催眠術で健康に、Mindset Healthの主張に投資家が1.2億円を賭ける

Chris(クリス)とAlex(アレックス)のNaoumidis(ナオウミディス)兄弟は、洋服販売の世界から催眠療法にやってきた。

2019年に、ニューヨーク・タイムズが伝えたところによると、2人はもともと女性向けのP2P(ピアツーピア)方式のドレスシェアリングアプリでスタートアップ起業家の道を歩み始めた。オーストラリア生まれの兄弟は、スタートアップの世界で成功する能力に自信が持てずに気落ちしていたのだが、アプリがうまくいかなくなったとき、父親から催眠療法を試すよう勧められた。

その治療を受けたのをきかっけに、兄弟はMindset Health(マインドセット・ヘルス)を創設し、Fifty Years、YC、Gelt VC、Giant Leap VCさらに米国とオーストラリアのエンジェル投資家たちから110万ドル(約1億1800万円)の資金を調達した。

2019年12月にクローズしたこのラウンドは、小規模ながら数多くの投資家が参加しているわけだが、それは近年の精神的健康への投資家たちの関心の高まりを表している。

現代社会での生活に付きものともいえる精神障害の治療アプリは、この市場に大量に出回っている。セラピストとのマッチングをしてくれる企業もあれば、認知行動療養などの形で心の健康を支えるツールを提供する企業もある。マインドフルネスや瞑想を指導してくれる10億ドル規模の企業もあれば、催眠療法を提供する企業もある。

アレックスたちは、兄弟で受けた催眠療法からヒントを得た。「瞑想のようにできないだろうか。それを人々の役に立つ形で市場に送り込めないだろうか」とアレックス・ナオウミディス氏は私に話してくれた。

瞑想は数百万ドル(数億円)規模のビジネスだ。Calm(カーム)やHeadspace(ヘッドスペース)といったアプリは、何百万ドルものベンチャー投資をかき集め、数十億ドルの評価額を得ている。

アレックス・ナオウミディス氏は、彼らのアプリは治療用ではないと強調する。現在の規制では治療用として宣伝することができないのだ。「むしろ、自己管理ツールのようなものです」と彼はいう。「不安や『過敏性腸症候群』を持つ人たちが、家庭でそれらの症状を管理できるよう手助けして、治療努力を補完するのです」。

目標は、さまざまな症状に対処できる数多くのアプリをMindsetの傘下に揃えることだと、アレックス・ナオウミディス氏はいう。最初は、ごく標準的なメンタルウェルネスアプリとしてスタートしたが、今ではその汎用的なメンタルウェルネスMindsetツールキットに、過敏性腸症候群(IBS)に特化した製品であるNerva(ナーバ)も加わった。

Nervaのサブスクリプションは安くはない。99ドル(約1060円)の前払い金に加えて、3カ月のサブスクリプション料金として88ドル(約9400円)かかる。Mindsetのサブスクリプション料金は、ニューヨーク・タイムズの記者Nellie Bowles(ネリー・ボウルズ)氏が初めてこの製品を試したときは64ドル(約6850円)だったが、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行期間中の価格として、今は11ドル(約1180円)に値下げされている。

バウルズ氏は、こう伝えている。

最初のステップとして、アプリは友だちにメールかTwitterで「自分自身に打ち勝った者は最強の戦士である」という格言を伝えるよう私に進言する。次の19分間は、優しい男性の声で、私の心はスローダウンできると聞かされる。それにより不安は決意に変換される。この行程は日常の習慣にもなる。そうなれば、私は行動的な人間になれる。行動的な人間だ。

私は他にも生産性の向上のモジュールも試した。こちらは、はつらつとした若者の声だ。イケイケな感じで私の耳の中で、「私は自分に、自分が何になりたいか、何をしたいかを知ることと、そしてそれを効率的にやることの許可を与えた」という彼の言葉を繰り返すよう言ってくる。

こうした精神的健康のためのアプリは(どんなアプリもサプリも事業も同じだが)、その健康上の効能を裏付けるためには臨床研究が必要になる。Mindsetの製品開発にも医師が参加している。最初のMindsetアプリは、Michael Japko(マイケル・ジャプコ)博士との共同開発であり、IBSアプリはSimone Peters(シモーヌ・ピータース)博士とともに制作された。

どちらの博士も、治療コース開発の代償として同社から分配収益を受け取ることになっている。

共同創設者の1人は、彼らはこのサービスが成功をもたらすと非科学的に信じているのだと話す。プログラムの始めと終わりに、利用者は自分の症状を自己申告するのだが、プログラム修了者のうち90パーセントの人の症状が軽減されたという(登録者の中のどれだけの人が修了したかは不明)。

「私たちの考えは、このようなすばらしいプログラムを開発した研究者を助けて、デジタルで提供するということです」とアレックス・ナオウミディス氏はいう。「より使いやすくするために、私たちは世界でも有数の研究者たちと協力してきました」。

画像クレジット:Scar1984 / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

有望な新型コロナ抗体を米Sorrentoが発見、実験室では100%の効果と発表

カリフォルニアの新治療法研究企業、Sorrento Therapeuticsは新型コロナウイルス対策の突破口となる可能性のある物質を発見したと発表した。この物質はパンデミックの原因となっているSARS-CoV-2(COVID-19)ウイルスに対して臨床前実験で100%の感染阻止の効果を示したという。

5月15日にSorrentoは前臨床研究の論文を発表し「4日間にわたる培養で健康な細胞へのSARS-CoV-2の感染を100%阻止する抗体を発見した」と報告した。論文は前臨床研究の報告であり、まだ専門家の査読を受ける必要がある。これはインビトロ(「試験管内」という意味)の研究で、臨床前のものだが、有望な発見だ。SorrentoはさらにSARS-CoV-2ウイルスが変異しても有効な抗体の「カクテル」の開発を進めるという。

SorrentoによればSTI-1499と呼ばれる抗体が候補物質の中で際立った効果を示したのだという。同社は広汎なヒト抗体ライブラリーを持ち、数十億の候補をスクリーニングした。SARS-CoV-2ウイルスはスパイク状のタンパク質を標的細胞の受容体に結合させて細胞に侵入する。STI-1499はこの結合作用を完全にブロックする能力がみられた。つまり、ウイルスがヒトの健康な細胞に感染するのを阻止できるわけだ。

現在、Sorrentoは新型コロナウイルス治療薬を開発中だが、STI-1499は細胞への感染阻止に高い有効性があるため、この「カクテル」に含まれる最初の抗体の候補だという。「カクテル」と呼ばれるのは治療薬はウイルスが細胞と結合するのをブロックする効果のある多数の抗体を含むことになるからだ。これはウイルスがヒトからヒトへの感染ないし特定個人の体内で変異を起こしても効果が持続することを狙っているためだ。

実際、研究者が現在答えを求めている最大の問題の1つは、SARS-CoV-2変異原性だ。例えば普通の風邪のワクチンや抗ウイルス薬の開発が困難なのは、原因となるコロナウイルスが急速に変異する傾向を示すためだ。

Sorrentoが開発している抗ウイルスカクテルのCOVID-SHIELDは、さまざまな変異株に対しても効果があるよう多数の抗体をミックスさせたもになるはずだが、同社ではSTI-1499を単独の抗体として使用する研究も進めるという。Sorrentoは、STI-1499の実用化を加速するためにFDA(米国食品医薬品局)と協議中だとしている。またFDAの使用承認の取得を進める一方で、投与100万回分を生産する準備も進めている。

ただしSARS-CoV-2(COVID-19)を根絶できる「魔法の弾丸」となるようなワクチンや特効薬が、すぐに登場する可能性はほとんどないことに留意しておく必要があるだろう。そうではあっても、これは非常に有望な発見であり、今後の臨床試験の結果や使用承認のプロセスに注目していくべきだろう。

画像クレジット:Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

テスラは延長された在宅命令を無視して工場を再開させる計画だった

米国時間5月8日の金曜日にアラメダ郡保健担当官のErica Pan(エリカ・パン)博士は、Tesla(テスラ)はカリフォルニア州フリーモントの工場を再開するための許可をまだ与えられていないと、ビデオストリーミングで開催されたタウンホールミーティングで語った。

郡の延長された在宅命令に抗してテスラは、金曜日には工場を再開する計画を立てていた。

テスラはTechCrunchが確認できた5月7日の木曜日に従業員宛に送られた内部メールの中で、アラメダ郡にあるフリーモント工場の「限られた操業」を再開する計画であると記していた。テスラの決定は、アラメダ郡の在宅命令と直接対立するものだ。

パン博士によればアラメダ州の保健当局と郡当局はテスラと協力して、再開のための安全計画を見直しているという。「私たちは彼らに待つようにお願いしている」と彼女は付け加えた。

テスラはコメントのリクエストに応じていない。

従業員には、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏からのメールと、会社の人事部長であるValerie Workman(バレリー・ワークマン)氏からのメールの2通が届いていて、どちらも工場が早ければ金曜日に再開することを示していた。再開の決定は、製造業は操業を再開できると木曜日に語ったカリフォルニア州知事のGavin Newsom(ガビン・ニューサム)氏による新しいガイドラインに基いたものだった。ただしニューサム知事のガイダンスには、地方自治体はより制限的なルールを維持できるという警告も含まれていた。

アラメダ郡は、他のいくつかのベイエリアの郡や市とともに、2020年5月末まで続く改訂版在宅命令を発令した。これらの改訂された命令は、いくつかの制限を緩和している。ただし、製造業への命令は解除されなかった。

以下は、あるテスラの従業員からTechCrunchに送信された電子メールのスクリーンショットだ。

テスラの内部メール(5月7日)

画像クレジット:Kirsten Korosec

2020年5月8日より、フリーモント工場で限定的な作業を再開します。
具体的な開始日と時間の詳細については、上司または人事部からEメールまたは電話で連絡があります。また、ネバダ州とニューヨーク州にある当社のギガファクトリーも、それぞれの州の認可を受けて限定的な操業を開始しました。同様にセールス、サービス、配送、エネルギー事業も州ごとに徐々に再開しています。

パン博士ならびにベイエリア周辺のその他の郡の保健当局は、制限を緩めることによる影響がないことを確信できるまで、テスラのような企業が待ってくれることを希望している。また企業がベストプラクティスに従っていることを確認するために、ビジネスの再開を計画するための適切な時間をとれていることを確認したいと考えている。

「私たちは郡内の各施設に、地域の健康秩序が守られていることを伝え、最初の制限解除を行った後に何が起こるかを確認するために、もう1週間ほど待つことを本当に求めているところです」とパン博士は語った。

アラメダ郡保健局は、テスラに対して「経済とコミュニティのさまざまなセクターの安全な再開を段階的に進めるために、成り立たなければならいすべての条件」を通知したことをTechCrunchに伝えている。

郡の命令に記載されている制限基準を満たしていないビジネスは、再開することができない。

「テスラはこれらの基準を満たしていないため、再開するべきではないことを通知されています」と郡保健局の広報担当者はメールで述べている。「私たちは、テスラの再開計画に関する積極的な取り組みを歓迎しています。再開の基準に適合すれば、彼らは従業員とコミュニティ全体を保護する方法とともに再開することができます」。

新型コロナウイルス 関連アップデート

画像クレジット: Mason Trinca for The Washington Post / Getty Images<

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(翻訳:sako)

遠隔医療で鎮痛剤の断薬と中毒の予防をサポートするLusic Laneのサービス

4年前の2016年に、新しい中毒予防サービスLucid Lane(ルーシド・レーン)の創設者Adnan Asar(アドナン・アサー)氏は、Livongo Health(リボンゴ・ヘルス)を創設し最高技術責任者として順調に出世街道を歩んでいた。それはShutterfly(シャッターフライ)に長く勤めた後に数々の企業で続けて上席技術役員を務めてきた中でも、いちばん新しい仕事だ。そこで彼は、慢性病管理用の一連のソフトウェアとハードウェアの開発を通じて会社を率いてきた。

だがアサー氏の妻が非ホジキンリンパ腫と診断されると、彼はテクノロジーの世界から足を洗い、妻の治療を続ける間、家族とともに過ごすことを決めた。

その当時、この決断がLucid Lane創設に結びつくとは彼自身も気づいていなかった。この会社の使命は、痛みと不安に対処する薬を処方されている患者に、薬を絶って中毒を予防する方法を提供することにある。闘病中に服用していた処方薬を断つ際に苦労する妻を見てきたことから、この目標が生まれた。

それはアサー氏の妻に限ったことではない。米疾病予防管理センターのデータによれば、2018年に米国ではオピオイドの処方箋が1億6820万通も書かれている。Lucid Laneでは、手術後または癌治療に合わせて、毎年5000万人にオピオイドが、それ以外の1300万人にベンゾジアゼピンが処方されていると推測した。だが、これらの極めて中毒性が高い薬剤の管理や減薬のプランは示されない。

アサー氏の妻の場合、癌治療の一環として処方されたベンゾジアゼピンが問題となった。「妻はひどい離脱症状に見舞われたのですが、何が起きているのか私たちにはわかりませんでした」とアサー氏は話す。担当医に相談すると、医師は即座に断薬するか、薬を続けるかの2つの選択肢を示した。

「妻は断薬を決意しました」とアサー氏。「それは家族全員にとって大変な消耗戦でした」。

9カ月の治療と精神科医の定期的な診察により、投薬量と減薬の調整が行われたとアサー氏はいう。その体験がLusid Laneの創設につながった。

「私たちの目標は、薬物療法と依存症の予防と管理です」とアサー氏。

同社の遠隔医療ソリューションは、個別の治療プランの積極的なモニタリングを伴う、毎日の継続的なサポートと介入を提供する独自の治療プロトコルの上に成り立っている。すべてが継続的に行われるとアサー氏はいう。

しかも新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、遠隔医療サービスの需要は加速する一方だ。「新型コロナウイルスは、遠隔医療を自由に選べるサービスから絶対に必要なサービスに変えました」とアサー氏。「不安、抑うつ、物質使用障害、投薬乱用が急増しています。私たちに助けを求める患者も急増しています」。

アサー氏は、Lucid LaneのライバルはLyra Health(ライラ・ヘルス)やGinger(ジンジャー)などの企業、つまり不安や抑うつを察知するデジタル診断を構築するポイントソリューションだと考えている。しかし、依存症や常習行為の治療のために創設された一部の企業と異なり、アサー氏は自身のスタートアップを依存と中毒を予防するものと認識している。

「多くの人が、診察室で医師が行う1つの行為を通じて中毒に陥っています」とアサー氏。「私たちのソリューションでは、そうした薬物の処方箋は出しません」。

同社は、パロアルト退役軍人病院での臨床研究の準備を進めており、Battery Ventures(バッテリー・ベンチャーズ)やJerry Yang(ジェリー・ヤング)氏が創設した投資会社AME Cloud Ventures(AMEクラウドベンチャーズ)などを含む投資家たちによるシードラウンド400万ドル(約4億2700万円)を調達した。

「私たちは、現代社会が抱える最大の問題のひとつにスケーラブルなソリューションを開発したLucid Laneに、非常に大きな可能性を見いだしました」と、Battery VenturesのジェネラルパートナーDharmesh Thakker(ダーメッシュ・タッカー)氏は声明の中で述べている。「遠隔医療ソリューションは、複雑な問題に対処する高い能力を備えたものとして台頭してきましたが、Lucid Laneは最初から遠隔医療に取り組んできました。それは、いつでもどこでも患者が必要とする瞬間に医療が提供できるようデザインされています。これが、回復と再発とのバトルに大きな変化をもたらします。無数の人々をよりよい人生に導くことができると、私たちは確信しています」。

アサー氏のもとに集まった医療のプロからなる経験豊富なチームも、会社の発展と治療プロトコルの開発を支えている。サンタクララ・バレー医療センターの正式麻酔専門医であり(提携先の)スタンフォード大学薬学部麻酔学助教授でもあるAhmed Zaafran(アーメッド・ザーフラン)博士、米国防総省と退役軍人省の協力でオピオイド被害に対処する米保健福祉省対策本部の顧問を務めるVanila Singh(バニラ・シング)氏、テキサス大学MDアンダーソン癌センターで麻酔学、周術期薬学、疼痛医学の教授を務めるCarin Hagberg(キャリン・ハグバーグ)博士、テキサス医療委員会の会長、米保健福祉省の疼痛管理サービス小委員会対策本部や同省の疼痛クリニカルパス委員会など、疼痛管理のための数々の国内委員会で議長を務めるSherif Zaafran(シェリフ・サーフラン)氏などが名を連ねる。

「Lucid Laneは、手術後に化学療法を止めようと勇敢な決断をした患者に最良の臨床結果をもたらす、患者第一のソリューションを提供します」とシング博士は声明の中で述べている。「短期間のオピオイドやベンドジアゼピンの投薬を必要とする大勢の患者に対して、Lucid Laneの治療法はそれらの薬物への依存が長引くことを防ぎつつ、効果的な疼痛管理によって生活と体機能の質の向上をもたらします」。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:金井哲夫)

ウォーレン氏やサンダース氏を含む9人の上院議員が労働者の解雇でAmazonに公開書簡

マサチューセッツ州選出の民主党員Elizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)氏をリーダーとする9人の上院議員グループが今週、Amazon(アマゾン)のCEO Jeff Bezos氏宛に公開書簡を送り、最近の社員解雇に関する詳しい情報を求めている。その声明は、COVID-19と気候変動に関する同社のポリシーを強硬に批判した4名の従業員の解雇に言及している。

Bernie Sanders(バーニー・サンダース)氏とCory Booker氏、Kamala Harris氏、Sherrod Brown氏、Kirsten Gillibrand氏、Ed Markey氏、Richard Blumenthal氏、およびTammy Baldwin氏らが署名しているその書簡は、次のように述べている:

これら4名のワーカーが、彼らの解雇に先駆けて、Amazonの倉庫における労働者の健康と安全を護るために活動してきたことは、公開されている彼らの履歴において明らかであり、しかし他方には、「内規」への違反に関するAmazonの曖昧な公開声明があるのみである。これらの状況に鑑みわれわれは、その内規なるものが何であるかを正しく知るための、さらなる情報を求めるものである。

書簡は9つの質問を呈示し、BezosとAmazonに5月20日までの回答を求めている。上院議員たちが具体的に指摘しているのは、Christian SmallsとBashir Mohamed、Maren Costa、およびEmily Cunninghamの解雇であり、全員が同社のCOVID-19対応を公然と批判していた、としている。4名の内何名かは、彼らの解雇が内部告発と直接に結びついていると信ずる、と公けに声明しているが、Amazonはそれを断固否定している。

関連記事: アマゾンが従業員2人を追加解雇、パンデミック発生時の労働条件を批判

当時TechCrunch宛ての声明で同社は、「社員の労働条件を批判する権利を、弊社はすべての社員に認めている。しかしそれは、いかなる内規に違反してもよいとする無条件の免罪性を意味するものではない。これらの社員は、内規への違反を繰り返したために解雇した」、と言っている。

5月1日には副社長のTim Bray氏が公然と同社を去り、Amazonはまた一人社員を失うことになった。そしてその日には、国中のワーカーが労働条件をめぐってメーデーのストに参加した。

関連記事: AWSの上級役員で技術者のティム・ブレイ氏が従業員解雇に抗議してAmazonを辞職

Bray氏はこう書いている: 「Amazonの副社長として残ることは、自分が忌み嫌う行為を黙認することになる。だから辞めた。被害者は抽象的な実体ではなく本物の人間だ。名前もある。Courtney Bowden(コートニー・ボーデン)、Gerald Bryson(ジェラルド・ブライソン)、Maren Costa(マレン・コスタ)、Emily Cunningham(エミリー・カニンガム)、Bashir Mohammed(バシル・モハメッド)、Chris Smalls(クリス・スモールズ)だ。全員が非白人または女性またはその両方なのは、確実に偶然だ。そう思いたいね」。

上院議員たちの書簡は、同社における不平等に関するBray氏の懸念を反映するかのように、次のように問うている: 「Amazonでは、技術系労働者と倉庫労働者と役員が規律と解雇に関する同一のポリシーを有しているか?」。

上院議員たちがAmazonに圧力をかけようとしたのは、これが初めてではない。Sanders氏は同社の最低賃金(時給)を15ドルに上げる要求と活動のリーダー格になり、Warren氏は2020年の大統領選出馬にあたって、同社を(GoogleやFacebookなどと共に)分割すべきと主張した。

関連記事: Workers prepare to strike May 1, amid strained pandemic working conditions…パンデミックの労働条件悪化の中で労働者はメーデー参加を準備(未訳)

一方Amazonはこのところ、同社のコロナウイルスへの対応をめぐる論調にとても敏感になっている。Bezos氏の例年の株主宛書簡と同社の決算報告の両方で、それは大きく扱われている。今週初めには、倉庫労働者がまた一人、ウイルス検査で陽性になったあとで死亡した。また4月半ばには、Amazonの少なくとも74の倉庫で一部の労働者が陽性だった。

本誌は、書簡に関するコメントをAmazonに求めている。

画像クレジット: Erin Clark for The Boston Globe/Getty Images

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ニューヨーク市にあるAmazonの配送センターの従業員1名が新型コロナで死亡

今週初めにAmazon(アマゾン)は、同社のスタテンアイランドのフルフィルメントセンターのスタッフたちに、1人の従業員が新型コロナウイルス(COVID-19)で亡くなったことを告げた。このニュースは最初にThe Vergeが報じた。その従業員は4月初めに症状が現れ、4月11日に隔離された。彼は職場に戻ってこなかった。

スポークスパーソンはTechCrunchに対して「ニューヨークのスタテンアイランドの職場で1人の同僚を失ったことを、私たちは深く悲しんでいる。彼の家族と愛する人びとも今私たちの思いの中にいる。そして私たちは、彼の仲間の同僚たちも支援している」と語っている。

アマゾンによると、同社はスタテンアイランドの施設の個々の問題が直接関連しているとは考えていない。同社によると、その従業員は倉庫で働く他の従業員と接触していなかったという。

必須のサービスに分類されているアマゾンは、当地における在宅命令中でも操業停止していない。CEOのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が保有するWashington Post紙は4月半ばに、アマゾンの少なくとも74の倉庫とフルフィルメントセンターでウイルス陽性の検査結果が出たと報じている。3月の終わりごろにはカリフォルニア州ホーソーンの同社施設で1人の従業員が、症状が出てから数日後にウイルスで死亡した

関連記事: ニューヨークの倉庫で働くAmazon従業員が新型コロナ陽性

同社は、従業員たちが自宅にいる消費者のために商品をパッケージして発送する際、ウイルスの拡散を防ぐための正しい保護対策を採っていないと批判されている。アマゾンは同社の声明とジェフ・ベゾス氏の株主宛書簡の両方で非難をきっぱりと否定し、同社は安全措置を講じておりアマゾンの従業員専用の検査施設を建設する計画だ、と述べている。

同社は3月半ばにスタテンアイランドのワーカーが検査で陽性になった後、ガイドラインの提供を開始した。しかし何人の従業員が検査で陽性になり、何人がウイルスで亡くなったのかは明らかでない。

関連記事: 米Amazonの6つの施設で新型コロナ患者が相次いで発生

同社は金曜日のメーデー抗議集会で標的になった著名なリテイラー数社のひとつだ。そして先日には、副社長のTim Bray(ティム・ブレイ)氏が、同社が複数の内部告発者を解雇したことに抗議して退社した

スタテンアイランドの大型施設JFK8は、ニューヨーク市にサービスを提供するアマゾンのハブだ。同施設はパンデミックの間に、アマゾンの複数の抗議活動の焦点になっていた。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナ接触者追跡アプリの拡大流用に警鐘、「中央集中型」支持の英国でも

英国政府による新型コロナウイルス接触者追跡アプリの開発計画について、その透明性と拡大流用に関する懸念を表明する公開書簡に、英国のコンピュータセキュリティ専門家とプライバシー専門家が多数署名した。

2020年4月初めに世界中の300名近くの学者が署名した同様の公開書簡に続き、177名の学者の署名を集めたこの書簡は、接触者追跡テクノロジーの使用に対する慎重な姿勢を促し、接触者追跡アプリを導入する政府には、プライバシーを保護する技術やシステムを使用するよう呼びかけた。

英国の学者らはこの書簡の中で、3月初旬からデジタル接触者追跡アプリの開発を行ってきたNHSX(英国国民保険サービスのデジタル戦略を担当する組織)に言及して「公衆衛生におけるデジタルソリューションの有効性は、関係する全分野の専門家による深い分析を経て判断するべきであり、関係するリスクが妥当であると言うだけの価値があることを証明する十分な根拠が必要だ」と述べた。

また「報道によると、NHSXは感染者とその接触者全員の非匿名IDを中央集中型データベースに記録するアプローチを検討している。このようなシステムはいずれ(本来の目的から逸脱した拡大流用により)監視システムとして利用される可能性がある」とも述べている。

NHSXのCEOであるMatthew Gould(マシュー・グールド)氏は米国時間4月28日、英国議会の科学技術委員会に出席して証拠を提出していた。グールド氏は、間もなく導入されるアプリに採用される「中央集中型手法」は限定的なものであり、プライバシー保護にとって分散型は安全、中央集中型は危険という「二分思考は誤っている」と主張して、NHSXのアプローチを弁護した。

データの中央集中型管理が必要であるとNHSXが考える理由を説明するために、いくつかのシナリオを紹介した。しかし英国の学者らによる今回の書簡は「公衆衛生当局がどの程度のデータを必要とするかという点については、グループ間で意見が真っ向から対立するのを見てきた」として、中央集中型管理が必要であるという主張に疑問を投げかけた。

「使用目的の達成に必要な最小限のデータのみを収集する、という通常のデータ保護原則を適用するべきだと考える。このテクノロジーにはプライバシー侵害につながる特性や関係するリスクがあることを考えると、アプリを信頼してもらうには、このアプローチが単に手っ取り早い方法だとか『あれば便利だ』とかいうのではなく、本当に必要な手段であることを示す証拠を、公衆衛生当局が公式に提示しなければならない」とこの書簡は続いている。

欧州ではここ数週間、政府主導の新型コロナウイルス接触者追跡アプリのアーキテクチャ選択をめぐって激しい議論が行われている。分散型アプローチを支持する国もあれば、中央集中型アプローチを支持する国もある。一部の国ではAppleに対して、ライバル企業のAndroidメーカーであるGoogleと政府が共同で開発している新型コロナウイルス接触者追跡アプリとの互換性を持つクロスプラットフォームAPIを採用するよう圧力をかけている

欧州で開発が進められている政府主導の接触者追跡アプリのほとんどは、Bluetooth近接通信を使用して感染リスクを計算するように設計されている。スマートフォンのユーザーがお互いに接近すると、仮名化されたIDがデバイス間で交換される。しかし、そのIDが中央管理サーバーに保存されると、サーバーを管理する当局がIDから個人を再特定できるようになるため、国家による監視システムが構築されるリスクがある、とプライバシー専門家は懸念している。

中央集中型のシステムに代わるものとして、デバイスに保存されるIDを使ったピアツーピア通信による分散型システムが提案されている。感染リスクもデバイス上で計算され、プッシュ通知を他のデバイスに送信する時だけリレーサーバーが使用されるため、ソーシャルグラフを示すデータが組織的に公開されることはない。

しかし、このような分散型構造でも、感染が確認された人のIDを他の人のデバイスに通知する必要があるため、デバイスレベルでデータが傍受され、個人が再特定される可能性は存在する。

欧州では今のところ、政府主導の接触者追跡アプリに分散型アプローチを採用することが主流になっているといっていいだろう。注目すべきことに、初めは中央集中型アプローチを支持していたドイツ政府も後になって、エストニア、スペイン、スイスなどと同じように分散型アプローチへと方向転換した。その結果、現時点で中央集中型システムを支持している主要国はフランスと英国だけになった。

フランスでもこの問題について、専門家による議論が続いている。フランスでは4月末、中央集中型と分散型それぞれのアーキテクチャについて懸念を表明する書簡に数名の学者が署名した。学者らは、どのような追跡ツールを使用するにしても、「生じうるリスクが妥当であることを示す重要な証拠を示す必要がある」と主張している。

英国の場合、NHSXが開発する追跡アプリに関する重大な懸念は、政府によるソーシャルグラフデータの中央集中型収集と個人の再特定だけではない。その仕様や機能の拡大流用も重大な懸念となっている。

グールド氏は先日、追跡アプリは今後も流用されるだろうと述べ、その際に使用されるバージョンでは位置情報などの追加データを任意で提供するようユーザーに依頼する可能性があると付け加えた。さらに、NHSXは追跡アプリの使用は任意だとしているが、複数の機能がアプリに実装されると、同意の意味合いが薄まり、拡大流用がアプリ使用の強制につながるのではないか、という疑問が生じる可能性がある。

別の懸念は、英国スパイ機関の表向きの顔であるGCHQ(政府通信本部)も、追跡アプリのアーキテクチャ選定に関わってきたという点だ。さらに、グールド氏は昨日の科学技術委員会で、中央集中型アーキテクチャ採用の決定にNCSC(英国国家サイバーセキュリティセンター)が関与してきたかと問われた際に、答えをはぐらかした。

この面でもさらに別の懸念が予想される。HSJ誌は米国時間4月29日、Matt Hancock(マット・ハンコック)保健相が最近、英国諜報機関に新たな権限を与えたと報じた。これにより諜報機関は、新型コロナウイルスのパンデミック中に、医療サービスのネットワークや情報システムの「セキュリティ」に関するものであればどんな情報でも、その開示をNHSに要請できるようになる。

データベース好きのスパイ機関がそのような権限を手にしている状況で、プライバシー侵害への不安感が和らぐわけがない。

英国のデータ規制当局が追跡アプリの設計プロセスにどの程度深く関与してきたのか、という点も気になる。先にICO(英国情報コミッショナー事務局)の執行役員であるSimon McDougall(シモン・マクドガル)氏が、自分は追跡アプリの計画書を見たことがない、と公の討論会の場で発言したことが報じられたが、実はICOは4月24日に「高い透明性とガバナンスを確保できるようNHSXを支援している」との声明を出していた。

また、グールド氏は先日の科学技術委員会で、追跡アプリが流用される際にはその都度、NHSXがデータ保護影響評価(DPIA)を公開すると述べた。しかし、DPIAが公開されたことはまだない。

グールド氏はさらに、追跡アプリは「技術的には」今後数週間のうちに使用できるようになると述べたが、アプリのコードを公表して外部レビューを行う時期については明言できなかった。

英国の学者らは今回の書簡の中で、DPIAを追跡アプリの導入直前に公開するのではなく「今すぐ」公開するようNHSXに要請した。そうすることで、追跡アプリの使用が及ぼす影響について公に議論できるようにし、政府が実装したと主張する安全対策とプライバシー保護対策を国民が自ら精査できるようにするためだ。

英国の学者らは、システムのユーザー(感染を自ら報告する人を除く)を非匿名化してユーザーのソーシャルグラフを特定可能にするいかなるデータベースも作成しないことを公式に誓言するよう、NHSXに要請した。

学者らはまた、新型コロナウイルスのパンデミックの収束後に、NHXSが「拡大流用を回避する」べく追跡アプリをどのように段階的に停止するつもりなのか、詳しい説明をNHSXに求めた。

データベースの件についてTechCrunchがNHSXの広報担当者に尋ねると、それは英国保健省やNCSCが決めるべき問題だという回答が返ってきた。これでは、政府がアプリユーザーのデータを拡大流用してプライバシーが侵害されるのでは、という不安感が和らぐことはない。

TechCrunchはNHSXに対して、追跡アプリのDPIAの公開時期についても問い合わせたが、この記事の執筆時点でまだ回答は得られていない。

アップデート:NHSXのスポークスパーソンから以下のような返答を得ている。

我々はデータ保護に関する取り決めを追って公開します。また、このパンデミックの驚異が去った後には、この接触者追跡アプリはただちに停止される予定です。その際、ユーザーから共有されたデータは削除しますが、法と倫理を鑑みつつ、将来のウイルス研究に役立つデータは保存されます。

また、これに続いてスポークスパーソンは以下のコメントを追加した。

ユーザーからの許可を得た場合を除き、ユーザーデータは常に匿名化された状態で保存されます。また、匿名化解除のためにデータを照合できる他のデータベースは存在しません。

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Category:セキュリティ

Tags:新型コロナウイルス 接触者追跡

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(翻訳:Dragonfly)

AWSの上級役員技術者が社員の解雇に抗議してAmazonを退社

Amazon(アマゾン)では、メーデーのストライキに参加するために病欠をした労働者が多かったが、その中でTim Bray氏は、彼の同社での最後の日を過ごしていた。Amazon Web Servicesの副社長で「勲功技術者」(Distinguished Engineer)の称号を持つ」彼は今日(米国時間4/29)、5月1日はこのリテール大手における彼の最後の日であると発表し、批判的な発言をする社員をAmazonが解雇したことに言及した。

XMLの共同作者としていちばんよく知られていると思われるBray氏は、Amazonで5年あまりを過ごし、その前はGoogleとSunに在籍した。自分の記事の中で彼はAmazonを「これまでで最良の職場」と呼び、そのあとで、労働運動を組織したEmily Cunningham氏とMaren Costaly氏が解雇されたことを忍耐の限界と指摘している。

関連記事: アマゾンが従業員2人を追加解雇、パンデミック発生時の労働条件を批判

Costa氏とCunningham氏は、解雇がAmazonの環境に関する履歴やCOVID-19の危機の間における従業員の取り扱いを批判したことと直接関連していると述べているが、当然ながら同社はその関連を否定して、「われわれはこれらの社員を内規違反を繰り返したために解雇した」と言っている。

[Tim Bray: 金曜日はAmazonにおける私の最後の日だった。[サーバーがちょっとオーバーヒートしてるが、放っておこう。すぐ終わるから。]]

Bray氏はどうだったかというと、彼は公式のチャネルを通じて自分の懸念を述べたが、結局は辞めることになった、と言っている。

Bray氏はこう説明している: 「そうなった以上、Amazonの副社長として残ることは、自分が忌み嫌う行為を黙認することになる。だから、辞めた。被害者は抽象的な実体ではなく本物の人間だ。名前もある。Courtney Bowden、Gerald Bryson、Maren Costa、Emily Cunningham、Bashir Mohammed、Chris Smallsなどなど。全員が非白人または女性またはその両方なのは、確実に偶然だ。そう思いたいね」。

関連記事: Workers prepare to strike May 1, amid strained pandemic working conditions…パンデミックの不当な労働条件で5月1日に労働者たちがストを計画(未訳)

Bray氏の記事は、彼が役員として仕える企業の公正でない権力構造の告発だ。その記事は主に、全世界のAmazonの倉庫における措置にフォーカスしており、COVID-19への対応と、同社が間違いなく一つの役を演じてきた後期資本主義に関する広義の不平や苦情の両方に関わっている。彼はその措置を、彼自身がそれまでいた事業部であるAWSと比較している:

私が働いたAmazon Web Services(同社の「クラウドコンピューティング」部門)は、それとは全然違う。そこは労働者を人間的に扱うし、ワーク/ライフバランスにも努め、ダイバーシティの針を動かそうと苦労している(ほとんど失敗だがでもどこでもそうだ)。そして、大体のところ、倫理的な組織だ。私はそのリーダーシップを心から賞賛している。もちろん、ワーカーたちには力がある。平均給与はきわめて高く、気に入らない者はその日のうちに別の会社で、同額かまたはそれより高い給与の仕事を得られる。

Amazonは、コメントを拒否した。

画像クレジット: ANGELA WEISS/AFP / Getty Images

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

3Dプリントで睡眠時無呼吸治療器具を新型コロナ用人工呼吸器に換えるアダプターを生産

米食品医薬品局(FDA)が、Formlabsの3Dプリント部品に緊急時使用認可(emergency use authorization、EUA)を認めた。この部品は、睡眠時無呼吸の治療に使われていた二相性陽圧呼吸(BiPAPマシン)を現在、強く求められている人工呼吸器に換えることができる。今週末にかけて、数十件もの人工呼吸器やそのアクセサリーに認可が下りた。

Formlabsはマサチューセッツ州サマービルの工場にある150台の3Dプリンターを動員してこの部品を製造し、全米の病院と地方自治体に配布することを計画している。

NorthwellHealth設計のニ相陽圧呼吸器用アダプターの3DプリントにFDAの緊急時使用認可が下りた。このアダプターを使って、睡眠時無呼吸症候群の患者が使用するBiPAPマシンを機能的な侵襲的人工呼吸器に換えることができる。

FormlabsのCEOであるMax Lobovsky(マックス・ロボフスキー)氏は、プレスリリースで「これまでの30年間、FDAの緊急時使用認可は片手で数えるほどしか下りてない。全国の病院がFormlabsの3Dプリンターを使って自分でアダプターを作ることができるし、感染がひどい地域では量産も可能だ」と述べている。

関連記事:3DプリンティングのFormlabsが米食品医薬品局の認可をもらって綿棒の量産へ

Formlabsだけでなく、数多くの3Dプリント企業が新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに対応してアクションを起こしている。この前例のない状況が、3Dプリントならではのさまざまな技術的課題を作り出している。Formlabsは既にウイルス検査キットで使う綿棒を3Dプリントで製造することで貢献している。この他にもFormlabsはマスクシールドや、シュノーケルマスクを防護服に換えるアダプターも作っている。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AppleとGoogleが新型コロナ暴露通知アプリのサンプルコード、UI、詳細なポリシーを公開

Apple(アップル)とGoogle(グーグル)は、最初のバージョンのExposure Notification(暴露通知)APIの開発者向けに、さらなるリソースの提供を開始した。このAPIは、両社が制作した開発ツールだ。アップルとグーグルは、公的保健機関が新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が診断された患者との接触の可能性を個人に知らせる、クロスプラットフォームの通知手段の開発に取り組んでいる。

第1バージョンのExposure Notification APIは、Contact Tracing(接触者追跡)APIと呼ばれていたものを、その実際の用途と目的を正確に表現しようとAppleとGoogleが名称を変更したものだが、iOSとXcodeのベータ版アップデートとともに先週公開された。そして米国時間5月4日、開発例となるUIアセット、iOSとAndroidのサンプルコードなどを含む開発者向けの新しいサンプルリソースがアップルとグーグルから公開された。これらは、公的保健機関がアプリ開発をすぐに始められるよう、開発の出発点としてデザインされている。

同時にアップルとグーグルは、新しいポリシーも発表した。これには、このAPIを使ったアプリの使用が承認されるように開発者が留意すべき、以下のような要件が含まれている。

  • これは公式な政府の保健当局によって作成され、または同局が使用するためものであり、その使用は新型コロナウイルス感染症対応に限定される。
    実際に使用する前に、当APIの実際の使用についてユーザーの同意を求めなければならない。
  • テストの陽性結果などの情報を、アプリを運営をする公的保健当局が公表する以前に、本人の同意を求めなければならない。
  • 暴露通知に必要な最低限の情報のみを収集し、新型コロナウイルス感染症対応のためのみにそれを利用すること。すなわちこれらのアプリが広告やその他の目的にその情報を利用することを明示的に禁ずるものである。
  • アプリは、特定の地理位置情報データを提供するデバイスの位置情報へのアクセス、およびアクセスの許可を求めることができない。公的保健当局から既に公開されている位置情報を利用するアプリについては今後も提供を続けるが、それらの情報を利用するいかなるアプリも、新しいExposure Notification APIへのアクセスをグーグルとアップルは認めない。
  • 効率性を高めるために細分化を避けるようデザインされているため、1つの国にアプリは1つと定めるが、国が地域や州などに分割されている場合、アップルとグーグルは当該保健当局と積極的に話し合い、最善の方法を探ることとする。これは基本的に国が州ごとに異なるアプリを使用したいとアップルに申し出た場合、アップルは複数アプリを許可し、その国のストアに掲載されるようにすることを意味する。また、これらは州ごとの暴露通知メカニズムが他州にまたがり連携できるか否かという点において、柔軟に対応する。

両社は、2020年5月末の一般消費者に向けた公開バージョンのAPIのリリースに先立ち、ソフトウェアおよびソフトウェア開発キットのアップデートのペースを今のまま保持するとも話している。アップルとグーグルは、APIの消費者向けリリースの時期を「5月中旬」に予定している。最終的な予定として、2020年末までには、システムレベルの機能として暴露通知をリリースするという。

以下の写真で、両社のサンプルUIリソースを見ることができる。これらは、アプリが完成した場合の通告方法、設定画面、その他の外観の案を示すものだ。もちろん、公衆衛生当局(または開発を請け負った者)が作るアプリごとに多少の違いは生じるだろう。

  1. 04-COVID-19-Exposure-Notifications-Settings-Android

    暴露通告の設定
  2. 02-COVID-19-Exposure-Notifications-Sample-Public-Health-Authority-App-Positive-Result-Android

    公的保健機関サンプルアプリの陽性報告の流れ
  3. 02-COVID-19-Exposure-Notifications-Sample-Public-Health-Authority-App-Positive-Result-iOS

    公的保健機関サンプルアプリの陽性報告の流れ
  4. 03-COVID-19-Exposure-Notifications-Sample-Public-Health-Authority-App-Exposure-Notifications-Android

    公的保健機関サンプルアプリの暴露通告の流れ
  5. 03-COVID-19-Exposure-Notifications-Sample-Public-Health-Authority-App-Exposure-Notifications-iOS

    公的保健機関サンプルアプリの暴露通告の流れ
  6. 04-COVID-19-Exposure-Notifications-Settings-iOS

    暴露通告の設定
  7. 01-COVID-19-Exposure-Notifications-Sample-Public-Health-Authority-App-Onboarding-Android

    公的保健機関サンプルアプリの登録画面
  8. 01-COVID-19-Exposure-Notifications-Sample-Public-Health-Authority-App-Onboarding-iOS

    公的保健機関サンプルアプリの登録画面

アップルとグーグルは、独自に接触者追跡アプリの開発に取り組み、それを機能させるためにiOSとAndroidの特定の部分にアクセスしたいという数多くの公的保健当局からの要請に応えて、この前例のない共同事業に乗り出した。両社は、ユーザーの身元がわからないように、また地理的位置情報衛星のサービスが受けられない屋内を含むあらゆる環境でもシステムが確実に機能するように、地理的位置情報データではなく、Bluetooth識別子を使うという基準のもとで協力し合うことを決めている。

保健当局は、自分が受けたテストの結果に紐付けられた一意のコードの入力をユーザーに求めるようにもできる。それによりユーザーは、陽性の診断が、自己判断や保健当局が新型コロナウイルス感染症診断用として認可していないテストに基づくものではなく、公式なテストで認められたものであることが確認できる。

グーグルとアップルが提示したサンプルの参照アプリケーションは、一般ユーザー向けに公開されることはない。あくまでも開発者限定だ。だが両社とも、新型コロナウイルス感染症に適時に対応するアプリの開発者の努力を支援するために、完全なソースコードを含んだ参照アプリケーション全体を開発者に提供している。

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(翻訳:金井哲夫)

Uberがドライバーと乗客のマスク着用を義務化へ

Uber(ウーバー)はドライバーと乗客にマスクの着用を義務付けようとしている。新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックに苦闘するライドシェアリングビジネス復旧に向けての取り組みだ。

CNNが最初に報じたニュースによると、米国を含む一部の地域でドライバーと乗客のマスク着用を義務付ける新たなポリシーを経営陣が承認した。TechCrunchは米国時間5月4日に、Uberが一部の市場向けにポリシーを制定したことを確認した。

しかしUberはまだ、ある大きな課題に直面している。それはドライバーを保護するために必要なマスクその他の用具を十分確保することだ。同社によると、主要メーカーは医療従事者をはじめとする救急作業者を優先しているため、複数の注文が遅延あるいはキャンセルされているという。

Uberがどうやってこのポリシーを強制するかもわかっていない。

「国の経済が再開するにあたり、Uberは安全を最優先し慎重に進めていく」とUberの広報担当者がメールによる声明で語った。「現在当社は、ドライバーに対して可能な限り家に留まるよう求める一方、不可欠な利用に従事するドライバーのために保護用品を配送している。同時に我々は復旧の次期フェーズに向けての準備も進めている。そこには我々全員が果たすべき役割がある。最終方針が決まり次第ユーザーに伝える予定だが、それまでも全乗客およびドライバーには、Uberを利用する際マスクやフェイスシールドを使うことを強く推奨する」。

Uberはユーザーに対しても家に留まるようアプリ内メッセージやテレビCMなどを通じて訴えている。アプリは今も利用可能であり、ユーザーは食料品の買い物や薬局など不可欠な外出に利用している。Uberは乗客とドライバーにマスクなどの顔面保護具の着用を強く勧めているが、まだ強制はしていない。

ドライバーの保護

新型コロナパンデミックがヨーロッパと北米を急速に襲うにつれ、Uberドライバーたちは自分たちが最前線にいることに気づき始めた。医療従事者など感染者と接触した可能性のある救急要員を乗せることも多い。

2020年4月にUberは、全世界のアクティブなドライバーと配達員にマスクを購入、配布すると発表した。しかし、新型コロナは世界中でマスクや消毒薬の供給を圧迫した。Uberやその他のライドシェアリングのドライバーが、マスク入手の問題を報告している

4月第1週、Uberは約50万枚のマスクを入手しドライバーへの配布を開始したと語った。当初同社は、ニューヨーク市、ロサンゼルスなど新型コロナ感染多発地域のアクティブなドライバーを対象とした。ロサンゼルスのEric Garcetti(エリック・エリック・ガーセッティ)市長は、企業が不可欠な任務につく労働者に個人防護具を提供することを義務付ける労働者保護命令に署名している。さらにUberは、ドライバーにマスク着用を義務付けているサンフランシスコ、ワシントンDCおよびニュージャージー州の各地域にも優先的に配布すると語った。

必要な用具をさらに入手でき次第、アクティブなドライバー全員に行き渡るようにするつもりだとUberはいう。同社の最終目標は、地域の規則に関わらず全国にマスクを提供することだ。

Uberは今週までに、米国内でマスク140万枚の発送あるいは発送準備を終えている。さらに同社は、4月初めから消毒薬をシカゴ、ロサンゼルス、ニューヨーク、シアトルおよびワシントンDCのドライバーに配布している。

画像クレジット:Thomas Trutschel / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

NVIDIAの主任研究員が4.3万円で作れる人工呼吸器を開発

NVIDIAの主任研究員のBill Dally(ビル・ダリー)氏は、人工呼吸器のハードウェア設計をオープンソースとして公開した。世界的な新型コロナウイルスのパンデミックによって、人工呼吸器が不足していることに対処するためだ。ダリー氏が開発した人工呼吸器のメカニズムは、既存の部品を利用して手早く組み立てることができる。費用は総額で約400ドル(約4万3000円)程度。通常の専用人工呼吸器の価格が2万ドル(約214万円)以上であることを考えると、かなり入手しやすいものとなる。

ダリー氏の設計はシンプルさを追求したもので、主要な部品は、基本的にソレノイドバルブとマイクロコントローラーの2つだけとなっている。この設計は「OP-Vent」と名付けられた。以下のビデオを見れば、一般的な人工呼吸器のハードウェアに比べて、部品がスカスカなことがわかるだろう。また新型コロナ対策として、救急用に設計された他の人工呼吸器よりもずっとシンプルだ。

ダリー氏は、これを機械工学のエンジニアや医師からのインプットを活用して設計した。その中には、スタンフォード大学のチーフレジデントであるAndrew Moore(アンドリュー・ムーア)博士や、医療機器の専門家で、企業の共同創立者でもあるBryant Lin(ブライアント・リン)博士も含まれている。わずか5分で組み立てることができ、ペリカンケースに余裕で収まるので、輸送するのも持ち運ぶのも簡単だ。部品点数が少ないだけに、エネルギー消費も少ない。救急医療隊員が緊急対応で使うシンプルな手動のブリーザーバッグを利用するタイプよりも少ないくらいだ。

次のステップは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応機器として、FDAの緊急使用許可プログラムの認可を得ること。それから製造パートナーを探して、大量生産を実現することだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

電子たばこの使用習慣データを収集するデバイス「PuffPacket」

電子たばこは論争の的になっている習慣だ。明らかにマイナス面がある。しかし、裏付けに乏しいがすばらしい禁煙補助品でもある。つまりどんな人が、いつ、どれくらい利用するのか、その他詳細を行動科学者がさらに把握するまで、電子たばこの使用は謎のままということになる。そこでPuffPacketの登場だ。

コーネル大学のエンジニアがデザインしたPuffPacket(パフパケット)は、電子たばこに取り付ける小さなデバイスで、使用を正確に測定し、後にユーザーや研究者が使用状況を確認できるよう情報をスマホのアプリに送信する。

一部の電子たばこデバイスには既に似たようなものがセットされている。カートリッジが少なくなっていることや、一定の使用量に達したことをユーザーに知らせるためだ。しかし一般に、電子たばこの習慣を研究するときは、専用のアプリではなくユーザーの自己申告に頼っている。

「電子たばこの使用習慣を継続して客観的に理解する手段がなく、PuffPacketの開発に至った。PuffPacketは電子たばこ使用の適切な測定、モニタリング、追跡、記録ができる。ユーザーの位置や行動のデータと自己申告から推論するものではない」と開発を主導した博士課程の学生Alexander Adams(アレクサンダー・アダムス)氏はコーネル大学のニュースリリースで述べた。

PuffPacketはマウスピースとヒーティング部分の間に取り付けるもので、さまざまな電子たばこデバイスで使える。ユーザーが息を吸うと電子たばこのサーキットがオンになるが、同時にPuffPacketもオンになる。ボルテージをチェックすることで、PuffPacketはどれくらいの液体が蒸発しているのかを把握でき、使用時間やタイミングといったよりシンプルなこともわかる。

ロケーションやアクティビティがいかに電子たばこの使用とつながっているのかを示すリアルデータの例。

データはBluetooth経由でスマホに送信される。そこにユーザーのロケーションや活動、その他のメタデータといった情報が加わる。これは午後ではなく午前中に歩いているときに、あるいは食事の後ではなくコーヒーの後に、または家よりもバーで頻繁に電子たばこを使用する、といった種のパターン特定につながる。おそらく(正当な許可があれば)特定のアプリの使用も追跡できる。Instagramと電子たばこ、 ゲームの後の一服など。

こうしたパターンの一部は明白かもしれないし、他のパターンはそうではないかもしれない。しかしいずれにしても使用についてユーザーに尋ねるよりリアルデータを入手するのに役立つ。ユーザーは自身の習慣について知らなかったり理解していなかったりするかもしれないし、あるいは認めようとするかもしれない。

「いつ、どこで、どんな行動を取りながらという要素の関連を調べることは中毒性を調べる上で重要だ。研究では、いつも通る道を遠ざけることができれば、習慣をなくせることが明らかになった」とアダム氏は話している。

人々が自発的に電子たばこのスティックにデバイスをくっつけて情報を共有するとは誰も考えていない。しかしオープンソースとして公開されるデザインは、研究者らがより本格的な研究を行うのに活用できる。PuffPacketについての詳細はここで閲覧できる。

<画像クレジット: Tegra Stone Nuess / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

NASAのジェット推進研究所が開発した緊急時用人工呼吸器をFDAが認可

アメリカの食品医薬品局(Food and Drug Administration, FDA)が、同局のCOVID-19ガイドラインに示されている緊急時の使用を、NASAのジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory, JPL)の技術者たちが新たに設計した人工呼吸器に対して認めた。NASAは昔から頭字語が大好きなお役所なので、この人工呼吸器も早速「VITAL」という頭字語で呼ばれている。それは、Ventilator Intervention Technology Accessible Locally(現地で使用できる人工呼吸器インターベンション技術)の略だ。その設計は、コロナウイルスの危機の間は誰もが無料で使用できる。

JPLが開発した緊急時用人工呼吸器は挿管式人工呼吸器で、鎮静剤を投与した患者の気道のずっと下の方まで呼吸管を挿入して呼吸を助ける。それはもっとも重症のCOVID-19患者用とされ、しかも機器の不足時には、それまでに患者が使っていた正規に承認された人工呼吸器を他に回してから使う、となっている。

NASAによると、VITALのいちばん興味深い点は、これまでの人工呼吸器に比べて部品点数が「きわめて」少ないことだ。だから組み立てもはやく、メンテナンスに時間と専門技術者を要しない。ただし数年間使える従来のハードウェアと違って推奨使用期間は3〜4か月とされ、あくまでもCOVID-19の患者専用とされている。つまり、今後もいろんな医療状況で使用できる一般的な人工呼吸器ではない。

しかしそれでも、NASAのJPLは、FDAの認可を得たことを機に、そのハードウェアの商用生産のパートナーを探している。大量生産により、それを必要とする多くの病院に配布したいのだ。

COVID-19によって需要が増えたため、これまでにもさまざまな緊急時用人工呼吸器が登場している。でもNASAのJPLというと、技術者集団としてのイメージも高いし、もっとも深刻な緊急時用とされているこの製品は、技術的にも優れているものと思われる。

画像クレジット: NASA/JPL-Caltech/Getty Images

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アップルが全米の新型コロナ検査施設をマップに追加

Apple(アップル)は、同社のマップアプリに全米の新型コロナウイルス(COVID-19)検査施設を追加した。全50州とプエルトリコが対象だ。この更新によって病院、診療所、救急施設、一般開業医、薬局などに加えて、専門の新型コロナ検査場など、検査が可能な場所の位置が表示されるようになる。さらに、位置を検索したときの目的地候補として新型コロナ施設が優先的に表示される。またアップルは、新型コロナ危機の中で人々がどのように都市を移動しているかを示す、Mobility Trends(移動傾向レポート)サイトも更新した。

マップアプリのアップデートは先週9to5Macが発見している。検査施設の提供者がデータベースに位置を追加するためにアップルが作ったポータルを通じてわかった。追加情報は既に有効になっており、パンデミックのためにカスタマイズされた優先検索オプションに追加されている。他には食料品店、フードデリバリー、薬局、病院、救急施設などが優先検索対象になっている。

移動傾向レポートは地域指定が改善され、米国、カナダで週単位での検索ができるようになり、地域の地元での呼び名が検索結果に追加され、世界中の人が目的の場所を見つけやすくなった。米国では、対象になる都市が追加されている。

アップリはこのデータを公開することで、政府や交通機関、都市などがパンデミックによる影響の理解を深めるとともに、ソーシャルディスタンスや自宅待機などの行動がどれだけ守られ、どれだけ効果を生んでいるかに関する情報を提供するために役立てることを期待している。このデータは、ユーザーがマップアプリで検索した目的地情報に基づいているが、アップルのマップには既にプライバシー対策が講じられているため、検索情報と共に個人情報が収集されることはない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ビル・ゲイツ氏が財団の全リソースを新型コロナとの戦いに向けると表明

Microsoft(マイクロソフト)創業者のBill Gates(ビル・ゲイツ)氏が、グローバルの新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックと戦うために現在展開されている取り組みをサポートしようと、Bill & Melinda Gates Foundation(ビル&メリンダ・ゲイツ財団)の活動をいかに「ほぼ全面的」に新型コロナウイルス感染症にシフトさせているかをファイナンシャル・タイムズに語った(Fast Company経由)。同紙に対してゲイツ氏は、新型コロナウイルスの感染拡大は恐ろしいほどの経済影響をもたらしうると語り、その結果、誰も想像できないほど世界が苦しむことになるかもしれないとした。そのため、世界で最も資金力のある慈善財団の1つであるゲイツ財団のリソースすべてを注いで新型コロナ問題を克服する必要があるとの考えを示した。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団は新型コロナウイルスが世界に広く認識されるようになったときから、ワクチンの試験や臨床研究、そして治療薬や治療法の開発に関連する基礎研究に資金を提供してきた。これは、同財団がリソースを新型コロナに向ける一方で、ポリオやエイズの根絶など同財団の既存の任務が一時的に縮小もしくは停止することを意味する。かなりのリソースを新型コロナに向けるというゲイツ氏の決断は状況の深刻さを浮き彫りにしている。

活動の一時的シフトは、実際には同財団の根幹的な目標に取り組む長期的で最善の方法となる。というのも、新型コロナウイルス危機によるグローバルの影響は、食料や基本的必需品はもちろん、医療、テスト、治療へのアクセスなども含め、暮らしのあらゆる面に及ぶと考えられるからだ。感染拡大を早く抑制することは、新型コロナ対応に苦戦している経済に最も大きな影響を与えるかもしれない。また、他の病気が地域のインフラを破壊したり影響を長引かせたりするのではなく、妥当なタイムラインで根絶させる効果的な取り組みにつながるかもしれない。

2015年のTEDでの講演の中で、ゲイツ氏は世界的な感染症の発生を予言し、世界の健康衛生機関や政府に大規模な感染症が発生した場合に何をすべきか、ともに準備するよう訴えた。ゲイツ氏の発言は主に、取り組みの格差やシステムの欠点などを明らかにした2014年のエボラ熱の流行を念頭に置いたものだったが、振り返ってみると同氏のアドバイスは先見の明があったようだ。

残念ながらゲイツ氏は、極度のパラノイアや嘘をばらまくグループによる多くの誤情報やインチキ陰謀説のターゲットになっている。しかしインタビューからすると、ゲイツ氏は超有名な個人にそれらは付き物とある程度予想していた向きがある。そうした陰謀はゲイツ財団の取り組みに影響は与えていないようだ。

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(翻訳:Mizoguchi

サンフランシスコ地域の外出禁止命令は5月末まで延長

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによりサンフランシスコ周辺の7郡に出されていた外出禁止命令は5月末まで延長されることとなった。ベイエリア7郡の命令は住民700万人と数千の企業に影響を与える。

アラメダ、コントラコスタ、マリン、サンフランシスコ、サンマテオ、サンタクララの各郡(カウンティ)およびバークレー市の公衆衛生責任者は、共同声明で今週末に新しい外出禁止命令を出すことを発表した。新命令では「少数の低リスク活動」に関する規制が緩和される。

現在の外出禁止命令は5月3日で失効するため、以降の自治体の対策は新しい命令とともに今週後半に発表される。7郡はシリコンバレーの全域を含むためApple、Facebook、Google、Salesforce、Twitter、Tesla、Uberの本社を含め、多数のスタートアップ企業、テクノロジー企業が集積している。

共同声明は「我々の地域には700万人が住んでいる。地域の人々の努力と犠牲のおかげで、新型コロナウイルス感染の拡大を遅らせ、地元の医療体制の崩壊を防ぐ上で大きな成果を挙げてきた。これは多数の人命を救っている。しかしながら、現段階では、この達成を失わないよう集団的努力を継続することが極めて重要となっている」と述べている。

公衆衛生責任者は2020年4月27日に「新たな入院患者数は横ばいとなったが、コミュニティを安全に再開するためにはさらに多くの作業が必要だ。規制の解除が早すぎると感染者は再度大幅に増加するリスクがある」と警告した。

また当局は新型コロナウイルス対策とその進捗状況を追跡するための広範なツールをリリースする計画を発表している。これらは州の他の地域で利用されているツールに準じたものだという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米食品医薬品局が新型コロナ治療薬候補の一部に危険性ありと再警告

FDA(米食品医薬品局)は、ヒドロキシクロロキンとクロロキンの重大な副作用について再度警告した。両医薬品は抗マラリア(および皮膚エリテマトーデスなど)薬として以前から使われているが、最近新型コロナウイルス(COVID-19)治療薬の候補として臨床試験が行われていた。しかし研究者がJAMA(ジャーナル・オブ・アメリカン・メディシン)に 発表した論文によれば、試験は「重大な副作用」のため試験は急遽中止されている。

論文によると両薬品は「初期の結果」において22人の患者の死亡を含む重大な危険が認められ、試験は中止されたという。初期試験では薬剤の大量投与を受けたグループの死亡率は39%に上った。少量投与のグループでも死亡率は15%あった。双方を総合すると死亡率は27%だった。

「試験の結果は同薬剤の大量投与に対して強い懸念を示すものとなった。毒性のリスクが効能を上回ることが明らかだった」と研究グループは所見を述べている

4月24日のFDAの警告では特にこの臨床試験には言及していないが、81人の患者を対象としており、フェーズII臨床試験として最大規模のものだった。今回FDAは「ヒドロキシクロロキンを単独あるいは他の薬剤と併用して投与された新型コロナウイルス患者の死亡に関する報告を受けている」と注意を呼びかけている。「他の薬剤」には抗生物質のアジスロマイシンが含まれている(JAMA論文によれば被験者全員がアジスロマイシンの投与を受けていた)。治験者には心臓の鼓動が遅くなるQT間隔延長や逆に速くなる心室性頻拍などの危険な症状が見られ、一部の例では死亡の原因となったという。

ヒドロキシクロロキンとクロロキンはトランプ大統領が新型コロナウイルスの治療薬として有望だと述べたことで注目されたが、フランスにおける初期の小規模調査な研究で治療薬としての可能性が認められたものの、安全性に関しては科学的証拠が得られるような臨床試験は行われていなかった。医薬品として承認されたのはあくまで抗マラリヤなどに処方されることを前提としており、大量投与には重大な副作用があることは以前から知られていた。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

MITが布に織り込んで洗濯機で洗濯できる常時健康モニタリング用センサーを開発

MITが開発した新しいタイプの軽量センサーは、布のような曲げられる素材に組み込める。たとえばそれをアスリートのウェアに織り込めば、体温や心拍数、呼吸数などのバイタルを常時モニタできる。また洗濯機で洗えるし、外から見て目立つものが何もない。あるいは織り込まずに取り外せるようにすると、複数の衣類で使える。

このセンサーの研究プロトタイプはスマートフォンと通信でき、最終的には中国のパートナーが量産する。応用分野は健康産業のほかに、宇宙飛行士の生命兆候を知るなど宇宙での利用も考えられる。MITのこの研究は、NASAとMITメディアラボの宇宙探究計画も出資しているが、ポテンシャルが圧倒的に大きいのは地球上での利用だ。とりわけ、COVID-19に悩まされている今は、将来のもっとコントロールの幅が広がったバージョンが、ヘルスケアの分野で多用されるだろう。

中でもとくにこれは、定常的なモニタリングと医師の診察を必要とする慢性病患者にとって費用効果が高くて容易な方法であり、多くの場合手作業で一貫性を維持することが難しかった記録の作成と維持を助けるだろう。記録の更新を人間の手や遠隔医療に頼るのではなく、患者自身がバイオメトリックデータの安定的なストリームを、治療をモニタしているヘルスケアのプロフェッショナルに提供できる。そしてそのプロセスを自動化すれば、患者と介護者の両方がつねに最新の状態情報をリアルタイムで提供し取得できる。

遠隔医療はCOVID-19のおかげですでに需要が急増しており、患者もヘルスケアのプロフェッショナルも共に、COVID-19の感染リスクを下げながらヘルスケアのニーズを継続的に管理する方法を求めている。とくに重要な対象は、慢性病や既往症を抱える弱者だ。

アメリカのプライマリーケアのスタートアップForwardなどは、すでにこの方式を実験している、。それは、バイオメトリックのセンサーを自宅にいる患者に配布してモニタするやり方だ。インターネットに接続されるセンサー(コネクテッドセンサー)を作っているKinsaも、匿名のバイオメトリックデータを集積するやり方に価値を見出している。それはセンサーのデータをマッピングしてCOVID-19の拡散の兆候、とくに地域における発熱の広がりを調べようとする。

衣類に埋め込まれるウェアラブルなセンサーは、前にも試みられ、製品化されたこともある。でも今回のMITのバージョンは、もっとも着用のなじみが良く、邪魔にならず、快適だ。将来、健康データの常時モニタリングによってパンデミックのもっと良質なモデリングが可能になれば、まさにこのセンサーがイノベーションの最先端として注目されるだろう。

画像クレジット: MIT

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アップル/グーグル共同開発のコロナウイルス接触者追跡APIの最初のバージョンが来週リリース

Apple(アップル)のCEO Tim Cook氏と欧州委員会の単一市場担当委員Thierry BretonThe氏の会話によると、AppleとGoogleが共同開発しているクロスプラットホームな接触者追跡APIは来週から使用できる。Breton氏が彼のオフィスで共有した写真には、彼とCook氏のビデオ会話の様子が写っており、また彼がLes Echosに語ったところによると、AppleのCEOは、公衆衛生当局のためにアプリを作るソフトウェアデベロッパーがその接触者追跡APIを利用できるのは4月28日からだ、と述べた。

AppleとGoogleは4月10日に、両社がiOSとAndroidの両方のモバイルデバイスで動く接触者追跡システムで協働していると発表し、そのオプトインのネットワークがユーザーの実際のID情報とは無関係なランダムなIDにより、COVID-19の検査で陽性と確認された人と接触した可能性を 通信する、と詳しく説明した。それは、個人のプライバシーを保護するために位置データを決して集めない分散システムで、AppleとGoogleは、そのAPIを使って作られたいかなるアプリも、それらがユーザーベースの最遠のリーチを持ちうるために、プロジェクトで協働することを選んだ。

その接触者追跡システムの展開は二段階で行われる。最初に、APIがデベロッパーにとって可利用になる…それが来週起きることだ。この段階は最初、5月中旬を予定していたが、Breton氏とCook氏の会話を聞いたかぎりでは両社はそのスケジュールを早めたようだ。ソーシャルディスタンシング措置の変様や緩和をいついかにして行うべきかを正しく知るためには、接触者追跡が喫緊に必要だから、このスケジュール変更は理にかなっている。

計画の第二段階は、接触者追跡システムのアップデートをOSのレベルで行うことだ。オプトインはデバイス上で管理され、AndroidもiOSスマートフォンもどちらも、このイン・アウトの切り替えにより、ローカルな追跡行為に参加できるものでなければならない。しかもそれは、公衆衛生当局の特定のアプリの有無とは無関係でなければならない。ただしAppleとGoogleが行なったQ&Aセッションによると、接触者の可能性を通知する公衆衛生アプリのダウンロードとインストールを示唆するプロンプトが出るのは構わない。それによってユーザーは、信頼できるソースから、次にどうすればよいか関する追加的情報を取得できるだろう。

なお、この第二段階は今年後半の展開になる。でもAPIの最初のバージョンの到着がこれだけ早まったことは、これをなるべく早く市場に出したいとする両社の意欲と努力の表れだろう。おそらく、相当多くの技術者をつぎ込んでいると思われる。

現在開発中またはすでに実装された接触者追跡システムはたくさんあるが、共通の技術による相互乗り入れ通信が可能で、もっとも人気の高い複数のモバイル機種間の幅広い参加の機会が開けることは、そんなシステムが実際に効果的でありうる大きなチャンスになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa