Facebookが反ワクチン・デマ対策強化、広告禁止、表示ランクを引き下げへ

2月にFacebookは、生死に関わる場合もある悪質な反ワクチン投稿にどう対処するか検討していることを明らかにした。同社は近くこうした危険な投稿の表示ランクを下げるなどの措置に踏み切る。

ワクチンに関する誤った情報の拡散を最小限に抑えること、反ワクチンのプロパガンダからユーザーを遠ざけ、現代の医療と科学による裏づけのある「信頼できる情報」に向かわせるのがFacebookの戦略だという。

今後Facebookは反ワクチンを主張する広告を拒否することで誤情報の拡散を抑制する。これに違反する投稿、宣伝を繰り返した場合アカウントの凍結もあり得る。ニュースフィード表示、ニュースフィード検索の双方で反ワクチン投稿のランキングを下げる。。Instagramでは「発見」タグやハッシュタグを利用した誤った反ワクチン情報が含まれるコンテンツが公衆の目に触れないようにする。Facebookは「『ワクチン論争』というターゲティング記述子を含む広告も削除される」と注意を促している。

反ワクチンのデマや陰謀論が拡大した過程でFacebookが果たした役割に2月にスポットライトが浴びせられた。Guardianの記事はFacebookYoutubeが危険なデマの拡散を助けていると指摘した。 カリフォルニア州選出のアダム・シフ下院議員(民主党)はFacebookGoogleに書簡を送り、「医学的に根拠のある情報をユーザーに提供するためにどんな方法を取るつもりなのか、さらに情報を提供する」よう求めた。

先月のBloombergの記事は「Facebookはこの問題に対処するためにさらなる手段を追加することを検討している」と述べた。この手段というのは反ワクチン宣伝が「おすすめのグループ」を始めとするFacebook側の推薦として表示されないようにすること、こうした誤情報の検索結果の表示順位を引き下げること、逆に医学的に根拠がある情報をユーザーの目に触れやすくすすること」などが含まれる。

オンラインのニセ情報拡散の中でも反ワクチン・プロパガンダは現実に対して非常に危険な結果をもたらす。アメリカは現在はしかのアウトブレイクに直面している。はしかは幼児や高齢者には致死的になることがある感染症だが、ワクチンで完全に予防できる。にもかかわらず、ワシントン州クラーク郡の例のように大規模な学校閉鎖が生じている。

Facebookがこうした危険な誤情報の拡散を防止することに注意を向けたのは評価できる。こうしたデマや陰謀論には徹底した措置を取ってもらいたい。しかし問題はFacebookにせよ他のソーシャル・プラットフォームにせよ、問題が深刻化してから後追いで対策を始めるという点だ。ソーシャルメディア上でアルゴリズムを悪用したデマの拡散が今後も起きることは間違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleがAndroidデベロッパーにサブスクリプションに代わる新しい収益化方法を提供

Googleは米国時間3月6日、Android上のデベロッパーが自作のアプリから収益を得るための新たな方法を導入した。それはサブスクリプション(会員制、会費制)とは無関係な一種の報酬システムで、Googleはそれを「Rewarded Products」(報酬つきプロダクト)と呼んでいる。その最初のプロダクトは報酬つきビデオだが、ユーザーはアプリ内購入などのための代価として自分のお金を払うのではなく、自分の時間を犠牲にして広告を見る。するとそのビデオ入りゲーム等の作者には当然、広告収入が発生する。

この機能はデベロッパーにとって嬉しいかもしれないが、ユーザーはどう思うだろうか。それは、アプリの中でのビデオの使われ方次第だろう。

Googleが示している報酬つきプロダクトの例では(Googleとしてはベストプラクティスのつもりだろう)、ゲームのプレーヤーのレベルが上がるたびにビデオが割り込み、全画面を占領する。これは、それまで有料だったゲームを無料で遊べる方法なら歓迎されるかもしれないが、一般的にはどうだろうか。

これまでも報酬つきビデオは、ユーザーが無料のつもりで使い始めたアプリでは有効だった。たとえば無料でプレイできるゲームや、サブスクリプションが必須ではなくオプションであるサービスなどだ。

たとえば、Pandoraの音声のみの音楽ストリーミングサービスは長年、無料で広告入りだった。そして、Spotifyと競合するためにオンデマンドのストリーミングを導入したとき、独自の報酬つきビデオ(のようなもの)を始めた。今ではPandoraのリスナーは、月額のサブスクリプションを払うか、または広告入りのビデオを見ることによって、ワンセッションのオンデマンドミュージックにアクセスできる。

Androidのデベロッパーはこれまでも広告を収益源のひとつとして利用してきたが、今度の「広告を見たらごほうびがもらえる」(ゲームのレベルアップなど)ビデオなどはGoogle Playの正規のプロダクトだ。デベロッパーにとって実装が容易だし、Googleは、前からこんなビデオを提供していたサードパーティ製品と競合できる。

Googleによると、アプリに報酬つきプロダクトを加えるには、Google Play Billing Library(AIDL)のインタフェイスを使って少量のAPIを呼び出すだけだ。SDKは要らない。

一方この同じ時期にAppleは、サブスクリプションで成功を収めつつある。同社はサブスクリプションを前面に打ち出しているから、ときには消費者を惑わすようなアプリすらある。それでも今やサブスクリプションは、ゲームと並んで、アプリストアの売上の成長を支える重要な要素のひとつだ。

それでもAndroidのユーザーは、これまでずっと、iOSのユーザーと違い、アプリにお金を払うことを嫌ってきた。Appleのアプリストアの売上は、Google Playの倍近い。ダウンロードの回数はGoogle Playの方がずっと多いのに。

このように、AndroidのデベロッパーはiOSのようにサブスクリプションで大儲けできないから、アプリの開発はどうしても、iOSが優先されてしまうのだ。

そこで、報酬つきプロダクトは、広告以外の収益源が難しいプラットホームにおける新しい売上確保方法を、デベロッパーに提供しようとする。

最初にローンチした報酬つきビデオプロダクトは目下公開ベータで、デベロッパーはPlay Consoleの中で利用できる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

目の当たりにした法務格差、GVA TECH山本氏がリーガルテックで目指す「法律業務の民主化」

Founder Story #1
GVA TECH
代表取締役
山本 俊
Shun Yamamoto

TechCrunch Japanでは起業家の「原体験」に焦点を当てた、記事と動画のコンテンツからなる「Founder Story」シリーズを展開している。スタートアップ起業家はどのような社会課題を解決していくため、または世の中をどのように変えていくため、「起業」という選択肢を選んだのだろうか。普段のニュース記事とは異なるカタチで、起業家たちの物語を「図鑑」のように記録として残していきたいと思っている。今回の主人公はリーガルテック・スタートアップGVA TECHで代表取締役を務める山本俊氏だ。

山本俊氏
GVA TECH代表取締役・GVA法律事務所 代表弁護士)
  • 1983年 三重県生まれ
  • 2005年 岡山大学法学部卒業
  • 2008年 山梨学院大学法科大学院卒業。同年、司法試験に合格
  • 弁護士登録後、鳥飼総合法律事務所を経て、2012年にGVA法律事務所を設立(現在グループで日本法弁護士24名、顧問先250社以上)。
  • 創業時のマネーフォワードやアカツキ等の上場も含め顧問弁護士としてサポートしている。
  • 2017年1月GVA TECH株式会社を創業。AI契約サービス「AI-CON」、契約書自動作成支援「AI-CONドラフト」をはじめとしたリーガルテックを用いたプロダクト開発の指揮を執る。
  • 最近自宅に酸素カプセルを購入。良質な意思決定を効率的に行うためのコンディション作りに励む。
  • 趣味は中学生より続けている麻雀、競馬。
Interviewer:Daisuke Kikuchi
TechCrunch Japan 編集記者
東京生まれで米国カリフォルニア州サンディエゴ育ち。英字新聞を発行する新聞社で政治・社会を担当の記者として活動後、2018年よりTechCrunch Japanに加入。

法務面における「格差の解消」、GVA TECH誕生の秘話

『この契約条件では、明らかにこちらが不利じゃないか』

2011年頃、山本俊氏は企業法務を手がける弁護士として、主にスタートアップ企業の支援を行っていた。大企業との取引が始まり、契約書を取り交わす段階で、山本氏は数多くの「理不尽」を目の当たりにする。大企業側は「これが当たり前ですよ」という顔を見せながら、自社が技術や知的財産を吸い上げる方向へ運ぼうとすることもあった。


山本氏自分が弁護士として付いたことで、契約条件の交渉・修正ができたケースがたくさんあった。そのまま進んだら、スタートアップ企業がやがて行き詰まってしまうような事態を防ぐことができた。そんな役割を担うことで、企業の成長、起業家たちの夢の実現を支援できることに喜びを感じたんです。以来、法務面における『格差の解消』が私のテーマとなりました


山本氏が代表を務めるGVA TECHは、2017年に創業したリーガルテック企業だ。

リーガルテックとは法務面の課題を技術で解決する新分野。AI(人工知能)の進化に伴い、多様なサービスが登場している。

GVA TECHのサービスは主にベンチャー・中小企業が対象。企業同士の契約においては法務知識が必要となるが、ベンチャーでは自社内に専門人材を抱えることができず、専門家に依頼するコストもかけられない。そんなベンチャー・中小企業でも契約業務が円滑に行えるように、AI契約サービス「AI-CON」、契約書自動作成支援「AI-CONドラフト」などを開発・提供している。


山本氏『リーガルテック』というと、大手企業の法務部の業務フローを効率化したり、判例検索をスピードアップしたりと、範囲が広い。その中で私が目指すのは、法律業務をテクノロジーによって『民主化』することです。法務はこれまで、専門知識を持つ一部の人だけが扱えるものでした。けれど法務知識がない人が当たり前に活用できるようになってこそ、リーガルテックが生まれた意味があると思っています

弁護士から起業家へ、AI技術の進展に感じた「可能性」

山本氏が法律分野に目を向けたのは高校3年生の頃。当時は麻雀と競馬に夢中で、将来は「プロ雀士になるかJRA職員になるか」と想像しつつも、大学受験という現実に向き合い、「潰しが利きそう」という理由で法学部に進んだ。


山本氏勉強してみると、面白くて、興味が深まった。高校時代は数学の証明問題などが得意でしたが、それに通じるものがあって。ロジカルに物事を考える部分が性に合っていたんです


学びを深めるため、大学と併行して司法試験予備校に通おうと考えた。ラーメン屋での時給700円のアルバイトで100万円の学費を貯め、予備校入学後はひたすら勉強に打ち込んだ。

大学卒業後は法科大学院に進み、2008年、卒業と同時に司法試験に合格。弁護士として法律事務所に所属し、大手企業の法務を手がけるようになる。

そのかたわら、個人でスタートアップ企業からの依頼も請け負っていた。その案件が増えたことから、2012年に独立し、GVA法律事務所を設立。ベンチャー・スタートアップ企業のクライアントに特化し、1000社以上を支援してきた。


山本氏ビジネスを生み出すことにも興味があったんですよね。弁護士になって上京した頃から、いろいろなビジネスセミナーや交流会に通ううちに、ビジネスの世界に惹かれるようになって。その世界で勝負する人たちを手助けしたいと思ったんです」


とはいえ、自分はあくまでも法律家。ビジネス分野での起業の道は考えていなかった。

しかし2016年、社会に変化の波が訪れる。AIの進展に伴って、金融業界ではフィンテック、農業分野ではアグリテック、教育分野ではエドテックなど、さまざまな分野で「xxTech」が注目を集めるようになった。法律分野も例外ではない。これまでは課題を抱えながらも限界を感じていた法務業務の効率化を、一気に進められると考えた。


山本氏法務業務を効率化できれば、コストも下げられる。つまり、顧問弁護士を雇う余裕がないスタートアップ企業、ひいてはフリーランスや個人事業主まで、幅広い人が法務サービスを活用できるようになる。これは、5年前から課題として意識していた『法務格差』を解消するチャンスだ、と思いました


もともとITを活用したビジネスモデルに興味があり、トレンド情報の収集を続けていたという山本氏。2016年よりプログラミングやAIについて本格的に勉強を開始し、2017年1月、GVA TECHを創業した。

苦労したのは人材採用。何人かと面接したが、「この人なら」という確信が持てず、採用を見送ってきた。サービスの設計ができても実行するエンジニアを獲得できず、外注せざるを得ない状況が約半年続いた。

CTO本田勝寛氏との出会い、GVA TECHの「これから」

しかし創業から8ヵ月後、信頼できる知人からの紹介により、CTOを獲得する。ソーシャルゲーム・アドテク・シェアリングエコノミー領域で実績を持つ本田勝寛氏だ。GVA TECHのプロダクト開発の内製化を実現させた本田氏は、入社翌年、最も輝くCTOを選出する「CTO of the year 2018」のファイナリストとなった。


山本氏私とは逆のタイプです。私はプロダクトを増やそうと、つい突っ走ってしまいそうになるのですが、ほどよくブレーキをかけてくれる。エンジニアの立場から適切な判断をしてくれるんです。トップ2人がブレーキを外した状態で暴走したら、マズイですからね(笑)。冷静さを持ったパートナーを得られてよかったです


創業から2年。現在はエンジニア10名強、リーガルスタッフ10名ほか、デザイナーや管理部門スタッフなど、約30名体制となっている。

2018年には多くのピッチイベントに参加し、手応えを得た。2019年はこれまで開発したプロダクトをブラッシュアップすると同時に、セールス部隊も強化し、ユーザーへ届ける。そしてユーザーからのフィードバックを受け、さらに使いやすく改善していく。


山本氏まずは、法務面においての大企業・中小企業・スタートアップ企業の格差をなくし、どんな企業も手軽に法務サービスを活用できるようにします。そしていずれは、専門知識を持たない個人も、法律をうまく使いこなせる社会になればいい。それを実現できるよう、プロダクトを進化させていきたいと思います」

<取材を終えて>

山本氏の話すとおり、これまで法務は専門知識を持つ一部の人だけが扱えるものだった。AI-CONシリーズは法務格差を解消し、起業家がよりサービス開発に集中できるようにするため、開発された。GVA TECHは1月、法人登記に必要な書類を自動作成する「AI-CON 登記」を新たにリリースしたが、今後は各プロダクトのブラッシュアップに注力するそうだ。その後のAI-CONシリーズの更なる広がりに関しても期待したい。(Daisuke Kikuchi)

【動画】GVA TECH 代表取締役 山本俊氏に聞く20の質問

( 取材・構成:Daisuke Kikuchi / 執筆:青木典子 / 撮影:田中振一 / ディレクション・動画:平泉佑真 )

Flickrへのログインが10年ぶりにYahooから解放された

嬉しい!感動!やっと自由になれるわ!Flickrのログインシステムが、ついにYahooと縁を切った。この写真共有プラットホームは米国時間3月4日、今後数週間かけて全会員に、YahooのIDが要らない新しい認証システムを提供する、と発表した。この‘制度’はYahooがFlickrを買収した2年後の2007年に導入され、ログインに際して誰もがYahooの認証情報の入力を要求されるので、長年のFlickrユーザーに今でも嫌われている。その後Flickrは2018年4月にSmugMugに買収され、同社のブログに載った記事によると「コミュニティの最大の要望がやっと実現した」。

今のFlickrには、Instagramがまだなかったころのような輝きはないかもしれないが、私も含めまだ多くのユーザーが長年写真をアップロードしているし、スマートフォン全盛期以前に撮った写真のアーカイブとして利用している。でも、Yahooのログインシステムは必要以上に面倒で、とくにYahoo Mailなど、Yahooのほかのサービスのユーザーでなくて、パスワードをしょっちゅう忘れるユーザーには苦痛だった。Yahooはその後2回も、膨大な量のデータ侵害にやられたため、Flickrは使うがYahoo本体はまったく使わないユーザーは、さらに憤慨した。

でも、新しいログインシステムが行き渡るまではまだ、Yahooの認証情報を使わなけれがならない。そんなときは、ログイン用の新しいメールアドレスと新しいパスワードをFlickrに送るとよい。するとFlickrはそれ以降、認証やメール送付用にその新しいアドレスを使うようになる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

金の蔵アプリに「お得定期券」機能が実装、月額4000円の飲み放題プランにスマホから登録可能に

昨年は月額定額制飲み放題を可能とするカードの店舗販売を開始したアンドモワが話題となったが、同様の取り組みを行なっていた居酒屋チェーンの金の蔵はその要素を自社アプリに実装した。

店舗集客に特化したアプリCRMプラットフォームサービス「Insight Core(インサイトコア)」の開発および運営を行うエンターモーションは3月6日、居酒屋ブランド金の蔵のモバイルアプリ「金の蔵公式アプリ」に、新機能としてサブスク型の「お得定期券」機能を追加実装し、リリースしたと発表。

エンターモーションいわく、「居酒屋業態で自社アプリを活用したサブスクリプションサービスを提供するのは、日本初の試みとなる」のだという。

金の蔵のサブスクでは通常1800円の「プレミアム飲み放題120分」が月額4000円で利用できる。生ビール、ハイボール、サワー、カクテルを含む60種類以上のメニューの飲み放題が定額で毎日楽しめる。だが料理は含まれず、対象店舗限定だということは付け加えておこう。

利用するには、アプリをダウンロードし、プランを登録。そして店舗では店員にチケットを提示する。

このサブスクの仕組みの裏にあるのがエンターモーションのInsight Core。Insight Coreはスマホアプリのプランニングから開発、運営までを統合的にサポートする、店舗集客に特化したアプリCRMプラットフォームサービスだ。

2003年に創立したエンターモーションは、もともと企業のO2O(オンラインからオフラインの購買行動を促進する施策)を推進するオウンドメディアの受託開発事業を10年以上に渡り展開していたが、2017年11月頃に現在の事業モデルへとピボットした。

そんな同社は3月1日、Insight Coreの新たなCRM機能となるサブスク型の「お得定期券」と呼ばれる機能をリリースし、金の蔵が同機能導入の第一号となった。

エンターモーションいわく、金の蔵のような飲食店はサブスクを導入することで、リピーターの増加、毎月の固定売上、ロイヤルユーザーの満足度向上による関係強化などが期待できるのだという。

「ゲーム・オブ・スローンズ」ファイナルシーズンの予告編公開

ゲーム・オブ・スローンズ』のファイナルシーズンの公式予告編が公開された。

見よ!

今やわれわれは物語が迎えるクライマックスをちら見することができる。この予告編ではドラゴンがウィンターフェルの空を飛ぶ。謎の鍛冶屋、ジェンドリー、邪悪なサーセイも映っている。ファンタジー・ファン待望の死者と生者の決戦が起きるようだ。

最終章であるシーズン8は4月14日(日本時間4月15日)に世界同時公開される。2011年以来、HBOの大ヒットシリーズに不案内で過ごしてきた人々も話題に追いつくのに6週間ある。7シーズンを一気見するのにまだ遅くはない。

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(日本版)日本語字幕の予告編はこちら

滑川海彦@Facebook Google+

「Qiita」がエンジニアの転職支援サービスを今春開始へ

この業界にいると、エンジニアの採用に苦戦しているという声をよく耳にする。

アプリやWebサービスを開発しているスタートアップにとって、技術力が競争優位性や会社の成長速度を高める要因ともなり得るから、どこもエンジニア採用には必死だ。TechCrunchの資金調達ニュースを見てもらってもそれは明白で、多くの起業家が調達資金の使徒に「開発体制の強化」をあげている。

そんなニーズに応えるべくエンジニア採用にフォーカスした採用サービスやエージェントも複数存在するけれど、この春また新たにエンジニアを対象とした転職支援サービスがローンチされるようだ。

開発元はエンジニアの技術情報共有サイト「Qiita」で知られるIncrements(インクリメンツ)。同社は3月5日、エンジニアによるエンジニアのための採用サービス「Qiita Jobs」のβ版を今春リリースすることを明らかにした。

QiitaについてはTechCrunch読者の方にはお馴染みのサービスだろう。2019年1月時点で同サービスの月間アクセス数は560万UUを突破。チーム内情報共有ツールの「Qiita:Team」も500以上のチームが導入する。これらのサービスを手がけるIncrementsが2017年にエイチームのグループ会社となったことは以前紹介した通りだ。

さて、そんなIncrementsが新たに始めるQiita Jobsはどんなサービスなのか。同社ではその特徴として「Qiitaアカウントを用いること」「企業ではなく、チーム単位であること」「現場のエンジニア主導であること」の3点をあげている。

特にユニークなのは企業ではなく、実際に一緒に働くことになる開発チームに焦点を当てていること。同サービスでは開発チームが主体となって所属メンバー、開発中のプロダクトなどの情報をサイト上に掲載。採用活動中もチームメンバーと就職活動中のエンジニアが直接コミュニケーションをとる。

双方がQiitaアカウントを利用することが前提になるので、Qiita上で発信している情報を元にお互いの思考や興味分野、技術特性を把握しやすいのもポイントだ。Incrementsではプレスリリース内でQiita Jobsの概要について以下のように言及している。

「エンジニアの就職に関し、希望する会社へ入社しても、チームが合わず辞めてしまう現状や、採用側の企業も時間をかけて雇用した人材が長続きしないという問題がありました。エンジニア個人と開発チームが自己開示を対等に行うことで、お互いの興味や技術特性を把握し、求職者と採用企業の両者が、最適な職場環境をマッチングすることを可能にしました」

上述したようにQiita Jobsは今春にβ版をリリースする計画。同社のサイトより事前登録が可能だ。

GoogleのChromebook App Hubは教育者のための実用性重視のリソースセンター

Googleは米国時間3月4日、教育事業であるGoogle for Educationの拡張として、Chromebook App Hubを発表した。今年後半に立ち上がるこのリソースは、教師などのカリキュラム管理者に、教室で使用するツールやアプリを見つけたり選別するためのセンターのような機能を提供する。

これまで教師たちは、Webをあちこちサーフィンして授業に使えそうなアイデアやアクティビティを見つけていた。また学校のITやカリキュラム担当者は、教師からのアプリのリクエストに頻繁に応えていたが、教師が使いたいと思うプログラムが校区のポリシーに合っているなど、いくつかの要件を満たす必要があった。Chromebook App Hubの存在意義を、Googleはこのように説明している。

一方、エドテックのアプリケーションを作る側も、そのソフトウェアが提供するソリューションに関する情報が、教師や教育者に確実に届く必要がある。

Chromebook App Hubは、そのための場所でもある。それは、アプリのリストと検索機能を提供するだけの従来のマーケットプレースと違って、アプリの具体的な使い方を見せたり教えたりする。

Googleは、教師のためのツールを開発しているEdTechTeamや、そのほかの教育者たちと協力して、「Idea Sparks」(アイデアの火花)というものを作ろうとしている。それは、アプリの使い方の例やコツ、さまざまな状況に応じた多様な教え方、そしてビデオやアクティビティ、役に立つWebサイトなどのリソースへのリンクなどの集まりだ。つまり、単にアプリ/アプリケーションの集合を与えて、さあ選べ、と言うのではなく、それらのアプリケーションを教室で活用するためのさまざまなツールや情報を提供して、教育者たちが(孤立せず)互いに学び合えるようにする。

EdTechTeamの教育者の学習部門のディレクターKate Pettyは、こう説明する。「私の経験では、先生たちはアプリケーションについて、2つの方法で学んでいる。ひとつは、新しい授業のやり方を勉強したとき、そこにアプリも付随している場合。もうひとつは、すばらしいアプリの話を口コミで聞いたとき、それの使い方を知りたくなる場合。Idea Sparksで先生たちは新しいアイデアの火花を見たり触れたりするだけでなく、そこで先生たちが作ったもの…授業アイデアなどを共有する機会と場が提供される」。

Googleはまた、非営利団体Student Data Privacy Consortium(SDPC、児童生徒学生のデータプライバシー協会)と協力して、デベロッパーたちに、アプリケーションが持つべきプライバシー保護機能について啓蒙している。以上のような仕組みで、各校区はApp Hubを検索して自分たちのプライバシーポリシーに合ったソリューションを見つけられるようになる。

App Hubは、アイデアのカテゴリーや、主題、年齢層、学習目標などでも検索できる。

今年後半に立ち上げられるApp Hubの前にも、GoogleはChromebookを教室に持ち込むためのさまざまな事業を展開する。それは、教室で使うために設計された新しいデバイスであったり、ClassroomFormsQuizzesのような、教師のためのブラウザー上のソフトウェア、そしてG Suite for Educationだ。

Googleは今年の年頭に、G Suite for Educationを使っている教育者と児童生徒学生は8000万人、Google Classroomは4000万人、教室の内外でChromebookを使っている者は3000万人、と発表した。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

お手軽なTwitter用ビデオダウンローダーボット

Twitter上のすべてのボットがスパマー民主主義ハッカーというわけではない。例えば長いスレッドを読みやすい形に「まとめて」くれるThread Readerアプリボットへのリクエストを見たことを思い出す人もいるだろう。

そして最近ではたくさんのTwitterユーザーたちが、ビデオの添付されたツイートに、新しいボット(@this_vid)をタグ付けしていることを気が付いているかも知れない。この便利なボット(別名DownloadThisVideo)は、ビデオとGIFの両方をより簡単にオフラインで視聴できるように、Twitterのサイトからダウンロードする方法を提供する。

@this_vidのアイデアは、ナイジェリアで生まれ育ち、現在はラゴスに住んでいる、バックエンド開発者のShalvah Adebayo氏によるものだ。Shalvah氏は、高校の最終年だった2013年に開発の道に入ったのだと言う。

「周りの人たちが畏敬の念をもって話している下級生がいたんです。『あの子はプログラミングを知っている!』ってね」とShalvah氏は説明した。「その時は、それがどういう意味なのかはわかりませんでした」と彼は続けた。「彼が作成したコマンドラインクイズアプリケーションを見て、感動しました。数ヶ月前にあるコンペでラップトップは手に入れていたので、翌日唯一知っていたコンピューターショップに行って、『プログラミングビデオ』が欲しいと言ったのです。店員はC++関連のビデオを渡してくれました。その日はそれを家で見て、翌日には本当のソフトウェア(IDE、統合開発環境)を買いに行きました。そうやってC++を書くことを始めたのです」と彼は語った。

それ以降、Shalvah氏はC++からAndroid開発に進み、そしてウェブ開発へと移った。彼は大学に行き、そして中退し、ハイテク産業で働き始めた。現在Shalvah氏は、南アフリカのエンジニアリングコンサルタントおよび製品設計会社であるDeimos Cloudの、リモートソフトウェアエンジニアとしてフルタイムで働いている。

彼はサイドプロジェクトとして空き時間にアプリケーションを開発している。これまでもリマインダーをツイートで設定できる@RemindMe_OfThisや、Facebookの「過去のこの日」のTwitter版であるTwitterThrowbackなどをオープンソースとして公開してきた。

しかし、Twitterのビデオダウンローダーボットは、彼の最も人気のある作品の1つとなって、現在1日あたり約7500(ピーク時には9500)のユーザー要求を受け取っている。

Shalvah氏は、このアプリのアイデアは、個人的な不満から思いついたものだと言う。彼が住んでいる場所でのインターネットアクセスは不安定で、Twitterアプリが提供するビデオ体験は理想的なものではなかった。彼はビデオをダウンロードしてオフラインで視聴したいと思ったが、そうするための簡単な方法を見つけることができなかった。

「それを実現するためのサイトとアプリがいくつかあることは知っていましたが、アプリをインストールするのは好きではありませんでした。またサイトを使う際の煩わしさも嫌いでした」と彼は言う。「それに、私は非同期処理を望んでいました。『ちょっと、こいつをダウンロードしたいな』と言っておいて、そのままTwitterをブラウズし続け、後でダウンロードするために戻って来られるようにしたかったのです」。

さらにShalvah氏は、誰かがビデオをツイートした人気スレッドのほぼ全てで、Twitterユーザーたちが、どうすればビデオをダウンロードできるかを尋ねている様子をたくさん見たのだという。

このボット(@this_vid)は、2018年5月から稼働している。まず最初に自分のフォロワーたちにそれを伝えた後、Shalvah氏はスレッド上でビデオを入手する方法を尋ねるひとをみかけるたびに、ボットについて知らせ始めた。このことによって、Twitter界隈でその人気が高まることになった。

「私はこれで本当にたくさんの人たちの問題を解決したと思います。だからこれほど人気が出たのでしょう。そして友人か見知らぬ人かを問わず、本当に多くの人たちが、このボットについてフォロワーたちに対してツイートしてくれました。それは一種有機的な成長でしたね」と彼は言った。

@this_vidがダウンロードできないビデオもいくつか存在している。これは投稿者、しばしばスポーツ団体(例えばThe NFLなど)だが ―― がダウンロードを制限しているからだ。しかしほとんどの場合には、元のツイートへの返信で@this_vidをメンションするだけでよい。そうすれば数分以内にビデオのダウンロードリンクを受け取ることになる。

このボットは、ツイートデータの問い合わせにTwitter APIを利用して、メディアのURLを取り出すことによって機能する。

Twitterは頻度制限がかかっているため、3時間あたり300回のツイートしか行うことができない。このためShalvahは、それぞれのユーザーが覚えやすいダウンロードリンクを用意した。アドレスはdownload-this.video/Twitterアカウント名だ。これを使えば、ボットが返信できない場合にもダウンロードにたどり着くことができる。

ボット自体は無料で使用できる。これはオープンソースで、Patreonからの寄付を通じてサポートされている。

このようなボットを使うことによって、第三者が勝手に権利を持たないビデオをダウンロードしたり、他の場所に自分の名前で公開してしまうのではという懸念がある。Shalvahは、このボットがTwitterの著作権ポリシー、開発者規約、またはルールに違反しているとは考えていないと語る。

これまでのところ、ほとんどの人はボットを個人的な用途で使用しているようだ。しかし、Twitterはサードパーティの開発者に対して、常に親切な態度をとってきたわけではないので、この先@this_vidがどのくらい続くのかは不明だ。

Shalvah氏は、@this_vidを無料のままにしておき、今後も開発を続けたいと語っている。

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(翻訳:sako)

Facebookの追悼アカウントに感謝の言葉を残せる機能が加わる

Facebookは、追悼アカウントに人々がメッセージを残すことを可能にする、新しい「トリビュート」(感謝の言葉)セクション機能を公開した。

トリビュートセクションはアカウントの通常のタイムラインとは分離されている。追悼アカウントのプライバシー設定にもよるが、故人の友人たちは、いまでもタイムラインに投稿することができている。しかし、もし追悼アカウントがトリビュートセクションを持つ場合には、アカウントが追悼アカウントになった(それ以降誰もアカウントにログインすることはできなくなる)後に行われた投稿は、すべてそこに置かれることになる。

自分の死後にアカウントを管理して貰えるように、「追悼アカウント管理人」をすでに指定していた人の中には、本日新しい機能の通知を受け取った者がいる。その通知には「もしあなたのアカウントが追悼アカウントになったら」という婉曲的な表現が書かれていた。

Facebookのヘルプセンターのページには、新しいトリビュートセクションに関して以下のように説明されている:「友人たちや家族がストーリーを投稿したり、誕生日を偲んだり、思い出を共有したりすることができる、追悼プロフィール上のスペースです」。

「追悼アカウント管理人」は、トリビュート投稿に対しては、追悼アカウントの他の部分よりも大きな権限を有している。例えば、管理人は誰がトリビュートを見たり投稿したりすることを決めることが可能であり、また投稿を削除することもできる。また、死亡した人がタグ付けされている投稿を閲覧できる人を変更したり、タグを削除したりすることもできる。

アカウントがタイムラインレビューを有効にしていた場合、追悼アカウント管理人は、それをトリビュート投稿に対しては無効にすることができる。アカウントが追悼アカウントになった後に、そのタイムラインに対して行われた投稿はすべてトリビュートセクションに分離される。

この機能のヘルプページには、「私たちは、与えられた情報に基づいて、タイムラインへの投稿からトリビュートへの投稿を分離するために最善を尽くしています」と書かれている。

なお追悼アカウント管理人は、相変わらず、追悼対象のアカウントにログインしたり、プライベートメッセージを読んだり、友人を削除することなどはできない。

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(翻訳:sako)

複雑な行政手続きの方法が簡単にわかる「Graffer手続きガイド」、埼玉県横瀬町で試験運用開始

行政手続きを効率化するサービスを手がけるグラファーは3月5日、「Graffer手続きガイド」を埼玉県横瀬町に導入し「横瀬町 手続きガイド 試験運用版」として公開した。

Graffer手続きガイドは、スマホやウェブから質問に答えていくだけで必要な手続きがわかる住民向けの案内サービス。たとえば転入・転出手続きや、結婚・出生などライフイベント関連の手続きで悩んだ際に、スマホから選択式の質問にポチポチ答えていけば「何をすればいいか」「その手続きはどこにいけばできるか」がわかる仕組みだ。

特に初めての手続きであれば、具体的な方法はもちろん「そもそもどこに行けばいいんだっけ」と悩む人もいるはず。自治体によって該当する課の名前が違ったりもするので、僕も転入手続きをする際に迷った覚えがある。

手続きごとに、質問数と回答時間の目安が予めわかる(画像はウェブ版のもの)

質問は複数のチェックボックスにチェックを入れるタイプと、2択タイプがあり、該当するボタンをポチポチ押して行けばOK。画面の上部で進捗度も把握できる

最終的なアウトプット。各手続きはどの窓口に行けばできるのか、何を持っていく必要があるのかなどが記載

もちろんいくら住民側にとって簡単でも、ガイドを作成する側の担当者が使いこなせなければ意味がない。その点、Graffer手続きガイドの場合は複雑な手続きフローでも1枚のエクセルシートのみで管理できるのが特徴だ。考えうる手続きとその条件をシートに並べておくだけでよく、ITに詳しい担当者だけでも使いやすいという。

2018年11月より鎌倉市で試験運用版がスタートしていて、ライフイベント関連の手続きを行う市民の過半数が利用するなど反応は良いそう。横瀬町はそれに続く2つ目の事例となる。今回対象となるのは「転入」と「子育て支援」に関する手続きだが、今後も手続き書類の作成支援機能など機能追加や使い勝手の改善に取り組んでいく予定だ。

グラファーでは住民向けのサービスとして行政手続きの情報をまとめたウェブメディア「くらしのてつづき」や、住民票など各種証明書の請求をスムーズにする「Grafferフォーム」も運営。法人向けにはオンライン上で印鑑証明書や登記簿謄本を取り寄せられる「Graffer法人証明書請求」を展開している。

ASMRを企業のブランディングに活用するレーベル「SOUNDS GOOD」がローンチ、JR東などが参加

本を音声で楽しむオーディオブックを中心に展開するオトバンクは3月5日、QUANTUMと共同でブランデッドオーディオレーベルの「SOUNDS GOOD」を設立し、本日より運営を開始したと発表した。

SOUNDS GOODの特徴は企業の“特有の音”をASMR化し、音声コンテンツにすることでブランディングに活用し、企業とリスナー、若手アーティストの間に新たな関係性を構築する。

ASMRはAutonomous Sensory Meridian Responseの略で、よく“音フェチ”などとも言われる、脳や感情に働きかける“気持ちいい音”のこと。

第一弾参加企業は東京ガス、東日本旅客鉄道、ユカイ工学の3社。「工業用バーナーの燃焼音」「山手線大塚駅周辺のまちの個性を表す音」「製品プロトタイピングの過程で発生する独特な音」などを収録したASMR音声コンテンツを「SOUNDS GOOD」上で4週にわたり順次公開する。

  1. TOKYOGAS_01

  2. s_YUKAI_01

  3. JREAST_01 (1)

加えて、小林うてなTOSHIKI HAYASHI(%C)KSK(MGF)の3組の気鋭のアーティストが「SOUNDS GOOD」上のASMR音源に関して、心地よさや面白さなど“音楽的視点”から語る。

さらに、上記3組に加え、藤牧宗太郎(citrusplus)tajima halを加えた合計5組のアーティストがSOUNDS GOODのコンテンツをサンプリング・アレンジした楽曲を制作し、各自でSoundCloudなどの音楽配信プラットフォームで順次公開する。

  1. 小林うてな

    小林うてな
  2. TOSHIKI HAYASHI (%C)

    TOSHIKI HAYASHI (%C)
  3. KSK (MGF)

    KSK (MGF)
  4. 藤牧宗太郎 (citrusplus)

    藤牧宗太郎 (citrusplus)
  5. tajima hal

    tajima hal

たとえば工場の製造ラインで発生する特徴的な音や、製品使用時の音といった、企業の“特有の音”はこれまであまりブランディングに活用されてこなかった。ブランドを象徴する音や声をブランディングのアセットとして捉えASMR音源化し、企業と消費者との新たな接点を作り出すのがSOUNDS GOODの狙いだ。

オトバンクいわく、今回を第一弾とし、今後も第二弾、第三弾といった形で、定期的に様々な企業固有の音を扱った音声コンテンツを配信していく予定だという。

SoundCloudで聞ける第一弾のコンテンツは以下の通りだ。

副業で就活生を推薦、学生・メンター・企業をつなぐ「就活メンターズ」

学生向け履修管理アプリ「Orario」を開発・運営するOrarioは3月5日、就活生と社会人、そして新卒採用をしたい企業とをつなぐ就活支援サービス「就活メンターズ」をリリースした。

就活メンターズでは、メンターとして学生の就活支援を行いたい社会人と就活生とをマッチング。メンター登録している社会人は、企業のリファラル依頼に応えて、適切と思われる学生の推薦文を送ることで1推薦あたり500円、学生の入社が決まれば10万円〜の成功報酬が得られる。

メンタリングでは学生の課題に応じて、自己分析やエントリーシートの添削、面談練習などが行われる。対面だけでなく、ビデオ通話やチャットでのやり取りも可能だ。

メンターによる学生の推薦は社会人の「副業」という位置付けで、実施にあたっては、有料職業紹介免許を持つOrarioと雇用契約を結ぶ形を取る。

一方、企業の採用担当者は、採用したい新卒人材について「○○な学生を紹介してほしい」と就活メンターズに掲載すれば、その後はメンターからの推薦を待てばよい。掲載する内容は例えば「機械学習の研究をしていた学生を紹介してください」「1年以上の留学経験がある学生を紹介してください」「100名以上のサークルの代表学生を紹介してください」といった具合だ。

人事担当者にとってはスクリーニングやスカウト送信など、手間のかかる作業が省け、人材会社ではなく、社会人として現場で働くメンターによる情報が得られるのが利点だ。また、メンターが内定後、入社までのフォローを行うことで、学生の内定辞退を抑えることも期待できる。

企業が紹介報酬を支払うのは内定が決まった時点で、完全成果報酬型となっている。内定辞退が発生した場合には料金は返金される。

メンター登録の際には、Orarioによる本人確認、在籍確認などの審査が行われ、採用関係者や人材エージェントはメンターとして登録できないようになっている。これは学生が現役社会人による中立的な支援を得られるようにする、という目的のほかに、昨今問題となっている、OB・OGが訪問した学生に見返りを求めるセクハラ・パワハラなどの不祥事を防ぐための対策でもあるということだ。

またメンターとしての実績や、学生によるメンターのレビュー評価の公開も実施。今後メンターへの教育コンテンツの提供、メンターのスコアリングの仕組みやプレミアムメンター制度の導入なども予定してされているという。

Orario代表取締役の芳本大樹氏は、「推薦文をとにかく書いて『数打ちゃ当たる』ということではなく、メンターとしての質を担保する仕組みを投入していく」と話している。

「社会に出る人が在学生に還元する仕組みを」

Orarioは2016年6月の創業。芳本氏が既存サービスである履修管理アプリ、Orarioを開発したのは、立命館大学在学中のことだ。Orarioは、ユーザーである学生が自分のID・パスワードを使って大学サーバーへアクセスし、ウェブオートメーションにより時間割の生成に必要な情報を取得。スマホなどユーザーのデバイスにダウンロードして表示する仕組みだ。

現在、関東・関西の18大学に対応し、14万ダウンロードに達したOrario。芳本氏は「単にシラバス管理アプリというだけでなく、受講者同士でのノート共有やチャットなど、SNSのように使える点がポイント」とOrarioの特徴について説明している。

今後はOrarioを「大学生のためのカレンダーアプリ」として大幅アップデートする予定だという芳本氏。履修情報に加えてアルバイトやイベント、就活などの情報も入力できるようにすることで、同社としてはビッグデータビジネスにつなげたい考えだ。

Orarioが「新入学生が合格後の3月から4年生の3月までは使ってもらえる」サービスであるのに対して、就活メンターズは「社会に出る人が、大学に在籍する人に還元する仕組みを作りたい」として開発されたサービスだ。このため「(自動化、AIではなく)あえて人が関わる就活サービスとした」と芳本氏は話す。

就活メンターズ提供の背景には、2020年度から始まる新卒採用ルールの廃止と、副業の解禁とがある。

「今、企業が攻めの採用へとシフトする中で、新卒人材の通年採用も始まれば、人事担当者はさらに忙しさが増す。従来のOB・OG訪問といった社内リファラルから、他社に所属する人でも本当にいいと思った人材なら推薦できる他社リファラルも取り入れて、社外にもファンを増やす仕組みが必要となっていくだろう」(芳本氏)

また、OB・OG訪問は今、半数以上の学生が実施するという調査もあるのだが、1度の訪問で、その場限りでやり取りが終わる傾向にあるという。「これまでのOB・OG訪問では、長期のメンタリングで学生と企業を線でつなぐことができていなかった」と芳本氏。既存のOB・OG訪問マッチングサービスとは異なり、内定まで長期サポートすることで、無償のボランティアではなく報酬も得られる「メンターマッチングプラットフォーム」として就活メンターズを開発したと話している。

クローズドでサービスを提供していた2019年1月時点でのメンター登録者数は300人。これを「2020年1月には3000人に増やしたい」と芳本氏はいう。テストケースではIT系スタートアップを中心に採用されているとのこと。ある企業が学生向けに行った説明選考会の例では、エントリーから実際の参加に至ったコンバージョン率は、ウェブ経由の60%に対し、メンター経由では90%と高い割合だったそうで、これが「内定決定率にも影響するのではないか」と芳本氏は見ている。

芳本氏は「人材紹介は今後、会社から個人へと移っていく」として、個人と個人とのつながりで就活をサポートする就活メンターズの浸透にも自信を見せていた。

AIが動画を自動編集する「VIDEO BRAIN」と動画マガジン「LeTRONC」で地方自治体のサポート強化

スマートフォン向けマーケティング事業、メディア事業を展開するオープンエイトは3月4日、AI自動動画編集クラウド「VIDEO BRAIN(ビデオブレイン)」と、動画マガジン「LeTRONC」(ルトロン)を組み合わせて、動画の編集から掲載までをワンストップで提供できる地方自治体特別プランを発表した。

VIDEO BRAINは、AIが自動で動画を編集してくれるクラウドサービス。専門知識がなくても誰でも簡単に動画を編集できる。写真やテキストなどの素材を入稿すると、AIエンジンが入稿データを分析し、ストーリー性のある動画を自動で生成する。動画の尺やサイズ、文言などを希望に合わせて微調整するだけで、最短3分で動画が編集できる。

動画マガジン「ルトロン」は 「やってみたいこと」「行ってみたい場所」を発見し、外出が楽しくなることをコンセプトとした大人の女性のための動画メディア。現在のユーザー数は800万人強、約1万本の動画コンテンツが配信されている。

地方自治体特別プランでは、手軽に動画を活用したい地方自治体に向けて、「VIDEO BRAIN」で手持ちの静止画などの素材を生かすことができる。素材を入稿すると「VIDEO BRAIN」が自動で動画を編集し、最短1時間で確認用動画を送信する。出来上がった動画は、ルトロンNEWSに掲載されるほか、ウェブサイトでの紹介、SNSでの拡散などの二次利用が可能。なお、オリジナル動画を制作したい地方自治体向けには、ルトロン編集部が地域の魅力が伝わるスポットを選定のうえ、撮影・編集から掲載まで提供するプランもある。

オープンエイトは2015年に設立されたスタートアップ。2018年には、WiL、未来創生ファンドを引受先とする約15億円の第三者割当増資を実施するなど、注目を集めている。

テイクアウトの不便を解消する事前注文・決済アプリ「PICKS」が7000万円を調達

DIRIGIOの経営陣と投資家陣。写真右から4番目が代表取締役CEOの本多祐樹氏

商品を注文して受け取るためだけに何分、時には何十分も行列に並ぶ。人気のコーヒーチェーンやオフィス街におけるランチタイムの飲食店、フードトラックなどではよく見かける光景かもしれない。

この課題を解決するための仕組みとして注目を集めるのが「モバイルオーダー&ペイ」だ。簡単に言えばスマホアプリから事前にオーダーと決済を済ませておくだけで、行列に並ぶことなくパパッと商品を受け取れるというもの。特に海外ではスターバックスやマクドナルドを始め、様々なシーンで活用が進む。

今回紹介する「PICKS(ピックス)」はまさに飲食店がテイクアウト商品のモバイルオーダー&ペイを簡単に導入できるサービスであり、顧客を行列から解放する仕組みだ。

このPICKSを手がけるDIRIGIOは3月4日、複数の投資家を引受先とする第三者割当増資と日本政策金融公庫からの資本制ローンにより、総額で7000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

DIRIGIOでは調達した資金を活用して組織体制やオペレーションの強化を進める計画。なお今回同社に出資した投資家陣は以下の通りだ。

  • iSGSインベストメントワークス
  • 赤坂優氏
  • 有安伸宏氏
  • Japan Angel Fund
  • 西川順氏(既存株主)
  • Klab Venture Partners(既存株主)

DIRIGIOは2016年7月創業。2018年5月に西川順氏とKLab Venture Partnersより数千万円の資金調達を実施している。

待ち時間を解消、店舗の販促や注文の手間も減らす

PICKSは顧客と店舗の双方が抱えるテイクアウト時の課題を解決するアプリだ。

顧客向けにはテイクアウトの事前注文・決済を数タップでできるiOSアプリを提供。アプリにはPICKSを導入する店舗と各店舗のテイクアウトメニューが並び、注文後は指定した時間に店頭にいけばサクッと商品を受け取ることができる。

店舗側のアプリでは、スマホから3タップで注文の管理が可能。注文があった際にはスマホに通知が届くので、オーダー確認後に受付をタップするだけ。ダッシュボードからはPICKS経由の売上管理のほか、メニューの微調整なども簡単にできる。iPad端末など専用の機器を導入する手間もなく、使い慣れたスマホとPCでテイクアウトを始められるのが特徴だ。

DIRIGIO代表取締役CEOの本多祐樹氏は飲食店でテイクアウトを活用する際の課題として「販促チャネル」「注文チャネル」「待ち時間」の3つをあげ、これらをPICKSで解決していきたいと話す。

「店舗としては売上に繋がるか、顧客体験の向上に繋がるかが大切。(コンシューマー向けの)アプリを通じて顧客との接点を作り、集客にしっかりコミットしていく。またアプリで注文から決済までが完結する仕組みを作ることで、電話やFAXに比べて注文時の双方の負担が減るし、行列によるストレスや機会損失なども解消される」(本多氏)

2018年5月のローンチ時にも紹介した通り、PICKSはかつて本多氏がアルバイトをしていた飲食店でテイクアウトの注文を受けた際に感じた“非効率な部分”を改善すべく、立ち上げたプロダクトだ。現在の契約店舗数は170店舗を超え、都内の人気店を中心に北海道や沖縄など地方での導入も進んでいるという。

導入店舗は「すでにテイクアウトをやっていて人気があるので、業務効率化が必須」「これから本格的にテイクアウトを始めるにあたり、なるべく効率よくやりたい」という大きく2タイプ。現在は初期費用や月額の利用料などは無料で展開しているが、ゆくゆくは「売上の数パーセント」のような形で手数料収入から収益をあげる計画だ。

本多氏によると、そもそもテイクアウトの人気店が導入しているケースが多いこともあってユーザーの継続率も高いそう。翌月の継続率はだいたい35〜40%で推移していて、1オーダー当たりの単価は1600円ほどだという。

中食の注目度が高まる中で、インフラとなる存在目指す

冒頭でも触れた通り、モバイルオーダー&ペイの文化は日本よりも海外の方が先行している。スタートアップ界隈でも昨年Ritualが7000万ドルを調達したり、フードデリバリー企業のGrubhubが1億5000万ドルでTapingoを買収したりと大型のニュースが続いた。

日本でも近年ようやくこの波が本格化しつつある。昨年11月にスターバックスコーヒージャパンがLINEとタッグを組んで国内でもモバイルオーダー&ペイのテストを開始する方針を発表しているほか、マクドナルドの一部店舗でもこの仕組みが取り入れられた。

スタートアップ界隈でも「O:der(オーダー)」を展開するShowcase Gigの取り組みは何度か紹介しているし、サブスク型という違いはあれど「POTLUCK」などもこの領域に関連するサービスと言えるだろう。

特に日本国内では2019年10月に消費税の増税が実施される際、中食は軽減税率の対象となり税率が8%となることが予定されている(外食は10%)。そんな背景もあり、近年ライフスタイルの変化や食に対するニーズの多様化によって注目されていた中食市場が、一層拡大するという見方もある。

実際のところ、本多氏の話ではローンチと現在で飲食店のテイクアウトへの考え方が変わったと感じているそう。「(大手企業などに対して)以前はこちらから提案してもあまり興味を持ってもらえなかったが、今ではオーガニックで先方から問い合わせをもらえるケースが増えた」という。

今後はプロダクトの拡充とともにオペレーションの強化に取り組み、導入店舗数を拡大していく方針。並行してPICKSのプラットフォームを用いた企業との共同事業も予定しているようで、飲食店のテイクアウトを軸にしつつ、別のシーンにもモバイルオーダー&ペイの仕組みを展開する考えだ。

「世の中のインフラとなるような、テイクアウトプラットフォームを作るのが目標。アプリからストレスなくテイクアウトを利用できる体験をもっと広げていきたい」(本多氏)

Facebookが商標侵害で中国企業4社を告訴

Facebook(フェイスブックは、FacebookInstagramでの偽のアカウントや「いいね」、フォロワーを売る数々の中国ウェブサイトに対し法的措置を取る。Facebook金曜日午後遅くに投稿した短いブログで告訴することを発表した(我々の関心を少ししか集めないための普通では考えられない動きだ)。もちろん、中国ではFacebookは禁止されているという事実は、ベゾス氏の言葉で言うところの事態を複雑にするものだ。

訴状は、米国カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提出された。訴状では、2017年から中国企業4社と中国を拠点とする個人3人がFacebook(例えば偽の名前や偽のIDを使用する)と不確実なアカウント(例えば本当でないアクティビティに使用される)の販売を促進するウェブサイトを運営し」、その過程でFacebookInstagramの商標と利用規約を侵害したと主張している。

訴状では、4社と、4社でサイト運営に関わった個人3人の名をあげている。4社はXiuネットワークサイエンス・テクノロジー、 Xiu Feishuサイエンス・テクノロジー、Xiufei Bookテクノロジー、Home Network Fujianテクノロジーだ。TechCrunchFacebookに、詐欺行為の範囲の明確化と、こうした行為に対する懸念を募らせた理由について問い合わせたが、明確には示されなかった。

商標侵害は、最大のソーシャルネットワーク企業であるFacebookにとって特段新しいものではない。なので、我々が想像するに、Facebookの怒りを買うほど侵害行為がかなり大規模だったのだろう。Facebookは商標侵害、利用規約違反、Facebookの名称を使ったドメイン名のサイバースクワッティングがあったとして6つのウェブサイトに対しそれぞれに10万ドルの賠償を求めている。この記事執筆時点で、指摘されたドメインのほとんどはまだ使用されていて、これはFacebookが法的措置を決めた理由の一つだろう。そうしたウェブサイトのいくつかはまた、GoogleTwitter、他の米国テック企業のサービスのアカウントも販売している。

Facebookは訴状に「そうしたウェブサイトによると、被告人らはさまざまなソーシャルネットワーキングサイト向けのアカウントの登録と販売を大量に行なっている」と記している。我々がそうしたサイトの19xiufacebook.comを見てみたところ、中国語でFacebookアカウント購入と入力して検索するとヒットする状態であることがわかった。

訴状はこちらのリンクから閲覧できる。


イメージクレジット: Photo by Stephen Lam/Getty Images / Getty Images

原文へ、翻訳:Mizoguchi)

アマゾンが2019年末までに米国で新たにスーパー展開へ

ウォール・ストリートジャーナル(WSJ)の31日(米国時間)の報道によると、アマゾンはホールフーズ・マーケットとは別の食料品スーパーのチェーンを全米で展開する準備を進めている。最初の店舗はロサンゼルスに早ければ2019年末にも開店する見込みで、これとは別にさらに2店舗のリースも契約済みで来年にもオープンする、と報道している。

このスーパーチェーンはホールフーズ・マーケットとは別に運営される見込みだが、どのようなブランド展開になるのか、Amazonの名を冠するかどうかすらも不明だ。長期的プランには米国の主要都市で数ダースほどを開店させることが含まれていて、このゴールに向かって買収戦略も検討することもありそうだ。買収戦略では12店舗を運営する地域の食料品チェーンを対象とするかもしれない、とWSJは指摘している。また、Kmart撤退後の小売スペースを狙う可能性もある。

将来出店が考えられるのは、サンフランシスコ、シアトル、シカゴ、ワシントンD.C.、フィラデルフィアだ。

こうした店舗で展開される商品は低価格なものを含め、ホールフーズ・マーケットとは異なるプロダクトになりそうだ。グローサリーや健康・美容プロダクトを扱い、商品ピックアップのための駐車スペースも用意されるかもしれない。

典型的なスーパーは6万フィートほどの広さだが、それよりも狭い35000フィートとなりそうだ、とWSJは書いている。

アマゾンの食料品デリバリー事業が激しい競争にさらされている最中にこのニュースは飛び込んできた。ライバルのウォルマートは実店舗に資金を注入していて、テストに数年もかけている。今ではウォルマートの食料品ピックアップサービスは2100カ所超で展開され、配達は800カ所近くで実施している。そして2020年末までにピックアップサービスは3100カ所、配達は1600カ所で展開される見込みだ。オンライン食料品事業は成長分野で、これは部分的に第四四半期の売上増に貢献している。

一方、ターゲットは食料品同日配達のサービスShipt55000万ドルかけて2017年に開始した。そして買い物客のニーズに合わせて、自前のドライブアップ(車に乗ったままサービスが受けられるもの)、店舗ピックアップ、翌日配達サービスと順調にサービスを拡大している。

アマゾンはまた、InstacartPostmate、他の食料品スーパーチェーンのサービスとも競合している。

しかしながら、アマゾンの食料品の戦略は少し混乱しているようだ。ピックアップと配達をいくつかの店舗で展開しているホールフーズに加えて、AmazonFreshを通じても配達サービスを続けていて、いくつかのマーケットではPrime Nowも展開している。

それと同時に、アマゾンはレジなし型の商品を取って立ち去れるコンビニエンスストアにも投資した。消費者にとっては、アマゾンで食料品を注文するアクセスポイントが1つではないことになり、これは混乱につながるかもしれない。

WSJの報道についてアマゾンに問い合わせたところ、広報は「アマゾンは噂や推測にはコメントしない」とのことだった。

Image Credits: Eric Broder Van Dyke Shutterstock

原文へ、翻訳:Mizoguchi)

Amazonによるeコマース50%独占が意味するもの

(編集部注:筆者のJun-Sheng Li氏はCanvas Venturesの立ち上げのためのエグゼクティブ。Walmartでグローバルeコマースサプライチェーンを担当する上級副社長を務めた)

ウォルマート(Walmartのグローバルeコマースサプライチェーンを担当するSVP5年間務めた者として、私は実在の小売店舗がいかにeコマースにおけるAmazonの独占に対応しているかを最前列でつぶさに見てきた。我々の多くが警戒していた。それを誰が責めることができるだろうか。今日、Amazoneコマース取引の50近くを扱っている。

私の見立てでは、もしあなたが実在小売店舗を運営しているのであれば、あらゆる販売チャネルを統合するためのデジタル戦略を有しているか、特に何もせず無関係のままかのどちらかだろう。そうした状況を正確に理解するために、まずはこれまでの流れを振り返ろう。小売業者が直面している最も大きな問題と私が認識しているものから始める。

目標:真にオムニチャネルになる

オムニチャネルでの小売は、全ての小売業者が目指すものとなっている。しかし、どのようにして成し得るのかを知っている人はほとんどいない。要するにオムニチャネルは、顧客が何を購入するか、そしてインターネットでの購入なのかあるいは直接店舗での購入なのかにかかわらず、シームレスで継続的な体験を提供することを意味する。

たとえば、私は自分のスマホを使ってNordstromで靴を買い、購入した商品を実在店舗でピックアップするか、あるいは自宅に配達してもらうかを選ぶことができる。しかしなんらかの理由でその靴を返品したいとなれば、私は送り返すこともできるし、店舗でも返品できる。ここでのNordstromとのやり取りは絶えず1つのチャネルから他のチャネルへとフローしている。

しかし実在店舗の経営者からすると、それは言うは易し、行うは難しだ。

多くの変更点

彼らは「悪魔は細部に宿る」と言うが、私はそこに「細部はサプライチェーンの中に含まれている」と付け加えたい。そして今日のサプライチェーンはこれまでになく複雑だ。もしあなたが従来タイプの実在店舗小売の経営者で、オムニチャネルに移行しようと努力している場合は特にそうだ。手始めにあなたは物事がかなり異なることを理解する必要がある。あなたが行うようになることは次の通りだ。

・何百もの店舗の代わりに何百万もの家庭に商品を届ける

・何千ではなく何百万ものSKU(在庫商品識別番号)を管理する

・店舗向けにトラックに積み込むのではなく、ラストマイル配達も含め、小包で家庭に届ける

・流通センター(DC)に加え、発送センター(FC)も運営する。FCは消費者に直接商品を発送し、DCは店舗に発送する

オムニチャネルにしたい?

現在あなたが所有する流通センターに、発送センターを加える準備をしよう。複雑さのレベルは桁違いに増えるだろう。

3つの主要課題

オムニチャネルを追求していく中で直面する最も骨を折る3つの主要課題がある。

・組織とマネジメントの制約

・人々の変化への抵抗。多くの人が新たなパラダイムの中でとらえるのは難しいと感じる

・それぞれの事業にそれぞれのプロセス、KPIs(重要な業績評価指標)、インセンティブがある

全チャネルにわたるアセットを共有するのは難しいかもしれない。たとえば、倉庫のスペースや、オンラインと実在店舗の間のストックのバランスをどのように振り分ければいいのだろう。

プロセスとシステムでの課題

・初めに計画を立てる:予想される需要の総計を出し、実在店舗とオンラインそれぞれでの販売を計画する

・現在何を抱えているか理解する:全チャネルにわたる商品仕分けを決める。DCFC、店舗、そしてマーケットプレイスのベンダーなど第三者のところも含む。

・最後にどこから商品を発送するかを把握する。世界さまざまな場所へと販売される商品を即座に追跡しなければならない。

イノベーションの継続

実在小売店舗は、サプライチェーンに影響を及ぼす新たなプロセスやテクノロジーを絶えず学ぶ必要があるだろう。たとえば:

FCをサプライチェーンネットワークに組み込むとき、新たなプロセスを学ぶ。ここには、品物を受け取る、分別する、保管する、選ぶ、梱包する、発送する、ドライブスルーや受け取り用の品物をロッカーや店舗にしまっておく、といった工程が含まれる。こうしたプロセスは、従来のDCや店舗で使われているものとは全く異なる。

・梱包のテクノロジーにも同時に取り組む。パッキングの手法1つのパッケージにどれくらい詰めるかを能率的なものにする)と、材料(長距離や環境、コスト、商品の保護のために何が最も良いかを考慮する。特に断熱素材やトートを使ってグローサリーを家庭に配達するとき)だ。

・家庭のグローサリーショッピングとラストマイル配達の需要をマッチさせる。DCから店舗へとトラックで商品を配送するのに加え、店舗から顧客の家までのいわゆる牛乳配達的な配送をどう運営するかを考える必要もある。グローサリーを家庭に届けるときは、特定の時間スロットに注意しなければならず、腐りやすい商品がすぐに、そして確実に受け取られるよう時としてライブ配達行う。これは、常に最新で技術的にモダンなTMS(輸送管理システム)を必然的に伴う。

Amazoneコマース初期からリーダー

この記事のヘッドラインに戻ると、Amazonは従来の小売業者からさほど抵抗を受けることなく、いかに今日のように巨大なeコマース企業になったのだろう。実在店舗のエグゼクティブたちが居眠り運転をしている間にそうなったのだろうか。この問いに答えるには過去のフレーミングが役に立つかもしれない。

eコマースにおける4つの波

小売業者がすべきこと

私が思うに、我々はもう戻れない地点に来ている。オムニチャネルという列車は駅を出発したのだ。もし私が小売事業を経営していたら何をしていただろうか。まず、顧客はオンラインとオフラインの両方で買い物することを好み、特定の商品に関しは2日での配達を期待しているという事実を受け入れるだろう。これはAmazonによって高い水準にセットされてきた。それから私は、店舗からの発送や店舗でのピックアップといった新サービスを提供するために、倉庫や流通センター、店舗といったすでにある資産にテコ入れを図るプランを練るだろう。また、オンライン注文品を発送して顧客の自宅に届けるための新たなセンターを設けるだろう。

Amazoneコマースを支配しているが、デジタルプラットフォームをうまく展開しているデパートや小売ブランドはたくさんある。私は、ウォルマートがオムニチャネル戦略に巨額投資したころの2013年から2018年まで、そのウォルマートのチームに所属していた。

2019219日、ウォルマート2019年第四四半期の決算を発表したが、そこで示されたeコマースの売上は前年同期比43%増と、昨年のホリデーシーズンについての懸念を吹き飛ばすようなものだった。

もちろん、効果的なオムニチャネル戦略には多くの要因が絡んでいる。私が思うに、最も大きな要因は単に企業が方針を固めて取り掛かることだろう。

イメージクレジット: Smith Collection/Gado / Getty Images

原文へ翻訳:Mizoguchi)

Facebook、Workplaceの有料ユーザーが200万人に達したと発表

Slackが株式公開し、今や8万5000社、1000万人のアクティブユーザーが日々、Slackで従業員同士のコミュニケーションを促進している中、Facebookは2月28日、自社のサービスのWorkplaceに関する最新の数字を発表した。Workplaceはエンタープライズに特化したプラットフォームで、Facebookはこのサービスの有料ユーザーが200万人に達したとしている。この人数には、非営利団体と教育機関が無料で使えるWorkplace for Goodの利用者は含まれておらず、この無料ユーザーを加えれば「もっと膨大な」人数になると同社は言うが、具体的な人数は公表していない。

Workplaceの利用料金は、最も低価格なもので、1ユーザー、1カ月につき3ドルで、従業員数が5000人を超える企業にはその都度価格が設定される。Workplaceは2016年10月にスタートし、2017年10月から有料サービスを開始している。

フラッグシップであるFacebookは20億人以上の月間アクティブユーザーを擁する大規模なサービスだが、同社はWorkplaceを大規模なエンタープライズ向けのツールとしてかねてよりプッシュしている。同社によれば現在、150社以上で、それぞれ1社あたり1万人以上のユーザーがWorkplaceを利用しているという。

Workplaceを利用している企業には、従業員数が世界最大のWalmart(ウォルマート)のほか、Nestle(ネスレ)、Vodafone(ボーダフォン)、GSK、Telefonica(テレフォニカ)、AstraZeneca(アストラゼネカ)、Delta Airlines(デルタ・エアライン)などがある。

このような数値で成長を語るのはFacebookの戦略である。Slackが測定している数字とはかなり異なるので、比較することも、Slackの方がはるかに大きいと主張することも難しい。ただ同時に、Workplaceがエンタープライズユーザーの分野で成功していることも明らかになっている。SlackやTeamsなどこの分野における競合企業も、エンタープライズでの成功を狙っている。エンタープライズは利益の上がるセグメントだ。大きな経常収益を生み出すことに加え、いったんサービスの利用を開始すればなかなか解約しないケースが多い。

Workplaceはここ数年、Facebookの基本的な機能だけでなく、Workplaceが直接競合する他のエンタープライズ向けコミュニケーションサービスの機能も、Workplaceのプラットフォームに追加しようと努力してきた。多くの重要なアプリとの連携も実現してきたが、Slackで連携できるサービスの数にはまだほど遠い。

公開されている数字はWorkplaceユーザーの総数ではないが、Facebookが広告ベースのコンシューマーサービスとはまったく別の収入源としてこの製品を推進し続けていることを示す数字でもある。

2018年末にFacebookは、3年前にMicrosoftからFacebookに移った(すなわちエンタープライズソフトウェアをよく理解している)Karandeep Anand氏をWorkplaceの新しいトップに任命した。Karandeep氏はJulien Codorniou氏とともに製品の技術開発にあたり、Codorniou氏は販売、顧客対応、事業開発を担当する。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

「3.11」検索で10円寄付、6年目のYahoo! JAPAN復興支援活動

Yahoo! JAPANは3月1日、「3.11」と検索すると復帰支援活動に10円を寄付できる「Search for 3.11 検索は応援になる。」をはじめとするチャリティーアクションを公開した。

本活動は、東日本大震災が発生した3月11日に改めて被災地のことを考え、震災の風化防止や継続的な復興支援を目的とするもの。誰でも参加可能な活動として同社は2014年より毎年実施している。

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今回は、多くの著名人によるチャリティーオークションが開催されるほか、東日本大震災だけでなく熊本地震と北海道胆振東部地震の復興状況を知ることで応援につながるコンテンツなど、合計4つのチャリティーアクションを用意。各コンテンツによる支援金は、東北をはじめとする被災各地の支援団体に寄付される。

またソフトバンクと連携し、3月9日~11日にはソフトバンク表参道にて本企画をテーマとしたオリジナルバルーンとステッカーを配布し、より多くの方に支援の輪を広げる取り組みを行う予定だ。