Facebookのエンタープライズ向けSNS「Workplace」が正式リリース

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Facebook at Workという仮の名がつけられたクローズド・ベータ版の公開から20カ月がたった今日、(先週の記事で予測した通り)Facebookがエンタープライズ向けソーシャルネットワーキング・サービスのWorkplaceをついに正式リリースした。

Workplaceに与えられたのは新しい名前だけではない。Workplaceは新しいタイプの料金モデルをもつ。月間アクティブユーザー数をベースにしたFacebookスタイルの料金設定だ。また、無料で提供される試作品段階だったにも関わらず、1000社以上の顧客を獲得したWorkplaceには大きな野心も込められている(1年前の顧客数は100社だった)。

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デスクトップ版とモバイル版のアプリが提供され、ニュースフィードやFacebookグループなどの機能も備えたWorkplaceを利用することで、社員同士はもちろん、社外の人々ともつながることが可能だ。Chatと呼ばれるダイレクトメッセ―ジ機能、ライブ配信機能、リアクションボタン、翻訳機能、ビデオ・音声通話機能を備えたWorkplaceが正式にローンチしたことで、これから誰でもこのサービスを利用できるようになった。「誰でも」という言葉こそ、この文のなかで最も重要な言葉だ。

Workplaceの狙いは、大衆を取り込むこと、そして他社が提供している同様のサービスとの違いをつくることである。企業向けメッセージング・ソフトウェアの典型的なユーザー、つまり「知識労働者」と呼ばれるようなホワイトカラーやデスクワーカー以外の人々を取り込もうとしているのだ。

これまでの典型的なユーザー層に加えて、Workplaceは店頭の販売員、機械のメンテナンス担当者、外回りの営業員なども取り込もうとしている。プライベートではFacebookを利用してはいるが、これまで企業内のデジタルなコミュニケーションに参加する機会のなかった人々だ。

「Facebook流のエンタープライズ向けソフトウェアをつくりたい」

Workplaceが誕生するはるか以前から、マーケットには数多くの企業向けソフトウェアが存在し、顧客の心をつかんで素晴らしい実績を残してきた。企業向けのコミュニケーション・ツールという分野では、SlackYammer、SalesforceのChatterHipchatJiveなどが主な競合サービスとなるだろう。

上記のサービスほど有名ではないものの、デスクワーカー以外の人々に特化したメッセージング・アプリもすでに多く存在する。Zinc(以前はCotapと呼ばれていた)、Beekeeperなどがその例だ。

なぜこのタイミングなのだろうか?その点について、WorkplaceのディレクターであるJulien Codorniouは「WorkplaceはFacebookとはまったく別に開発する必要がありました。さらに、SaaSのベンダーとなるためにはテストを重ね、さまざまな認可を得なければなりませんでした」と、Workplaceの開発拠点であるロンドンで行われたインタビューのなかで語っている。製品開発は現在も進行中だ。WorkplaceがUS/EU Privacy Shiledに加入したのはつい先週のことだと彼は言う。

Workplaceが従来のSaaSユーザーとは違った種類の企業をターゲットとしていることも理由の1つだ。「とても保守的な業界や政府機関などでも利用されることを確かめたいと考えていました」と彼は語る。「考えうるすべての地理的条件や業種でのテストを行いました。もっとも保守的な業種に関しては特にです。それにより今では、彼らから利用されるための準備は整ったと感じています。」

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Workplaceは史上初のサービスというわけではないが、その独自の特徴でユーザーを惹きつけようとしている。

その一つが料金モデルだ。エンタープライズ向けソフトウェアを展開する企業は、何種類かある標準的な料金モデルを採用している例がほとんどだ。その標準的な料金モデルには、ソフトウェアを利用する社員の数で利用料金が決まるモデル、ソフトウェアで利用できる機能数を基にした料金モデル、そして基本的なサービスや製品は無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能については料金を課金するというフリーミアム・モデルなどがある。

Facebookはこれらの従来モデルをすべて窓から放り投げ、彼ら自身のやり方で料金モデルを構築した。

すべてのユーザーに同じ機能を提供する一方で、アクティブ・ユーザー数によって料金が変わる仕組みだ。ここでいうアクティブ・ユーザーとは、少なくとも月に1度はWorkplaceを利用しているユーザーのことだ。アクティブ・ユーザーが1000人以下の企業では、ユーザー1人につき3ドルの料金が発生する。同じように、1001人以上かつ1万人以下の場合では2ドル、それ以上は1ドルとなる。

(比較のため、Slackの料金モデルを例に挙げよう。Slackのスタンダード・プランではアクティブ・ユーザー1人につき月額8ドルの料金が発生し、上位プランのSlack Plusでは15ドルとなる。年間契約すると料金は安くなる。大企業向けのエンタープライズ・プランの詳細はまだ明らかになっていない)

低価格で、かつ月間ユーザー数に基づいた料金モデルを採用した理由はいくつかある。なによりもまず、この料金モデルを採用することで料金の透明性を高めることができた。

しかし理由はそれだけではなく、この料金モデルを採用することでサービスの信頼性を高めることにもつながる。料金は実際に使った分だけしかかからない。また、Facebookでの広告と同じように、魅力のあるサービスを提供してはじめてFacebookに収益がもたらされる仕組みなのだ。

「Facebook流のエンタープライズ向けソフトウェアをつくりたかったのです」とCodorniouは語る。

この料金モデルに関するもう一つの興味深い特徴は、公開されている数字が限定されていることだ。Facebookが現時点での総アクティブ・ユーザー数を公開することはないだろう。しかし、同社がより規模の大きな企業や組織体に狙いを定めていることは明らかだ。

初期段階からWorkplaceのユーザーとなった企業として、3万6000人の従業員を抱えるTelenor、10万人のRoyal Bank of Scotlandなどがある。そして今日、Danone(従業員10万人)、Starbucks(23万8000人)、そしてBooking.com(1万3000人)などの企業がユーザーに加わったことを新たに発表した。

これらの企業に加え、Royal National Institute for the Blind、Oxfam、Goverment Technology Agency of Singaporeなどの組織や政府機関などもWorkplaceのユーザーだ。

Workplaceは有料のサービスだ。しかし、このサービスから大量の収益を得ることが彼らの目標ではないようだ。少なくとも初めのうちは。Codorniouによれば、Workplaceの目標はサービスの普及率を高めることであるという。

「InstagramやMessengerのようにWorkplaceを成長させていきます」と彼は言う。「マネタイズについて考える前に、まず最初の1年は成長させることを考えていきたいと思います。成長ついて考えるだけで頭がいっぱいなのです」。

Facebookと同じ要領で使えるというWorkplaceの特徴によって、他のサービスからユーザーを完全に乗り換えさせるとまではいかなくとも、試しに使ってみようという気にさせることはできるかもしれない。

Facebookというメインサービスの月間アクティブ・ユーザー数が17億人を超えた今、企業で働く人々の大半がFacebookをすでに使っているか、またはFacebookを知っていると言うだろう。

これが意味するのは、大半のユーザーがWorkplaceの見た目や使い方にすぐに慣れることができるということだ。それがクローズド・ベータ版で高いエンゲージメント率を達成した要因でもある。クローズド・ベータには1000社もの企業が参加し、すでに10万ものユーザー・グループが存在しているのだ。

「Workdayとのサービス統合よりも、使い勝手を向上させることの方がより重要」

過去にFacebook at Workを取り上げた記事でも述べたように、Workplaceはすでに浸透しているFacebookのデザインと同じような見た目をもっている。

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Workplaceにもニュースフィードがある。同僚や、頻繁にやりとりする他社の従業員を誘ってFacebookグループをつくることもできる。「Chat」と呼ばれるMessengerと同じようなメッセージング機能も備わっている。

ライブ配信や、グループでビデオ・音声通話をすることもできる。リアクションボタンを使ってさまざまな感情を表現することもできるし、自動でポストを翻訳してくれる機能もある。

それに加え、すでに他社のサービスを利用している大企業を取り込むための策として、正式リリース時点ですでに数社のサービスとの統合が完了している。ログイン機能や本人認証機能のOkta, OneLogin、Pingや、ストレージのBox、インテグレーターのDeloitteやSada Systemsなどの企業だ。

しかし、Workplaceで利用できる統合サービスの数は決して多いとは言えない。何百ものアプリがショートカットキーやコマンドで利用できるSlack流のやり方とは大きく異なっている。

Codorniouによれば、これは意図して狙ったものだという。

「サービスの使いやすさや、受け入れられやすい料金体系について顧客と話しあってきました」と彼は話す。「従業員が10万人いるなかで、その多くがコンピュータやデスクを持っていないというDanoneのCEOとの会話で分かったのは、WorkdayやQuipと統合されているということではなく、使い勝手の良さやエンゲージメントの方がより重要だということです」。

(この事について、興味深い補足情報:今のところ、他社がWorkplaceの販売会社として契約を結んだり、Workpalceとサービスの統合をする際、Facebookはそれらの企業に対し、事前にWorkplaceに登録して実際にサービスを使うことを求めているとCordorniouが教えてくれた。「使ってもない商品を売ることができるとは思いません」と彼は言う)

私が思うに、Slack流のサードパーティとの統合や、Messengerにも搭載されたチャットボットなどの要素が、今後すぐにWorkplaceにも取り入れられる可能性は高い。それは来年の春に開催されるFacebook F8コンフェレンスで明らかとなるだろう。

ひとまず今言えるのは、Workplaceがマーケットに与えた影響はとても大きいということだ。十数億の人々によるデジタル・コミュニケーションのデファクトスタンダードとなったのがFacebookである。そして今、彼らはエンタープライズの世界でも同じことを成し遂げようとしているのだ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

ニューヨーク州の新しい都市計画はディストピアへの第1歩か?

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今週の初め、ニューヨーク州知事アンドリュー・クオモは、21世紀半ばの完成を目指した橋(とトンネル)に関する記者会見を開催した。知事の野心的で論争の種ともなるその計画は、高速道路の渋滞を削減し、排気ガスの低減をするためにデザインされた、一連の構想である。

この構想はまた、洪水を阻止するトンネル内バリアのデザインと、地震に備えた橋の強化も含んでいる。エネルギー消費を抑えながら、素晴らしい照明のショーを提供するために、橋のLED照明化もリスト上に載せられている。ここではJay Zの音楽に乗せてイメージが示されているが、この壮大な照明はあなたのインスピレーションを促すことだろう:

当然のことながら、構想には数多くの対テロ規制が含まれている。橋やトンネルの「構造上重要な地点」の周りには、カメラとセンサーが配置される。このNew York Crossings Projectという名前のプロジェクトには、車のナンバープレートや人間の顔を認識できる先進的な画像認識テクノロジーが取り込まれるのだ。

そうした地点に展開されたあと、このテクノロジーは空港やその他の交通ハブにも適用されることになるだろう。

人権擁護団体からの反応は予想通り迅速だった。発表の翌日New York Civil Liberties Union(NYCLU)は、計画をマイノリティ・リポートと比較しつつ、知事のクオモをディストピアだと非難している。 以下はNYCLUのスタッフである弁護士のMariko Hiroseが、フィリップ・K・ディックの作品に言及しながら述べたものだ:

知事クオモの計画は、誰が何を知っているかを政府が調査するために使える、巨大なデータベースに、何百万人もの人びとのイメージとデータを格納してしまう可能性がある。罪のない人々、特に技術の不正確さによって誤認識されやすい有色人種が、テロリストとして誤って特定されてしまうという、巨大な危険性もある。私たちは、そのことが意味する深刻なプライバシー上の懸念について何の議論も経ぬまま、マイノリティ・リポートのディストピア世界に1歩近付いたのだ。

出典 The Verge

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(翻訳:Sako)

Instagramのストーリー、開始後わずか2ヶ月で1億日次アクティブユーザーを獲得

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Instagramのストーリーは、Instagram自身が擁する大きなアクティブユーザー基盤から恩恵を受けている。そしていまや日次アクティブビューワーの数が1億人に達するようになった。これはSnapchatの日次アクティブユーザー(9月下旬の時点で、全プラットフォームにまたがるアクティブユーザーの数は1億5000万人と報告されている)の3分の2である。たとえ既存の聴衆がいて、InstagramのUI上の最上位部分という1級の有利な場所を与えられているとしても、その急速な普及のペースは印象的だ。

Buzzfeed reportの新しい統計も、Instagram全体の合計月次アクティブユーザーが最大5億人になったと繰り返し述べている(この数字が最初にリリースされたのは6月である)、これは今年の初めに羨望の10億人を超えたFacebook Messengerの半分である。

InstagramはSnapchatよりもわずかに年長である。6歳のInstagramに対してSnapcahtは5歳である、しかし既存のInstagramの体験とは劇的に異なる、この新しい機能の急速な受け容れ度合いが示すものは、間違いなくこの機能の導入に伴い、写真中心のソーシャルネットワークが顧客ニーズにヒットしたということである。一般に、Facebookがそのプラットフォームに導入した新機能は、最初はよく知っている環境の快適さを好む利用者たちから懐疑的に扱われる。なのでストーリーを巡る初期段階での熱狂は将来に渡っても上手く続いていくことを示すよい指標である。

Instagram創業者のKevin Systromが、BuzzFeedに対して語ったところでは、同社は最初、この短命コンテンツへのアプローチに対して、投稿したコンテンツにユーザーが消滅までの時間を指定するチェックボックスオプションを検討していたが、実際には余計なステップが入るので上手くはいかないだろうと考えていたということだ。

これはおそらくSnapchatのユーザーではない人びとだ。すなわち(移行ではなく)この形式のメディアに対する純増なのである

Instagramにとってのこの成長は素晴らしいものだが、それは必ずしもSnapchatにとっての悪いニュースとも限らない。設計された機能は、明らかにSnapchatにインスパイアされたものであるが、だからと言ってそれは、Snapcahtのユーザーがそのプラットフォームを捨てて、代わりにInstagramにやってくるということを必ずしも意味していない。アナリストのBen Bajarinが上で指摘しているように、Instagramが経験している成長は、この短命コンテンツカテゴリ全体に対する純増なのだ。

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(翻訳:Sako)

買収の噂が消えてTwitter株、20%暴落

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Twitterの株価はここ数週間非常に好調を続けていた。しかしこのハネムーンも終わり、現実に戻るときが来たようだ。現在(米国時間10/6)、Twitteの株価は昨日の終値24.87ドルから20.06%ダウンして$19.88ドルとなっている。

いったい何が起きているのだろうか? Recodeの複数記事によれば、Twitterの買収を検討していた大企業の多くが手を引くことを決めたからだという。Google、Apple、DisneyはもはやTwitter買収に関心がないという。

Salesforceはどうやら最後に残った買い手候補らしい。Salesforceは以前プロフェッショナルのSNS、LinkedInを買収しようとしたことがあったが、Microsoftにさらわれた。

しかしSalesforceのCEO、Marc Benioffは「われわれは結局Twitterを買収しないかもしれない」とも述べている。Benioffの今日の投資家向けの発言にはさまざまな要素が含まれていた。

こうしたことがすべて現在のTwitterの株価に反映している。Twitterの時価総額から一夜にして20億ドル以上の価値が消えた。もしかすると、株価が下がったことで、現在は表に出ていない買い手がTwitterに手がとどくようになったかもしれない。

Twitterが株式を公開したのは2013年の11月で、上場初日の終値での時価総額は310億ドルだった。今日の時価総額は150億ドル弱だ。去る6月のTwitterの時価総額はこれよりさらに低く、100億ドルだった。

ともあれ、ここしばらくはTwitterは独立企業として運営されるしかないようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

それで良いのかGoogle(Not OK, Google)

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昨日サンフランシスコで開催されたハードウェアの発表イベントで、Alphabetは、更に幅広く消費者の個人データ(それも、これまで以上に個人的な性質の情報の)収集に向かう野心を表明した。この先コンピューティングが静的なデスクトップやスクリーンを離れ、相互結合したデバイスのクラウドと合体し、更なるデータの生成に向かう動きを加速するためである。

新しい2種類の「Googleデザイン」旗艦Androidスマートフォン(Pixel)と共に、同社のAIアシスタント(Google Assistant)が最初からインストールされたAndroid、そしてユーザーの写真とビデオをGoogleのクラウドに吸い上げる容量無限のクラウドストレージも提供され、また厄介な家庭内のインターネット接続をすべて引き受けるGoogle Wifiルーターもある; Google Homeは常に接続されたスピーカーを通して耳を澄ましていて、Google Assistantを介して声で制御され、またサードパーティ製のIoT機器(たとえばフィリップスのHue電球)を制限付きだがサポートする;新しくなったChromecast(Ultra)は任意の古いTVパネルをインターネット利用可なものにする;そして、Googleの使い捨てではない携帯VR再生機、別名ソフトタッチDaydream Viewヘッドセット がある ‐ 万一消費者の目がデータ収集型スマートホームの外へさまよい出たいと思ったときに、逃げ込むための仮想現実を提供するために。

GoogleブランドのためにAlphabetが描く野望は明快だ:Googleの情報整理頭脳を家庭の中心に埋め込みたいのだ ‐ すなわち、消費者たちにとって高度な個人データを定常的にそこに流し込まない選択肢を選ぶことが不可能になるということだ(もちろん、Google Homeにはミュートボタンがついている、実際にはそれが音量を喋ることを止めるためにボタンを押す必要があるが…)。

言い換えれば、あなたの日々の活動が、Googleの活動そのものなのだ

「私たちはモバイルファーストの世界からAIファーストの世界に移りつつあります」と、昨日のイベントのキックオフでCEOのサンダー・ピチャイは語った。そしてAIは、もちろん、これまでの技術が持っていなかったようなデータへの食欲を持っている。機械学習は、自身の有用性を手に入れるために情報を必要とする。手探りでは機能できない、データ駆動型の領域なのだ。

よってAlphabetのハードウェアのためのビジョン「Made by Google」は、消費者たちに対して利便性の誓いを販売することである。そして、全てを接続するデバイスと共にこの販売ピッチが、パーソナルスペースをユーザー情報データベースへと変容させ、この先何十年にも渡って広告エンジンに燃料を供給し続けることが可能になるのだ。

Made by Google

デジタル消費者の大部分の問い合わせと好奇心が1つのGoogleブランド検索エンジンに注ぎ込まれるようになったとき、私たちは現代の情報社会のはるか奥深くに入り込んでしまったことになる。このため、Alphabet(以前はGoogleのブランド名を身に着けていた)はとても長く険しい道をAndoridを広くそして深く普及させるために突き進み、電話を超えて幅広いハードウェアの世界にたどり着いたのだ。

そして今、Alphabetはそのプロセスを、よりシンプルなデスクトップウェブの時代と同様に、Googleを手放し難くすためのAI駆動の消費者向けサービス層を用いて、加速しようとしている。

ということで、昨日の大規模なコネクテッドハードウェアのお披露目大会は、実際には、IoT時代に向けて、Googleブランドを頼りになるキーワードとして再活性化し、位置付けの再確認を行わせるためのものでもあったのだ。

特に、AmazonのAlexaやAppleのSiriといったライバル仮想アシスタント技術とは異なり、Alphabetはしっかりと消費者向けのAI界面の端にGoogleブランド名を保持している。そのスマートホームやAIアシスタントを購入した者に、Googleブランド名を文字通り、毎日毎時間声で与えることを要求するのだ。

「OK Google、子供の寝室のライトを消して…」

うーん。

個人的にはそれだけで十分不愉快だ。しかし本当の意味で「not OK, Google」なのは、急速に浮かび上がってきたプライバシーに関するトレードオフなのだ。そしてアルファベットが、こうした懸念を無視していくやりかたも。

「私たちは、あなたが身の回りの仕事を片付けることのお手伝いをしたい」というのが、Googleブランドのスマートホーム、そしてGoogle AI一般についてのピチャイのピッチだった。

「誰でも、何処でも役に立てることのできるパーソナルGoogleを構築することに私たちは興奮しています」というのが、なりふり構わぬAIへの突進に話を添える、彼のまた別のマーケティングフレーズだ。

その通り – 彼は文字通り、このように言っている…

彼が言っていないことの方がはるかに興味深い。すなわち、お好みのレストランを予測したり、通勤経路上の支障がどのようなものかを尋ねたりできるような「カスタムな利便性」の約束を果すためには、あなたの個人情報、嗜好、嗜癖、ちょっとした過ち、偏見…そうしたことを限りなく収集し、データマイニングを継続的に行うことになるのだ。

AIが、データの要求を止めることはない。気まぐれな人間が関心を失いがちな点である。

なので、「誰でも、何処でも役に立てることのできるパーソナルGoogle」構築の対価は、実際には「誰でも、何処でもプライバシーゼロ」ということなのだ。

なので、「誰でも、何処でも役に立てることのできるパーソナルGoogle」構築の対価は、実際には「誰でも、何処でもプライバシーゼロ」ということなのだ。

さてそう考えると「OK, Google」という言葉も、それほどOKには響かないような気がしてこないだろうか。

(同僚の1人が以前、Google Assistantの前身であるGoogle Nowをオフしたきっかけを語ってくれた。彼が日曜の夜に時々行くバーへの到着時刻を、頼まないのに教えてくるようになったからだ。彼はこう付け加えたそうだ「おまえにそんなことまで知っていて欲しくない」)。

なので私たちは、ピチャイの「パーソナルGoogle」ピッチの中にセキュリティとプライバシーに関する言及が全く無かったということに驚くべきではないし、消費者がハードウェアと引き換えにプライバシー(と現金を)渡す際に、彼らが実は決心しなければならない巨大なトレードオフについてGoogleが説明し損なったことを見逃すべきではない。

徐々に親密な関係をGoogleとの間に築いていくこととの引き換えに、消費者が期待する巨大な「利便性」に関しては、まだほんのわずかの実体しかない。

「まだほんの初期段階ですが、全てが一体として動作したときに、Google Assistantはあなたが仕事をやり遂げるお手伝いをすることができるようになります。必要な情報を、必要なときに、どこにいたとしても、取り寄せることができるのです」とピチャイは書いている。頼りにならない曖昧な約束ランキングとしては高得点をつけるに違いない。

彼は「次の10年の間に、ユーザーに対して驚くようなことを提供できる」ことに関しては「自信がある」と付け加えた。

言い換えればこうだ、あなたのデータの扱いに関しては私たちを全面的に信頼して欲しい!

ううーん。

今週EFFも、いかにAIがユーザーのプライバシーと衝突するかについてGoogleを非難している、特に最近のプロダクトAlloメッセージングアプリがその対象だ。そのアプリにはGoogle Assistantも組み込まれていて、ディフォルトでAlloはAIを利用するので、アプリはエンドツーエンドの暗号化をディフォルトでは提供しない。単なるオプションとして提供されるだけだ。この理由は勿論、Google AIがあなたのメッセージを読むことができなければ、Google AIは機能することができないからだ。

Alloがエンドツーエンドの暗号化を「めだたない」ところに押し込んでいるやり方が批判の対象になっていて、EFFはそれをユーザーを混乱させ、機密データの漏洩に繋がるものではと考えている。そしてGoogleを「ユーザーに対して暗号化というものは、たまに使えばいいものだという考えを植え付ける」として非難しているのだ ‐ そしてこのように結論付けている:「より責任あるメッセージングアプリは、機械学習とAIではなく、セキュリティとプライバシーがディフォルトであるべきである」。

さて、それがGoogle HomeなのかGoogle Alloなのかはともかく、Googleは消費者たちに比類なく便利なAI駆動の魔法体験を約束している。しかしそのためには厳しい問いに答えなければならない。

このアドテックの巨人は、そのプロダクト体験を支配してきたように、物語を支配しようと努力している。GoogleのCEOは「驚くべきこと」がパイプを下って、皆がGoogleを信頼しデータを委ねる世界にやってくると語っただけで、小説1984のビッグブラザー(監視機能を備えたAI)の世界に迫っていると言ったわけではないが、Googleのプロダクトは同じくらい不誠実なものだ;ユーザーにより多くを共有させ、より考えることを減らすことを促すようにデザインされているという意味で。

そして、それは本当に責任ある態度とは逆のものだ。

だからノー。Not OK Google。

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(翻訳:Sako)

ようやくTwitterの「モーメント」が誰でも利用可能に

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ああついに、ついに!、Twitterはモーメントというストーリー作成機能を公開した。この機能は本来最初から備わっているべきものだったのだ。本日Twitterは、誰でもサービスにアップロードされたツイートと写真を使って、自分自身のストーリーを作ることのできる、モーメントプラットフォームを公開したことを発表した。

私たちはこの日が来ることは既に知っていた:より広いインフルエンサーとブランドを巻き込むために、Twitterがモーメントへのアクセスを拡大することを8月に発表していたのだ。その際に、同社はモーメントを一般ユーザーにも「ほどなく」公開することも約束していたのだ。

かつて、モーメントはProject Lightningというコードネームで呼ばれていた。人びとにTwitterを利用するまた別の理由を与えようとする試みの一環として、最初のモーメントは1年前に立ち上げられた、ユーザー数の伸びの鈍化を受けてからの、挑戦の光の中でのことだ。この機能が思い出させるのは、いまや他のモバイルでは人気のある、SnapchatのStories機能のような短い形式のコンテンツである。

もちろん、モーメントが開始1日目から一般利用者向けの機能でなかったことは、なにやら違和感を抱かせた。ツイートの集合をまとまりのあるストーリーとして集める手段への要求は既に存在していて、Storifyのようなサードパーティが、とっくの昔に目的を果すためそれぞれのツールを用意していた。

さらに、クラウドソーシングによって、Twitterは「tweetstorms」(ツイートのシリーズとして語られていたより古いアイデア)のような他の試行を活用しても良かったし、それらをモーメントに移行してもよかったのだ。クリックと利用者の数を増やす可能性があった筈である。一般利用者向けのモーメントはバイラルなヒットやミームへとつながっていく可能性すらあった。(おそらく、ツールが一般に公開されたことで、それらはまだ可能だろう)。

あなた自身のモーメントを作成するには、プロフィールページの新しい「モーメント」メニューをクリックする。

ここでは、既に作成したモーメントの一覧を見ることができて、新しいモーメントを作るボタンも表示されている。ツールを使えば、既存のツイートまたはお好みの画像から、写真やビデオを利用して「カバー」を設定することができる。その後、追加するツイートをさまざまな方法で見つけることがでる。

お気に入りのツイート(「いいね」をしたツイート)を使ったり、アカウントを指定して、あるいはTwitterを検索して、またはツイートのリンクを直接使って、あなたはモーメントに加えるためのツイートを参照することができる。今のところ明らかになったところでは、モーメント作成のインターフェイスはStorifyの作成ツールよりもはるかに迅速に使えるようにみえる。そして作成できたら、あなたのモーメントをツイートを使って共有することができる。他の人はTwitter上であなたのモーメントをめくってみたり、ウェブの他の場所に埋め込んだりすることができる。

モーメントは現在誰でも利用できるようになりつつある、そしてTwitterはあなたが始める際に役立つハウツーガイドも同時にリリースした – 当然モーメントの形式だ

訂正:当初Project Glacierと書いたのは、昔Tech Crunchの書いた冗談で、Project Lightningが正しいものだった。うっかり間違ったコードネームを書いてしまったが、公開後に正しいものに訂正済である。

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(翻訳:Sako)

LinkedInが教育分野での勝負に出た、デスクトップサイトもリニューアル

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現在約4500万人のメンバーを擁し、Microsoftから262億ドルの買収プロセス途上の、プロフェッショナルのためのソーシャルネットワークLinkedInは、本日ビジネスの2本柱である求職と求人の先にサイトを拡張するための、新しい試みのベールを脱いだ。同社が新しく公開したサイトはLinkedIn Learningという名前である。個々人にカスタマイズされる野心的なe-ラーニングポータルであると同時に、従業員をトレーニングする手段を探している企業にもアプローチし、さらにはe-ラーニングコースを推進しようとしている教育機関さえも視野に入れている。

新しいサイトは、サンフランシスコのLinkedInのオフィスで本日発表された。これはLinkedInが学習サイトのLynda.comを15億ドルで買収してからおよそ1年半後のことである。LinkedIn Learningの大部分は、Lyndaのコンテンツに基いていて、約9000のコースが現在提供されている。

サービスを通して学べる内容には、ビジネス、テクノロジー、クリエイティブトピックなどが含まれていて、プログラミングスキルからライティング、アカウンティングに至る幅広いコースと共に学ぶことができる。

コースは、雇用者や人事部によって推薦されたものだけでなく、従業員自身も選ぶことができる。雇用者や人事部はLinkedInの分析プロダクトを使って従業員の進捗をモニターすることができるだけでなく、現在何が幅広く学ばれているのかを知ったり、LinkedInのキュレーターによるお勧めを知ることもできる。

LinkedInの教育は、LinkedIn Premium会員に対して提供され、毎週25の新しいコースがサイトの情報に基いて提供される 。LinkedInが今日語ったところによれば、大企業が全従業員ベースのためのサブスクリプションを行うことができるように、すぐにエンタープライズプログラムをリリースする予定だという。

教育と学習に対してLinkedInが重点を置いているのは、今日の企業の主要な役割と手を携えていくことだ ‐ 企業の主要な役割とは、多くの人々がそのプロフェッショナルブロファイルを取得し維持するための場所であること、そして職を探しに行く場所であることだ。その上にさらに、あなたのプロフェッショナルスキルを高める場所であることに大きな意味がある。

また、これは高等教育機関を手に入れようとするLinkedInの努力を締めくくるものでもある。LinkedInは数年前から大学やカレッジに対しての特別な、検証済みのプロファイルページを提供し始めている、そして13歳以上の若いユーザーたちにLinkedInのプロファイルを作り始めることも奨励している。ユーザーたちをその職業生活の早期から(あるいは始めるはるか前から)巻き込んでいこうというのがこのアイデアだ、それだけでなく卒業生の仕事紹介ネットワークにリクルートビジネスとして食い込むという可能性も考えられる。私は常日頃、学習コンポーネントを提供しなければ、ここには何かが欠けていると思っていたので、LinkedInが今この問題に対処しようとしていることを見るのは興味深い。

面白いことに、LinkedIn Learningは、LinkedInがそのギャップを埋めるための別の動きを発表した1週間後だった;現在インドで同社はオンライン就職斡旋サービスを提供している。このサービスは個人のスキルをテストし彼または彼女に適しているかもしれない仕事を提案するものだ。今はトレーニングを取り入れてはいないが、この先LinkedIn Learningがこのプロダクトにフィットする方法は想像できる。

今日の新製品についてのサンフランシスコでのプレゼンテーションでは、LinkedInのCEOであるJeff Weinerが、教育が如何に「私たちの最も重要な課題の一つ」であるかを語った。彼は、世界経済フォーラムは、新技術の導入によって500万人の雇用が配置換えになると予想していると述べ、調査対象のCFOの78%が労働力の25%が2020年までに配置転換されると考えていることを指摘した。

言い換えれば、LinkedInが私たちの世界の「エコノミックグラフ」(Facebookのソーシャルグラフに対するLinkedInの回答)に対して優位な地位を占めたいと思う大きなイデオロギーとは別に、LinkedInは教育をビジネスチャンスとしても捉え、需要を満たす重要な手段として「ジャストインタイム」体験トレーニングを使おうとしているのだ。

デスクトップは新しくなり、メッセージはボットを導入する

今日のLinkedIn Learningの開始と並んで、LinkedInはすぐに他のサービスも更新することも発表した。その中には、新しいデスクトップ、「スマート」なコンテンツニュースフィード、そしてそのメッセージングサービスに追加されるものには ‐ もうおわかりだろうか ‐ ボットの導入が含まれる。

いずれもまだ提供は始まっていないが、程なくやってくると同社は語った。

デスクトップの再設計に対する主なアイデアは、大きな画面とブラウザを介して、LinkedInがネイティブアプリで提供しているものと同等のデスクトップ体験を提供することである。ある意味、これは遅すぎたとも言える:同社は顧客基盤を大部分デスクトップを用いるプロフェッショナルに置いている、しかしこれまでは顧客は優れたデスクトップを求める囚われの立場だったのだ。

新しい外観では、自分自身のプロファイルから、お勧めのユーザーのプロファイルへの切り替え、フォロー、そしてメッセージなどが素早く行えるようになる。同様に、可能性のある仕事やその他のコンテンツも、よりダイナミックに表示されてくるようになる。

一方コンテンツ自身も再び改善されるようである。フィードは、接続したりフォローしたりすることをお勧めする人たちのものを含んだ大きなものとなり、より多くのインフルエンサーのコンテンツやLinkedInの編集チームによって吟味選択されたニュースなども流されるようになる。

ニュースは興味深いエリアだ:LinkedInはこの分野で大きく1歩前進し、あなたの専門分野の世界その他に関係するものの中で、あなたが読みたいと思うだろう全てのニュースの最終集積地の位置を占めたいと考えているように見える。FacebookのトレンドトピックのLinkedIn版と考えることができる。

LinkedInは、過去にもPulseの買収によって、ユーザーに対してニュースコンテンツの集約サービスを提供しようとしたことがあるが、読者にニュースそのものを提供するというよりも、インフルエンサーによるそのニュースへの感想に埋め尽くされてしまった感があった。これから、LinkedInはあなたに流行のニュースに関するアラートを送るようになる、そしてそれをクリックすると、さらに深く知るための補助的なリンクを、あなたは幅広く手に入れることになる。これによって、より多くのニュース記事、LinkedInであなたがリンクしている人、またはニュースに関係する人、そして(もちろん)インフルエンサーの投稿がより多く表示されることになる。

私の印象は、そもそも現在どれくらいのトラフィックやバズをLinekedInのニュースフィードが得ているかがわからないということで、これはそれを好転させようとする方法の1つだということだ。

最後にLinkedInは、そのメッセージングをチャットボット体験でどのようにアップデートするかの、ささやかなプレビューを披露した。これが本当に必要なものか、単に時代の象徴なのか、あるいはLinkedInがボットの神輿を担ごうとしているのかは私には分からないが、現在メッセージング体験に組み込まれようとしているさらに多くの「お勧めコンテンツ」があるように思われた。たとえば、あなたが会議の設定について誰かとチャットしている際に、「ボット技術を使用して」会議室の予約も含めて会議をスケジュールすることができる。

しかしメッセージがサイト上で主要なものになるまでには、LinkedInの前には長い道のりが持っているだろう。今日、メッセージングチームの製品のヘッドであるMark Hullは、昨年メッセージングアプリをリニューアルしてから、プラットフォーム上でメッセージアクティビティが240%以上増加したと述べて、LinkedInのこの分野での進み具合を強調した。彼が言うには人びとは「メッセージを週単位で使っている」そうだ ‐ これはLinkedInにとっては確かに進歩だろう、しかし明らかにFacebookのMessengerやWhatsAppのようなアプリには遅れをとっている。そしておそらくLinkedInのプロフェッショナルの場ではSlackが毎日毎時より多く使われているだろう。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

YouTube、ソーシャル機能充実を狙い「コミュニティ」を導入

A picture shows a You Tube logo on December 4, 2012 during LeWeb Paris 2012 in Saint-Denis near Paris. Le Web is Europe's largest tech conference, bringing together the entrepreneurs, leaders and influencers who shape the future of the internet. AFP PHOTO ERIC PIERMONT        (Photo credit should read ERIC PIERMONT/AFP/Getty Images)

以前からはあったが、いよいよYouTubeが「ソーシャル」機能を拡充することにしたようだ。YouTubeがYouTube Communityの導入をアナウンスしているのだ。クリエイターと視聴者を結ぶためのもので、コミュニケーションにはテキスト、GIF、画像などを使うことができる。もちろん、クリエイターに対してさまざまな付加サービスを追加しようとする他社サービスを意識してのものであることは間違いない。

この新機能の導入にあたってYouTubeは、フィードバックを得るために小数のクリエイターたちと数ヶ月にわたってテストを行なってきた。それをいよいよパブリックベータとして「数ヶ月をかけて」多くのクリエイターに対してプラットフォームを公開していく予定であるとのことだ。

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新しい機能を使うこと自体は簡単で、チャンネル毎のページに新たに用意される「コミュニティ」(Community)タブを開くだけだ。

クリエイターはここにテキスト、画像、GIFなどを投稿することができる。視聴者側はこのページから「いいね」(thumbs up)したり、コメントを残すことができるようになっている。

またモバイルアプリケーションの「登録チャンネル」のフィードにも「コミュニティ」への投稿は流れてくるようになる見込みで、さらにプッシュ通知を受け取るようにもする予定だとYouTubeはアナウンスしている。

既にYouTubeコミュニティの機能を使っているクリエイターにはvlogbrothersAsapSCIENCEThe Game TheoristsKarminThe Key of AwesomeThe KloonsLilly SinghPeter HollensRosianna Halse RojasSam TsuiThreadbanger、およびVsauce3などがいる。

たとえばvlogbrothersのコミュニティページには、チャンネルのアップデートやイベントの情報や面白そうなリンクや写真の紹介などに利用していきたいと書かれている。

コミュニティページは、チャンネルオーナーに簡単なSNS機能を提供するものだ。Google+でFacebookに対抗しようとしたものの、はかばかしい成果を得ることのできなかったGoogleにとって、ソーシャルサービス構築にむけての再チャレンジという意味もある。以前にも、Google+をYouTubeなどと一体化したサービスにしようとする動きがあった(YouTubeとの連携はまもなく中止となった)。

YouTube自体にソーシャルネットワークの機能をもたせることで、Google+などの他ネットワークと連携するよりも気軽に利用できる仕組みができあがる可能性はあるだろう。クリエイターと、そのファンたちが直接に対話できるようにすることで、ソーシャル面での盛り上がりを期待しているわけだ。

YouTubeによれば、コミュニティ機能はまだテスト中のものであるとのこと。テスト中の一部クリエイターからのフィードバックを反映したり、また新たな機能を追加するなどしていく予定であるとのこと。より多くのクリエイターに機能を開放するのは数カ月後の予定であるそうだ。詳細な予定はまだ未定であるとのこと。

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(翻訳:Maeda, H

Twitter、DMに既読通知やリンクプレビューの機能を実装してメッセージング機能を充実

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Twitterが新たな機能を導入することにしたようだ。メッセンジャーとしての機能を充実しようと考えているようなのだ。iOS 10のiMessageを意識してもいるのだろう。Twitter曰くダイレクトメッセージ機能において機能追加を行うとのことで、既読か否かを区別できたり、メッセージ入力中であることを通知したり、またリンクのプレビュー機能を備えるようになるのだとのこと。

既読確認や、入力中の通知機能は、ほとんどすべてのメッセージングアプリケーションが備えているものだ。Facebookメッセンジャーと同様に、誰がメッセージを読んだのかとかを確認できるようになり、また送信した相手全員が読み終わったら、全員が読了した旨が通知されるようになる。

もちろん、既読通知をしたくないという人もいる。返信しなければならないというプレッシャーを避けるため、既読通知の機能をオフにしている人も多い。そうした人の存在も考慮して、Twitterの既読通知もオプトアウトできるようだ。

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ウェブリンクのプレビュー機能はiOS 10の標準メッセージングアプリケーションであるiMessageにも搭載される機能だ。ちなみにiOS 10のiMessageは、タイピングしながらリンクプレビューを確認できるリッチリンクプレビューの機能をも備えている。

もちろんTwitterは、通常のツイートにおいてはリッチメディアのプレビューをサポートしているわけで、DMにこの機能を実装していなかったことこそ、むしろ驚くべきなのかもしれない。

サポートが遅れた理由は、TwitterがDMの機能を重視していなかったからということに尽きるのだろう。昨年夏にDMにおける140文字制限を撤廃するまで、DMはおまけ程度のものだと認識していた人も多かった。Twitterとしては、メインストリームでの短文コミュニケーションの長所を活かしたいと考えつつ、しかしDMではより一般的なメッセージングアプリケーションの魅力を持たせたいと考えるようになっているのだろう。

機能の実装についてはTwitterも公式にアナウンスしている。誰がいつこの機能を使えるようになるのかについては、まだアナウンスはないようだ。

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(翻訳:Maeda, H

Facebook、スタートレック50周年を記念して絵文字を追加(ただしファン専用)

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今年はスタートレックの50周年にあたる。ウィリアム・シャトナーとレオナルド・ニモイ主演のオリジナルテレビ版が1966年に放映されてからのことだ。Facebookは、この機会を少々変わった形で祝福しようとしている。まず、Facebook上でスタートレックあるいはSFコンテンツに「いいね!」をつけたり、何らかの反応をしたユーザーのニュースフィードには、先頭にパーソナライズされた挨拶メッセージが表示される。また、自分のプロフィール写真を、特別なカスタム・フレームに入れることができる。そして、おそらく一番重要なのは、リアクション用絵文字がシリーズの主要登場人物に因んだものに変わることだ。

Messengerマーケティングの責任者、Lindsey Shepardが今日のMedium記事で、Facebookの様々な祝い方について書いている。そこにはFacebookのクリエイティブチームがU.S.S.エンタープライズのすばらしいペーパークラフトを作ってるところのフォトギャラリーもある(下で見られる)。これはカスタマイズ版アートワークを作るのに使われた。

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しかし最大の呼び物は新しいリアクション絵文字。Like[いいね!]、Love[超いいね!]、Haha[うけるね]、Wow[すごいね]、Sad[悲しいね]、Angry[ひどいね]のカスタマイズ版だ。Facebookがデザインの題材に選んだのは、スタートレックの初代シリーズから、The Next Generation[TNG:新スタートレック]まで多岐にわたり、年の離れたトレッカー層のいずれもが楽しむことができる(ただし、個人の献身の度合によって使える絵文字が変わる。TNGのピュアリストが表現できるのは悲しみと怒りと愛だけで、オリジナル版愛好家たちは、怒りとユーモアと愛と驚きを利用できる。

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スタートレックの記念コンテンツを利用できるのは米国とカナダのユーザーのみで、期間限定。しかも、Facebookが定めたスタートレックファンとして認められた人だけだ。私はファンを自認しているが、残念ながら新機能を見られるほどのファンではないようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

親しい友だちとのみ写真を共有する、小さなSNSを目指すCamarilla

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Pathをご記憶だろうか。

アーリーアダプターたちをターゲットにして展開したサービスだったが、その方針が間違っていたのかもしれない。「親しい友だちオンリー」のソーシャル・ネットワークには、確かに存在価値があるように思うのだ。

そう考えて、新たにPath風サービスに乗り出したのがCamarillaだ。

Camarillaは、投稿した写真を1度に15人までとしか共有できないサービスだ。さらに、投稿が公開されて友だちがそこにアクセスするのではなく、ダイレクトメッセージのように受信者たちに送られるような仕組みとなっている。これにより、投稿した写真についての感想なども、コメントとして公に投稿するのではなく、プライベートに行うようになっているのだ。

Pathのように50人(最終的には150人になった)を友だちとして迎え入れるのではなく、Camarillaはネットワークを可能な限り小さなものにしておこうと考えているようだ。想定利用者は若い子持ち世代だ。この世代は大規模なソーシャル・ネットワークよりも、プライバシーを重視する傾向があるとの分析に基づいている。

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アプリケーション自体も小さなネットワークを意識して、招待制で利用できるようになっている。ユーザー毎に15名までの友だちを招待することができる。ベータ版は130ヵ国以上で利用されているのだとのこと。ただし、アクティブユーザーの数などについての詳細は明かしてもらえなかった。

最近になってCamarillaは、Amerborghより337万ドルの資金を調達している。投資家たちは、マネタイズを考えるまえに、まずはネットワークの拡大をはかりたい考えてあるそうだ。

Camarillaのアプリケーションは、iOS版およびAndroid版がある。

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(翻訳:Maeda, H

友人知人の転職を支援して報酬がもらえる「SCOUTER」約6100万円を調達—開発やマーケティングを強化

左からクルーズ代表取締役社長の小渕宏二氏、SCOUTER代表取締役社長の中嶋汰朗氏

左からクルーズ代表取締役社長の小渕宏二氏、SCOUTER代表取締役社長の中嶋汰朗氏

ソーシャルヘッドハンティング「SCOUTER」を運営するRENOは9月6日、プレシリーズAラウンドでクルーズ、イーストベンチャーズ、三菱UFJキャピタルを引受先とした総額約6100万円の第三者割当増資を実施。同時に社名をサービス名のSCOUTERに変更することを明らかにした。

2016年4月からサービスを開始したSCOUTERは、紹介者としてユーザー登録し審査を通過した「スカウター」が、知人・友人など身の回りの転職希望者を企業に紹介することを支援。無事採用が決まれば、紹介者が転職者の年収の5%(最低15万円から)を報酬として受け取れる、という人材紹介業界では異色のシステムを採用している。企業側は求人情報を無料で登録することができ、広告費をかけずに採用活動を行うことが可能だ。採用が成功した場合、SCOUTER社は転職者の年収の30%を上限とした手数料を受け取り、転職者にも紹介者と同額の祝い金が支払われる。

SCOUTER代表取締役の中嶋汰朗氏によれば、スカウターによる紹介の特徴は「転職を考えてはいるがまだ活動を始めておらず、人材紹介サイトにも未登録の潜在層」や「ヘッドハンターから声がかかり、口コミだけでも次の就職先を決められるような優秀な人材」が集まりやすいことだという。「役員クラスの転職者紹介で、1社目で双方合意して転職が決まった例もある。紹介された転職者が転職後にスカウター登録して知人を紹介するという連鎖反応も起きている」(中嶋氏)

サービス開始から4カ月が経過し、スカウターの数は400人を数え、サービス内に掲載されている求人数も累計1500件を超えた。

中嶋氏はサービス成長の要因について「職種や年収などの条件だけでなく、転職者の人柄を知るスカウターが本当に合う企業を選んで紹介できることだ。スカウターのレポートを見ると『子どもが生まれたので働き方を変えたい』『今の会社のここが合わないので転職を考えている』といった転職者のリアルなニーズが浮かび上がる。他のエージェントではなかなか言えないようなことも本音で話せるのでミスマッチも起こりにくく、人間的な魅力が伝えやすいのだろう」と話す。

SCOUTERでは、今回の調達により開発体制とマーケティング施策を強化。SCOUTERサービスを事業展開の主軸に据えるべく社名を変更し、一層の事業拡大を図る。

「世界最大級の人材紹介エージェントとして、紹介者数で5000名を超える規模のサービスを目指す」と中嶋氏。「そのためスカウターの手間を軽減すべく、簡単な紹介でも登録ができるようにしたい。また現在は職業紹介事業者としてサービスを提供する上で、スカウターには当社と雇用契約を結んでもらっているが、2016年内には雇用契約なしで人材紹介には当たらない活動ができるコースも用意する予定で、副業を禁止されているビジネスマンでも参加できる形にする。さらに新卒者向けのサービス展開も準備している」(中嶋氏)

Instagramがやっと画像、ビデオのズームをサポート―当初はiOS、近くAndroidも

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多くのモバイル・ユーザーが味わった苛立たしさだと思う―つまりInstagramの画像をズームしようとしてその機能がないことを思い出すという不愉快な経験だ。しかしこれもようやくのことで変わろうとしている。今日(米国時間8/31)、Instagramはピンチで拡大する機能をサポートした新しいiOSアプリを公開した。

新しいズーム機能は画像とビデオの両方をサポートし、メインのフィードだけでなくユーザー・プロフィールとフォトを検索〔Explore〕タブでも利用できる。やっとInstagramの悪夢を終わりを告げることになる。ただし当面はiOSのユーザーだけで、Androidはまだ悪夢に悩まされ続ける。しかしInstagramは「ズーム機能は数週間以内にAndroidにも登場する」と言っているからそう長く待つ必要はなさそうだ。

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今日からフィード、プロフィール、検索タブで写真とビデオをピンチでズームできるようになる。 可愛らしい子犬の笑顔を拡大してもいいし、友達の新しいTシャツの細かいところを見ることもできる。この6ヶ月、Instagramは長いビデオ用のアイコン、日常のなんでもない瞬間を友達と共有できるInstagram Storiesなどすてきな新機能を追加してきた。われわれはInstagramのコアとなる部分の改良に全力を挙げている。ズーム機能は今日からまずiOSで有効になった。この機能は数週間以内にAndroidにも登場する。

この1年くらいの間に Instagramは非常に多機能になった。こうした改良はサービスを大きく改善したが、同時に複雑化している。そのバランスに注目したい。

〔日本版〕記事中にエンベッドされたInstagram画面はクリックするとビデオが再生されるが、同時に音楽も流れるので音量注意。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

マーク・ザッカーバーグ、ローマ法王に面会―インターネット接続ドローンの模型を手渡す

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昨日(米国時間8/29)、 FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグと妻のプリシラ・チャンはローマ法王フランシスコに面会した。ザッカーバーグ夫妻のイタリア訪問はペルージャ付近に大きな被害をもたらした地震の後で発表された。

ザッカーバーグはインターネット接続のない地域の人々に世界とつながる能力を与えることの重要性をローマ法王と話し合い、さらにFacebookが開発したドローンをプレゼントした。残念ながら実際に空を飛べるドローンではなかった―太陽光発電で成層圏を長期にわたって飛行するAquilaの模型だった。FacebookはAquillaを利用した無線中継で現在ネット接続が得られない地域の人々に接続を提供しようと計画している。

Aquilaの実機は翼幅が34mあり、ボーイング737旅客機よりも幅が広い。 この夏、最初のテスト飛行に成功したばかりだ。計画では連続で90日間滞空し、幅100km弱の地域にインターネット・アクセスを提供する。

自身のFacebookページへの投稿によると、ザッカーバーグは法王に対し「被災者に対する慈悲と優しさにあふれたメッセージに強く心を打たれた」と述べたということだ。また法王が宗教の違いを超えて世界の人々に語りかけていることを称賛した(法王は多くのソーシャルメディアを活用している。現フランシスコ法王は前任のベネディクト16世にならってTwitterに参加しており、この3月にはInstagramからも発信している)。)

バチカンが発表したプレスリリースによれば、法王はメッセージを世界に広める上でテクノロジーが果たす役割についてザッカーバーグと話し合ったという。

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今回のイタリア訪問でザッカーバーグはマッテオ・レンツィ首相とも面会し、震災や経済、テクノロジーが新しい職を作り出す可能性などについて話し合った。またザッカーバーグはローマでタウンホール・ミーティング形式のQ&Aセッションを行い、その模様はFacebookでライブ中継された。

「人工知能が全ヨーロッパを通じて果たした役割に強い印象を受けていると私はレンツィ首相に伝えた」とザッカーバーグはFacebookに書いた

「Facebookの人工知能提携計画の一環として、最新の高性能GPUサーバー26台 を〔イタリアの〕モデナ・レッジョ・エミリア大学を含めヨーロッパ全土の研究組織に提供した」とザッカーバーグは述べている。

ヨーロッパの9ヶ国の15の研究機関がこのコンピューターの提供を受けた。これはFAIR (Facebook AI Research)と同等製品で、最高クラスのGPUボード8枚を装備している。コンピュータービジョン、機械学習システム、ディープ・ニューラルネットワークなどの開発で研究機関を助けるのが目的だ。

法王との会見も重要な出来事だったが、いっそう興味深かかったのは、ザッカーバーグが被災地を訪れたことだ。通常の場合、災害の見舞いや激励は政治家の仕事と考えられている。被災地訪問は今回の旅行の最大の目的ではなかったかもしれないが、世界経済におけるFacebookの重要性が向上していることを示すものだろう。またネット接続のない地域に接続をもたらす上でFacebookがカギとなる役割を果たしそうだということも確認された。

今年初め、ザッカーバーグは中国を訪れ、中国共産党の常務委員でありプロパガンダ責任者の劉雲山と会っている。ザッカーバーグは中国のインターネットの発展と将来Facebookが果たし得る役割について議論したものと見られている。2009年以降、中国のインターネット利用者は7億2000万人以上に増えたが、Facebookは同国で依然ブロックされたままだ。.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Blockai、ツイートするだけで著作権を主張できるツールを提供

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Blockaiは、フォトグラファーやアーティストの知的財産権を守るために設立された。このたび同社は、その手続きを簡単にするための機能を公開した ― 少なくともTwitterとの整合性を高めた。

従来Blockaiのユーザーは、同社のウェブサイトに自分の作品をアップロードして公開データベース(具体的にはブロックチェーン)上にレコードを作成することで、自分が著作者であることを宣言していた。

しかしCEOのNathan Landsは、「アーティストがいつもBlockaiを使うとは考えにくい」ので、他のツールと統合することを考え、まずTwitterから始めた。登録したい画像を #blockai のハッシュタグを付けてツイートするだけで、自動的に登録される(既にBlockaiアカウントを持っている場合 ― ない場合はサインアップを促される)。

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サービスがスタートした時のLandsの説明によると、面倒な議会図書館への登録手続をすることなく、著作権の証明を作る方法を提供することがこれを作った目的だった。

その後もし誰かが自分の写真やアートワークを無断利用しているのを見たら、Blockaiの証明書を送ることができる。証明書は、ソーシャルメディアのスクリーンショットより「ずっと本格的」に見える。(法廷証拠として使える可能性もあるが実際に試したことはない、とLandsは言った)。Blockaiはウェブ上の類似した画像の検索も行うので、著作権違反を事前に監視することもできる。

サービスをアーティストが利用する場合は無料。将来はメディア会社等の顧客相手に有償化する計画だ。

最終ゴールは「ウェブ上のあらゆるファイルについて、誰が著作権を持っているかを答えること」だとLandsは付け加えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ライブストリーミングのHangouts On Air、Google+からYouTube Liveに移管

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Googleは今日(米国時間8/15)、Hangouts On AirをGoogle+からYouTube Liveに移管すると発表した。実施は9月12日で、ユーザーはYouTube Liveに移行するよう促される。

GoogleはTechCrunch宛のメールで、Hangouts on Airが閉鎖されるのではなく、YouTube Liveに移管されることを正式に認めた。「当社のライブストリーミングへの取り組みはYouTube Liveに絞り、サービスもそこに集約する」とGoogle広報は書いた。「Hangouts on Airは開始当初からYouTube経由で利用が可能であり、YouTube Liveは同サービスにとって最適な居場所だ」。

VentureBeatのEmil Protalinskiが最初に報じた通り、GoogleがGoogle+のHangoutsグループビデオチャットでライブストリーミング機能をデビューさせたのは2011年9月のことで、2012年6月には展開を完了した。それから1年とたなない2013年5月にはYouTube Liveがスタートした。

移行期限の9月12日以降、Google+でイベントのスケジュールを設定することはできなくなり、既に9月12日以降に設定されているイベントは、YouTube Liveに移動させる必要がある。

録画されたイベントは引き続きYouTubeで見ることができる。Google+ではアクティビティーログの中で、イベントのコンテンツを読み取り専用で利用できる。

これは、昨年来多くのGoogle製品にわたって実施されている、Google+に関連する変更の一つだ。つい先日Googleは、Play Storeでレビューを投稿するためにGoogle+のプロフィールが必須ではなくなったことを、正式に発表した

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookが360度動画に自動モードを設定するGuideや視聴者の関心を示すHeatmapなどのツールを発表

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マーク・ザッカーバーグは将来ビデオ・コンテンツがFacebookのベースとなると約束した。これを実現するためにFacebookはビデオ・アナリティクスを公開した。ビデオの作成者は視聴者の人口動態、ライブ放映の場合の視聴者数の時系列変化、各種共有の影響などを簡単に知ることができるようになる。

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しかし標準的なビデオ・アナリティクス・ツールよりさらに興味深いのはFacebookの360度動画の設定を効果的にするツールだ。Facebookにはすでに25万本の360度動画がアップされている。現在のところ視聴者はビデオのどこからスタートしてどこを見るか、すべて自分で決める必要がある。ビデオの作成者はどのアングルから見るのがいちばん面白いかを視聴者に伝えることができなかった。この問題を解決する2つの新しいツールが公開された。

360度動画でストーリーテリング

Guideツールは 360度動画のデフォールト視聴パスを設定できる。つまり視聴者側から何もしなくてもビデオの視聴アングルはクリエーターがあらかじめ指定したラインに沿って動く。360度動画をアップロードするとき、詳細設定コントロールに新しいタブが追加され、「Guideを有効にする(Enable Guide)」をクリックすると画面中に視聴アングルを指定するポイントが表示され、動的なパスを設定できるようになる。Guideを使用して視聴パスが設定された動画をユーザーが再生すると、このパスに沿って360度動画の視聴窓が動くので興味ある箇所を見逃さずにすむ。

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Guideを使えばクリエーターは視聴者が重要なポイントを見逃すことを心配せずに360度動画でストーリーを表現できるようになる。Facebookによれば、Guideでパスを設定すれば「〔水中撮影の場合〕ダイバーが飛び込んでくる瞬間やサメが背後から近づいてくるところ」を視聴者は見逃さずにすむというわけだ。視聴はスワイプ動作でいつでもGuideを中断させ、関心を抱いた場所を見ることができる。またGuideボタンをタップすることでいつでもGuideを再開できる。

360度動画にGuideが実際に使われている例のひとつはNew York Timesのオリンピック記事だ。リオデジャネイロのメインスタジアムでウサイン・ボルトが100m走で世界最速を記録した様子を見ることができる。

Heatmapを利用すると、ビデオのクリエーターは360度動画がどのように視聴されているかを知ることができる。30度以上の窓の移動データが記録され、累積視聴回数に応じて色分けされるため、もっともポピュラーな視聴アングルが簡単に分かる。

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4月下旬以降、ユニーク視聴回数が5万回以上のビデオすべてでHeatmapが利用できるようになる。クリエーターはHeatmapの地図を利用して視聴者の関心を知り、Guideでデフォールト・パスの設定を行う助けにすることができる。

Facebookは今回発表されたツールにより、 ソーシャルメディアの360度ビデオでますます有利な立場を獲得しそうだ。YouTubeも360度ビデオの再生機能があるが、TwitterとSnapchatにはまだ欠けている。ザッカーバーグはこれまでも繰り返し「Facebookはテキストと写真ベースからビデオ、特に360度動画ベースの存在になっていく」と述べている。しかし新しい新しい表現媒体が登場した場合、クリエーターが効果的な使い方を発見するまでには時間がかかる。Facebookのアナリティクス・ツールとビデオ設定ツールは360度ビデオを本格的なアートの段階に推し進めるために役立ちそうだ。

〔日本版〕Facebook日本語版では360 videoを「360度動画」と訳している。再生時にコンパスの上部が点滅している場合はGuideによる自動モードが設定されている。視聴者がコンパスをクリックすると自動モードが開始される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

東南アジア拠点のフリマアプリCarousellが3500万ドルを調達

Southeast Asia based Carousell raises1  35M for its social commerce app   TechCrunch

Carousellはユーザーが品物を掲載して個人間売買できるアプリだ。Carousellを運営しているのは創業4年目のシンガポール発のスタートアップで、現在、東南アジアにおいてアプリを展開している。CarousellはシリーズBラウンドで新たな国への進出とプロダクト開発のために3500万ドルを資金調達した。

Carousellは、整い始めたシンガポールのスタートアップエコシステムから芽を出したスタートアップの内の1社だ。Carousellを創業したNUS(シンガポール国立大学)卒業生のLucas Ngoo氏、Marcus Tan氏、Siu Rui Quek氏ら3人は20代前半は「一般的な」仕事に就いていた。加えて、このシリーズBラウンドはシンガポール発のスタートアップにとって確実に注目に値する(そして最大の)ラウンドである。

当ラウンドは以前からの出資者Rakuten Venturesに率いられ、Sequoia(東南アジアの取引を担うインドのファンド経由)、Golden Gate Venturesと500Startupsが参加している。Carousellは以前の2014年のシリーズAラウンドで600万ドル2013年のシードラウンドで80万ドルの資金調達をしている。新たな調達ラウンドを早い段階から検討していたことが垣間見える。

実際、昨年12月TechCrunchは、CarousellがシリーズBラウンドで5000万ドルに近い額を出資者から調達しようとしていると記事で伝えた。当時、その記事に関してCarousellのコメントを得られなかった。そして、今回に関してもCEOのQuel氏はその記事に関しては「既存投資家の支援が得られることを非常に嬉しく思っています」と述べるに留まった。

Carousellのアプリは「私たち自身が抱えている問題を情熱を持って解決するプロジェクト」としてシンガポールで開始したとQuek氏はTechCrunchのインタビューで語った。簡単にCarousellを言い表すとiOS、Androidアプリ経由のモバイル版クレイグリストだ。写真をアップロードできる機能を持ったチャットスタイルのインターフェースを採用しており、品物の売買に興味のあるユーザー同士を結びつける。個々のユーザーが自ら販売、支払いの管理を行い、今のところCarousellはサービスから収益を得ていない。

Southeast Asia based Carousell raises 35M for its social commerce app TechCrunch

Carousell上には既に3500万の品物が掲載されており、1分間に70個の品物が新たに掲載されている。アクティブユーザーは平均で17分間アプリ内を回遊しているとCarousellは説明する。(これは悪くない数値だ。Facebookグループの3つのアプリFacebook、Instagram、Messengerでは、ユーザーは平均で1日50分間利用していると先日Facebookは公表した)。

Carousellは現在、シンガポール、香港、台湾、マレーシア、インドネシアの5カ国でサービスを提供している。さらにシェアを拡大する計画もあり、現在、重点を置く東南アジア以外の国への進出も含まれるとQuek氏は語った。

「Carousellが解決している問題はグローバルなものです」とQuek氏は説明した。「Carousellの事業は本質的に地域に縛られないものです。(Carousellが進出を予定している)次の市場は東南アジアの外であり、進出に向けて準備を進めています」。

Carousellは国際的な市場拡大に向けて、今年初めには東南アジアでAirbnbの事業を牽引してきたJJ Chai氏をヘッドハンティングした。

東南アジアにおけるEコマースの市場獲得を巡る競争は厳しい。オンライン市場は市場全体の3%未満を占めていると推定される。今年、Alibabaから10億ドルの資金調達を行ったLazadaの他にも東南アジアには各国固有のEコマース企業が存在する。ソフトバンクの支援を受けているTokopedia、インドネシアの小売コングロマリットLippoが運営するMatahari Mallなどだ。一方、ソーシャルネットワーク上で従来の枠に捉われないコマースも成長しており、Facebookも注力し始めている。アメリカの大手SNSは、Facebook Shopの機能と並行するソーシャル決済システムを検証している。これは、東南アジアのユーザーがFacebookの囲いから離れなくても、商品の売買をすることを促すものだ。また、いくぶん奇妙ではあるが、Rakuten Venturesの親会社である楽天はCarousellに似たRakumaという名前のソーシャルコマースアプリを東南アジアで展開している。

「Rakumaを開始したことを知りませんでした」とQuek氏は語る。「子会社のベンチャーキャピタルのRakuten Venturesを通じて楽天から出資を受けています。Rakuten VenturesのCarousellへの出資は本質的に戦略的な意味合いはありません。私たちは独立して事業を運営しており、楽天の戦略的な計画は把握していません」。

厳しい競争の渦中だが、今の段階でCarousellが収益についてあまり考えていないことは驚くことではないかもしれない。Quek氏は、Carousell(と出資者)は将来的にマネタイズを行うだろうが、今すぐそれを行う計画ではないという。現在はアプリをスケールさせることに重点を置いているとのことだ。

Quek氏は、その時が来たのならCarousellが利益を得ることに何ら問題もないと楽観的に考えていることを強調した。

「Carousellのビジネスモデルは、基本的にはマージン率およそ50%の旧来のクラシファイド広告と同じです」とQuek氏は言う。「ビジネスモデルを新たに発明しようとしているのではなく、新たな顧客体験を創造しようとしています。結果的にそれがマネタイズにつながるのです」。

「現在、重点を置いているのは、市場の国際展開、そして競争力のあるプロダクトとエンジニアチームの整備に力を入れて取り組むことです」とQuek氏は補足した。

Carousellには現在90人の社員がいて、そのうち24人はエンジニアだ。Quek氏は今年の末までに、エンジニアの人数を倍にしたいと語った。そのようなチーム体制によって検索の改善、売り手と買い手のマッチング、スパム的な商品掲載を減らすことを狙うと語った。

Carousellの最終的なエグジット戦略に関して、東南アジアで初の注目を集めるIPOになるかと気になるかもしれないが、それに関してコメントは得られなかった。

「私たちはCarousellのエグジットについてあまり議論してきませんでした。私たちが常に大事にしていることは大きなインパクトを生むことなのです」とQuek氏はTechCrunchにそう語った。「Carousellはちょうど動き始めたところです。国際展開が’最も重点を置くことの1つになるでしょう」。

原文

(翻訳:Shinya Morimoto)

カジノ会社Penn National、Zynga出身者が設立したRocket Gamesを最大1億7000万ドルで買収

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ソーシャルゲーム会社Zyngaによるリアルマネーギャンブルへの参入はスムーズとは呼べないかも知れないが、この度Zynga出身者が手がけた同ジャンル専門のスタートアップが最大1億7000万ドルで買収されることになった。サンフランシスコに本拠を置くソーシャルギャンブル会社Rocket Gamesは、スロットマシン、ビデオゲーム機、カジノを手がけるPenn National Gaming買収された。Penn Nationalは6000万ドルを現金で支払い、そのうえで業績に応じて1億1000万ドルまでのアーンアウト(追加の買収代金)を支払うとしている。

Rocket Gamesによれば、2015年の成長率は500%で、全ソーシャルカジノゲーム会社のうちトップ15に入るという。2016年6月30日までの6か月間における営業EBITDAとして560万ドルを計上したと同社は話す。

Penn Nationalにとって今回の買収は、カジノ等での実地提供型ゲームを継続的に提供し、実地以外でもオンラインでプレイヤーにブランドと顧客関係を浸透させる手段となる。

Penn National Gamingの会長兼CEO、Timothy J. Wilmottは「Penn NationalによるRocket Gamesの段階的買収は、自社を補完するような成長中の新興プラットフォームを買収するという私たちの継続的な戦略的イニシアチブを前面に押し出すもので、核となる地域型ゲーム事業と300万人のアクティブユーザーを擁するデータベースの活用を可能にするものです」と声明の中で語っている。「2013年にゲーム関連資産を不動産資産と分離して以来、私たちは成長と多角化に向けた幅広い施策に注力しています」とも述べる。

Penn Nationalは、オンラインでは既にHollywoodcasino.com および Hollywoodslots.com を展開しており、どちらも利益を上げているという。「私たちの内部分析によれば、データベース上の重要な顧客セグメントはソーシャルオンラインゲームにも積極的に参加しています。Penn Nationalの業務、Hollywoodcasino.comとHollywoodslots.comの提供するソーシャルカジノ、そしてRocket Gamesの活動の間には、経営と収益の点で価値あるシナジーが生まれ、株主に短・長期的な成長をもたらすと確信しています」とWilmottは語る。

Wilmottによる言及こそなかったが、このような新事業へのさらなる進出はPenn Nationalのビジネスニーズを今まさに押し上げる可能性も秘めている。Penn Nationalは最新の財務レポートで、6月30日までの3か月間における純利益として7億6940万ドルを計上したと報告しているが、この数字は自社利益予想の7億8680万ドルを下回った。

Android、iOS、Amazon、Facebook向けにアプリを開発するRocket Gamesは現在、約50種類のゲームを提供している。人気タイトルにはViva Slots Vegas、Downtown Deluxe Slots、Triple Double Slots、およびVegas Jackpot Casinoなどがある。Rocket GamesではZyngaと同様に、Popeye Classic Slotsなどのゲームタイトル開発用にブランドへのライセンス供与も行っている。

2013年に設立されたRocket Gamesがこれまでに調達したプライベート資金総額は不明だ。

Rocket Gamesのファウンダー、幹部メンバー、および30数名の従業員には、Zyngaで2012から2014年に大規模な離職の波起きた際に同社を去ったシニアスタッフたちが名前を連ねる。共同設立者3人のうちの1人、Bill Gelpi(Rocket GamesのCEO)はZyngaでプロダクト・ディレクターを務めていたし、Zyngaでプリンシパル・ソフトウェアエンジニアだったSteven Jian(同CTO)やスタジオ・ゼネラルマネージャーだったNiko Vuori(同COO)なども加わっている。幹部メンバーのJustin Cooper(同チーフコンテンツオフィサー)もZyngaのユーザーエクスペリエンスVPだった。Rocket Gamesチームは買収に伴いPenn Nationalに移籍となる。

「Rocket Gamesのチーム全員、Penn Nationalファミリーの一員となること、またPenn Nationalの培った専門性と米国全土にわたるリーチを活用することで私たちのゲーム開発力と成長力を次なるレベルへと導けることを光栄に思います」とGelpiは声明の中で述べている。「ソーシャルオンラインゲームは、モバイルオンラインゲームでも極めて魅力的なセグメントです。私たちの革新的で専門的なゲーム技術が、有用な顧客データベースを持つ正統派のカジノ運営者と手を組むことで、Rocket GamesとPenn Nationalの両社にとって、またとない機会が創出されるでしょう」。

Zyngaから流出した人材は、Survey Monkeyに買収されたRenzu社、VRゲーム会社のPlayful、モバイルEメール企業のWeMailなど、多数のベンチャー企業が受け皿となった。

法律事務所のDLA Piperは、今回の買収に際してPenn National Gamingに法的アドバイスを提供したと述べている。

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(翻訳:Ayako Teranishi)

Facebookの新アルゴリズムはクリックベイトを判定―トラフィック稼ぎの釣り記事は排除へ

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Facebookはニュースフィードの表示アルゴリズムに新しくアンチ・クリックベイト機能を追加し、順次公開していく。この新機能のおかげで、 重要な情報を歪めたり、隠したり、誇張したりするページや記事へのリンクはニュースフィードに表示されなくなる。

Facebookは人力で何万という記事のクリックベイト指数 〔clickbaitiness score〕を算定し、このデータを用いて新しいアルゴリズムを訓練した。これにより、システムは「ベッドの下を覗くとなんとこれがいました! 大ショック!」、「ニンニクを靴に入れた結果が信じられないことに」、「犬が配達人を吠えた―その結果が大爆笑もの」といった記事を自動的に発見できるようになった。

このアルゴリズムは単なる二分法で「これはクリックベイト」、「これはクリックベイトではない」とラベルを貼るのではなく、記事の悪質さの度合いに応じてクリックベイト指数を付与する。仕組みはメールのスパムフィルターと似ており、主として通常の記事にはめったに使われない迷惑記事特有の表現を探す。

個々の記事のクリックベイト指数が高いほどアルゴリズムはその記事へのリンクを掲載、共有したFacebookページ、あるいはウェブサイトを全体として罰する。つまりこうしたページやサイトの表示順位がダウンする。Facebookのニュースフィード・プロダクト・マネージメント担当副社長、Adam Mosseriは私の取材に答えて、「毎日50回も投稿している場合、1回くらいクリックベイトが混じっていても問題はない。逆に一日中クリックベイトをアップしているスパマーの場合影響は非常に大きいはずだ」と説明した。

さいわい「パブリッシャーがクリックベイトを投稿するのを止めればリンクのトラフィックも元に戻る」とMosseriは言う。アルゴリズムはFacebookページとウェブサイトのドメインの双方のレベルで違反者を特定するので、スパマーはページに掲載する記事のURLを細かく変えることでクリックベイト発見アルゴリズムを逃れることはできない。

これまでもクリックベイトはニュースフィードで最大の苦情の原因だった。一部のユーザーはこれをニュースフィードの表示アルゴリズムのバグとしてレポートを出している。今回のアルゴリズムのアップデートはFacebookが最近発表したニュースフィードの価値〔News Feed Values〕という考え方に沿ったものだ。 価値の判定に用いられる5つのカテゴリーのひとつは「コミュニケーションの正統性(“Authentic Communication)」だ。これは「友達と家族を優先」する。先月のフィード・アルゴリズムの変更で新たなパブリッシャーの表示順位が下げられたのもこの考えに基づくものだ。

Facebookはクリックベイト対策の詳細を他のソーシャルメディアやサービスのデベロッパーと共有していくという。「われわれがどういう方法を採用しているか他社が研究し、採用することを歓迎する」とMosseriは語った。

しかしFacebookはこの情報を一般に公開するつもりはないという。「ドキュメントの大部分はクリックベイトと判定されるタイトルの例なので、スパマーに悪用されるおそれがあるからだ」という。

以前、Gizmodoは匿名の情報源のデータを基に「Facebookはトレンドから保守的な記事を不当に排除している」と主張したことがあった。それと関係があるのかどうか、Facebookの文書中のクリックベイトのサンプルのドメイン名はGizmotecho.comだった。〔下のポールペンの画像。誇大宣伝の例としてFacebookが作ったもの〕

Facebook Clickbait

Facebookは2014年にもユーザーのリアクションに基づいたアンチ・クリックベイト・アルゴリズを導入している。このアルゴリズムはユーザーが「いいね!」をして記事を見に行ったものの、すぐにFacebookに戻って「いいね!」を取り消したリンクを探すものだった。

この2月のアップデートではユーザーがクリック先のサイトに滞在した時間をクリックベイトの判定に用いるようになった。多数のクリックがあるのに滞在時間の合計が少なく、後まで残った「いいね!」の数も少ないサイトが対象だった。今日のアルゴリズムの改良は、個々の記事がクリックベイトであるかどうか判断するだけでなく、パブリッシャーそのものをスパマーとして特定するところに主眼がある。

Facebookはパブリッシャーがクリックベイトと判定されることを避けるための方法を紹介している。 Facebookは「赤絨毯の上でつまづいて転んだのはなんとあの人」などという情報の重要部分をタイトルから隠し、続きを読むためにクリックさせる手法を避けるよう求めている。また「このボールペンは絶対、決してインクが切れません。購入は早い者勝ち!」といった誇張もクリックベイトと判定される可能性があると警告している。

当然ながらニュースのパブリッシャーはニュースフィードのアルゴリズムの変更に神経質になっている。リンクのトラフィックに大きな違いが出てくるからだ。先月、「ページより友達を優先する」という方針が発表されたことはパブリッシャーを不安にさせていた。

今回のクリックベイト対策が功を奏するなら、正当と認められたパブリッシャーの掲載するニュースへのトラフィックはアップするだろう。投稿されたURLがクリックベイトではないと安心できればクリックするユーザーは増えるはずだ。

9月12日から14日にかけて開催されるのTechCrunch Disrupt SFでFacebookのAdam Mosseri副社長がニュースフィードについて講演する予定。

画像: Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+