新型コロナ対策の外出自粛要請の中で名古屋がワースト、アップルの移動データ解析サイトから判明

既報のとおり、アップルはiPhoneなどが合法的に記録している各ユーザーの位置情報のデータを匿名化して「Mobility Trends Reports」として毎日更新している。日本はiPhoneのシェアが他国に比べて非常に高いことを考慮すると、実際の人の移動に近いデータと言える。

関連記事:アップルがユーザーの移動データを公開、新型コロナで変化する都市をひと目で確認可能に

現在のところ日本語のページは準備されていないが、都市名をローマ字で入力することで日本国内の移動データを参照することが可能だ。具体的には、東京(Tokyo)、大阪(Osaka)、名古屋(Nagoya)、福岡(Fukuoka)などの人の移動状況を調べられる。

  1. apple-covid199

    東京
  2. apple-covid198

    大阪
  3. apple-covid196

    福岡
  4. apple-covid1910

    日本全体

具体的には、2020年1月13日(月)と比較すると、

東京
自動車:マイナス28%
徒歩:マイナス43%
公共交通機関:マイナス45%

大阪
自動車:マイナス27%
徒歩:マイナス44%
公共交通機関:マイナス44%

福岡
自動車:マイナス29%
徒歩:マイナス42%
公共交通機関:マイナス43%

日本全体
自動車:マイナス26%
徒歩:マイナス36%
公共交通機関:マイナス38%

名古屋

現在調べられる日本の都市の中で減少率が最も低いのは名古屋だ。特に徒歩での移動がほかの都市と比べて突出して多く、外出自粛要請があまり効力を発揮していないことがわかる。

名古屋
自動車:マイナス24%
徒歩:マイナス28%
公共交通機関:マイナス33%

なお、本稿執筆時点では、横浜(Yokohama)や仙台(Sendai)、札幌(Sapporo)、神戸(Kobe)、京都(Kyoto)などのデータは参照できなかった。

とはいえ、諸外国と比べると日本の都市の減少率はまだまだ低い。

  1. apple-covid194

    米国・ニューヨーク市
  2. apple-covid195

    米国・サンフランシスコ(ベイエリア)
  3. apple-covid193

    フランス・パリ
  4. apple-covid192

    イタリア
  5. apple-covid191

    ドイツ・ベルリン

ニューヨーク市
自動車:マイナス64%
徒歩:マイナス81%
公共交通機関:マイナス87%

サンフランシスコ(ベイエリア)
自動車:マイナス61%
徒歩:マイナス74%
公共交通機関:マイナス80%

イタリア
自動車:マイナス85%
徒歩:マイナス88%
公共交通機関:マイナス90%

医療保険や医療体制、国民性、高齢化率が異なるので諸外国の数字とは一概には比較できないが、アップルのデータを見る限り新型コロナウイルス蔓延を食い止めるには日本国民一人ひとりのさらなる努力が必要だ。

なお同社は、Google(グーグル)と共同でOSレベルの匿名接触者追跡システムも開発している。

関連記事:アップルとグーグルが新型コロナ感染チェック用モバイルアプリを共同開発、プライバシー保護も確約

ソニーが新型コロナで影響を受けるゲーム開発者の救済基金に11億円拠出

多くの人が外出禁止のために家にこもってPCやゲーミングコンソールを手にしているが、インディーゲームデベロッパーにとっては厳しい状況だ。彼らは往々にして、タイトルの宣伝や投資の呼び込み、契約の発表などをゲームカンファレンスに頼っている。

Sony(ソニー)は新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで影響を受けているインディーゲームデベロッパーをサポートするための基金に1000万ドル(約11億円)を拠出したと発表した。2020年4月初めソニーは新型コロナウイルス救済のための1億ドル(約107億円)の基金を立ち上げたと明らかにしていたが、その基金はどちらかというとヘルスケアワーカーや遠隔教育にフォーカスしたものだった。

ソニーは基金の詳細について、間もなく発表するとしか述べていない。また今回の発表ではPlayStationユーザーに自宅に留まってもらうように、2つの「UNCHARTED: The Nathan Drake Collection(アンチャーテッド コレクション PlayStation Hits)」と「Journey(風ノ旅ビト)」をデジタルストアで無料ダウンロードできるようにしたことも明らかにした。この2つの小さなニュースはPlayStationが提唱する「Play at Home」イニシアチブのベースとなっている。

2つのタイトルは4月15日から5月5日まで無料でダウンロードできる。

画像クレジット: Kevork Djansezian / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

MITの在宅新型コロナ患者の動きと呼吸を検知するワイヤレス装置が遠隔治療をサポートする

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックは医療従事者に前例のない困難をもたらしている。中でも大きな課題はソーシャルディスタンス問題であり、自身が感染することなく診察と治療を行うためにまったく新しい取り組みが必要になる。

すでに陽性結果が出ている多くの人々にとって、自宅待機はさまざまな地域で大きな負荷がかかっている病院を避け、他の人達に感染を広げないための最善の選択だ。問題は遠隔医療の限界が明白である中、医者や看護師がどうやって遠方から治療を続けられるかだ。

MIT(マサチューセッツ工科大学)のCSAIL(コンピュータ科学・人工知能研究所)は今週、自宅にいる患者の健康状態を定期的にチェックするために作られた試験中の新しい機器を発表した。Wi-Fiルーターに似た外見のこのオプトインシステムは、患者の部屋の壁に設置する。

新しい機器は無線信号を使って患者の動きや睡眠パターン、さらには(最も重要な)呼吸などさまざまな活動を検知する。Emerald(エメラルド)と呼ばれるそのシステムは、人工知能を使って移動を追跡することで、個人を区別することができる。

現在このシステムは、ボストン郊外のHeritage Assisted Livingという介護施設でテストされている。「介護施設にいるような高いリスクの高齢患者にとって、直接診察することが困難な時に医療データを自動的に取得できるこのシステムが大きな恩恵であることは間違いない」と、同施設の保健責任者であるWilliam McGrory(ウィリアム・マクグローリー)氏はリリースでいう。

ワイヤレスシステムがなぜ、シンプルなウェアラブルよりも優れているのかというTechCrunchの質問に対して、CSAILの広報担当者はこのテクノロジーの本質は「設置したら忘れる」ことで、初期設定後、患者は何も操作しなくていいという点だと答えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YouTubeがスモールビジネス向けの短い動画広告制作用DIYツールを無料公開

YouTubeは、単発で低コストな動画を制作したいスモールビジネスのための新しいツールを米国時間4月14日に公開した。このツールを使えば、クリエイティブ分野での経験や技術的なノウハウがなくても誰でも簡単に制作することができる。その名もシンプルなYouTube Video Builder(ビデオビルダー)は、この数カ月間、少数の顧客企業がテストを続けていたのだが、新型コロナウイルス(COVID0-19)パンデミックの影響で、急遽一般向けにローンチされることになった。対面して動画を撮影することは不可能になり、スモールビジネスは何より資金繰りに窮している。

「特に顧客へのメッセージを迅速かつ簡単にアップデートする必要に迫られている事業者の声を多く聞く現在、Video Builderは動画を必要とするあらゆる規模の事業を支援します」とYouTube Adsの製品管理ディレクターであるAli Miller(アリ・ミラー)氏は言う。

ツールの使用に必要なものは、GmailやYouTubeといったGoogleのサービスにログインできるGoogleアカウントだけ。アカウントを持っていなくても、Google以外のメールアドレスをGoogleアカウントにリンクさせることも可能だ。動画の保存と配信には、自身のYouTubeチャンネルが必要になる。

使い方は非常にわかりやすい。Video Builderのベータ版では、会社の静止素材(画像、テキスト、写真など)をアニメーションさせて、YouTubeの無料オーディオライブラリの音楽と組み合わせることができる。また、メッセージの内容や目的に応じて、さまざまなレイアウトを選ぶこともできるとYouTubeは説明している。レイアウトの色やフォントの変更も可能で、6秒または15秒の動画が即座に作れてしまう。

動画が完成したら、自社のYouTubeチャンネルにUnlisted(限定公開)としてアプロードする。これは、チャンネルを来た一般の人たち全員に公開したくない場合だ。公開したければプライバシー設定を変更すればよい。制作した動画はウェブサイトに埋め込んだり、どこかのソーシャルメディアで共有したり、目的に応じてさまざまな形で公開することができる。望むなら、Google広告として動画を配信することも可能だ。

オリジナルの動画広告をDIYしたい事業者のためのツールは、既に市場に数多く出回っている。例えばVimeoは、スモールビジネスがプロフェッショナルなソーシャル動画を制作できるアプリを2月に公開した。2019年秋には、Facetuneを作ったLightricks(ライトリックス)が、スモールビジネスがソーシャルメディアの広告キャンペーンに使えるアプリ一式を公開した。さらに、動画編集ツールではAdobeやAppleといった老舗の他、Magisto(マジスト)、Canva(キャンバ)、PicsArt(ピクスアート)などといったメーカーの製品も多い。そのほとんどがテンプレート、簡単に使える編集ツール、ストック素材、クリックひとつで複数のプラットフォームで公開できるといった機能を備え、スモールビジネスの事業主をターゲットにしている。

YouTubeのVideo Builderの場合は、YouTubeの視聴に最適化された動画の制作が可能で、Google広告と統合できる点で有利になっている。

昨日までVideo Builderは、インテリアデザイン会社Havenlyやサンドウィッチ店Which Wichといった数百人規模の企業から、食品スーパーチェーンCentral Marketのような数千人規模の企業まで、幅広い事業者の協力でテストを重ねてきた。営業時間の変更や集荷、配達などの新サービスの告知に利用するケースもあれば、ブランドや代理店が補完的な動画の制作や新コンセプトの実験などに利用するケースもあった。

今回の一般公開により、希望者はベータアクセスを行ってから、デスクトップで利用ができるようになる。ツールは英語版のみだが、動画はどんな言語で制作しても構わない。登録したすべての人が楽に利用できることを確信しているとYouTubeはいう。

ミラー氏によれば、このツールは当初、YouTubeの動画広告を素早く簡単に作れる事業者向けのツールとして開発されたとのことだ。

「私たちは、事業者が顧客とのつながりを保てるようにするツールの開発を急いでいました。人々が自宅に待機するようになっても、Video Builderは新規顧客へのリーチを広げるためにYouTubeで動画制作を始めたい人々の、大きな助けになるものと信じています」と彼女は言い加えた。

この新ツールは、YouTubeがここ数カ月で公開してきた複数のビジネス向けサービスのひとつとして加わることになった。スタートは、2019年5月に公開された機械学習を使って複数の動画を短い6秒のクリップに簡単にまとめるBumper Machine(バンパー・マシン)だった。さらに最近では、低コストの動画編集などさまざまなサービスを提供するYouTube Creative Directory(クリエイティブ・ディレクトリー)に、新たなパートナーがいくつも加わっている

YouTube Video Builderは、ここで登録をすれば無料で利用することができる。

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(翻訳:金井哲夫)

アップルがユーザーの移動データを公開、新型コロナで変化する都市をひと目で確認可能に

Apple(アップル)は、同社のマップアプリのユーザーから集めた匿名情報を元にしたデータを一般公開すると米国時間4月14日に発表した。このデータは「Mobility Trends Reports」として毎日更新され、マップアプリの中で行われたルート検索の回数の変化を見ることができる。マップはiPhoneの標準ナビゲーションアプリで自動車、徒歩、公共交通機関の3種類のモードがある。

アップルは、この情報がいかなる個人とも結びついていないことを強調している。マップアプリが移動データをユーザーのApple IDと関連付けることはなく、人がどこにいたかという履歴を保存することもない。アップルによると、マップで集めた検索ワードや個別の経路などのデータは、ランダムに変わる識別番号と結び付けられるだけで、その番号も定期的にリセットされる。この匿名集約データが提供するのは都市、国または地域レベルのビューだけであり、ある地区での歩行者、ドライバー、公共交通利用者の数の変化を、ユーザーがアプリを開いて道順を調べた回数に基づいて表現している。

Appleのインストールベースの大きさと、日々の通勤や移動のためにGoogleマップなどのサードパーティーアプリを使う人はあまりいないであろうことを踏まえるとある都市における外出回数の減少を確認するかなりよい方法だと考えられる。

このデータはアップルのウェブサイトで誰でも入手可能で、互換性の高いCSV形式でダウンロードできる。ウェブ上でも特定の地域を検索したり、その地域の全体的な傾向を見ることができる。

個人にとっては好奇心を満たす程度のことだろうが、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を調査している都市や州、国の政策担当者にとっては、ソーシャルディスタンスや自宅待機、隔離命令などの拡散防止戦略の効果を確認するためにとても役立つだろう。

アップルはほかにも、Googleと共同でOSレベルの匿名接触者追跡システムを開発している。両社はまずデベロッパー向けのAPIを公開し、その後機能をOSに組み込み、公共保健機関のアプリと連携する。アップルは新型コロナ危機のために役立つことに対してとりわけ熱心であると同時に、そのための対策が個々のユーザーのプライバシーを侵害しないことにも腐心している。集団レベルで効果的な行動を起こす上では困難なバランスだが、アップルのリーチの大きさは、どんなツールを提供する上でも強力な優位性になる可能性がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleがNestカメラの画質を下げて「インターネット資源を節約」

Nestカメラで撮影した動画を見て、画質がいつもより少し低いなと思った人へ、それはあなたの目のせいではない。

Googleはユーザー宛のメールで、Nestカメラの画質を一時的に低くすることで各カメラの使用する帯域幅を制限し、その結果「インターネット資源を節約」することを伝えた。この変更は今から数日以内に実施され、画質設定が変更された人はNestアプリで通知を受ける、とGoogleは言っている。

これは今なお続く新型コロナ・パンデミックの中でインターネットの安定を維持するためにテック企業が行っている取り組みの一環だ。かつてないほど多くの人々が昼間を家で過ごし、職場や学校とビデオ通話をし、コンテンツをストリーミングして時間をつぶしている。そのいずれもが帯域幅を必要とする。AmazonNetflixYouTubeもネットワークに与える影響減らす措置を講じており、SonyはPlayStationゲームのダウンロード速度を制限している。

Nestカメラは、この時期になって使用する帯域幅が増えているわけではないが、元々相当量のデータを日々送信している。Nest Cam IQの場合、最高画質の設定で月間約400 GBのデータを使用している。これを中高画質(medium high)にすると300 GBに減る。

Googleはこの変更予定があることをTechCrunchに認め、以下のように付け加えた。

当社はインターネット帯域幅の利用で学習と仕事を優先する、という世界的呼びかけに応えるべく、今後数日のうちにいくつか変更を加える。この変更が学校、職場その他とのやり取りを容易にするために役立つと信じている。

Googleはこの変更をユーザーに代わって自動的に行っているが(越権行為だと不満を漏らす向きもある)、ユーザーが望めばカメラを最高画質に変えることができるとGoogleは言っている。画質を制限しているわけではなく、デフォルト設定を下げただけだ。つまりあらゆるピクセルが意味をもつような使い方をしている人は、自分で設定変更する必要があるということだ。

画像クレジット:

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型コロナが我々をデジタルの未来へ駆り立てた

Bruce Springsteen(ブルース・スプリングスティーン)は「Livin’ In The Future」の中でこう歌った。「We’re living in the future and none of this has happened yet(僕たちは未来に生きている。こんなことはまだ何も起きていない)」。世界は我々の目の前で変化しているようだ。新型コロナウイルスは我々みんなを家に閉じ込め、企業のやり方を一夜にして変えさせた。

BoxのCEOのAaron Levie(アーロン・レヴィ)氏がTwitterで最近指摘したように、我々はかつて目撃したことのないレベルのデジタルな創造性を、今まさに目にしている。人々はつながりを失わず、我々を引き離しているウイルスに対峙する方法を探している。

レヴィ氏は最近このようにツイートした。「我々が現在見ている創意工夫は驚くほどすばらしい。Airbnbはバーチャル体験を提供し、Chefsはライブの料理教室を実施している。過越の祭はビデオ会議になった。ドライブイン形式のイースターも教会もストリーミングに移行している」。

2月以降の変化を考えてみよう。たった2カ月前の2月だ! 小学校から大学院までの学校が、膨大な数の児童・生徒・学生のためにオンラインにシフトした。メールも使っていなかった教授が急にZoomで教え始めた。

企業はオフィス中心のワークフローから、ビデオ会議そしてSlackやMicrosoft Teams、Google ハングアウトといったクラウドのコラボレーションツールを中心としたワークフローへ移行した。

毎年恒例のカンファレンスが、ラスベガスの派手で華やかなステージからエグゼクティブの自宅へと変更された。契約し、何カ月もかけて準備していたにもかかわらず、企業は急転直下で方針を変えた。そうするしかなかったからだ。選択肢は他にない。

休暇、誕生日、葬儀、記念日、そのほか人生のさまざまな場面に一緒にいられない家族が、突然FaceTimeやZoomで集まり、現在の状況でできる唯一の方法で支え合い、祝い、悼んでいる。デジタルコンテクストの中で。

このような出来事を我々はたくさん目にしている。驚くべきは、シームレスに計画やトレーニングに何年もかけることなく、こうなっているということだ。我々はシンプルにこの新しいデジタルの現実を受け入れている。そうするしかないから。

我々はSaaSのツールとクラウドインフラストラクチャの見事なレジリエンス(回復力、復元力)を活用して、デジタルの世界のパワーを証明している。しかし人間の精神のパワーも見てとれる。今、我々はすばらしい出来事を世界中で目撃している。ちょっと立ち止まって、感謝しよう。おそろしく困難な状況の中、こうしたあらゆるテクノロジーのおかげで我々の経済、教育、感情が維持されていることを、少しの間考えよう。

新型コロナウイルスは、我々をまとめてデジタルの未来へと駆り立てた。それはいつか起きることではなく、今、起きている。企業も人々も、90日という短い期間でデジタルトランスフォーメーションを推し進めた。このクレイジーな状況でポジティブなことを1つ見つけるとしたら、我々はこのデジタルの世界を受け入れ、もう決して後戻りはしないということだ。

画像クレジット:Chris Williams Black Box / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

アマゾンが従業員2人を追加解雇、パンデミック発生時の労働条件を批判

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの中、Amazon(アマゾン)の倉庫の状況を公に批判していた2人の従業員が、同社によって解雇された。UXデザイナーのEmily Cunningham(エミリー・カニンガム)氏とMaren Costa(マレン・コスタ)氏はともに「我々のビジネスモデルが気候危機に貢献しないようにすることが、我々の責任であると信じている」をモットーとするAmazon Employees for Climate Justiceのメンバーでもあった。

解雇を最初に報じたのは、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が所有するThe Washington Post(ワシントン・ポスト)で、同社の倉庫や配送センターに勤務する少なくとも74人の従業員が、この新型コロナウイルスの陽性反応を示したことによる。少なくとも、アマゾンが広範囲におよぶ都市閉鎖の中で配送サービスの維持に苦慮している中、世論は同社に批判的だ。

一方アマゾンは、従業員がパンデミック中の従業員の待遇を批判したために解雇されたという考えに反論している。「我々は、雇用者の労働条件を批判するすべての従業員の権利を支持する」と、同社の広報担当者はTechCrunchに語っている。「しかしそれには、あらゆる内部活動に対する包括的な免責が伴うわけではない。(2人の従業員が)繰り返し社内規定を違反したために、彼らを解雇した」。

アマゾンは違反行為を明示していないが、同社には同時に経営陣の承認なしに商習慣について公の場で議論することを禁止するポリシーがある。カニンガム氏とコスタ氏はThe Washington Postに対し、企業慣行に対する公の批判を理由に解雇されたと考えていると述べた。

今回の解雇は、Staten Islandの配送センターの従業員で、かつ労働条件にも批判的だったChris Smalls(クリス・モールズ)氏の解雇から半月後に実施された。この出来事を受けて、民主党の議員たちはベゾス氏に公開書簡を送っている。議員たちは書簡で「団結する権利は我々の経済の基盤である。何世代にもわたって労働者が成し遂げてきた数多くの大いな進歩に対する責任がある」と記している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

リモートワークはZoomを止めてアバターチャットのPragliを使ってみよう

リモートワーク向けビジネスアプリのPragliはアバターを使ったチャットをベースにしている。ユーザーは自宅でSpotifyで音楽を聞きながら同僚と常時コミュニケーションができる。ボスや同僚がデスクにいるのか、会議中か、何か重要な仕事に集中しているのかひと目で知ることができる。しかも仕事の合間には(職場と同様、いわば)給湯室でちょっとおしゃべりもできるし、「今日の勤務は終了」を宣言することもできる。

また必要なら音声通話や画面共有もできる。時間を指定してビデオ会議を開催する機能もある。また忙しそうな相手にはメールのように後で回答すればよいテキストメッセージを送信することもできる。簡単にいえば、我々が物理的に出社して行っていたのと同じことをリモートワークに置き換えて実現させようとするサービスだ。

Pragliの共同創業者のDoug Safreno(ダグ・サフレノ)氏は私のインタビューに対して次のように語った。

「簡単にいえば、Pragliはメールに対してSlackが起こした画期的な改革のビデオ会議版だ。従来のビデオ会議サービスは本質的に排他的でクローズドなコミュニケーション・チャンネルだったが、Pragliはオープンかつ包括的だ。オフィスに出社して働くのと同様、誰が何をしているのか、誰と話しているのかひと目でわかる」。

PragliのセールスポイントはBuffer/AngelListの広汎な調査で明らかになったリモートワーカーが嫌うトップ3の問題を解決できるということだ。それは次の3つだ。

  1. コミュニケーションが円滑にできない
  2. 孤独感
  3. 職場と私生活が区別できない

Pragliのユーザーは「テキストではうまく表現できそうにないから電話したほうがいいだろうか」とか「相手は今来客中だったり会議中だったりしないだろうか」などと心配する必要はない。アバターが常時表示されてメンバーのアイデンティティと現在の状態がひと目でわかるし、「給湯室(Water Cooler)」機能はSlackのように仕事と入り混じった際限のない会話ではなく、はっきり区切りのある社交スペースを提供する。 しかも実際のオフィスと同様、Pragliのオフィスには「出社、退社」を明確に記録できる。これにより緊急の場合を別にすれば、すでに会社を出たメンバーには次の出社まで連絡を取るべきでないことが容易に理解できる。

【略】

Pragliの共同創業者のDoug Safreno(ダグ・サフレノ)氏

サフレノ氏と共同創業者のチームはリモートエンジニア100人にインタビューし、あらかじめスケジュールが設定された会議以外では同僚に対するビデオ通話は週に1度しか使われていないことを発見した。これにより、同僚をアバター表示すればバーチャルオフィスを構築してリモートワークを行うことが十分可能になると確信し、1年前にPragliを立ち上げたのだという。フルタイムの社員は他にいなかったので共同ファウンダーたちだけですべての作業を行い、2019年にベータ版のリリースにこぎつけた。その後トラフィックは3月に6倍となり、2020年1月1日以降で20倍に増加しているという。

Pragliは米国時間4月13日に正式にサービスを開始したが、6月1日までは無料だ。その後はフリーミアムモデルに移行する計画だ。基本機能は無料で利用できるが、全機能を利用するためには月極めで契約する必要がある。料金はユーザー数に応じて算定される。今回PragliはK9 Venturesがリードする小規模なプレシードの資金調達ラウンドも発表した。これはK9自身がサービスを利用して感銘を受けたためだという。

Pragiを使い始めるには、チームのメンバーはPragliのデスクトップアプリをダウンロードしGoogle、MicrosoftまたはGithubから登録する。ユーザーは自分のアバターをモンタージュ写真作成の要領でカスタマイズする。顔の輪郭、髪型、肌色、服装など豊富なオプションから選択可能だ。チャットに使うためにウェブカメラで自撮りし、表情をアバターに変換することもできる。また、マウスとキーボードを使っているだけで自分がデスクの前にいることを表示できる。

カレンダーに会議その他のスケジュールを表示(内容によっては非表示)できる。これは相手がチャット可能かどうかすぐに判断できるので非常に便利だ。音声通話、ビデオ通話も自由にできるし、部外者もデスクトップ、モバイルから随時招待可能だ。

【略】

メンバーがコミュニケーション可能な状態かどうかを自動的に示すためにこのバーチャルオフィスアプリにはさまざまな工夫が凝らされている。キーボードやマウスの利用状況の他にもヘッドフォン(着けているなら何かに没頭しているのかもしれない)やバーチャルオフィス上の場所(給湯室にいるならくつろいでひと休みしているのだろう)などさまざまなシグナルからメンバーの状態を推測する。これは相手がどんな状態にあるのかまったく見当がつかないSlackやZoomと比べてはるかに優れている。面倒なVRヘッドセットを必要とせず、限りなく本物のオフィスに近い環境が得られる。

Microsoftにはソーシャルメディアの経験が欠けており、Zoomはあまりに急速な成長によって生じたゆがみに苦しんでいる。Slackはビデオ機能をZoomに任せている、テキストによるチャット専門のサービスだ。つまりPragliには極めて広い活躍分野がある。新型コロナウイルス(COVID-19)によるソーシャルディスタンジングの要請は世界をリモートワークに向けて大きく動かした。この動きはパンデミックの後も続くはずだ。企業は以前のようには物理的オフィスを重視せず、海外を含めたリモートワークをさらに増加させるはずだ。

この環境では、あらゆるチャンネルを網羅した総合的なコミュニケーションプラットフォームを構築し、オンラインオフィスという新しい仕事の枠組みと行動を参加メンバーが容易に理解できる形で提供するところに最大のチャンスが生まれるだろう。

サフレノ氏は「Slackのように気を散らす存在になったりせずに、自然なコミュニケーションを生むという企業にとって極めて重要な課題を解決できるようなプラットフォームを作り出すことが課題だ」という。Pragliの共同創業者チームは、勤務時間外まで執拗についてまわるような不快な感じを与えずに、モバイルを活用するにはどうすべきかについても長時間議論を戦わせてきたという。

「Pragliの長期的な目標は現実のオフィスよりも快適で効率的なオンラインオフィス環境を構築することだ。バーチャルオフィスなら同僚を探してビル中を探し回る必要はないし、アバターが使えるなら仕事のためにいちいち身なりを整える必要もない。この後も一生リモートワークを続けられるよう我々は仕事を止めない」とサフレノ氏は述べた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

スタンフォード大とグーグルが埋め込み可能な新型コロナマップを地元ジャーナリストに提供

米国時間4月14日、スタンフォード大学のBig Local NewsとPitch InteractiveプロジェクトはGoogle News Initiativeと共同で、米国における新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大に関するカスタマイズされた最新マップを地元のジャーナリストが記事やウェブサイトに埋め込むことができる新しいツールを発表した。

COVID-19 Case Mapperは非常に基本的なツールのように見えるかもしれないが、Google Data EditorのSimon Rogers(サイモン・ロジャー)氏は、このようなツールが以前から存在しているべきだったことを認めている。

地元のジャーナリストは新型コロナウイルスの最新動向を読者に知らせようと最善を尽くしているが、ロジャー氏によれば、異なるデータソースを正規化し、独自のマップを作成するツールはなかったかもしれないと述べている。

「既に起きてしまっていたローカルニュースの危機は、新型コロナウイルスによりより悪化した」と、ロジャー氏は語る。

さらに既存の新型コロナウイルスのケースマップの多くは、ジャーナリストが簡単に情報を埋め込む方法を提供していないとロジャー氏はいう。「情報を広く発信するのに重要なのは、どこにでも埋め込めて、どこでも使えることだ」。

現在、米国のジャーナリストは、COVID-19 Case Mapperにアクセスして地図を作成したい地域を選択し、埋め込みコードをコピーするだけで、記事やウェブサイトに地図を埋める。地図はThe New York Timesの新型コロナウイルスのカウントデータを使用しており、10万人あたりの患者数に基づいて色分けされているので、人口に対する感染拡大の深刻さがひと目でわかる。

これは新型コロナウイルスに関する誤報と対峙するため、グーグルが650万ドル(約7億円)を投じて行っているより広範な取り組みの一環である。地図は最初はアメリカ限定だが、すぐにグローバル版をローンチする計画があるとロジャー氏という。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

孤独感を減らすリモートワーカーための「バーチャル休憩室」をHallwayが提供

新型コロナウイルスの発生によって、数百万人の米国の従業員たちが自宅で働くことを余儀なくされている。多くの人にとってそれは初めての経験だ。しかし、対面での会話がないために、チームや同僚から切り離されていると感じることが多くなるため、リモートでの作業は孤独で孤立したものになる可能性がある。それこそが、新しいスタートアップのHallwayが、解決を支援することを目指している課題だ。このサービスは、Slackユーザー向けの新しいアプリを使って、休憩室の雰囲気や、たまたま廊下ですれ違って立ち話をするようなセレンディピティを再現する。

このアプリを使用すると、会社はSlackチャネル内で10分間のビデオチャットをスケジュールすることができ、従業員たちは仕事のためのウェブ会議の以外の場で、より気楽にやりとりを行うことができる。

このスタートアップは、Googleの元プロダクトマネージャーで、Google ChatとGoogle Goを立ち上げたParthi Loganathan(パルティ・ロガナサン)氏,、そしてプライベートエクイティ企業Insight Partnersの元アソシエイトであるKunal Jasty(クナル・ジャスティ)氏によって共同創業された。

2人はもともと、共有Slackチャネルを使って、チームがカスタマーサポートを提供するのに役立つAcrossという製品に取り組んでいた。しかし、サンフランシスコで居宅内隔離(shelter-in-place)が施行されたとき、状況は急速に変化した。

「これにより、リモートでの作業に備えることができていなかった多くの企業が、一夜にしてリモートに移行することを強いられました」とロガナサン氏は説明する。一方彼のルームメートは、狂ったように在宅勤務をしていることに不満を漏らし、チームと話せないのを残念に思っていると話していた。

「Hallwayはその問題に取り組むための、シンプルで楽しい方法のように思えたので、私たちは数日でそれを作り上げました」とロガナサン氏は言う。

彼らのチームの半分はインドを拠点としていたため、創業者の2人は、すでにリモートチームへの対処に伴う課題について、直接経験を積んでいた。またAcrossだけでなく、Hallwayと同様他のSlackアプリの構築経験も持っていた。

その結果、Hallwayはアイデアから最初のユーザーを迎えるまでに、たった4日しかかからなかったとロサナガン氏は語る。

Hallwayを使用するには、Hallwayウェブサイト、またはSlackアプリディレクトリから、Slackに追加することができる(Slackワークスペースにアプリを追加する権限がない場合には、インストールする際に管理者の承認が必要になる場合がある)。

アプリ自身のフロントエンドは存在しない、ログインプロセス、利用案内、設定用ユーザーインターフェイスなど、すべてがSlack内のインターフェイスとして提供される。インストールすると、Slack内のダイレクトメッセージを介して利用手順が示される。そして「/invite @hallway」と入力して、Hallwayボットを任意のSlackチャネルに招待することができる。これにより、ボットが開始され、@hereメッセージによって定期的に、休憩室の作成が自動案内される。

デフォルトでは、Hallwayの仮想休憩室は、月曜から金曜の午前9時から午後6時までの2時間ごとにスケジュールされているが、ユーザーはSlackチャンネルで「/hallway」と入力して設定をカスタマイズすることで、タイムゾーンを調整したり、休憩の頻度を調整したりすることがでる。

ユーザーは、自分自身で指定するZoomもしくはGoogle Meetのリンクを、Hallwayと一緒に使うことができる。しかし、その利用体験は、daily.coのビデオインフラストラクチャが提供する、Hallwayの時間制ビデオチャットルームを使うことでさらに向上する。

今回発表されたサービス自身は最大2つのSlackチャンネルまでの利用は無料だが、無料のまま時間制ビデオチャットルームが提供されるのは10回までで、以降は自前のウェブミーティングを使うようにするか、プランをアップグレードする必要がある。

大企業向けのHallway「Team」料金プランでは最大5つのチャネルがサポートされ、無制限の数のビデオチャットルームとカスタマイズオプションが、月額30ドル(約3200円)で提供される。5つ以上のチャネルを利用したい場合には、エンタープライズ向けプランも用意されている。

ほんの数週間前に開始されたばかりだが、Hallwayは急速に顧客ベースを拡大してきた。

このサービスは現在、Nextdoor、Productboard、Bank Novo、Pivotal、Courseraなどの企業の170以上のチームで使用されている。ユーザーの大半は今のところ無料プランを利用している。ただし、アップグレードが必要な企業は、ユーザーがそのサービスを友人に紹介することで、より柔軟な価格設定で利用できる。

当面の間、共同創業者たちはSlack内でのHallway体験の改善に集中したいと考えているが、彼らはすでに次に何をすべきかに思いを馳せている。

「私たちは、チームをつないだままにして、リモートで作業しながらも、職場の孤独感を減らすという課題に取り組んでいます。現在、私たちは自発的な時間制ビデオチャットのコアエクスペリエンスを改善しています。そのことでユーザーにカスタマイズするためのより多くのオプションを提供していきます」とロガナサン氏は語る。「私たちはチームビルディングやリモートチームの従業員の初期研修といった、企業を支援できる特定のユースケースを調査しているところです」と彼は述べている。

将来的にはMicrosoft Teams向けのソリューションも検討するかもしれないと彼は言う。

Hallwayはプレシード資金(金額未公開)を調達した。

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(翻訳:sako)

インドではロックダウンの影響でTinderやNetflixなど人気アプリが苦境に

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により世界中で多くの人が在宅を余儀なくされている中、米国などではコンシューマ向け、エンタープライズ向けの一部のアプリで新規ダウンロード数が急増している。しかし世界最大のオープンマーケットであるインドでは、状況が少し異なる。

調査会社のApptopiaから得た数値を基にTechCrunchが分析したところ、TikTok、WhatsApp、Truecaller、Helo、Vmate、Facebook、Google Pay、Paytmといった人気アプリの1日あたりのダウンロード数は、過去3カ月間と変わらないか減少している。

インド国内のほとんどの企業に在宅勤務が要請され、インド政府が当初は3月25日からの21日間、その後延長されて5月3日まで全土封鎖の措置をとっている現状で、アプリ内購入を提供している人気アプリの一部ではこの4週間で売上が急落した。

インド国内で、TikTokは1月の1カ月間で2160万回ダウンロードされたが、4月12日までの31日間では2020万回と減少している。同じ期間で見てみると、WhatsAppは1700万回から1200万回に、ストリーミングプラットフォームのHotstarは980万回から300万回に、 ByteDanceのHeloは1050万回から750万回に減少している。

Apptopiaによると、TikTokは2月のほとんどの日で70万回以上ダウンロードされ、89万1000回を記録する日もあった。それがこの1週間では、1日あたり45万回を下回っている。WhatsAppの1日あたりのダウンロードは、65万回から25万回を下回るところまで落ち込んだ。

新型コロナウイルスの検査で陽性と診断された人の近くにいたことを知らせるアプリで、インド政府が公開したAarogya Setuは、現在もインド国内チャートのトップで、1日に78万回以上ダウンロードされている。

インドのApp StoreとGoogle Play Storeで、マッチングアプリのTinderのアプリ内売上は、1月は54万7103ドル(約5900万円)だったが、3月13日から4月12日までの期間では31万9102ドル(約3440万円)に減少した。Netflixのアプリ内売上は、同じ期間の比較で28万5562ドル(約3080万円)から19万2154ドル(約2070万円)に減少した。LinkedInとYouTubeも同様の減少となっている。

アプリ内売上の増加で注目されるのがHotstarだ。17万3253ドル(約1870万円)から32万9675ドル(約3560万円)に増えている。ディズニーが4月はじめに、Hotstar上でDisney+のサービスを開始していた。

マーケティング調査会社のSimilarWebによると、食料品配送アプリで先週6000万ドル(約64億6000万円)を調達したBigBasketと、同じく食料品配送アプリのGrofersは大幅に成長している。Amazon、Flipkart、Snapdealは、ここ数週間で急ぎでない注文を停止したため、インドではAndroidのダウンロード数とアクティブユーザー数が減っている。

人気ビデオチャットアプリのZoomは、2月前半の1日あたりダウンロード数は9000回程度だったが、ここ数週間では50万回以上と急増した。アジア市場で人気のゲーム、Ludo Kingは、2月前半は15万回程度だったのに対し、ここ数日では45万回と大幅に増えた。

インドはスマートフォンユーザーが5億人近くいるモバイルファーストの国だが、人々が家にいるようになってデスクトップの使用も増加している。

SimilarWebの担当者はTechCrunchに対し、「インドではデスクトップではなくモバイルでウェブをブラウズするアカウントが常に圧倒的多数を占めている。しかし2月から3月にかけてデスクトップの使用が増え、トップ100のサイトの合計訪問数に対してデスクトップのシェアは1.6%増えた。1.6%というと小さいように聞こえるが、313億2000万の訪問数の1.6%であり、重要な意味がある」と述べた。

トップ画像:Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

AppleとGoogleの新型コロナ追跡システムQ&A

先週、Apple(アップル)とGoogle(グーグル)は、新型コロナウイルス陽性者との接触を確認するためのオプトイン、分散方式の追跡ツールを共同開発することを発表した。

このシステムは本人が許可した場合にのみ作動するオプトイン方式で、Bluetoothを使ってランダム化匿名化された識別子を近くの端末に送信する。ユーザーは自分の匿名化されたデータをアップロードすることが可能で、そこから他の端末に広域発信される。近くの端末との距離と滞在時間に基づき、ユーザーにはウイルスに感染した人と接触した可能性があることが告げられる(個人を特定する情報は知らされない)。

これはMITの研究者らが考案したやはりBluetoothを使って匿名で感染の可能性を他の人に知らせるシステムに似ている。MITのシステムもApple、Googleの新たな取組と同様、位置情報データの利用は回避している。

接触者追跡は一部の国々ではある程度効果が証明されており、当局が感染の中心地を見つけるのに役立っている。しかしプライバシー団体とセキュリティー専門家は、ウイルス感染拡大と戦う個人の権利がプライバシーに優先されることに懸念を抱いている。AppleとGoogleは、このサービスはプライバシーを重視していると言っている。同システムは位置情報データを使わず、乱数化された識別子は15分毎に変更されて追跡を防いでおり、収集されたデータはすべて端末上で処理され、ユーザーが意図的にシェアしない限り端末から外に出ることはない。

しかしセキュリティーやプライバシーの専門家は、システムの潜在的欠陥をすぐに指摘した。元FTC(連邦通信委員会)のチーフ・テクノロジスト、Ashkan Soltani氏は、偽陽性だけでなく偽陰性の可能性を警告している。暗号化メッセージングアプリ、Signal(シグナル)のファウンダー、Moxie Marlinspike氏も、システムが不正利用される可能性に懸念を表明した。

TechCrunchは、AppleとGoogleの代表者とのリモート会見に参加した。記者は両社の新型コロナウイルス追跡の取り組みについて質問する機会を得た。

質疑の内容は以下の通り:

iOS、Androidのどのバージョンで新機能を使えるのか?

Appleは最大限の数のiOS端末にアップデートを提供すると答えた。iPhoneとiPadの3/4以上が最新バージョンのiOS 13を搭載しておりアップデートを受けることができる。GoogleはAndroidの中核部分であるGoogle Play Servicesをアップデートし、最近アップデートされた端末だけでなく、Android 6.0以降を搭載する全Android端末で接触者追跡システムが動作すると答えた。

この追跡システムはいつから使えるのか?

AppleとGoogleはソフトウェアアップデートを5月中旬から配布して接触者追跡の支援を開始すると言った。公共保健機関は自らの専用アプリに接触者追跡APIを組み込み、ユーザーはそのアプリをAppleとGoogleのアプリストアからダウンロードできる。二社は近々、接触者追跡機能をiOSとAndroidに組み込む予定であり、ユーザーはアプリをインストールする必要もなくなると言った。そうなればもっと多くの人たちがこのシステムを使うようになる、と両社は語った。

ただし、接触者追跡機能がOSのシステムレベルに組み込まれた場合でも、陽性者とのマッチングが検出された場合に接触者追跡プロセスの追加情報や次にすべきことなどを知るためには、地域向けの公衆衛生アプリをダウンロードする必要がある。

このAPIを他の誰かが使う可能性はあるか?

両社によると、接触者追跡APIのアクセスが許されるのは公共衛生当局のみである。

この限定APIの利用は、個人の健康情報を医師など資格を持つ医療専門家にのみ提供するのと同じ精神で制限される。APIの利用は認定された公共保健機関のみに制限され、国または地域でその組織を指定する責任のある政府によって認定される。何をもって正当な公共衛生機関と認めるかについては対立が生じる可能性があり場合によっては国と州当局の間でも一致しないかもしれないので、AppleとGoogleはプラットフォーム運営者として微妙な立場に立たされる可能性がある。

なんらかのデータが中央データベースに保存されることはあるのか?

Appleによるとデータはユーザーの端末上で処理され、そのデータは世界中の保健機関が運営するサーバーを「中継」され、中央に集約されることはない。テックの巨人たちは、データが分散化されることで政府が監視することははるかに困難担っていると言っている。

それはAppleとGoogleと公共保健機関はデータをアクセスできるという意味か?

AppleとGoogleは、完全に機密なシステムは存在しないことを認めた。「ハックされない」ものはない、ということはサイバーセキュリティーでは広く知られている概念だ。サーバーが侵入を受ける可能性はあり、データがなくなることもありうる。ただし、データを分散化することで、悪意をもってデータをアクセスすることははるかに困難になっている、と両社は言った。

人々が虚偽の報告をするのをどうやって防ぐのか?

両社は診断の検証について複数の公共保健機関と共同で作業していると語った。AppleとGoogleは、ユーザーにはシステムを信用してほしい、システムが信頼できることもユーザーに知ってほしい、と語った。

確認された新型コロナウイルス感染をどうやって識別するのか?

AppleとGoogleは、陽性の検査結果は症例を識別する最善の方法だが、必ずしも唯一の方法ではないと指摘する。実際、医療専門家の診断にウイルスの存在を具体的に示す陽性検査結果は必須ではない。理論的には、公共保健機関が判断基準を下げ、たとえば症状発現に基づく診断のみを必要とすることもありうる。

両テック巨人ともに、接触者追跡が効果を発揮するためには、集団内で高度な症例識別が行われる必要があることを認めているが、他の感染識別方法が地域の保健機関によって十分信頼できると判断されれば、高度な症例識別が必ずしも広範囲の検査を意味するものではない、という可能性も残している。

このシステムを信頼すべきか?

簡単な答えはない。AppleとGoogleは何もないよりはまし、というシステムを作ったように見えるが、これはユーザーの信頼を相当に必要とするシステムだ。あなたはAppleとGoogleが、彼ら自身あるいは政府による不正使用にも耐えうるシステムを作ったと信じる必要がある。信用しないのであれば、使う必要はない。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

自宅学習のニーズに応えるコンテンツハブ「NatGeo@Home」をナショジオが開設

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新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行によって全米のほとんどで学校が閉鎖となり、その結果現在5500万人以上の生徒が自宅での学習を余儀なくされている。このため、ホームスクール向けのリソースへの需要が高まっていた。現在ナショナルジオグラフィックは新たなオンラインハブ、NatGeo@Homeを開設することでこのニーズに対応している。これはナショナルジオグラフィックのファミリー向け教育コンテンツをすべてまとめた、保護者や教師のためのワンストップショップである。

無料のデジタルリソースは、ナショナルジオグラフィック協会の教育コンテンツとナショナルジオグラフィックキッズおよび他のツールやサービスの教育コンテンツを組み合わせたものだ。これには、読み物、授業、ビデオ、その他のオインラインアクティビティなどの教育コンテンツを利用できるナショナルジオグラフィック協会のLearn at Homeポータルへのアクセスが含まれている。

幼稚園生から高校3年生を対象にしたコンテンツは学年ごとにまとめられ、読み物なのか、ビデオなのか、アクティビティなのかに応じて「読む」「見る」「遊ぶ」のいずれかがタグ付けされている。サインインすれば、保護者や教師は自らのライブラリに気に入った授業プランを保存できる。

この新たなサイトは、環境保護活動家、科学者、映画製作者、探検家、その他の専門家のライブビデオトークが提供されるExplorer Classroomのホームでもある。これは、北米東部夏時間(EDT)の平日午後2時から放送される。これらの専門家によるトークでは野生動物、海洋保護、写真、宇宙探査などのトピックが取り上げられる。

教育的リソースに加え、同ポータルは家族向けに、オンライン学習の進め方や新型コロナウイルスについてどのように子供に話すべきかなどの情報やアドバイスを提供している。最近の読み物には、子供とともに過ごしながら在宅勤務する方法や、子供たちからの質問に答えるためにまず自分自身が複雑な健康危機を理解する必要がある保護者向けの「コロナウイルス101」という解説コンテンツもある。

また同ポータルは、ディズニー、ピクサー、スターウォーズ、マーベル、ナショナルジオグラフィックなど、ディズニーの全資産から、物語、ビデオ、アクティビティを集めたディズニーの新しいファミリー向けウェブサイト、#DisneyMagicMomentsの一部としても注目されている。

NatGeo@Homeの設立声明の中で、ナショナルジオグラフィックキッズの編集長兼副社長であるRachel Buchholz(レイチェル・バックホルツ)氏は「仕事と子供の学校生活を両立させるのはとても大変です。大変多くの家族が経験していることですが、この2つの世界が衝突した時、いくつもの問題が積み重なります。そのため、私達の目標は全ての年齢の子どもたちの教育を継続させ、楽しませ、鼓舞して、将来彼らが世界を担う人物になるのを支援することです」 と、述べている。

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最近ホームスクール向けのリソースを立ち上げた組織は、ディズニーだけではない。子供向けメディアの非営利団体であるCommon Senseは、先週、年齢に即した教育的アクティビティや日課表を含む保護者や教師向けの包括的リソースを集めた、Wide Open Schoolを開始したばかりだ。ナショナルジオグラフィックはパートナーの1人として、この取り組みの一端を担っている。

Wide Open SchoolのパートナーであるAppleも、学校や教師がAppleデバイスを用いたリモート学習を最大限利用できるよう設計されたビデオコレクション、Apple Education Learning Seriesを開設した。ComcastもCommon Senseと連携し、Xfinity登録者向けに約2000時間におよぶ教育プログラムを利用できるようにした。

ナショナルジオグラフィックの場合は、COVID-19が大流行する前から、その教育コンテンツが教室での学習を補足するものとして全米の多数の教師にすでに活用されていた。そのため、同組織がホームスクールカリキュラムのギャップを埋めるために取り組むことは理にかなっている 。

将来学校が再開したらどこかの時点で無料ではなくなる可能性はあるが、NatGeo@Homeは現在無料で利用可能だ。

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(翻訳: Dragonfly)

Googleは偽情報の多いインドで主要アプリ総動員の正しい新型コロナ情報を提供

Googleの月曜日(米国時間4/13)の発表によると、同社はインドで、コロナウイルス関連のアップデートをまとめたWebサイトを立ち上げ、また検索とYouTubeでは、インド厚生省などの権威ある機関からの情報とユーザーの地元の詳細情報を目立たせることになった。

またGoogle Mapsと検索では、インドの30あまりの都市の1500以上の食事とベッドが提供されるシェルターをガイドする。Googleによると、インドに何百万人もいる出稼ぎ労働者は、政府が疫病対策として都市の3週間のロックダウンを命じたため仕事を失い、帰郷を始めている。

これらのシェルターは、Google Assistantに英語かヒンズー語で“food shelters”と尋ねても見つかる。Assistantはスマートフォンや、KaiOSを使っているフィーチャーフォン、あるいはVodafone-Ideaの電話回線から利用できる(インドのそのほかの言語もサポートを準備している)。

Googleはカリフォルニア州マウンテンビューに本社のあるアメリカの大企業だが、同社にとってインドは重要な海外市場のひとつだ。同社は各国の保健医療行政の意思決定を助けるために、COVID-19 Community Mobility Reports(各地の人の移動に関する情報)を発行している(日本版)。このレポートは、公園、駅、食料品店などの公共的な場所における交通や人の移動の、最近数週間の変化を、グラフで報告している。

Mapsでは、Nearby Spotという案内表示により、食料品や生活必需品を売っているインド各地のお店を見つけやすくしている。

YouTubeと検索は、重要なニュースやインド厚生省からの情報、および症状と予防と治療に関するそのほかの権威あるコンテンツを一箇所にまとめて見せている。またYouTubeがそのホームページにローンチした「Coronavirus News Shelf」(コロナウイルスのニュース集)は、このアウトブレークに関する権威あるメディアからの最新ニュースを集めている。

最近の数週間でGoogle Pay、Walmart PhonePe、Paytmなどの決済サービスは、コロナウイルスと戦うインドの首相ナレンドラ・モディ氏のファンドに簡単に寄付できるようになった。Googleによると、同社の決済サービスからの寄付の総額は1300万ドルを超えた。

以上のようなさまざまな措置により、インドを何年も苦しめているもう一つのアウトブレーク、すなわち偽情報の封じ込めができるだろう。メッセージングサービスには、政府がやっていることに対する、勝手な想像に基づく嘘の情報や、この疫病を広めている犯人、昔からある民間療法など、いい加減な情報が溢れている。しかも、こういった出鱈目を、一部のテレビニュースが真実として報じ、それがインドの数億の人びとに伝わっている。

しかし中でもインドでいちばん人気のあるメッセージングサービスWhatsAppは、この感染症に関する情報を一層充実させようしている

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Price.comが新型コロナで品薄の商品在庫を表示する機能を追加

商品比較ウェブサイトPrice.comと、関連するブラウザエクステンションを展開しているPrice Technologies(プライス・テクノロジーズ)は、新型コロナウイルス(COVID-19)により米国で供給が不足しているいくつかの必需品の在庫を表示する機能を追加する。

アスピリン(消炎鎮痛剤)、アセトアミノフェン(解熱鎮痛薬)、ティッシュ、手指消毒剤、イブプロフェン(非ステロイド系消炎鎮痛薬)、お米、石けん、スープ、トイレットペーパー、その他のアイテムのオンライン店舗の在庫がPrice Technologiesのウェブサイトに表示されるようになる。

「我々は、新型コロナウイルス関連必需品がいかにオンラインで入手しにくくなっているのかを追跡してきた」と同社はブログに書いている。「そして今、そうした必需品の在庫状況をリアルタイムでアップデートする。この機能の初期バージョンを立ち上げていて、今後数週間で機能を拡大・洗練する計画だ」。

2016年に始まったPrice.comは、PayPalに2019年買収されたオンラインディスカウントショッピングHoneyのようなサービスと競合する。

Crunchbaseによると、Price.comは500 Startupsの創業者Dave McClure(デイブ・マクルーア)氏、Plug and Play Ventures、Social Capital、VentureSouqなど多くのアーリーステージ投資家の支援を受けている。

画像クレジット: Kirsten Korosec

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(翻訳:Mizoguchi

アマゾンがオンライン食料品店の新規利用者を順番待ちに

Amazon(アマゾン)は、同社のオンライン食料品店の新規顧客の申し込みを一時中止した。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる食料品配送サービスの需要増加のためだ。同社は米国時間4月13日に、Amazon Fresh(アマゾン・フレッシュ)およびWhole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)の配送・受け取りサービスを利用したい顧客を順番待ち名簿に載せると発表した。順番待ちの利用者は、毎週Amazonの処理能力増加に合わせてショッピングに招待される。

また同社は、この時期のオンライン注文に対応するために、一部のWhole Foods店舗の営業時間を変更すると発表した。カリフォルニア州ウッドランドヒルズのAmazon店舗は、現在一時的にオンライン専門店舗として使用されており、来店客を受け付けていない。

Amazonは新型コロナ危機が始まって以来、増加する需要に対応するためにいくつもの取り組みを行っている。過去数週間でオンライン食料品受け取り対応店舗を80から150に増やし、さらに同サービスの拡大を続けている。また、Amazon FreshとWhole Foods Marketのウェブページで1日の配達時間枠を公表して、利用者が選びやすくした。米国農務省とも協力して、SNAP(一般にフードスタンプと呼ばれる低所得者向け食糧支援サービス)のオンライン利用対象にアラバマ、アイオワ、ネブラスカ、ニューヨーク、オレゴン、ワシントンの各州を追加し、今後も拡大していく計画だ。

しかしオンライン食料品販売の需要増加はAmazonだけのことではない。

新型コロナ感染拡大で数百万人の米国人が自宅待機を要請されている今、多くの人々が店舗での買い物の代わりにオンライン食料品店に目を向け始めている。先週食料品配送サービスのInstacart(インスタカート)はいくつかの新機能を追加して、記録的な需要に応えるべく配送枠の空きを増やそうとしている。一方、Walmart(ウォルマート)の食料品アプリは過去最多のダウンロード数を記録し、アプリランキングで一時Amazonを抜いた。

記録的な需要増加は、この業界の負担も高めており、InstacartShipt(シップト)では一部の社員が抗議のストライキを行った。しかし、多くの失業者が雇用されることになった現在、要求が聞き入れられる可能性はいっそう低くなっている。

Amazonは3月に、食料品配送をはじめとする需要増加に応えるために10万人以上を雇用し、新型コロナ危機の期間に従業員とパートナーを支援するために3億5000万ドル(約377億円)以上を投資する計画があることを発表した。新規雇用によってAmazonは在庫を維持し顧客への配送を早くするだけでなく、配送時間枠の拡大も行う。

米国時間4月13日にAmazonは、当初宣言した10万人の雇用は米国各地で働く新規従業員で満たされたことを発表した。増え続ける需要に対応するために、同社はさらに7万5000人分の雇用を創出する。病院やレストラン、旅行などの業界で職を失った人々など誰の応募も歓迎であり、小売や倉庫の経験者に限らないとしている。

またAmazonは、当初3億5000万ドル(約377億円)と予測していた給与支払い額の増額が、5億ドル(約538億円)以上になるだろうという。

オンライン食料品販売の消費者需要増加は業界全体で見られる現象だが、Amazonは需要増加だけが新規顧客を順番待ちにする理由ではないと指摘する。同社は店舗と倉庫の安全確保に必要な手続きによって、ここ数週間の配送サービスの能力増加に限界が生じていることも理由のひとつだと語った。

画像クレジット:Amazon

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イタリアの都市で家に閉じ込められた人びとがクラウドソーシングによる光害調査に参加

多くの人びとが家に閉じ込められている今の事態が、奇妙な幸運を招いている。イタリアでは住民たちがバルコニーに出て歌を歌っていたが、その同じバルコニーを、ちょっとした市民科学の機会ととらえた研究者たちがいる。

イタリア学術会議が始めたこのプロジェクトは、この国の光害の広範囲な標本を取ることをねらっている。家の外の光がどれだけ家の中に入ってくるかを表す「光侵害」(light trespass)の問題は通常、それらの家にアクセスしないと計測できない。そこで今回彼らは、その情報を家の住民に集めてもらうことにした。

大量のデータポイントだ!

2週間前にはおよそ7000名のイタリア人が、自分のスマートフォンとアプリを使って、この実験の初回に参加した。彼らがやるべきことは、自分の家の明かりをすべて消し、窓またはバルコニーへ行き、そこから見えるいちばん明るい光源にスマートフォンを向けることだった。

得られた結果によると、イタリアの都市の平均的光侵害の大きさは、田舎のほぼ倍だった。意外とは言えないけど、こんな当たり前のような結論でも、ちゃんと定量化でき、証拠が得られたことは重要だ。明るいといっても、どれくらい明るいのか?それはどんな明かりか?…今後もっとデータが集まればこんな基本的な疑問にも具体的な答が得られるだろう。

この実験を組織したグループの一人、Alessandro Farini氏が、Nature誌にこう語っている: 「この実験で私たちは、計測技術を一般市民に身近なものにしたかった。市民が計測の複雑な過程を知り、ものごとの科学的なやり方に参加できるようにしたかった」。今、研究者たちにさらなる情報を求めているので、得られ次第ご報告したい。

関連記事: 衛星コンステレーションによる夜空の光汚染を天文学者たちが懸念

この実験が大成功だったので、#scienzasulbalcone(バルコニー上の科学)の人びとはアンコールをやった。彼らは先週新しい計測をして、さらに最後の計測を明日(米国時間4/14)の夜やる予定だ。参加者へのインストラクションも改訂して、彼らが送るデータの性格を表せるようにした。

参加者は、ワット数が分かる電球を見つけるよう求められる。そして、その電球だけが点いている場所でスマートフォンの周辺光センサーに光量を計測させ、スマートフォンの光計測機能を調整する。すると各スマートフォンの性能にばらつきがあっても、均一に光量を計測し報告できるようになる。そして窓やバルコニーへ行って外の光量を計測し、結果を報告できる。

もっと詳しく知りたい人のために、イタリア語のインストラクションがここにある。英語版もあるが、まだそれはグローバルな取り組みではない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アマゾンが新型コロナによる需要増加対応で7万5000人を追加雇用

Amazonは、既に過去4週間で10万人以上を新規雇用して、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的なパンデミックによる需要増加に対応しているが、米国で7万5000人のフルタイムおよびパートタイムの従業員を追加採用する。同社は米国時間4月13日のブログ記事でこの追加雇用について公表したほか、需要の急増に対応して給与支払いの総額を5億ドル(約538億円)以上に増額することも発表した。

同社はこの雇用によって、新型コロナ・パンデミックによる経済危機のために起きている失業や一時解雇の影響を少しでも緩和できることを期待していると語った。Amazonはこの雇用枠を「状況が正常に戻り、以前の雇用者が呼び戻してくれるまで」働きたい人の選択肢として位置づけている。

同社は新規および既存従業員の「安全、給与、福祉」のための投資を引き続き強化していくと語っている。オンライン小売の巨人はこの取り組みの詳細について、配送センターおよびWhole Foods店舗における体温検査、従業員へのマスクの配布、これらの実践の日常的監視の導入などを行うという。

Amazonの施設で働く人々は、さまざまな行動を起こして、会社の作業環境に対する抗議し、健康・安全面の行動規範の改善の訴えている。いくつかの倉庫では作業者はすでに新型コロナウイルス陽性を示しており、最近CEOのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が配送作業員との結束を示すために訪れた施設でも感染者が出ている。

画像クレジット:Johannes EISELE / AFP / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

加熱するインドのモバイル決済市場で奮闘するスタートアップ

インドで最も収益のあるスタートアップ企業はPaytm(ペイティーエム)である。その創業者でありCEOのVijay Shekhar Sharma(ヴィジェイ・シェカール・シャルマ)氏は、最近の記者会見で以下の現実的な質問を投げかけた。

「デジタルモバイル決済対応の商業モデルについてどう考えるか。どのように収益を上げるか?」シャルマ氏が問いかけた相手は、国内でデジタル決済の革命をもたらしたUnified Payments Interface(UPI、統合決済インタフェース)の主要設計者の一人であるNandan Nilekani(ナンダン・ニレカニ)氏だ。

これは、多数の地元のスタートアップ企業および国際的な大手企業が答えを求める何十億ドルもの価値のある質問である。そのうち多くの企業は積極的に、小売業者へのサービス提供、融資商品やその他の金融サービス構築に焦点を移している。

2016年後半、現金に支配されていたこの国でニューデリー当局が多くの紙幣を無効にした。この突然の動きは、何億もの人々を数カ月にわたりATMに向かわせた。

PaytmMobiKwik(モビクイック)といった少数のスタートアップ企業にとって、この現金危機は、たった数ヶ月間で何千万ものユーザーを獲得できることを意味していた。

PaytmやMobiKwikの初期のシステムとは異なり、インドは銀行間での決済インフラを整備するために銀行と協力し、利用者と銀行間の仲介者としての「モバイルウォレット」の役割を果たすのではなく、ユーザーの銀行口座間で直接取引が行えるように働いた。

シリコンバレーの各社はすぐこれに注目した。何年にもわたって、Googleやその手の企業は、何億ものユーザーを擁する多くのアジアやアフリカ市場での決済行動を変えるように試行を重ねてきた。

例えば、パキスタンでは、ほとんどの人が電話通話やインターネットにアクセスするためのクレジット額を増やしたいとき、いまだに近所の店に駆けつける

中国は外資系企業に対して門戸を閉ざしているが、インドでは多くの米国大手企業が数十億ドルを投入して、さらなる数十億のユーザーを探している。これはほぼ自明なニーズだった。

「中国とは異なり、私達は国内外の中小企業と大手企業に均等な機会を提供してきた」とUPIの背後にある決済機関であるNPCIのCEOであるDilip Asbe(ディリップ・アスベ)氏は語った。

それゆえ、インドでの大いなる実験への参加レースが始まったのだ。投資家もこれに追従している。CBInsightsという調査会社によると、インドのフィンテックスタートアップ企業は昨年、27億4000万ドル(約2959億円)を調達した。ライバルの中国での調達額は36億6000万ドル(約3950億円)だった。

また、5億人以上のインターネットユーザーを擁する市場における賭けは、すでに成功し始めた。

非営利団体でボランティアとして決済インフラの開発支援を行ったことのあるNikhil Kumar(ニキール・クマール)氏は、あるインタビューで、「UPIをプラットホームとして見た場合、この種の成長はかつて見たことがない」と語った。

創設からちょうど3年後となる10月、UPIは1億人のユーザーを集めて、10億件を超える取引を処理した。それは、先月に国の最大の銀行が破綻したにもかかわらず、3月において12億5000万件の取引に達した以来、その成長が持続している。

「それはすべて、それが解決しつつある問題に行き着く。欧米市場を見ると、デジタル決済は主に個人が加盟店に送金することに焦点を合わせている。UPIはそれを実現するだけでなく、P2P決済や、幅広いアプリ間での決済も可能にしている。相互運用が可能なのだ」と、クマール氏は語った。彼は現在、中小企業が容易にデジタル決済を受け入れやすくするためのAPIを開発する、Setu(セツ)と呼ばれるスタートアップ企業で働いている。

2017年9月18日、GoogleのNext Billion Users担当副社長のCaesar Sengupta(シーザー・セングプタ)氏はGoogleのデジタル決済用モバイルアプリ「Tez」をニューデリーでリリース発表(写真:Getty Images via AFP PHOTO / SAJJAD HUSSAIN)

Google Payアプリは、6700万人を上回る月間アクティブユーザーを擁している。同社はUPIパイプラインが大変魅力的であることに気付き、米国でも同様のインフラを構築するよう推奨している。

8月、連邦準備銀行(FRB)は国内におけるより高速の支払に対応する、新たな24時間体制の銀行間即時グロス決済サービスの開発を提案した。11月、Googleは米国FRBにUPIのような即時決済プラットホームを導入するよう推奨した

「たった3年間で、UPIを通して流れる取引の年間ランレートは、約190億ドル(約2兆530億円)と見積もられた8億件の月間取引を含めて、インドの国内総生産の約19%になった」と、GoogleのGovernment Affairs and Public Policy担当副社長のMark Isakowitz(マーク・イサコヴィッツ)氏は書いた。

Paytm自身は、毎年Paytmを使って取引をする1億5000万人を超えるユーザーを集めた。当プラットホームは全体的に3億のモバイルウォレットアカウントおよび5500万の銀行アカウントを擁しているとシャルマは語った。

ビジネスモデルの追求

しかし、1億人を超えるユーザーが設置しているにもかかわらず、決済会社は、利益を上げるどころか損失を減らすために奮闘している。

昨年末のベンガルールのイベントにおいて、Google PayおよびNext Billion User Initiativesの責任者およびビジネスチーフであるSajith Sivanandan(サジット・シヴァナンダン)氏は、現在のインドでの国内規則では、Google Payはクリアなビジネスモデルなしで運営することを余儀なくされていると語った。

モバイル決済会社は、国内で版図を拡張する戦略として、ユーザーからはいかなる料金も取り立てなかった。政府からの最近の指令は、ユーザーと業者の間でUPI取引を利用することを促進するための決済会社への優待を終らせた。

Googleのシヴァナンダンは、すべての利害関係者に対して運営によるインセンティブを保証するために、「決済業者が利益を上げる方法を見つけること」を地元の決済機関に強く要請した。

今までに30億ドル以上を集めPaytmは、2019年3月末の会計年度に5億4900万ドル(約590億)の損失を報告した。

ソフトバンクとAlibaba(アリババ)によって支援された同社は近年、Paytm Mall、eコマースベンチャー、ソーシャルコマース、金融サービスツールであるPaytm Money、および映画・チケット発売のカテゴリーを含むいくつかの新しいビジネスへと拡張した。

今年、Paytmは加盟店へのサービスを拡充し、電卓とバッテリーパック装備のQRチェックアウト・コード表示スタンド、音声確認機能で取引を行えるポータブルスピーカー、およびスキャナ・プリンタ内蔵のPOSマシンなど新しいガジェットを発表した。

TechCrunchとのインタビューにおいて、シャルマはこれらの機器はすでに加盟店から相当な需要を獲得していると語った。同社は、これらのガジェットをサブスクリプションサービスの一環として提供しており、安定した収益の確保に貢献している。

賃貸、保険、および投資サービスを提供する同社のMoneyツールは300万人を超えるユーザーを集めた。この件に詳しい、今週会社を退職したPaytm Moneyのチーフ、Pravin Jadhav(プラヴィン・ジャダヴ)氏は語った。Paytmのスポークスマンはコメントを控えている(インドのニュース元であるEntrackrはその後の展開を初めて報告している)。

インドの決済市場の別の主要なプレーヤーであるFlipkart(フリップカート)のモバイル決済サービスPhonePe(フォンペ)は、現在1億7500万人を超えるユーザーと800万人を超える業者にサービスを提供している。同社の共同設立者およびCTOであるRahul Chari(ラウール・チャリ)氏は、「このアプリは、他のビジネスがユーザーにリーチするプラットフォームとして役立つ」とTechCrunchとのインタビューで説明した。そのアプリの不動産対象部分は削減されていないと彼は付け加えた。

しかし、スタートアップ企業が新しいカテゴリーへ拡大することは、現在、いっそうより多くのライバルに直面し、しっかりした足場を得るにはより多くの金銭が必要とされることを意味している。例えば、ソーシャルコマース分野において、PaytmはNaspers(ナスパーズ)の支援するMeesho(ミーショー)数社の新規参入企業が競合しており、強力な支援を受けているOkCredit(オーケークレディット)とKhataBook(カタブック)が現在の簿記市場をリードしている。

2カ月前に7500万ドル(約80億円)を集めたBharatPe(バラットペ)は、家族経営の店舗をデジタル化し、運営資金を提供している。そして、すでにユニコーン企業となったPineLabs(パインラブス)、そしてMSwipe(エムスワイプ)はそれぞれのPOSマシンで市場を満たした。

2017年2月4日土曜日、インドのベンガルールの道端にある屋台で、その店主がM-Swipe Technologies Pvt提供のMswipe端末を持って写真に納まっている(撮影:Dhiraj Singh/Bloomberg via Getty Images)

「彼らには選択肢がない。支払いは、現金化できるe-コマースや賃貸などのビジネスへのゲートウェイだ。Paytmの場合、同社の初期の賭けはPaytm Mallだった」とConvergence Catalystという調査会社の創立者かつチーフアナリストであるJayanth Kolla(ジャヤント・コーラ)氏は語った。

しかし、Paytm MallはAmazon IndiaおよびWalmartのFlipkartという巨人との競争で奮闘した。昨年、Mallはオフラインからオンラインおよびオンラインからオフラインというモデルに転向し、顧客による発注は地元のストアからサービスを受けるようにした。また、会社は昨年eBayから約1億6000万ドル(約170億円)を獲得した。

以前に、Paytm Mallで働いていた上層管理者は、「そのゴールポストが長年の間に常に移動しているので、ベンチャーが成長すべく奮闘している」と語った。最近は車の所有者が高速道路料金を素早く決済できるFASTag(ファスタグ)というシステム販売に力を入れ始めている。事情に詳しい関係者は、企業の少なくともあと2人の上層部が離れようとしていると語った。

コーラは、現在100を超える企業が同じ観衆を追っている、インドのモバイル決済市場の力関係は、10年以上前からの国内通信事業市場を彷彿させると語った。

「テレコム市場に4〜5人のプレーヤーしかいなかった時は、高収益になるという彼らの期待はずっと高いものだった。彼らはものすごい勢いでスケーリングしていた。それらは世界で最低のARPU(約2ドル、約200円)とともに成長し、それでも高収益だった」

「しかし、参入者が一夜にして十数まで増加し、新しいプレーヤーがより手頃なプランを加入者に提供し始めた瞬間、収益性が不確定になり始めたのだ」と彼は語った。

それをしめくくるものとして、インドで最も富裕な人物によって経営されたテレコムオペレータであるReliance Jioが2016年に参入、世界で最安価の関税計画が実施された国内で、再度市場をひっくり返し、何人かのプレーヤーに市場を去るか、破産を宣言するか、資本を強化することを余儀なくさせた。

インドのモバイル決済市場は現在同様な経過をたどっているとコーラ氏は語った。

クレディ・スイスの試算では2023年までに1兆ドル(約108兆円)に成長するとされるインドのモバイル決済市場で、そのシェアを争う十分な数のプレーヤーがいなかったならば、インド国内で4億人を超えるユーザーを擁する最も人気のあるアプリWhatsAppが、数カ月以内にインドでモバイル決済サービスを展開することになる。

関連記事:WhatsAppの世界最大のマーケットであるインドのユーザー数は4億人

前述の記者会見では、ニレカニ氏はシャルマ氏およびその他プレーヤーに賃貸のような財務サービスに焦点を合わせるよう助言している。

不幸なことに、ニューデリーで先月から3週間のロックダウンが命じられることとなった新型コロナウイルスの感染拡大は、何百万人もの人々がこうしたサービスを利用する能力に影響を与えることになりそうである。

「インドは、1億を超えるマイクロファイナンス口座があり、街角で野菜の行商をしたり、モールで売られているサリーに刺繍をしたりするような、ギグエコノミーの労働者が毎週現金でサービスを提供している。労働者の4人に3人が、他人のため、または家族経営の会社や農場で気軽に働くことで生計を立てている。「長期のシャットダウンは、2兆1000億ルピー(285億ドル、約3兆750億円)の負債を返済する彼らの能力を損い、世界最大のマイクロファイナンス産業を危険な状態に追いやるだろう」とBloombergコラムニストであるAndy Mukherjee(アンディ・ムケルジー)氏は記している

画像クレジット: Getty Images

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(翻訳: Dragonfly)