Snapchatのリプレイ機能は、Snapchat自体を消し去る時限爆弾?!

Snapchatを使っていて一番不便なのは、音声付きのスナップが送られてきたのに、うっかり聞き漏らしてしまうことがあることだ。騒々しいところで開いてしまったり、あるいは音がならないようにしているときに開いてしまったりする。Snapchatがリリースした最新版に搭載されたリプレイ機能は、そうした問題にも対処しようとするものなのかもしれない。1日に1度、送られてきたスナップをもう1度再生することができるようにするものだ。しかしこれがむしろ大きな問題を引き起こすことになる。自らの特徴である「はかなさ」(短期で消滅する性質:ephemerality)を失ってしまうことになるのだ。

Snapchatが大いに流行することになった要因は、送受信するメッセージ(スナップ)を一瞬だけ見ることが出来るという性質によるものだった。「瞬間」に集中する必要があり、それがためにコミュニケーションに集中することともなった。

しかし今回投入された「リプレイ」機能があれば、漫然と対処することが可能となってしまう。アプリケーションを開いたままにしていて、かつ他のスナップが送られてくる前であれば「すごいな。ちょっと際どくてナイスじゃん。もう一度見てみよう」などということが可能になるのだ。

もちろんFacebookのタイムライン投稿のように、永久に残ってしまうというものではない。しかしこれまでのように気軽になんでも送るようなことはできなくなる。構図はちゃんとしていただろうかとか、髪が乱れていたのではなかろうかなどと気になってしまう。

これまでSnapchatで送られるスナップは、一度だけ閲覧されてあとは記憶の中に残るのみとなるものだった。記憶というのは曖昧なものであり、それがために気軽になんでも送ることができたのだ。こんな写真を送ると何を言われるだろうなどということを気にする必要もあまりなかった。そうした性質のおかげで、馬鹿馬鹿しい内容で盛り上がったり、あるいは少々際どいスナップを送り合って笑い合ったりできたのだ。ちょっとしたおふざけ写真が後々までひと目にさらされるような危険性については考える必要がなかった。

これからはスナップの内容が再チェックされてしまうようになるわけだ。あるいは誰かに見せたり、さらには再生の様子を他のカメラで撮影したり、あるいはスクリーンショットに残したりすることもしやすくなってしまう。シモネタ絡みで楽しんでいた人たちは、少々使いにくさを感じてしまうことになるだろう。他の人に見せられたり、あるいはカメラで記録されたりする可能性がある中、際どい写真などは送りたくないと考えるのが普通だろう。

冒頭にも書いたが、リプレイが便利である場面というのも確かにある。しかしUI面でも機能面でも、あまりにひどいデザインであるように思える。機能を使うにはメニュー階層を深くたどって「Manage Additional Services」というメニューを発見して、そこから行う必要がある。ちなみにこの設定でリプレイが可能になるのは自分の端末上(人から送られてきたスナップを見る場合)であり、自分が送るメッセージをリプレイ可能性を設定するものではない。自分の送る画像やビデオのリプレイ可否を設定する方法は用意されていないのだ。

Snapchatは10月にもStories機能を発表し、短い時間で消滅するという自らの特徴とは違う方向への進化を模索しているように見える。これは24時間以内なら何度でも見られる形式でパブリックに、あるいは友人に対してスナップを公開するものだ。24時間たてば、スナップは消え去ることとなる。リプレイもこの流れにあるものと考えることが出来るかもしれない。しかしStoriesでは、何度でも閲覧可能とする設定を行うのは送信者側だった。リプレイでは、受信者が送信者の意図に関わらず、繰り返してスナップを見ることが出来るようになっているのだ。

リプレイの目的が、ビデオを見るのにうっかり音声をオフにしてしまっていたとかそうした事情に対処しようとするものなのであれば、送られてきたスナップがビデオなのか写真なのかを明示するようにすれば良いと思う(Update:実は区別されていたそうだ。赤が写真で、紫がビデオを示すのだそうだ。しかしもっとわかりやすく示してくれても良さそうなものだと思う)。間違って開いてしまって、よく見ないうちに消滅時間になってしまうということに対処しようとするのであれば、スナップを開くときの仕組みを考え直せば良いだけの話だと思う。

問題に対処しようという、ある種の「好意」からの機能変更であるにせよ、Snapchatは人気を集めた自らの特徴を捨ててしまうような形で変化してしまっている。これが正しい方向性だと思っているのなら、CEOのEvan Spiegelはちょっと考えなおした方がいい。Snapchat自体があっという間に消え去らないうちに、リプレイ機能については考えなおした方が良いように思う。

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(翻訳:Maeda, H


Snapchat、フィルター、スタンプ、そして議論となりそうな「リプレイ」機能を実装

クリスマスを前に、Snapchatがアプリケーションのアップデートを行った。今回のアップデートでフィルター(ビジュアルフィルターとスマートフィルターがある)やフォント指定機能、そして最も話題になりそうな「リプレイ」(replay)機能などが加わることとなった。

新しい機能で、一番利用頻度が多そうなのは「ビジュアルフィルター」だろう。写真にカラーエフェクトを加えるといったようなことができるようになった。どうすれば使えるのだろうと悩んでしまう人も多いと思うが、それはきっとティーンエイジャーじゃないからだ。右から左にスワイプすればフィルターを適用できるのだが、実は当方でもやり方を発見するのに10分ほどかかってしまった。カラーのフィルターが2種類で、白黒のフィルターもひとつ用意されている。

「スマートフィルター」というちょっと変わったフィルターも提供されるようになった。写真の上に撮影時間、温度、そしてこれが一番妙なしろものだが、撮影時移動速度をオーバーレイ表示することができる。単位はMPH(マイル単位の時速)だ。きっと早さを競う投稿合戦が行われることになるに違いない。

また大きなHelveticaフォントを選べるようにもなっている。これもおそらくは適用する方法がわからないという人が多いことだろう。テキストの入力ボックスを選んだ状態で、再タップすることでフォントが変更できる。

またフロントカメラで使えるフラッシュ機能も搭載されている。撮影時に画面が白く発光するのだ。自分撮りを行うときに、明るさを増すことが出来る。さらに最大7人までを「ベストフレンド」に登録しておくことができるようにもなっている。これらはいずれも「Settings」メニューの「Additional Services」から「Manage」画面を表示させて利用開始するようになっている。メインのUIに、新機能を使うための変更は一切加えられていない。

さて、問題になりそうなのは「Replay」オプションだ。利用オプションをオンにしておくと、1日に1度だけ、送られてきたスナップを再表示することができる。これはSnapchatの1度だけ表示してあとは永遠に消え去ってしまうというスタイルに反するものだと考える人もいる。再表示できるのは、ストリーム内で最新の画像ないしビデオのみではある。しかし再表示するようにするかどうかを「送り手」でなく「受け手」側で設定できることにより、この機能に反対する声も大きいようだ。メッセージ受信者は、ほんの一瞬だけ見せようとしたのかどうかという送り手の意図に関わらず、しっかり準備して2度目の再生をすることができるわけだ。

Snapchatとしては、利用回数の制限などを設けていることで、さほど大きな反対を招かないと考えているのかもしれない。またうっかり大事なところを自分の指で見逃してしまったり、写真だろうと思っていたら実は動画で面白い動きを見逃してしまったときなどには便利な機能であることも間違いない。

Snapchatは最近、特徴とする「はかなさ」(ephemeral)とは一線を画する機能をいろいろと試みているように思える。たとえば先日も24時間以内なら何度でもメッセージを閲覧できる「Stories」の機能を発表している。「Replay」機能については、Josh ConstineがSnapchat Sacrifices Ephemerality With New Replay Featureという記事投稿しているので、興味のある方はご覧頂きたい。

正直な所、今回のアップデートで提供されるようになった新機能は、どこで設定するのかよくわからないし、また利用時のUIも最悪に近いものだと感じる。但し今回のアップデートはテストの意味もあるのだろうと思う。本気で採用する段になれば、UIの方もより洗練されたものとなるのだろう。ただ、もう少しデザインにも気を配ってくれれば良いというのが本音の所だ。いずれにせよ、冬が終わる前には、またいろいろと新しい機能が出てくるに違いないだろう。

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(翻訳:Maeda, H


激戦のC2C市場の本命か、「LINE MALL」がついに始動

ヤフーミクシィサイバーエージェントなど大手ネット企業が続々と参入する個人間取引(C2C)市場に、LINEがついに進出する。「LINE MALL」を来春に正式公開するのに先立ち12月20日、出品と購入の機能に特化したプレオープン版をAndroid先行で開始した。来年早々にiPhoneに対応するとともに、順次機能を追加する。メルカリFrilなどのスタートアップが手がけるC2Cも伸びているようだが、国内で圧倒的なスマホユーザー数を擁するLINEが既存サービスを一蹴してしまうかもしれない。

LINE MALLは商品のジャンルや新品・中古に関わらず、あらゆる商品をスマートフォンで売買できるスマホ向けECサービス。出品は一般ユーザーと企業を問わず、事前審査も不要。手順としてはスマホで撮影した写真を利用し、販売価格を設定、出品ボタンを押すという3ステップのみ。購入成立時には商品代金の10%が販売手数料としてかかる。商品代金はLINEが一時的に預かり、商品が購入者の手元に届いてから支払われるため、売買のトラブルがないとしている。

決済はクレジットカード、コンビニ支払い、Pay-easyに対応。購入代金の1%を次回のショッピングに使えるポイントサービス(1ポイント=1円)も用意する。

LINEならではの機能としては、自分が出品した商品や、お気に入りの商品を、LINEを通じて友だちに勧めることが可能。LINE MALLを利用するにはLINE IDでの認証が必要となるが、LINE MALL専用のIDを使って匿名で商品を出品・購入できる。出品者と購入者の連絡は、LINE MALL内でトーク(メール)機能を利用する。

PCでの利用をベースとしたECサービスは、商品名を検索したり、スペックを比較して購入する「指名型」が中心だった。これに対してLINE MALLは、一品モノの商品を揃え、スマホに最適化したUIを通じて、ウィンドウショッピングをするような感覚の「発見型」のECサービスを狙っている。LINEが擁する国内5000万人のユーザーベースをもとに、国内最大級のスマホ向けECサービスを目指すという。


デベロッパーの関心はWindows Phoneでアップ、Windows 8.xでは低下―IDC/ Appcelerator 調査

今朝(米国時間12/19)、AppceleratorとIDCは共同で11月に実施したデベロッパーの意向調査の結果を発表した。このデータによると、Windows Phoneは今までにないほどデベロッパーの関心を引いているものの、Windowsプラットフォーム自体の人気は下降ぎみだ。

さまざまなプラットフォームについて「アプリケーションを開発することに非常に興味がある」という回答を集計したところ、Windows Phoneは37%のデベロッパーから「非常に興味がある」という回答を得た。しかしWindowsそのものは35%を下回った。今年8月にWindowsの数字は40%近かった。その後は頭打ちか減少傾向が続いている。

Windows Phoneへの関心は大きな上下を繰り返してしてきた。今はまた上昇した時期に当たる。2012年8月にWindowsへの関心がピークを迎えたものの、同じ時期にWindowsPhoneへの関心は22%と最低水準に落ちこんだ。Windows Phoneへの関心はそれ以来50%も改善されたことになる。それでもWindows Phone上の開発に「非常に興味がある」デベロッパーは全体の3分の1に過ぎない。

デベロッパーの50%以上がKindle Fireでの開発に「非常に興味がある」と回答しており、iPhoneは84%、iPadは82%、〔Androidが80%、Androidタブレットが71%〕などとなっている。Microsoftのプラットフォームはたしかに一定の関心を集めているものの、依然として低空飛行が続いているわけだ。

下の図はIDCのレポートのグラフからWindowsに関連ある部分を拡大したものだ。〔薄い空色がWindows、濃い空色がWindows Phoneを表す。2011年から一貫して下降を続けてきた藤色の線はBlackberry〕

Microsoftにとって問題なのはWindows 8.xのインストール・ベースが増加しているにもかからわず、デベロッパーの関心が薄れていることだ。開発環境が整備され、デバイスの販売が好調だからアプリのダウンロード数の増加も期待できるのに、デベロッパーの関心は高まらない。下降幅はわずかだが、MicrosoftがWindows Storeの構築に全力を挙げているこの時期、本来なら関心が高まっていなければならないはずだ。

Microsoftの話題とは別に、この調査の結果は非常に興味深い。プラットフォーム戦争に興味があるならぜひ一読すべきだ。たとえばデベロッパーがアプリケーション開発にあたって「アプリを接続させたいサービス」ではFacebookが1位、Twitterが2位、そして意外にも3位にGoogle+が入っている。〔4位以下はLinkedIn、PayPal、Dropbox、Google Calendarなどとなっている〕

画像: Flickr

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Appleの要請: 2014年2月1日以降提出のアプリはすべてiOS 7対応とすべし

Appleのデベロッパポータル上の最新記事によると、2014年の2月1日以降提出されるiOSアプリはすべて、iOS 7対応でなければならない。新作アプリだけでなく、既存アプリのアップデートも然りである。で、そのためにはデベロッパは、64ビットのサポートやプロセスをバックグラウンド化するAPIのある最新バージョンのXcode 5を使用しなければならない。

過去2年間のAppleは、デベロッパがOSの最新バージョンをサポートすることを、これまで以上に熱心に奨励してきた。そのためにAppleは毎回、最新バージョンのOSの採用率を公表してきたが、それらはとてもとても高かった。iOS 7の場合は、どのイベントにおける発表でも全iOSユーザの76%でトップであり、そしてその最新の数字を、今では同社のサイトに載せている。

iOS 7は変化がこれまでになく大きいから、Appleはアプリのアップデートに関してさらに躍起になっているのかもしれない。とくにiOS 7は、多くの複雑なフィジカル言語を導入し、これまでデベロッパがユーザへの指示に使っていたビジュアルなキューの多くを剥ぎ取ってしまった。だからアプリのルックスからして大きく変わってしまい、アップデートしてないアプリが場違いにも見えてしまう。

ただしAppleの記事をよく読むと、デベロッパへの要請はアプリを支える構造が中心で、外見は重視していないようでもある。つまり、アプリをiOS 7向けに‘最適化’し…何が最適化か?…、新しいXcodeでビルドするのだが、デザインは変えなくてもよい。ただしAppleの標準のUI成分は新しいSDKにおいて変わってしまったから、旧アプリをアップデートする場合でも、ルックスと機能の修正がある程度は必要だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Hub、夫婦に加えておじいちゃん、おばあちゃんも巻き込む情報共有アプリケーションをリリース

家族でも、あるいは仕事仲間とでも、お互いのスケジュールなどの情報を共有することは非常に難しい。皆がそれぞれ自分の好きなカレンダーやTo-Do管理ツールを使っていて、それぞれの情報をチェックすることがとても難しいのだ。そこに登場してきたのがHubだ。家族間のそれぞれが、今使っているツールを使い続けながら、簡単にカレンダーやTo-Doリストなどを共有するための機能を提供する。

Hubを生み出したのはSimplyUsを作ったのと同じチームだ。昨年の春頃から夏にかけて流行した「夫婦」ないし「カップル」用のサービスのひとつだ。実はこのSimplyUsを作りつつも、実は情報共有は夫婦間のみでなく、家族も巻き込む方が一層便利だと考えていたのだそうだ。

確かに夫婦の予定や各種リストを共有すれば役立つシーンが多いわけだが、たとえばおじいちゃんやおばあちゃんなども巻き込めればさらに便利になることに気付いたわけだ。

たとえば孫と遊びたいと考える祖父母は、両親のスケジュールをチェックしたいと考えるだろう。また子供が成長してティーンエイジャーとなった際には、ちょっとした用事を家族から依頼されるというようなユースケースも考えられる。さらにはベビーシッターやデイケアサービスの職員などのメンバーとして登録することができ、簡単にスケジュールの調整ができるようになる。

こうした利用シーンを念頭において、新しい情報共有アプリケーションとして生み出したのがHubであるというわけだ。さまざまなカレンダーサービスの情報を取り込んで、簡単に情報共有が行えるようになっているのは便利だ。Google Calendar、Outlook、Yahoo、iCloud、あるいはExchangeもサポートしている。

また異なるメンバーによるHubを複数構築できるのも便利だろう。たとえば祖父母と孫、そして両親が参加するHubや、ベビーシッターと予定を共有するためのHub、あるいは夫婦のみでのHubなども作ることができる。サービスはフリーミアムモデルで提供されている。無料版では月ごとに共有できるイベントが5件までで、タスクは10件までと制限されている。

有料モデルを利用する場合、年間申込みの場合は35ドル99セントで、月額の場合は4ドル99セントとなっている。これで無制限にHubを作成でき、またイベントおよびタスクの共有件数に制限もなくなる。また、同一Hubを利用しているメンバーのうちひとりが有料版に申し込んでいれば、そのHubに属するメンバー全員が件数の制限なく情報を共有できるようにもなっている。

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(翻訳:Maeda, H


カップル専用SNS「Pairy」が1億円増資、来年早々に夫婦版と海外展開

カップル専用アプリ「Pairy」を運営するTIMERは18日、ベンチャーキャピタル4社を引受先とする総額約1億円の第三者割当増資を実施した。増資をもとに開発人員を拡大し、今年度中に夫婦に特化したアプリをリリースするほか、世界展開も予定している。割当先はインキュベイトファンド、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、East Ventures、NTTドコモ・ベンチャーズ。

Pairyは、想い出の写真を2人で共有するアルバム機能、2人だけのチャット機能、行きたいデートスポットを共有できるデート機能、予定調整に使えるカレンダー機能、2人のまとめをつくるペアプロフ機能などがある。デート機能については、これまで15万件以上のスポットのリンクが投稿されていて、うち25%が実際にデートに訪れられているのだとか(デート機能ではリンクを「気になる」へ登録し、行った後は「行った」へと切り替える機能がある)。

当然のことながら、ユーザーは1人の相手としかペアリングできない。別れてしまった場合は「ペア解除」機能があり、解除するとこれまでやりとりしたデータはお互いに見られなくなる。ただし、復縁して再度同じ相手とペアリングすると、今までのデータがすべて復旧するシステムも搭載されている。

アプリは2012年6月に公開し、2013年9月時点で登録会員数13万人を突破。現時点の会員数は非公開。まずはユーザー獲得に注力し、来年度以降に有料会員モデルや広告、ユーザーのアルバムデータを活用したフォトブック販売などを検討する。詳細は未定だが、来年度以降はフジテレビとの連動番組も予定しているという。

カップル向けSNSとしては、Y Combinator出身者による「Pair」や韓国発の「Between」、国内でもリクルートによる「Sweetie」などがあり、これから普及期を迎えようとしているのかもしれない。TIMERの田和晃一郎COOによれば、カップルと夫婦は国内だけでも2000万人以上がターゲット。今回の増資をもとに、夫婦に特化したアプリや海外向けサービスをリリースし、より多くのカップル・夫婦間で使われるサービスを提供したいと話している。


セカイカメラ終了のお知らせ……開発元・頓智ドット「目指した思想は諦めていない」

TechCrunch 50で華々しくデビューし、一世を風靡したセカイカメラが、2014年1月22日に全サービスを終了する。開発元の頓智ドットが12月17日に明らかにした。同社によれば、サービス終了の理由は、セカイカメラの進化版と位置付けるアプリ「tab」にリソースを集中するためだが、「セカイカメラが目指した思想自体は諦めていない」のだという。

iPad版セカイカメラのスクリーンショット

セカイカメラは、現実の背景に情報を重ねて表示する「拡張現実(AR)」技術を用いたスマートフォン向けアプリ。写真やメッセージを場所に紐付いたかたちで投稿できる。セカイカメラをかざすと、ディスプレイ上では目の前の景色とともに、場所に関連する「エアタグ」と呼ばれる文字や画像などがオーバーレイ表示される。

これまでにダウンロードされたアプリは300万、投稿されたエアタグは150万件に上る。過去に投稿したエタタグのデータはアプリ終了に伴いすべて削除されるが、KML形式でエクスポートできる。エクスポートしたKMLファイルは、KML形式をサポートしているGoogle Earthなどで表示することが可能。

サービス終了の理由について頓智ドットは、同社が手がける「tab」の開発に全リソースを集中するためと説明している。(tabは「行ってみたい」と思ったものをクリップしておけば、近くに来た時にお知らせを受け取れるアプリ。)以下はセカイカメラ終了に際して頓智ドットから得たコメントだ。

セカイカメラが目指していた思想自体を諦めたわけでは決してありません。むしろ、セカイカメラの課題を解決し、より発展させるためにtabをリリースし、リソースをそちらに割いてきました。セカイカメラの終了がこのタイミングとなったのは、1月よりtabのさらなる強化を図るためです。tabが目指すもの、それは「世界の可視化」を通じて、興味の発見や体験をしやすく、そして毎日の生活がもっと楽しくなることです。

セカイカメラを開発したのは、11月に開催したTechCrunch Tokyo 2013の基調講演に登壇してくれた井口尊仁氏(関連記事:「井口さん、Telepathyは本当に作れるんですか?」TechCrunch Japan編集長が自社イベントで切り込む)。

2008年のTechCrunch 50で井口氏が披露したデモ動画では、現実世界にセカイカメラをかざすところから始まり、店や商品、看板などにエアタグがポップアップする様子を紹介するもので、聴衆から多くの喝采を浴びた。その一方で、「面白いで終わってしまいそう」「怪しい」といった懐疑的な声もあった。その井口氏は2012年12月に頓智ドットを退職、2013年1月にTelepathyを創業した。現在はメガネ型ウェアラブルデバイス「Telepathy One」を開発していて、2014年中に製品リリースする予定だ。


サービスの方向性が迷走し、新たな可能性は感じられない。Instagram Directは失敗だと思う

友だちは誰もInstagram Direct(IGDと略す)を使っていないようだ。少なくとも今のところは使っていないらしい。先週の木曜日にスタートしてから、これまでに受け取ったIGDメッセージは2件だけだ。その間、頻繁にメッセージのやり取りをする友だちのうち20名以上がInstagramに画像を投稿している。あるいはやはり同一期間内で、18名から60通ほどのSnapchatメッセージを受け取った。始まったばかりのサービスを云々するのは時期尚早なのかもしれないが、しかしどうやらIGDは失敗に終わるのではないかという思いを強くしつつある。

もちろん根拠を示すためのデータがあまりに個人的なものではある。しかしいろいろ考えても、やはり自分の考えが正しいのではないかと思うのだ。

多くの人が使うサービスの中で、新しい機能を提供してもあまり流行らないことが多いという一般論もある。しかしInstagramについては当てはまらなそうだ。Instagram Videoは、かなり広まっているようにも思えるからだ。IGDの問題は「新しい機能」ではなく「全く違うもの」を同じ器に盛ろうとしたことにあると思う。

Instagramは、写真をみんなと共有したいと願う人々の気持ちに訴えて大流行することとなった。写真を撮って(今はビデオにも対応している)、それをシェアする。より正確に言えば、フォローしている人たちとシェアする。今回、IGDの導入により、Instagramはプライベートな共有空間の構築を目指すこととなった。写真やビデオを撮って、それを知り合いないし、知り合いグループに送るという使い方だ。この両者は、コミュニケーションのスタイルとして全く異なるものであると思うのだ。

これまでの利用パターンと全く異なる利用法を提示して、それでもアプリケーションを使ってもらおうというのはなかなか難しい話だ。また、その「全く異なる利用法」が、他のアプリケーションで行えることであるとなれば、難しさは一層増すことになる。

もし限られた人とのみ写真を共有したいのなら、テキストメッセージで掲載場所を伝えたり、メールしたり、あるいはFacebookのメッセージング機能を使って行えば済む話だ。いずれもIGDよりも自由に使うことができる。たとえば送られてきた写真に、別の写真でレスポンスすることもできる。ちなみにIGDでこの機能を搭載していないのは、個人的には最大の謎だ。また、少しの人と写真をシェアしようとするのに手間が掛かり過ぎるのも問題だ。送る人を選んでタイトルを付けるという作業に時間がかかりすぎるように思う。仲間内で手軽に写真をシェアして愉しむという目的に沿っていないように思うのだ。

そしてこの分野にはもちろんSnapchatという存在がある。Snapchatは目的もはっきりしていてメッセージが消滅するという特徴もあり、利用者を惹きつけている。メジャーなメッセージングサービスにはメッセージが自動的に消えるという機能はなく、あまりに馬鹿馬鹿しいものや、あるいはちょっときわどいものなどを送りたいときには、自然とSnapchatを使いたくなるというわけだ。

まとめてみるなら、Instagram DirectはInstagramとは「違いすぎ」、しかしながら「新たな可能性はない」というところにあるようだ。

実はFacebookは、このことを以前に学習済みだ。もちろんSnapchatへの対抗ビジュアルコミュニケーションツールとしてのPokeをリリースした際の話だ。この試みは失敗に終わった。Facebookとしては「こちらのツールを使ってくれ」と言っていたわけだが、利用者にとっては乗り換えるメリットが全くなかったのだ。しかもFacebookは、何かを半永久的にシェアする場所として利用されることが多い。そのような中、Facebook上に自己消滅型メッセージをやりとりするというのは違和感を与えるものでもあったのだ。また、これまでにプライバシー面でも問題をいろいろと指摘されたこともあるわけで、利用者としては、本当にメッセージがきちんと消滅するのかどうか危ぶんだという面もあるだろう。いずれにせよ、Pokeが単なるSnapchatのクローンであり、新たな可能性をもっていなかったことに失敗の要因がある。

個人的には、Instagramがメッセージング機能を実装することには賛成で、先週にはInstagramはプライベートメッセージングを提供すべきだという記事も書いた。利用者がより多くの時間をサービス上で過ごすようにする仕掛けが必要だという視点から記したものだ。しかし実装にあたって、Instagramは自身のサービスを補完するものとしてではなく、ライバルに表面的に対処するようなものを作ってしまったように感じる。Instagramは、写真を利用したメッセージのやり取りを簡単に行えるような仕組みや、あるいは既に公開している写真についての話が行えるようなツールを構築すべきだったのではなかろうか。他のアプリケーションでもできるようなことではなく、Instagramならではのエクスペリエンスを提供する仕組みを熟考すべきだったと思う。

Instagramは、カメラとソーシャルネットワークをダイレクトに結びつけることにより、写真のあり方を変えた。Instagram Directは、何も新しい面白さを提供してくれないように感じている。

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(翻訳:Maeda, H


ZeptoLab、人気ゲームの続編Cut the Rope 2を12月19日に公開予定

Angry BirdsのRovio等、世界中で成功をおさめているゲームカンパニーがいくつか登場してきている。Cut the RopeのZeptoLabもそのひとつに数えることができるだろう。しかしRovioの方は4200万ドルの資金を調達しているのに対し、ZeptoLabの方は2010年からの大ブレイクを経験しつつも、外部資金は入れていない。

世界中で大ヒットとなっているゲームメーカーが、外部の資金を入れていないというのはかなり意外な感じがするかもしれない。しかしだからと言って動きが停滞しているというようなこともなく、続編のリリースも発表されている。

新しいゲームは「Cut the Rope 2: Om Nom’s Unexpected Adventure」だ(訳注:日本語タイトルがどうなるのかわかりませんが「Cut the Rope 2:Om Nomの大冒険」といった具合でしょうか)。12月19日より、iPhone、iPad、そしてiPod対応で公開開始となるのだそうだ。価格は0.99ドルで、Android版は来年早々にリリースの予定なのだとのこと。

今回のCut the Ropeでは、主人公のOm Nomを操作することが出来るようになっているようだ。新しい仕掛けなどもあって、120のレベルが用意されているそうだ。またキャンディ集めを手伝ってくれる新しい仲間も登場する。舞台は森、廃品置き場、公園、砂漠のような場所、そして地下のシーンなども登場する。また、他のプロダクトにもいろいろと新しい仕掛けが追加されているようだ。

下にリリースビデオを掲載しておいた。

尚、「Cut the Rope: Time Travel」にも新しいシーンが登場し、ゲーム内購入か、これまでに獲得したポイントにより取得できる。「Cut the Rope: Holiday Gift」は無料でiOS版が出ていて、今回はこれに加えてAndroid版も登場している。「Cut the Rope: Experiments」にも新しいコンテンツが加わっており、新しいレベルパッケージの「Bamboo Chutes」も12月中にiOS版およびAndroid版が登場するのだとのこと。

「Cut the Rope 2: Om Nom’s Unexpected Adventure」では、素敵な新しい帽子も登場する。

Cut the Ropeシリーズは、既に子供たちの間での人気ブランドとなりつつある。そういう状況に応じた動きも見せつつあり、ZeptoLabはBurger Kingとの提携を行い、Cut the Ropeの世界から現実世界の子供たちに向けて、Om Nomキャラクターを送り出すことにしている。

スロベニアのOutfit7、オーストラリアのHalfbrick、そしてフィンランドのRovioなど、いずれもキャラクター商品の販売に乗り出している。また、イギリスのMoshi Monsterもテレビアニメ化も行い、ぞくぞくとヒット商品を送り出している。

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(翻訳:Maeda, H


ソーシャルネットワークへの投稿をスケジューリングするBuffer、β段階から好調のBuffer for Businessを正式リリース

サンフランシスコに拠点をおくBufferがBuffer for Businessを正式にリリースした。BufferはFacebook、Twitter、その他のソーシャルチャネルへの投稿をスケジューリングすることのできるサービスだ。ソーシャルメディアへのプレゼンスをコントロールしようとする多くのブランドが利用している。今回正式リリースとなったBuffer for Businessは、これまでの数ヶ月間の間、小規模なプライベートベータとしてテストを行っていたものだ。記したように、これまでもブランドにとっては便利なサービスだったわけだが、ビジネス版では詳細な分析機能、チームでの利用を考えたコラボレーション機能、データを再利用するためのエクポート機能などが備えられている。

これまでがクローズドなベータ版運用であったにも関わらず、Buffer for Businessは既に経営面で無視できない存在となりつつあるそうだ。共同ファウンダーのLeo Widrichによると、ベータ期間中だけで400社が有料利用を開始しており、1ヵ月の売上げに換算すれば2万3000ドルになるのだそうだ。これは全売上げの10%を占める数値になるとのこと。個人利用者と比べてより大きな予算を持つ企業を相手にすることにより、Buffer for Businessは売上面でかなり貢献してくれそうな見込みが感じられる。

ちなみにBufferは、昨年から個人利用者にとっての使い勝手の向上も行ってきていた。そうしてプロダクトの魅力を高めることで、FeedlyやEchofonなどとの提携を行うようにもなっている。これもBufferにとってはそれなりの成果をもたらしているのだが(かなりの利用者獲得に成功している)、企業ユーザー獲得による収益ベースの確立についても力を注いでいこうという狙いなのだろう。

Buffer for Businessで使えるツール群も7月より提供されている。アクセス状況を見て投稿のスケジューリングが行えるのはもちろん、エンゲージメント、リツイート、お気に入り登録、1日あたりの投稿数による各種データの推移などについて詳細に分析することのできる各種ツール類が利用可能となっている。こうしたツール群はすべて各利用者毎に準備されたダッシュボードから操作することができる。データはもちろん見やすい表やグラフなどで表示され、いろいろなケースを比較表示するようなこともできる。

利用開始にあたっては無料のトライアルも用意されている。正式な利用にあたっては5名までのチームで利用する場合は月額50ドルからとなっており、利用するサービスなどに応じて最高で月額250ドルとなっている。各種サービスメニューを整えることによって、Bufferの訴求範囲は大きくなっていくことになる。しかし企業向けということになれば、Hootsuiteのような大規模プロダクトが地盤を築いているところでもあり、Bufferの今後についてはさらに様子を見ていく必要があるだろう。

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(翻訳:Maeda, H


なぜLINEのQ&Aアプリ「LINE Q」は回答率99%なのか

LINEが12月5日に公開したスマートフォン向けQ&Aアプリ「LINE Q」が順調な滑り出しを見せているようだ。リリースから1週間の利用状況を見ると、1日あたりの質問投稿数は約1万件、回答数は約8万件と、1つの質問に平均8件の回答が寄せられている。サービス開始直後で「とりあえず使ってみる」人が多いからかもしれないが、回答率は99%。回答時間もPC向けサービスと比べると早いようで、質問から最初の回答が付くまでの平均時間は3分。質問の94%は5分以内に回答が投稿されているのだとか。(アプリのダウンロード数は非公開)

LINE Qはスマートフォンから質問でき、回答者はチャット形式の画面でテキスト・写真・動画・位置情報・スタンプを組み合わせて回答できる。質問する際には、「分野」(カテゴリー)を指定してLINE Qユーザー全体から回答を求める“分野への質問”と、LINEの友だちに限定して回答を求める“友だちへの質問”を選べる。

LINE執行役員の舛田淳氏の言葉を借りれば、「カジュアルなQ&Aサービス」だ。

「PC向けのQ&Aサービスは、投稿に対するハードルが高いので“普通のユーザー”が少なく、一部のユーザーだけが回答を投稿するモデルだった。スマホであればいつでもどこでも思いついた瞬間にQを投げて、すぐにAが返ってくる。Q&Aの本質はコミュニケーション。Qに対してAだけで終わるものではない。LINE QではQ&Aサービスを再定義する。」

LINE Qの企画を担当する伊熊導人氏

若いLINEユーザーが使っているせいか、学校生活や恋愛に関する質問が多く投稿されているという。「明日のデートに何を着ればいいのかわからない」という男子中学生に対して、女性ユーザーがその場で撮影したコーディネートの写真を送って回答するなど、「スマホならではの使い方も目立つ」とLINE Qの企画を担当する伊熊導人氏は話す。「ユーザーインターフェイスがLINEのようなチャット形式なので、投稿が盛んな分野はコミュニティのような賑わいを見せている」。

一部のQ&Aでは回答を得るというよりも、雑談や大喜利で盛り上がっているが、それはそれで良いのかもしれない。

実名利用を前提としたLINEと異なり、LINE Qでは専用IDを取得して質問・回答を投稿する。聞きにくい質問や答えにくい回答には、LINE Q専用IDを隠して匿名で投稿することも可能だ。「実名制のQ&Aサービスは信頼性が担保できる反面、一部の“スター”に回答が集中して裾野が広がらないデメリットもある。思想や信条を出すのをためらう人もいるので、あえてハンドルネームによる匿名制を採用した」(舛田氏)。

LINEならではの「投稿の質を上げる仕組み」としては、LINE Qを利用しているLINEの友達に対して、自分が興味のある質問を拡散する「私も知りたい」ボタンを用意。リツイートのようなこの機能によって、自分が知らない質問に友達が答えてくれたり、その友達がわからない質問でも「あの人なら知ってるかも」と思ってもらえれば、さらに質問を拡散してもらうことが期待できるのだという。自分の友達の友達にまで質問が届く「質問の再生産」が行われることで、多種多様な観点の回答が集まる「ナレッジの連鎖」が起こると、舛田氏は期待している。

「私も知りたい」ボタンで質問が拡散するイメージ

投稿を促す施策としては、質問や回答などのアクションに応じて換金可能なポイントを付与するインセンティブ制度を導入。ここでも投稿の質を上げるために、質問者が選ぶ最も良い回答「ぴったりアンサー」に選ばれたり、「私も知りたい」経由でぴったりアンサーが生まれた場合などには、通常よりも高いポイントを付与している。質問や回答を投稿するにはLINE IDのログインが必須なため、ポイント目的の無意味な投稿や、いわゆる“荒らし”も起こりにくいのだという。

収益面は「ゼロ」(舛田氏)。当面は良質な回答を蓄積することに注力していく。


Pixar出身のファウンダーがeブックの制作を容易にするMacアプリ、Vellumをローンチ―主要3プラットフォームに対応

VellumはPixar出身の2人がリーダーを務めるグループによって開発されたMacアプリだ。その目的はeブックの制作過程の困難を大幅に軽減することにある。

現在のeブック制作はフラストレーションの塊だ。特にKindleはひどい。フォーマットを変換する際、さまざまな部分が入り組んだ関係を作っており、あちらを直せばこちらに別の不具合が出るという具合だ。しかもKindleストアに公開して初めて発見される不具合も少なくない。AppleのiBookは多少増しだが、それでも満足なものではないという。紙版ではせっかく優れたデザイン、フォント、組版で優雅に仕上げられた本がeブックでは凡庸なものになってしまう。

Brad WestとBrad Andalmanの2人がVellumを開発しようとした目的は独立系出版社や個人の著作家でも大手版元の出版物に劣らぬ品質のeブックを制作できるようにすることだった。WestとAndalmanはともにPixarで10年以上の経験を積んだベテランだ。Westは1996年に入社し Brave、ミスター・インクレディブルやファインディング・ニモ、トイ・ストーリー2などの傑作で利用されたソフトウェアを開発した。

Vellumは無料のMacアプリで、Microsoft Wordのような執筆用プラットフォームからテキストをインポートし、さまざまなツールを利用して著者自身でeブックに仕上げることができる。eブック用のファイルが完成した時点で1冊につき49.99ドルでKindleその他のプラットフォームにエクスポートができる。同一の本であればエクスポートの回数は無制限だ。3冊99ドル、5冊149ドルのパッケージもある。

Vellumの最大のセールスポイントはライブ・プレビュー機能だ。著者は制作したeブックがさまざまなプラットフォームでどのように表示されるか正確にプレビューできる。

Kindleでは著者は一連のツールでWordファイルをKindleフォーマットに変換し、カスタムフォントを追加し、プレビューしてからKindleにエクスポートする。エクスポートされた後で何か問題が発見されるとこのプロセスを一からやり直さねばならない。Vellumでは現在標準的になっている電子組版機能を取り入れており、コンテンツトが変更された場合、それに応じてインデント、スペースなどの調整が自動的に行われる。

Vellumではeブック用の著作権表示、あとがきなどを素早く追加でき、プラットフォームにアップロードする前に本の全体を読者が読むのとまったく同一のビューで即座にチェックすることができる。iBooks、Kindle、Nookの各プラットフォームへのアップロードはワンクリックですむ。また書評やプロモーションのためにEPubファイルの事前配布も可能だ。

eブックの市場が大きく拡大したにもかかわらず、クロスプラットフォームでのeブック制作はここ何年も驚くほど進歩がなかった。既存のツールは貧弱でひどいフラストレーションを引き起こすようなものばかりだ。Vellumのようなツールないしサービスには非常に大きな可能性があると思う。ダウンロードは制作会社のサイトから直接に行える。

〔日本版:詳しいスライドショーは原文参照〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ユーザーのコンテクストを認識して最適のアプリを選ぶスマート・ロックスクリーンのCoverがGoogle Playで公開ベータ開始

ユーザーの置かれた状況を認識できるAndroid向けスマート・ロックスクリーンのCover限定ベータテストを開始してから6週間になる。今日(米国時間1212)、CoverはGoogle Playストアで公開ベータテストを開始した。Android 4.1以上、当面アメリカ、カナダ、ヨーロッパが対象となる。

Coverではベータテスト開始後、電力消費の削減、位置認識(自動車、家、仕事場)の精度など100箇所の改良を行ったとしている。Coverはこれらのユーザー・コンテクストを認識してそれぞれにもっとも適したアプリをロックスクリーン上に表示するアプリだ。

CoverのファウンダーTodd Jacksonは私の取材に対して「ベータテストの開始時に私が懸念したのはユーザーがコンテクスト・ロックスクリーンという概念を理解してくれるかどうかだった。10月以来、何千人ものテスターに使ってもらった結果はというと、問題なく理解してくれた」と答えた。

Coverはアプリのランチャーではなくあくまでロックスクリーンであるこに重点を置いており、他のランチャーと併用することが可能だ。

ユーザーが手間をかけてカスタマイズした既存のアプリ・ランチャーをオーバーライドしてしまったことがFacebook Homeの失敗の原因だった。既存のホームスクリーンの上に被せられた新しい対話UIであるという点がCoverの狙いだ。

Coverとは何?

Coverの動作の詳細についてはローンチ時に私が書いた記事を参照いただきたい。

念のため簡単に復習する、 Coverはユーザーが自宅にいるのか、仕事中か、あるいは自動車の中にいるかを判断し、それぞれのコンテクストに適したアプリをロックスクリーンに表示する。表示するアプリの選択にはクラウドソース・データを用いる。たとえば多くのユーザーが仕事中はDropboxを多用し、自宅ではNetflixを開くことが多いといったデータだ。Coverはまたユーザーがそれぞれのコンテクストでどんなアプリを利用したかを記憶して学習する。CoverのPeekはアプリ間をすばやく行き来するための便利な機能だ。

CoverのデモとファウンダーのJacksonへのインタビューを再掲しておこう。

スマートフォン中もっとも目立つ場所であるロックスクリーンにCoverを導入したくなるようユーザーを仕向けるためには高い品質が必要だ。それがCoverがAndroidのベータ・システムjを利用した理由だという。ロックスクリーンを変更するようなアプリをインストールするのはハードルが高い。そこでどうしてもユーザーの声の大規模なフィードバックが必要なのだとJacksonは言う。

ベータテストでもっとも大きいユーザーの懸念はバッテリーの駆動時間だったという。Jacksonによれば「バッテリー駆動時間が5%以上減少するようだとユーザーはCoverをアンインストールしてしまう。われわれはバッテリー消費量を5%以下に押さえるために非常に苦労した」と語った。”

公開ベータまでに改良された点はこの他に運動検知アルゴリズムの改良によって車内にいることを検知する精度を高めたこと、KitKatに対応させたことなど100箇所にも上る。

CoverはFirst Round CapitalをリーダーにJosh Kopelman、Harrison Metal Capital、MaxLevchin、Keith Raboisなどの投資家から170万ドルの資金調達を行っている。

ひしめくコンテクスト・ロックスクリーンのライバル

Coverが公開ベータに踏み切ったことで、他のロックスクリーン・アプリのライバル、AviateFacebook HomeWidditなどと正面から競争することになる。近くAndroidのスマート・ロックスクリーンはそれ自身で有力なジャンルを形成するはずだ。

Jacksonは「多くのユーザーがわれわれにGO LauncherNova LauncherEverything.meなどのようなアプリ・ランチャーを作って欲しいと言ってきている」と語った。しかしJacksonは「Androidのパイは日毎に巨大化を続けている。どんなジャンルであろうと優秀なアプリなら十分なユーザーを集めることができるはずだ」と考えている。

デベロッパーは慣れ親しんたUIと大きく異るロックスクリーンやランチャーを作ることにためらいがちだが、ユーザーがインストールするアプリがますます増え、画面また画面、フォルダーまたフォルダーという状況は次第にユーザビリティーの限界に近づいている。

この「アプリの海」を効果的にナビゲーションする方法としてユーザーの置かれたコンテクストを利用したスマート・アプリは近く大きなトレンドとなるに違いない。

Coverのダウンロードはこちら

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Instagram発表:月間アクティブユーザーの半数(7500万人)が毎日サービスを利用中

ニューヨークで行われたプレスイベントに登場したInstagramの共同ファウンダーであるKevin Systromによれば、Instagramユーザーの半数が毎日アプリケーションを使っているのだそうだ。

9月の時点ではWall Street Journalのインタビューに応えて、月間アクティブユーザー数が1億5000万人を突破した旨を報告していた(FacebookがInstagramを買収した時点と比べて、1億2800万人ほど増えたことになる)。現在の数値を9月時点と同じ程度だと考えるならば、7500万人が、日々Instagramを立ち上げているということになる。

この数値でも相当なものだとは思う。但し、Facebookによれば、9月の時点でのFacebookのアクティブユーザーは、1日あたりで7億2700万人なのだと言っている。

壇上のSystromは、写真共有サービス全体の成長についても触れていた。成長には3つの要因があるのだとのことだった。すなわちデジタル化の流れ、カメラの日用品化(スマートフォン)、そしてソーシャルネットワークという舞台の充実だ。

写真というメディアはあらゆるシーンで活用されるようになり、重大な政治的な瞬間を写すものから、個人のブランチを撮影するものまで、さまざまな種類のものが生み出されている。そしてまた、ブランチ写真も単に「料理」を意味するのではなく、ビジュアル版ステータスメッセージとして活用され、またチェックイン情報としての意味をも担うようになっている。すなわち、写真というものの活躍の場はさらに広がりつつあるわけだ。

いろいろと面白い話も聞くことができたが、これらの話はもちろんInstagram Directの話の前フリだ。「本題はなんだ」と感じる方は、ぜひともリンク先にあるInstagram Directの方の記事をご覧いただきたい。

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(翻訳:Maeda, H


Instagram、Instagram Directを提供開始(特定の相手との交流が可能に)

ニューヨークで行われたプレスイベントにて、InstagramのファウンダーであるKevin Systromがプライベートな写真共有と、メッセージング風サービスを導入するとのアナウンスを行った。サービスの名称をInstagram Directというのだそうだ。

これまでのInstagramは、公開型のソーシャルネットワークだった。Facebookのように相互に繋がった相手とやり取りをすることを目的とするのではなく、ブロードキャストモデルを基本スタンスとして採用していた。今回、Instagram Directを導入したことで、Instagramでもプライベートなやり取りが可能となる。

すなわちフォローしているユーザー同士での、ある種のチャット風やりとりを愉しむことができるようになるのだ。コミュニケーションのきっかけはもちろん写真ないしビデオからスタートということになる。これはInstagram上で実装されるサービスとして当然のことだ。これまでは「いいね」したり、あるいはパブリックなコメントを送ることしかできなかったが、投稿された写真ないし動画に基いて、個人間のメッセージのやり取りが可能となったのだ。

仕組みについてみておこう。

写真を投稿する際(投稿の仕方はこれまでと変わらない)、写真の上に「Followers」と「Direct」という2つのタブが表示されるようになった。

「Direct」を選ぶと、写真を見てもらいたい友だちを選び、そしてそれぞれにメッセージを送ることができるようになっている。送った相手が写真を開くと、送った相手のリスト画面にチェックマークが表示される。ダイレクトに送った写真についても「いいね」することはでき、その画面でチャットのやり取りをすることもできる。

Direct投稿は、一度に15人まで同時に行うことができる。送信時には送る相手のサジェスションも行ってくれるようになっている。

写真を受け取った場合は、アプリケーションの右上にあるインボックスアイコンからメッセージを受け取ることができる。Directの画面からは1対1ないし、写真が送られたグループの人とのチャットを行うことができる。

Instagram上で相互にフォローしあっている人なら、簡単にプライベートなメッセージのやり取りができるようになったわけだ。フォローしていない相手からメッセージが送られてきた場合には、メッセージはすぐには受け取ることができず、ペンディング扱いとなるようになっている。

メッセージの受信に同意すると、それ以降は当該送信者からのメッセージがインボックスに届くようになる。

ちなみに、最初からテキストのみのメッセージを送ることは出来ない。まず写真を送ってからチャットを開始することとなる。

Instagram上ではこれまでも、ある種のプライバシー設定があった。たとえば特定の利用者をブロックするとか、あるいは自分自身のプロフィールをプライベートにするなどといったものだ。プロフィールをプライベートにすると、フォローの申請を承認して、はじめてフォロワーにコンテンツが表示されるようになっていた。

今回のアップデートにより、プライベートに、より親しい人とのやり取りのみを行うようなオプションが登場してきたということもできるだろう。

また、今回のアップデートにより、エンゲージメント獲得の機会を得たということもできよう。お互いの写真をいろいろと見て回った後には、撮影している写真などをきっかけにして、きっと会話も弾むことになるだろうと思われる。

Instagram Directについてのビデオを下に掲載しておく。

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(翻訳:Maeda, H


Appleのポリシー変更で閉鎖したアプリAppidemiaの苦悩

[筆者: Marko Mudrinic]

5か月前にローンチしたAppidemiaが、アプリに関するAppleのポリシーのおかげで苦境に立っている。同社は、数週間にわたってAppleのアプリ審査委員会とメールのやりとりをした挙句、同社のもっとも成功したアプリを取り下げることに決めた。iOS 7でポリシーが変わり、不適合とされたからだ。

Appidemiaを作ったAppricot社のファウンダでCEOのIgor Salindrijaによると、そのアプリを使い続けるためにはアップデートが必要だが、最新バージョンはAppleの厳しい規則にひっかかってしまった。Appleが最新バージョンのAppidemiaを拒否した理由は、App Storeを真似た部分がある、というもの。フィルタリングやブックマーキングや検索や、リコメンデーションの共有などの機能は、App Storeとあまり変わらないから承認できない、というのだ。Apppricot社は、Appidemiaの今後について、最終決断を迫られた。

“Appidemiaはソーシャルディスカバリ(発見)アプリで、ファンも多く、ポジティブなフィードバックも多い。新しくて便利なアプリを見つけやすい、と言ってくれる人が多いのだ。最新のアップデートはどうしても必要なものだが、しばらく保留にされ、ついに拒否された。デベロッパたちはがっくりしている”、とSalindrijaは言う。

アプリの閉鎖を決断した時点でユーザ数は20万を超えており、App Storeでの評価も高かった。でもiOS 7以降の新しいルールでは、過去のどのバージョンも承認されないことになる。落胆の色を隠せないSallindrijaは、Appleの新ルールに合わせるためにアプリをどんどん変えていったら、オリジナルとは似ても似つかないものになってしまった、と言う。

それはもはやAppidemiaではないし、ユーザも承知しないだろう。アプリの取り下げを決めてからは、チームは別のプロジェクトに取りかかっている。それは、クロスプラットホームなコラボレーションの分野をディスラプトする、というねらいのアプリだ。

“ほかには何もできることがない。ユーザが理解してくれることを、期待する”、そうSalindrijaは言った。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、「iPhoneを探す」に対抗してAndroidデバイスマネージャー・アプリをPlayストにリリース

GoogleはAndroidデバイスマネージャーを8月にリリースしたが、奇妙なことにウェブのみのツールで、Androidアプリではなかった。ユーザーはそのため少なからず混乱と不便を強いられた。そのAndroidデバイスマネージャーが遅まきながらPlay Storeにアプリとして登場した。

機能としてはAppleの「iPhoneを探す」アプリとほぼ同等だ。

このアプリはウェブ版同様、Androidの最後に知られている位置、時間、着信をGoogleマップ上に示す。またデバイスをロックしデータを消去することもできる。ウェブ版のツールが発表されたとき多くのユーザーはPlayストアを検索してアプリ版がないことを知り、困惑した。

もちろん理論的にいえば、このサービスはデバイスを失くしたときに役立つのだから、ウェブ版の方が理にかなっている。Androidデバイス上のアプリはそのデバイスを失くしたときにはなんの役にも立たない。それでもAppleが同様のアプリをApp Storeで公開していることもあり、ユーザーは(アプリを探してしまうものだ。

〔日本版:ウェブ版のデバイスマネージャーはこちら。利用にはGoogleアカウントへのログインと事前のデバイス登録が必要〕

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


匿名で「ささやき」をシェアするWhisper、トピックス機能を実装して使い勝手が大幅アップ

Sequoiaなどが出資するWhisperは、匿名で「ささやき」(whisper)を共有するソーシャルネットワーク(secret sharing application)だ。このWhisperが新版のアプリケーションをリリースした。いろいろなトピックス(タグ)を検索してブラウズできるようにしたものだ。また、「ささやき」を簡単に作成できるようにする、新しい仕組みも導入している。

ちなみにWhisperは、写真とテキストを一緒にして、個人的な「ささやき」を共有するためのツールだ。ウェブサイトではPostSecretというものがずいぶん前から存在するが、そのモバイルアプリケーション版といったイメージだ。匿名で「ささやき」を公開できるので、他の人にどう思われるかとか、あるいは個人的な評判に影響を与えてしまうのではないかというようなことは心配せずに利用することができる。

サービスのスタートは今年初めの頃で、そこから急速な成長を遂げている。月間ページビューも、5月時点の15億から伸びて、現在では30億に達している。利用者は、他の人の「ささやき」を閲覧するのに30分以上を費やしている。

最新版では「ささやき」を投稿する際には、システム側で自動的に関連トピックスを検知して、投稿にタグ付けを行ってくれるようになっている。さらに投稿に付加する写真までも自動的に探しだしてきてくれるのだ。もちろん提示された写真が気に入らなければ、他の写真を探したり、あるいは自前のライブラリから写真をアップロードすることもできる。

こうした機能強化により、一層多くの「ささやき」が投稿されるようにもなることだろう。但し、同じ範疇に入る他のアプリケーション同様、Whisperの利用者もコンテンツを投稿するよりも、むしろ他の人の作成した「ささやき」を愉しむ方に軸足をおいている。自分で「ささやき」を投稿することよりも、他の人のひそかな投稿を見ることの方に面白さを感じているわけだ。

これまで、そうした人にとってのオプションは3つしかなかった。新しい「ささやき」から見ていくか、最もポピュラーなものを見ていくか、あるいは近くにいる人の投稿を閲覧するかだ。しかし今回のアップデートにより、自分の興味に基いて見ていくということができるようになったわけだ。

「これまでは膨大なコンテンツを充分に愉しむことができない状態になってしまっていました。興味の持てないものも見ていかざるを得ないという仕組みになっていたのです」と、CEOのMichael Heywardが電話インタビューでこたえてくれた。「利用する人に応じた、それぞれに適したコンテンツを提供する方法を構築することが急務だったのです」。

今回のアップデートで、Whispers内をトピックスによって検索していくことが出来るようになった。閲覧者の興味に応じて、自分の求める情報を追い求めていくことが可能となったのだ。単純なことのようにも思えるが、実のところトピックス毎にまとめて読めるようにするためには、バックエンド部分に相当な変更を加えることとなったようだ。

トピックスの種類としては100万種類もある。どのトピックスに属するのかは、見ている「ささやき」の下に記されている(訳注:いわゆるタグの形式で付加されます)。すなわち、検索した場合はもちろん、偶然であった面白そうなトピックについてでも、該当するトピックスを指定することで同じようなテーマの「ささやき」を追いかけることができるわけだ。

「これまでとは異なる魅力を付け加えることができたと思います」とHeywardは言う。「YouTubeでも、特定のストリームないし人気ビデオしか表示できないようなものだったら今ほどの人気を獲得することはなかったでしょう。私たちもYouTubeのように柔軟なコンテンツ選択メカニズムを導入したわけです」とのこと。

トピックス検索の機能が加えられて、かつすべての「ささやき」にトピックスが関連付けられたことにより、登録されている「ささやき」を外部から利用したくなるケースも考えられるようになた。Heywardも、外部から利用できるAPIを用意するのならば、今回のトピックス機能に関連したものになるだろうと話している。

Whisperはロサンゼルスに拠点をおき、現在の従業員数は30名だ。これまでにSequoia Capital、Lightspeed Venture Partners、Trinity Ventures、ShoedazzleのファウンダーであるBrian LeeおよびFlixsterのJoe Greensteinたちから、合計で2400万ドルの資金を調達している。

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(翻訳:Maeda, H


ブランド商品を販売するEvernote Market、月次売上全体の30%を占めるまでに成長

EvernoteのCEOであるPhil Libinが、パリで行われているLeWebで壇上に立った。Libin曰く、フリーミアムのEvernoteで100万ドルの売り上げを達成するには16ヵ月を要した。それがEvernote Businessは5ヵ月でこの金額を達成し、そして9月に開設したEvernote Marketは、なんと1ヵ月で100万ドルを達成したのだそうだ。

Evernote Marketでは、ポストイットやEvernoteブランドのソックスやバックパックなど幅広く提供している。売れ行きは順調で、在庫の維持に苦労しているほどだという。Libin曰く、Evernote Marketは単なる派生的ブランドショップとしての扱いなのではなく、あくまでもEvernoteビジネスの中核を為すものと位置付けているのだとのこと。今のところのベストセラーはバックパック、Scansnap Evernote Scanner、Jot Script Stylusなどで、これらを併せてEvernote Marketの売り上げ中30%を占めているとのこと。また、Evernote Market全体では、Evernoteの月次売上の30%を占めるまでになっている。

Evernote Marketがスタートするまでは、プレミアムの売り上げが89%で、Evernote Businessが11%となっていた。現在はそれぞれの割合が61%および9%となっている。

現在のEvernoteの状況は、それぞれのビジネスプランがお互いをサポートしあっているという状況であるようだ。実は、Evernote Market利用者の11%はEvernoteの利用者ではないらしい。Evernote Marketの製品を見て、単純に商品を気に入ってバックパックなどを購入しているということのようだ。またEvernote Marketの売り上げの51%は、Evernoteの無料版利用者からのものであるそうだ(Market利用者でも、Evernote無料版の利用者が最大になっている)。投資家の中には、有料版にアップグレードしない利用者ばかりを多く抱えていることを問題視する人もいたが、どうやら無料利用者を抱えることの意味というのもわかりやすく提示できたとLibinは考えているようだ。すなわちEvernoteの無料利用者が、今やEvernoteの行うビジネスの中で非常に重要な顧客として振る舞い始めているわけだ。

毎度出てくるEvernoteの公開話では、Libinはやはり「急ぐつもりはない」と回答していた。IPOには、まだ数年はかかるとみているようだ。ただ、利用者がEvernoteを信頼して膨大な情報を預けてくれるような状況の中、その信頼に応えて会社を公開することの意味は大きいとも考えているそうだ。

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(翻訳:Maeda, H