IT企業トップ5の時価総額合計はいよいよ3兆ドル

(編集部)この記事の寄稿者はAlex Wilhelm

Alex WilhelmはCrunchbase Newsの編集長、TechCrunchのベンチャーキャピタル・ニュース専門のポッドキャストEquityの共同ホスト。 これまでの投稿:

Google Financeのデータによれば、今日(米国時間7/20)、テクノロジー企業のトップ5の時価総額の合計が3兆ドル〔336兆円〕を超えた。市場のテクノロジー・ブームは新たな段階に入ったと言えそうだ。

2000年のドットコム・バブルを象徴したのがNasdaq指数が5000を記録したことだった。New York Timesによれば、テクノロジー企業のビッグ5の時価総額が今や3兆ドルに達したことは、この分野が湧きたち、あらゆる面で新記録が生まれていることの表れだという。

現在の株式市場はテクノロジー市場といってもいい。まずはいくつかの数字を確認し、ここまで来た経緯を振り返ってみよう。

3兆ドルを超えて上昇中

Google Financeの数値をベースにCrunchBase Newsが作成したスプレッドシートによれば、ビッグ5(Apple、Alphabet、Amazon、Facebook、Microsoft)の時価総額合計は3.03兆ドルとなった。Yahoo Financeのデータでは3.002兆ドルだった。

なおWolfram Alpha(これについては後述)では2.978兆ドルという結果を出した。多少の誤差はあるものの全体として3兆ドルかそれ以上という点に間違いないようだ。

この額に達するまでにビッグ5はかなり波乱に満ちた経過をたどってきた。直近52週の最安値と比較すると、現在の株価の上昇率は以下のとおりだ。

  • Apple: 56.63%
  • Amazon: 44.61%
  • Facebook: 44.55%
  • Microsoft: 39.54%
  • Alphabet: 33.45%

52週の最高値と比較するとAppleは3.59%安、.Alphabetは0.24 %安となっているが、全体としてテクノロジー企業の株価が新たな水域に入ったことは間違いない。

さてここに問題はあるだろうか?

影響を考える

冒頭で述べたように、新記録というのはなんらかの頂点を表すことが多い。つまり普通でない事態だ。そしてテクノロジー分野ではこれが起きている。

私は5月にブログでこの点について書いたが、引用してみる。

ビッグ5は急速に13桁〔兆〕の領域に近づいている。テクノロジー企業のトップが現在のマーケットの勢いに乗って記録を更新するなら、あらなNasdaq
5000となるかもしれない。2000年のテクノロジーバブルのとき、この指数はある種の心理的なハードルとして意識されるようになった。テクノロジー・ビジネスが復調してNasdaq 5000が全く過去のものとなったは比較的最近だ。

それからわずか3ヶ月で1兆ドルは実現した。

もちろんテクノロジー企業にはネガティブなニュースもあった。これまで絶好調をうたわれてきた企業が閉鎖されたり、 大規模なレイオフを実施sたりしている。Theranosは危機が続いている。株式を上場したユニコーン・スタートアップの一部は、Blue Apronは苦戦している。しかし全体としてみればテクノロジー市場は好調だ。【略】

ここで。ビッグ5の時価総額の推移のWolfram Alphaのチャートをお目にかけよう。ご覧のように最近一度1兆ドル近くまで行ったが、実際に到達したのは今回が初めてだ。

とりあえずは良いニュース

私がテクノロジー・ビジネスについてCrunchbase Newsで書いてきた記事は非公開企業とそれに対するベンチャー投資に関するものが主だったが、公開企業に動向はこの市場全般を理解する上でも大いに参考になると思う。【略】

非公開企業の会社評価額と上場企業の時価総額はますます乖離していく傾向だ。このため上場に踏み切るユニコーン・スタートアップの数は予想より少なくなるだろう。また上場のためには会社評価額引き下げる必要も出てくるかもしれない。市場が過熱ぎみのときに上場するのは有利だが、これは同時に市場が乱高下したときに多大の損害を被る可能性があることも示している。

時価総額合計1兆ドルという事態は、説明も簡単でしないし今後の予想も難しいが、ビッグ5にとっては大きなマイルストーンとなったのは間違いない。

われわれCrunchbase Newsでは今後もビック5の動向を追っていく。当面、利食い売りが入るまでに株価がどこまで上がるか注目だ。

イラスト: Li-Anne Dias

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、機械学習研究サイトを開設

Appleは機械学習に関する研究論文と同社の発見を共有するための専用ブログを開設した。Apple Machine Learning Journalと名付けられたそのサイトはまだガラガラで、ニューラルネットワークの訓練のために合成画像をリアル化することに関する記事が1件あるだけだ。

この動きは興味深い。なぜならAppleは自社の研究プロジェクトについて何も語らないのが普通だからだ。これまでにAppleはいくつか重要なオープンソースプロジェクトに貢献し、Safariを動かしているブラウザーエンジンであるWebKitや、Appleの最新プログラム言語でiOS、macOS、watchOSおよびtvOSに使われているSwiftなども開発している。しかし、人工知能プロジェクトに関する研究論文を掲載するブログは、Appleとしては新しい試みだ。

これはいくつかの理由で興味深い。第1に、この研究論文はすでにarXivで公開されている内容だ。今日のバージョンは同じものを少しやさしい言葉で書き直している。結果を図示するためのGIFも追加されている。

この論文によると、Appleは写真に写った顔などの物体を認識するためにニューラルネットワークを訓練する必要があった。しかし、そのために何億枚もの写真ライブラリーを作る代わりに、Appleはコンピューター生成画像を合成し、本物らしく見せるフィルターをかけた。こうしてニューラルネットワークの訓練を速く安価に行うことができた。

第2に、Appleはサイト開設の挨拶文で、フィードバックをメールするよう読者に呼びかけている。さらにページの下にはAppleの求職情報へのリンクが大きく表示されている。Appleがこの場を利用してこの分野の有望なエンジニアを探そうとしていることは明らかだ。

第3に、機械学習に関しては多くの人がAppleを批判し、GoogleやAmazonの方が進んでいると言っている。そしてAppleに動きがなかったのは事実だ。GoogleのアシスタントやAmazonのAlexaなどの消費者向け製品はAppleのSiriよりずっと優れている。

その一方でAppleは、端末上のフォトライブラリーの解析や、iPhone 7 Plusの深度効果、ARkitによる拡張現実への取組みなどでは大きな成果を見せている。Appleはこれまでの評価を一新しようとしている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleは初めて中華圏担当のマネージングディレクターを置く、中国政府とのコミュニケーション充実のため?

Appleが同社のIsabel Ge Maheを、中華圏における同社の事業の、初めてのVPおよびマネージングディレクター(専務取締役相当副社長)に任命した。

中国生まれのGe MaheにAppleのチャイナビジネスの経営管理が任されることになり、彼女の直接の上司はCEO Tim CookとCOO Jeff Williamsになる。オフィスは、“今夏の終わりに”上海に開設される。

Ge Maheは現在カリフォルニアにいて、過去9年間、Appleのワイヤレス技術部門のソフトウェア開発チームを率いてきた。それらは、実際に製品に搭載されるセルネットワーク、Wi-Fi、Bluetooth、NFC、位置対応、モーションキャプチャなどの技術開発であり、Appleによると彼女は、Apple PayやHomeKit、CarPlayなどの技術開発にも関わった。

“Appleの社員なら誰もが、自分たちがビジネスをするコミュニティに貢献できることを誇りに思っている。そして私も、私たちのチームと中国の顧客、政府、そして企業との結びつきを深め、イノベーションとサステナビリティを推進していけることを、楽しみにしている”、とGe Maheは声明で述べている。

彼女の声明に政府が言及されていることが、興味深い。それは、Ge MahaがAppleと中国当局との関係強化に指導的な役割を果たすことを、暗示しているようである。Appleは、初めて、中国を物理的所在地とするデータセンターを開設するプランを今月発表したが、それは6月1日に発効した同国の新しいサイバーセキュリティ法と関連があると思われている。そして、今回のトップクラスの人事も。

最近ではAppleのこの圏域の売上が同社の決算報告の明暗を左右するから、中華圏にMDを置く経営上の理由は数多くあるだろう。しかもここでトップを取れば、この国の面倒な問題にも対処しやすいかもしれない。たとえば今年の早い時期に北京当局は、ライブストリーミングの同社のスタンダートについて説明するよう、Appleに求めた。そしてその後政府は、メディアに関する同社のスタンダートに違反していることが明らかとなった数多くのライブストリーミングサービスを閉鎖した

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、新絵文字にシマウマ、Tレックスなどお披露目――国際絵文字デーを記念してプレビュー

Appleは今日(米国時間7/17)の世界絵文字デー〔Wold Emoji Day〕を記念してiOS、watchOS、macOSで今年公開する予定の絵文字をいくつかお披露目した。新しい絵文字にはTレックス、エルフが含まれるのでジュラシックパークやロード・オブ・ザ・リングのファンには大いにタイプ入力の節約になるだろう。またヘッドスカーフや母乳を授乳中の女性などの絵文字も追加され、ダイバーシティーの増進にも配慮されている。

今回の絵文字はすべてUnicode Emoji 5.0標準で、今年3月に決定、5月に一般公開されて合計69種類の絵文字が追加された。Appleではこの追加セットのうち数十種を今回公開した。

  1. emoji_update_2017_3.png

  2. emoji_update_2017_4.png

  3. emoji_update_2017_12.png

  4. emoji_update_2017_11.png

  5. emoji_update_2017_10.png

  6. emoji_update_2017_9.png

  7. emoji_update_2017_8.png

  8. emoji_update_2017_7.png

  9. emoji_update_2017_6.png

  10. emoji_update_2017_5.png

  11. emoji_update_2017_2.png

  12. emoji_update_2017_1.png

  13. emoji_update_set_one.jpg

  14. emoji_update_set_two.jpg

  15. emoji_update_set_three.jpg

発表された絵文字には頭が吹っ飛んでいるものやえらくリアルなゲロを吐いているスマイリーが含まれている。シマウマやゾンビー、おいしそうなサンドイッチなども用意されている。

だんだんすべてのことがらを絵文字で表現できる時代に近づいているのではないか? Tレックスの絵文字ですべての感情を表せたらすてきだ。そうなる日が待ちきれない

なおAppleでは世界絵文字デーを記念して人気映画のタイトルをいくつか絵文字に翻訳している。 iOSかデスクトップのiTunesアプリで映画セクションをチェックしてみるとよい。

〔日本版〕上の「絵文字翻訳」は「機長・旅客機・水上・恐怖」を表しているので日本人にも「ハドソン川の奇跡」だろうと判断できるが、英語原題はSully(サレンバーガー機長の愛称)。ゴリラとドクロ・マークが「キングコング」は日本語圏、英語圏とも分かりやすそう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple ARKitの可能性を感じさせるGIF動画13選

Appleの最新OSは、まだ開発者向けベータ版でしか提供していないが、すでに多くの開発者がiOSの拡張現実プラットフォーム「ARKit」を使ってアプリを開発している。

ARKitの開発者ツールは、ロケーション・マッピングという大変な処理を肩代わりするため、クリエイターは物理世界とデジタルの世界をどのように組み合わせたらもっとも自然な作品になるかという部分に注力できる。

開発者はこの新しい媒体を使って実験を始めたばかりだ。今後、AppleはさらにARを開拓していくことが期待される。Twitterアカウント@MadeWithARKitでは、ARKitで制作されたプロジェクトを見ることができ、この記事ではいくつか注目プロジェクトをGIFで紹介する。

ここで紹介するプロジェクトの中には、例えば、Microsoft HoloLensで見たようなデモと類似しているものもある。こうしたアプリで実現する機能は近いうちに何万台のiOS端末に届くことになるだろう。開発者は多くのオーディエンスにリーチでき、それはARKitで実験するインセンティブにもなっている。また、次世代のiPhoneにはディープセンシングが可能なARに特化したカメラセンサーモジュールを搭載するという噂だ。今後ARプラットフォームはますます面白くなるだろう。

確かにこれらのアプリはまだぎこちなく、「すごい、面白いね!」というフェーズだ。Zippoのライターアプリを初めてiPhoneにダウンロードして、友達に見せていた頃と同じだ。これらのユースケースからさらに発展したアプリが近い将来登場するだろう。その時、Appleのモバイルプラットフォームにおける拡張現実の発展が進むことになるだろう。

Appleがモバイル端末ベースのSLAM(ローカライズとマッピングの同期)において、技術的に洗練されたシステムを構築できたことを明らかだ。そしてこれは他のSnapやFacebook、Googleが提供するARプラットフォームより短期間で自社エコシステムに開発者を惹きつける理由になるかもしれない。

踊る登場人物
ARKitは視聴者にとって馴染みのある場所で物語を展開することができる。視聴者と物語との関わりを強めることができるだろう。

Source: Tomás Garcia

 

どこでも測ろう

デモの中でも実用的なアプリ。ARKitのツールで巻尺を作る。測定もかなり正確なようだ。

Source: Laan Labs

 

メニュー紹介

レストランがメニューに乗っている料理を全部3Dスキャンするのは難しいかもしれない。けれど、頼む前にメニューが見えるようになれば、注文の取り消しは随分と減らせそうだ。

Source: Alper Guler

 

仮想世界への入り口

このデモでは、ARKitでVRの世界をモバイルに取り込める可能性を示している。洗練されたトラッキング技術のおかげだ。

Source: Nedd

 

机の上でバスケの試合

ボリュメトリック(大容量での)キャプチャーは簡単にできることではないが、適切な機材とスタジオがあれば、お気に入りのアスリートやセレブを自宅で再現することもできる。

Source: 应高选

 

SpaceXロケットの着陸

すべてが正しい位置にある時、物理世界とデジタルのインタラクションが最も映える。

Source: Tomás Garcia

 

ARで塗り絵

Googleが発表したVRのTilt Brushは画期的だ。ユーザーは仮想空間内で色を塗ることができる。このデモでは、それと似た体験をスマホ端末ベースのARで再現している。

Source: Laan Labs

 

いつでもMinecraft

MinecraftはVRを含め、様々なプラットフォームで利用できる。このデモは、この人気シリーズをARの世界でも再現している。

Source: Matthew Hallberg

 

オフィスでスペースインベーダー・バトル

いつもと同じオフィス。AppleのARKitを通してみるとこうも変わる。

Source: Daniel Rodriguez

 

3Dモデルを見る

Sketchfabの開発者らは3Dオブジェクトの巨大なライブラリを作成した。ARKitを使うと、彼らのオブジェクトをAR空間で簡単に見ることができる。

Source: Sketchfab

 

ゴッホの世界

ARを通してみることで、私たちがどのように絵画を鑑賞するかが変わるかもしれない。

Source: Mark Dawson

ラクロワ三昧

説明は要らないよね。

訳注:ラクロワはアメリカで人気の炭酸水飲料。

Source: Aaron Ng

 

太陽系を見てみよう

ARKitを教育現場でも使える一例。現在、K-12(幼稚園から高校まで)で利用されているiPadの数を考えると、ARが教育に与える影響は少なくないだろう。

Source: @krutosh

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

次のiPhoneの顔認識機能はAppleのこのパテントに書かれているかもしれない

テクノロジーの大きな問題は、ノスタルジアと無縁であることだ。Nintendoや、もしかしてFujifilmを除けば、かつての快適な製品や機能にこだわる企業はめったにない。そして、それは当然だ!

たとえばApple。私は今でも、自分のiPhoneに正しいヘッドフォンジャックがないことが苦痛だ。ドングルはすぐなくすから、いらつくし、Touch IDのような新しい機能がiPhoneのセキュリティやユーザー体験の抜本的な改良ではないことを、忘れてあげるのはとても難しい。

しかし、栄枯盛衰は世の常である。ヘッドフォンジャックに次いで今度消されるのはTouch IDかもしれない。

今週初めのBloombergの記事によると、AppleはiPhoneに強力な3Dカメラを載せて顔認識機能を実装するらしい。そしてそうなると、Touch IDは要らなくなる、と。

数日前にKGIのアナリストMing-Chi Kuoが、次のiPhoneは全面ディスプレイのデザインになり、顔認識を使う、と書いていた。

これら最新の噂の前には、Touch ID用センサーはスクリーンの下に置かれる、という説もあった。

でもBloomberg/KGIの最新の記事を前提にすると、Appleの新しい特許が気になる存在だ。

そのパテントは、コンピューティングデバイスがスリープモードの間に、ユーザーをカメラで認識する方法を記述している。消費電力はそのとき最小だが、ユーザーがそのコンピューティングデバイスに近づくと自動的に覚醒する。

そのシステムは三つのパラメータ(肌の色、顔、動き)を使って、これからユーザーがデバイスを使おうとしているのか、そのユーザーは本当のユーザーか、を見分けようとする。すべてのパラメータが合えば、デバイスは覚醒してあなたを歓迎する。

この特許文書に使われている画像は、存在認識システムを使っているデスクトップコンピューターだ。iPhoneやiPadのようなモバイルデバイスは静止していないことが多いから、デスクトップ機の方が画像認識の仕事がやりやすいに決まっている。しかし、かといって、この顔認識/存在認識システムがモバイルデバイスでは使われないとは、どこにも書かれていない。

ただしAppleのパテントでよくあるのは、その技術が実際の製品ではまったく使われないことだ。でも、iPhoneの顔認識の噂を聞いた以上は、このパテントがどうしても気になってしまうのだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

QualcommがAppleに反撃、重要特許侵害で輸入禁止を求める

モバイル技術における最も重要な企業2社間の法廷闘争は、ますます激しさを増している。本日(米国時間7月6日)Qualcommは、クパチーノの巨人(Apple)が、iPhoneのバッテリー寿命を伸ばすための6つの特許を侵害していると提訴した。Qualcommは米国の貿易規制当局に対して、影響を受けるiPhoneモデルの輸入を禁止することを要望している。

Qualcommのエグゼクティブバイスプレジデント兼相談役のDon Rosenbergは、CNBC向けの声明で「Appleは、Qualcommのテクノロジーを、対価の支払いは拒否したまま使い続けている」と述べている。

どのモデルが輸入禁止措置の影響を受けるのかははっきりしていないが、Qualcommは、裁判所が現在どのiPhoneが他社のプロセッサを使用しているかを判断することを求めている。

TechCrunchはQualcommとAppleにコメントを求めている。

Qualcommは、ここ数ヶ月他のハイテク大企業たちが成長する中で、損失を受け続けて来た。その主たる要因はAppleとの問題含みの関係にある。Qualcommの株式は、年初から15%以上値下がりしている。1月には、iPhoneメーカー(Apple)がQualcommに対して「旧来の古臭い標準でビジネスを構築していて、排他的な戦術と過剰なロイヤルティを使って支配力を強化している」という理由で10億ドルのロイヤルティ訴訟を行なっている。

続報待ち

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

AppleがAR/VRに欠かせない視標追跡技術のSensoMotoric Instruments(SMI)を買収

拡張現実と仮想現実の技術をめぐるAppleの今後の動きに関して、噂の火に油を注ぐかのように、同社は指標追跡(eye-tracking)技術のSensoMotoric Instruments(SMI)を買収した、とMacRumorsが報じている。

1991年ドイツ生まれの同社はこれまで、視標追跡の研究で重要な業績を上げ、特殊な単眼鏡ハードウェアを開発したり、仮想現実のための視標追跡など消費者アプリケーションの研究もしている。昨年同社は、VRヘッドセットHTC Viveのための視標追跡開発キットを発表している。

問い合わせに対してAppleは、昔から変わらぬワンパターンで答えてきた: “Appleは小規模な技術企業をときどき買収し、一般的にそのとき、弊社の目的や計画を明らかにすることはない”。

買収の条件は現時点で不明だが、今後分かり次第お伝えしよう。

VRやARの重要なユースケースのひとつが、ユーザーが今見つめている場所の位置を調べてその領域を最高の解像度で描画し、周辺はやや手抜きをして処理負荷を軽減する、中心窩レンダリング(foveated rendering, 視線追跡型レンダリング)と呼ばれる技術だ。VRやARのヘッドセットで超高解像度な視界を実現するためには、欠かせない技術と言われている。

ヘッドセットを用いるARやVRでは、視標追跡技術のユースケースがほかにもある。たとえば昨年10月にGoogleが買収したEyefluenceは、ユーザーインタフェイスのマウスクリック等に代わるセレクション(ユーザーの指定)の判定に、視標追跡を用いる。

先月Appleは、拡張現実を利用するアプリケーションを作るデベロッパーのために、APIセットARKitを発表した。また同社のデスクトップ機の最高級機iMac Pro向けには、VR開発のサポートを提供している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

iOS 11でiPadは完全に生まれ変わった――ベータ版レビュー

AppleのiOSが2007年に登場してから10年以上たつ。これほど長いあいだバージョンアップを重ねてきたOSをさらに改良するのは至難のわざだ。しかしiOS 11によってiPadはまったく新しいマシンに生まれ変わる。iOS 11はAppleにとってここ何年かで最大のOSアップデートだと思う。Appleはリスクを取ってもOSにイノベーションを持ち込むことにした。

私はここ数週間、iOS 11ベータ版を10.5インチのiPad Proに登載してテストしてきた。一般向け安定版が公開されるのはこの秋だが、今日(米国時間6/26)、AppleはiOS 11のベータ版を公開した。この記事でiOS 11版のiPadの作動の様子をプレビューしてもらえると思う。

iPadに慣れたユーザーはiOS 11にアップデートすると驚くことになる。iPadの作動が従来とまったく違ってしまうからだ。Appleはマルチタスクの導入によりユーザー体験を根本から変えた。すべての要素が関連し協調して動作する。たとえば、ファイル・アイコンを複数のアプリにドラグ&ドロップすることができる。またフルスクリーンでアプリを作動させている状態でホーム画面下部に新しく導入されたMac風のドックからアプリのアイコンを引き出し、窓状態で開くことができる、などだ。

何年か前にiPadを使ってみたものの不満を感じてスマートフォンとノートパソコンに逆戻りしたユーザーはiPadをiOS 11にアップデートしてフレッシュな気持ちで再スタートして欲しい。

iOS 11のすべての機能はとても挙げきれない。それについてはAppleのサイトで詳しく解説されている。ここでは私が特に重要だと思ったいくつかの機能にしぼって解説する。

iOS 11ではユーザーは右手の指でファイルのアイコンを押さえたままドラグし、同時に左手の指でドックを画面に呼び出すことができる。これはもう『マイノリティ・リポート』の世界だ

iOS 11をインストールして最初に気づくのは画面の下端にmacOS風のドックが表示されることだ。ドックには10数種類のアプリを設定できる。画面の下端から上にスワイプすればいつでもドックを引き出される。これは他のアプリを使っている場合でも同様だ。

アプリのアイコンをタップすればオープンすることができる。アイコンをスクリーンの横端にドラグすると狭いバージョンを開ける。たとえばフルスクリーンで何かの作業をしている場合でもMessagesアイコンをドラグしてメッセージを読み、すぐに閉じることができる。
iOS 9やiOS 10のスライドオーバーと似た機能だがユーザー体験はまったく異なる。

【略】

Mac風のドックや新しいアプリのスイッチャーの採用はOSそのものが根本的な変化を遂げたことの現れでしかない。Appleはドラグ&ドロップを全システムで可能とした。つまりファイルや実行可能アプリのアイコンをドラグ&ドロップで移動できるようになった。今後はファイル、アプリ、メニューを自由に操作できる。

こうした新機能にどのように対応するのか、サードパーティーのアプリの場合は秋を待たねばならない。しかし現在実現されている範囲でも変化は大きい。たとえばPhotosアプリ内の写真をドラグしてNotesアプリのアイコンに乗せるとNotesが開く。写真を指で押さえたまま望みのノートのところまでドラグし、そこでドロップするという使い方ができる。

iOS 11ではユーザーは右手の指でファイル・アイコンを押さえたままドラグし、同時に左手の指でドックを画面に呼び出すことができる。これはもう『マイノリティ・リポート』の世界だ。

またAppleはiPadに本格的なファイル・システムを導入した。iPadはDropbox、Box、それにもちろんiCloud Driveをサポートする。

小さなところではメインのキーボードでキーを下にスワイプすることで句読点や数字にアクセスできる。NotesアプリはEvernote的になり、ドキュメントをスキャンできるようになった。手書き文字も解読され、後で検索できる。

ただし正直に言って新しいシステムに慣れるには時間がかかりそうだ。残念ながら私はまだそこまで行っていない。何かをしようとして「これをするにはどうするのだっけ?」と迷うこともたびたびある。

AppleはiOS 9で画面分割などの機能を取り入れたが、iOS 11ではこれを大きく進め、iPadを「大きいiPhone」から仕事に使えるデバイスにしたといえる。

ARKitは驚くような能力

iOS 11は根本的なアップデートだ。上で紹介したようにユーザーがすぐにそれと気づく新機能も大きいが、真価を発揮するのはデベロッパーが新OSの新しいフレームワークを活用したアプリをリリースするのを待たねばならない。これにはある程度時間がかかる。【略】

その中でも重要だと思うのはARKitだ。これはiPhoneとiPadののカメラに拡張現実の能力を与えるもので、このフレームワークはたとえばテーブルを認識し、その上に3Dオブジェクトを表示することができる。ユーザーがiPadを持ってテーブルの周囲を回ればオブジェクトの裏側を見ることができる。カメラを近づけるとオブジェクトは自然に拡大される。まるでテーブルの上に本物の物体が載っているように見える。このフレームワークを利用すればiOSアプリのデベロッパーは一夜にしてARのエキスパートに変身する。ゲームを始めAR活用のオプションは非常に大きい。

じゃん! ARKitの測定アプリ#2 〔日本版:現実の物体をカメラで撮影し、きわめて高精度で寸法を測定している〕

Core MLも大きなアップデートだ。AppleはPhotosアプリ向けに以前から開発を続けていた機能だが、これが他のアプリからも利用できる汎用のフレームワークとなった。デベロッパーは機械学習による物体認識をあらゆるアプリで利用できる。

その他新機能多数

これはあくまでiOS 11のプレビューなのですべての新機能を紹介することはできない。目についた部分をざっと見ただけだが、それでもあまり知られていないアップデートが多数あった。

  • 通知が表示される画面はデザインが変わり、ロックスクリーンそっくりになった。ちょっと混乱するかもしれない。
  • Siriの音声が自然になった。
  • PhotosアプリがとうとうGIF的動画をサポートした!
  • App Storeがリニューアルされる。デザインは素晴らしいと思うが、アプリの発見に大きな変化が起きるのか、デベロッパーにどのような影響を与えるのかは今後の問題。
  • iCloudを有効にしている場合、iMessageデータベースは自動的にiCloudにアップロード、同期される。暗号化はそのまま維持される。ただし iOSのバックアップ全般はiCloudでは暗号化されない。
  • デバイスのメモリーに余裕がない場合、 iOS 11は使われていないアプリを自動的に削除する。データや設定は維持されるが、次回にそのアプリを利用するときには再ダウンロードする必要がある。
  • 【略】

その他マイナーなアップデートも無数にある。しかし上で述べたように大きな変化が実感されるのはサードパーティーのデベロッパーが新OSの機能をアプリに実装してからだろう。

当初iOSのアプリはそれぞれ孤立してサンドボックスの中で作動していたが、Appleは次第にオープン化を進めてきた。iPhone、iPadいずれのユーザーもiOS 11ではAppleのオープン化戦略の恩恵を十分に受けることになりそうだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

「運転中の割り込み禁止」機能が、iOS11最新ベータ版に搭載された

水曜日にリリースされたiOS 11の最新ベータ版によって、テスターたちはこのモバイルOSの(最も魅力的なものではないかもしれないが)最も重要な新機能を試すことができるようになった。長い間登場が待ち望まれていた「運転中の割り込み禁止」(Do Not Disturb While Driving)モードだ。6月のAppleの世界開発者会議(WWDC)で発表されたこの機能は、運転中に人びとが電話を見たくなるような様々な通知を無効にすると同時に、とても危険な運転中のSMS利用を制限しようとするものだ。

スマートフォンの登場によって、脇見運転が国家レベルで私たちの安全を脅かすようになった。米国運輸省の統計によれば、死者が出た事故の10%、負傷者が出た事故の15%、警察に報告された全ての車の事故の14%が「脇見運転(distracted driving)」に起因するものだ。なお脇見運転は携帯電話の操作だけではなく、ラジオの調整やエアコンの操作なども含む一般的な用語だ。

2015年には、脇見運転によって3477人が死亡し、39万1000人が負傷している。

多くのサードパーティがこの問題に対して、車が動いている最中にSMS操作を禁止するモバイルアプリケーションを提供することでアプローチしてきた。しかしシステムレベルでの統合が可能だったのはAndroidデバイスだけだった。iOSアプリケーションは「サンドボックス」環境で動作するため、例えば他のアプリケーションがSMSを利用することを禁止するといった、iOSへの機能干渉を行うことはできない。このため通信事業者たちは、AT&TのDriveModeのような各社独自の対策をとって来た。しかしこれらは着信やSMS通知を無音にするだけで、アプリからの通知を無音にすることはできない。

iOSにビルトイン機能が欠けているため、アプリメーカーたちは、例えば外部ハードウェアの使用などの、何らかの回避策を生み出して来た。しかし大抵の場合、iOSアプリは実際にアクティビティをブロックするというよりも、監視ソリューションを提供することができるだけだ。他のアプリメーカーたちも、各自のソリューションをiOSに移植することは諦めて来た。

Appleの「運転中の割り込み禁止」機能は、移動する車両内でのSMS操作や各種通知を完全に禁止するものではない。代わりに、Appleがこれまでは提供してこなかったレベルで、割り込みをシステムレベルで抑制するものだ。

この機能を有効にすると、電話機が車のUSB接続またはBluetoothに接続されているときに、車の中にいるかどうかを判定できるようになる。また、iPhoneが車に接続されていない場合でも、iPhoneのセンサーを使用して移動速度を判断することができる。

AppleのシニアバイスプレジデントのCraig Federighi氏は、6月のWWDCでこの機能を紹介する際に「目を路上から離さないようにするためのものです」と説明した。「運転中には、こうした通知に反応する必要はありません。実際に、それらを見る必要はないのです」。Twitter、Tinder、Words with Friendsのようなアプリからプッシュ通知を受け取るデモを披露しながら、彼はそう語った。

しかし、iPhone自体が完全にロックされているわけではない。たとえば、CarPlay機能は継続する。音楽を再生したり、地図やその他の経路探索ソフトを用いてナビゲーションの支援を受けることができる。さらに、DND While Driving(運転中は割り込み禁止)の設定内容を編集して、常に着信可能な連絡先を選ぶこともできる。これは現在iOSで提供されている「おやすみ 」(DND=Do Not Disturb)モードの動作と似ている。

車が動いているときに、外部からSMSを送信したひとは皆、”I’m driving with Do Not Disturb turned on. I’ll see your message when I get where I’m going.”(「運転中の割り込み禁止を有効にして運転中です。メッセージは目的地に到着したら読みます」)という返信を自動的に受け取る。また、それに続くSMSテキストで緊急の際の対処方法が伝えられる、”If this is urgent, reply ‘urgent’ to send a notification through with your original message.”(「もし緊急のご用件の場合には、”urgent”(緊急)と返信して下さい。オリジナルのメッセージと共に通知が行われます」)。

設定をバイパスする方法があるという点が、導入の鍵だ。

人びとは一時的にでも、そのデバイスから切り離されることを恐れるものだ、何故なら緊急事態または急ぎの状況で、誰かからの連絡ができなくなることが心配だからだ。スマートフォンがこれほどまでに普及するまでは、私たちはなんとかこの事態を凌いでいたものの、今やそのときのやり方に戻ることはほとんど不可能だ。私たちは常に繋がれていて、たとえ通勤や通学での短い移動の間でも、繋がりが絶たれている(ように見える)ことはできないのだ。

親たちはまた、iOSの設定の機能制限(ペアレンタルコントロール)メニューを通して、10代のドライバーたちのためにこの新しい「運転中の割り込み禁止」機能を有効にすることもできる。新しく改造されたコントロールセンターで手動で機能をオン・オフすることも可能だ。ここではワンプッシュで機能を有効化できるウィジェットが利用できる。

モードをオンにすると、携帯電話の画面は暗くなり、重要なアラートだけが通過するようになる。この機能の設定によって、送信されるSMSテキストをカスタマイズしたり、受信者(連絡先、お気に入りなど)を指定したりすることもできる。

また、運転車ではなく同乗者の場合には、機能を一時的に無効にすることもできる。

Appleはこうした脇見運転防止機能への対応において、極めてゆっくりとした対応しかとれていない。Androidはすでに最新の携帯電話機種では、Android Autoを使用したAuto Reply(自動返信機能)を既に提供している。しかし、提供が遅くなったとはいえ、この機能はiOS11に取り込まれた最も重要な機能の1つだ。

iOS 11は現在ベータ版で、今年9月に一般公開される予定だ。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Apple、写真アプリの「メモリー」機能に焦点を当てた新しいiPhone CMを公開

AppleはiOS 10で写真アプリに初めて”Memories”[メモリー]タブを 導入した。iPhoneの写真ライブラリーを自動的に解析して、日付、場所、内容に応じてスマートアルバムを作る機能だ。例えば、休暇にモスクワへ行った旅や、子供の成長記録をアルバムにまとめてくれる。

さらに、集めた写真やビデオに合ったサウンドトラックを載せた感動的ビデオを作ることもできる。この機能はかなりよくできているが、多くのユーザーはまだ存在を知らない。そこでAppleは、このメモリータブに焦点を当てた新しいCMを作った。

これまでのAppleのCMと変わらず、映画的アプローチを取り入れ、静かなシーンが多く使われている。CMでは注意深そうな記録官が引き出しを開け、古い映画フィルムのほこりを払い、レタリングを書き加えているところが見られる。

これは、iPhoneがバックグラウンドで行っている作業を再現したものだ。自分では何の努力をすることなく、昔の思い出を綴った60秒のビデオを見られるのは驚くべきことだ。数十年前には同じことをするのに何日も何週間もかかっただろう。

さまざまな意味で、「メモリー」はGoogleフォトの同等機能に対するAppleの回答だ。大きな違いはAppleがこのスマートアルバムを作るためにサーバーシステムに頼っていないことだ。すべては端末上で行われる。

iPhoneは、持ち主が寝ている間にも充電中の端末の中で写真を分類する。Appleは、寝ている間もiPhoneが常時動作していることを活用している。

今回もAppleは、あなたが気づいていないかもしれない機能を伝えるために広告キャンペーンを利用した。これがiPhoneを前面に押し出すCMより効果があるのかどうか定かではないが、興味深いアプローチだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

元Appleエンジニアたちとスコット・フォーストールが、iPhoneの創造について語る

昨夜(米国時間6/20)Computer History Museum[コンピューター歴史博物館(カリフォルニア州マウンテンビュー)]でNew York TimesのJohn Markoff記者が、2007年1月に発表された初代iPhoneの開発に関わったエンジニアたちをインタビューした。Hugo Fiennes、Nitin Ganatra、Scott Herzの3人がこの驚くべきプロジェクトで働いたそれぞれの経験について語った。その後Scott Forstallが、ソフトウェア開発部門を率いていたころの思い出を話した。

Scott Forstallは2012年にiOS 6をリリースした後会社を去った。その1年足らず後、AppleはiOSにとって最大のデザイン変更となるiOS 7を公開した。このバージョンで、Appleはよく知られたスキューモーフィックデザインを捨て、「白っぽいデザイン」とわかりやすいユーザーインターフェース要素を強調したフラットデザインに切り替えた。

Forstallは自らの退社やiOS 7についてほとんど語らなかったが、iPhoneの創成期について彼の話が聞けることは実に感慨深い(そうそう、彼が昨日のインタビューで来ていたシャツは、上の写真にある2012年WWDCのプレゼンで着ていたのと同じものと思われる)。

エンジニア3人による最初のインタビューでは、当時彼らが知っていたのはiPhoneのごく一部についてだけで、iPhoneを特別なものにした数多くのものごとを発見したのは、ステージでスティーブ・ジョブズが初めて使うのを見たときだった、という話に驚かされた。

数時間余裕のある人は下のビデオでイベントの様子を見ることができる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Swiftの開発者が、わずか6ヶ月でTeslaを去る

Chris Lattnerは、Appleで基礎レベルのソフトウェアテクノロジーを11年間担当し、確かな評判を確立していた。特に彼は、Appleの最新プログラミング言語Swiftを開発したことで有名だ。この1月TeslaはLattnerを、Autopilot SoftwareのVPをして採用したことを発表した。

そしてその6ヵ月後、彼はTwitter上でTeslaを去ることを発表した。「結局、Teslaは私にはあまり合っていなかったことがわかりました」と彼は言っている。Lattnerはまだ次の仕事のことは決めていないようだ。

結局、Teslaは私にはあまり合っていなかったことがわかりました。ベテランエンジニアリングリーダーとしてのポジションに興味があります!

私のレジュメはオンライン上に簡単に見つかります。当方Swift言語で7年の経験アリ 

Appleは、2014年6月のWWDCで初めてSwiftを発表した。それはゆっくりと、しかし確実にiOS、macOS、tvOS、watchOSなどの、全てのAppleプラットフォーム上で、ディフォルトのプログラミング言語となってきた。Swiftは以前のAppleのプログラミング言語であるObjective-Cよりも、柔軟で未来に対応する力があるものと考えられている。

Swiftに携わる前には、LattnerはClangコンパイラならびに、LLVMコンパイラ最適化インフラストラクチャを開発していた。Appleのソフトウェア開発ツールであるXcodeに対しても、多くの仕事をしている。世界中の何百万人もの開発者が、Lattnerの仕事の影響を受けていると言えるのだ。

2016年10月にTeslaは、この先製造される全てのTeslaの車両が、自動運転車になるために必要なハードウェアセンサの全てを装備することを発表した。しかし、ソフトウェアスタックに関してはまだそうなっていない。それこそがTeslaが、自動運転機能のためのソフトウェア責任者として、Latterを引き抜いたことを誇らしげに公表した理由なのだ。

Lattnerの素晴らしいレジュメを考えれば、他のハイテク企業たちから多くのオファーが届くことだろう。そして、最後にどの会社が彼を雇うのかはとても興味深い。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Apple Musicに年間9800円のプランが密かに登場

もしあなたがApple Musicの定期購読ユーザーなら、毎月9.99ドル、ファミリープランなら14.99ドル、学生なら4.99ドル払っているに違いない。しかしAppleが静かにもう一つのプランを追加していたことをTehnotが発見した。これからは99ドル払って12カ月間利用できるようになる。[日本語版注:日本では年間9800円]

この設定は実に奥深くしまわれている。Appleとしてはユーザーが今より少なく支払う方法を知ってほしくないからだろう。本誌でもさまざまな方法を試してみたが、この新しい年間プランを見つけるのは非常に困難だった ―― しかし、これは事実だ。

現在Apple Musicを定期購読者ではないユーザーに対しては、上の画像のようにMusicアプリは通常の月額プランしか選ばせてくれない。しかし、既存のユーザーはメンバーシップ設定へ行って年間プランに切り替えられる。つまり新規ユーザーはまず月間プランを購入してから切り替えなくてはならない。

さてここからは少々ややこしいのでしっかりついてきてほしい。次のApp Storeのデザイン変更で定期購読設定がアクセスしやすくなることを願うばかりだ

まずApp Storeアプリを開き、「おすすめ」タブの一番下までスクロールする。自分のApple IDをタップして、パスワードを入力したら、「Apple IDを表示」をタップする。ここで「登録」ボタンをタップすると、ようやくApple Musicのメンバーシップ設定にアクセスできる。画面はこんな感じだ(金額は国によって異なる場合がある)。

というわけで、もしあなたがしばらくの間Apple Musicを利用し続けるつもりなら、数回のタップで17.5%ほど節約できる。

これまででも、99ドルでApple Musicギフトカードを買ってサービスを一年間使うことはできた。しかし、ギフトカードが苦手の人にとってこのディスカウント価格を利用する方法はなかった。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AppleがBusiness Chatを発表、iMessageの中でカスタマーサービスへのアクセスや買い物もできる

Appleが今日(米国時間6/6)、Business Chatを披露した。それはiMessageをFacebook Messengerと競合するコミュニケーションプラットホームに仕立てるとともに、iMessageをユーザーがお店や企業と対話するメインの手段にするかもしれない。

このサービスがデベロッパーサイトのアップデートで秘かに発表されたのは今週の初めだったが、そのときは詳しい情報がほとんどなかった。今日はしかし、WWDCにおける正式の発表となった。

Business ChatはiOS 11の一部となり、個人ユーザーがSafariやMaps、Spotlight、SiriなどからiMessageのウィンドウを開いてお店や企業と会話を開始できる。それは通常のテキストベースのチャットだが、その中に、アポイントの予約など、高度な機能が盛り込まれる。

それだけでなく、Business ChatはiMessageのApp Storeに新しい機会を開くだろう。つまり企業やお店は、チャットに独自の機能を導入できるのだ。たとえばAppleが示している例では、わざわざ航空券予約アプリを開かなくても、チャットの会話の中で予約できてしまう機能だ。

Business Chatをカスタマーサービスに統合することもできる。それを実際にやる初期のパートナーは、LivePerson, Salesforce, Nuance, Genesysなどだ。LivePersonのCEO Robert LoCascioによると、LivePersonのプロダクトの中から、カスタマーサービスのそのほかのメッセージと一緒に、Business Chatの会話を管理できる。

LoCascioが語るLivePersonの究極の目標は、“カスタマーサービスと営業から音声による対話をなくす”ことだ。Business Chatを使えば、その目標に接近できる、と彼は述べる。重要なのは、会話を完全に暗号化して“本物のビジネスプロセス”もできるようになることだ。Business ChatはApple Payをサポートするから、顧客がチャットの中で製品を買うこともできる。

“顧客と企業(お店)の関わり方が、これでがらりと変わってしまうね”、とLoCascioは語る。

Facebook Messengerのメインの話題はチャットボットだが、LivePersonのRurik Bradburyによると、“Appleは人間の体験を作り出そうとしている”。何よりもまず、Business Chatの会話を始動するのは、企業(お店)ではなく顧客でなければならない。

さらに、Bradburyによると、Business Chatの現状は人対人の会話に限定され、チャットボットは介入できない。そのうち、チャットボットもサポートされると思うけどね。

デベロッパーや企業(お店)は、自己のアプリ等への、Business Chatの統合をテストできる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

次期iOS App Storeでは評価とレビューを維持できる――インクリメンタルなアップデートが可能に

App Storeのアプリのデベロッパーが新しいージョンにアップデートすると、高い評価も好意的レビューも消えてしまう。この問題が近々解決されそうだ。デベロッパーはアップデートの際に現在の評価とレビューを維持するか消去するか選択できるようになる。

Appleのワールドワイド・マーケティング担当上級副社長、 フィル・シラーは今年のWWDCでジョン・グルーバーがホストするThe Talk Showに登場し、このことを発表した。

レビューを最近のものに限るのは数年前までは理にかなっていた。現在のInstagramアプリは以前とは一変しているので、 2010年のレビューなどは何の参考にもならない。そこでAppleはアプリがバージョンアップするごとにレビューをリセットすることとした。

また以前はアプリのデベロッパーもそう頻繁にバージョンアップを行うことはなかった。これはApp Storeで新たなバージョンが承認されるまでにかなり長い時間がかかったことも一因だ。しかし現在はアプリの承認にはほんの数時間しかかからない。

そこでアプリにバグを発見した場合、修正版を1日ないしもっと短い時間で作成、登録することが可能になった。これはApp Storeアプリの品質向上に大いに役立ったが、同時に評価とレビューがその都度リセットされてしまう仕組みが問題となってきた。一部のデベロッパーはこのリセットを避けるために、バグフィックスをすぐに行わず、メジャー・アップデートを待つようになった。

9月に一般公開されるiOS 11ではデベロッパーはアップデートをためらう理由がなくなる。現行の評価とレビューを維持したまま自由にバグフィックスやマイナー・アップデートが行えるようになる。

デベロッパーがアプリの中心的機能を変更するようなメジャー・アップデートを行う場合は、リセット・ボタンを押してそれまでの評価とレビューを消去することを選べる。というわけで、デベロッパーはApp Storeでもインクリメンタルな改良を行うことができるようになる。最初から完全を目指す必要はない。もしコア機能を変更するv2をリリースするなら評価とレビューを消去してゼロからやり直すこともできる。

〔日本版〕フィル・シラーとクレイグ・フェデリーギが出演したビデオはこちら。1:08:30あたりからWWDCのキーノートでは触れられなかったiOS App Storeの新機能が説明されている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AppleのHomePodが棚でほこりをかぶらない理由

Appleは、安易なネーミングと型破りな売り込みとともに、そのスマートスピーカーをデビューさせたが、このデバイスを安易に軽視する傲慢な人々はいずれつけを払うことになる。Appleは、AmazonやGoogleとは異なり、人とコンピューターの対話手段として知性をもつ箱を売ることに将来性がないことを知っている。人々が欲しいのは製品でありテクノロジーではない。

HomePodの発表は、Appleにとってここ数年でもっともスタートアップ的な行動だ。この会社は、巨大なホームスピーカー市場と急成長のスマートスピーカー分野を同時に破壊しようとしている。ハードウェアを目的を達成するための手段ではなくチャンスとして扱うことで、Appleは結局棚でほこりをかぶることになるマニア向け製品以上のものを作った。

はっきり言って、Siriは遅れている。WWDC 2017以前から遅れていて、WWDC 2017の後もまだ遅れている。Appleはこの知的アシスタントを最先端水準にするべく機械学習の専門家を採用し、大型買収を実行して必要な技術レベルを確保しようとしている。HomePodをAIの有用性を見せるためのハードウェアではなく、オーディオソリューションとして宣伝するのも当然だ。しかし、最終的にはどちらでもよいことだ。

Appleが、プロダクトファースト、プラットフォームは二の次のアプローチを取るのにはわけがある。パーソナルアシスタントは収益化にはまだまだ時期が早すぎる ―― AmazonはAlexaを収入源ではないと何年も言い続けている。一方ホームスピーカー市場は明確に定義されている。私は市場規模の推定が大嫌いだが、ワイヤレス・オーディオ市場は500億ドルを優に超えると推定されている。

昨年のTechCrunch Disrupt New York 2016で、AmazonのEcho担当VP、Mike Georgeはこのデバイスの典型的な利用場面は何かと聞かれ、音楽だと答えた。これが興味深いのは、Echoのハードウェアで最大の差別化要素は遠方界マイクロホンだからだ。音声インターフェース内蔵で音楽を聞くのに使われることがいちばん多いハードウェア機器を設計する際、スピーカーを最優先項目にすることは理にかなっている。

Echoの最終的な価値提案は、遠くの声をスマホより高精度で検知することだ。ちなみにEchoはAlexaの音声認識や自然言語をすべて内部で処理している。

Appleは人工知能を、製品ポートフォリオ全体に正しく取り入れる必要がある。これは人工知能が不可欠な先進技術だからであり、GoogleやAmazonに対抗して昔ながらの音声命令に答えるためではない。そして、この会社がそれを成し遂げることを疑う理由はほとんどない。AppleはAIを使えずに取り残される哀れな8000億ドル企業ではない。機械学習はあらゆるApple製品に使われている ―― Spotlight検索、メール、iMessageなどリストは続く。

AppleがWWDCでHomePodを紹介したとき、ひとつ奇妙だったのは音質を強調したことだ。従来のAppleのやり方は使いやすさ重視だった ―― スピーカーがペアで動作することやiPhoneとのペアリングが簡単なこと。おそらくこれは349ドルという価格を正当化しようとするAppleの試みなのだろう。そう、Appleだから価格は高く、V2が出てV1が値下げされるまで買うのは大変だ ―― この戦略はまだ有効だ。

今回の発表は、ホーム用のAirPodsと考えるのが適切だ。将来、AirPodもHomePodもSiriとの高度な統合による恩恵を受けるだろう ―― しかしSiriのためにAirPodやMacBookやiPhoneを買う人はいない。HomePodを信じることは、ホームオーディオ市場を信じ、Appleのプロダクトファースト戦略の遂行能力を信じることを意味している。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、10ドル/月のiCloud容量を倍増、2TBに――家族共有も追加

AppleはiCloudのストレージ容量を料金据え置きで2倍にした。今回のWWDCデベロッパー・カンファレンスでは大量の発表があったために重要な情報がいくつか埋もれてしまった。これもその一つだ。AppleはiCloudの料金体系を変更し、月額9.99ドルのプランの契約者に対し従来の2倍の容量を提供する。この容量は写真、ビデオ、音楽、バックアップ、その他多様に利用できる。

現在月額9.99ドルで提供されているのは1TBだが、これが2TBとなった。

Appleが発表した料金表によれば、6月5日以前に1TBのプランを契約した場合、容量は自動的にアップグレードされて2TBとなる。

残念ながらAppleは安いプランや新規ユーザー向け無料プランのオンライン・ストレージ容量は変更しなかった。

ユーザーがiCloudにサインアップした場合に自動的に付与される無料ストレージはわずか5GBのままだ。iCloudの有料プランでは従来どおり月額0.99ドルの50GBプラン、月額2.99ドルの200GBプランが引き続き利用できる。

ただし、Appleの追加発表によれば、 月額2.99ドル、9.99ドルのプランのiCloud契約者に提供されるサービスは拡充された。

200GBまたは2TBのiCloud契約者はストレージを家族と共有できることになった。これは人数の多い家族にとって非常に有利となるだろう。これまでユーザーは家族であっても個別にiCloudプランの契約を行う必要があった。

ただし家族共有はiOS 11及びmacOS High Sierraで可能となる。どちらも一般公開はこの秋の予定だ。しかし月額10ドルで2TBのプランは今日(米国時間6/6)から現行のデバイスおよびOS上で利用可能となっている。

〔日本版〕Appleの日本サイトのiCloudの料金表は現在(6/7)「2TB:¥2500」のままだが、英語版では「2TB: ¥1300」に改定ずみとなっている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

意外な展開:MacBook Airはまだ生きている

MacBook Airはどっこいまだ生きている。昨年Appleは薄く軽くなったMacBook Proを発売したが、みんなはやっぱり新しいMacBook Airを欲しがっている。MacBook Proの重さは13インチのMacBook Airと変わらないが、まだ値段が高い。それがみんなまだMacBook Airを好きな理由だ。

MacBook Airを完全に消すのではなく、Appleはまだ売り続けていて実際よく売れている。さらに嬉しいことに、このノートパソコンのCPUがアップグレードされた。Appleのプレスリリースに次の一行があった。「本日Appleは、13インチMacBook AirのCPUを1.8 GHzに変更した」。

あああああ゛…それだけ。Retinaディスプレイや大きなストレージやRAMを期待してはいけない。MacBook Airは明らかに生命維持状態にある。IntelのKaby Lakeプロセッサーもつかない。

これで足りないという人たちのために、Appleは13インチMacBook ProのTouch Bar無しの入門機を値下げした。1499ドルから1299ドルになり、MacBook Airをスキップする誘惑を少しだけ大きくした。

Before:

・128GB PCIeベースSSD
・256GB PCIeベースSSD オプション:512GB SSDに変更可能

・1.6GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大2.7GHz)、3MB共有L3キャッシュ
 オプション:2.2GHzデュアルコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.2GHz)、4MB共有L3キャッシュに変更可能

After:

・128GB PCIeベースSSD オプション:256GBまたは512GB SSDに変更可能
・256GB PCIeベースSSD オプション:512GB SSDに変更可能

・1.8GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大2.9GHz)、
3MB共有L3キャッシュ

 オプション:2.2GHzデュアルコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.2GHz)、4MB共有L3キャッシュに変更可能

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Siriに翻訳機能が加わり、声も人間らしくなる

Siriが少し賢く、ちょっとだけ人間らしくなる。これは矛盾していない。

Appleの音声アシスタントは、これまでより男女とも明瞭で人間らしい声になり、イントネーションもよくなって、新しいスキルも身につける。iOS 11ではSiriの総合的能力が向上する。

Appleが今日発表したところによると、現在Siriは月間3.75億台以上のデバイスで利用されている。

AppleはSiriに翻訳機能を導入し、ある英語のフレーズを様々な言語でどう言うかをこの音声アシスタントに尋ねることができる。初期の対応言語は、中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、およびスペイン語。

Siriはここ数年かなり厳しい競争にさらされている。AmazonのAlexaやGoogle Assistantなどの能力が向上したことで、SiriのAIの弱点が明白になってきた。今回の改訂で、Appleは再びSiriが音声アシスタントのリーダーであることを示したいと思っているが、結果は自分の目で実物を確かめるまでわからない。

Siriは、補足質問を扱えるようになる。Google Assistantにはずっと前からあった機能だが、これでSiriは複雑で段階的な質問にも答えらえるようになる。

またこれは派手なニュースではないが、AppleはSiriを単なる音声アシスタントではなく、iOS全体をカバーする汎用AIとして考え始めている。例えばiMessageで、Siriはコンテキストに少し敏感になり、会話の相手から「今どこにいるの?」と聞かれると、現在のGPS位置がポップアップする。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook