今月の無謀な法案:下院議員、科学研究費助成に口を挟む

少なくとも一人の議員は、研究の価値の判断に関して世界一流の科学者たちよりも知識があるあると思っている。ラマー・スミス下院議員(Crunch政治家グレード:F)は、あの悪名高きStop Online Piracy Act[SOPA、著作権保護法案]の共同提案者であるが、このたび全米科学財団(NSF)理事長に対して、あらゆる研究について国家的優先順位をに従っていることを証明するよう求めた。これは現在の科学研究が十分な成果を上げていないという疑惑に基づいている。「議会であれ誰であれ、NSFがどのような科学研究を助成するかどうかについて個別に口を挟むのは危険な行動である」と、ジョン・ホルドレン大統領科学技術補佐官は、スミス議員が提案した「高品質研究法案」について語った。

Science magazineによると、同法案はあらゆる研究が国家的優先課題を推進し、「革新的」でありかつ「重複しない」よう、NSFの使命を変更させるものだ。残念ながら、重要な研究は「逐次的」でありかつ「並行」して行われることはよく知られた事実である。進化論と微積分はほぼ同時に発見された。科学はカオス的プロセスである。単一の「革新的」発見をトップダウンに管理することは、何千年来続く科学研究のやり方と矛盾する。たぶんスミス議員は誰も知らないことを理解しているに違いない。

公平のために言うと、NSFの助成すべてに価値があるわけではない。私は、議会による政治学研究予算の削減の決断を支持したが、これは4年間の大学院時代に、無用な学術論文に何百万ドルもの予算が捨てらるのを見てきた経験に基づいている。しかしその解決法は、実用的で社会的に有用な研究を実施してきた歴史をもつ成果評価制度を科学者や組織に任せることだ。発見プロセスを細かく管理することではない。

TechCrunchが全下院議員の通信簿を作った時、その目的は反革新的立法者たちが提案する法案に疑問を呈するためだった。その意味でスミス議員は期待を裏切っていない。[画像提供:米下院議会科学宇宙技術委員会]

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(翻訳:Nob Takahashi)


Akamaiレポート:米国のインターネット接続速度は年率28%の高速化で平均7.4Mbps。韓国、日本などとは依然として大差

Akamaiが四半期毎のState of the Internetレポートをリリースしている。今回リリースされたのは2012年の第4四半期に関わるものだ。これまでと同様に全世界でのインターネット速度について検証し、セキュリティを巡る現状やIPv4資源の使用状況などについて検証している。

本レポートの中で、もっとも多くの注目を集めるのはインターネットの速度に関する部分だろう。この分野で、ここしばらくの間、世界をリードしているのは韓国だ。しかも、この状況に当分変化はないものと思われる。ただ、面白いことに韓国におけるインターネット速度は最近少々低下している様子だ。韓国における平均速度は14Mbpsとなり、これは前の四半期と比べて4.8%の低下となり、また1年前との比較では13%低下していることになる。

アメリカにおいての状況はというと、Akamaiのレポートによると平均速度は7.4Mbpsということになっているようだ。1年前との比較で28%の向上を示している。前の四半期比では2.3%の高速化を示していて、調査対象国の中で第8位となっているようだ。今日ではアメリカ国内のインターネット接続のうち19%ほどが10Mbps以上の速度を実現しているようだ。この割合も昨年比で90%の伸びとなっている。但し速度改善の達成速度は多少スローダウンしているように見える。アメリカ国内では、四半期比でみたときには僅か5.5%の伸びとなっている。

高速接続を実現している10の国々においても、この四半期で見ると速度向上の伸び率がやや低下してきているように見える。たとえばオランダは0.1%で、最も成長したスウェーデンでも7.4%に留まる。年間で見ると通信速度は平均で25%の伸びとなっているのだが、直近四半期で大きく伸びたのはグアテマラのみという結果も出ている(39%)。

モバイルからの接続状況についてみてみよう。AkamaiのレポートはEricssonのデータに基づきつつ、2012年最終四半期の全世界でのモバイルトラフィックは28%の伸びを示し、前年度比では倍になったと報告している。携帯ネットワーク上ではAndroid WebkitおよびApple Mobile Safariが同程度の割合を占めているのだとのこと(35.3%および32.6%)。但し、Wi-Fiを合わせた全体のリクエスト数割合ということになると、Appleが58.7%でAndroidが21.7%と差が開くようだ。

また今季のレポートではDDoSについての詳細も掲載されている。Akamai利用者は2012年に768回の攻撃を受けたとのことで、これは前年比で200%の増加となっている。もちろんこの数値だけでインターネット全体の動向を云々することはできないが、少なくともインターネット上の攻撃が増えているという証拠にはなるだろう。

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(翻訳:Maeda, H)


Twitter、公式Google Glassアプリをテスト中

Twitterが自前のGoogle Glassアプリを出すのは時間の問題であることは、Kleiner PerkinsのJohn Doerrが今月のGlass Collective発表の際にほのめかしていた。

公式Twitter Glassアプリからのツイートを発見したのは、面白いことに、最初の非公式Twitterアプリ、GlassTweetを作った男性だった。

ツイートを発信したユーザーに関する情報は、プロフィールからは得ることができず、アカウントも後に下のツイートと共に削除された。

“Twitter for Glass” という表示に注目。これはツイートに使ったアプリを示している。これと同アカウントが後に削除されたことを考え合わせると、誰かがGlassアプリを箱から出すのが少々早すぎたようだ。

私はTwitterに接触したがGlassの計画についての声明やコメントは一切得られていない。Twitter Glassの体験が実際どんなものかは興味深いが、目の前を全ツイートが流れていくのを見たい人がいるとは想像できない。ダイレクトメッセージ、あるいはリプライやメンション、恐らく画像やビデオの共有には使い道があるだろう。

今後数ヶ月のうちにTwitterやFacebookなどの会社から多くのGlassアプリが出てくることが予想される。利用量を増やしユーザーが全く新しい視点をメディアで共有できるようにするために、どうこのデバイスに取り組んだらよいかどの会社も試行しようとしている。
私がいつも言っているのは、コンサート等のライブイベントでGlassを使うのが実に楽しいだろうということで、ポケットから携帯を取りだしたり席を外したりする必要がなくなる。視界と注意を遮ぎることなく撮影できるのは自然だ。

[写真提供:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi)


TC Disrupt:ハフィントン・ポストの共同ファウンダー、Jonah Peretti、「かわいい動物写真をリスペクトせよ」


BuzzfeedとHuffington Postの共同ファウンダー、Jonah Perettiとなら結婚してもいいと思った! それというのも、現在ニューヨークで開催中のTechCrunch Disrupt NY 2013の基調講演でPerettiはなぜ何百枚ものネコの写真が毎日インターネットで大人気になっているのか、理由を説明してくれたからだ。

「ウェブ上のネコは単なるネコではない」とPerettiは言う。

かわいいネコや後足で立ち上がったワンコ、サルの赤ちゃん、ミニ豚などはもちろんかわいい。しかしかわいいだけではない。Perettiによれば「われわれが動物のかわいい写真にこだわるのは人間の本質そのものにかかわるからだ」という。。われわれが犬やネコを買ってきて餌を与え、話しかけ、世話をするのはそこに自分自身の小さな一部を見ているからだ。

ペットは生きており、感覚と感情を持っている。お腹を空かせる。喜ぶ。悲しむ。われわれが好むと好むまいと、動物はわれわれに感情的な反応を引き起こす。

Perettiは「こうした感情的反応は人間性の基礎の一部だ。動物に感情的な反応を引き起こされない人間はブレードランナーのレプリカントではないが、完全に正常とはいえないだろう」と述べた。

このことがインターネットにとってなぜ重要なのか? まず、ソーシャルメディアが本質的には感情をベースにしたシステムだからだ。

われわれはソーシャルメディアをバーチャルな社会として利用し、そこにバーチャルな自分の分身を住まわせ、このインターネットの分身に日々自分の感情を投影する。われわれはソーシャルメディアを通じて感情的な満足を得ようとする。ペット写真の変わらぬ人気はこのことをよく証拠だてている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Appleチーフデザイナーのジョニー・アイヴ、フラットデザインでiOS 7のビジュアル一新へ

iOS 7はたぶんすぐそこまで来ている。少なくとも6月のApple世界デベロッパー会議ではプレビューが見られるはずで、それはAppleのモバイルOSにとって、少なくとも外見上は、しばらくぶりの楽しみな大型変更になりそうだ。iOS 7は、Appleのチーフ・デザイナー、Jony Iveの手によってフラットなビジュアルになるだろうというのが最近の通説だと9to5Macの最新記事は伝えている。同ブログの情報源によるとそれは「非常に非常にフラット」であり、コンピューター生成による光沢も輝きも、追放されたiOSトップのScott Forstallが好んだと言われるスキューモーフィズムの痕跡もない。

つまり、今後は皮表紙の黄色い模造メモパッドも、ボタンやコントロールを本物の金属で作られているかのように見せる照明効果も見られないことになる。それは、ある情報源をしてWindows Phoneに似ていると言わせるほど過激なデザイン変更であり、Iveの行う変更は何であれ比較的わずか、という以前言われていた話とは大きく異なる。ビジュアルが大きく変わってもアプリやサービスの操作変更は比較的少ないだろうが、デフォルトアイコンやユーザーインターフェイス自身の外観は変わる。

デザイン変更は殆どの人々に受け入れられるだろうが、現在のAppleのやり方に馴んできたユーザーからは、否定的反応もあるかもしれない。それでも機能に変更がなければ、既存ユーザーにとって移行は容易であり、新しいルックスが新規ユーザーを引きつけ、Appleのモバイル事業に新たなエネルギーを注入することは大いに期待できる。iOSのルック&フィールは発売以来いくつかのマイナーチェンジがあっただけだ。Windows Phoneがずっとモダンに見えるモバイルのライバルの一例として挙げられているが、GoogleもAndroidでその方向を目指していることは、Google Now(今日iOS版が公開された)のデザインに見ることができる。

別の情報源は9toMacに対し、Appleは “at-a-glance”[一目でわかる]情報表示もテストしていると言っているが、果たしてそれがiOS 7に入るのか、まだ初期段階の話だけなのかは不明だ。現時点では、既存バージョンと明確に訣別した真新しいルックスだけで、AppleモバイルOSの現行ユーザーからも新規ユーザーからも、十分な注目を引くことができるだろう。

[見出し画像提供:concept by Kerroudj on Vimeo

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(翻訳:Nob Takahashi)


世界のスマートフォン市場の2013年第1四半期―Androidが64%、Windows Phoneが堅実な伸び(Kantar調べ)

今日(米国時間4/29)、Kantar Worldpanel Comtech(WPPグループの市場調査会社)が発表したレポートによれば、GoogleのAndroid OSは世界のスマートフォン市場で首位に立ち、引き続き勢力を拡大している。

これは毎年実施されている主要市場における四半期ベースの調査で、Kantarのオーストラリア、中国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、イギリス、アメリカの各現地法人が調査にあたった(記事末に表あり)。3月31日以前の12週間においてこれらの地域で販売されたスマートフォンのうち、Android onは64.2%を占めていた。

主要市場のうちAndroidがトップでなかったのは日本だけだった。ここではAppleのiOSがわずかにAndroidをしのいでいる(それぞれ49.2%、45.8%)。 他の市場では飽和に近づいている場合(アメリカ、イギリス、ドイツ)でも、成長中(中国)でも、経済危機のさなか(スペイン)でもAndroid携帯が首位を占めた。スペインでは全スマートフォン販売数のなんと93.5%を占めて新記録となった。

Kantarのレポートは、年間アメリカで24万人、ヨーロッパで100万人などの大規模な聞き取り調査に基づいている。その分析によると、Samsung Galaxy S4とHTC Oneという有力なAndroid製品2機種の発売で、Androidの優位は向こう数ヶ月でさらに広がりそうだという。

Kantarの調査によると、アメリカでAndroidの他に市場占有率を増加させているプラットフォームはWindows Phoneだけだ。この傾向は先月から現れていた。Windows Phoneは対前年同期比(以下同様)で1.9ポイント上昇し、5.6%に達した。その大部分はNokiaの製品だ。

アメリカ以外でもAndroidの優位とWindows Phoneの増加という傾向が広く見られた。ヨーロッパの5ヶ国ではWindows Phone が6.5%を占め、2.5ポイントアップしている一方、 Androidは68.8%で10ポイントのアップだった。同様にオーストラリアでもAndroidは63%弱を占め、8.8ポイントアップした。ここでもWindows Phoneは0.8ポイント、アップして4%強となった。〔日本は前年のデータがないため変化は不明〕

ではWindows Phoneが増加している理由は何だろう? Kantorのアナリスト、Mary-Ann Parlatoによれば、WPのメーカー(主としてNokia)が従来フィーチャーフォンを使っていた層に対して最初のスマートフォンとして強力にプロモーションをかけたことが大きいという。

なるほど、新規の販売するではスマートフォンがフィーチャーフォンを追い越す状況になっているものの、現在利用されている携帯電話全体で考えると、まだまだフィーチャーフォンの数のほうが多い。Kantarの分析によれば、Nokiaのカラフルで機能がシンプルで安価なWPは初めてスマートフォンを使うユーザー(アメリカではWPの52%を占める)に魅力的なものとなっているのだという。

これに対してAndroid とiOSのユーザーは大半が過去にスマートフォンを使っている(それぞれ 51%、55%)。 Windows Phoneがフィーチャーフォンのユーザーに特に好まれるという傾向が事実なら、WPは今後さらに有利になるかもしれない。イギリスではスマートフォンの普及率が63%という高率で、同時にWPの市場占有率も7%と好調だ(絶対的にはさほど高いレベルではないが)。〔今回Windows Phoneの市場占有率がもっとも高かったのはイタリアの10.9%、最低は日本の0.3%〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


StoryKidは、文学博士2人が作った子供がお話を作るためのアプリ

子供はごっこ遊びが大好きだ。今日Disrutpハッカソンで紹介されたStoryKidというアプリは、これに注目して子供に視覚的ヒントとして一連の絵を見せ、それに基づいてお話を作らせようという新しい試みだ。StoryKidのターゲットは2~5歳の、おしゃべりはできるが書くにはまだ早い子供たちだ。開発したのはコロンビア大学の比較文学博士ふたりで、その目標は子供たちが物語や文学の世界に進むのを助けることだ。そして共同ファウンダーのTianjiao Yuが私に言ったように、これは親たちが自作のお伽ぎ話を作るアイデアがなくなった時にも使える。

Yu(写真左)はこのアプリを作るためにコーディングを学び、もう一人の共同ファウンダー、Lu Xiong(右)は、デザインとユーザー体験を必死で勉強してビジュアル要素を担当した。これを作った動機は、ふたりが学んだことを高等教育の象牙の塔から外へ持ち出すためだった。

「ふたり共、文学が専門でこの知識を誰にでも利用できるようにしたかった。アプリを作ることはそのための理想的な方法だとわかった」とYuは言う。StoryKidは、ふたりにとって文学を人々が利用しやすくするために必要なアイディア3つのうちの1つだ。残る2つは、新しいもの作るのではなく、既存の文学を発見することに関わる。現在開発を手伝ってくれる3人目のプログラマーを探している。

実際のところ、ハッカソンの週末で作られたこのStoryKidも、本来の目標からすると初期段階にすぎない。今日のデモで使った絵は、ビジュアル検索エンジンのNiiceから取ってきたものだが、約1月半後にアプリが正式公開される時には別の情報ソースも用意する予定だ。

またこのアイディアは、ファウンダーたちの文学的知識の多くを物語に取り込むことにもなる。「物語の要素を分析することに関する理論はたくさんある。われわれはそれを使って、人々と場所の関係や、2人の登場人物のつながりを考える手助けをしたかった」とYuは語る。

彼らは音声、ビデオ等の録画機能の追加や、画像を保存して電子書籍のように後でもう一度お話をするのに使うことも計画している。さらにはEvernote等のアプリともリンクして、「子供たちが何を考えているかを親が知るために」ウェブで見たり読んだりしたものを記録することも考えられる。

アプリは小さな子供が自分でお話を作ることを目標としているが、字の書ける年長の子供たちがお話を考えて書き残すためにも使うことができるだろう。

これは楽しいアプリを装った学業のようにも感じるが、「主なアイディアは楽むこと、そして文学を面白くすること」だとYuは強調する。私自身、自分の子供にこの種のアプリを与えて何を考えているのか知るのが楽しみだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


今、起こりつつあるAPIエコノミーとか何か?

何という2週間だったろうか。しばらくの間くすぶって何かが起こった。API市場が爆発したのだ。IntelはMasheryを1.8億ドル以上で買収し、CAはLayer 7を買収した。3ScaleJavelin Venturesから450万ドルの資金を新たに調達した。MulesoftはProgrammable Webを買収した。そしてついにFacebookもこれに加わりParseを買った。

これらの買収や出資は、アプリケーション界に広がるAPIの遍在によって、ある市場が成熟しつつあることを暗示している。それは決して新しい市場ではない。この分野は過去数年間に構築されたAPIをてこにしてきた企業に埋めつくされている。むしろこれは、変曲点というべきだ。主要APIディレクトリーのProgrammable Webによると、現在APIは3万種以上ある。Javelin Venturesのマネージング・ディレクター、Noah Doyleは私のインタビューに答えて、アナリストらはAPI市場が今後5年間で5~10倍に伸びると予測していると語った。

こうしたAPIの規模拡大によって、魅力あるアプリとAPIを作るデベロッパーにとって好循環が生まれる。APIは分散データネットワークの一部となることによってアプリのリーチを広げる。そのAPIを使う人が多くなるほど、アプリ開発者はより多くのデータを生み出す。データの利用範囲が広がればそのサービスはAPIになる可能性が高まる。

Facebookは、新たなデジタル製品を送り出し続けるために新しいデータの流れを必要としている。Parseのような〈サービスとしてのバックエンド〉プロバイダーは、デベロッパーが基本データタイプや位置情報、写真などを保存するインフラストラクチャーにアクセスするSDKとAPIを提供する。どうやってFacebookがこのデータを利用するかは未だに疑問だ。しかしそれでも、ParseはParseプラットフォーム上でAPIを使用するアプリに育まれた活気ある安定データ源としての役目を果たす。今後このデータをどのようにパッケージ化、セグメント化し、その10億ユーザに対して効果的な広告を送り出すかを決めるのはFacebookだ。

APIは接着剤のようなもの

APIはインターネットの接着剤になる、とProgrammable Webのファウンダー、John Musserは言う。Musserは、Doyleと同じくこれを、モバイル端末の需要から生まれ様々な面で新しいクライアント・サーバーの役割を演じる新しい世代のAPIとして期待している。それらのアプリは、クラウドサービスでホスティングされ、モバイル端末に配信されデータを読み書きし、情報を送受し、API経由で互いにつながりあう。

第一世代では、MasheryやApigeeなどの会社がAPI管理分野の先陣を切った。Twitterをはじめとするウェブ企業が第2世代を形成した。第3の波では、IntelやCAといったエンタープライズ企業がこの大きな動きを察知し、ハードウェアとソフトウェアシステムをつなぐべく市場に参入した。

今やAPIの動きはアプリケーションや機械レベルの下方に向かっているとDoyleは言う。それは〈物体のインターネット〉が出現するレベルにまで来ている。あらゆるものがプログラム可能になり、データの送受信、統合、そして動作のトリガーが可能になる。

3Scaleが提供するAPI管理システムでは、デベロッパーがその上にロジックを作ることできるとDoyleは言う。これを使うとデベロッパーは、あれこれ手を加えることなく、APIにそのままデータセットやサービスを追加できる。

APIエコノミー

この動きの高まりは、Apigeeの戦略担当副社長、Sam Ramjiが提唱に一役買った用語、〈APIエコノミー〉を象徴している。Ramjiは、APIとAPIインフラに注目する人々の数はこの一週間で2倍になったかもしれないとメールに書いた。「APIを持っていない会社のCIOやCTOがニュースを読めば、こう自問するはずだ、『わが社もやらねば』と」

そして、彼らにとってAPIを構築するならMashapeWebshellなどのサービスを使う方が簡単だ。Doyleは、自ら立ち上げたKeyholeが買収された後の3年間をGoogleで過ごした。Googleでは、Google EarthとGoogle Mapsの開発に関わった。

「われわれは地図を軽量なJavaScriptとして公開した」とDoyleは言った。「一種の埋め込みコードのようなものだと考えた。クールですばらしいと思っていたが、あまりの普及の早さにショックを受けた。」

Google Mapsを広く利用されたのは、使いやすかったからだとDoyleは言った。デベロッパーが洗練されたアプリを簡単に作るしくみを組み込んでおくことは、今や最良の慣行だ。

複雑さは避けられない

しかし何もかもが簡単とはいかない。開発が複数のAPIにわたるにつれ複雑さが待ち構えている。MuleSoftはこの穴を、同社のAPIhubで埋めようと考えている。

先週私が書いたように、MuleSoftにとってProgrammable Webとの提携は、同社が〈APIのためのGithub〉と呼ぶAPIhubをProgrammable WebのAPIデータベースと統合し、関連市場でメディアの注目を集めるための好機だ。Programmable Webにとっては、同社のAPIデータベースをMuleSoft APIhubプラットフォームを使ってアプリを開発するコミュニティーへと広げ安定した環境を作り出すことができる。この統合プラットフォームによって、APIの組み込みを容易にしコミュニティーでの協業を促進できると同社は期待している。

アプリケーション・ライフサイクル管理(ALM)のインテグレーター、Tasktop Technologiesは、ソフトウェアのライフサイクル管理プロセスの中で異質なツール群を結び付ける、Software Lifecycle Integration(SLI)というオープンソースの取り組みを開始した。このプロジェクトはオープンソース・プロジェクトのEclipse-Mylynの一部となりM4と呼ばれている。

TasktopのCEO・共同ファウンダー、Mik KerstenはSLIについて、異なるツール間でのリアルタイム同期を可能にする汎用データメッセージバスとして機能し、コードに問題が発生した時にはすぐに対応できる、と評価している。APIエコノミーの発展と共に生まれてくるのが、下支えとなるこうした統合プラットフォームだ。過去2週間にわたる数々の買収と出資は、モバイル機器だけでなくわれわれの生活にある物事ともつながるアプリの開発を真に簡単にするためには、この複雑さを解決する必要があることを示唆している。

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(翻訳:Nob Takahashi)


いよいよ始まるスタートアップバトル、TechCrunch Disruptの生中継を見逃すな

現地時間4月27日のハッカソンで華々しく幕を開けた、米TechCrunch主催のイベント「TechCrunch Disrupt NY 2013」。日本時間28日夜(現地時間29日朝)からは、いよいよ全米が注目するテクノロジービジネスやスタートアップについての講演やパネルディスカッションが始まります。

各種講演も注目ですが、一番の期待は何と言ってもか約100社のスタートアップが競い合うスタートアップバトル。日本時間の29日未明(午前3時過ぎ)から始まる、Disruptおなじみの目玉コーナーです。

こちらのページ( http://jp.techcrunch.com/events/disrupt-ny-2013/ )にてイベント会場からの生中継も実施しています。今年のDisruptではどんなスタートアップが出てくるのでしょうか、注目です。


“犬の散歩師”を飼い主に紹介して位置情報も提供するSwiftoが$2.5Mを調達

犬の散歩のためのUberを目指しているSwiftoが、Benchmark Capitalから250万ドルを調達した。そのラウンドはかなり前に完了していたが、同社は競合他社を刺激することをおそれて発表しなかた、という。

このサービスは、犬を飼っている人に、身元が確かで同社の審査に合格した散歩人を紹介する。ただし、犬の散歩を代わってやってくれる人を見つけるだけでなく、飼い主はその散歩の経路や様子をテキストや写真でチェックでき、また地図上…スマホのアプリ上…で今どこまで歩いたか、今どこにいるか、を知ることができる。料金は30分で20ドルだ。

散歩人はそのアプリ上で自分の担当犬たちの散歩時間を知り、その日の仕事のスケジュールを作る。

身元が確認され、履歴チェックを経た人しか、同社の散歩人にはなれない。基準に合格した人はさらに3回の面接と教育訓練を受け、最後に試験にパスしないといけない。飼い主は選ばれた散歩人と事前に会ってお話をしたりできる。そして飼い主がその散歩人を気に入ったら、散歩を開始する。決済はStripeがオンラインで自動的にケアする。また事故などに備えて散歩人には保険をつける。

同社は立ち上げからほぼ1年だが、すでに黒字で、売上は各月20%ずつ伸びている。今年の年商は100万ドルに達する見込みだ。今はニューヨークだけだが、年内にはボストンにも進出の予定。さらに来年はシカゴとサンフランシスコをねらっている。

Uber型のサービスは、どの垂直市場でも成り立つとは限らない(洗車サービスのCherryは閉鎖した)。Swiftoは犬の飼い主が容易に散歩人を見つけ、しかも遠くにいても自分の犬が今どこにいるか知ることができる。今のところ、Yelpのリビューはなかなか好評だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


各国政府からのGoogleコンテンツ削除要請は1年でほぼ倍増

政府というものは、民主的な政府ですら、つねに透明性を重んじるとは限らない。Googleの最新のトランスパレンシーレポートによれば、“Googleの各種サービスのコンテンツを検閲しようとする各国政府の試みは増加し”、2012年の後半には前年(2011年)同期比で倍増した(削除要請件数1054から2285へ)。2012年後半における要請件数の最多はブラジルの697件、次位合衆国が321件だった。


[09年以外は前半と後半]

Googleによれば、ブラジルが多いのは政府や政治家に対する批判を禁じる法律があるからだそうだ。アメリカと違ってブラジルでは、選挙期間中に候補者の名誉を毀損した選挙運動は弾圧される。市長候補を攻撃しているYouTubeビデオを政府の命令に従って取り去らなかったら、Google Brazilのトップは逮捕され、Googleのすべてのプロダクトが完全に閉鎖されるところだった。

Googleは儀礼的な言葉遣いで次のように述べている: “ブラジルの憲法は表現の自由を保証しているので、コンテンツも保護されるはずである。そこで弊社はこれらの裁判の多くを上訴している”。

合衆国政府(警察、裁判所など)も、削除の要請では負けていない。Googleはそれらを具体的に明かすことはできないが、要請の中には地方自治体からの過剰反応と思われるものもある。“ある自治体は、学校の校長の名誉を毀損しているとしてYouTubeビデオの削除を要請してきた”、とGoogleの広報担当は語った。

Googleは削除要請のわずか45%にしか応じていない。要請の形式が不備だったり、Googleのサービス規約に違反している場合(強権的で頭ごなしの削除要求など)は、要請に応じていない。

たぶんいちばん心配なのは、強権国家ロシアからの要請が増えていることだ。同国は最近、児童ポルノや自殺の奨励など、悪質なコンテンツを取り締まるための適用範囲の広い検閲法を制定した。ロシアからの要請の大半(114中107)は、この法律を引証している。The New York Timesの記事によると、この法律は今のところ本当に悪質なコンテンツだけを対象にしているが、政府を監視している団体などは政治的な検閲に悪用されることを懸念している。

トランスパレンシーレポートの本体はここにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


TechCrunch Disrupt開催! 現地時間の27日、会場から生中継

全米が注目するテクノロジービジネスやスタートアップについての講演やパネルディスカッションを繰り広げる米TechCrunch主催イベント「TechCrunch Disrupt NY 2013」の開催が目前に近づいてきました。

今年のTechCrunch Disruptの会場はニューヨークのマンハッタンセンター。現地時間4月27日~28日のハッカソンを皮切りに、4月29日~5月1日は各種講演のほか約100社のスタートアップが競い合うDisruptおなじみのスタートアップバトルも行います。

当日はこちらのページ( http://jp.techcrunch.com/events/disrupt-ny-2013/ )にてイベント会場からの生中継も実施します。英語の飛び交う会場ではありますが、熱気あふれるイベント会場の雰囲気を少しでも感じたい読者はぜひご覧ください。


初代Macのメモ帳をiPhoneで再現するClassic Note

[Appleのデザイナー]Jony IveがiOSを全面改訂するのを待てない方のために、Classic Noteはいかが? このアプリは128Kの栄光の中のウォズとジョブズのマジックをほんの少し取戻してくれる。アプリにはメモ帳と電卓が、初代Macintoshの日々を思い出させるパッケージに詰め込まれている。

マサチューセッツ州セイラムのプログラマー、David T Greenが作ったfこのアプリは、3.99ドルでAppStoreにて発売中。

「何ヶ月か前にMini VmacでSystem 6をいじっていて、この古いOSのフラットな色使いや形状が、LetterPressなどの現代モバイルアプリやMicrosoftのMetroスタイルのアプリと、多くの共通点を持っていることに気付いたのが、これを作ろうと思った主なきっかけだった。そこから先、古いデスクアクセサリーのフィーリングを再現する小さくて簡単なアプリをいくつか作ることが、驚くほど楽しかった」とGreenは語る。

機能は少ないが、iPhoneの画面に大きくてどっしりしたChicago風フォントがよく再現されていて、ピクセルたっぷりのボタンを押すと、あのピープ音が聞こえる。「iOSではビットマップフォントがサポートされていないので、オリジナルMacで使われていたフォントに合わせたカスタムフォントをビット単位で手作りした」と彼は言った。

「このくらいビジュアルに制約のある環境で作業をするのも、時には楽しいものだ」

[Thanks, Michael!]

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(翻訳:Nob Takahashi)


Microsoft Officeの文書をブラウザ内で開けるプラグインがChrome Beta用に登場

Microsoft Officeの文書をブラウザで見なければならない機会が多い人たちのためにGoogleが今日(米国時間4/25)から、そのためのChromeエクステンションを提供する。具体的には、WordとExcelとPowerPointのファイルだ(.doc, .docx, .xls, .xlsx, .ppt, .pptx)。これまではGoogle Driveのビューワで見ていたが、エクステンションChrome Office Viewer(まだベータ)をインストールするとブラウザ自身がこれらの文書を開けるようになる。

OSがChrome OSであるコンピュータChromebookには前からこの機能があったが、今ではWindowsとMacのChromeブラウザでも利用できる。ただし、安定版ではなくChrome Betaを使うこと。

この20メガバイトもあるプラグインは、専用のサンドボックス内でファイルを開くからマルウェアにやられない、とGoogleは言っている。“だから汚染されたOfficeファイルを使っても、それが個人情報を盗んだりユーザのアクティビティを監視することはできない”、という。

Googleは今日の発表の中で何も言っていないが、昨年買収したQuickofficeの技術が、このプラグインにかなり貢献しているのだろう。Googleが2月にPixelという名のChromebookをローンチしたときは、同社のNative Client技術を使ってQuickofficeをChromeに移植する、と言っていた。それからすでに3か月が経とうとしているから、Office文書をブラウザ内でどうするかという発表が、Googleからあってもおかしくないタイミングだった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ニューヨークタイムズがGoogle Glass用アプリを公開。ヘッドライン読み上げも

Googleの野心あふれるGlassディスプレイは一般公開まで未だに遠いが、この出来たてホヤホヤのGlassに、第一人称写真撮影以外にできることが増えた。つい先ほどNew York Timeは、独自のGlass対応アプリを公開した。これは野心的ヘッドセットにとって初のインストール可能なサードパーティーアプリだ(厳密にはPathが最初のサードパーティーアプリで、初期バージョンのデバイスにプレインストールされていた)。

New York TimesがここまでGlassをもてはやすのは驚きではない。Googleのデベロッパー担当者、Timothy JordanはNew York TimesのGlassアプリを、オースチンのSXSW 2013で(、最新のニュースや見出しが一定間隔でヘッドマウントディスプレーに表示されるところを披露した講演の全篇はこちら)。ニュースのストリームを追う操作はごく簡単のようだ。頭を軽く傾けると写真や記事本文を見ることもできる。

アプリの設定は簡単だ。上のリンクをクリックするとGoogleアカウントを聞かれる。

準備が完了すると、Glassは時折あなたの耳元でヘッドラインを読み上げる。簡単な記事要約を読み上げる機能もある。日々のニュースを実にいい感じで(妙に侵略的かもしれないが)消費できる。他社も独自のGlass体験を創造することを既に約束している。PathとNew York Times以外に、EvernoteやおそらくTwitterまでもがGoogleの破天荒なデバイスのためにアプリを開発している。

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(翻訳:Nob Takahashi)


GoogleのPageSpeedモジュールのNginx用バージョンがリリース

GoogleはつねにWebの高速化に真剣だ。2010年には協力者たちのグループを率いてApache Webサーバ用のモジュールPageSpeedをリリースした。そして今日(米国時間4/25)は、同じグループがこのモジュールのWebサーバNginx用をリリースした。NginxはApache同様、オープンソースのプロジェクトで、トラフィック量の膨大なNetflix、Hulu、Pinterest、Airbnb、WordPress.com、Zynga、Zappos、GitHubなどのサイトが使っている。

アルファテストでは、CDNプロバイダMaxCDNが、ページロードタイムの1.57秒減を報告している。バウンスレートは1%減だそうだ。大きな成果ではないように見えるが、一つのサイトで複数のビジターがいろんなことをしてるような場合には、けっこう大きな効果になる。たとえば、誰もかれもがネットしているStarbucksのようなところでHuluを利用すると、わずか2秒の違いでもページやビデオのロード時のいらいらが、かなり減ることに気づくだろう。

このモジュールはGitHubで入手できる。そのオープンソースの開発には、Google、Taobao、We-Amp、それにそのほかの個人デベロッパたちが参加している。

GoogleのMake the Web Faster Team(長いチーム名だ!)のエンジニアJeff Kaufmanがブログ記事で、PageSpeedについて説明している:

Nginxの中で動くngx_pagespeedモジュールは、Webページを書き換えることによって、Webページのユーザへの到達を速くする。具体的には、画像の圧縮、CSSやJavaScriptの最小化、キャッシュの長寿命化など、Webのパフォーマンス面のベストプラクティスの数々だ。mod_pagespeedの最適化フィルタのすべてを、Nginxのユーザも利用できる。

Googleはインターネットの高速化をGoogle自身というより、世界全体のためと考えており、そのためのテストをすでに合衆国の数都市で開始している。この努力には、ほかの企業も参加協力してよいのではないか。Google自身に関しては、Webの高速化はGoogleのCEO CEO Larry Pageのトッププライオリティであり、それはもちろんGoogleの今と将来の全製品に好結果をもたらす。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon2013年Q1業績で予測を上回る。売上22%増の160億ドル、純利益は37%減の8200万ドル

昨期Amazonは、順調な業績を続けウォール街を喜ばせながら、予測を下回る収支でアナリストらを驚かせた。年末商戦を踏まえ予測は高かったにもかかわらず、2012年Q4、Amazonの純利益は45%減の9700万ドルだった。しかし総売上が伸びを続けて22%増の212億ドルだったのは明るいニュースだった。

今日(米国時間4/25)もAmazonはその傾向を維持し、Q4で予測を下回った後遺症がわずかにみられる。本日午後の株式市場閉鎖後、Eコマースの巨人は業績を発表した。キャッシュフローは39%増の42.5億ドル(前年同期は30億ドル)、総売上は22%増の160.7億ドル(同131.8億ドル)だった。

売上160億ドルに対し、1株当たり利益(EPS)0.18ドルと予測を上回った。今日の発表まで、ウォール街の予測はEPSに関してはずっと低く、0.08ドルだった。一方売上予測は162億ドルで、Amazonの売上は160.7億ドルとわずかに下回った。

昨年来変わらぬ市場変動による良否こもごもの結果にもかかわらず、Amazonの株価は上昇傾向にあり、274.70ドルで引けた。これは同社がこの秋に独自のセットトップボックスを販売し、リビングルームにもっとハードウェアを持ちこもうとしているという噂による。

今日の発表でAmazonのファウンダー・CEO、Jeff Bezosは、数字にも減益にも触れず、Netflixに戦いを挑むべく同社のInstant Videoユーザーにオリジナル番組を提供していることを強調した。先週同社はInstant Videoに新しく14本のコメディーおよび子供向け番組をパイロット提供し、たちまち「Instant Videoで最も見られたテレビ番組」になったと月曜日に発表した。

「Amazon Studioはテレビ番組の新しいやり方に取り組んでいる。このパイロットテストは誰でも意見を言えるよう一般公開されている。私にもAmazon Studioチームにもそれぞれ好みはあるが、このアプローチのすばらしいところは、われわれの意見は無関係だということだ。何がレギュラー番組になるかを決めるのは顧客だ。Amazon Originalsがわれわれのプライムメンバーのために価値を生みだすもう一つの方法になることを願っている。」とBezosは今日の収支会見で言った。

他の注目点。Amazonのフリーキャッシュフローは1.77億ドルとなり前年の11.5億ドルから85%減少したが、主な要因はシアトルに購入した事務所スペースに14億ドル支払ったことによる。Q1の経常利益は1.81億ドル、前年同期の1.92億ドルから6%減、純利益は8200万ドルで2012年Q1の1.32億ドルから37%減少した。

Amazonの明るい面は依然として増え続けている。オリジナル番組への移行と、A+E、CBS、FX、PBS、およびScrippsとのライセンス契約によるPrime Instant Videoのセレクションの拡大が奏功した。つまりこれは、Downton AbbeyやJustified、Under the Domeなどの番組や、Food Network、Cooking Channel、Travel Channedl、HGTVなどのコンテンツがみなAmazonにやってくることを意味している。Prime Instant Videoには現在映画とテレビ番組が3万8000本あると同社は言っている。

さらにAmazonは、Safari用の新しいMP3ストアの開店についても大きく宣伝した。これはiPhoneやiPod Touchユーザーが同社のカタログからデジタル音楽を見つけて購入できるものだ。この直前、Amazonのアプリストアの影響力が高まり高い収益の可能性があるいう報道があった。Amazonはこの四半期にiPad、iPad mini用のCloudプレーヤー、AutoRipのアナログレコードへの拡張、Kindle Fire HD 8.9インチモデルも発表した。

著作者や読者にとっても嬉しいニュースがある。Amazonは、業界標準の年2回を越え毎月の著作料支払いを開始すると発表したほか、人気の書籍お薦めサイトGoodreadsを買収した。

全体的に見てAmazonにとって多忙な四半期だったが、中でもAWSは過去数ヶ月間に多数の新サービスを立ち上げ、再度料金を値下げした。今日の発表で同社は、AWSは「2006年の開業以来31回値下げを行い、2013年に入ってからだけでも7回下げている」と言った。

しかし将来に関してAmazonは予測を下げており、次四半期の売上予測は145~162億ドルで、これは2012年Q2の13~26%増に相当する。同じく経常損益は、-3.4億ドル~+0.1億ドルと予測している。言い換えれば損失の可能性がある。

詳細はAmazonのQ1業績発表資料を参照されたい。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google Glass初のイースターエッグを発見―こう操作すると開発チームの360度パノラマ写真が表示される〔ビデオあり〕

Google Glassがより多くのデベロッパーの手に渡るにつれて話題も賑やかになってきた。あるデベロッパーはGlassの面白い隠れ機能を発見した。開発チーム全員の写真だ。

このイースターエッグを表示する手順は以下のとおり。わりあいシンプルだ。

Settings -> Device info -> licensesを表示 ->タッチパッドを9回タップ-> Meet Teamをタップ

下にビデオを掲載した。タップを繰り返すうちに効果音の音程が上がっていくのがなかなかたくみな仕掛けだ。



この写真が面白いのは実は完全な360度パノラマになっている点だ。頭を動かすと動かした方向を見ることができる。ただし頭の動きと表示にずれがあるのでMyGlassのスクリーンキャストで再現するのは少々難しかった。このイースターエッグを隠したのはGoogle Xのソフトウェア・エンジニア、Mike LeBeauだそうだ。 Mikeは以前TechCrunchが掲載したGoogleデモ・ビデオの爆笑NG集に登場している。

Glass開発チームの中央最前列にはGoogleの共同ファウンダー、サーゲイ・ブリンが写っている。

他にもイースターエッグが隠されているに違いないが、この360度パノラマ写真にはびっくりした。こんな機能があったとは初めて知った。現在、Mirror APIではこの機能はサポートされていない。将来サポートされることになったらいろいろ興味ある応用が考えられるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


GoogleドライブにGoogle+アバター、ワンクリック・チャット導入、匿名ユーザーは動物名で表示

GoogleはGoogle+を他のあらゆるサービスとますます密接に連携させる努力を続けている。今日(米国時間4/25)発表されたのは、Googleドライブとの連携だ。

ユーザーがドライブのファイルを開くと、他の閲覧者に対してGoogle+のプロフィール写真が画面トップ右側に表示される。マウスを乗せるとユーザーのプロフィール写真、カバー写真とどのサークルにそのユーザーが入っているかを示したGoogle+カードがポップアップする。〔現在は色分けされた四角形が表示され、マウスを乗せるとユーザー名がポップアップする〕。Googleは「Googleドキュメントを誰と共有しているのかがすばやく確認できるようになる」としている。

またドライブでグループチャットを始めるのが少し簡単になった。画面トップ右側に新設されたチャット・ボタンを押すだけでよい。従来は「他の閲覧者」をクリックするとドロップダウンメニューが開き、一番下にチャットウィンドウが表示される仕組みになっていた。

匿名閲覧者には動物名が付く

匿名のユーザーがドキュメントを閲覧している場合(これはGoogleアカウントを持たないか、Googleアカウントでログインしていないユーザーにリンクを通知して共有した場合に起こる)、 Googleはこうしたユーザーを 「匿名+動物名」で表示するようになった。.”

動物名のリストはきわめて豊富なようだ。Google Operating SystemのAlex Chituが先週試してみたところでは、オオアリクイ、ダイナソー、クラーケン〔海の怪物〕、チュパカブラ〔南米の怪物〕からウォンバットまで多種多様な動物名が表示されたそうだ。

Googleによれば、この新機能はここ数日のうちに全ユーザーに公開されるという。ただし、Chituによればこの機能が当面適用されるのはPDF、写真、ビデオなどGoogleドキュメントのアプリで編集できないファイルのみだという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


アメリカのモバイル・アプリの利用はデスクトップ、ノートパソコンからのネット利用にほぼ匹敵(Flurry調べ)

モバイル・アプリの使用時間がテレビの視聴時間に近づきつつある昨今だが、調査会社のFlurryが今日(米国時間4/25)、モバイル・アプリの利用状況をオンラインメディアや他の伝統的メディアと比較したレポートを発表した。

それによると、仕事を終えたいわゆるゴールデンアワー時間帯(午後7時から午後10時)のアプリの利用者数(iOSとAndroidのそれぞれトップ250アプリを集計)は5200万人になるという。

夜間にはアプリの利用は減少し、週末は日中(午前9時から午後5時)の利用が多くなる。ウィークデーの日中のアプリ利用は週末の75%のレベルだった。

Flurryの計算によると、アプリのユーザーを全体としてみた場合、ウィークデーのもっとも視聴率の高い番組を3つ合わせたくらいの人数になるという。新聞でいえば、週末紙の発行部数トップ200の合計に等しい。

Flurryの調査部門のトップMary Ellenは「こうした比較から、まず第一に、モバイル・アプリは伝統的メディアに比べてフラグメント化がいちじるしいとはいえ、利用者数はすでに臨界量に達していることが分かってきた」と公式ブログに書いている。

Flurryはまた伝統メディアがメインのターゲットとする18歳から49歳の層にリーチすることが、この層がデジタル・メディアに移行するにつれてますます難しくなっていることを指摘した。Flurryはテレビの視聴率が2002年に比べて50%ダウンしていることを示したMorgan Stanleyのレポートを引用してこの点を強調した。

NetflixのCEO、Reed Hastingsも昨日発表した「わが社の使命」でこうしたトレンドについて「アプリがチャンネルに取って代わりつつある」と述べている。Hastingsによれば「トップクラスのアプリを開発できなかった既存のテレビ局は視聴者と売上を失うことになる」という。

現在アプリの利用はデスクトップとノートパソコンからのインターネット利用とほぼ同サイズだ。Flurry調べによると、今年2月中のアメリカのモバイル・アプリの利用者は2億2400万人だった。この期間中のアメリカのデスクトップとノートパソコンからのインターネット利用者(トップ50のドメインを集計)はcomScore調べでは2億2100万人だった。

一言でいえば、アプリのプラットフォームはフラグメント化が進んでいるとはいえ、アメリカではアプリのユーザーが非モバイルのインターネット・ユーザーと同規模になったわけだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+