“Kubo” は、Lit Motorsが作った貨物用電動スクーター。Kickstarter募集中


Lit Motorsは、電気自動車のスタートアップで、昨年初の乗り物 C1を発売した。このたび、スマートなルックスの電動乗り物、Kuboを発表した。

Kuboはユニークなデザインの車両で、スクーターと四輪車の利点を合わせもつ。形は小さな2輪者だが、荷物スペースは十分にある。Litはこれを」AppleとVespaの美しいテザインとピックアップトラックの基本的利便性を組み合わせたもの」と説明している。私は、これをEl Caminoのモダン2輪バージョンと呼びたい。ただしデザインはずっと美しい(しかもエコ!)いずれにせよ、これは非常によくできた作品だ。一目見ればなぜこれまで誰も作らなかったのか不思議に思うだろう。

Lit Motorsは、Kuboの初期生産を先月スタートしたKickstarterキャンペーンでクラウドファンドしたいと考えている。現在まで、同社の道のりは長い ― 目標30万ドルのところ、集まったのは4万5000ドルと少しだけだ。残る時間は9日間しかない。いかにKuboがスマートでも、小さなスタートアップのまだ見ぬスクーターに5000ドルを払う人が何十人もいると考えるのは、少々大胆だったかもしれない。

しかし、このKickstarterキャンペーンで何が起ころうとも、Litのマーケティング責任者、Ryan Jamesは、Kuboを欲しがっている人たち全員のために何とかして製造する方法を考えるつもりだと私に言った。Litを応援している人は数多くいるので、どうこのデザインが現実化されるのか(そしていずれ道路を走ることが)楽しみだ。

本誌はKuboをこの目で見るためにLit Moters本社を訪れ、CMOのRyan Jamesが試乗するところを見た。上に貼ったビデオをご覧あれ。

ビデオスタッフ:撮影:John Murillo および Yashad Kulkarni、編集:Yashad Kulkarni、制作:Felicia Williams

【訳注:ビデオより、最高速度は45mph(72km/h)、充電当たり走行距離50マイル(80km/h)、最大積載量300ポンド(135kg)、家庭用コンセントで充電可能】

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google、Google PlayハードウェアストアにLG G Pad、Sony Z Ultraを投入―依然アメリカのみ

これは速かった。LGがうっかり予定期日前に公開してしまったG-PadタブレットがGoogle Playハードウェアストアに今朝早くも登場した。価格も報じられた通り、349ドルだった。さらにSonyのZ Ultraが649ドルでGoogle Play storeのラインナップに加わった。

しかし残念なことに、これらのデバイスがPlay Storeから販売されたのはアメリカ市場だけだ。

G Pad 8.3のスペックは事前の報道の通り(8.3インチ、1920×1200ディスプレイ、1.7GHz クアドコアSnapdragon 600チップセット、2GB RAM、 16GBストレージ)だが、Sony Z UltraのPlay Storeへの登場は青天の霹靂だった。

モデル名になんとなく聞き覚えがある気がするかもしれない。Z Ultraは今年前半にデビューして好評を得たXperia X Ultraのマイナー改訂版だ。Xperiaというブランド名が消えているのは消費者にとってはややわかりにくい。

ブランド認知の面はどうあれ、2.2GHzクアドコアSnapdragon 800、2GB RAM、6.4インチ 1080pディスプレイ、LTEサポートというスペックのZ Ultraは現在、有力なハイエンド・スマートデバイスの一つであり、 これまでのSonyのスマートフォンで間違いなく最優秀な製品だ。長い混迷の後、低価格モデルを切り捨てて再生を図ったSonyが競争激しいスマートフォン市場で失地回復の一歩を踏み出したのを見られて嬉しい。ただしGoogle Playストアで販売されるハードウェアに選定されたといって必ずしもセールスの成功に結びつくわけではない。

Sony、LGの両モデルとも現在すでにアメリカ50州の消費者向けに販売中だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Revolveは手頃な価格で簡単にスマートホームを実現する―モノのインターネット、さらに一歩前進

ホームオートメーションという考えは別に新しいものではない。何十年も前から家庭の器具や設備をインターネットに接続しようとする努力が続けられてきたが、たいていは手間や価格に見合わない効果しか得られなかった。しかしそこに「モノのインターネット」(Internetof Things)が登場した。

スマートスピーカーのSonos、スマート照明のHue、スマートロックのKwiksetなとはどれもロケット科学者でなくても誰でも簡単に設定して利用できるプロダクトだ。箱を開いて説明書のとおりにスマートフォン・アプリをインストールするだけでよい。すばらしい。しかしスマートデバイスの数が増えてくると、それぞれ個別のアプリで操作するのは煩わしくなってくる。

そこにコロラド州ボウルダーに本拠を置くTechStar出身のスタートアップRevolvが登場した。299ドルのデバイスで、家中のスマートデバイスをコントロールするハブとなってくれる。統合スマートホームシステムの完成だ。スマートデバイスが普及するにつれて多数のスマートデバイスを一括してコントロールできるシステムが必須になってくる。Revolvはその最初の重要な試みだ。いわばモノのインターネット実現における「ミッシング・リンク」といえる。

私の家にはNestのサーモスタットWeMo照明スイッチ 、Kwiksetのロックなどのスマートデバイスが設置されている。これまではそれぞれのアプリで個別に管理しなければならなかった。同じ家に設置されていてもスマートデバイス同士はお互いを知らない状態だ。NestはKwiksetと会話できず、したがって玄関のKwiksetが解錠されたらエアコンの温度を上げるようNestに指示することもできない。

Sonosのオーディオシステム、PhilipsのHue照明、Insteon、GEスマートシステムなどが設置された家では話はもっと複雑になる。Revolvは多数のスマートデバイスの管理ダッシュボードを一つにまとめるだけでなく、あらかみめさまざまな自動化マクロが用意されている。

Revolvのスマートアクション機能は意味的に同一の機能をまとめてコントロールできる。たとえばオーナーの位置情報について、家から100ヤード以上離れた場合の動作を複数のデバイスに指定できる。つまりNestに玄関の施錠させ、エアコンを停止し、Sonosには留守番の犬のためのBGMを流させる。逆にオーナーが100ヤード以内に入ったら玄関を解錠し、エアコンを作動させ、Sonosで好みの音楽を流す、などだ。

これにBelkinのWeMo照明スイッチ、PhilipsのHue照明システムなどが加われば応用範囲はさらに広がる。アロマ・キャンドルを温め、足湯を用意し、照明を落としてリラックスして映画を見る雰囲気を作ることもできる。


設定は驚くほど簡単だ。Revolvを電源に接続し、スマートフォンにアプリをインストールする。あとはアプリのガイドに従えばよい。一部のスマートデバイスは自動的にRevolvを認識して接続が完了するが、マニュアル操作が必要なデバイスもある。Kiwkset錠の場合は裏面の小さなボタンをいくつか押す必要があった。

Revolvもまだ完全ではない。たとえばまだ複数のスマートフォンを認識しない。私が家から100ヤード離れると、妻が家にいても自動的にエアコンを切ってしまう。しかしこうした点はすぐに改良されるだろう。

家にスマートフォンでコントロールされるスマートデバイスを複数設置しているならRevolvは文句なしに買いだ。話の種になるだけでも価格だけの価値はある。インストールしたとたんに「あ、これが必要だったのだ!」と読者の頭の上に(漫画の)電球が灯るだろう。

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白、32GB版のNexus 7がアメリカ、イギリス、日本市場に登場―3万3800円也

Googleは先ほど白いNexus 7タブレットをリリースした。ストレージは32GBで、アメリカ、イギリス、日本のGoogle Playデバイスストアから購入できる。価格は269ドル〔日本では3万3800円〕だ。すでに発売されている黒のNexus 7と異なりLTE、16GBのモデルは用意されていない。しかし白いNexus 5を持っていて色をそれに合わせたいユーザーには朗報だろう。

白いのはバックパネルだけでベゼル部分は黒のままだ。スペックに変化はない。Nexus 7はそこそこよく出来たAndroidタブレットだ。特にコストパフォーマンスの点では優秀で、この価格帯で買えるタブレットとしてはおそらくベスト・チョイスだろう。気に入ったならすぐに注文しないとすぐに品切れになるかもしれない。

しかしAndroidタブレットを探しているなら他にも候補はある。LGがGoogle Play版のG Pad Androidタブレットを発表したばかりだ。こちらは8.3インチスクリーンで349ドルからとなっている。

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プログラミング教育用トイ・ロボットのPlay-i、140万ドルを調達していよいよ来夏より出荷開始

これからは世の中にさらにテックの要素が増えていき、そして仕事でも一層テック系の素養が必要となってくる。それであってみれば、子供たちにコンピューターサイエンスやエンジニアリングを教えていくことが大切だ。と、そういう考えを当然のことだと考える人も多い。しかしアメリカでは10校のうち9校までがプログラミングの授業を行っていない。コンピューターサイエンスやテクノロジーに親しませ、積極的に関わっていくことができるようにするためには、たとえば他の言語を学ぶのと同様に、早期に始めることが非常に大切なことなのだ。もちろん、内容は楽しいものでなければならない。

コーディングのスキルを身に付けるのには時間もかかり、大人になってからではかなり難しくなってしまう。但し、子供を椅子に縛り付けてコーディングの勉強をさせるのもまた難しいことだ。もちろんコンピューターサイエンスの理論を覚えこませようなどというのも無駄に終わる可能性が高い。これに対処しようと動き出したのが、GoogleでConsumer Payments部門の長を務めた経験をもつVikas Guptaだ。子供たちが楽しくプログラミングを学ぶことのできるPlay-iというプロダクト(プログラムでロボットを動かす)を生み出したのだ。

共同ファウンダーにAppleでiPodソフトウェアチームを率いていたSaurabh Guptaおよび,
Frog Designでエレクトロニクスプロダクトおよび玩具のデザインおよび製造を行っていたMikal Greavesを加えて、Play-iの開発を行った。開発にあたっては、子供たちが「遊べる」ものを作ることを心がけたのだそうだ。こうした考えに沿って生まれてきたのがBoとYanaという2つのロボットだ。プログラムで制御できる、インタラクティブなトイ・ロボットだ。

Play-iは昨年、Google Ventures、Madrona Venture Groupなどから100万ドルの資金を調達してプロトタイプの開発を行った。現在もまだ細部を詰めている段階ではあるが、全体的な学習システムはほぼ完成し、ついに商用リリースの目処がたつところまでやってきた。来年には販売を開始する予定で、そうなればiPadで動作するPlay-iを使って、BoやYanaと一緒に遊ぶことが出来るようになるわけだ。

iPad用アプリケーションには、アクションシーケンスや、簡単なコマンドが用意されていて、それを並べてロボットを動作させることができる。たとえば手のようなパーツを叩いたり、あるいは手を振るように動かしたり、握手するような動きを行うことができる。3つのタイヤを備えたBoは部屋の中をあちこちに動きまわることができるし、ライトを点滅させたり、木琴を演奏したり、あるいはYanaを揺らしてライオンのように吠えさせたり、さらにはロボット2台を対話的に動かすことなどができる。実際に動いたり音楽を奏でたりするおもちゃを通じて、自分のプログラムがいったい何を引き起こしているのかということを学習していくことができるのだ。

また、単にロボットが動くのを見て愉しむ段階をこえて成長しても、このPlay-iを楽しめる仕掛けが用意されている。すなわちPlay-iで使うことのできるコマンドは、JavaやPythonなどといったプログラミング言語を用いて作成されたものなのだ。こうしたプログラミング言語を活用して、自分だけのコマンドを作ることもできるわけだ。これにより、さまざまな年齢層でBoおよびYanaとのコミュニケーションを愉しむことができるようになっており、いろいろなレベルでプログラム開発を行っていくことができる。

おもちゃを使ってプログラミングを学ぼうというコンセプトは、このPlay-i以外にも昔から存在するものだ。Play-iについての以前の記事でも指摘されているように、この分野にはCargo-Bot、Move the Turtle、あるいはBee-Botなどの先輩プロダクトがある。比較的新しい分野だとはいうことができ、いろいろなプロダクトが今後も参入してくることとなるだろう。こういうプロダクトに対するニーズも、最近になって生まれてきたものだ。教育会全体としてもSTEM教育に関心があつまりつつあり、それもあって若年層に対するテック教育のためのツールが探し求められるようになった背景もある。この分野は、今後ますます発展していくことになるのだろう。

もちろん共同ファウンダーたちは、このBoとYanaのことをとても気に入っている。しかし一般の消費者が興味を持ってくれるのか、あるいは商品を手にとってみたいと思ってもらえるのかについては慎重な姿勢ももっていた。すなわち11月半ばにクラウドファンディングでのプロジェクトを立ち上げて、一般の人の反応を探ってみたのだ。反応は上々で、しかもアメリカ以外の国の人も関心を持っていることが判明した。

Kickstarterでの31日間のキャンペーンにて、Play-iは目標の5倍となる140万ドルの資金を調達した。また、そのうちの2万6000ドルは、学校や経済的に恵まれない子供たちを対象とした施設に対してPlay-iを寄贈することを目的とした寄付として出資された。出資者はイギリス、カナダ、ドイツ、オーストラリア、インド、フランスなど多数の国にわたり、全体の30%以上がアメリカ国外からのものだった。

プレオーダーの件数も1万を超え、出荷は来年の夏から開始される見込みだ。それまでの期間は、製品の最終仕上げと、販売パートナーの獲得を行っていく予定なのだそうだ。Gupta曰く、Play-iをサイトおよび実店舗の双方を通じて販売していきたい考えであるとのこと。但し詳細についてはまだ決まっていないらしい。

今後もまだまだ新しい情報が出てきそうなPlay-iのホームページはこちら。またファウンダーのインタビュー動画を下に掲載している。

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(翻訳:Maeda, H


家を「スマート」化するOwl Platform(センサー+ベースステーション+オンラインシステム)

家を「スマート・ホーム」化するのはなかなか大変なことだ。いろいろなハードウェアを導入して、ライトやセンサーなど、さまざまなものを制御するプラットフォームを構築(導入)する必要がある。こうした苦労を可能な限り低減しようとするのがOwl Platformだ。

このプラットフォームは、身の回りにある各種センサーを効率的に管理したいというチャレンジから生まれてきたものだ。システムはセンサー群およびベースステーションから成る。センサーはドアの開閉、水位、温度などを検知することができる。センサーのバッテリー寿命は10年で、ベースステーションとはワイアレスで通信を行い、Owl Platformを形成する。本格的ベースステーション(これまではRaspberry Piを利用していたそうだ)およびオープンソースで開発しているサーバーシステム構築のために、5万ドルの資金調達を目指している。システムはセンサーで検知したドアの開閉やさまざまな環境変化をメールないしテキストメッセージで利用者に通知する。

コンパクトで長寿命のセンサーを開発しました。またこれらを有効に活用するスマートホームシステムの開発も進んでいます。縦横1インチのセンサーはボタン電池(coin cell battery)を利用しており、バッテリー寿命は10年となっています。センサーで検知した情報はオンラインシステムに送られ、家の中で発生したさまざまな事象を即座に認知することができます。システムの設計にあたってはシンプルさを重視しており、届いた製品を開封して15分以内に設定は完了します。

150ドルを出資すれば水センサーおよびドアの開閉センサーがセットになった基本パッケージを手に入れることができる。Pipsと名付けられたセンサーは既に完成していて、Owlシステム全体の完成は2014年7月が予定されている。現段階のものを触って見ることが出来たが、まずはセンサーの小ささと、設定の容易さに驚いた。誰もが必要に感じるプロダクトというわけではないだろうが、DIYの好きなホームオーナーはきっと興味を持つことだろう。身体のデータをさまざまに数値化するプロダクトは既に世に溢れている状況となっている。つぎは家の中にある各種データの数値化(Quantified Home)が進んでいくことになるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


おしゃれなWiFiルータAirfyはモバイルPOSとしても使えるなど, なにしろ多機能

WiFiのルータはどれを見ても退屈だ。できるだけ目立たないデザインを心がけているから、“黒い箱にライトがついているもの”を作ってそれで終わりだ。でもAirfyは違う。

ベルリンのDisruptで初お目見えしたAirfyは、ぼくの知るかぎりもっともセクシーなWiFiルータの一つだ。アールデコ調のランプのようでもあり、ゼルダの伝説の(貨幣)ルピーにも似ている。802.11ac/nのルータであると同時にBluetoothでiBeaconも演じるから、あなたのお店や会社でワイヤレスのPOSを構築することもできる。独自規格のPOSゲートウェイを提供しているからモバイルの支払い~決済アプリも利用できる。さらに、ショッピングガイド機能もある。

お店なんかやってない人にも、Airfyについている50個のLEDが、あなたのシステムに起きたいろんなことを知らせてくれる。たとえば、Facebookのアップデートがあったら色が変わるようにできる。ecサイトの売り出しの開始や、電話がかかってきたこと、なども教えてくれる。 IFTTT(イフト)のプログラムで対話的な利用もできる。有料のWiFi接続ポイントや、広告入りの無料ポイントなどとしても使える。データはWPA2で暗号化される。今後の拡張により、ホームセキュリティのためのカメラや、ワイヤレスのオーディオストリーミング機能も加わる。要するに彼らは、ルータに詰め込めるものをすべて詰め込む気でいる。

今indiegogoで802.11Nモデルは169ドル、スタンドアロンのビーコンは49ドルを募っている。目標額10万ドルに対し現在集まっているのは2000ドルだ。彼らのサイトは、重要な機能である仮想POSをはっきり打ち出していないが、Indiegogoでお金を集めるつもりなら、それはまずいだろう。とても魅力的な製品であることは確かだから、彼らはそのうち、おもしろい売り方も発明するだろう、とは思うけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


次世代USBのプラグは今より小さくなり(MicroUSBなみ)やっと裏表がなくなる

長すぎた全世界的悪夢が、やっと終わる。USBのプラグの新仕様では、AppleのLightningのコネクタのようにリバーシブルになる。これまでのように、やみくもにレセプタクルに差し込んで失敗を味わう、という屈辱はなくなる。次世代のプラグは、つねに、どっちが上で下でもよい。

そのType-Cと呼ばれるコネクタは、USB 3.1の規格の一環だ。最終決定が2014年半ばとされており、プラグのサイズは今のMicroUSBのプラグと同じになる、と言われている。また供給電力の幅が拡大し、データレートが最高10 Gbit/s近くになるなど、機能も一新される。

USB 3.0 Promoter Groupの会長Brad Saundersは、今日(米国時間12/4)発表された声明の中でこう言っている:

“USBはデバイスを接続し電力を供給する技術として確立し、歓迎されているが、しかしコネクタは、サイズや使い勝手などのデザイントレンドの進化に伴い、刷新が必要であることをわれわれも認める。新たなType-Cコネクタは市場の方向性によく適合し、USBの将来のバージョンの基盤にもなりうるものである”。

しかしUSB 3.0 Promoter Groupは新たなコネクタの画像をリリースしなかった。

このプラグは、現在のUSBのプラグとの互換性がないから、新しいデバイス用には既存のMicroUSBケーブルは使えないし、新しいコネクタのついたケーブルを今あるデバイスでは使えない。ごみが一挙に増えそうだが、でもコネクタをひっくり返す指のダンスをしなくてもよくなるのは、大歓迎だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


無人機はハッカーの標的になり解析される(技術解説ビデオあり)

太陽が水平線の下に沈むと、空がグレーから黒に変わっていく。そして、日没の静寂に替わって1000機の無人機のブンブン音が空中を満たし、一機の指揮機に導かれて都市を襲う。子どもたちは親の腕にしがみつき、空からやってくる軍隊を不安気に指差す。

“何なんだ、これは?”、一人が、隣の男に尋ねる。

“Amazonさ”、聞かれた男が答える。“それにSamy Kamkarだよ”。

その名前は、あなたがハッカーでなければ初耳だろう。でもKamkarは連続ハッカー犯で、2005年には自作のワームでMyspace破壊し、刑務所へ行った。

その彼が今度は、無人機をハックする無人機のハードウェアとソフトウェアのスペックを公開した。つまり、これからは誰でも、無人機をやっつけ、ハックし、コントロールできる無人航空機を作れるのだ。

Kamkarが”SkyJack”(スカイジャック)と呼ぶこのハックは、マイコンボードRaspberry Piと、無人クヮドコプターParrot AR.Droneを使う。小型電池と2台の無線送信機も要る。地上のLinuxマシンの上で動いて電波到達圈域内の無人機をハックするバージョンのSkyJackが、まず作られるらしい。

詳細を知りたくなった人は、Kamkarのブログ記事を読むか、またはこのビデオを見てみよう。

[出典: ArsTechnica]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Sugru、何かと何かをくっつけるのに便利なSugru+磁石キットの事前予約を受付開始

何かと何かをくっつけるのはありふれた行為だ。たいていは接着剤を用いる。しかしもし接着したものを、改めて別々にしたくなったらどうしよう。そんなときに便利なのが、「磁石」だ。さらにSugruと磁石のコラボは最強だ。

Sugruというのは、これまでも何度か取り上げてきた。自硬性を持つゴム素材のパーツだ。どんな形にもすることができ、いろんなものにフィットする。このSugruを提供しているチームが、世界中のハードウェアハッカーに向けて、シンプルな「接続ツール」の提供をしようと作戦を練ったわけだ。パッケージには4つの磁石と、そしてSugruが同梱される。適量をまとめたSugruに、磁石を埋め込む。そしてくっつけたいものにSugruを押し付ける。くっつけたいペアの方にも同様の作業を行う。Sugruが固まれば、磁石の力で2つのパーツはぴったりとくっつくことになる。

Sugruのマグネットキットは年内中に生産を開始する予定で、現在はプレオーダーを受付中だ。何ら特別な科学技術を用いているわけでもない。磁石くらい誰にでも使うことはできる。このプロダクトのキモは、Sugruといっしょに利用するのに最適な磁石を選んで、同一パッケージにまとめたことにある。これはなかなかSugreatなアイデアだと思う。

SugruとgreatをかけてみたSugreatはグレートじゃなかった。今は反省している。ともかく、下の動画は面白いのでぜひ見てみてもらいたい。

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(翻訳:Maeda, H


多相睡眠により一日の寝てる時間を減らすNeuroOnマスク-あなたもレオナルド・ダ・ヴィンチになれる

よく眠れなくて困っている人は、ベッドの上に数羽の鶏をおいて、そいつらを蹴り落とすとよろしい(実際にあった話)。あるいは、今ならNeuroOnなどはいかがだろうか。これは神経センサを内蔵した安眠マスクで(左図)、使用者が深いREM睡眠に入ったことを感知し、十分に休息して活力が回復したら徐々に起こす。昼間の仮眠など、自分の睡眠パターンについて実験することも可能で、それによっては、午前2時から夜明けまでの時間を最高に効率の良い仕事時間にすることも、できるようになる。

というかNeuroOnは元々、一日の睡眠を複数回に分けるためのツールとして設計された。レオナルド・ダ・ヴィンチは4時間ごとに20分寝たと言われているが、そういう多相的な(polyphasic)睡眠ができるようになると、ベッドに寝ている時間を減らせる、と言われている。このデバイスはファウンダKamil Adamczykの研究から生まれ、このたびついに、起業にこぎつけた。

彼曰く、“多相睡眠に切り替える期間はつらかったが、結果は本当にすばらしい”。彼の一日の勉強や仕事の時間が、増えたのだ。苦労して得たその多相睡眠スキルをもとに、彼はNeuroOnマスクのプロトタイプを作った。そのシステムは、脳波や眼電図、筋電図、目の動きなど、いろんなものを測る。Bluetooth LEでスマートフォンに接続し、振動や光で使用者を起こす。安眠マスクと同じく、フィット感は良く、外部の光を完全に遮断する。

ぼくは何種類かのプロトタイプを試してみたが、製品そのものよりもまず、Adamczykの強い情熱と熾烈な使命感にうたれた。ぼくは、こういうものを着けると眠れなくなるタイプだが、彼は、同じ部屋にいる人全員が着けるようにすると、そのうち慣れるし、最終結果は、車で言えばTeslaに乗り換えたみたいに快適な毎日になる、と約束した。ぼくがワルシャワで会ったチームは、その後サンフランシスコとベルリンのDisruptに出場した。そのために全員、一日に数時間しか寝ずに頑張ったのだろう。

このマスクが欲しい人は、Kickstarterで225ドルを出資するとよい。発売は、来年の5月だ。多相睡眠を自分のものにしたい人は、世の中にそんなに多くないと思うけど、安眠ツールとしては優れている。なんといっても、気持ちよく起きられるのがいいよね。

“毎日の仕事がきつくて、睡眠が不規則な人は、ぜひ買うべきだ”、とAdamczykは言う。それは、ぼくたち全員のことじゃないの。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Canon、ミラーレスのEOS Mの新モデルM2を発表―現行機の最大の欠点、AF速度が大幅に改善か

Canonの最初のミラーレス一眼は失望させる製品だった。 2012年に発表されたEOS Mの最大の欠点は信じがたいほどAFの合焦速度が遅いことだった。また撮影直後にモニターの画像が一瞬消えるという不具合もあった。新モデルではCanonはこれらの問題を改善し、Wi-Fi機能を追加した。デザインは現行モデルをほぼ踏襲した。

M2が公式に発表されたのは今のところ日本と中国だけで、英語圏での発表は今日になるもようだ。しかし新モデルの概要はすでに明らかになっている。ボディーのデザインは現行機とほぼ同じだが、サイズはわずかに小さくなり、Wi-Fiによる写真の共有、転送が可能になっている。

しかしなんといっても最大のセールスポイントはAFの改善だ。CanonはハイブリッドCMOS AF IIシステムの採用により、AF速度を2倍以上に向上させたとしている。APS-Cサイズ、18メガピクセルのセンサーは現行モデルと同様だが、もともとセンサーには問題はなかったので、AF速度が発表どおり大幅に改良されているならミラーレス・レンズ交換式カメラ(MILC)の入門機としては優秀なモデルになったはずだ。

M2は日本市場には12月中旬に出荷される。アメリカ市場への出荷時期は明らかになっていないが、クリスマス商戦に間に合えばCanonにとって大いにメリットがあるだろう。今年中にアメリカ市場に投入されることを期待した。私自身EOSMのデザインは気に入っている。Canon Rumorsに詳細なスペックがある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


高級腕時計レンタルを通じてライフスタイルコンシェルジュを目指すEleven James

男性用におしゃれアイテムのレンタルサービスが欲しいと考える人もいるはずだ。Le ToteRent The Runwayといった女性向けサービスにならって、男性向けのEleven Jamesというサービスがスタートした。提供するのは、興味を持つ人も多い高級腕時計だ。月額費用を支払うことで、数ヶ月毎に新しい高級時計を身に付ける機会がやってくる。

サービスを立ち上げたのはRandy Brandoffだ。以前はNetJetsおよびMarquis JetでCMOを務めた経験を持つ。このEleven Jamesは、自らを単純なレンタルサービスであるとは位置づけていない。より広く、「コンシェルジュ」サービスを提供していきたいのだとのこと。提供を開始した腕時計について見ると、月額249ドルコースの場合、1万ドル前後の「安価な」時計を、年に3つまで借りることが出来る(月額449ドルなら6つまで)。また、月額459ドルの「目利きコレクションコース」(Connoisseur Collection)では、より高額な時計を身に付けるチャンスを得ることができる。コースにはさらに上があって「巨匠コース」(Virtuoso)では月額899ドルで年に3つ、1599ドルで年に6つまでの超高額時計を試してみることができる。憧れの高級時計を身につけてあちこちに出かけ、いろんな人に見せて回った後には時計を返却する。返却した時計はクリーニングに回され、そして他のメンバーに貸し出されることとなる。さきに書いたように「ローエンド」の時計の価格がほぼ1万ドル程度だ。1万ドルがローエンドだなんてとんでもないと思う人は、おそらくこのサービスの対象ではないのだ。

ターゲットとしているのは、時計に数カ月分の給料をつぎ込みたくはないが、しかし仕事や外出にちょっとおしゃれなものを身につけたいと考えている人たちだ。また、腕時計フリークの中には、ひとつの時計を使い続けることに非常な抵抗を示す人もいる。Eleven Jamesはそうした層を対象に、利用コースに応じた腕時計をいろいろと提案してくれるわけだ。コレクションに収められている時計はIWC、パネライ、パテック・フィリップなどといったものだ。サービス公開前のベータテストを終えたところで、会員数は100名程度なのだそうだ。メンバーたちは必要なときに新しい時計を身につけそしてパーティーなど、腕時計が大いに注目を集めるイベントに出かけて行くというわけだ。

あわせてEleven Jamesは腕時計の下取りサービスも行いたい考えなのだそうだ。委託販売を行ったり、あるいは貸出用に利用していきたいと考えているそうだ。メーカーにとってはマーケティングとして利用できる可能性もあり、興味を示しているブランドもあるのだそうだ。また、利用者の情報に基づいて、どのような時計が好まれる傾向があるのかを求めるアルゴリズムも開発しているらしい。

冒頭にも書いたが、Brandoffはこのサービスを単純なレンタルサービスであるとは考えていない。「入手が容易で、そして手軽に体験できるといった形での贅沢が流行しつつあります」と彼は言う。「たとえばプライベートジェットや別荘、クラッシックカーなど、かつては入手がほとんど不可能だったようなものも、いろいろなクラブやオーナーシップ・シェアの形で、たくさんの人が利用するようになってきています」とのこと。Eleven Jamesはこのトレンドが育っていく方向性を見据えてサービス展開を行っていきたいのだそうだ。

資金面を見ると、これまでにBox Group、WGI Group、Kenny Dichter、Ken Austin、Brian Distelberger、Ed Moran、およびJason Saltzmanなどの戦略的投資家たちから140万ドルのシード資金を獲得している。腕時計など時間がわかれば良いのだと思っている人には、このサービスの意味が理解できないかもしれない。しかし例えばメーカーにとってみれば、いろんな人に自社の時計を使ってもらうきっかけとなるサービスだとも言える。またオシャレなスイス製高級腕時計を身につけて通りを闊歩して、ちょっと気取った振る舞いをしてみたいと思う人もいる。これまでは手の届かなかった贅沢が、少々身近になるサービスだとも言えるかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


現実逃避のための枕, オストリッチピロー

ホリデイシーズン(11/29~暮れ)は旅行のシーズンでもある。そこで今回はみなさまに、あなたが駝鳥(だちょう)になれるプロダクトをご紹介しよう*。〔*: 駝鳥は外敵から身を守るために頭だけ砂に突っ込んで全身を隠したと思い込む。〕

製品名は、オストリッチピロー(Ostrich pillow, 駝鳥枕)と言う。

この、巧妙に作られている小さな枕を頭にかぶると、鼻と口だけが露出した状態になる(下のビデオ)。ふつうの枕のように首を支持する機能はあまりないけど、うつむいて頭を下げて、両手を上部の穴に突っ込むと、デスクワークをしながらすてきな仮眠をとれる。

お値段は75ドル〔日本のecショップで6980円〕だから、枕にしては高い。私は昨年ドイツへ行く前に、さんざん選んで最良の(と思われる)ネックピロー(飛行機の座席で眠るため)を買ったけど、それは50ドルだった。

でも、このオストリッチピローは、よく旅をする人や、仕事中の仮眠が許されている人には向いている。そういう企業はだいたい仮眠室があるけど、オストリッチピローはまわりの暗さと静けさが簡単に得られるから、今仕事をしている場所と姿勢で、椅子に座ったまま、簡単に仮眠をとりたい人には、こっちの方が良さそうだ。

本誌のライターJohn Biggsは、まわりが見えないのと、首の支持がないからだめだという。いずれにしても彼は、どんな枕も正しく使えない人だけどね。

私は、この枕は、正しい状況で使えばとても良いと思う。徹夜の途中などで効率回復のためにちょこっと仮眠したい人などには、最適だろう。

参考ページ。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


われはドローン ― 無人飛行機による配送、ついに本気の時代へ

ドローン配送の、実現上の細かい問題点など、取り敢えずおいておこう。ライフルの名手であれば、Amazonから無料で商品をゲットできるということだなどという考えも脇に置こう。配送可能距離が短すぎて、これまで配送対象地域外だったような場所はやはり対象外のままだとか、人口の密集する都会で飛ばせば、またいろいろと問題が起こりそうだという話も今のところは無視する。マーサズ・ヴィニヤードの隠れ家で受け取るのでもなければ、庭にペーパーバックを投げ入れていくような配送方式が受け入れられるわけがないとか、そういう話はまた次の機会にしよう。

あるいはもしかすると配送中のドローンが人の上に落ちてくるなんてことがあるかもしれない。「Amazonのプライム・ヘアカットだ」などと笑っていられない事態を招来することもあるかもしれない。そんな可能性も、まあ、頭から追い出しておく。まさかとは思うがFAAがBezosのアイデアを拒否するなどということがあり得るかもしれない。そういうネガティブな可能性はすべて忘れよう。「Amazonの本気」を感じてみようではないか。

取り敢えず、Amazonには豊富なマンパワーがある。カスタマーサービスの担当者たちは、1年365日24時間体制で、Kindle Fire HDXに登載した「メーデーボタン」がクリックされるのを待ち続けている。Bezosによると、このシステムの構築は数週間のうちに行ったそうだ。そして準備中はカスタマーサポート部門の長ですら、自分たちがいったい何を準備しているのかを知らなかったそうなのだ。つまり、Amazonは不可能とも思えることに向けて、従業員の能力を注力させることができる企業であるということを意味する。

また、ドローンの「知能」は大きく進化しつつある。たとえばAirwareなどの企業が無人ドローン向けのインテリジェントシステムを構築しつつある。結局のところは配送用ドローンは人力で管理し、緊急事態に備えておかなければならないだろう。しかしすべてを人力で行うなら、このドローン配送システムは実現不可能だ。ドローン側のインテリジェンスが向上することで、実現可能性がどんどん上がりつつあるのが現状だ。Centeyeのような仕組みを備えることにより、民生用ドローンも、軍事用無人攻撃機であるドローンと同様の性能をもつにいたっているのだ。もちろん搭載するのはヘルファイアミサイルなどではなく、たとえば『Diary Of A Wimpy Kid』などということになる。

さらに、Amazonにはドローン配送を実現したい熱意もある。Amazonもいわゆる「ラストワンマイル問題」を抱えていて、それに対処したいと考えているのだ。その辺りを考えればわかるように、ドローン配送システムのメイン舞台となるのはマンハッタンなどの大都会ではない。配送システムなども整備された既存マーケットではなく、新たな市場での展開を企図しているのだ。

新しい市場とはすなわち、これまでは即日配送などのシステムから見放されていた郊外のことだ。たとえば荷物を満載したトラックを配送地域付近まで送り、そこからドローンを飛ばすのだ。ミツバチの逆転版だと言えばわかりやすいだろうか。自分たちの持ってきた荷物を各家庭に届けて回り、そして巣に戻ってくるのだ。配送にかかる手間は減り、システマティックな配送システムで管理できるエリアが広がり、そして市場を広げることとなる。ブルックリンではAmazonに頼んだものは翌日にやってくる。しかし一部地域では迅速な配送を行うのに多くの費用がかかるということもある。ドローン配送は、この配送コストを大幅に下げてくれる可能性を持つ。

もちろん、ドローン配送というのが、全く新しい発明であるというわけではない。タコスを配送するTacocopterというものもあった。そうしたものをみて、ドローン配送が「ネタ」レベルだろうと考えている人もいることだろう。しかし、実現に向けて乗り出したのがBezosだ。ドローンはテクノロジーの粋を集めてますますパワフルに、そしてスマートになっていく。そしてAmazonもまたパワフルでスマートな組織だ。夢の実現に向けて、理想的な組み合わせが実現したと見ることもできるのではなかろうか。

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(翻訳:Maeda, H


生豆のローストからはじめて14分でコーヒーを淹れてくれるBonaverde

わずか14分間にナマで緑色のコーヒー豆をローストして、そしてその豆を使ってコーヒーを淹れるための機械であるBonaverdeのファウンダーたちが、13万5000ドルの資金調達を目指して、Kickstarterキャンペーンを立ち上げた。

このキャンペーン、本稿執筆時点では8日間を残して既に46万5475ドル(訳注:翻訳時点では48万2000ドル以上)を集めている。かなりの人気であるようだが、いったいどういうマシンなのか、ファウンダーのHans StierおよびFelix Artmannに話をきいてみた。単においしいコーヒーをただで飲みたかっただけだろうと言われれば、その意図があったことも否定はすまい。

使い勝手の面で言えば、もしかするとブラックフライデーにお父さんのためにと購入したかもしれないコーヒーメーカーと同じような感じだ。まあ掃除には少々手が掛かるかもしれないが、決して難しいわけではない。上の穴からナマのコーヒー豆を投入して「On」ボタンを押す。するとあとはマシンがやってくれる。ローストして、適切な温度になるまで待ち、そして豆を挽いて、そしてコーヒーを淹れてくれる。

ナマの豆を使うメリットは、新鮮さを保てるところにある。数ヶ月は持つので、通常のロースト済みコーヒーに比べると、長い間にわたって豊かな香りを愉しむことができる。もちろんこれがBonaverdeのアピールポイントのひとつとなっている。一部の専門家からは、ロースト後にはしばらく時間をおいてから挽くべきだとする人もいるが、とくに雑味などもなくおいしく淹れられるように思う。もしどうしても気になるようならば、ローストしてからしばらくおいておくことも、当然できる。

Kicksterterでのキャンペーンがうまくいけば、Bonaverdeは生のコーヒー豆販売サイトも立ち上げる予定になっている。コーヒー農家と消費者が直接に繋がるような仕組みもできあがるわけだ。また、豆以外にも、おいしいコーヒーを飲むのに必要なものを販売していきたい考えもあるそうだ。

ちなみにビデオ中のコーヒーメーカーはプロトタイプだ。実際に世にでるときは、もっと洗練された外見になる予定なのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H


Paletteは、パソコンにスライダーやダイヤルを付けられるモジュール式コントローラー

カナダ、ウォータールーのスタートアップ、Paletteは、パソコンに繋いでミキシングテーブルも作れる、モジュール式ハードウェアコントローラーを作っている。実際私は、ビデオ編集の微調整をスライダーなしでやるのが苦痛で、これはまさしく探し求めていたものだ。現在Kickstarterで資金募集中だ。

共同ファウンダーのCalvin ChuとAshish Bidadiは、これを現実にするために10万ドルの資金を目標にしているが、すでに6万ドルが集まっている。スターターキットには、電源モジュール、ダイアル、スライダー、ボタンがそれぞれ1つ入っており、必要なら追加できる。基本キットは99ドルで、スケジュール通りに運べば来年6月に出荷予定だ。

各モジュールは互いに嵌め込むだけなので、ユーザーは高度なハードウェアハッキングを必要とせずに、ハードウェアインターフェースをカスタマイズできる。サウンド、ビデオ、写真の編集における利便性は大きい。キーボードでよく使うコマンドは、添付の専用デスクトップアプリでPaletteモジュールに割り当てることができる。ゲーマーにとっても、コマンドを簡単に使えて便利だ。DJにもぴったりだ。Chuがおばあちゃんのために作ったサンプルコントローラーで見られるように、Skypeなどを使いやすくすることもできる。

課題の一つに、Paletteを使いたいアプリケーション毎にサポートが必要だということがある。Chuとそのチームは、Adobe Creative Suiteのサポート、およびTraktor、Ableton等のDJソフトウェア用のプラグインとスクリプトを製品に標準添付するつもりだ。彼らは、コミュニティーが生まれ、広く様々なソフトウェアがサポートされることを期待している。

Chuは、ウォータールー大学のメカトロニクス出身で、MYOアームバンドを作ったThalmic Labsと同窓だ。Apple、Toyota等で働いていたこともあり、この大きなビジョンを支えるのに必要なスキルを持っていることは間違いなさそうだ。一つ確かなこと:私はこれが欲しい。今すぐに。次のビデオを旧式のやり方で編集しなくてもすむように。

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(翻訳:Nob Takahashi)


ブラックフライデーには、じっとしていよう

アメリカでは今日がサンクスギビング、そして明日は1年で最大のショッピング・デーだ。実際には店は今夜開くので、バーゲンハンターや接触愛好者たちのスクラムに入り込むことができる。私は、これを負け試合だと言いたい。少なくとも消費者電子機器とパソコンハードウェアに関しては。

明日出かけるな、と言っているのではない。おもちゃやスカーフや下着を家族に買いたい? 何をおいてもモールに走れ。これらの「ソフト製品」は、大量仕入れで安くなるので劇的にディスカウントをしても、利益の減少は数で補える。Legoの限定セール? 行くべきだ。

しかし、コンピューター・ハードウェアは全く違う話だ。今や消費者電子機器の利幅はあまりにも小さく、メーカーは1台当たり数セントしか儲からない。大幅にディスカウントされるのは、いずれにせよ消えゆく製品だ。私はBest Buyのブラックフライデーページを調べてみた。iPad 2が299ドルで売られているが ― 通常価格は399ドル ― Wi-Fiオンリーの16GBモデルだから、入門中の入門レベルだ。Appleのウェブサイトに行けば64GBモデルの整備品が469ドルで買える。「でもこれはママのためだから」と言うかもしれない。「本を読んで、たぶんSkypeするくらい」だったら、Kindle Fire HDXを50ドル安く買おう。モールに行く必要はない。

では、300ドルのノートPCはどうなのか(Best BuyにはToshiba製品がある)? うーん、セール品のノートの商品価値は長くないので、ブラックフライデーは在庫処理に最適だ。CESはもうすぐだし、IntelのBroadwellチップは3ヵ月ほどで出てくるだろう。つまり売られているのは陳腐さだ。

Xbox OneやPS4の割引も期待しないこと。そもそも店頭にないだろうし、ディスカウントなどあり得ない。

テレビを買いたい? Best Buyは、Insigniaブランドの39インチを169ドルで売っている。これは店内在庫のみなので、たぶん買えないだろう。買う価値はあるかって?ああ、もし余計な機能のない39インチモニターを探しているなら、イエス。おばあちゃんのために最後の1台を争う価値があるか? ノー。

つまるところ、ブラックフライデーは純粋に商業的活動だ。店はみんなに来てほしい。なぜなら、短時間に在庫を一掃できるから。彼らにとってホリデーシーズン後の落ち込みのためのクッションとなる。ショッピングを一種のイベントに見せている。私は大いなる商魂を全面的に支持するが、ブラックフライデーはソファーから起き上がって駆けつける価値のない、悲観的で詐欺的な体験だ。本物のオタクを喜ばせるなら ― ThinkGeekグッズを買うか、イカしたボードゲームにするか、小さなホビーショップでEstesロケットを買って、12ドルのBlu-Rayプレーヤーの争奪戦は他の連中にまかせよう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Bluetooth経由で紙飛行機を自在に飛行させるするPowerUp 3.0 ― 紙飛行機少年の夢は現実へ

ハイテクとローテクを融合させることには、多くの人を惹きつける魅力があるようだ。たとえばPowerUp 3.0をみてみて欲しい。Bluetooth 4.0を使うことで、極めて普通の紙飛行機が、安価で簡単なスマートフォン制御飛行マシンに変身するのだ。少なくとも制作者はそう言っている。実際のところも、なかなか面白いプロダクトであるようだ。

さて、このPower Up 3.0というのは何物なのか。これは紙飛行機に装着して長時間飛行に耐えるフレームとして機能し、そしてまた推進・ステアリング装置として機能するものだ。Bluetoothのコミュニケーションハブとして、スマートフォンからの指示を伝える。これを装着すれば、紙飛行機をスマートフォンから操縦することができるようになるというシロモノだ。Micro-USB経由で充電を行い、1度の充電あたり、10分間の飛行を愉しむことができる。通信可能距離は180フィート/55メーターで、最高速度は10mphとなっている。

熱烈な飛行機ファンであるメンバーがPowerUp 3.0のプロトタイプを作成し、そしてこのプロトタイプを元に完成形プロダクトを世に問うためにKickstarterに登録することとなった。キャンペーンは土曜日に始まったが、開発者のShai Goiteinによれば、わずか8時間で目標としていた5万ドルを調達することとなったのだそうだ。どうやら世界中の人が、未来は紙飛行機に大きな期待を持っているようだ。

このプロジェクトに参加することにより、リモートコントロールできる飛行機を、安価に手に入れることができるわけだ。もちろん全天候型ではない。雨などに濡れてしまえば、PowerUp 3.0を搭載していようがいまいが、紙飛行機は飛ぶことなどできなくなる。

本稿執筆時点で、資金は13万5000ドル以上が集まっている。15万ドルに達するようなことがあれば、Android版の開発にも乗り出すとのことだ(訳注:訳出時点では16万5000ドル以上となっています)。

PowerUp 3.0の基本パッケージの価格は30ドルだった。もちろん既にこの価格の出資申込みは締め切りに達している。現段階でキットを入手することができる価格は40ドル以上ということになる。価格によって、リチャージャブルパックなどがついてくる。

当初リリースされる予定のiOSアプリケーション(1年以上にわたって開発が続けられている)を使えば、スロットルレバーを使って上昇・下降、そして機体を傾けての方向転換などを行うことができる。方向転換は機体後部の小さなフィンを操作することによって行うようになっている。紙飛行機を飛ばした経験を持つ世界中の子供たちの、自由に飛行機の方向を操作してみたいという願いがついに叶えられることになるのだ。

デバイスはカーボンファイバーで製作されている。充分な軽さで飛行に問題はなく、さらに強度もあって墜落時のショックにも充分耐えることができるはずだ。

PowerUp 3.0の出資者には、来年5月頃にプロダクトが出荷される予定。Goiteinによると、Kickstarterプロダクトを成功裏に終えることができれば、小売店舗でも、来年6月から50ドルでの販売を行いたいとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H


23andMeのCEOが顧客に書簡を送る: “FDAは弊社の重要なパートナー”

FDAが23andMeの家庭用DNA検査キットの販売を禁ずる決定を発表したとき、同社は短い声明を出したが、その後同社のCEO Anne Wojcickiは顧客たちに書簡を送り、この禁令や、医療機器や医療技術を監督する政府機関と同社の関係について説明した。

今朝(米国時間11/27)23andMeの登録ユーザに送られたその書簡でWojcickiはまず、同社の技術が堅固で信頼に足るものであり、長年の研究開発の成果を製品としてお届けしている、と述べている。かんじんの問題は検査の正確さだが、それについて彼女は、これまでの結果には十分満足している、と述べている。FDAの販売禁止令が出たあとの記事の中には、同社の検査がすべての遺伝子異状に関して網羅的でなく、乳がんなど一部の疾患に関しては検査結果が厳密ではないかもしれない、という疑いの声もあった。今回の書簡の記述は、それらを意識しているものと思われる。

Wojcickiは今回のFDAの問題の性格を、同社のような新しい種類のサービスを同庁が正しく位置づけていく過程での出来事だ、と述べている。つまり、一般消費者によるDNA検査は、技術の側にとっても、またそれを監督する行政側にとっても、まったく新しい分野である、と。たしかに、FDAが、特定の障害ではなく、全般的な遺伝子検査を行う技術製品を規制するのは、今回が初めてである。FDAとしては、23andMeに対し、販売禁止令状への応答に15日の猶予を与え、この問題を同社とともに解決していくための計画を記述している。

以下に、Wojcickiの書簡の全文を引用する。同社はあくまでも、製品の効能書きに即した正確なサービスと製品を提供している、という立場であり、これに対してFDAは、その情報を受け取った消費者の、その後の行動を心配している。病理診断情報は何でもそうだが、診断された側の人間の、その後の自由度があまりにも大きい。そこでFDAは、23andMeの検査結果が、疾病のリスクに関して正しく理解されない場合(==大げさに誤解される場合)が絶対にないことを、確実にしたいのだ。

[以下英文ママ]

Dear 23andMe Customers, I wanted to reach out to you about the FDA letter that was sent to 23andMe last Friday.

It is absolutely critical that our consumers get high quality genetic data that they can trust. We have worked extensively with our lab partner to make sure that the results we return are accurate. We stand behind the data that we return to customers – but we recognize that the FDA needs to be convinced of the quality of our data as well.

23andMe has been working with the FDA to navigate the correct regulatory path for direct-to-consumer genetic tests. This is new territory, not just for 23andMe, but for the FDA as well. The FDA is an important partner for 23andMe and we will be working hard to move forward with them.

I apologize for the limited response to the questions many of you have raised regarding the letter and its implications for the service. We don’t have the answers to all of those questions yet, but as we learn more we will update you.

I am committed to providing each of you with a trusted consumer product rooted in high quality data that adheres to the best scientific standards. All of us at 23andMe believe that genetic information can lead to healthier lives.

Thank you for your loyalty to 23andMe. Please refer to our 23andMe blog for updates on this process.

Anne Wojcicki

Co-founder and CEO, 23andMe

写真出典: Flickrユーザkingair42

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))