PayPal、ローカライズ可能なワンタッチ支払いボタンを海外展開

アメリカでEコマースといえば、クレジットカードなどのカード支払いに決っているが、海外は大きく違う。実にさまざまな選択肢——着払い、銀行振り込み、携帯アカウント、等々——がさまざまな組み合わせで使われている。本日(米国時間9/17)PayPal——世界で2億5000万のアクティブユーザーアカウントを持つ支払い会社——がその問題を解決すべく、”Checkout with Smart Payment Button” を全世界に提供開始する。各国の売り主が支払い方法をカスタマイズして、OneTouchチェックアウトができる購入ボタンを簡単に作ることができる。さまざまな支払いサービスを統合する必要もない。

今や支払いソリューションでは当たり前になっているが、この機能は数行のコードを書くだけでチェックアウトプロセスに追加できる。大がかりな統合は必要ない。

PayPalはすでにこの機能を3ヶ月前から提供してきた——皮肉なことに(カードが支配している米国で)——。この期間に、大規模な展開に備えて基盤づくりをしてきた。

現在提供されているオプションには、PayPal自身のさまざまなサービス——PayPal、Venmo(米国のみ)、PayPal Credit(英国および米国のみ、承認が必要)——に加えてオランダのユーザーのためのiDEAL、ベルギーのBancontact、イタリアのMyBank、ドイツのGiropay、オーストリアのEPSなどがある(ドイツのSEPA Direct Debitはすでに対応済み)。

同社は今後も各国独自の支払いシステムを追加していく予定。今年7月、PayPalは海外支払いに特化したスタートアップ、PPROの5000万ドルの投資ラウンドをリードし、この戦略的投資は実を結びつつある。Smart PaymenのテクノロジーはPayPalが開発したが、「われわれは複数の支払いサービスと協力して、さまざまな地域に特化した支払い方式を可能にした」とPayPalのEVP・COO、Bill Readyが言った。

すでにこの高速チェックアウトを利用している売り手には、Boston ProperのBeyond Proper、Guess?, Inc.、Zumiezがある。MagentoとWooCommerceも新しいチェックアウト方式を顧客に提供している。

「Smart Payment Buttonsは、発表以来スモールビジネスから世界的小売業者まで多くの企業が採用している」とReadyは言う。「さまざまな支払い方式を動的に有効化できるしくみが高い評価を得ている。大型小売店を含む多くの企業がSmart Payment Buttonsを使ってチェックアウトオプションにVenmoを追加している」

Eコマースの抱える重要な問題のひとつに、ウィンドウショッピングのユーザーが非常に多いという事実がある。見るだけで他のサイトに移動する人や、購入プロセスになると興味を失う人たちだ。理由の一つは、購入までの障壁が多すぎること。PayPalは、その問題を回避できると顧客である売り主たちに売り込んでいる数多くの「ウォレット」の一つだ。PayPalは、ユーザーの主要な支払い方法を記録していて、使うためにはログインが必要だ。PayPal Checkoutを使っている売り主は88.7%のコンバージョン(購入)率を誇り、PayPalを使っていない店より82%も高いとPayPalは言っている。

新たな地域別支払いオプションとともに、PayPalは同社のマーケティングソリューションを世界に向けて徐々に拡大し、エンドツーエンドのサービスを提供している。2017年に会計サービスのSwift Financialを買収したこともその一つだ。そして今日、売上分析や販売インセンティブなど、ウィンドウショッピング中の潜在顧客の獲得に役立つマーケティング・ソリューションを新たに追加した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AmazonがAlexaでコントロールする電子レンジを今年のホリデーシーズンに発売か

昨年のほぼ今ごろ、AmazonはSpotや新しいEchoなど、たくさんのAlexaデバイスを発売した。そして今年もまた、ホリデーシーズンを控えて同社は、新しいネタを仕込もうとしている。

CNBCによると、Amazonは“少なくとも”8つのAlexaハードウェアデバイスを今月末のイベントで発表するようだ。それらは実に多彩な顔ぶれで、カー用品やアンプ、レシーバー、サブウーファーなども含まれる。最後の三つはおそらくワンセットで使うやつで、Sonosなどのオーディオ専門メーカーともろに競合する。

カー用品については、すでにGarminなどの企業がAlexa車載製品を提供しているし、自動車メーカーも車のインフォテインメントシステムに導入しつつある。Amazonは複雑なAlexa製品をほとんどサードパーティ任せにしてきたから、今回の自社製品は興味をそそる。これまでも低価格のEcho製品の多くは、参考製品のような位置づけと感じられたからね。

いちばんおもしろいのは、音声で操作する電子レンジだ。たしかに電子レンジは、音声アシスタントとの相性が良さそうな家電製品だ。しかしAmazonはすでに複数の家電メーカーともパートナーしているから、あえて自社製品を出すのは相当な覚悟だろう。

Showのような既存の製品のモデルチェンジも、Googleがサードパーティ製のSmart Displayに力を入れ始めているだけに、良いタイミングだ。ハイエンドのHomePodの対抗機も待望の製品だから、そろそろ出るかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

TC Tokyo:モバイル決済の“大型ルーキー”PayPay、3億人のユーザーを抱えるインドのPaytmが登場

11月15日、16日の2日間で開催予定のスタートアップの祭典「TechCrunch Tokyo 2018」。僕たちが年に1度のこの大イベントで、モバイル決済の“大型ルーキー”とも言えるPayPayのキーパーソンたちに登壇いただくことが決定したのでお知らせしたい。

PayPayはソフトバンクとヤフーの合弁会社。同社は2018年7月、バーコードやQRコードを使ってスマホで決済ができる新サービス「PayPay」を発表したばかりだ。サービスインは今年の秋頃を予定している。PayPayでは、ユーザーがアプリを使って店舗のレジ付近などに置かれたQRコードを読み取る方式と、ユーザーがバーコードやQRコードを提示して店舗のレジでスキャンしてもらう方式の2つの手段を提供する予定。支払方法はクレジットカードと電子マネーから選択できる。

このサービスを提供するにあたって、PayPayはインドの決済サービス事業者のPaytm(ペイティーエム)と連携。Paytmはソフトバンクのビジョン・ファンドから約1400億円の出資を受けたことでもニュースになった。2018年7月時点で日本の人口の約2倍にあたる3億人のユーザーと、800万の加盟店を獲得する急成長中のスタートアップだ。

ヤフーの決済サービス「Yahoo!ウォレット」が持つ顧客基盤が活かせる(Yahoo! JAPAN IDと連携できる)ことなどから、後発ながら他社サービスを脅かす大型ルーキーとして業界から注目を集める存在だ。

今年のTechCrunch Tokyoでは、PayPayのキーパーソンである2人の人物に登壇いただく。まず1人目は、PayPay代表取締役の中山一郎氏だ。

中山氏は大学卒業後、国際デジタル通信(現 IDCフロンティア)に入社。同社取締役を経て、2013年4月より代表取締役社長に就任した。その後ヤフーに入社し、宿泊施設予約サイトなどを運営するグループ子会社の一休で代表取締役副社長、ヤフーの執行役員コマースカンパニーO2O統括本部長などに就任。そして今年6月より、PayPayの代表取締役社長を務めている。中山氏は言わずもがな、PayPayの舵取りを担う人物。壇上では、後発のスマホ決済サービスとしての戦い方や、欧米や中国などに比べ普及が遅いと言われる日本におけるスマホ決済の未来について聞きたいと思う。

2人目は、PayPayとの連携を発表したインドのネクスト・ユニコーン、PaytmとPayPayの主要人物であるハリンダー・タカール氏だ。

ハリンダー氏は設立当初のPaytmにジョインしたあと、2011年〜2014年まで同社のCEOを務めていた人物。2014年からはカナダのグループ会社Paytm LabsでCEOを務め、同国における決済プラットフォームを統括する。また、2018年6月よりPayPayのCTOにも就任している。ハリンダー氏には、インドとカナダを含む諸外国と日本市場の違い、日本市場に参入するうえでの難しさ、そして技術の面から見たPayPayの優位性などを聞いてみたい。

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洞窟救出の英国人ダイバー、自分を小児性愛者呼ばわりしたElon Muskを訴訟

TeslaとSpaceX CEOのElon MuskにTwitterで「小児性愛者」呼ばわりされた英国の潜水エキスパートが、反撃に出た。

Vernon Unsworthは月曜日(米国時間9/17)、カリフォルニア州中央地方裁判所にMuskを名誉毀損で訴えた。同訴訟は、7月15日から8月30日の期間、MuskがTwitterとメディア宛のメールを使って、小児性愛と児童虐待の告発を含め、Unsworthを中傷する虚偽の発言を繰り返し発信したとしている。

訴訟は7万5000ドル以上の損害賠償、および「Muskを罰し、こうした行為を繰り返さないために妥当な金額」の懲罰的損害賠償を要求している。

Unsworthは、タイ北部タムルアン洞窟からサッカーチームの少年12名とコーチを救出した作業に直接関わった多くの人々の中のひとりだ。救出作戦は世界中でメディアの注目を浴び、中傷発言をしたMusk自身も、ロケット部品から作ったミニ潜水艦を救出に役立つ考えて現地に送った。

最初の「小児性愛者」攻撃は、UnsworthがメディアのインタビューでMuskのミニ潜水艦について「役に立つ可能性はまったくなかった」と発言した後のことだった。Unsworthはインタビューの終わりに、「Muskは潜水艦を自分の痛い部分に入れるべきだ」と語った。

MuskはTwitterでUnsworthは小児性愛者であることをほのめかす言葉で攻撃した。後にMuskは攻撃的ツイートを削除し、発言を撤回しようと試みた—— さらには謝罪ともとれるツイートも発信した。そこで終わるはずだった。しかしMuskは、元TechCrunch記者のDrew Olanoffとのディベートでこの件を蒸し返した——またもTwitterで。Olanoffは「ロリコン男」攻撃をMuskの嘘発言の例として持ち出した。

その後Muskは,Unsworthに関してBuzzFeedともメール交換を繰り返した。

Tesla広報からコメント要求への返信はまだない。Muskにはメールでコメントを求めている。返信があり次第続報の予定。

Unsworth v Musk by TechCrunch on Scribd

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

車椅子型パーソナルモビリティのWHILLが50億円調達、B向け新事業や自動運転機能を準備中

車椅子型のパーソナルモビリティ(個人向け移動デバイス)を開発するWHILLは9月18日、SBIインベストメント、大和証券グループ、ウィズ・パートナーズ、および既存投資家から約50億円を調達したと発表した。2016年5月に調達した約20億円など過去のラウンドを合わせると、累計調達金額は約80億円となる。

WHILLは「すべての人の移動を楽しくスマートにする」ことをミッションに、車椅子型のパーソナルモビリティを開発する日本のスタートアップだ。同社は2014年9月にフラグシップモデルである「WHILL Model A」の販売を開始。つづく2017年4月にはModel Aよりも価格を抑えた普及価格帯モデルの「Model C」を発表している。それぞれの販売数などは非公開だが、WHILL代表取締役の杉江理氏によれば、「Model Aの販売台数は『1000台以上』というところだが、Model Cの販売台数は近い将来1万台に届く勢いだ」と語る。

WHILLにとってメインの販売チャネルは、医療機器などを取り扱う販売代理店経由でのセールスだ。創業当初より日本とアメリカにオフィスを構えていたWHILLは、2018年1月より日本に加えて北米でもWHILLの販売を開始。2018年6月にはイギリス、イタリアなどヨーロッパ地域にも進出している。

このように、これまでは個人に向けてパーソナルモビリティを販売してきたWHILLだが、同社は今後、移動をサービスとして展開するMaaS(Mobility as a Service)事業を新たに立ち上げることによってBtoBの領域にも注力する。空港、商業施設、スポーツ施設などの施設を通して、長距離の移動が困難な人たちに向けてWHILLを貸し出すというサービスだ。また、そのために必要な「自動停止機能」や「自動運転・自動追従機能」などの実装に向けてパートナー企業らと研究を進めている最中だという。

現時点では具体的な導入先、料金プラン、そしてWHILLに搭載される新機能などの詳細は明らかにされていない。しかし、杉江氏によれば、WHILLは2019年に開催するCESへの出展を予定しており、その場でこのMaaS事業の詳細を発表するとしている。

WHILL代表取締役の杉江理氏

Amazonは、Echo ShowやEcho Spot上での画像検索のために、Gettyに対して映像の提供を求めている

Getty一族がGetty Imagesのコントロールを取り戻したこと(およそ30億ドルと報じられている)に続いて、同社はその画像がさらに多くの人に目に触れるようにするための、拡大の動きを発表した。同社は現在Amazonと協力して、2億枚のデジタルイメージのカタログから画像を提供し、スクリーンを持つEcho ShowとEcho Spotデバイスでの検索に投入しようとしている。

この取引は、スクリーンを持ちEcho Showに対抗するGoogle Homeデバイス(検索の覇者Google製造)発売の噂のど真ん中に投入された。Googleのデバイスはホリデイシーズン前の投入が予想されている。

Gettyとの契約が、Echoデバイス上でGettyカタログにアクセスできるスキルを開発するものなのか、あるいは単にAmazonの基本的な検索に対応するだけのものなのか、あるいは何かその中間のものなのかははっきりしていない。私たちはAmazonとGettyに対して質問をしている。何らかの回答があった場合はこの投稿を更新する。

Gettyが説明しているように、その画像は、利用者の問いかけに対してAlexa(AmaoznのAIアシスタント)が「Alexaのビジュアルスタイルを形作る」ために反応するやり方を向上させるために使われる。

「私たちのエディトリアル、クリエイティブ、アーカイバルのコンテンツを集めた最高のコレクションは、Amazon Echo製品に対する自然な調和を実現します。Echoのユーザーの皆さんにクラス最高のビジュアルをお届けします」と語るのは、Getty Imagesの戦略開発担当SVPのPeter Orlowskyだ。 「Echoのスクリーン付き製品と結びついて、私たちの深いコンテンツライブラリを使い、Alexaにこれまでにない最高の外観を提供できることは、大変光栄なことです」。

検索には、時事問題と一般知識の両者が含まれる(Gettyが挙げた例としては:「誰が受賞した?」に対する答としてアカデミー賞の受賞者の写真、「この国(あの国)の首都は何処?」という問いかけに対する都市の写真、そして最新のタッチダウンやサッカーのゴールの写真を見せるなどだ)。

この取引は、いくつかの理由から興味深い動きである。Amazonにとっては、この取引は同社に幅広い画像のカタログを提供し、その結果より安価な音声のみのデバイスに加えて、もしくはその代りに、人びとにEcho ShowやEcho Spotの利用を(そして購入を!)促すことになるだろう。

昨年Echo Showが発売された直後には、魅力的なスキル(Echoアプリ)が十分にないという初期段階の批判が見られた。現在はそうしたスキルも増えているが、音声ベースのEchoスピーカーは引き続き同社の主力商品であり続けている ―― たとえ最近はGoogle Homeのセールの方がEchoのペースを上回っているようであっても ―― それ故にこの取引は、Amazonがスクリーン付き製品販売に関する活路を見出す手助けをしてくれる可能性がある。

Amazonがビジュアル検索での早期の進歩を手に入れ、そのデバイスのためのより強力な基本アプリケーションを確立したいと考えている点も興味深い動きだ。1年前私たちは、GoogleがスクリーンベースのHomeでEcho Showに対抗しようとしていると報じた。そして今やそれは、今年のホリディシーズンの前に登場する可能性があると報じられている。

これが意味することは、Amazonが(何よりも検索の巨人である)Googleが優位に立つ前に、少しでも印象的に見える自身の製品を投入する可能性が高まるということだ。

Gettyの側に目を向けると、同社はここ数年に渡ってその巨大な画像カタログから収益を生み出すための、様々なアイデアを試行してきている。だがそのほとんどは上手く行っていない。これまでに33億ドルを支払ったオーナーから、その資産をGetty一族が30億ドルで買い取ったということからもそれは裏付けられる。しかしそのビジネスに関わる大きな数字 ―― 3億枚の画像、デジタル化された2億枚 ――はそれ固有の価値も持っていることを示している。

実際に、これはGettyにその資産の価値を活用する手段を与え、強力なGoogleに対抗するAmazonのためのテコとなるのだ。

私の目を惹いたのは、プレスリリースにはAmazonからの直接の声明は書かれていなかったことだ。私はAmazonにコメントを求めてきたが、他の統合の例からもわかるように(先週のMaplillaryのニュースなど)、ときどきAmazonはそのサービスと製品のカードの手の内を見せないように、パートナーとの協業に対して沈黙を守ることを好むことがあるのだ。

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(翻訳:sako)

iOS 12のセキュリティー設定、トップ5――バージョンアップを機に今すぐ確認しておこう

AppleはiPhone and iPad向けOSの最新版、iOS 12を一般公開した。新しいパッケージではセキュリティーとプライバシーが大幅に強化されている。

新しい機能を利用してAppleのモバイル・デバイスをさらに安全にする設定をご紹介しよう。

1. USB制限モードを有効にしてハッキングを困難にする

この機能は見つけにくいかもしれないが重要だ。ロックされた状態で1時間以上たつとUSBであれヘッドフォンであれ、あらゆる外部機器の接続をブロックする。これは警察、ハッカーがロックをバイパスしてデータにアクセスすることを不可能にする。

設定 > Touch IDとパスコードを開き、パスコードを入力する。下にスクロールしてUSB アクセサリ のオプションがオフになっていることを確認する。iPhone Xの場合はFace IDの設定をチェックする。

2. iOSのアップデートは自動モードに

iPhoneやiPadのアップデートにはそのつど多数の新しいセキュリティー機能や脆弱性に対するパッチが含まれている。ハッキングやデータ流出の危険性を大きく低下させることができるのでぜひ適用しておくべきだ。残念ながらOSのアップデートを長く怠っているユーザーが多い。大きなバージョンアップでないかぎり、アップデートしていないなどということはないだろうか? iOS 12からはアップデートがバックグラウンドで行われるようになり、作業の邪魔をしなくなった。自動アップデートはオンにしておこう。

設定 > 一般 > ソフトウェアアップデート を開いて自動アップデートを有効にする。

3. デバイスのパスコードを強いものにする

iOS 12のパスコード機能は大きく強化された。従来、デフォールトでは4桁の数字だったが新しいOSでは6桁になった。2桁の数字の追加はブルートフォース(総当たり)法でパスコードを破ろうとすることを100倍困難にする。

ただしパスコードの数字の桁数は自由に増やせる。8桁でもいいし、もっと長くてもいい。ロック画面にキーパッドが大きく表示されるので入力は簡単だ。

設定 > Touch IDとパスコード を開き、現在のパスコードを入力する。続いてパスワードを変更オプションから新しい数字コードを選択する。

4. この機会に2ファクタ認証を有効にしよう

2要素認証(2ファクタ認証)は現在一般に利用できる中で最強のセキュリティー対策の一つだ。ハッカーがどうにかしてユーザーのパスワードを手に入れたとしても、同時に携帯電話も盗まなければアカウントにアクセスすることができない。しかし長年、2要素認証は手間がかかることで嫌われていた。iOS 12ではパスコードが自動的に補完される新機能が追加された。パスコードコードはiCloud.comへのログインにも用いられる。iOS 12でパスコードを取得すると他のデバイスに送信が可能になり、要素認証の手順は大幅に簡単になった。ぜひ有効にしておこう。

アップデートを完了する際の設定で2要素認証を有効にすることができる。あるいは設定 を開き、左サイドバー上部の自分の名前をタップしパスワードとセキュリティー オプションを開く。ここで2ファクタ認証をオンにし、信頼できる電話番号を入力する。

5. この機会に使い回しのパスワードを変更しておこう

iOS 12のパスワード・マネージャーにはパスワードの安全性を検査する機能が追加された。ユーザーが異なるサービスに同じパスワードを使い回していることを発見すると変更するように警告する。これによりあるサイトから得たパスワードでユーザーがパスワードを使いまわしている他のアカウントをすべてハックするcredential stuffingと呼ばれる攻撃を防ぐことができる。

設定 > パスワードとアカウント > WebサイトとAppのパスワード を開き、パスコードを入力する。ここでパスワードを保管しているサイトの一覧が表示される。パスワードを使いまわしているとそれぞのアカウントに警告シンボルが表示されるので、サイト名をタップしてWebサイトのパスワードを変更に進む。

〔日本版〕iOS 12へのアップデートは日本でもすでに公開されている。接続状態にもよるが再起動も含めて20分以上かかる可能性がある。なお訳者のiPadではアップデート後も新しいパスコード入力画面は4桁で表示された。ここでパスコードプションを開くとメニューがポップアップし、6桁の数字コードなどを選ぶことができる。USB制限モードの設定はUSBアクセサリのオプションを無効(グレーアウト)にしたときセキュリティーが高い状態となる。

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滑川海彦@Facebook Google+

プライベートなソーシャルネットワークを提供するPath、ついにサービス停止

ふたたび、ソーシャルメディア・プラットフォームにさよならを言う日がやってきた。

今年初めにはKloutがサービスを停止したが、この度はPathが舞台を去ることが明らかとなった。かつてはFacebookのライバルとなるかという話もあったが、ついに閉鎖をアナウンスすることとなった(まだあったのかと驚いた人もいるかもしれない)。

8年間にわたってサービスを提供してきたPathだが、10月18日をもってサービス停止となるとのこと。App StoreおよびGoogle Playからは10月1日をもって削除されるようだ。利用している人は、10月18日までデータのダウンロードができるようになっている(ダウンロードはこちらから)。

Pathを開発したのは、Facebookでプロダクトマネージャーを務めたこともあるDave Morinと、Napster出身のDustin MierauおよびShawn Fanningだ。2010年にモバイル向けソーシャル・ネットワークサービスとして登場した。サービスはビジュアルと本当に親しい人とのつながりを重視して、50人までしか友達登録ができないという仕様になっていた。よりプライベートなつながりを求める人に向けたサービスを実現しようとしていたのだ。ただし、友人数の制限は後に緩められ、さらに撤廃されることにもなった。

ピーク時には1500万のユーザーを抱え、5億ドルの評価にもとずく資金調達などにも成功していた。誕生1ヵ月の頃には、Googleが1億ドルでの買収を狙ったほどだった。最終的にPathはシリコンバレーの大物であるIndex、Kleiner Perking、およびRedpointなどから5500万ドルの資金を集めていた。

FacebookはPathをノックアウトしたが、Pathから頂戴したアイデアもある。

ソーシャルメディアは、15億人のアクティブユーザーを抱えるFacebookの独壇場となっている。優れていると思えば、ライバルであったPathからアイデアを借用することも厭わず、今日の繁栄につなげてきている。

Pathのサービスは打開策を見つけられず、スタッフを失い、そして利用者および収益源(ないしはユーザーデータ)を失っていった。商業施設と利用者をつなぐサービス(Path Talk)に活路を見出そうとしたこともあったが、これもうまくいかなかった。結局はPathおよびPath Talkのサービスは、2015年に価格非公開で韓国のメッセージングおよび接続サービス大手であるKakaoに売却されることとなった。世界第4位の人口を抱え、Pathが400万人の利用者を獲得していたインドネシアでのサービス拡大を狙ってのことだった。ちなみにKakao自体は、東南アジア最大のインターネット関連ビジネスマーケットとなっているインドネシアで、大きな存在感を示すことに成功している。

そのような中でもPathの活路は見出すことができず、結局はPathおよびPath Talkはサービス停止を迎えることとなった。

「多くの方に愛していただいたPathのサービスを停止するのは残念なことです。Pathは2010年に、熱意あるそして優秀なデザイナーやエンジニアが作り上げたサービスです。ここしばらくの間は、なんとかサービスを継続する道を探っていました。テクノロジーおよびデザインの力で人々を幸せにし、有意義なコミュニケーションの場を提供するというミッションをなんとか果たし続けたいと考えていたのです」と、サービス停止のアナウンスには記されている。

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(翻訳:Maeda, H

Appleは、iPhone XRで3D Touchが失敗であることを認めた

3D Touchを覚えているだろうか? iOSのパワーユーザーでなければ、おそらく知らないだろう。あるいは、知らないほうがいいかもしれない。Appleが2015年に次世代のマルチタッチとして発表したこのテクノロジーが、そうではなかったとわかってからしばらく時間がたった。ほとんどのiPhoneユーザーにとって、それは実際やりたいことを邪魔する厄介者である。

Appleが3D Touchで実現したものは、マルチタッチ世界のショートカットキーだった。またの名をマニア専用の秘密兵器

プロのギークたちはその隠された深みを知ることを無限に楽しみ、高度に精緻化された彼らのワークフローから貴重なマイクロ秒を削った。しかし、それ以外の全員は無視した。

いや、少なくとも無視〈しようと〉した——何か重要なことをしようとしてうっかり3D Touchを起動し、自分のiPhoneが何をしようとしているのかわからず混乱、困惑するまでは。

IT界の長老たちは、Blackberry(覚えてますか?!)が10年前に似たようなことを試みて失敗したことを思い出すかもしれない——可愛くない(かつ、可愛がられなかった)クリッカブルスクリーン付きの、一代限りの変わり者、BlackBerry Storm開封の儀はこちら。

Stormには、BlackBerryの象徴である(クリック可能な)物理的キーボードはなかったが、タッチスクリーン上のQWERTYキーはやはりクリック可能だった。要するに、狂気の沙汰だ。

もちろんAppleの場合、そこまでのつまずきではない。しかし、3D Touchの公開から3年が過ぎ、Appleは自らの失敗を告白した——最新のiPhoneラインアップで、トリオの最安値機種iPhone XRから、この圧力感知テクノロジーを全面的に削除したのだ。

3D Touchをなくすことで、XRの製造コストを削り、おそらくわずかに厚さを減らすことができただろう。しかし、これはAppleが多大な技術的努力を注いだものを、ほとんどのユーザーが使わず、使いたくないことを認識した証と見るべきだろう——本誌のBrian Heaterが言うように、iPhone XRが「一般人のためのiPhone」であることを踏まえれば。

しかし、XRは安物の端末ではない。XRにはAppleの次世代バイオメトリック技術、Face IDなどが採用され、トップの切り欠きの裏には高度なセンサー機器が密集している。

これは、Appleが手を抜いているのではないことを示している。むしろ、iPhoneユーザーが求め、必要としているものに機能を絞ろうとしている。つまり、ほとんどのiPhoneユーザーは3D Touchを必要としていない、というのがクパチーノの明白な計算結果だ。

一方で同社幹部は、今週のイベントでFace IDを絶賛し、このテクノロジーがユーザーの間で絶大の人気であると語った。しかし、同時にiPhoneラインの末端で3D Touchが消えたことは、一言の説明もなく葬り去られた。

2つのテクノロジーを比べてみれば理由は明白だ。

Face IDの人気は驚くに当たらない。見つめることでロック解除するより簡単な方法は思いつかない。

厄介な3D Touchはちょっと違う——タップより強くプレスする必要があり、それは押し込むという感じだ。押し方が足りないとタップとみなされて思っていたのと違うことが起きる。しかし、強く押しすぎるとタッチスクリーンは働いてくれることもあれば無駄におわることもある。

そもそも、機能の有効性自体が疑問だ——たとえば、コンテンツのプレビューは恐ろしく遅いので、単にタップしてメールを見るほうがよい。

3D Touchを巡る困惑とイライラは、ユーザーインターフェース界の「三匹のくま」物語のようだ。うまくいくまで続けられる驚異の忍耐力がない限り、フラストレーションは保証されている。パワーユーザー以外に誰が喜ぶだろうか?

「みんなの」iPhone XRのために、Appleは3D Touchを触覚フィードバック(Haptic Touch)へと代えた——おそらくこれは、iPhone機種間の隙間をスムーズに埋めるためだろう。つまり、デベロッパーが3D Touchを活用して、ユーザーが実際に使いたいアプリ内ショートカットを作っていた、というレアなケースのために。

もし、本誌が予想しているように、iPhone XRが大量に出荷されることになれば、3D TouchのないiOSユーザーがたちまち数百数千万人になる。すなわちAppleは、一時はマルチタッチの未来とまで呼んだテクノロジーを、パワーユーザーのためのアドオン機能へと格下げしようとしている。

プロユーザーはiPhoneへの最大の出費をいとわない人々でもある——つまりiPhone XSまたはXS Mac(3D Touchが搭載ささている、少なくとも今のところ)を喜んで買うだろう。

というわけで、3D Touchは一部の超プレミアムiPhoneを最高峰へとシフトする役にはたっているかもしれないが、パラダイムをシフトすることはありそうにない。

その意味では、マルチタッチを余裕のあるスクリーン領域と組み合わせれば十分だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

macOS mojave登場前にParallels 14をじっくり使ってみた

毎年、この時期にmacOSの新バージョン登場に先駆けて必ずアップデートを発表する米パラレルズ社が、最新版のParallels Desktop 14 for Macを発売中だ。Parallelsは、macOS上でWindowsなど、ほかのOSとそのアプリを実行可能にする、いわゆる仮想化ソフト。ほかにも同様のアプリは存在するが、Parallelsは動作の安定性、速度、UIの完成度などで群を抜いていて、このジャンルのトップランナーと言える。

最近では、分野を問わず、このようなタイミングで定期的に新バージョンをリリースするmacOS用アプリも、ほかにはあまり見当たらなくなった。その意味でも、ParallelsはMacユーザーにとって頼もしい存在だ。

Parallelsの一般的な特徴、新機能、動作条件、価格などについては公式サイトに譲るとして、ここでは実際に最新版を動かしてみながらParallelsならではの機能や、そのメリットを紹介していくことにしよう。

「シームレス」の追求

そもそも現在のMacには、アップル純正のBoot Campがあり、Macの内蔵ストレージのパーティションを分割することで、macOSに加えてWindowsをインストールして起動することも可能となっている。それなのに、仮想化ソフトを利用することに、どれほどのメリットがあるのかという疑問を抱く人もいるだろう。

Boot Campは、MacでmacOS、またはWindowsのいずれかを選んで起動することを可能にする仕組みだ。両OSを同時に使用することはできず、常にどちらか片方だけとなる。また、両者のファイルシステムの違いから、起動しているOSから起動していないOSのパーティションへのアクセスにも制限があり、両者の間には高い壁があるようにも感じられる。そのあたりも含めて、アップル自身のBoot Campサポートが徐々に先細りになっているような雰囲気があることも否定できない。

ひと言で言えば、そのようなユーザーの不満や不安を一掃してくれるのがParallelsだ。Parallelsを使えば、WindowsがいわばmacOSのアプリとして動作する。Windowsは、macOSのファイルシステム上に作成した仮想ディスク上にインストールされ、そこから起動される。Windowsが使用するメモリもmacOSのアプリケーション用のメモリから割り振られる。こうした構成によって、両OSはもちろん、その上のアプリを1台のMacで同時に起動して利用できる。両OS間のファイルの共有も、ドラッグ&ドロップも含めて、自由自在と形容できるレベルに達している。

こうしたParallelsの動作は、あらゆる部分で「シームレス」であることを追求しているように感じられる。そう思わせる特徴を順に見ていこう。

何も手を触れる必要のないWindowsのインストール

初めてParallelsを使用する際には、MacにParallels本体をインストールするのはもちろん、さらにその上に「仮想マシン」を作成する必要がある。その仮想マシン上にはWindowsや、そのほかのOSをインストールすることも必要となる。Parallelsでは、その仮想マシンの作成とOSのインストール作業が、ほとんど文字どおりワンタッチで完了する。

Windowsは、言うまでもなく有料のOSなので、何らかのかたちで購入手続きが必要だ。

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何も持っていないところから始める場合には、Parallelsのインストール操作の中でMicrosoft Storeからクレジットカード決済でライセンスを購入し、そのままインストーラーのイメージをダウンロードしてインストールできる。すでにライセンスを持っていれば、そのままダウンロードを開始し、インストール後にアクティベーションを実行すればいい。とりあえず試してみたい場合も、ライセンスを持っている場合と同様に進んで、インストールしてひととおりの動作を確認した後に購入を検討することができる。

購入手続きを別にすれば、これらのインストール作業では、何を入力する必要もなく、Windowsのインストール完了まで一度も停止することなく進行する。

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Windowsのユーザーアカウントも、とりあえずはmacOSのアカウントと同じ名前で設定される。必要なら後で追加したり、入れ替えたりすればいい。Windowsの基本的な設定も、すべてデフォルトのままとなるが、このあたりはかなり割り切っている。

いずれにしても、作業の途中で停止して、ユーザーに選択や入力を強いるステップを極力廃した設計は、まさにシームレスを目指したものだろう。

LinuxやmacOSも「ゲストOS」として利用可能

Parallelsでは、Parallels本体がその上で動作するOSのことを「ホストOS」、Parallelsの仮想マシン上で動作するOSを「ゲストOS」と呼んでいる。

ホストOSは、当然ながらmacOSなのだが、この時期にParallelsがアップデートされるのは、毎年秋に登場する最新のmacOSをホストOSとして問題なく利用できるようにするためだ。Parallelsは常にmacOSに先行して登場するので、現時点ではまだ正式版がリリースされていないMojaveに対応することを保証した上で発売している。

Windowsを利用する場合には、もちろんWindowsがゲストOSとなる。ゲストOSとして利用可能なのは、基本的には標準的な「PC」にインストール可能なOSだ。Linux系のOSをMac上で利用するためのもっとも手軽な方法としてParallelsを挙げることもできる。しかしほかにも通常のPCにはインストールしにくいOS、例えばAndroidや、普段はホストOSとして動いているmacOSを、仮想マシン上で利用することも可能となっている。

Windows以外のOSで、無償で入手、利用が可能なものは、あらかじめParallelsが用意している専用のサーバーからダウンロードして、やはりワンクリックでインストールが完了するようになっているものが多い。Linuxでは、Ubuntu、Fedora、CentOS、Debian GNUといった各種のディストリビューションが揃っている。これらのOSと、Android 7については、目的のOSをインストール済みの仮想マシンのイメージをダウンロードして、そのまま動作可能となる。そのぶん、処理は迅速だ。

Parallelsがサーバーで提供する無料OSの仮想マシンの種類は、情勢の変化などによって、入れ替わる可能性がある。例えば、以前はChromium OSも用意されていたが、現在ではサーバーから削除されている。とはいえ、サーバーにないOSでも、PC用のインストーラーを用意すれば、空の仮想マシンに手動でインストールして利用できる場合が多いはずだ。

macOSは、もちろん通常のPCにそのままインストール可能なOSではないが、Parallelsは特別にMac用の仮想マシンも用意している。そのため、使用しているMacのハードウェアの条件に依存することなく、新旧のmacOSが利用できることもある。例えば、次期バージョンのMojaveは、2011年以前のMacモデルはサポートしない。今回テストに使用したiMacは2011年製なので、直接Mojaveをインストールすることはできないが、Parallelsの仮想マシン上にはベータ版をインストールできた。

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逆に、現在のMacにはインストールできないSnow Leopard(サーバー版)などを、仮想マシン上で使うことも可能だ。

なおParallelsでは、別パーティションにインストールされているBoot CampのWindowsを、特別な仮想マシンとして登録して利用することも可能だ。その場合には、通常の仮想マシンでは可能な実行のサスペンド(一時停止)、途中経過をスナップショットして保存する機能、仮想マシンを過去の状態に戻すロールバックなどが利用できないという制限はあるものの、それ以外は通常の仮想マシンとほぼ同様に使える。

OSの違いを極力意識させないアプリケーション環境を提供

Parallelsのシームレスという特徴が最大に発揮されるのは、一般のユーザーにとってもっとも重要なアプリ環境においてだろう。簡単に言えば、WindowsアプリをあたかもMacアプリのような感覚で操作し、利用することができる。Parallelsの最大の目的は、Macでは直接動かすことのできないWindowsアプリを利用できるようにすることにあるのだから、これは最も重要な機能と言える。

デフォルトの設定では、仮想マシンの上で動作するWindowsアプリのアイコンが、MacのDockに表示される。それにより、Macのアプリと区別なく起動や切り替えの操作が可能となる。

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Dockに直接登録されていないアプリも、Dockにフォルダーとして登録されるWindowsのアプリフォルダをたどって起動することが可能だ。これはそのアプリを含む仮想マシンが起動していないときでも選択可能で、その際には仮想マシンのWindowsが立ち上がってから、目的のアプリが起動することになる。Macの環境にもよるが、その動作は目を疑うほど速い。

さらにデフォルトでは、MacのアプリがWindows側からも利用できるような設定になっている。さすがにこれはやり過ぎと感じられる場合が多いだろう。不要なら、設定のチェックボックス1つでオフにできる。

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多彩な動作形態

Parallelsでも、仮想マシンを作成した直後は、仮想マシン上のOSのデスクトップが、macOSの1つのウィンドウとなって動作する。仮想化ソフトにとって、もっとも一般的な動作形態だ。

Parallelsには、その形態の特別な場合として、前バージョンから「ピクチャ・イン・ピクチャ」と呼ばれる動作形態も用意されている。これは縮小された仮想マシンのデスクトップが、macOSの小さなウィンドウに表示される形態だ。

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仮想マシンの動作に応じて、リアルタイムで表示が更新されるのはもちろん、やはり縮小表示されるマウスポインターを使った操作も可能だ。キー入力も通常どおり受け付ける。

また「コヒーレント(Coherent)」と呼ばれる動作形態では、仮想マシンのデスクトップではなく、その上で動作する個々のアプリが、それぞれmacOSのウィンドウに表示される。

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シームレスもここまで来ると、もはやどちらのOSのアプリであるかを意識せずに、個々のアプリの操作に没頭できる。

本物のPCを超える仮想PCならでは使い勝手

Parallelsの仮想マシンは、本物のPCの動作をエミュレートしたもので、その上で動作するソフトウェアに、あくまで仮想の動作環境を提供する。それだけに、本物のPCには真似のできないような使い方も可能となる。

もっともわかりやすい例としては、本物のWindowsマシンでは決して撮ることのできないスクリーンショットを、簡単に撮影することができる。例えばWindowsの起動途中や、OSの不具合でクラッシュして、いわゆるブルースクリーンになった状態では、Windowsの機能を使ってスクリーンショットを撮ることはできない。しかし、macOSのウィンドウの中で動き、macOSのウィンドウを画面全体として表示している仮想マシンなら、macOSの機能を使って撮ればいいだけだ。

こうした機能は、一般のユーザーにはさほど有用ではないかもしれない。しかし、Windowsアプリの開発者やデザイナーにとっては、非常に役に立つことがある。プロユーザーを意識した機能はほかにもある。例えば、フルスクリーンモードでは、Windowsのビデオカードのガンマ設定で表示できる。macOSとWindowsの微妙な色の違いも、1台のMacで比較できるのだ。アプリの動作検証では、複数のバージョンのWindows上での細かな挙動の違いなども、1台のMacで観察できる。仮想マシンが接続されたネットワークについても、送受信の帯域幅、パケット損失、遅延など、自由に設定可能で、劣悪なネットワーク環境でのアプリの動作の検証にも使える。

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さらにParallelsのPro版には、Windowsの標準的なアプリ開発環境Visual Studioのプラグインが付属している。そのプラグインを使えば、Parallels上で動作している複数の仮想マシンをまたいだリモートデバッグが可能となる。特にWindowsのアプリ開発者にとっては、Parallelsを、本物のPCを超えた有力な開発ツールととらえることも可能なのだ。

Parallelsは、あくまで仮想マシンでありながら、本物のPCに引けを取らないどころか、場合によって本物を超える速度と使い勝手を実現している。それこそが、究極のシームレスと言える特徴だろう。特に仮想化ソフトにとってもっとも重要な動作速度の向上は、Parallelsのバージョンが更新されるたびに、より高いレベルを引き上げられてきた。

最新版のParallels 14では、プロセッサーの速度を最大2倍にすると言われているAVX-512命令もサポートした。今のところCannon Lakeプロセッサーを搭載するiMac Proでしか有効ではないものの、今年の秋以降に登場するMacでは、サポートも広がるはずだ。それも含めて、Macの能力や用途を拡張するためにできることには労力を惜しまないというParallelsの開発姿勢が、このアプリの最大の魅力なのかもしれない。

このCSSベースのWeb攻撃は、iPhoneをクラッシュ&リスタートさせる

一人のセキュリティー研究者が、あらゆるiPhoneをクラッシュしてリスタートさせる方法を発見した——必要なのはわずかなコードだけだ。

Sabri Haddoucheがツイートしたわずか15行のコードからなる概念実証ウェブページは、そこを訪れたiPhoneまたはiPadをクラッシュして再起動させる。macOSの利用者も、このリンクを開くとSafariがフリーズする。

このコードは、iOSのWebレンダリングエンジンであるWebKitの脆弱性を利用したもので、Apple はこのWebKitをあらゆるアプリやブラウザーで使うことを義務付けている、とHaddoucheはTechCrunchに言った。同氏によると、CSSのbackdrop-filterプロパティーに<div>のようなタグを大量にネスティングすることで、端末のリソースを食い尽くしてカーネルパニックを引き起こすことが可能で、システムはダメージを防ぐために自らシャットダウンして再起動する。

「iOSでHTMLをレンダリングするものは何であれ影響を受ける」と彼は言う。つまり、誰かがFacebookやTwitterにリンクを送ったり、訪れたページにこのコードが入っていたり、誰かがリンクをメールで送ってくれば、被害に遭う可能性があると彼は警告する。

TechCrunchは、最新のiOS 11.4.1でこのコードを試し、iPhoneがクラッシュして再起動することを確認した。セキュリティー会社、MalwarebytesのMacおよびモバイル担当ディレクター、Thomas Reedは、最新のiOS 12ベータでも同じ現象が起きることを確認した。

運がよければ、クラッシュせずにホーム画面がリスタート(リフレッシュ)されるだけのこともある。

興味のある人は、実際にクラッシュを起こすコードを実行することなく、ここでしくみを理解できる。

幸いなことに、このアタックは厄介ではあるものの、悪意あるコードを実行するために利用することはできない。つまり、このアタックを利用してマルウェアが動いたりデータが盗まれることはない。しかし、このアタックを防ぐ簡単な方法は存在しない。罠の仕掛けられたリンクをクリックしたり、そのコードをレンダリングするHTMLメールを開いただけで、あなたのデバイスは即座にクラッシュするかもしれない。

Haddoucheは金曜日(米国時間9/14)にAppleと接触し、現在同社が調査中であると言われた。本誌は広報担当者にコメントを求めたが、すぐに回答はなかった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

書評:Bad Blood――地道な調査報道が暴いたシリコンバレー最大の嘘

シリコンバレーでは毎年千の単位でスタートアップが生まれている。その中で全国で名前を知られた会社になるというのはそれだけで大変なことだ。

指から一滴の血を絞り出すだけで多数の病気が検査できると主張したTheranosはそうした稀有なスタートアップとなり、続いて真っ逆さまに転落した。

Wall Street Journalの記者、ジョン・カレイルーの忍耐強く勇気ある調査報道が起業家、ファウンダーのエリザベス・ホームズとそのスタートアップの実態を暴露した。これによりバイオテクノロジーの新星は、嘘で塗り固められた急上昇の後、あっというまに空中分解した。Theranosはシリコンバレーの歴史上前例のない大規模な詐欺だった。

Bad Bloodは調査報道報道の金字塔だ。Theranosが崩壊し、弁護士たちという盾を失ったことはこの本に大いに役立った。WSJの記事ではカレイルーが匿名にせざるを得なかった多数の取材源が実名で登場することができた。これにより、過去の多数の記事を総合し、完全なストーリーとすることが可能になった。

しかしこの本は決してスリル満点でもなければショッキングな暴露でもない。地道でストレートなジャーナリズムだった。

ひとつにはカレイルーのいかにもWSJ的な「事実を伝える」という態度と文体にあるだろう。登場人物の動機や心理の考察はごくたまに挟まれるだけだ。もちろんこのスタイルはWSJを毎日読む読者には適切だろうが、一冊の本の長さになるとややカリスマ性を欠くともいえる。

エリザベス・ホームズとナンバー2だったラメシュ・”サニー”・バルワニが連邦検事により起訴されたのだから、公判でさらに事実が明らかになってから本にすべきだったという意見もある。しかし私はそうは考えない。というのも詐欺の手口自体は比較的単純なだったからだ。

事件の核心にあるのは投資家も消費者も重大な判断をするにあたって過去の経験や評判を頼りにしがちだという点だ。またTheranosは小さな雪玉が転がっていくうちに大雪崩を引き起こす現象の例でもある。引退した有名なベンチャーキャピタリストがシード資金を提供した。その実績がTheranosを有名にし、他の投資家を呼び込んだ。10年の間にTheranosの取締役会には現国防長官のジェームズ・マティスやヘンリー・キッシンジャーを始め大勢の有名人が集まった。

その中にはNews Corporationを通じてWall Street Journalの所有者でもあったルパート・マードックがいた。この大富豪は1億2500万ドルをTheranosに投資していたことが本の最後で明かされる。マードックはシリコンバレーのあるディナーでホームズにに会った。

ディナーの席上でホームズはマードックのテーブルにやって来て自己紹介し、少しおしゃべりした。 ホームズはマードックに強い印象を与えた。後日マードックは(投資家の)ユリ・ミルナーに話したところ、ホームズを大いに称賛したので印象はさらに強められた。

しかし他の有力ベンチャーキャピタル会社とは異なり、マードックはなんのデューディリジェンス(適正な調査)をしないまま多額の投資を決めた。84歳になるマードックはデータより直感に頼って行動するほうであり、これまではそれでうまく行っていた。

マードックは電話を一回かけただけで1億2500万ドルを投資した。普通の人間には息をのむような額でもMurdochにとってははした金だったようだ。報道によればマードックの資産は170億ドルだという

マードックにとって経験則に従って行動したことは資産の1%以下の損失だった。しかも損金処理によって税金が安くなったはずだ。つまり誤った投資をしたといってさしたる痛手を受けたわけではない。

このあたりがこの本の弱点かもしれない。2008年の金融危機では抵当証券の破綻によって普通の人々が何百万人も家を失ったのに対し、Theranosの詐欺で被害を受けたのは大富豪ばかりだった。

しかしちょっとした手間が愚かな投資を防止できた可能性はある。たとえばLinkedInを少し検索するだけでTheranosでは人員の出入りが異常に激しいことがわかったはずだ。これは企業文化と経営陣になにか根本的な問題があることを示す可能性が高い。質問する気さえあれば答えは手近なところにいくらでも転がっていた。

血液検査を受けた消費者の被害を跡づけるのは投資家、社員の場合以上に難しい。Theranosの詐欺が深刻な被害を及ぼしたのはこうした血液検査を受けた人々のはずだ。Edisonと呼ばれたTheranos独自の機械による検査結果はきわめて信頼性が低く、ときにはあからさまな捏造さえ行われた。カレイルーの著書では
Theranosの検査が死亡率を上昇させたというはっきりした証拠は示されていない。【略】

Bad Bloodは〔映画キリング・フィールドと〕似ている。地味で、スリルを盛り上げようとはしない。しかしそこが優れている点だ。この本はわれわれのシリコンバレーに対するステロタイプにいわば針を刺して血を一滴絞り取る。シリコンバレーの投資家やファウンダーは優れた人々であり愚行とは無縁だという通念だ。もちろんそんなことはない。Theranosはそれを思い出させるためのかっこうのキーワードとなるだろう。

画像: Michael Loccisano / Getty Images

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滑川海彦@Facebook Google+

iPhone SEは後にも先にもアップルの最高傑作だった

2018年のiPhoneの発表会で、私が唯一期待していたのは、新しいiPhone SEだった。それを提示しなかったアップルは、密かにSEを引退させてしまったようだ。それに関して、私は永遠にアップルを恨むこととなった。なぜなら、SEはアップルの最高傑作だったからだ。

もしあなたが、2015年にデビューしたSEを見送った多くの人たちの中の一人だったとしても、それは理解できる。iPhone6sは最新で最高性能で、もちろん、アップルがご親切にも6の新デザインのあらゆる場所に盛り込んだ問題の一部を解決した機種だった。しかし私には、SEが最高にピッタリ来ていた。

私は、4からのiPhoneのデザインを大変に気に入っていた。発表前にバーに置き忘れられてGizmodeにリークされてしまった事件で、記憶している人も多いだろう。あれは残念だった。なぜなら、今ではアップルはすべての機種で豪華な発表会を開いているが、あの機種だけが、それに相応しい製品だったからだ。

4は、完全に新しい工業デザインの美を確立していた。一目でそれとわかり、非常に実用的だった。オリジナルのiPhoneのステンレス製の背面と、ジェリビーンのような3Gも3GSにあった滑らかで丸いエッジも消えた(初代iPhoneはおそらくアップルが作った2番目に優れた機種だった)。

柔らかい曲線はカチッとした線と妥協のない形状に置き換わった。周囲を金属のベルトが取り囲み、ほんのわずかな段差でガラスの面と接している。それが、画面とベゼルを覆う黒いガラス面との境界を明確にして、どの角度から見ても光沢のある輪郭が浮かび上がるようになっている。

カメラはフラットになり、ホームボタン(お懐かしい)も、本体に埋め込まれる形で、少しだけ凹んだほぼフラットな形になり、本体の両面は完全に平らになった。それに対して、サイドボタンはしっかりと出っ張っている。音量ボタンは、よく目立つ丸い形となり、ミュートスイッチは、簡単に見つけられるが、誤って切り替えてしまう心配がない。電源ボタンは、人差指で楽に操作できる位置にある。これらの機能は、使い勝手の良さをダイレクトに示している。物事を、より簡単に、よりよく、より扱いやすくしながら、ひとつのオブジェクトとしての魅力的で一貫性のあるデザインに仕上がっている。

iPhone 4と比較すると、サムスンの「iPhoneキラー」と呼ばれる新しいGalaxy Sを含む他のすべてのスマートフォンは、プラスティックを多様した安っぽさが目立ち、デザインに一貫性がなく、よくてウォークマン程度の感じだ。私は、単なるアップルファンとして話しているのではない。その当時、私はiPhoneユーザーではなかったのだ。大好きだったG1を、今でも使っていたかも知れない。それは美女と野獣の物語だ。

5のデザインには、その縦長の画面に違和感を持ちつつも、なんとか使い続けることができたほど強力だった。そしてその世代から、裏面の残念な傾向、つまり割れやすいという問題が軽減された。

しかし、ツートーンのグレーのiPhone 5sには、基本的にもう改良の余地がなかった。その4年後、アップルは、そろそろ変化を加える時期だと感じたのだろう。ところが残念なことに、アップルが行なったのは、あらゆる個性を排除することだった。追加されたのは、画面の面積だけだ。

6は、私にとっては、単に醜い機種だった。当時のAndroidのスマートフォンを思わせる、どうしようもない退屈なものだ。Androidよりは少し高性能というだけで、あとは同じだ。6sも同様に醜かった。そして7から8にかけては、デザインに個性として残っていた部分まで削り落とされてしまった。実用性のためにとカメラの出っ張りがどんどん大きくなるという先祖返りが起こり、ヘッドホンジャックも消えてしまった。Xは、少なくとも、ちょっとだけ個性的だ。

最近の話に戻るならば、それは6sの後の、アップルがSEを発表したときのことだ。SEは「スペシャル・エディション」の意味であり、Macintosh SEへのオマージュでもあった。しかし皮肉なことに、その最初のSEは「システム・エクスパンション」(システム拡張)という意味だったのだが、新しいほうのSEはその逆だ。基本的に、iPhone 6sを5sのボディーに詰め込み、カメラとタッチIDセンサーとプロセッサーを改良したものだ。たぶんこれは、デザインが大きく変更されて、びっくりするほど大きくなった最新機種への乗り換えを躊躇している人たちへの救済措置だ。

初期のアップル製品を買ったことがなく、斬新さよりも使いやすさを求める人たちを改宗させるには時間がかかる。アップルのそうした事情は理解できる。だから、その難しい乗り換えを、少しだけ楽にする方法を与えたというわけだ。

SEは、懐古趣味的な、新しいものが嫌いな人たちだけでなく、小さなスマートフォンが欲しかった人にもアピールした。私の手は、とくに大きくも小さくもないが、このポケットに入れやすいサイズは気に入った。また、新しいものに安定したデザインを取り込んだことでは、多くの点で好感を持った。

傷つかないようにカメラをフラットにしたか? マル。普通に押せるホームボタンか? マル。フラットで左右対称のデザインか? マル。握りやすいエッジがあるか? マル。専用ケースが大量に存在するか? マル。私は長い間、これを使ってこなかったが、SEは最高の機種だ。

その当時、iPhone SEは、アップル製品の中でも大変にコンパクトで見栄えのよいものだった。機能面でも、ほとんど妥協がなかった。ひとつだけ注文をつけるなら、サイズだ。ただ、それは好みの問題だったが(今でもそうだ)。

それは、アップルがデザインした最高の作品だった。それまでに開発されたなかで最高の技術が詰め込まれていた。それまでに作られた中で、最高のスマートフォンだった。

敢えて言うあら、それ以降も含めて、あれは最高のスマートフォンだった。6以来、アップルは、ユーザーの気を引こうと、漂い、さまよっているように私には見える。それは、ずっと昔の2010年に、iPhone 4のデザインとグラフィック性能で人を惹きつけたのと同じ方法だ。アップルは、最先端になるまでデザインに磨きをかけた。しかし、また一歩先にジャンプするだろうというみんなの期待をとは裏腹に、アップルはジャンプせず、爪先立ちになってしまった。金のガチョウを動揺させたくなかったのだろう。

SEは、超えられないデザインの背中に乗って、勝利の最終ラップをアップルに走らせた機種だったと私は思う。認めたくない気持ちはわかる。この長い年月の間、1000ドルもする旗艦機種ではなく、10年近く前に作られた機種を欲しがる人はいなかった。その旗艦に関してと、どうしても言っておきたいのは、外観のデザインに妥協があるだけでなく(できるなら私はノッチ付きのスマートフォンは持ちたくない)、タッチIDや3.5ミリのヘッドホンジャックなど、多くの人が愛用している実用的な機能において時代を逆行している点だ。他の機種でも、この「ユーザー・アンフレンドリー」な対応がなされている。

だから、私はアップルに失望したけれども、意外には思わなかった。結局、私はもう何年も失望し続けているのだ。それでも私は、SEを持ち続けている。使える限り、使っていこうと考えている。なぜなら、これはアップルの最高傑作だからだ。そして、今でも最高のスマートフォンだからだ。

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(翻訳:金井哲夫)

Twitter、フォローアカウントのライブ配信をタイムライントップに表示

Twitterでは今後、フォローするアカウントのライブ配信やブロードキャストがユーザーのタイムライントップに表示されるようになる。フォローするアカウントが今何をしているのかをリアルタイムにわかるようにするのが目的だ。

この機能にはニュース速報やパーソナリティ、スポーツが含まれるとTwitterはツイートしている。

新機能は今週、iOSとAndroidアプリでアップデートされる。また現在、音声のみのブロードキャストもサポートしている、としている。これはTwitterの姉妹サービスPeriscopeでも使える。

Twitterは先月、iOS 9以下のアプリのサポートを終了した。Appleのデータによると、iPhone、iPadユーザーの5%ほどがまだそのバージョンを使っている。

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(翻訳:Mizoguchi)

SpaceXが月の周回旅行に一般人を送り出す計画を発表

Elon Muskの会社からの風変わりなニュースが途絶えて久しい、だがSpaceX がその空隙を埋めてくれた。新しく再デザインされたBFR(Big Falcon Rocket)宇宙船と、もうすぐ名前が発表される乗客を乗せて月の周回飛行を行うことを発表したのだ ―― 一体いつ、実際のエンジニアリングと製作にとりかかれるのかはともかく。

木曜日の夕方のツイートで、SpaceX(明らかにMuskだった)は、「BFR打上げロケットで月の周りを飛行する、世界初のプライベート乗客がサインした」と発表した。

ツイートに添付されたのは、BFR自身のイメージ(上図)で、最後に発表されたものから大きく変わった。かつてはこのような外見だったが:

それが今や、このようなものになった:

旧バージョンもツートーンカラーだった。ISSのある方の図を注意深く見れば分かるが、黒い部分は耐熱性サーフェスである可能性が高い。しかし、今回の新しいものは、翼が大きく伸ばされ上部にも付け加えられたことにより、スペースシャトルをより思い起こさせるものだ。おそらく、クールでスッキリとした2枚翼スタイルは、単純に実用的ではないことが分かったのだろう。大気中での安定飛行のためにはおそらく上部の翼が必要だったのだ。また何らかのフロントスタビライザーに見えるものもある。

エンジンクラスターも異なっている。オリジナルのデザインでは4つのRaptorエンジンを正方形に配置し、2つの小さな「海面レベル」エンジンが着陸のために他のエンジンの間に配置されていた。この新しい図では、7つのRaptorが蜂の巣状(6角形)に配置されている。その理由に関しては想像するしかないが:エンジンが何らかの理由で少しスケールダウンされたか、あるいは7つのスラスター構成の方が、不具合に対してより堅牢であると判断されたのかもしれない。

これは基本的にすべてコンセプト上の仕事なので、これがどれくらい現実的で、どれくらいまでが幻想であるかを言うことは難しい。宇宙船の製造が、まだほんの初期であることを思えば、このような大きな変更が行われたとしても不思議はない。

Twitterのあるコメントは、こうしたものに対して「Tintin的だ(Tintin-esque)」と書いている。紛れもなくそれは、愛されるコミックである”Destination Moon”と”Explorers on the Moon”の中に出てくる、ベルギーのヒーローが搭乗したロケットのことを言っている。

Muskは「意図的にそうしているのさ(“Intentionally so”)」と回答はしたものの、実際の類似点はほとんどない。おそらく、彼は個人による月旅行という概念全体を意味していたのかもしれない。とにかく、Muskは明らかにその漫画のファンであり、何にせよTintinへの言及は彼にとって好ましいものなのだ。

コックピットの後ろの窓は3列から6列に増えているが、これはSpaceXが計画している宇宙船のシートを拡張したことを示唆している。これは乗客に関連する発表の性質に見合うものだ。

そのことについてだが…最初の月周回ツーリストは(米国時間)月曜日の夜のイベントで発表される予定だ。それは誰だろう?おそらく億万長者だ。しかし残念ながら、彼らは長い期間待つことになるだろう。BFRが実際に運用される頃には、宇宙旅行(月周遊はないかもしれないが)はもう何年も続いていることだろう。だから、この勇敢な非常に裕福な人物が、私たちの月へ初めて旅行するときには、それが彼にとってカーマンラインを超える初めての旅というわけではないと思われる。

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(翻訳:sako)

Appleの新しいiPhoneの中では業界初の7nmチップが動いている

Appleは予想通り今日(米国時間9/11)、最新世代のiPhoneを発表した。そしてそれとともに、その新しいチップA12 Bionicを発表した。

A12 Bionicが独特なのは、7nmプロセスで作られていることだ。チップの仕様や性能を表す測度はメーカーによってまちまちだから、単純な比較はできないが、7nmが最先端の技術であることは確かだ。Appleは、業界初の7nmチップ、と主張している。それには、計69億6000万のトランジスタが載っている。

more iPhone Event 2018 coverage

Appleの全世界マーケティング担当SVP Phil Schillerはこう言う: “チームがやったことはまったく本当のブレークスルーだ。A12 Bionicは業界初の7nmチップだ”。

A12 BionicはAppleが設計したチップで、6コアのCPUと4コアのGPU,そして機械学習のワークロードを動かすためのApple独自のNeural Engineを積んでいる。高性能コアのパフォーマンスは前よりも15%早くなり消費電力は40%減った。また効率性コアでは最大50%の省エネを実現した。

GPUも、前より50%速くなった。モバイルのゲーマーたちよ、喜べ。

Neural Engineは今や8コアのシステムで、スピードが上がっただけでなく新たな機能が加わった。Schillerによるとチップは機械学習のワークロードの性質を見極め、それをGPU, CPUあるいはNeural Engineのどれにやらせるかを決める。

トータルでは、A12 BionicのNeural Engineは毎秒5兆の演算ができる。A11では6000億だった。ただしそれがどういう演算なのかAppleは詳細を言わないので、いまいち腑に落ちない。いずれにしても、相当速いチップであることは、確かなようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

VCと起業家の合宿プログラム「Incubate Camp」:ピッチ最優秀賞はD2CファッションブランドのIMCF

国内の有力VCと起業家による1泊2日の合宿型アクセラレーションプログラム「Incubate Camp」が、9月14日と15日の2日間で開催された。同プログラムは今年で11年目の開催だ。運営元のIncubate Fundは日本のスタートアップ投資業界を長らく支えてきた存在で、1999年の設立以来、GameWith、サイボウズ、gumiなど今や上場企業となったスタートアップを輩出してきた。

Incubate Campの特徴は、複数のVCファンドから招待されたキャピタリストが「メンター」となり、起業家と二人三脚で事業計画をさらに練り込んでいくという点だ。

メンターとなるベンチャーキャピタリストは、起業家による初日のプレゼンテーションと1対1のメンタリングを経て、合宿終了までタッグを組むことになる起業家を選出する。選出はドラフト方式だ。その後、メンターと起業家の両名は夜通し会話を重ね、2日目の最終プレゼンに備えるというシステムだ。この記事では、その最終プレゼンで最優秀賞を獲得したスタートアップを紹介しよう。

合計16社が参加したIncubate Camp 11thのピッチイベントで優勝したのは、D2Cモデルのファッションブランドを複数展開するIMCFだった。

写真左より、IMCF代表取締役の吉武正道氏と、メンターを務めた伊藤忠テクノロジーベンチャーズの河野純一郎氏

IMCFは日本発のグローバルファッションブランドを創出することを目指すD2C型ファッションブランドだ。従来はファッションデザイナー自身が行っていた販促やセールスなどのビジネス業務をデザイナーから切り離し、それを自社で引き受ける。そうすることでデザイナーは本来のやるべき「デザイン」に集中でき、結果的に複数ブランドを素早く立ち上げることを可能にしているという。

IMCFはこれまでに3つのファッションブランドを立ち上げ、そのすべてが単月黒字化している。代表取締役の吉武正道氏は「どんなデザイナーでも、最低限のマネタイズを実現することはできる」と話す。現在はファッションデザイナーとの相性がよいInstagramを中心にマーケティング実施。2018年4月には6000万円の資金調達も実施している

IMCF以下、2位は採用管理システムのHERP、3位は遠隔医療のAMI、4位は同点で在留外国人向け不動産プラットフォームの東京ハースと、睡眠データによる組織改善サービスのO:(オー)だった。また、前日のプレゼンからの“伸び幅”が一番大きかった起業家に贈られる「ベストグロース賞」を受賞したのは、サロン型ファッションブランドのモデラートだった。

Incubate Campに参加した全16社については、近日公開予定の記事で紹介する予定だ。

VCたちはどれだけ稼いでいるか

ベンチャーキャピタルは不透明な業界と思われているので、われわれの多くが、平均的なVCの年収などを知らなくても当然だ。

しかし、ベンチャー企業の報酬に関するJ. Thelander Consultingの調査報告書を見ると、やはりVCたちは大金を稼いでいる。

では、どれだけ? そう、VCたち204名のうち(男172女32)、平均的なゼネラルパートナー(GP)の今年の予想年収は63万4000ドルだ。この中には2017年の業績に対するボーナスも含まれる。

VC企業の規模によって、平均年収に差がある。たとえば運用資産残高(AUM)が2億5000万ドル未満のVC企業のVCたちは、それより大きなVC企業のVCよりも年収が低い。

[VCたちの2018年平均総報酬]

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VC企業でランクのトップにいるGPたちは、報酬パッケージも最大だ。彼らの年額ボーナスの平均は、アソシエイトパートナーやエントリーレベルの投資家たちの平均基本給より大きい。

この調査は、Sequoias, NEAs, Kleiner Perkinsといった、AUM 数十億ドルクラスの世界的VC企業を調べていない。しかし上の結果を外挿すれば、彼らはもっと稼いでいるだろう。

注記: 実際の年収は、上記にVC企業の運用益の分け前、いわゆるcarried interestを加えた額である。

〔訳注: VCといえば個人のVC、VC firmといえばVC企業のこと。〕

[あるミーティングでVCたちの真実を垣間見た](未訳)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

HTTPSの証明書を無料で発行するLet’s Encryptが三歳の誕生日、これまで380Mの証明書を発行

お誕生日おめでとう, Let’s Encrypt!

この無料で利用できる非営利団体は2014年に、Electronic Frontier Foundation(EFF)の主唱で創設され、Akamai, Google, Facebook, Mozillaなどの大手テクノロジー企業/団体が支援してきた。3年前の9月14日に、同団体は最初の証明書を発行した。

その後、その数は爆発的に増え、今日までに1億2900万のユニークなドメインで3億8000万あまりの証明書が発行された。それにより同団体は、世界最大の証明書発行者になった。

たとえば今や、Let’s Encryptなどが公開しているデータによれば、Firefoxのすべてのトラフィックの75%がHTTPSだ。Let’s Encryptが創設されたころは、HTTPSで暗号化されている接続の上でサーブされロードされるWebサイトのページはわずかに38%だった。

同団体のスポークスパーソンによれば、“〔HTTPSは〕信じがたいほど速くそして大きく成長してきた。それはLet’s Encryptだけの功績ではないが、うちが刺激になったことは確かだ”。

HTTPSは、Webのパイプを安全に保つ。ブラウザーがグリーンでライトアップしたり、鍵のマークが表示されるときは、あなたのコンピューターとWebサイトの接続がTLSで暗号化されている。誰もそのデータを横取りしたり、Webサイトを書き換えたりできない。

しかしそれまでは、証明の市場は破綻していて、高価で使いづらかった。そして、EFFなどによる“Web暗号化”努力の結果、Let’s Encryptによる無料のTLS証明が大衆化した。

それによりブロガーや、シングルページのWebサイトやスタートアップなどが、インストールしやすい証明書を無料で入手できるようになった。本誌TechCrunchのHTTPS接続も、Let’s Encryptを利用して安全な接続を確保している。セキュリティのエキスパートで暗号化の普及運動家であるScott HelmeとTroy Huntは先月、上位100万のWebサイトのトラフィックの半分以上が、HTTPSであることを確認した。

Let’s Encryptは、その成長とともに、AppleやGoogle、Microsoft、Oracleなどの大手インターネット企業からも、証明書発行者として信頼されるようになった

Web全体が暗号化されるのは、まだ遠い先の話だ。しかしLet’s Encryptが毎日発行する証明書は100万近くに達しているので、それも実現可能になってきたと言える。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

スタートアップは国際投資をいかに確保できるか

【編集部注】Jose DeustuaはペルーのアクセラレーターUTEC Venturesのマネージングディレクター。UTEC Venturesはペルー最大の投資イベントPeru Venture Capital Conferenceを開催している。

中南米でスタートアップが資金を調達するのは、砂漠のど真ん中で水飲み場を探すようなものだ。どこかにあるはずだ、というのは分かっているが、タイミングよく見つけるのは死活問題だ。

そうした状況であっても、この地域におけるベンチャーキャピタル投資はこれまでになく活発になっている。Andreessen HorowitzやSequoia Capital、そしてAccel Partnersなど主要各社がコロンビア、ブラジル、メキシコといったマーケットで創業への投資を行なっている。しかし同時に、スタートアップ創業者たちは彼らの周りで起こっている巨額投資のニュースにじれったい思いでいるかもしれない。というのもスタートアップ創業者のほとんどが投資ステージに近づくのだが、往々にしてそれは蜃気楼以外の何物でもないと認識する。

これは中南米だけの問題ではないだろう。世界中どこでもスタートアップは投資家探しに苦労している。ベンチャーキャピタルは次のユニコーンを探し出そうと果てしない追求を続け、これまでより少ない案件により多くの資金をつぎ込んでいる。米国欧州においてベンチャーキャピタルの案件数は減少していて、確立されたエコシステムに身を置く起業家ですら、ビジネスを展開するための材料を探そうと遠くに目を向け、起業家の多くは中南米などの新興マーケットに向かっている。

スタートアップ創業者が新興マーケットの人間であれ、外国人であれ、幸いにも会社を大きくするために必要な投資を海外から探し出す方策はある。以下、我々がペルーで展開しているUTEC Venturesアクセラレータープログラムに参加しているスタートアップに勧めていることを紹介しよう。これはあなたにも勧めたいことだ。

シード期の資金調達はまずローカルで

新興マーケットのスタートアップとして、ローカルからの投資を見つけ出すのは簡単なことではない。事実、だからこそまず海外からの投資をあたるのだろう。しかし、手始めにローカルからのシード投資を探すというのは、その後に控える海外からの投資確保にまず必要なことだ。

たとえば、ペルーでは昨年、スタートアップにシード資金として720万ドルが投じられた。そのうち100万ドルが海外ファンドからのものだった。これは、新興マーケットに関心のある海外投資家は、シードラウンドにおいてはそれほど活発ではなく、企業がそれなりの価値を示してからのラウンドに関心を持っていることを示している。

海外投資家の関心を集めたければ国際的なスタートアップであるべき

そのため、我々は全てのスタートアップにシード期における1回目、2回目の資金調達はペルーで行い、その後海外からの投資を模索するようアドバイスしている。これは他の新興マーケットにおいても言えることだ。

最初のラウンドで資金を調達するために最も重要なことは、確固としたチームを有していること、そして客を引きつけ、また地元の競争相手より優れたビジネスアイデアを持っていることを示すことだ。これらを満たせば、ローカルでシード資金を調達するのはそう難しいことではないだろう。ローカルのエンジェル投資グループとネットワーキングをする時や投資イベントの時に必要なのは、良い売り込み資料といくらかの忍耐力だ。

さらに大きく競争の激しいマーケットで成功するためには

もし海外の投資家をひきつけたいのなら、国際的なスタートアップでなければならない。言い換えると、国際的な投資機関のトップに向き合う前に、より大きく競争の激しいマーケットでプロダクトを売ることができると示す必要がある。ペルーと中南米における新興マーケットのスタートアップにとって、これは中南米で最も発展しているメキシコ、ブラジル、アルゼンチンのマーケットに進出することを意味する。

例として、コロンビアの配達サービスRappiを挙げる。Andreessen Horowitzが主導した、初の大きな国際投資で2016年初めに資金を調達したのち、Rappiはメキシコへと事業を拡大した。その1カ月後にシリーズBラウンドを実施。今年初めには、ドイツの食料配達会社主導のラウンドを実施し、そこにはたくさんの米国投資家も加わって1億3000万ドルを調達した。

同じことが、中南米以外の新興マーケットでもいえる。ベンチャーキャピタル投資で西欧諸国に遅れをとっている東欧では、多くの起業家が自国で商売を成功させるとすぐさま西欧に進出し、ビジネスを最初から立ち上げたりそこで拡大させたりする。成熟したマーケットからの資金調達をしたいと考えているなら、そうしたマーケット、少なくとも同規模のマーケットに拠点を置くべきというのはこれで明らかだろう。すなわち、国際投資を模索する際に最初にフォーカスすべきは、現地マーケットでローカル企業になることだ。それから、成熟したマーケットー米国やメキシコ、西欧または別のところーでそれまでに収めた成功を再現させればいい。

国際投資の全てが国際VCによるものとは限らない

国際ベンチャーキャピタルから目がくらむような投資を確保するというのに注意がいきがちだが、思いのままに国際投資を確保するには他にもたくさんの方法がある。

新興マーケットの政府は、経済成長のエンジンとなる自国のスタートアップエコシステムを活性化させるようなプログラムを急激に増やしている。国内でビジネスを立ち上げると決めた起業家に対しエクイティフリーの資金を提供するという形でサポートするなど、政府による多くのプログラムが展開されるようになっている。

中南米のような新興マーケットでは大企業による投資が重要

中南米だけでも例はたくさんある。たとえば、Start-Up Chileはチリから世界に進出するようなビジネスを立ち上げようとする起業家に最大8万ドルを提供する。プエルトリコのParallel18は同様の趣旨で7万5000ドルをあてる。ペルー政府も、スタートアップがペルーでソフトローンチするのを最大4万ドルの提供でサポートするプログラムを、きたるPeru Venture Capital Conferenceで発表する計画だ。

他にも手段はある。中南米のような多くの新興マーケットでは、コーポレートキャピタル、または大企業のスタートアップ投資が非常に大きな役割を果たす。事実、米国のテック大企業Qualcommの投資部隊、Qualcomm Venturesは中南米において最も活発なグローバル企業投資家となっている。 NaspersやAmerican Express Ventures、他企業のファンドもこの地域のスタートアップに盛んに関心を寄せている。

外国政府によるサポートの増加、そしてグローバル展開する大企業の関心も併せて、国際投資を確保することは実際に可能であり、あなたが思うほど難しいことではない。国際ベンチャーキャピタルから資金を調達するにはいくつかオプションがあるが、これから打って出ようとしているマーケットでどういう選択肢があるのか、時間をかけて検討した方がいい。

だから、新興マーケットでローカルの起業家なのかそれとも外国人の起業家なのかに関係なく、国際投資を模索しない手はない。鍵となるのは、グローバル視点で考えることと、直面している問題の解決にテクノロジーを使うことだ。その上で、まずは自国でそれなりの成果を出し、それを今度はさらに大きなマーケットで再現させる。一歩踏み出すと打開するための手段がある。それをうまくつかめれば、投資の井戸は結局枯渇しているわけではなかった、ということに気づくだろう。

イメージクレジット: Loskutnikov / Shutterstock

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(翻訳:Mizoguchi)