高齢者の徘徊、転倒、転落、不正な食事や睡眠等々の健康状態がすべてリモートで分かるリストバンドAifloo

センサーとAIを結びつけて高齢者のための‘スマートリストバンド’(腕輪)を提供するスウェーデンのAiflooが、510万ユーロの資金を獲得した。

このシリーズAのラウンドをリードしたのはEQT Venturesで、同社のアナリティクスパートナーのHenrik Landgrenは、“大量のデータと現代的なAI”を組み合わせて、高齢者の長寿と自立的生活をヘルプしていく点を、Aiflooの将来性すなわち投資価値として挙げている。

2015年にFelix EtzlerとMichael CollarosおよびAnders Widgrenが創ったAiflooは、高齢者の生活の質を良くするためのeヘルスシステムを作り、家族や介護者にも安心を与える、と自社を説明している。

ハードウェアはたくさんのセンサーを搭載したリストバンドで、AIが着用者の行動をモニタし、問題があれば介護者に通報する。とくに重視される問題は、徘徊や転落転倒、食事習慣の変化、そして睡眠行動の変化だ。

Etzlerはこう説明する: “Aiflooはまったく新しいeヘルスシステムであり、個人のビヘイビアを継続的に知ることができ、異状を検出する。それにより高齢者の強健な生活を助け、家族や友だちに安心感を与え、介護の専門家が提供するケアを拡張する”。

そしてその基本的なコンセプトは、“人間のビヘイビアの検出を当人に意識感知されない形でデジタル化する”ことにある。そのためにAiflooのリストバンドは、複合機能ではなく単機能のウェアラブルとし、長い電池寿命を確保する。そしてAIによるリアルタイム分析のようなコンピューターの重労働は、すべてクラウド側で行う。

“リアルタイムの状況把握だけでなく、長期的な傾向の記録と分析も行い、また、本人が通報不能の状態でも緊急状態の検出と通報をする。その後は、介護者が適切なタイミングで適切なケアを、テクノロジーの助力がなくても提供できることを期待したい”。

Etzlerによると、これまでの高齢者ケアは人間が手作業でやるべきことが多すぎて、もはや時代遅れである。またいくつかの専用システムや介護用機器類は、高価で、個人の特殊性に合わせてカスタマイズできず、しかも複雑だ、とEtzlerは指摘する。

“一方、これまでのウェアラブルは若くて健康な人向けだったり、糖尿病のような特定の医療状況に対応していた。私たちが作ったものは、個人化されており、丈夫で使いやすく、複雑な問題に対する長期的なソリューションだ。それを、装着者の負担にならないウェアラブルおよびサービスとして実装したのだ”。

スカンジナビア地域で有数のヘルスケア企業であるAlerisが、早くもAiflooを採用した。今後は、在宅介護の企業にも売っていきたい、とEtzlerは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

米保険大手のエトナ、顧客2300万人にApple Watchを提供か

Appleと医療保険大手のAetnaは、Aetnaの2300万人の顧客にApple Watchを提供する件で秘密の会合を重ねていると、CNBCが報じた。

先週の木曜日と金曜日に南カリフォルニアで開かれた会議には、両社の上級幹部を始め、Appleの特別医療プロジェクトの責任者、Myoung Chaや、全米の病院から医療情報責任者が参加したと報じられている。

Aetnaは早ければ来年に計画を実行する可能性があるとCNBCの情報筋は伝えている。

本誌はApple、Aetnaの両社に問い合わせており、情報が入り次第続報する予定。Aetnaは現時点でコメントを控えている。

Appleがこの医療保険会社と提携するのはこれが初めてではない。すでにAetnaは、同社従業員5万人にApple Watchを配布している。昨年9月には、選ばれた大企業顧客にApple Watchを提供しており、今回の発表はその延長線上にあると言える。

報道によるとAetnaは、さらに広い分野に提供する野望を抱いている。新たな健康データを大量に取得することで、医療保険会社として顧客の活動に対する深い洞察を得ることができる。

この契約はAppleにとっても利益がある。AppleはApple Watchを医療、フィットネス向けに大きく売り出しており、一時的にFitbitを抜いた後、XiaomiがQ2にトップとなるまで今年最大のウェアラブルメーカーの座を獲得していた。

ほかにもAppleは、バイオメディカル・エンジニアを密かに雇い、血糖値の追跡やその他の疾患の検出に使用するセンサー技術の強化をはかっている。これはどの医療保険会社にとっても、データに基づいて顧客の活動を把握するのに役立つ。

もちろん、顧客がApple Watchと引き換えに、その情報を提供するかどうかは、まだわからない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazon、認定外の日食用メガネ購入者に返金

Amazonは、この夏の大日食イベントに向けて販売した日食用サングラスが偽物である可能性があるとして、購入者に返金した。

多くの人々が、8月21日に北米大陸を横切る日食 ーー 場所によって、完全な暗黒になるか部分的に太陽が隠れる ーー を前に準備を進めている。そして多くの人が、この太陽現象が頭上を通過する間に直接空を見上げるのに必要な保護メガネを入手するために、手軽なAmazonを使った。

しかしAmazonは、同サイトで売られているメガネが信頼ある製造元で作られているものばかりではないことを認識し、安全のため、疑わしいメガネを使用しないよう顧客に通知した。Vergeが最初に報じた。

「安全は当社の最優先事項の一つです」とAmazon広報担当者がこの件についてTechCrunchに語った。「当社は多数の警告に加え、業界標準をみたしていない可能性のある日食メガネの購入者に連絡して返金を行ないました。お客様にはAmazon.comで常に安心して買い物していただきたいと考えています。また、Amazon.comで販売される日食用メガネは、関連するISO標準を必ず満たようにいたします。」

安全問題についてはここ数ヶ月間話題になっている。最近Amazonから返金を受けた女性は、中国のメーカーからまとめて500個購入し、会社からは安全だと聞かされていた。後に、その会社が意図的に偽の安全表示をして彼女を騙そうとしたことがわかった。

言うまでもないが、不適切なメガネで直接日食を見ると視力に深刻な損傷を与える場合がある。「自作のフィルターや一般のサングラスは、たとえ色の濃いものであっても太陽を見るには適していない。許容される何千倍もの太陽光を透過させるからだ」と、米国宇宙航行学会(AAS)は警告している。

報道によるとAmazonは、検証不可能な日食用サングラスを販売している店舗を閉鎖するとともに、商品を使用しないよう顧客に注意を喚起しているがすでに遅すぎる可能性がある。プライムメンバーでない人は、間に合うよう購入するためには今がギリギリのタイミングだ。

もちろん、Amazonサイトには幅広いセレクションの日食用メガネがある。しかし、購入に際してはISO 12312-2国際安全基準の表示があることを確認されたい。認証済みのメガネは太陽光を10万分の1に減衰し、イベントを楽しむ間あなたの目を保護してくれる。

NASAおよびAASは、必要な安全基準を満たすブランドをごくわずかしか認めていないことにも注意されたい。認定済みメーカーの一覧は ここで見られるので、購入前に確認することをお勧めする。

製品の安全性についてAmazonから通知を受けていない人は、購入した製品がISO準拠であることをAmazonが確認されている。それでも自分が認定外製品を購入したのではないか心配な人は、Amazonのカスタマーサービスに連絡して、A-to-Z Guaranteeによる返金を受けることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

本人が何も装着せず、電波の反射波を利用する非侵襲型(当人が意識しない)の睡眠モニタをMITで開発

MITの研究者たちが、睡眠をワイヤレスでモニタする新しい方法を公開した。それは反響定位法(エコーロケーション, echolocation)に似ていて、電波を睡眠者に当てて反射波を捉え、体の影響による電波の変化を調べる。

チームはこれまでも、低出力の電波をモニタリングに利用する方法をいろいろトライしてきたが、今回のはその最新の成果だ。今回はAIを利用することによって、睡眠者の体のわずかな動きでも、電波の変化の中に捉えることができた。それにより、睡眠ステージ(浅い深い、REM/NREM)、睡眠中の運動、呼吸率など、睡眠のパターンに関する有意味な情報を得ることができた。

テストは25名のボランティアに対し、100晩かけて行われた。研究の指導教授Dina Katabiによると、そのシステムは80%の正確度で睡眠パターンを検出できた。それは業界標準の睡眠テストEEGにほぼ匹敵する。

睡眠の追跡調査はFitbitやApple Watchのようなウェアラブルでもある程度行われているが、それらはもっぱら、スマホが内蔵している加速度計を使って体の動きを検出し、それにより睡眠のパターンを判断している。

“ウェアラブルもいいけど、われわれのねらいは、目に見えないものを捉えることだった”、とKatabiは語る。“それは家庭の中で、みんなが忘れてしまうぐらい目立たないが、しかしそれと同時に、ワイヤレスの信号だけを使って健康上のあらゆる問題をモニタできる”。

そのワイヤレスシステムは、取り上げる要素がウェアラブルよりずっと多い。動きだけでなく、呼吸や心拍も捉える。それでいて、まったく生活の邪魔にならず、ベッドから数メートル以内の棚や壁に目立たない形で置ける。

使用する電波はWi-Fiよりずっと弱く、一家の中で複数台を複数の人に対して使える。調整などは要らない。被験者にとって、まったく気にならない存在であることも、本機の理想的な性質だ。

本人がその存在を忘れている状態で長期の検診ができるから、パーキンソン病やアルツハイマー病のような睡眠障害と関係の深い疾病のモニタにも向いている。ただし、そこまで一般化大衆化するためには、まずFDAなどの認可が必要だ。結果はすでに良好だから、それも大丈夫だと思えるが。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

顕微鏡で観察する‘微小ロボット’のモジュールが、形をさまざまに変えてたった一つの細胞を捉える

ノースカロライナ州立大学とデューク大学が発表したビデオでは、顕微鏡の下で5つの小さなキューブが自由に浮遊している。突然、二つのペアがくっつき合い、最後には5つすべてが一体化する。いったんくっつくと、彼らは蝶番のように折れ曲がり、パックマンのあごのように密着し合う。キューブたちは小さな円形のオブジェクト…一つのイースト菌の細胞…に接近し、蝶番の開閉を利用して前進していく。やがて彼らは閉じた形状になり、そこにイースト菌を閉じ込め、その後また開いて、菌を自由にしてやる。

研究者たちはこれらのポリマーのキューブを“microbot origami”(微小ロボットの折り紙)と呼び、その小さなモジュール的なオブジェクトは、さまざまな形に構成変えできる。各キューブは一面のみが金属でコーティングされ、彼らの周りに置かれた一連の電磁石によって形や動きを操作される。このデバイスは、自然界に見られるタンパク質ストランドの折りたたみ現象を模倣するために設計され、タンパク質の場合と同じく、微小ロボットの形状でその折りが決まる。

短期的には、この微小ロボットは研究用のツールとして利用できる。顕微鏡の下のオブジェクトと対話することによって、これらのブロックは未知の物質の性質を明らかにする。“今のところこれは、素材を微小レベルで調べるためのツールだ”、とペーパーの共著者Orlin Velevは説明する。“大きな素材や物質に対してありとあらゆる機械的な試験をするのはきわめて容易だが、小さな小胞(ないしベシクル)一つだけをつまむのは、すごく難しい”。

このような小さな折り紙的ロボットはMITなどでも開発され、どれもよく似た性質を持つ。もっと小さな、マイクロメートルサイズの研究に利用されているものもある。そしてそれらのプロジェクトと同様、この微小ロボットも、今後の医療方面の用途が展望される。医師がオブジェクトを小さなスケールで操作したり、テスト目的で一つの細胞を隔離したりできるだろう。

研究者たちはさらに、人工筋肉のようなバイオメディカルのデバイスに応用され、細胞レベルの動きが必要なケースで使われることもありえる、と考えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

より良い生活を実現しようと、テクノロジーで生活を追跡してみた

生活を定量化して追跡すれば、生活の質がより良くなるという考えがある。しかし私はそれについてあまり納得してはいなかった。そこで先週、私は睡眠と寝室の空気の質の両者を追跡してみた。まず最初にBeautyrest Sleeptrackerを見てみよう。

Sleeptrackerには、マットレスの下に置くためのセンサーが2つ付属している。それは、利用者が眠っていた時間を表示して、浅い睡眠と、深い睡眠、そしてレム睡眠のそれぞれに、どれ位の時間が使われたのかを教えてくれる。例えば先週金曜日の夜、私は11時間20分間寝た。大部分(7時間56分)は浅い睡眠だったが、2時間は深い睡眠、1時間半がレム睡眠だった。

平均して、私はこの週は、96%の睡眠効率で毎晩8時間寝ていた。ところで睡眠効率とは、ベッド上で過ごす時間全体に対して睡眠時間を測定することによって計算される。Sleeptrackerによれば、私の睡眠効率は他の96%の人びとよりも良いということだ。すなわち、それは基本的に私が「一流の睡眠家」(top-notch sleeper)であることを意味しているが、だからと言って嬉しさはない。

睡眠を追跡してくれるのは良いが、他の人たちにおそらく自分が睡眠巧者であると自慢する以外に、その情報を使ってどうすれば良いかは良くわからない。情報は面白いが、無くても困るものではない。

それに私は、その結果が100%正確であるとも思っていない。ある夜には、アプリは私が一度も夜目を覚ましていないと言ったが、私自身は少なくとも3回目を覚ました事実を知っている。ということで、私はこれに200ドルを払う価値があるかどうかを明言できる自信はない。

しかし明らかに、これは人びとが望み、企業もそれに応えている品物なのだ。BeautyrestのSleeptracker以外にも、今年初めにAppleが買収したBedditや、もう停止してしまったかもしれないSenseがある。

評決:睡眠を追跡したからといって、私の生活は良くはならない。

さて、次は空気の質に移ろう。79.95ドルのEve Roomは、室内の空気の質、温度、そして湿度を、感知して追跡する。これはHomeKitと互換性がある。ということは、もしコネクテッド扇風機や、エアコン、またはヒーターを持っていれば、温度がある程度になった時点で自動的自動的にスイッチを入れることができる。

とはいえ、私は上記のいずれも持っていないので、空気の質は、わかれば嬉しい程度だろうと考えた。正直に言えば、私は先々週末にそれを設定し、それから今日(7 月30日)までそれについてほとんど考えずに過ごしていた。

日中のある時点、午後4時ごろ、私の部屋の空気の質は2189ppmと非常に悪いものだった。理由はわからない。私が分かるのは、カーペット、塗料、家具、プリンター、香水、清掃用品、タバコの煙などのどれもが空気の質を悪くするだろうということだ。

評決:空気の質のモニターを設置したからといって私の生活は改善されない。しかしもし、何が空気の質の悪化の原因なのかを割り出すために、私がもっと時間を割けば、改善できるかもしれない

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(翻訳:Sako)

糖尿病プラットフォームのmySugrがRocheに最大1億ドルで買収された

数年前にオーストリアで設立された、人気のデジタル糖尿病管理プラットフォームmySugrが、健康産業の巨人Rocheによって買収された。現在はRoche Diabetes Care(Roche糖尿病ケア)の、新しい患者中心デジタル健康サービスの中心となっている。Rocheは、その買収を通して、プラットフォームを、健康保険会社、医療技術企業、製薬会社向けのオープンで独立したものとして運営していく予定だ。

mySugrアプリは、血糖値、投薬量、活動レベルを追跡するための、糖尿病患者の日録として役立ち、保険会社と協調して動作する。2014年以来Rocheと協力しており、RocheのVenture Fundから出資も受けていた。

売上高は明らかにされていなかったが、おそらく現在ヨーロッパ最大のヘルステック企業の1つであり、オーストリアのスタートアップシーンにとっても重要なものだ。

一部の観測筋によれば、mySugrの評価額は7500万ドルから1億ドルの間、とのことだ。

mySugrの競合相手であるLivongoは7000万ドルを調達し、glookoは最近3500万ドルを調達した。

mySugrはFredrik Debong、Gerald Stangl、Michael Forisch、Frank Westermannによって2012年に設立された。現在、100万人のユーザーにサービスを提供しており、この分野のマーケットリーダーだと考えられている。現在は、52カ国13言語で利用可能だ。

「専門知識とRocheのグローバルネットワークのおかげで、mySugrは糖尿病患者の生活を楽にするための不可欠な仲間になるでしょう」と、mySugrのCEOで共同創業者のFrank Westermannは述べている。

2015年3月にもRocheは、既に投資を行っていたXLHealthとiSeedVenturesと共に、このスタートアップに420万ユーロを投資している。

創業者たちは、ここまでの経緯を詳しく説明していた。

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(翻訳:Sako)

AIでがん患者に最適な治療法を見つけるMendel.aiが200万ドルを調達

Dr. Karim Galilはうんざりしていた。がんで患者を亡くすことにうんざりしていた。散乱する医療記録にうんざりしていた。として、様々な効果をうたう数多くの臨床試験を掌握することにうんざりしていた。多くの患者を失い、忍耐力も失いつつあったGalilは、AIシステムを構築して担当する患者を、最適な治療方法とマッチングさせようと考えた。

彼はこの新システムを、近代遺伝学の父、Gregor Mendel[グレゴール・メンデル]に因んでMendel.aiと名付け、DCM Ventures、Bootstrap Labs、およびLaunch Capitalから200万ドルのシード資金を調達してプロジェクトを立ち上げた。

Mendel.aiは、英国拠点のBenevolentBioに多くの面で似ている。大量の科学論文に目を通して最新の医療研究の情報を収集するシステムだ。ただし、Mendel.aiは、キーワードデータの代わりにアルゴリズムを用い、clinicaltrials.gov の医療文書にある構造化されていない自然言語の内容を理解して患者の診療記録と突き合わせる。この検索プロセスによって完全にパーソナライズされた一致を見つけ、候補となる治療方法と患者の適合度を評価する、とGalilは説明した。

このシステムは、膨大な臨床データの最新動向を把握しきれない医者にとって有用かもしれない。

患者もまた、数多くの臨床試験の結果を読むのは大変だ。例えば、ある肺がん患者について、clinicaltrials.govにある試験結果が500種類見つかり、それぞれに適用分野が詳しく書かれたリストが付いてくる」とGalilは言う。「臨床データは毎週更新されるので最適な適合を人間が把握するのは不可能だ」。

Mendel.aiは適合に必要な時間を短縮することで、もっと多くの命を救おうとしている。現在同社は、カリフォルニア州ベーカーズフィールドのComprehensive Blood & Cancer Center (CBCC) のシステムと統合することで、同センターの医師は患者にあった治療法を数分のうちに見つけられるようにしている。

今後はCBCCのような病院やがん遺伝子企業とさらに提携を結び、Mendel.aiを改善し、システムを提供していく計画だ。間近の目標としては、IBMのWatsonに挑戦して、どちらが良い患者の適合を見つけるかを比べてみたい、とGalilは言う。

「これは、人が生きるか死ぬかの違いだ。冗談ではない。」とGalilはTechCrunchに語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ネット上で初めて性の健康コンサルを提供するBiem、45ドルと高いが有資格の専門家が対応、検査も受けられる

性の健康、という話題は、あまり人気がない。性やデートにテクノロジーが大々的に関わっている今日ですら、ネット上に性の健康に関する情報は乏しい。そこを突いたのが、Biemだ。

Biemのアプリとサービスを使って、性に関する保健医療の専門家と気軽に話をしたり、検査を受けたりできる。またユーザーはこのアプリとサービスに対しては匿名のまま、コンサルの結果や試験結果で異状が明らかになったら、そのことを性的パートナーに通知できる。

協同ファウンダーのBryan Stacyは、STD(性行為感染症)の検査には恐怖や不安が伴うことを感じ、それを緩和するためにBiemを創った。

“性の健康について教育されていないから、みんな怖がるんだ”、と彼は言う。“でも恐怖に負けて知識や情報が不足したら、本人の命にかかわることもある。精巣癌やクラミジアも、知識がなければ重症になるまで放置される。アメリカでSTD患者が異様に多いのも、みんな恐怖に負けて、正しい知識を得ようとしないからだ。われわれの目標は、みんなが性の健康について平然淡々と会話できるようになること。恐怖に圧倒されたり、複雑な検査や医療にびびったりしないようになることだ”。

このサービスはすでにニューヨークでは臨床段階であり、国の規制をクリアすれば全国展開できる。今同社は、シリーズAの資金調達中だ。

とてもシンプルなシステムで、アプリ経由で性の健康に関する有資格の専門家と話をすると45ドル、オプションとして検査も受けられる。

“検査は自宅または、うちのパートナーの検査部門で受けられる”、とStacyは語る。“診断はすべて、FDAとCLEAの規格に準拠している。伝承等による自己検査や、商品化されている検査キットは、FDAの規準に合わないし、正確でもない。しかも、専門家の判断がないので、今後の処置について正しい指針が得られない”。

同社は、デートアプリとパートナーして、性の健康やその診断についてコミュニケーションと理解を広めたい、と考えている。性を楽しむにしても、そこに恐怖や不安や混乱がないようにしたいものだ。

〔参考:性の健康、日本の関連機関

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

メアリー・ミーカー、医療分野でのシリコンバレーの役割に言及

今日(米国時間5/31)、メアリー・ミーカー(Mary Meeker)のインターネット・トレンド・レポート最新版が公開され、そこには私たちの将来をテクノロジーががどう形作るかについての考察が満載だ ―― そして、今年は医療問題も取り上げられている。ミーカーが同レポートで医療に言及したのはこれが初めてであり、これは今後の私たちの生活を改善していく上で、テクノロジーが果たす役割の大きさを示すものだ。

レポートから重要な指摘をいくつか拾ってみた。

  • ウェアブルデバイスの勢いは増すばかりで、米国人の25%が所有している(2016年の12%から上昇)。一番多いのが移動速度を追跡するデバイスで、心拍数の測定がそれに続いている。
  • 多くの人々が健康アプリをダウンロードして、健康データを共有する意志を持っている。
  • ミーカーのレポートによると、2016年には60%の人たちが健康データをGoogleと共有してもよいと考えている。
  • 消費者は商用検体検査サービスをかつてないほど利用している。
  • そのほかの良い知らせ。病院や診療所で、患者が自分のデジタルデータをアクセスできるようになった。
  • 医療に役立つデータ量は3.5年ごとに倍増している(1950年には50年で2倍だった)
  • 利用可能な健康データが増加したことで臨床試験が加速され、科学者との共同研究も促進されることが期待される。

考察の多くは驚くものではない。ウェアラブルは遍在し、デジタル化によって従来のシステムを破壊するビジネスが生まれており、そのためにベンチャーキャピタルは健康スタートアップに多額の資金をつぎ込んできた。Rock Healthによると、2016年のこの分野への投資総額は 42億ドルに上り、ベンチャーキャピタルはバイオ分野の専門家を「大慌てで」雇っているらしい。

もちろん難点もある。医療は非常に規制の強い分野であり、アプリのようにとりあえず出して後から修正するというわけにはいかない。Theranosが悲しくも学んだように、製品は初めから正しくなければならない。しかし今年ミーカーが医療分野を掘り下げたことの意義は実に大きい。将来の健康で安心な暮らしを作るうえでシリコンバレーが持つ力をしめすものだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleは睡眠追跡のBedditを買収、それでも製品とサイトは存続している

本誌TechCrunchが確認したところによると、Appleは睡眠追跡ハードウェアとソフトウェアの企業を買収した。この買収のニュースは、CNBCが最初に報じた

そのBedditのプライバシーポリシーのページで、同社も買収されたことを確認し、さらに、ユーザー情報は“Appleのプライバシーポリシーに従って収集、利用、そして開示される”、とある。

買収の条件は現時点では不明だが、今後いろいろ嗅ぎまわりたい。

Bedditが製品をAppleのストアで発売したのは2015年の後半だ。Appleのストアに並ぶ製品はアプリのアナリティクススイートの上出来の物理バージョンで、今どんな層に何が人気かを、Appleはじかに知ることができる。

フィンランドのBedditは2007年に創業され、これまでに約350万ドルの資金を得ている。最新製品のBeddit 3はセンサーを収めた薄い紐で(上図)、説明書によると、ユーザーはそれをベッドに敷いて睡眠関連のデータ…睡眠時間、睡眠効率、心拍、呼吸、体温、体の動き、いびき、室温、湿度…を測る。小売価格は150ドルで、今でもApple Storeのページで売られている。

たぶん、製品がAppleブランドになることはないだろう。むしろAppleが欲しいのは、睡眠の質を測る方法と技術だ。

現時点では、製品はあくまでもBedditの製品なので、Bedditのカスタマサービスのページが今後も残ると考えられる。現在の顧客は当分のあいだ、そのことをあてにできるだろう。ただしAppleが買収した企業を無限に放置することはないので、長期的な将来については分からない。でも、最近買収したWorkflowはアップデートして機能が増えたし、メンテナンスもしているけどね。

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ワイヤレスで歩行速度を測るMITのWiGaitはセンサーを使うウェアラブルより正確でストレスフリー

MITのコンピューターサイエンスと人工知能研究所が、歩行速度を95から99%の精度で測定する方法を考案した。それは、ウェアラブルや体につける測定器具は使わない。その技術は、チームが“WiGait”と呼ぶワイヤレスの信号を利用し、それを家の中でルーターのような装置から送信して、一定時間内の歩行速度と歩幅を調べる。

このWiGaitシステムは屋内で使用し、目立たない場所にセットアップできる。ユーザーは、いちいち腕輪などの充電を要する器具を思い出して身につけなくても、そのままでいつでも自分の歩行を測れる。歩行速度の測定は臨床研究に大いに役に立ち、健康状態の予測予言に利用できることが、最近ますます立証されつつある。また歩幅の変化は、パーキンソン病などの診断に役に立つ。

WiGaitはそのほかの体調診断方法に比べて、体に何もつけないし、カメラのような気になる器具も使わないから有利だ。たとえば歩幅測定にカメラを使うと、副産物としてプライバシーの心配が生ずる。患者は歩行距離を測るセンサーなどがない方が気楽だし、自分を見張っているカメラがあるより、WiGaitのように壁に目立たないアンテナがある方が余計な緊張をしない。

  1. zach-kabelac-dina-katabi-chen-yu-hsu-and-rumen-hristov-led-the-development-of-wigait-photo-credit-tom-buehler.jpg

  2. wigait-uses-wireless-signals-to-continuously-measure-a-person_s-walking-speed-photo-credit-jason-dorfman.png

  3. phd-student-chen-yu-hsu-was-lead-author-on-the-new-paper-about-the-wigait-device-in-background-photo-credit-jason-dorfman.jpg

この開発は、長期的な介護や老人医学にとって大きな診療的意義がある。この二つの分野は、人間の長寿命化と社会の高齢化とともにますます重要だ。この技術のいちばん良いところは、一度セットアップすれば、患者の適応努力に伴うストレスがゼロであることだ。ウェアラブルだと、この適応努力がいつもたいへんである。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

男女間の問題を生命徴候と声から早期に検出してその芽を摘むためのウェアラブルをサウスカロライナ大が研究中

男女間の問題を、実際に顕在化する前にその芽を摘むために、問題が発生しそうなことを告げている生命徴候を検出する、という研究をサウスカロライナ大学の複数の研究チームが共同で進めている。被験者のカップルは複数種類のセンサーを収めたウェアラブル(上図)を身につけ、そのデータを記録するスマートフォンを与えられる。

その研究はほとんど研究室の外で行われ、協力者のカップルはそれぞれ1時間のアンケートにつき合って、相手に対する気持ちを述べる。研究者が意図的に論争を導入したり、主観的な事項に触れたりはしない。中にはまったく問題が報告されないカップルもいるが、全体としては大量の問題が検知される。なにしろ、男女のカップルだからね。

研究報告を共同執筆しているTheodora Chaspariは述べる: “ウェアラブルから生体信号を捉えるのは、肉眼では見えない情報を捉えるためだ。それは実際に、相当有益な情報源だった”。

そのウェアラブルが捕捉するのは、体温と心拍と発汗だ。これらに、喋りの(音声の)内容と強度を検出するためのオーディオ信号を組み合わせる。チームが開発した機械学習は、抗争のタイプや内容を86%の確度で判定できる、という。

執筆主任のAdela C. Timmonsは語る: “うちの大学では、心理学の家族研究と、工学部のSAILプロジェクトが長年コラボレーションしている。両者が協力して、われわれが収集した大量のデータを処理分析し、それらに機械学習の技術を適用して、カップル間に対立や抗争が生じつつあるかを、高い確度で判定する”。

研究の次のステップは、その機械学習のアルゴリズムを利用して、抗争の発生をその5分前までに予見できるためのモデルを作ることだ。そのモデルには、心理学的なデータと音声の判定を学習させる。今、商品としてのウェアラブルはかなり高度化しているから、商用製品に体のフィットネスだけでなく心の健康をチェックする機能が導入されたって、おかしくはない、と思ってしまった。

“でもこれは、とっても難しい仕事よ”、とChaspariは語る。“抗争や対立の原因や徴候は、心理学的にも行動科学的にも、微妙に徐々徐々に積み重なって大きくなっていくものだから”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Alphabet傘下Verilyのスマートウォッチは大量の生命徴候データを長期にわたって集め医学研究に奉仕する

長期的な医学研究を念頭に置いて設計されたStudy Watchは、ふつうのスマートウォッチとはまったく異なる要求に応えている。このデバイスを設計したVerilyはGoogleの持株会社Alphabetの傘下で、多発性硬化症の観察やグルコースレベルをモニタするコンタクトレンズなど、本格的な医学研究をターゲットにしている。

Study Watchも重要な研究を支えることが目的で、Personalized Parkinson’s Projectなど、今同社が抱えているプロジェクトのために生命徴候(体温、脈拍などの基本的測度)を集める。ちなみにPersonalized Parkinson’s Projectは、疾病(この場合はパーキンソン病)の進行のパターンを調べて、治療法の手がかりを見つけるプロジェクトだ。

この一見して平凡なウェアラブルは、今後Baselineプロジェクトにも使われる。これは2014年に発表されたプロジェクトで、175名の生命徴候を長期にわたって調べ、“健康な人間”をこれらの測度で定義しようとする試みだ。

Googleはそのプロジェクトを、自動運転車や気球によるインターネット接続サービスなどと並ぶ“ムーンショット”(moonshot, 月へのロケット打ち上げ, 夢のような超未来的プロジェクト)と呼び、批判を浴びたこともある。でも、自動運転車ほどの派手さはないものの、Verilyの大風呂敷的なミッション声明には合っている: “健康データを集めて整理し、それらの健康データから得られたインサイトをよりホリスティックな診療に用いる介入やプラットホームを作る”。 〔この場合は、医学用語としての‘介入’〕

だからStudy Watchには、Googleの消費者向け電子製品の華やかさはないが、でも同社の説明からは、主力製品であることが伺える。ごくふつうの腕時計としても使えるこの地味なデザインは、毎日のデータ収集を気にならないものにする狙いもある。しかも、それほどまずいデザインでもない。

このデバイスは、特殊な設計により、リアルタイムの計算処理にもデータを供給できる。それにセンサーの数がとても多くて、そこらの心拍計つきスマートウォッチとは一線を画している。

“複数の生理的センサーや環境センサーを用いて、心血管疾患や運動失調などさまざまな分野の研究に使えるデータを測定する”、とVerilyの発表声明は言っている。“集めるデータは、心電図、心拍、皮膚電気の変化、慣性運動などだ”。

長期的な使用に耐えるためには、電池寿命が長いことが重要だが、このデータ収集ウォッチは常時onのeインクふうディスプレイを使って、1週間の寿命を実現している。内蔵ストレージも大容量だから、頻繁にシンクしなくてもよい。そのことも、このデバイスの‘気にならなさ’に貢献している。

このデバイスの発表は、タイミングも良い。一日前には、Appleが糖尿病患者のグルコースレベルをモニタする秘密プロジェクトが、うわさで広まったばかりだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleの秘密チームが採血する必要のないグルコースレベル測定製品を研究開発中

Appleは生物医学方面の研究者集団を雇って、センサーを利用して糖尿病患者をモニタする秘密のプロジェクトに取り組んでいる、とCNBCが報じている

糖尿病患者は世界中で3億7100万人いる、と推定されていて、近年ではいくつかのテクノロジー企業が新しい治療法の開発に取り組んでいる。たとえばVirtaという新進のスタートアップは、患者の行動をリモートでモニタし完全に治癒することを目指している。またベイエリアのLivongo Healthは5250万ドルを調達して、血糖値監視製品を開発している。

通常、患者が自分のグルコースをモニタするためには、腕などに針を刺して自分の血液を採取していたが、それをしなくてすむようになれば、大革命だ。CNBCにそのニュースを教えた人は、Appleが開発しているのは皮膚の下に埋め込む光学式のセンサーで、その光り方でグルコースの値を測定できる、と言っている。

針を使わない方法はこれまでにもいくつか考えられたが、いずれもうまくいかなかった。Alphabetの生命科学企業Verilyは、グルコースレベルが分かるコンタクトレンズを考えたが、一部の報道によると、すでに3年経ったそのプロジェクトは、あまり快調ではないようだ。

しかし報道ではAppleのプロジェクトも少なくとも5年は経っており、今ではフィジビリティテストを行うべき段階だ、という。また、この種の製品に対する規制をクリアするために、コンサルタントを雇った、とも言われている。

チームを指揮するのはAppleのハードウェア技術担当SVP Johny Srouji、メンバーは30名だそうだ。その中の少なくとも10数名は、Appleが生物医学分野(ZONARE, Vital Connect, Sano, Medtronicなどの企業)から熱心にスカウトした人たちのようだ。

このプロジェクトについてAppleに確認することはできない(Appleからの返事がない)が、同社はかなり前からこのようなビジョンを持っていた。Walter Isaacsonが書いたSteve Jobsの伝記によると、彼はAppleをテクノロジーと生物学が交わる場所にしたい、と考えていた。今すでにその場所にいるのが、ウォーキングの歩数を計り、燃焼カロリーを計算し、心拍などの生物学的測度を計るApple Watchだ。そして皮膚に埋め込むグルコースセンサーも、同じくユーザーがどこにいてもグルコースレベルを計ることができて、採血の必要もないから、業界を一変させる製品になるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

自宅でできる精子チェックが流行中?!

精子の状態を自宅でテストするツールがはやっているようだ。先週にはハーバード大学の開発した、安価かつ手軽に精子の運動能力チェックを行うアプリケーションが話題になった。そして今回紹介するYOも出荷を開始した。FDA認可のデバイスと、簡単に使えるアプリケーションをセットにして、精子の状態をチェックするものだ。

不妊の原因の40%ほどは、精子の運動不全によるものだとのこと。誰もが気になることではあるが、これまでは医院で精子を放出してチェックする必要があった。手間もかかり費用も高額なこともあり、検査に二の足を踏む人も多かった。

もちろん、これまでにも自宅で精子チェックをするためのツールは、ドラッグストアなどで売られていた。製品には「医院でのチェックと同等の正確さ」云々と記されていた。見たことがないという人は、妊娠検査キットや避妊具などが並ぶコーナーにあるはずなのでチェックしてみるといい。しかしドラッグストアで売られてきた精子検査キットでは、精子の量のみをチェックするようになっていた。実際のところ、泳動能力の方がより重要なのだ。

FDA認可キットとしてはTrakというものもあった。しかしこちらも精子の量のみを検査するもので、また価格も200ドルというものだった(今回紹介しているYOは50ドルを下回る価格となっている)。

Yoは、SpermCheckやTrakなどと異なり、ハーバード発のツールと同様の検査を行うようになっている。ともに運動精子濃度(MSC:motile sperm count)をチェックするようになっている。数ではなく、有効に機能している精子を率を判別しようとしているわけだ。

なお、衛生面を気にする人も多いことだろう。精子は専用のスライドにのせて、特別のデバイスに装着するようになっている。装着後7分ほどでテスと結果がアプリケーションで確認できるようになる。

結果について医者に相談したりしたいと考える人もいるだろうし、また運動精子濃度以外にも考慮すべきことはある。Yoについて意見を求めた医師によれば、精子の形や環境なども考慮すべきだとおことだった。たとえば周りの温度によっても精子の運動能力は影響を受ける。また熱い風呂や、スキニージーンズなども影響を及ぼすことがあるらしい。

しかし、とにもかくにも現状を理解するための、手軽でかつ安価な第一段階調査として役立つのは間違いないようだ(精子の状況が健全であれば、不妊の原因を他に求めることができる)。

YO(ともだちに「よーっ」と挨拶を送るアプリケーションと混同しないように)はAndroidおよびiOS版が提供されている。ハードウェアの方は、ロサンゼルスのMedical Electronic Systems (MES)が開発している。同社は20年前から、商用の精子チェックツールの開発を行なっている。

YOについては、以下のビデオも参考になるだろう。

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(翻訳:Maeda, H

心臓発作防止プラットホームのAliveCorが製品をAI化、Omronなどから$30Mを調達

心電図のデータを利用して心臓発作を防止するアプリKardiaを作っているAliveCorが、Omron HealthcareとMayo Clinicから3000万ドルの資金を調達し、また、Kardiaの医師用バージョンKardiaProを発表した。

すでにFDAの承認を得ているAliveCorのモバイルアプリKardiaは、99ドルの心電図読み取り機と併用するが、昨年Mayo Clinicとのパートナーシップにより、4500名の患者に対して心臓発作に関する大規模な調査を行い、その結果として新しいプラットホームの開発を迫られた。今度のKardiaProは、発作など心臓の諸症状のリスクを抱える患者の心電図をモニタしたい、と願う医師向けの高度な製品だ。

KardiaProは、リスクを抱える患者の体重、活動、血圧など複数の要素を調べて、それらのデータをAliceCorのAIに分析させ、医師が気づかないかもしれない兆候を見つける。そしてAliveCorのCEO Vic Gundotraが患者の“パーソナル・ハート・プロフィール”(personal heart profile)と呼ぶものを作り、そのデータを元に、医師が次の診療内容/方針を決めるための注意情報(アラート)を送る。

AliveCorはこの前、Khosla Ventures, Qualcomm, そしてBurrill and Companyから1350万ドルを調達した。今回の資金と合わせると、調達総額は4540万ドルになる。しかしより重要なのは、今回、Mayo Clinicという、数百万の患者を対象としている大手のヘルスケア企業とパートナーしたことだ。またOmronも、血圧計などのヘルスケア製品を世界中に提供している企業なので、貴重な情報が得られるだろう。

[循環器疾患による死亡率(人口10万人あたり)]

心臓疾患は世界の死因のトップであり、血圧計や心電図などを定期的にチェックすることは、心臓病の早期発見と有効な症状管理に寄与する。その部分でKardiaProのAI成分は、不規則な心電図などの異状を、ほとんどリアルタイムで医師に伝えることができるだろう。

KardiaProはAliveCorの新製品だが、同社はApple Watch用の心電図読み取りバンドAliveCorのKardiaバンドも発売した。すでにヨーロッパでは使われているが、アメリカではFDAの承認待ちだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MIT等の研究チームが、耳の有毛細胞を再生して聴覚消失を防ぐ方法を発見

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年齢を重ねると共に、耳の中の有毛細胞は ― われわれと同じように ― 徐々に死んでいく(嫌な書き出しだ)。その結果片方の耳で約1万5000個の有毛細胞が損傷を受け、大きな音やある種の薬品によってさらに悪化する場合もある。これが聴覚障害の主要な原因となっている。損傷された細胞は自然に再生することがない。

MITとBrigham and Women’s Hospital、およびMassachusetts Eye and Earの合同チームが発表した新技術がそうした損傷の修復に役立つかもしれない。ある種の動物の毛髪再生能力を模倣することで、聴覚消失の過程を阻止できる可能性がある。

新技術はマウスの蝸牛から得た細胞を利用する。細砲が成長して成熟した有毛細胞になる課程で新たな分子を追加することによって、既存技術の60倍の効果が得られた。

「必要な手順はこうした補助的細胞の増殖を促進することだけであり、あとは体内にあるシグナル伝達カスケードが細胞の一部を有毛細胞に変える」とBWHのJeffrey Karp准教授は説明する。

研究チームは、この技術の単純な応用プロセスはヒトへの適用に理想的だと考えており、18ヵ月以内にはMITからのスピンオフ、Frequency Therapeuticsの協力を得て試験を開始する予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

レーダーで赤ちゃんの呼吸パターンを捉えるベビーモニターRaybaby、Kickstaterですでに満額

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率直に言って、Raybabyのことを知れば知るほど、子どもがいないことを幸せと感じる。子どもの呼吸をモニタするためのデバイス、そんなものが必要と考えただけで、人生は憂鬱になる。でもそれは、親にとっては当然の心配であり、深圳のハードウェアアクセラレータHAXを卒業したばかりのスタートアップが、その心配に応えるソリューションを作ったと聞けば、取り上げないわけにはいかない。

CEOのRanjana Nairは曰く: “今市場には、非常に多種類のベビーモニターが出回っている。それらは、大量の無意味なデータを無限に吐き出している。生命機能モニターともなると、センサーを赤ちゃんの体に装着しなければならない”。

Raybabyのシステムは赤ちゃんの体や肌に触らず、レーダーが寝ている赤ちゃんの胸の、小さな動きを捉える。それにより、呼吸の状態が分かる。製品は、いわゆるよくあるベビーモニターに似ているが、壁とか本棚など、赤ちゃんから最大8フィート離れた場所に置ける。

それだけの距離からこの装置は、最小0.5ミリの胸の動きを捉え、寝ている子どもの毎分の呼吸回数を98%の精度で捉える。そして問題を検出したら、アプリに警告が送られる。寝ている/いないのチェックもできるから、赤ちゃんの睡眠時間が分かり、起きたり寝返りをうったら警報を送る。

そして、今は写真とビデオ全盛の2017年であるので、このデバイスも赤ちゃんの写真やビデオをアルバムとして記録する。ユーザーのソーシャルネットワークからこの製品の話題が広まれば、今後のクラウドファンディングも有利に運ぶだろう。

このシステムは、Johnson & JohnsonとHAXのパートナーシップによる健康キャンペーンの一環としてKickstarterにも登場し、とっくに目標額を突破した。でもまだやってるから、初期の支援者は129ドルで入手できる。ただし発売予定は9月だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ケンブリッジ大学が癌の診断治療への3D VR技術の応用を研究中

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テクノロジーが癌の治療に貢献、というお話は、いつ聞いても嬉しいけど、そこに仮想現実が登場するとは、ぼくも含め多くの人が思ってない。でも、今ケンブリッジ大学の研究者たちが100万ポンドの補助事業で研究に取り組んでいるのは、VRと3Dの視覚化を利用する診断と治療の技術だ。

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同大のニュースサイトで、研究チームのリーダーGreg Hannonが語っている: “私たちが作ろうとしているのは、腫瘍の忠実な対話的立体マップで、それを科学者たちが仮想現実で調査研究し、いわば腫瘍の内部を‘歩きまわって’検査できるようにしたい”。

腫瘍の標本として最初は乳がんを用い、きわめて薄い小片にスライスしたそれを画像化し分析する。この方法により、個々の細胞の遺伝子的組成まで分かるようになる。すべてのスライスを再編成して仮想現実のための3Dモデルを作り、その中へ研究者たちが‘飛び込む’。

腫瘍や癌の成長を3Dスキャンする技術はすでにあるが、仮想現実の3Dモデルの中に研究者が入り込めるこの方法には、はるかに幅広い対話性がある。

同大が公開しているビデオの中でHannonはこう述べている: “癌に限らず、有機体の組織の成長発展を理解するための、最先端の方法と言えるだろう。生物の問題はすべて3Dで生じているし、細胞間のコミュニケーションも3Dで行われているから、従来のノン3Dの検査技術では、その詳細な理解が得られなくて当然だ”。

チームはイギリスの任意団体Cancer Research UKの研究補助金を交付されることになり、その総予算2000万ポンドの一部(100万ポンド)を、期間6年の研究事業に使えることになった。6年もあればこの、腫瘍の中を歩いて見て回れる3D VR技術の実用化も可能ではないか、と期待したいところだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))