Googleは先ほど次世代Androidを正式に発表した。愛称はAndroid Oreoで、新しい機能をいくつも備えている。一部は処理速度の向上やバッテリー駆動時間の延長などシステムレベルのアップデートだが、ユーザーの使い勝手を直接改善するものも多い。
OreoのUIの新機能の中にはiPhone、iPadのユーザーにはすでにお馴染みのものがある。AppleはこれまでAndroidを巧みにコピーしたと批判されることが多かったが、Oreoに関してはGoogleはiOSから便利な機能をいただくことにしたようだ。もちろんAndroidがiOSに先んじた機能もある。
通知
Oreoの新しい通知システムはiOSをコピーしたものだ。Oreoではアプリのアイコンの右上隅に小さいドットが表示され、通知が来ていることを示す。これは初代iPhoneでiOSが登場して以来の仕組だ。Androidでもサードパーティーのアプリはずっと前からアイコン上にドットで通知を示す方法を採用してきた。
Googleはユーザーが通知を扱う仕組もコピーしたようだ。通知のバッジが表示されているアイコンを長押しするとポップアップメニューにいくつかのタスクが表示される。これは iOS 3D Touchと同様の機能だ。
ユーザーにとっては GoogleがiOSの通知機能をコピーしてくれたのはありがたい。アプリの通知バッジはiOSのバージョンアップをくくぐり抜けて現在まで生き延びてきた―それだけ便利だったからだ。
新しい絵文字
Android OreoもiOS 11も共に新しい絵文字を採用した。人類の未来は絵文字の方向に開けているらしい。Googleは絵文字のデザインをすっかりやり直した。 Goneわけのわからないデザインは去り、伝統的な円形の絵文字が復活した。
Appleは絵文字の顔の種類を大きく増やしたがGoogleの新しい絵文字もこれにならった。しかしAppleのCEO、ティム・クックが披露したプレビューではiOSの新しい絵文字は細部がよりいっそう鮮明にデザインされている。
ティム・クックのツイートに添付された画像の新しい絵文字はディテールが驚異的だ。ただしAppleが新しい絵文字をiOSに投入する時期は「今年中」としかわかっていない。おそらくはiOS
11と High Sierra の一般公開の時期となるのだろう。
コピー&ペーストの改善
Androidは発表の当初からコピー&ペーストをサポートしており、その後もこの点ではiOSに先がけてきた。コピー&ペーストはきわめて重要な機能だが、スマートフォンの画面が狭いため、ユーザーにとっては操作が難しい場合があった。Android Oreoではこれを改善しようとしている。
Smart Text Selection〔スマート・テキスト選択〕と呼ばれる機能で、ユーザーが画面をクリックするとシステムは機械学習によってそれがアドレスやマップへのリンクなのかどうか判断する。マップへのリンクと判断されればその地点のマップが表示され、一連の数字が電話番号だと認識されれば電話アプリが起動する。
これに似た機能はiOSにもあるが、Googleの方がカバー範囲が広い。 対象の認識能力ではGoogleのAIの方が強力だという印象だ。
P-in-P
AppleはiOS 9のiPadでピクチャー・イン・ピクチャー機能をサポートした。AndroidもOreoでこれに追いついた。特にAndroid OreoではタブレットでなくスマートフォンでもP-in-Pがサポートされるので、この点ではiPhoneを追い越した。
Android OreoのP-in-Pは期待どおりに作動する。ユーザーはビデオを縮小表示して画面の適当な場所に置き、他の作業を続けることができる。ビデオ・ウィンドウは他のタスクの上に表示され、ユーザーは窓をドラグして適切な位置にもっていく。
現在のところAppleのP-in-P機能はiPadに限られているが、今後はスマートフォンにも拡大されることが期待される。
オートフィル
AndroidはOreoでついにオートフィルをサポートした。これによりユーザー名、パスワード、住所などを記入するボックスが表示された場合、Oreoが自動的に正しい値を入力してくれる。以前からパスワード・マネージャー・アプリがパスワードについて似た機能を提供しているが開発も使い方もかなり面倒だった。アプリは今後Autofill APIを利用して簡単かつシームレスにオートフィル機能を利用することができる。
iOSにも似た機能があるが、Amazonなどの一部のアプリに限られており、ウェブのSafariブラウザにおけるような普及はみせていない。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)