Instagram、Instagram Directを提供開始(特定の相手との交流が可能に)

ニューヨークで行われたプレスイベントにて、InstagramのファウンダーであるKevin Systromがプライベートな写真共有と、メッセージング風サービスを導入するとのアナウンスを行った。サービスの名称をInstagram Directというのだそうだ。

これまでのInstagramは、公開型のソーシャルネットワークだった。Facebookのように相互に繋がった相手とやり取りをすることを目的とするのではなく、ブロードキャストモデルを基本スタンスとして採用していた。今回、Instagram Directを導入したことで、Instagramでもプライベートなやり取りが可能となる。

すなわちフォローしているユーザー同士での、ある種のチャット風やりとりを愉しむことができるようになるのだ。コミュニケーションのきっかけはもちろん写真ないしビデオからスタートということになる。これはInstagram上で実装されるサービスとして当然のことだ。これまでは「いいね」したり、あるいはパブリックなコメントを送ることしかできなかったが、投稿された写真ないし動画に基いて、個人間のメッセージのやり取りが可能となったのだ。

仕組みについてみておこう。

写真を投稿する際(投稿の仕方はこれまでと変わらない)、写真の上に「Followers」と「Direct」という2つのタブが表示されるようになった。

「Direct」を選ぶと、写真を見てもらいたい友だちを選び、そしてそれぞれにメッセージを送ることができるようになっている。送った相手が写真を開くと、送った相手のリスト画面にチェックマークが表示される。ダイレクトに送った写真についても「いいね」することはでき、その画面でチャットのやり取りをすることもできる。

Direct投稿は、一度に15人まで同時に行うことができる。送信時には送る相手のサジェスションも行ってくれるようになっている。

写真を受け取った場合は、アプリケーションの右上にあるインボックスアイコンからメッセージを受け取ることができる。Directの画面からは1対1ないし、写真が送られたグループの人とのチャットを行うことができる。

Instagram上で相互にフォローしあっている人なら、簡単にプライベートなメッセージのやり取りができるようになったわけだ。フォローしていない相手からメッセージが送られてきた場合には、メッセージはすぐには受け取ることができず、ペンディング扱いとなるようになっている。

メッセージの受信に同意すると、それ以降は当該送信者からのメッセージがインボックスに届くようになる。

ちなみに、最初からテキストのみのメッセージを送ることは出来ない。まず写真を送ってからチャットを開始することとなる。

Instagram上ではこれまでも、ある種のプライバシー設定があった。たとえば特定の利用者をブロックするとか、あるいは自分自身のプロフィールをプライベートにするなどといったものだ。プロフィールをプライベートにすると、フォローの申請を承認して、はじめてフォロワーにコンテンツが表示されるようになっていた。

今回のアップデートにより、プライベートに、より親しい人とのやり取りのみを行うようなオプションが登場してきたということもできるだろう。

また、今回のアップデートにより、エンゲージメント獲得の機会を得たということもできよう。お互いの写真をいろいろと見て回った後には、撮影している写真などをきっかけにして、きっと会話も弾むことになるだろうと思われる。

Instagram Directについてのビデオを下に掲載しておく。

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(翻訳:Maeda, H


携帯電話の助成金はもうすぐ終るかもしれない

15年近くにわたって、携帯電話利用者 ― 特にアメリカの ― はある種の経済援助を享受してきた。主要キャリアーによる助成金である。これは、契約にあたって、非常に高価な携帯電話をせいぜい数万円で手に入れることができることを意味しており、数年ごとにその端末を買い換えるインセンティブになっている。こうした助成金は、言論の自由やアップルパイのごとく神から与えられてきたが、そろそろ終りが近づいているかもしれない。
私はこの行動に対する偽りの激怒を扇動しようというのはないが(そもそも行動ですらなく、単にあるカンファレンスでAT&TのCEOが発したコメントだが、オンラインの井戸端では契約と同じ意味をもつ)、裏切りじみてはいる。CEOのRandall Stephensonはこう言った。

当初ビジネスを大きくする時には、人々をネットワークに呼び寄せるために、大胆な端末助成金が必要だ。しかし普及率が90%に近づくにつれ、維持モードに入る。つまり、端末の買い換えが多くなるという意味だ。だからモデルは変わる必要がある。もはやそういう助成を続ける余裕はない。

500ドルの機種を200ドルで買い換えさせる代わりに、AT&Tは既に、買い換えをしない利用者に対して低価格のプランを提供し、買い換えサイクルを従来の18~24ヵ月よりも延ばそうとしている。これは、AT&Tが値引きを考えるより前に、われわれはiPhoneを2世代逃がすことを意味している。もし、そんなことが起きて、それが端末持ち込みが増えることを意味するのであれば。

要するに、われわれは端末助成金が実は架空のものであり、結局はわれわれが月々の請求書で端末代金を払っていることを思い出す必要がある。助成金はまた、米国ユーザーの選択の自由を妨げてきた。ヨーロッパが当初端末の助成を拒んだ ― 現在は世界中殆どのキャリアが助成している ― 結果、プリペイドSIMカード、低価格で簡単な端末、さらにはローミングによる恩恵など、数多くのサービス改善が起きた。端末が数日毎に国境を越えているなら、キャリアーが端末をロックする理由はない。しかし、米国市場は一枚岩だ。めったにローミングすることはなく、安いプリペイドを探すこともない。

私に同意できることが2つあるとすれば、われわれが端末を買い換えすぎることと、ハードウェアメーカーがわれわれを愚かだと思っていることだ。Stephensonは直接口には出さなかったものの、実際には端末メーカーに用意させている。Samsung、HTC、LG、そしてAppleも、いくつかの理由で新機種を発売しなければならない。主として、前進しているイメージを与えるため、そして株主を喜ばせるために。

例えば、この見事に並んだGalaxyスマートフォンを見てほしい。それぞれがAT&Tの次期「無料」端末を運命づけられている。泳ぐのをやめると死んでしまうサメのように、メーカーは、端末を売るのをやめるの死んでしまう。だから端末助成金はメーカーにとって素晴らしい。そして、iPhoneのバージョン毎の緩やかな変化を考えてみれば、われわれにとっては必ずしも素晴らしくない。そこには十分な供給があり、助成金のおかげで、十分な人工的需要がある。

AT&Tの動きは、その無限のサイクルを止めるものだ。しかし、フェアではない。なぜ消費者は、役立たずの機種を3年間使い続けるか何百ドルも払わなくてはいけないのか ― 既に高額なプランに加えて? キャリアはリップサービスで低料金をうたうが、もしあなたが「ベスト」なプランを望むなら、覚悟が必要だ。端末の持ち込みと緩やかな買い換えサイクルを強要するなら、まさしく泣きっ面に蜂だ。

要するにStephensonはこう言っている。かつてAT&Tがまだ顧客を獲得しようとしていた頃は、助成金が有効だった。欲しいだけの顧客が集まった今、助成金はアンフェアである。何が本当に起ころうとしているのだろう? キャリアは端末メーカーとべッドを共にし、そして今別れたがっている。つけを払うのはわれわれだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google、「iPhoneを探す」に対抗してAndroidデバイスマネージャー・アプリをPlayストにリリース

GoogleはAndroidデバイスマネージャーを8月にリリースしたが、奇妙なことにウェブのみのツールで、Androidアプリではなかった。ユーザーはそのため少なからず混乱と不便を強いられた。そのAndroidデバイスマネージャーが遅まきながらPlay Storeにアプリとして登場した。

機能としてはAppleの「iPhoneを探す」アプリとほぼ同等だ。

このアプリはウェブ版同様、Androidの最後に知られている位置、時間、着信をGoogleマップ上に示す。またデバイスをロックしデータを消去することもできる。ウェブ版のツールが発表されたとき多くのユーザーはPlayストアを検索してアプリ版がないことを知り、困惑した。

もちろん理論的にいえば、このサービスはデバイスを失くしたときに役立つのだから、ウェブ版の方が理にかなっている。Androidデバイス上のアプリはそのデバイスを失くしたときにはなんの役にも立たない。それでもAppleが同様のアプリをApp Storeで公開していることもあり、ユーザーは(アプリを探してしまうものだ。

〔日本版:ウェブ版のデバイスマネージャーはこちら。利用にはGoogleアカウントへのログインと事前のデバイス登録が必要〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


匿名で「ささやき」をシェアするWhisper、トピックス機能を実装して使い勝手が大幅アップ

Sequoiaなどが出資するWhisperは、匿名で「ささやき」(whisper)を共有するソーシャルネットワーク(secret sharing application)だ。このWhisperが新版のアプリケーションをリリースした。いろいろなトピックス(タグ)を検索してブラウズできるようにしたものだ。また、「ささやき」を簡単に作成できるようにする、新しい仕組みも導入している。

ちなみにWhisperは、写真とテキストを一緒にして、個人的な「ささやき」を共有するためのツールだ。ウェブサイトではPostSecretというものがずいぶん前から存在するが、そのモバイルアプリケーション版といったイメージだ。匿名で「ささやき」を公開できるので、他の人にどう思われるかとか、あるいは個人的な評判に影響を与えてしまうのではないかというようなことは心配せずに利用することができる。

サービスのスタートは今年初めの頃で、そこから急速な成長を遂げている。月間ページビューも、5月時点の15億から伸びて、現在では30億に達している。利用者は、他の人の「ささやき」を閲覧するのに30分以上を費やしている。

最新版では「ささやき」を投稿する際には、システム側で自動的に関連トピックスを検知して、投稿にタグ付けを行ってくれるようになっている。さらに投稿に付加する写真までも自動的に探しだしてきてくれるのだ。もちろん提示された写真が気に入らなければ、他の写真を探したり、あるいは自前のライブラリから写真をアップロードすることもできる。

こうした機能強化により、一層多くの「ささやき」が投稿されるようにもなることだろう。但し、同じ範疇に入る他のアプリケーション同様、Whisperの利用者もコンテンツを投稿するよりも、むしろ他の人の作成した「ささやき」を愉しむ方に軸足をおいている。自分で「ささやき」を投稿することよりも、他の人のひそかな投稿を見ることの方に面白さを感じているわけだ。

これまで、そうした人にとってのオプションは3つしかなかった。新しい「ささやき」から見ていくか、最もポピュラーなものを見ていくか、あるいは近くにいる人の投稿を閲覧するかだ。しかし今回のアップデートにより、自分の興味に基いて見ていくということができるようになったわけだ。

「これまでは膨大なコンテンツを充分に愉しむことができない状態になってしまっていました。興味の持てないものも見ていかざるを得ないという仕組みになっていたのです」と、CEOのMichael Heywardが電話インタビューでこたえてくれた。「利用する人に応じた、それぞれに適したコンテンツを提供する方法を構築することが急務だったのです」。

今回のアップデートで、Whispers内をトピックスによって検索していくことが出来るようになった。閲覧者の興味に応じて、自分の求める情報を追い求めていくことが可能となったのだ。単純なことのようにも思えるが、実のところトピックス毎にまとめて読めるようにするためには、バックエンド部分に相当な変更を加えることとなったようだ。

トピックスの種類としては100万種類もある。どのトピックスに属するのかは、見ている「ささやき」の下に記されている(訳注:いわゆるタグの形式で付加されます)。すなわち、検索した場合はもちろん、偶然であった面白そうなトピックについてでも、該当するトピックスを指定することで同じようなテーマの「ささやき」を追いかけることができるわけだ。

「これまでとは異なる魅力を付け加えることができたと思います」とHeywardは言う。「YouTubeでも、特定のストリームないし人気ビデオしか表示できないようなものだったら今ほどの人気を獲得することはなかったでしょう。私たちもYouTubeのように柔軟なコンテンツ選択メカニズムを導入したわけです」とのこと。

トピックス検索の機能が加えられて、かつすべての「ささやき」にトピックスが関連付けられたことにより、登録されている「ささやき」を外部から利用したくなるケースも考えられるようになた。Heywardも、外部から利用できるAPIを用意するのならば、今回のトピックス機能に関連したものになるだろうと話している。

Whisperはロサンゼルスに拠点をおき、現在の従業員数は30名だ。これまでにSequoia Capital、Lightspeed Venture Partners、Trinity Ventures、ShoedazzleのファウンダーであるBrian LeeおよびFlixsterのJoe Greensteinたちから、合計で2400万ドルの資金を調達している。

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(翻訳:Maeda, H


Revolveは手頃な価格で簡単にスマートホームを実現する―モノのインターネット、さらに一歩前進

ホームオートメーションという考えは別に新しいものではない。何十年も前から家庭の器具や設備をインターネットに接続しようとする努力が続けられてきたが、たいていは手間や価格に見合わない効果しか得られなかった。しかしそこに「モノのインターネット」(Internetof Things)が登場した。

スマートスピーカーのSonos、スマート照明のHue、スマートロックのKwiksetなとはどれもロケット科学者でなくても誰でも簡単に設定して利用できるプロダクトだ。箱を開いて説明書のとおりにスマートフォン・アプリをインストールするだけでよい。すばらしい。しかしスマートデバイスの数が増えてくると、それぞれ個別のアプリで操作するのは煩わしくなってくる。

そこにコロラド州ボウルダーに本拠を置くTechStar出身のスタートアップRevolvが登場した。299ドルのデバイスで、家中のスマートデバイスをコントロールするハブとなってくれる。統合スマートホームシステムの完成だ。スマートデバイスが普及するにつれて多数のスマートデバイスを一括してコントロールできるシステムが必須になってくる。Revolvはその最初の重要な試みだ。いわばモノのインターネット実現における「ミッシング・リンク」といえる。

私の家にはNestのサーモスタットWeMo照明スイッチ 、Kwiksetのロックなどのスマートデバイスが設置されている。これまではそれぞれのアプリで個別に管理しなければならなかった。同じ家に設置されていてもスマートデバイス同士はお互いを知らない状態だ。NestはKwiksetと会話できず、したがって玄関のKwiksetが解錠されたらエアコンの温度を上げるようNestに指示することもできない。

Sonosのオーディオシステム、PhilipsのHue照明、Insteon、GEスマートシステムなどが設置された家では話はもっと複雑になる。Revolvは多数のスマートデバイスの管理ダッシュボードを一つにまとめるだけでなく、あらかみめさまざまな自動化マクロが用意されている。

Revolvのスマートアクション機能は意味的に同一の機能をまとめてコントロールできる。たとえばオーナーの位置情報について、家から100ヤード以上離れた場合の動作を複数のデバイスに指定できる。つまりNestに玄関の施錠させ、エアコンを停止し、Sonosには留守番の犬のためのBGMを流させる。逆にオーナーが100ヤード以内に入ったら玄関を解錠し、エアコンを作動させ、Sonosで好みの音楽を流す、などだ。

これにBelkinのWeMo照明スイッチ、PhilipsのHue照明システムなどが加われば応用範囲はさらに広がる。アロマ・キャンドルを温め、足湯を用意し、照明を落としてリラックスして映画を見る雰囲気を作ることもできる。


設定は驚くほど簡単だ。Revolvを電源に接続し、スマートフォンにアプリをインストールする。あとはアプリのガイドに従えばよい。一部のスマートデバイスは自動的にRevolvを認識して接続が完了するが、マニュアル操作が必要なデバイスもある。Kiwkset錠の場合は裏面の小さなボタンをいくつか押す必要があった。

Revolvもまだ完全ではない。たとえばまだ複数のスマートフォンを認識しない。私が家から100ヤード離れると、妻が家にいても自動的にエアコンを切ってしまう。しかしこうした点はすぐに改良されるだろう。

家にスマートフォンでコントロールされるスマートデバイスを複数設置しているならRevolvは文句なしに買いだ。話の種になるだけでも価格だけの価値はある。インストールしたとたんに「あ、これが必要だったのだ!」と読者の頭の上に(漫画の)電球が灯るだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Qualcommが64ビットチップセットSnapdrabon 410を発表, 安価なLTE統合機として途上国市場を席巻か

Qualcommが今日(米国時間12/9)、同社のSnapdragon 410チップセットシリーズを発表した。同社の初の64ビット機だが、それよりおもしろいのは、4G LTEを統合してかつデバイスメーカーが手を出しやすいコストに抑えたことだ。410の製造サンプルの出荷は来年前半を予定、したがって実装機の発売は2014年内もありうる。

最重要の部位は言うまでもなく64ビット対応の部分であり、デベロッパたちは今後のAndroidの処理性能の向上を期待できる。しかしそのLTEのサポートは、今Snapdragon 400を使っているMoto Gのような大衆機でも使えるレベルであり、今後はインドをはじめユーザ人口の多い途上国市場でも実装機が売れるようになるだろうから、デバイスメーカー、アプリデベロッパ、そしてモバイルオペレータの三者に嬉しい状況をもたらす。これまでブロードバンドへのアクセスは収入や生活水準の高い層に限られていたが、LTEアクセスの低価格化は、消費者製品だけに限っても、世界経済に大きな効果をもたらすだろう。

利益を得るのはAndroidだけではない。QualcommはSnapdragon 410の対応OSとしてWindows PhoneとFirefox OSも挙げている。ただし北米地区でおもしろいのは、GoogleがオーナーとなったMotorolaの、これによる再活性化だ。現時点ではNexus 5が4G対応の無契約スマートフォンのベスト機だと思うが、Motorolaは、国内に残る通常携帯のユーザを一挙にLTEスマートフォンのユーザとして一網打尽にできるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Nexus 5はヒットか内野フライアウトか

Nexus 5は、GoogleのモバイルオペレーティングシステムAndroidの最新バージョンKitKatの実装だ。

ハードウェアの外見は平凡で、表は5インチのディスプレイのみ、裏は黒のマットだが、それに対しソフトウェアは、ただ者ではない。

1080pのディスプレイはたいへんよろしくて445ppiだ。Snapdragon 800プロセッサのおかげで、あらゆるものがサクサクなめらかに動く。でも、たぶんいちばん重要なのはNexus 5のカメラだ。ソフトウェアのアップグレードにより、写真がすごくきれいになった。そして、Nexus 5はワイヤレスで充電できる。

このビデオでは、本誌専属のモバイルギークChris VelazcoとJohn BiggsがNexus 5の今後の命運を占う。もちろん、最終的にそれを決めるのはあなただ。Nexus 5はあなたが時間を捧げるにふさわしいか? コメントで教えてほしい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Snapchat、追放されたファウンダーが秘密の訴訟情報を漏洩していると差止め申し立て

「すぐに消えるメッセージ」のアイディアを最初に考えついたと主張する男、Reggie Brownに対してSnapchatは情報漏洩を差し止める仮処分を申し立てた。

今日Snapchatが裁判所に提出した申立書によると、「共同ファウンダーだったが追放された」とされるBrownは秘密の裁判文書を不法にマスコミに漏洩しているとされる。

この申立でSnapchatの訴訟代理人、Quinn Emanuel法律事務所は「Brownは本件訴訟に関連するほとんどすべての文書の公開を禁じる裁判所の保全命令に従おうとしない」と書いている。

Brownは訴訟関連情報を公開したことを認めている(Business Insiderこの宣誓供述ビデオを渡すなど)。「自分には訴訟関連文書を公開する権利があり、今後も公開していくつつもりだ」とBrownが語ったと申立書は主張している。

裁判所が仮処分の申立を認めることになれば、 Brownと弁護人は罰金、法廷侮辱罪その他の罰を受ける可能性がある。また本訴全体を失う危険性さえある。

申立書には「秘密情報が公開されればSnapchatは回復不能の損害を受ける」とある。訴訟文書には将来のビジネスプランや個人情報、数千ページに及ぶ財務情報が含まれているらしい。また申立書にはReggie BrownがGQ誌の独占インタビューを受けることを予定しているとも記載されている。

ちなみにSnapchatの代理人は当初Cooley LLP法律事務所だったが、4月にQuinn Emanuel法律事務所に変えられた。 BrownはQuinn Emanuelはごく短い期間だが、自分の代理をしたことがあるとして忌避を申立てた。数カ月後、裁判所は申立を退けた

ところが最近になって、SnapchatとともにBrownに訴えられている投資家は法律事務所をQuinn EmanuelからDurie Tangri, LLPに変更した。われわれはQuinn EmanuelとDurie Tangriの双方にこの変更の理由を質問中だ。

〔日本版:仮処分の申立書の全文は原文参照〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Apple、iOS 7普及率を74%と発表。AppStoreの利用データによる

先ほどAppleは、iOS App Storeのデベロッパーサイトを更新し、iOSのバージョン別割合を発表した。今やiOS 7は最大勢力となり、iOSデバイス利用者の74%が、9月にiPhone 5s、5cと共にリリースされたこの大改訂版を使っている。

iOS 7の利用は10月から10%上昇しており、これは全OS要素のビジュアルが変わるなど劇的な変更のあったアップデートとしては、注目すべき伸びだ。さらに注目すくべきは、22%のアクティブApp StoreユーザーがiOS 6を使っていることで、合計96%のiOSユーザーがわずか最新2世代のOSを走らせていることになる。未だにバージョンの断片化の著しいAndroidとは対照的だ。

こうした牽引力はデベロッパーにとって朗報だ。少ない労力でアクティブiOSユーザーの大半をターゲットにできる。しかもiOS 7の場合、旧バージョンとの違いがあまりにも大きいため、ほぼ全員近くがこの新しい大集団に入ってくれることは、ことさら重要だ。

外部調査会社も類似の数字を示しており、Chitikaの最新調査によると、北米地域のiPhoneおよびiPadトラフィックの70%がiOS 7から来ている。この導入速度は半年をかけて83%に到達したiOS 6の時よりも早い。これでiOS 7のみを対照にしたアプリも、ユーザー層が制限されることを心配する必要はなさそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


GoogleのAndroidとiOSの音声検索が日本語、ドイツ語、フランス語に対応

Googleの音声検索の歴史は長い。しかし現在まで音声検索をフルにサポートしている言語は英語だけだった(部分的には数十の言語がサポートされている)。つまりGoogleが質問に答える音声は英語だけだった。今日(米国時間12/5)からそれが変わる。Googleは「iOSAndroidの検索アプリで日本語、ドイツ語、フランス語で質問に答えることができるようになった」と発表した

当然だが、これらはGoogleの知識グラフ(Knowledge Graph)がサポートしている言語だ。 それらの言語で質問に答えるためには Googleは質問者の意図を正しく理解しなくてはならない(少なくとも高い確率で正しく推測できる必要がある)。今回の拡張につづいて現在Knowledge Graphがサポートしている他の言語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、イタリア語が近く追加されることになるだろう。

日本語、ドイツ語、フランス語が話せるユーザーはモバイル・デバイスですぐに試すことができる。たとえば、“Wo bekomme ich Kaffee in München?”と尋ねれば、Googleはミュンヘンの有名なコーヒーショップを教えてくれる。

音声回答は現在モバイル版でのみ提供されているが、すべての機能をすべてプラットフォームで同じように提供するというGoogleの方針を考えると、近くウェブ版にも登場する可能性が高い。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebookがモバイル移行するための組織図、ビフォー・アフター

かつてFacebookでは、少人数のチームがウェブサイトをモバイルに移植していたが、過去2年間の組織変更によって、社内の全部門が「モバイルファースト」になった。今日(米国時間12/4)メンローパーク本社で行われた「ホワイトボードセッション」と呼ばれる小規模の記者発表で公開された2つの組織図によって明らかになった。

下に、同社の古い組織図、新しい組織図が順に貼ってある。

旧 Facebookモバイル組織

新 Facebookモバイル組織

これらの図は完全なものではなく、Facebookが運営する一部のサービスや、インフラストラクチャー、測定などの内部チームは載っていない。それでも、この会社が変わった道筋をよく表している。

今は、メッセージ、イベント、写真など、Facebookの主要製品のそれぞれを、一つのコアチームが全インターフェース横断で見ていることがわかる。これによって、各チームは製品に集中できるだけでなく、サービスのコードはチームがすべて保守しているので、様々なインターフェースにコードを再利用できる。

Facebookのモバイル技術責任者、Christian Legnittoは、以前の組織ではFacebookのモバイルチームは「常に追いかけていた」が、今やFacebookのiOSおよびAndroidアプリは「モバイル・ファースト&モバイル・ベスト」だと説明する。

たしかに理論的には良さそうに聞こえるが、Facebookの多くの機能は未だにウェブ第一だ。一番明らかなのは、Facebookが2013年1月に公開したグラフ検索で、モバイルでは公開テストすら行われていない。これは一般ユーザーに公開される ― それがFacebookのゴール ― までにはまだ何ヵ月もかかることを意味している。

それでもFacebookは、以前と比べてはるかに強く速くモバイルに取り組んでいる。

新たな社内組織によって、Facebookは決定的に重要なモバイル開発基盤を構築するリソースも手に入れた。例えば、Legnittoが披露したxctoolは、AppleのiOSやMac製品開発を容易にするxcodebuildを置換えるものだ。Legnittoは、「Appleのツール群は良くできているが、個人開発者向けに作られている。われわれの規模では破綻し始めている」と、月間ユーザー数8.74億人、日間ユーザー数5.07億人を指して言った。

これも最近のプロジェクトであるiOSスナップショット・テストケースは、コードを変更した前後2枚のスクリーンショットを分析して、問題のあるUIエレメントを検出することができる。何か他の部分を変更した際に、2つのボタンの間の細い区切線がなくなったことを、技術者は気付かないかもしれないが、このツールなら見逃がさない。

Facebookは、会社設立以来オープンソースにこだわってきた。Facebookのオープンソースプロジェクト責任者であるJames Pearceは、Mark Zuckerbergははるか初期の時代から、PHP、MySQL、MemCacheをはじめとするオープンソース技術に頼ってFacebookを作ってきた、と説明した。

現在Facebookには、ウェブ、データ、インフラストラクチャー、およびモバイルにわたり、90件のオープンソースプロジェクトがあり、計6万5000人のウォッチャーがいる。同社のオープンソースプロジェクトは、1万5000回フォークされ、4万5000回コミットされ、2600人のContributorがFacebookのContributorライセンス契約書に署名している。現在特に人気のあるプロジェクトに、JavaScriptライブラリーのReact、ビッグデータエンジンのPresto、およびPHP executorのHipHop Virtual Machineなどがある。

Pearceによると、Facebookのオープンソースへの深い関わりの理由は、「博愛心」ならびに世界をもっとオープンでつながったものにするという同社のミッションとの一致だという。しかし、これは戦略的にも賢明だ。オープンソースコミュニティーに参加することによって、Facebookは「会社の壁を越えた仮想技術能力を生みだしている」とPearceは言う。

ユーザー向け製品に関して、Facebookは最近大がかりなナビゲーションの変更をiOS 7と合わせて実施し、メッセンジャーアプリも一から作り直した。特に後者は、旧組織ならずっと厄介な作業だっただろう。メッセンジャーはウェブとモバイル間のコミュニケーションを橋渡しするからだ。

この効率の改善はFacebookにとって単なるこだわりの対象ではない。少数精鋭で敏速なスタートアップと戦う上で、すばやさを維持することは決定的に重要だ。Snapchat、WhatsApp、KakaoTalkといった小回りの利くチームが、次々とメッセージングアプリを改善する中、多くを失わずにモバイルで早く動くために、Facebookはこの新組織を必要としている。

Legnitto concluded “We changed how we develop, changed how we ship, changed how we write code, but kept our culture.”

[画像提供:Reuters via Telegraph

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Amazonの新しいデスクトップ・クラウド・コンピューティング、WorkSpacesがiPadにやって来た

Amazonが最近リリースしたAmazon WorkSpacesはVMware的なバーチャル・デスクトップ・サービスだが、このほどiOSプラットフォームに対応し、iPadから利用できるようになった。

現在WorkSpaceの限定プレビュー版にアクセスできるユーザーは新しいアプリを利用してiPadを一種のクラウドデスクトップに変えることができる。文書の編集、ウェブアプリの利用、社内メールの送受信など多くの日常業務がWindowsのUIを通じて実行できる。

この多機能デスクトップ・クラウド・コンピューティング・サービスは11月のre:Inventカンファレンスで発表された。ターゲットは企業ユーザーで、IT部門がデスクトップのカスタマイズし、ノートパソコン、Androidタブレット、Kindle Fire、iPadなどのデバイスから社内資源へのアクセスも管理できる。

他方、AWSはユーザーのためにコンピューティングのインフラとOSを提供し、ネットワークの設定と運営を管理を行う。サービスにはバーチャル・マシン、クラウドストレージ、ActiveDirectoryの統合、ユーザー認証などが含まれる。ハードウェアやストレージに障害が発生した場合でも一切ユーザーを煩わせることなく自動的に復旧が行われる。ユーザーはWindowsOSサーバ互換であればローカルに持つディスク・イメージをAWS上に移して稼働させることも可能だ。

AndroidベースのAmazon WorkSpacesアプリはAmazonのAppstore(Google Playストアではない)ですでに公開されている。iPad versionがリリースされたのは昨夜(米国時間12/3)だが、大きなPRは行われなかった。

例によって料金には競争力がある。実際、上級副社長のAndy Jassyは11月のre:Inventで「Workspacesは既存のプロバイダーが提供するオンプレミスのバーチャル・デスクトップ・ソリューションに比べて半額ですむ」と述べている。

標準パッケージはCPUが1つ、50GBのストレージが提供され1ユーザー当たり月額35ドルだ。パフォーマンス・パッケージは1ユーザー月額60ドルでCPUが2つと100GBが提供される。Amazonの既存のユーザーがWorkspacesにアップグレードする場合は15ドルのライセンス料がかかる。またMicrosoftOffice、Trend Microのアンチウィールスなどの追加アプリを利用するユーザー向けにStandard Plus、PerformancePlusというオプションが用意されている。

Workspacesはまだ限定評価版として公開されており、ユーザーは評価版の利用をAmazonに申し込み、招待を受ける必要がある。ただし申込者の全員がすぐに招待を受けられるわけではない。順番待ちのリストの登録され、空きができた時点で招待が送られてくるという仕組みだ。

Amazon自身は最近Kindle Fireに企業向け機能をいろいろ追加して企業向けにも売り込みを図っているものの、WorkSpacesのiPad版を待望していたユーザーは多かったはずだ。なにせAppleによればFortune500の企業の94%、Global 500の企業の85%がiPadを利用ないしテストしているという。

iPad向けWorkSpacesアプリはこちらから。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Instagram、競合サービスであるMobliからのAPI利用を停止

Instagramと、その競合であるMobliの関係がますます冷ややかなものとなりつつあるようだ。TechCrunch読者の方ならご存知だろうが、Mobliはイスラエル発の写真およびビデオ共有サービスだ。Instagramは、このMobliによるAPI利用を遮断したようなのだ。これにより双方のサイトを同時的・透過的に利用することが難しくなった。

過去18ヵ月にわたって、MobliユーザーはInstagramのコンテンツをMobliにワンクリックで取り込むことができるようになっていた。こうした使い方ができなくなってしまったのだ。

本件に関するInstagramからの発表は次の通りだ。

Instagramの模倣を行ったり、基本的ユーザーエクスペリエンスの改変を行ったりするようなやり方でInstagramのAPIを利用することは、利用規約に反する使い方です。APIの利用停止判断は、利用状況を把握して、利用規約が守られているかどうかを判断する、Instagram内のチームが行っています。

一般的な説明にはなっているかもしれない。しかし、長らくInstagramのAPIを利用してきたMobliであるのに、なぜ「」利用を差し止めたのかについては記されていない。

ちなみに利用者ベースでみれば、Mobliは遥かに弱小なサービスではある。利用者数は1200万超程度で、Instagramの1億5000万とは比べるべくもない。但し、このMobliはInstagramにはない機能をサポートしていたりもする。InstagramやVineでビデオ共有が可能になるずっと前から、Mobliではビデオもサポートされていた。それはあっても、しかしなぜ、Instagramはかくも小さなサービスに神経をとがらせるのだろうか。

Mobliは積極的にセレブ層の開拓を行い、また10億ドルの評価額にて8400万ドルの資金調達を行ってもいる。この評価額は、ちょうどFacebookがInstagramの買収に投じた額に匹敵するものだ。

また、利用者数こそ少ないものの、FacebookおよびInstagramにはいないサポーターを持ってもいる。Mobliの背後にはAmérica Móvilがいるのだ。

América Móvilはメキシコシティに拠点をおく、世界第4位の移動体通信事業者(Mobile Network Operator)で、大富豪のCarlos Slimがチェアマンの座にある。このSlimは、1ヵ月弱前に行ったMobliの6000万ドルの資金調達をリードした人物でもある。さらにAmérica Móvilの携帯端末にMobliを搭載しようとする動きも見せている。

ちなみにMobliの利用者中、南アメリカの利用者が二桁パーセントを占める状態ともなっている。またMobli側も、América Móvilの端末にMobliを搭載するプランが進行中であることを確認している。但し、まだ確定の話ではないそうだ。

InstagramによるAPI利用停止をうけて、Mobliは次のコメントを発表している。

すべてのプラットフォームには、自らのプラットフォームをどのように運営していくのかを決定する権利があると思います。但し、利用者側にも自分のコンテンツをどのように扱うのかを決める権利があります。一旦、どこかに掲載したコンテンツでも、利用者は自らの方針にしたがって、コンテンツをコントロールする権利を有するはずです。Mobliを使いたいという利用者のための仕組みを、誠実に作り上げてきたつもりでいます。

なかなか訴えかける力を持つコメントではあるが、但しMobli側もいつもおとなしくしていたわけではないことは記しておこう。たとえば3月にはアンチInstagramキャンペーンを行い、Instagramの利用をやめればお金を払うということもしていた。さらにいっておけばInstagramの方は、今回のAPI停止と類似の行為を他でも行っている。すなわち、自らのサイトへと利用者を誘導するために、Twitterカードの利用を停止した。

ソーシャルメディア界の争いはこれからが本番なのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


こんどのChrome Betaではモバイル開発のためのツールが充実…ビューポートエミュレーションの改良, スクリーンキャストありのリモートデバッグなど

今朝(米国時間12/3)ローンチされた最新のChrome Betaで、Googleはモバイルデベロッパのための新たなツールをいくつか導入し、デスクトップからモバイルのWebアプリケーションを比較的容易にテストできるようにした。このベータはデスクトップAndroid共に、ビューポートエミュレーションの改良により、モバイルのデバイスと画面とタッチイベントがうまく模倣され、またスクリーンキャストのできるリモートデバッグがサポートされた。

これまでデベロッパは、相当面倒な手順により、ブラウザのエクステンションを使うかまたはコマンドラインから、接続したデバイスの上でデバッグを開始していた。今度からは、MacのユーザはデバイスをUSBでつなぐだけでよく、Chrome Betaがリモートデバッグをネイティブでサポートする。デバイス上のChromeやChromeが動かすWebViewの、どんなインスタンスでもデスクトップからアクセスでき、キーボードやマウスのイベントは自動的にデバイスへ送られる。Windowsユーザはデバイスドライバをインストールして、この機能を有効にする。

Googleによると、ビューポートエミュレーションが改良されたことによって、デベロッパは各種のエミュレーションパラメータ…画面解像度、タッチエミュレーション、devicePixelRatio、ユーザエージェント、センサ、などなど…を完全にコントロールできる。ページは、本物のモバイル用Chromeと同じモバイルのビューポートコードで表示されるから、デスクトップ上で実際の結果を正確に見ることができる。

Chrome DevToolsのファンの方は、先月行われたChrome Dev Summitにおける Paul Irishの講演(25分)を聞いてみよう。これらの新しい機能を、詳しく説明している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Android 4.4 KitKatにアップデートするとNexus 7のビデオ再生パフォーマンスが劣化する

GoogleのAndroid 4.4 KitKatがNexusデバイスに載ってグローバルに展開していて、ぼく自身もNexus 7タブレットが欲しくてたまらなかった。でも実際は、一人で立ち去った方が、ずっとよかったかもしれない。オフィシャルのOTAチャネルからアップデートした直後に、パフォーマンスの悪さに気がついた。そしてモバイルビデオとタッチインタフェイスをテストしているフィンランドの企業OptoFidelityが、ぼくの所見を裏付けるデータを出してきた。

OptoFidelityは、720p/1080pで30fps/60fpsのHDビデオを、2012年と2013年のNexus 7で比較した。どちらも、KitKatへのアップデート前と後を比較している。結果は、下図でお分かりのように、どちらのタブレットもAndroid 4.3、すなわち旧バージョンの方が良い。驚いたのは、2013年のNexus 7は、4.4にアップデート後に60fpsのビデオをまったく再生できなかったことだ。

違いは小さくない。OptoFidelityの分類方法では、どちらのNexus 7もAndroid 4.4では“不満足な”結果になり、しかも最新機種の方が悪い。ぼくのデバイスでも、アニメーションがなめらかでないし、KitKatにアップデートする前よりは、認識されないタッチが多くなった。

このアップデートは性能の低い旧型機にも後方互換性を保証しているはずだから、最新機種でこのざまなら、非常に困ったことになるね。今後のアップデートで簡単に直る、単純なバグであることを祈りたい。今Googleに問い合わせているところだが、しかし当面は、KitKatへのアップデートを控えるべきだろう。あの顔文字がどうしても欲しい人以外は。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スマートフォンがもっとスマートになる日常ユーティリティ集アプリAgent

【抄訳】

20世紀のユーザは、電話機の動作や機能をカスタマイズできなかった。留守電のようなもの以外は。

スマートフォン全盛期の21世紀には、自分の電話機にいろんなことをさせられる。

というわけでAndroidアプリAgentは、これまでの、単一機能のスマホアプリが見逃しがちだった、細かな日常的ユーティリティ集だ。スマホに搭載されているセンサをフル活用して、ユーザがこれからどこで何をしようとしているのかを感知し、それに応じていろんな設定を自動的に変える。今運転してる? じゃあテキストメッセージには、自動応答してあげよう。車をどこに駐車したか忘れてしまった? だいじょうぶ、ちゃんとおぼえているよ。今寝てるね? では、重要な電話だけを取り次いであげよう。

Agentは、Egomotionのアプリ“Trigger”の進化形だ(その前は“NFC Task Launcher”という名前だった)。Triggerの場合は、NFCのタグに対してプログラミングをして、どこで何をするかを携帯に教えた。たとえばベッドの横のナイトテーブルにタグを貼っておき、あなたが寝たら電話機を黙らせることができる。車の中に…カップホルダーがいいかな…貼っておくと、あなたが運転を始めたら大好きな曲をかけてあげられる。

そしてやがてチームは、ほとんどの場合、NFCなんか要らないことに気づいた。ナイトテーブルにNFCタグを貼るよりも、電話機を一定時間黙らせる方が簡単だ。車のカップホルダーにタグを隠しておくより、ユーザが車のBluetoothに接続したことを検出した方がはやい。というわけで、Agentが生まれた。

AgentはTriggerからNFCを取り去り、代わりにハンドセットが内蔵している機能(加速度計、時計、WiFi、Bluetoothなどなど)を利用していろんなサービスを提供する。するとセットアップがずっと簡単になり、エージェントと呼ばれるいろんなアクションを仕込むことができた*。〔*: エージェント、Agent、代行者、ユーザに代わっていろんな仕事をする人。〕

今Agentアプリがあなたのスマホに仕込むエージェントは5人いる:

  • バッテリーエージェント: 電池残量が少なくなると、画面を低輝度にする、データのオートシンクをやめる、Bluetoothをoffにする、などなどによって、時間稼ぎに努める。充電器が接続されたら、これらをすべて元に戻す。
  • スリープエージェント: 一定時間電話を沈黙させるが、指定した特定の人や会社からの電話は受けてユーザを起こす。テキストには自動応答するが、緊急なら呼び出し音の音量を上げて目覚まし役を演ずる。充電器につながれているときだけ、という指定をしておくと、飲み会で遅くなったときなどはこれらの機能がoffになる。
  • パーキングエージェント: 車のスピードが徐々に落ちて、どこかに止まったら、そこを駐車場所として記憶する。電車に乗ったときには要らない機能だから、車のBluetoothに接続したら~という設定をしてもよい。
  • ミーティングエージェント: 会議のあいだは携帯を黙らせる。会議のスケジュールは、あなたのGoogle Calendarから判断する。
  • ドライバーエージェント: ユーザが車の中にいることをBluetoothから検出して、電話機を黙らせる、テキストを音声で読み上げる、テキストに自動応答する、などの仕事をする。

同社によると、エージェントはもっともっと種類を増やして、「学校用セット」や「職場用セット」など、いろんな“セット”として提供したい。たしかに、エージェントとアプリ本体をそうやって別にするのが、賢明な設計だろうね。

とても高度なAndroidユーザなら、すでにTaskerを使っていたり、自分の高価なスマホに高機能なカスタムROMを焼いたりしているかもしれない。でも、普通のAndroidユーザのための日常ユーティリティ集としては、簡単に使えるAgentが便利だろう。

【中略】

このアプリは定価が1ドル99セントだが、感謝祭の週末にかぎり99セントぽっきりで買える。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GoogleはやはりYouTubeストリーミング音楽サービスを準備中―Androidアプリのソースコードに詳しい情報

だいぶ前からGoogleがYouTube内に音楽ストリーミング・サービスを作ろうとしているという情報が流れていた。

GoogleはGoogle PlayでMusic All Accessサービスを運営中だから両者の関係がどうなるのかいささかわかりにくい。しかしAndroid Policeによれば、YouTube音楽サービスが用意されていることを示す証拠が最新のAndroid版YouTubeアプリのソースコードに見つかった。このサービスはMusic Passと呼ばれるらしい。

コードの内容を検討すると、Music Passには他のアプリを使用している最中でも音楽を聞けるバックグラウンド再生、オフライン再生、再生中は広告が表示されない機能などが用意されているという。そしてGoogle PlayのMusic All Accessとは異なり、もちろんビデオも再生される。

コードによれば、ビデオは48時間に限りデバイスに保存することができ、標準(360p)またはHD(720p)画質で再生できる。有料契約の特典、その料金プランなど多くの重要な点がまだ不明だが、Googleがこのサービスを真剣に準備していることは非常に確実になった。ローンチされるのもそう遠い将来ではないだろう。遅れが出ているとすれば、巨大メディア企業のプロジェクトにはつきものの困難だが、関係者全員とのライセンス契約に手間取っているのだろう。

Googleが同時に2つの音楽ストリーミング・サービスを始めるというのは少々ユーザーを混乱させそうだが、YouTube版のビデオの魅力で両方に加入するユーザーもいそうだ。しかし第三者として言わせてもらえば、よほど料金が違うのでないかぎり、Google Play版ではなくビデオが見られるYouTube版の方がお得だろうと思う。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Bluetooth経由で紙飛行機を自在に飛行させるするPowerUp 3.0 ― 紙飛行機少年の夢は現実へ

ハイテクとローテクを融合させることには、多くの人を惹きつける魅力があるようだ。たとえばPowerUp 3.0をみてみて欲しい。Bluetooth 4.0を使うことで、極めて普通の紙飛行機が、安価で簡単なスマートフォン制御飛行マシンに変身するのだ。少なくとも制作者はそう言っている。実際のところも、なかなか面白いプロダクトであるようだ。

さて、このPower Up 3.0というのは何物なのか。これは紙飛行機に装着して長時間飛行に耐えるフレームとして機能し、そしてまた推進・ステアリング装置として機能するものだ。Bluetoothのコミュニケーションハブとして、スマートフォンからの指示を伝える。これを装着すれば、紙飛行機をスマートフォンから操縦することができるようになるというシロモノだ。Micro-USB経由で充電を行い、1度の充電あたり、10分間の飛行を愉しむことができる。通信可能距離は180フィート/55メーターで、最高速度は10mphとなっている。

熱烈な飛行機ファンであるメンバーがPowerUp 3.0のプロトタイプを作成し、そしてこのプロトタイプを元に完成形プロダクトを世に問うためにKickstarterに登録することとなった。キャンペーンは土曜日に始まったが、開発者のShai Goiteinによれば、わずか8時間で目標としていた5万ドルを調達することとなったのだそうだ。どうやら世界中の人が、未来は紙飛行機に大きな期待を持っているようだ。

このプロジェクトに参加することにより、リモートコントロールできる飛行機を、安価に手に入れることができるわけだ。もちろん全天候型ではない。雨などに濡れてしまえば、PowerUp 3.0を搭載していようがいまいが、紙飛行機は飛ぶことなどできなくなる。

本稿執筆時点で、資金は13万5000ドル以上が集まっている。15万ドルに達するようなことがあれば、Android版の開発にも乗り出すとのことだ(訳注:訳出時点では16万5000ドル以上となっています)。

PowerUp 3.0の基本パッケージの価格は30ドルだった。もちろん既にこの価格の出資申込みは締め切りに達している。現段階でキットを入手することができる価格は40ドル以上ということになる。価格によって、リチャージャブルパックなどがついてくる。

当初リリースされる予定のiOSアプリケーション(1年以上にわたって開発が続けられている)を使えば、スロットルレバーを使って上昇・下降、そして機体を傾けての方向転換などを行うことができる。方向転換は機体後部の小さなフィンを操作することによって行うようになっている。紙飛行機を飛ばした経験を持つ世界中の子供たちの、自由に飛行機の方向を操作してみたいという願いがついに叶えられることになるのだ。

デバイスはカーボンファイバーで製作されている。充分な軽さで飛行に問題はなく、さらに強度もあって墜落時のショックにも充分耐えることができるはずだ。

PowerUp 3.0の出資者には、来年5月頃にプロダクトが出荷される予定。Goiteinによると、Kickstarterプロダクトを成功裏に終えることができれば、小売店舗でも、来年6月から50ドルでの販売を行いたいとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H


TuneIn Radioが密かにスタートした「音声ベース」ソーシャルネットワークの「OpenMic」。まず大学生を対象にサービス開始

TuneInのオンラインラジオサービスは非常にうまくいっている様子だ。月間利用者数は4000万を超えている。このTuneInが、軌道に乗っているオンラインラジオサービス以外に、音声ベースのソーシャルネットワーキングサービスを提供しようとしている。iTunes App Storeに登録されたTuneIn OpenMicで実現するものだ。利用者の「ストーリー、冗談話、レビューなど」をブロードキャストしたり、面白い話を友人とシェアしたりして利用する。

ソーシャルメッセージングサービスを頻繁に使っている人は、きっと興味をもつサービスなのではなかろうか。

App Storeでのレビューを見てみると、OpenMicは「他にはない全く新しいソーシャルネットワークを経験できる」、「非常に面白い」サービスなのだそうだ。

但し、この音声を使ったソーシャルネットワークというのが、全く新しいアイデアであるというわけではない。他にもSpreakerDubblerBubblyTalkbitsなどといったサービスがある。また、Voxer、Whatsapp、さらにはFacebook Messangerなどのメッセージング用アプリケーションも、録音した音声をやりとりできるという意味では、この範疇に加えることができよう。

TuneInのOpenMicは「音声版Twitter」という新しい方向性を目指す意味と、熱心なPodcast利用者のための集客ツールとしての意味との双方を持つ(双方の中間)ものなのだろう。

現在のところは、このアプリケーションを利用できるのは大学の学生のみに限定されている。利用登録に.eduのメールアドレスが必要となっているのだ。

利用登録が完了すればプロフィールを書き込み、そして友だちを探してフォローして、いろいろな投稿を聞いてみてお気に入り登録をしておいたり、あるいはOpenMic上の友人たちと共有したりすることができるようになる。もちろん他の人の投稿にコメントしたり、あるいはもらったコメントにリプライするようなこともできる。音声を登録するには、アプリケーション画面の大きな赤い「Record」(録音)ボタンを押す。関連する写真があるようならば、添付することもできる。

iTunesに登録されているスクリーンショットを見れば、OpenMicがどういう使い方をされたがっているのかということがよくわかる。たとえばアメフトの試合の様子、パーティーでの一コマ、音楽、そしてもちろん、学生らしく宿題についてのことなども登録して欲しいと考えているようだ。TuneInによれば、このアプリケーションはまずスタンフォードで試験運用を行ったそうだ。それでスクリーンショットもスタンフォード関連のものが多い。

TuneInは今年初めに2500万ドルの新規資金調達を行っている。リードしたのはIVPで、前回出資しているSequoia Capital、Google Ventures、そしてGeneral Catalystも参加している。資金調達を行った2013年4月頃の発表によれば、番組聴取時間は10億時間を突破して、オンラインミュージックサイトとして、Pandoraに次ぐ二番手につけているとのことだった。扱っている局数はAM、FM、そしてインターネットラジオをあわせて7万局にものぼり、提供プラットフォームも200以上にもなるとのことだった。サービス提供国も230以上の国と地域にのぼるとしていた。以来局数はさらに増え、今では10万局に達しているようだ。

こうした数値から判断するに、TuneInはこれまでのビジネスから完全に乗り換えようとしているわけではないはずだ。サービスを「拡張」しようとする意図なのだろう。今のところOpenMicは試験的なプロダクトに過ぎないわけだが、人気を集めることになれば、新たな広告リーチチャネルを獲得することにもなる。すなわちモバイルを積極的に活用する、若い層に向けた広告を取りやすくなることだろう。ちなみにアプリケーションは無料でiTunesからダウンロードできる。但し、先にも述べた通り現在のところは利用登録に制限が設けられている。今後の展開を注目していきたい。

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(翻訳:Maeda, H


ノキア、Lumia 520の好調を背景にWindows Phone全体でも90%の市場シェア

あとしばらくすれば、ノキアのハードウェア部門はMicrosoft傘下となる。しかしそうなる以前の現在でも、このフィンランド発メーカーのノキアは、Windows Phoneマーケットでの主導的立場に立っている。AdDuplexの記事によれば、ノキアはWindows Phone市場にて90%のシェアを獲得しているのだそうだ。

つまりは10台のうち9台のWindows Phoneがノキア製だということになる。さらにシェアは月ごとに拡大しているようなので、今では90%以上ということになっていそうだ。あるいは既に「Windows Phoneはノキア製」という状況になっているのかもしれない。

尚、現在市場に出ているWindows Phoneのうち、75%以上がWindows Phone 8のものなのだそうだ。Microsoftは昨年、MicrosoftはWindows Phone 7.xの利用台数が3倍に成長するだけの台数を出荷し、これらは現在でも利用されている。もちろんWindows Phone 7.xからWindows Phone 8に買い替えた人もいるだろうが、しかしそれでもWindows Phone全体の中で4分の3を占めるまでにWindows Phone 8利用者が増加したことを意味する。

売れ筋はローエンドモデルのLumia 520だ。この1ヵ月でシェアを3.3%伸ばしている。同一ファミリーになる521もWidows Phone中3.4%のシェアを獲得してトップ10に入ってきている。最新のLumia 525は間もなくリストに登場してくることだろう。

Lumia 520がこれだけ大きなシェアを獲得しWindows Phone(およびNokiaSoft)の屋台骨を支えるまでになっているのは、ベトナム市場の影響が大きい。ベトナムのWindows Phone市場では、57%を520が占めているのだ。スマートフォンの中でも低価格なところが支持されて、大きな数を売り上げているわけだ(訳注:ちなみにアメリカでの520の割合は7.2%、ドイツでは9.9%、インドでは43.4%となっている)。

ノキアのポジションが高くなっているのは、低価格のLumia 520およびそのシリーズで、新興国における市場シェアを大きく獲得していることによる。もちろんMicrosoftとしてはここで満足するわけにはいかない。Windows Phone 7.xは過去のデバイスとなりつつある。そうした中、アメリカ市場においても充分に戦えるデバイスを必要としており、そして前世界に置いて確たる地歩を築きたい考えだ。この点で、2013年の第4四半期にて、Wondiws Phoneが1000万台の販売台数を獲得できるかどうかが大いに注目に値する。これを達成できなければ、Windows Phoneの成長に暗い影を感じざるを得ないということになりそうだ。

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(翻訳:Maeda, H