源の再利用)への取り組みに焦点を当てた。その取り組みの一環として、Appleが新しく制作したロボットLiamを発表した。このロボは、再利用のためにiPhoneをベリっと引き裂くものだ。

Appleの環境、ポリシー、社会的な取り組みを管轄する部門のSVPであるLisa Jacksonは、Liamは世界中のAndroidファンが羨ましがるロボだと言う。LiamはiPhoneを解体するために特別にデザインされた工業用ロボだ。Liamはスマホをバラバラにする前に各パーツを検知して再利用のために残骸と各部品を分けて処理工場へと送る。

Appleは特にバッテリーに使われているコバルトとリチウム、カメラの金と銅、ロジックボードのシルバーとプラチナ、そして外身のアルミニウムもLiamを使って再利用することができると強調した。

Take that, stupid little SIM tray.

小賢しいSIMトレイめ

Appleはリサイクルさえも人々を魅了するものにするためにiPhone解体マシーンに名前を着け、Liamが誕生した。世界初のリサイクルロボはあまりに可愛くて、リードを着けて公園に向かい、ついついみせびらかしたくなるような代物だ。



[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Apple、新製品iPhone SEを発表

zoolandersmallphone

最新世代の機能を備え、昔のモデルみたいに手に収まるサイズのiPhoneが欲しいと思っていたなら朗報だ。

Appleはついにお待ちかねのiPhone SEを発表した。

デザイン

このiPhoneはiPhone 5Sと同じように、4インチディスプレイを搭載していて、サイズも一緒だ。見た目のデザインも角のある、端が面になっているiPhone 5sとほとんど同じだ。iPhone 5sとの唯一の違いは、端がマット加工されていることだ。

このiPhoneは、スペースグレー、シルバー、ゴールド、ローズ・ゴールドの色展開がある。

見た目は似ているが、iPhone SEの中身はiPhone 5sとは全く異なる。

  1. 0051.jpg

  2. 5.png

  3. 0043.jpg

  4. 0044.jpg

  5. 0050.jpg

スペック

小型の新iPhoneはApple Pay用のNFCチップを内蔵し、より早いA9プロセッサとM9モーション・コプロセッサも搭載している。つまり、このiPhoneはiPhone 6sとほぼ同じ処理スピードを持ち、さらに常時起動の「Hey Siri」機能が付いている。

Appleによると、前世代よりLTEの速度を50%速めることを達成したとしている。

カメラ

カメラもアップグレードされ、12メガピクセルセンサーを搭載し、4K動画の撮影も可能だ。これはiPhone 6sと6s Plusに搭載されているのと同じカメラだ。

このカメラでは、AppleのGIF風の写真Live Photoを撮影することができる。写真を撮影する前と後の数秒も撮影してて、ちょっと動く動画のような写真が撮れる。

噂では、新iPhoneにはiPhone 6sにある前面のフラッシュ機能は付かないだろうと言われていたが、そうではなかった。AppleはSEにも同じLED機能を搭載したので、この小型モデルでも適切な光量でセルフィーを撮影することができる。

3D Touchはなし

SEには前面のフラッシュが搭載されないだろうという情報が9to5Macに伝わったのは、フラッシュ機能を搭載するには、iPhone 6sに搭載されている最新のデジスプレイ技術を必要とするからだという。そこで気になるのが3D touchだ。

iPhone 6sとiPhone 6s Plusのフラグシップモデルでは強めのタップや長いタップで、様々なアプリとインタラクションをもたらす3D Touchだが、iPhone SEには搭載されない。

ソフトウェア

本日からiOS 9.2が展開され、小型iPhone SEもこのソフトウェアを搭載する。これには夕方/夜や早朝にスマホを使う場合も目に最適なディスプレイの明るさや色味を変更するNight Modeが加わった。また、パスワード(Touch ID)で守られたメモ、Health内でのアプリ提案、そしてよりカスタマイズ可能となったNewsなどが含まれている。

CarPlayでは、機能連携できる自動車会社が増えた。

価格と発売時期

iPhone SEは16GBと64GBの2モデル展開で、価格はそれぞれ399ドルと499ドルだ。もしiPhone Upgradeプログラムを利用しているなら、価格は月々17ドルからとなる。

新iPhoneは3月31日から発売され、5月までには100カ国で入可能となる。



[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

AppleのiOS 9.3、今日からダウンロード可能―夜間モード追加、ヘルス、CarPlayなど強化

2016-03-22-ios93

Appleはさきほど開催されたプレス・イベントで“Let us loop you in”〔あなたをループに入れよう〕という謎めいた招待状のタネ明かしをした。AppleのGreg Joswiakによれば、そのひとつはiOS 9.3だった。この新しいOSは今日からダウンロードが可能になるという。アップデートは無償だ。

Joswiakはこのアップデートを「小数点〔現行9.2から9.3へ〕のアップデートとしては過去最大級のリリース」と紹介した。

iOS 9.3には新たにNight Shiftモードが設けられ、夜間のiOSデバイスが目に優しくなった。今回発表されたその他の機能として、メモ・アプリにパスコードまたはTouchIDによる保護が加えられた他、教育関係機能の充実、ニュースへのAppleが選んだトップ記事表示、音楽と地図のアップデート、CarPlay、ヘルスケア・アプリの強化などが挙げられる。

このイベント以前にわれわれわはiOS 9.3の内容については詳しく知っていたが、最大の秘密はリリースの日付だった。それが今日だと判明した。こちらはTechCrunchのiOS 9.3プレビュー版の紹介

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ブランドのためのInstagramは終わった

shutterstock_171444791

【日本版編集部注:Steve Feinerは、東南アジアのオンライン生花配達サービス、A Better Floristのファウンダー・CEO。】

先週Instagramはニュースフィードのアルゴリズムを変更した。投稿は時間順には表示されず、「ユーザーの興味のあるコンテンツ、投稿者との関係、および記事の適時性に基づいて」並び替えられるようになった。

これがどういう意味かといえば、何をいつ見せるかは、Instagramが選ぶ ー 事実上Facebookのニュースフィードと同じになった。

この変更は、ユーザーのフィードを最適化する方法とされているが、実際には広告コンテンツを制御する力をInstagramに与えている。「平均して、ユーザーはInstragramフィードで約70%の記事を見逃している」とInstagramの共同ファウンダー・CEO、Kevin Systromは言う。「重要なのは、ユーザーが見る30%をできる限り最良の30%にすることだ」。確かにそれは真実だが、間違えてはいけない、Instagramはこれを収益化のために行おうとしている。

Facebookが気にする理由

Instagramの親会社であるFacebookは先日、Q4の売り上げ58億ドルを発表し、前年比51%の成長だった。Facebookの伸び率は40%以上が続いているが、この成長率を維持することは並大抵ではない。

Facebookの過去の成長率を当てはめると、次の四半期には20億ドル、1年後の四半期には30億ドルを上乗せする必要がある。

最近の決算会見でFacebookのCFOは、「Facebookの中核機能が売り上げを押し上げている」と語った。この成長は、ユーザー当たり平均売り上げの上昇によるものであり、ユーザー数の成長ではない。この成長を、Facebook本体で維持していけるのだろうか?

Facebookは来年の現四半期に、累積30億ドル以上成長する必要がある。ユーザー数の成長率を、過去の実績である13%とすると、ユーザー当たり平均売り上げは33%伸びなくてはならない。Facebookが2012年Q1以来、すでに、途上国で4倍、米国・カナダで5倍以上成長していることを踏まえると、Facebookにそれは可能だろうか?果たしてFacebookは、ユーザー当たり平均売り上げを、これも飽和状態になるまでにどこまで伸ばすことができるのだろうか?

そこで、Instargramのような新しい分野での収益化が重要になってくる。eMarketerによると、Instagramの売り上げは2015年に6億ドルに達し、2016年には149%成長すると予測されている。これがユーザー数の伸びによるものでないことは明らかだ。149%のユーザー成長は、来年だけで6億人の新規ユーザーに相当する。

ブランドへの影響

ここにInstagramが関わってくる。過去数年間、何千というブランドがInstagramに参入した。そこが最も消費者を引きつけるソーシャルメディアと気づいたためだ。Instagramが収益化を始めると何が起こるか?最も摩擦の少ない道はFacebookと同じ道をたどり、オーガニックなリーチを制限することだ ー これは以前Facebookで見てきたストーリーだ

では、Instagramの素晴らしいコンテンツを作ることに多大な投資をしてきたブランドはどうなるのか?主要ブランドは、かつて無料だったメディアに金を払う予算を持っているが、ブログショップなどの小さな店舗はそう恵まれてはいない。

もしあなたのビジネスが、チャンネルとしてのInstagramに強く依存しているのなら、顧客獲得には完璧に編集した写真だけではなく、べらぼうな値札がついてくることを覚悟したほうがいい。

原文へ
 
(翻訳:Nob Takahashi / facebook

2016年ホンダ・シビック:2万ドルで先進運転支援システムを搭載

2016 Honda Civic Sedan

先日NHTSA(国家道路交通安全局)が、2022年までに自動緊急ブレーキ(AEB)システムをすべての新車に標準装備することを自動車メーカー20社と合意したと発表した時、多くの人たちは今でもこのテクノロジーを搭載した車がたくさん売られていることを指摘した。2016年時点で、これは高級車でのみ利用できる高価な装置だと思っているかもしれないが、Honda Civicセダンはそれに異議を唱える。Honda Sensingシステムは、同社の控えめながら人気の高いセダン全車種に、1000ドルで装着することができる。

まずこれは、自動運転ではない。2万440ドルの2016年Honda Civicの運転席で通勤中に昼寝することはできない。しかしそれは、 TeslaAudiでもまだできない。ここで言っているのは、先進運転支援システム(ADAS)と呼ばれているものだ。Honda Sensingは、その代表的なもので、以下のような機能を備えている。

  • 状況適応型クルーズコントロール(低速走行時の車間距離維持を含む)
  • 衝突被害軽減ブレーキ
  • 車線逸脱警報
  • 前方衝突警報
  • 車線維持補助
  • 路外逸脱抑制機能

技術者らは自動車での利用が一般的になってきたセンサーやカメラを利用することで、テクノロジーを通じて車を包む安全のクッションを拡大しようとしている。Honda SensingおよびAEBでは、Civicの前方にレーダーおよび走査カメラが装備されている。衝突の可能性を検知すると、音声と視覚を通じて運転手に前方衝突警報を発信する。もし運転手が素早く反応しなかいときは、衝突被害軽減ブレーキシステムが作動し、車両を完全に停止させる。同システムの精度は高く、他の車や歩行者を識別することが可能であり、これは完全自動走行への重要なステップだ。

自動走行車ではないものの、新型Civicセダンは高速道路走行中に車線のどこを走っているかを監視している。もし、方向指示器を使わずに中央からずれると、車は静かに元の位置に戻される。合図なしに車線を離れると、進路を戻すよう音声および視覚による警報が発せられる。そして、朝の通勤ラッシュでノロノロ運転している時は、センサーが前方車との間を安全な距離と速度に保つので、3秒ごとにブレーキを踏む必要がない。

HondaのChris Martinによると、同社はこの先進レベルのADASを1000ドルのオプション(Civicツーリングセダンには標準装備)で提供することが可能であり、それは過去2年のモデルで提供してきたからだといった。「量産を決断すれば、価格は下がる」とMartinは言う。Honda Sensingは、CR-V、PilotおよびAccordにも搭載される。

Honda Sensingは、自動走行車への一歩の先を行っている。Hondaは、2020年までの衝突軽減、および2050年までの無衝突を目標としている。この目標の副次効果として、2040年Honda Civicでは昼寝ができるかもしれない。

原文へ
 
(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Jack Dorsey曰く、Twitterは140文字制限を維持する

456915678

Twitterはツイートの文字制限を増やす計画を方針変更したのだろうか?Twitter CEO Jack Dorseyが”The Today” に出演したことを報じた記事を読んだ人はそう思ったかもしれないが、私は彼の心境に大きな変化があったとは思わない。

去る1月にRe/codeの記事が、「Twitterはツイートの文字制限を1万文字にすることを考えている」と書いたことを覚えているかもしれない。ただしそれは、長大なツイートが有無をいわさずあなたのタイムラインに現れるという意味でなかった ー 実際にはこれまで通り140文字だけが表示され、その先を見るにはクリックしなくてはならない。

Dorseyはこれに答えて、140文字の制限は「美しい制約」であり、Twitterが「あのフィーリングをなくすことは決してない」と語った。同時に彼は、ユーザーはテキストのスクリーンショットをTwitterでシェアすることがしばしばあり、それは文字制限を回避するためであることも指摘したため、こう質問された。「そのテキストが…実際にテキストだったら?」検索可能のテキスト。ハイライト可能なテキストなら。

【要約:初めから140文字制限したのではない。SMSメッセージ(160文字)に合わせたものだ。それが見事な制約になり、大いに気に入っている。創造性と簡潔性を生み出した。そしてスピード感覚をも。そのフィーリングを失うことはない。】

そして今日(米国時間3/19)午前のThe Today Showに出演したDorseyは、Twitterの10周年について語った ー ただしまず、ホストのマット・ラウアーだこう尋ねた、「140文字。この制限は続くのか? もしなくなるならいつ?」。

「そのままだ」とDorseyは答えた。「これはよい制約であり、その瞬間を簡潔に切り取ることができる」。

ラウアー:何も変えるつもりはない?

Dorsey:われわれは多くのものを変えていく。常にTwitterをよくしようとしている。

ラウアー:それでも、140文字。

Dorsey:140文字。

言い換えれば、ツイートには140文字制限が続くということだ。しかし、ツイートにもっとテキストを埋め込むことについてはどうなのだろうか、画像やビデオを埋め込むように。それについては何も語らなかった。Twitterはやるかもしれないし、やらないかもしれないが、Dorseyは可能性を排除しなかった。

それで何か新しいことがわかったのか? もしあなたが本当に、140文字制限が完全になくなることを心配しているなら、とりあえず安心していいだろう。それ以外については、Dorseyは1月と同じメッセージを繰り返しているようだ。

原文へ
 
(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「計るだけ」ダイエットの先をいく(?)、「自撮りする」ダイエット

withings-scale

体重を減らしたいと考えている人は多い。理想の体重に近づくために、頑張ってライフスタイルを変える人もたくさんいる。ただ、そうしたチャレンジにとって、成果がすぐに体感できないということが高いハードルとなることがある。体重の変化は一般に徐々に、ゆっくりとあらわれるものだ。努力の結果が目に見えにくいことに苛立ち、そして未来に向けた努力を諦めてしまう人も多い。そんな人に対して、単純でありながら効果的な支援を提供しようとするのがProgressだ。

このアプリケーションの制作者も、やはりフィットネスの成果が目に見えないことに苛立った経験があるのだとのこと。ジムに通っても変化が目に見えず、継続へのモチベーションを失ってしまいがちだったのだと言う。そういう経験を踏まえて、フィットネストレーニングの成果を目に見えるようにするための仕組みが必要だと考えたのだそうだ。

アプリケーションの登場をまたず、「成果が見えない」という問題に自力で対処しようとしている人もいる。すなわち自分の姿を写真におさめて成果を確認しようとしているのだ。しかし写す角度のちょっとした違いなどによって、見える印象が全くことなってしまったりもする。結局、自身の身体にどのような変化が生じたのかがわからなくなってしまうのだ。

Screen Shot 2016-03-18 at 12.52.45 PM

iPhoneアプリケーションとして登場したProgressは、基本的にはその仕組みを可能な限り効率的にしようとするものだ。自撮り写真を撮るという方法自体は同じながら、アプリケーションでは前日の写真がうっすらと表示されるようになっている。それによって、前の日と変わらぬ角度で写真を撮ることができるようになっているのだ。

さらにProgressはAppleのHealthKitとも連携しながら体重管理をすることもできるようになっている。すなわち、HealthKit対応のスマート体重計を使っているのなら、体重データは自動的にProgress側にも記録されることとなる。

phone-and-hand-2

データを15日間にわたって記録すると、Progressがそれまでの写真を組み合わせて、身体の変化具合を示す短いビデオを作ってくれる。このビデオは友だちとシェアして変化の具合を自慢するようなこともできるし、もちろんひとりで眺めながら、乗り越えてきたハードワークに耐えた自分を褒めたりするような使い方もできる。

こうした類のアプリケーションがないわけではない。App StoreにはSnapTrack、Fitness Progress Photos、Selfit、Fitstream、Transformation Suite Progressなどといったアプリケーションが登録されている。違いといえば、このProgressがシンプルに体型変化の記録をしようとしているところにある。他のアプリケーションは、たとえばウェイトリフティングや、あるいはより広範な健康管理の一環としてフィットネスの進捗具合を管理しようとするものが多いのだ。そのシンプルな目的ゆえに、アプリケーションの使い方も非常にシンプルでわかりやすくできている。

アプリケーションは無料でダウンロードできる。ただし「プロ」モードで使用するには、アプリ内課金が発生する。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

SonyのPlayStation VRヘッドセットは必要アイテム込みで500ドル、3月22日から予約開始

playstationvr

今週早くSonyは、PlayStation VRを399ドルという低価格で発売する、と発表した。競合するVRヘッドセット、たとえばOculusなどは、それより少なくとも200ドル以上は高いから、この価格はみんなの心を踊らせた。そしてArs Technicaによると、PlayStationのカメラのAmazonでの売れ行きは3000%アップ、Moveコントローラーは1000%アップとなった。

その発表のあとにMoveコントローラーやCameraに関心が向かうのは、実は当然なのだ。PlayStation VRヘッドセットで主なゲームをプレイするには、それらのアイテムが必要だ、とSonyが言ったからだ。

今朝(米国時間3/18)Sonyは、VRヘッドセットとCameraとMoveコントローラーの同梱パッケージ(+ミニゲーム集VR World)の価格は500ドル、と発表した。Sonyの説明では、Cameraは位置追跡のために必要、またほとんどのゲームは、プレイするためにMoveワンドが必要なのだ。

CameraのMSRP(メーカー希望小売価格)60ドル、Moveコントローラーは50ドルだ。しかしAmazonの価格はCameraが44ドル、Moveワンドが24ドルだ。だからPlayStationバンドル(同梱製品)の価格は、アイテムを個別に買う場合とほぼ同じだ。

しかしそれでも、Oculus Riftの599ドルから、HTC Viveの799ドルから、などに比べると、SonyのVRヘッドセットは安い。ただしPlayStation本体も要るから、それも買う人はさらに数百ドルを払うことになる。

予約は、3月22日から受け付ける。

[出典: Ars Technica]

〔参考記事: Sony’s Playstation VR Costs More Than Expected(未訳)〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

チューターなどフリーランスの人がオンラインビジネスを構築するためのツールを提供するCoach…ありそうでなかったサービス

shutterstock_195367244

あなたの仕事が何かを人に教えること…つまりtutor(チューター)…で、しかもその仕事をオンラインで…つまりインターネットを使って…やりたいなら、そのためのツールをCoachという名のスタートアップが提供してくれる。

CEOのSpencer Fryは前にも、CarbonMadeという似たようなプラットホーム…人の足場となるようなサービス…を作ったことがある。そこは、デザイナーやアーチストが自分のポートフォリオを簡単に展示できる方法を提供した。でもCoachはそれよりずっと難しい、と言う。構成要素がとても多いからだ。

どんだけ多いかというと、Coachがユーザーに提供するものは、1)Webサイトビルダー、2)オンラインの支払い決済システム、3)ユーザーのユーザー(生徒)も見られるスケジュール用カレンダー、4)教材見本など補助的コンテンツをパブリッシュするためのツール、5)生徒たちの情報を記録しておくためのデータベース、6)ユーザーがCoachのチームメンバーやそのほかのユーザーからサポートを得られる方法、以上だ。

これらの一つ一つは、きわめてありふれているが、でもFryに言わせると、これまで“ビジネスツールとマーケティングの素材を一つにまとめたサービスはなかった”そうだ。

[Spencerのレッスンを予約する][私の現在の空き時間は下記のとおり]

Coach calendar

“このサービス/プラットホームはユーザーのビジネスのためのハブで、そこではビジネスに必要なことが何でもできる。多機能WebサイトビルダーSquarespaceと、支払い決済サービスSquareを合わせたようなサービスだ”、と彼は述べる。

Fryがさらに強調するのは、Coachが”オープンプラットホーム”ではないこと。言い換えると、それ自体が教える側と生徒のためのマーケットプレースではなくて、教える側が生徒と自分のWebサイト上でコネクトするために必要なツールを提供する*。ただしCoachの上で多くの先生の中から良さそうなのを生徒が見つける、という意味では、徐々にマーケットプレース的にもなっていくだろう、という。〔*: Coachの上には生徒が先生とコミュニケーション〜対話する便宜はない。本格的なメニュー展開やコンテンツ展開もCoach上ではできない。などなど。〕

Coachは一応、教える人(チューター)のためのサービスとなっているが、現実にはトレーナー、セラピスト、デベロッパーなど、いろんな仕事の人が利用している。彼のガールフレンド(ライターとしてコピーライターの術を教えている)も、その一人だ。要するに時間制で何かの仕事をして、自分を宣伝し、支払いもオンラインで得る、という生き方をしたい人なら誰でも利用できる。

Coachの収益源は、支払いが発生したときの手数料だ。将来的には、カスタムドメインの提供など、有料のサービスも提供したい、とFryは言っている。

FryとNational Capitalの投資家たちのインタビューを読むと、彼のビジョンがさらによく分かる。ほかに、SkillshareのMike Karnjanaprakorn, SeatGeekのJack Groetzinger, DynのJeremy HitchcockらもCoachに投資している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))