Amazonの新しいデスクトップ・クラウド・コンピューティング、WorkSpacesがiPadにやって来た

Amazonが最近リリースしたAmazon WorkSpacesはVMware的なバーチャル・デスクトップ・サービスだが、このほどiOSプラットフォームに対応し、iPadから利用できるようになった。

現在WorkSpaceの限定プレビュー版にアクセスできるユーザーは新しいアプリを利用してiPadを一種のクラウドデスクトップに変えることができる。文書の編集、ウェブアプリの利用、社内メールの送受信など多くの日常業務がWindowsのUIを通じて実行できる。

この多機能デスクトップ・クラウド・コンピューティング・サービスは11月のre:Inventカンファレンスで発表された。ターゲットは企業ユーザーで、IT部門がデスクトップのカスタマイズし、ノートパソコン、Androidタブレット、Kindle Fire、iPadなどのデバイスから社内資源へのアクセスも管理できる。

他方、AWSはユーザーのためにコンピューティングのインフラとOSを提供し、ネットワークの設定と運営を管理を行う。サービスにはバーチャル・マシン、クラウドストレージ、ActiveDirectoryの統合、ユーザー認証などが含まれる。ハードウェアやストレージに障害が発生した場合でも一切ユーザーを煩わせることなく自動的に復旧が行われる。ユーザーはWindowsOSサーバ互換であればローカルに持つディスク・イメージをAWS上に移して稼働させることも可能だ。

AndroidベースのAmazon WorkSpacesアプリはAmazonのAppstore(Google Playストアではない)ですでに公開されている。iPad versionがリリースされたのは昨夜(米国時間12/3)だが、大きなPRは行われなかった。

例によって料金には競争力がある。実際、上級副社長のAndy Jassyは11月のre:Inventで「Workspacesは既存のプロバイダーが提供するオンプレミスのバーチャル・デスクトップ・ソリューションに比べて半額ですむ」と述べている。

標準パッケージはCPUが1つ、50GBのストレージが提供され1ユーザー当たり月額35ドルだ。パフォーマンス・パッケージは1ユーザー月額60ドルでCPUが2つと100GBが提供される。Amazonの既存のユーザーがWorkspacesにアップグレードする場合は15ドルのライセンス料がかかる。またMicrosoftOffice、Trend Microのアンチウィールスなどの追加アプリを利用するユーザー向けにStandard Plus、PerformancePlusというオプションが用意されている。

Workspacesはまだ限定評価版として公開されており、ユーザーは評価版の利用をAmazonに申し込み、招待を受ける必要がある。ただし申込者の全員がすぐに招待を受けられるわけではない。順番待ちのリストの登録され、空きができた時点で招待が送られてくるという仕組みだ。

Amazon自身は最近Kindle Fireに企業向け機能をいろいろ追加して企業向けにも売り込みを図っているものの、WorkSpacesのiPad版を待望していたユーザーは多かったはずだ。なにせAppleによればFortune500の企業の94%、Global 500の企業の85%がiPadを利用ないしテストしているという。

iPad向けWorkSpacesアプリはこちらから。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+